説明

多車軸陸路車両用2段電気空圧制御式ブレーキシステム

次の構成部品、つまり、運行状態と緊急状態とに対応する2段のブレーキペダル(14)、各比例電磁制御弁EVP(9)を含む各車軸と連結される空圧ブレーキユニット(6)、運行状態と緊急状態でも同様にエンジンブレーキ(31)を電気的に制御するペダルの位置情報をこのペダルから受け取る少なくとも1台の減速制御装置UCD(12)、ペダルの空圧装置箱(19)からEVPを直接制御して緊急状態でのみ作動する空圧制御回路(10)からなるブレーキシステム(1)。この発明は特に乗客輸送用に計画される多車軸連結陸路車両に関係する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は特に公共輸送分野における多車軸陸路車両用2段階電気空圧式ブレーキシステムに関する。
【0002】
特定の用途の1つは自動誘導装置一式が含まれる公共輸送タイヤ式多車軸編成車両に関係するものである。
【背景技術】
【0003】
公共輸送の陸路車両は一般的に急停止可能で強力なブレーキシステムの恩恵を受けている。このブレーキシステムは従来からの空圧制御式の空圧ブレーキシステムである。市場で入手可能なこのシステムは信頼性が完璧であると同時に公共安全性を保証するものである。
【0004】
しかしながら、通常の利用条件においては、公共輸送車両は運転手が少し乱暴にこのシステムを作動させるとそれだけ乱暴に停車し、乗客にとって非常な不快感を生じさせるだけでなくさらに乗客がバランスを失ったり倒れることが起こりうる。
【0005】
実際、乱暴なブレーキにより乗客が怖がるだけでなく前方につんのめりやすい。着席しておらず立ったままであることの多い乗客たちは、そのとき何らかの車両構造要素にぶつかるとか倒れることがありえる。従ってこの様なブレーキは乗客にとって心理的にも肉体的にも多くの外傷性症状の原因となる。
【0006】
これらの面倒を避けるために、運転手は一般的にはブレーキペダルのブレーキ制御装置を
先を読みつつ極めて段階的かつ細心に作動させながら自分が制御するブレーキのかけ具合を常時決めなくてはならない。従来のブレーキシステムについて、やさしく衝撃のない運転には運転手側の努力と注意が多く必要とされるため運転手によって最大限の乗客の快適さを保証するのは非常に困難である。
【0007】
本発明の目的の1つは乗客の乗り心地と安全を保証する段階的かつ緩和されたブレーキが確保される公共輸送車両に適合されたブレーキシステムの提供にある。このような段階的システムはこの部類の分野の用途においては、公共輸送車両が一般的に専用軌道上を走行する分だけつまりは、車両相互間に関連する走行制約を受けずにより完全に計画できるものである。こうして運転手はどこでいつ車両を停止させなくてはならないかが正確に分かるので、先を見越した減速とブレーキの操作を行うことができる。
【0008】
従来の空圧制御によるブレーキシステムのもう1つの欠点は、反応時間がかかりすぎる点である。実際、長い車両であって特に数車両編成でかつ多車軸式の公共輸送編成車両において、全車両に沿った空圧指令が行き渡るにはある一定の時間がかかる。
【0009】
第1車軸上に位置するブレーキ装置は運転手によりブレーキ指示が与えられた少し後で作動を始めると、車両の反対側の端部に位置する車軸はすっかり遅れて作動する。このような状況はブレーキ効果を下げることになり、ブレーキ装置の非均一な損耗を発生させるとともに車両の不満足な動的挙動を誘発する。
【0010】
本発明のもう1つの目的は応答時間がはるかに短いと同時に発生する損耗もより抑えられかつブレーキ機構がより上手に割付けられた完璧な効果のブレーキシステムの提供にある。このようなシステムのおかげで車両の動的挙動は乗客の乗り心地と安全を最大限に確保するために最適なものとなる。
【発明の開示】
【0011】
しかしながら、不測の危険の場合の緊急ブレーキの必要性は欠かせない。実際、たとえ公共輸送車両が全般的に専用軌道上を走行するとしても、予期しない歩行者、車両、あるいはその他の障害物が軌道上に突如現れて緊急ブレーキをかけざるを得ないことが起こりうる。
【0012】
この緊急ブレーキは完璧な信頼性がなくてはならなく、乗客に極端な迷惑がもたらされないだけでなく相当短い距離で車両の停止が可能でなくてはならない。
【0013】
空圧制御による空圧ブレーキは信頼性が完全でかつ公共安全性が保証される。本発明によるブレーキシステムではこれらの欠点が改善されてこのタイプのブレーキが緊急ブレーキ実施用に維持されている。これによりその反応時間が短縮されてブレーキ効果の完全保証が可能となる。
【0014】
従って、乗客の快適さと安全性を確保しつつも多軸陸路車両向けに段階的かつ緩和された運行ブレーキと信頼性のある効果的な緊急ブレーキの両方を同時に可能にする空圧ブレーキシステムのニーズが存在している。
【0015】
この技術上の問題を解決するため、本発明はブレーキ作動ガス供給タンクに接続される各車軸毎に空圧ブレーキユニットが含まれると同時にブレーキ作動機構も含まれた多車軸陸路車両向けの電気空圧によるブレーキシステムを提供するものである。
【0016】
本ブレーキシステムには、次のものが含まれる。すなわち、
-ブレーキ手順の導入のため車両の運転手により作動されると同時に、その位置により必要なブレーキ強さが決まる好ましくは運行状態および緊急ブレーキ状態に対応した2段階作用のブレーキペダルである手動機構、
-手動機構の作動時にブレーキの電気指令および/または空圧指令を受け取るとともに、1回または複数回の受け取り指令に見合うその開放により必要なブレーキ力が発生するようにブレーキの作動機構が供給タンクと相通じ合う各ブレーキユニット用の比例電磁式制御弁EVP、
-手動機構の位置情報を受け取ると同時に、手動機構の作動時にその位置から電磁制御弁EVPの電気的開放を制御することになるブレーキの電気指令を発生させる少なくとも1台の減速制御装置UCD、
-装置UCDと各電磁制御弁EVP間の電気接続を形成すると同時に電気指令の伝達を可能にする各ブレーキユニット用の指令電線、
-手動機構と電磁制御弁EVP間の空圧上の接続を形成すると同時に、緊急ブレーキ状態でのみ手動機構により発せられる空圧指令の伝達を可能にする空圧指令電線
である。
【0017】
装置UCDはまたエンジンブレーキとも呼ばれる車両エンジンにより電気力学ブレーキも制御可能であるほうが便利であり、この場合該装置UCDは優先的にエンジンブレーキの恩恵を受け、エンジンブレーキが不十分あるいは効果的でない場合に必要に応じて空圧ブレーキがこれを補うかあるいはこれと置き換わる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明によるブレーキシステムはこれより図1から図8を参照して詳細に説明される。様々な図上に表示される同じ要素には同じ参照番号が振られている。
【0019】
本発明は特に人の輸送用の多車軸連結式陸路車両用に用意される電気空圧制御によるブレーキシステムに関する。この用途は当然ながら1例を構成するに過ぎないと同時にその他の多車軸陸上車両での用途も企画できる。
【0020】
図3と図4を参照すると、本発明によるブレーキシステム1は、さらに好ましくは陸路通行の多車軸公共輸送の編成車両2に特に利用される。この編成車両2は複数の相互間連結陸路通行ユニット、すなわち、その少なくとも1台の先頭ユニット3、乗客輸送に充てられると同時に各車軸が含まれる5のような中間ユニットにより支持される1台の車両または複数台の車両4から形成される。
【0021】
従来においては、編成車両2には好ましくは各車両の端部に先頭ユニット3が含まれ、これにより2方向への交互走行が半回転の必要なしに可能となっている。
【0022】
本発明によると、各車軸には空圧ブレーキ6の1ユニットまたは全体装置が装備される。
【0023】
各ブレーキユニット6にはディスク上あるいは車輪に固定された他の面で作動する従来の空圧ブレーキの装置全体が含まれる。これらの装置には空圧ブレーキ作動器7が含まれて、これは供給タンク8とも呼ばれる作動ガス貯蔵室からくる空圧原動力のエネルギーをもとに車軸の両輪の各輪と一体となって作動し、この作動ガスは圧縮空気であるのが好ましい。
【0024】
各ブレーキユニット6はブレーキ作動ガスの供給とは独立して好ましくは隣接車両4の屋根に配置されるタンク8に連結されることが好ましい。各ブレーキユニット6はこのようにその空圧エネルギーに関して他から独立していて、これにより漏出または故障の場合にはユニットの切り離しが可能となって都合がよい。
【0025】
しかしながら、複数ブレーキユニット6からなる全体装置用に共通の供給タンクまたは編成車両2上に割り付けられると同時に各ブレーキユニットまたは複数のブレーキユニット6に供給する複数のタンクの利用を考えることも十分可能である。
【0026】
これらのタンク8は共通あるいは個々の発生機からくる圧縮空気が詰められるのが好ましい。
【0027】
好ましくは、これらの1つまたは複数のブレーキユニット6にはさらに、例えば、車輪に関する空転防止、回転不能防止、車軸重量に応じてブレーキ力を緩和する負荷補償に関する装置あるいはその他の適切な装置といった既知の安全機構が車輪間で対称に含まれる。これらの安全機構は好ましくは圧縮空気タンク8とブレーキ制御装置から各車軸向けにブレーキ装置を作動させる機構7の一部をなす1台の制御装置あるいはブレーキ安定化装置にまとめられるのが好ましい。
【0028】
本発明の必須の特徴によると、これらの各ブレーキユニット6にはさらに比例電磁制御弁9EVPが含まれる。複数の比例電磁制御弁(つまり複数のブレーキユニット6)が存在する場合、これらの弁はEVP、EVP………EVP、にて参照される。
【0029】
各車軸により搭載される各ブレーキユニット6の各比例電磁制御弁9は、ブレーキの実行のために当該供給タンク8から圧縮空気が直接供給されるとともに、好ましくはブレーキ制御装置と対応するブレーキ安定化装置を通ってブレーキ作動器7を空圧的に制御する。
【0030】
以降で分かるように、このブレーキは運行中のブレーキと緊急ブレーキとに分けられる。
【0031】
その発生ブレーキの強さによって変わる比例電磁制御弁9の開放は比例電磁制御弁9が受け取るブレーキ指令に応じて変化する。
【0032】
本発明によると、各比例電磁制御弁9は2つのタイプのブレーキ指令、つまり使用される空圧ブレーキ全体装置の従来の空圧指令電線10からくる空気圧変動値から形成される空圧指令、ならびに減速制御装置UCD12からくる指令電線11を通じた電気指令を受け取る。
【0033】
ブレーキ手順の導入のため、本発明によるブレーキシステム1には1つまたは複数のブレーキ指令を出すためにその前に運転手により作動されて運転室に配置される手動機構13が含まれる。
【0034】
示された例によると、この手動機構13は運転手により作動されるよう仕向けられるブレーキペダル14であるのが好ましくその位置によりブレーキは制御される。
【0035】
このブレーキペダル14は、2つのブレーキ状態に対応する2段階機能が含まれるため特別なものである。最初の状態は運行ブレーキと呼ばれると同時に公共輸送の通常の利用に合わせた減速ブレーキの状態である。これは例えば、快適踏み幅CCと呼ばれるペダル14の踏み込みの第1角度区間15に対応する。
【0036】
第2は緊急ブレーキの状態であって、例えば、緊急ブレーキ踏み幅CFUと呼ばれるペダル14踏み込みの第2角度区間16に対応するものである。
【0037】
ブレーキペダル14は、例えば、手動による別の手動機構13、任意の作動器、1つあるいは複数の位置ピックアップあるいはその他の適切な手段により置き換えることができる。
【0038】
手動機構13が図5に示されるようなペダル14である場合、運転手は、単純にペダルをさらによけい踏み込みながら同じ動作によって一方のブレーキ状態から他方の状態へ極めて容易に移せるのが便利である。
【0039】
2段階のペダル機能はペダルの踏み込み難さの差により運転手に知らせられるのが便利でありうるものであって、「抵抗点」により2区間の間つまりは2つのブレーキ状態間の変化域が示されるのが好ましい。この表示は必要に応じて例えば計器盤への表示貼り付けによるかまたは音響または視覚合図によるといった適切な合図の任意の他の手段により補完されても良い。
【0040】
ブレーキペダル14は2つのブレーキ状態に対応する指令の生成と伝達に関する電気段階と空圧段階とからなる機械作動器である。
【0041】
第1角度15に対応するペダル14の踏み幅の第1部分について空圧指令電線10には給電されない。
【0042】
好ましくはペダル14の手動機構13の位置は1つまたは複数の位置ピックアップ17により、好ましくは、角度位置のあるいはこの角度位置に応じた大きさの電気式ピックアップにより検出される。この位置に関連して生ずる情報は電気接続18を使って装置UCD12に伝達される。
【0043】
第2角度区間16に相当する踏み幅の第2部分では、空圧装置箱19がペダル14の踏み込みに比例して起動され、これにより空圧指令が生成され、供給導管20からくる圧縮空気により実行されると同時に、ブレーキユニット6とその比例電磁制御弁9に向けて空圧指令電線10に送られる。それでブレーキ作動器7により車輪に加えられるブレーキ力はこの空圧指令に見合う。
【0044】
図6の図で見てとれるように、第1角度区間15に該当する快適踏み幅CCの間ではペダルの踏み込みの程度の指標となる電気情報のみが装置UCD12に向けて送られる。
【0045】
該角度αから第2角度区間16つまりは緊急ブレーキ状態に移る。空圧指令電線10により比例電磁制御弁9に伝達される空圧指令は、そのとき装置UCD12に宛てられた先行する電気情報と重なる。
【0046】
その値αは対象とされる利用に合った任意の角度値であって例えば10度程度である。
【0047】
減速制御装置UCD 12は、位置ピックアップ17から受け取るペダル14位置に関する電気情報に応じて比例電磁制御弁を制御する計算器EVP 9である。
【0048】
本発明の好ましい実施形態によるとさらに複数の特別に便利な調整機能が提示される。
【0049】
図7はこの装置がさらに徹底して図示される。これには装置UCDの区分全体図が示され主要な機能区分が挙げられている。
【0050】
これは電気力学と空圧式のブレーキシステムの制御によるペダル14の踏み幅に見合う減速の確保を目的とした電気中央装置の問題である。例えば、車両スピードといった機能上または診断にあてられるデータの空圧指令圧および/または電磁制御弁EVP 9によりブレーキ作動器7に伝達される圧は異なる車両の制御/指令システムとやりとりできると便利である。
【0051】
典型的な好ましい実施形態によると、装置UCD 12には2台のマイクロプロセッサ、送るべき1つまたは複数の電気ブレーキ指令を計算する1台の自動制御マイクロコントローラー21、ならびに安全の目的で自動制御マイクロコントローラー21の機能を上手に制御する制御装置マイクロコントローラー22が含まれる。
【0052】
これら2台のマイクロプロセッサは装置UCDの入力段階を形成するデータ取得段階23と連結状態にある。データ取得段階はUCDの入力値に対応する信号を受け取るとともに、これらをマイクロコントローラーによる利用が可能な電気信号に変換する。
【0053】
データ取得段階23はこうしてペダル14の位置の指標を定める1つまたは複数の位置ピックアップ17からくる電気信号を受け取る。また、この段階は自動制御ループからの信号、特に電磁制御弁EVP 9上またはその背後に配置される1台または複数のピックアップ24により実行されると同時に電気接続25を通じてそれぞれ伝達される圧力大きさを受け取ることも可能である。
【0054】
入力データに応じて、自動制御マイクロコントローラー21は別々のブレーキユニット6に送るべきブレーキ指令を計算するとともにそれらを出力段階26へと送る。
【0055】
制御装置のマイクロコントローラー22は自動制御マイクロコントローラー21がなすべきことを制御すると同時に有効化する。異常または機能不全を検出した場合には、1つあるいは複数の出力段階26でこれを作動および/または停止させることができる。さらに、自動制御マイクロコントローラー21の再初期化と同時に再起動の要求もできる。
【0056】
装置UCD 12には少なくとも1つの出力段階26が含まれるとともに好ましくは車両に制御すべき運転ブレーキユニット6がある出力段階26と同じだけ、つまりは制御すべき比例電磁制御弁EVP 9と同じだけ含まれる。
【0057】
示された例については2つの電磁制御弁EVP 9に対応する2つの出力段階26がある。しかしながらあくまでもこの例により限定されるものではない。
【0058】
各出力段階26は好ましくは独立して制御されると同時に、各電磁制御弁EVP 9に様々な指令値を送ることもできる。また、車軸毎に異なるブレーキの獲得も可能で、これは例えば、車軸がすべて同じではないとかあるいは同じように構成されない場合、あるいはブレーキ機構が車軸により異なる損耗程度が示される場合に様々な技術上の理由で便利であり得る。
【0059】
また、このような独立性により万一の場合の1台または複数のブレーキユニット6の機能不全が補償されて、是が非でも車両全体にブレーキが効果的にかかるように自動制御マイクロコントローラー21がブレーキ指令を別のユニットに振り向ける。
【0060】
各電磁制御弁EVP 9上またはその背後に配置される圧力ピックアップ24は圧力の測定値を、電線25を通じて特に装置UCDのデータ取得段階23に送り返すのが好ましい。また、こうして現実に生じた電流と圧力の関係が極めて安定しているとはいえないブレーキの制御を自動制御マイクロコントローラー21に可能にならしめして、圧力状態の自動制御が行われ要求される指令値にこれを調節する。また、このような自動制御により電磁制御弁EVP9あるいはその給電領域における万一の場合の故障の検知も可能となる。
【0061】
各出力段階26には不規則な動きを抑えると同時に出力として緩勾配の電流命令を獲得可能にするジャーク限界フィルター27が含まれることが好ましく、計算電気指令が発生するよう必要電流を発生させると同時にこれを指令電線11に送る電流調整器28が後に続く。
【0062】
この電流調整器28は生じた電流が命令値に調節されるよう電流自動制御ループ30が実現されるために電流ピックアップ29が後に続くのが好ましい。
【0063】
図1に模式的に示された本発明によるブレーキシステム1の基本ユニットはその全容である。
【0064】
これにはペダル14、その電気位置検知器17、その空圧装置箱19、空圧指令電線10、減速指令装置UCD 12、指令電線11並びに比例電磁制御弁EVP 9が含まれる。
【0065】
以降、この基本ユニットに関して本発明によるブレーキシステムの機能が説明される。
【0066】
運行ブレーキ状態
この状態は角度区間15に限定されるペダルの踏み込みに対応したペダル14の快適踏み幅CCの全幅にわたり存在する。
【0067】
この区間では、ペダルの空圧装置箱19は作動しておらず空圧指令電線10は給電されない。
【0068】
装置UCD 12にはペダル14の踏み込み程度に基づいて知らされる1つまたは複数のピックアップ17からくる信号または情報が届く。
【0069】
UCDはまた電気力学ブレーキおよび電気空圧ブレーキの電気制御を通じて車両ブレーキに指令する。
【0070】
必要なブレーキをかけるためには、装置UCD 12はエンジンブレーキ31とも呼ばれる車両エンジンによる電気力学ブレーキの恩恵を受ける。このタイプのブレーキにはブレーキ機構の損耗が生じないメリットがある。また、これによって必要な場合には架線に戻されるかあるいは搭載バッテリーを再充電するために利用可能な電気エネルギーの回収が可能となる。
【0071】
電気力学ブレーキが故障している場合あるいはこれが不十分かあるいは不適合であると分かったときに、例えば、スピードが遅すぎたりあるいは坂の場合に、装置UCD 12は電気空圧ブレーキによりこれを置き換えるかまたは好ましくはこれを補完する。
【0072】
このため、この装置は指令電線11を通じて電気指令をこれに送って比例電磁制御弁EVP9の開放を制御する。そのとき比例電磁制御弁EVP 9はブレーキを補完するためにかつ運転手により要求される減速を得るために圧縮空気をブレーキ作動器7に運ぶ。
【0073】
UCD 12はエンジンブレーキ、空圧ブレーキあるいは2タイプの同時ブレーキの利用を自動的に管理する。選択および/またはその配分は自動的に行われると同時にシステムが運転手にとって非常に明快である点が都合がよい。
【0074】
また、装置UCD 12により乗客の最大の快適さが保証されるように最適化された段階的ブレーキが生じる。このため、装置UCD 12には既に言及された通り、やさしくかつ快適な運転が得られることを可能にする乱れおよび必要ブレーキ勾配の抑制フィルター部品が含まれうる。こうして本発明によるブレーキシステムにより運転手に本当の運転支援が提供される。
【0075】
運行状態では、すべてのブレーキ指令は電気的に伝達される。従ってブレーキシステムの応答時間はペダル14の作動とブレーキの効きまでの間が非常に短い。
【0076】
緊急ブレーキ状態
車両の通常利用の運転条件では、つまり通行の運転および機能に関する通常条件では、緊急ブレーキ状態は利用されず、運転手は前述の運行ブレーキにより乗客にとって最大限の快適さで減速と同時に車両の停止が獲得される。
【0077】
しかしながら、安全の理由で、さらに緊急ブレーキと呼ばれる追加ブレーキの可能性に備える必要がある。このブレーキは快適踏み幅CCに引き継がれる緊急ブレーキCFUの全踏み幅にわたり存在する。
【0078】
この緊急ブレーキは、予見できない理由により運転手に運行ブレーキより迅速かつより効果的なブレーキの制御が強いられる場合、例えば、軌道上の不測の障害物の存在あるいは運行ブレーキシステムならびに特に装置UCD 12の故障時に必要である。
【0079】
開発の目的で、角度αにより図上に記号表示される2段階間の変化域の限界地帯に対応する「抵抗点」の解放時に、運行ブレーキ状態の終了直後に介在する緊急ブレーキ状態の通行録画装置が予定されるのが便利でありうる。
【0080】
この録画のおかげで緊急ブレーキの理由の経験的分析が実施可能であると同時に運行ブレーキの万一の故障が検知できかつ修理できる。
【0081】
緊急ブレーキ状態は信頼性と同時に公共安全性も完璧でなくてはならない。このため、これにはこれらの基準に答える従来の空圧制御による空圧ブレーキ装置が利用される。また、これは迅速であると同時に効果的でなくてはならない。本発明によるブレーキシステムではこれらの特性の改善が可能となる。
【0082】
緊急ブレーキは角度区間16に対応してペダル14のある一定の逸脱範囲にわたり広がる。
【0083】
この範囲については、ペダル14により、一方で装置UCD 12と電気接続18および11を通じた電気指令が、他方で空圧指令電線10内を走る空圧指令が発生する。
【0084】
信頼性かつ公共安全性のある空圧指令による比例電磁制御弁EVP 9の開放の結果、ブレーキ作動器7の作動が起動される。
【0085】
安全の理由で空圧指令電線10は二重にすることができる。そのとき、空圧指令は例えば、より強さの大きい指令を伝達する二重中継弁を横断し通過して電磁制御弁EVP 9にもたらされうる。
【0086】
緊急ブレーキシステムの反応時間が改善されるように、電気指令はさらにはるかに迅速に装置UCD 12にも到達する。これが指令電線11を通じて迅速な電気指令を電磁制御弁EVP 9に送りながら条件が許せばエンジンブレーキ31による電気ブレーキ、そして電気空圧ブレーキを直ちに始動させる。
【0087】
装置UCD 12により電気空圧指令が継続されながら空圧指令値が段階的に電気ブレーキと置き換わるまで常に電気ブレーキが制御される。
【0088】
装置UCD 12は緊急ブレーキCFUの踏み幅においてもブレーキの配分に関与すると同時に、比例電磁制御弁EVP 9に到達する空圧圧力指令値を獲得すると同時にこれらが考慮された最終ブレーキ圧力に応じて内部法則により電気指令値を加える。しかしながら、いずれの場合も、装置UCD 12によって電気指令電線11を経由して空圧指令電線10により制御されるブレーキの低下はどのような場合にも起こりえない。
【0089】
電磁制御弁EVP 9におけるこれらの指令の重複と接続によりほぼ即効かつ効き目の最適なかつ段階的なブレーキが可能となる。
【0090】
本発明によるブレーキシステムの信頼性改善のために、これに、図8に模式的に示されると同時に、ある一定状況において、UCDまたはISU 33の出力抑制装置と呼ばれる手段を用いて減速制御装置12の少なくとも1回出力の阻止を可能にする追加安全装置を加えることも可能である。
【0091】
既に指摘したように、装置UCDはプログラムにより全面的に管理される電気装置である。従って、公共安全性は例えば、制御マイクロコントローラー22の採用のような措置される予防策にもかかわらず完璧ではありえないのは当然である。
【0092】
万一の機能不全の場合には、装置UCD 12は望ましくないブレーキ命令を発生させると同時に危険をあからさまにできる、時ならぬブレーキの起動もさせることができよう。
【0093】
実際、減速制御装置 12により不必要に大きなブレーキ命令が発生する場合には、車両の急激な減速を生じさせる可能性があり、乗客にとっては極めて不快であるだけでなく倒れたりあるいは怪我の危険を伴うことすらありうる。
【0094】
他方で、装置UCD 12が強さは弱いが継続時間の長いブレーキ命令を発生させる場合には、運転手に気がつかれずに伝わる弱いブレーキの起動が起こり得る。その連続する特性により、このブレーキはブレーキ機構に加熱を生じさせる余地があり火災の発生源となりうる。
【0095】
出力抑制装置UCD 33により装置UCD 12の出力1つあるいは複数段階26の給電を断つことができると便利である。このように、装置UCD 12の故障の場合には、たとえ、マイクロコントローラー21および22がその場にそぐわぬブレーキ命令を発生させても、指令電線11を通じてこれが電磁制御弁EVP 9に向けて送られる電気ブレーキ指令に変換されることはない。
【0096】
このため、この追加安全装置には、運転手が作動させるかどうかを検出するピックアップ34あるいは手動機構13ではない好ましくはペダル14が含まれる。
【0097】
ピックアップ14はまた手動機構13の検知位置に応じて2つの状態を示す電気スイッチの機能も果たす。
【0098】
スイッチの第1の状態は手動機構13の停止位置、すなわち、車両の運転手がどのブレーキにも指令を出さない時に手動機構13が存在する位置に対応する。
【0099】
手動機構13が停止位置を離れるとすぐスイッチはその第2段階に移行する。第2段階は、要求されるブレーキの強さがどうであれ運転手がこのブレーキを要求する手動機構13の作動位置に対応する。
【0100】
このピックアップ34はUCDあるいはISU 33の出力抑制器に接続されると同時にこれにその電気状態により手動機構13の位置情報を伝達する。
【0101】
スイッチのおかれた状態によりUCD またはISU 33の出力抑制器は装置UCD 12の出力段階26の給電を遮断あるいは許可する。
【0102】
スイッチがその手動機構13の停止位置に相当する第1状態にある限り、ISU 33はUCD 12の出力段階26の給電は阻止される。このように、また、たとえマイクロコントローラーにより装置UCD 12の機能不全のために望ましくない命令が発生する場合でも、いかなる電気ブレーキ指令も運転手側からのブレーキの要請なしに電磁制御弁EVP 9に到達することはありえない。
【0103】
本発明によるブレーキシステムはこのように完璧な公共上の安全性がある。
【0104】
運転手がブレーキの要求のために手動機構13を作動させる時、ピックアップ34のスイッチはその第2状態に移行すると同時に、ISU 33が装置UCD 12の出力段階26の給電を再開する。装置UCD 12はそのとき電磁制御弁EVP 11に前述の原則に応じて電気ブレーキ指令を送ることができる。
【0105】
UCD 33の出力抑制器は車両が停車している場合に装置UCD 12の出力段階26の給電を再開するのもまた好ましい。
【0106】
この装置の複数の変型例は容易に考えつくことができる。
【0107】
例えば、ピックアップ34は独立しているかあるいは電線18を通じた装置UCD 12のデータ取得段階23での手動機構13の位置情報の伝達に利用される手動機構13の位置17ピックアップとの兼用でも良い。
【0108】
考えられる別の変型例によると、スイッチ機能はピックアップ34と切り離されても良い。この場合には、独立したスイッチが追加されなくてはならない。
【0109】
他方で、ピックアップ34は独立しているかあるいはUCD 33の出力抑制器に一体化されても良い。同様にして、ISU 33は装置UCD 12から分離されるかあるいはこれと一体化されても良い。
【0110】
本発明の別の好ましい実施形態によると、UCD 33の出力抑制器は1台または複数台の電磁制御弁EVP 9に接続され装置UCD 12の出力段階26の給電しか制御せずにエンジンブレーキ31を制御する出力段階には給電できないことが都合良い。
【0111】
このように、ISU 33は危険の可能性のあるブレーキを遮断するとともに危険のないエンジンブレーキ31の電気力学ブレーキを遮断することはない。こうして例えば車両スピードが上がりすぎた場合のカーブ前の自動ブレーキのようにエンジンブレーキによる自動ブレーキ機能の維持が可能となる。
【0112】
運転手により制御されないこれらの機能はたとえ手動機構13が停止位置にあっても、つまりISU 33が電気制御弁EVP 9に接続される装置UCD 12の出力段階26の給電が遮断された場合でも作動しなくてはならない。
【0113】
手動機構13の位置に加えて、別の条件により出力抑制器をUCD 33が作動させられると同時に
ここから装置UCD 12の1つあるいは複数の出力段階26の給電を開始するかあるいは休電するのが好ましい場合がある。
【0114】
これらの条件のうちの1つは特に安全ブレーキ35指令の存在である。ある一定の状況においては、例えば、任意の車両扉の開放、誘導システムの遊離、運転手の気分悪化あるいは緊急停止装置の手動起動の場合に、安全ブレーキ35の指令が車両のブレーキシステムに送られる。発生ブレーキは完全な信頼性がなくてはならないためブレーキの空圧指令が利用されなくてはならない。
【0115】
システムの信頼性をさらに上げるために、安全ブレーキが必要な時に装置ISU 33が装置UCD 12の出力段階26の給電が遮断されて、必要とされる安全性について最大限のレベルを保証する完璧に信頼性のある空圧制御による空圧ブレーキの装置しか機能させないようにするのが好ましい。
【0116】
専門家であれば、この安全装置、特に例えばその全体装置の中で装置UCD 12の給電を制御する装置ISU 33、そしてもはやその1つまたは複数の出力段階26だけではないものの別の変型例を考えつくことができよう。
【0117】
本発明によるブレーキシステムは図2から図4に例として示されるように例えば陸路上および公共輸送の多車軸の編成車両2多車軸の車両に都合よく応用可能である。
【0118】
このため本発明によるブレーキシステムには、共用あるいは独立の供給タンク8に接続される各比例電磁制御弁EVP 9が含まれる好ましくは車軸当たり1つの複数のブレーキユニット6、ならびにブレーキ作動器7が含まれる。
【0119】
これらの各ブレーキユニット6の電磁制御弁EVP 9は1本あるいは2本であっても良いと同時にこの場合には、好ましくは少なくとも1ヵ所の二重中継弁が含まれる指令電線10を通じて空圧的にペダル14の空圧装置箱19に接続される。
【0120】
また、これは各電磁制御弁EVP 9に指定された指令電線11により装置UCD 12にも電気接続される。各電磁制御弁EVP 9は前述の圧力状態で自動制御が行われるのを可能にする別の特定の電気接続25により好ましくは装置UCD 12に接続される。
【0121】
これらのブレーキユニット6の機能は上記で詳細に説明された基本ユニットのものと同様であり、装置UCD 12はまたできる限り改造されかつできるだけ効果のあるブレーキ全体の挙動を得るためにこれらの各ユニット6の機能の独立した管理が可能である。
【0122】
車両が長くかつ多くのブレーキユニット6が数多く含まれる場合には、空圧指令は車両の端から端まで空圧指令電線10に沿って伝わるのに比較的長い時間を必要とする。このため反応時間の問題が重要になってくる。
【0123】
本発明によるブレーキシステムはこの問題に満足すべき応答をもたらすので、このような用途において特に便利なものとなる。実際に、装置UCD 12は迅速な伝播によりほぼ同時にかつ空圧指令よりもはるかに速く作動する電気指令をすべての比例電磁制御弁EVP 9まで送る。空圧指令はその到達位置に応じて段階的に電気指令に加えられる。ブレーキ効果は大幅に改良されると同時にブレーキ機構の損耗がよりうまく配分されることが分かる。
【0124】
装置UCD 12から出発してこれで終わる電気接続の数を制限するためには、編成車両2に割りつけられるUCD、UCD、、、の複数の装置UCD 12が利用されるのが便利でありえる。実際、二重電気接続11と25は装置UCD 12と各電磁制御弁EVP 9の間に存在しなくてはならない。これらの減速制御装置UCDは例えば、プロトコルCANに応じて機能する接続バス32により相互間で接続されるのが好ましい。
【0125】
こうして車両の各端部に配置される2台の装置UCD 12が利用されるのが好ましい。編成車両2の先頭に配置される装置UCDはペダル14からのデータを受け取るとともに、親装置として利用されるのが好ましい。この装置は車両前部付近に配置されるブレーキユニット6の最初の半分を直接制御する。
【0126】
2台目の装置UCDは好ましくは、例えばプロトコルCANにより機能するバス32の接続を介して親の装置UCDからの指示を受け取る子の装置である。このためこの装置は車両の後部に位置する残りの半分のブレーキユニット6を制御する。
【0127】
それでも装置UCD 12間のブレーキユニット6の割り付けは各用途に固有の様々な技術上の制約により異なりうる。
【0128】
公共輸送編成車両には半回転させることなく両方向に走行できるためにその各端部に先頭ユニット3が含まれることが多い。これらの先頭ユニット3にはブレーキペダル14を伴った各運転席が含まれる。
【0129】
図3に示されるように、本発明によるブレーキシステムはペダルからのデータ14を受け取ると同時に好ましくは、例えばプロトコルCANにより機能する接続バス32によって別の装置UCDに接続される各頭部ユニットに装置UCD 12が含まれるのが便利でありうる。
【0130】
この場合には、2台の装置UCD 12は同じものであると同時に、使用される運転席に応じて相互に交互に親あるいは子の装置の役割を果たすことができる。
【0131】
示される例には2台の装置UCDが含まれるが、1台のみや3台のあるいはそれ以上の台数の装置の場合も考えられる。
【0132】
本発明の好ましい実施形態によると、これらの減速制御装置UCD 12のうちの1台は手動機構13の位置に関する情報を受け取るとともに、子である残りの装置UCD 12に関する親装置として使用される。
【0133】
このように、例えば、ブレーキユニット6によりつまりは車軸により単純化された装置UCDの利用も考えられ、これらのマイクロ装置UCDは手動機構13の位置に関するデータを受け取る親装置UCD 12と各電磁制御弁EVP 9間のインターフェースとして利用される。
【0134】
本発明はこれまでに説明されると同時に様々な図に示された好ましい実施形態に限定されず、専門家により本発明の及ぶ範囲からもその骨格からも逸脱せずに多くの変更がもたらされると同時にその他の変型が考案されうることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0135】
その他の本発明の特徴や利点は例としてかつ図面を伴って与えられる以降の説明の中で明らかになろう。すなわち、
【0136】
【図1】本発明によるブレーキシステムの基本ユニットの機能を単純化した概要図
【図2】複数のブレーキユニットが含まれる本発明によるブレーキシステム例の機能全体概要図
【図3】車両の両端にある3つのブレーキユニットと1つのブレーキペダルによる本発明の別のブレーキシステム例に関する機能全体概要図
【図4】4台のブレーキユニットと2台の減速制御装置による本発明の別のブレーキシステム例に対応したさらに徹底した電気空圧構成概要図
【図5】ブレーキペダルの概要図
【図6】ブレーキペダルに関する指令形態を示す模式図
【図7】減速制御装置およびその周辺環境の区分概要図
【図8】UCDの出力の抑制器タイプの追加安全装置が備えられた本発明によるブレーキシステムの基本ユニット例に関する機能概要図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ作動ガスの供給タンク(8)に接続される各車軸につき1台の空圧ブレーキユニット(6)が含まれると同時にブレーキ作動機構(7)が含まれる多車軸陸路用車両用電気空圧式制御によるブレーキシステムであって、
ブレーキ手順の導入のため車両の運転手により作動されると同時にその位置により必要なブレーキの強さが決められる運行および緊急ブレーキ状態に対応する機能の2段階手動機構(13)、
該手動機構(13)が作動される場合にブレーキの電気指令および/または空圧指令を受け取ると同時に1回または複数回の受け取り指令に見合う自身の開放によりブレーキ作動機構(7)が供給タンク(8)と相通じて必要なブレーキ力を発生させる各ブレーキユニット(6)用の比例電磁式制御弁EVP(9)、
手動機構(13)の位置に関する情報を受け取ると同時に、手動機構(13)が作動する場合に電磁弁EVP(9)開放の電気制御に充てられる電気ブレーキ指令をこの位置から発生させる少なくとも1台の減速制御装置UCD(12)、
装置UCD(12)と各電磁弁EVP(9)間の電気上の接続を形成するとともに電気指令の伝達を可能にする各ブレーキユニット(6)用の指令電線(11)、
手動機構(13)と電磁弁EVP(9)間の空圧上の連結を構成するとともに、緊急ブレーキの状態でのみ手動機構(13)により発生される空圧指令の伝達を可能にする空圧指令電線(10)が含まれることを特徴とするブレーキシステム
【請求項2】
装置UCD(12)によりエンジンブレーキシステム(31)とも呼ばれる車両原動機により電気力学的ブレーキも制御されることを特徴とする請求項1による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項3】
装置UCD(12)によりエンジンブレーキシステム(31)の利用が許されると同時にこれが不十分あるいは有効でない場合には必要に応じて、空圧ブレーキにより補完あるいは置換されることを特徴とする請求項2による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項4】
ブレーキペダル(14)は2段階手動機構(13)であることを特徴とする請求項1から請求項3までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項5】
ペダル(14)の踏み込みに関する2つの連続角度区間(15,16)がペダル(14)の2つの作用段階に相当することを特徴とする請求項4による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項6】
運転手がペダルの踏み込み堅さの差により2つのペダル(14)作用段階を知ることを特徴とする請求項4または請求項5による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項7】
さらに緊急ブレーキ状態の経過録画装置が含まれることを特徴とする請求項1から請求項6までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項8】
さらに手動機構(13)の位置を検知すると同時にこの位置に関連する情報を装置UCD(12)に伝達する少なくとも1個の位置ピックアップ(17)が含まれることを特徴とする請求項1から請求項7までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項9】
各ブレーキユニット(6)がブレーキ作動ガスの供給から独立してタンク(8)に接続されることを特徴とする請求項1から請求項8までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項10】
これらの供給タンク(8)が一般の発生機からくる圧縮空気で満たされることを特徴とする請求項9による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項11】
ブレーキユニット(6)の少なくとも1台にさらにブレーキの検査兼安定化ユニットが含まれることを特徴とする請求項1から請求項10までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項12】
さらに圧力の自動制御が行われるように電線(25)を通じて装置(12)に向けて圧力の測定値を送り返す各電磁弁EVP(9)上またはその背後に配置される少なくとも1台の圧力ピックアップ(24)が含まれることを特徴とする請求項1から請求項11までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項13】
装置UCD(12)に、装置UCDの入力段階が形成されると同時に手動位置(13)に関する情報が受け取られるデータ取得段階(23)、送信する電気ブレーキ指令を計算する自動制御マイクロコントローラー(21)、自動制御マイクロコントローラー(21)を制御する制御マイクロコントローラー(22)、ならびに、計算される電気指令を発生させると同時に指令電線(11)にこれを送信する電流調整器(28)が含まれる少なくとも1つの出力段階(26)が含まれることを特徴とする請求項1から請求項12までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項14】
出力段階(26)にさらにジャーク制限フィルター(27)および電流の自動制御ループ(30)の実行のために電流調整器(28)の背後に配置される電流ピックアップ(29)が含まれることを特徴とする請求項13による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項15】
装置UCD(12)にこれが制御すべきブレーキユニット(6)が有する出力段階と同じだけの出力段階(26)が含まれこれらの各出力段階(26)が独立して制御されることを特徴とする請求項13または請求項14による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項16】
さらに、手動機構(13)が停止位置にある時および/または安全ブレーキ(35)指令の場合に減速指令装置UCD(12)の少なくとも1つの出力の遮断を可能にする出力抑制器UCD ISU(33)が含まれることを特徴とする請求項1から請求項15までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項17】
UCD ISUの出力抑制器(33)が装置UCD(12)またはこの装置UCD(12)の少なくとも1つの出力段階(26)の給電を遮断あるいは許可することを特徴とする請求項16による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項18】
出力抑制器UCD ISU(33)によって装置UCD(12)により制御されるエンジンブレーキ(31)が遮断されないことを特徴とする請求項2または請求項16による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項19】
さらに手動機構(13)が作動位置または停止位置にあるかどうかを検知すると同時に、手動機構(13)が作動位置または停止位置にあるかに応じた2つの段階に対して電気スイッチの機能を果たすピックアップ(34)が含まれることを特徴とする請求項16から請求項18までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項20】
連結バス(32)により相互間が連結される少なくとも2台の減速指令装置UCD(12)が含まれることを特徴とする請求項1から請求項19までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項21】
これらの減速指令装置UCD(12)のうちの1台が手動機構(13)の位置に関する情報を受け取ると同時に隷属する他の装置UCD(12)のために親装置として利用されることを特徴とする請求項20による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項22】
車両の両端のそれぞれにおいて減速指令装置UCD(12)が含まれ、車両の通行方向に応じて親装置または子装置として交互に利用されることを特徴とする請求項21による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項23】
手動機構(13)の位置に関する情報を受け取る減速指令親装置UCD(12)および該親装置UCDと各比例電磁式制御弁EVP(9)間のインターフェースとして利用されるブレーキユニット(6)により簡略化されるUCD子装置が含まれることを特徴とする請求項21による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項24】
空圧指令電線(10)が2重にされると同時に少なくとも1組の2重中継弁が含まれることを特徴とする請求項1から請求項23までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム
【請求項25】
タイヤ式自動誘導公共輸送多車軸編成車両向けが用途とされることを特徴とする請求項1から請求項24までの任意の請求項による電気空圧指令によるブレーキシステム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−518224(P2009−518224A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543863(P2008−543863)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【国際出願番号】PCT/FR2006/002649
【国際公開番号】WO2007/065994
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(508160381)ロール インダストリー (11)
【Fターム(参考)】