説明

携帯端末、該携帯端末における異常検出方法、及び異常検出プログラム

【課題】 監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行う。
【解決手段】 監視対象者に所持され、通信ネットワークを介して監視装置に位置情報を送信する携帯端末において、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して位置情報を測位するGPS受信部と、前記GPS受信部により得られる位置情報を記憶する位置情報記憶部と、前記GPS信号の強度を算出するSNR測定部と、予め設定されたSNRの閾値を記憶するSNR閾値記憶部と、前記SNR測定部により算出されたSNRと前記閾値とに基づいて前記監視対象者に異常があることを検出する制御部と、前記制御部により前記監視対象者に異常があることを検出した場合に、前記位置情報記憶部に記憶された位置情報及び予め登録された前記監視対象者の個人識別情報を前記監視装置に送信する警報処理部とを有することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、該携帯端末における異常検出方法、及び異常検出プログラムに係り、特に監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うための携帯端末、該携帯端末における異常検出方法、及び異常検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、子供や女性等を対象とした誘拐事件が多発しており非常に深刻な状況となっている。このような犯罪に対して、GPS(Global Positioning System:全地球無線測位システム)衛星から位置情報を受信する機能と、非常通報機能を搭載した携帯端末が考案され実用化されている。これにより、携帯端末を所持する対象者の現在位置情報が取得できるだけではなく、非常通報機能を使用することにより、監視対象者が非常通報スイッチを操作したときに所定の監視装置に対して非常通報を自動的に行うことができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
なお、特許文献1により開示されている技術は、緊急非常通報サービスの利用者(監視対象者)が携帯端末を所持し、緊急時に携帯端末の非常ボタンを操作すると、監視センタに携帯端末の位置情報を無線で送信する。また、その位置情報を受信した監視センタでは、受信した位置情報をもとに利用者の捜索等を行うものである。
【特許文献1】特開2004−180237号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなGPS機能付きの携帯端末を所持していたとしても、異常時に有効な通報ができるとは限らない。例えば携帯端末の通信の電波が途切れてしまった場合、監視装置に通報を行うことができない。また、このような携帯端末から非常通報を行うには、本人がスイッチやボタン等の操作を行うことが必須の要件になっているが、実際は緊急時に何らかの操作を行うことは困難である。
【0005】
例えば、このような携帯端末を所持する子供が、突然建物内への急な連れ込みや車内への閉じ込めという異常事態に巻き込まれた場合には、自ら非常通報を行うことは困難である。また、これまでの携帯端末は、GPS衛星の受信圏外になることを検知する手段を備えていないため、一旦GPS衛星の受信圏外になってしまうと位置情報を取得することができず、建物内への連れ込み、監禁、車での連れ去り等、監視対象者に異常があることを検知し通報することができなかった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うための携帯端末、該携帯端末における異常検出方法、及び異常検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本件発明は、以下の特徴を有する課題を解決するための手段を採用している。
【0008】
請求項1に記載された発明は、監視対象者に所持され、通信ネットワークを介して監視装置に位置情報を送信する携帯端末において、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して位置情報を測位するGPS受信部と、前記GPS受信部により得られる位置情報を記憶する位置情報記憶部と、前記GPS信号の強度を算出するSNR(Signal to Noise Ratio:受信強度)測定部と、予め設定されたGPS信号の受信強度の閾値を記憶するSNR閾値記憶部と、前記SNR測定部により算出されたGPS信号の受信強度と前記閾値とに基づいて前記監視対象者に異常があることを検出する制御部と、前記制御部により前記監視対象者に異常があることを検出した場合に、前記位置情報記憶部に記憶された位置情報及び予め登録された前記監視対象者の個人識別情報を前記監視装置に送信する警報処理部とを有することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載された発明は、前記制御部は、前記SNR測定部により算出されたGPS信号の受信強度が前記閾値以下となる状態が、所定の時間継続した場合に前記監視対象者に異常があると判断することを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載された発明は、前記携帯端末の基地局からの電波を受信し、前記電波の電界強度を測定する電界強度測定部と、予め設定された電界強度を記憶しておく電界強度記憶部とを有し、前記制御部は、前記電界強度測定部により測定された電界強度と、前記電界強度記憶部に記憶されている電界強度とに基づいて前記監視対象者に異常があることを検出することを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載された発明は、監視対象者に所持され、通信ネットワークを介して監視装置に位置情報を送信する携帯端末において、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して位置情報を測位するGPS受信部と、前記GPS受信部により得られる位置情報を記憶する位置情報記憶部と、前記監視対象者が予定している移動経路を記憶する予定移動経路記憶部と、前記位置情報と前記予定移動経路記憶部に記憶された予定移動経路とを比較し、前記位置情報が前記予定移動経路の所定範囲を逸脱した場合に前記異常であると判断する位置情報逸脱判断部と、位置情報逸脱判断部により得られる判断結果に基づいて前記監視対象者に異常があることを検出する制御部と、前記制御部により前記監視対象者に異常があることを検出した場合に、前記位置情報記憶部に記憶された位置情報及び予め登録された前記監視対象者の個人識別情報を前記監視装置に送信する警報処理部とを有することを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載された発明は、監視対象者に所持され、通信ネットワークを介して監視装置に位置情報を送信する携帯端末において、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して位置情報を測位するGPS受信部と、前記GPS受信部により得られる位置情報を記憶する位置情報記憶部と、前記位置情報記憶部に記憶された位置情報と前記GPS受信部により得られる新たな位置情報とから前記監視対象者の移動速度を求める速度測定部と、予め設定される速度の閾値を記憶する速度閾値記憶部と、前記速度測定部により測定された速度と前記閾値とに基づいて前記監視対象者に異常があることを検出する制御部と、前記制御部により異常があることを検出した場合に、前記位置情報記憶部に記憶された位置情報及び予め登録された前記監視対象者の個人識別情報を前記監視装置に送信する警報処理部とを有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載された発明は、前記監視対象者の異常の検出を開始及び終了するための切替部を有することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載された発明は、前記制御部は、前記監視対象者の異常の検出を開始してから所定時間までに、前記切替部により終了の切り替えが行われない場合に、前記監視対象者に異常があると判断することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載された発明は、監視対象者に所持され、通信ネットワークを介して監視装置に位置情報を送信する携帯端末における異常検出方法において、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して位置情報を測位するGPS受信ステップと、前記GPS受信ステップにより得られる位置情報を記憶する位置情報記憶ステップと、前記GPS信号の強度を算出するSNR測定ステップと、予め設定されたGPS信号の受信強度の閾値を記憶するSNR閾値記憶ステップと、前記SNR測定ステップにより得られるGPS信号の受信強度と前記閾値とに基づいて前記監視対象者に異常があることを検出する制御ステップと、前記制御ステップにより前記監視対象者に異常があることを検出した場合に、前記位置情報記憶ステップにより記憶された位置情報及び予め登録された前記監視対象者の個人識別情報を前記監視装置に送信する警報処理ステップとを有することを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に記載された発明は、請求項8に記載された携帯端末における異常検出方法をコンピュータに実行させるための異常検出プログラムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、算出したGPS信号の受信強度(SNR)に基づいて監視対象者の異常を検出して監視装置に送信(連絡)するため、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。これにより、例えば建物内への連れ込み等の異常時に特別な操作をすることなく監視装置に連絡することができる。
【0018】
また、請求項2記載の発明によれば、GPS信号の受信強度が閾値以下となる状態が所定の時間継続した場合に監視装置に連絡するため、一時的な受信強度の変化による異常の誤検出を削減することができる。
【0019】
また、請求項3記載の発明によれば、より高精度に監視対象者の異常を検出することができる。また、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。また、監視対象者の異常時における連絡を通話圏外になる前に確実に監視装置に送信することができる。
【0020】
また、請求項4記載の発明によれば、位置情報と予定移動経路とに基づいて監視対象者の異常を高精度に検出することができる。これにより、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。
【0021】
また、請求項5記載の発明によれば、対地速度情報に基づいて、監視対象者の異常を高精度に検出することができる。これにより、例えば監視対象者が乗用車等に乗せられてしまった場合等の異常を検出することができる。また、異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。
【0022】
また、請求項6記載の発明によれば、異常の検出の開始、終了を任意に設定できるため、例えば、所定の外出時のみに使用したりすることができる。また、予め異常の検出を開始するように切り替えておくことにより、異常時にわざわざ通報連絡動作を行う必要がなく、異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。
【0023】
また、請求項7記載の発明によれば、終了の切り替えが行われない場合に異常と判断することで、異常を容易に検出することができる。また、異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。これにより、例えば、帰宅時に強盗等に捕まってしまった場合には、終了の切り替えが行えないため、異常を検出することができ、迅速に連絡することができる。
【0024】
また、請求項8記載の発明によれば、算出したGPS信号の受信強度に基づいて監視対象者の異常を検出して監視装置に送信(連絡)するため、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。これにより、例えば建物内への連れ込み等の異常時に特別な操作をすることなく監視装置に連絡することができる。
【0025】
また、請求項9記載の発明によれば、算出したGPS信号の受信強度に基づいて監視対象者の異常を検出して監視装置に送信(連絡)するため、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。これにより、例えば建物内への連れ込み等の異常時に特別な操作をすることなく監視装置に連絡することができる。また、実行プログラムをコンピュータにインストールすることにより、容易に本発明における異常検出処理を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、本発明における携帯端末、該携帯端末における異常検出方法、及び異常検出プログラムを好適に実施した形態について、図面を用いて説明する。
【0027】
<システム構成>
図1は、本発明における携帯端末を用いたパーソナルセキュリティシステムの概略構成の一例を示す図である。図1に示すパーソナルセキュリティシステム1は、携帯端末11により監視対象者の位置情報を取得させるための電波(GPS信号)を発する複数のGPS衛星10−1〜10−nと、監視対象者が所持する携帯端末11と、携帯端末11から送信される監視対象者の位置情報を取得する監視装置12とを有するよう構成されており、携帯端末11と監視装置12とは通信回線、セルラー網、インターネット網等の通信ネットワーク13を介してデータの送受信が可能な状態で接続されている。
【0028】
携帯端末11は、現在地球上を周回している測地衛星であるGPS衛星10の発信する電波を受信することにより、携帯端末11の地球上での位置情報(例えば、緯度/経度)を取得する。なお、計測方法は、複数のGPS衛星10−1〜10−nのうち、数個の衛星の発信された電波の位相(受信タイミングの違い)を計算し、携帯端末11とGPS衛星との間で三角測量等を行うことにより位置情報を計測することができる。
【0029】
ここで、以下に示す実施形態における位置情報は、GPS衛星10により上述の手法を用いて位置情報を取得することとするが、本発明においてはこの限りではない。例えば、GPS衛星10からの電波と地上波(例えば、300KHz程度)を利用したDGPS(Differential GPS)等を用いて位置情報を計測してもよい。
【0030】
また、携帯端末11は、GPS衛星10から得られた位置情報及び予め登録される監視対象者の個人識別情報を記憶しておき、後述するように異常があると検出された場合に、携帯端末11の位置情報及び個人識別情報を、通信ネットワーク13を介して監視装置12に出力する。
【0031】
監視装置12は、携帯端末11から送信される情報を受信することで、監視対象者に異常があったことを把握し、携帯端末11から得られる情報に基づいて監視対象者の追跡や捜索等を行う。なお、図1に示すパーソナルセキュリティシステム1の構成は一例であり、例えば携帯端末11及び監視装置12は複数有する構成であってもよい。
【0032】
また、本発明における携帯端末11は、携帯電話に限定されず、PDA(Personal Digital Assistant)やノート型パソコンでもよく、また、監視対象者が所持して移動可能であれば、バックや鞄、ランドセル、靴、洋服、帽子、眼鏡、財布等に具備させてもよい。
【0033】
次に、携帯端末11及び監視装置12の各実施形態における機能構成等について、図を用いて説明する。
【0034】
<第1の実施形態>
まず、第1の実施形態について説明する。一般に、GPS衛星10からの電波と基地局からの電波とを携帯端末11で受信する場合、GPS衛星10は基地局と比較して携帯端末11からの距離が遥かに遠いため、例えば携帯端末11を所持した子供や女性等がビルの谷間や建物内、及び室内に入ってしまうと電波の遮断や減衰等によりGPS衛星10からの電波が受信しにくくなる。また、携帯端末11を所持した子供や女性等が誘拐された場合等は、室内等に監禁されることが多く、そのような場合には、GPS衛星10からの電波は受信しにくい状態となる。
【0035】
そこで、第1の実施形態では、GPS衛星10からのGPS信号の強度であるSNR(Signal to Noise Ratio)を算出し、算出したSNRと予め設定された閾値とに基づいて監視対象者に異常があることを検出する。
【0036】
<携帯端末11:機能構成例1>
ここで、第1の実施形態に対応した携帯端末11の機能構成例について図を用いて説明する。図2は、第1の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。図2に示す携帯端末11は、切替部21は、GPS受信部22と、位置情報記憶部23と、SNR(Signal to Noise Ratio:受信感度)測定部24と、SNR閾値記憶部25と、警報処理部26と、個人情報記憶部27と、制御部28とを有するよう構成されている。
【0037】
切替部21は、携帯端末11において監視対象者に異常があるか否かの検出の開始及び終了するための切り替えを行う。なお、切替部21による切り替えは、例えば携帯端末11の電源のON/OFFにより切り替えられてもよく、また所定のボタン操作やスイッチ操作等を行うことにより切り替えられてもよい。また、GPS受信部22は、GPS衛星10からの電波(GPS信号)を受信し携帯端末11の位置情報を取得する。なお、GPS受信部22は、位置情報の取得を所定の時間間隔で行う。
【0038】
また、位置情報記憶部23は、GPS受信部22により取得された位置情報を受信した順に記憶する。なお、位置情報記憶部23に記憶される位置情報は更新可能な形式で記憶され、少なくとも1つの位置情報(履歴)を記憶しておく。また、SNR測定部24は、GPS受信部22から得られるデータから、GPS信号の強度であるSNRを算出する。なお、SNR測定部24は、SNRの算出を所定の時間間隔で行う。
【0039】
SNR閾値記憶部25は、予め設定されたSNRの閾値を記憶する。つまり、制御部28により、SNR測定部24により算出されたSNRの値と、SNR閾値記憶部25の所定の閾値とが比較され、異常検出の判断が行われる。
【0040】
警報処理部26は、制御部28により監視対象者に異常があることが検出された場合に、位置情報記憶部23に記憶されている携帯端末(監視対象者)11の位置情報あるいは異常があると検出された後で取得した位置情報、及び個人情報記憶部27に記憶されている個人識別情報を、通信ネットワーク13を介して監視装置12に送信する。また、個人情報記憶部27は、監視対象者のユーザIDや、氏名、住所、携帯端末11の識別情報等、監視装置12側で情報を受信した場合に監視対象者を特定することができる個人識別情報を記憶する。なお、個人識別情報としては、緊急連絡先や、持病、通っている病院等の情報が含まれていてもよい。
【0041】
また、制御部28は、各種演算や携帯端末11における各構成部とのデータの入出力等の処理を行い、携帯端末11全体の制御を行う。具体的には、例えばGPS衛星10から位置情報を取得するタイミングの調整や、GPS受信部22とSNR測定部24間のデータ送受の仲介、及び監視対象者に異常があることの検出等を行う。
【0042】
なお、上述の携帯端末11は、監視対象者に異常があると判断された場合にのみ監視装置12に連絡(送信)を行うので、通信コストを削減することができる。
【0043】
<監視装置12:機能構成例>
次に、監視装置12の機能構成例について図を用いて説明する。図3は、本発明における監視装置の機能構成の一例を示す図である。図3に示す監視装置12は、受信部31と、警報部32と、表示部33と、地図表示部34と、記憶部35と、制御部36とを有するよう構成されている。
【0044】
受信部31では、通信ネットワーク13を介して携帯端末11から送信されてきた監視対象者の位置情報及び個人識別情報を受信する。ここで、携帯端末11から送られてくる情報は、携帯端末11が異常であると判断した時のみに送られるものである。そのため、監視装置12の監視員は、携帯端末11を常時監視する必要はなく、携帯端末11から送信された情報を受信した時にのみ監視対象者の現在位置を確認したり、追跡や捜索、家族・保護者等の予め設定された緊急連絡先に連絡する等の対応を行えばよいことになる。
【0045】
また、警報部32は、携帯端末11から送信された位置情報や個人識別情報等を受信部31が受信したことを制御部36で検知した後、制御部36から送られる警報制御信号によりブザー等の音声出力やライトの点滅(点灯)等の処理を行い、監視装置12の監視員に異常があった監視対象者がいることを知らせる。
【0046】
また、表示部33は、受信部31が受信した監視対象者の位置情報及び個人識別情報に基づいて、異常があった監視対象者の個人のデータ(氏名や緊急連絡先等)を表示する。
【0047】
また、地図表示部34は、監視対象者が所持する携帯端末11から得られる位置情報を記憶部35に予め記録されている地図情報に対応させて表示し、監視員に提示する。また、記憶部35は、受信した携帯端末11からの位置情報及び個人識別情報を受信した時間等と共に記憶して管理を行う。また、記憶部35は、個人識別情報に対応する個人の詳細情報(氏名、緊急連絡先、通報履歴等)等が予め記憶されていてもよく、また、地図表示部34に表示するための地図情報等が記憶されていてもよい。
【0048】
また、制御部36は、各種演算や監視装置12における各構成部とのデータの入出力等の処理を行い、監視装置12全体の制御を行う。具体的には、例えば受信した情報を表示部33に表示する等の処理を行う。
【0049】
<第1の異常検出処理手順>
次に、上述した第1の実施形態に係る携帯端末11における異常検出処理手順(第1の異常検出処理手順)について、図を用いて説明する。図4は、第1の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、第1の異常検出処理では、監視対象者等により携帯端末11の電源を入れるか、又は異常検出処理の開始スイッチ等をONに切り替えることにより、異常検出処理が開始される。
【0050】
第1の異常検出処理は、携帯端末11がGPS衛星10からの電波(GPS信号)を受信して、現在の携帯端末11の位置情報を取得し、取得した位置情報を記憶する(S01)。次に、GPS衛星10からのGPS信号のSNRを取得し、取得したSNRを記憶する(S02)。また、S02にて取得したSNRと、予め設定されたSNRの閾値との比較を行い(S03)、S02にて取得したSNRが閾値以下であるか否かを判断する(S04)。
【0051】
ここで、SNRが閾値以下の場合(S04において、YES)、異常があると判断してS01により得られる位置情報及び予め携帯端末11に登録されている監視対象者の個人識別情報を監視装置12等の予め設定されている連絡先に送信する(S05)。
【0052】
S05の処理が終了後、又はSNRが閾値以下でない場合(S04において、NO)、異常検出を終了するか否かを判断する(S06)。ここで、異常検出を終了するか否かを判断は、例えば監視対象者等が携帯端末11に異常検出処理を終了するような切り替え操作を行ったか否かにより判断する。
【0053】
異常検出を終了しない場合(S06において、NO)、S01に戻り上述した処理を継続して行う。なお、継続して行う場合は、例えば、監視対象者が所持する携帯端末11は、5分間隔等の所定の時間間隔毎にGPS衛星10からGPS信号により位置情報を取得し、取得した位置情報を記憶する。また、異常検出を終了する場合(S06において、YES)、処理を終了する。
【0054】
なお、上述のS04においては、S02で取得したSNRと閾値との比較を行ったが本発明においてはこの限りではなく、例えば直前のSNRと新たに取得したSNRとの差分値を算出し、算出された差分値と対応する閾値とに基づいて監視対象者に異常があることを検知するようにしてもよい。つまり、SNRの増減値に基づいて監視対象者に異常があることを検出することができ、SNRを取得する毎に増減値が減少しているような場合に異常であると判断するように処理することもできる。
【0055】
<第1の異常検出処理:具体例>
ここで、上述した第1の異常検出処理の具体例について説明する。例えば子供(監視対象者)が下校する際に携帯端末11の電源を入れるか、又は異常検出処理を開始するように切替部を操作する。その操作があったと同時に携帯端末11は位置情報の測位を開始する。なお、携帯端末11の電源が入っている間は定期的にGPS衛星10により携帯端末11の位置情報を取得する。つまり、子供が帰宅するまでの間、携帯端末11は所定の時間間隔で位置情報を計測することになる。
【0056】
ここで、子供が学校を出てすぐに取得したSNRの値が「30」であったとし、帰宅の途中で突然誘拐事件に巻き込まれてしまい、犯人に近くの雑居ビル街等に連れ込まれてしまったとする。このとき、連れ込まれてしまった直後に算出されたSNRの値が「10」であり、その後、子供が室内に監禁されてしまった場合に、次に算出されたSNRが「5」まで下がったとする。
【0057】
通常のように屋外を下校していれば、このようにSNRの急激な変化は起こらないはずである。そこで、予め設定されたSNRの閾値を「15」と設定し、算出されたSNRと閾値とを比較する。SNRが閾値以下であることを検知した場合、携帯端末11の制御部28は、子供に異常があると判断する。また、警報処理部26は、位置情報記憶部に最後に記憶された位置情報と予め登録されている子供の個人識別情報を、通信ネットワーク13を介して監視装置12に送信する。
【0058】
また、監視装置12は、位置情報及び個人識別情報を受信すると、警報等により監視員等に子供に異常があったことを知らせると共に、位置情報及び個人識別情報や現在地を地図情報と共に監視員に提示する。それらの情報をもとに、監視装置12では監視対象者の追跡や捜索が可能になる。
【0059】
上述したように、第1の実施形態によれば、算出したSNRに基づいて監視対象者の異常を検出して監視装置に送信(連絡)するため、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。これにより、例えば建物内への連れ込み等の異常時に特別な操作をすることなく監視装置に連絡することができる。
【0060】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、携帯端末11は、算出したSNRが閾値以下になった場合に監視装置12に位置情報及び個人識別情報を送信する構成としているが、第2の実施形態では、更に時間をカウントする計時手段を設け、SNR測定部24から得られるSNRが閾値以下となっている状態が所定の時間継続した場合に異常と判断する。
【0061】
<携帯端末11:機能構成例2>
ここで、第2の実施形態に対応した携帯端末11の機能構成例について図を用いて説明する。図5は、第2の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図5では、図2と同様の構成について同一符号を用いることとし、その説明は省略する。
【0062】
図5に示す携帯端末11は、切替部21と、GPS受信部22と、位置情報記憶部23と、SNR測定部24と、SNR閾値記憶部25と、警報処理部26と、個人情報記憶部27と、制御部28と、計時部51とを有するよう構成されている。つまり、第2の実施形態では、上述した第1の実施形態と携帯端末11の構成に、所定の時間を計測する計時部51が設けられている。
【0063】
計時部51は、SNR測定部24が算出したSNRが、SNR閾値記憶部25に記憶されている閾値以下となった場合に時間の計測を開始する。そして制御部28は、計時部51が所定の時間を越えてもSNR測定部24のSNRが閾値以下である状態が継続している場合に、制御部28は監視対象者に異常があると判断する。なお、制御部28は、上述した所定の時間以内にSNR測定部24により定期的に算出されるSNRが、閾値より大きくなれば異常なしと判断し計時を終了する。
【0064】
なお、第2の実施形態に係る監視装置12の機能構成は、第1の実施形態で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0065】
<第2の異常検出処理手順>
次に、上述した第2の実施形態に係る携帯端末11における異常検出処理手順(第2の異常検出処理手順)について、図を用いて説明する。図6は、第2の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、第2の異常検出処理では、監視対象者等により携帯端末11の電源を入れるか、又は異常検出処理の開始スイッチ等をONに切り替えることにより、異常検出処理が開始される。また、計時部51の計時カウンタは初期化されているものとする。
【0066】
第2の異常検出処理は、携帯端末11がGPS衛星10からの電波(GPS信号)を受信して、現在の携帯端末11の位置情報を取得し、取得した位置情報を記憶する(S11)。次に、GPS衛星10からのGPS信号のSNRを取得し、取得したSNRを記憶する(S12)。また、S12にて取得したSNRと、予め設定されたSNRの閾値との比較を行い(S13)、S12にて取得したSNRが閾値以下であるか否かを判断する(S14)。
【0067】
ここで、SNRが閾値以下の場合(S14において、YES)、次に現在計時中でないかを判断する(S15)。計時中でない場合(S15において、YES)、計時を開始する(S16)。また、S16の処理の終了後、又はS15において計時中である場合(S15において、NO)、計時中のカウンタが所定の時間を経過したかを判断する(S17)。なお、所定の時間は、特に制限されるものではないが、例えば監視対象者が室内に閉じ込められたと判断できるような値を設定する場合には、1、2分ではなく、ある程度の長い時間(10分等)を設定する。
【0068】
ここで、計時中のカウンタが所定の時間を経過していない場合(S17において、NO)、S11に戻り以降の処理を行う。また、所定の時間が経過した場合(S17において、YES)、S11により得られる位置情報及び予め携帯端末11に登録されている個人識別情報を監視装置12等の予め設定されている連絡先に送信する(S18)。
【0069】
また、S14において、SNRが閾値以下でない場合又はSNRが閾値以下でなくなった場合(S14において、NO)、今までカウントしていた計時カウンタを初期化する(S19)。また、S19の処理が終了後、又はS18の処理が終了後、異常検出を終了するか否かを判断する(S20)。ここで、異常検出を終了するか否かを判断は、例えば監視対象者等が携帯端末11に異常検出処理を終了するような切り替え操作を行ったか否かにより判断する。
【0070】
異常検出を終了しない場合(S20において、NO)、S11に戻り上述した処理を継続して行う。また、異常検出を終了する場合(S20において、YES)、処理を終了する。
【0071】
このように、SNRが閾値以下となる状態が所定の時間継続した場合に監視装置に連絡するため、一時的な受信強度の変化による異常の誤検出を削減することができる。
【0072】
<第2の異常検出処理:具体例>
ここで、上述した第2の異常検出処理の具体例について説明する。例えば子供(監視対象者)が携帯端末11の電源を入れるか、又は異常検出処理を開始するように切替部を操作する。その操作があったと同時に携帯端末11は位置情報の測位を開始する。なお、携帯端末11の電源が入っている間は定期的にGPS衛星10により携帯端末11の位置情報を取得する。
【0073】
また、子供が自宅まで帰る途中には様々な環境があり、電車に乗ったり、ビルの中等を経由して移動する場合にはGPS衛星10の電波が届きにくい場所がある。ここで、上述した移動を行う子供の帰宅中に立ち寄った場所におけるSNRが、予め設定された閾値「15」以下である「5」になったとする。この時点で、計時部51は起動し計時を始める。なお、計時部51には所定の時間として「3分」という時間が予め設定されており、この3分の計測が終了した時に、定期的に算出されるSNRが、継続して閾値以下であった場合には、携帯端末11の制御部28は、子供に異常があると判断する。また、警報処理部26は、位置情報記憶部に最後に記憶された位置情報と予め登録されている子供の個人識別情報を、通信ネットワーク13を介して監視装置12に送信する。
【0074】
また、監視装置12は、位置情報及び個人識別情報を受信すると、警報等により監視員等に子供に異常があったことを知らせると共に、位置情報及び個人識別情報や現在地を地図情報と共に監視員に提示する。それらの情報をもとに、監視装置12では子供の追跡や捜索が可能になる。
【0075】
一方、計時部51による計時中に一時的にもSNRが「25」に回復し、SNR閾値の「15」より大きくなった場合には、異常なしと判断し、その後も位置情報の監視が継続される。
【0076】
このように、第2の実施形態によれば、計時部を設け、SNRが閾値以下となる状態が所定の時間継続した場合に監視装置に連絡するため、一時的な受信強度の変化による異常の誤検出を削減することができる。
【0077】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、携帯電話の基地局からの電波受信感度(電界強度)を測定し、通信に最低限必要な電界強度と比較して監視対象者に異常があることを検出する。なお、基地局はシステム構成上、上述した通信ネットワーク13に含まれている。
【0078】
<携帯端末11:機能構成例3>
ここで、第3の実施形態における携帯端末11の機能構成例について図を用いて説明する。図7は、第3の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図7では、図2と同様の構成について同一符号を用いることとし、その説明は省略する。
【0079】
図7に示す携帯端末11は、切替部21と、GPS受信部22と、位置情報記憶部23と、SNR測定部24と、SNR閾値記憶部25と、警報処理部26と、個人情報記憶部27と、制御部28と、電界強度測定部61と、電界強度記憶部62とを有するよう構成されている。つまり、第3の実施形態では、上述した第1の実施形態における携帯端末11の構成に、電界強度を測定する電界強度測定部61と、電界強度の比較を行うために少なくとも1つの電界強度を記憶する電界強度記憶部62とが設けられている。
【0080】
具体的に説明すると、電界強度測定部61は、携帯電話の基地局からの電波を受信して電波受信強度を測定する。また、電界強度記憶部62は、例えば基地局との通信に最低限必要な電界強度を閾値として記憶する。また、制御部28は、電界強度測定部61にて測定された電界強度と、電界強度記憶部62において記憶された電界強度の閾値とを比較して監視対象者に異常があることを検出する。
【0081】
つまり、制御部28は、通話ができない状態(例えば、「圏外」表示の状態)にならないか否かを判断し、通話ができない状態になる前に監視装置12に情報を送信する処理を行う。したがって、電界強度記憶部62に記憶される閾値は、通話ができない状態となる値よりもある程度大きい値を設定する必要がある。
【0082】
このように、第3の実施形態では、携帯端末11を所持する監視対象者のいる位置が、携帯端末11の通話圏外のため監視装置12に対して位置情報等を送信できなくなることがないようにすることで、より高精度に監視対象者の異常を検出することができる。また、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。また、監視対象者の異常時における連絡を確実に行うことができる。
【0083】
なお、第3の実施形態に係る監視装置12の機能構成は、第1の実施形態で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0084】
<第3の異常検出処理手順>
次に、上述した第3の実施形態に係る携帯端末11における異常検出処理手順(第3の異常検出処理手順)について、図を用いて説明する。図8は、第3の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、第3の異常検出処理では、監視対象者等により携帯端末11の電源を入れるか、又は異常検出処理の開始スイッチ等をONに切り替えることにより、異常検出処理が開始される。
【0085】
第3の異常検出処理は、携帯端末11がGPS衛星10からの電波(GPS信号)を受信して、現在の携帯端末11の位置情報を取得し、取得した位置情報を記憶する(S31)。
【0086】
次に、基地局からの電波を受信し、測定により電界強度を取得し、取得した電界強度を記憶する(S32)。また、S32にて取得した電界強度と、予め設定された閾値との比較を行い(S33)、S32にて取得した電界強度が対応する閾値より大きいか否かを判断する(S34)。
【0087】
ここで、電界強度が対応する閾値より大きい場合(S34において、YES)、次にGPS衛星10からのGPS信号のSNRを取得し、取得したSNRを記憶する(S35)。また、S35にて取得したSNRと、予め設定されたSNRの閾値との比較を行い(S36)、S35にて取得したSNRが閾値以下であるか否かを判断する(S37)。
【0088】
ここで、SNRが閾値以下の場合(S37において、YES)、又はS34において電界強度が対応する閾値より大きくない場合(S34において、NO)、S31により得られる位置情報及び予め携帯端末11に登録されている個人識別情報を監視装置12等の予め設定されている連絡先に送信する(S38)。
【0089】
また、S38の処理が終了後、又はS37においてSNRが閾値以下でない場合(S37において、NO)、異常検出を終了するか否かを判断する(S39)。ここで、異常検出を終了するか否かを判断は、例えば監視対象者等が携帯端末11に異常検出処理を終了するような切り替え操作を行ったか否かにより判断する。
【0090】
異常検出を終了しない場合(S39において、NO)は、S31に戻り上述した処理を継続して行う。また、異常検出を終了する場合(S39において、YES)、処理を終了する。
【0091】
このように、基地局からの電界強度に基づいて監視対象者に異常があることを検出するため、より高精度に監視対象者の異常を検出することができる。また、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。また、監視対象者の異常時における連絡を通話圏外になる前に確実に監視装置に送信することができる。
【0092】
<第3の異常検出処理:具体例>
ここで、上述した第3の異常検出処理の具体例について説明する。まず、監視対象者は、携帯端末11の電源を入れるか、又は異常検出処理を開始するように切替部21を操作する。携帯端末11は、その操作があったと同時に位置情報の測位を開始する。なお、携帯端末11の電源が入っている間は定期的にGPS衛星10により携帯端末11の位置情報を取得する。
【0093】
また、携帯端末11は、GPS衛星10からのGPS信号を受信し、更に携帯電話の基地局等からの電波の強度も測定する。携帯端末11は、電界強度測定部61により電界強度を測定し、測定された電界強度と、電界強度記憶部62の電界強度の閾値Yとを比較する。
【0094】
ここで、電界強度測定部61により得られる電界強度が閾値Y以下の場合、携帯端末11の制御部28は、監視対象者に異常があると判断する。また、警報処理部26は、位置情報記憶部に最後に記憶された位置情報と予め登録されている監視対象者の個人識別情報を、通信ネットワーク13を介して監視装置12に送信する。また、電界強度測定部61により得られる電界強度が閾値Yより大きければ、次に上述したようにSNRの比較を行い監視対象者に異常があることを検出する。
【0095】
また、監視装置12は、位置情報及び個人識別情報を受信すると、警報等により監視員等に監視対象者に異常があったことを知らせると共に、位置情報及び個人識別情報や現在地を地図情報と共に監視員に提示する。それらの情報をもとに、監視装置12では監視対象者の追跡や捜索が可能になる。
【0096】
このように、第3の実施形態によれば、携帯電話の基地局からの電波及びGPS衛星からの電波の受信強度を区別して測定(算出)するという形態をとることで、GPS衛星10からの電波は受信できても、携帯端末11が通話圏外であるために位置情報等が監視装置12に送信できないという状況を避けることができる。これにより、より高精度に監視対象者の異常を検出することができる。また、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。また、監視対象者の異常時における連絡を通話圏外になる前に確実に監視装置に送信することができる。
【0097】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、携帯端末11の予定移動経路を予め記憶しておき、予定移動経路からの逸脱により監視対象者に異常があることを検出する。
【0098】
<携帯端末11:機能構成例4>
ここで、第4の実施形態に対応した携帯端末11の機能構成例について図を用いて説明する。図9は、第4の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図9では、図2と同様の構成について同一符号を用いることとし、その説明は省略する。
【0099】
図9に示す携帯端末11は、切替部21と、GPS受信部22と、位置情報記憶部23と、警報処理部26と、個人情報記憶部27と、制御部28と、予定移動経路記憶部71と、位置情報逸脱判断部72とを有するよう構成されている。つまり、第4の実施形態では、SNRの算出や、算出したSNRと予め設定される閾値との比較は行わず、位置情報に基づいて移動経路を取得し、予め記憶される予定移動経路と比較することで、監視対象者に異常があることを検出する。
【0100】
具体的に説明すると、まず予定移動経路記憶部71は、監視対象者が予定している移動経路を記憶する。このとき、予定移動経路は、予定移動経路の幾つかの位置情報を直接入力してもよく、また目的地を入力することにより現在位置情報からの予定移動経路を生成してもよく、また位置情報記憶部23により記憶されている過去の位置情報(履歴)から経路を選定することで予定移動経路を生成してもよい。
【0101】
また、携帯端末11は、異常検出処理の開始により定期的にGPS受信部22により位置情報を取得し、取得した位置情報を位置情報記憶部23に記憶する。ここで、位置情報逸脱判断部72は、取得した位置情報と予定移動経路記憶部71により記憶されている移動経路とを比較することで、監視対象者が予定移動経路から逸脱しているかを判断すると共に異常であるか否かを判断する。
【0102】
なお、位置情報逸脱判断部72における判断手法としては、例えば、予定移動経路に所定の範囲を設け、定期的に取得される位置情報が、所定の範囲外になった場合に逸脱していると判断する。なお、判断手法は、これに限定されず、例えば位置情報記憶部23に記憶されている2つの連続して取得した位置情報から、経路方向を取得し、また、予定移動経路記憶部71により記憶されている移動経路における経路方向と比較し、全く異なる方向に進んでいるような場合に逸脱していると判断してもよい。また、上述した位置と方向とを組み合わせて判断してもよい。
【0103】
また、予定移動経路の所定範囲としては、例えば、位置情報を中心にして所定の半径距離からなる範囲や、予定移動経路に対応する丁や番地等の地区ブロックの範囲、又は位置情報と予定移動経路までの最短距離からなる範囲等、任意の範囲を設定することができる。
【0104】
また、制御部28は、位置情報逸脱判断部72により判断された結果に基づいて監視対象者に異常があるかを検出する。
【0105】
このように、第4の実施形態では、位置情報と予定移動経路とに基づいて監視対象者の異常を高精度に検出することができる。これにより、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。
【0106】
なお、第4の実施形態に係る監視装置12の機能構成は、第1の実施形態で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0107】
<第4の異常検出処理手順>
次に、上述した第4の実施形態に係る携帯端末11における異常検出処理手順(第4の異常検出処理手順)について、図を用いて説明する。図10は、第4の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10に示す第4の異常検出処理手順は、上述した位置情報と予定移動経路との比較により異常を検出するだけでなく、異常検出処理の開始から所定時間までに異常検出処理の終了の指示がない場合にも、監視対象者に異常があったものと判断する処理も行う。このように、終了の切り替えが行われない場合に異常と判断することで、異常を容易に検出することができる。
【0108】
例えば、帰宅時に強盗等に捕まってしまった場合、予定移動経路としては逸脱していないため、異常を検出することができない。そこで、異常検出処理の開始から所定時間までに異常検出処理の終了の操作がない場合に、監視対象者に異常がある判断することにより、上述の被害時にも連絡を容易かつ迅速に行うことができる。
【0109】
まず、第4の異常検出処理では、監視対象者等により携帯端末11の電源を入れるか、又は異常検出処理の開始スイッチ等をONに切り替えることにより、異常検出処理が開始される。このとき、時間が計測される。
【0110】
第4の異常検出処理は、携帯端末11がGPS衛星10からの電波(GPS信号)を受信して、現在の携帯端末11の位置情報を取得し、取得した位置情報を記憶する(S41)。次に、S41で取得した位置情報と予め設定されている予定移動経路とを比較し(S42)、現在の位置が予定移動経路の範囲外であるかを判断する(S43)。
【0111】
ここで、現在の位置が予定移動経路の範囲外である場合(S43において、YES)、S41により得られる位置情報及び予め携帯端末11に登録されている個人識別情報を監視装置12等の予め設定されている連絡先に送信する(S44)。
【0112】
また、S44の処理が終了後、又はS43において現在の位置が予定移動経路の範囲外でない場合(S43において、NO)、次に異常検出を終了するか否かを判断する(S45)。ここで、異常検出を終了するか否かを判断は、例えば監視対象者等が携帯端末11に異常検出処理を終了するような切り替え操作を行ったか否かにより判断する。
【0113】
異常検出を終了しない場合(S45において、NO)、次に異常検出処理の開始から所定時間経過しているかを判断する(S46)。ここでいう所定時間とは、通勤や通学時間等の監視対象者毎に設定される時間である。
【0114】
所定時間を経過している場合(S46において、YES)、S41により得られる位置情報及び予め携帯端末11に登録されている個人識別情報を監視装置12等の予め設定されている連絡先に送信する(S47)。また、所定時間を経過していない場合(S46において、NO)、又はS47の処理が終了後、S41に戻り上述した処理を継続して行う。また、S45において、異常検出を終了する場合(S45において、YES)、時間の計測を終了(初期化)して処理を終了する。
【0115】
これにより、予定移動経路を異常検出の1要素として扱うことができる。また、携帯端末11は、予定移動経路に基づいて異常の検出を高精度に行うことができる。
【0116】
<第4の異常検出処理:具体例>
ここで、上述した第4の異常検出処理の具体例について説明する。なお、具体例として子供が携帯端末11を所持しているとして説明する。子供に所持された携帯端末11は、位置情報を取得し、また予め記憶されている予定移動経を予定移動経路記憶部71から読み出す。
【0117】
次に、位置情報逸脱判断部72は、子供が現在移動している位置情報やその経路と、予定移動経路記憶部71の予定移動経路とを比較し、移動経路からの逸脱を判断する。例えば、現在の位置情報(移動経路)と予定移動経路との距離が、Akm以上であるかどうかを判断する。この距離が、最大値Akmの範囲を超えた場合、位置情報逸脱判断部72が異常であると判断し、その判断結果から携帯端末11の制御部28は、子供に異常があると判断する。また、警報処理部26は、位置情報記憶部に最後に記憶された位置情報と予め登録されている子供の個人識別情報を、通信ネットワーク13を介して監視装置12に送信する。
【0118】
また、現在の位置情報と、予定移動経路との差がAkmの範囲を越えていなければ、異常検出処理が終了するまで継続して異常検出を行う。また、上述したように、異常検出処理の開始から所定時間を経過しても終了操作が行われなかった場合にも位置情報及び子供に対する個人識別情報を監視装置12に送信するようにしてもよい。
【0119】
このように、第4の実施形態によれば、位置情報と予定移動経路とに基づいて監視対象者の異常を高精度に検出することができる。これにより、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。
【0120】
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態について説明する。例えば、子供が徒歩による通学をしている場合、ある程度の速度以上にはならないはずである。したがって、速度情報に基づいて、異常の有無の検出することができる。つまり、第5の実施形態では、携帯端末11の移動速度に基づいて予め設定される速度の閾値(対地速度)からの逸脱により監視対象者に異常があることを検出する。
【0121】
<携帯端末:機能構成例5>
ここで、第5の実施形態に対応した携帯端末11の機能構成例について図を用いて説明する。図11は、第5の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図11では、図2と同様の構成について同一符号を用いることとし、その説明は省略する。
【0122】
図11に示す携帯端末11は、切替部21と、GPS受信部22と、位置情報記憶部23と、警報処理部26と、個人情報記憶部27と、制御部28と、速度測定部81と、速度閾値記憶部82とを有するよう構成されている。ここで、第5の実施形態において、速度測定部81は、記憶された位置情報と現在の位置情報から監視対象者の移動速度を求める。なお、移動速度は、例えば2つの位置情報と、2つの位置情報を取得した時間(時間差)から容易に測定することができる。また、速度閾値記憶部82は、予め設定される所定の速度の閾値を記憶する。また、制御部28は、速度測定部81が測定した速度と閾値との比較により、監視対象者に異常があるかを検出する。
【0123】
このように、第5の実施形態では、速度情報に基づいて、異常の有無の検出することができる。これにより、例えば監視対象者が乗用車等に乗せられてしまった場合等の異常を検出することができる。また、異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。
【0124】
なお、第5の実施形態に係る監視装置12の機能構成は、第1の実施形態で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0125】
<第5の異常検出処理手順>
次に、上述した第5の実施形態に係る携帯端末11における異常検出処理手順(第5の異常検出処理手順)について、図を用いて説明する。図12は、第5の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、第5の異常検出処理では、監視対象者等により携帯端末11の電源を入れるか、又は異常検出処理の開始スイッチ等をONに切り替えることにより、異常検出処理が開始される。
【0126】
第5の異常検出処理は、携帯端末11がGPS衛星10からの電波(GPS信号)を受信して、現在の携帯端末11の位置情報を取得し、取得した位置情報を記憶する(S51)。また、このとき位置情報を取得した時間情報も記憶してもよい。次に、S51で取得した位置情報に基づいて速度測定を行う(S52)。なお、この場合には、少なくとも2つの位置情報が必要となるため、異常検出処理の開始当初におけるS51の処理では、2つの位置情報を取得してから以降の処理を行うようにしてもよい。
【0127】
次に、S52にて得られる現在の速度と、予め設定されている速度の閾値とを比較し(S53)、現在の速度が閾値より大きいか否かを判断する(S54)。
【0128】
ここで、現在の速度が閾値より大きい場合(S54において、YES)、S51により得られる位置情報及び予め携帯端末11に登録されている個人識別情報を監視装置12等の予め設定されている連絡先に送信する(S55)。
【0129】
また、S55の処理が終了後、又はS54において速度が閾値より大きくない場合(S54において、NO)、つまり速度が閾値以下の場合は、次に異常検出を終了するか否かを判断する(S56)。ここで、異常検出を終了するか否かを判断は、例えば監視対象者等が携帯端末11に異常検出処理を終了するような切り替え操作を行ったか否かにより判断する。
【0130】
異常検出を終了しない場合(S56において、NO)、S51に戻り上述した処理を継続して行う。また、異常検出を終了する場合(S56において、YES)、処理を終了する。
【0131】
これにより、移動速度を異常検出の1要素として扱うことができる。また、急激な速度の変化を検知できるため、例えば、子供等の車での連れ去りがあった場合等、異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。
【0132】
なお、第5の異常検出処理において、上述した第4の異常検出処理に示すように、異常検出処理の開始から所定時間までに異常検出処理の終了の操作がない場合に、監視対象者に異常があると判断するような処理手順を含めてもよい。
【0133】
<第5の異常検出処理:具体例>
ここで、上述した第5の異常検出処理の具体例について説明する。まず、監視対象者は、携帯端末11の電源を入れるか、又は異常検出処理を開始するように切替部を操作する。携帯端末11は、その操作があったと同時に位置情報の測位を開始する。なお、携帯端末11の電源が入っている間は定期的にGPS衛星10により携帯端末11の位置情報を取得する。
【0134】
また、携帯端末11は、GPS衛星10からのGPS信号を受信し、その受信した信号から位置情報を測定して記憶する。ここで、携帯端末11は、例えば、新たに得られた現在の位置情報と、既に記憶されている位置情報との位置及び時間の差から距離を測定し、速度を求める。また、携帯端末11は、測定した現在の速度と、予め設定されている速度閾値とを比較し、例えば現在の速度が閾値速度Skm/hより大きい場合、携帯端末11の制御部28は、監視対象者に異常があると判断する。また、警報処理部26は、位置情報記憶部に最後に記憶された位置情報と予め登録されている監視対象者の個人識別情報を、通信ネットワーク13を介して監視装置12に送信する。
【0135】
また、現在の速度が閾値速度Skm/h以下であれば、異常検出処理が終了するまで継続して異常検出を行う。
【0136】
なお、上述したように、異常検出処理の開始から所定時間を経過しても終了操作が行われなかった場合にも位置情報及び個人識別情報を監視装置12に送信するようにしてもよい。
【0137】
このように、第5の実施形態によれば、速度情報に基づいて、異常の有無の検出することができる。また、異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。
【0138】
ここで、上述した第1〜第5の実施形態は、それぞれを任意に組み合わせた構成にしてもよい。これにより、例えば、上述した第1〜第3の実施形態において、上述した第4の実施形態に示すように、異常検出処理の開始から所定時間を経過しても終了操作が行われなかった場合に位置情報及び個人識別情報を監視装置12に送信するようにすることができる。
【0139】
また、上述した本発明における携帯端末11の各構成における処理をコンピュータに実行させることができる実行プログラム(異常検出プログラム)を生成し、例えば、アプリケーションプログラムとして外部から携帯端末11にダウンロードし、インストールすることで、上述した異常検出処理を容易に実行することができる。
【0140】
上述したように本発明によれば、監視対象者の異常時における連絡を容易かつ迅速に行うことができる。具体的には、算出したGPS信号の強度に異常があることを携帯端末が検知した場合に、監視装置に位置情報等を送信するため、建物内への連れ込み等、異常が起こったときにも特別な操作をすることなく、自動で監視装置に通知することができる。この点は、子供等の連れ去りや建物内への連れ込み及び誘拐の検出に有効である。
【0141】
また、本発明によれば、携帯端末の移動中に偶然入った場所がGPS信号受信圏外であったり、移動中にバス等を利用し一時的にGPS信号の受信強度が弱まってしまったりした場合でも、計時手段を有することで、上述したように一定の時間が経過した後に、監視装置に位置情報を送信する。そのため、一時的な受信強度の変化による誤検出や誤報を削減することができる。
【0142】
また、本発明によれば、携帯端末は、携帯電話基地局からの電波をGPS衛星からの電波と区別して測定(算出)するため、通話圏外になる前に位置情報等を確実に監視装置に送信することができる。
【0143】
更に、本発明の携帯端末では、異常を携帯端末が判断したときにのみ監視装置に位置情報を送信する。そのため、監視装置への通信が少なくなり通信コストが削減できる。
【0144】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明における携帯端末を用いたパーソナルセキュリティシステムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】第1の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
【図3】本発明における監視装置の機能構成の一例を示す図である。
【図4】第1の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】第2の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
【図6】第2の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図7】第3の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
【図8】第3の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】第4の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
【図10】第4の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】第5の実施形態における携帯端末の機能構成の一例を示す図である。
【図12】第5の異常検出処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0146】
10 GPS衛星
11 携帯端末
12 監視装置
13 通信ネットワーク
21 切替部
22 GPS受信部
23 位置情報記憶部
24 SNR測定部
25 SNR閾値記憶部
26 警報処理部
27 個人情報記憶部
28 制御部
51 計時部
61 電界強度測定部
62 電界強度記憶部
71 予定移動経路記憶部
72 位置情報逸脱判断部
81 速度測定部
82 速度閾値記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象者に所持され、通信ネットワークを介して監視装置に位置情報を送信する携帯端末において、
GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して位置情報を測位するGPS受信部と、
前記GPS受信部により得られる位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
前記GPS信号の強度を算出するSNR測定部と、
予め設定されたGPS信号の受信強度の閾値を記憶するSNR閾値記憶部と、
前記SNR測定部により算出されたGPS信号の受信強度と前記閾値とに基づいて前記監視対象者に異常があることを検出する制御部と、
前記制御部により前記監視対象者に異常があることを検出した場合に、前記位置情報記憶部に記憶された位置情報及び予め登録された前記監視対象者の個人識別情報を前記監視装置に送信する警報処理部とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記制御部は、
前記SNR測定部により算出されたGPS信号の受信強度が前記閾値以下となる状態が、所定の時間継続した場合に前記監視対象者に異常があると判断することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記携帯端末の基地局からの電波を受信し、前記電波の電界強度を測定する電界強度測定部と、予め設定された電界強度を記憶しておく電界強度記憶部とを有し、
前記制御部は、前記電界強度測定部により測定された電界強度と、前記電界強度記憶部に記憶されている電界強度とに基づいて前記監視対象者に異常があることを検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
監視対象者に所持され、通信ネットワークを介して監視装置に位置情報を送信する携帯端末において、
GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して位置情報を測位するGPS受信部と、
前記GPS受信部により得られる位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
前記監視対象者が予定している移動経路を記憶する予定移動経路記憶部と、
前記位置情報と前記予定移動経路記憶部に記憶された予定移動経路とを比較し、前記位置情報が前記予定移動経路の所定範囲を逸脱した場合に前記異常であると判断する位置情報逸脱判断部と、
位置情報逸脱判断部により得られる判断結果に基づいて前記監視対象者に異常があることを検出する制御部と、
前記制御部により前記監視対象者に異常があることを検出した場合に、前記位置情報記憶部に記憶された位置情報及び予め登録された前記監視対象者の個人識別情報を前記監視装置に送信する警報処理部とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項5】
監視対象者に所持され、通信ネットワークを介して監視装置に位置情報を送信する携帯端末において、
GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して位置情報を測位するGPS受信部と、
前記GPS受信部により得られる位置情報を記憶する位置情報記憶部と、
前記位置情報記憶部に記憶された位置情報と前記GPS受信部により得られる新たな位置情報とから前記監視対象者の移動速度を求める速度測定部と、
予め設定される速度の閾値を記憶する速度閾値記憶部と、
前記速度測定部により測定された速度と前記閾値とに基づいて前記監視対象者に異常があることを検出する制御部と、
前記制御部により異常があることを検出した場合に、前記位置情報記憶部に記憶された位置情報及び予め登録された前記監視対象者の個人識別情報を前記監視装置に送信する警報処理部とを有することを特徴とする携帯端末。
【請求項6】
前記監視対象者の異常の検出を開始及び終了するための切替部を有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
前記制御部は、
前記監視対象者の異常の検出を開始してから所定時間までに、前記切替部により終了の切り替えが行われない場合に、前記監視対象者に異常があると判断することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末。
【請求項8】
監視対象者に所持され、通信ネットワークを介して監視装置に位置情報を送信する携帯端末における異常検出方法において、
GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して位置情報を測位するGPS受信ステップと、
前記GPS受信ステップにより得られる位置情報を記憶する位置情報記憶ステップと、
前記GPS信号の強度を算出するSNR測定ステップと、
予め設定されたGPS信号の受信強度の閾値を記憶するSNR閾値記憶ステップと、
前記SNR測定ステップにより得られるGPS信号の受信強度と前記閾値とに基づいて前記監視対象者に異常があることを検出する制御ステップと、
前記制御ステップにより前記監視対象者に異常があることを検出した場合に、前記位置情報記憶ステップにより記憶された位置情報及び予め登録された前記監視対象者の個人識別情報を前記監視装置に送信する警報処理ステップとを有することを特徴とする携帯端末における異常検出方法。
【請求項9】
請求項8に記載された携帯端末における異常検出方法をコンピュータに実行させるための異常検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−279773(P2006−279773A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−98633(P2005−98633)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000202361)綜合警備保障株式会社 (266)
【Fターム(参考)】