説明

情報操作装置

【課題】安定した操作が可能となる情報操作装置を提供する。
【解決手段】 回転自在に支持された回転操作子111と、第1の回転操作子の回転軸と直交する平面内において移動可能に支持された多方向移動操作子121と、操作者の操作手が載せられるパームレスト部130とは、回転操作子111の回転軸の軸線上に積層的に配置されている。また、パームレスト部130は、各種の操作子が配置される操作パネルを基準として、回転操作子111および多方向移動操作子121よりも前面に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置を操作する情報操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両の乗員に対して各種の情報を提示する情報処理システムが知られている。情報処理システムとしては、例えば、カーナビゲーションシステムが周知であり、このシステムは、表示装置、各種の演算を行う情報処理装置、および、この情報処理装置を操作する情報操作装置を主体に構成されている。ユーザインターフェースである情報操作装置では、例えば、表示装置に表示された地図情報をスクロール移動させたり、表示される地図情報の縮尺倍率を調整したりといったように、連続した操作が要求されることがある。そのため、これらの操作を個別に行う各操作子を効率的にレイアウトしなければ、操作の煩わしさが増加するといった不都合がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、縮尺倍率の調整操作と、スクロール操作とを同一の操作子によって行う情報操作装置が開示されている。この情報操作装置では、ジョイスティック型の操作子が用いられており、ジョイスティックを傾けることにより、その傾斜方向と対応して地図情報がスクロールされ、一方、ジョイスティックを軸心回りに回転させることにより、その回転方向に応じて地図情報の縮尺倍率が調整される。
【特許文献1】特開2002−243485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された手法では、操作子を共通化しているため、縮尺倍率の調整操作と、スクロール操作とが相互に影響してしまう虞があり、特に、車両などの振動、揺動の頻発する操作環境では、安定した操作を行うのが困難となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するために、本発明は、情報処理装置を操作する情報操作装置を提供する。この情報操作装置は、操作パネルと、第1の回転操作手段と、多方向移動操作手段と、パームレスト手段とを有する。操作パネルは、各種の操作子が配置される。第1の回転操作手段は、回転自在に支持された第1の回転操作子を備え、第1の回転操作子の回転量に応じた回転操作信号を出力する。移動方向操作手段は、第1の回転操作子の回転軸と直交する平面内において移動可能に支持された多方向移動操作子を備え、多方向移動操作子の移動方向に応じたスライド操作信号を出力する。パームレスト手段は、操作者の操作手が載せられる。この場合、第1の回転操作子と、多方向移動操作子と、パームレスト手段とは、第1の回転操作子の回転軸の軸線上に積層的に配置されており、パームレスト手段は、操作パネルを基準として、第1の回転操作子および多方向移動操作子よりも前面に配置されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、操作者は、前面に配置されたパームレスト手段上に掌(或いは、指)を固定した状態で、指先の簡単な動きによって、回転操作子または多方向移動操作子とを操作することができる。この際、操作者の掌は、パームレスト手段によって安定的に支持されているので、振動、揺動の多い環境下であっても、安定した操作が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る情報処理システム1の全体構成を示すブロック構成図である。この情報処理システム1は、情報操作装置10と、情報処理装置20と、表示装置30とで構成されており、本実施形態では車両用の情報処理システム1を想定している。操作者(典型的には、ドライバー)は、情報操作装置10を用いて情報処理装置20を操作し、必要な情報を表示装置30に表示する。
【0008】
情報操作装置10は、複数の操作部から構成されており(同図では、例示的に4つの操作部11,12,14,16を示す)、これらの操作部には各種の機能が割り当てられている。操作部のいずれかを操作者が操作した場合には、対応する操作部から操作信号がケーブルを介して情報処理装置20に入力される。情報処理装置20は、操作部からの電気信号に従って所定の画像を作成し、これを表示装置30に表示させる。以下、第1から第3の実施形態において、図1において模式的に示す操作部11,12,14,16が、操作部110,120,140,160として具体化された情報操作装置10について説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1の実施形態に係る情報操作装置10の概略斜視図であり、図3は、第1の実施形態に係る情報操作装置10の内部構造を説明する断面図である。この情報操作装置10は、回転操作部(第1の回転操作手段)110と、多方向移動操作部(多方向移動操作手段)120と、パームレスト部(パームレスト手段)130と、押圧操作部(押圧操作手段)140とを主体に構成されており、これらの部材110〜140が操作パネル150上に配置されている。回転操作部110(具体的には、その操作要素である回転操作子111)と、多方向移動操作部120(具体的には、その操作要素である多方向移動操作子121)と、パームレスト部130とは、後述する回転操作部110の回転軸の軸線上に積層的に配置されており、操作パネル150側から、回転操作部110、多方向移動操作部120、パームレスト部130の順番に並んでいる。換言すれば、パームレスト部130は、操作パネル150を基準として、回転操作部110および多方向移動操作部120よりも前面に配置されている。また、このパームレスト部130の上部には、押圧操作部140が設けられている。操作パネル150の内部には、ベース基板151に取り付けられたプリント基板152が収納されている。
【0010】
回転操作部110は、回転操作子(第1の回転操作子)111と、回転エンコーダー112とを主体に構成されている。回転操作子111は、円筒状の部材であり、情報操作装置10の略中央に位置する回転軸を中心に、回転自在に支持されている。この回転操作子111が操作者によって回転操作されると、この回転操作子111の回転量は、プリント基板152上に配置された回転エンコーダー112によって検出され、回転操作子111の回転操作量に応じた回転操作信号が出力される。
【0011】
具体的には、回転操作子111には、その内部に内筒113が嵌合されており、内筒113は、回転操作子111が操作者によって回転操作された場合、回転操作子111と一体的に回転する。内筒113は、回転エンコーダー112のケース112a内に形成された円環状の溝部112cによって、半径方向への動きが規制されている(それ故に、内筒113および回転操作子111が円周方向へ回転することが許容される)。
【0012】
内筒113の外壁面には外周方向へ突出した凸部が全周に亘って設けられており、その凸部には、導電部材で形成された回転電極113aが設けられている。一方、回転エンコーダー112には、この回転電極113aと位置的に対応する部位に固定電極112bが設けられており、内筒113が円周方向に回転した場合には、内筒113の回転電極113aがこの固定電極112b上を摺動しながら回転する。これにより、操作者が回転操作子111を回転操作した場合には、回転電極113aと固定電極112bとが相対的に移動することにより、所定のパルス信号がリード線114、端子152aを介して、プリント基板152に出力される。回転エンコーダー112からの出力は、電子回路(図示せず)によって回転操作量に応じた信号(回転操作信号)に変換され、情報処理装置20に出力される。
【0013】
多方向移動操作部120は、多方向移動操作子121と、2次元エンコーダー(2次元位置検出部)122とを主体に構成されている。多方向移動操作子121は、平面形状が八角形の平板部材であり、その外形寸法は、パームレスト部130のそれよりも大きくなっている。この多方向移動操作子121は、回転操作部110の回転操作子111の回転軸と直交する平面内において移動可能に支持されている。この多方向移動操作子121が操作者によってスライド操作されると、この多方向移動操作子121の移動方向は、2次元エンコーダー122によって検出され、多方向移動操作子121の移動方向に応じたスライド操作信号信号が出力される。
【0014】
具体的には、上述した回転エンコーダー112の内径の中空部分には、円筒形状を有するステー153がベース基板151から起立するように設けられており、このステー153に2次元エンコーダー122が載置されている。この2次元エンコーダー122のケース122a内には、内筒123が設けられており、この内筒123は、多方向移動操作子121の中心部に設けられた円状の開口に嵌合されている。そのため、多方向移動操作子121が操作者によってスライド操作された場合には、この内筒123も多方向移動操作子121と一体的にスライド移動する。
【0015】
内筒123の外壁面には外周方向へ突出した凸部がその全周に亘って設けられており、その凸部の先端部と、ケース122aの内壁面との間には、所定の角度(例えば、45°)を隔てて複数のスプリング122cが円周方向に設けられている。内筒123は、これらのスプリング122cによって、その中心が回転操作子111の回転軸と位置的に対応するように付勢されている。そのため、操作者は、多方向移動操作子121を操作する場合には、この内筒123に作用するスプリング122cの付勢力に抗しながら、回転操作子111の回転軸を中心として多方向移動操作子121をスライド操作する。操作者が多方向移動操作子121に加えている力を解放すると、内筒123に作用するスプリング122cの張力によって、多方向移動操作子121は、所定の中心位置に復帰する。この多方向移動操作子121は、予め定められた複数の方向へ移動可能となっており、本実施形態では、上、下、左、右、右上、左上、右下および左下を含む8方向がこれに該当する。
【0016】
また、内筒123の凸部には、導電部材で形成された移動電極123aが設けられている。一方、2次元エンコーダー122のケース122a内には、この移動電極123aと位置的に対応する部位に固定電極122bが設けられており、内筒123がケース122a内をスライド移動した場合には、内筒123の移動電極123aがこの固定電極122b上を摺動しながら移動する。これにより、操作者が多方向移動操作子121をスライド操作した場合には、移動電極123aと固定電極122bとが相対的に移動することにより、所定の電気信号パターンがリード線124、端子152bを介して、プリント基板152に出力される。2次元エンコーダー122からの出力は、電子回路(図示せず)によって移動方向に応じた信号(スライド操作信号)に変換され、情報処理装置20に出力される。
【0017】
図4は、2次元エンコーダー122の具体的な構成を示す説明図である。2次元エンコーダー122に設けられた固定電極122bは、複数の個別電極122ba〜122bhと、コモン電極122biとで構成されている。個別電極122ba〜122bhは、内筒123の移動方向と移動距離とを考慮して、各操作方向に対応して設けられた導電体で構成されている。具体的には、多方向移動操作部120が8方向へのスクロール特性を備える場合には、操作者がこの情報操作装置10の正面に対峙することを前提に、多方向移動操作部120のスクロール特性と対応させて、上、右上、右、右下、下、左下、左、左上の8方向のそれぞれに個別電極122ba〜122bhが同心円状に配置されるといった如くである。コモン電極122biは、これらの個別電極122ba〜122bhの内側において、個別電極122ba〜122bhから所定の距離を隔てて設けられる環状の導電体で構成されている。
【0018】
一方、内筒123と一体となり、固定電極122b上を摺動する移動電極123aは、コモン電極122biと、個別電極122ba〜122bhとの間隔より大きな直径を有する略円形状の導電体で構成されている。多方向移動操作子121をスライド操作した場合、この移動電極123aは、固定電極122b上に設けられた個別電極122ba〜122bhのいずれかと、コモン電極122biとの間を導通させるショートバーとして動作し、操作方向に応じた接点信号を出力する。
【0019】
2次元エンコーダー122の内径の中空部分と対応するベース基板151上には、支柱154がビス155で固定されている。この支柱154の先端には、回転操作子111の回転軸を中心とする円盤形状のパームレスト部130が固定的に取り付けられている。パームレスト部130は、操作時に操作者が手を添えるための非可動の部材であり、操作時の使い勝手を考慮して、その配置位置や形状が設定されている。また、このパームレスト部130には、自車両を模擬したシンボルマークが、視覚または触覚によって認識可能に表示されている。
【0020】
押圧操作部140は、スイッチユニット141と、キートップ(押圧操作子)142とで構成されており、パームレスト部130の上部中央(正確には、回転操作子111の回転軸上)に設けられている。パームレスト部130に添えられた操作者の手による誤操作を抑制するといった観点から、このパームレスト部130の上部中央には、所定の深さだけ窪んだ凹部130aが形成されており、この押圧操作部140は、この凹部130aの内部に設けられている。
【0021】
具体的には、スイッチユニット141は、パームレスト部130の凹部130aの底面に配置されており、そのスイッチユニット141の上面にキートップ142が配置されている。この押圧操作部140は、パームレスト部130に添えられた操作者の手が不用意にスイッチユニット141を押圧することのないように、キートップ142の上面がパームレスト部130の表面部分よりも若干低くなっていることが好ましい。操作者がキートップ142を介してスイッチユニット141を押圧操作した場合には、所定の電気信号がリード線143、端子152cを介して、プリント基板152に出力される。スイッチユニット141からの出力は、電子回路(図示せず)によって押圧操作に応じた信号(押圧操作信号)に変換され、情報処理装置20に出力される。
【0022】
図5および図6は、操作者による情報操作装置10の操作説明図である。操作者が情報操作装置10を操作する場合、操作者は、パームレスト部130に掌(或いは、指)を添えた状態で、このパームレスト部130の直下にある多方向移動操作子121を所定の方向にスライド操作する。具体的には、例えば、図5に示すように、多方向移動操作子121を図中の右方向にスライド操作する場合、操作者は、操作指Fの内側の一部をパームレスト部130の周縁部分に接触させながら、多方向移動操作子121を中心方向に向かって押し込む。この場合、パームレスト部130に接する部位を支点Pfとしながら、多方向移動操作子121上の操作点Pmに力を加えることとなる。
【0023】
また、図6に示すように、操作者は、パームレスト部130に掌(或いは、指)F1を添えた状態で、多方向移動操作子121の直下にある回転操作子111を回転操作する。具体的には、操作者は、操作者の掌(或いは、指)部分をパームレスト部130に載せて固定し、親指(または他の指)F2で回転操作子111を回転させる。
【0024】
さらに、操作者は、パームレスト部130に掌(或いは、指)を添えた状態で、パームレスト部130の中央上部に配置された押圧操作部140をプッシュ操作する。具体的には、操作者は、操作指をパームレスト部130の周縁部分に沿って中央上部に移動させ、キートップ142を押圧する。
【0025】
図7は、カーナビゲーションシステムを示す全体構成図である。このような情報操作装置10を有する情報処理システム1は、例えば、操作者に対して自車両の現在位置を含むナビゲーション情報を提供するカーナビゲーションシステムに適用されている。ナビゲーション装置である情報処理装置20は、制御部21を主体に構成されており、地図データ22より読み出した地図情報を表示装置30に表示する。
【0026】
このようなナビゲーションシステムにおいて、情報操作装置10の回転操作部110から出力される回転操作信号は、表示装置30に表示される地図情報の縮尺倍率を調整する信号に割り当てられており、操作者は、回転操作子111の正反する回転操作によって2方向への倍率操作(すなわち、拡大操作および縮小操作)を行う。また、多方向移動操作部120から出力されるスライド操作信号は、表示装置30に表示される地図情報をスクロールさせる信号に割り当てられており、操作者は、パームレスト部130に表記されている自車両のシンボルマークの向きを参照した多方向移動操作子121のスライド操作によって、操作と対応する方向への地図情報のスクロール操作を行う。押圧操作部140から出力される押圧操作信号は、各種メニューまたは選択画面における決定操作を司る信号に割り当てられており、操作者は、キートップ142の押圧操作によって決定操作を行う。
【0027】
回転操作子111の回転量に対応する回転エンコーダー112の出力は、インターフェース回路23によって変換され、提示する地図情報の縮尺倍率を制御する信号として制御部21に入力される。また、多方向移動操作部120の移動量に対応する2次元エンコーダー122の出力は、インターフェース回路23によって変換され、提示する地図情報の中心位置の経度緯度を制御する信号として制御部21に入力される。また、スイッチユニット141の出力は、インターフェース回路23によって変換され、各種の選択を決定する信号として制御部21に入力される。
【0028】
制御部21は、多方向移動操作子121の移動方向に応じて、地図データ22から読み出す地図情報の緯度経度を調整し、また、回転操作子111の操作に応じて、提示する地図情報の縮尺を決定する。例えば、中心位置の緯度経度を制御する操作信号が入力された場合には、制御部21は、指定された方位に所定量だけ視点座標値を移動した地図画面を作成し、これを表示装置30に表示させる。また、制御部21は、縮尺倍率を制御する操作信号が入力された場合には、現在表示している座標軸近辺の地図情報を指定された縮尺倍率で表示するように地図画面を作成し、これを表示装置30に表示させるといった如くである。
【0029】
このように本実施形態によれば、情報操作装置10は、回転操作部110の回転操作子111と、多方向移動操作部120の多方向移動操作子121と、パームレスト部130とを同一軸線上に積層的に配置している。この場合、パームレスト部130は、操作パネル150を基準として、回転操作子111および多方向移動操作子121よりも前面に配置されている。そのため、操作者は、パームレスト部130上に掌(或いは、指)を固定した状態で、指先の簡単な動きによって、回転操作子111または多方向移動操作子121とを操作することができる。この際、操作者の掌は、パームレスト部130によって安定的に支持されているので、車両等のような振動、揺動の多い環境下であっても、安定した操作が可能となる。これにより、操作精度の向上が図られるとともに、操作時の疲労感の軽減を図ることができる。
【0030】
また、本実施形態では、最も前面に操作機能を持たないパームレスト部130が配置されている関係上、手探りで操作子111,121を探したとしても、このパームレスト部130によってそれらの操作子111,121がカバーされ、操作者の意図しない操作が生じる可能性を低減することができる。そのため、手元を注視することなく操作を行うことが可能となり、操作者の視覚負荷の軽減を図ることができる。
【0031】
また、このような情報操作装置10によって操作される情報処理装置20としては、地図情報を表示装置に表示させるカーナビゲーション装置を適用することができる。この場合、回転操作部110から出力される回転操作信号は、表示装置30に表示される地図情報の縮尺倍率を調整する信号に割り当てられ、多方向移動操作部120から出力されるスライド操作信号は、表示装置30に表示される地図情報をスクロールさせる信号に割り当てられる。このため、操作者は、パームレスト部130に掌(或いは、指)を載せたまま、表示された地図情報の縮尺調整を行う回転操作子111の操作と、各方向への地図情報のスクロール操作を行う多方向移動操作子121の操作とを容易に連続して行うことができる。その結果、振動や揺動が生じる車両内の環境であっても、効率的に精度の高い操作を行うことができる。
【0032】
また、本実施形態では、回転操作部110の回転操作子111は、多方向移動操作部120の多方向移動操作子121よりも操作パネル150側に配置されている。換言すれば、多方向移動操作子121は、回転操作子111よりもパームレスト部130側に配置されている。そのため、縮尺倍率の操作よりも地図情報のスクロール操作が頻繁に行われるナビゲーション操作では、操作頻度が高い多方向移動操作子121をパームレスト部130側に設けることにより、使用形態に応じて最適な操作をするこが可能となり、操作性の向上を図ることができる。
【0033】
さらに、本実施形態では、多方向移動操作部120の多方向移動操作子121は、パームレスト部130の外形寸法よりも大きい外形寸法となっている。そのため、多方向移動操作子121を操作する場合には、操作指がパームレスト部130を支持点として押し込み操作(スライド操作)が行い易くなる。これにより、多方向移動操作子121を精度よく、かつ、連続して操作することが可能となる。例えば、ナビゲーション操作では、スクロール操作の精度が向上し、また、長い距離に亘り地図情報を移動させても、操作に伴う疲労感を軽減することができる。
【0034】
なお、本実施形態では、多方向移動操作子121を八角形形状とし、パームレスト部130を円盤形状としている。しかしながら、パームレスト部130を八角形形状にするといったように、多方向移動操作子121とパームレスト部130とを相似形状の多角形より構成してもよい。この場合には、パームレスト部130の操作指が支持される辺が直線となり、操作指の支持の安定性が向上するという効果を奏する。また、パームレスト部130を多角形状とすることで、多方向移動操作子121の操作方向が強調されるため、これを誤操作するといった事態の発生を低減することができる。
【0035】
また、本実施形態では、パームレスト部130の上部中央には、キートップ142の押圧操作に応じて押圧操作信号を出力する押圧操作部140が設けられており、この押圧操作部140から出力される押圧操作信号は、決定操作を司る信号に割り当てられる。これにより、回転操作部110の回転操作子111や、多方向移動操作部120の多方向移動操作子121の操作と連動し、操作指を大きく動かすことなく決定操作を行うことができる。そのため、全体的な操作効率の向上を図ることができる。
【0036】
さらに、本実施形態において、パームレスト部130には、自車両を模擬したシンボルマークが、視覚または触覚によって認識可能に表記されている。これにより、シンボルマークに対する多方向移動操作子121のスライド方向と、自車両に対する地図情報のスクロール方向との対応付けを予め行っておくことを前提に、操作者が操作方法を容易に理解することができる。
【0037】
また、本実施形態において、多方向移動操作子121は、回転操作子111の回転軸を中心に、予め定められた複数の方向へ移動可能であり、多方向移動操作部120は、多方向移動操作子121の移動方向を検出する2次元エンコーダー122をさらに有している。そのため、多方向移動操作子121をスライド移動させ、そのスライドした方向を二次元的に検出することにより、目的とする操作を行うことができる。また、地図情報のスクロール方向と操作方向とを対応させることが可能となるため、ジョイスティック式やトラックボール式の操作手法と比較して、操作方法が想起しやすいという効果を奏する。なお、2次元エンコーダー122としては、接点式、接触抵抗可変式、光学式または静電容量式といった種々の2次元位置検出手段を用いることができる。
【0038】
(第2の実施形態)
図8は、第2の実施形態に係る情報操作装置10の内部構造を説明する断面図である。この第2の実施形態に係る情報操作装置10が第1の実施形態のそれと相違する点は、回転操作部110と多方向移動操作部120との順番が入れ替わっていることである。すなわち、回転操作部110(具体的には、その操作要素である回転操作子111)と、多方向移動操作部120(具体的には、その操作要素である多方向移動操作子121)と、パームレスト部130とは、回転操作部110の回転軸の軸線上に積層的に配置されており、操作パネル150側から、多方向移動操作部120、回転操作部110、パームレスト部130の順番に並んでいる。換言すれば、回転操作子111は、多方向移動操作子121よりも操作パネル150側に配置されていることとなる。
【0039】
多方向移動操作子121と、2次元エンコーダー122とを主体に構成される多方向移動操作部120は、最下面、すなわち、プリント基板152が取り付けられたベース基板151上に配置されている。2次元エンコーダー122の内径の中空部分に設けられた支柱154の中段には、中間基台156が固定的に取り付けられており、回転操作子111と回転エンコーダー112とを主体に構成される回転操作部110が配置されている。第1の実施形態と同様に、支柱154の上部には、パームレスト部130が配置されおり、このパームレスト部130には、その上部に押圧操作部140が設けられている。なお、このようなレイアウトの変更以外については、第1の実施形態と同一の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0040】
図9は、車外監視システムを示す全体構成図である。このような情報操作装置10を有する情報処理システム1は、例えば、車外の景色を撮像するカメラの撮像画像を表示する車外監視システムに適用することができる。この車外監視ステムにおいて、監視装置としての情報処理装置20aは、カメラ入力切替部25と、倍率変換部26とで構成されている。カメラ入力切替部25は、車両の前後左右および各四隅に配置された8台のカメラ24A〜24Hから入力される画像を選択的に切り替えて、表示装置30に表示する。倍率変換部26は、カメラ入力切替部25によって選択されたカメラ24A〜24Hの撮像画像の縮尺倍率(或いは、画角)を調整して表示装置30に表示する。
【0041】
このような車外監視システムにおいて、情報操作装置10の回転操作部110から出力される回転操作信号は、表示装置30に表示させるカメラ24A〜24Hの画像の縮尺倍率(或いは、画角)を調整させる信号に割り当てられており、操作者は、回転操作子111の正反する回転操作によって2方向への倍率操作(すなわち、拡大操作および縮小操作)を行う。また、多方向移動操作部120から出力されるスライド操作信号は、表示装置30に表示させるカメラ24A〜24Hを選択的に切り替える信号に割り当てられており、操作者は、パームレスト部130に表記されている自車両のシンボルマークの向きを参照した多方向移動操作子121のスライド操作によって、操作と対応する方向に存在するカメラ24A〜24Hの選択操作を行う。押圧操作部140から出力される押圧操作信号は、各種メニューまたは選択画面における決定操作を司る信号に割り当てられており、操作者は、キートップ142の押圧操作によって決定操作を行う。
【0042】
回転操作子111の回転量に対応する回転エンコーダー112の出力は、インターフェース回路23によって変換され、提示するカメラ画像の縮尺倍率(或いは、画角)を制御する信号として制御部21に入力される。また、多方向移動操作部120の移動方向に対応する2次元エンコーダー122の出力は、インターフェース回路23によって変換され、提示するカメラ24A〜24Hの切り替えを制御する信号として制御部21に入力される。また、スイッチユニット141の出力は、インターフェース回路23によって変換され、各種の選択を決定する信号として制御部21に入力される。
【0043】
制御部21は、多方向移動操作子121の操作に応じて、表示対象となるカメラ24A〜24Hの入力を選択的に切り替え、また、回転操作子111の操作に応じて、提示するカメラ画像の縮尺を決定する。例えば、制御部21は、カメラ24A〜24Hの選択を制御する操作信号が入力された場合には、現在入力されているカメラ24A〜24Hから、指定された方向に存在するカメラ24A〜24Hにその入力を切り替え、これを表示装置30に表示させる。また、縮尺倍率(或いは、画角)を制御する操作信号が入力された場合には、制御部21は、カメラ24A〜24Hからの画像を指定された縮尺倍率(或いは、画角)で表示装置30に表示させるといった如くである。
【0044】
このように本実施形態によれば、情報操作装置10は、多方向移動操作部120の多方向移動操作子121と、回転操作部110の回転操作子111と、パームレスト部130とを同一軸線上に積層的に配置している。この場合、パームレスト部130は、操作パネル150を基準として、回転操作子111および多方向移動操作子121よりも前面に配置されている。これにより、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0045】
また、このような情報操作装置10によって操作される情報処理装置20としては、それぞれが撮像方向をオフセットして配置された複数のカメラからの撮像画像を選択的に切り替えて表示装置に表示させる監視装置を適用することができる。この場合、多方向移動操作部120から出力されるスライド操作信号は、表示装置30に撮像画像を表示するカメラ24A〜24Hを選択する信号に割り当てられ、回転操作部110から出力される回転操作信号は、表示装置30に表示する撮像画像の縮尺倍率または画角を調整する信号に割り当てられる。このため、操作者は、パームレスト部130に掌(或いは、指)を載せたまま、表示される撮像画像の縮尺調整を行う多方向移動操作子121の操作と、撮像画像を出力するカメラ24A〜24Hの切り替えを行う回転操作子111の操作とを容易に連続して行うことができる。これにより車外を監視するカメラ切り替えにともなう操作性の向上を図ることができる。
【0046】
また、本実施形態では、多方向移動操作部120の多方向移動操作子121は、回転操作部110の回転操作子111よりも操作パネル150側に配置されている。換言すれば、回転操作子111は、多方向移動操作子121よりもパームレスト部130側に配置されている。このような監視装置では、一旦カメラを切り替えてしまった後は、縮尺倍率(或いは、画角)を調整する操作が頻繁に行われることが想定されるが、この操作頻度の高い回転操作子111をパームレスト部130側に設けることにより、使用形態に応じて最適な操作をするこが可能となり、操作性の向上を図ることができる。
【0047】
さらに、パームレスト部130に、自車両を模擬したシンボルマークが、視覚または触覚によって認識可能に表記されている。そのため、シンボルマークに対する多方向移動操作子121のスライド方向と、各カメラの取付位置との対応付けを予め行っておくことを前提に、操作者が操作方法を容易に理解することができる。
【0048】
(第3の実施形態)
図10は、第3の実施形態に係る情報操作装置10の内部構造を説明する断面図である。この第3の実施形態に係る情報操作装置10が、第1の実施形態のそれと相違する点は、回転操作部160が追加されていることである(なお、便宜上、図3に示す回転操作部110を「第1の回転操作部110」といい、追加された回転操作部160を「第2の回転操作部160」という)。
【0049】
この情報操作装置10において、第1の回転操作部110(具体的には、その操作要素である第1の回転操作子111)と、多方向移動操作部120(具体的には、その操作要素である多方向移動操作子121)と、パームレスト部130と、第2の回転操作部160(具体的には、その操作要素である多方向移動操作子121)とは、回転操作部110の回転軸の軸線上に積層的に配置されており、操作パネル150側から、第1の回転操作部110、多方向移動操作部120、第2の回転操作部160、パームレスト部130の順番に並んでいる。換言すれば、第2の回転操作部160は、第1の回転操作部110の回転軸上において、多方向移動操作部120とパームレスト部130との間に配置されている。
【0050】
この第2の回転操作部160の基本構成は、第1の回転操作部110のそれと同じであり、第2の回転操作子161と、第2の回転エンコーダー162に主体に構成されている。第2の回転操作子161は、円筒と、その縁部が外部に向かって突出した円状の平板とが組み合わされてフランジ形状を有する部材であり、第1の回転操作子111の回転軸を中心に、回転自在に支持されている。第2の回転操作子161には、円筒部分の内部に内筒163が嵌合されており、内筒163は、第2の回転操作子161が操作者によって回転操作された場合、第2の回転操作子161と一体的に回転する。この内筒163の回転量は、第1の回転操作部110の回転エンコーダー112の内径部分に配置された第2の回転エンコーダー162によって検出される。第2の回転エンコーダー162からの出力は、電子回路(図示せず)によって回転操作量に応じた信号(回転操作信号)に変換され、情報処理装置20に出力される。なお、第2の回転操作部160の追加以外については、第1の実施形態と同一の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0051】
図11は、カーナビゲーションシステムを示す全体構成図である。このような情報操作装置10を有する情報処理システム1は、第1の実施形態と同様、ナビゲーション情報を提供するカーナビゲーションシステムに適用されている。ナビゲーション装置である情報処理装置20bは、経路情報を含む地図情報を表示装置30に表示する。一般に、カーナビゲーションシステムでは、設置スペースに制限があるため、タイプライター型のキーボードを装備することが難しい。そのため、表示画面上に50音のひらがなやアルファベット等の選択肢をテーブル状に配置した擬似的なキーボード(選択肢テーブル)を構成し、カーソル操作によって選択肢を選ぶことによって文字列を入力し、選択した文字列から生成される複数の変換候補の中から目的とする語彙を探して入力作業を実施させている。
【0052】
文字入力によってナビゲーションの目的地を設定する本実施形態において、情報処理装置20bは、文字入力ユニット27と、目的地誘導部28と、目的地設定部29とで構成される。文字入力ユニット27は、目的地を表す語彙を入力させる。目的地設定部29は、入力された語彙に基づいて、その目的地の緯度経度情報に変換する。目的地誘導部28は、目的地の緯度経度情報に基づいて、目的地までの走行経路を算出し、これを表示装置30に表示させる。
【0053】
このようなナビゲーションシステムにおいて、情報操作装置10の第1の回転操作部110から出力される回転操作信号は、英数字入力、ローマ字入力、ひらがな入力などといった各種の入力モードを切り替える信号に割り当てられている。操作者は、回転操作子111の正反する回転操作によって入力モードの選択操作を行う。例えば、回転操作子111を時計回りに回転させると、英数字入力、ローマ字入力、ひらがな入力といった順序で入力モードが切り替わり、これを反時計回りに回転させると、入力モードが逆の順序で入れ替わるといった如くである。多方向移動操作部120から出力されるスライド操作信号は、それぞれが異なる文字群がマトリクス状に配列されたテーブル(選択肢テーブル)において、特定の文字を指定するカーソルを移動させる信号に割り当てられている。操作者は、表示装置30に表示される選択肢テーブルを参照し、多方向移動操作子121のスライド操作と対応する方向に存在する文字へのカーソルの移動操作を行う。第2の回転操作部160から出力される回転操作信号は、語彙候補のリストにおいて特定の語彙を選択する信号に割り当てられている。操作者は、表示装置30に表示される語彙候補のリストを参照し、第2の回転操作子161の回転操作によって語彙候補のリストの中から特定の語彙の選択操作を行う。押圧操作部140は、各種の選択メニューにおける決定機能が割り当てられており、キートップ142のプッシュ操作によって、選択肢テーブル上のカーソルで指定する文字の決定操作、或いは、語彙候補のリストで選択された語彙の決定操作といった各種の決定操作が可能となっている。
【0054】
第1の回転操作子111の回転量に対応する第1の回転エンコーダー112の出力は、インターフェース回路23によって変換され、入力モードの切り替えを制御する信号として選択テーブル切替部27Aに入力される。また、多方向移動操作子121の移動量に対応する2次元エンコーダー122の出力は、インターフェース回路23によって変換され、選択肢テーブル上のカーソル位置を制御する信号としてテーブル操作処理部27Bに入力される。第2の回転操作子161の回転量に対応する第2の回転エンコーダー162の出力は、インターフェース回路23によって変換され、提示されている語彙候補の切り替えを制御する信号として変換候補算出部27Cに入力される。また、スイッチユニット141の出力は、インターフェース回路23によって変換され、各種の選択を決定する操作信号として、文字入力ユニット27に入力される。
【0055】
選択テーブル切替部27Aは、第1の回転操作子111の操作に応じて、操作者によって指定された入力モードをテーブル操作処理部27Bに対して出力する。テーブル操作処理部27Bは、英数字入力、ローマ字入力、ひらがな入力などといった各種の入力モードに対応した選択肢テーブルを備えており、入力モードに対応した選択肢テーブルを表示装置30に表示させる。そして、テーブル操作処理部27Bは、多方向移動操作子121の操作に応じて、選択肢テーブル上でカーソルを移動させ、キートップ142のプッシュ操作に応じて、選択肢テーブル上のカーソル位置に該当する文字を入力文字として特定する。テーブル操作処理部27Bは、入力された文字列(或いは、文字)を変換候補算出部27Cに対して出力する。変換候補算出部27Cは、様々なパターンの語彙群を備えており、入力された文字列(或いは、文字)に対応した語彙候補のリストを表示装置30に表示させる。変換候補算出部27Cは、第2の回転操作子161の操作に応じて、語彙候補のリストの中から語彙候補を順次表示させ、キートップ142のプッシュ操作に応じて、該当する語彙候補を入力語彙として特定する。変換候補算出部27Cは、決定された語彙を目的地設定部29に対して出力する。これらの一連の入力操作が行われると、目的地誘導部28および目的地設定部29は、入力語彙に対応する目的地までの走行経路を算出し、これを表示装置30に表示させる。
【0056】
このように本実施形態によれば、情報操作装置10は、第1の回転操作部110の第1の回転操作子111と、多方向移動操作部120の多方向移動操作子121と、第2の回転操作部160の第2の回転操作子161と、パームレスト部130とを同一軸線上に積層的に配置している。この場合、パームレスト部130は、操作パネル150を基準として、第1の回転操作子111、多方向移動操作子121および第2の回転操作子161よりも前面に配置されている。そのため、操作者は、パームレスト部130上に掌(或いは、指)を固定した状態で、指先の簡単な動きによって、第1の回転操作子111、多方向移動操作子121または第2の回転操作子161を操作することができる。これにより、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0057】
また、このような情報操作装置10によって操作される情報処理装置20bとして、目的地までの経路を含む地図情報を表示装置30に表示させるカーナビゲーション装置が適用されている。この場合、第1の回転操作部110から出力される回転操作信号は、入力モードを切り替える信号に割り当てられ、多方向移動操作部120から出力されるスライド操作信号は、それぞれが異なる文字群がマトリクス状に配列された選択肢テーブルにおいて特定の文字を指し示すカーソルを移動させる信号に割り当てられ、第2の回転操作部160から出力される回転操作信号は、語彙候補のリストにおいて特定の語彙を選択する信号に割り当てられる。これにより、入力モードの切り替え、選択肢テーブルを使った文字の入力、変換候補の選択といった一連の入力操作を一箇所で集約的に行うことができる。これにより、操作性の向上を図ることができる。
【0058】
さらに、本実施形態では、第2の回転操作部160は、第1の回転操作部110の回転軸上において、多方向移動操作部120とパームレスト部130との間に配置されている。そのため、操作者から見て奥側から、入力モード切替、カーソルによる文字選択、変換候補選択といったように、一連の作業手順に則って操作部110,120,160が配置されており、使用形態に応じて最適な操作形態を実現するこが可能となる。これにより、操作方法の理解が容易となり、操作性の向上を図ることができる。
【0059】
上述した第1から第3の実施形態は、本発明の特徴の一つを個別の実施形態でそれぞれ説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、第3の回転操作部を追加する、或いは、第2の多方向移動操作部を追加するといったように、本発明の範囲内において適宜の変更は可能である。また、各実施形態では、車載用の情報処理システム1を前提として説明したが、この情報操作装置10は、航空機、船舶、各種の車両といったように、振動や揺動を伴う環境下において好適に用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に係る情報処理システム1の全体構成を示すブロック構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る情報操作装置10の概略斜視図である。
【図3】第1の実施形態に係る情報操作装置10の内部構造を説明する断面図である。
【図4】2次元エンコーダー122の具体的な構成を示す説明図である。
【図5】操作者による情報操作装置10の操作説明図である。
【図6】操作者による情報操作装置10の操作説明図である。
【図7】カーナビゲーションシステムを示す全体構成図である。
【図8】第2の実施形態に係る情報操作装置10の内部構造を説明する断面図である。
【図9】車外監視システムを示す全体構成図である。
【図10】第3の実施形態に係る情報操作装置10の内部構造を説明する断面図である。
【図11】カーナビゲーションシステムを示す全体構成図である。
【符号の説明】
【0061】
1 車両情報システム
10 情報操作装置
110 回転操作部(第1の回転操作部)
111 回転操作子(第1の回転操作子)
112 回転エンコーダー(第1の回転エンコーダー)
120 多方向移動操作部
121 多方向移動操作子
122 2次元エンコーダー
130 パームレスト部
140 押圧操作部
141 スイッチユニット
142 キートップ
150 操作パネル
160 第2の回転操作部
161 第2の回転操作子
162 第2の回転エンコーダー
20 情報処理装置
30 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を操作する情報操作装置において、
各種の操作子が配置される操作パネルと、
回転自在に支持された第1の回転操作子を備え、当該第1の回転操作子の回転量に応じた回転操作信号を出力する第1の回転操作手段と、
前記第1の回転操作子の回転軸と直交する平面内において移動可能に支持された多方向移動操作子を備え、当該多方向移動操作子の移動方向に応じたスライド操作信号を出力する多方向移動操作手段と、
操作者の操作手が載せられるパームレスト手段とを有し、
前記第1の回転操作子と、前記多方向移動操作子と、前記パームレスト手段とは、前記第1の回転操作子の回転軸の軸線上に積層的に配置されており、
前記パームレスト手段は、前記操作パネルを基準として、前記第1の回転操作子および前記多方向移動操作子よりも前面に配置されていることを特徴とする情報操作装置。
【請求項2】
前記第1の回転操作子は、前記多方向移動操作子よりも前記操作パネル側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載された情報操作装置。
【請求項3】
前記多方向移動操作子は、前記第1の回転操作子よりも前記操作パネル側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載された情報操作装置。
【請求項4】
前記第1の回転操作子の回転軸を中心に回転自在に支持された第2の回転操作子を備え、当該第2の回転操作子の回転量に応じた回転操作信号を出力する第2の回転操作手段をさらに有し、
前記第2の回転操作子は、前記第1の回転操作子の回転軸の軸線上において、前記多方向移動操作子と前記パームレスト手段との間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載された情報操作装置。
【請求項5】
前記パームレスト手段は、前記第1の回転操作子の回転軸を中心とした円形状または多角形状の平板より構成されており、
前記多方向移動操作子は、前記第1の回転操作子の回転軸を中心とした円形状または多角形状の平板より構成され、前記パームレスト手段の外形寸法よりも大きい外形寸法を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された情報操作装置。
【請求項6】
前記多方向移動操作子は、前記第1の回転操作子の回転軸を中心に、予め定められた複数の方向へ移動可能であり、
前記多方向移動操作手段は、前記多方向移動操作子の移動方向を検出する、接点式、接触抵抗可変式、光学式または静電容量式の2次元位置検出手段をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された情報操作装置。
【請求項7】
前記パームレスト手段の上部中央に設けられた押圧操作子を備え、当該押圧操作子の押圧操作に応じて押圧操作信号を出力する押圧操作手段をさらに有し、
前記押圧操作手段から出力される押圧操作信号は、決定操作を司る信号に割り当てられることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された情報操作装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、地図情報を表示装置に表示させるカーナビゲーション装置であり、
前記第1の回転操作手段から出力される回転操作信号は、前記表示装置に表示される地図情報の縮尺倍率を調整する信号に割り当てられ、
前記多方向移動操作手段から出力されるスライド操作信号は、前記表示装置に表示される地図情報をスクロールさせる信号に割り当てられることを特徴とする請求項1または2に記載された情報操作装置。
【請求項9】
前記情報処理装置は、それぞれが撮像方向をオフセットして配置された複数のカメラからの撮像画像を選択的に切り替えて表示装置に表示させる監視装置であり、
前記多方向移動操作手段から出力されるスライド操作信号は、前記表示装置に撮像画像を表示するカメラを選択する信号に割り当てられ、
前記第1の回転操作手段から出力される回転操作信号は、前記表示装置に表示する撮像画像の縮尺倍率または画角を調整する信号に割り当てられることを特徴とする請求項1または3に記載された情報操作装置。
【請求項10】
前記情報処理装置は、入力語彙に対応する目的地までの経路を含む地図情報を表示装置に表示させるカーナビゲーション装置であり、
前記第1の回転操作手段から出力される回転操作信号は、入力モードを切り替える信号に割り当てられ、
前記多方向移動操作手段から出力されるスライド操作信号は、それぞれが異なる文字群がマトリクス状に配列されたテーブルにおいて特定の文字を指し示すカーソルを移動させる信号に割り当てられ、
前記第2の回転操作手段から出力される回転操作信号は、語彙候補のリストの中から特定の語彙を選択する信号に割り当てられることを特徴とする請求項4に記載された情報操作装置。
【請求項11】
前記パームレスト手段は、自車両を模擬したシンボルマークが、視覚または触覚によって認識可能に表記されていることを特徴とする請求項8から10のいずれか一項に記載された情報操作装置。
【請求項12】
回転自在に支持された第1の回転操作子と、第1の回転操作子の回転軸と直交する平面内において移動可能に支持された多方向移動操作子と、操作者の操作手が載せられるパームレスト手段とが、前記第1の回転操作子の回転軸の軸線上に積層的に配置されるとともに、前記第1の回転操作子および前記多方向移動操作子よりも前面に前記パームレスト手段配が配置されていることを特徴とする情報操作装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−293601(P2006−293601A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−112047(P2005−112047)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】