説明

変速制御装置

【課題】車体及び運転者の安定性を維持し、且つ迅速に操作可能な変速制御装置を提供する。
【解決手段】変速ギヤのシフトアップを行わせる場合に操作されるボタン式のシフトアップスイッチ102と、変速ギヤのシフトダウンを行わせる場合に操作されるボタン式のシフトダウンスイッチ103とを有するスイッチ部101aをハンドルグリップ基部9cの下側から前側までの任意の位置へ配置する。スイッチ部101aは、ハンドルグリップの基部からハンドルグリップの先端部側に向けて突出する突出部分を有する。シフトアップスイッチ102及びシフトダウンスイッチ103は、車体前後方向に互いに離間して、上記突出部分に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車、原動機付二輪車、及びバギー等の棒状のハンドルを備えた車両(本明細書では、車両とする)の変速ギヤの切替動作と、これに伴うクラッチの駆動力伝達の断続動作を制御する変速制御装置に関する。
【0002】
なお、ここでいう棒状のハンドルには、左手により握られる部分と右手により握られる部分とが独立したセパレートハンドル、左手により握られる部分と右手により握られる部分とが一体化されたバーハンドルが含まれる。また、これらのハンドルは全ての部分が直線形状である必要はなく、一部分が湾曲していても良い。
【背景技術】
【0003】
車両の駆動系には各種の変速方式が採用されており、その一つとしては、運転者がクラッチレバーとチェンジペダルを用いて変速ギヤを切り替えるマニュアルトランスミッション方式が挙げられる。
【0004】
また、エンジンの回転数等に応じて自動的にシフトアクチュエータが駆動され、変速ギヤの切り替えが行われるフルオートマチックトランスミッション方式が用いられる場合もある。
【0005】
また、運転者の指示によりシフトアクチュエータを駆動させ、変速ギヤを切り替えるセミオートマチックトランスミッション方式が用いられる場合もある。
【0006】
さらに、変速方式をセミオートマチックトランスミッション方式とフルオートマチックトランスミッション方式から選択することが可能な車種も存在する。
【0007】
図8に例示するスイッチ部1000は、変速ギヤのシフトアップを行う際に操作されるシフトアップスイッチ1001と変速ギヤのシフトダウンを行う際に操作されるシフトダウンスイッチ1002とを有する。
【0008】
このシフトアップスイッチ1001及びシフトダウンスイッチ1002は、運転者が車両を操作する際に用いるハンドルグリップ1004の近傍に位置しており、操作は親指によって行われる。
【0009】
また、スイッチ部1000は変速方式を選択可能な車種に搭載されることを前提としており、前述のフルオートマチックトランスミッション方式とセミオートマチックトランスミッション方式を選択切替するための変速方式切替スイッチ1003を有する。この変速方式切替スイッチ1003もハンドル1004の近傍に位置し、親指により操作される。
【0010】
また、スイッチ部1000は、上記のシフトアップスイッチ1001、シフトダウンスイッチ1002、変速方式方式切替スイッチ1003の他に、クラクションを動作させるためのクラクションスイッチ1005と、ウィンカーを動作させるためのウィンカースイッチ1006とを有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記のようなスイッチ部1000には以下の課題が存在する。運転者がハンドルグリップ1004を握ることにより車体を保持している場合、その親指はPの位置にあるが、シフトアップスイッチ1001、シフトダウンスイッチ1002、変速方式切替スイッチ1003を操作するには、親指をハンドルグリップ1004から離し、Q、R、Sの位置まで移動させなくてはならず、スイッチを迅速に操作することが困難である。
【0012】
さらに、ハンドルグリップ1004を握ることにより車体を保持するには親指により加えられる力が特に重要であり、親指がハンドルグリップ1004から離れることは、車体及び運転者の安定性を低下させる。この安定性の低下は、悪路では更に顕著になる。
【0013】
このような事情に鑑み、本発明は、車体及び運転者の安定性を維持し、且つ迅速に操作可能な変速制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の特徴は、アクチュエータを制御することによって、複数段の変速ギヤを備える多段シフト機構の変速ギヤの切替と、前記変速ギヤの切替時にクラッチによるエンジンからの駆動力伝達の断続とを行う変速制御装置であって、前記変速制御装置へ制御内容を伝えるスイッチ部と、前記スイッチ部は、前記ハンドルグリップの基部から前記ハンドルグリップの先端部側に向けて突出する突出部分を有し、前記突出部分は、操作力が加えられる第1押ボタン部と、前記第1押ボタン部に加えられる操作力と反対の方向の操作力によって操作される第2押ボタン部とを備え、前記第1押ボタン部及び第2押ボタン部は、操作力が加えられていない場合に所定の状態に復帰し、前記第1押ボタン部及び第2押ボタン部は、車体前後方向に互いに離間して配置されることを要旨とする。 本発明の第1の特徴にあっては、スイッチ部がハンドルグリップの基部の下側、ハンドルグリップの基部の前側、及びこれらの間の任意の位置、つまり運転手が親指及び人差指をハンドルグリップから離さずに操作できる位置へ配置される。これにより、運転者はスイッチ部を迅速に操作することができ、さらに、スイッチ部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。また、スイッチ部がハンドルグリップの長手方向に突出して配置されるので、運転者はハンドルグリップを握ったまま親指及び人差指を離さずにスイッチ部を迅速に操作でき、さらに、スイッチ部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。なお、ここでいうハンドルグリップの基部の前側とは、車両の進行方向側、換言すれば車両の運転者とは反対側を指す。
【0015】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴において、前記第1押ボタン部は、前記変速ギヤの切替におけるシフトアップを行わせる場合に操作され、前記第2押ボタン部は、前記変速ギヤの切替におけるシフトダウンを行わせる場合に操作されることを要旨とする。 本発明の第2の特徴にあっては、ハンドルグリップの基部の下側から前側までの任意の位置へ配置されるスイッチ部がシフトアップスイッチ及びシフトダウンスイッチを有する。これにより、運転者はハンドルグリップを握ったまま親指及び人差指を離さずに第1押ボタン部及び第2押ボタン部を迅速に操作することができ、さらに、第1押ボタン部及び第2押ボタン部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0016】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1または第2の特徴において、前記スイッチ部が操作された場合に前記変速ギヤの切替が行われるセミオートマチックトランスミッション方式と、前記スイッチ部が操作されなくとも前記エンジンの回転数に応じて前記変速ギヤの切替が行われるフルオートマチックトランスミッション方式とを、前記スイッチ部が所定の時間以上継続して操作された際に切り替える変速方式切替部を有することを要旨とする。
【0017】
本発明の第4の特徴にあっては、スイッチ部が一定時間以上継続して操作された際に変速方式の切替えが行われる。
【0018】
これにより、運転者は変速方式を切り替える場合においてもハンドルグリップを握ったまま親指及び人差指を離さずにスイッチ部を迅速に操作でき、さらに、スイッチ部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0019】
本発明の第4の特徴は、本発明の第2の特徴において、前記第1押ボタン部が操作された場合に前記シフトアップが行われるとともに前記第2押ボタン部が操作された場合に前記シフトダウンが行われるセミオートマチックトランスミッション方式と、前記第1押ボタン部及び前記第2押ボタン部が操作されなくとも前記エンジンの回転数に応じて前記シフトアップ及び前記シフトダウンを行わせるフルオートマチックトランスミッション方式とを、前記第1押ボタン部及び前記第2押ボタン部の両方が同時に操作された際に切り替える変速方式切替部を有することを要旨とする。
【0020】
本発明の第4の特徴にあっては、第1押ボタン部及び第2押ボタン部の両方が同時に操作された際に変速方式の切替えが行われる。
【0021】
これにより、運転者は変速方式を切り替える場合においてもハンドルグリップを握ったまま親指及び人差指を離さずに第1押ボタン部及び第2押ボタン部を迅速に操作でき、さらに、第1押ボタン部及び第2押ボタン部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0022】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1の特徴において、前記第1押ボタン部及び第2押ボタン部が、乗員の指によって操作可能であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0023】
上記のとおり本発明の変速制御装置は、スイッチ部をハンドルグリップの基部の下側から前側までの任意の位置、つまり運転手が親指及び人差指をハンドルグリップから離さずに操作できる位置へ配置するため、運転者はスイッチ部を迅速に操作することができ、さらに、スイッチ部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0024】
また、上記のスイッチ部は第1押ボタン部及び第2押ボタン部を有するため、運転者はハンドルグリップを握ったまま親指及び人差指を離さずに第1押ボタン部及び第2押ボタン部を迅速に操作することができ、さらに、第1押ボタン部及び第2押ボタン部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0025】
また、上記のスイッチ部が第1方向及び第2方向に移動可能なシフトスイッチを有するため、運転者はハンドルグリップを握ったまま親指及び人差指を離さずにシフトスイッチを迅速に操作することができ、さらに、シフトスイッチの操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0026】
また、上記のスイッチ部が一定時間以上継続して操作された際に変速方式の切り替えを行うため、運転者は変速方式を切り替える場合においてもハンドルグリップを握ったまま親指及び人差指を離さずにスイッチ部を迅速に操作でき、さらに、スイッチ部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0027】
また、上記の第1押ボタン部及び第2押ボタン部の両方が同時に操作された際に変速方式の切り替えを行うため、運転者は変速方式を切り替える場合においてもハンドルグリップを握ったまま親指及び人差指を離さずに第1押ボタン部及び第2押ボタン部を迅速に操作でき、さらに、第1押ボタン部及び第2押ボタン部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0028】
また、スイッチ部がハンドルグリップの長手方向に突出して配置されるため、運転者はハンドルグリップを握ったまま親指及び人差指を離さずにスイッチ部を迅速に操作でき、さらに、スイッチ部の操作時における車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0029】
以上の点から、車体及び運転者の安定性を維持し、且つ迅速に操作可能な変速制御装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の変速制御装置が搭載される自動二輪車の構成の一例を示す図である。
【図2】図1の自動二輪車が有する多段シフト機構及びクラッチ40の詳細を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態にかかる変速制御装置が有するスイッチ部を示す斜視図である。
【図4】本発明の変速制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかるスイッチ部を示す斜視図である。
【図6】図4の変速制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図7】図4の変速制御装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来のスイッチ部の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照しつつ、本発明の変速制御装置について説明する。
【0032】
なお、以下の実施の形態は、あくまでも本発明の説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば、これらの各要素又は全要素を含んだ各種の実施の形態を採用することが可能であるが、これらの実施の形態も本発明の範囲に含まれる。また、実施の形態を説明するための全図において、同一要素には同一符号を付与し、これに関する反復説明は省略する。
【0033】
本発明の変速制御装置は、棒状のハンドルにおけるハンドルグリップの基部に設けられたスイッチ部を有し、スイッチ部の操作により複数段の変速ギヤを備える多段シフト機構の変速ギヤの切替動作を行うシフトアクチュエータと、シフトアクチュエータによる変速ギヤの切替動作時にクラッチによるエンジンからの駆動力伝達を断続するクラッチアクチュエータとを制御するものであり、以降の説明においては、この変速制御装置が自動二輪車に搭載される場合を示す。
【0034】
なお、ここでいう棒状のハンドルには、左手により握られる部分と右手により握られる部分とが独立したセパレートハンドル、左手により握られる部分と右手により握られる部分とが一体化されたバーハンドルが含まれる。また、これらのハンドルは全ての部分が直線形状である必要はなく、一部分が湾曲していても良い。
【0035】
図1は、本発明の変速制御装置が搭載される自動二輪車の構成の一例を説明するための図である。自動二輪車1は、車体フレーム2がヘッドパイプ3に接続された左右一対のタンクレール4と、リヤフレーム5に接続される構造である。上記のタンクレール4の上部には燃料タンク6が設けられ、下部にはエンジンユニット(図示せず)が配設される。上記のリヤフレーム5の前部にはメインシート7が配設される。
【0036】
また、上記のヘッドパイプ3にはフロントフォーク8が枢支されており、フロントフォーク8の上端にはハンドル9が設けられ、下端には前輪11が設けられている。また、ハンドル9にはスイッチボックス10が設けられている。なお、ハンドル9及びスイッチボックス10の詳細については後述する。
【0037】
また、上記タンクレール4の後端下部のリヤアームブラケット12には、リヤアーム13がピボット軸14を介して上下揺動可能に枢支されており、リヤアーム13の後端には後輪22が配設される。また、リヤアームブラケット12には、ステップブラケット15が後方に向けて突設されており、運転者の足を掛けるステップ16がステップブラケット15の車幅方向の外側に向けて設けられている。
【0038】
また、上記の車体フレーム2にはカウリング17が配設される。このカウリング17は、ハンドル9の前方を覆う上部カウリング18と、タンクレール7の前方及び左,右側方及びエンジンユニットの左,右下方を覆う下部カウリング19とから構成される。
【0039】
なお、上記の上部カウリング18は、ステー(図示せず)を介して車体フレーム2に支持されており、車体前部の前側と左右方向の両側面とが形成される構造を採り、車体前側の上部に透明材からなるスクリーン20とヘッドランプ21等が取り付けられている。
【0040】
また、上記のリヤフレーム5にはメインシート7の左右側方及び後輪22の上方を覆うためのサイドカバー23が配設される。また、クランク軸を収容するクランクケース49が車幅方向に向けて車体フレーム2に懸架支持される。
【0041】
また、下部カウリング19の内側には、上記のクランク軸と平行に配設された変速装置のメインシャフトとドライブシャフトと複数段の変速ギヤからなる多段シフト機構を収容する変速機ケース(トランスミッション)が一体形成される(図示せず)。このトランスミッションには、変速ギヤ切替時に駆動力伝達を断続させるクラッチが設けられている(図示せず)。なお、これらについての詳細は後述する。
【0042】
また、リヤアーム13の後端に後輪22を軸承する軸部25には、ドリブンスプロケット26が設けられており、このドリブンスプロケット26と、上記のエンジンユニットのドライブシャフトに固着された駆動スプロケット(図示せず)とにチェーン27が巻回される。これにより、エンジン動力がチェーン27を介して後輪22に伝達される。
【0043】
さらに、自動二輪車1は、上記の部品の他に、メインシート7の下部といった場所に配置された図示しないECU(Engine Control Unit:エンジン制御装置)を有している。
【0044】
図2は、図1の自動二輪車1が有する多段シフト機構及びクラッチ40等の詳細を示す図である。本実施の形態におけるハンドル9は、セパレートハンドルであり、左手により握られるハンドルグリップ9aと、これが取り付けられたハンドルグリップ基部9cと、右手により握られるハンドルグリップ9bと、これが取り付けられたハンドルグリップ基部9dとから構成される。
【0045】
ハンドルグリップ9bはアクセルグリップを構成し、スロットル入力ポテンショメータ28が装着され、運転者の意志によるアクセル入力(スロットル開度入力)が検出される。このハンドルグリップ9bの近傍にはブレーキレバー28が配設される。
【0046】
また、ハンドルグリップ9aの近傍には前記のスイッチボックス10が備わる。このスイッチボックス10は、クラクションスイッチ及びウィンカースイッチ等(共に図示せず)を有し、ハンドル9aを囲む形状となっている。また、スイッチボックス10の近傍にはクラッチレバー30が配設される。
【0047】
また、スイッチ部101aは変速ギヤのシフトアップ及びシフトダウンを行わせるためのものであるが、これの詳細については後述する。
【0048】
また、本実施の形態における自動二輪車1は、クラッチレバー30を有する場合は示したが、これは、前述のセミオートマチックトランスミッション方式、フルオートマチックトランスミッション方式の他に、マニュアルトランスミッション方式により変速ギヤの切替を行うことを想定しているためである。また、ハンドル9の近傍には、現在の変速ギヤのシフト位置を表示するモニタ(インジケータ)部31が備わる。
【0049】
また、気化器下流側の吸気通路(図示せず)を構成するスロットル32にはスロットル弁33が装着される。スロットル弁33の弁軸34の端部にスロットルを駆動させるためのスロットルアクチュエータ35が設けられるとともに、その反対側の端部にスロットルの開度を測定するためのスロットル開度センサ36が設けられている。この弁軸34に装着されたスロットルアクチュエータ35及びスロットル開度センサ36によりスロットルを開閉駆動するDBW(Drive By Wire)37が構成される。DBW37は、スロットルアクチュエータ35を運転状態に応じて所定のプログラムあるいはマップにしたがって駆動制御する。DBW37は、シフトダウン時には一旦エンジン回転を高め、シフトアップ時には一旦エンジン回転を低下させるようにスロットル弁33を開閉動作させて、変速ギヤの切替を円滑に行わせる。
【0050】
また、エンジン(図示せず)のクランクシャフト38の端部にはエンジンの回転数を測定するためのエンジン回転数センサ39が装着される。クランクシャフト38は、多板式のクラッチ40を介してメインシャフト41に連結される。メインシャフト41には、多段(本実施の形態では6段)の変速ギヤ群42が装着されるとともにメインシャフトの回転数を測定するためのメインシャフト回転数センサ43が設けられる。メインシャフト41上に位置する変速ギヤ群42の各変速ギヤは、これに対応してドライブシャフト44上に配置された変速ギヤ群45と噛合っている(本図では分離した状態で示している)。これらの変速ギヤ群42及び45の内、選択された変速ギヤ以外は、メインシャフト41又はドライブシャフト44に対し遊転状態で配置される。したがって、メインシャフト41からドライブシャフト44への駆動力伝達は選択された一対の変速ギヤのみを介して行われる。
【0051】
また、変速ギヤ群42及び45における変速ギヤ切替はシフト入力軸であるシフトカム46により行われる。シフトカム46は、複数の(本実施の形態では3本の)カム溝47を有し、各カム溝47にシフトフォーク48が接続される。各シフトフォーク48は、それぞれメインシャフト41及びドライブシャフト44上の変速ギヤ群42及び45に係合している。シフトカム46の回転により、シフトフォーク48がカム溝47に沿って移動し、シフトカム46の回転角度に応じた位置の一対の変速ギヤのみがメインシャフト41及びドライブシャフト44に対して、それぞれの表面に設けられたスプラインにより固定される。このようにして駆動力伝達が行われ、変速ギヤの位置が定まる。これらの変速ギヤ群42、45、及びシフトカム46により多段シフト機構が構成される。
【0052】
このような多段シフト機構及び前述のクラッチ40は、共に油圧機構により駆動される。この油圧機構は、モータ49により駆動されるポンプ50、オイルタンク51、及びアキュムレータ52により構成される。アキュムレータ52から一定の圧力を有するオイルがクラッチ40を駆動させるためのクラッチアクチュエータ53と、シフトフォーク48を駆動させるためのシフトアクチュエータ54に供給され、クラッチ40及びシフトカム46が所定のシーケンスにしたがって駆動され、オイルはオイルタンク51に戻される。
【0053】
クラッチアクチュエータ53にはクラッチ40のストローク位置を検出するストロークセンサ55が設けられる。また、ドライブシャフト44には車速を測定するための車速センサ56が設けられ,シフトカム46にはシフトポジションを検出するためのシフトポジションセンサ57が設けられる。
【0054】
本発明の変速制御装置は、ECU64内に設けられた各機能部と前記のスイッチ部101aとからなり、前記の多段シフト機構及びクラッチ40による変速ギヤの切替動作とクラッチによるドライブシャフト44への駆動力伝達の断続動作を制御する。なお、各機能部の詳細については後述する。
【0055】
スイッチ部101aが運転者により操作されると、ECU64内の各機能部は、前述のセンサ及びその他各種センサの検出データに基づき、シフト位置の入力指令に応じて、クラッチアクチュエータ53及びシフトアクチュエータ54を動作させ、クラッチ切断、変速ギヤ切替、及びクラッチ接続の一連の動作を内部に格納した所定のプログラムやマップ、その他演算回路により自動的に行う。
【0056】
より具体的には、クラッチ40の動作については、クラッチアクチュエータ53を駆動させることによりロッド58を矢印Aのように往復動作させ、レバー59を矢印Bのように回動させ、これによりピニオン60を回転させ、これに噛合うラック61を往復動作させる。これによりクラッチ40がラック61の移動方向に応じて接続または切断され、エンジンからメインシャフト41への駆動力の伝達が断続される。
【0057】
このように、クラッチレバーによらず、クラッチアクチュエータ53によりクラッチを動作させることにより、運転者によるクラッチ操作が不要になり疲労が軽減される。
【0058】
また、変速ギヤの切替については、ECU64内の各機能部がシフトアクチュエータ54を駆動させることによりロッド62を矢印Cのように往復動作させ、リンク機構63を介してシフトカム46を所定角度回転させる。これによりカム溝47に沿ってシフトフォーク48が所定量だけ軸方向に移動し、変速ギヤ群42及び45が有する1速から6速までの変速ギヤを順番にメインシャフト41及びドライブシャフト44に固定して各減速比に基づいて駆動力を伝達する。
【0059】
図3は、図1のスイッチ部101aの詳細を示す斜視図である。スイッチ部101aは、運転者が親指及び人差指で操作可能なようにハンドルグリップ基部9cの下側に配置され、ハンドルグリップ9aの長手方向(矢印Fの方向)に突出している。
【0060】
また、運転者の親指により矢印D1の方向に操作されるシフトアップスイッチ102と、シフトアップスイッチ102の反対側に位置し、人差指により矢印E1の方向に操作されるシフトダウンスイッチ103とを有する。
【0061】
スイッチ101aを上記のような構成とすることにより、運転者はハンドルグリップ9aを握ったまま親指及び人差指を離さずにシフトアップスイッチ102及びシフトダウンスイッチ103を迅速に操作することができ、さらに、前述の車体や運転者の安定性の低下を防止できる。
【0062】
なお、シフトアップスイッチ102及びシフトアップスイッチ103は、操作が終了、つまり指により力が加えられなくなると、操作される前の状態に復帰する機能を有する。
【0063】
また、本図においては、矢印D1の方向の操作されるスイッチをシフトアップスイッチ102とし、矢印E1の方向に操作されるスイッチをシフトダウンスイッチ103とする場合を示したが、これに限定されず、矢印D1の方向に操作されるスイッチをシフトダウンスイッチとし、矢印E1の方向に操作されるスイッチをシフトアップスイッチとすることもできる。このようなスイッチの機能変更は運転者が自由に行うことができる。
【0064】
また、本図においては、スイッチ部101aがスイッチボックス10と一体化されている場合を示しているがこれに限定されず、それぞれが独立した構成とすることもできる。
【0065】
図4は、本発明の変速制御装置100の構成を示すブロック図である。変速制御装置100は、前述のシフトアップスイッチ102及びシフトダウンスイッチ103を備えるスイッチ部101aの他に、図2のECU64の内部に設けられた前述の機能部としての制御部65、シフトアップ信号送信部66、及びシフトダウン信号送信部67とを有する。
【0066】
制御部65は、シフトアップスイッチ102又はシフトダウンスイッチ103が操作されると、これを検知し、併せてその操作時間の測定も行い、この検知・測定結果に基づいてシフトアップ信号送信部66又はシフトダウン信号送信部67を制御し、動作を行わせる。
【0067】
また、制御部65は、請求項に記載の変速方式切替部として機能し、シフトアップスイッチ102又はシフトダウンスイッチ103が所定の時間以上操作されると、これを検知・測定し、前述のフルオートマチックトランスミッション方式とセミオートマチックトランスミッション方式とを切り替える。
【0068】
なお、シフトアップスイッチ102又はシフトダウンスイッチ103の所定操作時間は、運転者等により自由に設定可能であり、設定された値は制御部65に記憶される。
【0069】
また、シフトアップスイッチ102及びシフトダウンスイッチ103の両方が同時に操作された際に変速方式の切替を行う構成とすることもできる。
【0070】
また、以降のシフトアップ信号送信部66及びシフトダウン信号送信部67に関する説明は、変速にセミオートマチックトランスミッション方式が用いられることを前提にして行う。
【0071】
シフトアップ信号送信部66は、シフトアップスイッチ102が操作されると、これを検知した制御部65の指示を受け、前述のクラッチアクチュエータ53を制御してクラッチ40に駆動力伝達の断続動作を行わせるとともに、前述のシフトアクチュエータ54にシフトアップを行わせるためのシフトアップ信号を送信する。
【0072】
シフトダウン信号送信部67は、シフトダウンスイッチ103が操作されると、これを検知した制御部65の指示を受け、前述のクラッチアクチュエータ53を制御してクラッチ40に駆動力伝達の断続動作を行わせるとともに、シフトアクチュエータ54にシフトダウンを行わせるためのシフトダウン信号を送信する。
【0073】
なお、フルオートマチックトランスミッション方式を用いて変速が行われる場合は、シフトアップスイッチ102及びシフトダウンスイッチ103が操作されなくとも制御部65がエンジンの回転数を計測し、これに応じてシフトアップ信号送信部66及びシフトダウン信号送信部67を適宜動作させる。
【0074】
また、本図においては、変速制御装置100がECU64の内部に設けられている場合を示したが、これに限定されず、ECU64の外部に設けることもできる。
【0075】
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかるスイッチ部101eを示す斜視図である。図3においては、ハンドルグリップ基部9cの下側に配置されたスイッチ部101aを示したが、スイッチ部101eは、親指及び人差指で操作可能なようにハンドルグリップ基部9cの下側から前側までの任意の位置としてハンドルグリップ基部9cの斜め下に配置され、人差指により矢印D3の方向に操作されるシフトアップスイッチ102と、親指により矢印E3の方向に操作されるシフトダウンスイッチ103とを有する。
【0076】
このようなスイッチ部101eは、特にヨーロピアンタイプの自動二輪車のようなハンドルの位置が低い車種に適している。
【0077】
なお、本図においては、矢印D3の方向の操作されるスイッチをシフトアップスイッチ102とし、矢印E3の方向に操作されるスイッチをシフトダウンスイッチ103とする場合を示したが、これに限定されず、矢印D3の方向に操作されるスイッチをシフトダウンスイッチとし、矢印E3の方向に操作されるスイッチをシフトアップスイッチとすることもできる。このようなスイッチの機能変更は運転者が自由に行うことができる。
【0078】
また、スイッチ部101eとスイッチ部101a及び101dとの差異は、シフトアップスイッチ102及びシフトダウンスイッチ103の位置のみであり、機能、作用、効果等は、スイッチ部101a及び101dと同様である。
【0079】
また、本図においては、スイッチ部101eがスイッチボックス10と一体化されている場合を示しているがこれに限定されず、それぞれが独立した構成とすることもできる。
【0080】
図6は、図4に示した変速制御装置100の動作を示すフローチャートである。図3及び図5に示したシフトアップスイッチ102とシフトダウンスイッチ103の両方が同時に操作された場合(ステップS1a;Yes)、図4の制御部65は、これを検知し、現時点で選択されている変速方式を確認する(ステップS2a)。セミオートマチックトランスミッション方式が選択されている場合(ステップS2a;セミオートマチックトランスミッション)、フルオートマチックトランスミッション方式に切り替えられ(ステップS3a)、動作が終了する。
【0081】
また、フルオートマチックトランスミッション方式が選択されている場合(ステップS2a;フルオートマチックトランスミッション)、セミオートマチックトランスミッション方式に切り替えられ(ステップS4a)、動作は終了する。
【0082】
一方、シフトアップスイッチ102とシフトダウンスイッチ1033の両方が同時に操作されずに片方のみが操作され(ステップS1a;No)、この際に操作されたスイッチがシフトアップスイッチ102であった場合(S5a;シフトアップスイッチ)、制御部65により現時点で選択されている変速方式が確認され(ステップS6a)、これがセミオートマチックトランスミッションであれば(ステップS6a;セミオートマチックトランスミッション)、図4のシフトアップ信号送信部66によりシフトアップ信号が送信される。これにより、駆動力伝達の断続動作及びシフトアップが行われ(ステップS7a)、動作が終了する。
【0083】
また、ステップS6aにおける変速方式の確認結果がフルオートマチックトランスミッションである場合(ステップS6a;フルオートマチックトランスミッション)、駆動力伝達の断続動作及びシフトアップは行われずに動作が終了する。
【0084】
また、シフトアップスイッチ102とシフトダウンスイッチ103の両方が同時に操作されずに片方のみが操作され(ステップS1a;No)、この際に操作されたスイッチがシフトダウンスイッチ103であった場合(S5a;シフトダウンスイッチ)、制御部65により現時点で選択されている変速方式が確認され(ステップS8a)、これがセミオートマチックトランスミッションであれば(ステップS8a;セミオートマチックトランスミッション)、図4のシフトダウン信号送信部67によりシフトダウン信号が送信される。これにより、駆動力伝達の断続動作及びシフトダウンが行われ(ステップS9a)、動作が終了する。
【0085】
また、ステップS8aにおける変速方式の確認結果がフルオートマチックトランスミッションである場合(ステップS8a;フルオートマチックトランスミッション)、駆動力伝達の断続動作及びシフトダウンは行われずに動作が終了する。
【0086】
なお、本図においては、ステップS6a及びステップS8aにおける変速方式の確認結果がフルオートマチックトランスミッションである場合は動作を終了する場合を示したが、これに限定されず、フルオートマチックトランスミッションにより変速が行われている場合であっても動作を終了せずに駆動力伝達の断続動作、シフトアップ、シフトダウンを行わせる構成とすることもできる。
【0087】
図6においては、図3、図5で示したスイッチ部101a及び101eのシフトアップスイッチ102及びシフトダウンスイッチ103の両方が同時に操作された際に変速方式の切替が行われる場合を示したが、図7においては、シフトアップスイッチ102又はシフトダウンスイッチ103が所定の時間以上操作された際に変速方式の切替が行われる場合を示す。
【0088】
シフトアップスイッチ102又はシフトダウンスイッチ103が所定の時間以上操作された場合(ステップS1b;Yes)、図4の制御部65は、これを検知・測定し、現時点で選択されている変速方式を確認する(ステップS2b)。セミオートマチックトランスミッション方式が選択されている場合(ステップS2b;セミオートマチックトランスミッション)、フルオートマチックトランスミッション方式に切り替えられ(ステップS3b)、動作が終了する。
【0089】
また、フルオートマチックトランスミッション方式が選択されている場合(ステップS2b;フルオートマチックトランスミッション)、セミオートマチックトランスミッション方式に切り替えられ(ステップS4b)、動作は終了する。
【0090】
一方、シフトアップスイッチ102又はシフトダウンスイッチ103が所定の時間以上操作されず(ステップS1b;No)、この際に操作されたスイッチがシフトアップスイッチ102であった場合(S5b;シフトアップスイッチ)、制御部65により現時点で選択されている変速方式が確認され(ステップS6b)、これがセミオートマチックトランスミッションであれば(ステップS6b;セミオートマチックトランスミッション)、図4のシフトアップ信号送信部66によりシフトアップ信号が送信される。これにより、駆動力伝達の断続動作及びシフトアップが行われ(ステップS7b)、動作が終了する。
【0091】
また、ステップS6aにおける変速方式の確認結果がフルオートマチックトランスミッションである場合(ステップS6b;フルオートマチックトランスミッション)、駆動力伝達の断続動作及びシフトアップは行われずに動作が終了する。
【0092】
また、シフトアップスイッチ102又はシフトダウンスイッチ103が所定の時間以上操作されず(ステップS1b;No)、この際に操作されたスイッチがシフトダウンスイッチ103であった場合(S5b;シフトダウンスイッチ)、制御部65により現時点で選択されている変速方式が確認され(ステップS8b)、これがセミオートマチックトランスミッションであれば(ステップS8b;セミオートマチックトランスミッション)、図4のシフトダウン信号送信部67によりシフトダウン信号が送信される。これにより、駆動力伝達の断続動作及びシフトダウンが行われ(ステップS9b)、動作が終了する。
【0093】
また、ステップS8bにおける変速方式の確認結果がフルオートマチックトランスミッションである場合(ステップS8b;フルオートマチックトランスミッション)、駆動力伝達の断続動作及びシフトダウンは行われずに動作が終了する。
【0094】
なお、本図においては、ステップS6b及びステップS8bにおける変速方式の確認結果がフルオートマチックトランスミッションである場合は動作を終了する場合を示したが、これに限定されず、フルオートマチックトランスミッションにより変速が行われている場合であっても動作を終了せずに駆動力伝達の断続動作、シフトアップ、シフトダウンを行わせる構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0095】
1…自動二輪車、 9…ハンドル、 9a、9b…ハンドルグリップ、 9c、9d…ハンドルグリップ基部、 10…スイッチボックス、 40…クラッチ、 42…変速ギヤ群、 45…変速ギヤ群、 53…クラッチアクチュエータ、 54…シフトアクチュエータ、 55…ストロークセンサ、 64…ECU、 65…制御部、 66…シフトアップ信号送信部、 67…シフトダウン信号送信部、 100…変速制御装置、 101a、101e…スイッチ部、 102…シフトアップスイッチ、 103…シフトダウンスイッチ、 104、105、106…シフトスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクチュエータを制御することによって、複数段の変速ギヤを備える多段シフト機構の変速ギヤの切替と、前記変速ギヤの切替時にクラッチによるエンジンからの駆動力伝達の断続とを行う変速制御装置であって、
前記変速制御装置へ制御内容を伝えるスイッチ部と、
前記スイッチ部は、前記ハンドルグリップの基部から前記ハンドルグリップの先端部側に向けて突出する突出部分を有し、
前記突出部分は、
操作力が加えられる第1押ボタン部と、
前記第1押ボタン部に加えられる操作力と反対の方向の操作力によって操作される第2押ボタン部とを備え、
前記第1押ボタン部及び第2押ボタン部は、操作力が加えられていない場合に所定の状態に復帰し、
前記第1押ボタン部及び第2押ボタン部は、車体前後方向に互いに離間して配置されることを特徴とする変速制御装置。
【請求項2】
前記第1押ボタン部は、前記変速ギヤの切替におけるシフトアップを行わせる場合に操作され、
前記第2押ボタン部は、前記変速ギヤの切替におけるシフトダウンを行わせる場合に操作されることを特徴とする請求項1に記載の変速制御装置。
【請求項3】
前記スイッチ部が操作された場合に前記変速ギヤの切替が行われるセミオートマチックトランスミッション方式と、前記スイッチ部が操作されなくとも前記エンジンの回転数に応じて前記変速ギヤの切替が行われるフルオートマチックトランスミッション方式とを、
前記スイッチ部が所定の時間以上継続して操作された際に切り替える変速方式切替部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の変速制御装置。
【請求項4】
前記第1押ボタン部が操作された場合に前記シフトアップが行われるとともに前記第2押ボタン部が操作された場合に前記シフトダウンが行われるセミオートマチックトランスミッション方式と、前記第1押ボタン部及び前記第2押ボタン部が操作されなくとも前記エンジンの回転数に応じて前記シフトアップ及び前記シフトダウンを行わせるフルオートマチックトランスミッション方式とを、前記第1押ボタン部及び前記第2押ボタン部の両方が同時に操作された際に切り替える変速方式切替部を有することを特徴とする請求項2に記載の変速制御装置。
【請求項5】
前記第1押ボタン部及び第2押ボタン部は、乗員の指によって操作可能であることを特徴とする請求項1に記載の変速制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−37444(P2011−37444A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233986(P2010−233986)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【分割の表示】特願2007−96956(P2007−96956)の分割
【原出願日】平成14年5月28日(2002.5.28)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】