説明

抗アレルギー剤

【課題】優れた抗アレルギー活性を有する物質の提供。
【解決手段】
本発明の抗アレルギー剤は,下記の式で表わされる物質である。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,抗アレルギー剤に関するもので,例えば,飲食品,薬品,医薬部外品,化粧品等の素材として適用されるものである。
【背景技術】
【0002】
アレルギー疾患の中で花粉症は,日本人の10人に1人が罹患している現代病で,その多くが毎年2月から5月にかけてのスギやヒノキの花粉飛散時期に,鼻水,くしゃみ,目のかゆみなどの不快症状に悩まされている。予防や治療には,クロモグリク酸ナトリウムやリザベンに代表される酸性抗アレルギー剤や,オキサトミド,ケトティフェンなどの抗ヒスタミン作用を併せ持つ塩基性抗アレルギー剤が用いられる。一方,機能性食品市場においては,これまでに,甜茶,シソ,トマト,バラなど,植物由来の抗アレルギー素材が数多く開発されており,各素材について,その作用機序やヒトでの有効性など,機能の裏付けとなる科学的データが付与されている。
【0003】
フキ(Petasites japonicus)は,数少ない日本原産の野菜で,風味や食感が良いことから,日本人に古くから親しまれてきた。その種類は,山野に自生する野生のフキの他,栽培品種である「愛知早生フキ(P.japonicus Maxim.)」,「アキタブキ(P.japonicus Maxim.var.giganteus)」,「ラワンブキ」など200種以上を数える。一方,中国においてフキは,蜂斗菜(ホウトサイ)と呼ばれ,古くは解毒,駆お血(くおけつ)および打撲症の治療を目的に使用されてきた。本発明者らは,愛知早生ふきに含有される抗アレルギー活性成分の探索を,マスト細胞からの脱顆粒抑制活性を指標に行った結果,新規セスキテルペン配糖体成

および2β−ヒドロキシフキノン
【化2,R=H】
が,強い抗アレルギー活性を有することを見出した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は,植物由来成分として容易に摂取でき、人体に対し安全性が高く、かつI型アレルギー疾患の主標的細胞であるマスト細胞の,脱顆粒反応を抑制することができる、新規な抗アレルギー剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決する植物由来成分を調査すべく鋭意研究を行った結果、キク科(Compositae)のフキ(Petasites japonicus)から得られた新規化合物2β−ヒド

細胞からの脱顆粒を抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。
【化1】

【0006】
さらに
【化1】
のアグリコンである2β−ヒドロキシフキノン
【化2,R=H】
についても,脱顆粒抑制活性を見出した。
【化2】

すなわち、本発明は、
【化1】
または
【化2】
を含有する抗アレルギー剤を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の抗アレルギー剤は,粉末のままであるいは賦形剤とともに混合し,散剤,顆粒剤,錠剤,カプセル剤などに使用できる。
【0008】
本発明の抗アレルギー剤は,各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては,例えば,食用油(サラダ油),菓子類(ガム,キャンディー,キャラメル,チョコレート,クッキー,スナック,ゼリー,グミ,錠菓等),麺類(そば,うどん,ラーメン等),乳製品(ミルク,アイスクリーム,ヨーグルト等),調味料(味噌,醤油等),スープ類,飲料(ジュース,コーヒー,紅茶,茶,炭酸飲料,スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や,健康食品(錠剤,カプセル等),栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の抗アレルギー剤を,1日摂取量あたり1〜10mg配合するとよい。
【0009】
これら飲食品には,その種類に応じて種々の成分を配合することができ,例えば,ブドウ糖,果糖,ショ糖,マルトース,ソルビトール,ステビオサイド,コーンシロップ,乳糖,クエン酸,酒石酸,リンゴ酸,コハク酸,乳酸,L−アスコルビン酸,dl−α−トコフェロール,エリソルビン酸ナトリウム,グリセリン,プロピレングリコール,グリセリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,ショ糖脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,プロピレングリコール脂肪酸エステル,アラビアガム,カラギーナン,カゼイン,ゼラチン,ペクチン,寒天,ビタミンB類,ニコチン酸アミド,パントテン酸カルシウム,アミノ酸類,カルシウム塩類,色素,香料,保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに,健康維持機能をもった抗アレルギー機能組成物には,他の抗アレルギー機能を持った健康食品素材などの配剤,例えば,
カテキン,イソフラボン,カルコン,タンニン類,フラボノイド類,クマリン,イソクマリン類,ブルーベリーエキス,リンゴポリフェノール,シソ葉抽出物,アントシアニン,ブドウ種子エキス,エラジ酸,コウジ酸,シソ種子抽出物,カンゾウ,生姜,ケイヒ,ローズマリー,セージ,ビフィズス菌,フェーカリス菌,小麦胚芽油,シソ油,大豆油,イチョウ葉エキス,ウコン,タマネギ,EPA,甜茶,冬虫夏草,ニンニク,ロイヤルゼリー,大麦抽出物,オリーブ葉,黒酢,ウーロン茶,カフェイン,大麦若葉,アミノ酸,ノニ,セラミド,L−システイン,赤ワイン葉,ピクノジェノール,韃靼ソバ,ココアなども配合することができる。
【0010】
本発明の抗アレルギー剤は,薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に,本発明の美容用組成物を適宜配合して製造することができる。本発明の美容用組成物に配合しうる製剤原料としては,例えば,賦形剤(ブドウ糖,乳糖,白糖,塩化ナトリウム,デンプン,炭酸カルシウム,カオリン,結晶セルロース,カカオ脂,硬化植物油,カオリン,タルク等),結合剤(蒸留水,生理食塩水,エタノール水,単シロップ,ブドウ糖液,デンプン液,ゼラチン溶液,カルボキシメチルセルロース,リン酸カリウム,ポリビニルピロリドン等),崩壊剤(アルギン酸ナトリウム,カンテン,炭酸水素ナトリウム,炭酸カルシウム,ラウリル硫酸ナトリウム,ステアリン酸モノグリセリド,デンプン,乳糖,アラビアゴム末,ゼラチン,エタノール等),崩壊抑制剤(白糖,ステアリン,カカオ脂,水素添加油等),吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基,ラウリル硫酸ナトリウム等),吸着剤(グリセリン,デンプン,乳糖,カオリン,ベントナイト,硅酸等),滑沢剤(精製タルク,ステアリン酸塩,ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
【0011】
本発明による抗アレルギー剤の投与方法は,一般的には,錠剤,丸剤,軟・硬カプセル剤,細粒剤,散剤,顆粒剤等の形態で経口投与することができる。また,水溶性製剤は,液剤として経口的に投与することができる。さらに非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は,本発明の抗アレルギー剤をエタノールや適当な可溶化剤に分散させた後,パップ剤,ローション剤,軟膏剤,チンキ剤,クリーム剤などの剤形で適用することができる。
【0012】
投与量は,投与方法,病状,患者の年齢等によって変化し得るが,大人では,通常,1日当たり有効成分として10〜200mg,子供では通常5〜100mg程度投与することができる。
【0013】
本発明の美容用組成物を薬品として使用する際の配合比は,剤型によって適宜変更することが可能であるが,通常,経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.01〜1wt%,非経口投与による場合は,0.1〜1wt%程度にするとよい。なお,投与量は種々の条件で異なるので,前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし,また,範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
【0014】
本発明の美容用組成物は,化粧品の素材として用いてもよい。本発明の抗アレルギー剤を配合しうる皮膚外用剤の形態としては,例えば,乳液,石鹸,洗顔料,入浴剤,クリーム,乳液,化粧水,オーデコロン,ひげ剃り用クリーム,ひげ剃り用ローション,化粧油,日焼け・日焼け止めローション,おしろいパウダー,ファンデーション,香水,パック,爪クリーム,エナメル,エナメル除去液,眉墨,ほお紅,アイクリーム,アイシャドー,マスカラ,アイライナー,口紅,リップクリーム,シャンプー,リンス,染毛料,分散液,洗浄料等が挙げられる。
【0015】
上記形態の皮膚外用剤には,本発明による抗アレルギー剤の他に,その効果を損なわない範囲で化粧品,医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分,油分,高級アルコール,脂肪酸,紫外線吸収剤,粉体,顔料,界面活性剤,多価アルコール・糖,高分子,生理活性成分,溶媒,酸化防止剤,香料,防腐剤等を配合することができる。
例を以下に羅列するが,本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル,2−エチルヘキサン酸セチル,ミリスチン酸イソプロピル,ミリスチン酸ブチル,パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸エチル,パルミチン酸オクチル,イソステアリン酸イソセチル,ステアリン酸ブチル,ミリスチン酸ブチル,リノール酸エチル,リノール酸イソプロピル,オレイン酸エチル,ミリスチン酸イソセチル,ミリスチン酸イソステアリル,パルミチン酸イソステアリル,ミリスチン酸オクチルドデシル,イソステアリン酸イソセチル,セバシン酸ジエチル,アジピン酸ジイソプロピル,ネオペンタン酸イソアラキル,トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル,トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン,トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン,テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール,カプリル酸セチル,ラウリン酸デシル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸デシル,ミリスチン酸ミリスチル,ミリスチン酸セチル,ステアリン酸ステアリル,オレイン酸デシル,リシノレイン酸セチル,ラウリン酸イソステアリル,ミリスチン酸イソトリデシル,ミリスチン酸イソセチル,ミリスチン酸イソステアリル,パルミチン酸イソセチル,パルミチン酸イソステアリル,ステアリン酸オクチル,ステアリン酸イソセチル,オレイン酸イソデシル,オレイン酸オクチルドデシル,リノール酸オクチルドデシル,イソステアリン酸イソプロピル,2−エチルヘキサン酸セトステアリル,2−エチルヘキサン酸ステアリル,イソステアリン酸ヘキシル,ジオクタン酸エチレングリコール,ジオレイン酸エチレングリコール,ジカプリン酸プロピレングリコール,ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール,ジカプリル酸プロピレングリコール,ジカプリン酸ネオペンチルグリコール,ジオクタン酸ネオペンチルグリコール,トリカプリル酸グリセリル,トリウンデシル酸グリセリル,トリイソパルミチン酸グリセリル,トリイソステアリン酸グリセリル,ネオペンタン酸オクチルドデシル,オクタン酸イソステアリル,イソノナン酸オクチル,ネオデカン酸ヘキシルデシル,ネオデカン酸オクチルドデシル,イソステアリン酸イソセチル,イソステアリン酸イソステアリル,イソステアリン酸オクチルデシル,ポリグリセリンオレイン酸エステル,ポリグリセリンイソステアリン酸エステル,炭酸ジプロピル,炭酸ジアルキル(C12−18),クエン酸トリイソセチル,クエン酸トリイソアラキル,クエン酸トリイソオクチル,乳酸ラウリル,乳酸ミリスチル,乳酸セチル,乳酸オクチルデシル,クエン酸トリエチル,クエン酸アセチルトリエチル,クエン酸アセチルトリブチル,クエン酸トリオクチル,リンゴ酸ジイソステアリル,ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル,コハク酸ジ2−エチルヘキシル,アジピン酸ジイソブチル,セバシン酸ジイソプロピル,セバシン酸ジオクチル,ステアリン酸コレステリル,イソステアリン酸コレステリル,ヒドロキシステアリン酸コレステリル,オレイン酸コレステリル,オレイン酸ジヒドロコレステリル,イソステアリン酸フィトステリル,オレイン酸フィトステリル,12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル,12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル,12−ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
炭化水素系の油相成分:スクワラン,流動パラフィン,α−オレフィンオリゴマー,イソパラフィン,セレシン,パラフィン,流動イソパラフィン,ポリブテン,マイクロクリスタリンワックス,ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油,および天然由来のロウ:牛脂,硬化牛脂,豚脂,硬化豚脂,馬油,硬化馬油,ミンク油,オレンジラフィー油,魚油,硬化魚油,卵黄油等の動物油およびその硬化油,アボカド油,アルモンド油,オリーブ油,カカオ脂,杏仁油,ククイナッツ油,ゴマ油,小麦胚芽油,コメ胚芽油,コメヌカ油,サフラワー油,シアバター,大豆油,月見草油,シソ油,茶実油,ツバキ油,トウモロコシ油,ナタネ油,硬化ナタネ油,パーム核油,硬化パーム核油,パーム油,硬化パーム油,ピーナッツ油,硬化ピーナッツ油,ヒマシ油,硬化ヒマシ油,ヒマワリ油,ブドウ種子油,ホホバ油,硬化ホホバ油,マカデミアナッツ油,メドホーム油,綿実油,硬化綿実油,ヤシ油,硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油,ミツロウ,高酸価ミツロウ,ラノリン,還元ラノリン,硬化ラノリン,液状ラノリン,カルナバロウ,モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン,メチルシクロポリシロキサン,オクタメチルポリシロキサン,デカメチルポリシロキサン,ドデカメチルシクロシロキサン,メチルハイドロジェンポリシロキサン,ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン,ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体,ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体,アルキル変性オルガノポリシロキサン,末端変性オルガノポリシロキサン,アミノ変性シリコーン油,アミノ変性オルガノポリシロキサン,ジメチコノール,シリコーンゲル,アクリルシリコーン,トリメチルシロキシケイ酸,シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル,フッ素変性オルガノポリシロキサン,フッ化ピッチ,フルオロカーボン,フルオロアルコール,フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール,ミリスチルアルコール,セチルアルコール,ステアリルアルコール,イソステアリルアルコール,オレイルアルコール,ベヘニルアルコール,2−エチルヘキサノール,ヘキサデシルアルコール,オクチルドデカノール等が挙げられる。
(3)脂肪酸の例
カプリル酸,カプリン酸,ウンデシレン酸,ラウリン酸,ミリスチン酸,パルミチン酸,パルミトレイン酸,ステアリン酸,イソステアリン酸,オレイン酸,リノール酸,リノレン酸,アラキン酸,アラキドン酸,ベヘン酸,エルカ酸,2−エチルヘキサン酸等が挙げられる。
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸,パラアミノ安息香酸アミル,パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル,パラアミノ安息香酸グリセリル,パラアミノ安息香酸エチル,パラアミノ安息香酸オクチル,パラアミノ安息香酸オクチルジメチル,サリチル酸エチレングリコール,サリチル酸オクチル,サリチル酸トリエタノールアミン,サリチル酸フェニル,サリチル酸ブチルフェニル,サリチル酸ベンジル,サリチル酸ホモメンチル,ケイ皮酸ベンジル,パラメトキシケイ皮酸オクチル,パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル,ジパラメトキシケイ皮酸モノ2−エチルヘキサン酸グリセリル,パラメトキシケイ皮酸イソプロピル,パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩,ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物,ウロカニン酸,ウロカニン酸エチル,ヒドロキシメトキシベンゾフェノン,ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩,ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン,ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム,ジヒドロキシベンゾフェノン,ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン,ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン,テトラヒドロキシベンゾフェノン,ブチルメトキシジベンゾイルメタン,2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2−エチルヘキシル−1−オキシ)−1,3,5−トリアジン,2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール,メチル−O−アミノベンゾエート,2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート,フェニルベンゾイミダゾール硫酸,3−(4−メチルベンジリデン)カンフル,イソプロピルジベンゾイルメタン,4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル等,およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
(5)粉体・顔料の例
赤色104号,赤色201号,黄色4号,青色1号,黒色401号等の色素,黄色4号ALレーキ,黄色203号BAレーキ等のレーキ色素,ナイロンパウダー,シルクパウダー,ウレタンパウダー,テフロン(登録商標)パウダー,シリコーンパウダー,ポリメタクリル酸メチルパウダー,セルロースパウダー,デンプン,シリコーンエラストマー球状粉体,ポリエチレン末等の高分子,黄酸化鉄,赤色酸化鉄,黒酸化鉄,酸化クロム,カーボンブラック,群青,紺青等の有色顔料,酸化亜鉛,酸化チタン,酸化セリウム等の白色顔料,タルク,マイカ,セリサイト,カオリン,板状硫酸バリウム等の体質顔料,雲母チタン等のパール顔料,硫酸バリウム,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,珪酸アルミニウム,珪酸マグネシウム等の金属塩,シリカ,アルミナ等の無機粉体,ステアリン酸アルミニウム,ステアリン酸マグネシウム,パルミチン酸亜鉛,ミリスチン酸亜鉛,ミリスチン酸マグネシウム,ラウリン酸亜鉛,ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン,ベントナイト,スメクタイト,窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状,棒状,針状,板状,不定形状,燐片状,紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は,従来公知の表面処理,例えばフッ素化合物処理,シリコーン処理,シリコーン樹脂処理,ペンダント処理,シランカップリング剤処理,チタンカップリング剤処理,油剤処理,N−アシル化リジン処理,ポリアクリル酸処理,金属セッケン処理,アミノ酸処理,レシチン処理,無機化合物処理,プラズマ処理,メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン,α−アシルスルホン酸塩,アルキルスルホン酸塩,アルキルアリルスルホン酸塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,アルキル硫酸塩,POEアルキルエーテル硫酸塩,アルキルアミド硫酸塩,アルキルリン酸塩,POEアルキルリン酸塩,アルキルアミドリン酸塩,アルキロイルアルキルタウリン塩,N−アシルアミノ酸塩,POEアルキルエーテルカルボン酸塩,アルキルスルホコハク酸塩,アルキルスルホ酢酸ナトリウム,アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩,パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム,塩化ステアリルトリメチルアンモニウム,臭化ステアリルトリメチルアンモニウム,塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム,塩化ジステアリルジメチルアンモニウム,塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム,臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム,塩化ベンザルコニウム,塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム,ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド,ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド,ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型,アミドベタイン型,スルホベタイン型,ヒドロキシスルホベタイン型,アミドスルホベタイン型,ホスホベタイン型,アミノカルボン酸塩型,イミダゾリン誘導体型,アミドアミン型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル,グリセリン脂肪酸エステル,ポリグリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル,POEソルビタン脂肪酸エステル,POEソルビット脂肪酸エステル,POEグリセリン脂肪酸エステル,POEアルキルエーテル,POE脂肪酸エステル,POE硬化ヒマシ油,POEヒマシ油,POE・POP共重合体,POE・POPアルキルエーテル,ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド,アルキルアミンオキシド,水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
天然系界面活性剤:レシチン,サポニン,糖系界面活性剤等が挙げられる。
(7)多価アルコール,糖の例
エチレングリコール,ジエチレングリコール,ポリエチレングリコール,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ポリプロピレングリコール,グリセリン,ジグリセリン,ポリグリセリン,3−メチル−1,3−ブタンジオール,1,3−ブチレングリコール,ソルビトール,マンニトール,ラフィノース,エリスリトール,グルコース,ショ糖,果糖,キシリトール,ラクトース,マルトース,マルチトール,トレハロース,アルキル化トレハロース,混合異性化糖,硫酸化トレハロース,プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ,互応化学社製),酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28−1310,NSC社製),酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28−2930,NSC社製),メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES,ISP社製),T−ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー,BASF社製),ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP,BASF社製),ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA,BASF社製),ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP,BASF社製),ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス,BASF社製),アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド,BASF社製),ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ,ISP社製),カルボキシビニルポリマー(カーボポール,BFGoodrich社製),アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン,BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や,ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー,三菱化学社製),アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER,NSC社製)等の両性高分子化合物,ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT,ISP社製),メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート,BASF社製)等のカチオン性高分子化合物,ポリビニルピロリドン(ルビスコールK,BASF社製),ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA,BASF社製),ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937,ISP社製),ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713,ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また,セルロースまたはその誘導体,ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体,アルギン酸カルシウム,プルラン,寒天,ゼラチン,タマリンド種子多糖類,キサンタンガム,カラギーナン,ハイメトキシルペクチン,ローメトキシルペクチン,グアーガム,アラビアゴム,結晶セルロース,アラビノガラクタン,カラヤガム,トラガカントガム,アルギン酸,アルブミン,カゼイン,カードラン,ジェランガム,デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては,皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば,美白成分,抗炎症剤,老化防止剤,紫外線防御剤,スリミング剤,ひきしめ剤,抗酸化剤,発毛剤,育毛剤,保湿剤,血行促進剤,抗菌剤,殺菌剤,乾燥剤,冷感剤,温感剤,ビタミン類,アミノ酸,創傷治癒促進剤,刺激緩和剤,鎮痛剤,細胞賦活剤,酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては,例えばアシタバエキス,アボカドエキス,アマチャエキス,アルテアエキス,アルニカエキス,アロエエキス,アンズエキス,アンズ核エキス,イチョウエキス,ウイキョウエキス,ウコンエキス,ウーロン茶エキス,エイジツエキス,エチナシ葉エキス,オウゴンエキス,オウバクエキス,オウレンエキス,オオムギエキス,オトギリソウエキス,オドリコソウエキス,オランダカラシエキス,オレンジエキス,海水乾燥物,海藻エキス,加水分解エラスチン,加水分解コムギ末,加水分解シルク,カモミラエキス,カロットエキス,カワラヨモギエキス,甘草エキス,カルカデエキス,カキョクエキス,キウイエキス,キナエキス,キューカンバ−エキス,グアノシン,クチナシエキス,クマザサエキス,クララエキス,クルミエキス,グレープフルーツエキス,クレマティスエキス,クロレラエキス,クワエキス,ゲンチアナエキス,紅茶エキス,酵母エキス,ゴボウエキス,コメヌカ発酵エキス,コメ胚芽油,コンフリーエキス,コラーゲン,コケモモエキス,サイシンエキス,サイコエキス,サイタイ抽出液,サルビアエキス,サボンソウエキス,ササエキス,サンザシエキス,サンショウエキス,シイタケエキス,ジオウエキス,シコンエキス,シソエキス,シナノキエキス,シモツケソウエキス,シャクヤクエキス,ショウブ根エキス,シラカバエキス,スギナエキス,セイヨウキズタエキス,セイヨウサンザシエキス,セイヨウニワトコエキス,セイヨウノコギリソウエキス,セイヨウハッカエキス,セ−ジエキス,ゼニアオイエキス,センキュウエキス,センブリエキス,ダイズエキス,タイソウエキス,タイムエキス,茶エキス,チョウジエキス,チガヤエキス,チンピエキス,トウキエキス,トウキンセンカエキス,トウニンエキス,トウヒエキス,ドクダミエキス,トマトエキス,納豆エキス,ニンジンエキス,ニンニクエキス,ノバラエキス,ハイビスカスエキス,バクモンドウエキス,パセリエキス,蜂密,ハマメリスエキス,パリエタリアエキス,ヒキオコシエキス,ビサボロール,ビワエキス,フキタンポポエキス,フキノトウエキス,ブクリョウエキス,ブッチャーブルームエキス,ブドウエキス,プロポリス,ヘチマエキス,ベニバナエキス,ペパーミントエキス,ボダイジュエキス,ボタンエキス,ホップエキス,マツエキス,マロニエエキス,ミズバショウエキス,ムクロジエキス,メリッサエキス,モモエキス,ヤグルマギクエキス,ユーカリエキス,ユキノシタエキス,ヨクイニンエキス,ヨモギエキス,ラベンダーエキス,リンゴエキス,レタスエキス,レモンエキス,レンゲソウエキス,ローズエキス,ローズマリーエキス,ローマカミツレエキス,ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また,デオキシリボ核酸,ムコ多糖類,ヒアルロン酸ナトリウム,コンドロイチン硫酸ナトリウム,コラーゲン,エラスチン,キチン,キトサン,加水分解卵殻膜などの生体高分子,アミノ酸,加水分解ペプチド,乳酸ナトリウム,尿素,ピロリドンカルボン酸ナトリウム,ベタイン,ホエイ,トリメチルグリシンなどの保湿成分,スフィンゴ脂質,セラミド,フィトスフィンゴシン,コレステロール,コレステロール誘導体,リン脂質などの油性成分,ε−アミノカプロン酸,グリチルリチン酸,β−グリチルレチン酸,塩化リゾチーム,グアイアズレン,ヒドロコールチゾン等の抗炎症剤,ビタミンA,ビタミンB2,ビタミンB6,ビタミンC,ビタミンD,ビタミンE,パントテン酸カルシウム,ビオチン,ニコチン酸アミド,ビタミンCエステル等のビタミン類,アラントイン,ジイソプロピルアミンジクロロアセテート,4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分,トコフェロール,カロチノイド,フラボノイド,タンニン,リグナン,サポニン等の抗酸化剤,α−ヒドロキシ酸,β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤,γ−オリザノール,ビタミンE誘導体などの血行促進剤,レチノール,レチノール誘導体等の創傷治癒剤,アルブチン,コウジ酸,プラセンタエキス,イオウ,エラグ酸,リノール酸,トラネキサム酸,グルタチオン等の美白剤,セファランチン,カンゾウ抽出物,トウガラシチンキ,ヒノキチオール,ヨウ化ニンニクエキス,塩酸ピリドキシン,DL−α−トコフェロール,酢酸DL−α−トコフェロール,ニコチン酸,ニコチン酸誘導体,パントテン酸カルシウム,D−パントテニルアルコール,アセチルパントテニルエチルエーテル,ビオチン,アラントイン,イソプロピルメチルフェノール,エストラジオール,エチニルエストラジオール,塩化カプロニウム,塩化ベンザルコニウム,塩酸ジフェンヒドラミン,タカナール,カンフル,サリチル酸,ノニル酸バニリルアミド,ノナン酸バニリルアミド,ピロクトンオラミン,ペンタデカン酸グリセリル,L−メントール,モノニトログアヤコール,レゾルシン,γ−アミノ酪酸,塩化ベンゼトニウム,塩酸メキシレチン,オーキシン,女性ホルモン,カンタリスチンキ,シクロスポリン,ジンクピリチオン,ヒドロコールチゾン,ミノキシジル,モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン,ハッカ油,ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム,亜硫酸ナトリウム,エリソルビン酸,エリソルビン酸ナトリウム,チオジプロピオン酸ジラウリル,トコフェロール,トリルビグアナイド,ノルジヒドログアヤレチン酸,パラヒドロキシアニソール,ブチルヒドロキシアニソール,ジブチルヒドロキシトルエン,ステアリン酸アスコルビル,パルミチン酸アスコルビル,没食子酸オクチル,没食子酸プロピル,カロチノイド,フラボノイド,タンニン,リグナン,サポニン,リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
(11)溶媒の例
精製水,エタノール,低級アルコール,エーテル類,LPG,フルオロカーボン,N−メチルピロリドン,フルオロアルコール,揮発性直鎖状シリコーン,次世代フロン等が挙げられる。
【実施例】
【0016】
以下,本発明の実施例を説明する。なお,以下に示す実施例は,本発明によって得られる抗アレルギー剤の抗アレルギー作用の確認をするために説明するもので,本発明の範囲は,これらの製品および製法に限定されるものではない。
【0017】

フキ地上部の乾燥品の粉砕物(3.3kg)を70%エタノール(10リットル)で熱時抽出(80℃、2時間)した後、得られた抽出液を濾別した。濾過残渣に70%エタノールを加え、同様の抽出操作を計3回行った。全ての抽出液を合わせて、減圧下(減圧度750mmHg、温度50〜60℃)で溶媒留去し、抽出物を得た(333g、乾燥品からの収率10.1%)。得られた抽出物(333g)を水(3L)に懸濁し,酢酸エチル(3L)で3回分配した後,水層にn−ブタノール(3L)を加えて3回分配抽出を行った。得られたn−ブタノール層を減圧濃縮してブタノール可溶部(17.2g)を得た。ブタノール可溶部(13g)を,逆相シリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex DM1020T,富士シリシア,300g)を用いて,15(V/V)%→20%→30%→40%→50%→70%メタノールで順次溶出し,フラクション1〜16を得た。フラクション4(952mg)をHPLC(イナートシルPREP−ODS,ジーエルサイエンス,10×250mm,30%メタノール)を用いて分離を行い,フラクション4−4(5mg)を得た。
【0018】

単離したフラクション4−4の新規セスキテルペン配糖体
【化1】
は、化学構造を決定するために各種機器(旋光度計、赤外分光光度計、紫外・可視分光光度計、質量分析装置、核磁気共鳴分析装置)を用いて物性の測定を行い、得られたスペクトルデータを解析し、以下のように構造を決定した。

旋光度:[α]26+12.4°(c=1.00g/dl、メタノール中で測定)、高分解能高速原子衝撃イオン化型質量分析(HR−FAB−MS):分子式C2133KNaO10S(M+Na)に対する理論値:539.1330
【化1】
の実測値:539.1326分子式C213310S(M+K)に対する理論値:555.1069
【化1】
の実測値:555.1063、赤外吸収(IR)(臭化カリウム錠剤法):3454、1684、1256、1065、1042cm−1、紫外吸収(UV)[メタノール;nm(logε)]:251(3.79)、水素核−核磁気共鳴(H−NMR)(重メタノール−d、500MHz):δ1.78(2H、m、1−H)、3.97(1H、m、2−H)、[1.35(1H、m)、1.90(1H、m)、3−H]、1.78(1H、m、4−H)、[2.07(1H、d、J=15.0Hz)、2.73(1H、d、J=15.0Hz)、6−H]、[2.31(1H、dd、J=5.5、16.5Hz)、2.59(1H、dd、J=12.8,16.5Hz)、9−H]、2.02(1H、m、10−H)、1.92(3H、d、J=1.8Hz、12−H)、1.83(3H、s、13−H)、1.00(3H、s、14−H)、0.91(3H、d、J=6.7Hz、15−H)、4.40(1H、d、J=7.6Hz、1′−H)、3.16(1H、dd、J=7.6、8.8Hz、2′−H)、3.37(1H、dd、J=8.6、8.8Hz、3′−H)、3.35(1H、dd、J=7.9、8.6Hz、4′−H)、3.48(1H、m、5′−H)、[4.15(1H、dd、J=5.5、11.0Hz)、4.29(1H、dd、J=1.8、11.0Hz)、6′−H]、炭素核−核磁気共鳴(13C−NMR)(重メタノール−d、125MHz):δc35.0(1−C)、75.0(2−C)、37.1(3−C)、31.9(4−C)、37.6(5−C)、41.2(6−C)、131.8(7−C)、207.7(8−C)、45.3(9−C)、43.9(10−C)、142.0(11−C)、22.7(12−C)、21.9(13−C)、21.2(14−C)、16.7(15−C)、102.5(1′−C)、74.9(2′−C)、77.7(3′−C)、71.4(4′−C)、75.7(5′−C)、68.2(6′−C)、FAB−MS質量対電荷比(m/z):539(M+Na)、555(M+K)、515(M−H)
【0019】
以上の物理化学データと二次元NMR(H−H COSY、C−H COSY、HMBC)の


【0020】

調製例1で得られた酢酸エチル移行部(25.3g)の一部(24.0g)を順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー[充填剤:シリカゲル500g、溶離液:n=ヘキサン:酢酸エチル(2:1→1:1→0:1(v/v)の順序で混合比を変えたもの)]で分画し、Fr.1〜9を得た。Fr.7(1.5g)の一部(1.0g)を,逆相シリカゲルクロマトグラフィー(Chromatorex DM1020T,富士シリシア,30g)を用いて,30(V/V)%→100%メタノールで順次溶出し,Fr.7−1〜7−10を得た。50%メタノール溶出物のFr.7−4(95mg)を,HPLC(SMB100−5,Si,富士シリシア,4.6×250mm,酢酸エチル)を用いて分離を行い,フラクション7−4−3(13mg)を得た。
【0021】

単離したフラクション7−4−3の2β−ヒドロキシフキノン
【化2,R’=H】
は、化学構造を決定するために各種機器(旋光度計、赤外分光光度計、紫外・可視分光光度計、質量分析装置、核磁気共鳴分析装置)を用いて物性の測定を行い、得られたスペクトルデータを,文献値(Gallup G.A.ら,Synthesis of diterpenoid acids−VIII,Tetrahedron,24巻,5769〜5774ページ,1968年)と比較することで同定した。
【0022】
実施例1:マスト細胞からの脱顆粒抑制を指標とした抗アレルギー活性の評価
RBL−2H3細胞を,ウシ胎児血清(10%),ペニシリン(100unit/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)を含有するMinimum Essential Medium Eagle(MEM培地,Sigma社)中で継代培養(37℃,5%CO2)した。反応惹起前日に,RBL−2H3細胞を24穴平底マイクロプレートに2.0×10個(400μl/well)ずつ播種した。1時間培養後,ラットモノクローナル抗ジニトロフェニル(DNP)−IgE抗体(Sigma社)を添加し,(終濃度:0.45μgprotein/ml),24時間培養して感作をおこなった。試験当日,感作させた細胞を500μlのsiraganian buffer(pH7.2,119mM NaCl,5mM KCl,0.4mM MgCl2,25mM PIPES)で2回洗浄し,160μlの5.6mM glucose,1mM CaCl2および0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有するSiraganian bufferを加えて37℃で10分間予備加温した。次に,20μlの被験物質溶液を加え,10分後に抗原となるDNP−BSA(終濃度:10μg/ml)を加えて30分間反応させた。反応終了後,10分間氷冷して反応を止めた後,上清50μlを別の96穴平底マイクロプレートに移した。ここに0.1Mクエン酸bufferに溶解した1mMp−nitrophenyl−N−acetyl−β−glucosaminide(PNAG)50μlを加えて混和後,37℃で1時間反応させた。
反応溶液に200μlの反応停止液(0.1M NaHCO3/Na2CO3,pH:10.0)を加えて混和し,マイクロプレートリーダーで吸光度(測定波長:410nm)を測定して,ヘキソサミニダーゼ遊離率を算出した。
【0023】


【化1】
および2β−ヒドロキシフキノン
【化2,R=H】
の脱顆粒抑制活性を示した。

リウム
【化1】
および2β−ヒドロキシフキノン
【化2,R=H】
が,抗アレルギー活性を有することが判明した。
【0024】
[配合例]
本発明による美容用組成物の配合例を示す。
配合例1:キャンディー

【0025】
配合例2:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 7.99
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
2β−ヒドロキシフキノン 0.01
香料 微量
水 残余
100.0wt%
【0026】
配合例3:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
2β−ヒドロキシフキノン 0.003
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
【0027】
配合例4:ソフトカプセル

【0028】
配合例5:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
2β−ヒドロキシフキノン 1.0
100.0wt%
【0029】
配合例6:化粧クリーム

【0030】
配合例6:浴用剤(液状)


【図面の簡単な説明】
【化1】


造式
【化2】

2β−ヒドロキシフキノンの構造式
【表1】

本発明の実施例による抗アレルギー剤の,脱顆粒抑制活性を示す表である。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上説明したように,本発明により,花粉症やアトピー性皮膚炎の予防や症状緩和に有用な抗アレルギー剤を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の式で表される,抗アレルギー活性を有する物質
【化1】

【請求項2】
下記の式で表される,抗アレルギー活性を有する物質
【化2】

Rは水素または炭素数1〜3までの炭化水素
【請求項3】
フキの溶媒抽出物に含有されることを特徴とする請求項1または2の抗アレルギー剤
【請求項4】
請求項1から3のうち少なくとも1つ以上を含有する飲食物
【請求項5】
請求項1から3のうち少なくとも1つ以上を含有する医薬部外品
【請求項6】
請求項1から3のうち少なくとも1つ以上を含有する医薬品
【請求項7】
請求項1から3のうち少なくとも1つ以上を含有する化粧品

【公開番号】特開2006−213694(P2006−213694A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−64602(P2005−64602)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(594045089)オリザ油化株式会社 (96)
【Fターム(参考)】