説明

基板洗浄装置および基板洗浄方法

【課題】基板面内に、洗浄ブラシの回転方向と基板の回転方向とが同じとなる部分の割合が非常に少なく、回転方向の同じ部分と反対の部分とが存在することに起因する基板面内での洗浄能力のばらつきが小さく、高い洗浄効果が得られる基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】基板1を保持し、基板1を回転させる基板回転手段30と、基板面と平行で基板回転軸aと交差するブラシ回転軸の延在方向に並べて配置された2つの洗浄ブラシ7、8(10)を備え、2つの洗浄ブラシ7、8(10)がブラシ回転軸を中心として相反する方向に回転されるものであって、各洗浄ブラシ7、8、10が基板1の回転方向と反対方向に回転される一対のブラシ40(50)と、一対のブラシを回転させるとともに、ブラシ回転軸の延在方向に一対のブラシを往復移動させるブラシ駆動手段12とを備える基板洗浄装置20とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板洗浄装置および基板洗浄方法に関し、特に、ブラシを用いて基板の表面に付着した異物を除去する基板洗浄装置および基板洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程において、半導体基板の表面には、シリコン窒化膜やタングステン膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)成膜した際に生成される反応生成物などの異物や、各種材料のCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)処理後のスラリーや研磨異物などの異物が付着する。半導体基板の表面に付着した異物は、リソグラフィ工程におけるパターン形成の障害になるなどの問題をひきおこす。このため、従来から、ブラシやローラーなどの処理部材を備える基板洗浄装置を用いて基板の表面に付着した異物を除去している。
【0003】
ブラシやローラーを用いて基板の表面に付着した異物を除去する技術としては、例えば、特許文献1〜特許文献3に記載されている技術がある。特許文献1には、ウエハ周辺に配置されてウエハを保持しながら回転させる回転ローラーと、回転ローラーで保持されたウエハを表裏面から挟持可能な2個の回転ブラシと、回転ローラー及び回転ブラシへ洗浄液を供給する液供給手段とを備えたウエハ洗浄装置が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、基板の2つの半径方向に180°離れて沿在するような、互いに逆向きの回転方向を有する駆動ローラー及びスクラビングローラーを備え、スクラブサイクル中には、駆動ローラーは基板を回転させ、スクラビングローラーは基板を挟んで対向して基板を両面からスクラブし、両ローラーに直交して位置するような外径ローラーは基板の外径に接して、基板を所定の位置に保持する基板を洗浄する装置が記載されている。また、特許文献2には、上記の構成により、小型ディスク等の基板を洗浄する際に基板が所定の位置からずれることによって鋭いエッジがローラーを損傷することがなくなり、また、軽量の小型ディスク等がローラーに貼着することがなくなることが記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、基板の周縁部を保持してこの基板を周方向に回転駆動する回転駆動手段と、この回転駆動手段によって保持された基板の一方の面に所定の圧力を加えながらその一方の面を処理する第1の処理手段と、基板の他方の面に一方の面とほぼ同じ圧力を加えながらその下面を処理する第2の処理手段と、上記第1の処理手段と第2の処理手段とを上記基板を挟んだほぼ同じ位置で上記基板の径方向に沿って揺動駆動する揺動駆動手段とを具備した基板の処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−353183号公報
【特許文献2】特開2002−1238号公報
【特許文献3】特開2002−170806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の基板洗浄装置では、基板面と接するブラシやローラーなどの処理部材の回転方向と基板の回転方向とが、同じ部分と反対の部分との割合が、基板面内において同程度あり、上記の回転方向が同じ部分と反対の部分とにおける洗浄能力の差が大きいことに起因する基板面内での洗浄能力のばらつきが大きいという問題があった。このため、従来の基板洗浄装置では、洗浄中に再付着するパーティクル(異物)の量が多く、洗浄効果が不十分であった。
【0008】
具体的には、例えば、特許文献1に記載のウエハ洗浄装置には、ウエハを表裏面から挟持可能な2個の回転ブラシが記載されている。この洗浄装置では、ウエハの回転方向と回転ブラシの回転方向とは、回転ブラシの一端とウエハとの接触部分では同じとなっているが、回転ブラシの他端とウエハとの接触部分では反対となっており、回転ブラシのウエハの回転軸と接する位置で上記の回転方向の関係が反転している。したがって、ウエハの回転方向と回転ブラシの回転方向とが同じ部分の割合と反対の部分との割合は同程度であり、回転方向の同じ部分と反対の部分が存在することに起因する基板面内での洗浄能力のばらつきが大きかった。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、基板面内において、洗浄ブラシの回転方向と基板の回転方向とが同じとなる部分の割合を非常に少なくすることができ、回転方向の同じ部分と反対の部分とが存在することに起因する基板面内での洗浄能力のばらつきが小さく、高い洗浄効果が得られる基板洗浄装置およびこれを用いた基板洗浄方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記問題を解決するために、洗浄ブラシの回転方向と基板の回転方向との関係に着目して、洗浄ブラシの配置や洗浄ブラシの回転方向について鋭意検討を重ねた。その結果、基板の回転軸上で分割された2つの洗浄ブラシを、基板面と平行な回転軸を中心として相反する方向に回転させることにより、2つの洗浄ブラシをそれぞれ基板の回転方向と反対方向に回転させて基板面に接触させた場合、理論的には基板面内に、洗浄ブラシの回転方向と基板の回転方向とが同じとなる部分をなくすことが可能となり、回転方向の同じ部分と反対の部分が存在することに起因する基板面内での洗浄能力のばらつきを非常に小さくできることを見出した。
【0011】
しかしながら、このような基板洗浄装置を実現するに際し、基板の回転軸上で分割されて相反する方向に回転する2つの洗浄ブラシを接して配置すると、2つの洗浄ブラシ間の摩擦などにより、2つの洗浄ブラシを安定して回転させることが困難となる。このため、2つの洗浄ブラシは、離間して配置することが好ましい。しかし、2つの洗浄ブラシを離間して配置すると、洗浄ブラシを基板面に接触させても2つの洗浄ブラシ間の隙間によって、基板と洗浄ブラシとが接触しない領域が形成されてしまうため、基板面内に洗浄能力のばらつきが生じるという不都合が生じてしまう。
本発明者は、この不都合を解消するために、さらに鋭意検討を重ねた。その結果、2つの洗浄ブラシおよび基板を回転させながら、基板面に2つの洗浄ブラシを接触させた状態で、洗浄ブラシの回転軸の延在方向に2つの洗浄ブラシを往復移動させることにより、2つの洗浄ブラシを離間して配置しても、基板面内に洗浄ブラシと接触しない領域が形成されることを防止でき、基板面内の洗浄能力のばらつきを抑制できることを見出し、本発明を完成した。
【0012】
本発明の基板洗浄装置は、基板を保持しながら基板回転軸を中心として前記基板を回転させる基板回転手段と、基板面と平行で前記基板回転軸と交差するブラシ回転軸の延在方向に並べて配置された2つの洗浄ブラシを備え、前記2つの洗浄ブラシが前記ブラシ回転軸を中心として相反する方向に回転されるものであって、各洗浄ブラシが前記基板の回転方向と反対方向に回転される一対のブラシと、前記一対のブラシを回転させるとともに、前記ブラシ回転軸の延在方向に前記一対のブラシを往復移動させるブラシ駆動手段とを備え、前記基板および前記一対のブラシを回転させながら、前記基板面に前記一対のブラシを接触させるとともに、前記ブラシ回転軸の延在方向に前記一対のブラシを往復移動させるものであることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の基板洗浄方法は、基板を保持しながら基板回転軸を中心として前記基板を回転させる工程と、基板面と平行で前記基板回転軸と交差するブラシ回転軸の延在方向に並べて配置された2つの洗浄ブラシを備える一対のブラシの前記2つの洗浄ブラシを、前記ブラシ回転軸を中心として相反する方向に回転させることにより、各洗浄ブラシを前記基板の回転方向と反対方向に回転させる工程と、前記基板および前記一対のブラシを回転させながら、前記基板面に前記一対のブラシを接触させるとともに、前記ブラシ回転軸の延在方向に前記一対のブラシを往復移動させる洗浄工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の基板洗浄装置によれば、基板面内に、ブラシの回転方向と基板の回転方向とが同じとなる部分の割合が非常に少ないものとなり、回転方向の同じ部分と反対の部分が存在することに起因する基板面内での洗浄能力のばらつきが小さく、高い洗浄効果が得られるものとなる。
【0015】
また、本発明の基板洗浄方法によれば、洗浄工程時に基板面内に発生する、ブラシの回転方向と基板の回転方向とが同じとなる部分の割合が非常に少なく、回転方向の同じ部分と反対の部分が存在することに起因する基板面内での洗浄能力のばらつきが小さくなり、高い洗浄効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の基板洗浄装置を説明するための斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す基板洗浄装置の断面図であり、図2(a)は図1のA−A’断面を示し、図2(b)は図1のB−B’断面を示している。
【図3】図3は、図1に示す基板洗浄装置を構成する洗浄ブラシのブラシ回転軸の延在方向の動きを説明するための概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の基板洗浄方法を説明するための図であって、図1に示す基板洗浄装置を用いて基板を洗浄する工程を示した工程図である。
【図5】図5は、本発明の基板洗浄方法を説明するための図であって、図1に示す基板洗浄装置を用いて基板を洗浄する工程を示した工程図である。
【図6】図6は、本発明の基板洗浄方法を説明するための図であって、図1に示す基板洗浄装置を用いて基板を洗浄する工程を示した工程図である。
【図7】図7は、本発明の基板洗浄方法を説明するための図であって、図1に示す基板洗浄装置を用いて基板を洗浄する工程を示した工程図である。
【図8】図8は、本発明の基板洗浄方法を説明するための図であって、図1に示す基板洗浄装置を用いて基板を洗浄する工程を示した工程図である。
【図9】図9は、本発明の基板洗浄方法を説明するための図であって、図1に示す基板洗浄装置を用いて基板を洗浄する工程を示した工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
「基板洗浄装置」
図1は、本発明の基板洗浄装置を説明するための斜視図である。図2は、図1に示す基板洗浄装置の断面図であり、図2(a)は図1のA−A’断面を示し、図2(b)は図1のB−B’断面を示している。また、図3は、図1に示す基板洗浄装置を構成する洗浄ブラシのブラシ回転軸の延在方向の動きを説明するための概略断面図である。
【0018】
図1に示す基板洗浄装置20は、基板回転手段30と、2つの洗浄ブラシ7、8からなる第1の一対のブラシ40と、2つの洗浄ブラシ9、10からなる第2の一対のブラシ50と、ブラシ駆動手段12とを備えている。
図1に示す基板洗浄装置20によって洗浄される基板1としては、平面視略円形の半導体基板(ウェハ)などが挙げられる。基板1は、基板搬送用の搬送アーム(図1においては不図示)などを用いて搬送され、基板洗浄装置20の基板回転手段30に着脱されるものである。
【0019】
基板回転手段30は、基板1を略水平に保持しながら図2(a)および図2(b)に示す基板回転軸aを中心として基板1を回転させるものである。本実施形態においては、基板回転軸aが、円形である基板1の中心と一致するようになっている。また、本実施形態の基板回転手段30は、図1に示すように、4つのローラー2、3、4、5を備えたものである。なお、本実施形態においては、基板回転手段30として、基板を安定して保持できる4つのローラー2、3、4、5を備えるものを例に挙げて説明するが、ローラーの数は、基板を保持することができる3つ以上であればよく、3つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0020】
各ローラー2、3、4、5は、円柱状の形状を有するものであり、基板回転軸aからそれぞれ等しい間隔で離れており、各ローラー2、3、4、5の位置が、平面視で正方形の頂点位置となるように配置されている。各ローラー2、3、4、5は、図1および図2(a)に示すように、ローラー駆動部6によって、ローラー駆動伝達部15を介して、所定の回転数で回転されるようになっている。また、各ローラー2、3、4、5の基板1の面方向(略水平方向)の位置は、基板1を着脱可能なように、ローラー移動手段(図示略)によって個々に移動可能となっている。
【0021】
また、図2(a)に示すように、各ローラー2、3、4、5の外壁には、一定の高さで外周に沿って設けられた断面視V字型の溝14が備えられており、各ローラー2、3、4、5の外壁に外径の小さい部分が形成されている。そして、図1および図2(a)に示すように、各ローラー2、3、4、5の溝14に基板1の縁部がはめ込まれることにより、基板1が保持され、基板1の縁部がはめ込まれた状態で各ローラー2、3、4、5が回転されることにより、基板回転軸aを中心として基板1が回転されるようになっている。
【0022】
また、図1に示す基板洗浄装置20においては、ローラー駆動部6およびローラー移動手段と電気的に接続されたシーケンス制御部100によって、ローラー駆動部6およびローラー移動手段が制御されるようになっている。
また、基板洗浄装置20には、基板1の縁部が各ローラー2、3、4、5の溝14に接触していることを検出できるセンサー(図示略)が備えられている。センサーは、シーケンス制御部100に電気的に接続されており、センサーによって検出された基板1の縁部がローラー2、3、4、5の溝14に接触しているか否かの結果に基づいて、シーケンス制御部100によって、基板1を搬送するための搬送アームの動きが制御されるようになっている。
【0023】
第1の一対のブラシ40(一対のブラシ)は、図1、図2(a)および図2(b)に示すように、基板1の上面1a(一方の面)側に配置されている。また、第2の一対のブラシ50(一対のブラシ)は、図1、図2(a)および図2(b)に示すように、基板1の下面1b(他方の面)側に、基板1に対して第1の一対のブラシ40と対称に配置されている。図1および図2(a)に示すように、基板1を介して対向する第1の一対のブラシ40の洗浄ブラシ7、8と第2の一対のブラシ50の洗浄ブラシ9、10とは、相反する方向に回転するようになっている。
【0024】
第1の一対のブラシ40は、図2(b)に示すように、基板1の上面1aと平行で基板回転軸aと交差するブラシ回転軸b1を中心として相反する方向に回転する2つの洗浄ブラシ7、8からなるものである。2つの洗浄ブラシ7、8は、図1および図2(b)に示すように、ブラシ回転軸b1の延在方向に並べて配置されている。各洗浄ブラシ7、8は、基板1の回転方向と反対方向に回転されるようになっている。
また、第2の一対のブラシ50は、図2(b)に示すように、基板1の下面1bと平行で基板回転軸aと交差するブラシ回転軸b2を中心として相反する方向に回転する洗浄ブラシ9、10からなるものである。2つの洗浄ブラシ9、10は、図1および図2(b)に示すように、ブラシ回転軸b2の延在方向に並べて配置されている。各洗浄ブラシ9、10は、基板1の回転方向と反対方向に回転されるようになっている。
【0025】
各洗浄ブラシ7、8(9、10)は、ブラシ回転軸b1(b2)方向を高さ方向とする円筒状のものであり、スポンジなどからなるものである。図2(b)に示すように、2つの洗浄ブラシ7、8間は、間隔d1を空けて離間しており、2つの洗浄ブラシ9、10間は、間隔d2を空けて離間している。本実施形態においては、間隔d1と間隔d2とは等間隔とされている。また、図2(b)に示すように、間隔d1および間隔d2の略中心の位置に基板回転軸aが配置されており、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50を往復移動させる前および後の状態において、間隔d1と間隔d2とが基板1の厚み方向に重なり合っている。
【0026】
なお、本実施形態の基板洗浄装置20においては、間隔d1と間隔d2が等間隔で、略中心の位置に基板回転軸aが配置され、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50を往復移動させる前の状態において、間隔d1と間隔d2とが基板1の厚み方向に重なり合っているものとしたが、一対のブラシを構成する2つの洗浄ブラシ間の間隔は、上記の例に限定されるものではない。
【0027】
ブラシ駆動手段12は、図3(a)に示すように、基板1の洗浄時に、ブラシ駆動伝達部11を介して、第1の一対のブラシ40(第2の一対のブラシ50)を構成する洗浄ブラシ7、8(9、10)を所定の方向に回転させるとともに、図3(b)に示すように、ブラシ駆動伝達部11を伸縮させて、ブラシ回転軸b1(b2)の延在方向(略水平方向)に第1の一対のブラシ40(第2の一対のブラシ50)を往復移動させるものである。
【0028】
第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50が略水平方向に往復移動される移動距離d3は、洗浄ブラシ8、9(図3(b)における一方の洗浄ブラシ)の洗浄ブラシ7、10(図3(b)における他方の洗浄ブラシ)に隣接する側の端部が少なくとも基板回転軸aを超える位置から洗浄ブラシ7、10の洗浄ブラシ8、9に隣接する側の端部が少なくとも基板回転軸aを超える位置までの間の距離とされていることが好ましい。
本実施形態においては、間隔d1および間隔d2の略中心の位置に基板回転軸aが配置されているので、図3(b)に示すように、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50の略水平方向の移動距離d3は、少なくとも2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)間の間隔d1(d2)の2倍を超える距離とされることが好ましい。
【0029】
また、本実施形態においては、図3(b)に示すように、第1の一対のブラシ40の長さL1は、第1の一対のブラシ40が略水平方向に往復移動される移動距離d3の半分の長さと基板1の直径とを加えた寸法よりも長い寸法とされていることが好ましい。第1の一対のブラシ40の長さL1を上記の寸法とした場合、第1の一対のブラシ40が略水平方向に往復移動されても、第1の一対のブラシ40の端部から基板1の外縁部が露出して、基板1の上面1aの外縁部に第1の一対のブラシ40と接触されない部分が生じることがなく、より一層高い洗浄効果が得られる。
また、本実施形態においては、図3(b)に示すように、第2の一対のブラシ50の長さL2も、第2の一対のブラシ50が略水平方向に往復移動される移動距離d3の半分の長さと基板1の直径とを加えた寸法よりも長い寸法とされていることが好ましい。第2の一対のブラシ50の長さL2を上記の寸法とした場合、第2の一対のブラシ50が略水平方向に往復移動されても、第2の一対のブラシ50の端部から基板1の外縁部が露出して、基板1の下面1bの外縁部に第2の一対のブラシ50と接触されない部分が生じることがなく、より一層高い洗浄効果が得られる。
【0030】
また、本実施形態においては、図3(b)に示すように、基板1の洗浄時に、第1の一対のブラシ40と第2の一対のブラシ50とが、ブラシ回転軸b1(b2)の延在方向(略水平方向)における相反する方向に移動されるようになっていることが好ましい。この場合、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50をブラシ回転軸b1、b2の延在方向に往復移動させることによって、基板1の位置がずれて、基板1の洗浄に支障を来たすことを防止できる。これに対し、例えば、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50が、ブラシ回転軸b1、b2の延在方向に往復移動させる際に、同じ方向に移動するものである場合、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50の移動によって、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50の移動方向などに基板1の位置がずれる恐れがある。
【0031】
また、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50の基板1の厚み方向(上下方向)の位置は、基板1を着脱可能できるように、ブラシ駆動手段12によって個々に移動可能となっている。図1に示す基板洗浄装置20においては、ブラシ駆動手段12と電気的に接続されたシーケンス制御部100によって、ブラシ駆動手段12が制御されるようになっている。
【0032】
また、図1に示す基板洗浄装置20においては、ブラシ駆動手段12およびローラー駆動部6が、シーケンス制御部100に制御されることにより、基板1の洗浄時に、基板1、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50を回転させながら、基板1の上面1aおよび下面1bに同時に洗浄ブラシ7、8、9、10を接触させるとともに、ブラシ回転軸b1(b2)の延在方向(略水平方向)に第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50を往復移動させるものとなっている。
【0033】
また、図1に示す基板洗浄装置20においては、図1および図2(a)に示すように、第1の一対のブラシ40(第2の一対のブラシ50)を構成する洗浄ブラシ7、8(洗浄ブラシ9、10)の近傍の基板1の上面1a(下面1b)上に、洗浄液を供給するノズル13が備えられている。ノズル13は、洗浄ブラシ7、8(洗浄ブラシ9、10)よりも基板1の回転方向手前の位置に配置されている。
【0034】
図1に示す基板洗浄装置20においては、ノズル13は、各洗浄ブラシ7、8、9、10に対して1つずつ配置されているが、基板1の上面1aおよび下面1bの全面によりムラなく洗浄液を供給できるように、各洗浄ブラシ7、8、9、10に対してそれぞれ複数配置されていてもよい。また、ノズル13から供給される洗浄液は、洗浄薬液であってもよいし、蒸留水などの純水であってもよく、必要に応じて適宜決定することができ、特に限定されない。また、ノズル13は、基板1の上面1aおよび下面1bからの洗浄液の跳ね返りを防止するために、基板1の上面1aおよび下面1bと、洗浄ブラシ7、8、9、10との間に向かって、基板1の上面1aおよび下面1bに対して斜め方向から洗浄液を供給するものであることが好ましい。
【0035】
「基板洗浄方法」
次に、図1に示す基板洗浄装置20を用いて基板を洗浄する方法について、図面を用いて説明する。図4〜図9は、本発明の基板洗浄方法を説明するための図であって、図1に示す基板洗浄装置を用いて基板を洗浄する工程を示した工程図である。
はじめに、図4に示すように、基板回転手段30のローラー2、3の基板1の面方向(略水平方向)の位置を、ローラー移動手段(図示略)によって基板1を着脱可能な位置に移動させる。また、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50の基板1の厚み方向(上下方向)の位置を、ブラシ駆動手段12によって移動させて、第1の一対のブラシ40と第2の一対のブラシ50との間隔を広くし、基板1を着脱可能なようにする。
【0036】
次に、図5に示すように、基板搬送用の搬送アーム16を用いて基板1を搬送することにより、基板1の縁部をローラー4、5の溝14にはめ込ませる。本実施形態においては、基板1の縁部がローラー4、5の溝14に接触したことをセンサーが検出すると、シーケンス制御部100に制御されることによって、搬送アーム16の移動が停止される。
その後、ローラー2、3の基板1の面方向(略水平方向)の位置を、ローラー移動手段(図示略)によって所定の位置に移動させることにより、基板回転手段30に基板1を保持させる。そして、基板1の縁部が全てのローラー2、3、4、5の溝14に接触したことセンサーが検出すると、シーケンス制御部100によって、基板回転手段30のローラー2、3、4、5に基板1が保持されたと判断される。そして、シーケンス制御部100によって基板1が基板回転手段30に保持されたと判断されると、シーケンス制御部100によって搬送アーム16が制御されて、搬送アーム16が基板1から離され、基板1の洗浄に支障を来たすことのない位置に搬送アーム16が退避される。
【0037】
次に、図6に示すように、基板回転手段30によって基板1を保持しながら、基板回転軸aを中心として基板1を回転させる。具体的には例えば、図6に示すように、ローラー駆動部6によって、ローラー駆動伝達部15を介して、ローラー2,3,4,5を反時計回りに所定の回転数で等速回転させて、各ローラー2、3、4、5の溝14にはめ込まれた基板1を、所定の回転数で基板回転軸aを中心として時計回りに回転させる。基板1の回転速度は特に限定されないが、50rpm程度とすることが好ましい。
【0038】
次に、ブラシ駆動手段12によって、図7に示すように、第1の一対のブラシ40を構成する2つの洗浄ブラシ7、8を、ブラシ回転軸b1を中心として相反する方向に回転させることにより、洗浄ブラシ7、8を基板1の回転方向と反対方向に回転させる。また、ブラシ駆動手段12によって、第2の一対のブラシ50を構成する2つの洗浄ブラシ9、10(洗浄ブラシ9は図7においては不図示)を、ブラシ回転軸b2を中心として相反する方向に回転させることにより、洗浄ブラシ9、10を基板1の回転方向と反対方向に回転させる。
【0039】
このとき、図7に示すように、基板1を介して対向する第1の一対のブラシ40の洗浄ブラシ7、8と、第2の一対のブラシ50の洗浄ブラシ9、10とを、相反する方向に回転させることが好ましい。
また、相反する方向に回転する第1の一対のブラシ40の2つの洗浄ブラシ7、8の回転速度は同じであることが好ましく、相反する方向に回転する第2の一対のブラシ50の2つの洗浄ブラシ9、10の回転速度も同じであることが好ましい。
【0040】
また、基板1を介して対向する第1の一対のブラシ40の洗浄ブラシ7と第2の一対のブラシ50の洗浄ブラシ9との回転速度を同じとするとともに、基板1を介して対向する第1の一対のブラシ40の洗浄ブラシ8と第2の一対のブラシ50の洗浄ブラシ10との回転速度を同じとすることが好ましい。この場合、基板1をより一層安定して回転させることができるとともに、より均一な洗浄能力で基板1の洗浄を行うことができる。
さらに、基板1を安定して回転させるために、洗浄ブラシ7、8、9、10の回転速度は、全て同じであることが最も好ましい。また、洗浄ブラシ7、8、9、10の回転速度が基板1の回転速度と同じであることが好ましい。
洗浄ブラシ7、8、9、10の回転速度は特に限定されないが、50rpm程度とすることが好ましい。
【0041】
次に、第1の一対のブラシ40を構成する洗浄ブラシ7、8の近傍の基板1の上面1a上にノズル13(図1および図2(a)参照)から洗浄液を供給するとともに、第2の一対のブラシ50を構成する洗浄ブラシ9、10の近傍の基板1の下面1b上にノズル13から洗浄液を供給する。このことにより、基板1の上面1a(下面1b)上における各洗浄ブラシ7、8、9、10それぞれよりも基板1の回転方向手前の位置に、洗浄液が供給される。なお、洗浄液の供給量は、特に限定されないが、300ml/min程度の流量であることが好ましい。
【0042】
その後、図8および図9に示すように、基板1の上面1aおよび下面1bに洗浄液を供給しつつ、基板1、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50を回転させながら、第1の一対のブラシ40を基板1の上面1aに接触させ、第2の一対のブラシ50を基板1の下面1bに接触させるとともに、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50をブラシ回転軸b1、b2の延在方向(略水平方向)に往復移動させる(洗浄工程)。
【0043】
洗浄工程において、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50は、ブラシ駆動手段12によって基板1の厚み方向(上下方向)の位置を移動されることによって、基板1上に所定の圧力で接触される。
また、洗浄工程における第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50の略水平方向への移動は、ブラシ駆動手段12によってブラシ駆動伝達部11を伸縮させることによって行われる。なお、洗浄工程においては、図8に示すように、第1の一対のブラシ40と第2の一対のブラシ50とを、略水平方向における相反する方向に移動させることが好ましい。
【0044】
洗浄工程において、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50を略水平方向に往復移動させる移動距離d3は、図3(b)に示すように、洗浄ブラシ8、9(図3(b)における一方の洗浄ブラシ)の洗浄ブラシ7、10(図3(b)における他方の洗浄ブラシ)に隣接する側の端部が少なくとも基板回転軸aを超える位置から洗浄ブラシ7、10の洗浄ブラシ8、9に隣接する側の端部が少なくとも基板回転軸aを超える位置までの間の距離とすることが好ましい。
具体的には、図3(b)に示す2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)間の間隔d1(d2)は、20mm程度とすることが好ましく、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50の略水平方向の移動距離d3は、30mm程度とすることが好ましい。
【0045】
このような洗浄工程を所定時間行った後、ブラシ駆動手段12によって、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50の往復移動を停止させて、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50を基板1から離れさせる。その後、洗浄液の供給を停止し、ブラシ駆動手段12によって第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50の回転を停止させる。
次いで、洗浄液を供給したノズル13から基板1の上面1aおよび下面1b上に乾燥気体を噴射させて、基板1を乾燥させ、基板回転手段30に基板1の回転を停止させる。
その後、基板回転手段30に基板1を保持させる手順と逆の手順を行う。具体的には、ローラー2、3の基板1の面方向(略水平方向)の位置をローラー移動手段によって移動させてから、基板搬送用の搬送アーム16によって基板1を搬出させる。
【0046】
本実施形態の基板洗浄装置20は、基板1を保持しながら基板回転軸aを中心として基板1を回転させる基板回転手段30と、基板の上面1a(下面1b)と平行で基板回転軸aと交差するブラシ回転軸b1(b2)の延在方向に並べて配置された2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)を備え、2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)がブラシ回転軸b1(b2)を中心として相反する方向に回転されるものであって、各洗浄ブラシ7、8(9、10)が基板1の回転方向と反対方向に回転される一対のブラシ40(50)と、一対のブラシ40(50)を回転させるとともに、ブラシ回転軸b1(b2)の延在方向に一対のブラシ40(50)を往復移動させるブラシ駆動手段12とを備え、基板1および一対のブラシ40(50)を回転させながら、基板の上面1a(下面1b)に一対のブラシ40(50)を接触させるとともにブラシ回転軸b1(b2)の延在方向に一対のブラシ40(50)を往復移動させるものであるので、以下に示す効果が得られる。
【0047】
すなわち、本実施形態の基板洗浄装置20では、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50を往復移動させる前および後の状態や、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50が2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)間の間隔d1(d2)の2倍以下の範囲内で往復移動されている際には、基板面内に、洗浄ブラシ7、8、9、10の回転方向と基板1の回転方向とが同じとなる部分のないものとなっている。しかも、本実施形態の基板洗浄装置20は、ブラシ回転軸b1(b2)の延在方向に一対のブラシ40(50)を往復移動させるものであるので、ブラシ回転軸b1(b2)を中心として相反する方向に回転される2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)間が離間されていても、2つの洗浄ブラシ間7、8(9、10)の間隔d1(d2)によって基板1と洗浄ブラシ7、8、9、10とが接触しない領域が形成されてしまうことが防止される。したがって、本実施形態の基板洗浄装置20は、基板上面1a(下面1b)内に、洗浄ブラシ7、8(9、10)の回転方向と基板1の回転方向とが同じとなる部分の割合が非常に少ないものとなり、回転方向の同じ部分と反対の部分が存在することに起因する基板上面1a(下面1b)内での洗浄能力のばらつきが小さく、高い洗浄効果が得られるものとなる。
【0048】
その結果、本実施形態の基板洗浄装置20を用いる基板洗浄方法により、基板を洗浄した場合、洗浄中に再付着するパーティクル(異物)が少なくなり、洗浄後の基板面に付着しているパーティクルが、洗浄前に基板面に付着していたパーティクルの30%に減少するという高い洗浄効果が得られる。
【0049】
また、本実施形態の基板洗浄装置20は、基板1の上面1a側に配置された第1の一対のブラシ40と、基板1の下面1b側に、基板1に対して第1の一対のブラシ40と対称に配置された第2の一対のブラシ50とを有し、基板1を介して対向する第1の一対のブラシの洗浄ブラシ7,8と第2の一対のブラシ50の洗浄ブラシ9、10とが、相反する方向に回転するものであるので、洗浄中の基板1に対して上下両面から対称的に負荷がかかるものとなる。このため、基板1、第1の一対のブラシ40および第2の一対のブラシ50を安定して回転させることができ、基板1の上下両面をより均一な洗浄能力で洗浄できる。
また、本実施形態の基板洗浄装置20は、第1の一対のブラシ40と第2の一対のブラシ50とを有するものであるので、基板1の上面1aおよび下面1bを容易に効率よく洗浄できる。
【0050】
また、本実施形態の基板洗浄装置20においては、洗浄ブラシ7、8(9、10)の近傍の基板1の上面1a(下面1b)上に洗浄液を供給するノズル13が備えられ、ノズル13が、洗浄ブラシ7、8(9、10)よりも基板1の回転方向手前の位置に配置されているので、基板1とブラシ7、8、9、10との接触面に効率よく洗浄液を供給でき、基板1を効果的に洗浄できる。
【0051】
また、本実施形態の基板洗浄装置20において、一対のブラシ40(50)が略水平方向に往復移動される移動距離d3が、洗浄ブラシ8、9の洗浄ブラシ7、10に隣接する側の端部が少なくとも基板回転軸aを超える位置から、洗浄ブラシ7、10の洗浄ブラシ8、9に隣接する側の端部が少なくとも基板回転軸aを超える位置までの間の距離とされている場合、2つの洗浄ブラシ間7、8(9、10)の間隔d1(d2)によって基板1と洗浄ブラシ7、8、9、10とが接触しない領域が形成されてしまうことがないので、高い洗浄効果が得られるものとなる。
【0052】
また、本実施形態の基板洗浄方法は、基板1を保持しながら基板回転軸aを中心として基板1を回転させる工程と、基板の上面1a(下面1b)と平行で基板回転軸aと交差するブラシ回転軸b1(b2)の延在方向に並べて配置された2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)を備える一対のブラシ40(50)の2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)を、ブラシ回転軸b1(b2)を中心として相反する方向に回転させることにより、各洗浄ブラシ7、8(9、10)を基板1の回転方向と反対方向に回転させる工程と、基板1および一対のブラシ40(50)を回転させながら、基板の上面1a(下面1b)に一対のブラシ40(50)を接触させるとともに、ブラシ回転軸b1(b2)の延在方向に一対のブラシ40(50)を往復移動させる洗浄工程とを備える方法であるので、洗浄工程時に基板の上面1a(下面1b)内に発生する、洗浄ブラシ7、8、9、10の回転方向と基板1の回転方向とが同じとなる部分の割合が非常に少なく、回転方向の同じ部分と反対の部分が存在することに起因する基板の上面1a(下面1b)内での洗浄能力のばらつきが小さく、高い洗浄効果が得られる。
【0053】
また、本実施形態の基板洗浄方法において、一対のブラシ40(50)の2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)の回転速度を同じとした場合、2つの洗浄ブラシ7、8(9、10)の回転速度を別々にした場合と比較して、基板1を安定して回転させることができるとともに、より均一な洗浄能力で基板1の洗浄を行うことができる。
【0054】
なお、本実施形態においては、第1の一対のブラシ40と第2の一対のブラシ50とを有する基板洗浄装置20を例に挙げて説明したが、本発明の基板洗浄装置は、上記の例に限定されるものではなく、第1の一対のブラシ40と第2の一対のブラシ50のうち、いずれか一方のみ有するものであってもよい。
また、本実施形態においては、基板1を略水平に保持して洗浄する基板洗浄装置20を例に挙げて説明したが、本発明の基板洗浄装置は、例えば、基板を垂直に保持して洗浄するものであってもよく、基板を保持する角度は特に限定されない。
【符号の説明】
【0055】
1…基板、1a…上面(一方の面)、1b…下面(他方の面)、2、3、4、5…ローラー、6…ローラー駆動部、7、8、9、10…洗浄ブラシ、12…ブラシ駆動手段、13…ノズル、14…溝、15…ローラー駆動伝達部、20…基板洗浄装置、30…基板回転手段、40…第1の一対のブラシ(一対のブラシ)、50…第2の一対のブラシ(一対のブラシ)、100…シーケンス制御部、a…基板回転軸、b1、b2…ブラシ回転軸、d3…移動距離。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持しながら基板回転軸を中心として前記基板を回転させる基板回転手段と、
基板面と平行で前記基板回転軸と交差するブラシ回転軸の延在方向に並べて配置された2つの洗浄ブラシを備え、前記2つの洗浄ブラシが前記ブラシ回転軸を中心として相反する方向に回転されるものであって、各洗浄ブラシが前記基板の回転方向と反対方向に回転される一対のブラシと、
前記一対のブラシを回転させるとともに、前記ブラシ回転軸の延在方向に前記一対のブラシを往復移動させるブラシ駆動手段とを備え、
前記基板および前記一対のブラシを回転させながら、前記基板面に前記一対のブラシを接触させるとともに、前記ブラシ回転軸の延在方向に前記一対のブラシを往復移動させるものであることを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄ブラシの近傍の前記基板面上に洗浄液を供給するノズルが備えられ、
前記ノズルが、前記洗浄ブラシよりも前記基板の回転方向手前の位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記一対のブラシが往復移動される移動距離が、一方の洗浄ブラシの他方の洗浄ブラシに隣接する側の端部が少なくとも前記基板回転軸を超える位置から前記他方の洗浄ブラシの前記一方の洗浄ブラシに隣接する側の端部が少なくとも前記基板回転軸を超える位置までの間の距離とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記基板の一方の面側に配置された第1の一対のブラシと、
前記基板の他方の面側に、前記基板に対して前記第1の一対のブラシと対称に配置された第2の一対のブラシとを有し、
前記基板を介して対向する前記第1の一対のブラシの洗浄ブラシと前記第2の一対のブラシの洗浄ブラシとが、相反する方向に回転するものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記第1の一対のブラシと前記第2の一対のブラシとが、前記ブラシ回転軸の延在方向における相反する方向に移動されるものであることを特徴とする請求項4に記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
基板を保持しながら基板回転軸を中心として前記基板を回転させる工程と、
基板面と平行で前記基板回転軸と交差するブラシ回転軸の延在方向に並べて配置された2つの洗浄ブラシを備える一対のブラシの前記2つの洗浄ブラシを、前記ブラシ回転軸を中心として相反する方向に回転させることにより、各洗浄ブラシを前記基板の回転方向と反対方向に回転させる工程と、
前記基板および前記一対のブラシを回転させながら、前記基板面に前記一対のブラシを接触させるとともに、前記ブラシ回転軸の延在方向に前記一対のブラシを往復移動させる洗浄工程とを備えることを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項7】
前記2つの洗浄ブラシの回転速度を同じとすることを特徴とする請求項6に記載の基板洗浄方法。
【請求項8】
前記洗浄工程において、前記洗浄ブラシよりも前記基板の回転方向手前の位置に、洗浄液を供給することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の基板洗浄方法。
【請求項9】
前記洗浄工程において前記一対のブラシを往復移動させる移動距離を、一方の洗浄ブラシの他方の洗浄ブラシに隣接する側の端部が少なくとも前記基板回転軸を超える位置から前記他方の洗浄ブラシの前記一方の洗浄ブラシに隣接する側の端部が少なくとも前記基板回転軸を超える位置までの間の距離とすることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項10】
前記一対のブラシとして、前記基板の一方の面側に配置された第1の一対のブラシと、
前記基板の他方の面側に、前記基板に対して前記第1の一対のブラシと対称に配置された第2の一対のブラシとを用い、
前記基板を介して対向する前記第1の一対のブラシの洗浄ブラシと前記第2の一対のブラシの洗浄ブラシとを、相反する方向に同じ回転速度で回転させることを特徴とする請求項6〜請求項9のいずれかに記載の基板洗浄方法。
【請求項11】
前記洗浄工程において、前記第1の一対のブラシと前記第2の一対のブラシとを、前記ブラシ回転軸の延在方向における相反する方向に移動させることを特徴とする請求項10に記載の基板洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−212295(P2010−212295A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53998(P2009−53998)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(500174247)エルピーダメモリ株式会社 (2,599)
【Fターム(参考)】