説明

干渉計方式により間隔測定するための機構

【課題】十分に平行に配設された二つのプレート間で、高精度で干渉計方式により間隔測定するための機構を提供する。
【解決手段】光源3.1から発せられた光束が、第一プレート1にある分光器要素1.2に傾斜して当たり、そこで反射される参照光束と透過する測定光束に分割される。測定光束は第二プレート2にあるリフレクタ要素2.2に当たり、そこで第一逆反射を受ける。参照光束は第一屈折要素3.2aを、測定光束は第二屈折要素3.2bを通過し、二つの光束は引き続いて、それぞれ関連配置された逆反射器3.3を通過して、測定光束は第三屈折要素3.2cを、参照光束は第四屈折要素3.2dを通過する。そして参照光束は第一プレート1で反射を、測定光束は第二プレート2のリフレクタ要素2.2で第二逆反射を受け、それにより二つの光束が、共直線で検知ユニット3の方向に伝播し、そこで位相がずれた複数の走査検知信号を生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、十分に平行に配設された二つのプレート間で、干渉計方式により間隔測定するための機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
横方向で互いが移動する二つの対象物の位置変化を検出するという他にも、専用として又は場合により追加的に、この対象物に対して直角且つ竪方向でこれら対象物の間隔を測定することが求められるという測定課題がある。ここで対象となり得るのは例えば、互いが十分に平行に配設された二つのプレートであり、これらのプレートは互いの間で僅かな間隔を有するにすぎない。この時に高精度で間隔測定するために挙げられるのは、例えば特許文献1または特許文献2で開示されている干渉計方式による方法である。
【0003】
干渉計方式により間隔測定するための特許文献1で公知の機構には、ガラスプレート上に配設された発光器・受光器ユニットを含んでおり、それが求める対象物からの間隔で位置しており、対象物にはミラーが配設されている。ガラスプレート上には分光格子が配設されており、それが光源から発せられた光束を、少なくとも一つの測定光束および少なくとも一つの参照光束に分光する。測定光束は、対象物にあるミラーの方向に伝播し、更に発光器・受光器ユニットの方向に逆反射される;参照光束はガラスプレートの中を伝播するのみであり、多数の反射をした後に測定光束と干渉重ね合わせを行うために、発光器・受光器ユニットに到達する。以上のようにして得られた干渉信号から、公知の形式と方法でガラスプレートと対象物間の間隔ないし、これら構成要素間の間隔変化を求めることができる。しかしながら特許文献1で公知の機構では、ガラスプレートとミラー間が傾く場合に、欠陥のある走査検知信号が発生するということが欠点である。
【0004】
特許文献2で公知の機構は、所謂フィゾー干渉計がベースになっており、それを使うことにより平行な二つのプレート間の間隔を、干渉計方式による方法を介して高精度に測定することができる。しかしながら、この場合も精密な間隔測定のためには、二つのプレートは非常に精確に互いが平行に向いていることが基本であり、そうでない場合には著しい信号低下が生じる。よって、この公知の干渉計方式により間隔測定するための機構でも、組み付けおよび使用上の許容度が極度に小さい。従ってフィゾー干渉計でも測定精度が、回避できない多重干渉により非常に制限されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】DE 10 2007 016 774 A1号公報
【特許文献2】US 4,606,638号公報
【特許文献3】DE 10 2010 043 263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の根拠となる課題は、十分に平行に配設された二つのプレート間で、高精度で干渉計方式により間隔測定するための機構を得ることであり、それは出来るだけ大きな組み付けおよび使用上の許容度を有する、即ち、場合による二つのプレートの傾きに対して特に鈍感なものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を本発明に従い、請求項1の特徴を有する機構により解決する。
【0008】
本発明による機構の利点ある実施方法は、従属請求項に記載の方策から得られる。
【0009】
十分に平行に配設された二つのプレート間で干渉計方式により間隔測定するための本発明による機構には、光源、少なくとも一つの分光器要素、少なくとも一つのリフレクタ要素、複数の屈折要素、複数の逆反射器、および検知ユニットを含んでいる。そして光源から発せられた光束が、第一プレートにある分光器要素に傾斜して当たり、そこで反射される参照光束と透過する測定光束に分割される。測定光束は第二プレートにあるリフレクタ要素に当たり、そこで第一プレートの方向に第一逆反射を受ける。参照光束は第一屈折要素を、測定光束は第二屈折要素を通過する;参照光束および測定光束は引き続いて、それぞれ関連配置された逆反射器を通過する;そして測定光束は第三屈折要素を、参照光束は第四屈折要素を通過し、そこで第一と第二屈折要素も第三と第四屈折要素も、通過する参照光束および測定光束に対してそれぞれ異なった屈折作用を効かせる。そして参照光束は第一プレートで反射を、測定光束は第二プレートのリフレクタ要素で第二逆反射を受け、それにより測定光束および参照光束が、共直線で検知ユニットの方向に伝播し、そこで、干渉する測定光束および参照光束から、位相がずれた複数の走査検知信号を生成することができる。
【0010】
可能な実施形態において逆反射器には、第一回折レンズ、リフレクタ要素、および第二回折レンズを含んでおり、第一回折レンズを介して、それに入射する測定光束または参照光束をリフレクタ要素に焦点を合わせ、そして第二回折レンズを介して、リフレクタ要素により反射されて出射する測定光束または参照光束を平行光線化することが行われる。
【0011】
その場合に第一および第二回折レンズが、プレート形状の透明なキャリア要素の第一側面に配設されており、リフレクタ要素が、反対側にあるキャリア要素の第二側面に配設されており、その反射する側面が、第一側面の方向に向いていることがある
更に、
− 第一逆反射器の第一屈折要素と第一回折レンズおよび第四屈折要素と第二回折レンズが、第一および第四組み合わせ回折性屈折レンズ要素として構成されており、
− 第二逆反射器の第二屈折要素と第一回折レンズおよび第三屈折要素と第二回折レンズが、第二および第三組み合わせ回折性屈折レンズ要素として構成されている
ようにしていることがある。
【0012】
本発明の別の観点により、組み合わせ回折性屈折レンズユニットが、プレート形状の透明なキャリア要素の第一側面に配設されており、そしてリフレクタ要素が、反対側にあるキャリア要素の第二側面に配設されており、その反射する側面が、第一側面の方向に向いていることがある。
【0013】
本発明による機構の利点ある実施形態においては、測定光束および参照光束の光路長が、規定された基準位置において同一である。
【0014】
このことを達成する目的で同一の光路長を設定するために、測定光束および参照光束それぞれに関連配置した逆反射器が、異なって構成されているようにすることがある。
【0015】
光源から発せられた光束が第一プレートに傾斜して入射する角度に対して、次が当て嵌まると利点がある:
tan(Θ)>rS/zP
そのとき
Θ=光源から発せられた光束が第一プレートに入射する角度で、第一プレートでの垂直に対する角度
rS=光源の光線半径
zP=第一と第二プレート間の間隔
【0016】
本発明による機構の可能な変形例において、第一プレートが透明なフラットプレートとして構成されており、
− その光源とは反対向きの側で空間的に制限された第一範囲において、分光器要素として平面的な分光層が配設されており、それに光源から発せられた光束が当たり、そして
− その同じ側で空間的に制限された第二範囲において、別の分光器要素として別の平面的な分光層が配設されており、それに測定光束が、第二プレートのリフレクタ要素における第二逆反射の後に当たると共に、それに参照光束が、第四屈折要素の通過後に当たる
ようにしていることがある。
【0017】
更に第一プレートが、光源の方を向いた側およびその反対側で分光器要素の付いた範囲の外側に、抗反射層を有している、および/または共直線で重ね合わされた測定光束および参照光束が検知ユニットの方向に伝播する範囲に、絞りを有していることがある。
【0018】
更に、第二プレートが透明なフラットプレートとして構成され、その光源の方を向いた側にリフレクタ要素として平面的なミラー層が配設されており、その反射する側が第一プレートの方向に向いていることがある。
【0019】
更に、第一および第二プレートの相対スライド量を二つのプレートの配設面に対して平行に検出するために適している光学式位置測定装置と組み合わせて、本発明による機構から成るシステムを構築することがある。
【0020】
その場合に、光学式位置測定装置および干渉計方式により間隔測定するための機構の測定点が、一致していると好ましい。
【0021】
本発明による解決手段の決定的な利点として、二つのプレートが場合により傾斜することに対して非常に鈍感であることが挙げられる;そのことから結果として同じく、所望されるような組み付けおよび使用上の許容度が大きいことが得られる。それを決定的に担うのは、本発明により逆反射を設けていることであり、それを介することにより、干渉に至る光束の少なくとも一つが、二度目に二つのプレートの一つにより反射される。この場合に、プレートで生じる例えば測定光束の第二反射を介して、場合によりこのプレートが必要な平行度に対して傾斜することが、光学的に補償されて測定誤差の原因とならない。
【0022】
本発明による機構により更に、光線断面が拡大された測定光束および参照光束の利用が可能になる。この干渉計方式による間隔測定は、以上のような形式と方法により、二つのプレート上で可能性ある局部的な欠陥に対して鈍感となるが、その理由は、大きな光線断面を有する光束が、対応して大きな面を介して中間的な表面特性を検出するからである。
【0023】
測定光束および参照光束は、本発明による機構において常に傾斜して二つのプレートに入射し、その間隔を測定する。それにより、信号取得に貢献しないで二つのプレート間を何度も往復して反射される光束が、大きく側方に屈折されるので、これが検知ユニットに最早当たらないことが確実である。このような形式と方法により、信号品質および測定精度が更に向上される。
【0024】
二つのプレートの側面には、本発明による機構では光学的に機能する構成要素として、二つのプレート上に均質で平面的なコーティングのみが設けられている、即ち、特に格子構造でない。従って、二つのプレートが互いの間で横方向にスライドする場合に、結果として生じる間隔信号は十分に一定のままである。従ってプレートが互いに相対して横方向スライドする時に、場合による補間誤差を最小化するための電子的な信号補正は、走査検知信号に対して必要ではない。
【0025】
本発明による機構は更に、横方向で二つのプレートの相対スライド量を検出するための光学式位置測定装置と組み合わせることにより、特に利点を有して一つの全体システムにすることができる。
【0026】
本発明の更なる詳細および利点は、本発明による機構の実施例に関する以下の説明を使って、図面と関連して説明することにする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1a】本発明による機構の第一実施例における光路の第一外観概略図。
【図1b】第一実施例における光路の一部の第二外観図。
【図2】第一実施例における走査検知プレート上側の上部外観図。
【図3】本発明による機構の構成要素の概略図示。
【図4a】本発明による機構の第二実施例における光路の第一外観概略図。
【図4b】第二実施例における光路の一部の第二外観図。
【図5】第二実施例における走査検知プレート上側の上部外観図。
【図6a】第二実施例における第一プレート上側の上部外観図。
【図6b】第二実施例における第二プレート下側の上部外観図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0028】
図1a,1b,および2を使って、本発明による機構の第一実施例を説明する。ここで図1a,1bは、この実施例の光路ないしその一部の異なった外観図を概略的な形状により、図2は、この機構の走査検知プレート上側の上部外観図を示している。
【0029】
本発明による機構を使うことにより、十分に平行に配設された二つのプレート1,2間の距離zPを高精度で、干渉計方式により測定することが可能である。その二つのプレート1,2として対象になるのは、例えばガラス製の二つのフラットプレートであり、それが例えば光学式位置測定装置の中に配設されていると共に、横方向xy面において一つまたは二方向で互いが相対的に可動であるものである。光学式位置測定装置および干渉計方式により間隔測定するための本発明による機構で構成されるシステムは、機械の中に配設されると共に、二つのプレート1,2と接続しており互いが相対的に可動である二つの機械要素に関して、機械制御用の高精度位置情報を生成するために使用される。xy面内における位置検出は、光学式位置測定装置を介して可能である。そのために二つのプレート1,2において位置1.1,2.1の範囲に、格子構造の形態をした−図では示していない−基準尺が配設されており、それにより光学的走査検知を介して、横方向xy面内におけるプレート1,2の互いのスライド量に関してその位置情報を生成する;当該光学式位置測定装置には、基準尺の他に更に−同じく図示していない−走査検知ヘッドが含まれ、それが例えば、本発明による機構の走査検知ユニット3の中に配設されている。それに適切な走査検知光学系ないし適切な光学式位置測定装置は、例えば本出願人の特許文献3で公知である。xy面におけるプレート1,2のスライド量に対する位置情報および、z方向に沿って本発明による機構を使って測定した二つのプレート1,2の竪方向間隔zPから、二つのプレート1,2の空間的な位置を6自由度で高精度測定することができる。この情報は同じく例えば、光学式位置測定装置および本発明による機構で構成されたシステムが配設されている機械において、互いが相対的に可動する機械部品の空間的な位置を高精度で測定すると共に、そこで例えば所謂、位置測定におけるアッベ誤差を補正するために利用することもできる。本発明による機構および光学式位置測定装置で構成するシステムの利点ある詳細については、以下に記述する経過の中で更に詳細に取り扱う。
【0030】
干渉計方式により間隔測定する本発明による機構の図示している第一実施例では、z方向で二つのプレート1,2から間隔を隔てている走査検知ユニット3に、機構のいろいろな構成要素が配設されている。
【0031】
勿論、単一の共通走査検知ユニットの中に、全ての構成要素が配設されていることが必ずしも求められるものではない;場合によれば例えば、光源3.1および/または検知ユニット4ないしその部品を、走査検知ユニット3から空間的に切り離して配設し、そして光ファイバを使って走査検知ユニット3と接続することも考えられるであろう。
【0032】
本発明による機構の機能原理を説明するために、第一実施例における走査検知光路を以下で説明するが、それを介して、二つのプレート1,2間の間隔zPに関して、ないし間隔zPの変化に関して、位相のずれた複数の走査検知信号S0,S120,S240を発生することになる。
【0033】
走査検知ユニット3にある光源3.1から発せられた光束が、光学軸Aに対して角度Θだけ傾斜して、第一プレート1にある分光器要素1.2に当たる。光源3.1としては、直線偏光された光束を発するレーザを使用と好ましい。呈示の例において分光器要素1.2は平面的な分光層として構成されており、それが第一プレート1で光源3.1とは反対向きの側に配設されている;この側を以下において、第一プレート1の上側と呼ぶこともある。光源3.1から入射する光束は、分光器要素1.2を介して二つの分光光束に分けられ、その一つが反射され、別の分光光束は透過する。以下においては反射された分光光束を参照光束R、そして透過した光束を測定光束Mと呼ぶ。測定光束および参照光束M,Rという二つの分光光束の呼び方は任意であり、勿論、呼び方を逆転して選択する場合もあることを示唆しておきたい。
【0034】
測定光束Mは続いて、第一プレート1に対して名目上平行な第二プレート2に当たる。第二プレート2で第一プレート1の方を向いた側、以下において第二プレート2の下側とも呼ぶ側に、リフレクタ要素2.2が配設されている。そのリフレクタ要素2.2は、平面的なミラー層として構成されており、その反射する側が第一プレート1の方向に向けられている。そのリフレクタ要素2.2で測定光束Mが、第一プレート1の方向への第一逆反射を受ける。そして測定光束Mは第一プレート1を、透明で光学的に作用しない範囲で透過し、λ/8プレートとして構成された偏光要素3.2bを通過して、走査検知ユニット3にある走査検知プレート3.3に到達する。走査検知プレート3.3には、その上に配設された光学的要素を介して種々の光学的機能が盛り込まれており、それが測定光束Mに、走査検知プレート3.3の通過時に特定の光学的作用を実行する。そこで測定光束Mは、再び二つのプレート1,2の方向に伝播する前に、第一屈折要素、関連配置された逆反射器、そして第四屈折要素を通過する。
【0035】
走査検知プレート3.3の通過時の測定光束Mに対する色々な光学的作用を詳細に説明するために、図3を参照されたい。二つのプレート1,2の方向から入射する測定光束Mはまず、格子として構成されている屈折要素AEを通過する。ここでは光学軸Aに対して入射角Θinで入射する測定光束が、屈折要素AEにより屈折され、それを通過した後に光学軸Aに対して平行に逆反射器RRの方向に更に伝播する。図示している例では逆反射器RRが、回折レンズDLおよび、ミラー層として構成されたリフレクタ要素Rで構成されている;回折レンズDLおよびリフレクタRは、プレート形状で透明なキャリア要素の対向する側に配設されていると好ましい。回折レンズDLが測定光束を、リフレクタ要素Rに焦点を合わせる;リフレクタ要素Rにより結果として生じるのは、出射する測定光束Mを再び平行光線化する回折レンズDLの方向への逆反射であり、その後に測定光束が改めて屈折要素AEに当たる。測定光束Mは屈折要素AEにより、それを通過する時には最終的に最初の屈折に対して逆向きに、即ち、出射角Θoutで光学軸Aから離れるように屈折され、そこでΘin=Θoutが当て嵌まる。
【0036】
場合により屈折要素AEおよび/または逆反射器RRの回折レンズDLも、基本的に複数分割して、即ち、例えば入射と出射する測定光束Mの範囲のみに構成することもあることを、ここで示唆しておきたい。
【0037】
測定光束M’の入射角Θ’inが−例えば二つのプレート1,2が傾くことにより−幾分傾斜の緩い入射角Θ’inに向かって少し変化する時、屈折要素AE後の測定光束M’の出射角Θ’outは、幾分傾斜がきつくなる。よって、屈折要素AEおよび逆反射器RRで構成される図3で示した配設は、より傾斜の緩い入射角を同じく傾斜の緩い出射角に方向転換する簡単なミラー反射とは異なっている。それに入射する測定光束M’の小さな角度変化δΘin=Θ’in−Θinを観察すると、これが反対向きの角度変化δΘout=Θ’out−Θout=−δΘinに方向転換され、それが逆反射器の代表的な光学的特性に相当する。即ち、屈折要素AEおよび逆反射器RRの組み合わせが、入射する測定光束M’を任意に選択できる別の方向に屈折して、そのときに、入射する測定光束M’の僅かに相違する角度変化が常に、出射する測定光束M’の反対向きの角度変化に転換される。
【0038】
そこで注意すべきことは更に、最初および二回目の通過時に屈折要素AEが、測定光束M,M’を異なって屈折することである。よって図3から分かるように、入射する測定光束M,M’が+1次回折次数、出射する測定光束Mは−1次回折次数で屈折される。
【0039】
屈折要素AEと回折レンズDLが分離している図3で図示の配設に対する代替として、特に利点ある変形例ではこの二つの要素AE,DL乃至その光学的機能を、単一の回折要素に組み合わせるようにすることがある。そのような要素を以下においては、組み合わせ回折性屈折レンズ要素と呼ぶことにし、図1a,1bにおける本発明による機構の第一実施例では、具体的にそのようにしている。組み合わせ回折性屈折レンズ要素をプレート形状の透明なキャリア要素の片側に、その反対側にリフレクタ要素を配設して、その反射する側面が反対の側面の方向を向いていると好ましい。
【0040】
従って本発明による機構の第一実施例では、走査検知プレート3.3で二つのプレート1,2の方を向いた側面に、第二組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4bが配設されている。これが測定光束Mを、対応する光学的屈折機能を介して、光学軸Aに対して平行に屈折して、それを同時にその光学的レンズ機能を介して、走査検知プレート3.3で反対側にあるリフレクタ要素3.5に焦点を合わせる。そこで測定光束Mは、光学軸Aの範囲でリフレクタ要素3.5に当たり、それにより反射されて、第三組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4cに到達する。第三組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4cおよびその光学的レンズ機能を介して、結果として測定光束Mの平行光線化が生じ、第三組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4cの光学的屈折機能を介して、角度Θで光学軸Aに向かう測定光束Mの屈折が生じる。引き続いて、二つのプレート1,2の方向に伝播する測定光束Mはまず、同じくλ/8プレートとして構成された別の偏光要素3.2cを通過し、そしてプレート1の透明な範囲を貫通して、最後に再び第二プレート2上にあるリフレクタ要素2.2に当たる。そこで第二逆反射を受け、そして第一プレート1上にある別の分光器要素1.3を通過して、検知ユニット4の方向に伝播する。
【0041】
第一プレート1の分光器要素1.2で生成された参照光束Rは、走査検知ユニット3の方向に逆反射され、そこでλ/8プレートの形態をした偏光要素3.2aを通過して、そして測定光束Mが通過する第二組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4bのように、走査検知ユニット3.3の同じ側に配設されている第一組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4aに到達する。第一組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4aは、測定光束Mに対する第二組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4bのように、基本的に同等の光学機能を参照光束Rに実行する。即ち、参照光束Rが、第一組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4aの光学的屈折機能を介して光学軸Aに対して平行に向けられ、他方でその光学的レンズ機能を介して参照光束は、リフレクタ要素3.5の上方で光学軸Aの範囲において、走査検知ユニット3.3で二つのプレート1,2の方を向いた側に配設されているリフレクタ要素3.6に焦点を合わせられる。そしてリフレクタ要素3.6から参照光束Rは、更にリフレクタ要素3.5での反射を介して、第四組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4dに到達する。これが参照光束Rを再び平行光線化して、それを同じく光学軸Aに向かって角度Θで屈折する。従って参照光束Rは、第一屈折要素、関連配置された逆反射器、および第四屈折要素を通過し、その後、再び二つのプレート1,2の方向に伝播する。そして参照光束Rは、λ/8プレートとして構成された偏光要素3.2dを通過した後に、第一プレート1上にある分光器要素1.3に到達し、そこで同じく入射する測定光束Mと重ね合わされ、そして更に反射された後に検知ユニット4の方向に伝播する。
【0042】
第一および第四組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4a,3.4d、そして第二および第三組み合わせ回折性屈折レンズ要素3.4b,3.4cが、それぞれ光学軸Aおよび焦点位置に関して対称的に構成されていることにより、測定光束および参照光束M,Rが、第一プレート1の分光器要素1.3における同一位置で出合い、そして共直線で検知ユニット4に伝播することが保証される。
【0043】
呈示の実施例で走査検知プレート3.3中において、参照光束Rがリフレクタ要素3.6で追加して反射されることにより通過する長い方の光路は、プレート1,2が基準位置にある時に、それがプレート1,2間における測定光束Mの追加光路に等しくなるように選択すると好ましい。従って二つの光束の光路長は、基準位置で補償することができる。その結果として、この基準位置で光源3.1の位相ノイズが最早影響しないので、特に位置ノイズが少なくなる。加えて、コヒーレント長の短い光源3.1を使用可能であり、それが(例えば、ケース壁面での“斑点模様形成”による)意図しない障害反射を本質的に減少する。
【0044】
位相のずれた走査検知信号S0,S120,S240を生成するために、測定光束と参照光束M,Rは、それぞれλ/8プレートとして構成され対応して方向を向けられた偏光構成要素3.2a〜3.2dにより、互いの間で反対向きに円偏光される。検知ユニット4の中にある分光格子4.1が、二つの共直線測定光束と参照光束M,Rを、それぞれ三つの分光光束に更に分光する。これらが、それぞれポラライザ4.2a,4.2b,4.2cを通過した後に、光電式ディテクタ要素4.3a,4.3b,4.3cにより、位相のずれた電気的な走査検知信号S0,S120,S240に変換される。ポラライザ4.2a,4.2b,4.2cは、互いが60°の角度に向けられているので、生成された走査検知信号S0,S120,S240間でそれぞれ120°の位相ずれが生じる。
【0045】
図示している第一実施例では全ての光束が、光源3.1から検知ユニット4まで一つの面内、即ち、図1aで図示のXZ面内を進む。二つのプレート1,2のそれぞれに対する有効測定点は、対称性が理由となって、該当分光光束M,Rが出合う点の間の光学軸A上にある。図1aと1bで図示しているように、第二プレートに対する有効測定点は、プレート2の下側の位置2.1にある;第一プレート1に対しては有効測定点が、プレート1の上側の位置1.1にある。第一プレート1がz方向スライドする時も、測定点1.1,2.1は光学軸A上に留まる。
【0046】
図1a,1bでは図示していない光学式位置測定装置を追加して使うことにより、−既に前記で言及したように−xy面における二つのプレート1,2の横方向スライド量を互いの間で検出することができる。そのために二つのプレート1,2が測定点1.1,2.1で、適切な走査検知ヘッドにより走査検知する格子構造を有していることがある。例えば特許文献3で公知である走査検知光学系の走査検知ヘッドが、走査検知ユニット3の中に、好ましくは光学軸Aの近くに配設されており、同じく位置1.1,2.1に有効測定点を有している。干渉計方式により間隔測定するための本発明による機構および、追加の光学式位置測定装置の共通測定点1.1,2.1により、複数自由度を簡単に特定して、生成された間隔信号を特に好都合に評価すること可能になる。そして、それぞれ干渉計方式により間隔測定するための本発明による機構および追加の光学式位置測定装置で構成された三つの当該形式システムが、二つのプレート1,2の所謂6Dポーズを互いの間で相対的に送り出す。6Dポーズは、プレート1,2またはツールセンターポイント(TCP)の位置でそれぞれそれと接続された機械部品の、相対位置を計算するために使用することができ、場合によりアッベ誤差を、それにより補正することができる。
【0047】
xy面におけるプレート1,2の許容スライド量は、第二プレート2上にあるリフレクタ要素2.2の横方向大きさ、ないし第一プレート1上にある分光器要素1.2,1.3の横方向大きさにより制限される。図示している図1a,1bの第一実施例では、例えば第二プレート2上にあるリフレクタ要素2.2のミラー層が、プレート2の下側全体に亘って広がって配設されているので、そのスライド範囲はプレート2の寸法によってのみ制限される。それに対して第一プレート1の上側にある分光器要素1.2,1.3の分光層は、それぞれy方向に沿ってのみ縞状で延伸しているので、x方向では僅かの量だけ、しかしy方向では広い範囲に亘ってスライド可能である。勿論、スライド範囲を最大で可能にするために、分光器要素1.2,1.3の分光層を、それぞれ第一プレート1の上側に面として設けることもできる。それにより厳密に云えば、二つのプレート1,2で多重反射の発生することがあるが、測定光束および/または参照光束M,Rからの該当光束は、光束が光源3.1から来て第一プレートに入射するように選択した光線傾斜(角度Θ)および、それに伴って現れる横方向光線オフセットが大きいことにより、検知ユニット4には到達しない。そのために図1aで分かるように、第一プレート1の上側において測定光束および参照光束M,Rが当たる点の間の光線オフセットΔxが、横方向の光線幅より大きくなければならない。そのことから、光源3.1から発せられた光束が第一プレート1に傾斜して入射する最小必要入射角Θに対する条件が得られる:
tan(Θ)>rS/zP’ (式1)
そのとき
Θ=光源から発せられた光束が第一プレートに入射する角度で、第一プレートでの垂直に対する角度
rS=光源の光線半径
zP=第一および第二プレートの間隔
【0048】
分光器要素1.2,1.3の分光層が横方向で制限されている時も、式1による条件を遵守することが不可欠であり、それは、この場合でもプレート1,2の表面で、検知ユニット4に到達してはならない弱い多重反射が避けられないからである。
【0049】
式1の条件を遵守することの他に更に、第一プレート1で分光器要素1.2,1.3が付いた範囲外の上側および全下側に、抗反射層を設けていると利点のあることが分かっている。利点のあることは更に、当該障害反射を抑制するために、検知ユニット4の前ないし、共直線で重ね合わされた測定光束および参照光束M,Rが検知ユニット4の方向に伝播する範囲に、−図では示していない−絞りを配設することである。その他にも、第一プレート1を軽くクサビ形状で実施して、それによりこのプレート1の内部における多重反射の干渉を回避すると好都合である。
【実施例2】
【0050】
本発明による機構の第二実施例を、以下において図4a,4b,5および6aと6bを使って説明するが、そこでは第一例に対する主な違いのみを取り扱う。図4a,4bは第一実施例と同様に、光路ないしその一部の異なった外観図を概略的な形状により示しており、図5は走査検知プレート上側の上部外観図を、そして図6aと6bは、本発明による機構の第一および第二プレートの外観図を示している。
【0051】
本発明による機構の第二実施例が第一実施形態と異なるのは主として、光源13.1から検知ユニット14までの光路がここでは、第一例ではxz面のケースのように、一つの面を完全に進まないことである。
【0052】
この実施形態では光源13.1が、光学軸Aに対してy方向でオフセットして配設されており、そして光学軸Aに対して傾斜角Θでxz面に平行に光束を送り出す。光束が更に進むと参照光束Rおよび測定光束Mはy方向でオフセットして、走査検知ユニット13の中で走査検知プレート13.3の上側にあり関連配置された第一および第二組み合わせ回折性屈折レンズ要素13.4a,13.4bに当たる。この実施形態においてそのレンズ機能は、走査検知プレート13.3の下側にあるリフレクタ要素13.5に、参照光束Rも測定光束Mも焦点が合うように選ばれており、横方向で見て焦点位置が再び光学軸A上にある。第三および第四組み合わせ回折性屈折レンズ要素13.4c、13.4dも、同じく光学軸Aに対して対称で構成されている。y方向でオフセットした光源13.1を選択していることにより、走査検知プレート13.3の中における参照光束Rの光路長が、測定光束Mのそれより著しく長い。走査検知プレート13.3の厚み寸法を適切に決めることにより、この実施例において二つのプレート1,2間で追加的に生じる測定光束Mの光路長を補償することができ、それにより同じく基準位置における光路長が補償されている。ここでは第一実施形態とは異なり、走査検知プレート13.3の上側での追加のリフレクタ要素を必要としない。
【0053】
光路がxz面だけを進まない結果として更に、第二実施例では第二プレート12の下側に−特に図4aと6aで分かるように−y方向で間隔を隔てた二つのリフレクタ要素12.2,12.3が、同じく平面的な分光層として構成されて配設されている。このリフレクタ要素12.2,12.3を介して、第二プレート12による測定光束Mの第一および第二逆反射が行われる。
【0054】
本発明による機構のこの実施例では、光源13.1および大半の別の光学構成要素(13.4a〜13.4d,13.2a〜13.2d,14)をy方向オフセットして設けていることにより、結果として光学軸Aの範囲で、より広い使用可能なスペースが生じ、そこには、例えばプレート1,2の横方向位置を測定するための光学式位置測定装置を一体化する。
【0055】
図4a,4bおよび6a,6bにおいて、当該形式の位置測定装置の構成要素を著しく概略化して図示している。それに属するのは、走査検知ユニット13に関連配置された走査検知ヘッド20および、第一プレート11上の第一基準尺21と第二プレート12上の第二基準尺22である。ここで第一基準尺21は、第一プレート11の二つの分光器要素11.2,11.3の中間に、そして第二基準尺22が、第二プレート12の二つのリフレクタ要素12.2,12.3の中間に配設されている。走査検知ヘッド20には、例えば光源およびディテクタユニットを含んでいることがある;第一および第二基準尺21,22としては、それぞれx方向で延伸するインクリメント目盛が設けられている。
【0056】
具体的に説明した二つの実施例の他に勿論、干渉計方式により間隔測定するための本発明による機構を代替的に構成する更に別の可能性がある。
【0057】
従って、二つの実施例に設けられた組み合わせ回折性屈折レンズ要素の代わりに、それぞれ前後して配設された屈折要素およびレンズを設けることも可能であり、それを介することにより、通過する光束に対して必要な光学的屈折および焦点作用を達成する。屈折要素として例えば格子、プリズム、あるいはミラーを使用し、レンズは回折性または屈折性で構成されているものとすることができる。
【0058】
可能なことは更に、三角ミラーまたは三角プリズムを介して逆反射器機能を置き換えることである、即ち、回折性または屈折性レンズ、関連配置されたミラー、そして後続の回折性または屈折性レンズも、三角ミラーまたは三角プリズムにより代用することもあろう。
【0059】
更に、二つのプレートにおいて障害となる多重反射が干渉しないように、光源のコヒーレント長を短く選ぶと、利点のあることが分かっている。
【0060】
更に、位相のずれた走査検知信号の生成を、互いで直角偏光された光束を前提に、二つの実施例に記載しているものとは異なる代替の形式と方法で行うことができる。それで例えば、検知ユニットにおいて偏光分光器および光波プレートを使用することもある。
【0061】
本発明の範疇においては更に、直角偏光された二つの測定光束および参照光束を、λ/8プレートを使って生成する代わりに、干渉する二つの光束の角度を互いの間で僅かに傾けることもできる。傾けることにより検知ユニットにおける重ね合わせ時に、例えば構造対応したフォトディテクタにより走査検知できる縞模様が発生する。
【0062】
縞模様に対する別の走査検知方法も、位相のずれた走査検知信号を生成する当該変形例で当然、使用可能である。従って、干渉する二つの光束を傾けることを、例えば組み合わせ回折性屈折レンズ要素の屈折角度を、測定光束および参照光束に対して僅かに違って選ぶことによっても達成できるであろう。
【0063】
更に、第一プレートと走査検知プレート間で参照光束の光路に、対応した厚みのガラスプレートを挿入することによっても、測定光束および参照光束の光路長を補償することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 第一プレート
1.2 分光器要素
1.3 分光器要素
2 第二プレート
2.2 リフレクタ要素
3 走査検知ユニット
3.1 光源
3.2 偏光要素
3.3 走査検知プレート
3.4 組み合わせ回折性屈折レンズ要素
3.5 リフレクタ要素
3.6 リフレクタ要素
4 検知ユニット
4.1 分光格子
4.2 ポラライザ
4.3 光電式ディテクタ要素
11 第一プレート
11.2 分光器要素
11.3 分光器要素
12 第二プレート
12.2 リフレクタ要素
12.3 リフレクタ要素
13 走査検知ユニット
13.1 光源
13.3 走査検知プレート
13.4 組み合わせ回折性屈折レンズ要素
13.5 リフレクタ要素
14 検知ユニット
20 走査検知ヘッド
21 第一基準尺
22 第二基準尺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源(3.1;13.1)、少なくとも一つの分光器要素(1.2;11.2)、少なくとも一つのリフレクタ要素(2.2,3.5,3.6;12.1,12.5,13.5)、複数の屈折ユニット、複数の逆反射器(RR)、および検知ユニット(4;14)を有し、十分に平行に配設された二つのプレート(1,2;11,12)間で干渉計方式により間隔するための機構において、
− 光源(3.1;13.1)から発せられた光束が、第一プレート(1;11)にある分光器要素(1.2;11.2)に傾斜して当たり、そこで反射される参照光束(R)と透過する測定光束(M)に分割され、そして
− 測定光束(M)は第二プレート(2)にあるリフレクタ要素(2.2;12.2)に当たり、そこで第一プレート(1)の方向に第一逆反射を受け、そして
− 参照光束(R)は第一屈折要素を、測定光束(M)は第二屈折要素を通過し、参照光束および測定光束(R,M)は引き続いて、それぞれ関連配置された逆反射器(RR)を通過し、そして測定光束(M)は第三屈折要素を、参照光束(R)は第四屈折要素を通過し、そこで第一と第二屈折要素も第三と第四屈折要素も、通過する参照光束および測定光束(R,M)に対してそれぞれ異なった屈折作用を効かせ、そして
− 参照光束(R)は第一プレート(1;11)で反射を受け、そして
− 測定光束(M)は第二プレート(2;12)のリフレクタ要素(2.2;12.3)で第二逆反射を受け、それにより
− 測定光束(M)および参照光束(R)が、共直線で検知ユニット(4;14)の方向に伝播し、そこで、干渉する測定光束および参照光束(M,R)から、位相がずれた複数の走査検知信号(S0,S120,S240)を生成することができる
ことを特徴とする機構。
【請求項2】
請求項1に記載の機構において、
逆反射器(RR)には、第一回折レンズ(DL)、リフレクタ要素(R)、および第二回折レンズ(DL)を含んでおり、第一回折レンズ(DL)を介して、それに入射する測定光束または参照光束(M,R)をリフレクタ要素(R)に焦点を合わせ、そして第二回折レンズ(DL)を介して、リフレクタ要素(R)により反射されて出射する測定光束または参照光束(M,R)を平行光線化することが行われる
ことを特徴とする機構。
【請求項3】
請求項2に記載の機構において、
第一および第二回折レンズ(DL)が、プレート形状の透明なキャリア要素の第一側面に配設されており、リフレクタ要素(R)が、反対側にあるキャリア要素の第二側面に配設されており、その反射する側面が、第一側面の方向に向いている
ことを特徴とする機構。
【請求項4】
請求項2に記載の機構において、
− 第一逆反射器の第一屈折要素と第一回折レンズおよび第四屈折要素と第二回折レンズが、第一および第四組み合わせ回折性屈折レンズ要素(3.2a,3.2d;13.2a,13.2d)として構成されており、
− 第二逆反射器の第二屈折要素と第一回折レンズおよび第三屈折要素と第二回折レンズが、第二および第三組み合わせ回折性屈折レンズ要素(3.2b,3.2c;13.2b,13.2c)として構成されている
ことを特徴とする機構。
【請求項5】
請求項4に記載の機構において、
組み合わせ回折性屈折レンズユニット(3.2a,3.2b,3.2c,3.2d;13.2a,13.2b,13.2c,13.2d)が、プレート形状の透明なキャリア要素の第一側面に配設されており、そしてリフレクタ要素(3.5;13.5)が、反対側にあるキャリア要素の第二側面に配設されており、その反射する側面が、第一側面の方向に向いている
ことを特徴とする機構。
【請求項6】
前記請求項の少なくとも一つに記載の機構において、
測定光束および参照光束(M,R)の光路長が、規定された基準位置において同一である
ことを特徴とする機構。
【請求項7】
請求項6に記載の機構において、
同一の光路長を設定するために、測定光束および参照光束(M,R)それぞれに関連配置した逆反射器が、異なって構成されている
ことを特徴とする機構。
【請求項8】
前記請求項の少なくとも一つに記載の機構において、
Θ=光源から発せられた光束が第一プレートに入射する角度で、第一プレートでの垂直に対する角度
rS=光源の光線半径
zP=第一と第二プレート間の間隔
とすると、
光源(3.1;13.1)から発せられた光束が第一プレートに傾斜して入射する角度(Θ)に対して、
tan(Θ)>rS/zP
が当て嵌まる
ことを特徴とする機構。
【請求項9】
前記請求項の少なくとも一つに記載の機構において、
第一プレート(1;11)が透明なフラットプレートとして構成されており、
− その光源(3.1;13.1)とは反対向きの側で空間的に制限された第一範囲において、分光器要素(1.2;11.2)として平面的な分光層が配設されており、それに光源(3.1;13.1)から発せられた光束が当たり、そして
− その同じ側で空間的に制限された第二範囲において、別の分光器要素(1.3;11.3)として別の平面的な分光層が配設されており、それに測定光束(M)が、第二プレート(2)のリフレクタ要素(2.2;12.3)における第二逆反射の後に当たると共に、それに参照光束(R)が、第四屈折要素の通過後に当たる
ことを特徴とする機構。
【請求項10】
請求項9に記載の機構において、
第一プレート(1;11)が、光源(3.1;13.1)の方を向いた側およびその反対側で分光器要素(1.2,1.3;11.2,11.3)の付いた範囲の外側に、抗反射層を有している、および/または共直線で重ね合わされた測定光束および参照光束(M,R)が検知ユニット(4;14)の方向に伝播する範囲に、絞りを有している
ことを特徴とする機構。
【請求項11】
前記請求項の少なくとも一つに記載の機構において、
第二プレート(2;12)が透明なフラットプレートとして構成され、その光源(3.1;13.1)に向いた側にリフレクタ要素(2.2;12.2;12.3)として平面的なミラー層が配設されており、その反射する側が第一プレート(1;11)の方向に向いている
ことを特徴とする機構。
【請求項12】
第一および第二プレート(1,2;11,12)の相対スライド量を二つのプレート(1,2;11,12)の配設面に対して平行に検出するために適している光学式位置測定装置と組み合わせて、前記請求項の少なくとも一つに記載の機構から成るシステム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムにおいて、
光学式位置測定装置および干渉計方式により間隔測定するための機構の測定点(1.1,2.1;11.1,12.1)が一致している
ことを特徴とするシステム。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【公開番号】特開2013−50448(P2013−50448A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171642(P2012−171642)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【出願人】(390014281)ドクトル・ヨハネス・ハイデンハイン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング (115)
【氏名又は名称原語表記】DR. JOHANNES HEIDENHAIN GESELLSCHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
【Fターム(参考)】