説明

外観検査装置および外観検査方法

【課題】大きさや形状が異なるむらが混在する場合においても、むらの検出を安定して自動的かつ効率的に行うことができる外観検査装置及び外観検査方法を提供する。
【解決手段】中心領域平均算出部14は、対象画素に対応する中心領域における輝度(画像データにおける各画素の濃淡値)の平均値(中心領域平均輝度)を算出する。周辺領域1平均算出部151〜周辺領域N平均算出部15Nは、同様に、この中心領域に対応する周辺領域1〜周辺領域Nにおける各画素の濃淡値の平均値(周辺領域N平均輝度)を算出する。次に、平均差分算出部16は、中心領域平均輝度と周辺領域1平均輝度〜周辺領域N平均輝度との差分値(差分値1〜差分値N)を算出する。さらに、平均差分算出部16は、差分値1〜差分値Nの中から代表値(代表差分値)を抽出する。この外観検査装置1においては、この代表差分値を用いてむらの検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査装置および外観検査方法に関し、特に表示デバイスの画面(外観)を検査し、むらを検出する外観検査装置および外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示デバイス、特に大画面、高画素数のディスプレイを製造するにあたり、表示画面における画素の欠陥やむらを検出して検査する技術は重要であり、この検査をコンピュータを用いて自動的に行うことはその生産上必須となっている。この検査においては、これらの表示デバイスで表示された画面を撮像した検査画像を得て、検査画像中の各画素における輝度(濃淡値)を解析することにより、その中の欠陥やむらをコンピュータがパターン認識して検出する。しかしながら、特にむらに関しては、その形状や強度(濃淡)は様々であるため、これを自動的に識別することは困難である。このため、このパターン認識を適正にしないと、検出されるべきむらが検出されなかったり、本来のむらではない領域がむらとして認識されるという状況が発生し、適正な検査結果が得られない。
【0003】
また、例えば、検査画像における撮像時の照明が一様でなかったり、電気的雑音が存在した場合には、検査画像はこれらの影響も受ける。前者の場合には検査画像には低周波のノイズが重畳し、後者の場合には高周波のノイズが重畳する。低周波のノイズがこれに重畳されている場合には、これにより各画素の濃淡値は画像の一端から他端にわたって緩やかに変動する。高周波のノイズが重畳されている場合には、この影響を受けて、隣接する画素間でその濃淡値が大きく変動することがある。従って、単に各画素の濃淡値を調べるだけではむらの検出を行うことは困難である。
【0004】
こうした状況を改善した外観検査方法が特許文献1に記載されている。ここでは、得られた検査画像において、図15に示すように、ある一つの画素(対象画素)を含む第1領域パターンとその周囲に第2領域パターンを設定し、それぞれの領域における平均の濃淡値を算出し、その差分を算出する。この作業を表示デバイスの全ての画素を対象画素として行い、この差分をマッピングした強調画像データを作成する。この対象画素がむら領域に含まれれば、この差分は大きくなり、含まれなければこの差分は小さくなる。このため、この強調画像データにおいては、この差分の大きな領域がむらとなって認識される。すなわち、対象画素がむら領域に含まれるか否かを、この差分によって判定する。ここで、第1領域パターンと第2領域パターンは任意に設定できるが、この形状をむらの形状、大きさに応じて最適化することにより、この強調画像データにおいて、むらが強調されるため、その認識が容易となる。また、単なる各画素の濃淡値を用いるのではなく、第1領域パターンと第2領域パターン内での平均の濃淡値を用い、更にこれらの差分を用いることにより、低周波のノイズ及び高周波のノイズの影響は除去される。従って、これにより、各種の形状、大きさのむらに対応したむら検出を自動的、効率的に行うことができた。
【0005】
【特許文献1】特開2004−69673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、同一の表示デバイスの同一画面において発生するむらは、全て同様の大きさ、形状であるとは限らず、異なる大きさ、形状のむらが混在して発生する場合も多い。こうした場合に、上記の従来の画像検査方法を用いる場合には、むらの各種類ごとに処理を行う必要があった。すなわち、むらを大きさ及び形状ごとに複数種類に分類し、この各種類ごとに第1領域パターンと第2領域パターンを設定して強調画像データを作成する必要があった。このため、異なる大きさ、形状のむらが混在する場合には、作業者にとって第1領域パターンと第2領域パターンの設定が煩雑であり、かつその処理時間はむらの種類の数に比例して長くなるという問題があった。
【0007】
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、上記課題を解決する外観検査装置及びおよび外観検査方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、画像データ中のむら領域を検出する外観検査装置であって、中心領域と、該中心領域の周囲の複数の周辺領域とを設定する領域設定手段と、前記画像データにおける画素を特定し、前記画像データにおいて該画素に対応する中心領域における各画素の濃淡値の平均値である中心領域平均輝度を算出する中心領域平均輝度算出手段と、前記画素に対応する中心領域に対応した前記周辺領域における各画素の濃淡値の平均値である周辺領域平均輝度を前記複数の周辺領域毎に算出する周辺領域平均輝度算出手段と、前記中心領域平均輝度と前記各周辺領域平均輝度との差分値を前記各周辺領域毎に算出し、前記各差分値の中から代表差分値を抽出する平均差分算出手段と、を具備することを特徴とする外観検査装置に存する。
請求項2記載の発明の要旨は、前記画像データ中の各画素における前記代表差分値に基づいて前記画素がむら領域に含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置に存する。
請求項3記載の発明の要旨は、前記平均差分算出手段は、前記複数の周辺領域に対応した複数の差分値のうちの最大値を代表差分値として抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の外観検査装置に存する。
請求項4記載の発明の要旨は、前記複数の周辺領域において優先順位が設定され、該優先順位に従って前記周辺領域平均輝度が算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の外観検査装置に存する。
請求項5記載の発明の要旨は、前記差分値における差分閾値が設定され、前記特定された画素において前記優先順位に従って前記複数の周辺領域に対応する前記差分値が順次算出され、前記差分値が前記差分閾値を超えた場合には、当該差分値を前記代表差分値として抽出し、当該差分値に対応する周辺領域の優先順位よりも後の優先順位をもつ周辺領域に対応する差分値の算出を行わないことを特徴とする請求項4に記載の外観検査装置に存する。
請求項6記載の発明の要旨は、前記優先順位は、前記各周辺領域の占める画素数の少ない順番に設定されることを特徴とする請求項4または5に記載の外観検査装置に存する。
請求項7記載の発明の要旨は、前記代表差分値における代表差分閾値が設定され、該代表差分閾値と前記代表差分値との比較によって、前記各画素がむら領域に含まれるか否かを判定するむら領域抽出手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の外観検査装置に存する。
請求項8記載の発明の要旨は、前記むら領域に含まれると判定された画素の集合体をむらと判定することを特徴とする請求項7に記載の外観検査装置に存する。
請求項9記載の発明の要旨は、前記むらの大きさを計測するむら計測手段をさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の外観検査装置に存する。
請求項10記載の発明の要旨は、前記むら計測手段は前記むらを構成する画素数を計測することを特徴とする請求項9に記載の外観検査装置に存する。
請求項11記載の発明の要旨は、前記複数の周辺領域は環状であり、かつ互いに重複しないことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の外観検査装置に存する。
請求項12記載の発明の要旨は、画像データ中のむらを検出することができる外観検査方法であって、中心領域と、該中心領域の周囲に複数の周辺領域とを設定し、前記画像データにおける画素を特定し、該画素に対応する中心領域における各画素の濃淡値の平均である中心領域平均輝度を算出し、前記画素に対応する中心領域に対応した前記周辺領域における各画素の濃淡値の平均である周辺領域平均輝度を前記複数の周辺領域毎に算出し、前記中心領域平均輝度と前記各周辺領域平均輝度との差分値を前記各周辺領域毎に算出し、前記各差分値の中から代表差分値を抽出することを特徴とする外観検査方法に存する。
請求項13記載の発明の要旨は、前記画像データ中における各画素について算出された前記代表差分値に基づいてむらを検出することを特徴とする請求項12に記載の外観検査方法に存する。
請求項14記載の発明の要旨は、前記複数の周辺領域に対応した複数の差分値のうちの最大値を代表差分値として抽出することを特徴とする請求項12または13に記載の外観検査方法に存する。
請求項15記載の発明の要旨は、前記複数の周辺領域において優先順位が設定され、該優先順位に従って前記周辺領域平均輝度を算出することを特徴とする請求項12または13に記載の外観検査方法に存する。
請求項16記載の発明の要旨は、前記差分値における差分閾値が設定され、前記優先順位に従って前記複数の周辺領域に対応する前記差分値を算出し、前記差分値が前記差分閾値を超えた場合には、当該差分値を前記代表差分値として抽出し、当該差分値に対応する周辺領域の優先順位よりも後の優先順位をもつ周辺領域に対応する差分値の算出を行わないことを特徴とする請求項15に記載の外観検査方法に存する。
請求項17記載の発明の要旨は、前記優先順位は、前記各周辺領域の占める画素数の少ない順番に設定されることを特徴とする請求項15または16に記載の外観検査方法に存する。
請求項18記載の発明の要旨は、前記代表差分値における代表差分閾値が設定され、該代表差分閾値と前記代表差分値との比較によって、前記各画素がむら領域に含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載の外観検査方法に存する。
請求項19記載の発明の要旨は、前記むら領域に含まれると判定された画素の集合体をむらと判定することを特徴とする請求項18に記載の外観検査方法に存する。
請求項20記載の発明の要旨は、前記むらの大きさを計測することを特徴とする請求項19に記載の外観検査方法に存する。
請求項21記載の発明の要旨は、前記むらを構成する画素数を計測することを特徴とする請求項19または20に記載の外観検査方法に存する。
請求項22記載の発明の要旨は、前記複数の周辺領域は環状であり、かつ互いに重複しないことを特徴とする請求項12乃至21のいずれか1項に記載の外観検査方法に存する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、大きさや形状が異なるむらが混在する場合においても、むらの検出を安定して自動的かつ効率的に行うことができる外観検査装置及び外観検査方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る外観検査装置および検査方法について、図面を参照して説明する。 図1は、本実施の形態に係る外観検査装置の構成図である。この外観検査装置1には、検査対象となる2次元の画像データ、すなわち、2次元の画像における各画素の輝度(濃淡値)を示すデータが入力される。この画像データは、プラズマディスプレイ、液晶ディスプレイ等の被検査対象となる表示デバイス(図示せず)の表示画面の画像を撮像して得られたものであり、むらを検出すべき検査画像のデータである。この撮像の方式は、検出すべきむらにおける画素間の輝度の変化が検知できるものであれば、特に限定されないが、例えば固体撮像素子を用いたカメラを用いれば、高解像度かつ高感度の画像が得られるため、特に好ましい。また、むらの種類に応じて、この画像には白黒画像を用いてもよいし、カラー画像を用いてもよい。後者の場合には、例えばRGB毎に3種類の画像データとして、各種類毎に以降の処理を行ってもよいし、RGB毎の信号を変換した量を用いて以降の処理を行ってもよい。
【0011】
この外観検査装置1は、むらの検出を行う。検査画像におけるこのむら領域の内部は、その外部よりも輝度が高くなっている。このため、ここで検出するむら領域とは、画像データにおいて、その周辺部分よりも輝度の高くなっていると認識される領域である。
【0012】
また、図2は、この外観検査方法を示すフロー図である。以下に、図1及び図2に基づいてこの外観検査方法について説明する。
【0013】
まず、図1に示す外観検査装置1においては、前記の画像データは画像入力部11に入力する(S1)。
【0014】
一方、領域設定部12は入力部13に接続されている。入力部13はキーボードやディスプレイ等を具備し、利用者(検査者)はこれらを用いて、画像データにおけるむら検出に用いる中心領域の形状及び大きさを任意に設定することができ、これを入力する(S2)。この設定は画像データにおける画素単位でなされる。
【0015】
同様に、利用者はN種類の周辺領域(周辺領域1〜周辺領域N)について、その形状及び大きさを任意に設定することができ、これを入力する(S3)。この設定も画素単位でなされる。この数Nは任意とすることができる。
【0016】
中心領域と周辺領域との関係の例を示したのが図3である。この例においては、一つの升目が画像データにおける画素に対応し、周辺領域は3種類(N=3)としてある。ここで、Aの灰色領域が中心領域、Bの灰色領域が周辺領域1、Cの灰色領域が周辺領域2、Dの灰色領域が周辺領域3となっている。また、後述する対象画素は中心領域の中央の画素(黒色)となる。この例のように、各周辺領域は中心領域(3×3画素)を囲む環状であるが、各周辺領域は互いに重複しない構成とすることが好ましい。なお、中心領域の形状、対象画素と中心領域との位置関係、及び中心領域と各周辺領域との位置関係は任意に設定することができる。例えば、この例では中心領域は対象画素を含む3×3画素の構成をとっているが、これに限られるものではなく、例えば中心領域も環状とし、対象画素をその中心と設定することもできる。この場合は、対象画素は中心領域には含まれないことになる。
【0017】
なお、中心領域の設定(S2)と周辺領域の設定(S3)は前記の画像データの入力(S1)前に行ってもよい。
【0018】
次に、中心領域平均算出部14は、画像データの中のある一つの画素(対象画素)を設定し(S4)、以下の計算を行う。すなわち、以下の計算は、画像データの中の各画素につき個別に算出され、全ての画素について処理が行われる。
【0019】
中心領域平均算出部14は、対象画素に対応する中心領域における輝度(画像データにおける各画素の濃淡値)の平均値(中心領域平均輝度)を算出する(S5)。例えば、図3に示した中心領域が設定された場合には、対象画素を中心とした3×3画素における画素の濃淡値の平均値が算出される。
【0020】
周辺領域1平均算出部151〜周辺領域N平均算出部15Nは、同様に、この中心領域に対応する周辺領域1〜周辺領域Nにおける各画素の濃淡値の平均値(周辺領域N平均輝度)を算出する(S6)。
【0021】
次に、平均差分算出部16は、中心領域平均輝度と周辺領域1平均輝度〜周辺領域N平均輝度との差分値(差分値1〜差分値N)を算出する。すなわち、(差分値1=中心領域平均輝度−周辺領域1平均輝度)〜(差分値N=中心領域平均輝度−周辺領域N平均輝度)を算出する(S7)。
【0022】
さらに、平均差分算出部16は、差分値1〜差分値Nの中から代表値(代表差分値)を抽出する。ここでは、代表差分値を(差分値1、差分値2、・・、差分値N)の最大値とする。この代表差分値をメモリに記憶する(S8)。この外観検査装置1においては、この代表差分値を用いてむらの検出を行う。
【0023】
むら領域抽出部17には、予め前記の代表差分値に対する閾値(代表差分閾値)が設定されている。むら領域抽出部17は、前記の代表差分値がこの代表差分閾値よりも大きいか否かを判定する。大きいと判定された画素はむら領域に含まれると判定され、その判定結果をメモリに記憶する(S9)。ここで、記憶するデータとしては、画像データにおける対象画素の座標(位置)と前記の判定結果である。
【0024】
次に、画像データにおける全ての画素につきS5〜S9の処理を行ったか否かを判定する(S10)。全ての画素につき処理が行われていない場合には、次の画素が設定され(S4)、再びS5以降の処理が行われる。
【0025】
本実施の形態においては、各画素における代表差分値をマッピングした画像においては、むらが容易に検出される。以下に、この原理につき説明する。
【0026】
むら領域の内部における輝度はその外部における輝度と比べて高い。すなわち、対象画素がむら領域に含まれている場合には、対象画素近辺の画素の輝度は、その周辺の画素の輝度と比べて高くなっている。従って、対象画素近辺の画素の輝度とその周辺の画素の輝度との差分を調べることにより、この対象画素がむら領域に含まれるか否かを判定することが可能である。しかしながら、どの範囲を対象画素の近辺と定義し、どの範囲をその周辺と定義するかは一義的に決定できず、この検出に最適な範囲はむらの形状や大きさにより異なる。
【0027】
本実施の形態においては、対象画素近傍である範囲として中心領域が定義されている。ここで、図3に示すように、対象画素は中心領域の中心であるとする。一方、周辺領域1〜周辺領域NのN種類の領域をその周辺と定義している。このため、これらの領域内の平均輝度を算出し、中心領域と周辺領域1〜周辺領域Nとの平均輝度の差分を算出する。
【0028】
この検査方法を実際のむらに対して適用した例が図4〜6である。ここで、各領域の設定は図3のとおり(N=3)であるとし、検出すべきむら領域は各図において破線で示した矩形形状で示されるものとする。図4〜6においては、むらの大きさは異なっており、小(図4)、中(図5)、大(図6)となっている。また、むら領域の内部では各画素の濃淡値は1であり、外部では0であると単純化する。図4〜6のいずれにおいても、対象画素(黒色)の位置はX(むらの内部)、Y(むらの境界付近)、Z(むらの外部)の3種類について例示している。この場合、ある量において(Xにおける値)>(Yにおける値)>(Zにおける値)となっていれば、この量を用いて、対象画素がむら領域に含まれるか否かを識別することが可能となる。
【0029】
まず、むらが小さな場合(図4)において、図中の表に、中心領域平均輝度(I)、周辺領域1平均輝度(I)、周辺領域2平均輝度(I)、周辺領域3平均輝度(I)が各位置(X、Y、Z)について示してある。表の下部にはこれにより算出された差分値1(I−I)、差分値2(I−I)、差分値3(I−I)が示されている。差分値1〜差分値3のいずれにおいても、(Xにおける値)>(Yにおける値)>(Zにおける値)となっている。従って、差分値1〜差分値3のいずれを用いても、むら領域の識別が可能である。
【0030】
次に、むらの大きさが中の場合(図5)において同様の計算を行った結果が同図中の表に示してある。差分値2、差分値3の場合には、むら領域を識別できる条件を満たした値が出力されているが、差分値1は位置Xで小さな値(0)を示すため、この条件を満たしていない。すなわち、差分値1はこの大きさのむらを識別する値としては使用できない。これは、周辺領域1(B)の大きさがこの大きさのむらを検出するために用いる周辺領域としては小さすぎるために不適であることを示している。
【0031】
次に、むらが大きい場合(図6)において同様の計算を行った結果が同図中の表に示してある。差分値3の場合には、むら領域を識別できる条件を満たした値が出力されているが、差分値1、差分値2の場合にはこの条件を満たしていない。すなわち、差分値1、差分値2はこの大きさのむらを識別する値としては使用できない。これは、周辺領域1、周辺領域2がこの大きさのむらを検出するために用いる周辺領域としては適さないことを示している。
【0032】
一方、図4〜6において、表の最下段には代表差分値(すなわち、差分値1〜差分値3の最大値)が示してある。特に図5、図6の場合には差分値1〜差分値3の中でむら識別には適さないものがあったにもかかわらず、代表差分値を用いた場合にはいずれもむら領域の識別が可能となっている。代表差分値が得られた周辺領域は、各大きさのむらの検出に適したものとなっている、すなわち、差分値1〜差分値Nの中から最大値を選択することは、周辺領域1〜周辺領域Nの中からむら検出に適したものを選択したことに対応する。従って、本実施の形態においては、むらの大きさを予め想定せずに、初めに中心領域と周辺領域1〜周辺領域Nを設定すれば(S2、S3)、各種の大きさのむらが混在した場合でも、それぞれの大きさに応じて自動的に周辺領域1〜周辺領域Nの中から最適なものが選択されていることと等しい結果が得られる。
【0033】
また、この例のように、各周辺領域は中心領域を囲んだ環状であり、その大きさを異なるものとすることが好ましい。ただし、その形状は任意であり、図3では矩形の環状としているが、例えば円形の環状としてもよい。また、各周辺領域を構成する画素数は少ない方が計算時間の短縮化が図れるために好ましい。このため、図3の例では、各周辺領域は最小線幅(単位画素)で構成されている。
【0034】
なお、上記の例では、むらがいずれも矩形であり、その大きさが異なる場合につき説明したが、形状の異なるむらが混在する場合にあっても同様の効果が得られることは明らかである。従って、以上の計算によって得られた代表差分値をマッピングした場合には、その形状や大きさに関わらず、むらが容易に識別されることになる。
【0035】
全ての画素につきS5〜S9の処理が行われた場合には、代表差分値をマッピングしたむら画像を表示する(S11)。むら画像としては、例えば、代表差分値が代表差分閾値よりも大きな画素を黒色、代表差分閾値以下である画素を白色として2次元表示したものをディスプレイに表示させることができる。この代表差分閾値は、図4〜6の例においては、例えば 0.3程度の値に設定すれば、どの大きさのむらも検出できる。画像データにおいて、形状や大きさが異なるむらが多数混在している場合でも、このむら画像においては、各々が強調されて表示される。
【0036】
むら計測部18は、前記のむら画像において、むら領域に含まれると判定された画素が複数個隣接していた場合に、この集合体をむらと判定し、各むらの特徴量を計測する(S12)。むらの特徴量としては、むらの大きさ、むらの濃淡値を示す量が計測される。むらの大きさとしては、例えば、その長径、短径、周囲長、むらを構成する画素数等が計測される。むらの濃淡値としては、むらを構成する画素における代表差分値の最大値を用いることもでき、むらを構成する画素における代表差分値の平均値を用いることもできる。むら計測部18は、これらの特徴量をむら判定部19に出力する。
【0037】
むら判定部19は、計測されたむら特徴量と、予め設定されたむら特徴量の判定基準とを比較して(S13)、その判定結果を出力する(S14)。例えば、評価対象となる画像データに対して、むらの周囲長が設定値以上であったり、むらの濃淡値が設定値以上であった場合には、この画像データの元となった画像を表示したディスプレイは不良であると判定する。
【0038】
以上により、この外観検査装置あるいは外観検査方法によって、むらを自動的かつ効率的に検出することができ、検査対象となる表示デバイスが不良品であるか否かを識別することが容易にできる。
【0039】
この外観検査装置あるいは外観検査方法を、低周波のノイズが重畳された検査画像に適用した例につき説明する。ここで、検査画像は図7左に示すように、左側で暗く、右側で明るい傾向を有しており、この中に検出すべきむらが含まれている。ここで、むら領域を含んだ縦方向座標値Lにおける水平方向の輝度(濃淡値)のプロファイルが図7(1)である。ここで、輝度は、ライン全体にわたり左から右に暗から明へ緩やかに変化しており、その中に幅wd画素のむら部分が存在する。
【0040】
単に各画素の輝度によりむら部分を抽出する場合には、例えば閾値をdとしてこれを識別する。この場合、図7(2)に示すように、むら部分に加えて、輝度がしきい値dよりも大きいラインの右側部分もむらとして認識されることになり、適切でない。
【0041】
これに対して、この検査装置及び検査方法を用いた場合には、図8に示すように、D(むら外部)、E(むらを含む領域)、F(むら外部)のいずれの箇所においても、中心領域平均輝度と各周辺領域平均輝度との差のうちの一つである代表差分値が用いられ、低周波ノイズの影響はキャンセルされる。従って、この代表差分値を同様に表示すると、図9に示すように、むらのみが強調され、低周波のノイズの影響は除去されている。
【0042】
次に、この外観検査装置あるいは外観検査方法を、高周波のノイズが重畳された検査画像に適用した例につき説明する。ここで、検査画像は図10左に示すように、ノイズによって個々の画素においてその輝度(濃淡値)は大きく変動しており、この中に検出すべきむらが含まれている。ここで、むら領域を含んだ縦方向座標値Lにおける水平方向の輝度のプロファイルが図10(1)である。ここで、輝度は、ライン全体にわたり細かく変動しており、その中に幅wd画素のむら部分が存在する。
【0043】
この場合も、各画素の輝度における閾値を用いてむらを識別する場合には、図10(2)に示すように、前記の低周波ノイズの場合と同様に、本来のむらでない領域がむらとして認識されることがあることは明らかである。
【0044】
これに対して、この検査装置及び検査方法を用いた場合には、図11に示すように、G(むら外部)、H(むらを含む領域)のいずれの箇所においても、中心領域平均輝度と各周辺領域平均輝度との差のうちの一つである代表差分値が用いられる。ここでは各領域における平均輝度が用いられるため、この高周波ノイズの影響は平均化されることにより除去される。このため、この代表差分値を同様に表示すると、図12に示すように、むらのみが強調され、高周波のノイズの影響は除去されている。
【0045】
従って、上記の外観検査装置および外観検査方法によれば、形状や大きさが異なる複数種類のむらが混在する場合であっても、それぞれの種類のむらを検出することが容易である。
【0046】
なお、図4〜6の例ではN=3としたが、その数は任意とすることができ、Nを大きくした方が各種のむらに対して広く最適化が図れ、むらの検出能力が高くなる。一方、Nが小さい方が計算時間の短縮化や使用する計算機のメモリの節約が図れる。従って、予め検出されるむらの形状や大きさの範囲がわかっている場合には、これに応じた適切な周辺領域1〜周辺領域Nを設定すれば、その数を最小限とすることもでき、好ましい。
【0047】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る外観検査装置および検査方法について、図面を参照して説明する。 図13は、本実施形態に係る外観検査装置30の構成図である。また、図14は、この検査方法を示すフロー図である。以下、これらに基づいてこの外観検査装置及び外観検査方法について説明する。
【0048】
まず、この外観検査装置30においては、画像データは画像入力部31に入力する(S21)。
【0049】
一方、領域設定部32は入力部33に接続されており、利用者(検査者)はこれらを用いて、画像データにおけるむら検出に用いる中心領域を設定する(S22)。
【0050】
同様に、利用者はN種類の周辺領域(周辺領域1〜周辺領域N)について、その形状及び大きさを任意に設定することができ、これを入力する(S23)。
【0051】
以上の工程及び各構成要素については前記の第1の実施の形態と異なる点はないため、その詳細な説明は省略する。第2の実施の形態に係る外観検査装置及び外観検査方法においては、特に以下に説明する工程及び構成要素の機能が異なる。
【0052】
周辺領域選択部36は、設定された周辺領域1〜周辺領域Nを以降の計算において適用する順番、すなわち、優先順位を決定する(S24)。ここで、優先順位を決定する基準とするのは、これらを構成する画素数とする。すなわち、画素数の少ない順に高い優先順位を設定する。例えば、図3の例においては、画素数が24である周辺領域1(B)が1位、画素数が40である周辺領域2(C)が2位、画素数が56である周辺領域3(D)が3位となる。
【0053】
次に、中心領域平均算出部34は、画像データの中のある一つの画素(対象画素)を設定し(S25)、以下の計算を行う。すなわち、以下の計算は、画像データの中の各画素につき個別に算出され、全ての画素について算出される。
【0054】
中心領域平均算出部34は、対象画素に対応する中心領域における輝度(画像データにおける画素の濃淡値)の平均値(中心領域平均輝度値)を算出する(S26)。工程S25、S26については前記の第1の実施の形態における図2のS4、S5と同様である。
【0055】
次に、周辺領域選択部36は以降の計算で用いる周辺領域(適用周辺領域)を周辺領域1〜周辺領域Nの中から選択して設定する(S27)。この設定は前記の優先順位で行う。すなわち、最初は優先順位が1位となった周辺領域が適用周辺領域となる。
【0056】
次に、周辺領域平均算出部35は、前記の中心領域に対応する適用周辺領域における各画素の濃淡値の平均値(適用周辺領域平均輝度)を算出する(S28)。
【0057】
次に、平均差分判定部37は、中心領域平均輝度値と適用周辺領域平均輝度値との差分値を算出する(S29)。ここでは、この差分値に対応した差分閾値が予め設定されており、この差分値がこの差分閾値以上であるか否かを判定する(S30)。差分閾値以上であった場合には、その判定結果をメモリに記憶し、この対象画素についての処理はこれで終了する。このため、画像データにおける全ての画素につきS26〜S29の処理を行ったか否かを判定する(S32)。全ての画素につき処理が行われていない場合には、次の画素が設定され(S25)、再びS26以降の処理が行われる。
【0058】
ここで、差分閾値は、予め入力部33等から設定されて記憶されており、平均差分判定部37はこれを読み出し、上記の処理を行う。差分値が差分閾値以上であるということは、この対象画素がむら領域に含まれると判定されることに対応する。このため、この判定がされた時点で、他の周辺領域を用いた計算は不要となるため、この対象画素における処理は終了となる。
【0059】
この差分値が差分閾値よりも小さかった場合(S30)には、全ての周辺領域(周辺領域1〜周辺領域N)につきS27〜S30の処理を行ったか否かを判定する(S31)。全ての周辺領域につき処理が行われていない場合には、次の適用周辺領域が設定され(S27)、以降の処理が行われる。すなわち、この対象画素について、新たな適用周辺領域が設定され、新たに計算が行われる。ここで、次の適用周辺領域とは、次の優先順位をもつ周辺領域である。
【0060】
従って、本実施の形態においては、設定された周辺領域1〜周辺領域Nの全てについて計算が行う必要がなく、順次周辺領域が選択され、対象画素がむらに含まれると判定された時点で、その対象画素における処理は終了する。また、周辺領域1〜周辺領域Nの全てが適用されても差分値が差分閾値を超えた場合が無かった場合には、この対象画素はむらには含まれていないと判定され、その判定結果をメモリに記憶する。
【0061】
従って、全ての画素についての処理が終了した(S32)後には、全ての画素について、その画素がむらに含まれるか否かについての判定結果がメモリに記憶されている。このため、その判定結果を例えば白黒表示した2次元画像(むら画像)を作成することができる(S33)。
【0062】
なお、第1の実施の形態と同様に、このむら画像に基づいてむら特徴量の計測、良否判定等を行うことができるが、これらについては第1の実施の形態と同様であるため、ここでは省略した。
【0063】
第2の実施の形態に係る外観検査装置及び外観検査方法を図4〜6の場合に適用した場合につき説明する。この場合、各周辺領域における優先順位は、周辺領域1(B)が1位、周辺領域2(C)が2位、周辺領域3(D)が3位となる。差分閾値は、前記の代表差分閾値と同様に例えば0.3とすることができる。
【0064】
むらが小さい場合(図4)には、位置Xにおいては、1回目に計算した差分値1において、既にこの差分閾値を超えているため、周辺領域2(C)、周辺領域3(D)についての計算は行わない。位置Yにおいては、2回目でこの差分閾値を超えるため、周辺領域(D)についての計算は行わない。位置Zについては、いずれの差分値も差分閾値を超えないため、すべての周辺領域についての計算が行われる。従って、図4の表における3箇所の位置における3種類の差分値(計9個)のうち、3個は計算を行わない。
【0065】
同様に、むらの大きさが中の場合(図5)には、位置X、Yにおける周辺領域3(D)についての計算は行わない。従って、図5の表における3箇所の位置における3種類の差分値(計9個)のうち、2個は計算を行わない。
【0066】
むらが大きい場合(図6)には、差分閾値を超えるのは位置Xにおける周辺領域3(D)及び位置Yにおける周辺領域3であるため、結局、図6の表における3箇所の位置における3種類の差分値(計9個)は全て計算される。
【0067】
従って、図4〜6の例において差分値1〜差分値3を計算する27通りの場合のうち、5種類は計算を行うことがない。このため、第1の実施の形態の場合と比べて処理時間が短縮するという効果を奏する。この場合には周辺領域の数N=3であるが、Nが大きな場合には更にこの効果が大きくなることは明らかである。
【0068】
この外観検査装置30および検査方法によっても、第1の実施の形態と同様に、形状や大きさが異なる複数種類のむらが混在する場合であっても、それぞれの種類のむらを検出することが容易である。更に、設定された周辺領域1〜周辺領域Nの全てについて平均輝度値を算出する必要がないために、合計の処理時間が短くなるという効果を奏する。画素数の少ない周辺領域ほど平均輝度値の算出に要する時間は短くなり、画素数の少ない周辺領域が優先的に選択されるため、第2の実施の形態においては特にこの処理時間を短くすることができる。この効果は、特に周辺領域の数Nが大きな場合に有効である。
【0069】
なお、上記の例においては、周辺領域を選択する優先順位を画素数の少ない順としたが、状況に応じ、この優先順位を適宜設定することができる。例えば、最も多く検出されるタイプのむらが予め予想できる場合は、このむらを検出するのに最も適した周辺領域の優先順位を高くすることにより、同様の効果が得られる。
【0070】
また、第1、第2の実施の形態においては画像データにおける全ての画素につき上記の処理を行ったが、予めむらが発生していると想定される領域がわかっている場合には、この領域についてのみ上記の処理を行うことにより、より効率的にむらを検出することができる。
【0071】
なお、上記の例においては、中心領域を1種類とし、N種類の周辺領域を用いていたが、更に中心領域を大きさ及び/または形状の異なる複数種類として同様の計算を行うことも可能である。中心領域を複数種類とし、周辺領域を1種類とすることもできる。
【0072】
なお、上記の例においては検出するむらは、検査画像において、その周辺部分よりも輝度の高くなっている領域であるとしたが、逆に周辺領域よりも輝度の小さな領域をむらと設定することもできる。この場合においても、上記の例における差分値等の大小関係を逆にすれば同様にむらが検出できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る外観検査装置の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る外観検査方法を示すフロー図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る外観検査方法において設定される中心領域と周辺領域の例である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る外観検査方法をむらが小さな場合に適用した例である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る外観検査方法をむらの大きさが中の場合に適用した例である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る外観検査方法をむらが大きな場合に適用した例である。
【図7】低周波のノイズが重畳した場合の検査画像の一例である。
【図8】図7の検査画像に第1の実施の形態に係る外観検査方法を適用した例である。
【図9】図7の検査画像における代表差分値を算出した例である。
【図10】高周波のノイズが重畳した場合の検査画像の一例である。
【図11】図10の検査画像に第1の実施の形態に係る外観検査方法を適用した例である。
【図12】図10の検査画像における代表差分値を算出した例である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る外観検査装置の構成図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る外観検査方法を示すフロー図である。
【図15】従来の外観検査方法において設定される第1領域パターンと第2領域パターンの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0074】
1、30 外観検査装置
11、31 画像入力部
12、32 領域設定部
13、33 入力部
14、34 中心領域平均算出部
151〜15N 周辺領域1平均算出部〜周辺領域N平均算出部
16 平均差分算出部
17、38 むら領域抽出部
18、39 むら計測部
19、40 むら判定部
35 周辺領域平均算出部
36 周辺領域選択部
37 平均差分判定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データ中のむら領域を検出する外観検査装置であって、
中心領域と、該中心領域の周囲の複数の周辺領域とを設定する領域設定手段と、
前記画像データにおける画素を特定し、前記画像データにおいて該画素に対応する中心領域における各画素の濃淡値の平均値である中心領域平均輝度を算出する中心領域平均輝度算出手段と、
前記画素に対応する中心領域に対応した前記周辺領域における各画素の濃淡値の平均値である周辺領域平均輝度を前記複数の周辺領域毎に算出する周辺領域平均輝度算出手段と、
前記中心領域平均輝度と前記各周辺領域平均輝度との差分値を前記各周辺領域毎に算出し、前記各差分値の中から代表差分値を抽出する平均差分算出手段と、
を具備することを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記画像データ中の各画素における前記代表差分値に基づいて前記画素がむら領域に含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記平均差分算出手段は、前記複数の周辺領域に対応した複数の差分値のうちの最大値を代表差分値として抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の外観検査装置。
【請求項4】
前記複数の周辺領域において優先順位が設定され、該優先順位に従って前記周辺領域平均輝度が算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の外観検査装置。
【請求項5】
前記差分値における差分閾値が設定され、
前記特定された画素において前記優先順位に従って前記複数の周辺領域に対応する前記差分値が順次算出され、前記差分値が前記差分閾値を超えた場合には、当該差分値を前記代表差分値として抽出し、当該差分値に対応する周辺領域の優先順位よりも後の優先順位をもつ周辺領域に対応する差分値の算出を行わないことを特徴とする請求項4に記載の外観検査装置。
【請求項6】
前記優先順位は、前記各周辺領域の占める画素数の少ない順番に設定されることを特徴とする請求項4または5に記載の外観検査装置。
【請求項7】
前記代表差分値における代表差分閾値が設定され、
該代表差分閾値と前記代表差分値との比較によって、前記各画素がむら領域に含まれるか否かを判定するむら領域抽出手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の外観検査装置。
【請求項8】
前記むら領域に含まれると判定された画素の集合体をむらと判定することを特徴とする請求項7に記載の外観検査装置。
【請求項9】
前記むらの大きさを計測するむら計測手段をさらに具備することを特徴とする請求項8に記載の外観検査装置。
【請求項10】
前記むら計測手段は前記むらを構成する画素数を計測することを特徴とする請求項9に記載の外観検査装置。
【請求項11】
前記複数の周辺領域は環状であり、かつ互いに重複しないことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の外観検査装置。
【請求項12】
画像データ中のむらを検出することができる外観検査方法であって、
中心領域と、該中心領域の周囲に複数の周辺領域とを設定し、
前記画像データにおける画素を特定し、該画素に対応する中心領域における各画素の濃淡値の平均である中心領域平均輝度を算出し、
前記画素に対応する中心領域に対応した前記周辺領域における各画素の濃淡値の平均である周辺領域平均輝度を前記複数の周辺領域毎に算出し、
前記中心領域平均輝度と前記各周辺領域平均輝度との差分値を前記各周辺領域毎に算出し、
前記各差分値の中から代表差分値を抽出することを特徴とする外観検査方法。
【請求項13】
前記画像データ中における各画素について算出された前記代表差分値に基づいてむらを検出することを特徴とする請求項12に記載の外観検査方法。
【請求項14】
前記複数の周辺領域に対応した複数の差分値のうちの最大値を代表差分値として抽出することを特徴とする請求項12または13に記載の外観検査方法。
【請求項15】
前記複数の周辺領域において優先順位が設定され、該優先順位に従って前記周辺領域平均輝度を算出することを特徴とする請求項12または13に記載の外観検査方法。
【請求項16】
前記差分値における差分閾値が設定され、
前記優先順位に従って前記複数の周辺領域に対応する前記差分値を算出し、前記差分値が前記差分閾値を超えた場合には、当該差分値を前記代表差分値として抽出し、当該差分値に対応する周辺領域の優先順位よりも後の優先順位をもつ周辺領域に対応する差分値の算出を行わないことを特徴とする請求項15に記載の外観検査方法。
【請求項17】
前記優先順位は、前記各周辺領域の占める画素数の少ない順番に設定されることを特徴とする請求項15または16に記載の外観検査方法。
【請求項18】
前記代表差分値における代表差分閾値が設定され、
該代表差分閾値と前記代表差分値との比較によって、前記各画素がむら領域に含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載の外観検査方法。
【請求項19】
前記むら領域に含まれると判定された画素の集合体をむらと判定することを特徴とする請求項18に記載の外観検査方法。
【請求項20】
前記むらの大きさを計測することを特徴とする請求項19に記載の外観検査方法。
【請求項21】
前記むらを構成する画素数を計測することを特徴とする請求項19または20に記載の外観検査方法。
【請求項22】
前記複数の周辺領域は環状であり、かつ互いに重複しないことを特徴とする請求項12乃至21のいずれか1項に記載の外観検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図13】
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【図14】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−175558(P2008−175558A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−6888(P2007−6888)
【出願日】平成19年1月16日(2007.1.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】