説明

基板検査方法

【課題】本発明は複数の投影部を通して測定対象物が形成された基板を検査する検査方法を提供する。
【解決手段】本発明の基板検査方法によると、複数の投影部を通して測定対象物が形成された基板にパターン照明を順に照射して基板に対する投影部別位相データを取得し、取得された投影部別位相データを用いて基板に対する投影部別高さデータを抽出する。複数の投影部のうち信頼度が最もよい投影部を基準投影部で設定し、基準投影部の高さデータを基準にして残り投影部の高さデータを整列させる。整列された高さデータを用いて統合高さデータを抽出する。このように、信頼度が最も高い投影部を基準として残りの投影部の高さを整列させることで、統合高さデータの信頼性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板検査方法に関し、より詳しくは基板に実装された実装部品の実装状態を検査する検査工程の信頼性を向上させるための検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子部品が実装された基板の信頼性を検証するために、電子部品の実装前後に基板の製造が適切に行われたかを検査する必要がある。例えば、電子部品を基板に実装する前、基板のパッド領域にはんだが適切に塗布されているかを検査するか、電子部品を基板に実装した後電子部品が適切に実装されているかを検査する必要がある。
【0003】
最近、基板の3次元形状の精密な測定のために、照明源及び格子素子を含み、測定対象物にパターン照明を照射する複数の投影部と、パターン照明の照射を通して測定対象物の画像を撮影するカメラを含む3次元測定検査装置を用いて測定対象物の3次元形状を測定する技術が使用されつつある。
【0004】
測定対象物の3次元形状を測定するためには、測定対象物の高さデータを求めなければならないが、測定対象物の高さは基板の底領域を基準にして算出される。しかし、基板の底領域にはノイズ成分が複数存在して信頼性のある高さデータを算出するのが困難である。また、測定対象物が密に形成されていて底領域のデータ量が少なかったり、影領域に起因して底領域のデータ量が不足したりする問題がある。特に、測定対象物が所定の高さを有する電子部品である場合、電子部位による影が生じて信頼性のある底領域のデータ量がさらに不足し、これにより、測定対象物の高さ算出の信頼性を低下させるという問題が生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、複数の投影部から取得された複数の高さデータで底領域のデータ量が不足しても測定対象領域のデータを共に用いて高さデータを整列させることにより、統合高さデータの信頼性を向上させることのできる基板検査方法を提供する。
【0006】
また、本発明は複数の投影部から取得された複数の高さデータを統合して測定対象物の統合高さデータを算出することにより統合高さデータの信頼性を向上させることのできる基板検査方法を提供する。
【0007】
また、本発明は投影部別高さデータを整列させるにおいて、信頼度の最も高い投影部を基準にして残り投影部の高さデータを整列させることにより、統合高さデータの信頼性をさらに向上させることのできる基板検査方法を提供する。
【0008】
また、本発明は基板の底領域と測定対象領域のうち高さ変化が相対的に少ない領域を基準にして投影部別高さデータを整列させることで、統合高さデータの信頼性をより向上させることのできる基板検査方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一特徴による基板検査方法は、複数の投影部を通して測定対象物が形成された基板にパターン照明を順に照射して前記基板に対する投影部別位相データを取得し、前記投影部別位相データを用いて前記基板に対する投影部別高さデータを抽出し、前記複数の投影部のうち信頼度が最もよい投影部を基準投影部に設定し、前記基準投影部の高さデータを基準として残りの投影部高さデータを整列させ、前記整列された高さデータを用いて統合高さデータを抽出すること、を含む。
【0010】
前記基準投影部の設定は、高さ、信号対雑音比SNR、振幅(Amplitude)、平均明るさを媒介変数とするビジビリティ及びグレー(gray)情報のうち少なくとも一つによって信頼度を評価して行われる。
【0011】
前記高さデータを整列させることは、前記基準投影部の高さデータを基準にして前記残り投影部の高さデータに対する高さ偏差を引く、前記残り投影部の高さデータそれぞれに対して前記高さ偏差を抜くこと、を含む。
【0012】
前記高さ偏差を求めることは、前記測定対象物の上面領域及び前記基板の底領域のうち少なくとも一つの領域を基準にして前記高さ偏差を求めることを含んでもよい。
【0013】
前記投影部別高さデータを抽出する前に、前記基板で測定対象物が形成された測定対象領域と底領域とを区分し、
前記投影部それぞれに対して前記底領域における頻度数が最も高い位相データを代表底位相に設定し、前記投影部それぞれに対して前記代表底位相が0になるように前記投影部別位相データをシフトさせること、をさらに含んでいてもよい。
【0014】
本発明の他の特徴による基板検査方法は、複数の投影部を通して測定対象物が形成された基板にパターン照明を順に照射して前記基板に対する投影部別位相データを取得し、前記投影部別位相データを用いて前記基板に対する投影部別高さデータを抽出し、前記複数の投影部のうち信頼度が最もよい投影部を基準投影部に設定し、前記測定対象物の上面領域を基準として前記基準投影部の高さデータに対して残り投影部の高さデータを整列させ、前記測定対象物の上面領域を基準として整列された高さデータを用いて統合データを抽出すること、を含む。
【0015】
前記基準投影部を設定することは、高さ、信号対雑音比、振幅、平均明るさを媒介変数とするビジビリティ、及びグレー情報のうち少なくとも一つによって信頼度を評価することを含んでもよい。
【0016】
前記投影部別高さデータを抽出する前に、前記基板で測定対象物が形成された測定対象領域と底領域とを区分し、前記投影部それぞれに対して前記底領域における頻度数が最も高い位相データを代表底位相に設定し、前記投影部それぞれに対して前記代表底位相が0になるように前記投影部別位相データをシフトさせること、をさらに含んでいてもよい。
【0017】
統合高さデータを抽出することは、前記基板の底領域を基準として前記投影部別高さデータを再整列させることをさらに含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0018】
このような基板検査方法によると、複数の投影部から取得された複数の高さデータを統合して測定対象物の統合高さデータを算出することで、統合高さデータの信頼性を向上させることができる。
【0019】
また、複数の測定対象物が隣接配置されて底領域が十分でない場時にも、測定対象領域のデータを共に使用して整列することで、統合高さデータの信頼性を向上させることができる。
【0020】
また、複数の投影部で測定されたデータでノイズデータに起因して底領域のデータが少ない時にも、測定対象領域のデータを共に使用して整列することで、統合高さデータの信頼性を向上させることができる。
【0021】
また、影領域のように測定不可能な領域によって信頼できる底領域のデータが少ないときにも、測定対象物領域のデータを共に使用して整列することで、統合高さデータの信頼性を向上させることができる。
【0022】
また、複数の投影部から測定された測定データを整列させる場合、投影部別高さデータを用いて整列させることで、基板の全体領域を整列の基準領域として活用することができ、底領域の位相データのみを用いる場合に比べて統計的に使用されるデータ量を増加させることができ、これによって投影部別位相データ或いは高さデータ整列の信頼性を向上させることができる。
【0023】
また、投影部別高さデータを整列させる場合、信頼度の最も高い投影部を基準にして残り投影部の高さデータを整列させることで、統合高さデータの信頼性を向上させることができる。
【0024】
また、底領域に比べて高さ変化が相対的に少ない測定対象物の上面領域を基準にして投影部別高さデータを整列させることによって、統合高さデータの信頼性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態による基板検査装置を概略的に示す図面である。
【図2】本発明の一実施形態による基板の検査方法を示すフローチャートである。
【図3】測定対象物が形成された基板の断面を示す断面図である。
【図4】投影部別高さデータを示す図面である。
【図5】投影部別高さデータを整列させた状態を示す図面である。
【図6】本発明の一実施形態による基板の統合高さデータを算出する過程を示す図面である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することできる。ここでは、特定の実施形態を図面に例示し本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。
【0027】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するのに使用されることがあるが、前記構成要素は前記用語によって限定解釈されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみとして使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れることなく第1構成要素を第2構成要素ということができ、同様に第2構成要素も第1構成要素ということができる。
【0028】
本出願において使用した用語は単なる特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に示さない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味し、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないこととして理解されるべきである。
【0029】
特別に定義しない限り、技術的、科学的用語を含んでここで使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。
【0030】
一般的に使用される辞書に定義されている用語と同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、過度に形式的な意味に解釈されない。
【0031】
以下、図面を参照して本発明の好適な一実施形態をより詳細に説明する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態による基板検査装置を概略的に示す図面である。
【0033】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による基板検査装置100は測定対象物が形成された基板150を支持及び移送させるためのステージ140、基板150にパターン照明を照射するための複数の投影部110及び基板150のイメージを撮影するカメラ130を含む。また、基板検査装置100はステージ140に隣接して設置され投影部110と別に基板150に照明を照射する照明部120をさらに含んでいてもよい。
【0034】
投影部110は基板150に形成された測定対象物の3次元形状を測定するためにパターン照明を基板150に照射する。例えば、投影部110は光を発生させる光源112、光源112からの光をパターン照明に変換させるための格子素子114、格子素子114をピッチ移送させるための格子移送器具116、及び格子素子114によって変換されたパターン照明を測定対象物に投影するための投影レンズ118を含む。格子素子114はパターン照明の位相遷移のために圧電アクチュエータ(PZT)などの格子位相器具116によって2π/Nずつ移送される。ここで、Nは2以上の自然数である。このような構成を有する投影部110は検査精度を高めるためにカメラ130を中心に円周方向に沿って一定の角度で離隔するように設置される。複数の投影部110は基板150に対して一定の角度で傾いて設置され、複数の方向から基板150にパターン照明を照射する。
【0035】
照明部120は円形リング形状に形成されステージ140に隣接して設置される。照明部120は基板150の最初の配列または検査領域設定などのために照明を基板150に照射する。例えば、照明部120は白色光を発生させる蛍光ランプを含むか、または、赤色光、緑色光及び青色光をそれぞれ発生させる赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードを含んでいてもよい。
【0036】
カメラ130は投影部110のパターン照明の照射を通して基板150のイメージを撮影し、照明部120の照明の照射を通して基板150のイメージを撮影する。例えば、カメラ130は基板150から垂直した上部に設置される。カメラ130はイメージ撮影のためにCCDカメラまたはCMOSカメラを含んでいてもよい。
【0037】
このような構成を有する基板検査装置100は投影部110または照明部120を用いて基板150に光を照射し、カメラ130を通して基板150のイメージを撮影することによって、基板150の3次元的イメージ及び2次元的イメージを測定する。
【0038】
一方、複数の投影部110を使用する場合、投影部110の位置及び特性の偏差に起因して投影部別に測定された位相データ及び高さデータなどの測定データが互いに異なることがあるので、測定対象物が形成された基板150の統合高さデータを求めるためには投影部別測定データを整列させる必要がある。
【0039】
図2は本発明の一実施形態による基板の検査方法を示す流れ図であり、図3は測定対象物が形成された基板の平面図及び断面図である。
【0040】
図1、図2及び図3を参照すると、測定対象物152が形成された基板150の統合データを抽出するために、まず、複数の投影部110を通して複数の方向から測定152が形成された基板150にパターン照明を順に照射して基板150に対する投影部別位相データを取得する(S110)。例えば、測定対象物152は所定高さを有する電子部品であってもよい。
【0041】
具体的には、複数の投影部110が基板150に向かって順にパターン照明を照射すると、カメラ130は順に投影部別イメージを撮影し、これにより投影部別位相データを取得する。この際、基板検査装置100は位相遷移モアレ方式によって投影部別位相データを取得することができる。例えば、それぞれの投影部110を通して各方向から位相遷移されたパターン照明をN回にかけて基板150に照射し、各照射の際毎にカメラ130を通して基板150のイメージを撮影した後、撮影された複数のイメージに対してN−バケットアルゴリズム(bucket algorithm)を適用して前記投影部別位相データを取得する。
【0042】
以後、前記投影部別位相データを用いて測定対象物152が形成された基板150に対する投影部別高さデータを抽出する(S120)。例えば、前記投影部別高さデータはそれぞれの投影部別位相データに該当投影部110に対応されるスケールファクター(scale factor)を乗じて抽出することができる。
【0043】
図4は投影部別高さデータを示す図面である。
【0044】
図4を参照すると、投影部別高さデータにスケールファクターを乗じて求められた投影部別高さデータを見ると、各投影部別に抽出された投影部別高さデータに互いに偏差が生じることがわかる。これは、投影部別に取得したイメージにおいてのノイズ、影などによって取得されたデータが互いに異なり投影部別に位相データに差異が生じるからである。図4では説明の便宜のために2個の投影部別高さデータのみを示したが、投影部110の個数によって投影部別高さデータがさらに増えてもよい。
【0045】
従って、複数の投影部110から抽出された投影部別高さデータを用いて一つの統合高さデータを抽出するためには互いに偏差を有する投影部別高さデータを整列させる必要がある。
【0046】
この際、複数の投影部110の位相データに基づいて整列をさせながら底領域の位相データのみを使用するようになる。その理由は投影部別格子素子114の等価波長が異なるので、各投影部110に適用されるスケールファクターも異なるからである。従って、スケールファクターが適用される前の投影部別位相データは相対的な加重値差異に起因して投影部別高さ測定の基準となる代表底位相を差し引きしてシフトさせることができるが、複数の投影部の位相データを互いに比較または演算することができなくなる。従って、本発明においては、高さデータを用いて複数の投影部を整列させることで、複数の投影部の全体データを互いに比較または演算し、より信頼度の高い統合高さデータを取得することができる。
【0047】
投影部別高さデータを整列させるために、まず、複数の投影部110のうち信頼度が最もよい投影部を基準投影部に設定する(S130)。投影部110の信頼度評価は高さ、信号対雑音比(SNR)、振幅、平均明るさを媒介変数とする関数であるビジビリティ情報及びグレー情報のうち少なくとも一つを用いて行われる。
【0048】
実際にカメラ130を通して撮影された投影部別イメージ上には異物や半透明領域などによる物理的なノイズ領域が発生されるか、またはあまり明るいか、あまり暗くてインテンシティーの正規分布から外れるノイズ領域が存在し、このようなノイズ領域は測定対象物152の高さ測定に歪みをもたらす。従って、投影部110別に求められた高さ、信号対雑音比、振幅、平均明るさを媒介変数とする関数であるビジビリティ情報及びグレー情報などを用いてノイズ領域を求めた後、これを通して投影部110の信頼度を評価してノイズが最も少ない投影部110を基準投影部に設定する。
【0049】
前記基準投影部を設定した後、前記基準投影部から取得された高さデータを基準として残り投影部から取得された高さデータを整列させる(S140)。
【0050】
図5は投影部別高さデータを整列させた状態を示す図面である。
【0051】
図4及び図5を参照すると、投影部110に対する信頼度評価結果第1投影部CH1が基準投影部に設定された場合、第1投影部CH1の高さデータを基準として残り投影部CH2の高さデータを整列させる。例えば、基準投影部CH1の高さデータを基準として残り投影部CH2の高さデータに対する高さ偏差を求めた後、残り投影部CH2の高さデータに対して前記高さ偏差を差し引きすることで、高さデータを整列させることができる。
【0052】
一方、基準投影部CH1に対する残り投影部CH2の高さ偏差を求めることにおいて、測定対象物152の上面領域IR及び基板の底領域BRのうち少なくとも一つの領域を基準で前記高さ偏差を求めることができる。
【0053】
一実施形態として、基準投影部CH1に対する残り投影部CH2の高さ偏差は測定対象物152の上面領域IRを基準で求める。実質的に基板150の底領域BRは、配線パターン、シルクパターン、ソルダレジストなどに起因して高さの変化が引き起こされる反面、測定対象物152の上面領域IRは底領域BRに比べて高さの変化が少ないので、測定対象物152の上面領域IRを基準として高さ偏差を求めることで、高さデータ整列の信頼性を向上させることができる。
【0054】
一方、基板150の底領域BR内での高さ変化が安定的で示されると底領域BRも高さ偏差の計算領域として活用できる。この際、高さ偏差の計算領域に測定対象物152の上面領域IRを使用するか、または基板150の底領域BRを使用するかは使用者によって受動に選択しても、検査装置内で高さの変化を計算して自動に選択されるようにしてもよい。即ち、測定対象物152の上面領域IRでの空間的な高さ変化と基板150の底領域BRでの空間的な高さ変化を実時間で計算した高さ変化の少ない領域を使用するかまたは2つの領域全部高さ変化の少ない場合2つの領域を全部使用することができる。
【0055】
投影部別高さデータを整列させた後、整列された高さデータを用いて測定対象物152が形成された基板150に対する統合データを抽出する(S150)。前記統合データは整列された高さデータの平均、加重平均またはロジカルメディアン(logical median)などの方法を適用して求めることができる。
【0056】
一方、測定対象物152の上面領域IRを基準で投影部別高さデータを整列させた場合、投影部別高さデータの間に底領域BRでの微細な高さ偏差が相変わらず存在することがあるので、底領域BRでの高さデータに対して平均、加重平均またはロジカルメディアンなどの方法によって代表底高さを求めた後、前記代表底高さを基準で投影部別高さデータを再整列させることで、高さデータの整列の信頼性をより向上させることができる。
【0057】
また、投影部別高さデータを整列することで、各投影部別信頼度の高いデータのみを用いることができ統合高さデータの信頼性をより向上させることができる。
【0058】
一方、前記投影部別高さデータを抽出する前に、各投影部110別に位相データを整列させる過程を経るようにしてもよい。このために、まず基板150で測定対象物152が形成されている測定対象領域IRと測定対象物152が形成されていない基板150の底領域BRとを設定する。
【0059】
例えば、前記測定対象領域IRと前記底領域BRの設定は、基板150に光を照射し、基板150から反射された光を受光して取得されたイメージデータに基づいて設定することもでき、前記基板150の基準データに基づいて設定することもできる。この際、前記基板150に既設定された検査対象領域で前記測定対象領域IRと前記底領域BRを区分することができる。
【0060】
前記基準データとしては基板150に対する基本情報を持っているCADデータを使用することができる。他にも、前記基準データとしてはPCBの製造のための設計データ或いは製造データや、ガバーデータ、PCBデザインファイル、PCBデザインファイルから抽出された標準及び非標準形式の各種データ(ODB++や各キャドデザインツール別抽出ファイル)が使用され、また作業用ベアーボードまたは実装ボードを画像カメラを通して得たイメージファイルから取得された情報などが使用できる。前記基準データには基板150に形成されているパッド、導電パターン、バイアホール、測定対象物などの位置情報が含まれている。従って、前記基準データを用いて基板150の底領域BRを予測し設定することができる。
【0061】
以後、投影部110それぞれに対して前記底領域BRでの頻度数が最も高い位相データを代表底位相に設定する。以後、投影部110それぞれに対して前記投影部別位相データから前記代表底位相分だけを差し引くことによって、前記代表底位相が0になるように前記投影部別位相データをシフトさせる。このように、投影部別高さデータを整列させる前に、投影部別位相データそれぞれに対して底領域BRの位相を0に合わせることで、最終的に抽出される統合データの信頼性をより向上させることができる。
【0062】
図6は本発明の一実施形態による基板の統合高さデータを算出する過程を示す図面である。
【0063】
図1、図3および図6を参照すると、複数の投影部110を通して測定対象物152が形成された基板150にパターン照明を順に照射して前記基板150に対する投影部別位相データを取得する(a)。
【0064】
以後、上記基板150で測定対象物152が形成された測定対象領域IRと底領域BRとを区分する。以後、上記投影部110各々に対して前記底領域BRでの頻度数が最も高い位相データを代表底位相に設定する。以後、前記投影部110それぞれに対して前記代表底位相が0になるように前記投影部別位相データをシフトさせる(b)。
【0065】
以後、前記シフトされた投影部別位相データを用いて前記基板150に対する投影部別高さデータを抽出する(c)。この際、投影部別高さデータの間には互いに偏差が生じるので、信頼性のある投統合高さデータを算出するために投影部別高さデータを整列させる必要がある。
【0066】
投影部別高さデータを整列させるために、前記複数の投影部110のうち信頼度が最もよい投影部を基準投影部に設定する。前記基準投影部は高さ、信号対雑音比、振幅、平均明るさを媒介変数とするビジビリティ及びグレー情報のうち少なくとも一つによって信頼度を評価して設定される。以後、前記基準投影部の高さデータを基準として残り投影部の高さデータを整列させる(d)。この際、前記高さデータの整列は前記測定対象物152の上面領域IRを基準として行われる。これとは異なり、高さデータの整列は基板150の底領域BRを基準で行われるか、または測定対象領域IR及び底領域BRを含む基板150の全体領域を基準で行われるか、または基板に既に設定された検査領域内の測定対象領域及び底領域を基準で行われる。
【0067】
以後、前記整列された高さデータを用いて統合データを抽出するようになる。
【0068】
本発明のように、複数の投影部から測定された測定データを整列させることにおいて、投影部別高さデータを用いて整列させることで、整列の信頼性を向上させることができる。即ち、高さデータを整列させる場合、基板の底領域と測定対象物炉領域を全部整列の基準領域で活用することができるので、底領域の位相データのみを用いる場合に比べて統計的に使用されるデータ量を増加させることができ、これを通して投影部別位相データまたは高さデータ整列の信頼性を向上させることができる。また、投影部別高さデータを整列させることにおいて、信頼度の最も高い投影部を基準で残り投影部の高さデータを整列させることで、統合高さデータの信頼性を向上させることができる。さらに、底領域に比べて高さ変化が相対的に少ない測定対象物の上面領域を基準で投影部別高さデータを整列させることで、統合高さデータの信頼性をより向上させることができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【符号の説明】
【0070】
100 基板検査装置
110 投影部
112 光源
114 格子素子
120 照明部
130 カメラ
140 ステージ
150 基板
152 測定対象物


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の投影部を通して測定対象物が形成された基板にパターン照明を順に照射して前記基板に対する投影部別位相データを取得し、
前記投影部別位相データを用いて前記基板に対する投影部別高さデータを抽出し、
前記複数の投影部のうち信頼度が最もよい投影部を基準投影部に設定し、
前記基準投影部の高さデータを基準として残りの投影部高さデータを整列させ、
前記整列された高さデータを用いて統合高さデータを抽出すること、
を含むことを特徴とする基板検出方法。
【請求項2】
前記基準投影部を設定することは、
高さ、信号対雑音比SNR、振幅(Amplitude)、平均明るさを媒介変数とするビジビリティ及びグレー(gray)情報のうち少なくとも一つによって信頼度を評価することを含むことを特徴とする請求項1に記載の基板検出方法。
【請求項3】
前記高さデータを整列させることは、
前記基準投影部の高さデータを基準にして前記残り投影部の高さデータに対する高さ偏差を求め、
前記残り投影部の高さデータそれぞれに対して前記高さ偏差を引くこと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の基板検査方法。
【請求項4】
前記高さ偏差を求めることは、
前記測定対象物の上面領域及び前記基板の底領域のうち少なくとも一つの領域を基準にして前記高さ偏差を求めることを特徴とする請求項3に記載の基板検査方法。
【請求項5】
前記投影部別高さデータを抽出する前に、
前記基板で測定対象物が形成された測定対象領域と底領域とを区分し、
前記投影部それぞれに対して前記底領域での頻度数が最も高い位相データを代表底位相に設定し、
前記投影部それぞれに対して前記代表底位相が0になるように前記投影部別位相データをシフトさせること、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の基板検査方法。
【請求項6】
複数の投影部を通して測定対象物が形成された基板にパターン照明を順に照射して前記基板に対する投影部別位相データを取得し、
前記投影部別位相データを用いて前記基板に対する投影部別高さデータを抽出し、
前記複数の投影部のうち信頼度が最もよい投影部を基準投影部に設定し、
前記測定対象物の上面領域を基準として前記基準投影部の高さデータに対して残り投影部の高さデータを整列させ、
前記測定対象物の上面領域を基準として整列された高さデータを用いて統合データを抽出すること、
を含むことを特徴とする基板検査方法。
【請求項7】
前記基準投影部を設定することは、
高さ、信号対雑音比、振幅、平均明るさを媒介変数とするビジビリティ、及びグレー情報のうち少なくとも一つによって信頼度を評価すること含むことを特徴とする請求項6に記載の基板検査方法。
【請求項8】
前記投影部別高さデータを抽出する前に、
前記基板で測定対象物が形成された測定対象領域と底領域とを区分し、
前記投影部それぞれに対して前記底領域での頻度数が最も高い位相データを代表底位相に設定し、
前記投影部それぞれに対して前記代表底位相が0になるように前記投影部別位相データをシフトさせること、をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の基板検査方法。
【請求項9】
統合高さデータを抽出することは、
前記基板の底領域を基準として前記投影部別高さデータを再整列させることをさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の基板検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−112954(P2012−112954A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254251(P2011−254251)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(506414749)コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド (37)
【Fターム(参考)】