説明

後CMP洗浄用改良アルカリ薬品

【課題】半導体装置の製造の間にウェハの化学機械平坦化(CMP)後の半導体ウェハの洗浄に関し、金属、特に銅、相互接続を含むウェハの後CMP洗浄用アルカリ薬品を提供する。
【解決手段】残留スラリーパーティクル、特に銅または他の金属パーティクルは金属を十分にエッチングする、表面に堆積物を放置する、十分な汚染物を与える、ことをせずに半導体表面から除去され、同時に金属を酸化および腐食から保護する。さらに、少なくとも1つの強キレート剤は溶液中で金属イオンを錯化するために存在し、誘電体からの金属除去を促進しかつウェハ上への再堆積を防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2007年7月31日に出願された、US特許出願No.11/831,161の利益に係りかつ請求する。この出願は、ここにこの参照によって織り込まれている。
【背景技術】
【0002】
電子ウェハチップの製造は、半導体加工物が化学機械平坦化(CMP)の間または後に液体溶液で洗浄される工程を伴う。“半導体加工物”は、製造工程を完結されない超小型電子素子、典型的にシリコンウェハ内または表面に形成された活性領域を持つシリコンウェハである。前記活性領域の接続は、金属、典型的にシリコン基板上に堆積される銅およびタングステンの多層膜を用いて作られる。銅が相互接続材料として用いられる場合、ダマシン方法が用いられ、それによって前記銅は中間層誘電体にエッチングされたラインに堆積し、それから過剰な銅が除去され、表面がCMP処理を用いて表面平坦化され、洗浄工程が続く。洗浄方法(後CMP洗浄)の目標は、CMP工程によって金属を十分にエッチングすること、表面の堆積物を放置すること、または十分な汚染物を半導体加工物に与えることをせずに、半導体加工物表面から放置された残渣を除去することである。さらに、化学エッチング、電食または光誘導腐食のような種々の機構による腐食から金属表面を保護することが望ましい。金属表面の腐食は、金属窪みおよびメタルラインの薄膜をもたらす。アルカリスラリーの中和は銅および埋込みCMPにしばしば有益であるので、研磨粒子が高く充填され、かつ効率的に除去できるアルカリpH体制で効果的である洗浄溶液を備えることが望ましい。アルカリ薬品はしばしば後CMP洗浄用ブラシスクラバーまたはメガソニック洗浄ユニットに有用である。
【0003】
洗浄溶液は、洗浄処理の間に異なる作用をなす種々の薬品を含んでもよい。洗浄溶液は、“洗浄剤”を含まなければならない。“洗浄剤”は、残留CMPスラリー粒子、典型的に半導体加工物表面からの金属粒子、を除去する溶液成分である。洗浄溶液は、やはり“キレート剤”、“腐食抑制化合物”および/または“表面活性剤”を含んでもよい。“キレート剤”は洗浄溶液中の金属を錯化することによって半導体加工物上の除去された金属の再堆積を防ぐことを助長する。“腐食抑制化合物”は洗浄溶液の攻撃的衝動、酸化、後洗浄腐食、
電食攻撃または光誘導攻撃のような機構による攻撃から金属表面を保護する洗浄液の成分である。“表面活性剤”は、湿潤特性を変更し、かつ透かし模様形成を防ぐ洗浄液の成分である。
【0004】
USP 6、200,947、6,194,366および6,492,308は関連した洗浄溶液の薬品を開示している。しかしながら、これらの参照は以下に議論される1つまたはそれ以上の不利益さを被る。
【0005】
残留金属を除去し、かつそれらを洗浄溶液の保持する洗浄薬品の能力は、後CMP洗浄溶液の重要な特性である。洗浄溶液中の残留金属を錯化できる薬品は、効果的な洗浄剤である、なぜならば残留金属はそれらが除去された後に半導体加工物上に再堆積されない。前記残留金属を錯化できない薬品を用いる洗浄溶液は、所望の洗浄タンクで典型的に劣っている。したがって、キレート剤を含む洗浄溶液を備えることが望ましい。
【0006】
いくつかの市販の薬品は、キレート剤を含まない理由で、残留金属、特に銅を誘電体ラインから除去する所望の機能に乏しい性能を有する。そのような薬品は、2−メルカプトエタノールまたはチオグリセロールのようなメルカプトン基を含む脂肪族アルコールおよび水酸化物のようなアルカリ化合物の溶液を含む。
【0007】
洗浄溶液中に腐食抑制化合物を施すことによって半導体加工物を金属表面の腐食から保護することが重要である。半導体加工物の金属表面、典型的に銅、は半導体ウェハの導電経路を形成する。超最小寸法の半導体ウェハの特徴のために、金属ラインは所望の電流をなお伝達しながら、可能な限り薄くする。表面の腐食または金属の窪みはラインの薄膜化(溶解)を引き起こし、かつ半導体装置の性能低下または欠陥をもたらす。洗浄溶液腐食防止能力は目的の溶液で洗浄された金属表面の静的エッチ速度または表面粗度(RMS(平方自乗平均により定量化される、値)を測定することによって定量化される。高い静的エッチ速度は、金属表面の溶解が起こっていることを示す。高いRMS値は、粒界での金属の攻撃によって引き起こされる粗面を示す。効果的な腐食抑制化合物は、洗浄工程後に測定される低静的エッチ速度およびRMS値によって示されるように金属の腐食を低減する。
【0008】
腐食抑制化合物は、金属表面を還元するか、金属表面に保護膜を設けるか、または酸素を掃気するかいずれかによって作用する。従来入手できるいくつかの洗浄溶液は、効果的な腐食抑制剤を備えず、したがって高い低静的エッチ速度および/またはRMS値を被る。
【0009】
いくつかの市販されているアルカリ薬品は、大気への露出によって影響を受けるか、高い静的エッチ速度を有する。そのような薬品は、典型的にTMAHのようなテトラアンモニウムヒドロオキシド、没食子酸またはアスコルビン酸のような酸素掃気型の腐食抑制剤、およびモノエタノールアミンのような有機アミンを含む。これらの薬品は腐食を防止するために酸素捕捉剤に依存するので、大気の露出は薬品の性能に有害である。また、保護表面膜の欠損および金属に向かう薬品の攻撃は高い静的エッチ速度を結果としてもたらし、それはそれから窪んだラインを引き起こす。
【0010】
半導体表面の洗浄で別の一般的な問題は、半導体装置表面での汚染物の堆積である。望ましくない組成物の僅かな分子でさえ堆積するいかなる洗浄溶液も半導体装置の性能に不利に影響を及ぼすであろう。リンス工程を必要とする洗浄溶液は、表面に汚染物を堆積することをもたらす。したがって、半導体表面にいかなる残留物も放置しない洗浄薬品を用いることが望ましい。
【0011】
単一工程で半導体表面を清浄にしかつ保護することがまた望ましい。ウェハ表面を平坦化するためのいくつかの薬品は、洗浄工程に続いて水または抑制剤溶液でリンスする追加工程を含む。リンス、特に水を用いる、は半導体加工物表面に堆積物を放置することをもたらし、したがってウェハを汚染する。第2工程の付加は、製造工程を長くする、より多くの薬品およびより多くの工程を取り扱わなければならないことによって処理を複雑にする、1つ以上の起こりうる汚染源または他の品質制御問題を供する、事実のためにやはり弱点である。明らかに、半導体加工物の表面を洗浄し、かつ保護する処理が望ましい。
【0012】
洗浄溶液に表面湿潤剤を有することが望ましいかもしれない。表面湿潤剤は、表面にへばりつく液滴によって引き起こされる表面の汚れを停止することを助長することによって半導体加工物の汚染を防ぐ。表面への汚れ(透かし模様とも呼ばれる)は光点欠陥を測定する度量衡具を飽和でき、したがって半導体加工物の欠陥を覆う。
【発明の開示】
【0013】
前述した理由で、金属を腐食から保護する、金属表面の酸化を防止する、パーティクルを効率的に除去する、金属を誘電体表面から除去する、CMP工程前のpHに近づける、および半導体表面を汚染しない、アルカリ薬品を備えることが望ましい。本発明の薬品は、前記要求の全てを満たす溶液を提供するために複数の添加剤の使用をなす。
【0014】
概要
本発明は、金属、特に銅を含む半導体基板の化学機械平坦化(CMP)後に用いられる洗浄薬品に関する。アルカリ薬品はブラシスクラバー、またはスラリーパーティクルもしくは有機残留物をウェハ表面から除去するメガソニック洗浄ユニットにしばしば利用される。本発明は、金属を腐食から保護する、金属表面の酸化を防ぐ、パーティクルを効率的に除去する、金属を誘電体表面から除去する、CMP工程前のpHに近づける、有機残留物を加工物に加えない、および半導体表面を汚染しない、ための要求を満足する半導体加工物を洗浄するための洗浄溶液組成物である。さらに、金属表面を洗浄することおよび保護することは単一溶液を用いる単一工程で完結される。
【0015】
本発明の前記洗浄溶液は、アルカリCMPスラリーのpHに合致するために本質的にアルカリである。シリカ系CMPスラリーは、パーティクルが高い負表面帯電を示すアルカリpH領域でしばしば安定化される。アルカリpH薬品での洗浄は、パーティクル上の帯電および同様に帯電された表面の反発力のために効果的なパーティクル除去をもたらす。キレート剤は、溶液中金属イオンを錯化するために存在し、誘電体から銅の除去を促進しかつウェハ上への金属再堆積を防止する。洗浄溶液は、また銅の酸化を防止し、かつ洗浄剤による金属表面の攻撃を最小にする腐食抑制剤を含む。また、薬品は銅の存在によって触媒作用をなし、さらに腐食の可能性を最小にする酸素捕捉剤を含有してもよい。任意に、湿潤剤が湿潤特性を変更し、透かし模様形成を防ぐために添加できる。
【0016】
洗浄溶液の好ましい実施形態は洗浄剤、キレート剤および腐食抑制化合物を含む。
【0017】
本発明の洗浄剤は、半導体加工物からCMPスラリーパーティクルを除去するのみならず、誘電体表面から残留金属を洗浄することによって半導体加工物表面を効果的に清浄にする。洗浄溶液の好ましい実施形態はアンモニウムヒドロキシドおよび/またはテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドを洗浄剤として含む。
【0018】
本発明の洗浄溶液の好ましい実施形態は、除去された金属を効果的に錯化し、かつ半導体加工物表面に除去された金属の再堆積を防止するためのキレート剤を含む。好ましいキレート剤は、クエン酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸、システイン、エチレンジアミン、グリシン、グルコン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、ヒドロキシルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルヒドロキシルアミン、マレイン酸、シュウ酸、サリチル酸、または酒石酸の1つ以上を含む。
【0019】
洗浄溶液の好ましい実施形態は、半導体加工物の金属を腐食から保護するための腐食抑制化合物を含む。腐食抑制剤は、還元剤、膜形成剤および/または酸素捕捉剤であってもよい。半導体加工物の金属上への膜の形成は洗浄工程中および後に酸素から、および薬品、電食または光誘導の攻撃から金属表面を保護する。金属表面を攻撃から保護すること、表面を還元すること、または酸素を捕捉することによって、金属はその初期の厚さおよび電気伝達容量を維持する。好ましい腐食抑制剤は、アセトアミドフェノール、アミノフェノール、ベンゾトリアゾール、カフェイン酸、ケイ皮酸、システイン、ジヒドロキシ安息香酸、グルコース、イミダゾール、メルカプトチアゾリン、マルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトメチルイミダゾール、メトキシフェノール、没食子酸プロピル、タンニン酸、チオグリセロール、チオサリチル酸、トリアゾール、バニリンまたはバニリン酸の1つ以上を含む。
【0020】
本発明の洗浄溶液は、アルカリである。アルカリ後CMP洗浄薬品は、いくつかのCMP処理がアルカリスラリーを用いる理由で望ましい。アルカリ洗浄溶液を用いることによって、処理装置でpHを揺れることに関連する問題を回避できる。
【0021】
本発明の好ましい洗浄装置は、半導体加工物を洗浄し、かつ同じ工程で腐食に対して金属表面を保護する。洗浄および腐食抑制は、単一工程で達成するので、腐食抑制剤を完全に分離して扱うことによって、偶発的な汚染の尤度を少なくする。さらに、種々の処理時間は追加の抑制工程を加える必要がないことによって節約される。
【0022】
いくつかの好ましい洗浄溶液の実施形態は、表面活性剤、表面湿潤剤とも呼ばれる、を含む。表面活性剤は、半導体加工物の汚染源または潜む欠陥になる表面への汚れ(透かし模様)を防ぐことを助長する。表面活性剤は、非イオン、アニオン、カチオン、両性イオンおよび両性の界面活性剤であってもよい。
【0023】
説明
本発明は、本質的にアルカリである、半導体加工物の洗浄用洗浄溶液である。洗浄溶液の組成物は洗浄剤、キレート剤および腐食抑制剤を含む。好ましい洗浄剤は、アンモニウムヒドロキシドおよびテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)を含む。好ましいキレート剤は、クエン酸アンモニウム、シュウ酸アンモニウム、アスパラギン酸、安息香酸、クエン酸、システイン、エチレンジアミン、グリシン、グルコン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、ヒドロキシルアミン、イソプロパノールアミン、イソプロピルヒドロキシルアミン、マレイン酸、シュウ酸、サリチル酸、酒石酸およびそれらの混合物を含む。好ましい腐食抑制化合物は、アセトアミドフェノール、アミノフェノール、ベンゾトリアゾール、カフェイン酸、ケイ皮酸、システイン、ジヒドロキシ安息香酸、グルコース、イミダゾール、メルカプトチアゾリン、メルカプトエタノール、メルカプトプロピオン酸、メルカプトベンゾチアゾール、メルカプトメチルイミダゾール、メトキシフェノール、没食子酸プロピル、タンニン酸、チオグリセロール、チオサリチル酸、トリアゾール、バニリンまたはバニリン酸およびそれらの混合物を含む。好ましい洗浄溶液は、複数の腐食抑制剤の混合物を含んでもよい。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態は、複数のキレート剤および/または腐食抑制化合物の混合物を含む。例えば、1つの好ましい洗浄溶液の腐食抑制剤はアセトアミドフェノールとメトキシフェノールの混合物を含む。別の好ましい洗浄溶液の腐食抑制剤は、アセトアミドフェノールとバニリンの混合物を含む。さらに別の好ましい洗浄溶液の腐食抑制剤は、メルカプトフェノールとバニリンの混合物を含む。別の好ましい洗浄溶液のキレート剤は、グルコン酸とイソプロパノールアミンの混合物を含む。
【0025】
1つの好ましい洗浄溶液の実施形態は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、エチレンジアミン、およびアセトアミドフェノールとバニリンとの混合物を含む。この実施形態の1つの好ましい混合物は2.75wt%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、6wt%エチレンジアミン、0.75wt%アセトアミドフェノールおよび1wt%バニリンの濃度を含む。この実施形態とって、脱イオン水での15X〜25X希釈は従来用いられていた。別の好ましい洗浄溶液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(2.75wt%)、エチレンジアミン(8wt%)、およびアセトアミドフェノール(0.5wt%)とメトキシフェノール(1.5wt%)の混合物を含む。別の好ましい洗浄溶液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(4.8wt%)、イソプロパノールアミン(8.5wt%)、グルコン酸(2.0wt%)および没食子酸プロピル(2.4wt%)を含む。さらに別の好ましい洗浄溶液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(2.75wt%)、エチレンジアミン(8wt%)、およびアセトアミドフェノール(0.5wt%)とメトキシフェノール(1.5wt%)の混合物を含む。別の好ましい洗浄溶液は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(2.75wt%)、エチレンジアミン(8wt%)、およびメトキシフェノール(1.5wt%)とバニリン(0.5wt%)の混合物を含む。
【0026】
本発明の好ましい洗浄溶液実施形態は、アルカリpHに対して中性を有する。好ましくても約10〜約13のpHである。
【0027】
洗浄溶液は、濃縮した形態で供されるか、または水もしくは当業者に知られている適切な希釈剤で希釈されてもよい。
【0028】
1つの好ましい洗浄溶液の実施形態は、半導体表面の湿潤さえも促進するための表面活性剤を含む。好ましい実施形態は、限定されないが、非イオン、アニオン、カチオン、両性イオンもしくは両性の界面活性剤、またはそれらの混合物を含む。
【0029】
当業者は、過度の経験なしで従来の薬品混合技術を用いて本発明の洗浄溶液を生産できる。
【0030】

本発明は、例証となる目的であり、かつ本発明の範囲を制限するように解釈すべきではない次の例を参照してより詳細に説明する。
【0031】
例1
本発明の薬品は、市販のアルカリ後CMP洗浄剤に比較したそれらの耐食性を決定するために電気化学インピーダンススペクトロスコピー(EIS)によって試験した。ブランケット銅ウェハは、希釈薬品に浸漬し、電気化学セルに接続した。開回路電位は、時間の関数として測定し、それぞれの薬品に曝されるウェハに対して定常条件を決定する。いったん定常条件が見つかると、AC電圧がそれぞれのウェハに印加され、腐食速度の情報および各薬品の抵抗を与える容量値が得られる。本発明の好ましい実施形態の耐食性は、25,843Ω−cm2として測定された。市販製品の耐食性は、19,226Ω−cm2と測定された。これらの結果は、本発明は市販アルカリ後CMP洗浄剤に対して比較したときに高い銅耐食性を供することを明確に証明している。高い耐食性は、銅ラインの表面への酸化物および水酸化物のような低導電種の形成を防止するのみならず、相互接続ラインからの銅消失を最小限にするために重要である。
【0032】
第2調査において、模様付けされたCu/ローkとブランケット銅ウェハは銅ラインを攻撃することのそれぞれの薬品の衝撃を決定するために市販品の代替と共に本発明の薬品に曝した。効果的な洗浄のために、薬品は溶液中で銅を錯化するときに効果的であるべきで、誘電体領域からの除去を促進するが、銅ラインからの金属の過度な除去を防止するために腐食抑制と均衡させるべきである。この挙動を調査するため、模様付けされたCu片はアルカリ薬品の希釈剤に5分間露出され、それから原子間力顕微鏡(AFM)によって分析された。ウェハ上の銅領域はそれから薬品によって引き起こされる粗さの度合を決定するために走査する。図1は、本発明の好ましい実施形態の1:20希釈液(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド+エチレンジアミン+アセトアミドフェノール+バニリン)に曝された模様付けされたウェハ上の銅パッドの20×20μmAFM走査を示す。薬品露出に引続くこの領域のRMS粗度は1.0nmの初期値に比較して1.6nmであり、薬品が表面を僅かに荒し、かつ銅粒子を目立たせるが、銅を実質的に攻撃しないことを証明する。露出中に溶液に溶解される銅のICPMS測定と結合されるこの情報は、市販品に対する本発明の薬品の比較手段を提供する。
【0033】
模様付けされたウェハ上のCu/ローkラインの領域は、アルカリ後CMP洗浄の希釈液への露出に引続いてAFMによって調査される。図2は、本発明の好ましい実施形態(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド+エチレンジアミン+アセトアミドフェノール+バニリン)で洗浄されたウェハ上の交流銅領域(明るい領域)およびローk(暗い領域)の例である。図2の銅ラインは、洗浄溶液によって本質的に窪んでいない。薬品は、洗浄処理の間に銅ラインの健全性を維持し、有害なライン窪みをもたらす銅を攻撃せずに粒子、有機物および溶解した銅残留物を除去する。
【0034】
本発明は、そのある好ましいバージョンを参照して少なくない細部を述べたが、他のバージョンも可能である。例えば、組成物は後CMP洗浄と別の処理に実行されてもよい。また、半導体加工物の洗浄は種々の洗浄溶液の濃度、温度および条件で達成できる。さらに、本発明は限定されないが銅、シリコンおよび誘電体の膜を含む表面を含む種々の表面を性状にするために用いてもよい。それゆえ、後述の請求の範囲の精神および範囲はここに含まれる、ある好ましいバージョンの記述に限定されるべきではない。出願人の意図は、後述の請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内で全て変更、等価、代替を対象として含む。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の好ましい実施形態に曝される模様付けされたウェハ上のCuパッドの写真。
【図2】本発明の好ましい実施形態に曝される模様付けされたウェハ上のCuおよびローkの写真。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)洗浄剤、前記洗浄剤はテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドを含む;
(b)キレート剤、前記キレート剤はエチレンジアミン、グルコン酸、イソプロパノールアミン、イソプロピルヒドロキシルアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む;
(c)腐食抑制化合物、前記腐食抑制化合物は没食子酸プロピル、メルカプトンプロピオン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む;
を含む少なくとも1つのCMP製造工程の後に半導体加工物を洗浄するための後CMP洗浄組成物。
【請求項2】
前記キレート剤はグルコン酸とイソプロパノールアミンとの混合物である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記腐食抑制化合物は没食子酸プロピルである請求項1記載の組成物。
【請求項4】
さらに希釈剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項5】
さらに表面活性剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記表面活性剤は、非イオン、アニオン、カチオン、両性イオンおよび両性の界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項5記載の組成物。
【請求項7】
pHが約9と約13の間である請求項1記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1つのCMP製造工程の後に半導体加工物を洗浄する方法であって、
(a)半導体加工物を用意すること;および
(b)少なくとも1つのCMP製造工程の後に前記半導体加工物を洗浄溶液に接触させること、前記溶液は
(i)洗浄剤、前記洗浄剤はテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドを含む;
(ii)キレート剤、前記キレート剤はエチレンジアミン、グルコン酸、イソプロパノールアミン、イソプロピルヒドロキシルアミンおよびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む;
(iii)腐食抑制化合物、前記腐食抑制化合物は没食子酸プロピル、メルカプトンプロピオン酸およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つを含む;
を含有する、
を備える方法。
【請求項9】
前記半導体加工物は、金属ライン、埋込み材料および誘電体を含む請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記金属ラインは、銅を含む請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記埋込み材料は、Ta,TaN,Ti,TiN,WおよびWNからなる群から選択される材料を含む請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記洗浄溶液を前記半導体加工物から除去することをさらに含み、前記洗浄溶液は余計な有機残渣を前記加工物にもたらさない請求項8記載の方法。
【請求項13】
前記キレート剤はグルコン酸とイソプロパノールアミンとの混合物を含む請求項8記載の方法。
【請求項14】
前記腐食抑制化合物は没食子酸プロピルである請求項8記載の方法。
【請求項15】
前記洗浄溶液はさらに希釈剤を含む請求項8記載の方法。
【請求項16】
前記洗浄溶液は、さらに表面活性剤を含む請求項8記載の方法。
【請求項17】
前記表面活性剤は、非イオン、アニオン、カチオン、両性イオンおよび両性の界面活性剤、およびそれらの混合物からなる群から選択される請求項16記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−55020(P2009−55020A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−196745(P2008−196745)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(591036572)レール・リキード−ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード (438)
【Fターム(参考)】