説明

情報送信装置

【課題】経路探索の目的地設定を容易に行うことができ、しかも、その目的地設定の確実性と正確性が高いナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】このナビゲーションシステム2は、情報送信装置4とナビゲーション装置6の間で通信を行うシステムである。情報送信装置4は、ナビゲーション装置6による経路探索の目的地設定に用いる目的地位置情報を外部に送信する送信手段12を備えている。ナビゲーション装置6は、情報送信装置4が送信する目的地位置情報を受信する受信手段32と、受信手段32で受信される目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定する目的地設定手段38と、目的地設定手段38で設定された目的地と自己の現在地の間を結ぶ経路の探索を行う経路探索手段44を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムと、それを構成する情報送信装置とナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
(第1の従来技術) 近年の車載用ナビゲーション装置は、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)等を利用して車両の現在地から目的地までの経路探索を行う機能を備えたものが主流となってきている。この機能を備えたナビゲーション装置では、地図画面上の位置を指定して、あるいは、住所や電話番号等を入力することで、目的地を設定するのが通常である。
(第2の従来技術) 第1の従来技術よりも目的地設定を容易にしようとする技術として、特許文献1に記載の技術がある。この技術は、ホームページ等の画像中から特定の文字情報(住所、電話番号等)を抽出する処理を行い、その文字情報に対応する地図上の位置を特定し、その位置を経路探索の目的地に設定するものである。この技術では、文字情報としてテキスト形式の文字情報又はビットマップ形式の文字情報を抽出する例が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2001−255160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、第1の従来技術のようなナビゲーション装置であっても、搭乗者が肝心の目的地をナビゲーション装置の地図画面上で見つけることができなかったり、目的地の住所や電話番号等がわからなかったりすることで、経路探索機能を利用できない場合が比較的多かった。この場合は、搭乗者は結局自分で目的地までの経路を考えなければならなかった。また、目的地の住所や電話番号等がわかったとしても、それをナビゲーション装置に入力することは、搭乗者にとって負担の大きい面倒な作業であった。
このように、第1の従来技術によると、目的地設定を容易に行いにくいという問題があった。
【0005】
また、第2の従来技術の場合、住所や電話番号等の特定の文字情報を画面上から正確に抽出するのは困難な場合が少なくない。テキスト形式の文字情報にしても、ビットマップ形式の文字情報にしても、どの部分までが住所や電話番号等の特定の文字情報で、どの部分までがその他の情報かの判別を常に正確に行うのは難しい。このため、特定の文字情報を抽出できない場合や、抽出したとしても誤った情報を抽出してしまう場合が相当程度生じると考えられる。特に、ビットマップ形式の文字情報をOCR等の画像認識処理装置によって抽出する場合には、文字自体の誤認識が起こる可能性があり、特定の文字情報を抽出できない場合や誤った情報を抽出する割合がより高くなると考えられる。
特定の文字情報を抽出できない場合は、その文字情報を利用しては目的地を設定できない。よって、この場合、結局搭乗者自身で目的地までの経路を考えるか、あるいは搭乗者が目的地の住所や電話番号等を入力することになり、第1の従来技術における目的地設定が容易に行いにくいという問題点が解消されない。また、特定の文字情報が誤って抽出された場合は、誤った地点に目的地が設定されてしまう。この場合は、搭乗者は誤った地点に誘導されてしまう。
このように、第2の従来技術によると、目的地設定の確実性と正確性が低いという問題があった。
【0006】
本発明は、経路探索の目的地設定を容易に行うことができ、しかも、その目的地設定の確実性と正確性が高いナビゲーションシステム、情報送信装置、ナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のナビゲーションシステムは、情報送信装置とナビゲーション装置の間で通信を行うシステムである。情報送信装置は、ナビゲーション装置による経路探索の目的地設定に用いる目的地位置情報を外部に送信する送信手段を備えている(請求項1,2)。一方、ナビゲーション装置は、情報送信装置が送信する目的地位置情報を受信する受信手段と、受信手段で受信される目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定する目的地設定手段と、目的地設定手段で設定された目的地と自己の現在地の間を結ぶ経路の探索を行う経路探索手段を備えている(請求項1,6)。
【0008】
本発明によると、ナビゲーション装置の使用者は、目的地を設定する場合は、目的地設定手段を用いた設定行為によって、受信手段で受信される目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定できる。よって、ナビゲーション装置の使用者が、地図画面上の位置を指定して、あるいは、住所や電話番号等を入力することで経路探索の目的地を設定しなくてもよく、経路探索の目的地設定を容易に行うことができる。
また、本発明のナビゲーション装置は、情報送信装置から送信され、受信手段で受信される目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定するように構成されている。よって、ホームページ等の画像中から特定の文字情報(住所、電話番号等)を抽出する処理を行う場合のように、目的地が設定できなかったり、誤った地点に目的地が設定されるしまう可能性が非常に少ない。即ち、経路探索の目的地設定の確実性と正確性が非常に高い。
【0009】
ここで、「情報送信装置」としては、専用の装置の他、汎用の装置としては例えばパーソナルコンピュータや、サーバコンピュータや、携帯電話等の移動体通信端末等であってもよい。また、「ナビゲーション装置」としては、車載用のものに限られず、携帯電話等の移動体通信端末であってもよい。即ち、本発明にいうナビゲーション装置とは、歩行中の人間等をナビゲーションする装置も含むものとする。
【0010】
情報送信装置の送信手段は、目的地位置情報の送信よりも前に又は目的地位置情報とともに、目的地に関する広告情報を外部に送信することが好ましい(請求項3)。一方、ナビゲーション装置は、目的地に関する広告情報を告知する告知手段をさらに備えることが好ましい(請求項8)。
【0011】
この態様は、店舗等の広告主が、情報送信装置を利用してその店舗等の広告を行う場合に効果的な態様である。この態様によると、ナビゲーション装置は、目的地位置情報の受信よりも前に又は目的地位置情報とともに、目的地に関する広告情報を受信することになる。
このため、ナビゲーション装置の使用者にとっては、その広告情報をみてその目的地の店舗等に興味を持ったときには、住所や電話番号等を入力する作業をしなくても、目的地設定手段によって直ちにその目的地を設定することができるというメリットがある。一方、店舗等の広告主にとっては、情報送信装置を利用することで広告情報を効果的に活用でき、その店舗等へのナビゲーション装置の使用者の来訪を促進できるというメリットがある。
【0012】
ここで「広告情報」とは、情報送信装置を利用する広告主のサービス提供場所(例えば店舗やイベント開催地等)への来訪を促す情報を意味する。例えば、飲食店の広告情報としては、飲食物の種類、値段、飲食物の写真、割引、時間・期間限定サービス、料理人の経歴等に関する情報が挙げられる。小売店の広告情報としては、販売している商品の種類、値段、割引、時間・期間限定サービス等に関する情報が挙げられる。遊技店の広告情報としては、遊技機の種類、新機種入荷、時間・期間限定サービス、特定顧客へのサービス等に関する情報が挙げられる。但し、広告主の提供するサービスは営利的なもののみならず、非営利的なものであってもよい。
【0013】
また「広告情報」には、来訪を促すことが明示的に示されているものだけでなく、黙示的に示されているものも含まれる。「広告情報」は、文字情報、画像情報、音声情報のいずれであってもよく、これらを組み合わせた情報であってもよい。文字情報の例としては、電子メールによる広告等が挙げられる。画像情報(通常は文字情報も含む。)の例としては、ウェブページによる広告等が挙げられる。
【0014】
本発明は、情報送信装置自身の現在地をナビゲーション装置による経路探索の目的地とする場合だけでなく、情報送信装置が存在する位置とは別の位置をナビゲーション装置による経路探索の目的地とする場合にも適用される。前者の場合は、情報送信装置が広告主のサービス提供場所に設置されるケースが典型的である。後者の場合は、情報送信装置が広告主のサービス提供場所以外の場所に設置されるケースが典型的である。
また、「情報送信装置」には、広告主が有するコンピュータ等の設備だけでなく、広告主以外の者が有する設備(例えば広告主が広告情報の送信を委託している業者のサーバ等の設備)も含まれる。
【0015】
情報送信装置は、自己の現在地を含む所定領域内にナビゲーション装置が存在するか否かを判定する第1判定手段をさらに備え、所定領域内にナビゲーション装置が存在すると第1判定手段が判定したとき、送信手段は所定領域内に存在するナビゲーション装置にのみ広告情報を送信することが好ましい(請求項4)。
【0016】
この態様は、広告主の店舗等に情報送信装置が設置されている場合に効果的な態様である。一般に、情報送信装置が存在するサービス提供場所等から近い位置のナビゲーション装置の使用者は、遠い位置のナビゲーション装置の使用者よりも、その店舗等に来訪する可能性が高いと推定できる。
この態様によると、情報送信装置から近い位置に存在して来訪する可能性の高い者にのみ広告情報を送信できる。よって、広告情報をランダムに送信する場合に比べて、広告主にとっては広告宣伝効率が向上できる。また、通信費等も低く抑えることが可能となり、広告宣伝に必要なコストを低減できる。一方、ナビゲーション装置の使用者にとっては、遠方の来訪が困難な位置にある店舗等に設置された情報送信装置からやみくもに広告情報が送信されるという煩わしい状況を回避できる。
【0017】
情報送信装置は、自己の現在地に近づいてくるナビゲーション装置が存在するか否かを判定する第2判定手段をさらに備え、近づいてくるナビゲーション装置が存在すると第2判定手段が判定したとき、送信手段は近づいてくるナビゲーション装置にのみ広告情報を送信することが好ましい(請求項5)。
【0018】
この態様も、広告主の店舗等に情報送信装置が設置されている場合に効果的な態様である。一般に、情報送信装置が存在するサービス提供場所等に近づいてくるナビゲーション装置の使用者は、遠ざかっていくナビゲーション装置の使用者よりも、その店舗等に来訪する可能性が高いと推定できる。
この態様によると、情報送信装置に近づいてくるため来訪する可能性の高い者にのみ広告情報を送信できる。よって、広告情報をランダムに送信する場合に比べて、広告主にとっては広告宣伝効率が向上できる。また、通信費等も低く抑えることが可能となり、広告宣伝に必要なコストを低減できる。一方、遠ざかっていくナビゲーション装置の使用者にとっては、その店舗等に来訪するためには現在の進行方向を大幅に転換する必要があり、近づいてくる場合に比べて来訪しにくい。その点、この態様によれば、来訪しにくい位置にある店舗等に設置された情報送信装置から広告情報が送信されるという煩わしい状況を回避できる。
【0019】
ここで「近づいてくる」、「遠ざかっていく」という場合は、情報送信装置が固定体で、ナビゲーション装置が移動体である場合のみをいうわけではない。情報送信装置が移動体で、ナビゲーション装置が固定体である場合や、情報送信装置とナビゲーション装置の双方が移動体である場合も含まれる。
【0020】
ナビゲーション装置の目的地設定手段は、応答行為によって目的地の設定が可能となるように構成されていることが好ましい(請求項7)
【0021】
この態様のように1回の応答行為で目的地の設定を行えると、目的地の設定を非常に容易となる。
ここで「応答行為」としては、例えばボタンを押す行為(タッチパネル式のボタンの場合はそのボタンに触れる行為)や、表示手段の画面に示される「はい」という表示を操作部を利用して指定する行為が挙げられる。また、音声で「はい」あるいは「お願いします」と応答する行為も含む。
【0022】
ナビゲーション装置の告知手段は、複数の広告情報を表示可能な表示手段であり、各広告情報の内容は所定の条件を満たすと自動的に切替わり、目的地設定手段は、経路探索の目的地を、各広告情報に対応する目的地位置情報の目的地の中から選択して設定可能であることが好ましい(請求項9)。
【0023】
この態様によると、ナビゲーション装置の使用者は、複数であって、しかも自動的に切替わる広告情報をみることができる。また、経路探索の目的地を、各広告情報に対応する目的地位置情報の目的地の中から選択して設定できる。このため、この態様によると、多くの広告情報を面倒な操作を行わずに得ることができ、その多くの広告情報をみた中から、その広告情報に対応するより興味のある目的地を設定することができる。従って、有用性の非常に高いナビゲーション装置を実現できる。
【0024】
本明細書において「手段」とは、ハードウェアに限られず、各手段がソフトウェアによって実現される場合も含む。さらに、1つの手段の機能が2つ以上のハードウェア又はソフトウェアによって実現されていても、あるいは、2つ以上の手段の機能が1つのハードウェア又はソフトウェアによって実現されていてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(形態1)ナビゲーション装置との間で通信を行う情報送信装置であって、
外部の通信手段からの信号を利用してナビゲーション装置による経路検索の目的地設定に用いる目的地位置情報を生成する情報生成手段と、情報生成手段で生成した目的地位置情報を外部に送信する送信手段を備えた情報送信装置。
この態様によると、外部の通信手段からの信号を利用して目的地位置情報を生成できるので、目的地位置情報を情報送信装置の使用者によって入力しなくてもよい。また、情報送信装置自身の現在地をナビゲーション装置による経路探索の目的地とする場合でも、外部の通信手段からの信号を利用して目的地位置情報(情報送信装置自身の位置情報)を自動的に逐次更新できるので、利便性が高い。
ここで、「外部の通信手段」の例としては、GPS衛星や、移動体通信端末の基地局等が挙げられる。
【0026】
(形態2)外部の通信手段からの信号を利用して測位データを生成する測位データ生成手段をさらに備え、
情報生成手段は、測位データ生成手段で生成された測位データを利用して目的地位置情報を生成することを特徴とする形態1に記載の情報送信装置。
この態様によると、外部の通信手段からの信号を利用して直接的に目的地位置情報を生成することが困難な場合でも、測位データ生成手段を備えているので、外部の通信手段からの信号を利用して測位データを生成し、その測位データを利用して目的地位置情報を生成できる。
あるいは、測位データ生成手段が既存の部品で、その手段から出力される測位データでは経路探索手段で直接に処理できない場合でも、情報生成手段でその測位データを利用して、経路探索手段で直接に処理可能な目的地位置情報を生成できる。
【0027】
(形態3)情報送信装置が送信する目的地位置情報を受信する受信手段と、外部の通信手段からの信号を利用して自己の現在地位置情報を生成する情報生成手段と、経路探索の目的地を情報送信装置が送信する目的地位置情報の目的地に設定する目的地設定手段と、目的地設定手段で目的地が設定されたことを少なくとも1つの条件として、受信手段で受信した目的地位置情報と情報生成手段で生成した自己の現在地位置情報を利用して目的地と自己の現在地の間を結ぶ経路の探索を行う経路探索手段と、経路探索の結果を告知する告知手段を備えたナビゲーション装置。
(形態4)外部の通信手段からの信号を利用して測位データを生成する測位データ生成手段をさらに備え、
情報生成手段は、測位データ生成手段で生成された測位データを利用して自己の現在地位置情報を生成することを特徴とするナビゲーション装置。
【0028】
(形態5)情報送信装置とナビゲーション装置の少なくとも一方は、電子メール送受信機能とGPSナビゲーション機能付きの移動体通信端末であることを特徴とする。ここで「移動体通信端末」とは、携帯電話やPHS等のような移動体電話や、PDA(携帯情報端末)等をいう。
【実施例】
【0029】
(第1実施例) 図1に第1実施例のナビゲーションシステム2の概略ブロック図を示す。このシステム2は、情報送信装置4と車載用ナビゲーション装置6を備えている。
情報送信装置4は、測位データ生成手段であるGPSモジュール14と、コンピュータ部10と、広告情報データベース18と、操作部16と、送信手段である送信モジュール12等を備えている。コンピュータ部10は、情報生成手段であるCPU20と、記憶手段であるRAM22及びROM24を備えている。情報送信装置4の例としては、パーソナルコンピュータや、サーバコンピュータ等が挙げられる。
【0030】
GPSモジュール14は、情報送信装置4の現在地の座標に対応する測位データを生成する。この測位データは、複数のGPS衛星から送信される電波を受信して三次元測位処理を行うことで得られた現在地座標の緯度、経度、標高からなるデータである。二次元測位処理を行う場合は、緯度、経度からなるデータが得られる。また、GPSモジュール14は、その測位データをコンピュータ部10のCPU20に出力する。
【0031】
コンピュータ部10のCPU20は、目的地の位置情報(この例では情報送信装置4の現在地の位置情報)を前記測位データを利用して生成する。この目的地位置情報は後に、通信の相手側装置であるナビゲーション装置6による経路検索の目的地設定に用いられる。RAM22は、CPU20が生成した目的地位置情報を一時的に記憶する。情報送信装置4が移動型店舗等に設置されている場合、情報送信装置4の現在地の位置情報が逐次変化される。このため、これに伴って目的地位置情報も逐次更新される。ROM24は、CPU20が実行すべき一連のプログラムを格納している。このプログラムの中には、例えば目的地位置情報を生成するためのプログラムや、電子メール作成プログラム等が含まれている。即ち、CPU20は電子メール作成手段でもあり、目的地位置情報や広告情報を含む電子メールを作成する。
【0032】
広告情報データベース18は、情報送信装置4を設置した店舗への来訪を促す広告情報を予め記憶している。具体的には、CD−ROMやDVD−ROM等の公知の記憶媒体とその再生装置がこれに該当する。広告情報データベース18内に格納されている広告情報は、CPU20によって読出されるようになっている。なお、記憶媒体は書込み可能なものであってもよい。
操作部16は所定の操作パネルからなり、情報送信装置4の使用者による入力操作に従って種々の情報を情報送信装置4に入力する役割を果たす。
送信モジュール12は、RAM22から読出した目的地位置情報が添付されているとともに、広告情報データベース18から読出した広告情報が載せられた電子メールを外部に送信する機能を有している。ここで「外部に送信する」とは、車両に直接的に送信する場合のほか、車両近傍の無線局や基地局等に送信する場合も含むものである。情報送信装置4が送信した電子メールを最終的に受信するナビゲーション装置6は、複数である場合も勿論ある。
【0033】
車載用ナビゲーション装置6は、受信手段である受信モジュール32と、測位データ生成手段であるGPSモジュール34と、コンピュータ部36と、目的地設定手段を含む操作部38と、告知手段である表示部40と、地図情報データベース42等を備えている。コンピュータ部36は、情報生成手段又は経路探索手段であるCPU44と、記憶手段であるRAM48及びROM46を備えている。
【0034】
受信モジュール32は、無線局や基地局を介して送信される情報送信装置4からの電子メールを受信し、これをCPU44に出力する。
GPSモジュール34は、情報送信装置4のGPSモジュール14と同様の機能を有しており、ナビゲーション装置6の現在地の座標に対応する測位データを生成し、その測位データをコンピュータ部36のCPU44に出力する。
【0035】
コンピュータ部36のCPU44は、情報生成手段として、自己(ナビゲーション装置6自身)の現在地の位置情報や、車両方位情報を前記測位データを利用して生成する。また、CPU44は、受信した電子メールを開き、その内容に含まれる広告情報等を後述する表示部40の画面上に表示する。また、CPU44は、後述する操作部38によってその電子メールに添付された目的地位置情報に対応する目的地が経路探索の目的地として設定された場合は、その目的地位置情報を抽出する。
そしてCPU44は、経路探索手段として、電子メールから抽出した目的地位置情報に対応する目的地と、既に生成した自己の現在地位置情報に対応する現在地の間を結ぶ経路の探索処理を行う。経路探索の手法としては従来公知の手法(例えばダイクストラ法や横型探索法などが)を採用すればよい。この場合、距離最短、時間最短等の各種の条件によって誘導経路を設定する。
【0036】
RAM48は、現在地位置情報や目的地位置情報等を一時的に記憶するとともに、必要に応じてこれらの情報をCPU44に出力する。ROM46は、CPU44が実行すべき一連のプログラムを格納している。これらのプログラムの中には、例えば目的地位置情報の目的地を経路探索の目的地として設定するためのプログラムや、経路探索のためのプログラム等が含まれている。
【0037】
操作部38は、所定の操作パネルからなり、ナビゲーション装置6の使用者による入力操作に従って種々の情報をナビゲーション装置6に入力する役割を果たす。また、操作部38は目的地設定手段として機能し、受信した電子メールに添付された目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定する役割を果たす。なお、操作部38はナビゲーション装置本体に設けられていてもよいし、本体から独立したリモコンユニットに設けられていてもよい。
【0038】
表示部40は、具体的には液晶ディスプレイ等である。表示部40には、地図情報データベース42から取込んだ地図情報が画面に表示されるとともに、経路探索の結果がその地図の道路上に重ねて表示される。例えば、経路探索の結果は、地図上において、現在地と目的地を結ぶ太い赤い線等で表示される。また、この表示部40は、メール閲覧用画面になって受信した電子メールの内容を表示できるようにもなっている。
なお、液晶ディスプレイのような画像告知手段のみならず、スピーカのように音声を発する音声告知手段が併せて設けられていてもよい。
【0039】
次に、第1実施例のナビゲーションシステム2の動作について説明する。第1実施例では広告主がパチンコ店の運営者であり、このパチンコ店に情報送信装置4が設置されているものとする。また、広告主はナビゲーション装置6の使用者がそのパチンコ店へ来訪することを期待しているものとする。
まず、広告主が、目的地位置情報と広告情報を含む電子メール(ダイレクトメール)を作成するように情報送信装置4の操作部16を操作したとする。すると、CPU20は、電子メール作成プログラムを起動させて電子メールを作成する。また、CPU20は、所定のプログラムに従って目的地位置情報を生成し、その電子メールに添付する。また、CPU20は、所定の広告情報を広告情報データベース18から取出し、電子メールに載せる。その後CPU20は、その電子メールを送信モジュール12に出力する。送信モジュール12は、この広告宣伝用の電子メールを外部に送信する。その後、この電子メールはパチンコ店の顧客である者又は顧客となり得る者が使用するナビゲーション装置6で受信される。
【0040】
ナビゲーション装置6の表示部40は、通常、ナビゲーション画面(周辺地域の地図画面)を表示している。表示部40は、電子メールの受信時には「メール着信」という文字等の表示後に電子メール閲覧用画面に自動的に切替わり、電子メールの内容が表示される。なお、ナビゲーション装置6の使用者の操作によって画面が切替わるようにしても勿論よい。
図2に、ナビゲーション装置6の表示部40に電子メールの内容が表示された画面G1を概略的に示す。画面G1の上段には、「パーラー○○、現在出玉増量フェアを行っております。ぜひ、ご来店してお確かめ下さい。」という内容の広告情報が表示されている。画面G1の下段には、「[目的地設定] パーラー○○を目的地位置として設定しますか」という問いかけの文章が表示されている。画面G1の最下段には、その問いかけに応答するための「YES」ボタン50と「NO」ボタン51が表示されている。但し、目的地位置情報そのものはこの画面G1上には表示されていない。
【0041】
ナビゲーション装置6の使用者は、電子メールに記載された広告情報の内容を読んで、広告主のパチンコ店へ来訪するか否かを決める。
来訪を希望しない場合、使用者はこの画面G1の問いかけに対し、操作部38によって「NO」ボタン51を指定することで応答する。すると、CPU44は、目的地の設定を要求していないと判断し、通常のナビゲーション画面に復帰し、周辺地図を再表示する。
一方、来訪を希望する場合、使用者はこの画面G1の問いかけに対し、操作部38によって「YES」ボタン50を指定することで応答する。すると、CPU44は、目的地の設定を要求していると判断し、電子メールに添付されている目的地位置情報を抽出して、この情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定する。そして、この目的地の設定状態をRAM48に一時的に記憶する。
なお、「YES」「NO」ボタン50,51は表示画面のタッチパネル式になっていてもよい。この場合、表示画面に直接に触れて目的を設定することから、その「YES」ボタン50の部分が目的地設定手段となる。
【0042】
次に、CPU44は、再びナビゲーション画面に戻って、経路探索を行うか否かを問いかける画面を表示する。経路探索を直ちに行いたい場合、使用者はその旨を操作部16によって入力する。すると、CPU44は経路探索プログラムを実行し、経路探索処理が行われる。そして、広告主の店舗を目的地とする経路探索の結果がナビゲーション画面上に表示される。
【0043】
第1実施例のシステム2によると、ナビゲーション装置6の使用者は、広告情報をみてその目的地の店舗等に興味を持ったときには、操作部38よって図2の「YES」ボタン50を指定することで、電子メールに添付された目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として直ちに設定できる。よって、ナビゲーション装置6の使用者が、地図画面上の位置を指定して、あるいは、住所や電話番号等を入力することで経路探索の目的地を設定しなくてもよく、経路探索の目的地設定を容易に行うことができる。
また、ナビゲーション装置6は、情報送信装置4から送信され、受信モジュール32で受信される目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定するように構成されている。よって、ホームページ等の画像中から特定の文字情報(住所、電話番号等)を抽出する処理を行う場合のように、目的地が設定できなかったり、誤った地点に目的地が設定されてしまう可能性が非常に少ない。即ち、経路探索の目的地設定の確実性と正確性が非常に高い。
また、店舗等の広告主にとっては、情報送信装置4を利用することで広告情報を効果的に活用でき、その店舗等へのナビゲーション装置6の使用者の来訪を促進できるというメリットがある。
【0044】
さらに、このシステム2は、情報送信装置4が経路探索を行ってその経路探索結果を送信するという方式を採用しておらず、あくまで経路探索はナビゲーション装置6側で行っている。これによると、前者の方式を採用した場合とは異なり、送信側である広告主にとっては、送信すべきデータ量が少なくて済むので、通信費を低減でき、広告宣伝コストの低減を図ることができる。また、受信側であるナビゲーション装置の使用者にとっては、来訪の意思がない場合にまで大量の不要なデータが送られるという事態を回避できる。
【0045】
(第2実施例) 図3に示す第2実施例のナビゲーションシステム2は、基本的に図1と同様の構成である。但し、情報送信装置4は送信モジュール12の代わりに送受信モジュール12aを備えている。また、ナビゲーション装置6は受信モジュール32の代わりに送受信モジュール32aを備えている。また、システム2の動作も以下のように少し相違している。
【0046】
第2実施例では広告主がパチンコ店の運営者であり、その広告主は、ナビゲーション装置6の使用者がそのパチンコ店へ来訪することを期待しているものとする。但し、パチンコ店自身に情報送信装置4が設置されているのではなく、広告主が広告情報の送信を委託している業者が運営する、パチンコ店とは別の場所に設置されたサーバが情報送信装置4として機能しているものとする。この場合、広告主が予め作成したウェブページのコンテンツを業者のサーバに送信してアップロードするという方式を採ってもよいし、業者側が委託を受けてコンテンツを作成しそれをサーバにアップロードするという方式を採ってもよい。
【0047】
情報送信装置(業者のサーバ)4には広告主のウェブページのためのサイトが設けられている。図4に、その広告主のウェブページの画面G2を概略的に示す。画面G2の最上段には「パーラー○○のホームページ」というタイトル名が表示されている。画面G2の中段には「パーラー○○、現在出玉増量フェアを行っております。ぜひ、ご来店して、お確かめ下さい。」という内容の広告情報が表示されている。画面G3下段には、「目的地位置情報ダウンロード」と記載されたボタン52が表示されている。但し、目的地位置情報そのものはこの画面G2上には表示されていない。なお、ダウンロードボタン52は情報送信装置(業者のサーバ)4の所定のフォルダにリンクしており、そのフォルダ内には予め生成された目的地位置情報が格納されている。
【0048】
まず、広告主の提供するサービスに興味があるナビゲーション装置6の使用者が、ウェブページ閲覧用プログラムを起動させ、ナビゲーション装置6の送受信モジュール32aを介して広告主のウェブページにアクセスしたとする。すると、情報送信装置(業者のサーバ)4にそのアクセス要求が送信される。これに応じて情報送信装置4は、ナビゲーション装置6にウェブページのコンテンツ情報を送信する。この結果、ナビゲーション装置6の表示部40の画面G2上に図4のコンテンツが表示される。
【0049】
ここでナビゲーション装置6の使用者は、ウェブページの広告情報を読んで、広告主の店舗へ来訪するか否かを決める。
来訪を希望しない場合、使用者はこの画面G2の問いかけに対し、何ら応答しなければよい。この場合、ウェブページを閉じれば、CPU44は、目的地の設定をする必要がないと判断して、通常のナビゲーション画面に復帰して周辺部地図を表示する。
【0050】
一方、来訪を希望する場合、使用者はこの画面G2の問いかけに対し、応答行為を行う。即ち、操作部16によりカーソルCをダウンロードボタン上に移動させ、ダウンロードボタンをクリックする。すると、CPU44は、目的地の設定を要求していると判断し、送受信モジュール34aを介して送信要求信号を情報送信装置(サーバ)4に送信する。これを受信した情報送信装置4は、RAM22に一時的に格納しておいた所定フォルダから目的地位置情報を読出す。そして、この目的地位置情報を送受信モジュール12aを介してナビゲーション装置6に送信する。目的地位置情報を受信したナビゲーション装置6は、所定のプログラムに従って目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定する。そして、この目的地の設定状態をRAM48に一時的に記憶する。
【0051】
次に、CPU44は、再びナビゲーション画面に戻って、経路探索を行うか否かを問いかける画面を表示する。経路探索を直ちに行いたい場合、使用者はその旨を操作部16によって入力する。すると、CPU44によって経路探索プログラムが実行され、広告主の特定の店舗を目的地とした経路探索の結果がナビゲーション画面上に表示される。
【0052】
(第3実施例) 第3実施例の情報送信装置4は、図1に示す第1実施例の情報送信装置4とほぼ同様の構成を備えているので図1を参照して説明する。第3実施例の情報送信装置4では、さらに下記のようなプログラムがROM24に格納されており、このプログラムがCPU20で実行される。
ROM24内には、自己の現在地を中心点とする円形領域内にナビゲーション装置6が存在するか否かを判定するための所定のプログラムが格納されている。第1判定手段であるCPU20は、情報送信対象となり得るナビゲーション装置6までの距離を、例えばナビゲーション装置6の位置情報に基づいて算出する。そして、この算出値と、予め設定されているしきい値(例えば前記円形領域の半径の値)の大小を比較する。そして、算出値がしきい値以下であれば、自己の現在地を含む所定領域内にそのナビゲーション装置6が存在すると判定する。このような条件を満たした場合、情報送信装置4のCPU20は、その所定領域内に存在するナビゲーション装置6に対してのみ広告情報を送信するような制御を行う。
【0053】
第3実施例によると、情報送信装置4から近い位置に存在して来訪する可能性の高い者にのみ広告情報を送信できる。よって、広告情報をランダムに送信する場合に比べて、広告主にとっては広告宣伝効率が向上できる。また、通信費等も低く抑えることが可能となり、広告宣伝に必要なコストを低減できる。一方、ナビゲーション装置6の使用者にとっては、遠方の来訪が困難な位置にある店舗等に設置された情報送信装置4からやみくもに広告情報が送信されるという煩わしい状況を回避できる。
【0054】
(第4実施例) 第4実施例の情報送信装置4も、図1に示す第1実施例の情報送信装置4とほぼ同様の構成を備えているので図1を参照して説明する。第3実施例の情報送信装置4では、さらに下記のようなプログラムがROM24に格納されており、このプログラムがCPU20で実行される。
ROM24内には、自己の現在地に対して近づいてくるナビゲーション装置6が存在するか否かを判定するための所定のプログラムが格納されている。第2判定手段であるCPU20は、情報送信対象となり得るナビゲーション装置6までの距離を、例えばナビゲーション装置6の所定時刻における位置情報に基づいて算出する。ここでは、例えば時刻nTと時刻(n+1)Tにおいて距離算出を行うものとする。次にCPU20は、時刻nTの距離算出値と、時刻(n+1)Tの距離算出値の大小を比較する。そして、時刻(n+1)Tの距離算出値の方が小さければ、そのナビゲーション装置6は情報送信装置4に近づいていると判定する。このような条件を満たした場合、情報送信装置4のCPU20は、近づいていると判定されたナビゲーション装置6に対してのみ広告情報を送信するような制御を行う。
【0055】
第4実施例によると、情報送信装置4に近づいてくるため来訪する可能性の高い者にのみ広告情報を送信できる。よって、広告情報をランダムに送信する場合に比べて、広告主にとっては広告宣伝効率が向上できる。また、通信費等も低く抑えることが可能となり、広告宣伝に必要なコストを低減できる。一方、遠ざかっていくナビゲーション装置6の使用者にとっては、その店舗等に来訪するためには現在の進行方向を大幅に転換する必要があり、近づいてくる場合に比べて来訪しにくい。その点、この態様によれば、来訪しにくい位置にある店舗等に設置された情報送信装置4から広告情報が送信されるという煩わしい状況を回避できる。
【0056】
第4実施例の構成と第3実施例の構成を組合せると、よりいっそう来訪する可能性の高い者のみをピックアップして広告情報を送信できる。よって、広告宣伝効率をさらに向上させることができる。なお、第4実施例の近づいているか否かの判断を行う技術としては、上記したものの他、本出願人により出願された特願2002−006709号(但し、未公開)に記載の技術を用いることが好ましい。
【0057】
(第5実施例) 第5実施例のナビゲーション装置6は、図1に示す第1実施例のナビゲーション装置6とほぼ同様の構成を備えているので図1を参照して説明する。第5実施例の情報送信装置4では、さらに下記のようなプログラムがROM24に格納されており、このプログラムがCPU20で実行される。
ナビゲーション装置6のROM24には、図5に示すように、ナビゲーション画面G3に、4つの広告情報54、56、58、60を表示させるためのプログラムと、所定の条件を満たしたときに各広告情報54、56、58、60の内容を自動的に切替えるためのプログラムが格納されている。
また、ナビゲーション画面G3には、4つの広告情報54、56、58、60の各々に対応して目的地位置情報のダウンロードボタン55、57、59、61が表示されている。
【0058】
4つの広告情報は、大きなジャンル毎に分けられている。この例では、「飲食店」、「食料店」、「遊技施設」、「その他」のジャンルに分けられている。情報送信装置4が送信したこれらのジャンルに対応する広告情報をナビゲーション装置6が受信すると、その広告情報を表示するようになっている。各ジャンルの広告情報の切替えは、そのジャンルの新しい広告情報が送信されてきたらその新しい広告情報に切替えるという方式や、送信されてきた広告情報を一定時間表示すると、その表示を終了させて別の広告情報に切替えるという方式等を採用すればよい。
各ジャンルの広告情報を送信する情報送信装置4はそれぞれ別個でなくてもよく、各ジャンルの広告情報を送信する情報送信装置4は1つであってもよい。
【0059】
第5実施例によると、ナビゲーション装置6の使用者は、複数であって、しかも自動的に切替わる広告情報をみることができる。また、経路探索の目的地を、各広告情報に対応する目的地位置情報の目的地の中から選択して設定できる。このため、第5実施例によると、多くの広告情報を面倒な操作を行わずに得ることができ、その多くの広告情報をみた中から、その広告情報に対応するより興味のある目的地を設定することができる。従って、有用性の非常に高いナビゲーション装置6を実現できる。
【0060】
(第6実施例) 図6に、第6実施例のナビゲーションシステム62の概略ブロック図を示す。このシステム62は、情報送信装置64と、ナビゲーション装置66を備えている。但し、第6実施例における情報送信装置64とナビゲーション装置66は双方とも、移動体通信端末の一種である携帯電話である。これらの携帯電話64,66は、共に同じ構成を有し、いずれも電子メール送受信機能とGPSナビゲーション機能を備えている。なお、第6実施例のシステム62では、GPSモジュール14は実質的に図1のGPSモジュール34と同等の機能を有している。同じく、CPU20、RAM22、ROM24を有するコンピュータ部10は、実質的に図1のCPU44、RAM48、ROM46を有するコンピュータ部36と同等の機能を有している。ここでは、情報送信装置64を「送信側携帯電話64」という。ナビゲーション装置66を「受信側携帯電話66」という。なお、第6実施例の場合、広告情報の送受信に必要な構成やプログラムは特に備えている必要はない。
【0061】
次に、このシステム62の動作について説明する。送信側携帯電話64の持ち主は、自分の居場所への受信側携帯電話66の持ち主の来訪を望んでいるものとする。
まず、送信側携帯電話64の持ち主は、目的地位置情報を含む電子メールを作成するように操作部16を操作したとする。すると、CPU20は、第1実施例で説明したのと同様の処理によって、電子メールを作成し、送受信モジュール12aに出力する。但し、この電子メールには広告情報は含まれていない。そして、送受信メール12aは、この電子メールを外部に送信する。その後、この電子メールは受信側携帯電話66の送受信モジュール12aで受信される。
【0062】
受信側携帯電話66はこの電子メールを受信すると、呼出し音等によって持ち主に電子メールの着信を知らせる。この電子メールを開くと、受信側携帯電話66には、図7に示す画面G4が表示される。この画面G4には、所定のメッセージが表示されるとともに、「△△さんがいる場所を目的地位置として設定しますか」という問いかけが表示される。
受信側携帯電話66の持ち主が、送信側携帯電話64の持ち主の居場所に来訪する意思がない場合、その者はこの画面G4の問いかけに対し、操作部16で「NO」ボタン51を指定することで応答する。すると、CPU20は、目的地の設定を要求していないと判断し、携帯電話の通常の待ち受け画面に戻る。
【0063】
一方、来訪する意思がある場合、その者はこの画面G4の問いかけに対し、操作部16で「YES」ボタン50を指定することで応答する。すると、CPU20は、目的地の設定を要求していると判断し、電子メールに添付されている目的地位置情報を読出して、この情報に対応する目的地を経路探索の目的地に設定する。そして、この目的地の設定状態をRAM22に一時的に記憶する。
次に、CPU20は、経路探索を行うか否かを問いかける画面を表示する。経路探索を直ちに行いたい場合、その者はその旨を操作部16によって入力する。すると、CPU20によって経路探索プログラムが実行され、送信側携帯電話64を有する者の現在地を目的地とした経路探索の結果がナビゲーション画面上に表示される。
【0064】
第6実施例の携帯電話(情報送信装置)44によると、GPS機能を利用して自己の現在地の座標に対応した正確な目的地位置情報を得ることができる。さらに目的地位置情報を電子メールに添付して携帯電話(ナビゲーション装置)66に送信することができる。よって、携帯電話44,46を持つ者同士での経路誘導が可能となる。このため、待合わせの場合や道に迷って相手に会えない場合に非常に便利である。
【0065】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】第1実施例のナビゲーションシステムの概略ブロック図を示す。
【図2】第1実施例におけるナビゲーション装置の表示画面を示す。
【図3】第2実施例のナビゲーションシステムの概略ブロック図を示す。
【図4】第2実施例におけるナビゲーション装置の表示画面を示す。
【図5】第5実施例におけるナビゲーション装置の表示画面を示す。
【図6】第6実施例のナビゲーションシステムの概略ブロック図を示す。
【図7】第6実施例におけるナビゲーション装置の表示画面を示す。
【符号の説明】
【0067】
2,62:ナビゲーションシステム
4:情報送信装置
6:ナビゲーション装置
12:送信モジュール(送信手段)
12a:送受信モジュール(送信手段、受信手段)
14,34:GPSモジュール(測位データ生成手段)
20:CPU(情報生成手段等)
22:RAM(記憶手段)
32:受信モジュール(受信手段)
32a:送受信モジュール(受信手段)
40:表示部(告知手段)
44:CPU(情報生成手段、経路探索手段等)
64:情報送信装置(送信側携帯電話:移動体通信端末)
66:ナビゲーション装置(受信側携帯電話:移動体通信端末)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報送信装置とナビゲーション装置の間で通信を行うナビゲーションシステムであって、
情報送信装置は、ナビゲーション装置による経路探索の目的地設定に用いる目的地位置情報を外部に送信する送信手段を備え、
ナビゲーション装置は、情報送信装置が送信する目的地位置情報を受信する受信手段と、受信手段で受信される目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定する目的地設定手段と、目的地設定手段で設定された目的地と自己の現在地の間を結ぶ経路の探索を行う経路探索手段を備えたナビゲーションシステム。
【請求項2】
ナビゲーション装置との間で通信を行う情報送信装置であって、
ナビゲーション装置による経路探索の目的地設定に用いる目的地位置情報を外部に送信する送信手段を備えた情報送信装置。
【請求項3】
送信手段は、目的地位置情報の送信よりも前に又は目的地位置情報とともに、目的地に関する広告情報を外部に送信することを特徴とする請求項2に記載の情報送信装置。
【請求項4】
自己の現在地を含む所定領域内にナビゲーション装置が存在するか否かを判定する第1判定手段をさらに備え、所定領域内にナビゲーション装置が存在すると第1判定手段が判定したとき、送信手段は所定領域内に存在するナビゲーション装置にのみ広告情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の情報送信装置。
【請求項5】
自己の現在地に近づいてくるナビゲーション装置が存在するか否かを判定する第2判定手段をさらに備え、近づいてくるナビゲーション装置が存在すると第2判定手段が判定したとき、送信手段は近づいてくるナビゲーション装置にのみ広告情報を送信することを特徴とする請求項3又は4に記載の情報送信装置。
【請求項6】
情報送信装置との間で通信を行うナビゲーション装置であって、
情報送信装置が送信する目的地位置情報を受信する受信手段と、受信手段で受信される目的地位置情報に対応する目的地を経路探索の目的地として設定する目的地設定手段と、目的地設定手段で設定された目的地と自己の現在地の間を結ぶ経路の探索を行う経路探索手段を備えたナビゲーション装置。
【請求項7】
目的地設定手段は、応答行為によって目的地の設定が可能となるように構成されていることを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
目的地に関する広告情報を告知する告知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
告知手段は、複数の広告情報を表示可能な表示手段であり、各広告情報の内容は所定の条件を満たすと自動的に切替わり、
目的地設定手段は、経路探索の目的地を、各広告情報に対応する目的地位置情報の目的地の中から選択して設定可能であることを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−76404(P2008−76404A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267224(P2007−267224)
【出願日】平成19年10月12日(2007.10.12)
【分割の表示】特願2002−91342(P2002−91342)の分割
【原出願日】平成14年3月28日(2002.3.28)
【出願人】(000106690)サン電子株式会社 (161)
【Fターム(参考)】