説明

報知制御装置、報知制御システム、それらの方法、それらのプログラム、および、それらのプログラムを記録した記録媒体

【課題】 良好に報知できる報知制御システムを提供する。
【解決手段】 楽曲データの再生要求に基づき、楽曲データ読取手段400で楽曲データを読み取り、楽曲データ認識手段910で取得し、発音制御手段950で適宜処理してスピーカ510で出力させる。車両の状態や移動状況に関する事象の状況に応じた報知信号を、車両事象検出手段200やナビゲーション装置300から取得すると、楽曲データの楽曲特性を認識する。報知信号の音データあるいは報知信号に対応する記憶手段700の音データを取得し音特性を認識する。発音制御手段950により、音データの音特性を楽曲データの楽曲特性に対応して処理し楽曲データに重畳してスピーカ510で出力させる。楽曲および報知が調和し、楽曲の聴取を阻害せず、適切に報知できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事象検出手段で検出する事象の状況に対応して楽曲データに応じてスピーカから出力させる制御をする報知制御装置、報知制御システム、それらの方法、それらのプログラム、および、それらのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スピーカを発音させて事象を報知する際、発音する音の特性を変更して事象の状況を報知する構成が知られている。例えば目覚まし時計など、起床時間など所定の時刻が近づくに従って、スピーカから発音されるアラーム音の音量が大きくなったり、間欠音から連続音に変更したりするなど、スピーカから発音されるアラーム音の特性を制御する各種構成が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1に記載のものは、アラーム音データを出力する音声合成ICに外付回路を付加するとともに、音声合成ICにより外付回路の入力から出力までの全抵抗値を制御することによってスピーカに流す電流を増幅するトランジスタのベース電流やコレクタ電流を選択的に変更可能としている。そして、外付回路によりトランジスタのベース電流やコレクタ電流を選択的に変化させ、アラーム音の音量を変更する構成が採られている。
【0004】
また、特許文献2に記載のものは、複数種類の駆動電圧波形を出力可能な駆動電圧波形発生手段から、モータに供給する駆動電圧波形を、切替手段により選択的に切り替えている。そして、あらかじめ設定された時刻にモータを所定の駆動電圧波形で駆動して打鈴するアラーム音発生手段によるアラーム音の鳴り方である出力形態を制御する構成が採られている。
【0005】
【特許文献1】特開平9−211158号公報(第2頁左欄−第5頁右欄)
【特許文献2】特開平10−332854号公報(第2頁右欄−第5頁右欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1および特許文献2に記載のような従来のアラーム音の音量を変化させたり鳴り方を変化させたりする構成では、例えば聴取者が聴取している楽曲とアラーム音とが干渉する。このため、従来の構成では、聴取が妨げられて聴取者に不快感を与えてしまったり、楽曲にアラーム音が埋もれてしまいアラーム音が聴き取れなくなって聴取者に的確に報知できなくなったりするなどの不都合が生じるおそれがある問題が一例として挙げられる。
【0007】
本発明の目的は、このような点に鑑みて、良好な報知が得られる報知制御装置、報知制御システム、それらの方法、それらのプログラム、および、それらのプログラムを記録した記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、楽曲データを取得する楽曲データ取得手段と、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応してスピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段からの前記音データを取得する報知状況取得手段と、前記楽曲データの楽曲特性を認識する楽曲特性認識手段と、前記取得した音データを前記楽曲データの楽曲特性に対応した特性に処理して前記楽曲データに重畳させ前記スピーカから出力させる制御をする発音制御手段と、を具備したことを特徴とした報知制御装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、楽曲データを取得する楽曲データ取得手段と、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応して報知信号を出力する事象検出手段からの前記報知信号を取得する報知状況取得手段と、前記報知信号に応じた音データを複数記憶する記憶手段と、前記楽曲データの楽曲特性を認識する楽曲特性認識手段と、前記報知信号の取得を認識すると、前記記憶手段から前記取得した報知信号に応じた音データを取得する音データ取得手段と、前記取得した音データを前記楽曲データの楽曲特性に対応した特性に処理して前記楽曲データに重畳させ前記スピーカから出力させる制御をする発音制御手段と、を具備したことを特徴とした報知制御装置である。
【0010】
請求項7に記載の発明は、楽曲データを取得する楽曲データ取得手段と、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応してスピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段からの前記音データを取得する報知状況取得手段と、前記楽曲データの楽曲特性を認識する楽曲特性認識手段と、前記音データの音特性を認識する音特性認識手段と、前記取得した音データの音特性が前記楽曲データの楽曲特性に対応する特性となる位置に前記取得した音データを重畳させて前記スピーカから出力させる制御をする発音制御手段と、を具備したことを特徴とした報知制御装置である。
【0011】
請求項16に記載の発明は、スピーカと、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応して前記スピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段と、前記事象検出手段から出力させる音データを取得して前記スピーカから出力させる請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の報知制御装置と、を具備したことを特徴とした報知制御システムである。
【0012】
請求項17に記載の発明は、スピーカと、事象の状況を検出し前記事象の情報に対応して前記スピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段と、楽曲データを読出可能に記憶し前記楽曲データを前記スピーカから出力可能に読み出す楽曲データ読出手段と、前記読み出された楽曲データおよび前記音データを取得し、前記楽曲データの楽曲特定に対応した状態に前記音データを重畳して前記スピーカから出力させる請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の報知制御装置と、を具備したことを特徴とした報知制御システムである。
【0013】
請求項18に記載の発明は、演算手段により、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応してスピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段からの前記音データを取得して処理し前記スピーカから出力させる制御をする報知制御方法であって、前記演算手段は、楽曲データを取得し、この取得した楽曲データの楽曲特性を認識し、この認識した楽曲特性に対応した特性に前記取得した音データを処理して前記楽曲データに重畳して前記スピーカから出力させる制御をすることを特徴とする報知制御方法である。
【0014】
請求項19に記載の発明は、演算手段により、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応して報知信号を出力する事象検出手段からの前記報知信号を取得しスピーカから出力させる制御をする報知制御方法であって、前記演算手段は、楽曲データを取得し、この取得した楽曲データの楽曲特性を認識し、前記報知信号の取得を認識すると、前記報知信号に応じた音データを複数記憶する記憶手段から前記取得した報知信号に応じた前記音データを取得し、前記取得した音データを前記楽曲データの楽曲特性に対応した特性に処理して前記楽曲データに重畳して前記スピーカから出力させる制御をすることを特徴とする報知制御方法である。
【0015】
請求項20に記載の発明は、演算手段により、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応してスピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段からの前記音データを取得して処理し前記スピーカから出力させる制御をする報知制御方法であって、前記演算手段は、楽曲データを取得しこの楽曲データの楽曲特性を認識し、前記音データを取得しこの音データの音特性を認識し、前記音データの音特性が前記楽曲データの楽曲特性に対応した特性となる位置に前記音データを前記楽曲データに重畳して前記スピーカから出力させる制御をすることを特徴とする報知制御方法である。
【0016】
請求項21に記載の発明は、演算手段を、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の報知制御装置、または、請求項16または請求項17に記載の報知制御システムとして機能させることを特徴とした報知制御プログラムである。
【0017】
請求項22に記載の発明は、請求項18ないし請求項20のいずれかに記載の報知制御方法を演算手段に実行させることを特徴とした報知制御プログラムである。
【0018】
請求項23に記載の発明は、請求項21または請求項22に記載の報知制御プログラムが演算手段に読取可能に記録されたことを特徴とした報知制御プログラムを記録した記録媒体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態では、本発明の報知制御システムとして移動体である例えば車両に搭載される装置構成について例示して説明する。なお、本発明における報知制御システムとしては、移動体に搭載される構成の他、例えば家屋などの建造物に設置される構成などにも適用できる。また、本実施の形態では、外部音として、周囲の発話などの音声に限らず、各種の音を対象とすることができる。図1は、本発明に係る一実施の形態における報知制御システムの概略構成を示すブロック図である。図2は、報知制御システムにおける楽曲特性の調性と同一調の音データに処理する状況を示す説明図であり、(A)は処理前の音データの音特性を示す説明図で、(B)は処理後の音データの音特性を示す説明図である。図3は、報知制御システムにおける楽曲特性のリズムに同期する音データの処理状況を示す説明図であり、(A)は処理前の音データの音特性を示す説明図で、(B)は比較的に遅いテンポの楽曲特性に対応して処理した後の音データの音特性を示す説明図で、(C)は比較的に早いテンポの楽曲特性に対応して処理した後の音データの音特性を示す説明図である。図4は、報知制御システムにおける楽曲特性に対応して音データの音量を処理する状況を示す説明図である。
【0020】
〔報知制御システムの構成〕
図1において、100は、報知制御システムで、この報知制御システム100は、移動体としての例えば車両の状態や運行状況などの各種車両に関する事象を適宜報知するシステムである。ここで、車両としては、自動車や電車などの車両の他、飛行機や船舶など、移動するいずれの移動体にも適用できる。この報知制御システム100は、例えば車両に搭載された図示しないバッテリから供給される電力により動作する。そして、この報知制御システム100は、事象検出手段としての車両事象検出手段200と、事象検出手段としてのナビゲーション装置300と、楽曲データ取得手段としても機能する楽曲データ読取手段400と、発音手段500と、入力手段600と、記憶手段700と、メモリ800と、演算手段としての報知制御装置900と、などを備えている。
【0021】
車両事象検出手段200は、車両に関する事象の状況を検出し、この検出した事象の状況に対応して音データとしての所定の報知信号を出力する。この報知信号は、例えば発音手段500から所定の発音形態で報知音として出力される信号である。そして、車両事象検出手段200は、事象検出手段としても機能し得る検出センサ部210と、報知演算手段220と、などを備えている。
【0022】
検出センサ部210は、車両に配設され、車両に関す事象を検出する。具体的には、検出センサ部210は、車両の走行速度を検出する車速センサ、エンジンの温度を検出する温度センサ、周囲の車両や障害物などとの距離を検出する車間センサ、燃料の残量を検出する燃料センサ、など車両に関する各種事象を検出するセンサを備えている。そして、検出センサ部210は、検出した各事象に対応する検出信号を報知演算手段220へ出力する。
【0023】
報知演算手段220は、検出センサ部210から検出信号を取得し、検出信号に基づいて事象の状況を認識し、事象の状況に対応して発音手段500から所定の発音形態で例えばアラーム音や音声などの音データとしての報知音として出力させる報知信号を出力する。具体的には、報知演算手段220は、車速センサから出力される検出信号に基づいて、車両の走行速度が所定の閾値を越えた状態であると認識すると、走行速度が超過した旨の報知信号を出力する。また、報知演算手段220は、温度センサから出力される検出信号に基づいて、エンジンの温度が所定の閾値を越えて過熱した状態であると認識すると、エンジンが過熱した旨の報知信号を出力する。さらに、報知演算手段220は、例えば、車間センサから出力される検出信号に基づいて、検出する距離が所定の閾値を下回った状態であると認識すると、周囲の車両や障害物などまでの距離が短くなって近接した旨の報知信号を出力する。また、報知演算手段220は、例えば燃料センサから出力される検出信号に基づいて、検出する燃料の残量が所定の閾値を下回った状態であると認識すると、燃料の残量が少なくなった旨の報知信号を出力する。これらのように、報知演算手段220は、検出センサ部210で検出する各種事象の状況を認識し、所定の報知信号を報知制御装置900へ出力する。なお、報知信号としては、報知音に関する音データを有さず、所定の事象の状況に関する報知音を発音手段500で報知させる旨の要求信号であってもよい。
【0024】
ナビゲーション装置300は、車両に関する事象の状況を検出し、この検出した事象の状況に対応して音データとしての所定の報知信号を出力する。この報知信号は、車両事象検出手段200と同様に、例えば発音手段500から所定の発音形態で報知音として出力される信号である。そして、ナビゲーション装置300は、事象検出手段としても機能し得る端末センサ部310と、事象検出手段としても機能し得る交通情報取得手段としてのVICS(Vehicle Information Communication System:道路交通情報通信システム)受信部320と、端末入力手段330と、端末表示手段340と、地図記憶手段350と、端末メモリ360と、端末演算部370と、などを備えている。
【0025】
端末センサ部310は、車両の移動状況、すなわち現在位置や走行状況などの事象を検出して端末演算部へ所定の検出信号として出力する。この端末センサ部310は、例えば、航法電波を受信して航法電波に対応した信号に基づいて現在位置の擬似座標値を演算し端末演算部370へ出力する図示しないGPS(Global Positioning System)受信部と、車両に配設され車両の走行速度に対応して変動する信号に基づいて走行速度や加速度などを検出する図示しない速度センサ、車両に配設され車両の方位角である前進する走行方向を検出し端末演算部370へ検出信号を出力するいわゆるジャイロセンサを有した方位角センサ、および、車両に配設され車両の走行方向における加速度を検出し端末演算部370へ検出信号を出力する加速度センサなどの事象を検出し事象信号として出力する各種センサと、などを備えている。なお、速度センサは、車速センサと共用の構成としてもよい。
【0026】
VICS受信部320は、図示しないVICSアンテナを有し、このVICSアンテナにより交通に関する情報を取得する。具体的には、VICS受信部320は、図示しないVICSから、例えばアンテナ部を利用してビーコンやFM多重放送などにより、渋滞、交通事故、工事、交通規制などの交通情報(以下、VICSデータという。)を取得する。そして、VICS受信部320は、取得した交通に関する情報を端末演算部370に所定の信号として出力する。
【0027】
端末入力手段330は、例えば、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。これら操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えばナビゲーション装置300における動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、端末入力手段330は、取得する情報の内容や取得する条件などの設定、目的地の設定、地図情報の検索、車両の移動状況である走行状態を表示させる設定、表示を切り替える設定などが例示できる。そして、端末入力手段330は、設定事項の入力操作により、所定の入力信号を端末演算部370へ適宜出力して設定させる。なお、この端末入力手段330としては、操作ボタンや操作つまみなどの入力操作に限らず、例えば端末表示手段340に設けられたタッチパネルによる入力操作や、音声による入力操作、リモートコントローラなどの無線媒体を介して信号を出力する構成など、各種設定事項を設定入力可能ないずれの構成が適用できる。
【0028】
端末表示手段340は、端末演算部370にて制御され端末演算部370からの画像データの信号を画面表示させる。画像データとしては、例えば地図情報や検索情報などの画像データの他、図示しないTV受信機で受信したTV画像データ、楽曲データ読取手段や外部装置など光ディスクや磁気ディスク、メモリカードなどの記録媒体に記録されドライブやドライバなどにて読み取った画像データ、端末メモリ360からの画像データなどである。この端末表示手段340としては、例えば液晶表示パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル、PDP(Plasma Display Panel)、CRT(Cathode-Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、電気泳動ディスプレイパネルなどが例示できる。
【0029】
地図記憶手段350は、地図情報や所定の地点や地物などの情報を取得するための検索情報、利用者の個人情報などを格納、すなわち読取可能に記憶する。この地図記憶手段350としては、例えば、HD(Hard Disk)やFD(Flexible Disk)などの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード、メモリなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成などが例示できる。
【0030】
端末メモリ360は、端末入力手段330で入力操作される設定事項や、端末演算部370から出力される各種データなどを適宜読み出し可能に記憶する。また、端末メモリ360には、ナビゲーション装置300全体を動作制御するOS(Operating System)上に展開される各種プログラムなどを記憶している。この端末メモリ360としては、例えば停電などにより突然電源が落ちた際にも記憶が保持される構成のメモリ、例えばCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)メモリなどを用いることが望ましい。なお、端末メモリ360としては、地図記憶手段350と同様に、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード、メモリなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成としてもよい。
【0031】
端末演算部370は、図示しない各種入出力ポート、例えば、GPS受信部が接続されるGPS受信ポート、各種センサがそれぞれ接続されるセンサポート、VICS受信部320が接続されるVICS受信ポート、端末入力手段330が接続されるキー入力ポート、端末表示手段340が接続される表示制御ポート、地図記憶手段350が接続される記憶ポート、端末メモリ360が接続されるメモリポートなどを有している。そして、端末演算部370は、各種プログラムとして、各種情報を取得して適宜処理し、車両の走行状況を認識する走行状況認識手段371と、車両の走行状況に基づいて車両の移動に関して案内を報知させる案内誘導手段372と、などを備えている。
【0032】
走行状況認識手段371は、端末センサ部310から出力される信号や端末入力手段330における設定入力に対応した入力信号あるいは車両事象検出手段200から出力される報知信号などに基づき、地図情報を利用して、車両の走行状況を認識する。具体的には、走行状況認識手段371は、端末センサ部310から出力される検出信号に基づいて、車両の現在位置および車両の走行方向などを認識し、地図情報に基づいて車両の走行状況を認識する。また、走行状況認識手段371は、端末入力手段330からの入力信号に基づいて目的地などを認識し、地図情報や交通情報などに基づいて車両の移動経路であるルート探索をし、探索したルートと、現在位置および走行方向などとに基づき、地図情報を利用してルートに対する車両の走行状況をも認識する。
【0033】
案内誘導手段372は、走行状況認識手段371で認識した車両の走行状況に基づいて、車両が走行に関する案内を発音手段500から報知させ車両を案内誘導する処理をする。具体的には、案内誘導手段372は、端末メモリ360に記憶された報知音を読み出し、発音手段500から報知音を出力させる旨の要求信号とともに報知信号として報知制御装置900へ出力する。また、案内誘導手段372は、車両事象検出手段200から出力される報知信号に基づいて、車両の状態や走行状況に応じた案内を端末メモリ360から報知音として読み出し、発音手段500から報知音を出力させる旨の要求信号とともに報知信号として報知制御装置900へ出力する。この車両事象検出手段200からの報知信号に基づく処理として、車両事象検出手段200から直接的に報知信号を取得する構成に限らず、例えば報知制御装置900を介して取得する構成としてもよい。また、車両事象検出手段200の報知信号に基づいて報知信号を報知制御装置900へ出力する処理を実施しなくてもよい。なお、報知信号としては、報知音に関する音データを有さず、所定の案内誘導に関する旨の要求信号であってもよい。
【0034】
楽曲データ読取手段400は、例えば、HD(Hard Disk)やFD(Flexible Disk)などの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード、メモリなどの記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備え、記録媒体に記憶された楽曲データを読み出し、報知制御装置900へ出力する。なお、楽曲データ読取手段400としては、例えばTV受像器やラジオ受信機など、放送波を受信して適宜処理し、楽曲データや映像データなどを報知制御装置900へ出力したり、ネットワークを介して楽曲データを取得して記録媒体へ記憶させたりする構成を備えていてもよい。また、ドライブやドライバなどを備えた構成に限らず、上述した受信機などの構成のみとしてもよい。
【0035】
発音手段500は、報知制御装置900に接続され、報知制御装置900から出力される音情報を音声として出力する。この発音手段500は、報知制御装置900から出力されるアナログ信号の音情報を取得して増幅するなどの処理をする図示しない増幅器と、この増幅器で処理された音情報を音声として出力するスピーカ510と、などを備えている。なお、この発音手段500としては、あらかじめ車両に搭載された構成を利用してもよい。
【0036】
入力手段600は、例えば、端末入力手段330と同様に、入力操作される図示しない各種操作ボタンや操作つまみなどを有している。これら操作ボタンや操作つまみの入力操作の内容としては、例えば報知制御システム100における動作内容の設定などの設定事項である。具体的には、楽曲データ読取手段400に記憶された楽曲データや映像データなどを読み取らせ、発音手段500で楽曲データやナビゲーション装置からの報知音、あるいは車両事象検出手段200からの報知信号に基づく報知音を発音させたり、端末表示手段340で映像データを画面表示させたりする出力要求や出力状態の設定などが例示できる。ここで、音声の出力状態の設定として、音量の設定、低音の度合いや高音の度合いなどの音質の設定、ノイズ音の削除設定、ステレオあるいはモノラルなどの切り替え設定、車両の走行方向に対して左右方向に配設されたスピーカの出力バランスの設定などが例示できる。なお、入力手段600は、端末入力手段330と同様に、操作ボタンや操作つまみなどの入力操作に限らず、例えば端末表示手段340や別途接続された表示手段に設けられたタッチパネルによる入力操作、音声による入力操作、リモートコントローラなどの無線媒体を介して信号を出力する構成など、各種設定事項を設定入力可能ないずれの構成が適用できる。
【0037】
記憶手段700は、車両事象検出手段からの報知信号やナビゲーション装置からの報知信号に対応する音データとしての報知音に関する音データを複数記憶するテーブル構造に構成されている。具体的には、記憶手段700は、報知信号を特定する識別番号に関する番号情報と、これら番号情報に関連付けられる音データと、を有し1つのデータ構造に構成された音検索情報を複数記憶するテーブル構造に構成されている。ここで、音データとしては、アラーム音や音声データなど各種音に関するデータである。例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)の規格に準拠した音データ、すなわち米MMA(MIDI Manufacturers Association)と日本MIDI評議会(Japan MIDI Standards Committee:JMSC)とにより規格化されたGM(General MIDI)規格、あるいはGS(General Standard)規格、またはXG(Extended General MIDI)規格、さらにはGMレベル2規格などに基づくMIDIメッセージなどが例示できる。なお、MIDIメッセージに限らず、いずれのデータ構成を対象とすることができる。
【0038】
メモリ800は、入力手段600で入力操作される設定事項や、報知制御装置900から出力される各種データなどを適宜読み出し可能に記憶する。また、メモリ800には、報知制御システム100全体を動作制御するOS上に展開される各種プログラムなどをも記憶している。このメモリ800としては、例えば、端末メモリ360と同様に、各種記録媒体に読み出し可能に記憶するドライブやドライバなどを備えた構成が例示できる。
【0039】
報知制御装置900は、発音手段500のスピーカ510で音声出力させる楽曲データに、報知信号に基づく報知音を適宜処理して重畳し音声出力させる処理をする。この報知制御装置としては、例えばCPU(Central Processing Unit)などを有し、各種プログラムとして、楽曲データ取得手段としての楽曲データ認識手段910と、楽曲特性認識手段920と、報知状況取得手段930と、音特性認識手段940と、発音制御手段950と、などを備えている。
【0040】
楽曲データ認識手段910は、楽曲データ読取手段400で読み取られて出力される楽曲データを、例えば連続したデータであるストリームとして取得する。なお、ストリームとして取得する場合に限らず、パケットとして取得するなどいずれの形態で取得してもよい。そして、楽曲データ認識手段910は、取得した楽曲データを発音制御手段950へ順次出力する。
【0041】
楽曲特性認識手段920は、楽曲データ認識手段910で取得した楽曲データの楽曲特性を認識する。この楽曲データの楽曲特性としては、楽曲データの音程やコードなどの調性、リズム、テンポ(Beats Per Minute:BPM)、周波数特性、音量など、楽曲データの音の特性である。この音の特性の認識としては、例えばMIDIメッセージとして認識するなどしてもよい。
【0042】
報知状況取得手段930は、車両事象検出手段200やナビゲーション装置300から出力される報知信号を取得し、報知する事象の状況を認識し、事象の状況に対応して発音手段500から出力させる音データを取得する。具体的には、報知状況取得手段930は、音データ取得手段931を備えている。この音データ取得手段931は、報知信号に含まれる報知音を音データとして取得する。また、音データ取得手段931は、報知信号に報知音が含まれていない場合には、要求信号に基づいて記憶手段700に記憶され報知情報に対応する音データを読み出させて取得する。そして、音データ取得手段931は、取得した音データを発音制御手段950へ出力する。
【0043】
音特性認識手段940は、報知状況取得手段930の音データ取得手段931で取得した音データの音特性を認識する。この音データの音特性としては、楽曲特性認識手段920と同様に、音データの音程などの調性、リズム、テンポ、周波数特性、音量など、音データの音の特性である。この音の特性の認識としては、楽曲特性認識手段920と同様に、例えばMIDIメッセージとして認識するなどしてもよい。
【0044】
発音制御手段950は、楽曲データ認識手段910から出力される楽曲データを適宜処理、例えば入力手段600での入力操作による音声出力状態の設定に基づいて、スピーカ510から音声出力させる処理やデジタル信号からアナログ信号に変換する処理などを実施する。また、発音制御手段950は、音データ取得手段931で取得した音データを、スピーカ510から音声出力させる処理を実施する。この音データを音声出力させる際、発音制御手段950は、楽曲データを音声出力させる処理を実行している場合、楽曲データの楽曲特性に対応した特性に音データを処理し楽曲データに重畳させてスピーカ510から出力させる制御をする。すなわち、発音制御手段950は、音特性認識手段940で認識した音データの音特性を、楽曲特性認識手段920で認識した楽曲データの楽曲特性に調和した特性に変更する処理をする。このような音データの音特性の変更としては、楽曲データの調性と同一調に変更したり、楽曲リズムに同期するリズム構成に変更したり、楽曲データの音量に対応した音量に変更したりするなどの処理が例示できる。
【0045】
具体的には、同一調の変更処理としては、音データが図2(A)に示すような「C Major(シー・メジャ)」のキーである場合に、重畳する位置における楽曲の調性が「G Major(ジー・メジャ)」のキーである場合、音データを図2(B)に示すような「G Major」のキーに変更する。すなわち、音階を合わせる処理をする。また、音データを重畳させる位置における楽曲データのコードが「C」である場合、音データを構成する音符の音の高さを、「C」のコードを構成する和音「ド、ミ、ソ」の音の高さに変更する。さらに、楽曲データの主旋律を認識し、この主旋律を構成する音階に対応した音階にアラーム音や音声の音階を対応させる。これらのように、楽曲データのコードの構成音にアラーム音や音声のトーンを合わせる処理をする。
【0046】
そして、リズムを同期させる処理としては、音データが音声である場合、ラップ−ミュージックのように楽曲データのテンポに同調するテンポに変更する。さらに、「次の信号を右です」のような音声では、形態素解析などにて「次の」、「信号を」、「右です」のように分解し、楽曲データの楽曲特性として認識した小節毎に分解した音声の音データを同期させる。さらに、楽曲データの強弱に対応して、分解した音声の音データを同期させる。また、「ド、ミ、ソ、ドー」のようなアラーム音である場合、そのアラーム音のフレーズが、楽曲データの1小節あるいは転調するまでの複数小節内で収まるタイミングとなるように同期させる。さらに、音データが例えば図3(A)に示すような音符の長さ構成である場合、この音データの再生を開始してから終了するまでの時間長があまり変更しない時間長となるように、楽曲データのテンポに対応して、図3(B)や図3(C)に示すように、各音符の長さを相対的に変更して楽曲データの小節に対応させる。
【0047】
また、音量の変更処理としては、例えば図4に示すように、楽曲データの周波数特性における音データの周波数帯域の音量を、その周波数帯域に対応する楽曲データの周波数帯域の音量、特に最大音量より0.5デシベル(db)以上の音量、好ましくは4db以上の音量に調整する。その他、楽曲データに音声が含まれる場合には、その音声が出力されないいわゆる間奏の際に音データを重畳させるなどしてもよい。なお、これら例示した各処理のいずれか1処理のみに限らず、適宜組み合わせて複数処理してもよい。特に、調性とリズムとを対応させることで、音データが楽曲データに埋没することなく確実に聴取でき、かつ楽曲データが阻害されずに良好に聴取できる。
【0048】
そして、発音制御手段950は、楽曲データの楽曲特性に対応して変更処理した音データを楽曲データに重畳させ、スピーカ510から同時に再生される状態に楽曲データおよび音データを処理する。この重畳させて出力する処理としては、楽曲データに音データを合成した音情報を生成し、この生成した音情報を発音手段500で音声として出力可能に処理したり、楽曲データおよび音データを発音手段500で音声として出力可能にそれぞれ処理して音の特性が調和するタイミングで発音手段500へそれぞれ出力する処理をしたり、いずれの処理方法を適用できる。
【0049】
〔報知制御システムの動作〕
次に、報知制御システム100の動作を図面に基づいて説明する。図5は、報知制御システムの動作を示すフローチャートである。
【0050】
車両に搭乗した利用者がキー操作により車両のアクセサリ電源を投入することにより、車両のバッテリから報知制御システム100に電力が供給される。この電力の供給により、報知制御システム100は動作待機状態となる。すなわち、報知制御システム100の報知制御装置900は、入力手段600における楽曲データの再生要求に関する入力操作の有無を判断するとともに(ステップS101)、車両事象検出手段200にて車両の状態や移動状況などの事象を認識する処理をする。そして、報知制御装置900は、楽曲データの再生要求があったことを認識すると、楽曲データ読取手段400を動作制御し、再生要求対象の楽曲データを記録媒体から読み取らせて出力させ、楽曲データ認識手段910にて例えば連続したデータであるストリームとして取得する(ステップS102)。さらに、報知制御装置900は、ステップS102で楽曲データを取得しつつ、報知状況取得手段930で報知信号の取得の有無を判断、すなわち報知信号の受信待機状態となっている(ステップS103)。
【0051】
このステップS103において、報知状況取得手段930で報知信号を取得していない、すなわち車両事象検出手段200やナビゲーション装置300から報知信号が出力されていないと判断すると、ステップS102で取得している楽曲データを再生する処理をする(ステップS104)。具体的には、報知制御装置900の発音制御手段950が楽曲データ認識手段910で順次取得する楽曲データを順次処理し、発音手段500へ順次出力して音声として出力させ、ステップS103に戻って、再生しつつ報知信号の受信待機状態を継続する。
【0052】
一方、ステップS103において、報知状況取得手段930が報知信号を取得したことを認識すると、報知制御装置900の楽曲特性認識手段920が楽曲データ認識手段910で取得している楽曲データの楽曲特性を認識する(ステップS105)。さらに、報知制御装置900は、楽曲特性認識手段920による楽曲特性の認識処理を実行しつつ、報知信号に基づいて車両の事象に応じた報知音となる音データを音データ取得手段931にて取得させる(ステップS106)。このステップS106における音データの取得としては、報知信号に音データが含まれている場合にはその音データを取得し、報知信号に音データが含まれていない場合には記憶手段700に記憶された音検索情報に基づいて報知信号に対応する音データを読み取って取得する。
【0053】
このステップS106の後、報知制御装置900は、取得した音データを音特性認識手段940により音データの音特性を認識する(ステップS107)。そして、報知制御装置900は、発音制御手段950により、ステップS105で処理している楽曲特性に対応する特性に音データの音特性を変更する処理をする(ステップS108)。具体的には、音データが重畳されて再生されるタイミングの楽曲データの楽曲特性の調性と同一調に変更する処理や、楽曲特性のリズムに同期するリズムに変更する処理などを実施する。このステップS108の後、報知制御装置900の発音制御手段950は、音データを処理したタイミングに対応する楽曲データの位置に音データを重畳して再生させる処理をする(ステップS109)。この重畳して再生する処理において、例えば音データが比較的に短い所定のフレーズである場合には、そのフレーズがあらかじめ設定された所定回数繰り返す状態に重畳再生させたり、音アラームを所定時間で繰り返して重畳再生させたり、音データの重畳再生が終了するまで重畳再生させたりする。そして、所定回数や所定時間での繰り返し再生や音データのフレーズの再生が終了したことを認識すると、楽曲データの再生処理を継続させ、報知制御処理が終了する。
【0054】
このステップS109における楽曲データに音データを重畳再生する処理として、車両事象検出手段200で例えば燃料の残量が少なくなった旨やエンジンの過熱などの事象の所定の状況を検出して出力される報知信号に対応するアラーム音では、楽曲データの楽曲特性に調和した状態で、かつ、楽曲データに埋もれてしまうことなく確実に聴取できる状態で再生される。また、例えばナビゲーション装置300で例えば「次の信号を右です」などの移動状況に対応した案内に関する音声の音データが報知信号として出力された場合には、楽曲データのリズムに対応して「次の」、「信号を」、「右です」などのように同期させて再生される。
【0055】
一方、ステップS101において、楽曲データの再生要求がないことを認識すると、報知状況取得手段930で報知信号の取得の有無を判断する(ステップS110)。そして、このステップS110において、報知信号を取得していないと判断すると、ステップS101に戻って、待機状態を継続する。一方、ステップS110において、報知信号を取得したことを認識すると、発音制御手段950により楽曲データの再生処理を実行しているか否かを判断する(ステップS111)。そして、ステップS111において、楽曲データの再生処理が実行させていると判断した場合には、ステップS105に進み、楽曲データに報知信号に対応する音データを重畳再生する処理に移行する。一方、ステップS111において、楽曲データの再生処理が実行されていないと判断すると、ステップS106と同様に、報知信号に基づいて車両の事象に応じた報知音となる音データを音データ取得手段931にて取得させる(ステップS112)。このステップS112の後、報知制御装置900は、発音制御手段950により、取得した音データをスピーカ510から再生させる処理をして発音手段500へ出力し、スピーカ510から音声として出力させ、ステップS101に戻る。
【0056】
〔報知制御システムの作用効果〕
上述したように、上記実施の形態では、車両事象検出手段200で車両の状態や移動状況などの事象を検出し事象の状況に応じて出力される報知信号、あるいはナビゲーション装置300で事象である車両の移動状況を検出して移動状況に応じて案内誘導のために出力される報知信号を報知状況取得手段930により取得すると、楽曲データ認識手段910で取得している楽曲データの楽曲特性を楽曲特性認識手段920にて認識する。そして、発音制御手段950により、報知信号に含まれる音データ、あるいは報知信号に対応し記憶手段700に記憶された音データを、楽曲データの楽曲特性に対応した特性に処理し、楽曲データに重畳させてスピーカ510から出力させる制御をする。
【0057】
このため、再生されている楽曲データに、事象の状況に対応した報知音となるアラーム音や音声案内などの音データが対応した音の特性で再生されるので、互いに調和する。したがって、楽曲データの聴取が妨げられて聴取者に不快感を与えてしまう不都合や再生されている楽曲に報知が埋もれてしまい楽曲の聴取者に的確に報知できなくなる不都合などを防止でき、楽曲の聴取を阻害することなく適切に報知できる。さらに、音データの音特性を楽曲データの楽曲特性に対応して処理し重畳再生させるので、音データが処理後に直ちに再生され、より適切に事象を報知できる。
【0058】
そして、音データの音特性を認識し、この認識した音特性を楽曲データの楽曲特性に対応する音の特性に処理している。このため、楽曲データの楽曲特性に対応した音の特性となる音データに容易に処理することできる。
【0059】
そして、楽曲データの楽曲特性に対応した音の特性となる処理として、楽曲データの調性と同一調に音データの音特性を変更している。このため、比較的に容易な演算で楽曲データに良好に調和するとともに、より適切に報知できる音データに処理でき、構成の簡略化や処理の迅速化も容易に得られる。
【0060】
また、楽曲データの楽曲特性に対応した音の特性となる処理として、楽曲データのリズムに同期した状態に音データの音特性を変更している。このため、比較的に容易な演算で楽曲データに良好に調和するとともに、より適切に報知できる音データに処理でき、構成の簡略化や処理の迅速化も容易に得られる。
【0061】
さらに、リズムに同期した状態に処理する構成として、フレームの音形に基づき音データを構成する音符の長さを変更している。このため、比較的に容易な演算でより良好に楽曲データに調和するとともに、より適切に報知できる音データに処理でき、より構成の簡略化や処理の迅速化も容易に得られる。
【0062】
そしてさらに、リズムに同期した状態の処理として、楽曲データの小節の位置で音データの出力が開始される状態、すなわち小節毎にアラームのフレーズや分解した音声の音データを重畳再生している。このため、より良好に楽曲データに調和し、より適切に報知できる音データに容易に処理でき、より構成の簡略化や処理の迅速化も容易に得られる。
【0063】
また、楽曲データの楽曲特性に対応した音の特性となる処理として、楽曲データの音量より所定量で大きい音量、例えば音声では3kHz〜4kHz近傍であることから、楽曲データの3kHz〜4kHz近傍の周波数帯域での音量、特に最大音量より0.5db以上、好ましくは4db程度で大きい音量に音データの音特性を変更する処理をする。この処理により、楽曲データに音データが埋没してしまうことなく、確実に報知できる。さらに、周波数特性における音量制御であることから、より明確に報知できる。また、周波数帯域での最大音量より大きく処理しているため、確実に埋没せずに報知できる。さらに、0.5db以上、好ましくは4db程度で大きくなる音量にしているため、楽曲の聴取を阻害することなく、確実に報知できる。
【0064】
そして、車両事象検出手段200やナビゲーション装置300から出力される報知信号として音データが含まれていない場合でも、事象の状況に対応した報知信号に音データを関連付けて1つのデータ構造に構成した音検索情報を複数記憶するテーブル構造の記憶手段700に基づいて、取得した報知信号に応じて音データ取得手段931で音データを取得している。このため、例えばセンサで検出する事象に基づいて、楽曲の聴取を阻害することなく適切に報知を認識できる状態で事象の状況を報知する構成が得られ、構成の簡略化が容易に図れる。
【0065】
また、音データの音特性の処理として、MIDI規格に準拠した音情報であるMIDIメッセージを利用し、このMIDIメッセージのパラメータ値を適宜設定して音特性を変更処理することにより、簡単な構成で音データの音特性を楽曲データの楽曲特性に変更することが容易にでき、処理の高速化が容易に得られる。
【0066】
そして、特に、ナビゲーション装置300からの車両の移動を案内誘導するための誘導内容に関する情報である報知信号に基づく音声の音データを出力する構成を適用している。このため、広く高い頻度で楽曲データが再生される環境となる車両の運行の際に、運行を支援する案内誘導の音声データが楽曲データに調和して適切に報知されるので、特に、快適な運行のための楽曲データの聴取を阻害せずに快適な環境が維持できるとともに、適切に認識した案内誘導による良好な運行が得られる。
【0067】
また、例えばCPU(Central Processing Unit)などを用いてプログラム構成として報知制御装置900を構成しているので、プログラムをインストールすることで、楽曲の聴取を阻害することなく適切に報知できる構成が容易に得られ、利用の拡大が容易に図れる。さらには、そのプログラムを記録媒体に記録し、適宜演算手段、すなわちコンピュータに読み取らせる構成とすることで、楽曲の聴取を阻害することなく適切に報知できる構成が容易に得られるとともに、プログラムを容易に取り扱いでき、利用の拡大が容易にできる。なお、本発明における演算手段としては、1つのコンピュータに限らず、複数のコンピュータをネットワーク状に組み合わせた構成、上記実施の形態のようなCPUやマイクロコンピュータなどの素子、あるいは複数の電子部品が搭載された回路基板などをも含む。
【0068】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で以下に示される変形をも含むものである。
【0069】
すなわち、移動状況としては、車両の移動に限らず、例えば飛行機や船舶など移動するいずれの移動体にも適用できる。さらには、上述したように、車両に配設する構成に限らず、例えば家屋などの建造物などに設置して、呼び鈴のような外来者があった旨の報知、お風呂が沸いた旨の報知、侵入者がある旨の報知、室内空気の状態の報知などを音データとして調和させて重畳再生させる構成とするなどしてもよい。さらには、例えば携帯型の音楽再生装置において、周囲で生じるアナウンスや警笛などを集音し、この集音した音データを再生中の楽曲データに調和させて重畳再生させる構成とするなどしてもよい。また、テレビジョンやラジオなどの放送波を取得して楽曲データを再生する再生装置や、楽曲データを読み出す読取装置、楽曲データを読み出し可能に記憶する記憶読取装置などの装置構成に適用してもよく、またナビゲーション装置に組み込んだ装置構成などとしてもよい。
【0070】
さらに、上述した各機能をプログラムとして構築したが、上述したように、例えば回路基板などのハードウェアあるいは1つのIC(Integrated Circuit)などの素子にて構成するなどしてもよく、いずれの形態としても利用できる。なお、プログラムや別途記録媒体から読み取らせる構成とすることにより、取扱が容易で、利用の拡大が容易に図れる。
【0071】
そして、音データを重畳して再生するタイミングでの楽曲データの楽曲特性を認識し、音データを処理して説明したが、例えば楽曲データの楽曲特性が音データの音特性に対応する位置を認識し、その位置に重畳する状態に音データを再生させてもよい。このような構成によれば、重畳するタイミングを認識すればよく、音データを処理する必要がなく、構成の簡略化や処理の迅速化が容易に得られる。また、例えば楽曲データが転調するタイミングに跨って音データが重畳再生されることも容易に防止でき、良好な報知が得られる。なお、報知内容が音声のように比較的に長い時間長を要する場合などで楽曲データが転調してしまう場合には、その転調に合わせて重畳する部分の音データを処理してもよい。この構成によれば、より良好な報知が得られるとともに、楽曲の聴取が阻害されることをより適切に防止でき、良好な聴取が得られる。
【0072】
また、音データで報知する事象の状況で、例えばエンジンの過熱や燃料の残量がほとんどない、障害物までの距離があまりないなどの緊急度合いに関する情報を報知信号に含ませ、緊急度合いに関する情報に基づき、緊急度合いが高くなるにしたがって楽曲データの調性とのずれが大きくなったり、リズムのズレが大きくなったり、音量の多くなる量を多くするなどの音データの音特性を処理してもよい。この構成により、より報知を的確に報知できる。
【0073】
そして、所定時間長や所定回数、重畳再生させる構成について説明したが、例えば入力手段600で報知を確認した旨の入力操作を認識することで、音データの重畳再生を停止させてもよい。すなわち、確認した旨の入力操作があるまで報知を継続させてもよい。このような構成によれば、より確実に報知できる。さらに、重畳再生している回数が多くなったり、時間長が長くなったりする場合には、上述した緊急度合いの場合と同様に、楽曲データの調性とのずれやリズムのずれが大きくなったり、音量の多くなる量を多くするなどのような音データの音特性を処理してもよい。この構成により、より確実に報知できる。
【0074】
また、音特性の制御としては、MIDI規格に準拠した音情報であるMIDIメッセージのパラメータ値を適宜設定する構成に限らず、例えば電流値制御による音特性の制御など、いずれの方法により制御してもよい。
【0075】
さらに、車両事象検出手段200およびナビゲーション装置300の双方から報知信号を取得する構成としたが、いずれか一方のみ、さらに他のセンサなどが接続された構成などとしてもよい。
【0076】
また、記憶手段700を設け、報知信号に基づいて音データを読み取り可能な構成としたが、この構成に限らず、記憶手段700を設けず単に音データを報知信号として直接出力する構成や音データを含む報知信号に基づいて音データを取得し処理する構成としてもよい。
【0077】
そして、音データの処理として、上述した処理に限らず、楽曲データの楽曲特性に対応した音の特性に処理して楽曲に調和させるいずれの音特性の処理を適用できる。
【0078】
また、楽曲データの再生中に報知信号を取得することで楽曲特性を認識して説明したが、報知信号の取得に係わらず再生させる楽曲データの楽曲特性を認識していてもよい。このような構成によれば、報知信号に基づいて音データを取得した後の処理工程が減少し、音データを再生するまでの時間の短縮が容易にできる。このように、報知制御の処理工程は、上述した具体的な手順にのみ限られるものではない。
【0079】
その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
【0080】
〔実施の形態の効果〕
上述したように、車両事象検出手段200で車両の状態や移動状況などに関する事象を検出し事象の状況に応じて出力される報知信号、あるいはナビゲーション装置300で車両の移動状況に関する事象を検出して事象の状況に応じて案内誘導のために出力される報知信号を報知状況取得手段930により取得する。楽曲データ認識手段910で取得している楽曲データの楽曲特性を楽曲特性認識手段920にて認識する。発音制御手段950により、報知信号に含まれる音データ、あるいは報知信号に対応し記憶手段700に記憶された音データを、楽曲データの楽曲特性に対応した特性に処理し、楽曲データに重畳させてスピーカ510から出力させる。このため、再生されている楽曲データに、事象の状況に対応した報知音となるアラーム音や音声案内などの音データが対応した音の特性で再生されるので、互いに調和する。したがって、楽曲データの聴取が妨げられて聴取者に不快感を与えてしまう不都合や再生されている楽曲に報知が埋もれてしまい楽曲の聴取者に的確に報知できなくなる不都合などを防止でき、楽曲の聴取を阻害することなく適切に報知できる。
【0081】
また、上述したように、車両事象検出手段200で車両の状態や移動状況などに関する事象を検出し事象の状況に応じて出力される報知信号、あるいはナビゲーション装置300で車両の移動状況に関する事象を検出して事象の状況に応じて案内誘導のために出力される報知信号を報知状況取得手段930により取得し、記憶手段700に複数記憶され報知信号に応じた音データを取得する。楽曲データ認識手段910で取得している楽曲データの楽曲特性を楽曲特性認識手段920にて認識する。発音制御手段950により、報知信号に含まれる音データ、あるいは報知信号に対応し記憶手段700に記憶された音データを、楽曲データの楽曲特性に対応した特性に処理し、楽曲データに重畳させてスピーカ510から出力させる。このため、再生されている楽曲データに、事象の状況に対応した報知音となるアラーム音や音声案内などの音データが対応した音の特性で再生されるので、互いに調和する。したがって、楽曲データの聴取が妨げられて聴取者に不快感を与えてしまう不都合や再生されている楽曲に報知が埋もれてしまい楽曲の聴取者に的確に報知できなくなる不都合などを防止でき、楽曲の聴取を阻害することなく適切に報知できる。
【0082】
さらに、上述したように、車両事象検出手段200で車両の状態や移動状況などに関する事象を検出し事象の状況に応じて出力される報知信号、あるいはナビゲーション装置300で車両の移動状況に関する事象を検出して事象の状況に応じて案内誘導のために出力される報知信号を報知状況取得手段930により取得する。取得した報知信号に応じた音データの音特性を認識する。楽曲データ認識手段910で取得している楽曲データの楽曲特性を楽曲特性認識手段920にて認識する。発音制御手段950により、音データの音特性が、楽曲データの楽曲特性に対応した特性となる位置に音データを楽曲データに重畳させてスピーカ510から出力させる。このため、再生されている楽曲データに、事象の状況に対応した報知音となるアラーム音や音声案内などの音データが対応した音の特性のタイミングで再生されるので、互いに調和する。したがって、楽曲データの聴取が妨げられて聴取者に不快感を与えてしまう不都合や再生されている楽曲に報知が埋もれてしまい楽曲の聴取者に的確に報知できなくなる不都合などを防止でき、楽曲の聴取を阻害することなく適切に報知できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る一実施の形態における報知制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】前記一実施の形態における同一調の音データに処理する状況を示す説明図であり、(A)は処理前の音データの音特性を示す説明図で、(B)は処理後の音データの音特性を示す説明図である。
【図3】前記一実施の形態におけるリズムが同期する音データの処理状況を示す説明図であり、(A)は処理前の音データの音特性を示す説明図で、(B)は比較的に遅いテンポの楽曲特性に対応して処理した後の音データの音特性を示す説明図で、(C)は比較的に早いテンポの楽曲特性に対応して処理した後の音データの音特性を示す説明図である。
【図4】前記一実施の形態における楽曲特性に対応して音データの音量を処理する状況を示す説明図である。
【図5】前記一実施の形態における報知制御システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
100…報知制御装置としても機能する報知制御システム
200…事象検出手段としての車両事象検出手段
210…事象検出手段としても機能し得る検出センサ部
300…事象検出手段としてのナビゲーション装置
310…事象検出手段としても機能し得る端末センサ部
320…事象検出手段としても機能し得るVICS受信部
400…楽曲データ取得手段としても機能する楽曲データ読取手段
510…スピーカ
700…記憶手段
900…演算手段としての報知制御装置
910…楽曲データ取得手段としての楽曲データ認識手段
920…楽曲特性認識手段
930…報知状況取得手段
931…音データ取得手段
940…音特性認識手段
950…発音制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲データを取得する楽曲データ取得手段と、
事象の状況を検出し前記事象の状況に対応してスピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段からの前記音データを取得する報知状況取得手段と、
前記楽曲データの楽曲特性を認識する楽曲特性認識手段と、
前記取得した音データを前記楽曲データの楽曲特性に対応した特性に処理して前記楽曲データに重畳させ前記スピーカから出力させる制御をする発音制御手段と、
を具備したことを特徴とした報知制御装置。
【請求項2】
楽曲データを取得する楽曲データ取得手段と、
事象の状況を検出し前記事象の状況に対応して報知信号を出力する事象検出手段からの前記報知信号を取得する報知状況取得手段と、
前記報知信号に応じた音データを複数記憶する記憶手段と、
前記楽曲データの楽曲特性を認識する楽曲特性認識手段と、
前記報知信号の取得を認識すると、前記記憶手段から前記取得した報知信号に応じた音データを取得する音データ取得手段と、
前記取得した音データを前記楽曲データの楽曲特性に対応した特性に処理して前記楽曲データに重畳させ前記スピーカから出力させる制御をする発音制御手段と、
を具備したことを特徴とした報知制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の報知制御装置であって、
前記楽曲特性認識手段は、前記楽曲データ内に存在する調性の集合体を楽曲特定として認識し、
前記発音制御手段は、前記音データを前記スピーカから出力させる時点で出力される前記楽曲データの調性と同一調に前記音データを処理する
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の報知制御装置であって、
前記楽曲特性認識手段は、前記楽曲データのリズムを楽曲特性として認識し、
前記発音制御手段は、前記楽曲データのリズムに同期する状態に前記音データを処理する
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の報知制御装置であって、
前記楽曲特性認識手段は、前記楽曲データのテンポを楽曲特性として認識し、
前記発音制御手段は、前記楽曲データのテンポに基づいて最短となる音符を認識し、この最短となる音符に基づいて前記音データを処理する
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の報知制御装置であって、
前記音データの音特性を認識する音特性認識手段を具備し、
前記発音制御手段は、前記音データの音特性を前記楽曲データの楽曲特性に対応する特性に処理する
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項7】
楽曲データを取得する楽曲データ取得手段と、
事象の状況を検出し前記事象の状況に対応してスピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段からの前記音データを取得する報知状況取得手段と、
前記楽曲データの楽曲特性を認識する楽曲特性認識手段と、
前記音データの音特性を認識する音特性認識手段と、
前記取得した音データの音特性が前記楽曲データの楽曲特性に対応する特性となる位置に前記取得した音データを重畳させて前記スピーカから出力させる制御をする発音制御手段と、
を具備したことを特徴とした報知制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載の報知制御装置であって、
前記発音制御手段は、前記音データの音特性を前記楽曲データの楽曲特性に対応する特性に処理する
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の報知制御装置であって、
前記楽曲特性認識手段は、前記楽曲データの楽曲特性を音符構成にて認識し、
前記音特性認識手段は、前記音データの音特性を音符構成にて認識し、
前記発音制御手段は、前記楽曲データの音符構成に対応して前記音データの音特性の音符構成を相対的にずらす処理をする
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項10】
請求項6ないし請求項9のいずれかに記載の報知制御装置であって、
前記音特性認識手段は、前記音データをMIDI(Musical Instrument Digital Interface)の規格に準拠した音情報として音特性を認識する
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の報知制御装置であって、
前記楽曲特性認識手段は、前記楽曲データの小節の位置を楽曲特性として認識し、
前記発音制御手段は、前記楽曲データの小節の位置で前記音データの出力が開始される状態に重畳させる
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の報知制御装置であって、
前記楽曲特性認識手段は、前記楽曲データの音量を楽曲特性として認識し、
前記発音制御手段は、前記楽曲データの音量より所定量で大きい音量で出力される状態に処理して重畳させる
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項13】
請求項12に記載の報知制御装置であって、
前記楽曲特性認識手段は、前記楽曲データの周波数特性を楽曲特性として認識し、
前記発音制御手段は、前記楽曲データの周波数特性における音量より前記楽曲データの周波数特性に対応する前記音データの周波数特性での音量を所定量で大きい音量で出力される状態に処理する
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の報知制御装置であって、
前記発音制御手段は、前記楽曲データの音量より0.5デシベル以上大きい音量で出力される状態に処理する
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の報知制御装置であって、
前記音データは、移動体の移動を案内誘導するための誘導内容に関する情報である
ことを特徴とした報知制御装置。
【請求項16】
スピーカと、
事象の状況を検出し前記事象の状況に対応して前記スピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段と、
前記事象検出手段から出力させる音データを取得して前記スピーカから出力させる請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の報知制御装置と、
を具備したことを特徴とした報知制御システム。
【請求項17】
スピーカと、
事象の状況を検出し前記事象の情報に対応して前記スピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段と、
楽曲データを読出可能に記憶し前記楽曲データを前記スピーカから出力可能に読み出す楽曲データ読出手段と、
前記読み出された楽曲データおよび前記音データを取得し、前記楽曲データの楽曲特定に対応した状態に前記音データを重畳して前記スピーカから出力させる請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の報知制御装置と、
を具備したことを特徴とした報知制御システム。
【請求項18】
演算手段により、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応してスピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段からの前記音データを取得して処理し前記スピーカから出力させる制御をする報知制御方法であって、
前記演算手段は、
楽曲データを取得し、
この取得した楽曲データの楽曲特性を認識し、
この認識した楽曲特性に対応した特性に前記取得した音データを処理して前記楽曲データに重畳して前記スピーカから出力させる制御をする
ことを特徴とする報知制御方法。
【請求項19】
演算手段により、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応して報知信号を出力する事象検出手段からの前記報知信号を取得しスピーカから出力させる制御をする報知制御方法であって、
前記演算手段は、
楽曲データを取得し、
この取得した楽曲データの楽曲特性を認識し、
前記報知信号の取得を認識すると、前記報知信号に応じた音データを複数記憶する記憶手段から前記取得した報知信号に応じた前記音データを取得し、
前記取得した音データを前記楽曲データの楽曲特性に対応した特性に処理して前記楽曲データに重畳して前記スピーカから出力させる制御をする
ことを特徴とする報知制御方法。
【請求項20】
演算手段により、事象の状況を検出し前記事象の状況に対応してスピーカから所定の発音形態で出力される音データを出力する事象検出手段からの前記音データを取得して処理し前記スピーカから出力させる制御をする報知制御方法であって、
前記演算手段は、
楽曲データを取得しこの楽曲データの楽曲特性を認識し、
前記音データを取得しこの音データの音特性を認識し、
前記音データの音特性が前記楽曲データの楽曲特性に対応した特性となる位置に前記音データを前記楽曲データに重畳して前記スピーカから出力させる制御をする
ことを特徴とする報知制御方法。
【請求項21】
演算手段を、請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の報知制御装置、または、請求項16または請求項17に記載の報知制御システムとして機能させる
ことを特徴とした報知制御プログラム。
【請求項22】
請求項18ないし請求項20のいずれかに記載の報知制御方法を演算手段に実行させる
ことを特徴とした報知制御プログラム。
【請求項23】
請求項21または請求項22に記載の報知制御プログラムが演算手段に読取可能に記録された
ことを特徴とした報知制御プログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−48377(P2006−48377A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−228574(P2004−228574)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(302023345)
【Fターム(参考)】