説明

情報提供装置及び情報提供方法

【課題】ユーザが、複数種類の情報のうち特定の情報の詳細な情報を確認することができ、同時にその他の情報も確認することができる「情報提供装置及び情報提供方法」を提供すること。
【解決手段】情報提供装置の表示部において3以上の分割画面の個々に情報を表示している場合に、例えば、ユーザがロータリーエンコーダのダイヤルを時計回り方向に回転操作し、ロータリーエンコーダからその操作に応じたパルス信号が出力されると(S11、S12)、このパルス信号に基づいて複数の分割画面のうちの特定分割画面の表示領域を拡大し(S13)、さらに特定分割画面に表示する内容の情報量を拡大後の表示領域の大きさに応じて増やす(S14)。一方、その他の分割画面の表示領域を、特定分割画面の表示領域を拡大した分に応じて縮小し(S15)、さらに当該分割画面に表示する内容の情報量を縮小後の表示領域の大きさに応じて減らす(S16)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面を通して、車両の車両状態情報や、当該車両に搭載されたナビゲーション装置やオーディオ・ビジュアル装置(AV装置)等の車載機器から出力された情報を提供する情報提供装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両に搭載されたディスプレイ装置の画面に、当該車両の速度やエンジン回転数などの車両状態情報、当該車両に搭載されたナビゲーション装置やAV装置から出力されたナビゲーション情報やAV情報等の情報を複数同時に表示するという技術が用いられている。この技術においては、ディスプレイ装置の表示画面を複数の小画面に分割し、個々の小画面にそれぞれ上述した車両状態情報、ナビゲーション情報、AV情報等の情報を表示している。以下、この小画面を「分割画面」という。
【0003】
上記の従来技術に関連する技術として、例えば特許文献1には、複写機等に設けられた液晶表示装置の表示画面を格子状に複数の分割表示領域に分割し、同じ列の分割表示領域の個々に設定情報(例えば、job ID、ユーザネームなど)を表示するという技術が記載されている。また、特許文献2には、車内用案内情報提示システムのディスプレイにナビゲーション情報とエアコン、オーディオ、テレビの同時表示を行うという技術が記載されている。
【特許文献1】特開2004−21704号公報
【特許文献2】特開2004−77134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術においては、個々の分割画面の表示領域は比較的小さいので、分割画面に表示される情報は、内容が絞られた簡易的なもの(あるいは、情報量が少ないもの)となっていることが多い。例えば、AV情報が分割画面に表示されているときには再生中のメディアの種類及び再生時間のみであったり、車両状態情報が分割画面に表示されているときには車両の走行速度のみであったりする。また、ナビゲーション情報として車両の周辺地図が分割画面に表示されているときには、地図の縮尺が大きいものとなっていたりする。
【0005】
ユーザは、複数の情報のうちの特定の情報のより詳細な情報を確認したい場合には、例えば、ディスプレイ装置の画面上に設けられたタッチパネルで該当する情報を指定する。これにより、画面が切り替わり、指定された情報の詳細情報がディスプレイ装置の表示画面全体に表示される。
【0006】
しかし、上述したように特定の情報の詳細情報が表示されると、ディスプレイ装置の表示画面に特定の情報以外の情報(その他の情報)が表示されなくなるので、ユーザはその他の情報を確認することができなくなる。
【0007】
本発明は、かかる従来技術における課題に鑑み創作されたもので、ユーザが、複数種類の情報のうちの特定の情報の詳細な情報を確認することができ、同時にその他の情報も確認することができる情報提供装置及び情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の従来技術の課題を解決するために、本発明の一形態によれば、画面を通して情報を提供する表示手段と、操作に応じた信号を出力する操作手段と、前記表示手段及び前記操作手段と動作可能に接続された制御手段とを有し、前記制御手段は、前記表示手段の表示画面を3以上に分割してなる複数の分割画面のうち特定の分割画面の大きさを変更する旨の前記操作手段の信号を検出したときに、当該信号に基づいて前記特定の分割画面の表示領域の大きさを変更すると共に、前記特定の分割画面の表示領域の変更量に応じて前記特定の分割画面以外の分割画面の表示領域の大きさを変更し、さらに前記複数の分割画面の個々に表示する内容の情報量をその分割画面の変更後の表示領域の大きさに応じて変更することを特徴とする情報提供装置が提供される。
【0009】
また、本発明の他の形態によれば、画面を通して情報を提供する表示手段と、操作に応じた信号を出力する操作手段とを有する情報提供装置において、前記表示手段の表示画面を3以上に分割してなる複数の分割画面のうち特定の分割画面の大きさを変更する旨の前記操作手段の信号を検出したときに、当該信号に基づいて前記特定の分割画面の表示領域の大きさを変更すると共に、前記特定の分割画面の表示領域の変更量に応じて前記特定の分割画面以外の分割画面の表示領域の大きさを変更し、さらに前記複数の分割画面の個々に表示する内容の情報量をその分割画面の表示領域の変更後の大きさに応じて変更することを特徴とする情報提供方法が提供される。
【0010】
本発明に係る情報提供装置おいては、表示手段の表示画面を3以上の小画面(分割画面)に分割し、個々の分割画面に情報を表示している場合に、例えば、ユーザ(操作者)によりロータリーエンコーダのダイヤル(操作手段)が回転操作されたことを検出すると、ダイヤルの回転角及び回転方向に基づいて複数の分割画面のうちの特定の分割画面の表示領域の大きさを変更する。例えば、ユーザによりダイヤルが時計回りの方向に回されたときには特定の分割画面を拡大し、反対にダイヤルが反時計回りの方向に回されたときには特定の分割画面を縮小する。
【0011】
またこのとき、特定の分割画面以外の分割画面(以下、この分割画面を「その他の分割画面」という。)の表示領域の大きさを、特定の分割画面の表示領域の変更量に応じて変更する。すなわち、特定の分割画面の表示領域を拡大した場合には、その拡大した分に応じてその他の分割画面の表示領域を縮小し、反対に特定の分割画面の表示領域を縮小した場合には、その縮小した分に応じてその他の分割画面の表示領域を拡大する。
【0012】
さらにこのとき、特定の分割画面及びその他の分割画面の個々に表示する内容の情報量を、その分割画面の表示領域の変更後の大きさに応じて変更する。例えば、特定の分割画面にナビゲーション装置から出力された車両の周辺地図を表示している場合に、特定の分割画面の表示領域を拡大したときには、拡大後の表示領域の大きさに応じて当該地図の縮尺を小さくして、地図中の道路や地名を詳細に表示し(すなわち、表示する内容の情報量を増やし)、反対に特定の分割画面の表示領域を縮小したときには、縮小後の表示領域の大きさに応じて当該地図の縮尺を大きくして、地図中の道路や地名を主要なもののみ表示する(すなわち、表示する内容の情報量を減らす)。
【0013】
つまり、本発明に係る情報提供装置においては、表示手段の複数の分割画面の個々に情報を表示している場合に、例えばロータリーエンコーダのダイヤルを時計回りの方向に回すと、特定の分割画面の表示領域が拡大して、当該分割画面に表示される内容の情報量が増えて、情報が詳細になる。その一方で、その他の分割画面の表示領域は縮小して、当該分割画面に表示される内容の情報量は減るものの、当該分割画面に表示される情報が表示されなくなることはない。
【0014】
これにより、ユーザは、表示手段の表示画面において、複数の情報のうちの特定の情報の詳細な情報を確認することができ、同時にその他の情報も確認することができる。しかも、ユーザは、本人にとって見やすい表示領域の大きさで分割画面(特定の分割画面、あるいはその他の分割画面)に表示される情報を確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施形態に係る車両に搭載されたディスプレイ装置(情報提供装置)の構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施形態に係るディスプレイ装置10は、図示のように表示部11、操作部12、第1のメモリ13、第2のメモリ14及び制御部15を備えている。
【0018】
また、ディスプレイ装置10には、伝送路として供される光ファイバ等のバス(図示せず)を介して車載機器100が接続されている。この車載機器100には、ナビゲーション装置110、AV装置120、エアコン130、車両周辺画像提供装置140等が含まれていて、各装置からそれぞれナビゲーション情報、AV情報、エアコン設定情報、車両周辺画像情報等が出力される。なお、図示しないが、AV装置120には、ラジオ受信機、テレビ受信機、CDプレーヤ、DVDプレーヤ等が含まれている。さらに、ディスプレイ装置10には、車両(図示せず)から出力された当該車両の状態に関する情報(車両状態情報)が入力される。以下、これらの車両状態情報、ナビゲーション情報、AV情報、エアコン設定情報、車両周辺画像情報等の情報を「外部情報」という。
【0019】
これらの外部情報において、車両状態情報は、車両の走行速度(車速)、エンジン回転数、走行距離、各シフト位置(AT車の場合、D、N、R、P)、燃料タンク内の燃料残量、エンジン冷却水の温度(水温)、エンジンオイルの温度(油温)及び圧力(油圧)、バッテリー電圧、燃費などの情報項目の組み合わせにより構成されている。
【0020】
ナビゲーション情報は、ナビゲーション装置110が生成した車両の周辺地図(画像データ)や出発地から目的地までの行程案内図(画像データ)などにより構成されている。なお、車両周辺地図は、ナビゲーション装置110において種々の縮尺で生成される。また、行程案内図は、目的地名、目的地到着予定時刻、走行道路名、主要通過道路名、交差点名、インターチェンジ・ジャンクション名、サービスエリア名、区間距離・区間通過予定時間、車線・進行方向案内及び渋滞・規制情報などの情報項目の組み合わせにより構成されている。
【0021】
AV情報は、AV装置120で受信中又は再生中のメディアの画像(画像データ)、及び、当該メディアの種類、放送局名、番組名、タイトル名、アーティスト名、再生時間、再生中の楽曲の曲名、トラック番号などの情報項目により構成されている。エアコン設定情報は、エアコン130で設定中の温度、風量、風向などの情報項目により構成されている。
【0022】
車両周辺画像情報は、車両周辺画像提供装置140が生成した車両周辺画像(画像データ)により構成されている。この車両周辺画像には、当該車両の前方、後方及び側方(左側方及び右側方)などの画像が含まれている。なお、車両周辺画像は、車両周辺画像提供装置140において種々の画像の詳細度で生成される。
【0023】
本実施形態に係るディスプレイ装置10において、表示部11は、液晶表示(LCD)パネルや有機ELパネル等からなり、縦の長さよりも横の長さの方が大きい表示画面を有していて、例えば、図2に示すように車両のセンターコンソールのほぼ中間位置に設置されている。また、この表示部11は、表示の態様の例として、画面全体に上述した外部情報のいずれか1つを表示したり(以下、このような表示態様を「通常表示モード」という。)、また本発明に関連する表示態様として、画面を横方向に3つ以上の小画面(分割画面)に分割し、個々の分割画面に外部情報のいずれか1つを表示したりする(図9参照:以下、このような表示態様を「複数画面表示モード」という)。
【0024】
操作部12は、図3に示すようにメニューボタン12a、ロータリーエンコーダのダイヤル12b、エンターボタン12c及びプリセットボタン12d〜12fにより構成されていて、例えば、図2に示すように表示部11の下側近傍に設置されている。なお、操作部12の設置場所は表示部11の下側に限定されるものでなく、表示部11の近傍であれば他の場所(例えば、表示部11の右側)でもよい。
【0025】
操作部12において、メニューボタン12aは、表示部11の画面にメニュー画像を表示することを指示するためのボタンである。ロータリーエンコーダのダイヤル12bは、表示部11に表示されたメニュー画面等において選択されている項目(以下、このような項目を「選択項目」という。)を変更することを指示するためのものであり、また本発明に関連する動作として、表示部11の特定の分割画面の表示領域の大きさを変更することを指示するためのものである。エンターボタン12cは、上述した選択項目を決定することを指示するためのボタンである。そして、プリセットボタン12d〜12fは、予めユーザによって設定された状態にすることを指示するためのボタンである。上述した指示を行うにあたり、各ボタン12a、12c、12d〜12fは、操作者(ユーザ)によって押されたときに所定の信号を出力する。また、ロータリーエンコーダは、ユーザによってダイヤル12bが回転操作されたときにダイヤル12bの回転方向及び回転角に応じた位相及びパルス数のパルス信号を出力する。
【0026】
第1のメモリ13はDRAM等からなり、ディスプレイ装置10固有のものとして設定されたデータを記憶するためのものである。このデータには、個々の外部情報について外部情報を構成する情報項目の組み合わせを示すデータ(以下、このデータを「外部情報構成データ」という。)、及び、本発明に関連するデータとして、ロータリーエンコーダのパルス信号と分割画面の表示領域の大きさの変更量とを対応付けるテーブル(データ:以下、このデータを「表示領域変更量データ」という。)、個々の外部情報について分割画面の表示領域の大きさとその分割画面に表示する内容の情報量とを対応付けるテーブル(データ:以下、このデータを「表示内容情報量データ」という。)などが含まれている。
【0027】
第2のメモリ14はDRAM等からなり、ユーザによって設定されたデータを記憶するためのものである。このデータには、ユーザによって指定された分割画面の数を示すデータ(以下、このデータを「分割画面数データ」という。)、個々の分割画面に表示する外部情報の組み合わせを示すデータ(以下、このデータを「画面組み合わせデータ」という。)、及び、本発明に関連するデータとして、ユーザによって指定された分割画面(特定の分割画面)であることを示すフラグ(データ:以下、このデータを「特定分割画面データ」という。)などが含まれている。
【0028】
なお、本実施形態においては、第1及び第2のメモリ13、14は制御部15と別の構成となっているが、制御部15内に組み込まれる構成であってもよい。
【0029】
制御部15は、マイクロコンピュータ(マイコン)等により構成され、表示部11の画面表示に関する制御を行うためのものである。この制御部15は、操作部12から出力された信号に基づき、ユーザによって設定されたデータを第2のメモリ14に記憶する。また、制御部15は、通常表示モード及び複数画面表示モードのときに、ナビゲーション装置110のナビゲーション情報(車両周辺地図や行程案内図の画像データ)、AV装置120のAV情報(テレビやDVDの画像データ)、車両周辺画像提供装置140の車両周辺画像情報(画像データ)に基づいて表示部11の画面に画像を表示させたり、車両状態情報、AV装置120のAV情報、エアコン130のエアコン設定情報と第2のメモリ14に記憶した外部情報構成データとに基づいて所定の画像を生成して表示部11の画面に表示させたりする。また、制御部15は、操作部12から出力された信号に応じて各種メニュー画像を生成して表示部11の画面に表示させたり、表示部11の画面に表示された選択項目を相対的に目立つ表示態様(例えば、色を変える、線幅を太くするなど)にしたりする。
【0030】
さらにまた、制御部15は、本発明に関連する処理として、複数画面表示モードの場合にロータリーエンコーダの信号を検出したときに、第1のメモリ13に記憶された表示領域変更量データと、第2のメモリ14に記憶された特定分割画面データとを参照し、その信号の内容(すなわち、ロータリーエンコーダのダイヤル12bの回転方向及び回転角)に応じて複数の分割画面のうちの特定の分割画面の表示領域の大きさを変更すると共に、特定の分割画面以外の分割画面(その他の分割画面)の表示領域の大きさを、特定の分割画面の表示領域の変更量に応じて変更する。そして、制御部15は、個々の分割画面に表示する内容の情報量を、第1のメモリ13に記憶された表示内容情報量データを参照し、その分割画面の変更後の表示領域の大きさに応じて変更する。
【0031】
以上の構成に係るディスプレイ装置10において、表示部11は「表示手段」に、ロータリーエンコーダのダイヤル12bは「操作手段」に、制御部15は「制御手段」に、それぞれ対応している。
【0032】
以下、本実施形態に係るディスプレイ装置10の制御部15において行う種々の処理について説明する。
【0033】
まず、ディスプレイ装置10の制御部15において行う初期設定に係る処理について、図4〜8を参照しながら説明する。
【0034】
ディスプレイ装置10が通常表示モードである場合に、ユーザがメニューボタン12aを押すと、制御部15は、メニューボタン12aの信号に応じて通常表示モードのメインメニュー(図示せず)の画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。そして、ユーザがロータリーエンコーダのダイヤル12bを回してこのメインメニュー(図示せず)の項目のうち「複数画面表示に変更」という項目を選択し、エンターボタン12cを押して当該項目を指定すると、制御部15は、ディスプレイ装置10を通常表示モードから複数画面表示モードに変更すると共に、例えば、図4に示す複数画面表示モードのメインメニューの画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。
【0035】
図4に示すように、複数画面表示モードのメインメニューには、「画面数の設定」、「表示情報の設定」、「特定画面の設定」、「前回の画面を表示」及び「通常表示モードに変更」という5つの項目が含まれている。また、このメニューが表示された時点においては、これらの項目のうち一番上に配置されている「画面数の設定」が現在選択されている項目となっていて、他の項目と異なる表示態様(図4では、「ハッチング」の表示態様)となっている。
【0036】
複数画面表示モードのメインメニューにおいて、「画面数の設定」は、表示部11の画面に設ける分割画面の数を設定すること指示するための項目であり、「表示情報の設定」は、個々の分割画面に表示する外部情報の種類を設定することを指示するための項目であり、「特定画面の設定」は、複数の分割画面から特定の分割画面を設定することを指示するための項目であり、「前回の画面を表示」は、前回の複数画面表示モードのときの表示内容(分割画面の数、個々の分割画面に表示する外部情報の組み合わせ、及び、特定の分割画面として指定された分割画面)にすることを指示するための項目であり、そして「通常表示モードに変更」は、複数画面表示モードから通常表示モードに変更することを指示するための項目である。
【0037】
ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して「画面数の設定」を指定すると、制御部15は、例えば、図5に示す分割画面数設定用のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。そして、ユーザはダイヤル12bを回してこのメニュー画面に表示される分割画面数を変更し、エンターボタン12cを押して所望の分割画面数を決定すると、制御部15は、当該分割画面数を分割画面数データとして第2のメモリ14に記憶する。これにより、「画面数の設定」に係る処理は終了となる。
【0038】
また、複数画面表示モードのメインメニューが表示されているときに、ユーザが「表示情報の設定」を指定すると、制御部15は、例えば、図6(a)に示す表示情報設定用の第1階層のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。図6(a)に示すように、このメニュー画像には、上述した「画面数の設定」において設定された数の分割画面(図6(a)では、3つの分割画面)が描かれていて、これらの分割画面のうち現在選択されている分割画面(図6(a)では、左端の分割画面)が他の分割画面と異なる表示態様(図6(a)では、他の分割画面よりも枠が太く描かれている)となっている。
【0039】
図6(a)に示す第1階層のメニュー画像が表示されているときに、ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して分割画面の1つを指定すると、制御部15は、例えば、図6(b)に示す表示情報設定用の第2階層のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。この第2階層のメニューは、外部情報構成データに基づいて分類された外部情報のリストにより構成されている。
【0040】
図6(b)に示す第2階層のメニュー画像が表示されているときに、ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して外部情報の1つを指定すると、制御部15は、再度、図6(a)に示す第1階層のメニュー画像を表示させ、他の分割画面についても表示させる外部情報を指定するようにユーザを促す。
【0041】
このようにして、ユーザが全ての分割画面について表示させる外部情報を指定すると、制御部15は、例えば、図7に示す表示情報設定用の第3階層のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。このメニュー画面において、ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して画面の組み合わせを保存すること(図7では、「はい」という項目)を指定すると、制御部15は、続いて、例えば「プリセットボタンを選択して下さい」というメッセージ画像(図示せず)を表示部11の画面に表示させる。そして、ユーザがプリセットボタン12d〜12fのいずれか1つを押すと、制御部15は、ユーザによって指定された個々の分割画面に表示させる外部情報の組み合わせとプリセットボタンの種別とを対応付けたものを画面組み合わせデータとして第2のメモリ14に記憶する。これにより、「表示情報の設定」に係る処理は終了となる。
【0042】
さらに、複数画面表示モードのメインメニューが表示されているときに、ユーザが「特定画面の設定」を指定すると、制御部15は、例えば、図8(a)に示す特定分割画面設定用の第1階層のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。図8(a)に示すように、このメニュー画像には、上述した「表示情報の設定」において設定された分割画面及びその分割画面に表示される外部情報の名称が示されていて、これらの分割画面のうち現在選択されている分割画面(図8(a)では、左端の分割画面)が他の分割画面と異なる表示態様となっている。
【0043】
図8(a)に示すメニュー画像が表示されているときに、ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して分割画面の1つを指定すると、制御部15は、例えば、図8(b)に示す特定分割画面設定用の第2階層のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。このメニュー画面において、ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して他にも特定分割画面を指定すること(図8(b)では、「はい」という項目)を指定すると、制御部15は、再び図8(a)に示すメニュー画像を表示させる。一方、他に特定分割画面を指定しないこと(図8(b)では、「いいえ」という項目)を指定すると、制御部15は、ユーザによって指定された分割画面を特定分割画面データとして第2のメモリ14に記憶する。これにより、「特定画面の設定」に係る処理は終了となる。
【0044】
このようにして複数画面表示モードの初期設定がなされると、制御部15は、車載機器100から出力された外部情報に基づき、例えば、図9に示す画面を表示部11に表示させる。
【0045】
この図9に示す画面表示例においては、表示部11の表示画面は3つの分割画面21〜23により構成されていて、個々の分割画面の表示領域の大きさ(画面横方向の大きさ)は、例えば、表示部11の画面全体の大きさを「16インチ」と規定したときに「5インチ」となっている。3つの分割画面21〜23のうち左端の分割画面21は他の分割画面22、23よりも枠が太く描かれていて、当該分割画面21が「特定分割画面」となっている。
【0046】
また、図9に示す画面表示例においては、個々の分割画面21,22,23には、左から順に、外部情報として「ナビゲーション情報1」、「ナビゲーション情報2」及び「車両状態情報1」が表示されている。
【0047】
これらの外部情報のうち、「ナビゲーション情報1」は、目的地までの誘導経路を含む車両周辺地図により構成されていて、当該外部情報が表示されている左端の分割画面21においては、その表示領域の大きさに応じた縮尺(図9に示す画面表示例では、1Kmスケール)で示されている。
【0048】
また、「ナビゲーション情報2」は、出発地から目的地までの行程案内図により構成されている。この行程案内図は、例えば、目的地名、目的地到着予定時刻、走行道路名、主要通過道路名、交差点名、インターチェンジ・ジャンクション名、サービスエリア名、区間距離・区間通過予定時間、車線・進行方向案内及び渋滞・規制情報の情報項目の組み合わせからなり、当該外部情報が表示されている中央の分割画面22においては、その表示領域の大きさに応じた項目数の情報(図9に示す画面表示例では、目的地名、目的地到着予定時刻及び主要通過道路名)が示されている。
【0049】
そして、「車両状態情報1」は、例えば、車速、エンジン回転数、走行距離、各シフト位置、燃料残量及び燃費の情報項目の組み合わせからなり、当該外部情報が表示されている右端の分割画面23においては、その表示領域の大きさに応じた項目数の情報(図9に示す画面表示例では、車速、エンジン回転数及び走行距離)が示されている。
【0050】
次に、本発明に関連する処理であるディスプレイ装置10の制御部15において行う分割画面の表示領域の大きさ及び分割画面に表示する情報量の変更に係る処理について、その処理フローの一例を示す図10、及び、変更後の表示部11の画面表示の一例を示す図11を参照しながら説明する。なお、前提条件として、ディスプレイ装置10が複数画面表示モードとなっていて、表示部11において図9に示す画面が表示されているものとする。
【0051】
表示部11において複数の分割画面の個々に外部情報が表示されているときに、最初のステップS11において、制御部15は、ロータリーエンコーダから出力されたパルス信号の有無に基づき、ダイヤル12bが回転操作された(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS12に進み、判定結果がNOの場合にはステップS23に進む。ここでは、判定結果がYESで、ステップS12に進んだものとする。
【0052】
ステップS12において、制御部15は、第1のメモリ13に記憶された表示領域変更量データを参照し、上記パルス信号の位相に基づき、ダイヤル12bが時計回り方向に回転操作された(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がYESの場合にはステップS13に進み、判定結果がNOの場合にはステップS18に進む。
【0053】
ステップS13において、制御部15は、第1のメモリ13に記憶された表示領域変更量データを参照し、上記パルス信号のパルス数に応じて表示部11の複数の分割画面のうち特定分割画面の表示領域を拡大させる。このとき、制御部15は、特定分割画面(図9の画面表示例では、左端の分割画面21)の表示領域を、例えば、「4インチ」だけ拡大させて「5インチ」から「9インチ」にしたものとする。
【0054】
次に、ステップS14において、制御部15は、第1のメモリ13に記憶された表示内容情報量データを参照し、拡大後の特定分割画面の表示領域の大きさに応じて当該分割画面に表示する内容の情報量を増加させる。このとき、制御部15からの制御に基づき、ナビゲーション装置110において、例えば、特定分割画面に表示する車両周辺地図の縮尺を「1kmスケール」から「500mスケール」にして、地図中の道路の描画や地名の表示をより詳細にしたものとする。
【0055】
次に、ステップS15において、制御部15は、特定分割画面の表示領域の拡大量に応じて表示部11のその他の分割画面の表示領域を縮小させる。このとき、制御部15は、その他の分割画面(図9に示す画面表示例では、中央の分割画面22及び右端の分割画面21)の表示領域を、それぞれ任意単位で「2インチ」づつ縮小させて「5インチ」から「3インチ」にしたものとする。すなわち、制御部15は、その他の分割画面の表示領域を合計で、特定分割画面の表示領域の拡大量である「4インチ」だけ縮小させたものとする。
【0056】
そして、ステップS16において、制御部15は、第1のメモリ13に記憶された表示内容情報量データを参照し、縮小後のその他の分割画面の表示領域の大きさに応じて当該分割画面に表示する内容の情報量を減少させる。このとき、中央の分割画面22については、制御部15からの制御に基づき、ナビゲーション装置110において、例えば、行程案内図を構成する情報項目を「目的地名、目的地到着予定時刻及び主要通過道路名」から「目的地名及び目的地到着予定時刻」に減らしたものとする。また、右端の分割画面23については、制御部15は、例えば、車両状態情報を構成する情報項目を「車速、エンジン回転数及び走行距離」から「車速及び走行距離」に減らしたものとする。
【0057】
これらのステップS13〜S16の結果、制御部15は、例えば図11(a)に示すように、分割画面21a〜23aにより構成された画面を表示部11に表示させる。そして、ステップS11に戻る。
【0058】
一方、ステップS12における判定結果がNOの場合、すなわちロータリーエンコーダのダイヤル12bが反時計回り方向に回転操作された場合にはステップS18に進む。
【0059】
ステップS18において、制御部15は、第1のメモリ13に記憶された表示領域変更量データを参照し、ロータリーエンコーダのパルス信号のパルス数に応じて特定分割画面の表示領域を縮小させる。このとき、制御部15は、特定分割画面(図9に示す画面表示例では、左端の分割画面21)の表示領域を、例えば、「2インチ」だけ縮小させて「5インチ」から「3インチ」にしたものとする。
【0060】
次に、ステップS19において、制御部15は、第1のメモリ13に記憶された表示内容情報量データを参照し、縮小後の特定分割画面の表示領域の大きさに応じて当該分割画面に表示する内容の情報量を減少させる。このとき、制御部15からの制御に基づき、ナビゲーション装置110において、例えば、特定分割画面に表示する車両周辺地図の縮尺を「1kmスケール」から「2kmスケール」にして、地図中の道路の描画や地名の表示をより大まかにしたものとする。
【0061】
次に、ステップS20において、制御部15は、特定分割画面の表示領域の減少量に応じてその他の分割画面の表示領域を拡大させる。このとき、制御部15は、その他の分割画面の表示領域(図9に示す画面表示例では、真ん中の分割画面22及び右端の分割画面21)を、それぞれ「1インチ」づつ拡大させて「5インチ」から「6インチ」にしたものとする。すなわち、制御部15は、その他の分割画面の表示領域を合計で、特定分割画面の表示領域の縮小量である「2インチ」だけ拡大させたものとする。
【0062】
そして、ステップS21において、制御部15は、第1のメモリ13に記憶された表示内容情報量データを参照し、拡大後のその他の分割画面の表示領域の大きさに応じて当該分割画面に表示する内容の情報量を増加させる。このとき、中央の分割画面22については、制御部15からの制御に基づき、ナビゲーション装置110において、例えば、行程案内図を構成する情報項目を「目的地名、目的地到着予定時刻及び主要通過道路名」から「目的地名、目的地到着予定時刻、主要通過道路名及び区間距離・区間通過予定時間」に増やしたものとする。また、右端の分割画面23については、制御部15は、例えば、車両状態情報を構成する情報項目を「車速、エンジン回転数及び走行距離」から「車速、エンジン回転数、走行距離及び燃費」に増やしたものとする。
【0063】
これらのステップS18〜S21の結果、制御部15は、例えば図11(b)に示すように、分割画面21b〜23bにより構成された画面を表示部11に表示させる。そして、ステップS11に戻る。
【0064】
ところで、ステップS11における判定結果がNOの場合には、前述したようにステップS23に進む。このステップS23において、制御部15は、メニューボタン12aから出力された信号の有無に基づき、当該ボタン12aが押された(YES)か否(NO)かを判定する。判定結果がNOの場合にはステップS11に戻る。
【0065】
一方、ステップS23における判定結果がYESの場合には、前述したように、制御部15は、複数画面表示モードのメインメニュー(図4参照)を表示部11に表示させ、ロータリーエンコーダのダイヤル12bの回転操作による変更対象を、特定分割画面の表示領域の大きさから各種メニュー画面(図5〜8参照)の選択項目に変更する。この後、本処理フローは「終了」する。
【0066】
以上説明したように、本実施形態に係るディスプレイ装置10においては、表示部11の表示画面を複数の分割画面に分割し、個々の分割画面に外部情報を表示している場合に、ユーザによりロータリーエンコーダのダイヤル12bが、例えば時計回りの方向に回転操作されると、ユーザによって指定された分割画面(特定分割画面)の表示領域が拡大して、当該分割画面に表示される内容の情報量が増える。すなわち、特定分割画面に表示される情報がより詳細になる。その一方で、その他の分割画面の表示領域は縮小して、当該分割画面に表示される内容の情報量は減る。しかし、その他の分割画面に表示されていた情報が表示されなくなることはない。
【0067】
これにより、ユーザは、表示部11の表示画面において、複数の外部情報のうちの特定の外部情報の詳細な情報を確認することができ、同時にその他の外部情報も確認することができる。
【0068】
また、本実施形態に係るディスプレイ装置10によれば、ユーザは、ダイヤル12bを回すという簡単な操作で、本人にとって見やすい表示領域の大きさで分割画面(特定の分割画面、あるいはその他の分割画面)に表示される外部情報を確認することができる。例えば、表示部11の表示画面が図9に示す画面のときに、ユーザが「ナビゲーション情報1」を通常時の主要な外部情報として確認したい場合には、ダイヤル12bを時計回り方向に回すことにより、図11(a)に示す画面のように、当該外部情報を表示する分割画面21aの表示領域を拡大させればよい。この場合において、「ナビゲーション情報2」(あるいは、「車両状態情報1」)を一時的に詳細に確認したいときには、ダイヤル12bを反時計回り方向に回すことにより、図11(b)に示す画面のように、当該外部情報を表示する分割画面22b(あるいは、分割画面23b)の表示領域を拡大させればよい。
【0069】
なお、上述した実施形態においては、図9に示すように、3つの分割画面のうち左端の分割画面を特定分割画面に設定した例について説明したが、特定分割画面がこれに限定されないことはもちろんである。本実施形態においては、図4に示す複数画面表示モードのメインメニューから、特定分割画面を左端の分割画面以外のものに設定することも可能である。例えば、図12(a)に示すように、3つの分割画面31〜33のうち中央の分割画面32を特定分割画面に設定することも可能である。このように設定した場合、ロータリーエンコーダのダイヤル12bを時計回りの方向に回すことにより、図12(b)に示すように、中央の分割画面32aの表示領域が拡大すると共に、その他の分割画面31a、33aの表示領域が縮小し、反対にダイヤル12bを反時計回りの方向に回すことにより、図12(c)に示すように、中央の分割画面32bの表示領域が縮小すると共に、その他の分割画面31b、33bの表示領域が拡大する。また、図12においては特に図示していないが、個々の分割画面に表示する内容の情報量は、その分割画面の変更後の表示領域の大きさに応じて変更する。
【0070】
上述した実施形態においては、図9に示すように、個々の分割画面に表示する外部情報の組み合わせを「ナビゲーション情報1」、「ナビゲーション情報2」及び「車両状態情報1」にした例について説明したが、外部情報の組み合わせがこれに限定されずに、その他の組み合わせでもよいことはもちろんである。本実施形態においては、図4に示す複数画面表示モードのメインメニューから、その他の外部情報の組み合わせを作成することも可能であるし、このように作成した外部情報の組み合わせを画面組み合わせデータとして第2のメモリ14に記憶しておき、プリセットボタン12d〜12fを押すことにより、その外部情報の組み合わせを表示部11の画面に表示させることも可能である。
【0071】
上述した実施形態においては、図9に示すように、表示部11の分割画面の数を3つに設定した例について説明したが、分割画面の数がこれに限定されないことはもちろんである。本実施形態においては、図4に示す複数画面表示モードのメインメニューから、分割画面の数を3よりも大きい数に設定することも可能である。更に、上述した実施形態においては、図9に示すように、特定分割画面の数を1つに設定した例について説明したが、特定分割画面の数がこれに限定されないことはもちろんである。本実施形態においては、図4に示す複数画面表示モードのメインメニューから、特定分割画面の数を複数に設定することも可能である。
【0072】
例えば、図13(a)は、分割画面の数を4つに設定し、また特定の分割画面の数を2つに設定した場合の画面構成例を示す図である。図13(a)に示す画面構成例においては、4つの分割画面のうち左端の分割画面41及びその右隣の分割画面42が特定の分割画面となっている。このように設定した場合、ロータリーエンコーダのダイヤル12bを時計回りの方向に回すことにより、図13(b)に示すように、分割画面41a、41bの表示領域が拡大すると共に、その他の分割画面43a、44aの表示領域が縮小し、反対にダイヤル12bを反時計回りの方向に回すことにより、図12(c)に示すように、分割画面41b、42bの表示領域が縮小すると共に、その他の分割画面43b、44bの表示領域が拡大する。
【0073】
上述した実施形態においては、特定分割画面の表示領域の大きさを変更する操作手段としてロータリーエンコーダのダイヤル12bを採用しているが、このような操作手段がこれに限定されないことはもちろんである。このような操作手段として、例えば、表示部11の上に設けられたタッチパネル、表示部11の近傍に設けられたジョイスティック、ジョグダイヤルのダイヤル、あるいはアップボタン・ダウンボタンを採用してもよい。なお、タッチパネルについては、タッチパネルにおける操作量及び操作方向(例えば、上方向及び下方向)に応じた信号を出力する。ジョイスティックについては、ジョイスティックを倒している時間及び方向(例えば、上方向及び下方向)に応じた信号を出力する。ジョグダイヤルについては、ダイヤルの回転角及び回転方向(例えば、ダイヤルの回転軸が横方向の場合には上方向及び下方向)に応じた信号を出力する。アップボタン・ダウンボタンについては、アップボタン又はダウンボタンの操作時間に応じた信号を出力する。そして、これらの信号の内容に応じて特定分割画面の表示領域を拡大させたり、縮小させたりする。
【0074】
上述した実施形態においては、本発明の情報提供装置を車両に搭載されたディスプレイ装置に適用したものについて説明したが、本発明の情報提供装置の適用対象がこれに限定されないことはもちろんである。例えば、本発明の情報提供装置を車両のインストルメントパネルに適用してもよい。
【0075】
本発明を適用したインストルメントパネルにおいては、その表示部はLCDパネル等からなり、縦の長さよりも横の長さの方が大きい表示画面を有している。また、操作部は表示部の近傍に設置されている。そして、表示部の表示画面は3以上の分割画面により構成されていて、個々の分割画面には、例えば、車速、エンジン回転数、走行距離、各シフト位置、燃料残量及び燃費の情報項目の組み合わせからなる「車両状態情報1」と、水温、油温、油圧及びバッテリー電圧の情報項目の組み合わせからなる「車両状態情報2」と、その他の外部情報(例えば、ナビゲーション情報、AV情報、エアコン設定情報、車両周辺画像)のいずれかとが表示される。なお、このインストルメントパネルにおいては、車両状態情報のうち特に重要な情報項目(例えば、車速)については、当該情報項目を含む車両状態情報を表示する分割画面の表示領域が操作部の操作によって縮小された場合でも必ず表示するように設定されることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係るディスプレイ装置(情報提供装置)の構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るディスプレイ装置における表示部及び操作部の設置場所の一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係るディスプレイ装置における操作部の構成の一例を示す図である。
【図4】複数画面表示モードのメインメニュー画像の一例を示す図である。
【図5】分割画面数設定用のメニュー画像の一例を示す図である。
【図6】図6(a)は表示情報設定用の第1階層のメニュー画像の一例を示す図であり、図6(b)はその第2階層のメニュー画像の一例を示す図である。
【図7】表示情報設定用の第3階層のメニュー画像の一例に示す図である。
【図8】図8(a)は特定分割画面設定用の第1階層のメニュー画像の一例を示す図であり、図8(b)はその第2階層のメニュー画像の一例を示す図である。
【図9】複数画面表示モードにおける表示部に表示される画面の一例を示す図である。
【図10】本実施形態に係るディスプレイ装置の制御部において行う分割画面の表示領域の大きさ及び分割画面に表示する内容の情報量の変更に係る処理フローの一例を示す図である。
【図11】図11(a)は図9に示す表示画面において特定分割画面の表示領域を拡大した場合の表示画面の一例を示す図であり、図11(b)は同じく特定分割画面の表示領域を縮小した場合の表示画面の一例を示す図である。
【図12】図12(a)は3つの分割画面のうち中央の分割画面が特定分割画面である場合の表示部に表示される画面構成の一例を示す図であり、図12(b)は図12(a)に示す画面構成において特定分割画面の表示領域を拡大した場合の画面構成の一例を示す図であり、図12(c)は同じく特定分割画面の表示領域を縮小した場合の画面構成の一例を示す図である。
【図13】図13(a)は分割画面の数が4つであり、かつ特定分割画面の数が2つである場合の表示部に表示される画面構成の一例を示す図であり、図13(b)は図13(a)に示す画面構成において特定分割画面の表示領域を拡大した場合の画面構成の一例を示す図であり、図13(c)は同じく特定分割画面の表示領域を縮小した場合の画面構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0077】
10…ディスプレイ装置(情報提供装置)、
11…表示部(表示手段)、
12…操作部、
12b…ロータリーエンコーダのダイヤル(操作手段)、
13…第1のメモリ、
14…第2のメモリ、
15…制御部(制御手段)、
21、21a、21b、32、32a、32b、41、41a、41b、42、42a、42b…分割画面(特定分割画面)、
22、22a、22b、23、23a、23b、31、31a、31b、、33、33a、33b、、43、43a、43b、44、44a、44b…分割画面(その他の分割画面)、
100…車載機器、
110…ナビゲーション装置、
120…AV装置、
130…エアコン、
140…車両周辺画像提供装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面を通して情報を提供する表示手段と、
操作に応じた信号を出力する操作手段と、
前記表示手段及び前記操作手段と動作可能に接続された制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記表示手段の表示画面を3以上に分割してなる複数の分割画面のうち特定の分割画面の大きさを変更する旨の前記操作手段の信号を検出したときに、当該信号に基づいて前記特定の分割画面の表示領域の大きさを変更すると共に、前記特定の分割画面の表示領域の変更量に応じて前記特定の分割画面以外の分割画面の表示領域の大きさを変更し、さらに前記複数の分割画面の個々に表示する内容の情報量をその分割画面の変更後の表示領域の大きさに応じて変更することを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記操作手段の信号に基づいて前記特定の分割画面の表示領域を拡大するときには、前記特定の分割画面の表示領域を拡大した分に応じて前記特定の分割画面以外の分割画面の表示領域を縮小し、さらに前記特定の分割画面に表示する内容の情報量をその分割画面の拡大後の表示領域の大きさに応じて増やすと共に、前記特定の分割画面以外の分割画面に表示する内容の情報量をその分割画面の縮小後の表示領域の大きさに応じて減らすことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記操作手段の信号に基づいて前記特定の分割画面の表示領域を縮小するときには、前記特定の分割画面の表示領域を縮小した分に応じて前記特定の分割画面以外の分割画面の表示領域を拡大し、さらに前記特定の分割画面に表示する内容の情報量をその分割画面の縮小後の表示領域の大きさに応じて減らすと共に、前記特定の分割画面以外の分割画面に表示する内容の情報量をその分割画面の拡大後の表示領域の大きさに応じて増やすことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記操作手段は、ロータリーエンコーダのダイヤルであり、当該ダイヤルの回転角及び回転方向に応じた信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記操作手段は、前記表示手段の上に設けられたタッチパネルであり、当該タッチパネルにおける操作量及び操作方向に応じた信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記操作手段は、ジョイスティックであり、当該ジョイスティックを倒している時間及びその方向に応じた信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記操作手段は、ジョグダイヤルのダイヤルであり、当該ダイヤルの回転角及び回転方向に応じた信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記操作手段は、アップボタン及びダウンボタンであり、当該アップボタン又はダウンボタンの操作時間に応じた信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記操作手段は、前記表示手段の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記表示手段は、縦方向の長さよりも横方向の長さの方が大きい表示画面を有することを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項11】
前記複数の分割画面の個々に表示される情報は、車両の車両状態情報、当該車両に搭載されたナビゲーション装置から出力されたナビゲーション情報、同じくAV装置から出力されたAV情報、同じくエアコンから出力されたエアコン設定情報、及び、同じく車両周辺画像提供装置から出力された車両周辺画像情報のうちのいずれか1つであることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項12】
車両に搭載されたディスプレイ装置であることを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項13】
画面を通して情報を提供する表示手段と、操作に応じた信号を出力する操作手段とを有する情報提供装置において、
前記表示手段の表示画面を3以上に分割してなる複数の分割画面のうち特定の分割画面の大きさを変更する旨の前記操作手段の信号を検出したときに、当該信号に基づいて前記特定の分割画面の表示領域の大きさを変更すると共に、前記特定の分割画面の表示領域の変更量に応じて前記特定の分割画面以外の分割画面の表示領域の大きさを変更し、
さらに前記複数の分割画面の個々に表示する内容の情報量をその分割画面の表示領域の変更後の大きさに応じて変更することを特徴とする情報提供方法。
【請求項14】
前記特定の分割画面の表示領域を拡大するときには、前記特定の分割画面の表示領域を拡大した分に応じて前記特定の分割画面以外の分割画面の表示領域を縮小し、
さらに前記特定の分割画面に表示する内容の情報量をその分割画面の拡大後の表示領域の大きさに応じて増やすと共に、前記特定の分割画面以外の分割画面に表示する内容の情報量をその分割画面の縮小後の表示領域の大きさに応じて減らすことを特徴とする請求項13に記載の情報提供方法。
【請求項15】
前記特定の分割画面の表示領域を縮小するときには、前記特定の分割画面の表示領域を縮小した分に応じて前記特定の分割画面以外の分割画面の表示領域を拡大し、
さらに前記特定の分割画面に表示する内容の情報量をその分割画面の縮小後の表示領域の大きさに応じて減らすと共に、前記特定の分割画面以外の分割画面に表示する内容の情報量をその分割画面の拡大後の表示領域の大きさに応じて増やすことを特徴とする請求項13に記載の情報提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−229172(P2009−229172A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73147(P2008−73147)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】