説明

多チャネルラマン分光システムおよび方法

【課題】
【解決手段】ファブリ・ペロー(FP)可変(波長可変)フィルタ分光計の高分解能、小型、堅牢、および低消費電力といった利点と、FTおよび/または格子/検出器アレイの多チャネル多重化の利点とを兼ね備えた能力を備える分光計。主要な概念は、可変FPフィルタを多次フィルタ条件に設計し、作動させることにある。次いで、このフィルタの後には「低分解能」の固定格子があり、この格子がフィルタ処理されたn次の信号を、好ましくは整合N素子組込み検出器アレイに分散して並列検出する。このシステムのスペクトル分解能は、きわめて高分解能を有するように設計できるFPフィルタによって決定される。N次の並列検出方式によって全積分または走査時間が1/Nに短縮され、単一チャネルの可変フィルタ法と同一分解能で同一の信号対雑音比(SNR)を達成できる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
大部分の分光装置は、1)干渉計をベースとするフーリエ変換(FT)技術、2)検出器アレイと組み合わせた分散をベースとする技術、3)連続走査による可変(波長可変)フィルタをベースとする技術の3つの技術のうちの1つを基本とする。
【0002】
FTベースの技術は、高分解能および広スペクトル範囲という利点を有し、すべての周波数チャネルが同時に測定されるという多重化の利点を有している。ただし、FT装置は、本質的に大きく、高価であり、通常は堅牢性に劣る。
【0003】
格子または音響光学素子を使用する分散装置は、並列チャネル検出によってもたらされる多重化の利点を有する。しかし、これらの技術は、最終的にはアレイ内の検出器素子の数によって制限を受ける。可変ファブリ・ペロー(FP)フィルタをベースとする技術に比べ、格子/検出器アレイをベースとする分光計はサイズが一桁大きい――要求される分解能が高くなると、システムが大型化する傾向にある。さらに、システムのサイズが大きくなると、堅牢性が失われる傾向にあると同時に、電力消費が増大する。さらに、多数の素子を備える検出器アレイは、極めて高価になる。これは、検出器アレイ技術が可視領域で使用される電荷結合素子(CCD)アレイにおけるような、大量生産によるコスト優位性を達成していない近赤外(NIR)またはそれより長い波長領域について、特に当てはまる。
【0004】
可変フィルタをベースとする分光計、特には半導体FP可変フィルタをベースとする分光計は、極めて小型、堅牢、および低消費電力という固有の利点を有する。さらに、FT分光計に匹敵する分解能を有する。しかし、連続調整機構の特性によって、可変フィルタをベースとする分光装置は、他の分光装置の技術と比べたとき、同一信号対雑音比(SNR)の性能を達成するために、より長いスキャン時間を必要とする可能性がある。この要素は、例えばラマンスペクトル分析など、信号レベルが低い場合に特に重要である。これは、携帯型の現場スペクトル分析器または物質判別器などの用途における発展を妨げる要因となりうる。
【0005】
ラマン分光法は、NIRを含む赤外(IR)分光法に類似しているが、いくつかの利点を有している。ラマン効果はさらに、化学的組成および結晶学的構造のわずかな差にきわめて敏感である。これらの特徴により、ラマン分光法は、合法化合物と違法化合物との区別をたとえそれらの化合物が類似の元素組成を有していても可能にするため、違法薬物の検査にきわめて有用なものになっている。また、IR分光法を水性サンプルに使用する場合、振動スペクトルの大部分が強力な水信号によってマスクされる可能性がある。対照的に、ラマン分光法によれば、水からのラマン信号が比較的弱いため、水性サンプルをより容易に分析ができる。また、水信号が弱いため、ラマン分光法は、生物系および無機系を分析する場合、および水質汚染問題に関する研究において、しばしば有用である。ただし、ラマン分光法に関する1つの欠点は、サンプル中の不純物による蛍光である。
【0006】
他の場合においては、ある特定の化学種についてラマン散乱スペクトルと赤外スペクトルとが極めて類似することがある。しかし、多くの場合、それらスペクトルの相違は、IRおよびラマン分光法が互いに相補的である。
【0007】
ラマン散乱は、入射光子と分子との非弾性衝突と考えることができる。光子は弾性的に、すなわちその波長の変化なく散乱され、これがレイリー散乱として知られている。対照的に、光子は非弾性的に散乱され、ラマン効果をもたらす。
【0008】
2種類のラマン遷移が存在する。分子と衝突すると、光子はエネルギーの一部を失うことがある。これは、ストークスの放射として知られている。一方、光子がいくらかのエネルギーを得ることがある、これは反ストークスの放射として知られている。これは、入射光子が、励起されて振動している分子によって散乱される場合に生じ、エネルギーの取得が生じて、散乱される光子がより高い周波数を持つ。
【0009】
分光計について見ると、ストークスおよび反ストークス放射の両者が、検査している物質の分子振動に対応するスペクトル線で構成されていることが分かる。各化合物は、それ自体の固有のラマンスペクトルを有しており、これを識別のための指紋として用いることができる。
【0010】
ラマンプロセスは非線形である。入射する光子の強度が弱い場合、自然発生的ラマン散乱のみが生じる。入射する光波の強度が増すと、散乱ラマン領域の増強が生じ、その場合、最初に散乱されたストークス光子が、別の入射光子のさらなる散乱を促進する可能性がある。このプロセスにおいて、ストークス場が指数関数的に成長し、これは誘導ラマン散乱(SRS)として知られている。
【発明の開示】
【0011】
本発明は、可変フィルタ分光計(ファブリ・ペロー(FP)フィルタなど)の高分解能、超小型、堅牢、および低消費電力といった利点と、FTおよび/または格子/検出器アレイシステムの多チャネルの利点とを兼ね備える分光計に関する。
【0012】
主要な概念は、可変または固定であってもよい、多次(n次)条件の帯域通過フィルタを設計し、作動させることにある。次いで、このフィルタの後には固定格子などの「低分解能」分散素子があり、この分散素子がフィルタ処理されたN次の信号をN素子検出器アレイに分散して並列検出する。好ましくは、前記検出器は整合アレイ、n=Nである。このシステムのスペクトル分解能は、きわめて高分解能を有するように設計できる帯域通過フィルタによって決定される。N次の並列検出方式によって全積分または走査時間が1/Nに短縮され、単一チャネルの可変フィルタ法と同一分解能で同一の信号対雑音比(SNR)を達成できる。この設計はきわめて柔軟でもあり、分光計システムを適切な次数Nを備えて設計することができ、これによりスペクトル分解能および走査積分時間に関するシステム性能を最適化できる。
【0013】
走査積分時間の大幅な低減に加え、この手法には別の2つの利点が存在する。第1に、FPフィルタがn次に設計され作動されるため、FPフィルタの空洞の製造許容誤差および作動条件が、大幅に緩和される。
【0014】
別の実施形態においては、分光法およびシステムが、狭帯域可変励起光源を、詳細にはラマン用途のために、高分解能の超小型の固定多チャネル多重化分光計に組み合わせる。多次可変フィルタの代わりに、分光計は、高分解能の固定多次フィルタおよび多重化された並列チャネル検出方式を使用できる。レーザなどの狭帯域の可変励起光源によって、調整機構が容易になる。多次多チャネル並列検出の特性により、光源に必要とされる可変範囲はきわめて狭くてよく、数ナノメートルのオーダである。
【0015】
一般に、一態様によれば、本発明は、分光装置に関する。この分光装置は、例えばIR、NIR、紫外、および可視、ならびに/あるいはラマンスペクトル分析など、標準振動スペクトル分析に使用することができる。
【0016】
この分光装置は、サンプルからの信号を光学的に濾波する可変帯域通過フィルタを有する。次いで、波長分散素子が、可変フィルタによって濾波されたサンプル信号をスペクトル分散させる。最後に、検出器が、波長分散素子から分散された信号を検出するために設けられている。
【0017】
一実施形態においては、可変フィルタは音響光学フィルタである。しかし、別の例では、可変フィルタは、マイクロ電気機械システム(MEMS)のファブリ・ペロー可変フィルタなど、ファブリ・ペロー可変フィルタである。一例においては、このフィルタは、静電的に駆動または調整される。別の例では、このMEMSフィルタは、圧電効果により調整される。
【0018】
さらに別の例では、可変フィルタは、可変フィルタの空洞共振器の温度を変化させることで、熱的に調整できる。
【0019】
ただし、重要な特徴は、可変フィルタが、対象のスペクトル帯域内に複数の通過帯を提供する多次可変フィルタである点にある。
【0020】
一例においては、可変フィルタは、サンプル信号のスペクトル帯域内に3つ以上の通過帯を有する。通常は、これらの通過帯は、帯域幅で10〜500ギガヘルツ(GHz)の間にあり、好ましくは80〜150GHzの間にある。
【0021】
一実施形態においては、波長分散素子がホログラムである。しかし、好ましい実施形態においては、波長分散素子は格子である。好ましくは、この格子は固定されている。しかし、実現形態によっては、格子が回転または移動することにより、単一検出器素子または素子数の少ない検出器全体にわたりスペクトルを走査する。
【0022】
好ましくは、検出器が線形検出器アレイなどの検出器素子アレイを含む。一例においては、このアレイはInGaAsアレイである。しかし、別の例では、電荷結合素子(CCD)アレイが使用される。
【0023】
好ましい実施形態においては、信号の調整のためサンプル信号の入力と可変フィルタとの間にレンズ素子が使用される。第2のレンズが、分散素子と検出器との間に使用される。多くの場合、サンプル信号入力は、信号が光ファイバリンクを用いてサンプルまたはサンプルプローブから分光装置に運ばれるため、ファイバ端面を有しる。しかし、別の例では、サンプル信号はスリットを通して入力される。
【0024】
好ましい用途においては、分光装置が、サンプルのラマンスペクトルを検出するために使用される。したがって、分光装置が、サンプルからのストークスおよび/または反ストークス放射を検出する。さらに、この分光装置は他の種類の分光法、いくつか例を挙げるならばIR、NIR、可視、および紫外などにも使用できる。これらの場合、典型的には、広帯域光源を使用してサンプルを照射する。
【0025】
ラマン信号を検出するには、サンプルを照射するのに狭帯域光源が必要とされる。好ましい実施形態においては、光源がレーザである。一例においては、光源は、例えば半導体ゲインチップおよび可変ブラッグ格子型ファイバを含む可変レーザであり、光源を調整する能力を提供する。
【0026】
ラマン用途については、サンプルを照射する光源が、好ましくは約780〜790ナノメートルの範囲、または約975〜985ナノメートルの範囲において可変である。これらの波長の利点は、いくつかの効率的な半導体レーザ光源が入手可能である点にある。具体的には、高出力の商用価格であり、エルビウム添加ファイバ増幅器(EDFA)ポンピングの電気通信用途にとって重要である、980nm近辺のレーザが入手可能である。また、この周波数においては、より短い波長に比べて蛍光が少ない。
【0027】
固定波長励起光源を使用するいくつかの用途においては、ファイバ格子安定化半導体光源が使用される。このようなデバイスは、レーザ・ゲイン・チップからの出力ファイバのファイバ格子からのフィードバックにより、優れたスペクトルおよび出力安定性を有している。
【0028】
一般に、別の態様によれば、本発明は分光システムを提供する。このシステムは、サンプルを照射する可変光源、およびサンプルからの信号を光学的に濾波する帯域通過フィルタを有する。スペクトルフィルタによって濾波されたサンプル信号を分散するため、波長分散素子が設けられる。最後に、検出器が、波長分散素子から分散された信号を検出する。
【0029】
一例においては、帯域通過フィルタは、複数の通過帯または次数を備える固定フィルタである。すなわち、このフィルタは可変ではなく、あるいは限定されたわずかの可変性しか有していない。これと異なり、ラマン信号は可変光源を調整することによって得られる。
【0030】
次に、様々な新規の構成の詳細および部品の組み合わせを含む本発明の前述および他の特徴、ならびに他の利点が、添付の図面を参照し詳細に説明され、特許請求の範囲に定義される。本発明を具体化する特定の方法および装置は、本発明を限定するものではなく、例として示されていることは理解されるであろう。本発明の原理と特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な、多数の実施形態において実現できる。
【0031】
添付の図面においては、参照符号は、種々の図全体を通して同じ部品を指す。図面は、必ずしも縮尺通りではなく、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1は、本発明の原理により構成された分光装置100を示す。
【0033】
詳細には、入力スリットまたはファイバ端面110が、サンプル信号源のための開口として機能し、この開口を通ってサンプルからの信号が分光装置100に供給される。多くの場合、同じ信号は単一横モード、あるいはより一般的には多重横モードファイバ108を使用して分光装置に運ばれる。
【0034】
典型的には、サンプル信号光源110は、発散する光信号112を供給する。したがって、レンズ素子114が使用される。この素子114が、光サンプル信号を調整し、詳細には、好ましい実施形態においては、サンプル信号を平行光にし、あるいは回折限界の場合にビームくびれを形成するサンプル信号を生成する。
【0035】
平行化されたサンプル光学信号は、多次または多重通過帯可変フィルタ105に供給される。この多次可変フィルタ105は、サンプル信号の信号帯域内に複数、すなわち2つまたは3つ以上のスペクトル通過帯を提供する。
【0036】
次いで、可変フィルタ105からの濾波された信号116が、例えば反射型である格子またはホログラフィックフィルタ素子といった分散素子118に供給される。
【0037】
好ましい実施形態においては、格子118は固定格子である。すなわち、可変フィルタ105または濾波された信号116の光軸に対して、移動しない。
【0038】
しかし、いくつかの例では、回転格子または可動格子が使用される。詳細には、格子は、可変フィルタ105または可変フィルタ105からの濾波された信号ビーム116の軸に対して回転する。この傾動(チルト)型の実施形態は、より複雑になるものの、単一素子の検出器または素子数のより少ない検出器アレイの使用を可能にし、あるいはスペクトル分解能を高める機構を提供する。
【0039】
格子118は、濾波されたサンプル信号116を、スペクトル分散する。詳細には、可変フィルタの通過帯が、検出器130の検出範囲全体にわたってスペクトル分散される。
【0040】
詳細には、図示の例では、可変フィルタ105が、4つの別個の通過帯120−1、120−2、120−3、および120−nを提供している。しかし、別の例では、より多数または少数の通過帯または次数が、可変フィルタ105によって供給される。
【0041】
実際には、格子118は、各次または通過帯のそれぞれを、検出器130の異なる領域に分散する。詳細には、図示の例では、各次が複数素子の検出器アレイの別個の領域に分散されている。このようにして、本発明は、格子をベースとする検出器アレイシステムに関連する利点を提供すると同時に、可変フィルタシステムに関する他の利点も達成する。
【0042】
1つの例では、走査帯域またはサンプルの対象帯域内の可変フィルタの通過帯の数(n)が、検出器アレイ130の素子の数(N)に等しい。別の例では、素子の数(N)が、可変フィルタの通過帯の数(n)または次数の2倍、3倍、またはそれ以上である。
【0043】
図2は、多次可変フィルタ105と格子118との組み合わせの動作を示す概略のスペクトル図である。
【0044】
詳細には、対象のスペクトル範囲152全体にわたって、多次可変フィルタ105が複数のスペクトル通過帯(まとめて、参照番号120)を提供する。
【0045】
詳細には、図示の例においては、15を超える(n>15)通過帯120−1〜120−nが実現される。これらの通過帯120は、サンプルのスペクトル150のスペクトルに重なっている。したがって、挿入図160によって示されているように、可変フィルタ105をその調整範囲にわたって調整することによって、これらのスペクトル通過帯120−1〜120−nが対象のスペクトル150に対して調整され、N素子アレイ130を使用してサンプルのスペクトル150全体を再現できるようになる。これは、フィルタの調整範囲が、可変フィルタ105の自由スペクトル領域(FSR)以上である場合、すなわち各スペクトル的周期の通過帯120間のスペクトル間隔以上である場合に、達成される。
【0046】
より一般的には、格子118は、ki〜kfまでの全スペクトル範囲152において機能しなければならない。N=nの並列チャネルを有するシステムにおいて、チャネル間の間隔がフィルタのFSRである場合、システムのスペクトル範囲は、nFSR=kf−kiである。格子の作用範囲は、少なくともki〜kfまでをカバーする必要がある。
【0047】
以下に、分光装置100を具体化するためのいくつかのパラメータを述べる。
【0048】
ケースA)n=32(すなわち、可変フィルタ105が、約200nmまたはそれ以上のサンプル信号帯域内に、約32の通過帯を提供する)、スペクトル分解能=0.5nm、カバーすべき全スペクトル範囲200nm、および0.22の開口数(NA)において125マイクロメートルの入力開口。この場合に必要とされるフィルタ105は、20nm未満または約9.45nmの自由スペクトル領域および直径が1.0mm以下である最適ビームサイズで、λ=1000nmにおいて19のフィネスを有する。可変フィルタの調整範囲は、9.45nm以上でなければならない。
【0049】
ケースB)n=64である点を除き、ケースA)と同一条件である。この場合に必要とされるフィルタ105は、6nm未満または約4.7nmの自由スペクトル領域および直径が1.0mm以下である最適なビームサイズで、λ=1000nmにおいて9のフィネスを有する。
【0050】
これらの要件は、多重空間モード入力信号を受け入れるフラット・フラットFPフィルタで達成できる(ケースBは、ケースAに比べてフィルタ厳しい要件が少ない)。このようなフィルタの例は、液晶ベースの可変FPフィルタ、および熱的に調整される固体FPフィルタである。他の例としては、例えば、多空洞帯域通過フィルタ、フィルタシステム、および他の薄膜フィルタが挙げられる。
【0051】
他の例においては、可変フィルタ105は、電気機械的駆動、電磁気的駆動、または圧電的駆動され、形状記憶方式の可動ミラー素子を有しており、電気的特性によって変更される空洞光屈折率を有しており、機械的な応力によって変更される空洞光屈折率を有しており、さらに/または光磁気特性により変更される空洞光屈折率を有している。
【0052】
比較として、単一チャネルの可変フィルタにおいて、同一多重モード入力条件のもとで同一スペクトル性能を達成するのに必要とされるフィルタのフィネスは、200nmの自由スペクトル領域で400である。フィルタの平行度は、前述のケースA)よりも100倍、ケースB)よりも200倍の厳密度である必要がある。
【0053】
第2に、大きな検出器アレイを使用しないことによって、すなわち例えばNが2048よりもはるかに小さい場合に、検出器アレイ130のコストが、完全な格子/検出器アレイ方式に比べて大幅に低くなる。ケースAにおいては、N=32であり、ケースBにおいては、N=64である。
【0054】
要約すると、本発明は、単一FP可変フィルタをベースとする分光計の小型サイズ、堅牢性、低消費電力といった利点を維持しつつ、スペクトル走査の積分時間を大幅に短くし、かつフィルタの製造における要件および許容誤差を大幅に緩和する。これらの総合した特徴は、低コストの、堅牢は携帯型スペクトル分析器および物質判別器にとって重要である。
【0055】
図3は、一体化システムにおける分光装置100の具体例を示している。詳細には、ファイバ端面110、レンズ素子114、可変または固定の多次フィルタ105、格子118、および検出器アレイ130が、共通の光学実験台210上に位置している。一例においては、この光学実験台は、50ミリメートル未満の長さ、および50ミリメートル未満の幅を有している。図示の例では、長さが約20ミリメートルであって、幅が約15ミリメートルである。
【0056】
図4は、分光装置100を含んだ第2実施形態の分光システムを示している。
【0057】
詳細には、分光システム50は可変励起光源310を有する。一例においては、この可変励起光源310が、半導体ゲインチップ312および可変ブラッグ格子型ファイバ314を有する。
【0058】
可変ブラッグ格子型ファイバ314を調製することによって、可変励起信号316が生成され、励起導波路318を通してプローブ320に伝達され、伝送されてサンプル10を照射する。
【0059】
反射信号が、収集ファイバまたはスリット110を通してレンズ素子114および多次の固定フィルタ105−Fに結合される。
【0060】
この例は、光源を多次固定フィルタ105−Fの通過帯に対して調整することによって、ラマンスペクトル全体を検出する。
【0061】
ラマン構成のいくつかにおいては、光源310に同調して調整される可変または固定のエッジフィルタを使用して、通常は強力な励起光源の波長における信号から分光装置100を遮断する。
【0062】
ラマン分光法においては、可変フィルタの通過帯モードは固定であるが、ラマンプロセスの非弾性的な散乱特性のために、ラマンスペクトルが励起光源の波長の変化とともにシフトする。したがって、サンプル10の全体のラマン信号またはスペクトルは、固定された可変フィルタ105−Fの自由スペクトル領域よりも広い波長範囲、または通過帯間の波長範囲全体にわたって可変光源を走査することによって、解明される。
【0063】
この実施形態の利点としては、以下が挙げられる。
【0064】
1.固定多次フィルタ(エタロン)は、確立された商業用技術を用いて容易に高精度で製造できる。蒸着などの技術によって、機械的な薄化方法に比べて高度に均一な光学材料層を実現できる。この確立された技術によって、低コストの部品が可能になる。
【0065】
2.調整特性が必要とされないため、幅広い範囲の材料を使用でき、可視からNIR以上まで、幅広いスペクトルをカバーする材料を利用できる。一例は、一般的に使用されている空洞材料としての溶融シリカである。
【0066】
3.多次の方法であるため、多次フィルタの自由スペクトル領域に一致させるための、光源に必要な調整範囲を極めて狭くすることができる。例えば、N=64チャネルについて、必要とされる光源の調整範囲は、10nm未満またはわずか4.7nmである。狭い調整範囲は、利得特性のピーク付近の光学的出力の最適化を可能にし、ラマン分光法に必要とされる高出力を生む。
【0067】
4.調整機構がフィルタからレーザなどの光源に替えることにより、単一空間モードの光源が可能となり、調整素子に対するビーム品質要求条件が緩和される一方で、可変フィルタは、良好なスループットを維持するためにサンプルからの広いインコヒーレント光源に対応する必要がある。
【0068】
5.多次フィルタの各次が絶対波長空間内に固定されるため、検出器アレイの各チャネルが、フィルタからの関連の次数の出力に対応する固定ビームを見ることになる。これにより、フィルタが調整される際にビームが走査する方式の可変フィルタ多次分光計の手法に比べ、校正がはるかに容易になる。
【0069】
6.固定多次多チャネル検出の別の利点は、検出器アレイが100%(または、100%近く)の開口率を必要としない点にある。これは、さらなるコスト有利性を有する。
【0070】
7.蛍光スペクトルは、光源の調整があるにしてもスペクトル的に不変であり、強度が比較的変化しないため、蛍光からの寄与を除去できる。したがって、蛍光スペクトルを取り除いてラマンのみのスペクトルを得ることができる。
【0071】
他の利点としては、単一チャネル可変フィルタ法と同一分解能で同一のSNRを達成するために、全体積分またはスキャン時間を1/Nに短縮する並列チャネル処理と、FPフィルタ空洞の製造許容誤差および動作条件の緩和と挙げられる。以下の2つ具体例が、この点を示している。
【0072】
ケースA)N=32、スペクトル分解能=0.5nm、カバーすべき全スペクトル範囲200nm、および0.22のNAにおいて125μmの入力開口。このケースに必要とされるフィルタは、15nm未満または9.45nmの自由スペクトル領域および直径が1.0mm以下である最適なビームサイズで、λ=1000nmにおいて19のフィネスを有する。
【0073】
ケースB)N=64を除き、ケースA)と同一条件である。このケースに必要とされるフィルタは、4.7nmの自由スペクトル領域および直径が1.0mm以下である最適なビームサイズで、λ=1000nmにおいて9のフィネスを有する。
【0074】
図5は、多次可変フィルタ105と可変励起光源310とを有するさらに別の実施形態を示している。この例は、図6のスペクトル図に示される混成の手法を使用している。
【0075】
詳細には、ラマン信号の全体スペクトル150が、可変フィルタ105の調整と励起光源の調整との組み合わせによって検出される。フィルタ105の調整帯106と光源310の調整帯311との組み合わせは、フィルタのFSRよりも大である。
【0076】
一変形形態においては、励起光源またはレーザ310が振幅変調される。変調信号を、ライン328を介して検出器アレイ130に送ることによって、検出器130は、ロックイン検出を利用してバックグラウンドの干渉を取り除くことができる。
【0077】
一例においては、光源324における相対的な強度雑音およびモードホッピング雑音などの雑音を低減するために、変調されたレーザ信号はさらに可変アッテネータ324を通して伝送される。次いで、この平坦化された変調信号は、励起信号出力を増加させるために、エルビウム添加増幅器など希土類添加ファイバ増幅器326により随意に増幅される。ラマン用途においては、ラマンプロセスが非線形であるため、大きな励起パワーが必要とされる。
【0078】
図7は、本発明による気密パッケージレベルにおける一体化分光システム50の1つの具体化を示している。
【0079】
詳細には、980μmのポンピング源あるいは他の固定または可変半導体光源が、ピグテールの気密パッケージ内に設けられている。これが、光をサンプル10に結合するプローブ320にファイバで結合されている。さらに、このプローブ320が光を受光し、この光を分光装置100に向かう、典型的にはマルチモードの光ファイバに結合する。
【0080】
一例においては、図8に示されているように、エッジフィルタ322がプローブ先端320に組み合わせて、より一般的には、プローブ先端320と分光装置100との間に使用される。これにより、ラマン信号を得るときに一般的である、励起光源310によって発生される多くの場合強力な飽和信号から、分光装置100を遮断する。さらに、この例では、励起光源310が、図7に示したように光を伝送し、かつサンプル10から光を受光する単一反射ヘッド関係ではなく、透過方式でサンプル10を照射するものとして示されている。
【0081】
以下では、前述の分光システム50に有用ないくつかの適切なMEMS可変フィルタ105を説明する。
【0082】
一実施形態においては、ファブリ・ペロー可変フィルタ105が、ここでの参照によって本明細書に引用したものとする、米国特許第6,608、711号明細書または米国特許第6,373,632号明細書に記載に従って製造される。これら引用特許に開示のシステムからの1つの変更点は、フラット・フラット空洞構成(すなわち曲面ミラーを備えていない)のマルチ空間モードフィルタが、分光装置100における使用に好ましいと現在考えられていることにある。
【0083】
図9は、可変フィルタ105の別の例を示している。この例では、例えばシリコンまたはチッ化シリコン膜410が、ガラス基板またはシリコンウエハ基板などの基板412を覆って形成されている。隔離部材414が、膜410を基板412から隔てるために使用される。好ましくは、膜410は、膜410と基板412との間の電荷を制御することにより静電的な調整される。
【0084】
図10は、固定フィルタ105−Fの別の実施形態を示している。この例では、1/4波長誘電体薄膜コーティングなどから形成された対向する高度に反射性のミラー416、418が、空洞420の各側に設けられている。図で示した例では、その空洞はGaAsで形成されている。これは、固定フィルタの実現に使用することができる。
【0085】
図11は、熱によって調整できるフィルタ105の例を示しており、透過性の酸化インジウム錫(ITO)層426が、抵抗性のヒータとして使用されている。GaAsハンドル基板422が、可変フィルタ105を操作するために設けられている。光ポート424が、ハンドル基板422を貫通して形成されているが、別の実施形態においては、反射防止コーティングを基板上に使用することができる。
【0086】
この例では、ITO層が抵抗性の層として使用されている。詳細には、この導電性ITO層426に電流を通すことによって、可変フィルタ105が加熱され、これによってGaAs空洞420の屈折率が制御される。このようにして、高反射(HR)のミラー層416および418の間の空洞の光学長さを変化させることで、熱的に調整できる可変フィルタ105が得られる。
【0087】
図12および13は、パターン化された加熱用抵抗層電極430および検出用抵抗層電極432が可変フィルタ105の上部HR層426の前面に形成されているさらに別の実施形態を示している。詳細には、光軸Aの周囲のリングにパターン化された加熱用抵抗430に電流を通すことによって、空洞共振器416など可変フィルタの母材105の温度が制御され、これによって可変フィルタシステムが得られる。検出用抵抗素子432を利用して、この検出抵抗432の抵抗変化を測定することによって温度を検出する。
【0088】
図14は、一体化分光システム50の分解図を示している。詳細には、2つのケース部材512、514によって外側ケーシングを形成している。これらが、プローブ素子320および回路板システム520の周囲で一体に結合する。回路板システム上では、励起光源310が第1のバタフライパッケージ内にあり、分光装置100が第2のバタフライパッケージ内にある。さらに表示器522が設けられ、一用途においては物質判別情報を操作者に提供できるユーザインターフェイスを提供している。
【0089】
本発明を、本発明の好ましい実施形態を参照して詳細に示して説明してきたが、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく、形態および細部についてさまざまな変更が可能であることは、当業者であれば理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明による分光装置の概略図である。
【図2】サンプルスペクトル、可変フィルタの各次、および可変フィルタ調整範囲の間の関係を示した概略のスペクトル図である。
【図3】本発明の分光装置の一実施形態について、光学実験台レイアウトを示した概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態による分光システムの概略図である。
【図5】本発明の分光システムの第3実施形態の概略図である。
【図6】可変フィルタの各次、フィルタの調整範囲、および励起光源の調整範囲の間の関係を示した概略のスペクトル図である。
【図7】本発明による一体化分光システムの気密パッケージレベルのレイアウト図を示す。
【図8】透過型の構成においてエッジフィルタを利用する本発明の分光システムの別の実施形態を示す概略図である。
【図9】本発明の分光装置の可変フィルタの第1実施形態の平面図である。
【図10】本発明の分光装置の可変フィルタの第2実施形態の概略の平面図である。
【図11】本発明の分光装置の可変フィルタの第3実施形態の概略側面図である。
【図12】分光装置の可変フィルタの第4実施形態を示す側面図である。
【図13】分光装置の可変フィルタの第4実施形態を示す平面図である。
【図14】本発明による携帯式一体化ラマン分光システムの分解図を示す。
【符号の説明】
【0091】
10 サンプル
50 分光システム ラマン分光システム
100 分光装置
105 可変フィルタ ファブリ・ペロー可変フィルタ
110 ファイバ端面
114 レンズ素子
118 分散素子 格子
120 スペクトル通過帯
130 検出器 検出器アレイ
150 対象のスペクトル
152 対象のスペクトル範囲
310 可変励起光源
312 半導体(ゲイン)チップ
316 可変励起信号
320 プローブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプルからの信号を光学的に濾波する可変フィルタと、
前記可変フィルタによって濾波されたサンプル信号をスペクトル分散する波長分散素子と、
前記波長分散素子から分散された信号を検出する検出器と、を備えた分光装置。
【請求項2】
請求項1において、前記可変フィルタが音響光学フィルタである分光装置。
【請求項3】
請求項1において、前記可変フィルタがファブリ・ペロー可変フィルタである分光装置。
【請求項4】
請求項1において、前記可変フィルタが、静電的に駆動されるマイクロ電気機械システム式ファブリ・ペロー可変フィルタである分光装置。
【請求項5】
請求項1において、前記可変フィルタが、この可変フィルタの温度を変化させることによって調整できるファブリ・ペロー可変フィルタである分光装置。
【請求項6】
請求項1において、前記可変フィルタが、サンプル信号のスペクトル帯域内に複数の通過帯を備える多次可変フィルタである分光装置。
【請求項7】
請求項1において、前記可変フィルタが、サンプル信号のスペクトル帯域内に3つ以上の通過帯を備える多次可変フィルタである分光装置。
【請求項8】
請求項1において、前記可変フィルタのスペクトル通過帯域幅が、10〜500ギガヘルツの間である分光装置。
【請求項9】
請求項1において、前記波長分散素子がホログラムを有する分光装置。
【請求項10】
請求項1において、前記波長分散素子が格子を有する分光装置。
【請求項11】
請求項10において、前記格子が固定されている分光装置。
【請求項12】
請求項10において、前記格子が、サンプル信号のスペクトル帯域に対応する波長範囲全体にわたって分散能を有する分光装置。
【請求項13】
請求項1において、前記検出器が、単一の検出器素子を有する分光装置。
【請求項14】
請求項1において、前記検出器が、線形検出器アレイを有する分光装置。
【請求項15】
請求項1において、前記検出器がInGaAs検出器アレイを有する分光装置。
【請求項16】
請求項1において、前記検出器が電荷結合素子検出器アレイを有する分光装置。
【請求項17】
請求項1において、前記検出器が半導体ベースの検出器アレイを有する分光装置。
【請求項18】
請求項1において、さらに、信号の調整のために、サンプル信号の入力と前記可変フィルタとの間にレンズ素子を有する分光装置。
【請求項19】
請求項18において、前記サンプル信号の入力がファイバ端面を有する分光装置。
【請求項20】
請求項18において、前記サンプル信号の入力がスリット開口を有する分光装置。
【請求項21】
請求項1において、さらに、サンプルを照射する光源を有する分光装置。
【請求項22】
請求項21において、前記分光装置がサンプルからのストークスおよび/または反ストークス放射を検出する分光装置。
【請求項23】
請求項21において、前記光源がレーザである分光装置。
【請求項24】
請求項21において、前記光源が可変レーザである分光装置。
【請求項25】
請求項21において、前記可変レーザが、半導体ゲインチップおよび可変ブラッグ格子型ファイバを有する分光装置。
【請求項26】
請求項1において、さらに、約780〜790ナノメートルの範囲に可変できる、サンプルを照射する光源を有する分光装置。
【請求項27】
請求項1において、さらに、約975〜985ナノメートルの範囲に可変できる、サンプルを照射する光源を有する分光装置。
【請求項28】
請求項1において、前記分光装置がサンプルからのストークスおよび/または反ストークス放射を検出する分光装置。
【請求項29】
サンプルを照射する可変光源と、
前記サンプルからの信号を光学的にする帯域通過フィルタと、
前記スペクトルフィルタによって濾波されたサンプル信号をスペクトル分散する波長分散素子と、
前記波長分散素子から分散された信号を検出する検出器と、を備えた分光システム。
【請求項30】
請求項29において、前記可変光源が約780〜790ナノメートルの範囲で可変である分光システム。
【請求項31】
請求項29において、前記可変光源が約975〜985ナノメートルの範囲で可変である分光システム。
【請求項32】
請求項29において、前記分光システムがサンプルからのストークスおよび/または反ストークス放射を検出する分光システム。
【請求項33】
請求項29において、前記帯域通過フィルタが音響光学フィルタである分光システム。
【請求項34】
請求項29において、前記フィルタの通過帯域幅が10〜500ギガヘルツの間である分光システム。
【請求項35】
請求項29において、前記波長分散素子がホログラムを有する分光システム。
【請求項36】
請求項29において、前記波長分散素子が格子を有する分光システム。
【請求項37】
請求項36において、前記格子が固定されている分光システム。
【請求項38】
請求項36において、前記格子が、サンプル信号のスペクトル帯域に対応する波長範囲全体にわたって分散能を有する分光システム。
【請求項39】
請求項29において、前記検出器が単一の検出器素子を有する分光システム。
【請求項40】
請求項29において、前記検出器が、線形検出器アレイを有する分光システム。
【請求項41】
請求項29において、前記検出器がInGaAs検出器アレイを有する分光システム。
【請求項42】
請求項29において、前記検出器が電荷結合素子検出器アレイを有する分光システム。
【請求項43】
請求項29において、前記検出器が半導体ベースの検出器アレイを有する分光システム。
【請求項44】
請求項29において、さらに、信号の調整のために、サンプル信号の入力と前記通過帯フィルタとの間にレンズ素子を有する分光システム。
【請求項45】
請求項44において、前記サンプル信号の入力がファイバ端面を有する分光システム。
【請求項46】
請求項44において、前記サンプル信号の入力がスリット開口を有する分光システム。
【請求項47】
サンプルを照射するための、約980ナノメートルで作動する半導体レーザ励起光源と、
サンプルのラマンスペクトルを検出する分光装置と、を備えたラマン分光システム。
【請求項48】
ラマンスペクトルを分離するために、サンプルからの検出スペクトルから蛍光情報を除去する方法であって、
可変光源でサンプルを励起すること、
検出されたスペクトルから、前記光源の調整においてスペクトル的に不変である部分を取り除くことにより、ラマンスペクトル情報を改良すること、を含む方法。
【請求項49】
サンプルからの信号を複数の通過帯でスペクトル的に濾波すること、
サンプル信号をスペクトル的に分散すること、
分散された信号を検出器アレイで検出すること、を含む分光方法。
【請求項50】
請求項49において、さらに、変化する波長を有する励起信号でサンプルを照射することを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2007−509319(P2007−509319A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535376(P2006−535376)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/034215
【国際公開番号】WO2005/038437
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(506128400)アクサン・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】AXSUN TECHNOLOGIES,INC.
【Fターム(参考)】