説明

接合方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体、接合装置及び接合システム

【課題】基板同士の接合の良否を検査し、基板接合後の処理を円滑に行う。
【解決手段】上ウェハと下ウェハを接合する(工程S1〜S13)。その後、上部チャックにおいて上ウェハに対する真空引きを行い、吸引管の内部の圧力に基づいて、上ウェハと下ウェハの接着の良否を判定する(工程S14)。その後、上部チャックにおいて上ウェハに対する真空引きを行い、吸引管の内部の圧力に基づいて、上ウェハと下ウェハの接合強度の良否を判定する(工程S15)。その後、重合ウェハの外径を測定し、当該測定結果に基づいて、上ウェハと下ウェハの接合位置の良否を判定する(工程S16)。工程S16では、測定結果が所定の閾値未満である場合、接合位置が正常であると判定し、測定結果が所定の閾値以上である場合、接合位置が異常であると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面形状が同一の基板同士を接合する接合方法、プログラム、コンピュータ記憶媒体、接合装置及び接合システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化が進んでいる。高集積化した複数の半導体デバイスを水平面内で配置し、これら半導体デバイスを配線で接続して製品化する場合、配線長が増大し、それにより配線の抵抗が大きくなること、また配線遅延が大きくなることが懸念される。
【0003】
そこで、半導体デバイスを3次元に積層する3次元集積技術を用いることが提案されている。この3次元集積技術においては、例えば貼り合わせ装置を用いて、2枚の半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)の接合が行われる。例えば貼り合わせ装置は、2枚のウェハを上下に配置した状態(以下、上側のウェハを「上ウェハ」といい、下側のウェハを「下ウェハ」という。)で収容するチャンバーと、チャンバー内に設けられ、上ウェハの中心部分を押圧する押動ピンと、上ウェハの外周を支持すると共に、当該上ウェハの外周から退避可能なスペーサと、を有している。かかる貼り合わせ装置を用いた場合、ウェハ間のボイドの発生を抑制するため、チャンバー内を真空雰囲気にしてウェハ同士の接合が行われる。具体的には、先ず、上ウェハをスペーサで支持した状態で、押動ピンにより上ウェハの中心部分を押圧し、当該中心部分を下ウェハに当接させる。その後、上ウェハを支持しているスペーサを退避させて、上ウェハの全面を下ウェハの全面に当接させて貼り合わせる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−207436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の貼り合わせ装置を用いた場合、押動ピンにより上ウェハの中心部分を押圧する際、当該上ウェハはスペーサで支持されているだけなので、下ウェハに対する上ウェハの位置がずれるおそれがあった。
【0006】
また、その他の貼り合わせ装置の不具合によって、ウェハ同士が適切に貼り合わせられない場合もあった。
【0007】
このようにウェハ同士が適切に貼り合わせられていない状態で、これらウェハを貼り合わせ装置の外部に搬送しようとすると、搬送不良を発生させる場合があった。そうすると、次に貼り合わせられるウェハに対する処理を適切に行うことができない。また、貼り合わせ装置の内部においてこれらウェハを搬送できない場合もあり、かかる場合、次に貼り合わせられるウェハが貼り合わせ装置に搬送されて、当該ウェハが破損するおそれがあった。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板同士の接合の良否を検査し、基板接合後の処理を円滑に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するため、本発明は、平面形状が同一の基板同士を接合する接合方法であって、第1の保持部材の下面に吸着保持された第1の基板と、前記第1の保持部材の下方に設けられた第2の保持部材の上面において吸着保持された第2の基板とを接合する接合工程と、その後、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板の外径を測定し、当該測定結果に基づいて、第1の基板と第2の基板の接合位置の良否を判定する接合位置判定工程と、を有し、前記接合位置判定工程では、前記測定結果が所定の閾値未満である場合、第1の基板と第2の基板の接合位置が正常であると判定し、前記測定結果が所定の閾値以上である場合、第1の基板と第2の基板の接合位置が異常であると判定することを特徴としている。
【0010】
本発明によれば、接合位置判定工程において、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板の外径を測定し、当該測定結果に基づいて、第1の基板と第2の基板の接合位置の良否を判定している。すなわち、第1の基板と第2の基板の接合の良否を判定している。そして、例えば接合が正常である場合には、当該接合された重合基板に対して後続の処理を適切に行うことができる。一方、例えば接合が異常である場合には、当該接合された重合基板に対する後続の処理を停止して回収する。そうすると、従来のように搬送不良やウェハの破損を防止することができ、後続の基板に対する処理を円滑に行うことができる。
【0011】
前記接合位置判定工程では、重合基板の外周部を撮像して、当該重合基板の外径を測定してもよい。
【0012】
前記接合方法は、前記接合工程後であって前記接合位置判定工程前において、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材を相対的に鉛直方向に移動させて、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を所定の位置に配置した後、吸引管を介して前記第1の保持部材に設けられた吸引機構によって第1の基板に対する真空引きを行い、前記吸引管の内部の圧力に基づいて、前記第1の保持部材に第1の基板が残存しているか否かを判定して、第1の基板と第2の基板の接着の良否を判定する接着判定工程を有し、前記接着判定工程では、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値より大きい場合、第1の基板と第2の基板の接着が正常であると判定し、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値以下である場合、第1の基板と第2の基板の接着が異常であると判定すると判定してもよい。
【0013】
前記接合方法は、前記接着判定工程において、第1の基板が前記第1の保持部材に吸着保持されておらず正常と判定された場合、前記接着判定工程後であって前記接合位置判定工程前において、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材を相対的に鉛直方向に移動させて、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を所定の位置に配置した後、前記吸引機構による真空引きを行い、且つ前記第2の保持部材によって第2の基板を吸着保持し、前記吸引管の内部の圧力に基づいて、第1の基板と第2の基板の接合強度の良否を判定する接合強度判定工程を有し、前記接合強度判定工程では、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値より大きい場合、第1の基板と第2の基板の接合強度が正常であると判定し、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値以下である場合、第1の基板と第2の基板の接合強度が異常であると判定してもよい。
【0014】
前記第1の保持部材は、中心部から外周部に向けて複数の領域に区画され、当該領域毎に第1の基板の真空引きを設定可能であってもよい。
【0015】
前記接合工程において、前記第1の保持部材に保持された第1の基板と、前記第2の保持部材に保持された第2の基板とを所定の間隔で対向配置し、その後、前記第1の保持部材に設けられた押動部材によって第1の基板の中心部と第2の基板の中心部を当接させて押圧し、その後、第1の基板の中心部と第2の基板の中心部が押圧された状態で、第1の基板の中心部から外周部に向けて、第1の基板と第2の基板を順次接合してもよい。
【0016】
別な観点による本発明によれば、前記接合方法を接合装置によって実行させるために、当該接合装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラムが提供される。
【0017】
また別な観点による本発明によれば、前記プログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体が提供される。
【0018】
さらに別な観点による本発明は、平面形状が同一の基板同士を接合する接合装置であって、下面に第1の基板を吸着保持する第1の保持部材と、前記第1の保持部材の下方に設けられ、上面に第2の基板を吸着保持する第2の保持部材と、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板の外径を測定する測定部と、第1の基板と第2の基板の接合の良否を判定する制御部と、を有し、前記制御部は、前記第1の保持部材の下面に吸着保持された第1の基板と、前記第2の保持部材の上面において吸着保持された第2の基板とを接合する接合工程と、その後、重合基板の外径を測定し、当該測定結果に基づいて、第1の基板と第2の基板の接合位置の良否を判定する接合位置判定工程と、を実行するように、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材及び前記測定部の動作を制御し、前記接合位置判定工程では、前記測定結果が所定の閾値未満である場合、第1の基板と第2の基板の接合位置が正常であると判定し、前記測定結果が所定の閾値以上である場合、第1の基板と第2の基板の接合位置が異常であると判定することを特徴としている。
【0019】
前記測定部は、重合基板の外周部を撮像する撮像部材を有していてもよい。
【0020】
前記接合装置は、前記第1の保持部材に設けられ、第1の基板を真空引きする吸引機構と、前記第1の保持部材と前記吸引機構とを接続する吸引管と、前記第1の保持部材又は第2の保持部材を相対的に鉛直方向に昇降させる昇降機構と、を有し、前記制御部は、前記接合工程後であって前記接合位置判定工程前において、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材を相対的に鉛直方向に移動させて、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を所定の位置に配置した後、前記吸引機構によって第1の基板に対する真空引きを行い、前記吸引管の内部の圧力に基づいて、前記第1の保持部材に第1の基板が残存しているか否かを判定して、第1の基板と第2の基板の接着の良否を判定する接着判定工程を実行するように、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、前記吸引機構及び前記昇降機構の動作を制御し、前記接着判定工程では、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値より大きい場合、第1の基板と第2の基板の接着が正常であると判定し、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値以下である場合、第1の基板と第2の基板の接着が異常であると判定すると判定してもよい。
【0021】
前記制御部は、前記接着判定工程において、第1の基板が前記第1の保持部材に吸着保持されておらず正常と判定された場合、前記接着判定工程後であって前記接合位置判定工程前において、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材を相対的に鉛直方向に移動させて、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を所定の位置に配置した後、前記吸引機構による真空引きを行い、且つ前記第2の保持部材によって第2の基板を吸着保持し、前記吸引管の内部の圧力に基づいて、第1の基板と第2の基板の接合強度の良否を判定する接合強度判定工程を実行するように、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、前記吸引機構及び前記昇降機構の動作を制御し、前記接合強度判定工程では、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値より大きい場合、第1の基板と第2の基板の接合強度が正常であると判定し、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値以下である場合、第1の基板と第2の基板の接合強度が異常であると判定してもよい。
【0022】
前記第1の保持部材は、中心部から外周部に向けて複数の領域に区画され、当該領域毎に第1の基板の真空引きを設定可能であってもよい。
【0023】
前記接合装置は、前記第1の保持部材に設けられ、第1の基板の中心部を押圧する押動部材を有していてもよい。
【0024】
前記第2の保持部材の外周部には、第1の基板、第2の基板、又は重合基板に対するストッパ部材が設けられていてもよい。
【0025】
前記接合装置は、第1の基板又は第2の基板の水平方向の向きを調節する位置調節機構と、第1の基板の表裏面を反転させる反転機構と、前記接合装置内で第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬送する搬送機構と、を有していてもよい。
【0026】
また別な観点による本発明は、前記接合装置を備えた接合システムであって、前記接合装置を備えた処理ステーションと、第1の基板、第2の基板又は重合基板をそれぞれ複数保有可能で、且つ前記処理ステーションに対して第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、を備え、前記処理ステーションは、第1の基板又は第2の基板の接合される表面を改質する表面改質装置と、前記表面改質装置で改質された第1の基板又は第2の基板の表面を親水化する表面親水化装置と、前記表面改質装置、前記表面親水化装置及び前記接合装置に対して、第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬送するための搬送領域と、を有し、前記接合装置では、前記表面親水化装置で表面が親水化された第1の基板と第2の基板を接合することを特徴としている。
【0027】
前記接合位置判定工程で第1の基板と第2の基板の接合位置が異常であると判定された場合において、前記重合基板の外径の測定結果が所定の値未満である場合、当該重合基板が前記搬送領域を介して前記搬入出ステーションに搬送されて回収され、前記重合基板の外径の測定結果が所定の値以上である場合、当該重合基板が前記接合システムの外部機構によって当該接合システムから回収されるように警告を発してもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、基板同士の接合の良否を検査し、基板接合後の処理を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本実施の形態にかかる接合システムの構成の概略を示す平面図である。
【図2】本実施の形態にかかる接合システムの内部構成の概略を示す側面図である。
【図3】上ウェハと下ウェハの構成の概略を示す側面図である。
【図4】表面改質装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図5】下部電極の平面図である。
【図6】表面親水化装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図7】表面親水化装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図8】接合装置の構成の概略を示す横断面図である。
【図9】接合装置の構成の概略を示す縦断面図である。
【図10】位置調節機構の構成の概略を示す側面図である。
【図11】反転機構の構成の概略を示す側面図である。
【図12】上部チャックと下部チャックの構成の概略を示す縦断面図である。
【図13】上部チャックを下方から見た平面図である。
【図14】下部チャックを上方から見た平面図である。
【図15】ウェハ接合処理の主な工程を示すフローチャートである。
【図16】上ウェハと下ウェハの水平方向の位置を調節する様子を示す説明図である。
【図17】上ウェハと下ウェハの鉛直方向の位置を調節する様子を示す説明図である。
【図18】上ウェハの中心部と下ウェハの中心部を当接させて押圧する様子を示す説明図である。
【図19】上ウェハを下ウェハに順次当接させる様子を示す説明図である。
【図20】上ウェハの表面と下ウェハの表面を当接させた様子を示す説明図である。
【図21】上ウェハと下ウェハが接合された様子を示す説明図である。
【図22】上ウェハと下ウェハの接着が正常である様子を示す説明図である。
【図23】上ウェハと下ウェハの接着が異常である様子を示す説明図である。
【図24】上ウェハと下ウェハの接合強度の良否を判定するに際し、下部チャックを上昇させて所定の位置に配置する様子を示す説明図である。
【図25】上ウェハと下ウェハの接合強度が正常である様子を示す説明図である。
【図26】上ウェハと下ウェハの接合強度が異常である様子を示す説明図である。
【図27】上ウェハと下ウェハの接合位置の良否を判定するに際し、下部チャックを下降させて所定の位置に配置する様子を示す説明図である。
【図28】重合ウェハの外周部を撮像する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる接合システム1の構成の概略を示す平面図である。図2は、接合システム1の内部構成の概略を示す側面図である。
【0031】
接合システム1では、図3に示すように例えば2枚の基板としてのウェハW、Wを接合する。以下、上側に配置されるウェハを、第1の基板としての「上ウェハW」といい、下側に配置されるウェハを、第2の基板としての「下ウェハW」という。また、上ウェハWが接合される接合面を「表面WU1」といい、当該表面WU1と反対側の面を「裏面WU2」という。同様に、下ウェハWが接合される接合面を「表面WL1」といい、当該表面WL1と反対側の面を「裏面WL2」という。そして、接合システム1では、上ウェハWと下ウェハWを接合して、重合基板としての重合ウェハWを形成する。なお、上ウェハWと下ウェハWは平面視において同一の円形状を有し、例えば上ウェハWの外径と下ウェハWの外径はそれぞれ300mmである。
【0032】
接合システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数のウェハW、W、複数の重合ウェハWをそれぞれ収容可能なカセットC、C、Cが搬入出される搬入出ステーション2と、ウェハW、W、重合ウェハWに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた処理ステーション3とを一体に接続した構成を有している。
【0033】
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば4つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、水平方向のX方向(図1中の上下方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板11には、接合システム1の外部に対してカセットC、C、Cを搬入出する際に、カセットC、C、Cを載置することができる。このように、搬入出ステーション2は、複数の上ウェハW、複数の下ウェハW、複数の重合ウェハWを保有可能に構成されている。なお、カセット載置板11の個数は、本実施の形態に限定されず、任意に決定することができる。また、カセットの1つを異常ウェハの回収用として用いてもよい。すなわち、種々の要因で上ウェハWと下ウェハWとの接合に異常が生じたウェハを、他の正常な重合ウェハWと分離することができるカセットである。本実施の形態においては、複数のカセットCのうち、1つのカセットCを異常ウェハの回収用として用い、他のカセットCを正常な重合ウェハWの収容用として用いている。
【0034】
搬入出ステーション2には、カセット載置台10に隣接してウェハ搬送部20が設けられている。ウェハ搬送部20には、X方向に延伸する搬送路21上を移動自在なウェハ搬送装置22が設けられている。ウェハ搬送装置22は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板11上のカセットC、C、Cと、後述する処理ステーション3の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50、51との間でウェハW、W、重合ウェハWを搬送できる。
【0035】
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数例えば3つの処理ブロックG1、G2、G3が設けられている。例えば処理ステーション3の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1の処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2の処理ブロックG2が設けられている。また、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(図1のY方向負方向側)には、第3の処理ブロックG3が設けられている。
【0036】
例えば第1の処理ブロックG1には、ウェハW、Wの表面WU1、WL1を改質する表面改質装置30が配置されている。
【0037】
例えば第2の処理ブロックG2には、例えば純水によってウェハW、Wの表面WU1、WL1を親水化すると共に当該表面WU1、WL1を洗浄する表面親水化装置40、ウェハW、Wを接合する接合装置41が、搬入出ステーション2側からこの順で水平方向のY方向に並べて配置されている。
【0038】
例えば第3の処理ブロックG3には、図2に示すようにウェハW、W、重合ウェハWのトランジション装置50、51が下から順に2段に設けられている。
【0039】
図1に示すように第1の処理ブロックG1〜第3の処理ブロックG3に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域60が形成されている。ウェハ搬送領域60には、例えばウェハ搬送装置61が配置されている。
【0040】
ウェハ搬送装置61は、例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置61は、ウェハ搬送領域60内を移動し、周囲の第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2及び第3の処理ブロックG3内の所定の装置にウェハW、W、重合ウェハWを搬送できる。
【0041】
次に、上述した表面改質装置30の構成について説明する。表面改質装置30は、図4に示すように内部を密閉可能な処理容器70を有している。処理容器70のウェハ搬送領域60側の側面には、ウェハW、Wの搬入出口71が形成され、当該搬入出口71にはゲートバルブ72が設けられている。
【0042】
処理容器70の内部には、ウェハW、Wを載置させるための下部電極80が設けられている。下部電極80は、例えばアルミニウムなどの導電性材料で構成される。下部電極80の下方には、例えばモータなどを備えた駆動部81が設けられている。この駆動部81により、下部電極80は昇降自在になっている。
【0043】
下部電極80の内部には、熱媒循環流路82が設けられている。熱媒循環流路82には、温調手段(図示せず)により適当な温度に温度調節された熱媒が熱媒導入管83を介して導入される。熱媒導入管83から導入された熱媒は熱媒循環流路82内を循環し、これによって、下部電極80が所望の温度に調節される。そして、下部電極80の熱が、下部電極80の上面に載置されたウェハW、Wに伝達されて、ウェハW、Wが所望の温度に調節される。
【0044】
なお、下部電極80の温度を調節する温度調節機構は、熱媒循環流路82に限定されず、冷却ジャケット、ヒータ等、その他の機構を用いることもできる。
【0045】
下部電極80の上部は、ウェハW、Wを静電吸着するための静電チャック90に構成されている。静電チャック90は、例えばポリイミド樹脂などの高分子絶縁材料からなる2枚のフィルム91、92の間に、例えば銅箔などの導電膜93を配置した構造を有している。導電膜93は、配線94、コイル等のフィルタ95を介して高圧電源96に接続されている。プラズマ処理時には、高圧電源96から、任意の直流電圧に設定された高電圧が、フィルタ95で高周波をカットされて、導電膜93に印加される。こうして導電膜93に印加された高電圧により発生されたクーロン力によって、下部電極80の上面(静電チャック90の上面)にウェハW、Wが静電吸着させられる。
【0046】
下部電極80の上面には、ウェハW、Wの裏面に向けて伝熱ガスを供給する複数の伝熱ガス供給穴100が設けられている。図5に示すように複数の伝熱ガス供給穴100は、下部電極80の上面において、複数の同心円状に均一に配置されている。
【0047】
各伝熱ガス供給穴100には、図4に示すように伝熱ガス供給管101が接続されている。伝熱ガス供給管101はガス供給源(図示せず)に連通し、当該ガス供給源よりヘリウムなどの伝熱ガスが、下部電極80の上面とウェハW、Wの裏面WU2、WL2との間に形成される微小空間に供給される。これにより、下部電極80の上面からウェハW、Wに効率よく熱が伝達される。
【0048】
なお、ウェハW、Wに十分効率よく熱が伝達される場合には、伝熱ガス供給穴100と伝熱ガス供給管101を省略してもよい。
【0049】
下部電極80の上面の周囲には、下部電極80の上面に載置されたウェハW、Wの外周を囲むように、環状のフォーカスリング102が配置されている。フォーカスリング102は、反応性イオンを引き寄せない絶縁性または導電性の材料からなり、反応性イオンを、内側のウェハW、Wにだけ効果的に入射せしめるように作用する。
【0050】
下部電極80と処理容器70の内壁との間には、複数のバッフル孔が設けられた排気リング103が配置されている。この排気リング103により、処理容器70内の雰囲気が処理容器70内から均一に排気される。
【0051】
下部電極80の下面には、中空に成形された導体よりなる給電棒104が接続されている。給電棒104には、例えばブロッキングコンデンサなどから成る整合器105を介して、第1の高周波電源106が接続されている。プラズマ処理時には、第1の高周波電源106から、例えば13.56MHzの高周波電圧が、下部電極80に印加される。
【0052】
下部電極80の上方には、上部電極110が配置されている。下部電極80の上面と上部電極110の下面は、互いに平行に、所定の間隔をあけて対向して配置されている。下部電極80の上面と上部電極110の下面の間隔は、駆動部81により調節される。
【0053】
上部電極110には、例えばブロッキングコンデンサなどから成る整合器111を介して第2の高周波電源112が接続されている。プラズマ処理時には、第2の高周波電源112から、例えば100MHzの高周波電圧が、上部電極110に印加される。このように、第1の高周波電源106と第2の高周波電源112から下部電極80と上部電極110に高周波電圧が印加されることにより、処理容器70の内部にプラズマが生成される。
【0054】
なお、静電チャック90の導電膜93に高電圧を印加する高圧電源96、下部電極80に高周波電圧を印加する第1の高周波電源106、上部電極110に高周波電圧を印加する第2の高周波電源112は、後述する制御部300によって制御される。
【0055】
上部電極110の内部には中空部120が形成されている。中空部120には、ガス供給管121が接続されている。ガス供給管121は、内部に処理ガスを貯留するガス供給源122に連通している。また、ガス供給管121には、処理ガスの流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群123が設けられている。そして、ガス供給源122から供給された処理ガスは、供給機器群123で流量制御され、ガス供給管121を介して、上部電極110の中空部120に導入される。なお、処理ガスには、例えば酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス等が用いられる。
【0056】
中空部120の内部には、処理ガスの均一拡散を促進するためのバッフル板124が設けられている。バッフル板124には、多数の小孔が設けられている。上部電極110の下面には、中空部120から処理容器70の内部に処理ガスを噴出させる多数のガス噴出口125が形成されている。
【0057】
処理容器70の下方には、吸気口130が形成されている。吸気口130には、処理容器70の内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧する真空ポンプ131に連通する吸気管132が接続されている。
【0058】
なお、下部電極80の下方には、ウェハW、Wを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられている。昇降ピンは、下部電極80に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、下部電極80の上面から突出可能になっている。
【0059】
次に、上述した表面親水化装置40の構成について説明する。表面親水化装置40は、図6に示すように内部を密閉可能な処理容器150を有している。処理容器150のウェハ搬送領域60側の側面には、図7に示すようにウェハW、Wの搬入出口151が形成され、当該搬入出口151には開閉シャッタ152が設けられている。
【0060】
処理容器150内の中央部には、図6に示すようにウェハW、Wを保持して回転させるスピンチャック160が設けられている。スピンチャック160は、水平な上面を有し、当該上面には、例えばウェハW、Wを吸引する吸引口(図示せず)が設けられている。この吸引口からの吸引により、ウェハW、Wをスピンチャック160上に吸着保持できる。
【0061】
スピンチャック160は、例えばモータなどを備えたチャック駆動部161を有し、そのチャック駆動部161により所定の速度に回転できる。また、チャック駆動部161には、例えばシリンダなどの昇降駆動源が設けられており、スピンチャック160は昇降自在になっている。なお、後述するカップ162が昇降自在になっていてもよい。
【0062】
スピンチャック160の周囲には、ウェハW、Wから飛散又は落下する液体を受け止め、回収するカップ162が設けられている。カップ162の下面には、回収した液体を排出する排出管163と、カップ162内の雰囲気を真空引きして排気する排気管164が接続されている。
【0063】
図7に示すようにカップ162のX方向負方向(図7の下方向)側には、Y方向(図7の左右方向)に沿って延伸するレール170が形成されている。レール170は、例えばカップ162のY方向負方向(図7の左方向)側の外方からY方向正方向(図7の右方向)側の外方まで形成されている。レール170には、例えばノズルアーム171とスクラブアーム172が取り付けられている。
【0064】
ノズルアーム171には、図6及び図7に示すようにウェハW、Wに純水を供給する純水ノズル173が支持されている。ノズルアーム171は、図7に示すノズル駆動部174により、レール170上を移動自在である。これにより、純水ノズル173は、カップ162のY方向正方向側の外方に設置された待機部175からカップ162内のウェハW、Wの中心部上方まで移動でき、さらに当該ウェハW、W上をウェハW、Wの径方向に移動できる。また、ノズルアーム171は、ノズル駆動部174によって昇降自在であり、純水ノズル173の高さを調節できる。
【0065】
純水ノズル173には、図6に示すように当該純水ノズル173に純水を供給する供給管176が接続されている。供給管176は、内部に純水を貯留する純水供給源177に連通している。また、供給管176には、純水の流れを制御するバルブや流量調節部等を含む供給機器群178が設けられている。
【0066】
スクラブアーム172には、スクラブ洗浄具180が支持されている。スクラブ洗浄具180の先端部には、例えば複数の糸状やスポンジ状のブラシ180aが設けられている。スクラブアーム172は、図7に示す洗浄具駆動部181によってレール170上を移動自在であり、スクラブ洗浄具180を、カップ162のY方向負方向側の外方からカップ162内のウェハW、Wの中心部上方まで移動させることができる。また、洗浄具駆動部181によって、スクラブアーム172は昇降自在であり、スクラブ洗浄具180の高さを調節できる。なお、スクラブ洗浄具180は本実施の形態に限定されず、例えば2流体スプレーノズルやメガソニック洗浄を行う治具であってもよい。
【0067】
なお、以上の構成では、純水ノズル173とスクラブ洗浄具180が別々のアームに支持されていたが、同じアームに支持されていてもよい。また、純水ノズル173を省略して、スクラブ洗浄具180から純水を供給するようにしてもよい。さらに、カップ162を省略して、処理容器150の底面に液体を排出する排出管と、処理容器150内の雰囲気を排気する排気管を接続してもよい。また、以上の構成の表面親水化装置40において、帯電防止用のイオナイザ(図示せず)を設けてもよい。
【0068】
次に、上述した接合装置41の構成について説明する。接合装置41は、図8に示すように内部を密閉可能な処理容器190を有している。処理容器190のウェハ搬送領域60側の側面には、ウェハW、W、重合ウェハWの搬入出口191が形成され、当該搬入出口191には開閉シャッタ192が設けられている。
【0069】
処理容器190の内部は、内壁193によって、搬送領域T1と処理領域T2に区画されている。上述した搬入出口191は、搬送領域T1における処理容器190の側面に形成されている。また、内壁193にも、ウェハW、W、重合ウェハWの搬入出口194が形成されている。
【0070】
搬送領域T1のX方向正方向側には、ウェハW、W、重合ウェハWを一時的に載置するためのトランジション200が設けられている。トランジション200は、例えば2段に形成され、ウェハW、W、重合ウェハWのいずれか2つを同時に載置することができる。
【0071】
搬送領域T1には、X方向に延伸する搬送路201上を移動自在なウェハ搬送体202が設けられている。ウェハ搬送体202は、図8及び図9に示すように鉛直方向及び鉛直軸周りにも移動自在であり、搬送領域T1内、又は搬送領域T1と処理領域T2との間でウェハW、W、重合ウェハWを搬送できる。なお、本実施の形態では、搬送路201及びウェハ搬送体202が搬送機構を構成している。
【0072】
搬送領域T1のX方向負方向側には、ウェハW、Wの水平方向の向きを調節する位置調節機構210が設けられている。位置調節機構210は、図10に示すように基台211と、ウェハW、Wを吸着保持して回転させる保持部212と、ウェハW、Wのノッチ部の位置を検出する検出部213と、を有している。そして、位置調節機構210では、保持部212に吸着保持されたウェハW、Wを回転させながら検出部213でウェハW、Wのノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節してウェハW、Wの水平方向の向きを調節している。
【0073】
また、搬送領域T1には、当該搬送領域T1と処理領域T2との間を移動し、且つ上ウェハWの表裏面を反転させる反転機構220が設けられている。反転機構220は、図11に示すように上ウェハWを保持する保持アーム221を有している。保持アーム221上には、上ウェハWを吸着して水平に保持する吸着パッド222が設けられている。保持アーム221は、第1の駆動部223に支持されている。この第1の駆動部223により、保持アーム221は水平軸周りに回動自在であり、且つ水平方向に伸縮できる。第1の駆動部223の下方には、第2の駆動部224が設けられている。この第2の駆動部224により、第1の駆動部223は鉛直軸周りに回転自在であり、且つ鉛直方向に昇降できる。さらに、第2の駆動部224は、図8及び図9に示すY方向に延伸するレール225に取り付けられている。レール225は、処理領域T2から搬送領域T1まで延伸している。この第2の駆動部224により、反転機構220は、レール225に沿って位置調節機構210と後述する上部チャック230との間を移動可能になっている。そして、反転機構220は、ウェハW、W、重合ウェハWを搬送する搬送機構としての機能も有している。なお、反転機構220の構成は、上記実施の形態の構成に限定されず、上ウェハWの表裏面を反転させることができればよい。また、反転機構220は、処理領域T2に設けられていてもよい。さらに、ウェハ搬送体202に反転機構を付与し、反転機構220の位置に別の搬送手段を設けてもよい。また、位置調節機構210に反転機構を付与し、反転機構220の位置に別の搬送手段を設けてもよい。
【0074】
処理領域T2には、図8及び図9に示すように上ウェハWを下面で吸着保持する第1の保持部材としての上部チャック230と、下ウェハWを上面で載置して吸着保持する第2の保持部材としての下部チャック231とが設けられている。下部チャック231は、上部チャック230の下方に設けられ、上部チャック230と対向配置可能に構成されている。すなわち、上部チャック230に保持された上ウェハWと下部チャック231に保持された下ウェハWは対向して配置可能となっている。
【0075】
上部チャック230は、図9に示すように処理容器190の天井面に設けられた支持部材232に支持されている。支持部材232は、上部チャック230の上面外周部を支持している。下部チャック231の下方には、シャフト233を介してチャック駆動部234が設けられている。このチャック駆動部234により、下部チャック231は鉛直方向に昇降自在、且つ水平方向に移動自在になっている。また、チャック駆動部234によって、下部チャック231は鉛直軸周りに回転自在になっている。また、下部チャック231の下方には、下ウェハWを下方から支持し昇降させるための昇降ピン(図示せず)が設けられている。昇降ピンは、下部チャック231に形成された貫通孔(図示せず)を挿通し、下部チャック231の上面から突出可能になっている。なお、本実施の形態では、シャフト233及びチャック駆動部234が昇降機構を構成している。
【0076】
上部チャック230は、図12に示すように複数、例えば3つの領域230a、230b、230cに区画されている。これら領域230a、230b、230cは、図13に示すように上部チャック230の中心部から外周部に向けてこの順で設けられている。そして、領域230aは平面視において円形状を有し、領域230b、230cは平面視において環状形状を有している。各領域230a、230b、230cには、図12に示すように上ウェハWを吸着保持するための吸引管240a、240b、240cがそれぞれ独立して設けられている。各吸引管240a、240b、240cには、吸引機構としての異なる真空ポンプ241a、241b、241cがそれぞれ接続されている。また、各吸引管240a、240b、240cには、当該各吸引管240a、240b、240cの内部の圧力を測定する圧力測定部242a、242b、242cがそれぞれ設けられている。したがって、上部チャック230は、各領域230a、230b、230c毎に上ウェハWの真空引きを設定可能に構成されている。
【0077】
なお、以下において、上述した3つの領域230a、230b、230cを、それぞれ第1の領域230a、第2の領域230b、第3の領域230cという場合がある。また、吸引管240a、240b、240cを、それぞれ第1の吸引管240a、第2の吸引管240b、第3の吸引管240cという場合がある。また、真空ポンプ241a、241b、241cを、それぞれ第1の真空ポンプ241a、第2の真空ポンプ241b、第3の真空ポンプ241cという場合がある。さらに、圧力測定部242a、242b、242cを、それぞれ第1の圧力測定部242a、第2の圧力測定部242b、第3の圧力測定部242cという場合がある。
【0078】
上部チャック230の中心部には、当該上部チャック230を厚み方向に貫通する貫通孔243が形成されている。この上部チャック230の中心部は、当該上部チャック230に吸着保持される上ウェハWの中心部に対応している。そして、貫通孔243には、後述する押動部材250の押動ピン251が挿通するようになっている。
【0079】
上部チャック230の上面には、上ウェハWの中心部を押圧する押動部材250が設けられている。押動部材250は、シリンダ構造を有し、押動ピン251と当該押動ピン251が昇降する際のガイドとなる外筒252とを有している。押動ピン251は、例えばモータを内蔵した駆動部(図示せず)によって、貫通孔243を挿通して鉛直方向に昇降自在になっている。そして、押動部材250は、後述するウェハW、Wの接合時に、上ウェハWの中心部と下ウェハWの中心部とを当接させて押圧することができる。
【0080】
上部チャック230には、下ウェハWの表面WL1を撮像する上部撮像部材253が設けられている。上部撮像部材253には、例えば広角型のCCDカメラが用いられる。なお、上部撮像部材253は、下部チャック231上に設けられていてもよい。
【0081】
下部チャック231は、図14に示すように複数、例えば2つの領域231a、231bに区画されている。これら領域231a、231bは、下部チャック231の中心部から外周部に向けてこの順で設けられている。そして、領域231aは平面視において円形状を有し、領域231bは平面視において環状形状を有している。各領域231a、231bには、図12に示すように下ウェハWを吸着保持するための吸引管260a、260bがそれぞれ独立して設けられている。各吸引管260a、260bには、異なる真空ポンプ261a、261bがそれぞれ接続されている。したがって、下部チャック231は、各領域231a、231b毎に下ウェハWの真空引きを設定可能に構成されている。
【0082】
下部チャック231の外周部には、ウェハW、W、重合ウェハWが当該下部チャック231から飛び出したり、滑落するのを防止するストッパ部材262が設けられている。ストッパ部材262は、その頂部が少なくとも下部チャック231上の重合ウェハWよりも上方に位置するように鉛直方向に延伸している。また、ストッパ部材262は、図14に示すように下部チャック231の外周部に複数個所、例えば5箇所に設けられている。
【0083】
下部チャック231には、図12に示すように上ウェハWの表面WU1を撮像する下部撮像部材263が設けられている。下部撮像部材263には、例えば広角型のCCDカメラが用いられる。なお、下部撮像部材263は、下部チャック231上に設けられていてもよい。
【0084】
また、処理領域T2には、図9に示すように下部チャック231上に保持された重合ウェハWの外径を測定する測定部270が設けられている。測定部270は、重合ウェハWの外周部を撮像する撮像部材271を有している。撮像部材271には、例えばマイクロカメラが用いられる。撮像部材271は、移動機構(図示せず)によって水平方向に移動自在になっている。
【0085】
以上の接合システム1には、図1に示すように制御部300が設けられている。制御部300は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、接合システム1におけるウェハW、W、重合ウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、接合システム1における後述のウェハ接合処理を実現させるためのプログラムも格納されている。さらに、プログラム格納部には、接合装置41におけるウェハW、Wの接合の良否を判定するプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部300にインストールされたものであってもよい。
【0086】
次に、以上のように構成された接合システム1を用いて行われるウェハW、Wの接合処理方法について説明する。図15は、かかるウェハ接合処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
【0087】
先ず、複数枚の上ウェハWを収容したカセットC、複数枚の下ウェハWを収容したカセットC、及び空のカセットCが、搬入出ステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。その後、ウェハ搬送装置22によりカセットC内の上ウェハWが取り出され、処理ステーション3の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。
【0088】
次に上ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって第1の処理ブロックG1の表面改質装置30に搬送される。表面改質装置30に搬入された上ウェハWは、ウェハ搬送装置61から下部電極80の上面に受け渡され載置される。その後、ウェハ搬送装置61が表面改質装置30から退出し、ゲートバルブ72が閉じられる。
【0089】
その後、真空ポンプ131を作動させ、吸気口130を介して処理容器70の内部の雰囲気が所定の真空度、例えば6.7Pa〜66.7Pa(50mTorr〜500mTorr)まで減圧される。そして、後述するように上ウェハWを処理中、処理容器70内の雰囲気は上記所定の真空度に維持される。
【0090】
また、高圧電源96から静電チャック90の導電膜93に、例えば2500Vの直流電圧に設定された高電圧が印加される。こうして静電チャック90に印加された高電圧により発生されたクーロン力によって、下部電極80の上面に上ウェハWが静電吸着させられる。また、下部電極80に静電吸着された上ウェハWは、熱媒循環流路82の熱媒によって所定の温度、例えば20℃〜30℃に維持される。
【0091】
その後、ガス供給源122から供給された処理ガスが、上部電極110の下面のガス噴出口125から、処理容器70の内部に均一に供給される。そして、第1の高周波電源106から下部電極80に、例えば13.56MHzの高周波電圧が印加され、第2の高周波電源112から上部電極110に、例えば100MHzの高周波電圧が印加される。そうすると、上部電極110と下部電極80との間に電界が形成され、この電界によって処理容器70の内部に供給された処理ガスがプラズマ化される。
【0092】
この処理ガスのプラズマ(以下、「処理用プラズマ」という場合がある。)によって、下部電極80上の上ウェハWの表面WU1が改質されると共に、当該表面WU1上の有機物が除去される。このとき、主として処理用プラズマ中の酸素ガスのプラズマが表面WU1上の有機物の除去に寄与する。さらに、酸素ガスのプラズマは、上ウェハWの表面WU1の酸化、すなわち親水化を促進させることもできる。また、処理用プラズマ中の酸素ガスのプラズマはある程度の高エネルギーを有しており、この酸素ガスのプラズマによって表面WU1上の有機物が積極的(物理的)に除去される。さらに、酸素ガスのプラズマは、処理容器70内の雰囲気中に含まれる残留水分を除去するという効果もある。こうして処理用プラズマによって、上ウェハWの表面WU1が改質される(図15の工程S1)。
【0093】
次に上ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって第2の処理ブロックG2の表面親水化装置40に搬送される。表面親水化装置40に搬入された上ウェハWは、ウェハ搬送装置61からスピンチャック160に受け渡され吸着保持される。
【0094】
続いて、ノズルアーム171によって待機部175の純水ノズル173を上ウェハWの中心部の上方まで移動させると共に、スクラブアーム172によってスクラブ洗浄具180を上ウェハW上に移動させる。その後、スピンチャック160によって上ウェハWを回転させながら、純水ノズル173から上ウェハW上に純水を供給する。そうすると、上ウェハWの表面WU1に水酸基が付着して当該表面WU1が親水化される。また、純水ノズル173からの純水とスクラブ洗浄具180によって、上ウェハWの表面WU1が洗浄される(図15の工程S2)。
【0095】
次に上ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって第2の処理ブロックG2の接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された上ウェハWは、トランジション200を介してウェハ搬送体202により位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、上ウェハWの水平方向の向きが調節される(図15の工程S3)。
【0096】
その後、位置調節機構210から反転機構220の保持アーム221に上ウェハWが受け渡される。続いて搬送領域T1において、保持アーム221を反転させることにより、上ウェハWの表裏面が反転される(図15の工程S4)。すなわち、上ウェハWの表面WU1が下方に向けられる。なお、上ウェハWの表裏面の反転は、後述する反転機構220の移動中に行われてもよい。
【0097】
その後、反転機構220が上部チャック230側に移動し、反転機構220から上部チャック230に上ウェハWが受け渡される。上ウェハWは、上部チャック230にその裏面WU2が吸着保持される(図15の工程S5)。このとき、すべての真空ポンプ241a、241b、241cを作動させ、上部チャック230のすべての領域230a、230b、230cにおいて、上ウェハWを真空引きしている。上ウェハWは、後述する下ウェハWが接合装置41に搬送されるまで上部チャック230で待機する。
【0098】
上ウェハWに上述した工程S1〜S5の処理が行われている間、当該上ウェハWに続いて下ウェハWの処理が行われる。先ず、ウェハ搬送装置22によりカセットC内の下ウェハWが取り出され、処理ステーション3のトランジション装置50に搬送される。
【0099】
次に下ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって表面改質装置30に搬送され、下ウェハWの表面WL1が改質される(図15の工程S6)。なお、工程S6における下ウェハWの表面WL1の改質は、上述した工程S1と同様である。
【0100】
その後、下ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって表面親水化装置40に搬送され、下ウェハWの表面WL1が親水化される共に当該表面WL1が洗浄される(図15の工程S7)。なお、工程S7における下ウェハWの表面WL1の親水化及び洗浄は、上述した工程S2と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0101】
その後、下ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された下ウェハWは、トランジション200を介してウェハ搬送体202により位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、下ウェハWの水平方向の向きが調節される(図15の工程S8)。
【0102】
その後、下ウェハWは、ウェハ搬送体202によって下部チャック231に搬送され、下部チャック231に吸着保持される(図15の工程S9)。このとき、すべての真空ポンプ261a、261bを作動させ、下部チャック231のすべての領域231a、231bにおいて、下ウェハWを真空引きしている。そして、下ウェハWの表面WL1が上方を向くように、当該下ウェハWの裏面WL2が下部チャック231に吸着保持される。
【0103】
次に、上部チャック230に保持された上ウェハWと下部チャック231に保持された下ウェハWとの水平方向の位置調節を行う。図16に示すように下ウェハWの表面WL1には予め定められた複数、例えば4点以上の基準点Aが形成され、同様に上ウェハWの表面WU1には予め定められた複数、例えば4点以上の基準点Bが形成されている。これら基準点A、Bとしては、例えばウェハW、W上に形成された所定のパターンがそれぞれ用いられる。そして、上部撮像部材253を水平方向に移動させ、下ウェハWの表面WL1が撮像される。また、下部撮像部材263を水平方向に移動させ、上ウェハWの表面WU1が撮像される。その後、上部撮像部材253が撮像した画像に表示される下ウェハWの基準点Aの位置と、下部撮像部材263が撮像した画像に表示される上ウェハWの基準点Bの位置とが合致するように、下部チャック231によって下ウェハWの水平方向の位置(水平方向の向きを含む)が調節される。すなわち、チャック駆動部234によって、下部チャック231を水平方向に移動させて、下ウェハWの水平方向の位置が調節される。こうして上ウェハWと下ウェハWとの水平方向の位置が調節される(図15の工程S10)。
【0104】
なお、ウェハW、Wの水平方向きは、工程S3、S8において位置調節機構210によって調節されているが、工程S10において微調節が行われる。また、本実施の形態の工程S10では、基準点A、Bとして、ウェハW、W上に形成された所定のパターンを用いていたが、その他の基準点を用いることもできる。例えばウェハW、Wの外周部とノッチ部を基準点として用いることができる。
【0105】
その後、チャック駆動部234によって、図17に示すように下部チャック231を上昇させ、下ウェハWを所定の位置に配置する。このとき、下ウェハWの表面WL1と上ウェハWの表面WU1との間の間隔Dが所定の距離、例えば50μmになるように下ウェハWを配置する。こうして上ウェハWと下ウェハWとの鉛直方向の位置が調節される(図15の工程S11)。なお、工程S5〜工程S11において、上部チャック230のすべての領域230a、230b、230cにおいて、上ウェハWを真空引きしている。同様に工程S9〜工程S11において、下部チャック231のすべての領域231a、231bにおいて、下ウェハWを真空引きしている。
【0106】
その後、第1の真空ポンプ241aの作動を停止して、図18に示すように第1の領域230aにおける第1の吸引管240aからの上ウェハWの真空引きを停止する。このとき、第2の領域230bと第3の領域230cでは、上ウェハWが真空引きされて吸着保持されている。その後、押動部材250の押動ピン251を下降させることによって、上ウェハWの中心部を押圧しながら当該上ウェハWを下降させる。このとき、押動ピン251には、上ウェハWがない状態で当該押動ピン251が70μm移動するような荷重、例えば200gがかけられる。そして、押動部材250によって、上ウェハWの中心部と下ウェハWの中心部を当接させて押圧する(図15の工程S12)。
【0107】
そうすると、押圧された上ウェハWの中心部と下ウェハWの中心部との間で接合が開始する(図18中の太線部)。すなわち、上ウェハWの表面WU1と下ウェハWの表面WL1はそれぞれ工程S1、S6において改質されているため、先ず、表面WU1、WL1間にファンデルワールス力が生じ、当該表面WU1、WL1同士が接合される。その後、上ウェハWの表面WU1と下ウェハWの表面WL1はそれぞれ工程S2、S7において親水化されているため、表面WU1、WL1間の親水基が水素結合し、表面WU1、WL1同士が強固に接合される。
【0108】
その後、図19に示すように押動部材250によって上ウェハWの中心部と下ウェハWの中心部を押圧した状態で、第2の真空ポンプ241bの作動を停止して、第2の領域230bにおける第2の吸引管240bからの上ウェハWの真空引きを停止する。そうすると、第2の領域230bに保持されていた上ウェハWが下ウェハW上に落下する。さらにその後、第3の真空ポンプ241cの作動を停止して、第3の領域230cにおける第3の吸引管240cからの上ウェハWの真空引きを停止する。このように上ウェハWの中心部から外周部に向けて、上ウェハWの真空引きを停止し、上ウェハWが下ウェハW上に順次落下して当接する。そして、上述した表面WU1、WL1間のファンデルワールス力と水素結合による接合が、上述した結合が順次拡がる。こうして、図20に示すように上ウェハWの表面WU1と下ウェハWの表面WL1が全面で当接し、上ウェハWと下ウェハWが接合される(図15の工程S13)。
【0109】
その後、図21に示すように押動部材250を上部チャック230まで上昇させる。また、下部チャック231において吸引管260a、260bからの下ウェハWの真空引きを停止して、下部チャック231による下ウェハWの吸着保持を停止する。
【0110】
次に、上部チャック230に上ウェハWが残存しているか否かを判定して、上ウェハWと下ウェハWの接着の良否を判定する。具体的には、図22及び図23に示すように下部チャック231を下降させて所定の位置に配置する。このとき、上部チャック230の下面と下部チャック231の上面との間の間隔Dが所定の距離、例えば50μm〜500μm、より好ましくは100μmになるように下ウェハWを配置する。その後、真空ポンプ241a、241b、241cを作動させ、吸引管240a、240b、240cを介して、上部チャック230のすべての領域230a、230b、230cにおいて上ウェハWに対する真空引きを行う。この真空引きを行っている間、圧力測定部242a、242b、242cにおいて、各吸引管240a、240b、240cの内部の圧力を測定する。そして、圧力測定部242a、242b、242cにおける測定結果に基づいて、上ウェハWと下ウェハWの接着の良否を判定する(図15の工程S14)。
【0111】
具体的には、各吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が所定の閾値、例えば−60Pa(−450mTorr)より大きい、例えば10mTorr〜−450mTorrである場合、図22に示すように上部チャック230に上ウェハWが残存しておらず、上ウェハWと下ウェハWの接着が正常であると判定する。なお、すべての吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が所定の閾値より大きい場合に、上ウェハWと下ウェハWの接着が正常であると判定される。具体的には、例えば各吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が−53Pa(−400mTorr)と測定された場合、上部チャック230に上ウェハWが残存していない。
【0112】
一方、吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が所定の閾値、例えば−60Pa(−450mTorr)以下、例えば−760mTorr〜−450mTorrである場合、図23に示すように上部チャック230に上ウェハWが残存しており、上ウェハWと下ウェハWの接着が異常であると判定する。なお、これら吸引管240a、240b、240cのうち、一の吸引管240a、240b、240cの圧力が所定の閾値以下である場合に、上ウェハWと下ウェハWの接着が異常であると判定される。具体的には、例えば各吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が−100Pa(−750mTorr)と測定された場合、上部チャック230に上ウェハWが残存している。
【0113】
なお、工程S14において接着が異常であると判定された上ウェハWと下ウェハWは、それぞれウェハ搬送装置61によってトランジション装置51に搬送され、その後搬入出ステーション2のウェハ搬送装置22によって所定のカセット載置板11のカセットCに搬送されて回収される。
【0114】
次に、工程S14において上ウェハWと下ウェハWの接着が正常であると判定された重合ウェハWに対して、上ウェハWと下ウェハWの接合強度の良否を判定する。具体的には、先ず、図24に示すように下部チャック231を上昇させて所定の位置に配置する。このとき、上部チャック230の下面と下部チャック231の上面との間の間隔Dが所定の距離、例えば50μm〜500μm、より好ましくは100μmになるように下ウェハWを配置する。その後、真空ポンプ241a、241b、241cを作動させ、吸引管240a、240b、240cを介して、上部チャック230のすべての領域230a、230b、230cにおいて上ウェハWに対する真空引きを行う。また、下部チャック231のすべての領域231a、231b下ウェハWに対する真空引きを行う。その後、図25及び図26に示すように上部チャック230の領域230a、230b、230cにおいて真空引きを行いながら、下部チャック231を下降させる。そして、圧力測定部242a、242b、242cにおいて、各吸引管240a、240b、240cの内部の圧力を測定する。そして、圧力測定部242a、242b、242cにおける測定結果に基づいて、上ウェハWと下ウェハWの接合強度の良否を判定する(図15の工程S15)。
【0115】
具体的には、各吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が所定の閾値、例えば−60Pa(−450mTorr)より大きい、例えば10mTorr〜−450mTorrである場合、図25に示すように上部チャック230に上ウェハWが吸引保持されず、上ウェハWと下ウェハWの接合強度が正常であると判定する。なお、すべての吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が所定の閾値より大きい場合に、上ウェハWと下ウェハWの接合強度が正常であると判定される。具体的には、例えば各吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が−53Pa(−400mTorr)と測定された場合、上部チャック230に上ウェハWが吸引保持されていない。
【0116】
一方、吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が所定の閾値、例えば−60Pa(−450mTorr)以下、例えば−760mTorr〜−450mTorrである場合、図26に示すように上部チャック230に上ウェハWが吸引保持されており、上ウェハWと下ウェハWの接合強度が異常であると判定する。なお、これら吸引管240a、240b、240cのうち、一の吸引管240a、240b、240cの圧力が所定の閾値以下である場合に、上ウェハWと下ウェハWの接合強度が異常であると判定される。具体的には、例えば各吸引管240a、240b、240cの内部の圧力が−100Pa(−750mTorr)と測定された場合、上部チャック230に上ウェハWが吸引保持されている。
【0117】
なお、工程S15において接合強度が異常であると判定された上ウェハWと下ウェハWは、それぞれウェハ搬送装置61によってトランジション装置51に搬送され、その後搬入出ステーション2のウェハ搬送装置22によって所定のカセット載置板11のカセットCに搬送されて回収される。
【0118】
次に、工程S15において上ウェハWと下ウェハWの接合強度が正常であると判定された重合ウェハWに対して、上ウェハWと下ウェハWの接合位置の良否を判定する。具体的には、先ず、図27に示すように下部チャック231を下降させて所定の位置に配置する。このとき、上部チャック230の下面と下部チャック231の上面との間の間隔Dが所定の距離、例えば50μm〜500μm、より好ましくは100μmになるように下ウェハWを配置する。その後、図28に示すように撮像部材271によって、下部チャック230上の重合ウェハWの外周部を例えば3点撮像する。そして、測定部270において当該重合ウェハWの外径を測定する。そして、重合ウェハWの外径の測定結果に基づいて、上ウェハWと下ウェハWの接合位置の良否を判定する(図15の工程S16)。
【0119】
具体的には、測定部270で測定された重合ウェハWの外径が所定の閾値、例えば300.2mm(300mm+200μm)未満である場合、上ウェハWと下ウェハWの接合位置が正常であると判定する。この所定の閾値は、上ウェハWと下ウェハWの外径300mmに対して、許容値200μmを加えた値である。すなわち、本実施の形態において、上ウェハWと下ウェハWとの位置ずれの許容値は200μmである。
【0120】
一方、測定部270で測定された重合ウェハWの外径が所定の閾値、例えば300.2mm(300mm+200μm)以上である場合、上ウェハWと下ウェハWの接合位置が異常であると判定する。なお、この所定の閾値は、上述したように上ウェハWと下ウェハWとの位置ずれの許容値が200μmとなる値である。
【0121】
なお、工程S16において接合強度が異常であると判断された重合ウェハWは、接合システム1から回収される。このとき、測定部270で測定された重合ウェハWの外径が所定の値、例えば301mm(300mm+1mm)未満である場合、すなわち、重合ウェハWの外径が300.2mm以上301mm未満である場合、重合ウェハWは接合システム1の搬送系を用いて回収される。すなわち、重合ウェハWは、ウェハ搬送装置61によってトランジション装置51に搬送され、その後搬入出ステーション2のウェハ搬送装置22によって所定のカセット載置板11のカセットCに搬送されて回収される。なお、この所定の値は、上ウェハWと下ウェハWの外径300mmに対して、許容値1mmを加えた値である。すなわち、本実施の形態において、ウェハ搬送装置22、61の搬送アームが搬送できる大きさが301mmである。
【0122】
一方、測定部270で測定された重合ウェハWの外径が所定の値、例えば301mm(300mm+1mm)以上である場合、接合システム1は警告装置(図示せず)によって警告を発する。そして、この警告に基づいて、重合ウェハWは接合システム1の外部機構によって当該接合ステム1から回収される。この外部機構は、例えば搬送アームを備えた搬送装置であってもよいし、手動であってもよい。なお、上述した警告装置は制御部300であってもよい。
【0123】
こうして工程S14において接着が正常であり、工程S15で接合強度が正常であり、工程S16で接合位置が正常と判定された重合ウェハWは、ウェハ搬送装置61によってトランジション装置51に搬送され、その後搬入出ステーション2のウェハ搬送装置22によって所定のカセット載置板11のカセットCに搬送される。こうして、一連のウェハW、Wの接合処理が終了する。
【0124】
以上の実施の形態によれば、工程S16において、重合ウェハWの外径を測定し、当該測定結果に基づいて、上ウェハWと下ウェハWの接合位置の良否を判定している。そして、例えば接合位置が正常である場合には、当該接合された重合ウェハWに対して後続の処理を適切に行うことができる。一方、例えば接合位置が異常である場合には、当該接合された重合ウェハWに対する後続の処理を停止して回収する。そうすると、従来のように搬送不良やウェハの破損を防止することができ、後続のウェハWに対する処理を円滑に行うことができる。
【0125】
また、工程S16において上ウェハWと下ウェハWの接合位置が異常であると判定された場合において、重合ウェハWの外径の測定結果が所定の値未満である場合、当該重合ウェハWがウェハ搬送装置22、61によって搬入出ステーション2の所定のカセットCに搬送されて回収される。一方、重合ウェハWの外径の測定結果が所定の値より大きい場合、接合システム1から警告が発せられ、重合ウェハWは外部機構によって接合システム1から回収される。このようにウェハ搬送装置22、61の搬送アームが搬送できる重合ウェハWは接合システム1の搬送系を用いて回収され、当該搬送アームが搬送できない重合ウェハWは外部機構を用いて回収される。したがって、搬送不良やウェハの破損を防止することができ、後続のウェハWに対する処理をより円滑に行うことができる。
【0126】
また、工程S14において、吸引管240a、240b、240cの内部の圧力に基づき、上ウェハWと下ウェハWの接着の良否を判定している。さらに、工程S15において、吸引管240a、240b、240cの内部の圧力に基づき、上ウェハWと下ウェハWの接合強度の良否を判定している。このように工程S14、S15、S16において、上ウェハWと下ウェハWの接合の良否を判定しているので、当該接合の良否をより適切に判定することができる。したがって、後続のウェハWに対する処理をさらに円滑に行うことができる。
【0127】
また、工程S14と工程S15において、吸引管240a、240b、240cのうち、いずれか一の吸引管240a、240b、240cの圧力が所定の閾値以下である場合に、接合が異常と判定される。したがって、上ウェハWと下ウェハWの接合をより厳密に検査することができ、後続のウェハWに対する処理を円滑に行うことができる。
【0128】
しかも、本実施の形態の工程S14と工程S15は、ウェハW、W同士を接合するために必要な装置を用いて行われるので、工程S14と工程S15を行うための新たな装置が不要である。したがって、接合の良否判定を効率よく行うことができる。
【0129】
また、工程S13において、押動部材250によって上ウェハWの中心部と下ウェハWの中心部を当接させて押圧した状態で、上ウェハWの中心部から外周部に向けて、上ウェハWの真空引きを停止し、上ウェハWを下ウェハWに順次当接させ、上ウェハWと下ウェハWを接合することができる。そうすると、領域230b、230cにおける上ウェハWの真空引きを停止する際には、上ウェハWの中心部と下ウェハWの中心部が当接して押圧されているので、例えば上ウェハWと下ウェハWとの間に空気がある場合でも、下ウェハWに対する上ウェハWの水平方向の位置がずれることがない。したがって、ウェハW、Wの接合を適切に行うことができる。
【0130】
また、工程S13において、上ウェハWの中心部から外周部に向けて上ウェハWを下ウェハWに順次当接させているので、例えば上ウェハWと下ウェハWとの間にボイドとなりうる空気が存在している場合でも、空気は上ウェハWが下ウェハWと当接している箇所より常に外周部側に存在することになる。そうすると、当該空気をウェハW、W間において中心部から外周部に逃がすことができる。したがって、ウェハW、W間のボイドの発生を抑制ができ、ウェハW、W同士をさらに適切に接合することができる。
【0131】
しかも、本実施の形態によれば、従来のようにウェハW、Wを接合する際の雰囲気を真空雰囲気にする必要がないので、ウェハW、Wの接合を短時間で効率よく行うことができ、ウェハ接合処理のスループットを向上させることができる。
【0132】
また、下部チャック231の外周部にはストッパ部材262が設けられているので、ウェハW、W、重合ウェハWが下部チャック231から飛び出したり、滑落するのを防止することができる。
【0133】
また、接合装置41は、ウェハW、Wを接合するための上部チャック230と下部チャック231に加えて、ウェハW、Wの水平方向の向きを調節する位置調節機構210と、上ウェハWの表裏面を反転させる反転機構220も備えているので、一の装置内でウェハW、Wの接合を効率よく行うことができる。さらに、接合システム1は、接合装置41に加えて、ウェハW、Wの表面WU1、WL1を改質する表面改質装置30と、表面WU1、WL1を親水化すると共に当該表面WU1、WL1を洗浄する表面親水化装置40も備えているので、一のシステム内でウェハW、Wの接合を効率よく行うことができる。したがって、ウェハ接合処理のスループットをより向上させることができる。
【0134】
以上の実施の形態では、下ウェハWを撮像する上部撮像部材253と、重合ウェハWを撮像する測定部270の撮像部材271は、別々に設けられていたが、いずれか一方のみを設けてもよい。すなわち、上部撮像部材253によって下ウェハWと重合ウェハWの両方を撮像するようにしてもよいし、撮像部材271によって下ウェハWと重合ウェハWの両方を撮像するようにしてもよい。かかる場合、上部撮像部材253又は撮像部材271のいずれか一方を省略することができるので、装置構成を簡略化することができる。
【0135】
また、以上の実施の形態では、工程S14と工程S15において、吸引管240a、240b、240cの内部の圧力に基づいて、上ウェハWと下ウェハWの接着と接合強度の良否を判定していたが、これら良否の判定は他のパラメータを用いて行うこともできる。例えば吸引管240a、240b、240cの内部を流れる空気の流量や、あるいは真空ポンプ241a、241b、241cから排出される空気の圧力や流量、真空ポンプ241a、241b、241cを作動させるモータの電流値などに基づいて、上記良否の判定を行ってもよい。
【0136】
さらに、以上の実施の形態では、チャック駆動部234によって下部チャック231が鉛直方向に昇降自在且つ水平方向に移動自在になっていたが、上部チャック230を鉛直方向に昇降自在にし、あるいは水平方向に移動自在に構成してもよい。また、上部チャック230と下部チャック231の両方が、鉛直方向に昇降自在且つ水平方向に移動自在に構成されていてもよい。
【0137】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0138】
1 接合システム
2 搬入出ステーション
3 処理ステーション
30 表面改質装置
40 表面親水化装置
41 接合装置
60 ウェハ搬送領域
201 搬送路
202 ウェハ搬送体
210 位置調節機構
220 反転機構
230 上部チャック
230a、230b、230c 領域
231 下部チャック
233 シャフト
234 チャック駆動部
240a、240b、240c 吸引管
241a、241b、241c 真空ポンプ
242a、242b、242c 圧力測定部
250 押動部材
262 ストッパ部材
270 測定部
271 撮像部材
300 制御部
上ウェハ
U1 表面
下ウェハ
L1 表面
重合ウェハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が同一の基板同士を接合する接合方法であって、
第1の保持部材の下面に吸着保持された第1の基板と、前記第1の保持部材の下方に設けられた第2の保持部材の上面において吸着保持された第2の基板とを接合する接合工程と、
その後、第1の基板と第2の基板が接合された重合基板の外径を測定し、当該測定結果に基づいて、第1の基板と第2の基板の接合位置の良否を判定する接合位置判定工程と、を有し、
前記接合位置判定工程では、前記測定結果が所定の閾値未満である場合、第1の基板と第2の基板の接合位置が正常であると判定し、前記測定結果が所定の閾値以上である場合、第1の基板と第2の基板の接合位置が異常であると判定することを特徴とする、接合方法。
【請求項2】
前記接合位置判定工程では、重合基板の外周部を撮像して、当該重合基板の外径を測定することを特徴とする、請求項1に記載の接合方法。
【請求項3】
前記接合工程後であって前記接合位置判定工程前において、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材を相対的に鉛直方向に移動させて、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を所定の位置に配置した後、吸引管を介して前記第1の保持部材に設けられた吸引機構によって第1の基板に対する真空引きを行い、前記吸引管の内部の圧力に基づいて、前記第1の保持部材に第1の基板が残存しているか否かを判定して、第1の基板と第2の基板の接着の良否を判定する接着判定工程を有し、
前記接着判定工程では、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値より大きい場合、第1の基板と第2の基板の接着が正常であると判定し、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値以下である場合、第1の基板と第2の基板の接着が異常であると判定すると判定することを特徴とする、請求項1又は2に記載の接合方法。
【請求項4】
前記接着判定工程において、第1の基板が前記第1の保持部材に吸着保持されておらず正常と判定された場合、前記接着判定工程後であって前記接合位置判定工程前において、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材を相対的に鉛直方向に移動させて、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を所定の位置に配置した後、前記吸引機構による真空引きを行い、且つ前記第2の保持部材によって第2の基板を吸着保持し、前記吸引管の内部の圧力に基づいて、第1の基板と第2の基板の接合強度の良否を判定する接合強度判定工程を有し、
前記接合強度判定工程では、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値より大きい場合、第1の基板と第2の基板の接合強度が正常であると判定し、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値以下である場合、第1の基板と第2の基板の接合強度が異常であると判定することを特徴とする、請求項3に記載の接合方法。
【請求項5】
前記第1の保持部材は、中心部から外周部に向けて複数の領域に区画され、当該領域毎に第1の基板の真空引きを設定可能であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の接合方法。
【請求項6】
前記接合工程において、
前記第1の保持部材に保持された第1の基板と、前記第2の保持部材に保持された第2の基板とを所定の間隔で対向配置し、
その後、前記第1の保持部材に設けられた押動部材によって第1の基板の中心部と第2の基板の中心部を当接させて押圧し、
その後、第1の基板の中心部と第2の基板の中心部が押圧された状態で、第1の基板の中心部から外周部に向けて、第1の基板と第2の基板を順次接合することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の接合方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の接合方法を接合装置によって実行させるために、当該接合装置を制御する制御部のコンピュータ上で動作するプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを格納した読み取り可能なコンピュータ記憶媒体。
【請求項9】
平面形状が同一の基板同士を接合する接合装置であって、
下面に第1の基板を吸着保持する第1の保持部材と、
前記第1の保持部材の下方に設けられ、上面に第2の基板を吸着保持する第2の保持部材と、
第1の基板と第2の基板が接合された重合基板の外径を測定する測定部と、
第1の基板と第2の基板の接合の良否を判定する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記第1の保持部材の下面に吸着保持された第1の基板と、前記第2の保持部材の上面において吸着保持された第2の基板とを接合する接合工程と、その後、重合基板の外径を測定し、当該測定結果に基づいて、第1の基板と第2の基板の接合位置の良否を判定する接合位置判定工程と、を実行するように、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材及び前記測定部の動作を制御し、
前記接合位置判定工程では、前記測定結果が所定の閾値未満である場合、第1の基板と第2の基板の接合位置が正常であると判定し、前記測定結果が所定の閾値以上である場合、第1の基板と第2の基板の接合位置が異常であると判定することを特徴とする、接合装置。
【請求項10】
前記測定部は、重合基板の外周部を撮像する撮像部材を有することを特徴とする、請求項9に記載の接合装置。
【請求項11】
前記第1の保持部材に設けられ、第1の基板を真空引きする吸引機構と、
前記第1の保持部材と前記吸引機構とを接続する吸引管と、
前記第1の保持部材又は第2の保持部材を相対的に鉛直方向に昇降させる昇降機構と、を有し、
前記制御部は、
前記接合工程後であって前記接合位置判定工程前において、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材を相対的に鉛直方向に移動させて、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を所定の位置に配置した後、前記吸引機構によって第1の基板に対する真空引きを行い、前記吸引管の内部の圧力に基づいて、前記第1の保持部材に第1の基板が残存しているか否かを判定して、第1の基板と第2の基板の接着の良否を判定する接着判定工程を実行するように、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、前記吸引機構及び前記昇降機構の動作を制御し、
前記接着判定工程では、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値より大きい場合、第1の基板と第2の基板の接着が正常であると判定し、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値以下である場合、第1の基板と第2の基板の接着が異常であると判定すると判定することを特徴とする、請求項9又は10に記載の接合装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記接着判定工程において、第1の基板が前記第1の保持部材に吸着保持されておらず正常と判定された場合、前記接着判定工程後であって前記接合位置判定工程前において、前記第1の保持部材又は前記第2の保持部材を相対的に鉛直方向に移動させて、前記第1の保持部材と前記第2の保持部材を所定の位置に配置した後、前記吸引機構による真空引きを行い、且つ前記第2の保持部材によって第2の基板を吸着保持し、前記吸引管の内部の圧力に基づいて、第1の基板と第2の基板の接合強度の良否を判定する接合強度判定工程を実行するように、前記第1の保持部材、前記第2の保持部材、前記吸引機構及び前記昇降機構の動作を制御し、
前記接合強度判定工程では、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値より大きい場合、第1の基板と第2の基板の接合強度が正常であると判定し、前記吸引管の内部の圧力が所定の閾値以下である場合、第1の基板と第2の基板の接合強度が異常であると判定することを特徴とする、請求項11に記載の接合装置。
【請求項13】
前記第1の保持部材は、中心部から外周部に向けて複数の領域に区画され、当該領域毎に第1の基板の真空引きを設定可能であることを特徴とする、請求項9〜12のいずれかに記載の接合装置。
【請求項14】
前記第1の保持部材に設けられ、第1の基板の中心部を押圧する押動部材を有することを特徴とする、請求項9〜13のいずれかに記載の接合装置。
【請求項15】
前記第2の保持部材の外周部には、第1の基板、第2の基板、又は重合基板に対するストッパ部材が設けられていることを特徴とする、請求項9〜14のいずれかに記載の接合装置。
【請求項16】
第1の基板又は第2の基板の水平方向の向きを調節する位置調節機構と、
第1の基板の表裏面を反転させる反転機構と、
前記接合装置内で第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬送する搬送機構と、を有することを特徴とする、請求項9〜15のいずれかに記載の接合装置。
【請求項17】
請求項9〜16のいずれかに記載の接合装置を備えた接合システムであって、
前記接合装置を備えた処理ステーションと、
第1の基板、第2の基板又は重合基板をそれぞれ複数保有可能で、且つ前記処理ステーションに対して第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬入出する搬入出ステーションと、を備え、
前記処理ステーションは、
第1の基板又は第2の基板の接合される表面を改質する表面改質装置と、
前記表面改質装置で改質された第1の基板又は第2の基板の表面を親水化する表面親水化装置と、
前記表面改質装置、前記表面親水化装置及び前記接合装置に対して、第1の基板、第2の基板又は重合基板を搬送するための搬送領域と、を有し、
前記接合装置では、前記表面親水化装置で表面が親水化された第1の基板と第2の基板を接合することを特徴とする、接合システム。
【請求項18】
前記接合位置判定工程で第1の基板と第2の基板の接合位置が異常であると判定された場合において、
前記重合基板の外径の測定結果が所定の値未満である場合、当該重合基板が前記搬送領域を介して前記搬入出ステーションに搬送されて回収され、
前記重合基板の外径の測定結果が所定の値以上である場合、当該重合基板が前記接合システムの外部機構によって当該接合システムから回収されるように警告を発することを特徴とする、請求項17に記載の接合システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate


【公開番号】特開2012−186244(P2012−186244A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47150(P2011−47150)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】