説明

感放射線性樹脂組成物、スペーサーとその製法および液晶表示素子

【課題】1,500J/m以下の露光量で十分なスペーサーを形成することを可能とし、密着性、ラビング耐性、耐熱性に優れ、さらに柔軟性と高い弾性回復率、アルカリ現像液に対する優れた現像性を有する表示素子用スペーサーを形成しうる感放射線性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、
(a2)4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソランに代表される特定構造不飽和化合物、
(a3)前記(a1)および(a2)以外の不飽和化合物の共重合体を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感放射線性樹脂組成物、スペーサーとその製法および液晶表示素子に関する。さらに詳しくは、液晶表示パネルやタッチパネルなどの表示素子に用いられるスペーサーを形成するための材料として好適な感放射線性樹脂組成物、当該組成物から形成された表示素子用スペーサー、および当該スペーサーを具備してなる液晶表示素子に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子には、従来から、2枚の基板間の間隔(セルギャップ)を一定に保つため、所定の粒径を有するガラスビーズ、プラスチックビーズ等のスペーサー粒子が使用されているが、これらスペーサー粒子は、ガラス基板などの透明基板上にランダムに散布されるため、画素形成領域にスペーサー粒子が存在すると、スペーサー粒子の写り込み現象を生じたり、入射光が散乱を受け、液晶パネルのコントラストが低下するという問題があった。
【0003】
そこで、これらの問題を解決するために、スペーサーをフォトリソグラフィーにより形成する方法が採用されるようになってきた。この方法は、感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布し、所定のマスクを介して紫外線を露光したのち現像して、ドット状やストライプ状のスペーサーを形成するものであり、画素形成領域以外の所定の場所にのみスペーサーを形成することができるため、前述したような問題は基本的には解決される。
【0004】
近年、製造コストの観点から、従来使用していた材料と同一プロセスで使用されるケースが増えてきた。こうした場合、層間絶縁膜用感放射線性樹脂組成物やスペーサー用感放射線性樹脂組成物が最適プロセス条件からずれた条件で使用される場合が多く、特にプレベーク温度が最適条件からずれた場合、十分な解像度が得られなかったり、パターンが剥れたりする問題が生じている。また基板の大型化に伴い、プロキシミティベーク時の基板の反りがより顕著になり、同一基板上でも温度分布が生じることで、より広いプロセスマージンを有する層間絶縁膜用感放射線性樹脂組成物、およびスペーサー用感放射線性樹脂組成物が必要とされている。
【0005】
そこで、このような問題を解決すべく、本出願人は既に、特許文献1に、プロセス条件の変化に対応出来る十分なプロセスマージンを有し、かつ、層間絶縁膜、スペーサーとして必要な耐熱性、耐薬品性、透明性、硬度を併せ持つ硬化物を与えうる感放射線性樹脂組成物を明らかにしている。
【0006】
さらに、近年、生産性向上の観点から、液晶パネルのガラスを貼り合わせる前に液晶材をガラス表面にたらす工程技術ODF(One Drop Fill)法が導入されている。
【0007】
この手法により、大幅に時間を節約することができる。例えば、従来の方法では30インチパネル用に液晶を充填するには約5日間要するが、ODF法を導入すればたったの2時間で済み、大幅な生産性向上が可能となる。
【0008】
従来の貼り合わせ方式では、TFTアレイとカラーフィルターを貼り合わせる時、荷重をかけるため、その荷重によりスペーサーが均等に押され、スペーサーの高さ均一性が保たれていた。しかし、ODF法では、最初は基板の重さによる荷重と大気圧だけで貼り合わせるため、従来法に比較して、初期の貼り合わせ荷重が小さい。したがって、小さい荷重でスペーサーが押されても、均等に押されことで高さ均一性を発現することが重要とされている。そのためには、スペーサーの柔軟性が必要とされている。スペーサーの高さが不均一になるとセルギャップの均一性が保てなくなり、セル内に隙間が発生し表示ムラの原因となる。
【0009】
しかし、従来の柔軟性を持つスペーサーは、圧縮荷重試験において、高い弾性変形量を示すが、弾性回復率は低くなる傾向にある。
【0010】
この課題の解決のため、特許文献2では、多環式立体構造を有した脂環化合物を含む樹脂を含む感放射線性樹脂組成物が提案されている。しかし、この場合樹脂中に多環式立体構造を有するため、組成物の塗膜のアルカリ現像液に対する現像性が著しく低下する。
【0011】
【特許文献1】特開2001−302712号公報
【特許文献2】特開2002−174812号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明の目的は、1,500J/m以下の露光量で十分なスペーサーを形成することを可能とし、密着性、ラビング耐性、耐熱性に優れ、さらに柔軟性と高い弾性回復率、アルカリ現像液に対する優れた現像性を有する表示素子用スペーサーを形成しうる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、上記感放射線性樹脂組成物から形成されたスペーサーおよびその製造法ならびに当該スペーサーを具備する液晶表示素子を提供することにある。
【0014】
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によると、前記目的および利点は、第一に、
[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、
(a2)下記式(1)で示される不飽和化合物、
【0016】
【化1】

(式中、R、Rは各々、水素原子、一価の有機基であり、一価の有機基としては炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましい。Rは水素原子もしくはメチル基を示す。Xは、二価の有機基であり、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。)
(a3)前記(a1)および(a2)以外の不飽和化合物の共重合体、好ましくは、さらに、
[B]重合性不飽和化合物、ならびに
[C]感放射線性重合開始剤
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物(以下、「感放射線性樹脂組成物(イ)」いう。)によって達成される。
【0017】
本発明によると、前記目的および利点は、第二に、
感放射線性樹脂組成物(イ)から形成された液晶表示素子用スペーサーおよびそれを備えた液晶表示素子によって達成される。
【0018】
本発明によると、前記目的および利点は、第三に、
少なくとも以下の工程を以下に記載の順序で含むことを特徴とする液晶表示素子用スペーサーの形成方法によって達成される。
(イ)上記に記載の感放射線性樹脂組成物の被膜を基板上に形成する工程、
(ロ)該被膜の少なくとも一部に露光する工程、
(ハ)露光後の該被膜を現像する工程、および
(ニ)現像後の該被膜を加熱する工程。
【発明の効果】
【0019】
本発明の感放射線性樹脂組成物(イ)は、高感度でマスクパターンの設計サイズを忠実に再現でき、かつ基板との密着性に優れ、1,500J/m2以下の露光量で十分なスペーサー形状および膜厚を得ることを可能とし、密着性、ラビング耐性、耐熱性に優れ、さらに柔軟性と高い弾性回復率、アルカリ現像液に対する優れた現像性を有する表示素子用スペーサーを形成しうる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。
感放射線性樹脂組成物(イ)
−共重合体〔A〕−
共重合体[A]は、化合物(a1)、化合物(a2)および化合物(a3)を溶媒中で、重合開始剤の存在下にラジカル重合することによって製造することができる。
【0021】
共重合体〔A〕を構成する各成分のうち、(a1)エチレン性不飽和カルボン酸および/またはエチレン性不飽和カルボン酸無水物(以下、これらをまとめて「不飽和カルボン酸系単量体(a1)」という。)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;前記ジカルボン酸の無水物等を挙げることができる。
【0022】
これらの不飽和カルボン酸系単量体(a1)のうち、共重合反応性、得られる共重合体のアルカリ水溶液に対する溶解性および入手が容易である点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が好ましい。
【0023】
感放射線性樹脂組成物(イ)において、不飽和カルボン酸系単量体(a1)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0024】
共重合体〔A〕において、不飽和カルボン酸系単量体(a1)に由来する繰返し単位の含有率は、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは10〜40重量%、特に好ましくは15〜30重量%である。不飽和カルボン酸系単量体(a1)に由来する繰返し単位の含有率が5重量%未満であると、アルカリ水溶液に対する溶解性が低下する傾向があり、一方50重量%を超えると、アルカリ水溶液に対する溶解性が大きくなりすぎるおそれがある。
【0025】
共重合体〔A〕を構成する各成分のうち、(a2)成分は、上記式(1)で示される。(a2)の具合例としては、4−アクリロイルオキシメチル−2、2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2、2−ジエチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロペンチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシエチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシプロピル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシブチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン等のアクリル酸誘導体が挙げられる。
【0026】
4−メタアクリロイルオキシメチル−2、2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシメチル−2、2−ジエチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシメチル−2−シクロペンチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシエチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシプロピル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシブチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン等のメタアクリル酸誘導体が挙げられる。
【0027】
これらのうち、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−メタアクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソランが重合性、及び得られる感放射線性樹脂組成物のアルカリ現像液に対する優れた現像性と得られたスペーサーの柔軟性と高い弾性回復率を示す点から好ましく用いられる。(a2)成分は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
【0028】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a2)から誘導される構成単位を、好ましくは1〜70重量%、特に好ましくは3〜50重量%含有している。この構成単位が1重量%未満の場合は、得られる感放射線性樹脂組成物のアルカリ現像液に対する現像性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は現像性が高くなりすぎ、感度の低下やパターン形状を損なう傾向にある。
【0029】
さらに、(a3)他のエチレン性不飽和化合物(以下、単に「他の単量体」という。)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸i−プロピル等のアクリル酸アルキルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル等のメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、アクリル酸イソボロニル等のアクリル酸脂環式エステル;メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸2−(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシ)エチル、メタクリル酸イソボロニル等のメタクリル酸脂環式エステル;アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル等のアクリル酸のアリールエステルあるいはアラルキルエステル;メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸のアリールエステルあるいはアラルキルエステル;マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジアルキルエステル;メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−(6−ヒドロキシエチルヘキサノイルオキシ)エチルエステル等のメタクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフリル、メタクリル酸テトラヒドロフピラン−2−メチル等の酸素一原子を含む不飽和複素五及び六員環メタクリル酸エステル;アクリル酸グリシジル、アクリル酸2−メチルグリシジル、アクリル酸3,4−エポキシブチル、アクリル酸6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル等のアクリル酸エポキシアルキルエステル;メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル、メタクリル酸3,4−エポキシブチル、メタクリル酸6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシル等のメタクリル酸エポキシアルキルエステル;α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル等のα−アルキルアクリル酸エポキシアルキルエステル;o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル;スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン等のビニル芳香族化合物;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体;1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン系化合物のほか、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル等を挙げることができる。
【0030】
これらの他の単量体のうち、共重合反応性および得られる共重合体のアルカリ水溶液に対する溶解性の点から、アクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、スチレン、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、1,3−ブタジエンメタクリル酸2−(6−ヒドロキシエチルヘキサノイルオキシ)エチルエステル等が好ましい。
【0031】
共重合体[A]において、他の単量体は、単独もしくは2種類以上を混合して使用することができる。
【0032】
本発明で用いられる共重合体[A]は、化合物(a3)から誘導される構成単位を、好ましくは10〜70重量%、さらに好ましくは20〜50重量%、特に好ましくは30〜50重量%含有している。構成単位が10重量%未満の場合は、共重合体[A]の保存安定性が低下する傾向にあり、一方70重量%を超える場合は共重合体[A]がアルカリ水溶液に溶解しにくくなる。
【0033】
上記のように本発明で用いられる共重合体[A]は、カルボキシル基および/またはカルボン酸無水物基ならびに化学式(1)に示される不飽和化合物とを有しており、アルカリ水溶液に対して適切な溶解性を有するとともに、特別な硬化剤を併用しなくとも加熱により容易に硬化させることができる。
【0034】
上記の共重合体[A]を含む感放射線性樹脂組成物は、現像する際に良好なアルカリ溶解性を示し、容易に所定パターンのスペーサーを形成することができる。
【0035】
共重合体[A]の製造に用いられる溶媒としては、例えば、アルコール、エーテル、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素、ケトン、エステルなどを挙げることができる。
【0036】
これらの具体例としては、アルコールとして、例えばメタノール、エタノール、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノールなど;
エーテルとして、例えばテトラヒドロフランなど;
グリコールエーテルとして、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなど;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなど;
ジエチレングリコールとして、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなど;
ジプロピレングリコールとして、例えばジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテルなど;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルとして、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネートとして、例えばプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールブチルエーテルアセテートなど;
プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートとして、例えばプロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなど;
芳香族炭化水素として、例えばトルエン、キシレンなど;
ケトンとして、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなど;
エステルとして、例えば酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、酢酸3−メトキシブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステルをそれぞれ挙げることができる。
【0037】
これらのうち、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが好ましく、就中、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、酢酸3−メトキシブチルが特に好ましい。
【0038】
前記溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0039】
また、前記重合に用いられるラジカル重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4―シアノバレリアン酸)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物;過酸化水素等を挙げることができる。また、ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、それと還元剤とを併用して、レドックス型開始剤としてもよい。
【0040】
これらのラジカル重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0041】
このようにして得られた共重合体〔A〕は、溶液のまま感放射線性樹脂組成物の調製に供しても、また溶液から分離して感放射線性樹脂組成物の調製に供してもよい。
【0042】
共重合体〔A〕のゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という。)は、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは5,000〜50,000である。Mwが2,000未満であると、得られる被膜の現像性、残膜率等が低下したり、またパターン形状、耐熱性等が損なわれるおそれがあり、一方100,000を超えると、解像度が低下したり、パターン形状が損なわれるおそれがある。
−重合性化合物〔B〕−
感放射線性樹脂組成物(イ)における〔B〕成分は、エチレン性不飽和結合を有する重合性化合物(以下、「重合性化合物〔B〕」という。)
重合性化合物〔B〕としては、特に限定されるものではないが、単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルが、重合性が良好であり、得られるスペーサーの強度が向上する点から好ましい。
【0043】
前記単官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルメタクリレート、イソボロニルアクリレート、イソボロニルメタクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ω―カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート等を挙げることができ、また市販品として、例えば、アロニックスM−101、同M−111、同M−114、同M−5300(東亜合成(株)製);KAYARAD TC−110S、同TC−120S(日本化薬(株)製);ビスコート158、同2311(大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0044】
また、前記2官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジメタクリレート等を挙げることができ、また市販品として、例えば、アロニックスM−210、同M−240、同M−6200(東亜合成(株)製)、KAYARAD HDDA、同HX−220、同R−604(日本化薬(株)製)、ビスコート260、同312、同335HP(大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0045】
さらに、前記3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリ(2−アクリロイルオキシエチル)フォスフェート、トリ(2−メタクリロイルオキシエチル)フォスフェート等を挙げることができる。
特に9官能以上の(メタ)アクリレートは、アルキレン直鎖および脂環構造を有し、2個以上のイソシアネート基を含む化合物と分子内に1個以上の水酸基を含有する3官能、4官能および5官能の(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られるウレタンアクリレート化合物が挙げられる。
上記市販品として、例えば、アロニックスM−309、同M−400、同M−405、同M−450、同M−7100、同M−8030、同M−8060、同TO−1450(東亜合成(株)製)、KAYARAD TMPTA、同DPHA、同DPCA−20、同DPCA−30、同DPCA−60、同DPCA−120(日本化薬(株)製)、ビスコート295、同300、同360、同GPT、同3PA、同400(大阪有機化学工業(株)製)等を挙げることができる。9官能以上の多官能ウレタンアクリレートの市販品は、例として、ニューフロンティア R−1150(以上、第一工業製薬(株)製)、KAYARAD DPHA−40H(以上、日本化薬(株)製)等が挙げられる。
【0046】
これらの単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルのうち、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルがさらに好ましく、特に、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートおよびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましい。
【0047】
前記単官能、2官能または3官能以上の(メタ)アクリル酸エステルは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0048】
感放射線性樹脂組成物(イ)において、重合性化合物〔B〕の使用量は、共重合体〔A〕100重量部に対して、好ましくは50〜200重量部、さらに好ましくは60〜150重量部である。重合性化合物〔B〕の使用量が50重量部未満では、現像時に現像残りが発生するおそれがあり、一方200重量部を超えると、得られるスペーサーの密着性が低下する傾向がある。
−感放射線性重合開始剤〔C〕−
感放射線性樹脂組成物における感放射線性重合開始剤は、可視光線、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線などの放射線の露光により、重合性不飽和化合物の重合を開始しうる活性種を発生する成分からなる。このような感放射線性重合開始剤としては、例えば、9.H.−カルバゾール系のO−アシルオキシム型重合開始剤(以下、「O−アシルオキシム型重合開始剤(I)」という。)が好ましい。
【0049】
O−アシルオキシム型重合開始剤(I)としては、例えば、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−ノナン−1,2−ノナン−2−オキシム−O−ベンゾアート、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−ノナン−1,2−ノナン−2−オキシム−O−アセタート、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−ペンタン−1,2−ペンタン−2−オキシム−O−アセタート、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセタート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾアート、1−〔9−エチル−6−(1,3,5−トリメチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾアート、1−〔9−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾアート、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等を挙げることができる。
【0050】
これらのO−アシルオキシム型重合開始剤(I)のうち、特にエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)、エタノン,1−[9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
【0051】
前記O−アシルオキシム型重合開始剤(I)は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0052】
本発明において、重合開始剤〔C〕成分として、O−アシルオキシム型カルバゾール系化合物(C1)あるいはこれと他のO−アシルオキシム型光重合開始剤とを使用することにより、1,500J/m以下の露光量でも、高感度であり、かつ基板との密着性に優れた表示パネル用スペーサーを形成することができる。
【0053】
感放射線性樹脂組成物(イ)において、O−アシルオキシム型カルバゾール系化合物(C1)および他のO−アシルオキシム型光重合開始剤の合計使用量は、重合性化合物〔B〕100重量部に対して、好ましくは1〜30重量部、さらに好ましくは2〜20重量部である。光重合開始剤〔C〕の使用量が1重量部未満では、現像時の残膜率が低下する傾向があり、一方30重量部を超えると、現像時に未露光部のアルカリ性現像液に対する溶解性が低下する傾向がある。
【0054】
さらに、他のO−アシルオキシム型光重合開始剤以外の他の重合開始剤としては、例えば、ビイミダゾール系化合物、ベンゾイン系化合物、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、感放射線カチオン重合開始剤としてオニウム塩、メタロセン化合物等を挙げることができる。これらのうち、アセトフェノン系化合物およびビイミダゾール系化合物、感放射線カチオン重合開始剤が好ましい。
【0055】
前記アセトフェノン系化合物としては、例えば、α−ヒドロキシケトン系化合物、α−アミノケトン系化合物、これら以外の化合物を挙げることができる。
【0056】
前記α−ヒドロキシケトン系化合物の具体例としては、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等を挙げることができ、前記α−アミノケトン系化合物の具体例としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1−オン等を挙げることができる。
【0057】
これらのアセトフェノン系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0058】
本発明においては、他の重合開始剤としてアセトフェノン系化合物を用いることにより、感度、得られるスペーサーの形状や圧縮強度等をさらに改善することが可能である。
【0059】
前記ビイミダゾール系化合物の具体例としては、例えば、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
等を挙げることができる。
【0060】
前記ビイミダゾール系化合物のうち、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が好ましく、特に好ましくは、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールである。
【0061】
前記ビイミダゾール系化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0062】
これらのビイミダゾール系化合物を用いることにより、感度、解像度、及び密着性をさらに良好にすることが可能である。
【0063】
また、他の重合開始剤としてビイミダゾール系化合物を用いる場合、それを増感するため、ジアルキルアミノ基を有する芳香族系化合物(以下、「ジアルキルアミノ基含有増感剤」という)を併用することができる。
ジアルキルアミノ基含有増感剤としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸i−アミル、p−ジエチルアミノ安息香酸i−アミル等を挙げることができる。
これらのジアルキルアミノ基含有増感剤のうち、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。
前記、ジアルキルアミノ基含有増感剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
ジアルキルアミノ基含有増感剤の使用量は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、より好ましくは1〜20重量部である。ジアルキルアミノ基含有増感剤の使用量が、0.1重量部未満の場合は得られるスペーサーの膜べりを生じたり、パターン形状が損なわれたりするおそれがあり、一方、50重量部を超えると、スペーサーのパターン形状が損なわれるおそれがある。
【0064】
さらに、他の重合開始剤としてビイミダゾール化合物とジアルキルアミノ基含有増感剤とを併用する場合、水素供与化合物としてチオール系化合物を添加することができる。ビイミダゾール化合物はジアルキルアミノ基含有増感剤によって増感されて開裂し、イミダゾールラジカルを発生するが、この時必ずしも高い重合開始能が発現されるとはいえず、得られるスペーサーが逆テーパ形状のような好ましくない形状となる場合が多い。この問題は、ビイミダゾール化合物とジアルキルアミノ基含有増感剤とが共存する系に、チオール系化合物を添加することにより緩和することができる。即ち、イミダゾールラジカルにチオール化合物から水素ラジカルが供与されることで、イミダゾールラジカルが中性のイミダゾールになり、重合開始能の高い硫黄ラジカルを有する成分が発生する結果、スペーサーの形状がより好ましい順テーパ形状になるのである。
【0065】
上記チオール系化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾチアゾール、2−メルカプト−5−メトキシベンゾイミダゾールなどの芳香族系チオール、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸メチル、3−メルカプトプロピオン酸エチル、3−メルカプトプロピオン酸オクチルなどの脂肪族系モノチオールが挙げられる。2官能以上の脂肪族チオールとして、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、ペンタエリストールテトラ(メルカプトアセテート)、ペンタエリストールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)などが挙げられる。
これらのチオール化合物は、単独でまたは2種類以上を混合して使用することができる。
【0066】
チオール化合物の使用割合は、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは0.1〜50重量部、さらに好ましくは1〜20重量部である。チオール系化合物の使用量が、0.1重量部未満の場合は得られるスペーサーの膜べりやパターン形状不良が生じる傾向にあり、一方50重量部を超えると、スペーサーのパターン形状が損なわれるおそれがある。
【0067】
さらに、感放射線重合開始剤としては、オニウム塩として例えばフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスホネート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアルセネート、フェニルジアゾニウムトリフルオロメタンスルホナート、フェニルジアゾニウムトリフルオロアセテート、フェニルジアゾニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジアゾニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジアゾニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジアゾニウム−p−トルエンスルホナート、4−ter−ブチルフェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、4−ter−ブチルフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスホネート、4−ter−ブチルフェニルジアゾニウムヘキサフルオロアルセネート、4−ter−ブチルフェニルジアゾニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−ter−ブチルフェニルジアゾニウムトリフルオロアセテート、4−ter−ブチルフェニルジアゾニウム−p−トルエンスルホナートなどのジアゾニウム塩;トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニル−p−トルエンスルホナートなどのスルホニウム塩が挙げられる。
【0068】
また、メタロセン化合物として、(1−6−η−クメン)(η−シクロペンタジエニル)鉄(1+)六フッ化リン酸(1−)等が挙げられる。
【0069】
これらの感放射線重合開始剤の市販品としては、例えばジアゾニウム塩であるアデカウルトラセットPP−33(ADEKA(株)製)、スルホニウム塩であるOPTOMER SP−150、同−170(ADEKA(株)製)、およびメタロセン化合物であるIrgacure261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)などが挙げられる。
【0070】
上記の重合開始剤は、単独で、または2種類以上を混合して使用することができる。
【0071】
感放射線性樹脂組成物(イ)において、他の重合開始剤の使用割合は、全感放射線性重合開始剤100重量部に対して、好ましくは100重量部以下、さらに好ましくは80重量部以下、特に好ましくは60重量部以下である。この場合、他の光重合開始剤の使用割合が100重量部を超えると、本発明の所期の効果が損なわれるおそれがある。
−添加剤−
感放射線性樹脂組成物(イ)には、本発明の所期の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、前記成分以外の添加剤を配合することもできる。
【0072】
例えば、塗布性を向上するために、界面活性剤を配合することができる。その界面活性剤は、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤を好適に用いることができる。
【0073】
フッ素系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。その具体例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキルホスホン酸ナトリウム、フルオロアルキルカルボン酸ナトリウム、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、パーフルオロアルキルポリオキシエタノール、パーフルオロアルキルアルコキシレート、フッ素系アルキルエステル等を挙げることができる。
【0074】
また、これらの市販品としては、例えばBM−1000、BM−1100(以上、BM CHEMIE社製)、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183、同F178、同F191、同F471、同F476(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、フロラードFC 170C、FC−171、FC−430、FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(以上、新秋田化成(株)製)、フタージェントFT−100、同FT−110、同FT−140A、同FT−150、同FT−250、同FT−251、同FTX−251、同FTX−218、同FT−300、同FT−310、同FT−400S(以上、(株)ネオス製)等を挙げることができる。
また、シリコーン系界面活性剤としては、例えばトーレシリコーンDC3PA、同DC7PA、同SH11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH−190、同SH−193、同SZ−6032、同SF−8428、同DC−57、同DC−190(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、TSF−4440、TSF−4300、TSF−4445、TSF−4446、TSF−4460、TSF−4452(以上、GE東芝シリコーン(株)製)等の商品名で市販されているものを挙げることができる。
【0075】
また、前記以外の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレート等のポリオキシエチレンジアルキルエステル等のノニオン系界面活性剤や、市販品として、KP341(信越化学工業(株)製)、ポリフローNo.57、95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0076】
これらの界面活性剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0077】
界面活性剤の配合量は、共重合体〔A〕100重量部に対して、好ましくは5重量部以下、さらに好ましくは2重量部以下である。界面活性剤の配合量が5重量部を超えると、塗布時に膜荒れを生じやすくなる傾向がある。
【0078】
また、基体との密着性をさらに向上させるために、接着助剤を配合することができる。
【0079】
前記接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましく、その例としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性官能基を有するシランカップリング剤を挙げることができる。より具体的には、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0080】
これらの接着助剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0081】
接着助剤の配合量は、共重合体〔A〕100重量部に対して、好ましくは20重量部以下、さらに好ましくは10重量部以下である。接着助剤の配合量が20重量部を超えると、現像残りが生じやすくなる傾向がある。
【0082】
その他添加剤を加えることができる。保存安定性の向上などを目的として添加される。具体的には、硫黄、キノン類、ヒドロキノン類、ポリオキシ化合物、アミン、ニトロニトロソ化合物が挙げられる。その例として、4−メトキシフェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウムなどが挙げられる。これらは、共重合体[A]100重量部に対して、好ましくは3.0重量部以下、より好ましくは0.001〜0.5重量部で用いられる。3.0重量部を超える場合は、十分な感度が得られず、パターン形状が悪化する。
【0083】
また、耐熱性向上のため、N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物、N−(アルコキシメチル)メラミン化合物および2官能以上のエポキシ基を1分子中に有する化合物を添加することができる。前記N−(アルコキシメチル)グリコールウリル化合物の具体例としては、N,N,N’,N’−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(エトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(n−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(i−プロポキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(n−ブトキシメチル)グリコールウリル、N,N,N’,N’−テトラ(t−ブトキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。これらのうち特に、N,N,N’,N’−テトラ(メトキシメチル)グリコールウリルが好ましい。前記N−(アルコキシメチル)メラミン化合物の具体例としては、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(メトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(エトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(n−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(i−プロポキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(n−ブトキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(t−ブトキシメチル)メラミン等を挙げることができる。これらのうち特に、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(メトキシメチル)メラミンが好ましい。これらの市販品としては、ニカラックN−2702、MW−30M(以上 三和ケミカル(株)製)等が挙げられる。
【0084】
2官能以上のエポキシ基を1分子中に有する化合物としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等が挙げられる。これら市販品の具体例としては、エポライト40E,エポライト100E,エポライト200E,エポライト70P,エポライト200P,エポライト400P,エポライト40E,エポライト1500NP,エポライト1600,エポライト80MF,エポライト100MF,エポライト4000、エポライト3002(以上 共栄社化学(株)製)等が挙げられる。これらは単独もしくは2種以上の組み合わせで使用できる。
組成物溶液
感放射線性樹脂組成物(イ)は、その使用に際して、通常、共重合体〔A〕、重合性化合物〔B〕、感放射線性重合開始剤〔C〕等の構成成分を適当な溶剤を溶解して、組成物溶液として調製される。
【0085】
前記組成物溶液の調製に使用される溶剤としては、感光性樹脂組成物(イ)を構成する各成分を均一に溶解し、かつ各成分と反応しないものが用いられる。
【0086】
このような溶媒としては、上述した共重合体[A]を製造するために使用できる溶媒として例示したものと同様のものを挙げることができる。
【0087】
このような溶媒のうち、各成分の溶解性、各成分との反応性、塗膜形成のし易さ等の点から、例えばアルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、エステルおよびジエチレングリコールが好ましく用いられる。これらのうち、例えばベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、3−フェニル−1−プロパノール、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、酢酸―3メトキシブチルが特に好ましく使用できる。
【0088】
さらに前記溶媒とともに膜厚の面内均一性を高めるため、高沸点溶媒を併用することもできる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。これらのうち、N−メチルピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
【0089】
このように調製された組成物溶液は、必要に応じて、孔径が例えば0.2〜0.5μm程度のミリポアフィルタ等によりろ過して、使用に供することもできる。
【0090】
感放射線性樹脂組成物(イ)は、特に、液晶パネルやタッチパネルなどの表示素子用スペーサーを形成するための材料として好適である。
表示素子用スペーサー
感放射線性樹脂組成物(イ)を用いて表示素子用スペーサーを形成する際には、組成物溶液を基板の表面に塗布したのち、プレベークして溶剤を除去することにより、塗膜を形成する。
【0091】
本発明の感放射線性樹脂組成物の被膜を形成する方法としては、例えば(1)塗布法、(2)ドライフィルム法によることができる。
【0092】
組成物溶液の塗布法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット塗布法などの適宜の方法を採用することができ、特にスピンコート法、スリットダイ塗布法が好ましい。
【0093】
また、本発明の感放射線性樹脂組成物の被膜を形成する際に、(2)ドライフィルム法を採用する場合、該ドライフィルムは、ベースフィルム、好ましくは可とう性のベースフィルム上に、本発明の感放射線性樹脂組成物からなる感光性層を積層してなるもの(以下、「感光性ドライフィルム」という)である。
【0094】
上記感光性ドライフィルムは、ベースフィルム上に、本発明の感放射線性樹脂組成物を好ましくは液状組成物として塗布したのち乾燥することにより、感光性層を積層して形成することができる。感光性ドライフィルムのベースフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどの合成樹脂のフィルムを使用することができる。ベースフィルムの厚さは、15〜125μmの範囲が適当である。得られる感光性層の厚さは、1〜30μmの程度が好ましい。
【0095】
感光性ドライフィルムは、未使用時に、その感光性層上にさらにカバーフィルムを積層して保存することもできる。このカバーフィルムは、未使用時には剥がれず、使用時には容易に剥がすことができるように、適度な離型性を有する必要がある。このような条件を満たすカバーフィルムとしては、例えば、PETフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリウレタンフィルムなどの合成樹脂フィルムの表面にシリコーン系離型剤を塗布または焼き付けフィルムを使用することができる。カバーフィルムの厚さは、通常、5〜30μm程度が好ましい。
これらカバーフィルムは、必要に応じて2層もしくは3層のカバーフィルムを積層することができる。
また、プレベークの条件は、各構成成分の種類、配合割合などによっても異なるが、通常、70〜110℃で1〜15分間程度である。
【0096】
次いで、プレベークされた塗膜に、所定パターンのマスクを介し露光して重合させたのち、現像液により現像し、不要な部分を除去して、パターンを形成する。
【0097】
露光に使用される放射線としては、可視光線、紫外線、遠紫外線、荷電粒子線、X線等を適宜に選択できるが、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましい。
【0098】
現像方法としては、例えば、液盛り法、浸漬法、シャワー法等の何れでもよく、現像時間は、通常、30〜180秒間である。
【0099】
前記現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の3級アルカノールアミン類;ピロール、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の脂環族3級アミン類;ピリジン、コリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族3級アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等のアルカリ性化合物の水溶液を使用することができる。
【0100】
また、前記アルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒および/または界面活性剤を適当量添加することもできる。
【0101】
現像後、例えば流水洗浄等により、例えば30〜90秒間洗浄して、不要な部分を除去したのち、圧縮空気や圧縮窒素を吹きつけて乾燥させることにより、所定のパターンが形成される。
【0102】
その後、このパターンを、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、所定温度、例えば150〜250℃で、所定時間、ホットプレート上では例えば5〜30分間、オーブン中では例えば30〜90分間、加熱処理することにより、目的とするスペーサーを得ることができる。
【実施例】
【0103】
以下に、実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0104】
合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4重量部、酢酸3−メトキシブチル250重量部を仕込んだ。引き続きスチレン5重量部、メタクリル酸10重量部、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン40重量部、メタクリル酸2−メチルグリシジル25重量部、メタクリル酸ベンジル20重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[A−1]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は27.9重量%であり、重合体の重量平均分子量は、26,000であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) Shodex GPC−101(昭和電工(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
【0105】
合成例2
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)4重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート250重量部を仕込んだ。引き続きスチレン5重量部、メタクリル酸8重量部、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン45重量部、メタクリル酸グリシジル20重量部、メタクリル酸ベンジル22重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[A−2]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は28.5重量%であり、重合体の重量平均分子量は、25,000であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) Shodex GPC−101(昭和電工(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
【0106】
合成例3
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7重量部、酢酸3−メトキシブチル250重量部を仕込んだ。引き続きスチレン5重量部、メタクリル酸10重量部、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン40重量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(トリシクロデカニルメタクリレート)10重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15重量部、メタクリル酸ベンジル20重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を4時間保持し共重合体[A−3]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は28.0重量%であり、重合体の重量平均分子量は、22,000であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) Shodex GPC−101(昭和電工(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
【0107】
比較合成例1
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル7重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート250重量部を仕込んだ。引き続き、スチレン5重量部、メタクリル酸15重量部、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(トリシクロデカニルメタクリレート)35重量部、メタクリル酸ベンジル45重量部を仕込み窒素置換した後、ゆるやかに攪拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持し共重合体[A−4]を含む重合体溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は29.0重量%であり、重合体の重量平均分子量は、28,000であった(重量平均分子量はGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー) Shodex GPC−101(昭和電工(株)製)を用いて測定したポリスチレン換算分子量である)。
【0108】
実施例1
組成物溶液の調製
共重合体〔A〕として合成例1で得た共重合体〔A−1〕の溶液100重量部(固形分)、重合性化合物〔B〕としてKAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)100重量部、光重合開始剤〔C〕としてエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 イルガキュアOX02)5重量部、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 イルガキュア379)10重量部を固形分濃度が30重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解したのち、孔径0.2μmのミリポアフィルタでろ過して、組成物溶液(S−1)を調製した。
(I)スペーサーの形成
無アルカリガラス基板上にスピンナーを用いて、上記組成物溶液を塗布した後、80℃で3分間ホットプレート上でプレベークして膜厚3.5μmの塗膜を形成した。
【0109】
上記で得られた塗膜に15μm丸の残しパターンのマスクを介して、露光ギャップを150μmで、露光を行った。次いで水酸化カリウム0.05重量%水溶液で25℃、現像した後、純水で1分間リンスした。さらに、オーブン中、230℃で30分間加熱(以下ポストベークという)しスペーサーを形成した。
(II)感度の評価
スペーサーを形成したとき、現像後の残膜率(ポストベーク後の膜厚×100/露光後膜厚)が90%以上になる露光量を感度とした。以下の評価項目はそれぞれの組成物における感度でパターン形成した。評価結果を表2に示す。
(III)現像性の評価
前記(I)で現像を実施した時、未露光部に残渣(現像残り)がなく、パターンが形成される最短の時間を表2に示す。時間が短いほど現像性が良好と言える。
(IV)ラビング耐性の評価
上記(I)で得られた基板に、液晶配向剤としてAL3046(JSR(株)製)を液晶配向膜塗布用印刷機により塗布し、180℃で1時間乾燥し、乾燥膜厚0.05μmの配向剤の塗膜を形成した。
【0110】
この塗膜に、ナイロン製の布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロールの回転数500rpm、ステージの移動速度1cm/秒でラビング処理を行った。この時のスペーサーパターンの削れや剥がれの有無を表2に示す。
(V)密着性の評価
パターンマスクを使用しなかった以外は上記(I)と同様に実施して、密着性評価用の硬化膜を形成し、密着性試験を行った。試験法はJIS K−5400(1900)8.5の付着性試験のうち、8.5・2の碁盤目テープ法に従った。その際、残った碁盤目の数(10×10個)を表2に示す。碁盤目の数100個のうち、全て残った場合密着性は良好と言える。
(VI)耐熱安定性の評価
上記(I)において形成したスペーサーパターンを更にオーブン中で230℃で30分追加加熱した後、スペーサーの高さ変化を測定した。その変化率を、追加加熱後の膜厚×100/ポストベーク後膜厚)の式により求めた。変化率が99%以上であれば、耐熱安定性が良好であると言える。評価結果を表2に示す
(VII)弾性回復率の評価
得られたスペーサーについて、微小圧縮試験機(商品名DUH−201、(株)島津製作所製)を用い、直径50μmの平面圧子により、負荷速度および徐荷速度をともに2.6mN/秒として、50mNまでの荷重を負荷して5秒間保持したのち除荷して、負荷時の荷重−変形量曲線および徐荷時の荷重−変形量曲線を作成した。このとき、図1に示すように、負荷時の荷重50mNでの変形量と荷重5mNでの変形量との差をL1とし、除荷時の荷重50mNでの変形量と荷重5mNでの変形量との差をL2として、下記式により、弾性回復率を算出した。
【0111】
弾性回復率(%)=L2×100/L1
弾性回復率と変異量を表2に示す。
【0112】
実施例2〜11および比較例1〜3
実施例1において、〔A〕成分〜〔C〕成分として、表1に記載の通りの種類、量を使用した他は、実施例1と同様にして、組成物溶液を調製し、スペーサーを形成して、評価した。[B]〜[C]の添加量は、共重合体[A]100重量部に対しての重量比である。
【0113】
実施例11
スピンナーを用いて塗膜する代わりに、感放射線性樹脂組成物の液状組成物(S−11)をドライフィルム法で塗膜を作成した以外は、実施例1と同様にして、パターン状薄膜を形成して評価した。各成分を表1に示す。なお、露光工程前にベースフィルムの剥離除去を行った。評価結果を表2に示す。
【0114】
ドライフィルムの作成および転写は以下のごとく行った。
【0115】
厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、アプリケーターを用いて感放射線性樹脂組成物の液状組成物(S−11)を塗布し、塗膜を100℃で5分間加熱し、厚さ4μmの感放射線性ドライフィルム(J−1)を作製した。次に、ガラス基板の表面に、感放射線性転写層の表面が当接されるように感放射線性転写ドライフィルムを重ね合わせ、熱圧着法で感放射線性ドライフィルム(J−1)をガラス基板に転写した。
【0116】
−ドライフィルムのガラス基板への転写性の評価−
感放射線性ドライフィルムをガラス基板上に熱圧着法にて転写した際、ドライフィルムがガラス基板上に均一に転写できた場合を「○」、部分的にベースフィルム上にドライフィルムが残ったり、ガラス基板にドライフィルムが密着しなかったりするなど、ガラス基板上にドライフィルムを均一に転写できなかった場合を「×」とした。

比較例3
実施例11において、感放射線性樹脂組成物の液状組成物(S−11)に代えて感放射線性樹脂組成物の液状組成物(s−3)を用いる以外は、実施例11と同様にして、感放射線性ドライフィルム(J−2)を作製後、パターン状薄膜を形成して評価した。各成分を表1に示す。評価結果を表2に示す。また、転写性の評価結果も表2に示す。
【0117】
表1中、成分の略称は次の化合物を示す。
(B−1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(商品名KAYARAD DPHA(日本化薬(株)製)
(B−2):多官能ウレタンアクリレート系化合物を含有する市販品(商品名KAYARAD DPHA−40H)
(B−3):ペンタエリストールテトラアクリレート(商品名アロニックス M−450(東亜合成(株)製)
(B−4):ω―カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート(商品名アロニックス M−5300(東亜合成(株)製)
(B−5):1,9−ノナンジアクリレート(商品名ライトアクリレート1,9−NDA(共栄社(株)製
(C−1):エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 イルガキュアOX02)
(C−2):エタノン,1−[9−エチル−6−[2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル]−9.H.−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(ADEKA社製 N−1919)
(C−3):2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 イルガキュア379)
(C−4):2,2’−ビス(2-クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール
(C−5):4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
(C−6):2−メルカプトベンゾチアゾール
(C−7):2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製 イルガキュア369)
(C−8):2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノプロパン−1−オン(商品名イルガキュア907、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)
(D−1):フェノールノボラックエポキシ樹脂 エピコート152( ジャパンエポキシレジン(株)製)
表1中、−印は、該成分が添加されていないことを示す。
【0118】
評価結果を、表2に示す。
【0119】
【表1】

【0120】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】弾性回復率の評価における負荷時および除荷時の荷重−変形量曲線を例示する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
[A](a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、
(a2)下記式(1)で示される不飽和化合物、
(a3)前記(a1)および(a2)以外の不飽和化合物の共重合体を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
【化1】


(式中、R、Rは各々、水素原子、一価の有機基を示し、Rは水素原子もしくはメチル基を示し、Xは、二価の有機基を示す。)
【請求項2】
[B]重合性不飽和化合物、および
[C]感放射線性重合開始剤
をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項3】
液晶表示素子用スペーサーの形成に用いられる請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物から形成されてなる液晶表示素子用スペーサー。
【請求項5】
少なくとも以下の工程を以下に記載の順序で含むことを特徴とする液晶表示素子用スペーサーの形成方法。
(イ)請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物の被膜を基板上に形成する工程、
(ロ)該被膜の少なくとも一部に露光する工程、
(ハ)露光後の該被膜を現像する工程、および
(ニ)現像後の該被膜を加熱する工程。
【請求項6】
請求項4に記載のスペーサーを具備する液晶表示素子。

【図1】
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【公開番号】特開2008−203588(P2008−203588A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−40377(P2007−40377)
【出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000004178)JSR株式会社 (3,320)
【Fターム(参考)】