説明

小袋投入装置

【課題】搬送コンベアと投入先とを離隔して製品への異物混入が防止でき、デッドスペースが少なく、連包パウチのカット位置が安定して傾きのない安定したカットラインが得られる、小袋投入装置を提供する。
【解決手段】小袋投入装置の搬送ライン20において、第1の搬送コンベア26で連包パウチ10を搬送部材26u・26dで上・下から挟み込んで水平方向に間欠的に搬送しる、前記カッター部28で、前記第1の搬送コンベア26によって搬送された連包パウチ10を搬送一時停止時に横シール部10aを切断して個々の小袋12に分け、第2の搬送コンベア30で、切断された各小袋12を載置して搬送し、吸着ユニット34で、前記載置台32上の小袋12を先端の吸引パッド34cで吸引して、前記搬送ライン20に平行かつ下方に位置し容器投入ライン36上を搬送される容器14内に投入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の包装ラインにおいて、鮮度保持剤や脱酸素剤およびスープ、具材、調味料等の中身を充填したパウチ(小袋)を投入する小袋投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、小袋投入装置には、例えば特開2006−131248号(特許文献1)に示されるような、搬送コンベア上に設定された袋集合位置に、複数個の袋体を箱体に投入状態に集合させ、集合された複数個の各袋体をシャッターの載置面上に一括移動し、各袋体を対応する袋投入位置に並列移動させるものが提案されている。
【0003】
また、特開2004−10088号(特許文献2)では、連続包装体を各小袋(スパイス、薬味など)に分割して品物上に載せて袋詰めするものが開示されている。
【0004】
小袋投入装置において、容器内に小袋を投入するのに、吸着装置を用いることが考えられる。図8〜図9に示すように、小袋aの連続した連包パウチbを搬送装置入り側のロールユニットcでガイドして、トップロールc1位置まで一旦パスラインを持ち上げ、このトップロール位置c1から折り返し、垂直下方に連包パウチbはハンドリングされる。
【0005】
連包パウチbの横シールのピッチを計算することにより、1回の送り長さが決まる。ニップロール方式のフィード機構により、この長さ分だけ連包パウチbが送られて停止する(間欠フィード方式)。小袋の送り完了を受けて、ギロチン式カッターのカッターユニットdが作動し、連包パウチbの横シール部分の中央をカットする。1個ずつ切断された小袋aを、吸着ユニットの吸着アームe先端に取り付けたバキュームパッドfにて吸着し、90°の旋回運動にて投下位置へ移載し、吸着解除して所定位置に投入する。
【0006】
しかしながら、上記のような連包パウチbの垂直送りでは、液体が中味の場合、小袋aは下膨れになり、縦シール側と折り返し側(下膨れの影響を受ける)との長さに長短が出て、走行するワークが傾くので横シールをカットするときに斜め切りになる可能性がある。
【0007】
また、従来の小袋投入装置では、図8〜図9に示すように、連包パウチbのパスライン、カッターユニットd、吸着ユニットなどの主要な構成が投入先コンベアgの真上の位置に配置されており、万一部品の取付ネジや部品自体が外れると、コンベアg上に落下し、食品内または食品を包装した袋内に異物が混入する可能性が考えられる。また、小袋a内の中身部分をカットしてしまうと、中身はコンベアg上にこぼれる。その場合に運転を再開するために清掃が必要になり、復帰に時間がかかってしまう。
【0008】
また、前記カッターユニットdは、コの字型の刃と直線状の刃を組み合わせたものであり、連包パウチbを仕掛ける(取り外す)際は、刃の組み合わせでできる閉空間内に連包パウチbを通す必要があるため、セッティングに手間がかかってしまう。
【0009】
また、カッターユニットdは取り付け板下面側に取り付けているため、刃先部分が見えにくく、連包パウチbを最初にセットするときにカット位置が合っているか否か(横シールの中心位置付近)の確認がしにくく、また、清掃もしにくい。
【0010】
小袋の吸着ユニットでは、動力源となる旋回ユニットとこれに係合するスライド可能な吸着アームeとの組み合わせからなるものであり、構成上、吸着ユニット全体が投入先コンベアgの真上の配置となる。したがって、投入先コンベアgのデッド領域が大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−131248号公報
【特許文献2】特開2004−10088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、斯かる実情に鑑み、搬送コンベアと投入先とを離隔して製品への異物混入が防止でき、デッドスペースが少なく、連包パウチのカット位置が安定して傾きのない安定したカットラインが得られる、小袋投入装置を提供しようとするものである。
【0013】
また、連包パウチのカッターユニットへの装着が容易にできる小袋投入装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、横シール部を介して小袋が連続した連包パウチを個々の小袋に切断して所定の投入箇所に当該小袋を投入する小袋投入装置において、
連包パウチを上・下から挟み込んで水平方向に間欠的に搬送するため上・下に搬送部材を有する第1の搬送コンベアと、
前記第1の搬送コンベアによって搬送された連包パウチを搬送一時停止時に横シール部を切断して個々の小袋に分けるカッター部と、
前記カッター部先方に位置して切断された各小袋を載置して搬送する第2の搬送コンベアと、
前記第2の搬送コンベアの送り先端に設けた載置台と、
前記載置台上の小袋を先端の吸引パッドで吸引して、前記所定の投入箇所上に投入する吸着ユニットとを備え、
上面視で、前記第1および第2の搬送コンベアと離隔した位置を前記所定の投入箇所にしたことを特徴とする小袋投入装置である。
【0015】
本発明において、前記所定の投入箇所は、上面視で、前記第1および第2の搬送コンベアと離隔し、かつ前記第1および第2の搬送コンベアの搬送方向に平行して容器を搬送する搬送ライン上であることが好適である。
【0016】
また、本発明において、前記カッター部は、片持ちのブレードを2枚対向させたものであって、それらブレードが開いた非切断状態時に、搬送状態の連包パウチの幅方向一側が開放された状態となり、2枚のブレードが閉じて連包パウチの横シール部を切断する構造であることが好適である。
【0017】
本発明において、前記小袋投入装置の前記第1および第2の搬送コンベアおよびカッター部は、上方からカバー部によって開閉自在に覆われていることが好適である。
【0018】
本発明において、第2の搬送コンベアは先方下がりに傾斜していることが好適である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の小袋投入装置によれば、連包パウチを上・下から挟み込んで水平方向に間欠的に搬送するため上・下に搬送部材を有する第1の搬送コンベアと、前記第1の搬送コンベアによって搬送された連包パウチを搬送一時停止時に横シール部を切断して個々の小袋に分けるカッター部とを備え、第1の搬送コンベアで連包パウチを挟み込んでカッター部に水平方向に間欠的に搬送するので、連包パウチが縦送りしたときのように下膨れすることがなく、傾きのない安定した横シール部の切断を行うことがきる。
【0020】
また、第1の搬送コンベアで連包パウチを挟み込んでカッター部に水平方向に間欠的に搬送するので、連包パウチが踊ることなく静止した状態でカッター部に位置させて横シール部を切断でき、安定した横シール部の切断を行える。したがって、斜めに横シール部を切断したり袋部分を切断したりして不良品が発生するのを確実に防止できる。
【0021】
また、前記カッター部先方に位置して、前記カッター部で切断された各小袋を載置して搬送する第2の搬送コンベアと、前記第2の搬送コンベアの送り先端に設けた載置台と、前記載置台上の小袋を先端の吸引パッドで吸引して、前記所定の投入箇所上に投入する吸着ユニットとを備え、上面視で、前記第1および第2の搬送コンベアと離隔した位置を前記所定の投入箇所にしたので、装置の部品の脱落等異物が落下しても所定の投入箇所から離隔して投入箇所の容器等の商品に異物混入の可能性が少なくなる。また、万一連包パウチが胴切れが生じても所定の投入位置に収容物が落下しないため、異物混入もなく、かつ、復旧も容易にできる。
【0022】
また、上面視で、前記第1および第2の搬送コンベアと離隔した位置を前記所定の投入箇所にしたことから、小袋投入装置自体を投入箇所に対してオフセット配置したものになり、コンベアのデッドスペースは、吸着パッド移動範囲のみであるので、所定の投入箇所例えば商品搬送コンベア上の商品の監視や補充作業等のエリアを広く確保できる。
【0023】
また、連包パウチの水平搬送であるので、連包パウチの搬送ラインがよく見えることから、運転状態の監視が容易である。つまり、操作者が異常に気付きやすい。また、水平にラインが延びるのでラインが上下方向に延びる場合に比較して清掃しやすさ、つまり清掃性が改善する。また、操作者にすれば連包パウチを水平方向に延びるコンベア上にセットすればよいのでセットしやすい。また、手前側より連包パウチをセットすればいよいことからもセットしやすく、作業負荷を大幅に軽減できる。
【0024】
なお、前記所定の投入箇所は、上面視で、前記第1および第2の搬送コンベアと離隔し、かつ前記第1および第2の搬送コンベアの搬送方向に平行して容器を搬送する搬送ライン上であるので、確実に容器の搬送と小袋投入装置の小袋の搬送ラインを分けることができ、装置の部品の脱落等異物が落下しても容器内に異物混入を殆ど無くせる。また、万一連包パウチが胴切れが生じても容器内に収容物が落下しないため、衛生上の観点からも好ましい。
【0025】
また、前記カッター部は、片持ちのブレードを2枚対向させたものであって、それらブレードが開いた非切断状態時に、搬送状態の連包パウチの幅方向一側が開放された状態となり、2枚のブレードが閉じて連包パウチの横シール部を切断する構造であれば、2枚のブレードの開放された方向から連包パウチをセットできるので、セット作業を一層簡便に行える。
【0026】
また、前記小袋投入装置の前記第1および第2の搬送コンベアおよびカッター部は上方からカバー部によって開閉自在に覆われているものにすることによって、小袋や第1および第2の搬送コンベア上に雰囲気中の埃や異物が乗って、小袋所定の投入箇所の容器内に混入することを確実に防止できる。なお、カバー部を透明にして搬送状況、カット状況を目視にて容易に確認できるようにすることが好ましい。
【0027】
また、第2の搬送コンベアは先方下がりに傾斜していれば、小袋と先方の載置台上に送り込むことができる等の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施形態に係る小袋投入装置の正面図である。
【図2】前記小袋投入装置の左側(連包パウチ投入側)の側面図である。
【図3】前記小袋投入装置の右側(吸着ユニット設置側)の側面図である。
【図4】前記小袋投入装置の平面図である。
【図5】前記小袋投入装置の搬送ラインの側面から見た説明図である。
【図6】前記搬送ラインの平面から見た説明図である。
【図7】前記小袋投入装置のカッター部の搬送ライン方向から見た詳細図である。
【図8】従来の小袋投入装置の説明図である。
【図9】図8の小袋投入装置の吸着ユニットの作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0030】
図1〜図7は、実施形態に係る小袋投入装置の説明図であって、図1は当該小袋投入装置の正面図、図2は同左側(連包パウチ投入側)の側面図、図3は同右側(吸着ユニット設置側)の側面図、図4は同平面図、図5は前記小袋投入装置の搬送ラインの側面から見た説明図、図6は前記搬送ラインの平面から見た説明図、図7は前記小袋投入装置のカッター部の搬送ライン方向から見た詳細図である。
【0031】
図1〜図4に示すように、小袋投入装置は、横シール部10aを介して小袋12が連続した連包パウチ10を個々の小袋12に切断して容器投入ライン上の容器(所定の投入箇所)14に当該小袋12を投入するものである。小袋投入装置は、支持フレーム16の上下に延びた縦部分16aが柱状に延びたワンポール構造になっている。この上下に延びた縦部分16aの下部に、電源部、シーケンサーや各種制御機器が納められた制御ボックス18が設けられる。前記支持フレーム16の縦部分16aの上下方向中央部には水平方向に連包パウチ10を左端から右端に向けて送り、横シール部10aから個々の小袋12に切り離して、その小袋12を上記容器14に投入する搬送ライン20が設けられる。前記支持フレーム16の上下方向上部には、各種データや状態を表示する表示部およびタッチパネルによって操作者が操作入力をするための操作パネル22が設けられる。前記の制御ボックス18、搬送ライン20、及び操作パネル22はいずれも上記支持フレーム16に対して上下位置および回転位置を投入先の容器14ラインの状態に合わせて調整可能になっている。
【0032】
前記搬送ライン20には、外部の図示し無い収容ボックスから軸方向両端にフランジのついた送りローラ24を経由して連包パウチ10が送り込まれる。搬送ライン20は装置正面プレート16bの操作者側、つまり手前側に設けられる。
【0033】
前記搬送ライン20には、第1の搬送コンベア26、カッター部28、第2の搬送コンベア30、載置台32、および吸着ユニット34を支持フレーム16に水平方向に並べて固定支持させて設けている。
【0034】
前記第1の搬送コンベア26は、送り込まれた連包パウチ10を上・下から挟み込んで水平方向に間欠的に搬送するため上・下に搬送部材26u・26dを有する。
【0035】
前記カッター部28は、前記第1の搬送コンベア26によって搬送された連包パウチ10を搬送一時停止時に横シール部10aを切断して個々の小袋12に分ける機能を有する。
【0036】
第2の搬送コンベア30は、前記カッター部28先方に位置して切断された各小袋12を載置して搬送するものである。
【0037】
載置台32には、前記第2の搬送コンベア30の送り先端に設けたものである。
【0038】
吸着ユニット34は、前記載置台32上の小袋12を先端の吸引パッド34cで吸引して、前記所定の投入箇所上に投入するものであり、実施形態では、小袋12の所定の投入箇所は容器投入ライン36上を搬送される容器14内であって、その容器投入ライン36は、前記搬送ライン20に平行かつ下方に位置している。
【0039】
詳しくは、上面視で、搬送ライン20の前記第1および第2の搬送コンベア30等と離隔し、かつ前記第1および第2の搬送コンベア30の搬送方向に平行して容器14を搬送する容器投入ライン(図1〜図4において想像線で示す)36上である。搬送ライン20と容器投入ライン36とは、搬送ライン20上の小袋12を吸着ユニット34によって容器投入ライン36上の容器14に投入できる範囲で離れて設けられている。
【0040】
また、前記カッター部28は、図7に示すように、片持ちのブレード(剪断刃)を上・下に2枚対向させたものであって、それらブレードが開いた非切断状態時に、搬送状態の連包パウチ10の幅方向一側が開放された状態となり、2枚のブレードが閉じて連包パウチ10の横シール部10aを切断する構造である。前記カッター部28は、アクチュエータ等の駆動機構を装置正面プレート16bの内部に配置し、上・下のブレード38u・38d部分のみが片持ち状態で正面プレート16bの外側、つまり手前側に突き出す構造となっている。このため、操作者側の手前側がオープン状態になっており、連包パウチを容易に仕掛けることができる。なお、上記上・下のブレード38u・38dは、支持ホルダに刃先部がネジ止めによって固定される。
【0041】
前記ブレード38u・38dはそれら同士が開いている状態では、図7に示すように、搬送ライン20の流れ方向に見てコの型を呈し、各ブレード38u・38dが連包パウチ10に対して上下に距離を置くようにしている。当該連包パウチ10をセットする際に搬送ライン20の幅方向(連包パウチ10の幅方向一方側の例)で操作者側を入側として開いた状態にし、遮るものの無いようにしてスムーズな連包パウチ10のセッティングを可能にしている。一方、切断時には、前記ブレード38u・38dの各々は刃先が38u1・38d1(二点鎖線で示す)の位置になり、連包パウチ10を上下から確実に剪断するようにいしている。
【0042】
また、前記連包パウチ10は、図4、図6に示すように、その長さ方向に一定間隔の横シール部10aを設ける他、幅方向の一側(少なくとも一側例えば幅方向両側でもよい)に縦シール部10bを設けたものである。
【0043】
実施形態では、連包パウチ10は、前記第1の搬送コンベア26において、上・下の搬送部材26u・26dが前記一側の縦シール部10bを上・下から挟むベルト型コンベア部材である。つまり、図1、図5、図6に示すように、上・下の搬送部材26u・26dは、コンベアラインを中心に上・下に位置して、それぞれが複数のプーリ26a…が台形状位置に配列され、そのプーリにゴムやエラストマー等の柔軟弾性材からなるベルト26b、26bを巻掛けて循環させる。上・下の搬送部材26u・26dのベルト26b、26b同士がコンベアラインに沿って上・下から対向している。また、第1の搬送コンベア26の幅方向に見ると他側(操作者の立ち位置の反対側の奥側)に寄せて位置している。第1の搬送コンベア26の駆動部分は装置の正面プレートの後側に設けられ、上・下の搬送部材26u・26d部分つまりベルトのみを装置の正面プレートの手前に設けられている。
【0044】
ライン幅方向に連包パウチ10の縦シール部10bの幅にほぼ近い幅に形成されている。そして、上下の搬送部材26u・26dのベルト26b、26b同士によって縦シール部10bを緊密に挟み込み当該ベルト26b、26bを循環させて連包パウチ10を下流のカッター部28に送り込むようになっている。確実、かつ、ぶれのない送りを確保できる。また、上・下の搬送部材26u・26dのベルトの長さは連包パウチの各小袋の1.5倍程度であり、直線方向の送り安定性を持たせている。駆動部分ではサーボモータによって駆動し、後述する検出ユニット44で計測したピッチの距離分、連包パウチを送るようになっている。なお、縦シールの無い連包パウチや重量のあうパウチの場合、パウチ幅全体をベルトで挟み込む構成にする。
【0045】
また、第2の搬送コンベア30は、複数のプーリ30a…が平坦に配列されてそのプーリ30a…に連包パウチ10より幅広のゴムやエラストマー等の柔軟弾性材からなるベルト30b巻掛けられており、そのベルト30bの上面が先方下がりに傾斜している構成になっている。前記カッター部28で切断された小袋12は、上記ベルト30bの上に載った状態でベルト30bを送ることで、確実な送りできるようにしている。
【0046】
また、前記第2の搬送コンベア30の先端には、載置台32が設けられている。この載置台32は先方に上方に立ち上がるストッパーが設けられており、それ以上、小袋12が滑り落ちないようになっている。
【0047】
第2の搬送コンベア30および載置台32の先方には、吸着ユニット34が設けられている。前記吸着ユニット34は、ライン方向に沿った回動軸34aを中心に搬送ライン20の搬送方向に直角方向に旋回可能なアーム34bが設けられ、そのアーム34bの先端に吸着部として下向きに弾性樹脂からなる蛇腹状の吸引パッド(吸着パッド)34cを設けている。吸引パッド34cには負圧を導入するパイプが設けられており、このパイプを介して小袋12の吸着時・非吸着時に吸引パッド34cに負圧を印加・非印加する制御部を制御ボックス18等に有している。アーム34bの回動軸34aのプーリ34dとアーム先端34bの吸引パッド34cの回動軸のプーリ34eにタイミングベルト34fが巻きかけられている。図3に示すように、アーム34bがほぼ180°旋回するが、アーム34bが回転しても上記プーリ34dとプーリ34eに巻掛けられたタイミングベルト34fによってアーム34bの回転角度によらず、吸引パッド34cの先端を常に下向き(鉛直下方向き)にして、姿勢が変化しないようになっている。したがって、第2の搬送コンベア30および載置台32(吸着ステージ)上の吸着された小袋12は、姿勢を保持した状態(平面方向が水平に沿った状態)のままでアーム34bが回動し、容器投入ライン36の容器14上に吸引パッド34c先端の小袋が同じ姿勢のまま位置し、その負圧を解除することによって当該容器14内に小袋12を投入する。
【0048】
図1〜図4に示すように、前記小袋投入装置の前記第1および第2の搬送コンベア26および30、カッター部28はライン用カバー部40によって覆われている。また、吸着ユニット34は吸着ユニット用カバー部42によって覆われている。ライン用カバー部40は固定された操作者の反対側(奥側)のベースカバー40aとこのベースカバー40aに回動自在に、操作者の手前側の開閉カバー40bに設けられている。また、吸着ユニット用カバー42は、吸着ユニット34のアーム34bの回動範囲に干渉しないように、アーム34bの軌跡の外縁に沿って側面時半円形の箱形(略かまぼこ形状)に形成され、吸着ユニット34のアーム34bの支持腕部の上面に設けられたヒンジ42aによって、吸着ユニット34を開閉自在に覆うようになっている。
【0049】
連包パウチ10の位置を検出するため、第1の搬送コンベア26の入側には、検出ユニット44が設けられている。検出ユニット44は超音波が連包パウチ10を通過する方向を向いて具体的には第1の搬送コンベア26に対して斜めの角度に取り付けている。連包パウチ10は、横シール部分10aはシート2枚が溶着されていて見かけ上1枚で中身部分が2枚という構成になっている。超音波の1枚部分と2枚部分の透過差を利用して、シール部分を検出することで連包パウチ10のピッチを検出するようになっている。この検出方法は、パウチの種別や中身に関係なく、ほぼ全種類の連包パウチ10に対応して、適用できる。
【0050】
実施形態の小袋投入装置によれば、連包パウチ10を上・下から挟み込んで水平方向に間欠的に搬送するため上・下に搬送部材を有する第一の搬送コンベア26と、前記第一の搬送コンベア26によって搬送された連包パウチ10を搬送一時停止時に横シール部10aを切断して個々の小袋12に分けるカッター部28とを備えるので、第一の搬送コンベア26で連包パウチ10を挟み込んでカッター部28に水平方向に間欠的に搬送するので、連包パウチ10が縦送りしたときのように下膨れすることないが無く、傾きのない安定した横シール部10aの切断を行うことがきる。また、第一の搬送コンベア26で連包パウチ10を挟み込んでカッター部28に水平方向に間欠的に搬送するので、連包パウチ10が踊ることなく静止した状態でカッター部28に位置させて横シール部10aを切断でき、安定した横シール部10aの切断をおこなえる。
したがって、斜めに横シール部10aを切断したり袋部分を切断したりして不良品が発生するのを確実に防止できる。
【0051】
また、前記カッター部28先方に位置して、前記カッター部28で切断された各小袋12を載置して搬送する第2の搬送コンベア30と、前記第2の搬送コンベア30の送り先端に設けた載置台32と、前記載置台32上の小袋12を先端の吸引パッド34cで吸引して、前記所定の投入箇所上に投入する吸着ユニット34とを備え、上面視で、前記第1および第2の搬送コンベア26および30と離隔した位置を前記所定の投入箇所にしたので、装置の部品の脱落等異物が落下しても所定の投入箇所から離隔しているので投入箇所の容器14等の商品に異物混入の可能性が少なくなる。また、万一連包パウチ10が胴切れが生じても所定の投入位置に収容物が落下しないため、復旧が容易にできる。
【0052】
また、上面視で、前記第1および第2の搬送コンベア26および30と離隔した位置を前記所定の投入箇所にしたのことから、小袋投入装置自体を投入箇所に対してオフセット配置するため、コンベアのデッドスペースは、吸着パッド移動範囲のみであるので、所定の投入箇所例えば商品搬送コンベア上の商品の監視や補充作業等のエリアを広く確保できる。
【0053】
また、連包パウチ10の水平搬送であるので、連包パウチ10の搬送ライン20がよく見えることから、運転状態の監視が容易である。つまり、操作者が異常に気付きやすい。また、水平にラインが延びるので上下に比較して清掃しやく、清掃性が改善する。また、操作者にすれば連包パウチ10を横方向の一方向に延びるコンベア上にセットすればよいのでセットしやすい。また、手前側より連包パウチ10をセットすればいよいことからもセットしやすく、作業負荷を大幅に軽減できる。
【0054】
なお、前記所定の投入箇所は、上面視で、前記第1および第2の搬送コンベア26および30と離隔し、かつ前記第1および第2の搬送コンベア26および30の搬送方向に平行して容器14を搬送する搬送ライン20上であるので、確実に容器14の搬送と小袋投入装置の小袋12の搬送ライン20を分けることができ、装置の部品の脱落等異物が落下しても容器14内に異物混入を殆ど無くせる。また、万一連包パウチ10が胴切れが生じても容器14内に収容物が落下しないため、衛生上の観点からも好ましい。
【0055】
また、前記カッター部28は、支点を中心に2枚のブレードが鋏み状に開閉して連包パウチ10の横シールを切断する構造であれば、2枚のブレードの開き方向から連包パウチ10をセットできるので、セット作業を一層簡便に行いことができる。
【0056】
また、前記連包パウチ10は、その長さ方向に一定間隔の横シール部10aを設ける他、幅方向の少なくとも一側に縦シール部10bを設けたものとし、前記第一の搬送コンベア26は、上・下の搬送部材が前記一側の縦シール部10bを上・下から挟むベルト型コンベア部材であるものとすることによって、ベルト型コンベア部材によって内容物の無い縦シール部10bを緊密に挟んで搬送することができるので、コンベア部材と連包パウチ10にずれや蛇行が生じにくく、安定して連包パウチ10をカッター部28に送り込み、正確に横シール部10aの切断を行うことができる。
【0057】
また、前記小袋投入装置の前記第1および第2の搬送コンベア26および30ならびにカッター部28は上方からカバー部によって開閉自在に覆われているものにすることによって、小袋12や第1および第2の搬送コンベア26および30上に雰囲気中の埃や異物が乗って、小袋12所定の投入箇所の容器14内に混入することを確実に防止できる。
【0058】
また、第2の搬送コンベア30部は先方下がりに傾斜していれば、小袋12と先方の載置台32上に送り込むことができる。
【0059】
実施形態の小袋投入装置では、図8〜図9に示した小袋投入装置に比較して、搬送ラインが容器の流れる包装コンベア上に覆い被さることがなく、吸着ユニット以外固定のメカニズムも無いのでオフセットので容器無いへの異物混入を確実に防止できる。垂直送りではなく水平送りなのでの小袋の膨らむによる切断不良が生じない。また、透明なカバー部40、42を搬送ライン全体を覆っているので、異物今週が無く運転状態の監視がし易い。また、連包パウチのラインへの仕掛けが図8〜図9では、カッターユニットがトンネル構造でセット時の視認性が悪く、また、横シール部の中央部をカッターに手動でセットし位置合わせ送りする。これに対して、実施形態では、手前側がオープンであるので、セットしやすい。また、連包パウチの先端を第1の搬送コンベアの入側に差込めば自動的にカット位置にセット送りできるので、セットの手間が極めて少ない等の優れた効果を奏し得る。
【0060】
本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の範囲内で種々に変形実施できる。本発明に係る小袋投入装置による小袋の投入箇所は包装コンベア上の容器であることに限定されない。その他、包装コンベアのベルト上に直接投入するようにできる。また、包装コンベアのライン方向と小袋投入装置の搬送ラインとが平行である他、包装コンベアが弧を描いたものであって、また、包装コンベアのライン方向が小袋投入装置のライン方向に直角であってもよい。
また、実施形態に係る小袋投入装置で小袋に分割する連包パウチは横シール部及び縦シール部があるものであるが、縦シール部の無い、横シール部のみの連包パウチでもよい。この種の縦シールの無い連包パウチの場合、第1の搬送コンベアは連包パウチ全体を上下から挟み付けて送る上・下の搬送部材を備えたものとする。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の小袋投入装置は、食品の包装ライン以外の各種商品容器にパウチ(小袋)を投入するに利用することができる。
【符号の説明】
【0062】
10 連包パウチ
10a 横シール部
10b 縦シール部
12 小袋
14 容器
16 支持フレーム
16a 支持フレームの縦部分
16b 装置正面プレート
18 制御ボックス
20 搬送ライン
22 操作パネル
24 ローラ
26 第1の搬送コンベア
26a プーリ
26b ベルト
26u・26d 上・下の搬送部材
28 カッター部
30 第2の搬送コンベア
30a 第2の搬送コンベアのプーリ
30b 第2の搬送コンベアのベルト
32 載置台
34 吸着ユニット
34a 回動軸
34b アーム
34c 吸引パッド
34d プーリ
34e プーリ
34f タイミングベルト
36 容器投入ライン
38u・38d カッター部の上・下のブレード
38u1・38d1 各ブレードの剪断時位置
40 ライン用カバー部
40a ライン用カバー部のベースカバー
40b ライン用カバー部の開閉カバー
42 吸着ユニット用カバー部
42a 吸着ユニット用カバー部のヒンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
横シール部を介して小袋が連続した連包パウチを個々の小袋に切断して所定の投入箇所に当該小袋を投入する小袋投入装置において、
連包パウチを上・下から挟み込んで水平方向に間欠的に搬送するため上・下に搬送部材を有する第1の搬送コンベアと、
前記第1の搬送コンベアによって搬送された連包パウチを搬送一時停止時に横シール部を切断して個々の小袋に分けるカッター部と、
前記カッター部先方に位置して切断された各小袋を載置して搬送する第2の搬送コンベアと、
前記第2の搬送コンベアの送り先端に設けた載置台と、
前記載置台上の小袋を先端の吸引パッドで吸引して、前記所定の投入箇所上に投入する吸着ユニットとを備え、
上面視で、前記第1および第2の搬送コンベアと離隔した位置を前記所定の投入箇所にしたことを特徴とする小袋投入装置。
【請求項2】
前記所定の投入箇所は、上面視で、前記第1および第2の搬送コンベアと離隔し、かつ前記第1および第2の搬送コンベアの搬送方向に平行して容器を搬送する搬送ライン上であることを特徴とする請求項1に記載の小袋投入装置。
【請求項3】
前記カッター部は、片持ちのブレードを2枚対向させたものであって、それらブレードが開いた非切断状態時に、搬送状態の連包パウチの幅方向一側が開放された状態となり、2枚のブレードが閉じて連包パウチの横シール部を切断する構造であることを特徴とする請求項1または2に記載の小袋投入装置。
【請求項4】
前記小袋投入装置の前記第1および第2の搬送コンベアおよびカッター部は、上方からカバー部によって開閉自在に覆われていることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか1項に記載の小袋投入装置。
【請求項5】
第2の搬送コンベアは先方下がりに傾斜していることを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか1項に記載の小袋投入装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−173609(P2011−173609A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38160(P2010−38160)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(591272343)株式会社三橋製作所 (13)
【Fターム(参考)】