説明

情報処理装置、プログラム、及び情報処理方法

【課題】ユーザの運転に関し、より有効な情報を提示することができるようにする。
【解決手段】情報処理装置において、所定のデータ採取区間を移動する毎に、該区間内の移動した箇所を特定する情報、及び移動毎に変動し得る所定項目のデータを、移動毎に識別するための識別情報に対応付けて記録する記録手段(ステップ44、45)と、前記所定項目のデータの内容又は識別情報の内容の指定を受け入れる指定手段と、記録手段により記録された移動箇所特定情報のうち、指定手段により指定された内容に対応するものに基づいて移動軌跡を表示する表示手段(ステップ43)とを設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、過去の移動記録に基づいて移動軌跡を表示する情報処理装置、該情報処理装置における各手段としてコンピュータを動作させるプログラム、及び該情報処理装置における情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置においては、良好な精度でルート探索を行うために、実際にどのようなルートを走行したかということについて学習を行うようにしている。またさらに、車速変動パターンを学習し、学習結果をルート探索に反映するようにしている場合もある。
【0003】
たとえば、特許文献1に記載された技術においては、ルート探索によって得られた推奨ルートが、ユーザが実際に走行したルートと相違する場合、推奨ルートについての予定所要時間と、実際に走行したルートについて要した時間とを比較し、後者の方が短い場合、実際に走行したルートを学習し、学習したルートを次回のルート探索に反映するようにしている。
【0004】
また、特許文献2に記載された技術においては、目的地までのルートを検索し、検索できた複数のルートのうちからのユーザによる走行ルートの指定を受け入れ、ユーザが指定したなかった各ルートを仮想的に走行する場合の車両の位置、すなわち仮想自車位置を、車両の車速変動パターンに基づいて算出し、指定した走行ルートを走行しているユーザに対して提示するようにしている。これによりユーザは、ルート毎の車両の進行状況や目的地への到着時間を比較することができる。その結果、次回に同じ出発地から目的地までのルートを走行する場合、どのルートを選択すれば最短時間で目的地に到達できるか等の判断を行うことができる。
【0005】
推奨ルートと実際の走行ルートとを比較して行う学習には、ルート学習及びパラメータ学習があると考えられる。ルート学習は、頻繁に使用するルートにおいて、学習効果がある。たとえば一度しか利用しないルートであれば、学習効果が確認できないからである。上述特許文献1の技術はルート学習を行う技術であり、特許文献2の技術はパラメータ学習を行う技術であると考えられる。
【0006】
【特許文献1】特開2006−64563号公報
【特許文献2】特開2004−28825号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述従来のルート学習を行う技術は、推奨ルートについての予定所要時間と、実際に走行されたルートについての実際の所要時間とを比較するものであり、推奨ルートについて実際に走行した場合の所要時間を比較するものではない。推奨ルートを実際に走行した場合、ナビゲーション装置による予想時間よりも短時間で走行する場合もありうる。
【0008】
また、ルート学習は頻繁に使用するルートにおいて効果があるが、頻繁に走行するルートについては推奨ルートの案内は不要である。むしろ、実際に走行する際の所要時間を削減することができるようなデータの提示が望まれる。
【0009】
また、上述従来のパラメータ学習を行う技術によれば、運転者の癖、たとえば上述の車速変動パターンを学習し、これをルート探索において反映させたとしても、パラメータの多さや処理の複雑さに比べ、効果はあまり期待することができない。たとえば、車速変動パターンとして急発進や急停車の癖がある運転者が推奨ルートの予想所要時間よりも早く目的地に到着したとしても、全体に大きく影響するほど早く到着するかは疑問であり、効果の確認が困難であると考えられる。
【0010】
また、パラメータ学習の場合も、学習効果が確認できるのは、頻繁に使用するルートについてであると考えられる。したがって、上述の仮想自車位置との比較は頻繁に利用するルートについては、利用者が凡そその推測を立て易いので、効果はあまり期待できないと考えられる。また、このような比較は、ルート検索において複数のルートがヒットしたときのみに有効である。
【0011】
本発明の目的は、このような従来技術の問題点に鑑み、ナビゲーション装置において、ユーザの運転に関し、より有効な情報を提示することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するため、第1の発明に係る情報処理装置は、所定のデータ採取区間を移動する毎に、該区間内の移動した箇所を特定する情報、及び前記移動毎に変動し得る所定項目のデータを、前記移動毎に識別するための識別情報に対応付けて記録する記録手段と、前記所定項目のデータの内容又は前記識別情報の内容を指定する指定手段と、前記記録手段により記録された移動箇所特定情報のうち、前記指定手段により指定された内容に対応するものに基づいて移動軌跡を表示する表示手段とを具備することを特徴とする。
【0013】
ここで、情報処理装置としては、たとえば、ナビゲーション装置や、GPS受信機を備えたパソコン、GPS携帯電話が該当する。移動としては、装置が搭載された車両の走行による移動や、装置を携帯するユーザの歩行による移動が該当する。移動毎に変動し得る所定項目としては、たとえば「天候」や、「温度」、「走行時間」、「渋滞の有無」の項目が該当する。識別情報としては、たとえば、移動の日時や回数(1回目、2回目等)が該当する。
【0014】
指定された内容に対応するデータとしては、たとえば『「走行時間」の項目のデータの内容が最大のもの』と指定された場合におけるこの指定に対応するデータ(後述図5の2回目に採取されたデータ)や、『「天候」の項目のデータの内容が「快晴」』と指定された場合におけるこの指定に対応するデータ(後述図5の1回目に採取されたデータ)が該当する。指定された区別情報の内容に対応するデータとしては、たとえば、「3回目」と指定された場合における3回目の移動時に記録されたデータが該当する。指定手段による指定は複合的に行うことができる。たとえば『「天候」のデータ内容が「快晴」で、「渋滞」のデータ内容が「無」』と指定することができる。
【0015】
この構成において、データ採取区間を移動するとき、移動箇所特定情報及び所定項目についてのデータが記録される。その際、これらのデータを移動毎に識別するための識別情報が記録される。その後、前記所定項目のデータの内容又は識別情報の内容が指定されると、その指定内容に対応するデータに基づいて移動軌跡が表示される。ユーザはこの指定内容及び移動軌跡に基づき、より好ましい移動軌跡に関する考察を行うことができる。
【0016】
第2の発明に係る情報処理装置は、第1発明において、前記移動箇所特定情報は一定時間毎の各移動位置のデータであり、前記表示手段は、前記移動位置を示すマークを地図上で表示することにより前記移動軌跡の表示を行うものであることを特徴とする。ここで、一定時間毎としては、たとえば、ナビゲーション装置における自車位置が更新されるタイミングが該当する。
【0017】
第3の発明に係る情報処理装置は、第1又は第2発明において、前記移動箇所特定情報は一定時間毎の各移動位置のデータであり、前記表示手段は、前記データ採取区間を移動しているとき、前記指定手段により指定された内容に対応する移動箇所特定情報中の各移動位置のうち、前記データ採取区間上の所定の地点を基準とした場合の現時点に相当する時点での移動位置を示すマークを、現在位置を示すマークとともに地図上で表示することにより前記移動軌跡の表示を行うものであること特徴とする。所定の地点としては、たとえば、データ採取区間の開始地点や、データ採取区間の各ルートを構成する各ルート要素の開始地点や、各ルート要素を構成する各区間要素の開始地点が該当する。
【0018】
第4の発明に係る情報処理装置は、第1〜第3のいずれかの発明において、前記移動箇所特定情報は、前記データ採取区間の開始地点から終了地点に至る各ルート中の各分岐点で区切られた各ルート要素を移動に利用したかどうかを示す情報であり、前記表示手段は、各ルート要素についての利用頻度を表示することにより前記移動軌跡の表示を行うものであることを特徴とする。ここで、各ルート要素を移動に利用したかどうかを示す情報としては、たとえば、各ルート要素に含まれる区間要素についての記録の有無が該当する。たとえば、後述図5の区間Aについての記録が存在するということは、区間Aを含むルート要素の利用があったことを意味する。また、区間Aについて3回分の記録が存在するということは、区間Aを含むルート要素が3回利用されたことを意味する。
【0019】
第5の発明に係る情報処理装置は、第1〜第4のいずれかの情報処理装置において、前記データ採取区間の開始地点から終了地点に至る各ルート中の各分岐点で区切られた各ルート要素は1又は2以上の区間要素により構成されており、前記記録手段は、前記所定項目のデータの記録を、区間要素毎に行うものであることを特徴とする。
【0020】
第6の発明に係る情報処理装置は、第1〜第5のいずれかの発明において、各所定項目のうちの所定のものについては、複数回記録したデータ値に基づいて算出される所定の算出値を該所定項目のデータの一部として取り扱うことを特徴とする。ここで、各所定項目のうちの所定のものとしては、たとえば走行に要した時間の項目である「走行時間」が該当する。所定の算出値としては、たとえば最大値や、最小値、平均値、標準偏差が該当する。この場合、算出された最大値や最小値も、「走行時間」の項目のデータ値とされる。
【0021】
第7の発明に係る情報処理装置は、第1〜第6のいずれかの発明において、前記記録手段により記録されたデータの一部を削除し又は無効とする編集手段を有することを特徴とする。
【0022】
第8の発明に係るプログラムは、第1〜第6のいずれかの発明に係る情報処理装置における各手段としてコンピュータを動作させることを特徴とする。コンピュータの概念には各種組込み機器が含まれる。
【0023】
第9の発明に係る情報処理装置は、記録手段が、所定のデータ採取区間を移動する毎に、該区間内の移動した箇所を特定する情報、及び前記移動毎に変動し得る所定項目のデータを、前記移動毎に識別するための識別情報に対応付けて記録する記録工程と、指定手段が、前記所定項目のデータの内容又は前記識別情報の内容の指定を受け入れる指定工程と、表示手段が、前記記録手段により記録された移動箇所特定情報のうち、前記指定手段により指定された内容に対応するものに基づいて移動軌跡を表示する表示工程とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、記録された移動箇所特定情報のうち、指定された所定項目のデータの内容又は識別情報の内容に対応するものに基づいて移動軌跡を表示するようにしたため、ユーザは、指定内容及び移動軌跡に基づき、より好ましい移動軌跡に関する考察を行うことができる。
【0025】
また、移動箇所特定情報が一定時間毎の各移動位置のデータである場合に、その移動位置を示すマークを地図上で表示することにより移動軌跡の表示を行うようにしたため、一定時間毎の各移動位置を、たとえば、ナビゲーション装置における自車位置が更新されるタイミングにおける各現在位置とすることにより、詳細な移動軌跡を表示させることができる。これにより、たとえばどのレーンを走行すべきかといった詳細な考察を行うことができる。
【0026】
また、移動箇所特定情報が一定時間毎の各移動位置のデータである場合に、データ採取区間を移動しているとき、移動箇所特定情報中の各移動位置のうち、データ採取区間上の所定の地点を基準とした場合の現時点に相当する時点での移動位置を示すマークを、現在位置を示すマークとともに地図上で表示するようにしたため、刻々と推移する現在の移動位置と、過去における同様の移動位置とをリアルタイムで比較し、移動軌跡の改善に役立てることができる。
【0027】
また、移動箇所特定情報が、各ルート要素を移動に利用したかどうかを示す情報である場合に、各ルート要素についての利用頻度を表示することによって移動軌跡の表示を行うようにしたため、記録手段により記録される情報を、複数のユーザで共用することにより、各ユーザは他のユーザがどのルート要素を良く利用しているかを把握し、利用するルート要素を選択する際の参考にすることができる。
【0028】
また、データ採取区間の開始地点から終了地点に至る各ルート中の各分岐点で区切られた各ルート要素が1又は2以上の区間要素により構成されている場合に、所定項目のデータの記録を、区間要素毎に行うようにしたため、区間要素毎の記録内容と、走行軌跡とに基づいて、走行軌跡についての考察を行うことができる。
【0029】
また、各所定項目のうちの所定のものについて、複数回記録したデータ値に基づいて算出される所定の算出値を該所定項目のデータの一部として取り扱うようにしたため、たとえば、走行に要した時間の項目である「走行時間」については、記録されたデータの最大値や、最小値、平均値、標準偏差等を指定手段により指定し、対応する移動箇所特定情報を用いて走行軌跡を表示させることができる。
【0030】
また、記録手段により記録されたデータの一部を削除し又は無効とする編集手段を設けるようにしたため、工事中等の異常な状況下で記録されたデータを削除し、異常な状況下で記録されたデータが参照されるのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
図1は本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置は同図に示すように、必要な情報処理や装置各部の制御を行う制御部11、装置が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部12、ナビゲーションに必要な地図データを記憶する地図データ部13、情報処理に必要なプログラムや処理結果等を記憶する記憶部14、必要な情報を音声により出力する音声出力部15、ナビゲーション用の地図や、種々の情報、操作に必要な情報等を表示するための表示部16、制御部11に対する操作入力を行うための操作部16を備える。
【0032】
現在位置検出部12はGPSや慣性航法により現在位置を取得するものである。記憶部14はハードディスク装置、RAM、ROM等により構成される。操作部17は、表示部16上に設けられたタッチパネルを備え、タッチによる操作入力も行うことができるようになっている。
【0033】
この構成において、制御部11は、所定のデータを採取すべき区間の設定を受け入れるとともに、このデータ採取区間を車両が走行する際に、該所定データの採取を行う。所定データの採取は、データ採取区間において複数のルートが存在するかどうかや、走行するルートが推奨ルートから逸脱したルートであるかどうか等とは無関係に、実際に走行するルートについて行われる。
【0034】
図2はナビゲーション装置においてデータ採取区間の設定を受け入れる処理を示すフローチャートである。処理を開始すると、制御部11はまず、ステップ21において、設定しようとするデータ採取区間の開始地点の指定を受け入れる。この指定の受入れは、たとえば、表示した地図上における開始地点とすることを希望する位置のタッチや、既に出発地点等として登録されている各位置のうちからの選択を受け入れることにより行うことができる。次に、ステップ22において、データ採取区間の終了地点の指定を、同様にして受け入れる。
【0035】
次に、ステップ23において、当該データ採取区間について設定する名称の入力を受け入れる。次に、ステップ24において、入力された名称と同一の名称が、既に設定されているデータ採取区間の名称中に存在するか否かを判定する。存在すると判定した場合にはステップ23に戻り、再度、別の名称の入力を促す。同一の名称が存在しないと判定した場合にはステップ25へ進み、指定された開始地点及び終了地点間を細分化し、細分化された各区間要素により構成されるデータ採取区間として設定する。細分化は、交差点の通過や、道路種別の変化、一定距離の走行等が生じたポイント毎に開始地点及び終了地点間を区分することによって行われる。これにより、データ採取区間の設定が完了する。なおデータ採取区間は、複数設定することができる。
【0036】
図3は図2の処理によって設定されたデータ採取区間の一例を示す。図中の31はデータ採取区間の開始地点、32はデータ採取区間の終了地点、33はデータ採取区間を区分する交差点である。このデータ採取区間には「自宅から会社」という名称が設定されている。このデータ採取区間は開始地点31から交差点33までの区間要素である区間A、及び交差点33から終了地点32までの区間要素である区間Bにより構成されている。この場合、データ採取区間として、自宅を出発地とし、会社を目的地とするルートと同一のルートが設定されている。すなわち、このルートの出発地が開始地点31として指定され(ステップ21)、目的地が終了地点32として指定されている(ステップ22)。
【0037】
図4はナビゲーション装置におけるデータ採取区間についてのデータ採取処理を示すフローチャートである。処理を開始すると、制御部11は、まずステップ41において、いずれかのデータ採取区間の開始地点への到達を待機する。開始地点への到達が検出されるとステップ42へ進み、そのデータ採取区間について既に採取したデータが存在するかどうかを判定する。データが存在しないと判定した場合にはそのままステップ44へ進む。
【0038】
ステップ42において既に採取したデータが存在すると判定した場合にはステップ43へ進み、一定時間毎の自車位置の更新時であることを条件として、現在の自車マークと同時に過去の自車マークの表示位置を更新し、ステップ44へ進む。更新に際し、ユーザの選択に応じ、それまで表示していた自車マークは走行軌跡として、表示されたまま残すようにしてもよい。過去の自車マークとは、現在走行中のデータ採取区間を過去に走行したときの自車マークである。過去の自車マークは、現在走行中のデータ採取区間の開始地点を基準とし、開始地点を今回の走行の場合と同時に出発したと仮定して表示される。したがって、ユーザは、現在及び過去の自車マーク位置を比較することによって、過去の場合より遅れているか又は進んでいるかを直ちに認識することができる。なお、現在の自車マークについては過去の採取データの有無に関係なく、自車位置の更新時毎に、更新が行われる。
【0039】
過去の自車マークの表示に用いるデータは、後述のステップ45において、現在走行中のデータ採取区間について採取された地点情報に基づくものである。過去の自車マークの表示に用いるデータとしては過去のいずれかの走行時に採取された地点情報をそのまま用いてもよく、また、過去の各走行時に採取された各地点情報の平均値や最大値、あるいは過去の各走行時に採取された各地点情報の偏差値を考慮したものであってもよい。制御部11は、いずれのデータを用いるかの指定を受け入れることができる。ユーザは、たとえば、過去の自車マークとして、現在走行中のデータ採取区間についての所要時間が最も少なかった場合に採取した地点情報に基づくものを表示させることができる。
【0040】
ステップ44では、走行中のデータ採取区間における上述の区間要素毎に所定のデータの採取を行う。所定のデータとしては、当該区間要素についての走行日時、天候、温度、走行所要時間、渋滞状況等の取得可能なデータが該当する。必要に応じ、乗車人数等も記録する。次のステップ45においては、一定時間毎の自車位置更新時であることを条件として、地点情報を記録する。地点情報とは、該自車位置更新時における現在位置の情報である。これにより、走行軌跡が記録されることになる。この走行軌跡に基づき、上述ステップ43における過去の自車マークの更新表示が行われる。
【0041】
次に、ステップ46において、走行中のデータ採取区間における終了地点に到着したか否かの判定を行う。到着していないと判定した場合には、ステップ42へ戻り、ステップ42〜45の処理を繰り返す。到着したと判定した場合には、ステップ47へ進み、ステップ44や45において取得したデータをデータベースに登録する。これにより、データ採取処理が終了する。なお、各データ採取区間についてのデータ採取回数が所定回数以上となった場合には制御部11は、可能なデータ項目についての最大値、最小値、平均値、偏差値等を計算し、計算結果を格納する。
【0042】
制御部11は、上述ステップ44において採取したデータを表示する機能を有する。すなわち、制御部11は、操作部16における所定の操作により、図2の処理によって設定された各データ採取区間の名称の一覧を表示する。この一覧から、いずれかの名称が選択されると、選択された名称のデータ採取区間について、ステップ44で採取したデータの表示を行う。
【0043】
図5はこの表示の一例を示す。この例は、図3において例示した「自宅から会社」という名称が設定されたデータ採取区間についてのものである。図5においては、データ採取区間を構成する区間A及び区間Bについて、「走行日」、「天候」、「温度」、「走行時間」、及び「渋滞」の各項目について、1〜3の3回の各走行時に採取したデータが示されている。また、区間A及び区間Bについて、「走行時間」に関し、1〜3の3回の走行についての「最大」、「最小」、「平均」、及び「偏差」の値が示されている。またデータ採取区間全体についての同様の値が「区間A+B」の欄において示されている。
【0044】
制御部11は、このようにして表示するデータの編集を受け入れる機能を有する。採取したデータを、たとえば回数単位や区間単位で削除する編集を受け入れることができる。したがってユーザは、たとえば、図5の表示における3回目の10月20日に採取された区間Bについてのデータが、道路工事等の不足の事態の下で採取されたものであるとすれば、そのデータを削除することができる。その場合、制御部11は、編集後のデータに基づき、区間Bについての「最大」、「最小」、「平均」、及び「偏差」の値を、再度設定し直す。ただし、3回目の「区間A+B」についてのデータは、計算不能であるため、ブランクとなる。
【0045】
図5の例によれば、自宅から会社までは大体34分程度、遅い場合でも37分強で到達することがわかる。しかしこのようなデータについては、このデータ採取区間は、毎朝同じ時間帯で利用するルートであるから、混雑具合等も含め、運転手は察しがついている。また、晴れの日に比べて雨の日は視界が狭く、かつスリップ等についての注意も必要であることから、到達時間は遅くなりがちであることも察しがついている。ユーザにとって有用な情報とするためには、さらに、上述のステップ45で採取された地点情報と組み合わせて用いたり、ルート探索機能と組み合わせて用いたりする必要がある。
【0046】
そこで、上述図4のステップ45において採取した地点情報に基づく走行軌跡の表示を行うことができるようにしている。すなわち、制御部11は、操作部16における所定の操作により、指定された名称のデータ採取区間について、あるいは現在走行中のデータ採取区間について、ステップ45で採取した地点データに基づき、走行軌跡の表示を行う。対象とされるデータ採取区間について、2回以上のデータ採取がなされている場合には、回数の指定や、使用するデータの種類の指定を受け入れ、指定に従った表示を行う。使用するデータの種類としては、たとえば、平均値、最大値、又は最小値が該当する。あるいは、使用するデータを、天候や温度によって指定できるようにしてもよい。つまり、図5に例示されるような項目及びその内容によって特定することができる地点情報を用いることができる。
【0047】
走行軌跡の表示は、地図上において、図3のようにして行われる。図3中の34は走行軌跡を示すマークである。制御部11は、地図上に表示した走行軌跡における範囲指定や拡大中心点のポイント、さらには拡大率の指定や、表示をスクロールさせる操作の受入れを行い、操作に従って走行軌跡を拡大して表示し、あるいは表示位置を変更する。ポイントされる毎に拡大率を増大するようにしてもよい。すなわち、ユーザが、所望の拡大率で所望の走行軌跡部分を観察することができるようになっている。
【0048】
図6は図3のデータ採取区間中のある区間部分を拡大して示す。図中の61は矢印A方向へ一方通行の二車線道路、62は二車線道路61に沿って設けられた歩行者用道路、63は上述図4のステップ45において記録された地点情報に基づく走行軌跡である。この区間部分では、走行軌跡63を参照すれば、二車線道路61の右車線を走行していたことがわかる。合流の多い左車線を避けたからである。
【0049】
このような走行軌跡の表示に基づけば、次のような運転上の示唆を得ることができる。たとえば試みに、種々の天候状態の日を選んで二車線道路61を走行しながらデータの採取を行い、走行軌跡の表示を行ってみると、雨の日だけは左車線を走行した方が速いことを知ることができる。このことは、雨天時には、右車線を走行する車が、歩行者用道路62上の歩行者への跳ね上げや、通学途中の子供の傘の巻込み等を気遣うことなどによるものであると推測することができる。
【0050】
図7はこの様子を例示するものであり、二車線道路61についての雨天時における走行軌跡を表示させた様子を示す。同図では、図6の区間部分の一部をさらに拡大して表示させた様子を示している。図7中の71は雨天時に右車線を走行しながら採取された地点情報に基づく走行軌跡、72は雨天時に左車線を走行しながら採取された地点情報に基づく走行軌跡、73は各走行軌跡を構成する自車マーク点、71aは走行軌跡71の一部、72aは走行軌跡72の一部である。
【0051】
図7の場合は図6の場合に比べて拡大率が十分大きいので、走行軌跡71及び72を構成する各自車マーク点73は、上述図4のステップ45で採取した一定時間毎の自車位置に表示されている。そして自車マーク点73は、一定時間毎に更新される各自車位置に対応しているので、同一走行軌跡上の隣接する各自車マーク点73間の間隔は、その位置における走行速度に対応する。
【0052】
右車線の走行軌跡部分71aは、歩行者用道路62上の歩行者に注意し、歩行者を避けるように走行している様子を示している。左車線の走行軌跡部分72aは、進行方向手前側で速度が減少しているが、その後、速度が増加していることを示している。左車線の走行軌跡72を構成する自車マーク点73の個数は7個であるのに対し、右車線の走行軌跡71を構成する自車マーク点73の個数は12個となっている。このことは、雨の日には左車線のほうがスムーズに走行することができることを示している。
【0053】
このように、実際の走行軌跡を比較して表示させることにより、データ採取区間中の一部区間では、雨の日には左車線を走行したほうが速いことが一目瞭然となる。また、走行軌跡を構成する自車マーク点73に対し、進行方向においても位置的に対応する地点情報が一定時間毎に記録されるので(ステップ45)、自車マーク点73による走行軌跡を表示させることによって、大体の所要時間を推測することもできる。また、走行軌跡を構成する自車マーク点73が密集していれば、その自車マーク点73を採取したときの状況が遅延の原因であることを直感的に判断することができる。たとえば、晴れの日に採取した自車マーク点73よりも雨の日に採取した自車マーク点73のほうが密集している場合には、雨天であることが遅延の原因であると直感することができる。
【0054】
この例では、天候に応じた左右の走行レーンにおける速度差を直感することができたわけであるが、このように最速で走行することができたときの走行軌跡を常に表示することによって、ユーザが、所要時間の改善の余地を簡単に見出すことができる可能性が高い。たとえば、時間帯によっては速く出発しても、通勤や通学ラッシュのピークに遭遇してしまい、所要時間の改善が見られないといったことを容易に知ることができる。どの区間部分で最速の走行軌跡より遅れているのかを簡単に発見することができるからである。したがってユーザは、走行軌跡を表示させ、それを構成する地点情報を採取したときの状況を併せて考察することにより、運転の改善を全般的に容易化するための情報を得ることができる。
【0055】
なお、制御部11は、図5に示すように「走行時間」の項目については偏差値も簡単に取得することができるので、平均値を「最適」とし、「やや早い/遅い」、「かなり早い/遅い」等の数種類のデータを算出し、これらのデータに基づき、上述ステップ43の処理における過去の自車マークとして、これらのデータに対応する数種類のものを同時に表示するようにしてもよい。
【0056】
また、制御部11は、上述図2のステップ25における細分化に際し、設定されるデータ採取区間の開始地点から終了地点に至る複数のルートを検索し、各ルートを構成する各ルート要素について細分化した区間要素を設定するようにしてもよい。この場合、データ採取区間の走行に際し、走行したルート要素を構成する各区間要素について図4のデータ採取が行われることになる。
【0057】
この場合、採取したデータを複数のユーザで共有する場合には、共有データに基づき、制御部11は、図8に示すような、各ルート要素についての利用頻度を示す利用頻度図を表示することができる。図中の81はデータ採取区間の開始地点、82は終了地点、83a〜83gは開始地点81から終了地点82に至る各ルートを構成するルート要素、そして84は各ルート要素83a〜83fについての過去の利用頻度を示すアイコンである。各ルート要素83a〜83gは少なくとも1つ以上の区間要素により構成される。
【0058】
図8(a)では図4の処理により採取されたすべてのデータに基づいてアイコン84が表示されている。図8(b)では晴天時、図8(c)では雨天時に採取されたデータのみに基づいてアイコン84が表示されている。制御部11は、ユーザによるデータ採取区間の名称及び、全データ又は晴天時若しくは雨天時のみのデータを使用するか等の指定を伴う指示に応じ、図8(a)〜(c)のような図を表示することができる。
【0059】
このように、所望のデータ採取区間について、天候などのデータ採取時の状況毎に、過去の利用頻度をルート要素毎に表示させることによって、ユーザは、たとえばそのデータ採取区間の走行が初体験である営業マンの場合であっても、走行時における天候などの状況に応じ、経験者が選択するのと同様のルートを選択することができる。
【0060】
アイコン84が示す各ルート要素83a〜83fについての過去の利用頻度は、上述図4の処理によって採取されたデータに基づいて算出される。つまり、各ルート要素83a〜83fを構成する各区間要素について採取された図5に例示されるようなデータに基づき、各ルート要素83a〜83fについて図4のデータ採取が行われた回数を集計し、この集計結果に基づいて、各ルート要素83a〜83fの利用頻度を求めることができる。
【0061】
上述のように図8(a)では、アイコン84で示す利用頻度として、天候とは無関係に全データを用いて得られる各ルート要素83a〜83fの利用割合を表示している。この場合、たとえばあるルート要素が図5の例における区間Aであるとすれば、区間Aについてのデータ採取は3回行われているので、そのルート要素についての集計結果は「3」となる。また、図8(b)では、晴天時のデータのみを用いて、各ルート要素83a〜83fの利用割合を表示している。この場合、区間Aについての「天候」が「快晴」である状況でのデータ採取は1回行われているので、当該ルート要素についての集計結果は「1」となる。図8(c)では、雨天時のデータのみを用いて、各ルート要素83a〜83fの利用割合を表示している。この場合、区間Aについての「天候」が「快晴」である状況でのデータ採取は1回行われているので、当該ルート要素についての集計結果は「1」となる。このようにして得られる集計結果に基づき、各ルート要素についての利用頻度が求められる。
【0062】
アイコン84は利用頻度を示す棒状メータのようなものとなっている。利用頻度は、開始地点81から終了地点82までのルート中の分岐点毎に、そこから出ている全ルート要素に対する各ルート要素の利用割合として示される。つまり、1つの分岐点から出ている各ルート要素の利用割合の総和は1となる。そして利用割合は、各アイコン84の棒全体が黒である場合を1として、棒全体に対する黒部分の割合により示される。したがって、たとえば、図8(a)中の分岐点でもある開始地点81から出ている2つのルート要素83a及び83bに付随するアイコン84a及びアイコン84bの黒部分を加えた長さは、アイコン84の1つ分の長さとなる。そして、アイコン84aの黒部分の長さは、アイコン84bの黒部分の長さよりも長いので、ルート要素83aの方が、ルート要素83bよりも利用頻度が高いことがわかる。
【0063】
図8の例によれば、たとえば、晴天時には見晴らしの良いルートを利用し、雨天時には風雨を避けることができるような見晴らしの良くないルートを選択する傾向が反映されているといったことが考えられる。そのような場合、ユーザがたとえば、開始地点81から終了地点82までのルートを通るのが初めての営業マンであるとしても、図8のような利用頻度図を表示させて参照することにより、天候に応じて過去に経験者が多く選んだ無難なルートを選択することができる。たとえば、雨天時には、雨天時に採取したデータに基づく図8(c)を参照し、頻度の多いルート要素を辿るように、ルート要素83a、83c、及び83gを選択すればよい。なお、ルート要素83gについては、このルート要素のみが分岐点から出ており、利用割合は1であるため、アイコン84の表示は省略している。
【0064】
なお、データ採取区間の開始地点を出発地、終了地点を目的地とするルート探索を行う場合においても、上述の利用頻度を用いることができる。すなわち、従来、ルート探索を行う場合、出発地から目的地までの「距離」や「時間」を考慮して推奨ルートの探索を行っているが、「距離」や「時間」の他に、「天候」等を考慮してルート探索を行うこともできる。
【0065】
たとえば、ルート探索時の天候が晴天であれば、これを条件として、晴天時に採取されたデータに基づく利用頻度が高いルート要素で構成されるルートを優先させることができる。たとえば、上述図8に例示されるようなルートの場合、同図(b)に示される晴天時で利用頻度の高いルート要素83b及び83fで構成されるルートを推奨ルートとすることができる。また、図4の処理によるデータ採取項目として「道路種別」を加え、設定された「道路種別毎の頻度」を考慮してルート探索を行うことができる。たとえば、「道路種別毎の頻度」として高速道路の頻度が高く設定してあれば、高速道路を通るルート要素を優先させることができる。
【0066】
本実施形態によれば、図4の処理によって採取した走行実績データに基づき、図5〜図8で例示したような走行効率を向上させるための適切なデータを提供することができる。この点は、利用頻度の高いルートではナビゲーション装置による案内は不要であり、むしろ如何に効率よく走行することができるかが問われる場合が多いということに合致するものである。
【0067】
また、図4のデータ採取に際し、天候等の走行環境に関するデータも採取するようにしているので、採取データに基づき、走行環境を考慮した分析データを提供することができる。たとえば走行軌跡や各ルート要素の利用頻度を晴天の場合と雨天の場合とで分けて表示するといったように、走行環境別に分けて分析データを提供することができる。また、採取したデータを、天気予報に基づいた予測所要時間の見積もりや、推奨ルートの探索等に利用することもできる。
【0068】
また、データ採取区間の開始地点を基準として、過去の自車マーク及び現在の自車マークを同時に表示するようにしたため(ステップ43)、そのデータ採取区間における現在の走行の様子を、同様なタイミングでの過去の走行と容易に比較し、走行の改善に役立てることができる。また、採取したデータを平均値の算出等により標準化したデータ又は採取したデータの実測値そのままによる走行軌跡と、現在の走行軌跡とを同時に表示するようにしたため、これを見ることにより、ユーザは改善された走行方法を容易に見出すことができる。
【0069】
また、データ採取区間を交差点毎等に細分化した区間要素毎にデータを採取するようにしたため、採取し、蓄積したデータを他のケース、たとえば図8で示したような利用頻度画面の表示において容易に利用することができる。また、使用頻度の高いルートはユーザが気に入っていると思われるので、データ採取区間においてルート探索を行う場合には、上述図8を用いて示したように、ルート要素83a〜83f毎に利用回数を集計し、利用頻度を求めて提示することにより、直ちにユーザの好みに適合したルートを提案することができる。
【0070】
また、このように使用頻度の高いルートのデータを採取し、分析した結果を運転者に提示するということは、運転者に対し、運転の傾向についての標準化を求めていることになる。すなわち、図8のように、複数のルートを提案することができる場合でも、使用頻度の高いルートを運転者が選択することにより、運転者の癖が直され、適正化されることになる。たとえば、安全運転を重視するユーザは、提案された複数のルートのうち、どのルートを走行しても注意深く運転するであろうが、一方、頻繁に利用するルートだけに、ちょっとした燃費効率の改善でも、蓄積されるので、効果が大きいと考えるユーザは、必然的に一定速度で走行できるルートなどを選択することにより、低燃費化の方向に運転傾向が標準化されると思われる。またこのように、採取したデータに基づく表示を行うことによって走行傾向を標準化することができるので、学習等による複雑な処理は不要となる。
【0071】
また、採取したデータを、グループ内の各ユーザ間で交換し、共有することにより、そのグループの代表的な特性、たとえば大型車でも無理して幅員が狭い道路を通る傾向があるといった特性や、介護車であれば、乗降しやすい経路から侵入する傾向があるといったような特性を把握することができる。したがって、このような特性に対する客観的な評価をグループとして行うことができる。ルートサービス車等の場合には、そのグループ特性が正しいかどうかを評価し、改善することは大事なことであり、本発明は有効であると思われる。
【0072】
また、採取したデータの編集を行うことができるようにしたため、道路工事期間中のような特殊な走行環境下において、標準から逸脱し、標準を形成するために参照すべきではないデータが採取された場合には、そのようなデータを削除したり、無効化したりすることができる。なお、再び同じ特殊な走行環境下でデータの採取が行われた場合には、そのような走行環境下で採取されたデータに基づき、その特殊走行環境についても区別して、上述の図7や図8のような提示を行うようにしてもよい。
【0073】
また、採取すべきデータの項目として、「天候」や「道路種別」が存在するため、ルート探索に際し、従来の「距離」や「時間」の検索条件に加え、「天候」や「道路種別毎の頻度」を検索条件としたルート探索を行うことができる。
【0074】
なお、本発明は上述実施形態に限定されることなく、適宜変形して実施することができる。たとえば、上述においては、ナビゲーション装置を対象として本発明を実施した例について説明したが、この代わりにパソコンとGPS受信機を組み合わせたものや、GPS携帯電話を対象として本発明を実施するようにしてもよい。
【0075】
また、GPS携帯電話は、地図情報を基地局が管理している場合が多いので、GPS携帯電話から上述図4のような処理によって走行時や歩行時に採取したデータを収集することができれば、地図情報以外にも、多数のユーザにより天候等の条件を加味して標準化されたルートの提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1のナビゲーション装置においてデータ採取区間の設定を受け入れる処理を示すフローチャートである。
【図3】図2の処理によって設定されたデータ採取区間の一例を示す図である。
【図4】図1のナビゲーション装置におけるデータ採取処理を示すフローチャートである。
【図5】図4のデータ採取処理で採取したデータの表示の一例を示す図である。
【図6】図3のデータ採取区間中の一部を拡大して表示した様子を示す図である。
【図7】図6の表示の一部を拡大して表示した様子を示す図である。
【図8】図1の装置により表示される、各ルート要素についての利用頻度を示す利用頻度図の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
11:制御部、12:位置検出部、13:地図データ部、14:記憶部、15:音声出力部、16:操作部、17:表示部、31:開始地点、32:終了地点、33:交差点、34:マーク、61:二車線道路、62:歩行者用道路、63,71,72:走行軌跡、71a,72a:走行軌跡の一部、73:自車マーク点、81:開始地点、82:終了地点、83a〜83g:ルート要素、84,84a,84b:アイコン。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータ採取区間を移動する毎に、該区間内の移動した箇所を特定する情報、及び前記移動毎に変動し得る所定項目のデータを、前記移動毎に識別するための識別情報に対応付けて記録する記録手段と、
前記所定項目のデータの内容又は前記識別情報の内容の指定を受け入れる指定手段と、
前記記録手段により記録された移動箇所特定情報のうち、前記指定手段により指定された内容に対応するものに基づいて移動軌跡を表示する表示手段とを具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記移動箇所特定情報は一定時間毎の各移動位置のデータであり、
前記表示手段は、前記移動位置を示すマークを地図上で表示することにより前記移動軌跡の表示を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記移動箇所特定情報は一定時間毎の各移動位置のデータであり、
前記表示手段は、前記データ採取区間を移動しているとき、前記指定手段により指定された内容に対応する移動箇所特定情報中の各移動位置のうち、前記データ採取区間上の所定の地点を基準とした場合の現時点に相当する時点での移動位置を示すマークを、現在位置を示すマークとともに地図上で表示することにより前記移動軌跡の表示を行うものであること特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記移動箇所特定情報は、前記データ採取区間の開始地点から終了地点に至る各ルート中の各分岐点で区切られた各ルート要素を移動に利用したかどうかを示す情報であり、
前記表示手段は、各ルート要素についての利用頻度を表示することにより前記移動軌跡の表示を行うものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記データ採取区間の開始地点から終了地点に至る各ルート中の各分岐点で区切られた各ルート要素は1又は2以上の区間要素により構成されており、
前記記録手段は、前記所定項目のデータの記録を、区間要素毎に行うものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
各所定項目のうちの所定のものについては、複数回記録したデータ値に基づいて算出される所定の算出値を該所定項目のデータの一部として取り扱うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記記録手段により記録されたデータの一部を削除し又は無効とする編集手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかの情報処理装置における各手段として、コンピュータ(組込み機器を含む)を動作させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
記録手段が、所定のデータ採取区間を移動する毎に、該区間内の移動した箇所を特定する情報、及び前記移動毎に変動し得る所定項目のデータを、前記移動毎に識別するための識別情報に対応付けて記録する記録工程と、
指定手段が、前記所定項目のデータの内容又は前記識別情報の内容の指定を受け入れる指定工程と、
表示手段が、前記記録手段により記録された移動箇所特定情報のうち、前記指定手段により指定された内容に対応するものに基づいて移動軌跡を表示する表示工程とを具備することを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−164910(P2008−164910A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354015(P2006−354015)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】