説明

情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム

【課題】地図の視認性を確保しつつ、地図上の施設情報、交通情報、評判情報等の地点情報を得るための操作の容易性を高めることができる情報処理を提供する。
【解決手段】地図記録部4と、表示装置3と、入力装置2とに接続される情報処理装置1は、地図および地点マークを表示装置3へ表示させる表示制御部15と、ユーザ情報詳細化要求操作を検出した場合、集約地点マークによって集約されている複数の地点マークの表示形態データを生成するとともに、縮尺および表示範囲を計算する情報詳細化部12と、ユーザによる情報集約化要求操作を検出した場合、複数地点の地点情報を集約して示す集約地点マークの表示形態データを生成するとともに、縮尺および表示範囲を計算する情報集約化部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、コンピュータによって表示される地図やナビゲーション装置により表示されている地図等の上に、施設情報、交通情報、評判情報等を含む地点情報(POI(Point of Interest)情報)を表示させる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、カーナビゲーション装置では、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、銀行、スーパーマーケット、駅、公共施設等の施設情報(POI情報の一種)を、ランドマークとして、道路地図上に重ねて表示していた。このため、都市部のような建物密集地域の場合、地図の縮尺によっては、施設情報を示すランドマークが重なり合ってランドマーク自身や道路地図を隠してしまい、地図の見やすさが低下するという課題があった。そこで、このような課題に対して、例えば、地図の縮尺によって表示するランドマークを切り替え、縮尺が小さいほど表示するランドマークの種類を減らす方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、重なる複数のランドマークを一つのマルチプルアイコンにまとめて表示し、マルチプルアイコンを選択操作すると、元の複数のランドマークを表示する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、表示画面を複数の区画に分割し、区画内に含まれる複数のランドマークを代表的なランドマークに置き換えて表示する方法も提案されている(特許文献3参照)。さらに、表示倍率に合わせてランドマークを1つ以上上の階層のジャンルのランドマークにまとめ、更に表示倍率が細かく
なったらランドマークでなく点で表示する方法も提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0003】
しかしながら、上記従来の方法では、地図の見やすさ(視認性)は向上するが、地図の縮尺が変更されると、ユーザが注目していた施設情報のランドマークが消えたり、縮尺の変更前と変更後のランドマークの位置の対応関係が不明確になる場合が生じていた。そのため、ユーザは、縮尺を手動で、1段階ずつ変えながら地図上の施設等の詳細な位置を確
認する必要があり、本来の目的を達成できる地図表示に至るまでに手間と時間がかかり、地点情報を得るための操作の容易性が低下するという課題があった。
【特許文献1】特開2006-155603号公報
【特許文献2】特開2002-340588号公報
【特許文献3】特開2004-69561号公報
【特許文献4】特開2002-372427号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は地図の視認性を確保しつつ、地図上の施設情報、交通情報、評判情報等の地点情報を得るための操作の容易性を高めることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる情報処理装置は、地図情報および、地図情報で示される所定地点に関する地点情報が記録された地図記録部と、表示装置と、入力装置とに接続される情報処理装置であって、複数の地点の地点情報を集約して1つのマークで表わす集約地点マークおよび1つ地点の地点情報を表わす単地点マークの少なくとも一方を含む地点マークと、地図とを、前記地図記録部に記録された地図情報および地点情報に基づいて、前記表示装置へ表示させる表示制御部と、表示装置に表示された集約地点マークの情報詳細化を要求する
ユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該集約地点マークに集約されている複数の地点の地点情報を示す複数の地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記複数の地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、表示形態データで表わされる前記複数の地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報詳細化部と、前記表示装置に表示された地点マークの情報集約化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該地点マークに対応する地点から所定範囲内にある複数地点の地点情報を集約して示す集約地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記ユーザの操作時より広い範囲で前記集約地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、前記表示形態データで表わされる前記集約地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報集約化部とを備える。
【0006】
上記構成により、ユーザが入力装置を介して表示装置に表示された集約地点マークの情報詳細化を要求する操作をした場合、情報詳細化部は、当該集約地点マークに集約されている複数の地点の地点情報を示す複数の地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記複数の地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算する。そして、表示形態データで表わされる前記複数の地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とが表示装置に表示される。そのため、ユーザが詳細化を要求した集約地点マークが詳細化されて、複数の地点マークとして表示されるとともに、この詳細化に合わせた適切な縮尺および表示範囲の地図が表示装置に表示される。
【0007】
また、ユーザが入力装置を介して表示装置に表示された地点マークの情報集約化を要求する操作をした場合、情報集約化部は、当該地点マークの地点を含む複数地点の地点情報を集約して示す集約地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記ユーザの操作時より広い範囲で前記集約地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算する。なお、ユーザの集約化要求の対象となる地点マークは、集約地点マークおよび単地点マークの両方であってもよいし、いずれか一方だけでもよい。情報集約化部は、生成した表示形態データで表わされる集約地点マークと、地図とを計算した縮尺、表示範囲で表示装置へ表示させる。そのため、ユーザが集約化を要求した地点マークの周辺の地点情報を代表して示す集約地点マークとともに、操作時より広い範囲の地図が、適切な縮尺で表示装置に表示される。
【0008】
これらの処理によって、ユーザの操作に応じた情報の詳細化段階、集約化段階にあわせて、地図の縮尺および表示範囲が自動的に調整される。その結果、縮尺が変更されることで、表示されていた地点マークが表示されなくなったり、縮尺の変更前後で、表示される地点マークの位置関係が不明確になったりしてしまうことが防止される。そのため、ユーザが、地図上の施設等の詳細な位置を確認したり、地図上の施設等を含めたさらに広い範囲の地図を表示したりする場合に、縮尺を1段階ずつ手動で変える場合と比較して、目的とする情報を表示するための所要時間が短くなる。その結果、ユーザによる地点情報の操作容易性を高めることができる。
【0009】
なお、地点情報には、地図で特定される位置にある施設情報、その位置の交通情報、その位置の評判情報その他その位置についてユーザが関心を持つであろう情報が含まれる。この地図で特定される位置は、必ずしも点で表される必要はなく、一定の面積を持つ場所であってもよい。
【0010】
また、地図上で地点情報または地点情報の所在を示すマークを地点マークと称する。地点マークには、例えば、ガソリンスタンド、コンビニエンスストア、銀行、スーパー、駅、公共施設、などの施設を示すマーク、温泉、海水浴場、景勝地、遺跡等のスポットを示すマーク、施設やスポット等の口コミ情報を示すマーク、渋滞、工事、道路標識等の交通
情報を示すマーク、目的地、現在地等を示すナビゲーションマーク、気象情報を示すマーク等が含まれる。また、地点マークには、複数の地点の地点情報を代表して1つのマークで表す集約地点マークと、1つの地点の地点情報を表す単地点マークとが含まれる。
【0011】
本発明にかかる情報処理装置において、前記情報詳細化部は、前記集約地点マークによって集約されている複数の地点情報を示す複数の地点マークを、1画面に全て表示できる縮尺および表示範囲を計算することが好ましい。これにより、ユーザが詳細化を要求した集約マークを、詳細化して1画面に全て表示することでき、ユーザの要求する詳細化情報を、より見やすく表示することが可能になる。
【0012】
本発明にかかる情報処理装置において、前記情報集約化部は、ユーザが集約化を要求した地点マークが前記ユーザの操作時に表示されていた位置と同じ位置に、前記表示形態データで表わされる集約地点マークが表示されるように、前記縮尺および表示範囲を計算することが好ましい。これにより、ユーザが集約化を要求した地点マークが、この要求の操作時に表示された位置と同じ位置で集約化されて、かつ、操作時より広い範囲で地図が表示される。その結果、ユーザは、集約前の地点マークと集約後の集約地点マークとの対応関係をより把握しやすくなる。
【0013】
本発明にかかる情報処理装置において、前記情報詳細化部は、前記集約地点マークによって集約されている複数の地点情報を示す複数の地点マークが、互いに重ならずに表示できる程度の縮尺および表示範囲を計算し、前記情報集約化部は、前記地点マークに対応する地点から所定範囲にある複数地点の地点情報をそれぞれ示す地点マークが、互いに重なって表示されてしまう程度の縮尺および表示範囲を計算することが好ましい。
【0014】
上記構成により、ユーザの操作に応じた情報の詳細化後および集約化後に表示される地点マークは、互いに重ならないように縮尺、表示範囲が計算されて表示される。そのため、そのため、ユーザにとって見やすい地図および地点マークが表示される。
【0015】
本発明にかかる情報処理装置は、地図属性記録部に記録される地図の縮尺と表示範囲に基づいて、前記縮尺および表示範囲で表示される地図を複数の区画に分割した場合の各区画に関する区画情報を生成する区画設定部と、前記区画設定部が生成した区画情報が示す各区画について、区画内の地点情報を前記地図記録部から取得して、地点情報に基づいて前記区画において表示する地点マークの表示形態データを生成するマーク計算部とをさらに備えてもよい。そして、前記情報詳細化部は、前記ユーザの操作時に表示されている地図の区画のうち、前記集約地点マークが存在する区画内に含まれる地点情報を基に縮尺および表示範囲を計算し、前記計算した縮尺および表示範囲で表示される地図について、前記区画設定部に前記地図を分割した各区画に関する区画情報を生成させるとともに、前記マーク計算部に、前記区画情報が示す前記各区画に表示される地点マークの表示形態データを生成させ、前記情報集約化部は、前記ユーザの操作時に表示されている表示範囲が、集約化後の地図において少なくとも1区画に相当するように集約化後の地図の縮尺と表示範囲を計算し、前記計算した縮尺および表示範囲で表示される地図について、前記区画設定部に前記地図を分割した各区画に関する区画情報を生成させるとともに、前記マーク計算部に、前記区画情報が示す各区画に表示される地点マークの表示形態データを生成させることが好ましい。
【0016】
情報詳細化部は、前記ユーザの操作時に表示されている地図の区画のうち、前記集約地点マークが存在する区画内に含まれる地点情報を基に縮尺および表示範囲を計算する。区画設定部は、そのような縮尺および表示範囲の地図を分割してできる複数の区画に関する区画情報を生成する。マーク記録部は、その区画情報が示す複数の区画それぞれについて、区画内に含まれる地点情報に基づいて区画において表示される地点マークの表示形態デ
ータを生成する。これにより、ユーザが詳細化を要求した集約地点マークの区画内の地点情報が詳細化されて、適切な縮尺および表示範囲の地図とともに表示される。また、この表示された地図においては、複数の区画ごとに地点マークが表示されるので、ユーザが詳細化を要求した集約地点マークは、区画ごとの単地点マークまたは集約地点マークに詳細化して表示される。
【0017】
また、情報集約化部は、前記ユーザの操作時に表示されている表示範囲が、集約化後の地図において少なくとも1区画に相当するように集約化後の地図の縮尺と表示範囲を計算する。区画設定部は、計算された縮尺および表示範囲の地図を分割してできる複数の区画に関する区画情報を生成し、マーク記録部は、その複数の区画それぞれについて、区画内に含まれる地点情報に基づいて、区画内に表示される地点マークの表示形態データを生成する。これにより、ユーザの集約化要求操作時の表示範囲が、集約化後の地図において少なくとも1区画に相当するような地図が表示され、この表示された地図において区画ごとに集約地点マークまたは単地点マークが表示される。そのため、ユーザの指定操作時に表示されていた地点マークは、集約化後の地図において相当する区画の地点マークに集約されて表示される。その結果、適切な縮尺および表示範囲で地点マークが集約化して表示される。
【0018】
本発明において、前記情報集約化部は、指定された地点マークに対応する地点から所定範囲内にある複数地点の地点情報を代表して示す集約地点マークの大きさを、所定範囲内にある複数地点の数に応じて決定し、前記表示形態データの一部とすることが好ましい。
【0019】
これにより、集約地点マークによって代表される複数地点の数に応じた大きさの集約地点マークが表示される。そのため、ユーザは、集約地点マークを見てどの程度の情報が集約されているかを即座に把握することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、地図の視認性を確保しつつ、地図上の施設情報、交通情報、評判情報等の地点情報を得るための操作の容易性を高めることができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
[第1の実施形態]
(情報処理装置1の構成)
図1は、本実施形態における情報処理装置の構成を表す機能ブロック図である。図1に示す情報処理装置1は、例えば、コンピュータを搭載したカーナビゲーション装置であり、入力装置2、表示装置3、地図記録部4に接続されている。地図記録部4には、地図情報を記録する地図DBと、地点情報(POI情報)を記録するPOIDBとが含まれる。地点情報は、地図情報で示される地図上の所定の位置にある施設または所定の位置に関する情報のうち、少なくともいずれか一方を含む情報である。情報処理装置1は、入力装置2を介して入力されるユーザの指示を基に、地図記録部4に記録された地図情報および地点情報を読み出して、表示装置3へ表示させる。表示装置3は、地図と地点情報を示す地点マークとが重ねて表示される。なお、以下では、地点情報をPOI情報、地点マークをアイコンと称して説明する。
【0022】
地図記録部4は、光学記録装置、磁気記録装置、半導体メモリ等の記録装置により実現される。入力装置2は、例えば、ユーザがカーナビゲーション装置を制御するための信号を入力することができるボタン、リモートコントローラ、マイク等である。表示装置3は、例えば、液晶パネル等である。なお、例えば、タッチパネルのように、入力装置2と表示装置3が一体として形成されてもよい。
【0023】
本発明にかかる情報処理装置は、カーナビゲーション装置に限られない。本発明にかかる情報処理装置は、例えば、携帯電話機、PDA、携帯ゲーム機等の電子機器に組み込まれたコンピュータにより構成されてもよいし、また、例えば、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータで構成されてもよい。汎用コンピュータの場合、入力装置2には、例えば、マウス、キーボード等の入力デバイスを用い、表示装置3には、CRT、PDP、LCD、SED(Surface−conduction Electron−emitter Display)等を用いることができる。
【0024】
図1に示す情報処理装置1は、操作判定部11、情報集約化部12、情報詳細化部13、表示アイコンデータ作成部14、表示制御部15、地図属性記録部16、アイコン属性記録部17を備える。操作判定部11、情報集約化部12、情報詳細化部13、表示アイコンデータ作成部14、表示制御部15の各機能は、コンピュータが備えるCPU等の演算装置が所定のプログラムを実行することによって実現される。したがって、上記の各機能をコンピュータで実現するためのプログラムまたはそれを記録した記録媒体も本発明の一実施態様である。また、地図属性記録部16、アイコン属性記録部17は、コンピュータの内蔵記憶装置またはこのコンピュータからアクセス可能な記憶装置によって具現化される。なお、地図属性記録部16、アイコン属性記録部17は、例えば、一時的にデータを記録するものであってもよい。
【0025】
地図属性記録部16は、表示装置3へ表示される地図の属性を表すデータを記録する。地図の属性には、縮尺および表示範囲が含まれる。アイコン属性記録部17は、前記表示装置3へ地図とともに表示されるアイコンの表示形態データを記録する。表示形態データは、例えば、アイコンの大きさ(アイコンサイズ)、画面上の表示位置、アイコン画像ファイルの場所、集約か否か等を表すデータが含まれる。アイコンは、地図上の特定位置におけるPOI情報を、例えば図形または文字等により示すマークである。アイコンには、複数の地点のPOI情報を代表して1つのマークで表す集約アイコンおよび1つの地点のPOI情報を表す単地点アイコンが少なくとも含まれる。
【0026】
表示制御部15は、地図属性記録部16に記録された地図の縮尺および表示範囲と、アイコン属性記録部17に記録されたアイコンの表示形態データと、地図記録部4に記録された地図情報およびPOI情報とに基づいた地図およびアイコンを表示装置3へ表示させる。また、表示制御部15は、表示属性計算部151を含んでいる。
【0027】
表示属性計算部151は、情報集約化部12または情報詳細化部13から、表示したい地図の範囲である表示希望範囲を表すデータを受け取って、その表示希望範囲を表示するのに適した縮尺および表示範囲を計算する。また、表示属性計算部151は、縮尺とユーザが指定したアイコンに関する情報を、情報集約化部12または情報詳細化部13から受け取って、そのアイコンが地図の中心付近に表示されるような表示範囲を計算する。表示属性計算部151が計算した縮尺や表示範囲は、地図属性記録部16に記録される。
【0028】
操作判定部11は、入力装置2を用いたユーザによるナビゲーション装置に対する操作を検出し、検出した操作に基づいてユーザの要求する処理を判定する。操作判定部11は、判定したユーザの要求する処理を、情報集約化部12、情報詳細化部13または表示制御部15に実行させる。
【0029】
操作判定部11は、入力装置2を介して検出したユーザの操作が、表示装置3に表示された集約アイコンの情報詳細化を要求する操作か、あるいは、単地点アイコンまたは集約アイコンの情報集約化を要求する操作かを判定する。操作判定部11は、例えば、ユーザによるアイコンの指定操作が情報詳細化要求操作であると判定すると、情報詳細化部13
へ指定されたアイコンの情報詳細化処理を実行させる。また、操作判定部11は、ユーザによるアイコンの指定操作が情報集約化要求操作であると判定すると、情報集約化部12へ指定されたアイコンの情報集約化処理を実行させる。なお、ユーザによる情報詳細化または情報集約化を要求する操作は、アイコンの指定操作を含む場合に限られない。例えば、表示装置3に表示された地図上のある特定の地点、ボタン等を指定する操作が、情報詳細化または情報集約化を要求する操作であってもよい。
【0030】
情報詳細化部13は、ユーザに指定された集約アイコンによって集約されている複数の地点のPOI情報を示す複数のアイコンの表示形態データを生成してアイコン属性記録部17に記録するとともに、それらの複数のアイコンを表示できる縮尺および表示範囲を計算して地図属性記録部16に記録する。情報詳細化部13は、縮尺および表示範囲の計算の際、表示属性計算部151に対して、表示希望範囲を表すデータを通知して、適切な縮尺および表示範囲の計算を指示することができる。情報詳細化部3は、このようにしてアイコン属性記録部17および地図属性記録部16にデータを記録した後、表示制御部15に、それらのデータを基に地図を表示するよう指示する。
【0031】
また、情報詳細化部13は、表示形態データの生成の際、表示アイコンデータ作成部14に対して、地図の縮尺および表示範囲を通知して、その縮尺および表示範囲において表示されるアイコンの表示形態データの作成を指示する。表示アイコンデータ作成部14は、地図記録部4のPOIDBを参照することにより、ユーザに指定された集約アイコンによって集約される複数の地点に関するPOI情報を取得し、それらのPOI情報を示す複数のアイコンの表示形態データを生成するのに用いることができる。
【0032】
情報集約化部12は、ユーザに指定されたアイコンに対応する地点を含む複数地点のPOI情報を集約して示す集約アイコンの表示形態データを生成してアイコン属性記録部17に記録するとともに、ユーザ操作時の表示範囲より広い表示範囲で当該集約アイコンを表示できるような縮尺および表示範囲を計算して地図属性記録部16に記録する。情報集約化部12は、表示属性計算部151に対して、縮尺と指定されたアイコンを通知し、その縮尺で、指定されたアイコンが地図内に表示されるような表示範囲の計算を指示することができる。情報詳細化部3は、このようにしてアイコン属性記録部17および地図属性記録部16にデータを記録した後、表示制御部15に、それらのデータを基に地図を表示するよう指示する。
【0033】
また、情報集約化部12は、表示形態データの生成の際、表示アイコンデータ作成部14に対して、地図の縮尺および表示範囲を通知して、その縮尺および表示範囲において表示されるアイコンの表示形態データの作成を指示する。表示アイコンデータ作成部14は、地図記録部4のPOIDBを参照することにより、ユーザに指定されたアイコンに対応する地点を含む複数地点のPOI情報を取得し、それらのPOI情報を集約して示す集約アイコンの表示形態データを生成することができる。
【0034】
表示アイコンデータ作成部14は、集約情報抽出部141とアイコン計算部142とを備える。集約情報抽出部141は、情報集約化部12または情報詳細化部13から、縮尺と表示範囲を受け取って、その縮尺およびその表示範囲において、重なって表示されるアイコンがあるか否かを判定し、重なって表示されるアイコンを抽出する。アイコン計算部142は、集約情報抽出部141の処理結果を基に、その縮尺およびその表示範囲において表示されるアイコンの適切な表示形態データを生成し、アイコン属性記録部17へ記録する。特に、アイコン計算部142は、重なって表示されると判定されたアイコンを集約した集約アイコンの表示形態データを生成する。
【0035】
なお、操作判定部11の判定対象となる操作は、上記の情報詳細化要求操作および情報
集約化要求操作に限られない。例えば、操作判定部11は、ユーザの操作がPOI情報の検索要求操作か否かを判定することもできる。この場合、操作判定部11は、表示制御部15へ、POI情報の検索および処理検索結果を表示する処理を実行させる。
【0036】
また、図1に示した機能ブロックの構成は一例であって、これに限られない。例えば、表示アイコンデータ作成部14および表示制御部15が持つ機能のうち、少なくとも一部の機能を、情報集約化部12および情報詳細化部13が持つ構成となってもよい。
【0037】
(情報処理装置1の動作例)
次に、情報処理装置1の動作例について図面を参照して説明する。
[操作判定部11の動作例]
図2は、ユーザが表示装置3の画面上のある特定の位置を指定した場合の操作判定部11の動作例を示すフローチャートである。図2に示すように、操作判定部11は、ユーザが入力装置2を用いて表示装置3の画面上のある特定の位置を指定した操作を検出する(Op1)。例えば、入力装置2と表示装置3とが一体となったタッチパネルで構成される場合、操作判定部11は、ユーザがタッチパネルを指でタッチする操作を検出し、さらに、そのタッチ位置を指定位置として検出する。指定位置は、例えば、画面上のピクセル座標の値として検出される。
【0038】
操作判定部11は、Op1で検出した指定操作および指定位置により、実行されるべき処理の内容を決定する。操作判定部11は、例えば、指定位置が、画面の地図上であるか否かを判断する(Op2)。指定位置が地図上でない場合(Op2でNo)、操作判定部11は、検索ボタンが指定されたか否かを判断し(Op3)、検索ボタンが指定された場合は、検索処理を表示制御部15に実行させる(Op4)。検索処理の詳細については後述する。
【0039】
操作判定部11が、Op2で、指定位置が地図上であると判断した場合(Op2でYes)は、アイコンが指定されたか否かを判断する(Op5)。アイコンが指定されたか否かの判断は、例えば、指定位置のピクセル座標の値と、アイコン属性記録部17に記録された表示形態データで示されるアイコンの表示位置とを比較することにより行うことができる。
【0040】
操作判定部11は、アイコンが指定されていないと判断した場合(Op5でNo)、表示制御部15に指定されたアイコンを通知し、地図の表示位置変更処理を実行させる(Op6)。表示制御部15は、例えば、通知されたアイコンの位置が画面の中心になるように表示装置3に表示される地図の表示範囲を変更する処理を行う。
【0041】
操作判定部11は、アイコンが指定されたと判断した場合(Op5でYes)、アイコン指定操作が、所定時間内に連続して2回指定する操作であったか否かにより、情報集約化要求を示す操作か、情報詳細化要求を示す操作かを判断する(Op7)。例えば、操作判定部11は、Op1で検出した操作が、アイコン表示箇所を所定時間内に連続して2回以上指でタッチする操作であった場合に、情報集約化要求と判断し、所定時間内に1回指でタッチする操作であった場合には、情報詳細化要求であると判断することができる。この情報詳細化要求か情報集約化要求かを判断するための操作の条件は、予め決められたものであり、ユーザが知っている必要がある。なお、指定操作が、情報集約化要求を示す操作であるか、情報詳細化要求を示す操作であるかを判断する方法は、上記例に限られない。
【0042】
操作判定部11は、Op1で検出された操作が、所定時間内に連続2回以上指定する操作であったと判断すると(Op7でYes)、情報集約化要求の操作であると判断し、情
報集約化部12に指定されたアイコンを通知し、情報集約化処理を実行させる(Op9)。
【0043】
一方、操作判定部11は、Op1で検出された操作が、所定時間内に1回だけ指定する操作であると判断すると(Op7でNo)、情報詳細化要求の操作であると判断し、情報詳細化部13に指定されたアイコンを通知し、情報集約化処理を実行させる(Op7でNo)。
【0044】
以上、図2に示した処理により、操作判定部11は、ユーザの指定操作を検出し、その指定操作が、検索処理(Op4)、地図の表示範囲の変更処理(Op6)、情報詳細化処理(Op8)、および情報集約化処理(Op9)のいずれを要求するための操作であるかを判定することができる。
【0045】
なお、操作判定部11の判定方法は図2に示した処理に限られない。例えば、入力装置2は、マウス等のポインティングデバイスである場合には、ユーザが表示装置3に表示されたカーソルを移動させて、クリックする操作を検出して、その操作によりユーザの要求する処理を判定することができる。また、例えば、入力装置2がマイク等の音声入力装置である場合には、操作判定部11は、ユーザが入力した音声を認識し、認識結果に基づいて、ユーザの要求する処理を判定してもよい。
【0046】
[検索処理の例]
図2に示したフローチャートにおいて、操作判定部11が、ユーザが検索処理を要求する操作を行ったと判定した場合(Op3でYes)の、検索処理の例を説明する。図3は、図2のOp4における検索処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0047】
図3に示すように、操作判定部11が、表示制御部15へ検索処理の実行を指示すると、表示制御部15は、表示装置3に、検索条件をユーザに入力させるための画面を表示させ、ユーザからの検索条件の入力を受け付ける(Op41)。ここでは、一例として、ユーザが、カーナビゲーション装置を使ってレジャーの行き先を探すために、検索条件として、施設のジャンル=「寺社仏閣」、および、検索対象地域=「現在地から300km以内」を、入力装置2を用いて入力した場合について説明する。
【0048】
操作判定部11は、入力された検索条件を基に、地図記録部4のPOIDBを参照し、検索候補となるPOI情報を取得する(Op42)。例えば、POIDBは、POI情報として施設に関する情報を記録した施設テーブルを含む。操作判定部11は、入力された検索条件を満たす施設に関する情報を施設テーブルから取得することができる。ここで、施設テーブルに記録されるデータの内容の一例を、下記表1に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
上記表1に示す施設テーブルの例では、施設情報ID、施設のジャンル、地図位置座標(経度、緯度)、施設名および住所が施設ごとに記録されている。例えば、検索条件が上
記例の場合、操作判定部11は、施設のジャンル=「寺社仏閣」の施設(表1における施設情報ID=「1」〜「3」の施設)のうち、地図位置座標が現在地から300kmの施設のIDを検索候補の施設の施設情報IDとして抽出し、表示制御部15へ渡す。なお、検索対象地域=「現在地から300km以内」の入力がない場合は、例えば、施設テーブルのジャンル=「寺社仏閣」の施設全て(例えば日本全国の寺社仏閣)が検索候補となる。
【0051】
表示制御部15は、検索候補の施設の施設情報IDを受け取ると、検索候補の施設の地図位置座標(経度、緯度)を施設テーブルから取得する。そして、取得した地図位置座標の検索候補の施設を全て1画面の地図上に表示できるような地図の縮尺および表示範囲を計算する(Op43)。以下に、地図の縮尺および表示範囲の計算の具体例を説明する。
【0052】
表示制御部15は、取得した地図位置座標の施設の全てを囲む最小の四角形を計算する。この四角形は、表示希望範囲を表す四角形である。また、この四角形のうち2辺は南北方向に平行であり、他の2辺は東西方向に平行とする。表示制御部15は、そのような表示希望範囲を表す四角形の4つの角の地図位置座標(経度、緯度)を計算し、表示属性計算部151に渡す。表示属性計算部151は、表示希望範囲を表す四角形の4つの角の地図位置座標(経度、緯度)から、地図の縮尺と地図の表示位置を決定する。
【0053】
表示属性計算部151は、四角形の4つの角の地図位置座標(経度、緯度)で表される表示希望範囲を表示装置3の表示領域(ピクセル)に表示するための地図の縮尺と地図上の表示位置を計算する。
【0054】
まず、縮尺を求める計算例を、図4を参照して説明する。図4に示す四角形Tは、表示希望範囲を表す四角形の一例である。四角形Tの南東、南西、北東、北西における4つの角は、それぞれ、地図位置座標(Ee、Ns)(Ew、Ns)(Ee、Nn)(Ew、Nn)で表される。表示属性計算部151は、南東の角の地図位置座標(Ee、Ns)と北西の角の地図位置座標(Ew、Nn)の差から、球面三角法を利用して、四角形Tの幅と高さにそれぞれ相当する実際の距離Tw、Thを求める。
【0055】
ここで、例えば、表示装置3に表示する地図の縮尺の段階が、例えば、1/90万、1/30万、1/15万、1/7万5千、・・・1/1500のように、ナビゲーション装置で予め決まっているとする。予め決められた縮尺の段階は、例えば、表示属性記録部16に記録される。上記のように、縮尺を分数で表わした場合、分母が大きくなるほど、縮尺は小さくなる。縮尺が小さくなるほど、表示装置3に表示される地図の表示範囲は広くなる。また、ナビゲーション装置における最大縮尺値は、そのナビゲーション装置で表示できる地図の縮尺のうち最も大きな値である。
【0056】
表示属性計算部151は、表示装置3の表示領域のピクセル数から、各段階の縮尺1/nにおける表示範囲の幅と高さにそれぞれ相当する実際の距離Dwn、Dhnを求める。表示属性計算部151は、例えば、縮尺1/nを最大縮尺値1/1500から始めて1段階ずつ小さくし、DwN≧Tw、かつ、DhN≧Thとなる縮尺1/Nを求める。すなわち、縮尺1/Nが求める縮尺となる。
【0057】
図4において、一例として、縮尺1/7万5千の表示範囲D(7万5千)と、それより1段階小さい縮尺1/15万の表示範囲D(15万)がそれぞれ点線の四角形で示されている。この場合、縮尺1/7万5千における表示範囲D(7万5千)では、Dw(7万5千)<Tw、かつDh(7万5千)<Thであるが、1段階小さい縮尺1/15万における表示範囲D(15万)では、Dw(15万)≧Tw、かつDh(15万)≧Thとなる。したがって、表示属性計算部151は、1/15万を求める縮尺とする。なお、最小縮
尺に達した場合、その最小縮尺を求める縮尺とする。
【0058】
次に、表示範囲を求める計算例を説明する。表示属性計算部151は、表示希望範囲を表す四角形Tの中心位置の地図位置座標(経度、緯度)、すなわち((Ee+Ew)/2、(Ns+Nn)/2)を計算する。表示属性計算部151は、上記の縮尺1/Nにおける幅と高さの距離がDwN、DhNである四角形であって、((Ee+Ew)/2、(Ns+Nn)/2)を中心とする四角形を、例えば、球面三角法を利用して計算する。その四角形を、求める表示範囲を表す四角形とすることができる。なお、表示範囲の計算方法は、上記例のように、表示希望範囲の中心位置が表示範囲の中心位置になる計算する方法に限られない。
【0059】
以上の計算により、地図の縮尺と表示領域に表示される地図の表示範囲が求まる。なお、地図の縮尺と表示領域の計算方法は、上記例に限られない。また、表示装置3の表示領域に表示する地図の縮尺と表示領域を計算する方法として、その他の公知の方法を用いることができる。
【0060】
図5は、上記のようにして求められた縮尺および表示範囲で表示される地図およびアイコンの一例を示す図である。図5に示す表示例では、1つの施設(寺社仏閣)は1つの施設を示すアイコン(以下、1つの施設を表わすアイコンを単施設アイコンと称する)で示されている。また、単施設アイコンの大きさはいずれも同じである。そのため、京都や奈良のように、寺社仏閣の数が多い地域では、単施設アイコンが重なりあい、地図を覆い隠してしまう。
【0061】
そこで、以下に説明するOp44、Op45において、集約情報抽出部141が、重複するアイコンを抽出し、Op46〜Op48において、アイコン計算部142が、単施設アイコンが重複して表示されないような、適切なアイコンの表示形態データを生成する。
【0062】
ここでは、一例として、集約情報抽出部141が、表示されるアイコンどうしの重なりを計算し、互いに重なるアイコンを集約して示す集約アイコンの表示形態データを生成する場合について説明する。まず、Op44で、集約情報抽出部141は、Op43で表示制御部15が計算した縮尺および表示範囲で表示される地図に含まれる検索候補施設の単施設アイコンのピクセル座標を計算する。ここで、ピクセル座標は、表示装置3の画面内の位置をピクセルで表わす座標であり、画面内の所定の基準位置を原点とした2次元座標である。したがって、単施設アイコンのピクセル座標は、表示装置3の画面において、単施設アイコンが表示される位置を示す。集約情報抽出部141は、例えば、施設テーブルから、表示範囲に含まれる検索候補施設の地図位置座標(経度、緯度)を取得し、地図位置座標が画面のどの位置に対応するかを計算することにより、検索候補施設の単施設アイコンのピクセル座標を計算する。
【0063】
ここで、一例として、A地点にある施設を示す単施設アイコンのピクセル座標を計算する例を説明する。図6は、ピクセル座標の計算例を説明するための図である。図6では、Op43で計算された表示範囲Sの例が示されている。図6において、×で示す地点の地図位置座標: (E0、N0)を、表示範囲Sにおける最小の地図位置座標(経度、緯度
)とし、◇で示す地点の地図位置座標:(E1、N1)を、表示範囲における最大の地図位置座標(経度、緯度)とする。表示範囲Sの幅(ピクセル数)をpw、表示範囲の高さ(ピクセル数)をph、A地点の地図位置座標(経度、緯度)を(EA、NA)とする。この場合、施設A地点のピクセル座標(XA、YA)は、例えば、下記式(1)、(2)により求めることができる。なお、ここでは、一例として、表示範囲Sの左上端のピクセルをピクセル座標の原点O(0、0)としている。
【0064】
XA=(EA-E0)×pw/(E1-E0) ―――(1)
YA=-(NA-N1)×ph/(N1-N0) ―――(2)
ただし、XA、YAは整数。
【0065】
なお、ピクセル座標の計算方法は、上記例に限られるものではなく、その他公知の方法を用いることができる。
【0066】
次に、Op45において、集約情報抽出部141は、Op44で計算したピクセル座標に単施設アイコンを表示した場合に、重なって表示されてしまう単施設アイコンを検出する。集約情報抽出部141は、例えば、単施設アイコンのピクセル座標と、アイコン属性記録部17に記録された表示形態データが示すアイコンサイズとで、単施設アイコンが表示された際に占めるピクセルの範囲(アイコンの表示領域)を計算する。集約情報抽出部141は、表示範囲内の単施設アイコンそれぞれの表示領域を比較することによって、単施設アイコンの重複の有無を示すデータを得ることができる。
【0067】
このように、単施設アイコンの重複の有無は、個々の施設を示す単施設アイコンの表示領域が、他の単施設アイコンの表示領域と重なるか否かによって判断される。なお、アイコンの重複の判断方法は、これに限られない。
【0068】
図7は、アイコンのピクセル座標と、アイコンの表示領域との関係の例を示す図である。図中、□印がアイコンのピクセル座標を示している。図7は、単施設アイコンのアイコン表示領域の下辺の中央が、その単施設アイコンのピクセル座標となるように単施設アイコンが表示される場合の例である。このように、ピクセル座標とアイコンの表示領域との関係は予め決められている。また、図7に示すアイコンにおいて、アイコンサイズは、例えば、アイコンの表示領域の幅(ピクセル数)Ipwと、高さ(ピクセル数)Iphで表される。
【0069】
集約情報抽出部141は、Op43で計算された表示範囲内の検索候補の施設全ての単施設アイコンについて、他の単施設アイコンとの重複の有無を調べる。その結果、集約情報抽出部141は、検索候補の施設の単施設アイコンの重複関係を示すデータを、重複結果テーブルとして、アイコン属性記録部17に記録する。下記表2は、検索候補の施設の単施設アイコンの重複関係を示す重複結果テーブルの一例を示す表である。
【0070】
【表2】

【0071】
上記表2に示す重複結果テーブルでは、単施設アイコンID、施設情報ID、ピクセル座標、重複番号が単施設アイコンごとに記録されている。上記表2の重複結果テーブルにおいて重複番号が同じ単施設アイコンは重なりあっていることを意味している。すなわち、上記表2の重複結果は、単施設アイコンID=2、3、4の3つの単施設アイコンが重
なっており、単施設アイコンID=5、6の2つも単施設アイコンも重なっていることを示している。なお、アイコンの重複関係を示すデータは、上記表2に示した例に限られない。
【0072】
次に、アイコン計算部142は、Op45で求められた重複結果を基に、表示するアイコン(以下、表示アイコンと称する)のアイコンデザインを決定する(Op46)。本実施形態では、アイコンデザインの例として、1つの施設を示す単施設アイコンのイメージデータと、複数の施設を集約して示す集約アイコンのイメージデータとが予め用意されているものとする。これらのアイコンデザインのイメージデータは、例えば、アイコンファイルとして、アイコン属性記録部17に予め記録されている。アイコン計算部142は、例えば、表2において重複しない単施設アイコン(重複番号が“なし”のもの)には、単施設アイコンのアイコンデザインを割り当て、重複している単施設アイコンは、まとめて1つの集約アイコンを割り当てることができる。
【0073】
なお、アイコンデザインは、上記例のように、単施設アイコンと集約アイコンに限られない。例えば、施設の種類ごとに異なる単施設アイコンのイメージデータを記録しておき、施設の種類に応じてアイコンデザインを決定することもできる。例えば、施設の種類が寺社仏閣の場合は、単施設アイコンのアイコンデザインとして寺社仏閣を表わすランドマークを割り当てることもできる。
【0074】
また、アイコン計算部142は、Op45で求められた重複結果を基に、表示アイコンのアイコンサイズを決定する(Op47)。アイコン計算部142は、表示アイコンが集約アイコンの場合、例えば、重複している単施設アイコンの数(=その集約アイコンが集約して示す施設の数:以下、重複施設数と称する)に応じて集約アイコンのアイコンサイズを決定することができる。すなわち、アイコン計算部142は、重複施設数が多いほど、集約アイコンのアイコンサイズを大きくしてもよい。以下に、アイコンサイズ決定方法の一例を説明する。
【0075】
例えば、集約アイコンのサイズとして、事前に、最小サイズS(min)と最大サイズS(max)が決められて、アイコン属性記録部17に記録されている場合について説明する。この場合、例えば、集約アイコンの最小サイズS(min)は、例えば、単施設アイコンのアイコンサイズに設定されている。アイコン計算部142は、集約アイコンのアイコンサイズS(集約)を、例えば、下記式(3)(4)を利用して、重複施設数から計算することができる。なお、下記式(3)において、重複施設数の最大値とは、1つの画面に表示される集約アイコンのうちで、重複施設数が最も大きい集約アイコンのその重複施設数である。
m = (S(max)−S(min))÷(重複施設数の最大値−2)
―――(3)
S(集約)=S(min)+m×(重複施設数−2) ―――(4)
なお、表示アイコンのアイコンサイズの決定方法は、上記例に限られない。例えば、予め、複数種類の集約アイコンのイメージデータ(例えば、大サイズ、中サイズ、小サイズ)をアイコン属性記録部17に記録しておくことができる。その場合、アイコン計算部142は、例えば、1画面に表示される集約アイコンにおける重複施設数の平均値(平均重複施設数)と標準偏差を計算し、これらの値と個々の集約アイコンの重複施設数と比較することにより、個々の集約アイコンのアイコンサイズを決定することもできる。例えば、アイコン計算部142は、ある集約アイコンの重複施設数Gが、下記式を満たす場合は、中サイズとし、
平均重複施設数−標準偏差 ≦ G ≦ 平均重複施設数+標準偏差
下記式を満たす場合は、小サイズ
平均重複施設数−標準偏差 > G
下記式を満たす場合は、大サイズとすることができる。
平均重複施設数+標準偏差 < G
次に、アイコン計算部142は、表示アイコンの表示位置を計算する(Op48)。アイコン計算部142は、例えば、重複しない単施設アイコンの表示アイコンについては、上記表2中のピクセル座標をそのまま表示位置とする。表示アイコンが集約アイコンの場合、アイコン計算部142は、集約アイコンが集約する重複している単施設アイコンそれぞれのピクセル座標の平均を計算し、これを集約アイコンすなわち、表示アイコンのピクセル座標とすることができる。アイコン計算部142は、図7で示した例のように、あらかじめ決定された関係を利用し、ピクセル座標とアイコンサイズからアイコン表示座標を決定することができる。
【0076】
下記表3は、Op46〜Op48でアイコン計算部142が計算した表示アイコンのデザイン、アイコンサイズ、表示位置を記録する重複管理テーブルの一例を示す表である。下記表3に示す例では、表示アイコンID、重複施設数、重複する施設の単施設アイコンID、アイコンファイル名、ピクセル座標、アイコンサイズが、表示アイコンごとに記録されている。アイコンファイル名は、表示アイコンのアイコンデザインを表わすイメージデータのファイル名である。なお、重複管理テーブルは、例えば、アイコン属性記録部17に記録される。ピクセル座標は、例えば、図7に示したように、アイコンの表示位置を決める座標である。アイコンサイズは、例えば、アイコンの幅と高さをピクセル数で表わした値である。
【0077】
【表3】

【0078】
表示制御部15は、表3に示すような重複管理テーブルを参照して、Op43で求められた表示範囲内に情報ピクセル座標が含まれているアイコンIDのアイコンを、地図とともに表示装置3へ表示させる(Op49)。図8は、表示制御部15によって表示された画面の一例を示す図である。図8に示すように、図5において重複していた単施設アイコンは、集約アイコンに集約されて表示される。そのため、地図が見やすくなっている。
【0079】
[情報詳細化処理の例]
次に、図2に示したフローチャートにおいて、操作判定部11が、ユーザが情報詳細化処理を要求する操作を行ったと判定した場合(Op7でNo)の、情報詳細化処理の例を説明する。図9は、図2のOp8における情報詳細化処理の内容を示すフローチャートである。
【0080】
図9に示す処理において、情報詳細化部13は、操作判定部11から、ユーザが指定したアイコンの通知を受ける(Op801)。ユーザが指定したアイコンが集約アイコンでない場合(Op802でNo)、または、現在表示装置3に表示されている地図の縮尺が最大縮尺である場合(Op803でYes)は、そのアイコンの施設情報の詳細を上記表1に示した施設テーブルから取得して表示制御部15に表示させる(Op804)。なお、現在の縮尺は、地図属性記録部16に記録されている。
【0081】
Op803でYesの場合、すなわち、ユーザが指定したアイコンが集約アイコンであり、かつ、現在の縮尺が最大縮尺でない場合、情報詳細化部13は、その集約アイコンによって集約される複数の施設に関する情報を取得する(Op805)。以下、一例として、上記表3の重複管理テーブルのアイコンID=「2」の集約アイコンが操作対象である場合について説明する。情報詳細化部13は、ユーザに指定された集約アイコンが集約している複数の施設、すなわち重複する施設の単施設アイコンID「2,3,4」を上記表3に示した重複管理テーブルから取得する。そして、情報詳細化部13は、単施設アイコンID「2、3、4」に対応する施設情報ID「1、2、11」を表2に示す重複結果テーブルから取得し、その施設情報ID「1、2、11」を用いて、表1の施設テーブルから、重複する施設の地図位置座標(経度、緯度)を取得する。
【0082】
次に、情報詳細化部13は、これらの重複する施設の地図位置座標(経度、緯度)を囲む最小の四角形を表示希望範囲として求める(Op806)。その後、表示希望範囲を表示するための縮尺および表示範囲を、表示制御部15に計算させる(Op807)。すなわち、情報詳細化部13は、表示希望範囲を示す四角形を表示属性計算部151に渡し、表示属性計算部151は、その四角形を表示装置3の表示領域に最も拡大して表示できる縮尺と地図上の表示範囲を求める。この計算は、上記の図3のOp43の処理と同様に行うことができる。
【0083】
Op807における表示属性計算部151の処理により得られた縮尺が、現在の縮尺と同一であるかまたは小さい場合(Op808でNo)、情報詳細化部13は、縮尺を一段階大きくし(Op809)、表示属性計算部151に、一段階大きくした縮尺と、ユーザに指定された集約アイコンの情報ピクセル座標を渡し、集約アイコンの情報ピクセル座標が画面の中心になるような地図の表示範囲を計算させる(Op810)。情報詳細化部13は、Op809で一段階大きくした縮尺と、Op810で計算された表示範囲とを、新しい縮尺と表示範囲として地図属性記録部16に記録する。
【0084】
Op808でYesの場合、情報詳細化部13は、Op807で得られた縮尺と表示範囲を、新しい縮尺と表示範囲として地図属性記録部16に記録する(Op811)。このようにして、集約アイコンによって集約されて示されていた複数の施設情報それぞれを示す施設の地図位置座標(経度、緯度)をカバーする表示範囲と縮尺が計算される。
【0085】
集約情報抽出部141は、Op810またはOp811で計算された新しい表示範囲における施設を示す単施設アイコンについて重複の有無を調査する(Op812)。Op812の処理は、図3に示したフローチャート中の、Op44、Op45と同様に行うことができる。Op812の重複有無の調査結果に基づいて、アイコン計算部142が、表示アイコンのデザインを選択し、アイコンサイズ、表示位置を計算して、アイコン属性記録部17に記録する(Op813)。Op813の処理は、図3に示したフローチャート中の、Op46〜Op48と同様に行うことができる。そして、表示制御部15は、アイコン属性記録部17に記録された表示アイコンのデザイン、アイコンサイズ、表示位置と、地図属性記録部16に記録された新しい縮尺と表示範囲に基づいて、表示装置3へ地図および表示アイコンを表示させる(Op814)。これにより、新しい表示範囲および縮尺において、ユーザが指定した集約アイコンが詳細化されて表示される。そのため、ユーザが指定した集約アイコンに含まれる施設情報を表す複数のアイコンが、表示範囲に効率よく表示される。すなわち、適切な縮尺および表示範囲で地図および詳細化されたアイコンが表示される。また、新たに表示される表示アイコンも、重複しないで表示されるので、ユーザによって見やすい地図が表示される。
【0086】
[情報集約化処理の例]
次に、図2に示したフローチャートにおいて、操作判定部11が、ユーザが情報集約化
処理を要求する操作を行ったと判定した場合(Op7でYes)の、情報集約化処理の例を説明する。図10は、図2のOp9における情報集約化処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0087】
図10に示す例では、情報集約化部12は、ユーザが指定したアイコンが他の施設アイコンと重なる程度に地図の縮尺を小さくし、重なったアイコンを集約アイコンとして表示させることで、集約化処理を行う。
【0088】
情報集約化部12は、現在表示されている地図全体において、表示されているアイコン数(ここでは、一例として寺社仏閣を示す施設アイコンの総数)が1つしかないか(Op901でYes)、あるいは、地図の縮尺が、カーナビゲーション装置で設定可能な縮尺のうちの最小縮尺であった場合(Op902でYes)、集約化処理は行わないで処理終了する。なお、カーナビゲーション装置で設定可能な縮尺は、例えば、アイコン属性記録部17に予め記録されている。また、ここで、現在表示されている地図とは、ユーザによる情報集約化要求の操作があった時点で表示装置3に表示されている地図とする。
【0089】
以下、一例として、上記表3の重複管理テーブルのアイコンID=「2」の集約アイコンが操作対象である場合について説明する。
【0090】
情報集約化部12は、候補縮尺を、現在表示されている地図の縮尺より1段階小さい縮尺に設定する(Op903)。情報集約化部12は、ユーザに指定された集約アイコン(表示アイコンID=「2」)が集約している複数の施設の単施設アイコンID「2,3,4」を上記表3に示した重複管理テーブルから取得し、それらの施設アイコンID「2、3、4」に対応する施設情報ID「1、2、11」を上記表2に示す重複結果テーブルから取得する(Op904)。情報集約化部12は、その施設情報ID「1、2、11」を用いて、上記表1の施設テーブルから、施設情報ID「1、2、11」の施設の地図位置座標(経度、緯度)を取得する(Op905)。情報集約化部12は、施設情報ID「1、2、11」の施設の地図位置座標(経度、緯度)が画面の中心になるような地図の表示範囲を表示制御部15に計算させる(Op906)。
【0091】
情報集約化部12は、Op906で計算された表示範囲と、Op903で設定された候補縮尺とを、表示アイコンデータ作成部14の集約情報抽出部141に渡す。集約情報抽出部141は、渡された表示範囲に含まれる単施設アイコンについて重複の有無を調査する(Op907)。Op907の処理は、図3に示したフローチャート中のOp44、45と同様に行うことができる。Op907の結果に基づいて、アイコン計算部142が、表示アイコンのデザイン、アイコンサイズ、表示位置を計算し、アイコン属性記録部17に記録する(Op908)。Op908の処理は、図3に示したフローチャート中の、Op46〜Op48と同様に行うことができる。
【0092】
情報集約化部12は、施設情報ID「1、2、11」の単施設アイコンが、施設情報ID「1、2、11」以外の単施設アイコンと重複しているかを調べる(Op909)。
【0093】
Op909でNoの場合、情報集約化部12は、地図の候補縮尺をさらにもう一段階小さくし(Op903)、Op904〜Op908の処理を繰り返す。このように、情報集約化部12は、Op904〜Op908の処理を行う度に、地図の縮尺を一段階ずつ小さくしていき、施設情報ID「1、2、11」の施設のうちいずれかの施設の単施設アイコンが、施設情報ID「1、2、11」の施設以外の施設の単施設アイコンと重複するような縮尺を探す。もし、単施設アイコンの重複が生じる前に地図の候補縮尺が最小縮尺になった場合、その最小縮尺を新たな縮尺とする。
【0094】
一方、Op909でYesの場合、候補縮尺を新しい縮尺とし、ユーザが指定した集約アイコンの地図位置座標、すなわち、施設情報ID「1、2、11」の地図位置座標の重心が表示画面の中心になるような地図の表示範囲を表示属性計算部151に計算させる(Op910)。あるいは、情報集約化部12は、ユーザが指定した位置の表示座標(ピク
セル座標)Upに対応する地図位置座標(経度、緯度)が、新しい縮尺においても、ユー
ザが指定した位置の表示座標Upに対応するように、表示属性計算部151で、地図の表示範囲を計算させてもよい。計算された新しい縮尺および表示範囲は、地図属性記録部16に記録される。
【0095】
表示制御部4は、アイコン属性記録部17に記録された表示アイコンのデザイン、アイコンサイズ、表示位置と、地図属性記録部16に記録された新しい縮尺と表示範囲に基づいて、表示装置3へ地図および表示アイコンを表示させる(Op911)。
【0096】
これにより、ユーザが指定したアイコンが集約され、さらに広い範囲の地図が適切な縮尺で表示装置3へ表示される。なお、集約化処理は図10に示した例に限られない。
【0097】
[視覚的効果を高めるための動作]
以上の述べたような情報詳細化処理および情報集約化処理に伴って表示装置3に表示される地図の縮尺および表示範囲が切り替えられる。この際、地図の縮尺が大きく変化したために、ユーザが、切り替え前の地図と切り替え後の地図で、表示箇所の対応関係を直感的に把握しにくいことがある。そのような場合、表示制御部15は、例えば、次のような視覚効果を施すことで、ユーザにとって表示箇所の対応関係を把握しやすい切り替えを実現することができる。
【0098】
図11は、詳細化する際に表示装置3に表示される地図の様子を説明するための図である。表示制御部15は、詳細化前の地図(図11の上段に示す地図)において、集約アイコンがあった付近の詳細化後に表示領域となる領域R1を点線四角で囲んで表示させる。そして、表示制御部15は、徐々に、新しい詳細化後の地図(下段に示す地図)において一致する領域R2まで点線四角を拡大し、新しい表示を行うと共に、点線四角を消すように、表示装置3を制御する。これにより、ユーザは、詳細化前と詳細化後の位置関係を把握しやすくなる。なお、集約化の際には、詳細化と逆に、点線四角を縮小していくように表示することが可能である。
【0099】
なお、視覚的効果を得るための表示方法は上記例に限られない。例えば、他の表示方法として、表示制御部15は、詳細化前の集約アイコン付近のビットマップイメージを詳細化後のサイズに徐々に拡大するアニメーションを示した後、地図を置き換えるように表示させてもよい。また、表示制御部15は、集約化前の表示画面全体のビットマップイメージを集約化後のサイズに徐々に縮小するアニメーションを示した後、地図を置き換えるように表示させてもよい。
【0100】
[第2の実施形態]
図12は、本実施形態における情報処理装置10の構成を表す機能ブロック図である。図12において、図1と同じ機能ブロックには、同じ番号を付す。情報処理装置10においては、情報集約化部12a、情報詳細化部13a、表示アイコンデータ作成部14aが、図1に示した情報処理装置1の情報集約化部12、情報詳細化部13、表示アイコンデータ作成部14とは異なる機能を持つ。また、地図属性記録部16a、アイコン属性記録部17aに記録されるデータの構造も情報処理装置1の地図属性記録部16、アイコン属性記録部17とは異なる。
【0101】
本実施形態において、表示アイコンデータ作成部14aは、アイコンを集約、および詳
細化する別の方法として、地図の縮尺にあわせて、地図を区画に分割し、区画に基づいて施設情報を集約および詳細化する方法を採用する。
【0102】
図13は、表示アイコンデータ作成部14aの詳細な構成を示す機能ブロック図である。表示アイコンデータ作成部14aにおいて、集約情報抽出部141aには、区画設定部143およびPOI情報カウント部144が含まれる。区画設定部143は、情報集約化部12aまたは情報詳細化部13aから、地図の縮尺および表示範囲を受け取り、その縮尺および表示範囲で表示される地図を複数の区画に分割した場合の各区画に関する区画情報を生成し、アイコン属性記録部17aに記録する。POI情報カウント部144は、区画情報を示す各区画に含まれるPOI情報の数を数える。POI情報カウント部144は、区画設定部143が生成した区画情報と、地図記録部4に記録されたPOIDBとを参照することにより、各区画に含まれるPOI情報の数を数えることができる。
【0103】
アイコン計算部142aは、区画設定部143が生成した区画情報と、POI情報カウント部144が数えた各区画に含まれるPOI情報の数に基づいて、地図とともに表示される表示アイコンの表示形態データを生成し、アイコン属性記録部17aに記録する。アイコン計算部142aは、区画情報が示す各区画について、区画内に含まれるPOI情報が複数の場合は複数のPOI情報を集約して示す集約アイコンの表示形態データを、POI情報が1つの場合は、そのPOI情報を示す単地点アイコンの表示形態データを生成する。
【0104】
図12において、情報詳細化部13aは、操作判定部11から、アイコンの情報詳細化処理の指示を受けて、アイコンの情報詳細化処理を行う。具体的には、情報詳細化部13aは、ユーザによる情報詳細化要求操作があったときに表示装置3に表示されている地図の区画のうち、指定された集約アイコンが存在する区画を表示希望範囲として算出する。情報詳細化部13aは、その表示希望範囲を、表示制御部15に渡して、表示希望範囲を1つの画面に表示される程度の縮尺および表示範囲を計算させ地図属性記録部16aに記録させる。また、情報詳細化部13aは、表示アイコンデータ作成部14aの区画設定部143に、表示制御部15が計算した縮尺および表示範囲の地図を分割した各区画に関する区画情報を生成させる。さらに、アイコン計算部142aに、区画情報が示す各区画における表示アイコンの表示形態データを生成させてアイコン属性記録部17aに記録させる。
【0105】
情報集約化部12aは、操作判定部11から、アイコンの情報集約化処理の指示を受けて、情報集約化処理を行う。具体的には、情報集約化部12aは、ユーザによる情報集約化要求操作があったときに表示装置3に表示されている表示範囲が、地図において少なくとも1区画に相当するような表示範囲を表示希望範囲として算出する。その表示希望範囲を、表示制御部15に渡して、表示希望範囲を1つの画面に表示される程度の縮尺および表示範囲を計算させ、地図属性記録部16aに記録させる。また、情報集約化部12aは、表示アイコンデータ作成部14aの区画設定部143に、表示制御部15が計算した縮尺および表示範囲の地図を分割した各区画に関する区画情報を生成させる。さらに、情報集約化部12aは、アイコン計算部142aに、区画情報が示す各区画における表示アイコンの表示形態データを生成させてアイコン属性記録部17aに記録させる。
【0106】
(情報処理装置10の動作例)
図12に示す情報処理装置10において、操作判定部11の動作は、図2に示すフローチャートと同様である。
[検索処理の例]
図2に示したフローチャートにおいて、操作判定部11が、ユーザが検索処理を要求する操作を行ったと判定した場合(Op3でYes)の、本実施形態における検索処理の例
を説明する。図14は、図2のOp4における検索処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0107】
図14において、Op41〜Op43は、図3のOp41〜Op43と同じである。ここでも、第1の実施形態と同様に、一例として、ユーザが、カーナビゲーション装置を使って、レジャーの行き先を探すために、検索条件として、施設のジャンル=「寺社仏閣」、および、検索対象地域=「現在地から300km以内」を、入力装置2を用いて入力した場合について説明する。
【0108】
Op43において、検索候補の施設を1画面の地図上に表示できるような地図の縮尺および表示範囲が計算されると、Op404において、区画設定部143が、Op43で計算された縮尺および表示範囲で表示される地図を複数の区画に分割し、各区画に関する情報を生成して区画情報テーブルに記録する(Op404)。区画設定部143は、例えば、予め決められたアイコンサイズを基に1つの区画のサイズを決定し、予め決められた地図上の基準点を基に、地図の表示範囲を複数の区画に分割する。以下、区画設定部143による分割処理の具体例を説明する。
【0109】
区画設定部143は、まず、1区画のサイズをアイコンの最大サイズの整数倍に設定する。アイコンの最大サイズは、例えば、予めアイコン属性記録部17aに記録されているものとする。図15(a)は、アイコンの最大サイズの例を示す図であり、図15(b)は、図15(a)のアイコンの最大サイズを基に設定される1区画のサイズの例を示す図である。図15(a)に示す例では、アイコンの最大サイズは、plピクセル×pwピクセルである。ここで、ピクセルは表示装置3に表示される画像の大きさを表わすための単位である。この最大サイズを基に決定される1区画のサイズは、15(b)に示すように、n×pl×n×pw(nは1以上の整数)となる。
【0110】
このように、アイコンの最大サイズの単位がピクセルである場合、区画設定部143は、ピクセルで表されたサイズを地図のサイズ(例えば、緯度経度で表現されるサイズや実際の距離)に変換する。この地図のサイズは、縮尺によって異なる値になる。例えば、アイコンの最大サイズを決めるpw、plをpw=40pixel、pl=40pixelとし、n=3とすると、1区画のサイズをピクセルで表すと横120pixel×縦120pixelになる。縮尺1/Mの紙の地図における1cmに相当するピクセル数をPmとした場合、120pixelの実際の距離は、(120×M)/Pm (単位はcm)
になる。したがって、1区画の地図のサイズは、{(120×M)/Pm}2となる。縮
尺が大きくなるほど、Mは小さくなる。そのため、縮尺に関わらずPmが一定の場合は、縮尺が大きくなると、ピクセルで表された1区画のサイズに相当する1区画の地図のサイズは小さくなる。
【0111】
区画設定部143は、1区画の地図のサイズを決定すると、地図の表示範囲内のある地点(経度、緯度)を基準点として、地図の表示範囲を、決定したサイズの区画で区切っていく。例えば、区画設定部143は、基準点が、ある区画の1角になるように、地図の表示範囲を複数の区画で地図を分割する。図16は、区画設定部143が設定した区画の一例を示す図である。図16に示す例では、各区画に区画番号が付されている。ここでは、区画番号27の区画の左下端の角(南西の角)が基準点になっている。
【0112】
区画設定部143は、複数の区画を表すデータを生成して、例えば、区画情報テーブルに記録する。区画情報テーブルは、例えば、アイコン属性記録部17aに記録されるテーブルである。下記表4は、区画情報テーブルに記録されるデータ内容の一例を示す表である。
【0113】
【表4】

【0114】
上記表4に示す区画情報テーブルでは、区画番号および地図位置座標が記録されている。地図位置座標は、南東座標と北西座標で表される。ここでは、図17に示すように、1つの区画において、右下端の座標が南東座標、左上端の座標が北西座標とする。なお、地図位置座標は、地図記録部4の地図DBを参照することにより得られる。
【0115】
以上のように、区画設定部143は、基準点、地図の縮尺、表示範囲、ピクセル区画サイズから、地図を複数の区画に分割し、各区画を示す情報を区画情報テーブルに記録する。区画設定部143は、様々な縮尺および表示範囲について、上記のような区画設定処理を行い、区画設定処理を行う度に、表4に示すような区画情報テーブルを記録する。なお、上記例では、区画が矩形である場合について説明したが、1つの区画の形状は、必ずしも矩形である必要はない。
【0116】
以上のように、区画が設定されると、POI情報カウント部144は、各区画内にある検索候補の施設数をカウントする(Op405)。POI情報カウント部144は、例えば、検索候補の施設情報の地図位置座標(施設テーブルのデータ:上記表1参照)と上記表4に示す区画情報テーブルの各区画の地図位置情報とを比較することで、各区画における施設情報数をカウントする。POI情報カウント部144は、各区画に含まれる施設の施設情報を施設テーブルから取得して、上記表4の区画情報テーブルにさらに記録してもよい。POI情報カウント部144は、例えば、各区画の施設情報数と施設情報IDを区画情報テーブルに記録する。
【0117】
次に、アイコン計算部142aは、各区画に含まれる検索候補の施設を表す表示施設アイコンのデザインを決定する(Op406)。アイコン計算部142aは、Op405で数えられた区画内の検索候補の施設の数を基に、表示アイコンのデザインを決定する。本実施形態では、アイコンデザインの例として、1つの施設を示す単施設アイコンのイメージデータと、複数の施設を集約して示す集約アイコンのイメージデータとが予めアイコン属性記録部17aに記録されているものとする。この場合、例えば、アイコン計算部142aは、区画内に検索候補の施設が1つしかない場合は、単施設アイコンをその区画の施設を示す表示アイコンに割り当てる。区画に含まれる検索候補の施設数が2以上の場合は、アイコン計算部142aは、2以上の施設を集約して示す集約アイコンをその区画の表示アイコンに割り当てることができる。なお、表示アイコンのデザインは、上記例のように単施設アイコンおよび集約アイコンに限られない。
【0118】
また、アイコン計算部142aは、各区画に含まれる検索候補の施設を表す表示アイコンのアイコンサイズを、各区画内の検索候補の施設の数を基に、決定する(Op407)。例えば、区画内に施設数が1つしかない場合は、その施設は単施設アイコンで示されるので、アイコンサイズは予め設定されている。例えば、単施設アイコンのアイコンサイズは、集約アイコンの最小サイズと同じに予め決めてアイコン属性記録部17aに記録される。アイコン計算部142aは、区画内の施設数が複数の場合は、区画内の施設の数が多いほど、表示アイコン(すなわち、集約アイコン)のアイコンサイズを大きくしてもよい。以下に、アイコンサイズ決定方法の一例を説明する。
【0119】
例えば、事前に、アイコンの最小サイズS(max)と最大サイズS(min)が決められて、アイコン属性記録部17aに記録されている場合について説明する。区画内の施設が1つの場合、アイコン計算部142aは、単施設アイコンのアイコンサイズを、集約アイコンの最小サイズS(min)に合わせる。区画内の施設が複数の場合、アイコン計算部142aは、集約アイコンのアイコンサイズS(集約)を、例えば、下記式(5)(6)を利用して計算することができる。区画内の施設数の最大値とは、1つの画面に表示される区画のうちで、区画内の施設数が最も多い区画におけるその施設数である。
m = (S(max)−S(min))÷(区画内の施設数の最大値−2) ―――
(5)
S(集約)=S(min)+m×(区画内の施設数−2) ―――(6)
なお、アイコンサイズの決定方法は、上記例に限られない。例えば、予め、複数種類の集約アイコンのイメージデータ(例えば、大サイズ、中サイズ、小サイズ)をアイコン属性記録部17aに記録しておき、アイコン計算部142aが、区画内の施設数に応じて施設アイコンのイメージデータを選択してもよい。また、更に他の方法として、単施設アイコンと集約アイコンのアイコンデザインのイメージデータを別に用意せず、集約アイコンの最小サイズを単施設アイコンとして扱うという方法もある。すなわち、区画内に施設数が1つしかない場合、集約アイコンの最小サイズを表示アイコンに割り当て、区画内に施設数が2つ以上の場合、施設数に応じて表示アイコン(集約アイコン)の大きさを変更するという方法もある。
【0120】
また、アイコン計算部142aは、各区画に含まれる検索候補の施設を表す単施設アイコンの区画内の表示位置を計算する(Op408)。アイコン計算部142aは、例えば、施設テーブルを参照して、区画内の施設の地図位置座標を取得し、その地図位置座標に基づいてアイコンの表示位置を決定することができる。例えば、アイコン計算部142aは、区画内に施設数が一つしかない場合の単施設アイコンの場合、施設の地図位置情報(経度、緯度)をその単施設アイコンの表示位置の座標とする。表示アイコンが集約アイコンの場合、区画に含まれる施設の地図位置座標(経度、緯度)の平均を計算して、平均値をその集約アイコンの表示位置の座標にする。あるいは、区画内の施設の分布状況を解析して、一番密集している領域の中心地の座標を、集約アイコンの表示位置の座標にする方法がある。例えば、アイコン計算部142aは、図18に示すように、1区画を、例えば25等分して複数のマスに分割して、各マスに含まれる施設数をカウントし、もっとも施設数の多いマスの中心点の座標を集約アイコンの表示位置の座標とする。図18に示す例では、斜線で示すマスの施設数が3であり最も多いので、アイコン計算部142aは、斜線で示すマスの中心点の座標を集約アイコン表示位置の座標とすることができる。
【0121】
なお、表示位置の計算方法は上記例に限られない。また、上記の平均値を計算する方法や、図18で示した方法で求めた表示位置に表示アイコンを表示すると、表示アイコンが区画をはみ出して、隣の区画のアイコンと重なる場合がある。そこで、アイコン計算部142aは、区画内に収まるように表示アイコン位置を再調整してもよい。
【0122】
以上の方法で求まる表示位置の座標は、地図位置座標(経度、緯度)であるため、アイコン計算部142aは、これをピクセル座標に変換した座標を、地図位置座標(経度、緯度)の表示位置座標とともに、区画情報テーブルに追加してもよい。
【0123】
下記表5は、上記Op406〜Op408で求められた表示アイコンのアイコンデザイン、アイコンサイズ、アイコンの表示位置を上記表4に示す区画情報テーブルに追加して記録した場合のデータ内容の一例を示す表である。下記表5では、区画番号、地図位置座標、施設情報、施設情報ID,アイコンファイル名、アイコン地図位置座標、ピクセル座標、アイコンサイズが、区画ごとに記録されている。アイコンファイル名は、アイコンデ
ザインのイメージデータのファイル名である。アイコン地図位置座標は、表示アイコンの表示位置を地図位置座標(経度、緯度)で表わしたものであり、ピクセル座標は、表示アイコンの表示位置をピクセルで表わしたものである。
【0124】
【表5】

【0125】
表示制御部15は、上記表5のような区画情報テーブルを参照して、Op43で計算された縮尺と表示範囲の地図を、表示アイコンとともに表示装置3へ表示させる(Op409)。図19は、表示制御部15によって表示された画面の一例を示す図である。図14に示す処理では、区画ごとに表示アイコンが表示されるので、アイコン数が少なくなり、図5のように複数のアイコンが重なって地図を隠すことはない。そのため、地図が見やす
くなっている。
【0126】
[情報詳細化処理の例]
次に、図2に示したフローチャートにおいて、操作判定部11が、ユーザが情報詳細化処理を要求する操作を行ったと判定した場合(Op7でNo)の、情報詳細化処理の例を説明する。図20は、図2のOp8における情報詳細化処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0127】
図20において、Op801〜Op804は、図9におけるOp801〜Op804と同様である。以下に、Op1805以降の処理を説明する。Op1805で、情報詳細化部13aは、ユーザ操作対象の集約アイコンが表示されている区画に含まれる施設情報の施設情報IDを、アイコン属性記録部17aの区画情報テーブルから取得し、更に、地図記録部4のPOIDBを参照し、各々の施設の地図位置座標(緯度経度)を取得する。そして、これらの施設の地図位置座標を囲む最小の四角形を計算し、これを表示希望範囲とする。 情報詳細化部13aは上記の表示希望範囲を、表示制御部15に渡し、表示希望範囲を表示するための候補縮尺を、表示制御部15に計算させる(Op1806)。具体的には、情報詳細化部13aは、例えば、表示希望範囲を表わす四角形の南東の頂点座標(e0、n0)と北西の頂点座標(e1、n1)とを、表示属性計算部151に渡し、縮尺と地図上の表示範囲を計算させることができる。まず、表示属性計算部151は、渡された座標(e0、n0)、(e1、n1)で表わされる四角形を表示装置3の表示領域に最も拡大して表示できる縮尺と地図上の表示範囲を求める。この計算は、上記の図3のOp43における縮尺の計算と同様に行うことができる。ここで計算された縮尺を、詳細化後の縮尺の候補縮尺とする。
【0128】
次に、Op1807において、表示属性計算部151は、候補縮尺で表示される地図の表示範囲を計算する。表示属性計算部151は、上記の図3のOp43における表示範囲の計算と同様に、この表示範囲を計算することができる。すなわち、表示属性計算部151は、希望表示範囲を表わす四角形の中心の地図位置座標((e0+e1)/2、(n0
+n1)/2)を計算し、この点を中心とする四角形を表示範囲とすることができる。
【0129】
候補縮尺および表示範囲が計算されると、情報詳細化部13aは、候補縮尺および表示範囲で表示される地図を複数の区画に分割し、各区画に関する情報を生成して区画情報テーブルに記録する処理を区画設定部143に実行させる(Op1808〜Op1810)。この処理は、図14のOp404〜Op408と同様に行うことができる。すなわち、情報詳細化部13aは、区画設定部143に候補縮尺と表示範囲を渡すと、区画設定部143が候補縮尺と表示範囲で表示される地図を分割した各区画の地図位置座標を記録した区画情報テーブルを生成する(Op1808)。POI情報カウント部144は、各区画内にある施設数をカウントして、施設IDとともに区画情報テーブルに記録し(Op1809)、アイコン計算部142aは、各区画内の施設を示す表示アイコンのアイコンデザイン、アイコンサイズおよび表示位置を計算して、区画情報テーブルに記録する(Op1810)。
これにより、新しい表示範囲および縮尺において、ユーザが指定した集約アイコンが詳細化されて表示される。
【0130】
なお、図2に示した例では、ユーザがアイコンを所定時間内に連続して2回以上指定する操作が情報詳細化要求を示す操作である場合について説明した。他の例として、アイコンではなく、そのアイコンに対応する区画を指定する操作を、その区間に対する情報詳細化操作とすることもできる。その場合も、上述の図20の処理と同様の処理により、指定された区間の詳細化して表示することができる。
【0131】
[情報集約化処理の例]
次に、図2に示したフローチャートにおいて、操作判定部11が、ユーザが情報集約化処理を要求する操作を行ったと判定した場合(Op7でYes)の、本実施形態における情報集約化処理の例を説明する。図21は、図2のOp9における情報集約化処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0132】
情報集約化部12aは、地図全体において、全施設情報数が1つであるか(Op901でYes)、あるいは、地図の縮尺が最小縮尺であった場合(Op902でYes)、集約化処理は行わないで処理終了する。
【0133】
Op1903において、情報集約化部12aは、表示範囲の施設情報を取得する(Op1903)。情報集約化部12aは、例えば、表示範囲に表示されているアイコンが示す施設の施設情報数等を、アイコン属性記録部17aの区画情報テーブルから取得する。また、情報集約化部12aは、例えば、ユーザが集約要求操作時に指定した表示画面上のピクセル座標に対応する地図位置座標(経度、緯度)に変換したものを、地図記録部4の地図DBを参照して取得する。
【0134】
次に、情報集約化部12aは、現在の地図の表示範囲および縮尺を取得する(Op1904)。現在の地図とは、ここでは、ユーザの操作時に表示されている地図とする。現在の地図の表示範囲は、地図位置座標(経度、緯度)で表される。
【0135】
情報集約化部12aは、現在の地図の表示範囲が、集約後の地図においてほぼ1区画分の広さに表示されるように、集約後の地図の候補縮尺を計算する(Op1906)。情報集約化部12aは、例えば、下記式(7)を用いて、縮尺1/N´を求める。
【0136】
N'=(Dpw×M)÷pw ―――(7)
上記式(7)において、Mの逆数1/Mは集約化前の縮尺(現在の縮尺)であり、pwは1区画の幅に相当するピクセル数であり、Dpwは、表示装置3の表示領域の幅に相当
するピクセル数である。情報集約化部12aは、カーナビゲーション装置で設定可能な縮尺のうち、1/N´に等しいか、または1/N´より小さい縮尺のうち最大の縮尺(=1/N)を、集約化後の縮尺の候補縮尺とすることもできる。
【0137】
情報集約化部12aは、候補縮尺において表示される集約後の地図の表示範囲(候補表示範囲)を計算する(Op1906)。情報集約化部12aは、例えば、Op1903で取得した、ユーザが集約要求操作時に指定した位置のピクセル座標に対応する地図位置座標(経度、緯度)と、候補縮尺とに基づいて、候補表示範囲を計算することができる。例えば、情報集約化部12aは、ユーザが集約要求操作時に指定した位置のピクセル座標に対応する地図位置座標(経度、緯度)が中心となる四角形の領域であって、候補縮尺で表示可能な大きさを持つ領域を、候補表示範囲とすることができる。
【0138】
候補縮尺および表示範囲が計算されると、情報集約化部12aは、候補縮尺および候補表示範囲で表示される地図を複数の区画に分割し、各区画に関する情報を生成して区画情報テーブルに記録する処理を区画設定部143に実行させる(Op1907〜Op1909)。この処理は、図14のOp404〜Op408と同様に行うことができる。すなわち、情報集約化部12aが、区画設定部143に候補縮尺と表示範囲を渡すと、区画設定部143が候補縮尺と候補表示範囲で表示される地図を分割した各区画の地図位置座標を記録した区画情報テーブルを生成する(Op1907)。POI情報カウント部144は、各区画内にある施設数をカウントして、施設IDとともに区画情報テーブルに記録し(Op1908)、アイコン計算部142aは、各区画内の施設を示す表示アイコンのアイコンデザイン、アイコンサイズおよび表示位置を計算して、区画情報テーブルに記録する(Op1809)。
【0139】
次に、情報集約化部12aは、Op1907〜Op1909で記録された区画情報テーブルを参照して、候補縮尺と候補表示範囲において表示される1つ以上のアイコンが示す
施設の施設数を取得する(Op1910)。情報集約化部12aは、ここで取得した施設数と、Op1903で取得した施設数と比較する(Op1911)。これにより、情報集約化部12aは、現在の表示と、候補縮尺および候補表示範囲での表示とで、施設数に変化があるかどうかを判断する。これは、集約化処理の結果、縮尺や表示範囲が変わっても、施設数に変化が無いことを防ぐためである。
【0140】
施設数が変化しておらず(Op1911でYes)、かつ、候補縮尺がカーナビゲーション装置で設定されている縮尺のうちの最小縮尺でなければ(Op1813でNo)、情報集約化部12aは、候補縮尺および候補表示範囲を、現在の縮尺および現在の表示範囲として(Op1913)、Op1905〜Op1909の処理を繰り返す。これにより、候補表示範囲で表示されるアイコンが持つ施設数が変化するか、または候補縮尺がカーナビゲーション装置で設定可能な最小縮尺に達するまで、Op1905〜Op1909の処理が繰り返される。
【0141】
Op1911でNoの場合、情報集約化部12aは、Op1905で得られた候補縮尺と、Op1906で得られた候補表示範囲とを、新しい縮尺と表示範囲として地図属性記録部16aに記録する(Op1914)。そして、表示制御部15は、アイコン属性記録部17aの区画情報テーブルに記録されたアイコンのデザイン、アイコンサイズ、表示位置と、地図属性記録部16aに記録された新しい縮尺および表示範囲とに基づいて、表示装置3へ地図およびアイコンを表示させる(Op1915)。これにより、新しい表示範囲および縮尺において、以前表示されていたアイコンが集約化されて表示される。
【0142】
なお、以上図20、図21に示した例では、ユーザ操作のたびに区画情報テーブルが作成されているが、事前に、すべての縮尺のついての区画情報テーブルを記録しておき、ユ
ーザ操作時に、情報詳細化部13aまたは情報集約化部12aがそれを参照できるようにしてもよい。
【0143】
[POI情報が口コミ情報の場合の例]
上記実施形態においては、POI情報のうち、特に施設情報を取り上げて、施設アイコンを表示する場合の例を説明したが、POI情報は、施設情報に限られない。例えば、昨今、インターネット上の地図で表示されるある特定の地点について、その地点に関する口コミ情報をサーバに記録し、口コミ情報をインターネットユーザ間で共有するサービスがある。この場合、口コミ情報の所在は地図上の口コミ情報を示すアイコン(以下、口コミ
アイコンと称する)として表示される。口コミ情報の場合、同じ地点に情報が集中する傾
向が強いので、地図の最大縮尺表示時でも、口コミアイコンが、幾重にも重なって表示されることがある。
【0144】
図22(a)は、地図の最大縮尺表示時に、口コミアイコンが、幾重にも重なって表示される場合の例を示す図である。このような場合に、本実施形態における情報処理装置10を用いて、地図表示を行うと、図22(b)に示すように、口コミアイコンは、重なって表示されず、集約アイコンとして表示される。ユーザが、図22(b)のような最大縮尺表示時に表示される集約アイコンを指定して、情報詳細化要求の操作を行った場合、最大縮尺なので、さらに縮尺を大きくして集約アイコンを詳細化する表示はできない。
【0145】
本実施形態では、このような場合は、図20のOp803でYesの場合に相当する。すなわち、情報詳細化部13aは、現在表示装置3に表示されている地図の縮尺が最大縮尺である場合(Op803でYes)は、ユーザが指定した集約アイコンが示す口コミ情報の詳細を表示制御部15に表示させる。口コミ情報の詳細な情報は、例えば、地図記録部4にPOIDBに記録されている。表示制御部15は、地図記録部4のPOIDBから、ユーザが指定した集約アイコンが示す口コミ情報を読み出して、表示装置3へ表示させることができる。図22(c)は、口コミ情報の詳細を表示した場合の例を示す図である。図22(c)に示す例では、口コミ情報として、投稿日時、投稿者、口コミ情報が表示されている。この場合、情報詳細化部13aは、アイコンの表示形態データの更新は行わず、画面を切り替えて、口コミ詳細情報をテキストで表示するように、表示制御部15へ指示する。
【0146】
[POI情報が口コミ情報の場合の変形例]
また、本実施形態における表示アイコンデータ作成部14aの動作の変形例として、アイコン計算部142aは、最大縮尺で、かつ、口コミアイコンが重ならないで表示できる場合に限り、同じ区画内の口コミ情報であっても、集約せずそのまま表示するようにアイコンデザイン、アイコンサイズ、アイコン表示位置を計算してもよい。
【0147】
この場合、アイコン計算部142aは、最大縮尺の場合のみ、区画内でのアイコンの重複の有無を判断し、区画情報テーブルに記録しておく。区画内でのアイコンの重複の有無の判断は、第1の実施形態で示した方法を用いることができる。下記表6は、重複の有無を示すデータを追加した区画情報テーブルのデータ内容の一例を示す表である。下記表6は、上記表5に示した区画情報テーブルに重複の有無を示すデータが追加された構成となっている。表6に示す例では、「1」が重複あり、「0」が重複なしを意味している。そして、同一区画で重複せずに表示されるアイコンが複数存在する場合は、表示するアイコンの数だけ、その同じ区画番号のエントリが記録される。下記表6に示す例では、区画番号10のエントリが3つ記録されている。これは、区画番号10の区画には、2つの口コミ情報(口コミ情報ID=32、67)をそれぞれ示す2つの口コミアイコンと、2つの口コミ情報(口コミ情報ID=33、41)を集約した1つの集約口コミアイコンとが表示されることを示している。
【0148】
【表6】

【0149】
図23(a)は、本実施形態に係る情報処理装置10の機能を用いずに、口コミアイコンをそのまま重ねて表示した地図(最大縮尺で表示した地図)の例を示す図である。図23(b)は、情報処理装置10が、本実施例に示した動作を行って表示した地図の例を示す図である。図23(b)では、円gで囲まれる口コミアイコンは、重なっていないので、集約されずに表示されている。これにより、ユーザが集約アイコンを詳細化したくても、最大縮尺であるためにそれ以上詳細化表示できないといった状況を少しでも回避することができる。
【0150】
なお、本変形例では、アイコン計算部142aは、最大縮尺の場合のみ、各区画内でのアイコンの重複の有無を判断しているが、特に条件を設けず、常に各区画内で重複の有無を判断してもよい。また、上記例の最大縮尺の場合のみという条件に限られず、その他所定の条件を満たす場合に、各区画内で重複の有無を判断してもよい。
【0151】
このように、区画ごとに重複の有無を判断することで、各区画内で重ならない程度に詳細化されたアイコンを表示することが可能になる。また、重なる施設アイコンの数が多く区画を超えて広範囲に及ぶ場合であっても、各区画内でのアイコンの重なりを基に、区画ごとに表示するアイコンが決定される。これにより、広範囲な情報を一つの集約アイコンで表示してしまい、人間の感覚と一致しない表示となることを防ぐことができる。
【0152】
[POI情報が口コミ情報の場合の他の変形例]
上記実施形態において、アイコン計算部142aは、Op405で数えられた区画内の施設の数を基に、アイコンのデザインを決定している。アイコンのデザインを決定する方法はこれに限られない。アイコン計算部142aは、アイコンが示すPOI情報の属性を基にアイコンデザインを決定することができる。例えば、POI情報が口コミ情報のように、複数のユーザにより登録されるデータである場合、登録したユーザごとにアイコンデザインを変えたアイコンを表示することができる。
【0153】
下記表7は、POI情報の一例である口コミ情報を記録する口コミ情報テーブルのデータ内容の例である。口コミ情報テーブルは、例えば、POIDBに含まれる。表7では、口コミ情報ID、口コミ情報の位置を示す地図位置座標、口コミ情報を登録したユーザを示す登録ユーザID、登録日時、評判、口コミ情報が記録されている。評判は、口コミ情報の評判(例えば、良い、悪い、普通)を示す情報である。
【0154】
【表7】

【0155】
例えば、アイコン属性記録部17aに、口コミ情報を登録したユーザごとのアイコンデザインのイメージデータを、ユーザアイコン情報テーブルとして予め記録しておき、アイコン計算部142aが、ある口コミ情報のアイコンデザインを決定する際に、POIDBの口コミ情報テーブルを参照して、その口コミ情報を登録した登録ユーザIDを取得し、その登録ユーザIDのユーザに対応するアイコンデザインのイメージデータを、ユーザアイコン情報テーブルを基に決定することができる。口コミ情報の登録は、例えば、ユーザがネットワークを介してPOIDBの口コミ情報テーブルに口コミ情報を記録することにより行われる。
【0156】
下記表8は、ユーザごとのアイコンデザインのイメージデータを示す情報を記録したユーザアイコン情報テーブルのデータ内容の一例を示す表である。下記表8では、ユーザID、ユーザ名、アイコンファイル名が、ユーザごとに記録されている。アイコンファイル名は、ユーザIDが示すユーザに対応するアイコンデザインのイメージデータのファイル名である。
【0157】
【表8】

【0158】
また、アイコン計算部142aは、複数の口コミ情報を集約して示す集約アイコンのアイコンデザインを決定する際には、複数の口コミ情報を登録したユーザのうち最も多く口コミ情報を登録したユーザのユーザIDを口コミ情報テーブルから取得し、そのユーザIDに対応するアイコンデザインを、ユーザアイコン情報テーブルを参照して決定することができる。
【0159】
例えば、アイコン計算部142aが、1つの区画に表示されるアイコンのアイコンデザインを決定する際、その区画に含まれる口コミ情報が1つの場合、その口コミ情報を登録したユーザIDに対応するアイコンデザインのイメージデータのアイコンファイル名を、ユーザアイコン情報テーブルから取得する。また、その区画に含まれる口コミ情報が複数の場合、アイコン計算部142aは、その複数の口コミ情報を登録したユーザの中で、最も多くの口コミ情報を登録したユーザIDに対応するアイコンデザインのイメージデータ
のアイコンファイル名をユーザアイコン情報テーブルから取得する。アイコン計算部142aは、取得したアイコンファイル名が示すイメージデータを、表示する集約アイコンのイメージデータとする。さらに、アイコン計算部142aは、そのユーザが登録した口コミ情報の数におうじて、集約アイコンの大きさを計算することができる。
【0160】
また、第1の実施形態のように、重複して表示されうるアイコンを集約した集約アイコンのアイコンデザインを決定する際も、アイコン計算部142は、同様に、口コミ情報を登録したユーザによりアイコンデザインを決定することもできる。例えば、アイコン計算部142は、口コミ情報を示すアイコンが他のアイコンと重複しない場合、その口コミ情報を登録したユーザに対応するアイコンデザインをそのアイコンに割り当てる。口コミ情報を示すアイコンが他のアイコンと重複する場合、アイコン計算部142は、重複しているアイコンの口コミ情報の中で、最も多く口コミ情報を登録しているユーザに対応するアイコンデザインを集約アイコンのアイコンデザインとすることができる。
【0161】
図24(a)、(b)は、口コミ情報を登録したユーザに応じて、アイコンデザインを変化させて表示する場合の例を示す図である。図24(a)に示す地図は、図24(b)に示す地図を集約化した地図の例であり、図24(b)に示す地図は、図24(a)に示す地図を詳細化した地図の例である。図24(a)および(b)に示す例では、口コミ情報の所在が、登録したユーザの顔を示すアイコンで地図上に表示されている。また、口コミ情報の数に応じて、アイコンの大きさが異なって表示されている。したがって、表示を見たユーザは、例えば、口コミ情報が密集する地点において、登録数の多いユーザが一目で分かるようになる。
【0162】
また、POI情報の属性によってアイコンの表示形態を変える他の例を説明する。例えば、口コミ情報の所在を示すアイコンを表示する場合、口コミ情報の評判によって、アイコンデザインを変えて表示することができる。例えば、上記表7のように、口コミ情報テーブルに評判(例えば、良い、悪い、普通等)を表すデータを、口コミ情報ごとに記録しておき、アイコン計算部142aは、口コミ情報の評判を表すデータを基にアイコンのデザインを決定してもよい。なお、口コミ情報の評判を表すデータは、口コミ情報を表わすテキストデータを解析して、自動的に生成することができる。この口コミ情報の生成には、テキストデータの意味を解析する公知技術を用いることができる。また、例えば、良い、悪い、普通という評判それぞれに対応するアイコンデザインのイメージデータを示す評判アイコン情報を、アイコン属性記録部17aが予め記録しておき、アイコン計算部142aは、アイコンデザインの決定時に評判アイコン情報を参照することができる。
【0163】
例えば、アイコン計算部142aは、例えば、1つの区画内の口コミ情報を示すアイコンのアイコンデザインを決定する際、その区画に含まれる口コミ情報が1つの場合、その口コミ情報(例えば、テキストデータで表される情報)の評判を、口コミ情報テーブルから取得する。アイコン計算部142aは、取得した評判(例えば、良い、悪いまたは普通)によって、アイコンデザインを決定する。区画内に口コミ情報が複数含まれている場合、アイコン計算部142aは、各口コミ情報の評判(例えば、良い、悪いまたは普通)を取得して、それぞれの評判(良い、悪い、普通)の数をカウントし、最も多い評判を集約アイコンのアイコンデザインとしてもよい。
【0164】
図25は、口コミ情報の評判(良い、悪い、普通)によってアイコンデザインを変化させて表示する例を示す図である。図25のように表示することで、評判の良い場所、悪い場所が一目でわかるようになる。
【0165】
以上、POI情報の属性として、口コミ情報の評判、登録したユーザを例に挙げて説明したが、POI情報の属性は上記例に限られない。例えば、ユーザの性別や年齢層等がP
OI情報の属性であってもよい。また、アイコン計算部142aは、例えば、POI情報に記録された口コミ情報のテキスト情報からキーワードを抽出し、最もよく出現するキーワードに応じてアイコンデザインを決定してもよい。
【0166】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
地図情報および、地図情報で示される所定地点に関する地点情報が記録された地図記録部と、表示装置と、入力装置とに接続される情報処理装置であって、
複数の地点の地点情報を集約して1つのマークで表わす集約地点マークおよび1つ地点の地点情報を表わす単地点マークの少なくとも一方を含む地点マークと、地図とを、前記地図記録部に記録された地図情報および地点情報に基づいて、前記表示装置へ表示させる表示制御部と、
表示装置に表示された集約地点マークの情報詳細化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該集約地点マークに集約されている複数の地点の地点情報を示す複数の地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記複数の地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、表示形態データで表わされる前記複数の地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報詳細化部と、
前記表示装置に表示された地点マークの情報集約化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該地点マークの地点を含む複数地点の地点情報を集約して示す集約地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記ユーザの操作時より広い範囲で前記集約地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、前記表示形態データで表わされる前記集約地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報集約化部とを備える情報処理装置。
(付記2)
前記情報詳細化部は、前記集約地点マークによって集約されている複数の地点情報を示す複数の地点マークを、1画面に全て表示できる縮尺および表示範囲を計算する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記3)
前記情報集約化部は、ユーザが集約化を要求した地点マークが前記ユーザの操作時に表示されていた位置と同じ位置に、前記表示形態データで表わされる集約地点マークが表示されるように、前記縮尺および表示範囲を計算する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記4)
前記情報詳細化部は、前記集約地点マークによって集約されている複数の地点情報を示す複数の地点マークが、互いに重ならずに表示できる程度の縮尺および表示範囲を計算し、
前記情報集約化部は、前記地点マークに対応する地点から所定範囲にある複数地点の地点情報をそれぞれ示す地点マークが、互いに重なって表示されてしまう程度の縮尺および表示範囲を計算する、付記1に記載の情報処理装置。
(付記5)
地図属性記録部に記録される地図の縮尺と表示範囲に基づいて、前記縮尺および表示範囲で表示される地図を複数の区画に分割した場合の各区画に関する区画情報を生成する区画設定部と、
前記区画設定部が生成した区画情報が示す各区画について、区画内の地点情報を前記地図記録部から取得して、地点情報に基づいて前記区画において表示する地点マークの表示形態データを生成するマーク計算部とをさらに備え、
前記情報詳細化部は、前記ユーザの操作時に表示されている地図の区画のうち、前記集約地点マークが存在する区画内に含まれる地点情報を基に縮尺および表示範囲を計算し、前記計算した縮尺および表示範囲で表示される地図について、前記区画設定部に前記地図を分割した各区画に関する区画情報を生成させるとともに、前記マーク計算部に、前記区
画情報が示す前記各区画に表示される地点マークの表示形態データを生成させ、
前記情報集約化部は、前記ユーザの操作時に表示されている表示範囲が、集約化後の地図において少なくとも1区画に相当するように集約化後の地図の縮尺と表示範囲を計算し、前記計算した縮尺および表示範囲で表示される地図について、前記区画設定部に前記地図を分割した各区画に関する区画情報を生成させるとともに、前記マーク計算部に、前記区画情報が示す各区画に表示される地点マークの表示形態データを生成させる、付記1に記載の情報処理装置。
(付記6)
前記情報集約化部は、指定された地点マークに対応する地点から所定範囲内にある複数地点の地点情報を代表して示す集約地点マークの大きさを、所定範囲内にある複数地点の数に応じて決定し、前記表示形態データの一部とする、付記1に記載の情報処理装置。
(付記7)
地図情報および、地図情報で示される所定地点に関する地点情報が記録された地図記録部と、表示装置と、入力装置とに接続されるコンピュータに処理を実行させるプログラムであって、
複数の地点の地点情報を集約して1つのマークで表わす集約地点マークおよび1つ地点の地点情報を表わす単地点マークの少なくとも一方を含む地点マークと、地図とを、前記地図記録部に記録された地図情報および地点情報に基づいて、前記表示装置へ表示させる表示制御処理と、
表示装置に表示された集約地点マークの情報詳細化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該集約地点マークに集約されている複数の地点の地点情報を示す複数の地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記複数の地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、表示形態データで表わされる前記複数の地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報詳細化処理と、
前記表示装置に表示された地点マークの情報集約化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該地点マークに対応する地点から所定範囲内にある複数地点の地点情報を集約して示す集約地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記ユーザの操作時より広い範囲で前記集約地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、前記表示形態データで表わされる前記集約地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報集約化処理とをコンピュータに実行させるプログラム。
(付記8)
地図情報および、地図情報で示される所定地点に関する地点情報が記録された地図記録部と、表示装置と、入力装置とに接続されるコンピュータが実行する情報処理方法であって、
複数の地点の地点情報を集約して1つのマークで表わす集約地点マークおよび1つ地点の地点情報を表わす単地点マークの少なくとも一方を含む地点マークと、地図とを、前記地図記録部に記録された地図情報および地点情報に基づいて、前記表示装置へ表示させる表示制御工程と、
表示装置に表示された集約地点マークの情報詳細化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該集約地点マークに集約されている複数の地点の地点情報を示す複数の地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記複数の地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、表示形態データで表わされる前記複数の地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報詳細化工程と、
前記表示装置に表示された地点マークの情報集約化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該地点マークに対応する地点から所定範囲内にある複数地点の地点情報を集約して示す集約地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記ユーザの操作時より広い範囲で前記集約地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を
計算して、前記表示形態データで表わされる前記集約地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報集約化工程とを含む情報処理方法。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本発明は、地図の視認性を確保しつつ、地図上の施設情報、交通情報、評判情報等の地点情報を得るための操作の容易性を高めることができる情報処理装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】第1の実施形態における情報処理装置の構成を表す機能ブロック図
【図2】第1の実施形態における操作判定部の動作例を示すフローチャート
【図3】検索処理の処理内容を示すフローチャート
【図4】表示希望範囲を表す四角形の一例を示す図
【図5】地図およびアイコンの一例を示す図
【図6】情報ピクセル座標の計算例を説明するための図
【図7】情報ピクセル座標と、アイコン表示座標との関係の例を示す図
【図8】表示制御部によって表示された画面の一例を示す図
【図9】情報詳細化処理の内容を示すフローチャート
【図10】情報集約化処理の処理内容を示すフローチャート
【図11】詳細化する際に表示装置3に表示される地図の様子を説明するための図
【図12】第2の実施形態における情報処理装置の構成を表す機能ブロック図
【図13】第2の実施形態における表示アイコンデータ作成部の詳細な構成を示す機能ブロック図
【図14】第2の実施形態における検索処理の処理内容を示すフローチャート
【図15】(a)は、アイコンの最大サイズの例を示す図であり、(b)は、(a)のアイコンの最大サイズを基に設定される1区画のサイズの例を示す図である。
【図16】区画設定部が設定した区画の一例を示す図
【図17】1区画の南東座標と北西座標を示す図
【図18】区画内の施設の分布状況を解析してアイコンの表示位置を求める方法の例を説明するための図
【図19】表示制御部15によって表示された画面の一例を示す図
【図20】第2の実施形態における情報詳細化処理の処理内容を示すフローチャート
【図21】第2の実施形態における情報集約化処理の処理内容を示すフローチャート
【図22】(a)は、地図の最大縮尺表示時に、口コミアイコンが、幾重にも重なって表示される場合の例を示す図である。(b)は、口コミアイコンが、集約アイコンとして表示される場合の例を示す図である。
【図23】(a)は、口コミアイコンをそのまま重ねて表示した地図の例を示す図である。(b)は、情報処理装置10の機能が表示した地図の例を示す図である。
【図24】(a)、(b)は、ユーザに応じてアイコンデザインを変化させて表示する場合の例を示す図である。
【図25】評判によってアイコンデザインを変化させて表示する例を示す図
【符号の説明】
【0169】
1、10 情報処理装置
2 入力装置
3 表示装置
11 操作判定部
12、12a 情報集約化部
13、13a 情報詳細化部
14、14a 表示アイコンデータ作成部
15 表示制御部
16、16a 地図属性記録部
17、17a アイコン属性記録部(マーク属性記録部)
141 集約情報抽出部
141a 集約情報抽出部
142 アイコン計算部
142 アイコン計算部
142a アイコン計算部
143 区画設定部
144 POI情報カウント部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報および、地図情報で示される所定地点に関する地点情報が記録された地図記録部と、表示装置と、入力装置とに接続される情報処理装置であって、
複数の地点の地点情報を集約して1つのマークで表わす集約地点マークおよび1つ地点の地点情報を表わす単地点マークの少なくとも一方を含む地点マークと、地図とを、前記地図記録部に記録された地図情報および地点情報に基づいて、前記表示装置へ表示させる表示制御部と、
表示装置に表示された集約地点マークの情報詳細化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該集約地点マークに集約されている複数の地点の地点情報を示す複数の地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記複数の地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、表示形態データで表わされる前記複数の地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報詳細化部と、
前記表示装置に表示された地点マークの情報集約化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該地点マークの地点を含む複数地点の地点情報を集約して示す集約地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記ユーザの操作時より広い範囲で前記集約地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、前記表示形態データで表わされる前記集約地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報集約化部とを備える情報処理装置。
【請求項2】
前記情報詳細化部は、前記集約地点マークによって集約されている複数の地点情報を示す複数の地点マークを、1画面に全て表示できる縮尺および表示範囲を計算する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記情報集約化部は、ユーザが集約化を要求した地点マークが前記ユーザの操作時に表示されていた位置と同じ位置に、前記表示形態データで表わされる集約地点マークが表示されるように、前記縮尺および表示範囲を計算する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報詳細化部は、前記集約地点マークによって集約されている複数の地点情報を示す複数の地点マークが、互いに重ならずに表示できる程度の縮尺および表示範囲を計算し、
前記情報集約化部は、前記地点マークに対応する地点から所定範囲にある複数地点の地点情報をそれぞれ示す地点マークが、互いに重なって表示されてしまう程度の縮尺および表示範囲を計算する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
地図属性記録部に記録される地図の縮尺と表示範囲に基づいて、前記縮尺および表示範囲で表示される地図を複数の区画に分割した場合の各区画に関する区画情報を生成する区画設定部と、
前記区画設定部が生成した区画情報が示す各区画について、区画内の地点情報を前記地図記録部から取得して、地点情報に基づいて前記区画において表示する地点マークの表示形態データを生成するマーク計算部とをさらに備え、
前記情報詳細化部は、前記ユーザの操作時に表示されている地図の区画のうち、前記集約地点マークが存在する区画内に含まれる地点情報を基に縮尺および表示範囲を計算し、前記計算した縮尺および表示範囲で表示される地図について、前記区画設定部に前記地図を分割した各区画に関する区画情報を生成させるとともに、前記マーク計算部に、前記区画情報が示す前記各区画に表示される地点マークの表示形態データを生成させ、
前記情報集約化部は、前記ユーザの操作時に表示されている表示範囲が、集約化後の地図において少なくとも1区画に相当するように集約化後の地図の縮尺と表示範囲を計算し、前記計算した縮尺および表示範囲で表示される地図について、前記区画設定部に前記地
図を分割した各区画に関する区画情報を生成させるとともに、前記マーク計算部に、前記区画情報が示す各区画に表示される地点マークの表示形態データを生成させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
地図情報および、地図情報で示される所定地点に関する地点情報が記録された地図記録部と、表示装置と、入力装置とに接続されるコンピュータに処理を実行させるプログラムであって、
複数の地点の地点情報を集約して1つのマークで表わす集約地点マークおよび1つ地点の地点情報を表わす単地点マークの少なくとも一方を含む地点マークと、地図とを、前記地図記録部に記録された地図情報および地点情報に基づいて、前記表示装置へ表示させる表示制御処理と、
表示装置に表示された集約地点マークの情報詳細化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該集約地点マークに集約されている複数の地点の地点情報を示す複数の地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記複数の地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、表示形態データで表わされる前記複数の地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報詳細化処理と、
前記表示装置に表示された地点マークの情報集約化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該地点マークに対応する地点から所定範囲内にある複数地点の地点情報を集約して示す集約地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記ユーザの操作時より広い範囲で前記集約地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、前記表示形態データで表わされる前記集約地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報集約化処理とをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項7】
地図情報および、地図情報で示される所定地点に関する地点情報が記録された地図記録部と、表示装置と、入力装置とに接続されるコンピュータが実行する情報処理方法であって、
複数の地点の地点情報を集約して1つのマークで表わす集約地点マークおよび1つ地点の地点情報を表わす単地点マークの少なくとも一方を含む地点マークと、地図とを、前記地図記録部に記録された地図情報および地点情報に基づいて、前記表示装置へ表示させる表示制御工程と、
表示装置に表示された集約地点マークの情報詳細化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該集約地点マークに集約されている複数の地点の地点情報を示す複数の地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記複数の地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、表示形態データで表わされる前記複数の地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報詳細化工程と、
前記表示装置に表示された地点マークの情報集約化を要求するユーザの操作が前記入力装置を介して検出された場合、当該地点マークに対応する地点から所定範囲内にある複数地点の地点情報を集約して示す集約地点マークの表示形態データを生成するとともに、前記ユーザの操作時より広い範囲で前記集約地点マークを表示できる縮尺および表示範囲を計算して、前記表示形態データで表わされる前記集約地点マークと、前記縮尺および表示範囲の地図とを前記表示装置に表示させる情報集約化工程とを含む情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2008−165072(P2008−165072A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−356543(P2006−356543)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】