説明

心筋梗塞、脳卒中および末梢動脈閉塞疾患に対する感受性遺伝子、治療の方法

心筋梗塞(MI)と染色体13q12の遺伝子座との関連が示されている。 特に、遺伝子学的関連性分析によって、この遺伝子座内にあるFLAP遺伝子が、心筋梗塞および急性冠状動脈症候グループ、そして、脳卒中および末梢動脈閉塞疾患に対する感受性遺伝子であることが示されている。 具体的には、心筋梗塞、急性冠状動脈症候グループ、脳卒中または末梢動脈閉塞疾患の進行を招く危険要素を有する個体を特定する際の処置対象経路と診断方法が記載されている。 本発明は、ロイコトリエン合成阻害剤とスタチンを含む組成物、それに、心筋梗塞、急性冠状動脈症候グループ、脳卒中および/または末梢動脈閉塞疾患の危険要素を有するヒトでのC-反応性タンパク質を低減するための方法、すなわち、これら組成物の使用方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
心筋梗塞(MI)の予防的治療法であって、以下の工程、すなわち;
心筋梗塞に罹病しやすいヒトを選択し、
in vivoでのロイコトリエン合成を阻害する治療上有効量の心筋梗塞治療剤、すなわち、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)および5-リポキシゲナーゼ(5-LO)から選択された少なくとも一つのタンパク質の活性を阻害することでロイコトリエン合成を阻害する心筋梗塞治療剤を含む組成物をヒトに投与し、および
予防的処置を行う以前および最中のヒト、すなわち、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)レベルを効果的に低下させる量の心筋梗塞治療剤が投与されたヒトでのMPOレベルをモニターする、
工程を含む心筋梗塞の予防的治療法。
【請求項2】
予防的治療を行う以前および最中のヒトでの少なくとも一つのその他の炎症マーカーをモニターする工程をさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記炎症マーカーが、C-反応性タンパク質である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
予防的処置を行う以前および最中のヒト、すなわち、ロイコトリエンレベルを効果的に低下させる量の心筋梗塞治療剤が投与されたヒトでの血清、血漿または尿に含まれるロイコトリエンのレベルをモニターする工程をさらに含む請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記モニター工程が、ヒトから採取した血液試料でのロイコトリエン生成をex vivoで分析する請求項1、2または3に記載の方法。
【請求項6】
ロイコトリエン生成の分析に先駆けて、血液試料をカルシウムイオン透過担体で刺激する請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記心筋梗塞治療剤が、FLAP活性を阻害し、かつ、FLAPポリペプチド活性を効果的に阻害させる量の前記組成物が、ヒトに投与される請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記組成物が、生理学的に許容可能な担体または賦形剤をさらに含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記心筋梗塞治療剤が、以下の式、すなわち;
【化1】

で表される化合物であり、式中、R1が、以下の式、すなわち;
【化2】

で表される基であり、R2およびR3が、互いに同一または相違しており、かつ、水素、低級アルキル基、フェニル基、ベンジル基または以下の式、すなわち;
【化3】

【化4】

で表される基であり、R4が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルチオ基、ヘテロアリール基またはカルバモイル基で任意に置換することができる、水素、低級アルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、R5が、水素、低級アルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、R6が、-COR5または-CO25の式で表される基であり、R7が、水素、低級アルキル基またはフェニル基であり、Yが、以下の式、すなわち;
【化5】

で表される基であり、式中、R8が、水素、低級アルキル基またはフェニル基であり、nが、0〜5の数字であり、Zが、ノルボルニル基または以下の式、すなわち;
【化6】

で表される基であり、式中、R9およびR10が、互いに同一または相違しており、かつ、水素、低級アルキル基またはフェニル基であり、あるいは、R9およびR10が合同して、6個までの炭素原子を有する飽和した炭素環式構造を形成し、mが、1〜6の数字であり、そして、AおよびBが、互いに同一または相違しており、かつ、水素、低級アルキル基またはハロゲン、あるいは薬学的に許容可能なそれらの塩である、式で表される化合物または薬学的に許容可能なその塩を含む請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記心筋梗塞治療剤が、2-[4-(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロペンチル酢酸、2-[4-(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロヘキシル酢酸、および2-[4-(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロヘプチル酢酸、2-[4-(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロペンチル酢酸の(+)-鏡像異性体、(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロペンチル酢酸の(−)-鏡像異性体、および薬学的に許容可能なそれらの塩類からなるグループから選択される化合物を含む請求項7または8に記載の方法。
【請求項11】
前記心筋梗塞治療剤が、BAY-X-1005または生理学的に許容可能なその塩、製剤またはプロドラッグを含む請求項7または8に記載の組成物。
【請求項12】
前記心筋梗塞治療剤が、動物のロイコトリエンレベルを、ヒトでのロイコトリエンレベルの平均値に満たないレベルにまで効果的に低下させる量で投与される請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記選択工程が、C-反応性タンパク質(CRP)、血清アミロイドA、フィブリノーゲン、インターロイキン-6、腫瘍壊死因子-α(TNF-α)、可溶性脈管細胞接着性分子(sVCAM)、可溶性脈管間接着性分子(sICAM)、E-セレクチン、1型マトリックスメタロプロテアーゼ、2型マトリックスメタロプロテアーゼ、3型マトリックスメタロプロテアーゼ、9型マトリックスメタロプロテアーゼ、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、およびN-チロシンからなるグループから選択された少なくとも一つの炎症マーカーの分析値の増大に基づいて罹患しやすいヒトを選択する工程を含む請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記心筋梗塞治療剤が、少なくとも一つの炎症マーカーに関する増大した血清レベルを低下させる量で投与される請求項13または14に記載の方法。
【請求項15】
ヒトから採取した血清を分析する請求項13に記載の方法。
【請求項16】
ミエロペルオキシダーゼを分析する請求項13乃至15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
前記選択工程が、喫煙歴または喫煙者、糖尿病、高血圧、200mg/dlを超える全血清コレステロール値、血清LDLコレステロールの増大、血清HDLコレステロールの減少、C-反応性タンパク質(CRP)の増大、血清アミロイドAの増大、高コレステロール血症、トリグリセリドの増大、lp(a)の増大、肥満、急性冠状動脈症候群(ACS)、狭心症、アテローム性動脈硬化、0.9未満の足関節上腕血圧比、一過性脳虚血発作、一過性単眼視覚消失症、無症候性頸動脈狭窄症、跛行、壊疽や潰瘍の形成または切断手術の必要性が認められる虚血肢、冠動脈血流を手術やステントおよび血管形成術からなるグループから選択される少なくとも一つの家族系または既往系の危険要素を有するヒトの選択を含む請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記選択工程が、ロイコトリエンまたはロイコトリエン代謝産物に関する分析値が増大しているヒトの選択を含む請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記選択工程が、ヒトから採取した生物学的試料に含まれるロイコトリエン、すなわち、LTC4、LTD4、LTB4およびLTE4からなるグループから選択されるロイコトリエンまたはロイコトリエン代謝産物に関する分析値が増大しているヒトの選択を含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記選択工程が、ヒトから採取した血清、血漿または尿に含まれるロイコトリエンE4(LTE4)に関する分析値が増大しているヒトの選択を含む請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記選択工程が、ヒトから採取した血液に含まれるロイコトリエンに関する分析値が増大しているヒトの選択を含む請求項18または19に記載の方法。
【請求項22】
ロイコトリエンの分析に先駆けて、血中でのロイコトリエン生成をカルシウムイオン透過担体で刺激する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記選択工程が、ヒトでのFLAPの遺伝子型またはハプロタイプを決定し、および、心筋梗塞の重大な危険度とも相関するFLAPの遺伝子型またはハプロタイプを用いて、処置するヒトを選択する工程を含む請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記選択工程が、心筋梗塞の罹病性とも相関する少なくとも一つの5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)多形性の有無に関して、ヒトの核酸を分析する工程を含む請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記選択工程が、血清CRPまたはMPOを分析し、および、少なくとも一つのFLAP遺伝子型、ハプロタイプまたは多形性の有無、そして、血清CRPまたはMPOの増大の有無に基づいてヒトを選択する工程をさらに含む請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記選択工程が、
SG13S377(配列番号:1、第169965位)、対立遺伝子A;
SG13S114(配列番号:1、第178096位)、対立遺伝子A;
SG13S41 (配列番号:1、第202045位)、対立遺伝子A;および
SG13S35 (配列番号:1、第206117位)、対立遺伝子G、
を含むFLAP(配列番号:1)ハプロタイプを有するヒトを選択する工程を含む請求項23のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記FLAP(配列番号:1)多形性が、SG13S375(配列番号:1、第164874位)、対立遺伝子Tをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
マーカーSG13S106(SNP DGOOAAHII)(配列番号:1、第176579位)、対立遺伝子Gをさらに含んだハプロタイプの存在が、心筋梗塞の罹病性を有するヒトを同定する請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
SG13S106(SNP DGOOAAHII)(配列番号:1、第176579位)、対立遺伝子G、SG13S30(配列番号:1、第193840位)、対立遺伝子G、およびSG13S42(配列番号:1、第203877位)、対立遺伝子Aのマーカーをさらに含んだハプロタイプの存在が、心筋梗塞の罹病性を有するヒトを同定する請求項26または27に記載の方法。
【請求項30】
心筋梗塞(MI)の予防的治療法であって、以下の工程、すなわち;
SG13S375(配列番号:1、第164874位)、対立遺伝子Tを含むFLAP(配列番号:1)ハプロタイプを有するヒトを選択し、
in vivoでのロイコトリエン合成を阻害する治療上有効量の心筋梗塞治療剤、すなわち、ロイコトリエン合成を阻害する心筋梗塞治療剤を含む組成物をヒトに投与し、および
予防的処置を行う以前および最中のヒト、すなわち、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)レベルを効果的に低下させる量の心筋梗塞治療剤が投与されたヒトでのMPOレベルをモニターする、
工程を含む心筋梗塞の予防的治療法。
【請求項31】
前記選択工程が、
SG13S25 (配列番号:1、第165553位)、対立遺伝子G;
SG13S32 (配列番号:1、第176579位)、対立遺伝子A;および
SG13S106(配列番号:1、第198547位)、対立遺伝子GまたはA
をさらに含むFLAP(配列番号:1)ハプロタイプを有するヒトを選択する工程を含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
SG13S25(配列番号:1、第165553位)、対立遺伝子G;
SG13S99(DGOOAAFIU)、対立遺伝子T(配列番号:1、第138551位);
SG13S377(DGOOAAJFF)(配列番号:1、第169965位)、対立遺伝子G;
SG13S106 [SNP DGOOAAHII](配列番号:1、第176579位)、対立遺伝子G;
SG13S32(配列番号:1、第198547位)、対立遺伝子A;および、
SG13S35(配列番号:1、第206117位)、対立遺伝子G
のマーカーをさらに含んだハプロタイプの存在が、心筋梗塞の罹病性を有するヒトを同定する請求項30または31のいずれかに記載の方法。
【請求項33】
SG13S377(配列番号:1、第169965位)、対立遺伝子A;
SG13S114(配列番号:1、第178096位)、対立遺伝子A;
SG13S41 (配列番号:1、第202045位)、対立遺伝子A;および、
SG13S35 (配列番号:1、第206117位)、対立遺伝子G
のマーカーを含んだハプロタイプの存在が、心筋梗塞の罹病性を有するヒトを同定する請求項23に記載の方法。
【請求項34】
SG13S375(配列番号:1、第164874位)、対立遺伝子T;
SG13S25 (配列番号:1、第165553位)、対立遺伝子G;
SG13S32 (配列番号:1、第176579位)、対立遺伝子A;および、
SG13S106(配列番号:1、第198547位)、対立遺伝子GまたはA
のマーカーを含んだハプロタイプの存在が、心筋梗塞の罹病性を有するヒトを同定する請求項23に記載の方法。
【請求項35】
SG13S375 (SNP DGOOAAJFC)(配列番号:1、第164874位)、対立遺伝子T;および、SG13S25 (配列番号:1、第165553位)、対立遺伝子Gのマーカーをさらに含んだハプロタイプの存在が、心筋梗塞の罹病性を有するヒトを同定する請求項31乃至34のいずれかに記載の方法。
【請求項36】
SG13S375 (SNP DGOOAAJFC)(配列番号:1、第164874位)、対立遺伝子T;および、SG13S25 (配列番号:1、第165553位)、対立遺伝子G、およびSG13S32 (配列番号:1、第198547位)のマーカーをさらに含んだハプロタイプの存在が、心筋梗塞の罹病性を有するヒトを同定する請求項31乃至34のいずれかに記載の方法。
【請求項37】
心筋梗塞(MI)の予防的治療法であって、以下の工程、すなわち;
SG13S37 (配列番号:1、第164874位)、対立遺伝子T;
SG13S25 (配列番号:1、第165553位)、対立遺伝子G;
SG13S32 (配列番号:1、第176579位)、対立遺伝子A;および、
SG13S106(配列番号:1、第198547206117位)、対立遺伝子GまたはA
のマーカーを含んだFLAPハプロタイプの有無についてヒトの核酸を分析し、
FLAPハプロタイプが存在する核酸を有して、処置を要するヒトを選択し、
in vivoでのロイコトリエン合成を阻害する治療上有効量の心筋梗塞治療剤、すなわち、ロイコトリエン合成を阻害する心筋梗塞治療剤を含む組成物をヒトに投与する、
工程を含む心筋梗塞の予防的治療法。
【請求項38】
予防的治療法を行う以前および最中のヒトでの少なくとも一つの炎症マーカーをモニターする工程を含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記炎症マーカーが、C-反応性タンパク質またはミエロペルオキシダーゼ(MPO)である請求項38に記載の方法。
【請求項40】
予防的処置を行う以前および最中のヒト、すなわち、ロイコトリエンレベルを効果的に低下させる量の心筋梗塞治療剤が投与されたヒトでの血清、血漿または尿に含まれるロイコトリエンのレベルをモニターする工程をさらに含む請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記モニター工程が、ヒトから採取した血液試料でのロイコトリエン生成をex vivoで分析する請求項40に記載の方法。
【請求項42】
ロイコトリエン生成の分析に先駆けて、血液試料をカルシウムイオン透過担体で刺激する請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記心筋梗塞治療剤が、FLAP活性または5-リポキシゲナーゼ活性を阻害する請求項37乃至42のいずれかに記載の方法。
【請求項44】
前記心筋梗塞治療剤が、以下の式、すなわち;
【化7】

で表される化合物であり、式中、R1が、以下の式、すなわち;
【化8】

で表される基であり、R2およびR3が、互いに同一または相違しており、かつ、水素、低級アルキル基、フェニル基、ベンジル基または以下の式、すなわち;
【化9】

【化10】

で表される基であり、R4が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルチオ基、ヘテロアリール基またはカルバモイル基で任意に置換することができる、水素、低級アルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、R5が、水素、低級アルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、R6が、-COR5または-CO25の式で表される基であり、R7が、水素、低級アルキル基またはフェニル基であり、Yが、以下の式、すなわち;
【化11】

で表される基であり、式中、R8が、水素、低級アルキル基またはフェニル基であり、nが、0〜5の数字であり、Zが、ノルボルニル基または以下の式、すなわち;
【化12】

で表される基であり、式中、R9およびR10が、互いに同一または相違しており、かつ、水素、低級アルキル基またはフェニル基であり、あるいは、R9およびR10が合同して、6個までの炭素原子を有する飽和した炭素環式構造を形成し、mが、1〜6の数字であり、そして、AおよびBが、互いに同一または相違しており、かつ、水素、低級アルキル基またはハロゲン、あるいは薬学的に許容可能なそれらの塩である、式で表される化合物または薬学的に許容可能なその塩を含む請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記心筋梗塞治療剤が、動物のロイコトリエンレベルを、ヒトでのロイコトリエンレベルの平均値に満たないレベルにまで効果的に低下させる量で投与される請求項37乃至44のいずれかに記載の方法。
【請求項46】
心筋梗塞(MI)の予防法であって、以下の工程、すなわち;
in vivoでのロイコトリエン合成を阻害する治療上有効量の心筋梗塞治療剤を含む組成物を予防を必要とする動物に投与し、および
予防的処置を行う以前および最中のヒト、すなわち、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)レベルを効果的に低下させる量の心筋梗塞治療剤が投与されたヒトでのMPOレベルをモニターする、
工程を含む心筋梗塞の予防法。
【請求項47】
心筋梗塞が進行する危険度についてヒトをスクリーニングする方法であって、以下の工程、すなわち;
ヒトから採取した血液試料とカルシウムイオン透過担体とを接触させて、ロイコトリエンの生成を刺激し、および
接触工程を終えた後に、対照と比較して認められたロイコトリエン生成の増大と心筋梗塞(MI)が進行する危険度の増大とが相関する条件下で、当該血液試料でのロイコトリエンの生成を分析する、
工程を含む心筋梗塞が進行する危険度についてヒトをスクリーニングする方法。
【請求項48】
前記対照が、被験者と同じ性別のヒトから採取された血液、すなわち、カルシウムイオン透過担体で処理した血液でのロイコトリエンを分析する請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記対照が、被験者と同じ年齢のヒトから採取された血液、すなわち、カルシウムイオン透過担体で処理した血液でのロイコトリエンを分析する請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記血液試料が、単離された血液好中球を含む請求項48または49に記載の方法。
【請求項51】
前記ロイコトリエンが、LTE4,LTD4およびLTB4から選択された少なくとも一つである請求項47乃至50のいずれかに記載の方法。
【請求項52】
心筋梗塞が進行する危険度が高いと判断されたヒトに対して心筋梗塞治療剤、すなわち、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)および5-リポキシゲナーゼ(5-LO)から選択される少なくとも一つのタンパク質の活性を阻害することで、ロイコトリエン合成を阻害する心筋梗塞治療剤を予防的に投与する工程をさらに含む請求項47乃至51のいずれかに記載の方法。
【請求項53】
少なくとも一つの心筋梗塞因子を有する個体において心筋梗塞が発症する危険度を低減させる方法であって、以下の工程、すなわち;
治療上有効量の心筋梗塞治療剤、すなわち、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)および5-リポキシゲナーゼ(5-LO)から選択される少なくとも一つのタンパク質の活性を阻害することで、ロイコトリエン合成を阻害する心筋梗塞治療剤を個体に投与し、および、
治療剤を投与する以前および最中の個体、すなわち、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)レベルを効果的に低下させる量の心筋梗塞治療剤が投与された個体でのMPOレベルをモニターする、
工程を含む心筋梗塞が発症する危険度を低減させる方法。
【請求項54】
心筋梗塞に罹病しやすいヒトをスクリーニングする方法であって、以下の工程、すなわち;
SG13S377 (配列番号:1、第169965位)、対立遺伝子A;
SG13S114 (配列番号:1、第178096位)、対立遺伝子A;
SG13S41 (配列番号:1、第202045位)、対立遺伝子A;および、
SG13S35 (配列番号:1、第206117位)、対立遺伝子G
のマーカーを含んだFLAPハプロタイプの有無についてヒトの核酸を分析し、
FLAPハプロタイプの存在と心筋梗塞が発症する危険度の高さとの相関に基づいて、心筋梗塞に罹病しやすいヒトを同定する、
工程を含む心筋梗塞に罹病しやすいヒトをスクリーニングする方法。
【請求項55】
ロイコトリエン合成阻害剤およびスタチンを含む組成物。
【請求項56】
薬学的に許容可能な担体をさらに含む請求項55に記載の組成物。
【請求項57】
前記ロイコトリエン合成阻害剤が、5-リポキシゲナーゼ、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)、ロイトクライエンC4シンターゼ、ロイクライエンA4ヒドラーゼ、アラキドン酸4-リポキシゲナーゼ、ロイコトリエンB4 12-ヒドロキシデヒドロゲナーゼ、ロイコトリエンA4受容体、ロイコトリエンB4受容体、ロイコトリエンC4受容体、ロイコトリエンD4受容体、ロイコトリエンE4受容体、ロイコトリエンB4受容体1、ロイコトリエンB4受容体2、システイニルロイコトリエン受容体1、およびシステイニルロイコトリエン受容体2からなるグループから選択されるロイコトリエン合成経路タンパク質の活性を阻害する阻害剤である請求項55または56に記載の組成物。
【請求項58】
前記ロイコトリエン合成阻害剤が、1-((4-クロロフェニル)メチル)-3-((1,1-ジメチルエチル)チオ)-α,α-ジメチル-5-(2-キノリニルメトキシ)-1H-インドール-2-プロピオン酸、(R)-(+)-α-シクロペンチル-4-(2-キノリニルメトキシ)-ベンゼン酢酸、3-(3-(1,1-ジメチルエチルチオ-5-(キノリン-2-イルメトキシ)-1-(4-クロロメチルフェニル)インドール-2-イル)-2,2-ジメチルプロピオンアルデヒドオキシム-0-2-酢酸、ジロートン、アトレロイトン、6-((3-フルオロ-5-(テロラヒドロ-4-メトキシ-2H-ピラン-4イル)フェノキシ)メチル)-1-メチル-2(1H)-キンロリノン、1-((4-クロロフェニル)メチル)-3-((1,1ジメチルエチル)チオ)-α,α-ジメチル-5-(2-キノリニルメトキシ)-1H-インドール-2-プロピオン酸、および4-(3-(4-(2-メチル-イミダゾール-1-イル)-フェニルスルファニル)-フェニル)-テロラヒドロ-ピラン-4-カルボン酸アミドからなるグループから選択される請求項55乃至57のいずれかに記載の組成物。
【請求項59】
前記ロイコトリエン合成阻害剤が、FLAP阻害剤である請求項55乃至57のいずれかに記載の組成物。
【請求項60】
前記FLAP阻害剤が、
以下の式、すなわち;
【化13】

で表される化合物であり、式中、R1が、以下の式、すなわち;
【化14】

で表される基であり、R2およびR3が、互いに同一または相違しており、かつ、水素、低級アルキル基、フェニル基、ベンジル基または以下の式、すなわち;
【化15】

【化16】

で表される基であり、R4が、ヒドロキシル基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキルチオ基、ヘテロアリール基またはカルバモイル基で任意に置換することができる、水素、低級アルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、R5が、水素、低級アルキル基、フェニル基またはベンジル基であり、R6が、-COR5または-CO25の式で表される基であり、R7が、水素、低級アルキル基またはフェニル基であり、Yが、以下の式、すなわち;
【化17】

で表される基であり、式中、R8が、水素、低級アルキル基またはフェニル基であり、nが、0〜5の数字であり、Zが、ノルボルニル基または以下の式、すなわち;
【化18】

で表される基であり、式中、R9およびR10が、互いに同一または相違しており、かつ、水素、低級アルキル基またはフェニル基であり、あるいは、R9およびR10が合同して、6個までの炭素原子を有する飽和した炭素環式構造を形成し、mが、1〜6の数字であり、そして、AおよびBが、互いに同一または相違しており、かつ、水素、低級アルキル基またはハロゲン、あるいは薬学的に許容可能なそれらの塩である、式で表される化合物または薬学的に許容可能なその塩を含む請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
前記FLAP阻害剤が、2-[4-(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロペンチル酢酸、2-[4-(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロヘキシル酢酸、および2-[4-(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロヘプチル酢酸、2-[4-(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロペンチル酢酸の(+)-鏡像異性体、(キノリン-2-イル-メトキシ)フェニル]-2-シクロペンチル酢酸の(−)-鏡像異性体、および薬学的に許容可能なそれらの塩類からなるグループから選択される化合物を含む請求項59に記載の組成物。
【請求項62】
前記FLAP阻害剤が、BAY-X-1005または生理学的に許容可能なその塩、製剤またはプロドラッグを含む請求項59に記載の組成物。
【請求項63】
前記ロイコトリエン合成阻害剤が、(R)-(+)-α-シクロペンチル-4-(2-キノリニルメトキシ)-ベンゼン酢酸である請求項59に記載の組成物。
【請求項64】
前記スタチンが、ロブバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチンまたはピタバスタチンからなるグループから選択される請求項55乃至63のいずれかに記載の組成物。
【請求項65】
ヒトの血清C-反応性タンパク質(CRP)を効果的に低減する量の前記ロイコトリエン合成阻害剤が含まれている請求項55乃至64のいずれかに記載の組成物。
【請求項66】
ヒトの低密度リポタンパク質コレステロール(LDL)および血清CRPを効果的に低減する量の前記スタチンが含まれている請求項55乃至65のいずれかに記載の組成物。
【請求項67】
ヒトの血清C-反応性タンパク質を効果的かつ相乗的に低減する量の前記ロイコトリエン合成阻害剤と前記スタチンとが含まれている請求項55乃至65のいずれかに記載の組成物。
【請求項68】
ヒトへの投与のための単位用量を含む請求項55乃至67のいずれかに記載の組成物。
【請求項69】
丸剤またはカプセルである請求項55乃至68のいずれかに記載の組成物。
【請求項70】
単位用量内に50〜750mgのFLAP阻害剤が存在する請求項68または69に記載の組成物。
【請求項71】
単位用量内に250〜375mgのFLAP阻害剤が存在する請求項68または69に記載の組成物。
【請求項72】
単位用量内に1〜200mgのスタチンが存在する請求項68または69に記載の組成物。
【請求項73】
単位用量内に5〜80mgのFLAP阻害剤が存在する請求項68または69に記載の組成物。
【請求項74】
ヒトの血清C-反応性タンパク質(CRP)を効果的に低減する量の請求項55乃至73のいずれかに記載の組成物を、CRPを低減するための処置を必要とするヒトに投与する工程を含む、ヒトのC-反応性タンパク質を低減する方法。
【請求項75】
投与工程に移されるヒト、すなわち、心筋梗塞、急性冠状動脈症候群、脳卒中または末梢動脈閉塞疾患からなるグループから選択される疾患または状態に罹病する危険性のあるヒトを選択する工程を含む請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記組成物が、ヒトの血清LDLおよび血清ロイコトリエンを効果的に低減する量で投与される請求項74または75に記載の方法。
【請求項77】
ヒトの血清C-反応性タンパク質(CRP)を低減する方法であって、以下の工程、すなわち;
血清LDLを低減するためのスタチン療法、すなわち、ヒトの血清CRPを任意に低減するスタチン療法を受けるヒトを選択し、および
ヒトのCRPをさらに効果的に低減する量のロイコトリエン合成アンタゴニストをヒトに投与する、
工程を含むヒトの血清C-反応性タンパク質を低減する方法。
【請求項78】
ヒトの血清C-反応性タンパク質(CRP)を低減する方法であって、以下の工程、すなわち;
血清CRPを低減するための処置を必要とするヒトを特定し、
スタチンを含む組成物を当該ヒトに投与し、
ロイコトリエン合成阻害剤を含む組成物を当該ヒトに投与する工程を含み、
当該スタチンと当該ロイコトリエン合成阻害剤が、ヒトの血清CRPを効果的に低減する量で投与される、ヒトの血清C-反応性タンパク質を低減する方法。
【請求項79】
前記特定工程が、心筋梗塞、急性冠状動脈症候群、脳卒中または末梢動脈閉塞疾患の一つまたはそれ以上の危険要素が認められるヒトの特定を含む請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記特定工程が、ヒトのCRPの分析を含む請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記スタチンおよび前記ロイコトリエン合成阻害剤が、同時に投与される請求項78乃至80のいずれかに記載の方法。
【請求項82】
投与後の治療効果をモニターするために、ヒトの血清C-反応性タンパク質を分析する工程をさらに含む請求項78乃至81のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
投与量と投与頻度を変更し、次いで、ヒトのCRPを目標値に導くために分析する工程をさらに含む請求項78乃至82のいずれかに記載の方法。
【請求項84】
ヒトのCRPレベルを低下せしめる薬剤を製造するためのロイコトリエン合成阻害剤とスタチンの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−538003(P2007−538003A)
【公表日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551601(P2006−551601)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/003312
【国際公開番号】WO2005/075022
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(502083912)
【Fターム(参考)】