説明

塗工装置および塗工方法

【課題】本発明は、螺旋状の塗工ムラのない管状成型体が得られる塗工方法および塗工装置、並びにクラウン状、フレア状、またはテーパ状の外周面を有する管状成型体を作製できる塗工方法および塗工装置の提供。
【解決手段】芯体10を、軸線が水平になるように保持しつつ、回転させ、芯体10の軸線に沿って芯体10の一端から他端に向かってディスペンサ20を移動させつつ、ディスペンサ20から芯体10の外表面に塗工液を流下させ、ブレード22を芯体10に押圧させてディスペンサ20とともに芯体10の一端から他端に移動させ、芯体10の外表面に流下した塗工液を所定の厚みに均して塗工する塗工工程と、芯体10の外表面に塗工された塗工液を乾燥、固化して皮膜とする皮膜形成工程と、を有し、前記塗工工程においてはディスペンサ20およびブレード22の移動速度を制御して塗工厚みを塗工方法、および塗工装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗工装置および塗工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリ、レーザプリンタなどの電気写真方式の画像形成装置においては、感光体、中間転写ベルト、記録用紙搬送ベルト、定着ベルトとして薄肉の樹脂製ベルトが使用されることが多い。
【0003】
前記樹脂製ベルトに継ぎ目があると、出力画像に継ぎ目の跡が生じるので、継ぎ目のない無端ベルトが好ましい、
【0004】
画像形成装置においては近年小型化や省電力化、高速化が強く要望されているので、画像形成装置に使用される無端ベルトにも、肉厚が薄く、高い柔軟性、力学的強度、および耐久性が要求されている(特許文献1、2)
【0005】
前記無端ベルトの材質としては、強度や寸法安定性、耐熱性などの観点からポリイミド(以下、「PI」と略称する。)樹脂やポリアミドイミド(以下、「PAI」と略称する。)樹脂が一般的に使用されている(特許文献3〜10)。
【0006】
PI樹脂で無端ベルトのような管状成型体を作製する方法としては、円筒体の内面にPI樹脂前駆体溶液を塗工して回転させながら乾燥させてPI皮膜を形成する遠心成形法(特許文献11)や、円筒体内面にPI前駆体溶液を展開して加熱乾燥し、PI皮膜とする内面塗工法(特許文献12)などがある。
【0007】
PI樹脂で管状成型体を作製する別の方法としては、円柱形の芯体の外表面にPI樹脂前駆体溶液を浸漬塗工法によって塗工し、加熱乾燥して芯体外表面にPI樹脂皮膜を形成する方法がある。また、前記芯体の外表面にPI樹脂前駆体溶液を塗工するノズルと、前記芯体の外表面に対して平行であって前記外表面から僅かな隙間をおいて設けられた面を有するガイドの内側に前記芯体を設置し、前記ガイドを前記芯体の軸線方向に移動させる塗工方法(特許文献13)もある。
【0008】
更に、円筒状または円柱状の芯体を回転させ、ディスペンサによってPI樹脂前駆体溶液を前記芯体の外表面に供給しながら、前記ディスペンサを芯体の軸線方向に移動させ、同時に、前記ディスペンサと共に移動するブレードによって前記PI樹脂前駆体溶液を一定の厚みに均して塗工し、加熱乾燥して芯体外表面にPI樹脂皮膜を形成する方法がある(特許文献14)。
【0009】
また、無端ベルトにおいては、外周面が、両側縁が内側にすぼまった形態や、外側に広がった形態を有するもの、および外周面が一端から他端に向かってテーパ状に縮小または拡大する形態のものが要求されることがあるが、このような無端ベルトの製造方法として、中央部が外側に突出したクラウン状、両端部が外側に拡大する逆クラウン状(フレア状)、またはテーパ状の外周面を有する芯体を用いる方法が提案された(特許文献15)。
【0010】
更に、シリンダ状の芯体の内表面にPI樹脂前駆体溶液を塗工した後、前記芯体の内部に気流を送り、前記芯体の内表面に形成された塗膜の中央の膜厚を両端部よりも厚くすることが提案された(特許文献16)
【特許文献1】特開平8−262903号公報
【特許文献2】特開平11−133776号公報
【特許文献3】特開平6−258960号公報
【特許文献4】特開2002−148951号公報
【特許文献5】特開2002−148951号公報
【特許文献6】特開2002−148957号公報
【特許文献7】特開2002−292656号公報
【特許文献8】特開平8−259709号公報
【特許文献9】特開平8−262903号公報
【特許文献10】特開2002−226765号公報
【特許文献11】特開昭62−019437号公報
【特許文献12】特開2002−091027号公報
【特許文献13】特開平10−069183号公報
【特許文献14】特開平9−297482号公報
【特許文献15】特開平12−094461号公報
【特許文献16】特開平13−001353号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、螺旋状の塗工ムラのない管状成型体が得られる塗工方法および塗工装置、並びに芯体の抜き取りが困難であるという問題なく、クラウン状、フレア状、またはテーパ状の外周面を有する管状成型体を作製できる塗工方法および塗工装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載の発明は、円筒状または円柱状の芯体を、軸線が水平になるように保持しつつ、前記軸線の周りに回転させ、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かってディスペンサを移動させつつ、前記ディスペンサから前記芯体の外表面に塗工液を流下させ、ブレード部材の先端縁を前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧して前記ディスペンサとともに芯体の一端から他端に移動させ、前記芯体の外表面に流下した塗工液を所定の厚みに均して塗工する塗工工程と、芯体の外表面に塗工された塗工液を乾燥、固化して皮膜とする皮膜形成工程と、を有し、前記塗工工程においては、前記ブレード部材の先端縁から前記芯体に及ぼされる押圧力を前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方から後方に向かって減少させる塗工方法に関する。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の塗工方法において、前記塗工工程においては、前記芯体における塗工液を厚く塗工すべき箇所における前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度を、芯体の前記箇所よりも塗工液を薄く塗工すべき箇所における移動速度よりも遅くなるように設定するものに関する。
【0014】
請求項3に記載の発明は、円筒状または円柱状の芯体を、軸線が水平になるように保持しつつ、前記軸線の周りに回転させ、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かってディスペンサを移動させつつ、前記ディスペンサから前記芯体の外表面に塗工液を流下させ、ブレード部材を前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧させて前記ディスペンサとともに芯体の一端から他端に移動させ、前記芯体の外表面に流下した塗工液を所定の厚みに均して塗工する塗工工程と、芯体の外表面に塗工された塗工液を乾燥、固化して皮膜とする皮膜形成工程と、を有し、前記塗工工程においては、前記芯体における塗工液を厚く塗工すべき箇所における前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度を、芯体の前記箇所よりも塗工液を薄く塗工すべき箇所における移動速度よりも遅くなるように設定する塗工方法に関する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の塗工方法において、前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度が前記芯材の中央部では前記芯材の両端部よりも高く設定されるものに関する。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の塗工方法において、前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度が前記芯材の両端部では前記芯材の中央部よりも高く設定されるものに関する。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の何れか1項に記載の塗工方法において、前記皮膜形成工程で皮膜を形成した後に、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かってディスペンサを移動させつつ、前記ディスペンサから前記芯体の外表面に前記皮膜を形成するのに使用されたのと同一または異なる塗工液を流下させ、ブレード部材を所定の押圧力で前記芯体の外表面に押圧し、前記ディスペンサとともに芯体の一端から他端に移動させて前記芯体の外表面に流下した塗工液を所定の厚みに均して塗工する後塗工工程を有するものに関する。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の塗工方法において、前記後塗工工程を複数回行うものに関する。
【0019】
請求項8に記載の発明は、円筒状または円柱状であって、軸線が水平になるように保持されているとともに、回転手段によって前記軸線の回りに回転する芯体と、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記芯体の外表面に塗工液を流下させるディスペンサ手段と、先端縁が前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧された状態で前記ディスペンサ手段と共に前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記ディスペンサ手段から前記芯体の外表面に流下した塗工液を所定の厚みに均すブレード部材と、を備え、前記ブレード部材の先端縁から前記芯体に及ぼされる押圧力が、前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方から後方に向かって減少するように設定されている塗工装置に関する。
【0020】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の塗工装置において、前記ブレード部材は、先端縁が芯体の外表面に押圧されるブレードと、前記ブレードを支持するブレード支持部材とを備え、前記ブレード支持部材は、前記芯体に向かって前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向とは反対の方向に傾斜するように前記ブレードを保持しているとともに、前記ブレード部材の先端縁は、前記芯材の表面に対して平行に形成されているものに関する。
【0021】
請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の塗工装置において、前記ブレード部材は、先端縁が芯体の外表面に押圧されるブレードと、前記ブレードを支持するブレード支持部材とを備え、前記ブレードの先端縁が、前記移動方向に対して前方から後方に向かって前記芯体の外表面との距離が小さくなるように形成されているものに関する。
【0022】
請求項11に記載の発明は、請求項8〜10の何れか1項に記載の塗工装置において、前記ブレード部材が、先端縁が芯体の外表面に押圧されるブレードと、前記ブレードを支持するブレード支持部材とを備え、前記ブレードが、前記移動方向に対して前方から後方に向かって厚みが減少するように形成されているものに関する。
【0023】
請求項12に記載の発明は、請求項8〜11の何れか1項に記載の塗工装置において、前記ブレード部材の先端における前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方の端部と、前記移動方向に対して後方の端部とで、前記押圧力が1.3:1〜5:1に設定されているものに関する。
【0024】
請求項13に記載の発明は、請求項8〜12の何れか1項に記載の塗工装置において、前記押圧力が0.2MPa〜2.5MPaの範囲に設定されているものに関する。
【0025】
請求項14に記載の発明は、円筒状または円柱状であって、軸線が水平になるように保持されているとともに、回転手段によって前記軸線の回りに回転する芯体と、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記芯体の外表面に塗工液を流下させるディスペンサ手段と、先端縁が前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧された状態で前記ディスペンサ手段と共に前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記ディスペンサ手段から前記芯体の外表面に流下した塗工液を所定の厚みに均すブレード部材と、前記芯体における塗工液を厚く塗工すべき箇所においては、前記箇所よりも塗工液を薄く塗工すべき箇所と比較して前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度が遅く設定されている塗工装置に関する。
【発明の効果】
【0026】
請求項1の発明によれば、前記ブレード部材の先端縁から前記芯体に及ぼされる押圧力を前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方から後方に向かって減少させているから、ブレード部材と芯体との間で押圧された塗工液がブレード部材の後縁で盛り上がりを形成することが少なくなり、管状成型体の外表面における螺旋状の塗工ムラの発生を効果的に抑止できる。
【0027】
請求項2の発明によれば、軸線方向に沿って厚みが変化する管状成型体を形成する際に、前記管状成型体の外表面における螺旋状の塗工ムラの発生を効果的に抑止できる。
【0028】
請求項3の発明においては、前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度が遅い部分においては、前記移動速度がより速い部分と比較して塗工液が芯体により厚く塗工される。したがって、外周面が円筒状であってクラウン状、フレア状、およびテーパ状の何れにも加工されていない芯体を用いることができるから、クラウン状、フレア状、およびテーパ状何れの形態の外周面を有する管状成型体も、製造後の管状成型体から芯体を抜くのが困難であるという問題無しに作製できる。
【0029】
請求項4の発明においては、前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度は、前記芯材の中央部では前記芯材の両端部よりも高く設定されるから、両端部の厚みが薄く、中央部の厚みが厚いクラウン状の外周面を有する管状成型体が作製できる。
【0030】
請求項5の発明によれば、前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度が、前記芯材の両端部では前記芯材の中央部よりも高く設定されるから、両端部の厚みが厚く、中央部の厚みが薄いフレア状の外周面を有する管状成型体が作製できる。
【0031】
請求項6の発明によれば、クラウン状、フレア状、またはテーパ状の外周面を有するとともに、同一または異なる2つ以上の層からなる管状成型体が得られる。
【0032】
請求項7の発明によれば、クラウン状、フレア状、またはテーパ状の外周面を有するとともに、同一または異なる3つ以上の層からなる管状成型体が得られる。
【0033】
請求項8の発明によれば、請求項1に記載したのと同様の理由により、管状成型体の外表面に螺旋状の塗工ムラが生じるのを効果的に抑止できる。
【0034】
請求項9の発明によれば、ブレードは、ブレード支持部材によって前記芯体に向かって前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向とは反対の方向に傾斜するように保持され、しかも先端縁が前記芯材の表面に対して平行に形成されているから、ブレードから芯体外表面に及ぼされる押圧力は、前記移動方向に対して前方においては後方よりも高くなる。
【0035】
請求項10の発明によれば、前記ブレードの先端縁が、前記移動方向に対して前方から後方に向かって前記芯体の外表面との距離が小さくなるように形成されているから、ブレードから芯体外表面に及ぼされる押圧力は、前記移動方向に対して前方においては後方よりも高くなる。
【0036】
請求項11の発明によれば、前記ブレードは、前記移動方向に対して前方から後方に向かって厚みが減少するように形成されているから、ブレードから芯体外表面に及ぼされる押圧力は、前記移動方向に対して前方においては後方よりも高くなる。
【0037】
請求項12の発明によれば、管状成型体の外表面に螺旋状の塗工ムラが生じるのを効果的に抑止できる。
【0038】
請求項13の発明によれば、管状成型体の外表面に螺旋状の塗工ムラが生じるのを効果的に抑止できる上、ブレード部材の先端と芯体との摩擦によって芯体の外表面が傷付くことも抑止できる。
【0039】
請求項14の発明によれば、請求項3に記載したのと同様の理由により、円筒状の外周面を有する芯体を用いながら、クラウン状、フレア状、テーパ状などの種々の形態の外周面を有する管状成型体を作製できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
1.実施形態1
実施形態1に係る塗工装置100は、図1および図2に示すように、軸線が水平に位置するように、両端が保持部材12で保持され、回転手段(図示せず。)によって軸線の回りに回転する円筒状の芯体10と、容器14に貯留されたPI樹脂前駆体溶液を芯体10の外表面に流下させるディスペンサ20と、ディスペンサ20によって芯体10の表面に流下したPI樹脂前駆体溶液を所定の厚みに均す板状部材であるブレード22と、芯体10の他端近傍に設けられたブレード22を洗浄するためのスポンジ24とを備える。ディスペンサ20は本発明におけるディスペンサ手段に相当し、ブレード22はブレード部材に相当する。
【0041】
芯体10は、矢印aで示すように、図1および図2における時計回り方向に沿って回転する。芯体10の直径は、管状成型体の内径に応じて選択すればよいが、一般的には10〜150mmの範囲である。また、肉厚は0.5〜3mmが一般的である。
【0042】
ディスペンサ20は、芯体10の外表面における上側の面にPI前駆体溶液を流下させるように配置されている。図1および図2において、Sは、ディスペンサ20から流下したPI前駆体溶液の流れを示す。
【0043】
そして、ディスペンサ20は、PI前駆体溶液を芯体10の外表面に向かって吐出するノズル18と、容器14に貯留されたPI前駆体溶液をノズル18に向かって送出するポンプ16とを有する。ポンプ16としては、PI前駆体溶液を一定の流量で途切れなく押し出せるものであれば特に種類を問わないが、通常は回転容積型の1軸偏心ポンプであるノーモポンプ(商品名)が使用される。
【0044】
なお、図1および図2に示す例では、ディスペンサ20においては、容器14内のPI前駆体溶液をポンプ16でノズル18に送出しているが、容器14内を不活性ガスや空気で加圧し、このガス圧でノズル18からPI前駆体溶液を吐出するようにしてもよい。また、容器14にピストンを設け、このピストンでPI前駆体溶液を押し出してもよい。
【0045】
ディスペンサ20におけるノズル18の先端と芯体10の外表面との距離は、PI前駆体溶液の流れSが途切れないように、10〜100mmの範囲が好ましい。
【0046】
ディスペンサ20とブレード22とは、図1において矢印bで示すように、相対的な位置関係を保持したまま、芯体10の一端から他端に向かって移動手段(図示せず。)によって移動する。ディスペンサ20とブレード22との移動速度Vは、可変可能である。
【0047】
ブレード22は、ディスペンサ20のノズル18の下方に配設された板状部材であり、先端が下方に向かって湾曲している。そして、先端が所定の押圧力で芯体10の表面に押圧されている。ブレード22は、PI前駆体溶液に侵されたり、PI前駆体溶液を変質させたりすることのない材質が好ましく、具体的にはステンレス鋼や真鍮、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、弗素樹脂などの弾性材料のプレートが使用される。ブレード22の幅は、PI前駆体溶液の塗工ピッチ(=芯体10が1回転する間にディスペンサ20およびブレード22が移動する距離)より広いことが好ましいが、ブレード22の幅が余りに広いと筋が形成される可能性があるので、前記ピッチの2倍以下が好ましい。
【0048】
以下、塗工装置100においてPI樹脂前駆体溶液を塗工してPI樹脂の管状成型体を作製する条件および手順について説明する。
【0049】
PI樹脂前駆体溶液を塗工する際の芯体10の回転速度は20〜200rpmの範囲が好ましい。また、ディスペンサ20とブレード22との移動速度Vは、ディスペンサ20からのPI前駆体溶液の流下量をf、得られる塗膜の厚みをt、芯体10の外径をDとすると、以下の式:
【0050】
V=f/(t×D×π)
【0051】
に従って設定できる。
【0052】
塗工装置100においては、上の式からもわかるようにディスペンサ20とブレード22との移動速度Vが遅くなるほど塗膜の厚みtは大きくなり、反対に移動速度Vが速くなると、塗膜の厚みtは小さくなる。
【0053】
したがって、ディスペンサ20とブレード22との移動速度Vを芯体10の一端から中央部に向かって増大させ、中央部から他端に向かって減少させると、図3において(A)に示すように、両端部で膜厚が大きく、中央部で膜厚が小さいフレア型の管状成型体が得られる。また、前記移動速度Vを芯体10の芯体10の一端から中央部に向かって減少させ、中央部から他端に向かって増大させると、図3において(B)に示すように両端部で膜厚が小さく、中央部で膜厚が大きいクラウン型の管状成型体が得られる。更に、前記移動速度Vを、芯体10の一端部ではV1に設定し、芯体10の中央部ではV1よりも大きなV2とし、芯体10の他端部では再びV1に戻すことにより、図3において(C)に示すように両端が一定の膜厚t1を有し、中央部が膜厚t1よりも小さい膜厚t2を有する形態の管状成型体が得られる。塗膜の膜厚tは30〜150μmの範囲に設定することが好ましい。
【0054】
なお、得られる管状成型体の膜厚の最大の部分と最小の部分との差は10〜70μm、特に20〜50μnの範囲が好ましい。また、前記管状成型体が電子写真式の画像形成装置に使用される無端ベルトである場合は、中央部で30〜150μmの範囲が好ましいから、1回の塗工で所望の膜厚が得られないときは、PI樹脂前駆体溶液の塗工を複数回に分けて行えばよい。この場合、1回目の塗工で得られた塗膜を後述する条件で圧程度感動させた後に2回目以降の塗工を行うことが好ましい。
【0055】
PI樹脂前駆体溶液を芯体10に塗工したら、芯体10を乾燥装置(図示せず。)に移して軸線の回りに回転させながら加熱乾燥する。芯体10の回転速度は1〜60rpm、加熱温度は90〜170℃、乾燥時間は20〜60分が好ましい。
【0056】
なお、芯体10に塗工する塗工液が本実施形態のようにPI樹脂前駆体溶液の場合は、PI樹脂前駆体の皮膜はPI樹脂皮膜ほど強くないので、塗膜から溶媒を除去しすぎると塗膜に割れが生じやすい。そこで、塗膜に15〜45質量%程度溶媒が残存している状態で必要に応じて2回目の塗工を行い、同様の条件で乾燥すればよい。
【0057】
15〜45質量%程度溶媒が残存している状態まで塗膜を乾燥したら、250〜450℃、好ましくは300〜350℃に芯体10を加熱してPI樹脂前駆体の塗膜をイミド化し、PI樹脂とする。イミド化の際には芯体10は回転させる必要はない。塗膜のイミド化が終了したら、得られた管状成型体を芯体10から剥離する。
【0058】
なお、塗工液がPAI樹脂溶液のように乾燥後のイミド化反応を必要としない場合には、塗工液を芯体10に塗工後、上述の条件で乾燥して溶媒を除去するだけで無端ベルトなどの管状成型体が得られる。
【0059】
得られた管状成型体には必要に応じて孔開け加工やリブ付け加工などの各種の後加工を施し、最終製品とする。
【0060】
塗工液としては、PI樹脂前駆体溶液およびPAI樹脂溶液のほか、ポリウレタン樹脂溶液、全芳香族ポリエステル樹脂溶液、ポリカーボネート樹脂溶液、ポリエステル樹脂溶液、ポリアミド樹脂溶液など、無端ベルトなどの管状成型体に使用される樹脂、または前記樹脂の前駆体の溶液が使用される。塗工液中の固形分濃度は、4〜20質量%程度がディスペンサ20からの塗工液の吐出を安定的に行う上からは好ましい。
【0061】
前記管状成型体が画像形成装置用の無端ベルトであって、前記無端ベルトが転写ベルトや接触帯電ベルトとして使用するためのものである場合には、塗工液としてPI樹脂前駆体溶液やPAI樹脂溶液などに導電性物質を分散させたものを使用することが好ましい。前記導電性物質としては、カーボンブラック、カーボンファイバ、カーボンなのチューブ、グラファイトなどの炭素系導電性物質、銅、金、アルミニウム、錫などの金属や合金類、酸化錫、酸化インジウム、酸化アンチモン、酸化錫インジウムなどの導電性酸化物などが挙げられる。
【0062】
また、前記無端ベルトが定着ベルトとして使用するためのものである場合は、無端ベルトの表面にトナーに対して非粘着性の皮膜を形成することが好ましい。前記皮膜の材質としては、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエステル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などの弗素系樹脂が好ましい。また前記皮膜の形成方法としては前記弗素系樹脂の水分散液を無端ベルトの表面に塗布して焼き付ける方法が好ましい。なお、塗工液がPI樹脂前駆体溶液である場合には、塗膜が乾燥した段階で前記弗素系樹脂の水分散液を塗膜表面に塗布し、イミド化と皮膜形成とを同時に行うようにしてもよい。
【0063】
2.実施形態2
実施形態2に係る塗工装置102は、図4に示すように実施形態1の塗工装置におけるブレード22に代えてブレード部材23を用いた以外は実施形態1の塗工装置と同様の構成を有する。
【0064】
ブレード部材23は、図4〜図8に示すように、芯体10の外表面に押圧されるブレード23Aと、ブレード23Aを支持するブレード支持部材23Bとを備えている。
【0065】
ブレード23Aは、実施形態1のブレード22と同様に、PI樹脂前駆体溶液に侵されたりPI樹脂前駆体溶液を変質させたりすることのない材料、具体的にはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、弗素系樹脂などの合成樹脂系材料、およびステンレス鋼や真鍮などの金属が使用される。
【0066】
ブレード支持部材23Bは、ブレード23Aの一端を保持するとともに、塗工液を塗工中はブレード23Aを先端において芯体10の外表面に所定の押圧力で押圧し、塗工終了後はブレード23Aの先端を芯体10外表面から離脱させるための機構(図示せず。)を有する。塗工装置102は、ブレード支持部材23Bがブレード23Aを芯体10に押圧する押圧力を0〜5の6段階に設定するためのダイアルゲージを備える。
【0067】
ブレード指示部材23Bによってブレード23Aを芯体10に押圧する機構は特に限定されないが、例えば図5の(A)に示すようにブレード23Aを水平方向に対して斜め上方に移動させて芯体10に突き当てる形態、および同図の(B)に示すように、ブレード23Aを垂直方向に沿って上方に移動させて芯体10に突き当てる形態の機構がある。また、図6に示すようにブレード23Aの一端を支持し、この支持部を軸としてブレード23Aを回転移動させて芯体10に突き当てるようにしてもよい。
【0068】
ブレード支持部材23Bは、ブレード23Aの芯体10への押圧力が0.2MPa〜2.5MPaの範囲となり、ディスペンサ20およびブレード部材23の移動方向bに対して後方の端部と、前記移動方向に対して前方の端部とで、押圧力が1.3:1〜5:1の比率になるように構成されている。
【0069】
以下、ブレード部材23について詳説する。図7および図8においてブレード23AについてL1、L2、L3とあるのは、L1は、移動方向bに対して前方の辺である上手辺の長さ、即ち上手辺長を、L2は、移動方向bに対して後方の辺である下手辺の長さである下手辺長を、L3は、塗工時に芯体10の外側面に押圧される辺である接触辺の長さである接触辺長を示す。また、αはブレード23Aの上手辺先端角、即ち上手辺と接触辺との成す角度を、βはブレード23Aの下手辺先端角、即ち下手辺と接触辺との成す角度を示す。
【0070】
ブレード部材23の形態としては、図7の(A)に示すように、ブレード支持部材23Bがブレード23Aを支持する方向であるブレード支持軸とブレード23Aの中心線であるブレード軸とが一致し、しかもブレード軸が芯体10の外表面に対して斜めになるようにブレード23Aがブレード支持部材23Bに支持されている形態がある。前記形態のブレード部材23においては、ブレード23Aの接触辺は芯体10の外表面に対して平行である。
【0071】
このときのブレード23Aの各部の寸法は、上手辺長L1が15〜200mm、下手辺長L2が20〜250mm、接触辺長L3が10〜150mm、ブレード23Aの中心線に沿った長さであるブレード長Lが30〜60mm、ブレード幅L4が10〜150mmの範囲であることが好ましい。そして、上手辺先端角αは110〜150度の範囲が、下手辺先端角βは30〜70度の範囲が好ましい。なお、ブレード23Aの移動方向bに沿った厚み分布は一定である。
以下、前記形態を「#1」ということがある。
【0072】
ブレード部材23の形態としては、また、図7の(B)に示すように、ブレード支持軸が芯体10の外表面の法線方向であって、ブレード軸が芯体10の外表面に対して斜めになるようにブレード23Aがブレード支持部材23Bに支持されている形態がある。前記形態のブレード部材23においても、ブレード23Aの接触辺は芯体10の外表面に対して平行である。
【0073】
このときのブレード23Aの各部の寸法は、上手辺長L1が15〜250mm、下手辺長L2が15〜250mm、接触辺長L3が10〜150mm、ブレード長Lが20〜60mm、ブレード幅L4が10〜150mmであることが好ましい。そして、上手辺先端角αは91〜150度の範囲が、下手辺先端角βは30〜89度の範囲が好ましい。
以下、前記形態を「#2」ということがある。
【0074】
ブレード部材23としては、他に、図8の(A)に示すように、ブレード支持軸とブレード軸とが一致し、しかも芯体10の外表面に対して直交するようにブレード23Aがブレード支持部材23Bに支持され、しかも、上手辺長L1が下手辺長L2よりも短く形成され、従ってブレード23Aの接触辺が芯体10の外表面から離脱した状態においては、接触辺が芯体10の外表面10に対して斜めに位置する形態のものも可能である。
【0075】
このときのブレード23Aの各部の寸法は、上手辺長L1が20〜250mm、下手辺長L2が15〜200mm、接触辺長L3が10〜150mm、ブレード長Lが20〜60mm、ブレード幅L4が10〜150mmであることが好ましい。そして、上手辺先端角αは110〜150度の範囲が、下手辺先端角βは30〜70度の範囲が好ましい。
以下、前記形態を「#3」ということがある。
【0076】
ブレード部材23としては、他に、図8の(B)に示すように、ブレード支持軸とブレード軸とが一致し、しかも芯体10の外表面に対して直交するようにブレード23Aがブレード支持部材23Bに支持され、しかも、ブレード23Aの上手辺が形成する縁部である前縁で最も厚く、下手辺が形成する縁部である後縁に向かって厚みが減少するように形成された形態も可能である。なお、L5はブレード23Aの前縁の厚みであり、L6はブレード23Aの後縁の厚みである。前記形態のブレード部材23においては、ブレード23Aの接触辺は芯体10の外表面に対して平行である。
【0077】
このときのブレード23Aの各部の寸法は、上手辺長L1が15〜250mm、下手辺長L2が15〜250mm、接触辺長L3が10〜150mm、ブレード長Lが20〜60mm、ブレード幅L4が10〜150mmであることが好ましい。なお、上手辺先端角αおよび下手辺先端角βは何れも90度である。
以下、前記形態を「#4」ということがある。
【0078】
上記4つの形態のブレード部材23のいずれにおいても、ブレード部材23を芯体10の外表面に押圧すると、ブレード23Aは、移動方向bに対して前方、言い換えれば上手辺側の部分よりも移動方向bに対して後方、言い換えれば下手辺側の部分が押圧力によって大きく撓む。したがって、図9において(A)に示すように、ブレード部材23から芯体10の外表面への押圧力は、ブレード23Aにおける上手辺側の部分で最も強く、移動方向bに対して後方に行くに従って弱くなる。故に、ブレード部材23を芯体10に強く押圧した場合においても、ブレード23Aにおける下手辺側の部分では塗布液がブレード23Aと芯体10とから受ける圧力はブレード23Aにおける上手辺側の部分と比較して小さいから、塗布液としてPI樹脂前駆体溶液のようにチクソトロピ性の高いものを用いた場合においても、ブレード23A直後の塗布液の盛り上がりは殆どない。
【0079】
これに対して、ブレード部材23の芯体10への押圧力がブレード23Aのどの部分においても同一のときは、ブレード部材23を芯体10に強く押圧すると、ブレード23Aにおける下手辺側の部分においても、ブレード23Aにおける上手辺側の部分と同様に、塗布液がブレード23Aと芯体10とから大きな圧力を受ける。したがって、塗布液としてPI樹脂前駆体溶液のようにチクソトロピ性の高いものを用いた場合には、ブレード23A直後に大きな塗布液の盛り上がりが生じる。
【0080】
3.実施形態3
実施形態1または2に記載の塗工装置で作製された無端ベルトを中間転写ベルト、搬送ベルト、および定着ベルトとして用いた電子写真式の画像形成装置について以下に説明する。
【0081】
実施形態3に係る画像形成装置200は、図10に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー画像が表面に形成される感光体ドラム101Y、101M、101C、101Kと、感光体ドラム101Y、101M、101C、101Kの表面に形成された潜像をY、M、C、Kのトナーで現像する現像器105、106、107、108と、上記無端ベルトから形成され、感光体ドラム101Y、101M、101C、101Kの表面に当接するように配設された中間転写ベルト102と、中間転写ベルト102を張架すると共に矢印Bの方向に回転駆動する張架ローラ117〜119と、中間転写ベルト102を挟んで張架ローラ117に相対するように配設された二次転写ローラ120と、中間転写ベルト102を裏面側から感光体ドラム101Y、101M、101C、101Kに押圧する転写バッフル121〜124と、転写バッフル121〜124に隣接して配置され、中間転写ベルト102を帯電させるコロナ放電器109〜121と、中間転写ベルト102の下方に位置し、記録用紙103が収納されている記録媒体収納部113とを備える。張架ローラ117と二次転写ローラ120と中間転写ベルト102とによって二次転写部125が形成される。そして、記録媒体収納部113に収納された記録用紙103は、送り出しローラ126によって二次転写部125に送り出される。
【0082】
二次転写部125を挟んで記録媒体収納部113の反対側には、二次転写部125で記録用紙103に転写されたトナー画像を加熱、定着する加熱ローラ127と、やはり上記無端ベルトから形成され、記録用紙103を加熱ローラ127に押圧する押圧ローラ128とからなる定着部129と、二次転写部125でトナー画像が転写された記録用紙103を定着部129に搬送する上記無端ベルトから形成された搬送ベルトを有する搬送コンベア115とが設けられている。
【0083】
中間転写ベルト102における二次転写部125よりも下流側には、二次転写部125において記録用紙103に転写されないで残ったトナーを除去するクリーナ115が設けられている。
【0084】
以下、画像形成装置200の作用について説明する。
【0085】
る感光体ドラム101Y、101M、101C、101Kの表面に潜像が形成されると、前記潜像は、現像器105〜108によってY、M、C、Kの各色のトナーで現像され、感光体ドラム101Y、101M、101C、101Kの表面にY、M、C、Kの各色のトナー画像が形成される。
【0086】
感光体ドラム101Y、101M、101C、101Kの表面に形成されたトナー画像は順次中間転写ベルト102に転写され、Y、M、C、Kの各色のトナー画像が重ね合わされたフルカラーのトナー画像が形成される。
【0087】
中間転写ベルト102上に形成されたフルカラーのトナー画像は、二次転写部125において記録用紙103に転写される。トナー画像が転写された記録用紙103は、搬送ベルトコンベア115で定着部129に搬送され、定着部129でトナー画像が記録用紙103に定着される。
【実施例】
【0088】
1.実施例1
図1に示す塗工装置を用い、PI樹脂前駆体溶液(商品名:Uイミド、ユニチカ株式会社製、粘度100Pa(25℃))を直径30mm、長さ700mmの芯体10に塗布長600mmで塗工した。塗工条件は、以下の表1の様に設定した。なお、ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vについては、図11に示すように、芯体10の一端から中央部に向かって1000mm/分から750mm/分まで直線的に低下させ、芯体10の中央部から他端に向かって750mm/分から1000mm/分まで再び直線的に増加させた。なお図11において芯体位置は、芯体10の塗工開始位置から、ある時点における芯体10におけるディスペンサ20からのPI樹脂前駆体溶液の流下位置までの距離である。
【0089】
【表1】

塗工終了後、芯体10を軸線の回りに12rpmの回転速度で回転させながら、内部が120℃に保持された加熱装置に居れ、40分間乾燥させた。その後、芯体10を垂直に保持し、190℃で10分間、250℃で30分間、320℃で30分間加熱してPI樹脂前駆体皮膜をイミド化し、PI皮膜を形成した。
【0090】
イミド化後、芯体10を室温まで冷却してから、芯体10をPI皮膜から抜き取り、無端ベルトを得た。
【0091】
得られた無端ベルトは、図3の(B)に示すようなクラウン状の外周面を有し、膜厚は、図12に示すように一端部において60μmであり、前記一端部から中央部に向かって上方に凸の曲線状に増加し、中央部において80μmであった。そして、中央部から他端部に向かって上方に凸の曲線状に減少し、他端部において60μmであった。
【0092】
次に、同様の図1に示す塗工装置および芯体10を用い、ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを500mm/分から1500mm/分まで変化させてPI樹脂管状成型体を作製し、膜厚を測定した。結果を図13に示す。
【0093】
図13から明らかなように、移動速度Vを500mm/分から1500mm/分まで増加すると、得られるPI皮膜の膜厚は120μmから40μmまで直線的に減少することがわかる。
【0094】
2.実施例2
ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを、芯体10の一端から中央部に向かって750mm/分から1000mm/分に直線的に増加し、中央部から他端に向かって1000mm/分から750mm/分に直線的に減少するように設定した以外は、実施例1と同様の手順に従って無端ベルトを作製した。
【0095】
得られた無端ベルトは、図3の(A)に示すようにフレア状の外周面を有し、両端部の膜厚は80μm、中央部の膜厚は60μmであった。
【0096】
3.実施例3
ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを、芯体10の一端から中央部に向かって1000mm/分から1500mm/分に直線的に増加し、中央部から他端に向かって1500mm/分から1000mm/分に直線的に減少するように設定した以外は、実施例1と同様の手順に従って塗工液を芯体10に塗工し、乾燥した。次いで、同様の手順、条件で再び塗工液を塗布し、乾燥した後、得られたPI樹脂前駆体皮膜をイミド化し、無端ベルトを作製した。
【0097】
得られた無端ベルトは、図3の(A)に示すようにフレア状の外周面を有し、両端部の膜厚は120μm、中央部の膜厚は80μmであった。
【0098】
4.実施例4
ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを、芯体10の一端から中央部に向かって1500mm/分から1000mm/分に直線的に減少し、中央部から他端に向かって1000mm/分から1500mm/分に直線的に増加するように設定した以外は、実施例1と同様の手順に従って塗工液を芯体10に塗工し、乾燥した。次いで、同様の手順、条件で再び塗工液を塗布し、乾燥した後、得られたPI樹脂前駆体皮膜をイミド化し、無端ベルトを作製した。
【0099】
得られた無端ベルトは、図3の(B)に示すようにクラウン状の外周面を有し、両端部の膜厚は80μm、中央部の膜厚は120μmであった。
【0100】
5.実施例5
実施例2の条件で1回目の塗工を行い、乾燥した後、ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを1500mm/分と一定に設定して2回目の塗工、乾燥を行った。ついで実施例1に記載の条件でイミド化を行い、PI樹脂製の無端ベルトを作製した。
【0101】
得られた無端ベルトは、図3の(A)に示すようにフレア状の外周面を有し、両端部の膜厚は120μm、中央部の膜厚は100μmであった。
【0102】
6.実施例6
実施例1の条件で1回目の塗工を行い、乾燥した後、ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを1500mm/分と一定に設定し、狙い膜厚が40μmになるようにポンプ16の流量を設定して2回目の塗工、乾燥を行った。ついで実施例1に記載の条件でイミド化を行い、PI樹脂製の無端ベルトを作製した。
【0103】
得られた無端ベルトは、図3の(B)に示すようにクラウン状の外周面を有し、両端部の膜厚は100μm、中央部の膜厚は120μmであった。
【0104】
7.実施例7
ディスペンサ20およびブレード22の移動速度Vを、芯体10の一端および他端から50mmの範囲では700mm/分に設定し、それよりも中央部寄りにおいては1000mm/分に設定して塗布液の塗工を行った以外は実施例1と同様の条件でと構成の塗工、乾燥、イミド化を行って無端ベルトを作製した。
【0105】
得られた無端ベルトは、図3の(C)に示すように両端部が厚く、中央部が薄い断面形状を有し、両端部の膜厚は105μm、中央部の膜厚は80μmであった。
【0106】
8.実施例8
(1)PI樹脂前駆体溶液の調製
攪拌棒、温度計、および滴下ロートを取り付けたフラスコに、五酸化燐で乾燥した窒素ガスを流通させながら、N−メチル−2−ピロリドン(以下、「NMP」と略称する。)1977.6gを注入した。NMPを加熱して液温を60℃まで上昇させた後に、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200.2g(1.0モル)を添加して溶解させた。4,4’−ジアミノジフェニルエーテルがNMPに溶解したのを角人したら、液温を60℃に保ちながら3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物294.2g(1.0モル)を添加して攪拌、溶解させた。3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物の溶解を確認後、更に液温を60℃に保ちながら攪拌を継続してポリアミック酸(PI樹脂前駆体)の重合反応を行った。重合反応を24時間継続し、固形分濃度が20質量%のPI樹脂前駆体溶液を得た。
【0107】
(2)CB分散PI樹脂前駆体溶液の調整
次に、得られたPI樹脂前駆体溶液500gに非イオン系高分子としてポリビニル−2−ピロリドン(Luvitec(登録商標)K17、BASFジャパン株式会社製、以下「PVP」と略する。)0.5gを添加、溶解させた。次に、導電剤として、酸化処理カーボンブラック(SPECIAL BLACK4(商品名、Degussa製)、pH4.0、揮発分14.0%、以下「CB」と略する。)25.0gを添加してボールミルにて6時間処理してCBの分散を行った。
【0108】
(3)無端ベルトの作製
図4に示す塗工装置102に、芯体10として、外径90mm、長さ450mmの金属製円筒状金型を軸線が水平になるように保持部材12に装着した。なお、芯体10の外表面には予め弗素系離型剤を塗布し、作製後の無端ベルトが容易に脱着できるようにした。ディスペンサ20として、容器14に貯留されたPI前駆体溶液を空気圧で内径4mmのノズル18から押し出す形態のものを用いた。
【0109】
ブレード部材23としては、図5の(A)に示す形態#1のブレード部材23を用いた。ブレード部材23におけるブレード23Aとしては、幅20mm、厚み1mmのポリエチレンシートの先端側の端縁を45度の角度で切除したものを用い、上手辺長L1、下手辺長L2、接触辺長L3、ブレード幅L4が夫々178mm、150mm、28mm、20mmになるようにブレード支持部材23Bに装着した。
【0110】
次いで、芯体10を120rpmで回転させ、ダイアルゲージで押圧力をゲージ値3に設定してブレード23Aからの押圧力を測定した。押圧力の測定は以下の手順で行った。先ず、芯体10に円周方向に沿って100mm幅の圧力測定フィルム(商品名:プレスケールLLW、富士フイルム株式会社製)を巻回し、CB分散PI樹脂前駆体溶液を芯体10に塗工するときの同一の回転数で回転させ、ダイアルゲージで押圧力を塗工時と同一の強さに設定してブレード23Aを芯体10の外表面に押し当てる。この状態で芯体10を1回転させた後、圧力測定フィルムを芯体10の外表面から剥離し、剥離した圧力測定フィルムを比色を利用した圧力測定システム(富士フイルム株式会社製)にかけて押圧力を測定した。押圧力の測定箇所は、ブレード23Aが押圧された箇所の移動方向bに対して前方の縁部から1mm後方の位置と、前記箇所の移動方向bに対して後方の端部から1mm前方の位置と、前記箇所の中央部の3箇所とした。
【0111】
次いで、容器14にCB分散PI樹脂前駆体溶液を注入し、0.4MPaの空気圧を加えてCB分散PI樹脂前駆体溶液をノズル18から芯体10の外側面に向かって23ml/分の流量で押し出した。同時に、ディスペンサ20とブレード部材23との移動速度を180mm/分(1.5mm/1回転)に設定して芯体10の外側面にCB分散PI樹脂前駆体溶液を塗工した。
【0112】
上記の条件で芯体10の一端から他端に向かってCB分散PI樹脂前駆体溶液が塗布されたら、芯体10を水平に保持しつつ、20rpmの回転速度で回転させながら、内部が150℃に保持された乾燥炉で60分間乾燥した。乾燥後、芯体10の表面には150μmのPI前駆体皮膜が形成されていた。PI前駆体皮膜の溶媒含有量は40質量%であった。
【0113】
次に、PI前駆体皮膜が形成された芯体10を150℃で20分間、280℃で20分間、320℃で30分間加熱してPI前駆体をイミド化した。イミド化後、芯体10を室温まで冷却し、PI樹脂を主成分とする管状成型体を芯体10から脱着して無端ベルトを得た。
【0114】
(4)無端ベルトの評価
(4−1)外観
得られた無端ベルトについては、外表面の螺旋状ムラの有無を目視で観察し、観察は3人の検査者によって行い、以下の基準で評価した。
【0115】
0:3人の検査者の何れも螺旋ムラの発生を認めない。
1:3人の検査者のうち、1人が螺旋ムラの発生を認めた。
2:3人の検査者のうち、2人が螺旋ムラの発生を認めた。
3:3人の検査者の何れも螺旋ムラの発生を認めた。
【0116】
結果は「0」であった。
【0117】
(4−2)膜厚
無端ベルトの膜厚は、サンコー電子株式会社製の渦d年粒子機膜厚系CTR−1500を用いて、無端ベルトの両端部20mmの範囲内で軸方向に5mmピッチ(83点)で測定し、その平均値を求めた。膜厚は80±2μであった。
【0118】
(4−3)画質
富士ゼロックス株式会社製DocuCentreColor2220(商品名)の改造機(プロセス速度:250mm/sec、一次転写電流:35μA)を使用し、高温高湿(28℃、85%RH)および低温低湿(10℃、15%RH)でシアンおよびマゼンタの50%ハーフトーンを富士ゼロックス株式会社製C2記録紙に出力し、以下の基準で濃度ムラを目視で評価した。
【0119】
◎:濃度ムラが認められない。
○:濃度ムラは認められるが問題のないレベルである。
×:濃度ムラがはっきりと認められた。
【0120】
結果は高温高湿および低温低湿の何れも「◎」であった。
【0121】
9.実施形態9〜16、
ブレード形状および押圧力設定値を表2、3のように変向した以外は、実施例8と同様の手順、条件で無端ベルトを作製し、無端ベルトの外観、膜厚、コピー画質を評価した。結果を表2、3に示す。なお、表3においてブレード部材の形状において「#5」とあるのは、ブレード支持部材23Bのブレード支持軸とブレード23Aのブレード軸とが一致し、しかも芯体10の外表面に対して直交するようにブレード23Aがブレード支持部材23Bに支持され、ブレード23Aの接触辺が芯体10の外表面に対して平行であり、ブレード23Aの厚みが前縁と中央部と後縁とで何れも同一である形態をいう。
【0122】
【表2】

【表3】

表2および3から明らかなように、形態#1〜#4のブレード部材を用いた実施例9〜16においては、無端ベルトは何れも表面に螺旋ムラの発生が認められず、高温高湿時および低温低湿時のいずれにおいてもコピー画像にムラが見られず、良好なコピー画質が得られたのに対し、形態#5のブレード部材を用いた比較例1〜3では、得られた無端ベルトに螺旋ムラの派生が認められ、また、コピー画像に濃度ムラが見られた。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】図1は、実施形態1に係る塗工装置の構成の概略を示す斜視図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る塗工装置の構成の概略を示す端面図である。
【図3】図3は、実施形態1に係る塗工装置で得られる管状成型体の形態の例を示す概略図である。
【図4】図4は、実施形態2に係る塗工装置の構成の概略を示す斜視図である。
【図5】図5は、実施形態2に係る塗工装置においてブレード指示部材によってブレードを芯体に押圧する機構の例を示す説明図である。
【図6】図6は、実施形態2に係る塗工装置においてブレード指示部材によってブレードを芯体に押圧する機構の例を示す説明図である。
【図7】図7は、実施形態2に係る塗工装置における形態#1および#2のブレード部材の形態を示す平面図である。
【図8】図8は、実施形態2に係る塗工装置における形態#3および#4のブレード部材の形態を示す平面図である。
【図9】図9は、実施形態2に係る塗工装置において螺旋ムラの発生を抑止できることを示す説明図である。
【図10】図10は、実施形態1または2で作製された無端ベルトを用いた画像形成装置の一例について構成を示す概略図である。
【図11】図11は、実施例1におけるディスペンサおよびブレード部材の移動速度と芯体位置との関係を示すグラフである。
【図12】図12は、実施例1で得られた無端ベルトの幅方向の厚み分布をグラフである。
【図13】図13は、実施例1におけるディスペンサおよびブレード部材の移動速度と得られた無端ベルトの厚みとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0124】
10 芯体
12 保持部材
14 容器
16 ポンプ
18 ノズル
20 ディスペンサ
22 ブレード
23 ブレード部材
23A ブレード
23B ブレード支持部材
24 スポンジ
100 塗工装置
200 画像形成装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状または円柱状の芯体を、軸線が水平になるように保持しつつ、前記軸線の周りに回転させ、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かってディスペンサを移動させつつ、前記ディスペンサから前記芯体の外表面に塗工液を流下させ、ブレード部材の先端を前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧して前記ディスペンサとともに芯体の一端から他端に移動させ、前記芯体の外表面に流下した塗工液を均して塗工する塗工工程と、
芯体の外表面に塗工された塗工液を乾燥、固化して皮膜とする皮膜形成工程と、
を有し、
前記塗工工程においては、前記ブレード部材の先端縁から前記芯体に及ぼされる押圧力を前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方から後方に向かって減少させる塗工方法。

【請求項2】
前記塗工工程においては、前記芯体における塗工液を厚く塗工すべき箇所における前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度を、芯体の前記箇所よりも塗工液を薄く塗工すべき箇所における移動速度よりも遅くなるように設定する請求項1に記載の塗工方法。
【請求項3】
円筒状または円柱状の芯体を、軸線が水平になるように保持しつつ、前記軸線の周りに回転させ、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かってディスペンサを移動させつつ、前記ディスペンサから前記芯体の外表面に塗工液を流下させ、ブレード部材の先端を前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧させて前記ディスペンサとともに芯体の一端から他端に移動させ、前記芯体の外表面に流下した塗工液を均して塗工する塗工工程と、
芯体の外表面に塗工された塗工液を乾燥、固化して皮膜とする皮膜形成工程と、
を有し、
前記塗工工程においては、前記芯体における塗工液を厚く塗工すべき箇所における前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度を、芯体の前記箇所よりも塗工液を薄く塗工すべき箇所における移動速度よりも遅くなるように設定する
塗工方法。
【請求項4】
前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度は、前記芯材の中央部では前記芯材の両端部よりも高く設定される請求項3に記載の塗工方法。
【請求項5】
前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度は、前記芯材の両端部では前記芯材の中央部よりも高く設定される請求項3に記載の塗工方法。
【請求項6】
前記皮膜形成工程で皮膜を形成した後に、前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かってディスペンサを移動させつつ、前記ディスペンサから前記芯体の外表面に前記皮膜を形成するのに使用されたのと同一または異なる塗工液を流下させ、
ブレード部材の先端縁を所定の押圧力で前記芯体の外表面に押圧し、前記ディスペンサとともに芯体の一端から他端に移動させて前記芯体の外表面に流下した塗工液を所定の厚みに均して塗工する後塗工工程を有する請求項3〜5の何れか1項に記載の塗工方法。
【請求項7】
前記後塗工工程を複数回行う請求項6に記載の塗工方法。
【請求項8】
円筒状または円柱状であって、軸線が水平になるように保持されているとともに、回転手段によって前記軸線の回りに回転する芯体と、
前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記芯体の外表面に塗工液を流下させるディスペンサ手段と、
先端が前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧された状態で前記ディスペンサ手段と共に前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記ディスペンサ手段から前記芯体の外表面に流下した塗工液を均すブレード部材と、
を備え、
少なくとも前記塗工液の塗工時においては、前記ブレード部材の先端縁から前記芯体に及ぼされる押圧力が、前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方から後方に向かって減少するように設定される塗工装置。
【請求項9】
前記ブレード部材は、先端縁が芯体の外表面に押圧されるブレードと、前記ブレードを支持するブレード支持部材とを備え、
前記ブレード支持部材は、前記芯体に向かって前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向とは反対の方向に傾斜するように前記ブレードを保持しているとともに、前記ブレード部材の先端縁は、前記芯材の表面に対して平行に形成されている請求項8に記載の塗工装置。
【請求項10】
前記ブレード部材は、先端縁が芯体の外表面に押圧されるブレードと、前記ブレードを支持するブレード支持部材とを備え、
前記ブレードの先端縁は、前記移動方向に対して前方から後方に向かって前記芯体の外表面との距離が小さくなるように形成されている請求項8に記載の塗工装置。
【請求項11】
前記ブレード部材は、先端縁が芯体の外表面に押圧されるブレードと、前記ブレードを支持するブレード支持部材とを備え、
前記ブレードは、前記移動方向に対して前方から後方に向かって厚みが減少するように形成されている請求項8に記載の塗工装置。
【請求項12】
前記ブレード部材の先端における前記ブレード部材とディスペンサとの移動方向に対して前方の端部と、前記移動方向に対して後方の端部とで、前記押圧力が1.3:1〜5:1に設定されている請求項8〜11の何れか1項に記載の塗工装置。
【請求項13】
前記押圧力は0.2MPa〜2.5MPaの範囲に設定されている請求項8〜12の何れか1項に記載の塗工装置。
【請求項14】
円筒状または円柱状であって、軸線が水平になるように保持されているとともに、回転手段によって前記軸線の回りに回転する芯体と、
前記芯体の軸線に沿って前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記芯体の外表面に塗布液を流下させるディスペンサ手段と、
先端が前記芯体の外表面に所定の押圧力で押圧された状態で前記ディスペンサ手段と共に前記芯体の一端から他端に向かって移動しつつ、前記ディスペンサ手段から前記芯体の外表面に流下した塗工液を均すブレード部材と、
を備え、
前記芯体における塗工液を厚く塗工すべき箇所においては、前記箇所よりも塗工液を薄く塗工すべき箇所と比較して前記ディスペンサ手段およびブレード部材の移動速度が遅く設定されている塗工装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2010−104893(P2010−104893A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278593(P2008−278593)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】