説明

情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システム

【課題】 従業員の属性情報に変更が生じた場合、変更された属性情報を情報記憶媒体に記憶させる情報記憶媒体に記憶する認証用情報書換システムを提供する。
【解決手段】 入口用情報記憶媒体読取書込装置は、情報記憶媒体からID情報を読み取る手段と、ID情報をサーバ装置に送信する手段と、情報記憶媒体に、属性情報を書き込む手段とを有し、サーバ装置は、ID情報と属性情報とが関係付けられているデータベースと、入口用情報記憶媒体読取書込装置から受信したID情報と関係付けられている属性情報とを照合する手段とを有し、サーバ装置はID情報を照合し、さらに情報記憶媒体に記憶された属性情報を書換える必要があると判断した場合には、エリア内の入場を許可すると共に、記憶媒体の属性情報の書換えを行い、設備機器で、情報記憶媒体から読み取った属性情報での照合処理で使用可能と判断した場合は、該設備機器の使用を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記憶媒体の所有者である従業員の職務又は職責が変更された場合でも、変更された新たな職務又は職責に関する属性情報が記憶された情報記憶媒体を用いて、直ぐにその後の照合処理が行えるようにした情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会社などの組織において、その従業員に対して社員証としてICカードなどの情報記憶媒体を発行し、従業員が会社の敷地や建物へ入場する時に、情報記憶媒体に記憶された認証用情報を利用して本人認証を行ない、認証が受けられた場合に入場可能な状態にしたり、また、従業員が、建物内に備えられた設備や装置の使用をする際にも、情報記憶媒体に記憶された認証用情報を読取装置で読み取って、本人認証を行なうことで、認証が受けられた場合に使用可能な状態に切り替えるようにするなどのセキュリティシステムが普及し、既に知られている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
例えば、建物内の部屋や敷地の入口に、電子錠を備えた扉やゲートを設けて、所定の位置に設けたICカードリーダの挿入部にICカードを挿入したり(接触型ICカードの場合)、近接させたりして(非接触型ICカードの場合)、ICカードに記憶されている認証用情報の読み取りを行い、認証処理をして、認証された場合に電子錠の解錠を行なったり、ゲートの扉を開くなどして通行可能な状態にするシステムは既に普及し知られている。
【0004】
また、キャビネット、金庫、ロッカー等の収納設備に関し、その収納設備に収納された収納物の出し入れの管理を行い、内部の者により重要データなどの収納物の不正な持ち出しなどの犯罪行為を防止する仕組みについても既に公開されている。(例えば、特許文献2参照)
【0005】
【特許文献1】特開2005−100033号公報
【特許文献2】特開2007−9616号公報
【0006】
例えば、使用管理システムの例として、人事情報などの重要資料が保管されているキャビネットを例に挙げると、そのキャビネットの使用について、部長以上の管理職だけが、そのキャビネットの扉を開けて資料の出し入れを行えるようにしたい場合に、ICカードの記憶手段に認証用情報として職務や職責に関する属性情報を記憶させておき、キャビネットの扉に備えられた電子錠のICカードリーダが、ICカードから部長又はそれ以上の職務や職責を示す属性情報を読み取った場合にだけ、電子錠を解錠させるようにシステム化すれば、たとえ従業員であっても、個々の従業員毎に使用可能な設備や装置を限定するようにしたシステムも容易に実施できる。
【0007】
しかしながら、上記のようにICカードの記憶手段に従業員の職務又は職責に関する属性情報を記憶させておき、この属性情報を認証用情報として用いる場合において、従業員が人事異動により職務又は職責の変更があった際に、ICカードに記憶されている属性情報の書換えや変更処理などに時間や手間がかかっていた。
例えば、従業員が人事異動により職務又は職責の変更があった場合の処理としては、異動のあった従業員からICカードを一旦回収した後にパソコンやリーダライタを用いて、人事情報データベースの登録情報に基づいて、ICカードに新しい属性情報を書き込んだり、書き換えたり、消去したりする処理を行わなければならず、更新作業に時間がかかるなどしてICカードを直ぐに使用できなかったり、更新作業の手間がかかるなどの不便が生じるという問題がある。
【0008】
また、上記の特許文献2には、オフィス収納家具にICカード読み取り装置と、施錠装置と、施錠装置を制御する制御装置とを備え、ICカード読み取り装置でICカードから読み取った利用者の情報をネットワークに送信して、ネットワークから受信した指令に基づいて施錠装置を解錠させる仕組みが記載されている。
しかしながら、このような仕組みは、データベース情報を利用するためにネットワークに接続しなければならず、ネットワーク利用のコストがかかり、また、設備上の費用もかかるなどの問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、人事異動などで、社員証などの情報記憶媒体に記憶されている認証用情報として、従業員の職務又は職責に関する属性情報に変更が生じた場合でも、時間や手間をかけることなく、変更された新たな職務又は職責に関する属性情報を、情報記憶媒体に記憶させることができるようにして、その後の照合処理に支障が生じないようにすると共に、また、情報記憶媒体に記憶されている認証用情報である属性情報を読み取り、施錠を解錠させる装置が備えられた設備機器についても、ネットワークを利用ないでも単体で照合処理を行えるようにして、ネットワーク利用のコストをかけることなく、また、安い設備費用で認証処理を行えるようにした認証用情報書換システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムは、特定の管理エリア内に、情報記憶媒体から読み取った情報に基づく照合処理で一致した場合にだけ使用可能とする機能を有する設備機器が備えられている場合に、前記情報記憶媒体の所有者である従業員の職務又は職責が変更されても、変更された新たな職務又は職責に関する属性情報を情報記憶媒体に記憶させて照合処理が行えるようにした情報記憶媒体の記憶情報書換システムであって、従業員を特定可能なID情報が記憶された記憶手段を有する情報記憶媒体と、前記特定の管理エリアの入口側に備えられた入口用の情報記憶媒体読取書込装置と、 前記入口用の情報記憶媒体読取書込装置と通信可能に接続されたサーバ装置とからなり、 前記入口用の情報記憶媒体読取書込装置は、前記情報記憶媒体に記憶されたID情報を読み取る手段と、読み取ったID情報を前記サーバ装置に送信する手段と、前記情報記憶媒体の記憶手段に、サーバ装置から受信した前記属性情報を書き込む手段とを有し、前記サーバ装置は、従業員のID情報と前記属性情報とが関係付けられて登録されているデータベースと、前記入口用の情報記憶媒体読取書込装置から受信したID情報と該ID情報と関係付けられて登録されている前記属性情報とを照合処理する照合手段とを有し、前記サーバ装置は前記照合手段で前記ID情報を照合し、さらに前記属性情報を照合した場合に、前記情報記憶媒体に記憶された属性情報を書換える必要があると判断した場合には、前記エリア内の入場を許可すると共に、前記情報記憶媒体に記載された属性情報の書換えを行い、前記設備機器において、前記情報記憶媒体から読み取った前記属性情報に基づく照合処理で使用可能と判断した場合は、該設備機器の使用を可能とすることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムは、前記設備が、物品を収納するための収納体であり、前記収納体に、該収納体の使用を可能な状態に切り替える機能として、収納体の開閉扉の施錠/解錠を管理する電子錠装置が備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
したがって、本発明の情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムは、従業員が特定の管理エリア内に入る際に、情報記憶媒体に記憶されたID情報を入口用の情報記憶媒体読取書込装置で読み取らせて、認証を受けようとするときに、入口用の情報記憶媒体読取書込装置から情報記憶媒体に対して、職務又は職責に関する属性情報の書き込みが行われるので、人事異動などで、社員証などの情報記憶媒体に記憶されている認証用情報として、従業員の職務又は職責に関する属性情報に変更が生じた場合でも、時間や手間をかけることなく、変更された新たな職務又は職責に関する属性情報を情報記憶媒体に記憶させることができ、情報記憶媒体を用いたセキュリティ管理を最新の認証用情報を使用して行えるという効果があり、更に、情報記憶媒体に記憶されている認証用情報である属性情報を読み取り、施錠を解錠させる装置が備えられた設備機器についても、ネットワークを利用ないでも単体で照合処理を行えるようにして、ネットワーク利用のコストをかけることなく、また、安い設備費用で認証処理を行えるという効果がある。
【0013】
また、本発明の情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムは、設備が、物品を収納するための収納体であり、その収納体に、該収納体の使用を可能な状態に切り替える機能として、電子錠装置が備えられているので、収納体内に保管された物品について、情報記憶媒体を用いたセキュリティ管理を最新の認証用情報を使用して行えるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムについて、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムのの概要を説明する図、図2は、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムのシステムブロック図、図3は、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムにおいて、サーバ装置のデータベースに登録されている情報を示す図、図4は、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムにおいて、キャビネットに備えられた電子錠装置と情報記憶媒体との関係を示すブロック図、図5は、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムの入場時の処理手順を示すフローチャート図、図6は、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムのキャビネット解錠時の処理手順を示すフローチャート図、図7は、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムの退場時の処理手順を示すフローチャート図である。
【0015】
まず、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムの概要を、図1に基づいて説明する。
本発明の実施形態の説明では、特定の管理エリアを、電子施錠装置により施錠状態が管理されたドアが出入口に備えられた部屋をその管理エリアとして説明し、また、その部屋内に備えられた設備又は装置として、特定の権限を有する従業員だけが使用できるキャビネットを使用する場合を例に挙げて、以下に説明する。
【0016】
例えば、ある会社組織が使用している建物内には、入退室を行う際に予め特定された情報に基づく認証処理により認証が受けられた場合にだけ入室できるように管理された入退室管理がされた部屋1が設けられている。
この部屋1の出入口に備えられたドア2には、そのドア2の施錠状態を制御する電子錠装置3が備えられている。
この電子錠装置3は、通常の状態においては施錠状態となっていて、入室権限を有さない者が不正に入室できないようにセキュリティ管理が施されている。
そして、この部屋1に入室する権限を有している従業員4には、予め社員証として情報記憶媒体である非接触ICカード5が会社側から発行され、従業員4は、会社内において非接触ICカード5を常時携帯して、会社内において本人認証が必要な場合に、その非接触ICカード5に記憶されている情報を読み取らせて認証処理を行うように構成されている。
【0017】
この非接触ICカード5には、予め従業員を特定可能なID情報であるIDコードが記憶されている。
このIDコードは、従業員の人事管理を行う際に用いられる社員番号などを用いることが好ましい。
更に、非接触ICカード5の記憶手段には、従業員毎の職務又は職責に関する属性情報を記憶する記憶エリアを有しており、各社員が会社内においてどのような立場におかれているのかがわかるように記憶されている。
この職務又は職責に関する属性情報とは、会社毎に定められている役職、例えば、係長、課長、部長、本部長、リーダー、などであり、通常、高い役職の従業員ほど会社内において、秘密性の高い情報を取り扱うことができたり、種々の権限を有している場合が一般的である。
そして、これらの職務又は職責に関する属性情報は、情報処理が効率的に行えるようにするために、コード化されて非接触ICカード5の記憶手段に記憶される。
したがって、ここでは、職務又は職責に関する属性情報を、職務/職責コードとした場合について説明する。
【0018】
また、ドア2の入口側には、情報記憶媒体読取書込装置である入口側ICカードリーダライタ6が備えられ、また、ドア2の出口側には、情報記憶媒体読取書込装置である出口側ICカードリーダライタ7が備えられている。
入口側ICカードリーダライタ6は、入室しようとする従業員が非接触ICカード5を近づけることで、非接触ICカード5からIDコードの読み取りを行い、そのIDコードをサーバ装置8に送信して、更に、サーバ装置8から受信した職務/職責コードを非接触ICカード5の記憶手段に書き込んで記憶させる機能を有している。
【0019】
また、出口側ICカードリーダライタ7は、退室しようとする従業員が非接触ICカード5を近づけることで、非接触ICカード5からIDコードの読み取りを行い、そのIDコードをサーバ装置8に送信して、更に、その従業員の非接触ICカード5に記憶されている職務/職責コードを消去させることを指示する消去指示信号を送信することで、非接触ICカード5の記憶手段から職務/職責コードを消去させる機能を有している。
このように、従業員は、入室時に非接触ICカード5の記憶手段に最新の職務/職責コードを書き込んで記憶させることができるので、その部屋内において、非接触ICカード5に記憶された職務/職責コードを用いた認証処理を行う場合でも、最新の職務/職責コードを利用できるようにシステム化されている。
つまり、人事異動などで、従業員の職務又は職責の変更があり、部屋内に備えられた設備又は装置を使用できない立場になったり、また逆に、課長から部長に昇進して立場が高くなり、部屋内に備えられた設備又は装置を使用できる立場に変更された場合でも、直ぐにその変更後の職務又は職責に応じた設備又は装置の使用状態に適応できるようにしてある。
【0020】
例えば、図1においては、部屋1内に設置された設備又は装置として、キャビネット9が備えられているが、このキャビネット9の施錠を解錠する権限が部長以上の役職の従業員に与えられているとすると、非接触ICカード5から読み取った職務/職責コードが部長以上の役職を示す場合にだけ、解錠してキャビネット9の扉を開けられるようにしてある。
この場合でも、人事異動などで、課長が部長に昇進したり、また、他の部署から異動で新しく昇進して来た部長であっても、入室時に非接触ICカード5に最新の職務/職責コードが書き込まれて記憶手段に記憶させることができるので、直ぐにこのキャビネット9を開けて、内部に収納されている重要書類を見ることができるようにしてある。
【0021】
次に、入口側ICカードリーダライタ6と、出口側ICカードリーダライタ7と、電子錠装置3とは、通信線11を介してサーバ装置8に通信可能に接続されている。
サーバ装置8は、入口側ICカードリーダライタ6に対して、職務/職責コードの送信を行ない、また、入口側ICカードリーダライタ6や出口側ICカードリーダライタ7から受信したIDコードが適切に認証された場合には、電子錠装置3に対して、解錠指示信号を送信して、ドア2の施錠を解錠させて、従業員4の入室や退室ができるようにしている。
【0022】
また、その部屋内に備えられた設備又は装置である、特定の権限を有する従業員だけが使用できるキャビネット9には、キャビネット9の扉を開ける際に機能するキャビネット電子錠装置10が備えられている。
キャビネット電子錠装置10は、従業員が所持する非接触ICカード5に記憶された職務/職責コードを読み取って、その職務/職責コードが扉を開ける権限を有するコードである場合にだけ解錠させて、扉を開けることを可能にする機能を有している。
図1には、キャビネット9だけが備えられているが、その他として、金庫、キャビネット、ロッカーなどの設備や、パソコン、プリンタ、などの電子装置などを設置させて、それらの設備や装置についても、従業員が所持する非接触ICカード5に記憶された職務/職責コードを読み取って、その職務/職責コードがそれらの設備や装置の使用権限を有するコードである場合にだけ使用可能な状態にしてもよく、本発明は、設備や装置としてキャビネット9だけに限定されるものではない。
【0023】
次に、図2に基づいて、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムのシステム構成について詳細に説明する。
従業員4が所持する非接触ICカード5には、記憶手段12、制御手段13、送受信手段14などが備えられている。
記憶手段12には、ID情報であるIDコード15が予め記憶され、更に、職務/職責コードなどの属性情報である職務/職責コード16が必要に応じて書き込まれて記憶される。
送受信手段14により、入口側ICカードリーダライタ6や出口側ICカードリーダライタ7との間で情報の送受信が行われる。
【0024】
次に、入口側ICカードリーダライタ6には、記憶手段17、制御手段18、送受信手段19、インターフェース(I/F)20などが備えられている。
記憶手段17には、必要な処理を行うための制御プログラムが搭載されている。
送受信手段19は、非接触ICカード5の送受信手段14との間で情報の送受信を行う。
インターフェース(I/F)20は、通信線11を介してサーバ装置8と通信を行う際に機能する。
記憶手段17に搭載されている制御プログラムにより、入口側ICカードリーダライタ6で非接触ICカード5からIDコードの読み取りが行われると、そのIDコードをI/F20からサーバ装置8に送信させ、また、サーバ装置8から職務/職責コードを受信した際に、非接触ICカード5にその職務/職責コードを送信させて、非接触ICカード5の記憶手段12に書き込ませる。
【0025】
また、出口側ICカードリーダライタ7にも、記憶手段21、制御手段22、送受信手段23、インターフェース(I/F)24などが備えられている。
記憶手段21には、必要な処理を行うための制御プログラムが搭載されている。
送受信手段23は、非接触ICカード5の送受信手段14との間で情報の送受信を行う。
インターフェース(I/F)24は、通信線11を介してサーバ装置8と通信を行う際に機能する。
記憶手段21に搭載されている制御プログラムにより、出口側ICカードリーダライタ7で非接触ICカード5からIDコードの読み取りが行われると、そのIDコードをI/F24からサーバ装置8に送信させる。
【0026】
つまり、ドア2の施錠を解錠させるためには、必ず非接触ICカード5に記憶されているIDコードに基づく認証を受ける必要があるために、出口側ICカードリーダライタ7に非接触ICカード5を近づけてIDコードを読み取らせる。
【0027】
次に、電子錠装置3には、ドア2をロック又はロックの解除を行う施錠/解錠手段25、制御手段26、インターフェース(I/F)27が備えられている。
電子錠装置3は、通常の状態にはドア2がロックされた状態を維持しているが、サーバ装置8から解錠指示信号を受信した場合にだけ、ドア2の施錠を解錠させて、従業員4の入室や退室ができるように制御される。
【0028】
また、サーバ装置8には、人事情報データベース28、照合手段29、属性情報抽出手段30、属性情報送信手段31、解錠指示信号送信手段32、記憶手段33、インターフェース(I/F)35どが備えられている。
人事情報データベース28には、図3に示されているように、従業員の人事情報として、例えば、従業員毎のIDコード36、氏名37、所属部署38、職務/職責39、職務/職責コード40、職務/職責情報書換フラグ46などが登録されている。
これらの情報は、人事異動などで従業員の所属部署や職務/職責などが変更された場合には、人事部員などが登録情報を随時更新して、常に最新の人事情報が登録されるようにしてある。
【0029】
サーバ装置8の照合手段29は、入口側ICカードリーダライタ6又は出口側ICカードリーダライタ7から、非接触ICカード5から読み取られたIDコードが送られてきた場合に、人事情報データベース28にその受信したIDコードが登録されているか否かを照合処理する機能を有する。
そして、解錠指示信号送信手段32は、IDコードに基づく照合処理で一致するIDコードが人事情報データベース28に登録されている場合には、従業員であることが認証され、電子錠装置3に対して、施錠を解錠させることを指示する解錠指示信号を送信させる機能を有する。
電子錠装置3は、サーバ装置8から解錠指示信号を受信することで、ドア2のロックを解錠させる。
【0030】
次に、サーバ装置8の属性情報抽出手段30は、IDコードに基づく照合処理で一致したIDコードが人事情報データベース28に登録されていた場合において、職務/職責情報書換フラグ46にフラグが立っている場合に、そのIDコードと関係付けられて登録されている属性情報である職務/職責コードを抽出させる機能を有する。
また、属性情報送信手段31は、その属性情報抽出手段30で抽出した属性情報である職務/職責コードを入口側ICカードリーダライタ6に送信させる機能を有する。
これにより、入口側ICカードリーダライタ6では、入室しようとする従業員4の非接触ICカード5に対して、入室時に職務/職責コードを書き込んで記憶させることができる。
上記の場合には、職務/職責情報書換フラグ46にフラグが立っているか否かによって、入口側ICカードリーダライタ6から非接触ICカード5に対して、入室時に職務/職責コードを書き込むか否かの判定を行うようにしてあるが、これに限らず、非接触ICカード5の記憶手段に記憶されている職務/職責情報と、データベース28に登録されている職務/職責情報である職務/職責コードを照合して、照合一致しない場合に、新しい職務/職責情報である職務/職責コードなどを非接触ICカード5の記憶手段に書き込むようにしてもよい。
【0031】
次に、部屋内に備えられているキャビネット9のキャビネット電子錠装置10と、非接触ICカード5とについて、図4に基づいて説明する。
キャビネット電子錠装置10には、記憶手段41、制御手段42、送受信手段43、照合手段44、施錠/解錠手段45などが備えられている。
記憶手段41には、このキャビネット9の扉を開けて利用することができる権限を有する職務/職責コードが予め記憶されている。
送受信手段43は、非接触ICカード5に記憶されている職務/職責コードを読み取る機能を有する。
【0032】
また、照合手段44は、非接触ICカード5から読み取った職務/職責コードと、記憶手段41に予め記憶されて職務/職責コードとを照合処理する機能を有する。
施錠/解錠手段45は、照合手段44で職務/職責コードによる照合が一致した場合に、扉のロックを解錠する機能を有する。
したがって、キャビネット9は、非接触ICカード5に所定の職務/職責コードが記憶されている従業員だけが使用できるように構成されている。
【0033】
次に、本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムの処理手順を、図5乃至図7に示すフローチャート図に基づいて説明する。
まず、図5に示すように、従業員4が部屋1に入る際に、非接触ICカード5を入口側ICカードリーダライタ6に近づけて、非接触ICカード5の記憶手段12に記憶されているIDコードを読み取らせる。(ステップS1)
入口側ICカードリーダライタ6は、読み取ったIDコードをサーバ装置8に送信する。(ステップS2)
サーバ装置8は、人事情報データベース28に登録されている従業員のIDコードと、受信したIDコードとを照合処理する。(ステップS3)
この照合処理で一致した場合には、更に、サーバ装置8は、人事情報データベース28の登録情報の中から、受信したIDコードと関係付けられて登録されている従業員の職務/職責に関する属性情報として職務/職責コードを抽出する。(ステップS4)
また、この照合処理で不一致の場合には、処理を終了する。
【0034】
その後、照合処理で一致した場合には、サーバ装置8から入口側ICカードリーダライタ6に対して、抽出されたその従業員の職務/職責コードを送信する。(ステップS5)
更に、サーバ装置8からドア電子錠装置3に対して、解錠を指示する解錠指示信号を送信する。(ステップS6)
属性情報である職務/職責コードを受信した入口側ICカードリーダライタ6は、非接触ICカード5に対してその職務/職責コードを送信して、非接触ICカード5の記憶手段12に記憶させる。(ステップS7)
また、職務/職責コードを受信したドア電子錠装置3は、ドア電子錠装置3のドアロックを解錠させる処理を行う。(ステップS8)
【0035】
これにより、従業員4は部屋1に入ることができる。
次に、図6に示すように、入室した従業員4が、キャビネット9を開ける場合に、キャビネット9に備えられているキャビネット電子錠装置10に非接触ICカード5を近づけて、非接触ICカード5の記憶手段12に記憶されている属性情報である職務/職責コードを読み取らせる。(ステップS9)
読み取られた職務/職責コードは、予め記憶されている照合用の属性情報である職務/職責コードと照合処理される。(ステップS10)
この照合処理で一致した場合には、電子錠が解錠されてキャビネットの扉を開けることができる。(ステップS11)
また、この照合処理で不一致の場合には、電子錠が施錠された状態のまま終了する。
【0036】
次に、次に、図7に示すように、従業員4が部屋1から退室する場合には、非接触ICカード5を出口側ICカードリーダライタ7に近づけて、非接触ICカード5の記憶手段12に記憶されているIDコードを読み取らせる。(ステップS12)
出口側ICカードリーダライタ7は、読み取ったIDコードをサーバ装置8に送信する。(ステップS13)
サーバ装置8は、人事情報データベース28に登録されている従業員のIDコードと、受信したIDコードとを照合処理する。(ステップS14)
この照合処理で一致した場合には、サーバ装置8からドア電子錠装置3に対して、解錠を指示する解錠指示信号を送信する。(ステップS15)
職務/職責コードを受信したドア電子錠装置3は、ドア電子錠装置3のドアロックを解錠させる処理を行う。(ステップS16)
【0037】
以上の処理により、従業員4は部屋1から退室することができ、また、従業員4の職務又は職責が人事異動などで変更された場合でも、その職務又は職責に応じて、室内に備えられているキャビネット9の利用を可能にしたり、又は、使用できない状態に切り替えることができるようにしてある。
【0038】
また、前記したように、本発明は、キャビネット9に限らず、金庫、キャビネット、ロッカーなどの設備や、パソコン、プリンタ、などの電子装置などについても、同様の仕組みにより、従業員4の職務又は職責が人事異動などで変更された場合でも、その職務又は職責に応じて、室内に備えられているそれらの設備や装置の利用を可能にしたり、又は、使用できない状態に切り替えることができるもので、広く適応することができる。
【0039】
また、上記実施形態の説明では、従業員が所持する情報記憶媒体として、非接触ICカード5を用いた場合について説明したが、非接触ICカードに限定されるものではなく、接触方式のICカード、携帯電話、その他の公知の情報を記憶する機能を有する媒体を広く用いることができるものである。
また、上記実施形態の説明では、特定の管理エリアとして、施錠管理されたドアが備えられた部屋を例に挙げて説明したが、特定の管理エリアは、これに限定されるものではなく、入場が開閉ゲートで管理された特定の場所や地域などでもよく、その開閉ゲートに情報記憶媒体の読取書込機能を備えるように構成してもよく、広く適応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムのの概要を説明する図である。
【図2】本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムのシステムブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムにおいて、サーバ装置のデータベースに登録されている情報を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムにおいて、キャビネットに備えられた電子錠装置と情報記憶媒体との関係を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムの入場時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図6】本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムのキャビネット解錠時の処理手順を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の実施形態に係る情報記憶媒体に記憶された認証用情報書換システムの退場時の処理手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0041】
1 部屋
2 ドア
3 電子錠装置
4 従業員
5 非接触ICカード
6 入口側ICカードリーダライタ
7 出口側ICカードリーダライタ
8 サーバ装置
9 キャビネット
10 キャビネット電子錠装置
12,17,21,41 記憶手段
13,18,22,26,42 制御手段
14,19,24,43 送受信手段
15 ID情報
16 属性情報
20,23 インターフェース(I/F)
25,45 施錠/解錠手段
28 人事情報データベース
29 照合手段
30 属性情報抽出手段
31 属性情報送信手段
32 解錠指示信号送信手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の管理エリア内に、情報記憶媒体から読み取った情報に基づく照合処理で一致した場合にだけ使用可能とする機能を有する設備機器が備えられている場合に、前記情報記憶媒体の所有者である従業員の職務又は職責が変更されても、変更された新たな職務又は職責に関する属性情報を情報記憶媒体に記憶させて照合処理が行えるようにした情報記憶媒体の記憶情報書換システムであって、
従業員を特定可能なID情報が記憶された記憶手段を有する情報記憶媒体と、
前記特定の管理エリアの入口側に備えられた入口用の情報記憶媒体読取書込装置と、
前記入口用の情報記憶媒体読取書込装置と通信可能に接続されたサーバ装置とからなり、
前記入口用の情報記憶媒体読取書込装置は、前記情報記憶媒体に記憶されたID情報を読み取る手段と、読み取ったID情報を前記サーバ装置に送信する手段と、前記情報記憶媒体の記憶手段に、サーバ装置から受信した前記属性情報を書き込む手段とを有し、
前記サーバ装置は、従業員のID情報と前記属性情報とが関係付けられて登録されているデータベースと、前記入口用の情報記憶媒体読取書込装置から受信したID情報と該ID情報と関係付けられて登録されている前記属性情報とを照合処理する照合手段とを有し、
前記サーバ装置は前記照合手段で前記ID情報を照合し、さらに前記属性情報を照合した場合に、前記情報記憶媒体に記憶された属性情報を書換える必要があると判断した場合には、前記エリア内の入場を許可すると共に、前記情報記憶媒体に記載された属性情報の書換えを行い、
前記設備機器において、前記情報記憶媒体から読み取った前記属性情報に基づく照合処理で使用可能と判断した場合は、該設備機器の使用を可能とすることを特徴とする情報記憶媒体の記憶情報書換システム。
【請求項2】
前記設備が、物品を収納するための収納体であり、前記収納体に、該収納体の使用を可能な状態に切り替える機能として、収納体の開閉扉の施錠/解錠を管理する電子錠装置が備えられていることを特徴とする請求項1記載の情報記憶媒体の記憶情報書換システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−191729(P2008−191729A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22532(P2007−22532)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】