説明

形状測定方法、形状測定システム及び形状測定装置

【課題】測定精度の低下を抑えつつ測定対象物の形状測定を行うことが可能な形状測定方法、形状測定システム及び形状測定装置を提供する。
【解決手段】予めサンプリングモードを実行して、XYステージ14を一定速度で駆動した場合における受光面19aでの経時的な最大受光量変化情報を取得する。そして、測定モード実行時には、その最大受光量変化に基づきXYステージ14の移動速度を変更しつつ、照射スポットQの各移動位置におけるワークWの距離測定を行う。サンプリングモード実行時において受光量変化が大きかった照射スポットQの各移動位置では、XYステージ14の移動速度を下げてフィーバック制御の追従遅れによる測定精度の低下を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、形状測定方法、形状測定システム及び形状測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば下記特許文献1には、光源からの光を測定対象物に照射し、その反射光をイメージセンサで受光して、当該反射光のイメージセンサにおける受光位置に基づき光源及びイメージセンサから測定対象物までの距離を測定する光学式変位計が開示されている。このような光学式変位計では、常時一定の投光量で投光部を駆動すると、測定対象物表面の凹凸や色の相違などによってイメージセンサにおける受光量が変化し、イメージセンサにおける受光位置を精度良く検出できず距離測定に支障を来たすおそれがある。そこで、従来の光学式変位計の中には、そのイメージセンサでの受光量をフィードバックして一定の受光量になるよう投光部の投光量を制御するものがある。
【0003】
そして、このような光学式変位計は、光源からの光の照射方向に交差する方向に測定対象物を移動機構によって相対的に移動させることで、各移動位置に対応するイメージセンサでの受光位置に基づき測定対象物の表面形状を測定する形状測定にも利用される。
【特許文献1】特開2001−50711公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記形状測定に利用される場合、移動機構による光の照射スポットの移動過程において測定対象物表面の凹凸形状や色の変化などによってイメージセンサでの受光量が変動する。勿論、上記構成では、フィードバック制御によって比較的に緩やかな受光量変化であれば追従して是正される。しかしながら、受光量変化が比較的に大きく変動する場合には、上記フィードバック制御の追従遅れが生じたまま一定の速度で移動機構が駆動されてしまい、各照射スポットに対応するイメージセンサでの受光位置を正確に検出できず、その結果、形状測定の精度が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、測定精度の低下を抑えつつ測定対象物の形状測定を行うことが可能な形状測定方法、形状測定システム及び形状測定装置を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係る形状測定方法は、投光部からの光を測定対象物に照射し、その反射光を前記測定対象物までの距離に応じて変化する受光面上の位置で検出可能な位置検出部に受光させ、前記測定対象物上における前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させつつ、各移動位置において前記位置検出部で順次検出される前記受光面での受光位置に基づき前記測定対象物の形状測定を行う形状測定方法において、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させたときの前記位置検出部での受光量変化をサンプリングする第1ステップと、前記受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行いつつ、前記第1ステップでサンプリングされた受光量変化に基づき前記照射スポットの移動速度を前記第1ステップでの移動速度に対して変更しつつ前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させて前記形状測定を行う第2ステップとを含むことを特徴とする。
なお、本発明の「位置検出部での受光量変化」には、受光面上において最大受光量を示す部分の当該最大受光量の変化、受光面全体が受ける総受光量の変化、受光面のうち一定レベル以上の受光量を示す範囲内での総受光量の変化が含まれる。
「照射スポットを移動」は、投光部及び位置検出部側と測定対象物とを相対的に移動することで照射スポットを移動させることを意味する。具体的には、投光部及び位置検出部側を測定対象物に対して移動することで照射スポットを移動させることと、測定対象物を投光部及び位置検出部側に対して移動することで照射スポットを移動させることとが含まれる。
「位置検出部で受光される反射光」は、測定対象物での投光部からの光の正反射光であっても、拡散反射光であってもよい概念である。
【0007】
請求項2の発明に係る形状測定方法は、投光部からの光を測定対象物に照射し、その反射光を前記測定対象物までの距離に応じて変化する受光面上の位置で検出可能な位置検出部に受光させ、前記測定対象物上における前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させて、各移動位置において前記位置検出部で順次検出される前記受光面での受光位置に基づき前記測定対象物の形状測定を行う形状測定方法において、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させたときの前記位置検出部での受光量変化をサンプリングする第1ステップと、前記第1ステップでサンプリングされた受光量変化に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量を調整しつつ前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させて前記形状測定を行う第2ステップとを含むことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明に係る形状測定システムは、測定対象物に光を照射する投光部と、前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、前記測定対象物上における、前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させる移動機構と、前記移動機構による前記照射スポットの移動過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、前記測定部による測定動作に先立ってサンプリングされ、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記移動機構を駆動して前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させたときの前記位置検出部での受光量変化情報が記憶されるメモリと、前記測定部による測定動作時において、前記位置検出部の受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行う投光量フィードバック制御部と、前記測定部による前記測定動作時において、前記メモリに記憶された受光量変化情報に基づき前記移動機構による移動速度を制御する速度制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
なお、下記の構成であってもよい。
(構成A)前記速度制御部は、前記受光量変化情報に基づき所定値以上の受光量変化がある照射スポットの移動位置において前記移動機構の移動速度を低下させることを特徴とすることを特徴とする請求項3に記載の形状測定システム。
(構成B)前記測定部は、前記受光量変化情報に基づき所定値以上の受光量変化がある照射スポットの移動位置で前記位置検出部から得た位置信号は前記測定対象物の形状測定に使用しないことを特徴とする構成Aに記載の形状測定システム。
【0010】
請求項4の発明に係る形状測定システムは、測定対象物に光を照射する投光部と、前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、前記測定対象物上における、前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させる移動機構と、前記移動機構による前記照射スポットの移動過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、前記測定部による測定動作に先立ってサンプリングされ、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記移動機構を駆動して前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させたときの前記位置検出部での受光量変化情報が記憶されるメモリと、前記測定部による前記測定動作時において、前記メモリに記憶された受光量変化情報に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量をフォワード制御する投光量フォワード制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明に係る形状測定システムは、測定対象物に光を照射する投光部と、前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、前記測定対象物上における、前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させる移動機構と、前記移動機構による前記照射スポットの移動過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、前記照射スポットに対してその移動方向手前の位置に一定光量の光を照射しその反射光の受光量を検出する光電センサと、前記測定部による前記測定動作時において、前記位置検出部の受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行う投光量フィードバック制御部と、前記測定部による前記測定動作時において、前記光電センサにて先行して検出される受光量の変化に基づき前記移動機構による移動速度を制御する速度制御部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明に係る形状測定システムは、測定対象物に光を照射する投光部と、前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、前記測定対象物上における、前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させる移動機構と、前記移動機構による前記照射スポットの移動過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、前記照射スポットに対してその移動方向手前の位置に一定光量の光を照射しその反射光の受光量を検出する光電センサと、前記測定部による前記測定動作時において、前記光電センサにて先行して検出される受光量の変化に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量をフォワード制御する投光量フォワード制御部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明に係る形状測定装置は、移動機構により相対的に移動する測定対象物に光を照射する投光部と、前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、前記移動機構により前記投光部からの光の照射スポットが測定範囲内で移動される過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、前記測定部による測定動作に先立ってサンプリングされ、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記移動機構により前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動されたときの前記位置検出部での受光量変化情報が記憶されるメモリと、前記測定部による前記測定動作時において、前記位置検出部の受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行う投光量フィードバック制御部と、前記測定部による前記測定動作時において、前記メモリに記憶された受光量変化情報に基づき前記移動機構による移動速度を制御するための制御信号を前記移動機構に出力する制御信号出力部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明に係る形状測定装置は、移動機構により相対的に移動する測定対象物に光を照射する投光部と、前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、前記移動機構により前記投光部からの光の照射スポットが測定範囲内で移動される過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、前記測定部による測定動作に先立ってサンプリングされ、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記移動機構により前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動されたときの前記位置検出部での受光量変化情報が記憶されるメモリと、前記測定部による前記測定動作時において、前記メモリに記憶された受光量変化情報に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量をフォワード制御する投光量フォワード制御部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明に係る形状測定装置は、移動機構により相対的に移動する測定対象物に光を照射する投光部と、前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、前記移動機構により前記投光部からの光の照射スポットが測定範囲内で移動される過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、前記照射スポットに対してその移動方向手前の位置に一定光量の光を照射しその反射光の受光量を検出する光電センサと、前記測定部による前記測定動作時において、前記位置検出部の受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行う投光量フィードバック制御部と、前記測定部による前記測定動作時において、前記光電センサにて先行して検出される受光量の変化に基づき前記移動機構による移動速度を制御するための制御信号を前記移動機構に出力する制御信号出力部と、を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項10の発明に係る形状測定装置は、移動機構により相対的に移動する測定対象物に光を照射する投光部と、前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、前記移動機構ににより前記投光部からの光の照射スポットが測定範囲内で移動される過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、前記照射スポットに対してその移動方向手前の位置に一定光量の光を照射しその反射光の受光量を検出する光電センサと、前記測定部による前記測定動作時において、前記光電センサにて先行して検出される受光量の変化に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量をフォワード制御する投光量フォワード制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
<請求項1,3,7の発明>
本構成によれば、投光部からの光の照射に基づく各移動位置での受光位置検出に先立ってサンプリングされた受光量変化特性に基づく速度で照射スポットを移動さつつ測定対象物の形状測定を行う。例えば、受光量変化が大きい場合にはその分だけフィードバック制御が必要となり、これに対応して照射スポットの移動速度を低下させる。これにより、フィードバック制御の追従遅れを抑制しつつ形状測定を行うことができる。なお、受光量変化をサンプリングする際には、測定対象物上の照射スポットを、その移動速度を変更しつつ移動させる構成であってもよいが、一定速度で移動させる構成の方がより望ましい。
【0018】
<請求項2,4,8の発明>
本構成によれば、投光部からの光の照射に基づく各移動位置での受光位置検出に先立ってサンプリングされた受光量変化特性に基づきその受光量変化を相殺する増減方向に投光部の投光量を調整するようした。従って、従来構成で生じえたフィードバック制御の追従遅れによる形状測定精度の低下を抑制できる。
【0019】
<請求項5,9の発明>
本構成によれば、投光部からの光の照射スポットに対してその移動方向手前における反射光量を検出する光電センサからの先取り的な反射光量変化に基づき移動機構の移動速度を制御する構成とした。これにより、フィードバック制御の追従遅れを抑制しつつ形状測定を行うことができる。
【0020】
<請求項6,10の発明>
本構成によれば、投光部からの光の照射スポットに対してその移動方向手前における反射光量を検出する光電センサからの先取り的な反射光量変化に基づき投光部の投光量を制御する構成とした。これにより、投光部自身からの光の照射スポットでの反射光量に基づきフィードバック制御をしていた従来構成に比べて余裕を持って投光量制御が行われ、形状測定制度の低下を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1〜図3を参照しつつ説明する。
1.形状測定システムの全体構成
図1は、本実施形態の形状測定システム10の全体概要図である。この形状測定システム10は、センサヘッド部11及びコントローラ部12が信号ケーブルを介して接続された形状測定装置13と、ワークW(本発明の「測定対象物」に相当)が載置されたXYステージ14(本発明の「移動機構」に相当)とを備えて構成されている。
【0022】
(1)形状測定装置
センサヘッド部11は、投光素子としてのレーザダイオード(LD)15と、そのレーザダイオード15を駆動するためのLD駆動回路16と、レーザダイオード15から発せられたレーザ光L1をワークW表面上に照射させる投光レンズ17とを備えている。これらのレーザダイオード15、LD駆動回路16及び投光レンズ17が本発明の「投光部」に相当する。
【0023】
更に、センサヘッド部11は、受光レンズ18と、その受光レンズ18を透過したレーザ光L2を受光する位置検出素子としてのCCDリニアセンサ19と、そのCCDリニアセンサ19を駆動するためのCCD駆動回路20とを備えている。これらの受光レンズ18、CCDリニアセンサ19及びCCD駆動回路20が本発明の「位置検出部」に相当する。
【0024】
レーザダイオード15から発せられたレーザ光L1は、投光レンズ17を透過してワークW上に照射される。そして、このワークW上での拡散反射光L2は、受光レンズ18を透過してCCDリニアセンサ19に入射する。このCCDリニアセンサ19において受光量とワークの相対位置に応じて蓄積された電荷は、CCD駆動回路20によって読み出され、時系列の電圧信号に変換される。
【0025】
CCD駆動回路20が所定の転送用クロックをCCDリニアセンサ19に与えることにより、CCDリニアセンサ19は、各画素に蓄積された電荷を1画素ずつ順番に転送する。そして、CCD駆動回路20は、全画素の蓄積電荷に対応する時系列の電圧信号S1(本発明の「位置信号」に相当)を出力する。
【0026】
コントローラ部12は、CPU21、メモリ22及び操作キー23を備えている。CPU21は、後述する「測定モード」時及び「サンプリングモード」時において、LD駆動回路16に駆動信号S2を与えてレーザダイオード15に投光動作をさせ、例えば操作キー23での入力操作によって設定された設定サンプリング周期TでCCD駆動回路20を駆動させてCCDリニアセンサ19の各画素の蓄積電荷を転送させる受光動作を実行させて、CCD駆動回路20からの電圧信号S1をA/D変換して受ける。
【0027】
以上の構成により、センサヘッド部11では、CCDリニアセンサ19の受光面19a上における拡散反射光L2の受光位置P(本発明の「受光面での受光位置」に相当)が、形状測定装置13(投光レンズ17)からワークWの照射スポットQまでの距離によって移動する。そして、CPU21は、CCDリニアセンサ19の受光面19a上における拡散反射光L2の受光位置Pを、電圧信号S1を解析して検出することによりワークWの高さ変位を測定することできる。
【0028】
より具体的には、CPU21は、CCD駆動回路20からの電圧信号S1を受けて、CCDリニアセンサ19の受光面19a上の全画素から最大受光量の画素を検出しメモリ22の測定データ記憶領域に時系列で格納する。このとき、CPU21は本発明の「測定部」として機能する。
【0029】
(2)XYステージ
XYステージ14は、ワークWが載置され水平面上においてXYの直交2方向に移動可能とされている。このXYステージ14は、CPU21からの制御信号S3を受けて、この制御信号S3に応じた方向及び速度で移動する。
そして、形状測定システム10は、投光動作をさせ、XYステージ14を例えばX方向(図1で白抜き矢印方向)に移動させつつ、上記設定サンプリング周期T毎に受光動作を実行させることで、ワークWのX方向における断面形状(高さ変位)を測定することができる。
【0030】
なお、本実施形態では、例えば照射スポットQをワークW表面で走査する過程で、何回の距離測定(後述する図3のS8)を行ってワークWの形状測定を行うかを設定するためのその測定回数や各距離測定の測定ピッチ間隔を操作キー23で設定できるようになっている。そして、CPU21は、設定された上記測定回数や測定ピッチ間隔に連動して、これらに適した設定サンプリング周期や、XYステージ14の移動速度を条件設定するようになっている。
【0031】
具体的には、例えば所望の測定回数及びワークWの長さが設定された場合、現在設定されているXYステージ14の移動速度(第1速度)から、所望の測定回数でワークWの全長ついて距離測定を行えるよう設定サンプリング周期Tを自動で変更する。或いは、現在の設定サンプリング周期Tから、所望の測定回数でワークWの全長ついて距離測定を行えるようXYステージ14の移動速度(第1速度)を自動で変更する。
【0032】
また、後述する投光量制御時において何周期分の最大受光量データの平均値に基づき実行するかについても操作キー23で設定できるようになっている。この場合、CPU21は、設定された周期回数に応じて設定サンプリング周期を変更(例えば周期回数が多い場合は、サンプリング周期を短くするなど)や、XYステージ14の移動速度を変更(例えば周期回数が多い場合は、移動速度を遅くするなど)する。
【0033】
2.サンプリングモード及び測定モード
さて、CCDリニアセンサ19の受光面19a上における拡散反射光L2の受光位置P、より具体的には、CCDリニアセンサ19の受光面19a上の全画素から最大受光量の画素を高い精度で検出するには、拡散反射光L2の受光面19aでの受光量レベルを適切な一定の目標レベルTh1に保つ必要がある。その理由は、受光面19aでの受光量レベルが低いと最大受光量の画素と他の画素との受光量差が小さくなり、その分だけ最大受光量の画素を特定しづらくなる。一方、受光面19aでの受光量レベルを高くするにしてもCCDリニアセンサ19が飽和するレベルまで高くするわけにはいかないからである。
【0034】
そこで、CPU21は、測定モード実行時において各設定サンプリング周期T毎に、受光面19aでの受光量レベルを上記目標レベルTh1に保つようにフィードバック制御(いわゆるAPC(Automatic Power Control)制御)を実行する。具体的には、CPU21は、CCD駆動回路20からの電圧信号S1に基づき最大受光量の画素の受光量を監視し、この受光量(本実施形態では一設定サンプリングタイミング時以前の4周期分の最大受光量平均値)と上記目標レベルTh1との差を相殺する増減方向にレーザダイオード15の投光量を制御すべく駆動信号S2をLD駆動回路16に与える。このとき、CPU21は、本発明の「投光フィードバック制御部」として機能する。
【0035】
しかしながら、ワークWのなかには例えば表面光沢や色が一様でないものもあり、このようなワークWの形状測定を行う場合、XYステージ14を一定速度で移動させて照射スポットQを移動させる走査過程で、受光面19aでの受光量レベルが極端に変化することがある。例えば、表面が黒色部分と白色部分を有するワークWの場合には、その黒色部分と白色部分との境で受光面19aでの受光量レベルが大きく変化する。このため、XYステージ14を一定速度で移動させつつ上記設定サンプリング周期Tで繰り返し受光動作を行う構成では、CPU21は、上述のフィードバック制御が追いつかず受光面19aでの受光量レベルが目標レベルTh1に達しない低いレベルでの電圧信号S1に基づき受光面19aでの受光位置Pを検出することになり、その検出精度(感度)が低下し、ひいては形状測定全体の精度が低下してしまうおそれがある。
【0036】
そこで、本実施形態では、コントローラ部12は、操作キー23の操作によって「サンプリングモード」と「測定モード」とを選択設定できるようになっている。なお、以下では、XYステージ14をX方向に駆動させた場合の形状測定について説明するが、Y方向に駆動させた場合の形状測定も同様の処理であり、説明を割愛する。
【0037】
(1)サンプリングモード
ユーザが操作キー23で「サンプリングモード」に設定して所定の確定操作をすると、CPU21は、例えばX方向に一定の第1速度V1で移動させることを指示する制御信号S3をXYステージ14に与えて駆動させる。それとともに、CPU21は、投光動作を実行させつつ上記設定サンプリング周期T毎に受光動作を繰り返し実行させ、各サンプリングタイミングでの最大受光量の画素の受光量Dn(以下、単に「最大受光量Dn」ということがある)を時系列でメモリ22の受光量データ記憶領域に記憶する。
【0038】
そして、この動作を、ワークWのX方向の全長に亘って実行する。このとき、CPU21は上述のフィードバック制御を実行せず、レーザダイオード15を一定レベルで投光させたときの受光面19aでの最大受光量Dnを時系列にサンプリングするのである。なお、この時系列の最大受光量の画素の受光量Dnデータが本発明の「受光量変化情報」に相当する。
【0039】
図2上段は、ワークWのX方向長を基準として、各設定サンプリング周期T毎における、ワークW上の照射スポットQのX方向の移動位置、及び、最大受光量Dnの推移を示したタイミングチャートである。なお、同図中のワークW表面の白抜き部分は表面が白色部分を示し、斜線部分は表面が黒色部分を示す。
【0040】
CPU21は、メモリ22の受光量データ記憶領域に記憶された時系列の最大受光量Dnデータを読み出して例えば各サンプリングタイミング間で所定レベルTh2以上の受光量変化があったサンプリングタイミングを抽出する。同図上段では、照射スポットQの移動位置AB間,CD間で最大受光量Dnが所定レベルTh2以上大きく変化している。この所定レベルTh2は、上述のフィードバック制御が実行される最大受光量(平均値)の変化量であり、この所定レベルTh2よりも小さい変化量の場合には測定精度に実質的に影響はなくフィードバック制御は実行されない。
【0041】
そして、CPU21は、上記所定レベルTh2以上の受光量変化があった照射スポットQの移動位置AB間で照射スポットQが移動する間、及び、所定レベルTh2以上の受光量変化があった照射スポットQの移動位置CD間で照射スポットQが移動する間は、XYステージ14の移動速度を、第1速度V1よりも遅い第2速度V2(<V1)に一時的に切り替えるための制御信号S3を生成してメモリ22に記憶しておく。なお、CPU21は、測定モード時において本発明の「速度制御部」、「制御信号出力部」として機能する。
【0042】
(2)測定モード
サンプリングモードの実行が終わった後、ユーザが操作キー23で「測定モード」に設定して所定の確定操作をすると、CPU21は、図3のフローチャートに示す制御を実行する。CPU21は、まずS1でサンプリングカウンタN(上記測定回数)を「1」に初期化する、次に、CPU21は、S2で投光動作を開始し、S3でメモリ22に記憶された制御信号S3をXYステージ14に与えて駆動させつつ、S4で上記設定サンプリング周期T毎のサンプリングタイミングを待つ。そして、CPU21は、そのサンプリングタイミングが到来したときに(S4で「Y」)、受光動作を実行させてCCD駆動回路20からの電圧信号S1を取り込む(S5)。
【0043】
そして、CPU21は、S6で、この電圧信号S1の解析により最大受光量Dnを検出しメモリ22に各サンプリングタイミングに対応付けて記憶し、たとえば現在のサンプリングタイミング以前の複数周期分(本実施形態では4周期分)の最大受光量(Dn−3,Dn−2,Dn−1,Dn)の平均値Kを演算する。次に、CPU21は、S7でこの平均値Kと目標レベルTh1との差が、所定レベルTh2未満かどうかを判定する。所定レベルTh2未満であれば(S7で「Y」)、CPU21は、現在のサンプリングタイミングで取り込んだ電圧信号S1の解析により受光面19aでの受光位置Pを検出し、このときのXYステージ14の移動位置と対応付けてメモリ22の測定データ記憶領域に記憶する(S8)。その後、CPU21は、S9でサンプリングカウンタNに1を加えて次のサンプリングタイミングを待つ待機状態となる。
【0044】
一方、CPU21は、平均値Kと目標レベルTh1との差が所定レベルTh2以上であると判定した場合には(S7で「N」)、S10でこの平均値Kの元なる4周期分の最大受光量(Dn−3,Dn−2,Dn−1,Dn)データをメモリ22から破棄し、平均値Kと目標レベルTh1との差を相殺するように上記フィードバック制御による投光量調整を実行する(S11)。
【0045】
次いで、CPU21は、S12で複数周期分(本実施形態では3周期分)の受光動作による最大受光量データを検出しメモリ22に記憶し、S4に戻り次の次のサンプリングタイミングを待つ待機状態となる。そして、CPU21は、当該次のサンプリングタイミングが到来したときに(S4で「Y」)、S5〜S7の処理を実行する(S6では上記S12での3周期分の最大受光量と現在の最大受光量の平均値Kが演算される)。このとき、上記S11で平均値Kと目標レベルTh1との差を相殺するようにフィードバック制御が実行され投光量調整が行わているので、S7で平均値Kと目標レベルTh1との差が所定レベルTh2未満と判定され(S7で「Y」)、S8での距離測定が実行される。
【0046】
3.本実施形態の作用効果
図2下段は、ワークWのX方向長を基準として、各設定サンプリング周期T毎における、ワークW上の照射スポットQのX方向の移動位置、及び、XYステージ14の移動速度を示したタイミングチャートである。なお、同図中のワークW表面の白抜き部分は表面が白色部分を示し、斜線部分は表面が黒色部分を示す。
【0047】
CPU21により上記で説明した測定モードが実行されると、同図下段に示すようにXYステージ14は第1速度で駆動する。照射スポットQがワークWの白色部分に位置している間は、CPU21によって平均値Kと目標レベルTh1との差が所定レベルTh2未満と判定される(S7で「Y」)。すなわち、受光面19aでの受光量変化はほとんどなくほぼ目標レベルTh1に保たれており、フィードバック制御は実行されず照射スポットQの各移動位置において受光位置Pの安定的な検出を行うことができ、設定サンプリング周期T毎にS8の距離測定が実行される。
【0048】
その後、照射スポットQがワークW上の移動位置Aに差し掛かったときに、XYステージ14の移動速度が第1速度よりも遅い第2速度に切り替えられる。そして、照射スポットQが移動位置Aから移動位置Bに移動する間は、この第2速度で照射スポットQが移動することになる。そして、この間で照射スポットQがワークW上の白色部分から黒色部分へと移動する際に、CPU21によって平均値Kと目標レベルTh1との差が所定レベルTh2以上と判定され(S7で「N」)、フィードバック制御による投光量調整が行われる。そして、この投光量調整後、新たに4周期分の最大受光量データを取得後に距離測定(S8)が実行される。
【0049】
ここで、本実施形態では、受光面19aでの受光量が大きく変化したときに取得した最大受光量データは破棄し、投光量制御によってある程度安定したときの最大受光量データに基づき受光位置Pを検出し距離測定を行う。このため、精度の高い距離測定に基づくワークWの形状測定が可能となる。しかも、照射スポットQは、受光面19aでの受光量が大きく変化し得る移動位置A,B間では、受光面19aでの受光量が小さい部分を移動している間に比べて移動速度が遅いため、上記のような処理をしても測定ピッチにそれほど影響を与えずに済む。
【0050】
なお、受光面19aでの受光量が大きく変化したときに取得した最大受光量データは破棄せずにこれに基づく受光位置PもワークWの形状測定に利用する構成であっても、単に一定速度で照射スポットQを移動させる従来構成に比べれば精度の高い形状測定が行える。しかし、本実施形態では、受光面19aでの受光量が大きく変化したときに取得した最大受光量データに基づく受光位置Pを利用しないことで、より高精度の形状測定を行うようにしている。
【0051】
また、照射スポットQがワークW上の移動位置Cに差し掛かったときにも、XYステージ14の移動速度が第1速度よりも遅い第2速度に切り替えられ、照射スポットQが移動位置Cから移動位置Dに移動する間は、この第2速度で照射スポットQが移動することになる。
【0052】
<実施形態2>
実施形態2(請求項2,4,8の発明に対応する)は、上記実施形態1に対して測定モードでの制御内容が一部異なり、その他の点は前記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
【0053】
上記実施形態1では、サンプリングモードの実行によって得た時系列の最大受光量Dnに基づきXYステージ14の移動速度を変更する構成であった。これに対して、本実施形態では、サンプリングモードの実行によって得た時系列の最大受光量Dnに基づきレーザダイオード15の投光量をフォワード制御する構成である。
【0054】
即ち、CPU21は、測定モード時において、XYステージ14を一定速度(第1速度)で移動させる。そして、CPU21は、拡散反射光L2の反射光量が大きく変化し得る照射スポットQの移動位置AB間,CD間で、そのときの受光面19aでの最大受光量に基づくフィードバック制御ではなく、予めサンプリングモードで取得した受光量変化情報に基づき受光面19aでの最大受光量が低下しないようなフォワード制御を実行するのである。例えば、上記移動位置AD間では他の位置での第1レベルによりも高い第2レベルに変更する。
【0055】
フォワード制御によってレーザダイオード15は適宜な投光量に変更されるため、図3のS11でのフィードバック制御は実行されない(S7で「Y」)。フィードバック制御で投光量調整を行う場合に比べて、フォワード制御で投光量調整を行う場合には追従遅れが少なく、受光面19aでの最大受光量をほぼ一定の目標レベルTh1に保持された状態で照射スポットQの各移動位置での距離測定(S8)が実行される。これにより、ワークWの形状測定を精度よく行うことができる。
【0056】
<実施形態3>
図4は実施形態3(請求項5,6,9,10の発明に対応する)を示す。本実施形態の形状測定システム30は、実施形態1で説明したセンサヘッド部11及びコントローラ部12に加えて、反射型の光電センサ31を備えている。この光電センサ31は、ワークWに対するセンサヘッド部11の移動方向の前方に配され、センサヘッド部11による照射スポットQの手前の位置での反射光量をサンプリングするものである。具体的には、光電センサ31は、投光素子としてのレーザダイオード32と、このレーザダイオード32から出射されワークW表面で反射した反射光を受光する受光素子33とを備えている。そして、光電センサ31は、受光素子33での受光量に応じて受光信号S4を例えば上記設定サンプリング周期に同期したタイミングで順次CPU21に与える。なお、光電センサ31の受光素子は、実施形態1のセンサヘッド部11と同様に、最大受光画素を特定できるCCDリニアセンサであってもよい。
【0057】
そして、本実施形態では、上述したサンプリングモードの実行を要せずに、測定モードの実行時において、光電センサ31にて先取り的に取得される受光量データに基づきXYステージ14の速度制御やレーザダイオード15の投光量制御を行う。
【0058】
具体的には、実施形態1に対して、CPU21は、サンプリングモードによって取得された最大受光量データではなく、光電センサ31にて少し前のタイミングで検出される受光量変化が所定レベルTh2以上であると判定した場合、当該タイミングだけ遅れたタイミングでXYステージ14の移動速度を第1速度V1から第2速度V2へと一時的に切り替えるのである。
【0059】
また、実施形態2に対しては、CPU21は、サンプリングモードによって取得された最大受光量データではなく、光電センサ31にて少し前のタイミングで検出される受光量変化が所定レベルTh2以上であると判定した場合、当該タイミングだけ遅れたタイミングでレーザダイオード15を第1レベルから第2レベルに変更する。
【0060】
このような構成であれば、実施形態1,2のようなサンプリングモードを要することなく、測定モード時において光電センサ31で先取り的に取得される受光量変化情報に基づきXYステージ14の速度制御やレーザダイオード15の投光量制御を行うことができる。
【0061】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記各実施形態では、位置検出部は、位置検出素子としてCCDリニアセンサ19を用いたリニアイメージセンサ方式のものであったが、これに限らず、位置検出素子としてPSD(Position Sensitive Detector)をPSD方式のものであってもよい。
【0062】
(2)上記各実施形態では、センサヘッド部11は、ワークWから拡散反射光を受光する、いわゆる拡散反射型のものであったが、これに限らず、例えばワークWが正反射表面を有するものであるときは、レーザダイオード15からのレーザ光L1をワークWに対して斜め上方から照射し、その正反射光を受光する、いわゆる正反射型のものであってもよい。
【0063】
(3)上記実施形態1では、受光量変化が大きく変更する照射スポットQの移動位置においてXYステージ14をその受光量レベルにかかわらず一律の第2速度V2に変更する構成であったが、これに限らず、最大受光量の変化量に応じた(比例した)分だけ速度を低下させる構成であってもよい。
【0064】
(4)上記実施形態2では、受光量変化が大きく変更する照射スポットQの移動位置においてレーザダイオード15の投光量を受光量レベルにかかわらず一律の第2レベルに変更する構成であったが、これに限らず、最大受光量の変化量に応じた(比例した)分だけ投光量を変更する構成であってもよい。
【0065】
(5)上記実施形態では、「測定範囲」は、ワークWのX方向の全長に亘る範囲であったが、これに限らず、ワークW表面の一部の範囲であっても勿論よい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態1に係る形状測定システムの全体概要図
【図2】各設定サンプリング周期T毎の照射スポットQの移動位置や最大受光量Dn等の推移を示したタイミングチャート
【図3】測定モードの制御内容を示すフローチャート
【図4】実施形態3に係る形状測定システムの全体概要図
【符号の説明】
【0067】
10,30…形状測定システム
13…形状測定装置
14…XYステージ(移動機構)
15…レーザダイオード(投光部)
16…LD駆動回路(投光部)
17…投光レンズ(投光部)
18…受光レンズ(位置検出部)
19…CCDリニアセンサ(位置検出部)
19a…受光面
20…CCD駆動回路(位置検出部)
21…CPU(投光フィードバック制御部、測定部、速度制御部、制御信号出力部)
22…メモリ
31…光電センサ
P…受光位置(受光面での受光位置)
Q…照射スポット
S1…電圧信号(位置信号)
S3…制御信号
W…ワーク(測定対象物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光部からの光を測定対象物に照射し、その反射光を前記測定対象物までの距離に応じて変化する受光面上の位置で検出可能な位置検出部に受光させ、前記測定対象物上における前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させつつ、各移動位置において前記位置検出部で順次検出される前記受光面での受光位置に基づき前記測定対象物の形状測定を行う形状測定方法において、
前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させたときの前記位置検出部での受光量変化をサンプリングする第1ステップと、
前記受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行いつつ、前記第1ステップでサンプリングされた受光量変化に基づき前記照射スポットの移動速度を前記第1ステップでの移動速度に対して変更しつつ前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させて前記形状測定を行う第2ステップとを含むことを特徴とする形状測定方法。
【請求項2】
投光部からの光を測定対象物に照射し、その反射光を前記測定対象物までの距離に応じて変化する受光面上の位置で検出可能な位置検出部に受光させ、前記測定対象物上における前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させて、各移動位置において前記位置検出部で順次検出される前記受光面での受光位置に基づき前記測定対象物の形状測定を行う形状測定方法において、
前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させたときの前記位置検出部での受光量変化をサンプリングする第1ステップと、
前記第1ステップでサンプリングされた受光量変化に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量を調整しつつ前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させて前記形状測定を行う第2ステップとを含むことを特徴とする形状測定方法。
【請求項3】
測定対象物に光を照射する投光部と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、
前記測定対象物上における、前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させる移動機構と、
前記移動機構による前記照射スポットの移動過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、
前記測定部による測定動作に先立ってサンプリングされ、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記移動機構を駆動して前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させたときの前記位置検出部での受光量変化情報が記憶されるメモリと、
前記測定部による前記測定動作時において、前記位置検出部の受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行う投光量フィードバック制御部と、
前記測定部による前記測定動作時において、前記メモリに記憶された受光量変化情報に基づき前記移動機構による移動速度を制御する速度制御部と、を備えることを特徴とする形状測定システム。
【請求項4】
測定対象物に光を照射する投光部と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、
前記測定対象物上における、前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させる移動機構と、
前記移動機構による前記照射スポットの移動過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、
前記測定部による測定動作に先立ってサンプリングされ、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記移動機構を駆動して前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動させたときの前記位置検出部での受光量変化情報が記憶されるメモリと、
前記測定部による前記測定動作時において、前記メモリに記憶された受光量変化情報に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量をフォワード制御する投光量フォワード制御部と、を備えることを特徴とする形状測定システム。
【請求項5】
測定対象物に光を照射する投光部と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、
前記測定対象物上における、前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させる移動機構と、
前記移動機構による前記照射スポットの移動過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、
前記照射スポットに対してその移動方向手前の位置に一定光量の光を照射しその反射光の受光量を検出する光電センサと、
前記測定部による前記測定動作時において、前記位置検出部の受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行う投光量フィードバック制御部と、
前記測定部による前記測定動作時において、前記光電センサにて先行して検出される受光量の変化に基づき前記移動機構による移動速度を制御する速度制御部と、を備えることを特徴とする形状測定システム。
【請求項6】
測定対象物に光を照射する投光部と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、
前記測定対象物上における、前記投光部からの光の照射スポットを測定範囲内で移動させる移動機構と、
前記移動機構による前記照射スポットの移動過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、
前記照射スポットに対してその移動方向手前の位置に一定光量の光を照射しその反射光の受光量を検出する光電センサと、
前記測定部による前記測定動作時において、前記光電センサにて先行して検出される受光量の変化に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量をフォワード制御する投光量フォワード制御部と、を備えることを特徴とする形状測定システム。
【請求項7】
移動機構により相対的に移動する測定対象物に光を照射する投光部と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、
前記移動機構により前記投光部からの光の照射スポットが測定範囲内で移動される過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、
前記測定部による測定動作に先立ってサンプリングされ、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記移動機構により前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動されたときの前記位置検出部での受光量変化情報が記憶されるメモリと、
前記測定部による前記測定動作時において、前記位置検出部の受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行う投光量フィードバック制御部と、
前記測定部による前記測定動作時において、前記メモリに記憶された受光量変化情報に基づき前記移動機構による移動速度を制御するための制御信号を前記移動機構に出力する制御信号出力部と、を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項8】
移動機構により相対的に移動する測定対象物に光を照射する投光部と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、
前記移動機構により前記投光部からの光の照射スポットが測定範囲内で移動される過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、
前記測定部による測定動作に先立ってサンプリングされ、前記投光部の投光量を一定に保ちつつ前記移動機構により前記測定対象物上における前記照射スポットを前記測定範囲内で移動されたときの前記位置検出部での受光量変化情報が記憶されるメモリと、
前記測定部による前記測定動作時において、前記メモリに記憶された受光量変化情報に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量をフォワード制御する投光量フォワード制御部と、を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項9】
移動機構により相対的に移動する測定対象物に光を照射する投光部と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、
前記移動機構により前記投光部からの光の照射スポットが測定範囲内で移動される過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、
前記照射スポットに対してその移動方向手前の位置に一定光量の光を照射しその反射光の受光量を検出する光電センサと、
前記測定部による前記測定動作時において、前記位置検出部の受光面での受光量をフィードバックして当該受光量を一定とするための前記投光部の投光量制御を行う投光量フィードバック制御部と、
前記測定部による前記測定動作時において、前記光電センサにて先行して検出される受光量の変化に基づき前記移動機構による移動速度を制御するための制御信号を前記移動機構に出力する制御信号出力部と、を備えることを特徴とする形状測定装置。
【請求項10】
移動機構により相対的に移動する測定対象物に光を照射する投光部と、
前記測定対象物からの反射光を受光する受光面を有し、その反射光の前記受光面上での受光位置に基づく位置信号を出力する位置検出部と、
前記移動機構ににより前記投光部からの光の照射スポットが測定範囲内で移動される過程で、前記位置検出部からの位置信号を繰り返し取り込んで前記測定対象物の形状測定を行う測定部と、
前記照射スポットに対してその移動方向手前の位置に一定光量の光を照射しその反射光の受光量を検出する光電センサと、
前記測定部による前記測定動作時において、前記光電センサにて先行して検出される受光量の変化に基づき当該受光量変化を相殺する増減方向に前記投光部の投光量をフォワード制御する投光量フォワード制御部と、を備えることを特徴とする形状測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−101215(P2007−101215A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−287817(P2005−287817)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】