説明

情報処理端末、サーバ、情報処理方法、サーバ処理方法、処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体

【課題】利用者からの効率的な情報の収集を促すこと。
【解決手段】情報処理システム100は、情報処理端末110と、移動体機器120と、屋内機器130と、サーバ140とを備える。情報処理端末110は、接続部111と、記憶部112と、制御部113とを備える。接続部111は、移動体機器120と屋内機器130と、の双方との接続を可能とする。記憶部112は、制御部113の制御に従って、各種の情報を記憶する。制御部113は、移動体に設置されている撮影部122によって撮影された画像と移動体の位置情報とを対応づけて記憶部112に記憶させる。また、制御部113は、屋内機器130を介して記憶部112に記憶されている画像および位置情報をサーバ140に送信させ、サーバ140による解析結果を受信し、当該解析結果を記憶部112に記憶させ、移動体機器120を介して解析結果を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、情報処理端末、サーバ、情報処理方法、サーバ処理方法、処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば、複数のクライアント端末と情報提供サーバとが接続されており、それぞれのクライアント端末が得た情報を、情報提供サーバを介して複数のクライアント端末で共有することができる情報提供システムが公知である(例えば、下記特許文献1参照。)。この技術によれば、たとえば、利用者が或る地域の天気が知りたい場合に、当該地域を走行中の車両が撮影した画像データを得ることによって知ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2004−234319号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術にあっては、たとえば、自端末が得た情報は、主に他端末によって活用される。すなわち、自端末側の利用者にとっては、自端末が得た情報を情報提供サーバへ送信するメリットが少なかった。このため、上記の従来技術にあっては、それぞれのクライアント端末からの積極的な情報の送信を促せず、情報提供サーバは効果的に情報を収集できていないという問題が一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載の発明にかかる情報処理端末は、移動体に設置されている移動体機器と、屋内に配置されるとともに外部のサーバと通信可能である屋内機器との双方と接続可能な接続手段を備える情報処理端末であって、記憶手段と、前記移動体機器に接続している場合に、前記移動体に設置されている撮影手段によって撮影された画像と前記移動体の位置情報とを対応づけて前記記憶手段に記憶させる制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記屋内機器に接続している場合に、前記屋内機器を介して前記記憶手段に記憶されている画像および位置情報を前記サーバに送信させるとともに前記サーバによる前記画像および前記位置情報に基づく解析結果を受信し、当該解析結果を前記記憶手段に記憶させ、前記解析結果が記憶された後に前記移動体機器に接続された場合に、前記移動体機器を介して前記解析結果を提示することを特徴とする。
【0006】
また、請求項5に記載の発明にかかるサーバは、屋内機器を介して送信された画像および位置情報を受信する受信手段と、前記受信手段によって受信された前記画像および前記位置情報に基づく解析結果を出力する解析手段と、前記解析手段によって解析された前記解析結果を前記屋内機器へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項12に記載の発明にかかる情報処理方法は、移動体に設置されている移動体機器と、屋内に配置されるとともに外部のサーバと通信可能である屋内機器との双方と接続可能な接続手段を備える情報処理端末の情報処理方法であって、前記移動体機器に接続している場合に、前記移動体に設置されている撮影手段に撮影させる撮影工程と、前記撮影工程によって撮影された画像と前記移動体の位置情報とを対応づけて記憶手段に記憶させる制御工程と、を含み、前記制御工程は、前記屋内機器に接続している場合に、前記屋内機器を介して前記記憶手段に記憶されている画像および位置情報を前記サーバに送信させる工程と、前記サーバによる前記画像および前記位置情報に基づく解析結果を受信する受信工程と、当該解析結果を前記記憶手段に記憶させる記憶工程と、前記解析結果が記憶された後に前記移動体機器に接続された場合に、前記移動体機器を介して前記解析結果を提示することを特徴とする。
【0008】
また、請求項13に記載の発明にかかるサーバ処理方法は、屋内機器を介して送信された画像および位置情報を受信する受信工程と、前記受信工程によって受信された前記画像および前記位置情報に基づく解析結果を出力する解析工程と、前記解析工程によって解析された前記解析結果を前記屋内機器へ送信する送信工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、請求項14に記載の発明にかかる処理プログラムは、請求項12に記載の情報処理方法または請求項13に記載のサーバ処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項15に記載の発明にかかる記録媒体は、請求項14に記載の処理プログラムを記録したことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる情報処理端末、サーバ、情報処理方法、サーバ処理方法、処理プログラムおよびコンピュータに読み取り可能な記録媒体の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態)
(情報処理システムの機能的構成)
まず、図1を用いて、この発明の実施の形態にかかる情報処理システムの機能的構成の一例について説明する。図1は、この発明の実施の形態にかかる情報処理システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、この発明の実施の形態にかかる情報処理システム100は、情報処理端末110と、移動体機器120と、屋内機器130と、サーバ140とを備える。
【0013】
情報処理端末110は、接続部111と、記憶部112と、制御部113とを備える。接続部111は、情報処理端末110と、移動体機器120および屋内機器130との接続を可能とする機能を有する。接続部111は、たとえば、各種のコネクタによって実現される。情報処理端末110は、当該コネクタを介して、移動体機器120または屋内機器130と電気的に接続される。
【0014】
記憶部112は、後述する制御部113の制御に従って、各種の情報を記憶する機能を有する。記憶部112は、たとえば、制御部113の制御に従って、移動体機器120が備える撮影部122によって撮影された画像と、当該画像が撮影された位置に関する位置情報とを記憶する。なお、撮影部122については後述する。記憶部112は、たとえば、HDD(ハードディスクドライブ)およびHD(ハードディスク)によって実現される。
【0015】
制御部113は、情報処理端末110が移動体機器120に接続されている場合に、撮影部122によって撮影された画像と、位置情報とを対応づけて記憶部112に記憶させるように制御する機能を有する。また、制御部113は、情報処理端末110が屋内機器130に接続されている場合に、屋内機器130を介して記憶部112に記憶されている画像および位置情報をサーバ140に送信させる機能を有する。
【0016】
また、制御部113は、サーバ140による画像および位置情報に基づく解析結果を受信し、当該解析結果を記憶部112に記憶させ、解析結果が記憶された後に移動体機器120に接続された場合に、移動体機器120を介して解析結果を提示させるように制御する機能を有する。制御部113は、たとえば、あらかじめ用意されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することにより実現される。
【0017】
移動体機器120は、接続部121と、撮影部122と、提示部123とを備える。接続部121は、接続部111と同様に各種のコネクタからなり、接続部111との接続を可能とする機能を有する。撮影部122は、たとえば、移動体機器120が搭載された移動体周辺の地点物を撮影する機能を有する。撮影部122は、動画像により撮影をおこなうこととしてもよいし、静止画像により撮影をおこなうこととしてもよい。また、撮影部122は、移動体機器120が搭載された移動体の移動中に常時撮影することとしてもよいし、当該移動体が所定の地点物付近に来た場合に、当該所定の地点物を撮影することとしてもよい。撮影部122は、たとえば、光電変換素子などを備える撮像装置によって実現される。
【0018】
提示部123は、解析結果を提示する機能を有する。提示部123は、たとえば、映像出力部123aと、音声出力部123bとから構成される。映像出力部123aは、制御部113の制御に従って、サーバ140から受信した解析結果に基づく映像を出力する機能を有する。映像出力部123aは、たとえば、液晶ディスプレイなどの各種の表示装置によって実現される。音声出力部123bは、制御部113の制御に従って、サーバ140から受信した解析結果に基づく音声を出力する機能を有する。音声出力部123bは、たとえば、スピーカによって実現される。
【0019】
屋内機器130は、接続部131と、送信部132と、受信部133とを備える。接続部131は、接続部111と同様に各種のコネクタからなり、接続部111との接続を可能とする機能を有する。送信部132および受信部133は、たとえば、インターネットなどの回線網に接続され、当該回線網に接続されたサーバ140との送受信をおこなう機能を有する。すなわち、屋内機器130は、情報処理端末110が接続された場合に、制御部113の制御に従って、記憶部112に記憶された画像および位置情報を、回線網を介してサーバ140へ送信する。また、屋内機器130は、サーバ140から送信された解析結果を受信する。
【0020】
サーバ140は、受信部141と、解析部142と、送信部143とを備える。受信部141は、屋内機器130を介して送信された画像および位置情報を受信する機能を有する。解析部142は、受信部141によって受信した画像および位置情報に基づく解析をおこなう機能を有する。送信部143は、解析部142によって解析された解析結果を、回線網を介して、屋内機器130に送信する機能を有する。
【0021】
また、解析部142は、抽出部142aと、画像解析部142bと、生成部142cとを有してもよい。抽出部142aは、画像から所定の文字またはマークを抽出する機能を有する。ここで、所定の文字とは、たとえば、平仮名、カタカナ、アルファベット、数字、漢字などで構成される価格をあらわす文字(○○円、××YENなど)である。または、ここで、所定のマークとは、たとえば、道路標識である。また、所定の文字および所定のマークの組み合わせによって表現されるものを抽出することとしてもよい。抽出部142aは、たとえば、あらかじめ用意されたプログラムをCPUが実行することにより実現される。
【0022】
画像解析部142bは、サーバ140が受信した画像から地点物に関する画像の画像解析結果を出力する機能を有する。ここで、地点物に関する画像とは、撮影部122によって撮影された地点物の画像である。ここで、地点物とは、たとえば、施設、道路、交差点、信号、標識などの或る地点に設置されたものである。画像解析部142bは、具体的には、たとえば、抽出部142aによって抽出された所定の文字または所定のマークに基づいて、地点物に関する画像の画像解析結果を出力する機能を有する。すなわち、たとえば、画像解析部142bは、抽出された所定の文字または所定のマークの認識をおこない、その結果を画像解析結果として出力する機能を有する。
【0023】
また、画像解析部142bは、抽出部142aによって所定の文字またはマークが抽出されなかった場合には、直接画像を画像解析してもよい。この場合には、画像解析部142bは、たとえば、画像が有する色情報などから画像解析をおこなう。画像解析部142bは、たとえば、あらかじめ用意されたプログラムをCPUが実行することにより実現される。
【0024】
生成部142cは、位置情報と画像解析結果から、地点物に関する情報を生成し、送信部143に出力する機能を有する。ここで、地点物に関する情報とは、たとえば、画像解析部142bによって画像解析結果と、画像解析された画像が撮影された位置に関する位置情報とを対応づけた情報である。たとえば、画像解析結果が『○○円』であり、撮影された位置に関する位置情報が(x1、x1)である場合、地点物に関する情報は、『座標(x1、x1)での価格情報、○○円』となる。この場合、解析部142は、解析結果として生成部142cが生成した地点物に関する情報を出力する。
【0025】
(情報処理端末の処理の手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる情報処理システムの処理の手順について説明する。まず、この発明の実施の形態にかかる情報処理システムの情報処理端末の処理の手順から説明する。図2−1は、この発明の実施の形態にかかる情報処理システムの情報処理端末の処理の手順を示すフローチャートである。まず、情報処理端末110は、移動体機器120または屋内機器130に接続されるまで待機する(ステップS201:Noのループ)。
【0026】
移動体機器120または屋内機器130のいずれかに接続されたと判定された場合(ステップS201:Yes)には、接続された機器を判別する(ステップS202)。すなわち、情報処理端末110は、接続された機器が移動体機器120または屋内機器130のいずれかであるかを判別する。
【0027】
移動体機器120に接続された場合には、情報処理端末110は、まず、記憶部112に記憶された解析結果を提示する(ステップS203)。具体的には、情報処理端末110は、移動体機器120が備える映像出力部123aまたは音声出力部123bを制御して、利用者に解析結果を提示する。なお、ここで提示される解析結果は、以前に、情報処理端末110がサーバ140から受信した解析結果である。
【0028】
ステップS203において、解析結果を提示したのち、情報処理端末110は、つぎに、撮影部122を制御して撮影をおこなう(ステップS204)。ステップS204において、撮影をおこなったのち、情報処理端末110は、画像が撮影された位置に関する位置情報を取得する(ステップS205)。位置情報は、たとえば、図示を省略する移動体機器120が備えるGPS(Global Positioning System)などによって取得された情報に基づいて取得される。
【0029】
ステップS205において、位置情報が取得されたのち、情報処理端末110は、つぎに、撮影された画像と当該画像が撮影された位置に関する位置情報とを対応づけて記憶する(ステップS206)。ステップS206において、画像と位置情報とを対応づけて記憶したのち、移動体機器からの電源が遮断されるまで撮影を繰りかえし(ステップS207:Noのループ)、電源が遮断された場合(ステップS207:Yes)には一連の処理を終了する。
【0030】
屋内機器130に接続された場合には、情報処理端末110は、屋内機器130を制御して記憶部112に記憶された画像と位置情報とをサーバ140へ送信する(ステップS208)。ステップS208において、サーバ140へ画像と位置情報とを送信したのち、サーバ140から送信される解析結果を受信する(ステップS209)。
【0031】
ステップS209において、サーバ140から解析結果を受信したのち、情報処理端末110は、受信した解析結果を記憶部112に記憶する(ステップS210)。ステップS210において、解析結果を記憶部112に記憶したのち、情報処理端末110は、屋内機器からの電源が遮断されるまで待機(ステップS211:Noのループ)し、電源が遮断された場合(ステップS211:Yes)には一連の処理を終了する。
【0032】
(サーバの処理の手順)
つぎに、この発明の実施の形態にかかる情報処理システムのサーバの処理の手順から説明する。図2−2は、この発明の実施の形態にかかる情報処理システムのサーバの処理の手順を示すフローチャートである。まず、サーバ140は、屋内機器130を介して送信された画像と位置情報とを受信するまで待機する(ステップS221:Noのループ)。屋内機器130を介して送信される画像と位置情報とを受信した場合(ステップS221:Yes)に、サーバ140は、受信した画像と位置情報とに基づく解析をおこなう(ステップS222)。ステップS222において、サーバ140は、受信した画像と位置情報とに基づく解析をおこなったのち、解析された解析結果を屋内機器130へ送信(ステップS223)し、一連の処理を終了する。
【0033】
以上に説明したように、本実施の形態にかかる情報処理システム100によれば、情報処理端末110が移動体機器120に接続された状態の場合に撮影された画像を、屋内機器130に接続された場合にサーバ140に送信することで、サーバ140による画像と位置情報とに基づく解析結果を受信することができる。
【0034】
また、本実施の形態にかかる情報処理システム100によれば、サーバ140への画像と位置情報との送信およびサーバ140からの解析結果の受信は、屋内機器130が接続された高速、大容量の回線網を利用するので、サーバ140への送信時間およびサーバ140からの受信時間の短縮化を図ることができる。
【0035】
また、本実施の形態にかかる情報処理システム100によれば、移動体周辺の地点物を撮影した画像とその撮影した位置の位置情報をサーバ140へ送信し、当該画像および位置情報に基づく解析結果を受信するので、移動体が移動した経路上の地点物に関する情報を得ることができる。
【0036】
また、本実施の形態にかかる情報処理システム100によれば、移動体の移動時に常時撮影をおこなうので、移動体が移動した経路全体の地点物に関する情報を得ることができる。
【0037】
また、本実施の形態にかかる情報処理システム100によれば、移動体が所定の地点物の付近に来た場合に、撮影部122は撮影をおこなうので、サーバ140へ送信するデータ量を抑え、サーバ140への画像および位置情報の送信時間の短縮化を図ることができる。
【0038】
また、本実施の形態にかかる情報処理システム100によれば、サーバ140は、受信した画像から、所定の文字または所定のマークを抽出し、抽出した当該文字またはマークから画像解析をおこなうので、たとえば、利用者は、価格などの有益な情報を得ることができる。
【実施例】
【0039】
つぎに、上述した実施の形態にかかる情報処理システム100の実施例について説明する。本実施例は、上述した実施の形態にかかる情報処理システム100を、車両(二輪、四輪を含む)などの移動体に搭載されたナビゲーション装置(移動体機器120に該当)と、インターネットに接続された情報配信サーバ(サーバ140に該当)、パーソナル・コンピュータに接続されたリビングユニット(屋内機器130に該当)と、ナビゲーション装置およびリビングユニットの双方と接続可能なブレインユニット(情報処理端末110に該当)によって構成されるネットワークシステムに適用した例である。
【0040】
(実施例の情報処理システムの概略構成)
まず、本実施例の情報処理システムの概略構成について説明する。図3は、本実施例の情報処理システムの概略構成を示す説明図である。図3に示すように、本実施例の情報処理システム300は、車両310〜330に搭載されたナビゲーション装置311〜331と、自宅340〜360に設置されたパーソナル・コンピュータ341〜361に接続されたリビングユニット342〜362と、情報配信会社370に設置された情報配信サーバ371とによって構成される。
【0041】
ナビゲーション装置311〜331は、車両310〜330に搭載され、搭載された車両310〜330周辺の地点物を撮影可能なカメラ312〜332を備える。たとえば、カメラ312は、車両310内のサンバイザー付近に設置され、フロントガラス越しに車両310前方を撮影する。同様に、カメラ322は車両320周辺を撮影し、カメラ332は車両330周辺を撮影する。
【0042】
また、ナビゲーション装置311〜331は、着脱自在なブレインユニット311a〜331aを備えており、カメラ312〜332によって撮影された画像および撮影された位置に関する位置情報をブレインユニット311a〜331aに記録する。また、ブレインユニット311a〜331aは、リビングユニット342〜362を介してパーソナル・コンピュータ341〜361とも接続可能である。ここで、リビングユニット342〜362とは、当該リビングユニット342〜362に接続されたパーソナル・コンピュータが、当該リビングユニット342〜362に装着されたブレインユニット311a〜331aに対して、データの読み込みまたは書き込みを可能とする機能を有する電子機器である。
【0043】
たとえば、リビングユニット342は、ブレインユニット311aが装着されるスロット342aを有する。スロット342a内には、図示を省略するブレインユニット311a筐体背面に設けられた接続部と接続されるコネクタ(不図示)が設けられており、リビングユニット342は、当該コネクタを介して、ブレインユニット311aとリビングユニット342間での各種の情報の書き込み/読み込みをおこなう。また、リビングユニット342〜362は、たとえば、USB(Universal Serial Bus)によってパーソナル・コンピュータ341〜361と接続される。
【0044】
パーソナル・コンピュータ341〜361と、情報配信サーバ371とは、インターネットなどの回線網380を介して相互に通信が可能である。なお、回線網380は、たとえば、FTTH(Fiber To The Home)などの広帯域幅を有する回線網であり、画像などの大容量データを高速に送受信できる回線網であることが望ましい。
【0045】
以上に説明した各構成によって、本実施例の情報処理システム300は、まず、ナビゲーション装置311〜331が備えるカメラ312〜332によって撮影された画像および当該画像が撮影された位置に関する位置情報を含むアップロードデータがブレインユニット311a〜331aに記録される。つぎに、ブレインユニット311a〜331aに記録されたアップロードデータは、リビングユニット342〜362と接続されたパーソナル・コンピュータ341〜361を介して、情報配信サーバ371へ送信される。そして、情報配信サーバ371は、アップロードデータに基づいて地点物に関する情報を生成し、当該地点物に関する情報を各パーソナル・コンピュータに配信する構成である。以下に、それぞれの構成について、詳細に説明する。
【0046】
(ブレインユニットをナビゲーション装置に接続したときの内部構成)
図4は、ブレインユニットをナビゲーション装置に接続した状態の構成を示すブロック図である。図4には、ブレインユニット311aをナビゲーション装置311に接続した構成例を記載している。ブレインユニット311aは、情報処理を行うための中央制御演算部(CPU)401が設けられている。このCPU401は、図1に記載した制御部113の機能を有している。このCPU401には、内部バス402を介してROM,RAM等のメモリ403が接続されている。
【0047】
また、この内部バス402には、DSP(Digital Signal Prosessor)404が接続されている。また、CPU401には、上述した記憶部112としてのHDD405と、音入出力I/F406が接続されている。音入出力I/F406は、DSP404と接続されており、DSP404を介して信号処理された情報を入出力することもできる。このHDD405には、後述する走行案内(ナビゲーション)動作を行うための地図情報や施設情報などの各種情報が記憶されている。また、HDD405には、カメラ312によって撮影された画像および撮影した位置の位置情報が対応づけられて記憶される。
【0048】
このブレインユニット311aは、コネクタなどを介してナビゲーション装置311と電気的接続される。ナビゲーション装置311には、サブCPU411が設けられている。このサブCPU411は、電源の管理を行ったり、ブレインユニット311aに対し識別情報を送信したりする。
【0049】
この他、ナビゲーション装置311には、カーナビゲーション、すなわち車両の走行を案内する機能に必要な各種情報をCPU401との間で入出力する各種手段が設けられる。情報の入力手段としては、渋滞情報(VICS)を受信するVICS受信部412と、GPS衛星を用いて車両の位置を検出するための緯度経度等の情報を出力するGPS部413と、車両の速度センサ等、各種センサ414を有している。
【0050】
また、この他に、外部I/F415として、USB、IEEE1394、Ether等の各種I/Fを備えている。操作部416は、ナビゲーション装置311の各種操作を行うもので、ナビゲーション装置311の前面パネル等に設けられる。この操作部416の操作情報は、操作入力I/F417を介してCPU401またはサブCPU411に出力される。CD/DVDドライブ418は、挿入されるCDやDVDに記憶された音楽や映像の再生を行う。そして、ナビゲーション装置311の各種手段により得た情報は、コネクタなどを介してブレインユニット311aのCPU401に出力される。
【0051】
また、表示出力I/F419は、CPU401あるいはCD/DVDドライブ418から出力された表示信号を表示部419aに出力する。音入出力I/F420は、音入出力部420aに対して音声信号を入出力する。音入出力部420aは、音声信号の入力で音声を出力するスピーカー(SP)や、音声を拾い音声信号を出力するマイクによって構成されている。この音入出力I/F420は、ブレインユニット311aの音入出力I/F406、あるいはCD/DVDドライブ418との間で音声信号を入出力する。電源回路421は、ナビゲーション装置311に設けられている各構成部に対して動作用の電源を供給する。また、電源回路421は、ブレインユニット311aがナビゲーション装置311に接続している場合に、コネクタなどの接続部C1、C2を介してブレインユニット311aに対しても動作用の電源を供給する。
【0052】
カメラ312は、CPU401またはサブCPU411の制御に従って、車両310外部を撮影する。また、カメラ312は複数個備えられ、車両310外部に加え、車両310内部の映像を撮影することとしてもよい。カメラ312は、静止画像あるいは動画像のどちらで撮影してもよく、カメラ312によって撮影された画像はHDD405に記憶される。
【0053】
(ブレインユニットをリビングユニットに接続したときの内部構成)
図5は、ブレインユニットをリビングユニットに接続した状態の構成を示すブロック図である。図には、ブレインユニット311aをリビングユニット342に接続した構成例を記載している。ブレインユニット311aの内部構成は、図4と同様であるため、説明を省略する。
【0054】
ブレインユニット311aは、コネクタなどを介してリビングユニット342と電気的に接続される。リビングユニット342は、外部I/F501として、USB、IEEE1394、Etherなどの各種I/Fを備えている。リビングユニット342は、各種I/Fを介して各種装置への接続が可能である。そしてこの各種装置を情報源として情報を受信し、情報を送信することができる。操作部502は、リビングユニット342の各種操作を行うもので、図示しないリモコンを用いる他に、リビングユニット342の前面パネル内部に設けることができる。この操作部502の操作情報は、操作入力I/F503を介してCPU401に出力される。また、リビングユニット342の各種手段により得た情報は、コネクタなどの接続部C1、C3を介してブレインユニット311aのCPU401に出力される。
【0055】
また、表示出力I/F504は、CPU401から出力された表示信号を映像表示装置504aに出力する。音入出力I/F505は、音入出力部505aに対して音声信号を入出力する。音入出力部505aは、音声信号の入力で音声を出力するスピーカー(SP)や、音声を拾い音声信号を出力するマイクによって構成されている。電源回路506は、リビングユニット342に設けられている各構成部に対して動作用の電源を供給する。また、電源回路506は、ブレインユニット311aがリビングユニット342に接続している場合に、コネクタなどの接続部C1、C3を介してブレインユニット311aに対しても動作用の電源を供給する。このリビングユニット342には、サブCPU507が設けられている。このサブCPU507は、電源の管理を行ったり、ブレインユニット311aに対し識別情報を送信したりする。
【0056】
(パーソナル・コンピュータのハードウェア構成)
パーソナル・コンピュータは、公知の技術のため、詳細な説明および図示を省略するが、たとえば、ROMに記録された各種プログラムを、RAMをワークエリアとして使用しながら、CPUが実行することによって、ユーザ操作に基づいた機能を実現する機能を有する。ユーザ操作は、当該パーソナル・コンピュータが備える、キーボード、マウスといった入力デバイスによって、文字、数値、各種指示などの操作を受け付けて、操作に対応するデータを装置内部へ入力することによって受け付ける。
【0057】
また、パーソナル・コンピュータは、通信I/Fを介して、回線網380に接続されており、当該回線網380を介して、回線網380に接続された他のコンピュータ装置(たとえば、情報配信サーバ371)と相互に通信が可能である。
【0058】
(情報配信サーバのハードウェア構成)
つぎに、図6を用いて、本実施例の情報配信サーバのハードウェア構成について説明する。図6は、本実施例の情報配信サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。図6に示すように、情報配信サーバ371は、CPU601と、ROM602と、RAM603と、磁気ディスクドライブ604と、磁気ディスク605と、光ディスクドライブ606と、光ディスク607と、入力デバイス608と、映像I/F609と、ディスプレイ610と、通信I/F611と、を備えている。また、各構成部601〜611はバス620によってそれぞれ接続されている。
【0059】
まず、CPU601は、情報配信サーバ371の全体の制御を司る。ROM602には、ブートプログラム、画像解析プログラム、地点物情報生成プログラムなどのプログラムが記録されている。また、RAM603は、CPU601のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU601は、RAM603をワークエリアとして使用しながら、ROM602に記録された各種プログラムを実行することによって、情報配信サーバ371の全体の制御を司る。
【0060】
磁気ディスクドライブ604は、CPU601の制御にしたがって磁気ディスク605に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク605には、磁気ディスクドライブ604の制御で書き込まれたデータが記録される。磁気ディスク605としては、たとえば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
【0061】
光ディスクドライブ606は、CPU601の制御にしたがって光ディスク607に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク607は、光ディスクドライブ606の制御にしたがってデータの読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク607は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。また、この着脱可能な記録媒体として、光ディスク607のほか、MO、メモリカードなどであってもよい。
【0062】
磁気ディスク605または光ディスク607に記録される情報の一例として、上述した地点物に関する情報などが挙げられる。すなわち、情報配信サーバ371の磁気ディスク605または光ディスク607には、情報配信会社370によって管理される地点物に関する情報が記録される。
【0063】
入力デバイス608は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、マウス、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス608は、利用者によって選択されたキーに対応するデータを装置内部へ入力する。
【0064】
映像I/F609は、ディスプレイ610と接続される。映像I/F609は、具体的には、たとえば、ディスプレイ610全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、ディスプレイ610を表示制御する制御ICなどによって構成される。
【0065】
ディスプレイ610には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ610としては、たとえば、CRT、TFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
【0066】
通信I/F611は、ネットワークと接続され、情報配信サーバ371とCPU601とのインターフェースとして機能する。通信I/F611は、さらに、無線を介してインターネットなどの通信網に接続され、この通信網とCPU601とのインターフェースとしても機能する。
【0067】
通信網には、LAN、WAN、公衆回線網や携帯電話網などがある。具体的には、通信I/F611は、たとえば、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System)/ビーコンレシーバ、無線ナビゲーション装置、およびその他のナビゲーション装置によって構成され、VICSセンターから配信される渋滞や交通規制などの道路交通情報を取得する。なお、VICSは登録商標である。
【0068】
(ブレインユニットをナビゲーション装置あるいはリビングユニットに接続したときの具体的な制御内容)
図7は、ブレインユニットをナビゲーション装置あるいはリビングユニットに接続したときのそれぞれの機器における制御内容を説明するフローチャートである。以下の説明では、記憶部であるHDD405には、地図情報など、車両走行を案内(ナビゲーション)するための情報、撮影した画像、撮影した位置の位置情報が格納されているとする。
【0069】
はじめに、ブレインユニット311aは、いずれかの機器に接続されるまで待機し(ステップS701:Noのループ)、いずれかの機器に接続された場合(ステップS701:Yes)に、接続された機器から識別情報を取得し(ステップS702)、接続された機器を判別する(ステップS703)。
【0070】
ステップS703による判別の結果がナビゲーション装置である場合には、ブレインユニット311aは、ナビゲーション装置311の動作を制御する。以下の説明では、図4の接続構成を用いて説明する。まず、CPU401は、HDD405を制御して、HDD405に地点物に関する情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS704)。
【0071】
ステップS704において、地点物に関する情報が記憶されていると判定された場合(ステップS704:Yes)には、CPU401は、HDD405から当該地点物に関する情報を読み込み、表示部419aまたは音声入出力部420aを制御して、地点物に関する情報を提示する(ステップS705)。ステップS704において、地点物に関する情報が記憶されていないと判定された場合(ステップS704:No)には、そのまま、ステップS706へ進む。
【0072】
地点物に関する情報を提示したのち、または地点物に関する情報が記憶されていない場合には、CPU401は、ナビゲーション装置311が備えるGPS部413、各種センサ414などによって取得される情報と、HDD405に記憶された地図情報とにより、車両310が所定の地点物付近に来たと判定されるまで待機する(ステップS706:Noのループ)。
【0073】
ステップS706において、車両310が所定の地点物付近に来たと判定された場合(ステップS706:Yes)には、CPU401は、ナビゲーション装置311が備えるカメラ312を制御して、地点物を撮影する(ステップS707)。
【0074】
ステップS707において、地点物を撮影したのち、CPU401は、撮影した位置の位置情報を取得する(ステップS708)。この位置情報は、GPS部413や各種センサ414から出力された情報であり、CPU401が車両310の現在位置を演算するための情報である。これに限らず、この位置情報は、ナビゲーション装置311に設けられているサブCPU411などの演算部がGPS部413や各種センサ414から出力された情報に基づいて演算した情報であってもよい。この他、GPS部413が演算部を有して現在の車両位置を演算した情報であってもよい。
【0075】
つぎに、CPU401は、ステップS707において撮影された画像と、ステップS708において取得された位置情報とを対応づけたアップロードデータをHDD405に記憶する(ステップS709)。なお、アップロードデータは、少なくとも当該画像および位置情報を含んでいればよく、その他の情報も含んでもよい。この後、ナビゲーション装置311からの電源遮断の有無を検出し(ステップS710)、電源遮断されていない間は(ステップS710:No)、ステップS706に復帰してステップS706〜ステップS709の処理を継続する。一方、電源遮断されると(ステップS710:Yes)、ナビゲーション装置311の制御を終了する。
【0076】
ステップS703による判別の結果がリビングユニットである場合には、ブレインユニット311aは、リビングユニット342の動作を制御する。このリビングユニット342を用いて、HDD405に記憶されているアップロードデータを情報配信サーバ371へ送信する(ステップS711)。
【0077】
まず、CPU401は、リビングユニット342を制御して、パーソナル・コンピュータ341へアップロードデータを送信する。パーソナル・コンピュータ341は、リビングユニット342からアップロードデータを受け付けると、回線網380を介して、情報配信サーバ371へ当該アップロードデータを送信する。つぎに、情報配信サーバ371から送信される解析結果を受信する(ステップS712)。そして、CPU401は、情報配信サーバ371から解析結果を受信したのち、当該解析結果をHDD405に記憶する(ステップS713)。
【0078】
この後、リビングユニット342からの電源が遮断されるまで待機(ステップS714:Noのループ)し、電源が遮断されると(ステップS714:Yes)、リビングユニット342の制御を終了する。
【0079】
以上に説明したように、ブレインユニット311aをリビングユニット342に接続することにより、ブレインユニット311aに設けられたHDD405に記憶されているアップロードデータを情報配信サーバ371へ送信し、また、情報配信サーバ371から送信される解析結果を受信することができる。
【0080】
(情報配信サーバの処理の手順)
つぎに、本実施例の情報処理システムにおける情報配信サーバの処理の手順について説明する。図8は、情報配信サーバの処理の手順を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、たとえば、回線網380を介して送信されたアップロードデータを情報配信サーバ371が取得した場合に開始される。
【0081】
まず、情報配信サーバ371は、アップロードデータを受信するまで待機する(ステップS801:Noのループ)。アップロードデータは、たとえば、上述したように、回線網380を介して、リビングユニット342〜362と接続されたパーソナル・コンピュータ341〜361から送信される。
【0082】
ステップS801において、アップロードデータを受信した場合(ステップS801:Yes)に、情報配信サーバ371は、つぎに、受信したアップロードデータの画像中に、所定の文字またはマークが含まれるか否かを判定する(ステップS802)。情報配信サーバ371は、たとえば、画像中に、『○○○円』、『セール(SALE)』、『価格』、『特価』、『ハイオク/レギュラー/軽油』など、値段や品名、または特売の状態などをあらわす文字が含まれるか否かを判定する。
【0083】
また、情報配信サーバ371は、たとえば、画像中に、案内標識、警戒標識、規制標識、指示標識、補助標識などの道路標識に用いられるマークが含まれるか否かを判定する。より具体的には、地名や交差点での行き先などの案内を示す標識や、『止まれ』の標識などである。なお、所定の文字または所定のマークは、たとえば、あらかじめ情報配信サーバ371に登録しておく。
【0084】
ステップS802において、所定の文字またはマークが含まれると判定された場合(ステップS802:Yes)に、情報配信サーバ371は、当該文字またはマークを抽出する(ステップS803)。また、所定の文字またはマークが含まれないと判定された場合(ステップS802:No)に、情報配信サーバ371は、ステップS804へ進む。
【0085】
ステップS802において所定の文字またはマークが含まれないと判定された場合、またはS803において所定の文字またはマークを抽出したのち、情報配信サーバ371は、受信した画像中に、新たな道路があるか否かを判定する(ステップS804)。ここで、新たな道路とは、地図情報中には存在しない道路である。新たな道路は、たとえば、画像が有する色情報より判定できる。また、たとえば、画像中に案内標識が含まれていた場合、当該案内標識と、地図情報中の案内標識とを比較することで、一致しない場合に、新たな道路があることとしてもよい。具体的には、たとえば、画像中の案内標識には右折のマークがあるが、地図情報中では右折可能な道路がない場合、当該画像中に新たな道路があると判定する。
【0086】
ステップS804において、画像中に新たな道路があると判定された場合(ステップS804:Yes)に、情報配信サーバ371は、当該新たな道路を抽出する(ステップS805)。また、新たな道路がないと判定された場合(ステップS804:No)に、情報配信サーバ371は、一連の処理を終了する。
【0087】
つぎに、情報配信サーバ371は、ステップS803において抽出された所定の文字またはマーク、または、ステップS805において抽出された新たな道路に対して、画像解析をおこなう(ステップS806)。ここで、画像解析とは、たとえば、抽出された文字またマークの認識や、抽出された新たな道路の幅の認識などを画像から解析することである。
【0088】
ステップS806において、画像解析をおこなったのち、情報配信サーバ371は、つぎに、地点物に関する情報を生成する(ステップS807)。情報配信サーバ371は、たとえば、ステップS801で受信したアップロードデータの位置情報が座標(x2、y2)であり、当該座標(x2、y2)で撮影された画像に、『ハイオク160円/レギュラー150円/軽油100円』という文字列が含まれていた場合には、『座標(x2、y2)のガソリンスタンド○○の価格情報、ハイオク160円/レギュラー150円/軽油100円』として、地点物に関する情報を生成する。
【0089】
ステップS807において、地点物に関する情報を生成したのち、情報配信サーバ371は、生成した地点物に関する情報を、パーソナル・コンピュータ341に送信(ステップS808)して、一連の処理を終了する。
【0090】
(ナビゲーション装置の具体的な表示例)
つぎに、上述したナビゲーション装置の表示部の具体的な表示例を説明する。図9は、本実施例のナビゲーション装置の表示部の表示される表示画面の一例を示す説明図である。図9に示すように、本実施例の表示部419aには、表示用情報900が表示される。ここで、表示用情報とは、たとえば、車両周辺の地図情報910と、自車両の現在位置をあらわす自車アイコン920と、地点物に関する情報とによって構成される情報である。
【0091】
ナビゲーション装置311が搭載された車両310周辺の地図情報には、○○スーパー911や、××ガソリンスタンド912などが含まれる。また、当該○○スーパー911や、××ガソリンスタンド912の地点物に関する情報として、地点物に関する情報911a、912aが表示される。地点物に関する情報911a、912aには、たとえば、対象となる地点物がセール中であることをあらわす『セール中』や、対象となるガソリンスタンドのそれぞれのガソリンの値段をあらわす『ハイオク:150円、レギュラー:139円、軽油:100円』といった内容が表示される。
【0092】
また、地点物に関する情報として、たとえば、図9中、符号913a、913bで示すように、地図情報にはない新たな交通標識を表示してもよい。また、地点物に関する情報として、たとえば、地図情報にはない新しい道路を表示してもよい。図9中、符号913dで示す道路は、地図情報にはない新たな道路である。地図情報にはない新しい道路913dの入口/出口913cは、その付近を車両310が走行した場合に撮影され、車両310が新しい道路913dを完全に走行した場合に撮影される。また、新しい道路913dは、図9に示すように、たとえば、その表示濃度を地図情報にある道路よりも薄くして表示する。
【0093】
以上に説明したように、本実施例の情報処理システム300によれば、情報配信サーバ371から送信される解析結果には、自端末から送信された画像および位置情報に基づく解析結果であるため、利用者が走行した経路などの身近な情報である。このため、積極的なアップロードを促し、情報配信サーバ371は、情報を効率的に収集することができる。
【0094】
また、本実施例の情報処理システム300によれば、撮影された画像から、所定の文字またはマークを抽出して、当該所定の文字またはマークを画像認識するため、たとえば、ガソリンの値段やスーパーのセール情報など、利用者にとって役に立つ情報を生成し、配信することができる。これにより、一層の積極的なアップロードを図ることができる。
【0095】
また、本実施例の情報処理システム300によれば、情報配信サーバ371は、複数のブレインユニット311a〜331aからアップロードデータを受信するため、それぞれのアップロードデータから解析結果を出力することができる。これにより、たとえば、ナビゲーション装置310のユーザは、ナビゲーション装置320のユーザの走行した経路上の地点物に関する情報を得ることができる。
【0096】
また、本実施例の情報処理システム300によれば、情報配信サーバ371は、たとえば、ブレインユニット311aと重複する位置情報を有するブレインユニット321aに、ブレインユニット311aのアップロードデータに基づいて生成される地点物に関する情報を送信するので、ブレインユニット321aのユーザは、効果的な地点物に関する情報を得ることができる。
【0097】
本実施例では、情報配信サーバ371が生成した地点物に関する情報を受信することとしたが、これに限らない。利用者の所望する情報だけを受信することとしてもよい。たとえば、ブレインユニット311aは、アップロードデータに所望する地点の種類をあらわすリクエスト情報を付与して情報配信サーバ371に送信する。これにより、情報配信サーバ371は、生成した地点物に関する情報とリクエスト情報とに基づいて、一部の地点物に関する情報のみをブレインユニット311aに配信する。これによって、利用者は、所望する情報のみを選択的に得ることができる。
【0098】
また、本実施例では、情報配信サーバ371は、ブレインユニット311a〜331aに記憶されたアップロードデータから地点物に関する情報を生成することとしたが、これに加え、回線網380を介して収集した情報から地点物に関する情報を生成してもよい。たとえば、従業員が○○スーパーがセール中であることをあらわす情報を、直接、店舗に設置されたパーソナル・コンピュータ(不図示)から回線網380を介して情報配信サーバ371へ送信する。これにより、情報配信サーバ371は、○○スーパーがセール中であることをあらわす地点物に関する情報を生成する。
【0099】
情報配信サーバ371は、これによって、○○スーパーがセール中であることをあらわす地点物に関する情報を生成し、当該地点物に関する情報を、回線網380を介して、パーソナル・コンピュータ341〜361へ送信する。これによって、たとえば、周辺を走行した車両がいない場合にでも○○スーパーの地点物に関する情報が生成でき、利用者はセールを知ることができる。また、○○スーパー側としても、同システムを用いて宣伝することができる。また、この場合に、たとえば、○○スーパーは、特価品の値段や品名も送信することで、より具体的な地点物に関する情報を情報配信サーバ371に生成させることができる。
【0100】
また、たとえば、地図情報に、地点物の大きさに関する情報を持たせてもよい。この場合には、たとえば、自車両の周辺に大きな地点物が存在する場合には、遠くから地点物を撮影し、逆に小さな地点物の場合には近くから地点物を撮影することができる。また、カメラがズーム機能を有する場合には、地点物の大きさに合わせ、ズーム機能を調整することができる。これにより、地点物の大きさに応じて適切な撮影が可能となり、有効な画像を収集することができる。
【0101】
また、本実施例では、車両310が所定の地点物付近に来た場合に、撮影をおこなうこととしたが、これに限らず、車両310の移動時に常時撮影することとしてもよい。
【0102】
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法およびサーバ処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】この発明の実施の形態にかかる情報処理システムの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【図2−1】この発明の実施の形態にかかる情報処理システムの情報処理端末の処理の手順を示すフローチャートである。
【図2−2】この発明の実施の形態にかかる情報処理システムのサーバの処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本実施例の情報処理システムの概略構成を示す説明図である。
【図4】ブレインユニットをナビゲーション装置に接続した状態の構成を示すブロック図である。
【図5】ブレインユニットをリビングユニットに接続した状態の構成を示すブロック図である。
【図6】本実施例の情報配信サーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】ブレインユニットをナビゲーション装置あるいはリビングユニットに接続したときのそれぞれの機器における制御内容を説明するフローチャートである。
【図8】情報配信サーバの処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】本実施例のナビゲーション装置の表示部の表示される表示画面の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0104】
100 情報処理システム
110 情報処理端末
111 接続部
112 記憶部
113 制御部
120 移動体機器
121 接続部
122 撮影部
123 提示部
123a 映像出力部
123b 音声出力部
130 屋内機器
131 接続部
132 送信部
133 受信部
140 サーバ
141 受信部
142 解析部
142a 抽出部
142b 画像解析部
142c 生成部
143 送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に設置されている移動体機器と、屋内に配置されるとともに外部のサーバと通信可能である屋内機器との双方と接続可能な接続手段を備える情報処理端末であって、
記憶手段と、
前記移動体機器に接続している場合に、前記移動体に設置されている撮影手段によって撮影された画像と前記移動体の位置情報とを対応づけて前記記憶手段に記憶させる制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記屋内機器に接続している場合に、前記屋内機器を介して前記記憶手段に記憶されている画像および位置情報を前記サーバに送信させるとともに前記サーバによる前記画像および前記位置情報に基づく解析結果を受信し、当該解析結果を前記記憶手段に記憶させ、
前記解析結果が記憶された後に前記移動体機器に接続された場合に、前記移動体機器を介して前記解析結果を提示することを特徴とする情報処理端末。
【請求項2】
前記撮影手段は、前記移動体周辺を撮影し、
前記制御手段は、前記移動体周辺を撮影した前記画像と、撮影時の前記移動体の位置に関する前記位置情報とを対応づけて前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理端末。
【請求項3】
前記撮影手段は、前記移動体の移動時に常時撮影することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理端末。
【請求項4】
前記撮影手段は、前記移動体が所定の前記地点物付近に来た場合に、前記所定の地点物を撮影することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理端末。
【請求項5】
屋内機器を介して送信された画像および位置情報を受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された前記画像および前記位置情報に基づく解析結果を出力する解析手段と、
前記解析手段によって解析された前記解析結果を前記屋内機器へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とするサーバ。
【請求項6】
前記サーバは、
前記屋内機器を介して送信された複数の前記情報処理端末からそれぞれ前記画像と前記位置情報を受信し、
前記複数の情報処理端末のうち一の情報処理端末から送信された前記画像と前記位置情報に基づく前記解析結果を、前記複数の情報処理端末のうち前記一の情報処理端末とは異なる他の情報処理端末に送信することを特徴とする請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記サーバは、
前記一の情報処理端末の位置情報(以下、「一の位置情報」という)と少なくとも一部が重複する位置情報を有する前記他の情報処理端末に、前記一の情報処理端末から送信された前記画像および前記一の位置情報に基づく前記解析結果を送信することを特徴とする請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記解析手段は、
前記受信手段によって受信された前記画像に基づいて、前記地点物に関する画像の画像解析結果を出力する画像解析手段と、
前記受信手段によって受信された前記位置情報と、前記画像解析手段によって出力された前記画像解析結果とに基づいて、前記地点物に関する情報を生成する生成手段と、
を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載のサーバ。
【請求項9】
前記サーバは、
前記画像から所定の文字または所定のマークを抽出する抽出手段を備え、
前記画像解析手段は、
前記抽出手段によって抽出された前記所定の文字またはマークの画像解析結果を出力することを特徴とする請求項8に記載のサーバ。
【請求項10】
前記所定の文字は、値段をあらわす文字または特売の状態をあらわす文字であることを特徴とする請求項9に記載のサーバ。
【請求項11】
前記所定のマークは、道路標識であることを特徴とする請求項9に記載のサーバ。
【請求項12】
移動体に設置されている移動体機器と、屋内に配置されるとともに外部のサーバと通信可能である屋内機器との双方と接続可能な接続手段を備える情報処理端末の情報処理方法であって、
前記移動体機器に接続している場合に、前記移動体に設置されている撮影手段に撮影させる撮影工程と、
前記撮影工程によって撮影された画像と前記移動体の位置情報とを対応づけて記憶手段に記憶させる制御工程と、
を含み、
前記制御工程は、
前記屋内機器に接続している場合に、前記屋内機器を介して前記記憶手段に記憶されている画像および位置情報を前記サーバに送信させる工程と、
前記サーバによる前記画像および前記位置情報に基づく解析結果を受信する工程と、
当該解析結果を前記記憶手段に記憶させる工程と、
前記解析結果が記憶された後に前記移動体機器に接続された場合に、前記移動体機器を介して前記解析結果を提示する工程と、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
屋内機器を介して送信された画像および位置情報を受信する受信工程と、
前記受信工程によって受信された前記画像および前記位置情報に基づく解析結果を出力する解析工程と、
前記解析工程によって解析された前記解析結果を前記屋内機器へ送信する送信工程と、
を含むことを特徴とするサーバ処理方法。
【請求項14】
請求項12に記載の情報処理方法または請求項13に記載のサーバ処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする処理プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載の処理プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータに読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2−1】
image rotate

【図2−2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−115741(P2009−115741A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291855(P2007−291855)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】