説明

基板貼り合わせ方法

【課題】搬送中に、位置合わせされた基板と基板との相対位置がずれるといった課題がある。
【解決手段】基板貼り合せ方法は、仮接合部において、複数の基板を重ね合わせて複数の対向面および側面の少なくとも一方の一部を仮接合部材によって接合する仮接合段階と、前記仮接合段階で仮接合された前記複数の基板を、本接合部へ搬送する搬送段階と、前記本接合部において、前記仮接合段階で仮接合された前記複数の基板を本接合部材によって本接合する本接合段階とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板貼り合わせ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、位置合わせした複数の基板を搬送した後、加熱または加圧等によって貼り合わせる基板貼り合わせ方法が知られている。
特許文献1 特開2009−49066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、搬送中に、位置合わせされた基板と基板との相対位置がずれるといった課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様においては、仮接合部において、複数の基板を重ね合わせて複数の対向面および側面の少なくとも一方の一部を仮接合部材によって接合する仮接合段階と、前記仮接合段階で仮接合された前記複数の基板を、本接合部へ搬送する搬送段階と、前記本接合部において、前記仮接合段階で仮接合された前記複数の基板を本接合部材によって本接合する本接合段階とを備える基板貼り合せ方法を提供する。
【0005】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】基板貼り合わせ装置10の全体構成図である。
【図2】アライナ28の全体構成の側面図である。
【図3】アライナ28の動作を説明する図である。
【図4】アライナ28の動作を説明する図である。
【図5】基板貼り合わせ方法の一工程であるアライナによる基板90、90の仮接合を説明する図である。
【図6】仮接合部材96の位置関係を説明する基板90の平面図である。
【図7】収容室55及び加熱加圧装置56の全体構成を説明する正面図である。
【図8】基板貼り合わせ方法の一工程である加熱加圧装置56による基板90、90の本接合を説明する図である。
【図9】本接合された電極パッド98と仮接合部材96の状態を説明する図である。
【図10】仮接合部材96の個数を変形した実施形態の平面図である。
【図11】仮接合部材96の樹脂材料を全面に塗布した実施形態の平面図である。
【図12】図11の実施形態の一部の縦断面図である。
【図13】仮接合部材96の配置を変更した実施形態の一部の平面図である。
【図14】仮接合部材96を側面に形成した実施形態の縦断面図である。
【図15】仮接合部材の形状を変更した実施形態の縦断面図である。
【図16】仮接合部材の形状を変更した実施形態の縦断面図である。
【図17】仮接合部材の形状を変更した実施形態の縦断面図である。
【図18】仮接合部材の接合方法を変更した実施形態の縦断面図である。
【図19】仮接合部材の接合方法を変更した実施形態の縦断面図である。
【図20】仮接合部材を変更した実施形態の下層の基板の平面図である。
【図21】仮接合部材を変更した実施形態の中層の基板の平面図である。
【図22】仮接合部材を変更した実施形態の上層の基板の平面図である。
【図23】3枚の基板が積層された状態での縦断面図である。
【図24】上層の基板が、先に仮接合された2枚の基板に仮接合された状態の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0008】
図1は、基板貼り合わせ装置の全体構成図である。基板貼り合わせ装置10は、2枚の基板90、90を貼り合わせて、重ね合わせ基板92を製造する。尚、基板貼り合わせ装置10が、3枚以上の基板90を貼り合わせて、重ね合わせ基板92を製造するように構成してもよい。
【0009】
本実施形態による基板貼り合わせ装置10は、位置合わせされた基板と基板とを仮接合することによって、搬送中の基板と基板との相対位置のずれを抑制する。図1に示すように、基板貼り合わせ装置10は、筐体12と、常温部14と、高温部16と、制御部18とを備える。筐体12は、常温部14及び高温部16を囲むように形成されている。
【0010】
常温部14は、複数の基板カセット20、20、20と、ロボットアーム24と、プリアライナ26と、アライナ28と、ロボットアーム30とを有する。
【0011】
基板カセット20は、基板貼り合わせ装置10において結合されて貼り合わされる基板90を収容する。また、基板カセット20は、基板貼り合わせ装置10において結合されて貼り合わされた重ね合わせ基板92を収容する。基板カセット20は、筐体12の外面に脱着可能に装着されている。これにより、複数の基板90を基板貼り合わせ装置10に一括して装填できる。また、複数組の重ね合わせ基板92を一括して回収できる。基板貼り合わせ装置10によって貼り合わされる基板90は、素子、回路、端子等が形成された単体のシリコンウエハ、化合物半導体ウエハ、及び、ガラス基板等である。また、装填された基板90が、既に複数のウエハが積層された重ね合わせ基板92であってもよい。
【0012】
ロボットアーム24は、筐体12の内部であって、基板カセット20の近傍に配置されている。ロボットアーム24は、基板カセット20に装填されている基板90をプリアライナ26に搬送する。ロボットアーム24は、プリアライナ26に搬送した基板90を、後述するアライナ28の固定ステージ部36または移動ステージ部38へと搬送する。尚、ロボットアーム24は、固定ステージ部36に搬送する基板90を反転させる。ロボットアーム24は、結合されて移動ステージ部38まで搬送された重ね合わせ基板92を基板カセット20、20、20の何れかに搬送する。
【0013】
プリアライナ26は、筐体12の内部であって、ロボットアーム24の近傍に配置されている。プリアライナ26は、アライナ28に基板90を装填する場合に、高精度であるがゆえに、狭いアライナ28の調整範囲に基板90が装填されるように、基板90の位置を仮合わせする。これにより、アライナ28における基板90の位置決めが、迅速且つ正確にできる。
【0014】
アライナ28は、仮接合部の一例である。アライナ28は、ロボットアーム24とロボットアーム30との間に配置されている。アライナ28は、枠体34と、固定ステージ部36と、移動ステージ部38と、一対のシャッタ40及びシャッタ42とを有する。
【0015】
枠体34は、固定ステージ部36及び移動ステージ部38を囲むように形成されている。枠体34の基板カセット20、20、20側の面及び高温部16側の面は、基板90等を搬入及び搬出可能に、開口されている。
【0016】
固定ステージ部36は、枠体34の内側であって、基板カセット20の近傍に固定されている。固定ステージ部36の下面は、基板90を保持した状態で、ロボットアーム30により移動ステージ部38から搬送される基板90を真空吸着する。
【0017】
移動ステージ部38は、枠体34の内側であって、高温部16側に配置されている。移動ステージ部38の上面は、基板90を真空吸着する。移動ステージ部38は、枠体34の内部を水平方向及び鉛直方向に移動する。移動ステージ部38は、移動することによって、固定ステージ部36に保持された基板90に対して、自己が保持する基板90を位置合わせした後、重ね合わせる。移動ステージ部38は、重ね合わせた基板90、90を仮接合する。
【0018】
シャッタ40は、枠体34の基板カセット20側の開口を開閉する。シャッタ42は、枠体34の高温部16側の開口を開閉する。枠体34及びシャッタ40、42に囲まれた領域は、空気調整機等に連通されて、温度管理される。これにより、基板90と基板90との位置合わせの精度が向上する。
【0019】
ロボットアーム30は、筐体12の内部であって、高温部16とアライナ28との間に配置されている。ロボットアーム30は、移動ステージ部38によって位置合わせされて、仮接合された一対の基板90を真空吸着して、高温部16へと搬送する。ロボットアーム30は、高温部16において、結合されて貼り合わされた重ね合わせ基板92を高温部16から移動ステージ部38へと搬送する。
【0020】
高温部16は、基板貼り合わせ装置10の貼り合わせ工程において、高温且つ真空状態に設定される。高温部16は、断熱壁46と、エアロック室48と、一対のシャッタ50及びシャッタ52と、ロボットアーム54と、5個の収容室55と、5個の加熱加圧装置56とを備える。ロボットアーム54は、搬送部の一例である。尚、加熱加圧装置56の個数は、5個に限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0021】
断熱壁46は、高温部16を包囲する。これにより、断熱壁46は、高温部16の高い内部温度を維持するとともに、高温部16から外部への熱輻射を遮断する。この結果、断熱壁46は、高温部16の熱が常温部14に及ぼす影響を低減する。また、断熱壁46は、高温部16と外部との気体の流れを遮断する。これにより、断熱壁46は、高温部16の真空状態を維持する。
【0022】
エアロック室48は、常温部14と高温部16とを連結する。エアロック室48の常温部14側及び高温部16側は、一対の基板90を含む重ね合わせ基板92を搬送可能に開口されている。
【0023】
シャッタ50は、エアロック室48の常温部14側の開口を開閉する。シャッタ50が開状態になると、エアロック室48が常温部14と連通される。これにより、エアロック室48は、常温部14と略同じ気圧となる。この状態で、ロボットアーム30は、エアロック室48とアライナ28との間で、重ね合わせ基板92を搬送する。
【0024】
シャッタ52は、エアロック室48の高温部16側の開口を開閉する。シャッタ52が開状態になると、エアロック室48は、高温部16と連通される。これにより、エアロック室48は、高温部16と略同じ気圧となる。尚、貼り合わせ工程において、シャッタ50及びシャッタ52の両方が開状態になることはない。
【0025】
ロボットアーム54は、シャッタ52が開状態において、ロボットアーム30によりエアロック室48に搬入された基板90、90を、何れかの加熱加圧装置56へと搬入する。ロボットアーム54は、加熱加圧装置56により本接合された基板90、90を含む重ね合わせ基板92をエアロック室48へと搬送する。
【0026】
収容室55は、中空状に形成されている。収容室55は、加熱加圧装置56の主要部を収容して包囲する。収容室55は、重ね合わせ基板92を搬入及び搬出するために、開閉可能な開口部を有する。収容室55は、重ね合わせ基板92が搬入された後、真空状態にするために密閉される。
【0027】
加熱加圧装置56は、本接合部の一例である。加熱加圧装置56は、断熱壁46の内部に配置されている。3個の加熱加圧装置56は、断熱壁46の中心の周りに略等角度間隔で配置されている。加熱加圧装置56は、ロボットアーム54によってエアロック室48から搬入された重ね合わせ基板92を保持する。加熱加圧装置56は、結合温度状態の重ね合わせ基板92を加圧する。そして、加熱加圧装置56は、重ね合わせ基板92の基板90が結合可能な結合温度まで、搬入された重ね合わせ基板92を昇温させる。これにより、加熱加圧装置56は、重ね合わせ基板92を結合して貼り合わせる。
【0028】
ロボットアーム54は、結合されて貼り合わされた重ね合わせ基板92を加熱加圧装置56からエアロック室48へと搬送する。
【0029】
制御部18は、基板貼り合わせ装置10の全体の動作を制御する。制御部18は、基板貼り合わせ装置10の電源投入、各種設定等をする場合に、ユーザが外部から操作する操作部を有する。
【0030】
上述した基板貼り合わせ装置10による基板貼り合わせ方法について説明する。まず、ロボットアーム24が、プリアライナ26を経由して、基板カセット20からアライナ28の移動ステージ部38及び固定ステージ部36へと基板90、90を1枚ずつ搬送する。固定ステージ部36及び移動ステージ部38は、それぞれ基板90、90を吸着して保持する。次に、移動ステージ部38は、基板90と基板90とを位置合わせする。この後、移動ステージ部38は、保持する基板90を上昇させて、基板90、90を重ね合わせて、基板90、90の対向面の一部を後述する仮接合部材によって仮接合する。この後、移動ステージ部38が、仮接合された基板90、90をロボットアーム30の近傍まで移動させる。ロボットアーム30は、移動ステージ部38上の基板90、90をエアロック室48へと搬送する。ロボットアーム54は、エアロック室48から加熱加圧装置56へと仮接合された一対の基板90、90を搬送する。加熱加圧装置56は、基板90、90を加熱及び加圧して、仮接合された一対の基板90、90の電極パッド同士を電気的に接合することにより本接合する。これにより、重ね合わせ基板92が完成する。この後、ロボットアーム54、30、24が、重ね合わせ基板92を基板カセット20へと搬出する。これにより、基板貼り合わせ工程が終了する。
【0031】
図2は、アライナ28の全体構成の側面図である。図2に示すように、枠体34は、底板102と、天板104と、側壁106とを備える。底板102と天板104は、互いに平行に配置されている。側壁106は、底板102と天板104とを連結しつつ、側面を囲う。シャッタ40、42に対応する領域の側壁106は、開口されている。
【0032】
移動ステージ部38は、一部がXYZ方向に移動可能に、底板102に設けられている。移動ステージ部38は、X方向駆動部110と、Y方向駆動部112と、Z方向駆動部114と、複数の揺動駆動部116と、下ステージ118と、下顕微鏡120と、下反射鏡122と、紫外線光源124とを備える。
【0033】
X方向駆動部110は、底板102に設けられたXガイドレール111を介して、底板102に配置されている。X方向駆動部110は、Xガイドレール111に沿って、Y方向駆動部112をX方向に移動させる。Y方向駆動部112は、X方向駆動部110の上面に配置されている。Y方向駆動部112は、下ステージ118をY方向に移動させる。Z方向駆動部114は、下ステージ118をY方向駆動部112の上面の中央部に配置されている。Z方向駆動部114は、下ステージ118をZ方向に駆動する。これにより、Z方向駆動部114は、下ステージ118に吸着された基板90を、固定ステージ部36に吸着された基板90に接触及び加圧できる。
【0034】
下ステージ118は、球面座115を介して、Z方向駆動部114に支持されている。下ステージ118は、基板90を真空吸着する。
【0035】
複数の揺動駆動部116は、Y方向駆動部112の上面の周縁部に配置されている。複数の揺動駆動部116は、それぞれ個別に伸縮駆動する。これにより、揺動駆動部116は、Z方向駆動部114の上部に設けられた球面座115を揺動軸として、下ステージ118を揺動させる。
【0036】
下顕微鏡120は、下ステージ118に固定されている。下顕微鏡120は、上方を観察可能に設置されている。これにより、下顕微鏡120は、固定ステージ部36に吸着された基板90のアライメントマーク94を観察する。この結果、下ステージ118に対する固定ステージ部36の基板90の相対位置を測定する。下反射鏡122は、図示しない干渉計からの出射光を反射する。これにより、下ステージ118の位置及び移動量を検出する。
【0037】
紫外線光源124は、基板90の周りに、例えば、3個設けられている。紫外線光源124は、紫外線を照射可能なレーザまたは発光ダイオード等を有する。紫外線光源124は、基板90上に塗布された仮接合部材96が基板90と基板90とに接触した状態で、硬化用の光である紫外線を仮接合部材96に照射する。これにより、光硬化樹脂の一例であって、絶縁性の紫外線硬化樹脂を含む仮接合部材96が硬化して、基板90と基板90とが仮接合される。
【0038】
図示しないが、アライナ28は、下ステージ118を鉛直方向の周りに回転させる回転駆動部を有する。これにより、アライナ28は、基板90、90を回転させて、基板90、90の回転方向の位置合わせをする。
【0039】
固定ステージ部36は、天板104に固定されている。固定ステージ部36は、複数のロードセル130と、上ステージ132と、上反射鏡134と、上顕微鏡136とを備える。
【0040】
複数のロードセル130は、天板104に固定されている。複数のロードセル130は、圧力を検出する。上ステージ132は、ロードセル130を介して、天板104に支持されている。これにより、上ステージ132に作用する圧力がロードセル130によって検出される。上ステージ132の下面は、基板90を真空吸着する。
【0041】
上反射鏡134は、上ステージ132の位置及び移動量を検出するための干渉計からの出射光を反射する。上顕微鏡136は、上ステージ132の近傍であって、天板104に固定されている。上顕微鏡136は、移動ステージ部38に吸着された基板90のアライメントマーク94を観察する。この結果、上ステージ132に対する移動ステージ部38の相対位置を測定する。
【0042】
図3及び図4は、アライナ28の動作を説明する図である。図5は、基板貼り合わせ方法の一工程であるアライナによる基板90、90の仮接合を説明する図である。
【0043】
まず、基板90、90に仮接合部材96を設ける。次に、シャッタ40が開状態となる。この状態で、図2に示すように、ロボットアーム24が、移動ステージ部38の下ステージ118及び固定ステージ部36の上ステージ132に基板90、90を順に載置する。下ステージ118及び上ステージ132は、それぞれ基板90、90を真空吸着する。
【0044】
次に、図3に示すように、X方向駆動部110及びY方向駆動部112を駆動させて、下ステージ118及び上ステージ132に保持されている基板90、90を概ね対向させる。この状態で、カメラ等により基板90、90を観察しつつ、揺動駆動部116を動作させて、基板90、90の対向する面を平行にする。
【0045】
次に、X方向駆動部110及びY方向駆動部112を駆動させて、下ステージ118に保持されている基板90のアライメントマーク94を上顕微鏡136の視野に入れる。これにより、上ステージ132に対する当該基板90の相対位置を測定する。同様に、上ステージ132に保持されている基板90のアライメントマーク94を下顕微鏡120によって観察して、下ステージ118に対する当該基板90の相対位置を測定する。
【0046】
これらの測定に基づいて、一対の基板90、90の水平方向の相対位置のずれ量を算出する。このずれ量を解消する位置合わせ量を算出して、その位置合わせ量に基づいて、下ステージ118を移動させる。これにより、一対の基板90、90が位置合わせされる。尚、上述した基板90、90に仮接合部材96を設ける段階は、基板90、90の位置合わせの前に実施されることが好ましい。
【0047】
この後、図4に示すように、Z方向駆動部114を駆動させて、下ステージ118を上昇させる。これにより、基板90と基板90とが近接する。
【0048】
この状態では、図5に示すように、上側の基板90の仮接合部材96と下側の基板90の仮接合部材96は接触する。ここで、仮接合部材96の基板90の表面からの高さが、基板90に形成された素子と電気的に接続された電極パッド98の基板90の表面からの高さよりも高い。従って、仮接合部材96、96同士が接触しても、対向する基板90、90に形成された電極パッド98、98同士は接触せずに離間している。尚、電極パッド98は、本接合部材の一例である。基板90、90に仮接合部材96を設ける段階は、電極パッド98を設ける後に実施することが好ましい。仮接合部材96は、素子及び電極パッド98が形成された基板90をCMP(Chemical Mechanical Polishing)等によって表面研磨した後に形成することが好ましい。
【0049】
また、仮接合部材96と電極パッド98は、異なる接合材料を含む。例えば、仮接合部材96を紫外線硬化樹脂によって構成して、電極パッド98を金属材料によって構成する。この場合、仮接合部材96は、電極パッド98よりも柔らかく、後述する電極パッド98、98同士を接合する本接合において、仮接合部材96が、負荷となることを低減できる。
【0050】
図6は、仮接合部材96の位置関係を説明する基板90の平面図である。図6に示すように、3個の仮接合部材96は、平面視において、極めて小さく、3個の仮接合部材96の合計の接合面積は、本接合される電極パッド98の合計の接合面積よりも小さい。また、樹脂による仮接合部材96のそれぞれの接合強度は、金属からなる個々の電極パッド98による接合強度よりも低い。従って、仮接合後の3個の仮接合部材96による合計の接合強度は、本接合後の電極パッド98の合計の接合強度よりも弱い。3個の仮接合部材96は、基板90の周縁部に、互いに離間して配置されている。3個の仮接合部材96は、基板90の中心の周りに120°間隔で配置されている。3個の仮接合部材96が3個の紫外線光源124に対向するように、基板90は、移動ステージ部38に設置される。また、仮接合部材96は、素子が形成される素子領域よりも外側に配置されて、素子から絶縁されている。仮接合部材96は、スクライブライン99上に設けられている。尚、スクライブライン99は、基板90、90の貼り合わせ後、重ね合わせ基板92を素子単位に分割するラインである。
【0051】
このように基板90、90が互いに近接された後、図5及び図6に示すように、3個の紫外線光源124が、基板90上の3個所に形成された仮接合部材96に紫外線を照射する。この結果、仮接合部材96が硬化して、基板90、90が位置合わせされた状態で、互いに相対移動不能に仮接合される。この状態においても、異なる基板90、90に形成された電極パッド98、98同士は離間している。
【0052】
図7は、収容室55及び加熱加圧装置56の全体構成を説明する正面図である。図7に示すように、収容室55は、基板90を搬入及び搬出するための開口部142を開閉するシャッタ144を備える。
【0053】
加熱加圧装置56は、固定台150と、下加熱部152と、昇降部154と、上加熱部156と、鉛直顕微鏡158と、水平顕微鏡160とを備える。
【0054】
固定台150は、収容室55の床に固定されている。下加熱部152は、固定台150の上面に固定されている。下加熱部152は、基板90を真空吸着する。下加熱部152は、電熱線等を有する。これにより、下加熱部152は、基板90を下側から加熱する。
【0055】
昇降部154は、収容室55の天井に固定されている。昇降部154は、上加熱部156を支持するとともに、上加熱部156を昇降させる。これにより、昇降部154は、上加熱部156を介して、基板90、90を加圧する。上加熱部156は、電熱線等によって、基板90を上側から加熱する。
【0056】
鉛直顕微鏡158は、上加熱部156に形成された観察穴157を介して、赤外線等の基板90を透過可能な光によって、2枚の基板90、90のアライメントマークを観察する。これにより、2枚の基板90、90のアライメントマークに基づいて、一方の基板90に対する他方の基板90の位置ずれが検出される。水平顕微鏡160は、基板90を側面から観察する。これにより、基板90の撓み及びうねり等が検出される。
【0057】
図8は、基板貼り合わせ方法の一工程である加熱加圧装置56による基板90、90の本接合を説明する図である。図9は、本接合された電極パッド98と仮接合部材96の状態を説明する図である。
【0058】
図7に示すように、アライナ28によって位置合わせ及び仮接合された基板90、90が、加熱加圧装置56の下加熱部152の上面に載置される。この状態で、鉛直顕微鏡158及び水平顕微鏡160によって、位置ずれ、変形等の基板90、90の異常を検出する。基板90、90の異常が検出された場合、基板90、90を搬出してもよい。これにより、本接合前の基板90、90を再利用できる。
【0059】
次に、図8に示すように、下加熱部152及び上加熱部156による加熱が開始するとともに、昇降部154が、上加熱部156を下方へと移動させる。この後、上加熱部156の下面が、基板90の上面に接触する。この状態から昇降部154は、更に、上加熱部156を介して、基板90、90を加圧する。これにより、図9に示すように、仮接合部材96が圧縮されて、下側の基板90の電極パッド98と上側の基板90の電極パッド98とが接触する。下加熱部152及び上加熱部156による加熱によって電極パッド98、98が結合可能な温度まで昇温されると、その後、温度がその結合温度に保たれるとともに、基板90、90の加圧の圧力も維持される。これにより、電極パッド98、98が本結合されて、基板90、90のそれぞれに形成された素子が電極パッド98、98を介して電気的に接続される。尚、加熱が不要の場合は、省略してもよい。この結果、基板90、90が結合されて、重ね合わせ基板92が完成する。この後、重ね合わせ基板92は、ロボットアーム54、30、24によって、基板カセット20へと搬出される。尚、重ね合わせ基板92が外部に搬出された後、仮接合部材96を洗浄または吹き飛ばし等によって除去してから、スクライブライン99に沿って素子単位に分割してもよい。
【0060】
上述したように、本実施形態の基板貼り合わせ方法では、位置合わせされた基板90と基板90とを仮接合部材96によって仮接合した後、加熱加圧装置56へと搬送する。これにより、搬送中の基板90と基板90との位置ずれを抑制できる。更に、仮接合部材96が、基板90と基板90の対向面に設けられ、外部に露出してないので、外力の影響を受けにくい。この結果、基板90同士の位置ずれをより抑制できる。
【0061】
上述の基板貼り合わせ方法では、仮接合部材96を部分的に設けるとともに、仮接合部材96の接合面積を、本接合される電極パッド98の接合面積に比べて小さくしている。また、仮接合部材96の接合力を電極パッド98の接合力よりも小さくしている。これにより、本接合の後、仮接合部材96を容易に除去することができる。
【0062】
上述の基板貼り合わせ方法では、仮接合部材96をスクライブライン99上に設けている。これにより、仮接合部材96のために使用できない基板90の領域を低減することができる。
【0063】
上述の基板貼り合わせ方法では、加熱加圧装置56において、加熱及び加圧により本接合する前に、仮接合された基板90、90の位置ずれ及び変形を観察する。これにより、基板90、90の位置ずれ等の異常が検出された場合、本接合することなく基板90を取り出すことによって、当該基板90を再利用することができる。
【0064】
次に、上述した実施形態の一部を変更した実施形態について説明する。
【0065】
図10は、仮接合部材96の個数を変形した実施形態の平面図である。図10に示すように、仮接合部材96は、3個以上、例えば、11個設けてもよい。ここで、紫外線光源124が、3個しか配置されていない場合、アライナ28の回転駆動部が、鉛直方向に沿った回転軸の周りに基板90を回転させればよい。これより、3個の紫外線光源124が、仮接合部材96の11個所に紫外線を順次照射することができる。また、基板90の中心に仮接合部材96を設けてもよい。これらの仮接合部材96の個数及び配置は一例であって、適宜変更してよい。
【0066】
図11は、仮接合部材96の樹脂材料を全面に塗布した実施形態の平面図である。図12は、図11の実施形態の一部の縦断面図である。図11に示すように、紫外線硬化樹脂等の樹脂材料97を基板90と基板90との間の略全面に塗布してもよい。この後、樹脂材料97の一部に紫外線を照射することにより、照射された領域を仮接合部材96として適用してよい。また、樹脂材料97の全面に紫外線を照射して、全面を仮接合部材96としてもよい。この場合、図12に示すように、樹脂材料97の厚みは、電極パッド98、98の高さの和よりも厚い方が好ましい。これにより、仮接合された基板90の電極パッド98と基板90の電極パッド98とが接続されること抑制できる。尚、樹脂材料97の全面に紫外線を照射して、基板90の略全面を仮接合してもよい。
【0067】
図13は、仮接合部材96の配置を変更した実施形態の一部の平面図である。図13に示すように、仮接合部材96の個数が、本接合した状態での電極パッド98、98同士の接合力が高い領域に比べて、接合強度が低い領域の方が、多い。例えば、電極パッド98の密度の多い領域よりも密度の少ない領域に配置される仮接合部材96の個数を多くしてもよい。換言すれば、電極パッド98から遠い領域は近い領域に比べて、電極パッド98の個数を多くしてもよい。これにより、本接合した後、外力等により基板90、90同士が離間することを抑制できる。また、基板90が、撓みなどによって変形して、基板90と基板90との間の距離が異なる場合、当該距離に合わせて仮接合部材96を配置してもよい。例えば、基板90と基板90との距離が大きい領域は、小さい領域に比べて、仮接合部材96を多く配置することが好ましい。これにより、当該距離が大きく、基板90、90同士が離間しやすい領域の仮接合の強度を向上させることができる。この結果、仮接合後の、基板90、90同士の離間を抑制できる。
【0068】
図14は、仮接合部材96を側面に形成した実施形態の縦断面図である。図14に示すように、仮接合部材96を基板90、90の対向する面に形成するとともに、基板90の側面に形成してもよい。これにより、紫外線光源124が、仮接合部材96に容易に光を照射することができる。また、基板90の側面を覆うことによって、基板90、90の水平方向の位置ずれをより効率よく抑制できる。
【0069】
図15は、仮接合部材の形状を変更した実施形態の縦断面図である。図15に示すように、一方の仮接合部材296の接合側の端部に鋭角凸部280を設けてもよい。鋭角凸部280の先端部は、鋭角に形成されている。これにより、一方の仮接合部材296が他方の仮接合部材297に突き刺さった状態で、仮接合部材296、297同士が仮接合される。尚、一方の仮接合部材296は、他方の仮接合部材297と同じ材料、または、他方の仮接合部材297よりも硬い材料によって構成することが好ましい。更には、仮接合部材296、297同士を、プラズマまたは原子ビーム等によって、常温または低温で接合可能な材料で構成すること好ましい。仮接合部材296、297を構成する材料の一例は、金属である。
【0070】
図16は、仮接合部材の形状を変更した実施形態の縦断面図である。図16に示すように、一方の仮接合部材396、397の先端には、被ガイド部に一例であるテーパ状に突出したテーパ凸部380が形成されている。他方の仮接合部材397の先端には、ガイド部の一例であるテーパ状に窪んだテーパ凹部382が形成されている。これにより、基板90、90同士が近接すると、テーパ凹部382が、テーパ凸部380をガイドする。この結果、基板90、90同士の位置決めが、容易にできる。この実施形態では、プラズマまたは原子ビーム等によって、常温または低温で接合可能な材料で構成すること好ましい。一例として、仮接合部材396、397の両方を金属によって構成してもよい。また、他の例として、仮接合部材396、397の一方をシリコン、仮接合部材396、397の他方をシリコン酸化膜、または、その逆に構成してもよい。
【0071】
図17は、仮接合部材の形状を変更した実施形態の縦断面図である。図17に示すように、一方の仮接合部材496の先端には、部分的に突出した凸部480が形成されている。他方の仮接合部材497の先端には、凸部480と同形状の凹部482が形成されている。これにより、凸部480を凹部482に嵌合することにより、基板90、90同士を位置決めすることができる。また、位置決め後の、凸部480と凹部482の嵌め合いにより、水平方向の位置ずれを抑制できる。
【0072】
図18は、仮接合部材の接合方法を変更した実施形態の縦断面図である。図18に示すように、アライナ28の下ステージ518には、貫通穴513が形成されている。振動部材の一例である振動子572が、貫通穴513に挿入される。振動子572の先端は、基板90の下面に接触している。振動子572は、超音波モータまたは圧電素子等によって、水平方向に超音波振動する。振動子572は、基板90を介して、超音波振動を下側の仮接合部材596に付与する。これにより、当該仮接合部材596が、水平方向に超音波振動するので、摩擦熱が仮接合部材596と仮接合部材596との間に生じて、仮接合部材596、596が加熱される。ここで、仮接合部材596を低融点材料または熱硬化性樹脂等によって構成することにより、仮接合部材596、596同士が、仮接合される。尚、仮接合部材596の融点は、電極パッド98の融点よりも低いことが好ましい。振動子572は、図18に実線で示す位置と一点鎖線で示す位置の間を振動する。基板90の面方向において、振動子572の振幅の2倍の幅W1は、仮接合部材596の同方向の幅W2よりも小さいことが好ましい。これにより、振動する一方の仮接合部材596が、他方の仮接合部材596から離間することを抑制できる。尚、振動子572を鉛直方向に振動させてもよい。
【0073】
図19は、仮接合部材の接合方法を変更した実施形態の縦断面図である。図19に示すように、下ステージ118の周縁部には、磁場発生源624が設けられている。磁場発生源624には、交流電流が供給される。これにより、磁場発生源624は、基板90の側面から磁場を発生させる。これにより、渦電流が、素子形成領域の外に配され、導電性材料を含む仮接合部材696に流れる。この結果、仮接合部材696、696は、ジュール熱により誘導加熱されて、接合される。仮接合部材696は、低融点の金属によって構成することが好ましく、特に、電極パッド98を構成する材料よりも低融点であることが好ましい。また、磁場発生源624が、発生する磁場は高周波であることが好ましい。これにより、周縁部の仮接合部材696を効率よく加熱しつつ、内側の電極パッド98の加熱を抑制できる。
【0074】
次に、3枚の基板を貼り合せる場合の基板貼り合わせ方法について説明する。図20は、仮接合部材を変更した実施形態の下層の基板の平面図である。図21は、仮接合部材を変更した実施形態の中層の基板の平面図である。図22は、仮接合部材を変更した実施形態の上層の基板の平面図である。
【0075】
図20に示すように、下層の基板789の外周には、外側へ延びる3個の下仮接合部材795が設けられている。下仮接合部材795は、基板789の外周から外側に突出している。3個の下仮接合部材795は、基板789の中心の周りに120°間隔で配置されている。
【0076】
図21に示すように、中層の基板790の外周には、外側へ延びる6個の中仮接合部材796が設けられている。6個の中仮接合部材796は、基板790の中心の周りに60°間隔で配置されている。3個の中仮接合部材796は、平面視において、下仮接合部材795と同じ位置に配置されている。残りの中仮接合部材796は、平面視において、下仮接合部材795と異なる位置に配置されている。
【0077】
図22に示すように、上層の基板791の外周には、外側へ延びる3個の上仮接合部材797が設けられている。3個の上仮接合部材797は、基板791の周りに120°間隔で配置されている。3個の上仮接合部材797は、下仮接合部材795とは異なる位置に配置された3個の中仮接合部材796と同じ位置に配置されている。換言すれば、上仮接合部材797は、下仮接合部材795とは異なる位置に配置されている。
【0078】
図23は、下の2枚の基板789、790が位置合わせされて仮接合された状態の縦断面図である。図24は、上層の基板791が、先に仮接合された2枚の基板789、790に仮接合された状態の縦断面図である。尚、図23及び図24は、図21に示すA−A線の個所の断面図である。
【0079】
まず、図23に示すように、下の2枚の基板789、790が、アライナ28の固定ステージ部36及び移動ステージ部38によって、位置合わせされて積層されると、3個の中仮接合部材796が3個の下仮接合部材795と重なる。この状態で、中仮接合部材796が、下仮接合部材795と接合される。これにより、2枚の基板789、790が、仮接合される。尚、下仮接合部材795と中仮接合部材796との接合は、プラズマまたは原子ビーム等による表面活性化後に、常温接合してもよく、その他の接合方法によって接合してもよい。基板789、790は、加熱加圧装置56に搬送されて、基板789、790に形成された電極パッド782と電極パッド784とが本接合される。この後、基板789、790は、基板貼り合わせ装置10から取り出されて、基板790の上面に電極パッド784及び素子が形成される。
【0080】
次に、図24に示すように、上層の基板791が、固定ステージ部36及び移動ステージ部38によって、基板789、790に対して位置合わせされて積層されると、仮接合されていない残りの3個の中仮接合部材796が3個の上仮接合部材797と重なる。この状態で、中仮接合部材796が、上仮接合部材797と接合される。これにより、上層の基板791が、下の2枚の基板789、790に仮接合される。尚、接合方法は、下の2枚の仮接合方法と同様である。基板789、790、791は、加熱加圧装置56に搬送されて、基板790、791に形成された電極パッド784と電極パッド786とが本接合されて、3層の重ね合わせ基板792となる。重ね合わせ基板792は、基板貼り合わせ装置10から搬出されて、下仮接合部材795、中仮接合部材796、上仮接合部材797が除去される。尚、4層以上の基板を貼り合わせる場合、上述の工程を繰り返せばよい。
【0081】
上述した仮接合部材を構成する材料は、一例であって、適宜変更してよい。例えば、2液の樹脂を混合することによる硬化する接着剤によって、仮接合部材を構成してもよい。この場合、2液の一方の液体を一方の基板の仮接合部材として塗布し、2液の他方の液体を他方の基板の仮接合部材として塗布する。そして、アライナによって仮接合部材同士を接触させることにより、2液を混合させて硬化すればよい。
【0082】
上述した仮接合部材を構成する樹脂材料として、紫外線硬化樹脂を適用したが、他の樹脂を適用してもよい。例えば、仮接合部材を赤外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等によって構成してもよい。赤外線硬化樹脂を採用する場合、赤外線を透過可能な基板の場合、赤外線を鉛直方向から当該樹脂に照射してもよい。これにより、特定の領域の樹脂のみを硬化させることができる。
【0083】
上述した実施形態では、仮接合部材を部分的に設ける場合、基板の対向する面の両方に仮接合部材を配置したが、一方の基板に仮接合部材を配置してもよい。
【0084】
上述した実施形態では、素子等が形成された基板を貼り合せる例を示したが、基板に素子が形成されていなくてもよい。
【0085】
また、仮接合部材の接合強度は、本接合の接合強度よりも高くてもよい。仮接合部材を導体にしてもよく、この場合、仮接合部材と素子と離間させて絶縁することが好ましい。
【0086】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0087】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0088】
10 基板貼り合わせ装置、 12 筐体、 14 常温部、 16 高温部、 18 制御部、 20 基板カセット、 24 ロボットアーム、 26 プリアライナ、 28 アライナ、 30 ロボットアーム、 34 枠体、 36 固定ステージ部、 38 移動ステージ部、 40 シャッタ、 42 シャッタ、 46 断熱壁、 48 エアロック室、 50 シャッタ、 52 シャッタ、 54 ロボットアーム、 55 収容室、 56 加熱加圧装置、 90 基板、 92 重ね合わせ基板、 94 アライメントマーク、 96 仮接合部材、 97 樹脂材料、 98 電極パッド、 99 スクライブライン、 102 底板、 104 天板、 106 側壁、 110 X方向駆動部、 111 Xガイドレール、 112 Y方向駆動部、 114 Z方向駆動部、 115 球面座、 116 揺動駆動部、 118 下ステージ、 120 下顕微鏡、 122 下反射鏡、 124 紫外線光源、 130 ロードセル、 132 上ステージ、 134 上反射鏡、 136 上顕微鏡、 142 開口部、 144 シャッタ、 150 固定台、 152 下加熱部、 154 昇降部、 156 上加熱部、 157 観察穴、 158 鉛直顕微鏡、 160 水平顕微鏡、 280 鋭角凸部、 296 仮接合部材、 297 仮接合部材、 380 テーパ凸部、 382 テーパ凹部、 396 仮接合部材、 397 仮接合部材、 480 凸部、 482 凹部、 496 仮接合部材、 497 仮接合部材、 518 下ステージ、 513 貫通穴、 572 振動子、 596 仮接合部材、 624 磁場発生源、 696 仮接合部材、 782 電極パッド、 784 電極パッド、 786 電極パッド、 789 基板、 790 基板、 791 基板、 792 重ね合わせ基板、 795 下仮接合部材、 796 中仮接合部材、 797 上仮接合部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮接合部において、複数の基板を重ね合わせて複数の対向面および側面の少なくとも一方の一部を仮接合部材によって接合する仮接合段階と、
前記仮接合段階で仮接合された前記複数の基板を、本接合部へ搬送する搬送段階と、
前記本接合部において、前記仮接合段階で仮接合された前記複数の基板を本接合部材によって本接合する本接合段階と
を備える基板貼り合せ方法。
【請求項2】
前記仮接合部材と前記本接合部材は、異なる接合材料を含む
請求項1に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項3】
前記仮接合段階では、
少なくとも一方の基板上に離間して配された複数の仮接合部材によって接合される
請求項1または2に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項4】
前記仮接合段階での接合強度は、前記本接合段階での接合強度よりも低い
請求項1から3のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項5】
前記仮接合段階では、前記基板に形成された素子と絶縁された前記仮接合部材によって、前記複数の基板を仮接合するとともに、
前記本接合段階では、一の基板に形成された素子と他の基板に形成された素子とを電気的に接続する前記本接合部材によって本接合する
請求項1から4のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項6】
前記仮接合部材は、複数であって、
複数の仮接合部材の個数は、前記本接合部材の接合強度の高い領域に比べて、前記本接合部材の接合強度の低い領域の方が多い
請求項1から5のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項7】
前記仮接合段階において、前記仮接合部材が接合された状態では、本接合段階で互いに接合される前記本接合部材は離間している
請求項1から6のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項8】
前記仮接合部材は複数であって、
複数の仮接合部材は、前記複数の基板間の距離に合わせて配置される
請求項1から7のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項9】
前記仮接合部材は、前記本接合部材よりも融点が低い
請求項1から8のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項10】
前記仮接合部材は、前記本接合部材よりも柔らかい
請求項1から9のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項11】
前記仮接合部材は、前記本接合部材よりも接合面積が小さい
請求項1から10のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項12】
前記仮接合部材は、一の基板に形成された被ガイド部を有する仮接合部材と、他の基板に形成され、前記被ガイド部をガイドするガイド部を有する仮接合部材とを含む
請求項1から11のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項13】
一の基板に形成された仮接合部材は、他の基板に形成された仮接合部材と嵌合する
請求項1から12のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項14】
前記仮接合段階では、
前記複数の基板間に設けられた光硬化樹脂に、前記複数の基板の側面から硬化用の光を照射して、前記光硬化樹脂を硬化させることにより、前記複数の基板を仮接合する
請求項1から13のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項15】
前記光硬化樹脂は、前記複数の基板の全面に設けられる
請求項14に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項16】
前記硬化用の光を前記光硬化樹脂の一部に照射して、前記光硬化樹脂を硬化させる
請求項15に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項17】
前記仮接合段階では、
振動部材によって前記仮接合部材に超音波振動を付与して、前記複数の基板を仮接合する
請求項1から13のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項18】
前記基板の面方向において、前記超音波振動の振幅の2倍は、前記仮接合部材の幅よりも小さい
請求項17に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項19】
前記仮接合段階では、
導電性材料を含む前記仮接合部材を加熱して、前記複数の基板を仮接合する
請求項1から13のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項20】
前記仮接合部材を磁場発生源から発生した磁場により誘導加熱する
請求項19に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項21】
前記仮接合部材は、前記基板の素子形成領域の外側に配され、
前記磁場発生源は、前記基板の側面から前記仮接合部材に磁場を付与する
請求項20に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項22】
前記仮接合段階では、
各基板から外側に延びる仮接合部材を介して、前記複数の基板を仮接合する
請求項1から13のいずれか1項に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項23】
前記複数の基板は、第1基板、第2基板及び第3基板を含み
平面視において、前記第1基板と前記第2基板とを仮接合する第1仮接合部材と、前記第2基板と前記第3基板とを仮接合する第2仮接合部材とが異なる位置に配置されている
請求項22に記載の基板貼り合せ方法。
【請求項24】
前記仮接合部材を前記基板に設ける仮接合部材設置段階を有する請求項1から23のいずれか一項に記載の基板貼り合わせ方法。
【請求項25】
前記複数の基板を位置合わせする位置合わせ段階を有し、
前記仮接合部材設置段階は、前記位置合わせ段階の前に実施される請求項24に記載の基板貼り合わせ方法。
【請求項26】
前記本接合部材を前記基板に設ける本接合部材設置段階を有し、
前記仮接合部材設置段階は、前記本接合部材設置段階の後に実施される請求項24または25に記載の基板貼り合わせ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−4609(P2013−4609A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132210(P2011−132210)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】