説明

射出発泡成形方法及び射出発泡成形機

【課題】 複数の樹脂充填容量の異なる金型キャビティに、順次発泡性樹脂を射出充填する射出成形機による射出発泡成形時に、成形品の表面にスワールマークやシルバーが現れることを防止できるような射出発泡成形方法及び射出発泡成形機を提供することを目的とする。
【解決手段】 射出ユニットから金型ユニット内の金型キャビティ内へ発泡性溶融樹脂を射出して成形品を成形する射出発泡成形方法において、金型キャビティへ加圧された発泡性樹脂を射出充填するとき、金型キャビティ内の樹脂流動先端部が金型キャビティ内の末端に到達する時間を発泡生成時間より格段に短くし、金型に接する樹脂表面における発泡気泡が成長する前に樹脂表面が固化し、成形品のコア部は成長した気泡が満ちた発泡樹脂材となるように樹脂射出充填速度を制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状やサイズの異なった複数の金型キャビティを有する金型を用いた射出発泡成形方法に関し、特に、その射出速度の制御を金型キャビティ毎に個別に行うようにした射出発泡成形方法及び射出発泡成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機による射出発泡成形品は、表面を非発泡のまま硬化させた後、内部を高発泡させて外観の見栄えが良く、軽い成形品とすることを狙いとし、そのために、加熱可塑化した発泡性樹脂を高圧で金型内に射出し、射出が終わり金型に接している成形品の表面が冷却して硬化した後、金型キャビティの容積を拡大して成形品の内圧を下げ成形品内部を発泡させる射出発泡成形方法が従来から知られている。
【0003】
しかしながら、このような射出発泡成形品は、発泡性樹脂の射出時に樹脂圧が急に低下することにより発生する発泡ガスが金型キャビティ内に閉じ込められることや、金型キャビティを成形品容積まで拡大するときに、表面の固化層が金型内面の移動に追従できず、金型内面から剥離し、金型内面に沿わない樹脂の自由固化面が生じることにより、外観を損ねるスワールマーク(発泡ガス跡)やシルバー(銀条痕)が発生し易い。
【0004】
従来、これを防止するため、例えば、射出中又は直後にキャビティーの容積を縮小させて溶融した発泡性プラスチック組成物を完全に充填し、射出充填完了後に金型面に接触する固化層と内部の溶融層が混在する状態まで冷却した後、キャビティーの容積を目的とする成形品の容積まで拡大し更に冷却してから発泡プラスチック成形品を取り出す方法が提案されている(例えば、特許文献1。)。
【0005】
また、金型キャビティ面に断熱層を有する金型を用い、射出した発泡性樹脂を金型キャビティ面に圧接させた後、金型キャビティ容積を拡大して内部を発泡させる方法も提案されている(例えば、特許文献2。)。
【0006】
【特許文献1】特開平8−300392公報
【特許文献2】特開2000−71277号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の従来提案された特許文献1又は特許文献2に記載のものは、いずれも発泡のために金型を開閉するとき、決まった位置に一定速度で金型を移動するため、未硬化樹脂の温度条件変化に対応することが困難で、金型移動速度が早すぎるときは、発泡による膨張が間に合わず発泡ガスや空気が成形品と金型の間に入り込み、金型移動速度が遅いときは、発泡膨張中に樹脂が硬化して、やはり発泡ガスや空気が成形品と金型の間に入り込み、どちらの場合でもスワールマーク(発泡ガス跡)やシルバー(銀条痕)となる可能性があるという問題がある。
【0008】
また、形状やサイズの異なる、複数の金型キャビティを有する金型には、各金型キャビティ毎に形状やサイズに応じて射出条件が異なるため、採用できないという問題がある。
本発明は、上記問題点を解決するために提案されたもので、形状やサイズの異なる、複数の金型キャビティを有する金型において、複数の金型キャビティに順次発泡性樹脂を射出充填する時に、成形品の表面にスワールマークやシルバーが現れることを防止できる射出発泡成形方法、及び射出発泡成形機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたもので、特許請求の範囲に記載された各発明は、射出発泡成形方法、及び射出発泡成形機として、それぞれ以下の(1)〜(10)に述べる各手段を採用したものである。
【0010】
(1)第1の手段は、射出ユニットから金型ユニット内の金型キャビティ内へ発泡性溶融樹脂を射出して成形品を成形する射出発泡成形方法において、前記金型キャビティへ加圧された発泡性樹脂を射出充填するとき、前記金型キャビティ内の樹脂流動先端部が前記金型キャビティ内の末端に到達する時間を発泡生成時間より格段に短くし、金型に接する樹脂表面における発泡気泡が成長する前に樹脂表面が固化し、成形品のコア部は成長した気泡が満ちた発泡樹脂材となるように樹脂射出充填速度を制御することを特徴とする。
【0011】
(2)第2の手段は、形状やサイズの異なる複数の金型キャビティと同金型キャビティ毎の樹脂通路とを有する金型ユニットを用い、射出ユニットから金型ユニット内に発泡性溶融樹脂を射出して複数の成形品を成形する射出発泡成形方法において、前記各金型キャビティへそれぞれ樹脂通路及び樹脂ゲート開閉手段を設け、第1の金型キャビティ内へ樹脂ゲート開閉手段を開いて加圧された所定量の発泡性樹脂を射出充填した後、前記樹脂ゲート開閉手段を閉じ、続いて第2の金型キャビティ内へ樹脂ゲート開閉手段を開いて加圧された所定量の発泡性樹脂を射出充填した後、前記樹脂ゲート開閉手段を閉じ、同様に金型キャビティ内へ樹脂ゲート開閉手段を開閉して順に所定量の樹脂を射出充填することにより、全ての金型キャビティ内の樹脂流動先端部がキャビティ末端に到達する時間を発泡生成時間より格段に短くし、金型に接する樹脂表面における発泡気泡が成長する前に樹脂表面が固化し、成形品のコア部は成長した気泡が満ちた発泡樹脂材となるように樹脂射出充填速度を制御することを特徴とする。
【0012】
(3)第3の手段は、第1又は2に係る射出発泡成形方法において、前記金型キャビティ内へ射出充填する時間は、全て1秒以下とすることを特徴とする。
【0013】
(4)第4の手段は、第1〜3のいずれかに係る射出発泡成形方法において、前記金型キャビティの末端側に樹脂溜まりを設けて、発泡膨張し前記金型キャビティから洩れ出た樹脂を収容するようにしたことを特徴とする。
【0014】
(5)第5の手段は、第1〜3のいずれかに係る射出発泡成形方法において、前記金型キャビティ内に出し入れ可能な突出コアを設け、発泡膨張した樹脂の容積を収容するようにしたことを特徴とする。
【0015】
(6)第6の手段に係る射出発泡成形機は、射出ユニットにより金型ユニット内に発泡性溶融樹脂を射出充填して複数の成形品を成形する射出発泡成形機において、前記金型ユニット内に設けられた形状やサイズの異なる複数の金型キャビティと、同複数の金型キャビティにそれぞれ接続された複数の樹脂通路と、同樹脂通路をそれぞれ開閉する複数の樹脂ゲート開閉手段と、前記金型キャビティを順に発泡性溶融樹脂を射出充填すべく前記複数の樹脂ゲート開閉手段により前記複数の樹脂通路を各々開閉する制御装置とを備えたことを特徴とする。
【0016】
(7)第7の手段は、第6に係る射出発泡成形機において、前記制御装置は、予め設定された射出スクリュストロークと射出速度のパターンに応じて射出速度を制御し、各々のキャビティに充填完了後、樹脂の圧抜きを行い、圧抜き後のスクリュ位置を次のキャビティへの射出開始位置としてリセットし、予め設定された射出スクリュストロークと射出速度パターンに応じて射出速度を制御することを特徴とする。
【0017】
(8)第8の手段は、第6又は7に係る射出発泡成形機において、前記複数の金型キャビティ末端側にそれぞれ接続された複数の樹脂溜りと、前記複数の金型キャビティから前記複数の樹脂溜りへの通路にそれぞれ設けられた複数の加熱手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
(9)第9の手段は、第6又は7に係る射出発泡成形機において、前記複数の金型キャビティ内に各々出入り可能に設けられた複数の突出コアと、同複数の突出コアの作動を制御する液圧回路とを備えたことを特徴とする。
【0019】
(10)第10の手段は、第9に係る射出発泡成形機において、前記突出コアの作動を制御する液圧回路は、前記複数の突出コアが収納されたコア用シリンダ室に連結された配管と、前記複数の突出コアを前記金型キャビティ側に各々付勢する複数の圧縮ばねと、前記複数の配管に各々介装された複数の流量調整弁とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
特許請求の範囲に記載の各請求項に係る発明は、上記の(1)〜(10)に記載の各手段を採用しているので、それぞれ以下のような効果を有する。
(1)請求項1に係る発明は上記第1の手段を採用しているので、射出ユニットから金型ユニット内の金型キャビティ内へ発泡性溶融樹脂を射出して成形品を成形する射出発泡成形方法において、前記金型キャビティへ加圧された発泡性樹脂を射出充填するとき、前記金型キャビティ内の樹脂流動先端部が前記金型キャビティ内の末端に到達する時間を発泡生成時間より格段に短くし、金型に接する樹脂表面における発泡気泡が成長する前に樹脂表面が固化し、成形品のコア部は成長した気泡が満ちた発泡樹脂材となるように樹脂射出充填速度を制御することにより、樹脂内圧の低下に伴う溶融ガスの発泡気泡が合流して大粒に成長する前に樹脂表面が固化し、各成形品の表面に目立った発泡痕が現れず、成形品の表皮は固くて丈夫になり、また、コア部分はゆっくり気泡が成長して大きな気泡が生成されるので、軽くて丈夫な成形品が得られる。
【0021】
(2)請求項2に係る発明は上記第2の手段を採用しているので、形状やサイズの異なる複数の金型キャビティと同金型キャビティ毎の樹脂通路とを有する金型ユニットを用い、射出ユニットから金型ユニット内に発泡性溶融樹脂を射出して複数の成形品を成形する射出発泡成形方法において、複数の金型キャビティの内、樹脂を充填後の冷却時間が長い金型キャビティから順に、前記各金型キャビティへそれぞれ樹脂通路及び樹脂ゲート開閉手段を設け、第1の金型キャビティ内へ樹脂ゲート開閉手段を開いて加圧された所定量の発泡性樹脂を射出充填した後、前記樹脂ゲート開閉手段を閉じ、続いて第2の金型キャビティ内へ樹脂ゲート開閉手段を開いて加圧された所定量の発泡性樹脂を射出充填した後、前記樹脂ゲート開閉手段を閉じ、同様に金型キャビティ内へ樹脂ゲート開閉手段を開閉して順に所定量の樹脂を射出充填することにより、全体の射出工程1サイクルの時間を最短とすることができる。
更に、全ての金型キャビティ内の樹脂流動先端部がキャビティ末端に到達する時間を発泡生成時間より格段に短くし、金型に接する樹脂表面における発泡気泡が成長する前に樹脂表面が固化し、成形品のコア部は成長した気泡が満ちた発泡樹脂材となるように樹脂射出充填速度を制御することにより、樹脂内圧の低下に伴う溶融ガスの発泡気泡が合流して大粒に成長する前に樹脂表面が固化し、各成形品の表面に目立った発泡痕が現れず、成形品の表皮は固くて丈夫になり、また、コア部分はゆっくり気泡が成長して大きな気泡が生成されるので、軽くて丈夫な成形品が得られる。
【0022】
(3)請求項3に係る発明は上記第3の手段を採用しているので、請求項1又は2の発明に係る効果に加えて、前記金型キャビティ内へ射出充填する時間は、全て1秒以下とすることにより、成形品表面の外観を向上させることができる。
【0023】
(4)請求項4に係る発明は上記第4の手段を採用しているので、請求項1〜3のいずれかに記載の発明に係る効果に加えて、前記金型キャビティの末端側に樹脂溜まりを設けて、発泡膨張し前記金型キャビティから洩れ出た樹脂を収容するようにしているので、射出樹脂量のバラツキをカバーすることができると同時に、無圧発泡が可能となる。
【0024】
(5)請求項5に係る発明は上記第5の手段を採用しているので、請求項1〜3のいずれかに記載の発明に係る効果に加えて、前記金型キャビティ内に出し入れ可能な突出コアを設け、発泡膨張した樹脂の容積を収容するようにしているので、加圧下の射出充填が可能であると同時に、突出コアが押し出されることにより、金型キャビティは発泡による膨張後の形状を整えることができ、正確な膨張率と形状を有する成形品を得ることができる。
【0025】
(6)請求項6に係る発明は上記第6の手段を採用しているので、射出ユニットにより金型ユニット内に発泡性溶融樹脂を射出充填して複数の成形品を成形する射出発泡成形機において、前記金型ユニット内に設けられた形状やサイズの異なる複数の金型キャビティと、同複数の金型キャビティにそれぞれ接続された複数の樹脂通路と、同樹脂通路をそれぞれ開閉する複数の樹脂ゲート開閉手段と、前記金型キャビティから順に発泡性溶融樹脂を射出充填すべく前記複数の樹脂ゲート開閉手段により前記複数の樹脂通路を各々開閉する制御装置とを備えたことにより、複数の金型キャビティの内、樹脂を充填後の冷却時間が長い金型キャビティから順に射出成形が行われ、全体の射出工程1サイクルの時間を最短とすることができる。
【0026】
(7)請求項7に係る発明は上記第7の手段を採用しているので、請求項6に記載の発明に係る効果に加えて、前記制御装置は、各々のキャビティ充填完了後、樹脂の圧抜きを行い、圧抜き後のスクリュ位置を次のキャビティへの射出開始位置としてリセットするので、射出樹脂量のバラツキをカバーすることができる。
【0027】
(8)請求項8に係る発明は上記第8の手段を採用しているので、請求項6又は7に記載の発明に係る効果に加えて、前記複数の金型キャビティ末端側にそれぞれ接続された複数の樹脂溜りと、前記複数の金型キャビティから前記複数の樹脂溜りへの通路にそれぞれ設けられた複数の加熱手段とを備えたことにより、金型キャビティ内に充填された樹脂が発泡膨張するとき、余分の樹脂は、加熱手段により加熱されて前記樹脂溜まりへスムーズに流出するため、無圧発泡が可能となる。
【0028】
(9)請求項9に係る発明は上記第9の手段を採用しているので、請求項6又は7に記載の発明に係る効果に加えて、前記複数の金型キャビティ内に各々出入り可能に設けられた複数の突出コアと、同複数の突出コアの作動を制御する液圧回路とを備えており、発泡樹脂の充填時、突出コアは液圧回路により所定の圧力で押し出され、金型キャビティは発泡による膨張後の形状を整えることができ、正確な膨張率と形状を有する成形品を得ることができる。
【0029】
(10)請求項10に係る発明は上記第10の手段を採用しているので、請求項9に記載の発明に係る効果に加えて、前記突出コアの作動を制御する液圧回路は、前記複数の突出コアが収納されたコア用シリンダ室に連結された配管と、前記複数の突出コアを前記金型キャビティ側に各々付勢する複数の圧縮ばねと、前記複数の配管に各々介装された複数の流量調整弁とを備えており、発泡樹脂の充填前は、圧縮ばねにより突出コアは金型キャビティ内に入り込んでおり、溶融樹脂充填時の短時間では、突出コアは殆ど移動せず、充填された樹脂の発泡による緩徐な膨張時には、気泡の成長に伴って突出コアは発泡圧に押されて流量調整弁により所定の速度で金型側へ引き込まれるので、成形品のコア部分はゆっくり気泡が成長して大きな気泡が生成され軽くて丈夫な成形品が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の射出発泡成形機及び射出発泡成形方法についての実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係わる複数の金型キャビティを有する金型ユニット、電動の射出ユニット及び制御系統を一部を断面で示す模式図である。
図2は、図1における金型の断面図、図3は、図1における金型の樹脂溜まりを設けた場合の断面図、図4は、図1における金型の突出コアを設けた場合の断面図、図5は、図1における金型ユニットと射出ユニットの制御工程ブロック図である。
【0031】
まず、図1、2に基づき、金型ユニット、射出ユニット及び制御系統を説明する。
射出成形機は、図示略の共通台上に載置された射出ユニット1、金型ユニット5、各種の配管、電線、及び制御装置等により構成されている。
【0032】
(射出ユニットの構成)
先ず、図1に基づき、射出ユニット1の構造について説明する。
図示略の共通台上の一端側には、射出ユニット1の固定フレーム13、及び共通台上を固定フレーム13に向って移動する移動フレーム14が取り付けられている。
固定フレーム13の中央には、射出シリンダ3が一体的に設けられている。
射出シリンダ3の先端は、後記する金型ユニット5の支持盤8に接続されている。
【0033】
そして、射出シリンダ3内には、射出スクリュ2が前後進可能に内蔵されている。
射出スクリュ2の一端側は、回転可能に且つ軸方向の移動を拘束するように、移動フレーム14に取り付けられている。
移動フレーム14には、この射出スクリュ2を回転駆動するスクリュ回転駆動用モータ4が備えられている。
【0034】
また、固定フレーム13の周囲には、射出スクリュ2の軸に対して対称的に複数のボールねじナット16が設けられている。
各ボールねじナット16には、各々ボールねじ軸15が回転自在に挿入されている。
各ボールねじ軸15の一端側は、回転可能に且つ軸方向の移動を拘束するように、移動フレーム14に取り付けられている。
移動フレーム14には、この複数のボールねじ軸15を回転駆動するサーボモータ17が各々備えられている。
そして、この複数のボールねじナット16、ボールねじ軸15及びサーボモータ17により、電動ボールねじ装置が構成されている。
【0035】
射出ユニット1は、上述のごとく構成されており、スクリュ回転駆動用モータ4により射出スクリュ2を回転させることにより、射出シリンダ3内の発泡樹脂を混練する。
そして、各サーボモータ17により各ボールねじ軸15を同期して回転させることにより、各ボールねじ軸15は固定フレーム13内のボールねじナット16内を回転しながら前進する。
これに伴って、移動フレーム14及び射出スクリュ2も前進し、射出シリンダ3内の混錬された発泡樹脂は、金型ユニット5内へ射出される。
【0036】
なお、射出ユニット1及び金型ユニット5には、圧力、温度、位置等を検出する図示略の各種の検出器が設けられており、これらの各種の検出器からの検出信号は制御装置40の制御回路42に入力される。
すると、制御回路42により、サーボモータ17の回転数信号を受け、射出スクリュ2の射出工程でのスクリュ2の速度と位置が、設定器41に設定、記憶された設定速度値、位置となるように、スクリュ回転駆動用モータ4及びサーボモータ17がフィードバック制御される。
【0037】
(金型ユニットの構成)
次に、金型ユニット5の構造につき説明する。
金型ユニット5は、射出成形機の図示略の共通台上に固定された支持盤8と、支持盤8に密着して射出ユニット1の反対側に配設された固定金型6と、固定金型6のキャビティ形成面側に移動可能に固定金型6に対峙して配設された可動金型7と、各種の配管、電線、及び制御装置等により構成されている。
【0038】
固定金型6及び可動金型7の対峙する面には、この固定金型6が可動金型7と結合したとき、溶融樹脂を受け入れる第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cが形成されている。
【0039】
なお、図2は、第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cの一例を示すものであり、固定金型6及び可動金型7の対峙する面には、図2に図示のように、金型キャビティ12が形成されている。
【0040】
可動金型7は、成形品取り出しのとき固定金型6から離れる方向に大きく移動可能となっている。
また、固定金型6内及び支持盤8内には、ホットランナ9が固定金型6内及び支持盤8から間隔を明けて取り付けられている。
ホットランナ9内には、射出シリンダ3と第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cとを接続する樹脂通路10a、10b、10cが形成されている。
ホットランナ9は、その内部を流れる溶融樹脂が固まらぬように常時加温されている。
【0041】
ホットランナ9の第1、2、3金型キャビティ12a、12b、12cへの入り口部11a、11b、11cは、円錐形状に絞られており、プランジャー形状の樹脂ゲートバルブ18a、18b、18cのバルブ受け座となっている。
各樹脂ゲートバルブ18a、18b、18cは、ホットランナ9及び支持盤8を液密に貫通して、支持盤8に設けられた3組の油圧シリンダ19a、19b、19cに結合されている。
そして、この入り口部11a、11b、11c、樹脂ゲートバルブ18a、18b、18c及び油圧シリンダ19a、19b、19cにより、各々樹脂ゲート開閉手段が形成されている。
【0042】
なお、各油圧シリンダ19a、19b、19cは、配管を介して切換バルブ43に接続されている。
切換バルブ43は、制御装置40内の制御回路42により、切換えられるようになっている。
一方、設定器41には、射出工程における各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cのタイミング順が設定されている。
そして、射出成形時、制御回路42によって、設定器41に設定されたタイミング順に従って、切換バルブ43に開閉作動の信号が送信され、切換バルブ43から、各樹脂ゲートバルブ18a、18b、18cを開閉する各油圧シリンダ19a、19b、19cに個別に作動油が圧送される。
【0043】
次に、図3に基づき、各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cに、金型の樹脂溜まり21を設けた場合につき説明する。
図3に示すように、第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cの内の少なくとも1個の金型キャビティ12には、その末端側にそれぞれ複数の樹脂溜り21が形成されている。
金型キャビティ12の末端側と各樹脂溜り21とは、各々スペーサ22との隙間23により接続されている。
この隙間23の周囲は、電気ヒータ等の加熱手段24により取囲まれている。
【0044】
上述の構成において、溶融した発泡性樹脂を金型キャビティ12に充填したとき、発泡により樹脂の体積は膨張し、余分の樹脂は金型キャビティ12から隙間23を通って樹脂溜まり21にはみ出す。
このとき、隙間23の周囲の加熱手段24により、金型キャビティ12の末端側付近の樹脂の冷却固化を遅らせるようになっている。
【0045】
更に、図4に基づき、各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cに、金型の突出コア25を設けた場合につき説明する。
図4に示すように、第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cの内の少なくとも1個の金型キャビティ12には、突出コア25が設けられている。
この突出コア25は、可動金型7に設けられたコア用シリンダ室26内に移動可能に設けられており、突出コア25の先端は、金型キャビティ12内に出入りするようになっている。
【0046】
突出コア25の他端は、ロッド27を介して、液圧シリンダ30に収納されたラム29に結合している。
なお、ロッド27は、非液密にロッド貫通孔28を貫通している。
ラム29のロッド27と反対側の液圧シリンダ30内には、突出コア25を、ラム29及びロッド27を介して金型キャビティ12側に付勢する圧縮ばね31が内蔵されている。
この圧縮ばね31の押し力は、金型キャビティ12内の発泡圧にバランスするようになっている。
【0047】
液圧シリンダ30のラム29の両側(ロッド側及びバネ側)は、配管33a、33bを介して液タンク34に接続されている。
この液タンク34は、突出コア25の移動に伴うコア用シリンダ室26の容積の変化に応じて、作動液を回収、充填するために設けられている。
また、ロッド貫通孔28及び液圧シリンダ30のラム29のロッド27側の室を介して、コア用シリンダ室26に連結された配管33aの途中には、流量調整弁32が介装されている。
【0048】
上述の構成において、発泡性樹脂を充填する前においては、突出コア25は圧縮ばね31の押し力により、金型キャビティ12内に突き出した状態となっている。
そして、発泡性樹脂を金型キャビティ12に充填した時には、充填樹脂圧が高くても、コア用シリンダ室26に連結された配管33aの途中の流量調整弁32により作動液の流れが絞られるため、コア用シリンダ室26内の突出コア25は急には移動しない。
【0049】
その後、発泡性樹脂の発泡に伴い、突出コア25は、圧縮ばね31の押し力に抗して次第に移動する。
すると、コア用シリンダ室26内の作動液は、ロッド貫通孔28を経由して、液圧シリンダ30のラム29のロッド側に流れる。
そして、コア用シリンダ室26と液圧シリンダ30との直径差に基づく余った作動液は、配管33a及び流量調整弁32を経由して液タンク34に回収される。
【0050】
(射出成形工程)
次に、射出成形機によって射出成形するときの制御工程を、図5の制御工程ブロック図に基づき説明する。
なお、図5の横軸は時間軸である。
【0051】
図5において、最上段には、射出ユニット1の射出シリンダ3及び射出スクリュ2による溶融樹脂の射出、可塑化工程を表したブロック図が示されている。
その下段には、第1の金型キャビティ12aの射出充填工程と発泡冷却工程を表したブロック図、及び、第1の金型キャビティ12aのゲートバルブ18aの開閉のタイミングを表した作動工程図が示されている。
【0052】
第1の金型キャビティ12a及び樹脂ゲートバルブ18aのブロック図及び作動工程図の下段には、同様に、第2の金型キャビティ12bの射出充填工程と発泡冷却工程を表したブロック図、及び、第2の金型キャビティ12bのゲートバルブ18bの開閉のタイミングを表した作動工程図が示されている。
第2の金型キャビティ12b及びゲートバルブ18bのブロック図及び作動工程図の下段にも、同様に、第3の金型キャビティ12cの射出充填工程と発泡冷却工程を表したブロック図、及び、第3の金型キャビティ12cの樹脂ゲートバルブ18cの開閉のタイミングを表した作動工程図が示されている。
【0053】
更に、その下段には、上述の各工程に合わせた射出スクリュ2の前後進移動位置を表したストローク図と、射出スクリュ2の移動速度(V、V、V)、及び充填時間(TJ1、TJ2、TJ3)を表した作動工程図が示されている。
なお、Sは全ストロークを示す。
【0054】
図5中のV、V、V及びTJ1、TJ2、TJ3は、それぞれ第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cへの充填時のスクリュの移動速度及び充填時間を示している。
【0055】
各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cへ加圧された発泡性樹脂を充填するとき、各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12c内の樹脂流動先端部(フローフロント)が各第1、2、3金型キャビティ12a、12b、12c末端に到達する充填時間TJ1、TJ2、TJ3を、冷却(発泡生成)時間より格段に短くしている。
このようにして、各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cに接する樹脂表面における発泡気泡が成長する前に樹脂表面が固化し、成形品のコア部は成長した気泡が満ちた発泡樹脂材となるように樹脂射出速度を制御する。
【0056】
そして、サーボモータ17により、射出ユニット1のボールねじ軸15の回転速度(即ち、射出スクリュ2の移動速度)と回転トルク及び樹脂ゲートバルブ18a、18b、18cを制御して、各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12c毎に、冷却時間の長いものから順に、個別に、溶融樹脂の射出充填と冷却(発泡)を行う。
最後の第3の金型キャビティ12cへの射出充填が終了した後、ボールねじ軸15の回転を戻して樹脂圧を降圧し(降圧工程)、射出スクリュ2を回転しながら後退させると共に、新たに樹脂を射出シリンダ3内に追加し、溶融可塑化を行う(可塑化射出スクリュ回転工程)。
溶融可塑化が完了すると、射出スクリュ2は回転を停止する。
【0057】
その間に図示略の型締装置は、発泡冷却の工程中においては型締めを継続し、全ての成形品が冷却固化後に降圧、型開、成形品の取出が行われ、射出〜成形品取出工程の1サイクルが完了する。
その後再び、型締めが行われた後に、次の射出〜成形品取出工程が始まる。
【0058】
また、図5に示すように、射出スクリュ2による溶融樹脂の射出充填工程において、初めの第1の金型キャビティ12aへの射出充填の後と、第2の金型キャビティ12bへの射出充填の後とに、短時間のサーボモータ17の脱力での樹脂圧を抜き、サーボモータ17の回転を止めブレーキを掛けて射出スクリュ2を停止させる脱力圧抜工程が各々設けられている。
【0059】
脱力圧抜工程では、射出スクリュ2を前進させ第1の金型キャビティ12aへの射出充填が終わったとき、樹脂ゲートバルブ18aを閉じ、サーボモータ17の電流を切ってトルクをゼロとして脱力し、ボールねじ軸15を自由回転させて樹脂圧を抜き、次に、サーボモータ17の回転軸にブレーキを掛けて射出スクリュ2を停止させる。
【0060】
脱力圧抜工程で射出スクリュ2が停止した位置を、次の第2の金型キャビティ12bへの射出充填のための射出スクリュ2の前進開始位置としてリセットし、樹脂ゲートバルブ18bを開にし、同位置からの射出スクリュ2のストロークに応じて、サーボモータ17を回転して射出スクリュ2の速度を制御する。
即ち、図5に示すように、射出開始時には急速に射出スクリュ2の速度を増加させ、その後一定の速度Vを保持して充填を行い、充填時間TJ2経過直前に速度を減速し停止させる。
更に、第3の金型キャビティ12cへの射出へ移行するときも同様である。
【0061】
各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cの射出充填工程及び冷却発泡工程において、各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cが、図2に示すような閉鎖された形状の金型キャビティ12の場合、発泡性樹脂は金型キャビティ12に一杯に充填され、充填後の冷却で成形品が体積を縮小した分だけ発泡による体積膨張をする。
成形品の金型への接触面は早く冷却して発泡気泡の目立たない表面が得られる。
【0062】
各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cが図3に示すような樹脂溜まり21を備えた形状の金型キャビティ12の場合、発泡性樹脂を若干多い目に充填し、余分の樹脂は金型キャビティ12から隙間23を通って樹脂溜まり21にはみ出す。
充填後の発泡により成形品が体積は膨張するが、隙間23付近を電気ヒータ等の加熱手段24で加熱して冷却固化を遅らすことにより、成形品の体積膨張部分の1部は樹脂溜まり21へ容易に流出する。
成形品の金型への接触面は早く冷却して発泡気泡の目立たない表面が得られる。
【0063】
各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12cが図4に示すような突出コア25を備えた形状の金型キャビティ12の場合、突出コア25が金型キャビティ12内に突き出した状態で、発泡性樹脂は金型キャビティ12内に充填される。
この時、樹脂圧が高くても、配管33aの途中に介装された流量調整弁32により、作動液の流れが絞られて突出コア25は急には殆ど移動しない。
【0064】
樹脂の充填が終わって、発泡圧により突出コア25が押され続けると、突出コア25は圧縮ばね31の押し力に抗して可動金型7内に引き込まれ、成形品は時間を掛けて発泡膨張する。
成形品の金型への接触面は早く冷却して発泡気泡の目立たない表面が得られる。
【0065】
上述の本発明の実施の形態の射出発泡成形機及び射出発泡成形方法によれば、各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12c毎に射出スクリュ2の射出開始位置をリセットし、各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12c毎に設定された射出条件により射出開始位置からの射出スクリュ2のストロークに応じて射出が行われるようにしているので、成形品の重量バラツキ、形状不良等を生じることが無くなる。
また、ボールねじ軸15を電動駆動する機構は、油圧作動に見られる移動速度が早いときに予定停止位置をオーバーするような事が無く、より正確で精密な位置と速度制御が可能である。
【0066】
また、第1金型キャビティ12aが第2金型キャビティ12bより大型で肉厚が厚く、第3金型キャビティ12cが第2金型キャビティ12bよりも小型で肉厚が薄いとき、溶融樹脂の発泡冷却の時間は、第3金型キャビティ12cが最も短く、第2金型キャビティ12bはその次に短く、第1金型キャビティ12aが最も長くなり、各第1、2、3の金型キャビティ12a、12b、12c内の樹脂の冷却発泡工程は、次の金型キャビティの射出充填、発泡冷却工程中に行われるので、図5に図示のように、最も冷却の時間が短い第3金型キャビティを最後の工程とすれば、全体の射出工程1サイクルの時間を最短とすることができる。
【0067】
以上、本発明を本発明の実施の形態の射出発泡成形機及び射出発泡成形方法について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
形状やサイズの全て異なる3個の金型キャビティが図示されているが、これに限定されるものではなく、例えば3列2行の合計6個の形状やサイズの全て異なる第1〜第6の金型キャビティを形成するようにしても良く、更には、複数の金型キャビティの内、同一の形状やサイズの金型キャビティがあっても良い。
【実施例】
【0068】
射出発泡成形に使用した樹脂はポリプロピレン(タルク15Wt%入り)、発泡剤はマスタバッチタイプ1Wt%、成形品は長さ×幅×高さが250mm×350mm×90mmで、肉厚が1.5mm、2mm、3mmの3個取り金型キャビティの場合について成形を実施した。
【0069】
実験の結果、各金型キャビティに個別に充填した実験の結果は次のとおりとなった。
【0070】
【表1】


何れの金型キャビティも、樹脂の充填時間が1秒以下の場合に、成形品の表面は良好な外観という結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の実施の形態に係わる複数の金型キャビティを有する金型ユニット、電動の射出ユニット及び制御系統を一部を断面で示す模式図である。
【図2】図1における金型の断面図である。
【図3】図1における金型の樹脂溜まりを設けた場合の断面図である。
【図4】図1における金型の突出コアを設けた場合の断面図である。
【図5】図1における金型ユニットと射出ユニットの制御工程ブロック図である。
【符号の説明】
【0072】
1 射出ユニット
2 射出スクリュ
5 金型ユニット
6 固定金型
7 可動金型
8 支持盤
9 ホットランナ
12 金型キャビティ
12a 第1の金型キャビティ
12b 第2の金型キャビティ
12c 第3の金型キャビティ
18a、18b、18c 樹脂ゲートバルブ
19a、19b、19c 油圧シリンダ
21 樹脂溜まり
22 スペーサ
23 隙間
24 加熱手段
25 突出コア
26 コア用シリンダ室
27 ロッド
28 ロッド貫通孔
29 ラム
30 液圧シリンダ
31 圧縮ばね
32 流量調整弁
33a、33b 液圧回路
34 液タンク
40 制御装置
41 設定器
42 制御回路
43 切換バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出ユニットから金型ユニット内の金型キャビティ内へ発泡性溶融樹脂を射出して成形品を成形する射出発泡成形方法において、
前記金型キャビティへ加圧された発泡性樹脂を射出充填するとき、
前記金型キャビティ内の樹脂流動先端部が前記金型キャビティ内の末端に到達する時間を発泡生成時間より格段に短くし、
金型に接する樹脂表面における発泡気泡が成長する前に樹脂表面が固化し、成形品のコア部は成長した気泡が満ちた発泡樹脂材となるように樹脂射出充填速度を制御することを特徴とする射出発泡成形方法。
【請求項2】
形状やサイズの異なる複数の金型キャビティと同金型キャビティ毎の樹脂通路とを有する金型ユニットを用い、射出ユニットから金型ユニット内に発泡性溶融樹脂を射出して複数の成形品を成形する射出発泡成形方法において、
前記各金型キャビティへそれぞれ樹脂通路及び樹脂ゲート開閉手段を設け、
第1の金型キャビティ内へ樹脂ゲート開閉手段を開いて加圧された所定量の発泡性樹脂を射出充填した後、前記樹脂ゲート開閉手段を閉じ、
続いて第2の金型キャビティ内へ樹脂ゲート開閉手段を開いて加圧された所定量の発泡性樹脂を射出充填した後、前記樹脂ゲート開閉手段を閉じ、
同様に他の金型キャビティ内へ樹脂ゲート開閉手段を開閉して順に所定量の樹脂を射出充填することにより、
全ての金型キャビティ内の樹脂流動先端部がキャビティ末端に到達する時間を発泡生成時間より格段に短くし、
金型に接する樹脂表面における発泡気泡が成長する前に樹脂表面が固化し、成形品のコア部は成長した気泡が満ちた発泡樹脂材となるように樹脂射出充填速度を制御することを特徴とする射出発泡成形方法。
【請求項3】
前記金型キャビティ内へ射出充填する時間は、全て1秒以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の射出発泡成形方法。
【請求項4】
前記金型キャビティの末端側に樹脂溜まりを設けて、発泡膨張し前記金型キャビティから洩れ出た樹脂を収容するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の射出発泡成形方法。
【請求項5】
前記金型キャビティ内に出し入れ可能な突出コアを設け、発泡膨張した樹脂の容積を収容するようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の射出発泡成形方法。
【請求項6】
射出ユニットにより金型ユニット内に発泡性溶融樹脂を射出充填して複数の成形品を成形する射出発泡成形機において、
前記金型ユニット内に設けられた形状やサイズの異なる複数の金型キャビティと、
同複数の金型キャビティにそれぞれ接続された複数の樹脂通路と、
同樹脂通路をそれぞれ開閉する複数の樹脂ゲート開閉手段と、
前記金型キャビティを順に発泡性溶融樹脂を射出充填すべく前記複数の樹脂ゲート開閉手段により前記複数の樹脂通路を各々開閉する制御装置とを備えたことを特徴とする射出発泡成形機。
【請求項7】
前記制御装置は、
予め設定された射出スクリュストロークと射出速度のパターンに応じて射出速度を制御し、
各々のキャビティに充填完了後、樹脂の圧抜きを行い、
圧抜き後のスクリュ位置を次のキャビティへの射出開始位置としてリセットし、
予め設定された射出スクリュストロークと射出速度パターンに応じて射出速度を制御することを特徴とする請求項6に記載の射出発泡成形機。
【請求項8】
前記複数の金型キャビティ末端側にそれぞれ接続された複数の樹脂溜りと、
前記複数の金型キャビティから前記複数の樹脂溜りへの通路にそれぞれ設けられた複数の加熱手段とを備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の射出発泡成形機。
【請求項9】
前記複数の金型キャビティ内に各々出入り可能に設けられた複数の突出コアと、
同複数の突出コアの作動を各々制御する液圧回路とを備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の射出発泡成形機。
【請求項10】
前記突出コアの作動を制御する液圧回路は、
前記複数の突出コアが収納されたコア用シリンダ室に連結された配管と、
前記複数の突出コアを前記金型キャビティ側に各々付勢する複数の圧縮ばねと、
前記複数の配管に各々介装された複数の流量調整弁とを備えていることを特徴とする請求項9に記載の射出発泡成形機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−56006(P2006−56006A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−236973(P2004−236973)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【出願人】(000106988)シミズ工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】