携帯端末装置
【課題】本発明は、受信した放送データの利用を容易にするための携帯電話端末を提供することを目的とする。
【解決手段】再生部11は放送受信部10から入力された映像データ、音声データ、文字情報その他データを再生する。表示部12は、液晶ディスプレイからなり、再生した映像データ、音声データ、その他データを表示する。リソース情報抽出部13は、放送受信部10で受信した文字データからURL(Uniform Resource Locator)と関連文字データを抽出する。リソース情報には、URL、リソースの説明が含まれる。電子メール作成手段14は、宛先、題名、本文を含んだ電子メールメッセージを作成する。リソース情報抽出部13で抽出されたリソース情報を本文に含むように作成する。電子メール送受信部15は、無線通信部を通じて電子メールメッセージを送受信する。
【解決手段】再生部11は放送受信部10から入力された映像データ、音声データ、文字情報その他データを再生する。表示部12は、液晶ディスプレイからなり、再生した映像データ、音声データ、その他データを表示する。リソース情報抽出部13は、放送受信部10で受信した文字データからURL(Uniform Resource Locator)と関連文字データを抽出する。リソース情報には、URL、リソースの説明が含まれる。電子メール作成手段14は、宛先、題名、本文を含んだ電子メールメッセージを作成する。リソース情報抽出部13で抽出されたリソース情報を本文に含むように作成する。電子メール送受信部15は、無線通信部を通じて電子メールメッセージを送受信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、特に、地上波デジタル放送等の放送を受信することができる携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話を利用したサービス、例えば、音声通話、TV電話、データ通信、が広く利用されており、特に、電子メールの送受信やWebサイトの閲覧といったデータ通信が急速に普及している。これらは全て無線電気通信回線によるサービスであるが、近年は、通信のみならず、放送データをも受信することができる携帯電話端末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これらの放送には地上波デジタル放送、FMデジタル放送などが含まれ、従来の音声又は映像を含む放送に加え、文字又は静止画といったデータ放送も同時に送信されている。以上のように携帯電話端末に放送受信機能を具備させることには、以下の2つの利点がある。
【0004】
第一の利点は、使用者が一つの端末を携帯するだけで通信及び放送の両者のサービスを受け得るので、使用者にとって携帯性が向上することである。
【0005】
第二の利点は、通信と放送を組み合わせた新しいサービスが利用可能となる点である。具体的には、ショッピングサービス等が提案されている。例えば、ドラマ番組を放送しながら、番組のスポンサーが、付随的に送信されるデータ放送によって、主人公の着用している洋服を購入するためのリンクを画面に表示させること等が考えられる。その場合、視聴している使用者が当該洋服の購入意思がある場合には当該リンクを指定することにより、無線通信回線によって購入するためのWebサイトに接続することができる。スポンサーにとっては、放送によって刺激した購入意欲が衰えない内に購入するためのWebサイトへ使用者を導くことができるので、使用者の購入機会を逸することを防ぐことができる。一方、携帯電話端末の使用者にとっても、手軽に所望の商品が購入できるという利点がある。
【特許文献1】特開2002−101059号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の携帯電話端末は比較的小さい表示画面を有しているために、リンクされたWebサイトを閲覧しようとしても、使用者にとっては閲覧が困難であるという問題があった。例えば、放送視聴中に放送データにリンクされたWebサイトに接続した使用者は、商品の購入のために商品の画像を確認しようとしても、携帯端末装置上で表示される画像が小さいために、所望の商品かどうか確認できず購入をやめてしまうという問題があった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、受信した放送データの利用を容易にするための携帯電話端末等の携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯端末装置は、放送データを受信する放送受信部と、放送データからリソース情報を抽出するリソース情報抽出部と、リソース情報抽出部によって抽出されたリソース情報を送信する無線通信部とを具備する。
【0009】
このような構成にしたことにより、受信した放送データに含まれるURL(Uniform Resource Locator)を抽出して表示画面の大きい他の端末装置などに送信することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受信した放送データの利用を容易にするための携帯端末装置が得られる。より具体的には、受信した放送データに含まれるURLを抽出して送信することができる。そして、送信した他の端末装置で、URLを元に商品の画像などを見ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置は、放送受信アンテナ18と、放送受信部10と、再生部11と、表示部12と、リソース情報抽出部13と、電子メール作成部14と、電子メール送受信部15と、無線通信部16と、無線通信アンテナ17と、操作情報を入力するボタン19と、を具備する。
【0013】
放送受信部10は、映像データ、音声データ、文字情報などのその他のデータを含む地上波デジタル放送を放送受信アンテナ18を介して受信し、映像データ、音声データ、文字情報などのその他のデータに分離する。再生部11は入力された映像データ、音声データ、文字情報などのその他のデータを再生する。表示部12は、液晶ディスプレイからなり、再生した映像データ、音声データ、その他データを表示する。
【0014】
リソース情報抽出部13は、放送受信部10で受信した文字データからURLと関連文字データを抽出する。リソース情報とは接続先に関する情報である。例えば、リソースの所在を表すURL、リソースの内容を表示するための説明情報等が含まれる。
【0015】
電子メール作成部14は、携帯端末装置に具備されたボタン19が押下された場合に、宛先、題名、本文を含んだ電子メールメッセージを作成する。なお、リソース情報抽出部13がリソース情報を抽出したときにボタン19が短く押されると、そのURLにアクセスする。また、リソース情報抽出部13がリソース情報を抽出したときにボタン19が長押しされると電子メール作成部14は、リソース情報抽出部13で抽出されたリソース情報を本文に含むように作成する。電子メール送受信部15は、無線通信部を通じて電子メールメッセージを送受信する。
【0016】
無線通信部16は、無線通信方式、例えば、無線LAN(一例として、IEEE801.11による無線LAN等)、PHS、W−CDMA、GSM、PDC、CDMA2000等、を用いて、無線通信アンテナ17を介して通信回線と接続し、使用者を通信事業者内ネットワークやインターネットにアクセス可能にする。
【0017】
次に、放送される文字データと、その文字データからリソース情報を抽出し、電子メールメッセージを作成する動作について説明する。
【0018】
放送データとして放送される文字データは、BML(Broadcast Markup Language)と呼ばれる記述言語を用いて作成される。BMLとは、社団法人電波産業会(ARIB)によってデータ放送用に策定された記述言語である。タグ(「<」、「>」)を用いて記述する点など、Webサイトを記述されるために広く用いられているHTML(Hyper Text Markup Language)と多くの共通点を有する。
【0019】
BMLで記述された放送データについて図2を用いて具体的に説明する。図2はBMLを用いて作成された放送用データの一例を示している。なお、図2では説明のため行番号を左端に設けている。1行目から3行目までは、記述された内容自身の情報である。すなわち、ARIB規格に従って記述されている旨を宣言するために必要な記述である。4行目は、BML本体の始まりを示す。5行目は、記述された内容のヘッダー情報であり、本例では、<title></title>で囲まれた「天気予報」を題名としている。6行目及び12行目の<body></body>で囲まれた7行目から11行目が、本例における放送データの本体である。7行目から9行目の記述は、ここでは、天気予報の情報である。10行目と11行目は、ショッピングのWebサイト、ニュース情報へのリソース情報である。リソース情報とは、接続先を指定するURL及び接続先に関する説明情報とから構成される情報である。10行目では、URLは“http://www.shopping.jp/”、説明情報は「ショッピングはこちら」となる。13行目はBML本体の終わりを示す。
【0020】
図3は、このようにして記述された放送データを受信し、携帯端末装置に表示したところを示す図である。表示画面300は表示部12の全体を表す。表示画面300は、上部表示部301と下部表示部302に分割されて表示されている。上部表示部301には、放送データとして受信した、映像データを表示する。下部表示部302には、文字データを表示する。
【0021】
使用者は、上部表示部301に表示される放送番組を視聴しながら、下部表示部302に表示された、BMLにより提供される文字情報(図3においては、「天気予報」)を閲覧したり、リンクが提示されている場合は、放送を受信しつつ、通信回線を用いてリンクされたWebサイト(図3においては、「ショッピング」や「ニュース速報」)へアクセスしたりすることができる。
【0022】
下部表示部302の最上部303には図2における5行目の題名である「天気予報」という文字を表示する。下部表示部302の中間部304には天気予報情報を表示するが、図2における7行目から9行目に相当する文字情報を表示する。下部表示部302の最下部305には図2における10行目及び11行目のリンク情報である「ショッピングはこちら」及び「ニュース速報」という文字を表示する。本実施の形態1においては、リンク情報のURLである“http://www.shopping.jp/"及びhttp://www.news.jp/ は表示させないようにしている。下部表示部302の更に下方には操作情報を入力する選択ボタン表示307、選択ボタン表示308、決定ボタン表示309を表示する。図3では、操作選択機能を示すポインター306や2つの選択ボタン表示307、308及び決定ボタン309を表示して操作情報を入力できるようにしている。使用者はリンクをポインター306や2つの選択ボタン表示307及び308を用いて選択し、決定ボタン表示309によって決定するだけでWebサイトに接続されるようになっている。これは、使用者自身が当該URLを意識する必要がないからである。しかし、URLを表示するようにすることもできる。
【0023】
次に、リンクを選択した場合の動作について説明する。例えば、使用者が「ショッピングはこちら」という表示にポインター306を重ねてリンク情報を選択し、決定ボタン表示309を押した場合、押し方によって携帯端末装置で直接接続するか、一旦電子メールで自宅等の電子メールアドレス宛に送信し、別の端末閲覧できるようになっている。本実施の形態1においては、携帯端末装置に設けられた決定ボタン表示309に割り当てられたボタン19を一度短く押した場合には、携帯端末装置が直接当該URL(“http://www.shopping.jp/”)にアクセスし、下部表示部302上にその内容を表示するようにしている。一方、ボタン19を所定時間以上押した場合(いわゆる長押しをした場合)には電子メールメッセージを作成するようにしている。
【0024】
電子メール作成部14によって作成される電子メールメッセージの一例を図4を用いて説明する。図4は、「ショッピングはこちら」に関するリソース情報を電子メールで送信することを選択した、つまり、リソース情報を取得した後にボタンを長押ししたことにより作成された電子メールメッセージの例である。「From」から始まる行は差出人を表し、携帯端末装置自身の電子メールアドレスを記載する。「To」から始まる行は宛先の電子メールアドレスを表し、予め設定された携帯端末装置の使用者の自宅の電子メールアドレスを自動的に挿入する。「Subject」から始まる行は、電子メールメッセージの題名を表し、「リンク」という文字を自動的に挿入するようにしている。「Date」から始まる行は、送信時に送信日時が付与される。図4で作成された電子メールメッセージは2004年1月1日17時0分に送信することを表す。なお、「To」から始まる行で指定する送信先及び「Subject」で始まる行で指定する題名を自動的に設定したが、これに限るものではなく、設定時に使用者が入力又は選択するようにしてもよい。
【0025】
次に「Date」から始まる行の次は、1行空行が挿入され、続いて電子メールメッセージ本文が作成される。図4においては、選択されたリソース情報、すなわち、「ショッピングはこちら」という説明情報と“http://www.shopping.jp/”というURLを自動的に挿入する。このように作成された電子メールメッセージは自宅のPC(パーソナルコンピュータ)に送信される。
【0026】
次に、自宅のPC等で受信した電子メールメッセージを図5を用いて説明する。表示画面500は、電子メールソフトウェアによって表示される電子メールメッセージである。表示画面500は、差出人501、宛先502、題名503、送信日時504、本文505とから構成される。差出人501から本文505は、図4の各行に対応して表示する。受信者は、本電子メールメッセージを受信すると、本文505に示されるリソース情報で指定されたWebサイトに、Webブラウザによっていつでもアクセスすることが可能な上、PCでWebサイトにアクセスするので携帯端末装置の小型な表示画面を用いて表示する必要がなくなり、Webサイトを見やすく表示できる。
【0027】
なお、受信者は本実施の形態1の携帯端末装置を用いて電子メールメッセージを送信した本人としたが、これに限るものではなく、任意の電子メールアドレスに送信してもよい。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態によれば、受信した放送データに含まれるリソース情報を抽出して送信することができ、送信した他の端末装置で、リソース情報を元に商品の画像などを見ることができるという効果がある。
【0029】
なお、本実施の形態1においては、携帯端末装置としてPDA等の情報端末装置、カーナビゲーション装置等のいかなる装置を用いてもよい。
【0030】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2における携帯端末装置は、地上波デジタル放送を受信する機能を有する携帯電話端末である。
【0031】
図6を用いて本実施の形態2における携帯電話端末の構成を説明する。本実施の形態2における携帯電話端末は、無線通信アンテナ601と、無線通信部602と、通信制御部603と、放送受信アンテナ611と、チューナ612と、チャネルデコーダ613と、アプリケーション制御部620と、スピーカ621と、マイク622と、操作部623と、メモリ624と、表示部625とを具備する。
【0032】
無線通信部602は送信信号を所定の変調方式で変調して送信用の無線信号を生成し、無線通信アンテナ601を介して送信するとともに、無線通信アンテナ601を介して受信した無線信号を復調して受信信号を取り出す。通信制御部603は所定の通信プロトコルに従って、無線基地局と携帯電話端末との間の音声やデータの送受信を制御する。
【0033】
チューナ612は、放送受信アンテナ611を介して受信した信号のうち、所望のチャンネルを取り出し中間周波信号に変換して出力する。チャネルデコーダ613は中間周波信号を受け取りOFDM復調し、誤り訂正処理をしてトランスポートストリーム(以下、「TS」と記載する。)データをアプリケーション制御部620に出力する。TSは、MPEG(Moving Picture Experts Group)で規定されている多重化フォーマットであり、音声、映像、データ放送パケットが多重化されてTSデータとなる。
【0034】
スピーカ621は、音声通話時やTV電話時において、対局から送信され、通信制御部603を介してアプリケーション制御部620に入力された音声信号を出力したり、放送受信時において、チャネルデコーダ613を介してアプリケーション制御部620に入力された音声信号を出力したりする。マイク622は、音声通話時やTV電話時において、使用者の声等の音声信号を入力し、アプリケーション制御部620が符号化処理を施し、通信制御部603を介して対局へ送信する。
【0035】
メモリ624は、作成中の電子メールメッセージ等の一時的に使用するデータをアプリケーション制御部620が記憶したり、電話帳データを保存しておいたりする。操作部623は、使用者が携帯電話端末に対して、電話発信や、データ受信開始、メール作成指示を行うためのボタンである。
【0036】
表示部625は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display 、LCD)等の表示デバイスである。表示部625は、TV電話時において、対局から送信され、通信制御部603を介してアプリケーション制御部620に入力された映像信号を出力したり、放送受信時において、チャネルデコーダ613を介してアプリケーション制御部620に入力された映像信号を出力したりする。
【0037】
次に、図7を用いて本実施の形態2における携帯電話端末のアプリケーション制御部620のTSデータの処理に関する構成を説明する。アプリケーション制御部620は、TSデコード部71と、音声デコード部72と、映像デコード部73と、提示部76と、データ放送デコード部74と、リソース情報抽出部75と、ブラウザ部77とを具備する。
【0038】
TSデコード部は入力されるTSデータを復号する。それぞれのパケットの先頭部分にはパケットを識別するためのPID(Packet Identifier、パケット識別子)が付加されている。TSデコード部は、PIDに基づいて、音声データ、映像データ、データ放送用データを識別し、音声デコード部72、映像デコード部73、データ放送デコード部74に出力する。
【0039】
音声デコード部72は、MPEGやITUで規定されているG.726といった符号化方式で符号化された音声データを復号(デコード)し、D/A変換後、スピーカに出力する。映像デコード部73は、MPEGやITUで規定されているH.264といった符号化方式で符号化された映像データを復号(デコード)した後、仮想画像プレーンに描画して提示部76に出力する。
【0040】
データ放送デコード部74は、文字、図形、静止画、字幕、電子番組表などの情報が含まれるデータ放送用データを復号して出力する。ブラウザ部77は、BMLで記述されたデータ放送用データを受信し、仮想画像プレーンにデータ放送コンテンツを描画した後、提示部76に出力する。
【0041】
提示部76は、映像デコード部73及びデータ放送ブラウザ部77から出力される一又は複数の仮想画像プレーンを一つの画像プレーンに合成し、映像出力として出力する。出力された映像出力は表示部によって表示される。
【0042】
リソース情報抽出部75は、データ放送デコード部が出力したBMLで記述されたコンテンツ記述を解析して、URLリストを出力する。
【0043】
図8は、リソース情報抽出部75の構成を示すブロック図である。リソース情報抽出部75は、URL候補判定部810と、完全性判定部820と、補正部830と、URLリスト作成部840とから構成される。URL候補判定部810は、BMLデータからURLを含む部分を解析し、URLと推定される一以上のURL候補を抽出する。完全性判定部820はURL候補が完全なURLと認められるかどうか判定する。補正部830は、完全でないと判定されたURL候補を完全なURLに補正する。なお、完全と判定されたURL候補について補正は行わない。URLリスト作成部840は、得られた一以上のURLをURLリストとして出力する。
【0044】
図9は、リソース情報抽出部がURLを抽出する動作を示すフローチャートである。まず、入力されたBMLデータの解析を行う(S71)。入力されたBMLデータにインターネット上のWebサイトを表すURLが含まれているかどうかを判定する(S72)。URLは文字列であって、アルファベット、数字、記号(ドット「.」ハイフン「-」等)の組み合わせで構成される。解析したデータがこれらに該当する文字列である、すなわち、URL候補であった場合は、当該文字列が「http」で始まる文字列かどうかを判定する(S73)。「http」で始まる場合には、URL終端検出ステップ(S74)に進む。「http」で始まらない場合には、当該文字列が「www」で始まっているかどうかを判定する(S75)。「www」で始まる場合には、「www」の前に「http://」を付加する(S76)。「www」で始まらない場合には、当該文字列はURLでないと判定され、ステップS71に戻り次の文字列の解析を行う。URL終端検出ステップ(S74)では、「http」から始まる文字列において、アルファベット、数字、記号以外の文字が最初に表れる文字を検出し、その文字の直前をURL終端と判定する。ステップS77では、抽出した文字列をURLとして記憶し、URL検出処理を終了する。
【0045】
図10は、本実施の形態2の携帯電話端末で地上波デジタル放送を視聴しながら、データ放送で示されるURLを電子メールで送信する場合のフローチャートを表す。
まず、携帯電話端末の電源をONにすると、地上波デジタル放送の受信を開始する(S80)。地上波デジタル放送のデータを受信し、表示する(S81)。BMLデータにURLが検出された場合には、使用者によって後述する電子メール作成ボタン表示が選択され、電子メール作成が選択されたかどうかを判定する(S83)。選択されなかった場合には、ステップS81に戻る。選択された場合には、後述する電子メールの作成画面を表示する(S85)。電子メールの作成画面を表示している状態において、使用者によって電子メール送信ボタン表示が選択され、電子メール送信が選択したかどうかを判定する(S87)。電子メール送信が選択されなかった場合は、ステップS81に戻る。選択された場合には作成した電子メールの送信を行う(S89)。
【0046】
図11は本実施の形態2の携帯電話端末の表示部625の表示画面900を示す。図11(a)は、使用者が地上波デジタル放送を視聴している状態の表示部625の表示画面900を表しており、映像データを表示させた映像データ表示部901と、データ放送表示部902とから構成される。映像データ表示部901にある商品の広告映像が表示される一方で、データ放送表示部902にはその商品の詳細情報が掲載されているインターネットのWebサイトのURLが表示されている場合がある。使用者がこの商品に興味をひかれ、放送視聴中あるいは終了後にその商品の詳細情報を知りたい場合には、操作部623を操作して図11(a)の電子メール作成ボタン905をアクティブにする。すなわち、電子メール作成ボタン905に割り当てられた操作ボタンを押下する。使用者は、その商品に興味がない場合は、そのまま視聴を継続するか、保存ボタン904を押して、単純にURLをメモリ624に保存する。
【0047】
なお、説明を簡略化するため、以降、電子メール作成ボタン905をアクティブにする動作を単に「電子メール作成ボタン905を押下する」、と記載する。その他ボタンについても同様とする。
【0048】
図11(b)は、使用者が電子メール作成ボタン905を押下した場合に表示画面900に表示されるメール作成画面911を表す。電子メール作成画面911は、宛先912、題名913、本文914、サブメニューボタン903、保存ボタン904、戻るボタン906とから画面が構成される。使用者は、サブメニューボタン903を用いた操作によって、メモリ624から自宅のPCで受信するための電子メールアドレスを読み込んで宛先912に表示される送信先、題名913に表示される題名を指定する。本文914はリソース情報抽出部75が出力した抽出されたURLを表示する。
【0049】
以上のように作成された電子メールメッセージについて、送信をキャンセルする場合には、戻るボタン906を押下すると、放送視聴状態に戻る。電子メールメッセージを一旦保存して、後で送信する場合には保存ボタン904を押下する。電子メールメッセージを送信する場合は、図示していないがサブメニューボタン903を押して送信ボタンを表示して選択をするという操作によって送信を行い、放送視聴状態に戻る。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、受信した放送データに含まれるURLがリソース情報である旨が明示されていない場合であっても、当該URLを抽出して他の端末装置に送信することができ、送信した他の端末装置で、URLを元に商品の画像などを見ることができるという効果がある。
【0051】
なお、本実施の形態2では、携帯端末装置を携帯電話端末装置として説明したがこれに限るものではなく、情報端末(PDA)、カーナビゲーション装置等のいかなる端末装置に用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明にかかる携帯端末装置は、放送を受信することができる携帯端末装置、特に、地上波デジタル放送等の放送を受信することができる携帯電話端末に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置で受信されるデータ放送データを示す図
【図3】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置で受信された放送の表示内容を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置で作成した電子メールメッセージを示す図
【図5】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置で送信された電子メールを表示した図
【図6】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置の構成を表すブロック図
【図7】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置のアプリケーション制御部の構成を表すブロック図
【図8】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置のリソース情報抽出部の構成を表すブロック図
【図9】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置の動作を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置の動作を示すフローチャート
【図11】(a)本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置において、受信した放送データを示す図(b)本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置において、作成する電信メールメッセージを示す図
【符号の説明】
【0054】
10 放送受信部
11 再生部
12 表示部
13 リソース情報抽出部
14 電子メール作成部
15 電子メール送受信部
16 無線通信部
17 無線通信アンテナ
18 放送受信アンテナ
19 ボタン
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置、特に、地上波デジタル放送等の放送を受信することができる携帯端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話を利用したサービス、例えば、音声通話、TV電話、データ通信、が広く利用されており、特に、電子メールの送受信やWebサイトの閲覧といったデータ通信が急速に普及している。これらは全て無線電気通信回線によるサービスであるが、近年は、通信のみならず、放送データをも受信することができる携帯電話端末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これらの放送には地上波デジタル放送、FMデジタル放送などが含まれ、従来の音声又は映像を含む放送に加え、文字又は静止画といったデータ放送も同時に送信されている。以上のように携帯電話端末に放送受信機能を具備させることには、以下の2つの利点がある。
【0004】
第一の利点は、使用者が一つの端末を携帯するだけで通信及び放送の両者のサービスを受け得るので、使用者にとって携帯性が向上することである。
【0005】
第二の利点は、通信と放送を組み合わせた新しいサービスが利用可能となる点である。具体的には、ショッピングサービス等が提案されている。例えば、ドラマ番組を放送しながら、番組のスポンサーが、付随的に送信されるデータ放送によって、主人公の着用している洋服を購入するためのリンクを画面に表示させること等が考えられる。その場合、視聴している使用者が当該洋服の購入意思がある場合には当該リンクを指定することにより、無線通信回線によって購入するためのWebサイトに接続することができる。スポンサーにとっては、放送によって刺激した購入意欲が衰えない内に購入するためのWebサイトへ使用者を導くことができるので、使用者の購入機会を逸することを防ぐことができる。一方、携帯電話端末の使用者にとっても、手軽に所望の商品が購入できるという利点がある。
【特許文献1】特開2002−101059号公報(第4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の携帯電話端末は比較的小さい表示画面を有しているために、リンクされたWebサイトを閲覧しようとしても、使用者にとっては閲覧が困難であるという問題があった。例えば、放送視聴中に放送データにリンクされたWebサイトに接続した使用者は、商品の購入のために商品の画像を確認しようとしても、携帯端末装置上で表示される画像が小さいために、所望の商品かどうか確認できず購入をやめてしまうという問題があった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、受信した放送データの利用を容易にするための携帯電話端末等の携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯端末装置は、放送データを受信する放送受信部と、放送データからリソース情報を抽出するリソース情報抽出部と、リソース情報抽出部によって抽出されたリソース情報を送信する無線通信部とを具備する。
【0009】
このような構成にしたことにより、受信した放送データに含まれるURL(Uniform Resource Locator)を抽出して表示画面の大きい他の端末装置などに送信することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、受信した放送データの利用を容易にするための携帯端末装置が得られる。より具体的には、受信した放送データに含まれるURLを抽出して送信することができる。そして、送信した他の端末装置で、URLを元に商品の画像などを見ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置は、放送受信アンテナ18と、放送受信部10と、再生部11と、表示部12と、リソース情報抽出部13と、電子メール作成部14と、電子メール送受信部15と、無線通信部16と、無線通信アンテナ17と、操作情報を入力するボタン19と、を具備する。
【0013】
放送受信部10は、映像データ、音声データ、文字情報などのその他のデータを含む地上波デジタル放送を放送受信アンテナ18を介して受信し、映像データ、音声データ、文字情報などのその他のデータに分離する。再生部11は入力された映像データ、音声データ、文字情報などのその他のデータを再生する。表示部12は、液晶ディスプレイからなり、再生した映像データ、音声データ、その他データを表示する。
【0014】
リソース情報抽出部13は、放送受信部10で受信した文字データからURLと関連文字データを抽出する。リソース情報とは接続先に関する情報である。例えば、リソースの所在を表すURL、リソースの内容を表示するための説明情報等が含まれる。
【0015】
電子メール作成部14は、携帯端末装置に具備されたボタン19が押下された場合に、宛先、題名、本文を含んだ電子メールメッセージを作成する。なお、リソース情報抽出部13がリソース情報を抽出したときにボタン19が短く押されると、そのURLにアクセスする。また、リソース情報抽出部13がリソース情報を抽出したときにボタン19が長押しされると電子メール作成部14は、リソース情報抽出部13で抽出されたリソース情報を本文に含むように作成する。電子メール送受信部15は、無線通信部を通じて電子メールメッセージを送受信する。
【0016】
無線通信部16は、無線通信方式、例えば、無線LAN(一例として、IEEE801.11による無線LAN等)、PHS、W−CDMA、GSM、PDC、CDMA2000等、を用いて、無線通信アンテナ17を介して通信回線と接続し、使用者を通信事業者内ネットワークやインターネットにアクセス可能にする。
【0017】
次に、放送される文字データと、その文字データからリソース情報を抽出し、電子メールメッセージを作成する動作について説明する。
【0018】
放送データとして放送される文字データは、BML(Broadcast Markup Language)と呼ばれる記述言語を用いて作成される。BMLとは、社団法人電波産業会(ARIB)によってデータ放送用に策定された記述言語である。タグ(「<」、「>」)を用いて記述する点など、Webサイトを記述されるために広く用いられているHTML(Hyper Text Markup Language)と多くの共通点を有する。
【0019】
BMLで記述された放送データについて図2を用いて具体的に説明する。図2はBMLを用いて作成された放送用データの一例を示している。なお、図2では説明のため行番号を左端に設けている。1行目から3行目までは、記述された内容自身の情報である。すなわち、ARIB規格に従って記述されている旨を宣言するために必要な記述である。4行目は、BML本体の始まりを示す。5行目は、記述された内容のヘッダー情報であり、本例では、<title></title>で囲まれた「天気予報」を題名としている。6行目及び12行目の<body></body>で囲まれた7行目から11行目が、本例における放送データの本体である。7行目から9行目の記述は、ここでは、天気予報の情報である。10行目と11行目は、ショッピングのWebサイト、ニュース情報へのリソース情報である。リソース情報とは、接続先を指定するURL及び接続先に関する説明情報とから構成される情報である。10行目では、URLは“http://www.shopping.jp/”、説明情報は「ショッピングはこちら」となる。13行目はBML本体の終わりを示す。
【0020】
図3は、このようにして記述された放送データを受信し、携帯端末装置に表示したところを示す図である。表示画面300は表示部12の全体を表す。表示画面300は、上部表示部301と下部表示部302に分割されて表示されている。上部表示部301には、放送データとして受信した、映像データを表示する。下部表示部302には、文字データを表示する。
【0021】
使用者は、上部表示部301に表示される放送番組を視聴しながら、下部表示部302に表示された、BMLにより提供される文字情報(図3においては、「天気予報」)を閲覧したり、リンクが提示されている場合は、放送を受信しつつ、通信回線を用いてリンクされたWebサイト(図3においては、「ショッピング」や「ニュース速報」)へアクセスしたりすることができる。
【0022】
下部表示部302の最上部303には図2における5行目の題名である「天気予報」という文字を表示する。下部表示部302の中間部304には天気予報情報を表示するが、図2における7行目から9行目に相当する文字情報を表示する。下部表示部302の最下部305には図2における10行目及び11行目のリンク情報である「ショッピングはこちら」及び「ニュース速報」という文字を表示する。本実施の形態1においては、リンク情報のURLである“http://www.shopping.jp/"及びhttp://www.news.jp/ は表示させないようにしている。下部表示部302の更に下方には操作情報を入力する選択ボタン表示307、選択ボタン表示308、決定ボタン表示309を表示する。図3では、操作選択機能を示すポインター306や2つの選択ボタン表示307、308及び決定ボタン309を表示して操作情報を入力できるようにしている。使用者はリンクをポインター306や2つの選択ボタン表示307及び308を用いて選択し、決定ボタン表示309によって決定するだけでWebサイトに接続されるようになっている。これは、使用者自身が当該URLを意識する必要がないからである。しかし、URLを表示するようにすることもできる。
【0023】
次に、リンクを選択した場合の動作について説明する。例えば、使用者が「ショッピングはこちら」という表示にポインター306を重ねてリンク情報を選択し、決定ボタン表示309を押した場合、押し方によって携帯端末装置で直接接続するか、一旦電子メールで自宅等の電子メールアドレス宛に送信し、別の端末閲覧できるようになっている。本実施の形態1においては、携帯端末装置に設けられた決定ボタン表示309に割り当てられたボタン19を一度短く押した場合には、携帯端末装置が直接当該URL(“http://www.shopping.jp/”)にアクセスし、下部表示部302上にその内容を表示するようにしている。一方、ボタン19を所定時間以上押した場合(いわゆる長押しをした場合)には電子メールメッセージを作成するようにしている。
【0024】
電子メール作成部14によって作成される電子メールメッセージの一例を図4を用いて説明する。図4は、「ショッピングはこちら」に関するリソース情報を電子メールで送信することを選択した、つまり、リソース情報を取得した後にボタンを長押ししたことにより作成された電子メールメッセージの例である。「From」から始まる行は差出人を表し、携帯端末装置自身の電子メールアドレスを記載する。「To」から始まる行は宛先の電子メールアドレスを表し、予め設定された携帯端末装置の使用者の自宅の電子メールアドレスを自動的に挿入する。「Subject」から始まる行は、電子メールメッセージの題名を表し、「リンク」という文字を自動的に挿入するようにしている。「Date」から始まる行は、送信時に送信日時が付与される。図4で作成された電子メールメッセージは2004年1月1日17時0分に送信することを表す。なお、「To」から始まる行で指定する送信先及び「Subject」で始まる行で指定する題名を自動的に設定したが、これに限るものではなく、設定時に使用者が入力又は選択するようにしてもよい。
【0025】
次に「Date」から始まる行の次は、1行空行が挿入され、続いて電子メールメッセージ本文が作成される。図4においては、選択されたリソース情報、すなわち、「ショッピングはこちら」という説明情報と“http://www.shopping.jp/”というURLを自動的に挿入する。このように作成された電子メールメッセージは自宅のPC(パーソナルコンピュータ)に送信される。
【0026】
次に、自宅のPC等で受信した電子メールメッセージを図5を用いて説明する。表示画面500は、電子メールソフトウェアによって表示される電子メールメッセージである。表示画面500は、差出人501、宛先502、題名503、送信日時504、本文505とから構成される。差出人501から本文505は、図4の各行に対応して表示する。受信者は、本電子メールメッセージを受信すると、本文505に示されるリソース情報で指定されたWebサイトに、Webブラウザによっていつでもアクセスすることが可能な上、PCでWebサイトにアクセスするので携帯端末装置の小型な表示画面を用いて表示する必要がなくなり、Webサイトを見やすく表示できる。
【0027】
なお、受信者は本実施の形態1の携帯端末装置を用いて電子メールメッセージを送信した本人としたが、これに限るものではなく、任意の電子メールアドレスに送信してもよい。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態によれば、受信した放送データに含まれるリソース情報を抽出して送信することができ、送信した他の端末装置で、リソース情報を元に商品の画像などを見ることができるという効果がある。
【0029】
なお、本実施の形態1においては、携帯端末装置としてPDA等の情報端末装置、カーナビゲーション装置等のいかなる装置を用いてもよい。
【0030】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2における携帯端末装置は、地上波デジタル放送を受信する機能を有する携帯電話端末である。
【0031】
図6を用いて本実施の形態2における携帯電話端末の構成を説明する。本実施の形態2における携帯電話端末は、無線通信アンテナ601と、無線通信部602と、通信制御部603と、放送受信アンテナ611と、チューナ612と、チャネルデコーダ613と、アプリケーション制御部620と、スピーカ621と、マイク622と、操作部623と、メモリ624と、表示部625とを具備する。
【0032】
無線通信部602は送信信号を所定の変調方式で変調して送信用の無線信号を生成し、無線通信アンテナ601を介して送信するとともに、無線通信アンテナ601を介して受信した無線信号を復調して受信信号を取り出す。通信制御部603は所定の通信プロトコルに従って、無線基地局と携帯電話端末との間の音声やデータの送受信を制御する。
【0033】
チューナ612は、放送受信アンテナ611を介して受信した信号のうち、所望のチャンネルを取り出し中間周波信号に変換して出力する。チャネルデコーダ613は中間周波信号を受け取りOFDM復調し、誤り訂正処理をしてトランスポートストリーム(以下、「TS」と記載する。)データをアプリケーション制御部620に出力する。TSは、MPEG(Moving Picture Experts Group)で規定されている多重化フォーマットであり、音声、映像、データ放送パケットが多重化されてTSデータとなる。
【0034】
スピーカ621は、音声通話時やTV電話時において、対局から送信され、通信制御部603を介してアプリケーション制御部620に入力された音声信号を出力したり、放送受信時において、チャネルデコーダ613を介してアプリケーション制御部620に入力された音声信号を出力したりする。マイク622は、音声通話時やTV電話時において、使用者の声等の音声信号を入力し、アプリケーション制御部620が符号化処理を施し、通信制御部603を介して対局へ送信する。
【0035】
メモリ624は、作成中の電子メールメッセージ等の一時的に使用するデータをアプリケーション制御部620が記憶したり、電話帳データを保存しておいたりする。操作部623は、使用者が携帯電話端末に対して、電話発信や、データ受信開始、メール作成指示を行うためのボタンである。
【0036】
表示部625は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display 、LCD)等の表示デバイスである。表示部625は、TV電話時において、対局から送信され、通信制御部603を介してアプリケーション制御部620に入力された映像信号を出力したり、放送受信時において、チャネルデコーダ613を介してアプリケーション制御部620に入力された映像信号を出力したりする。
【0037】
次に、図7を用いて本実施の形態2における携帯電話端末のアプリケーション制御部620のTSデータの処理に関する構成を説明する。アプリケーション制御部620は、TSデコード部71と、音声デコード部72と、映像デコード部73と、提示部76と、データ放送デコード部74と、リソース情報抽出部75と、ブラウザ部77とを具備する。
【0038】
TSデコード部は入力されるTSデータを復号する。それぞれのパケットの先頭部分にはパケットを識別するためのPID(Packet Identifier、パケット識別子)が付加されている。TSデコード部は、PIDに基づいて、音声データ、映像データ、データ放送用データを識別し、音声デコード部72、映像デコード部73、データ放送デコード部74に出力する。
【0039】
音声デコード部72は、MPEGやITUで規定されているG.726といった符号化方式で符号化された音声データを復号(デコード)し、D/A変換後、スピーカに出力する。映像デコード部73は、MPEGやITUで規定されているH.264といった符号化方式で符号化された映像データを復号(デコード)した後、仮想画像プレーンに描画して提示部76に出力する。
【0040】
データ放送デコード部74は、文字、図形、静止画、字幕、電子番組表などの情報が含まれるデータ放送用データを復号して出力する。ブラウザ部77は、BMLで記述されたデータ放送用データを受信し、仮想画像プレーンにデータ放送コンテンツを描画した後、提示部76に出力する。
【0041】
提示部76は、映像デコード部73及びデータ放送ブラウザ部77から出力される一又は複数の仮想画像プレーンを一つの画像プレーンに合成し、映像出力として出力する。出力された映像出力は表示部によって表示される。
【0042】
リソース情報抽出部75は、データ放送デコード部が出力したBMLで記述されたコンテンツ記述を解析して、URLリストを出力する。
【0043】
図8は、リソース情報抽出部75の構成を示すブロック図である。リソース情報抽出部75は、URL候補判定部810と、完全性判定部820と、補正部830と、URLリスト作成部840とから構成される。URL候補判定部810は、BMLデータからURLを含む部分を解析し、URLと推定される一以上のURL候補を抽出する。完全性判定部820はURL候補が完全なURLと認められるかどうか判定する。補正部830は、完全でないと判定されたURL候補を完全なURLに補正する。なお、完全と判定されたURL候補について補正は行わない。URLリスト作成部840は、得られた一以上のURLをURLリストとして出力する。
【0044】
図9は、リソース情報抽出部がURLを抽出する動作を示すフローチャートである。まず、入力されたBMLデータの解析を行う(S71)。入力されたBMLデータにインターネット上のWebサイトを表すURLが含まれているかどうかを判定する(S72)。URLは文字列であって、アルファベット、数字、記号(ドット「.」ハイフン「-」等)の組み合わせで構成される。解析したデータがこれらに該当する文字列である、すなわち、URL候補であった場合は、当該文字列が「http」で始まる文字列かどうかを判定する(S73)。「http」で始まる場合には、URL終端検出ステップ(S74)に進む。「http」で始まらない場合には、当該文字列が「www」で始まっているかどうかを判定する(S75)。「www」で始まる場合には、「www」の前に「http://」を付加する(S76)。「www」で始まらない場合には、当該文字列はURLでないと判定され、ステップS71に戻り次の文字列の解析を行う。URL終端検出ステップ(S74)では、「http」から始まる文字列において、アルファベット、数字、記号以外の文字が最初に表れる文字を検出し、その文字の直前をURL終端と判定する。ステップS77では、抽出した文字列をURLとして記憶し、URL検出処理を終了する。
【0045】
図10は、本実施の形態2の携帯電話端末で地上波デジタル放送を視聴しながら、データ放送で示されるURLを電子メールで送信する場合のフローチャートを表す。
まず、携帯電話端末の電源をONにすると、地上波デジタル放送の受信を開始する(S80)。地上波デジタル放送のデータを受信し、表示する(S81)。BMLデータにURLが検出された場合には、使用者によって後述する電子メール作成ボタン表示が選択され、電子メール作成が選択されたかどうかを判定する(S83)。選択されなかった場合には、ステップS81に戻る。選択された場合には、後述する電子メールの作成画面を表示する(S85)。電子メールの作成画面を表示している状態において、使用者によって電子メール送信ボタン表示が選択され、電子メール送信が選択したかどうかを判定する(S87)。電子メール送信が選択されなかった場合は、ステップS81に戻る。選択された場合には作成した電子メールの送信を行う(S89)。
【0046】
図11は本実施の形態2の携帯電話端末の表示部625の表示画面900を示す。図11(a)は、使用者が地上波デジタル放送を視聴している状態の表示部625の表示画面900を表しており、映像データを表示させた映像データ表示部901と、データ放送表示部902とから構成される。映像データ表示部901にある商品の広告映像が表示される一方で、データ放送表示部902にはその商品の詳細情報が掲載されているインターネットのWebサイトのURLが表示されている場合がある。使用者がこの商品に興味をひかれ、放送視聴中あるいは終了後にその商品の詳細情報を知りたい場合には、操作部623を操作して図11(a)の電子メール作成ボタン905をアクティブにする。すなわち、電子メール作成ボタン905に割り当てられた操作ボタンを押下する。使用者は、その商品に興味がない場合は、そのまま視聴を継続するか、保存ボタン904を押して、単純にURLをメモリ624に保存する。
【0047】
なお、説明を簡略化するため、以降、電子メール作成ボタン905をアクティブにする動作を単に「電子メール作成ボタン905を押下する」、と記載する。その他ボタンについても同様とする。
【0048】
図11(b)は、使用者が電子メール作成ボタン905を押下した場合に表示画面900に表示されるメール作成画面911を表す。電子メール作成画面911は、宛先912、題名913、本文914、サブメニューボタン903、保存ボタン904、戻るボタン906とから画面が構成される。使用者は、サブメニューボタン903を用いた操作によって、メモリ624から自宅のPCで受信するための電子メールアドレスを読み込んで宛先912に表示される送信先、題名913に表示される題名を指定する。本文914はリソース情報抽出部75が出力した抽出されたURLを表示する。
【0049】
以上のように作成された電子メールメッセージについて、送信をキャンセルする場合には、戻るボタン906を押下すると、放送視聴状態に戻る。電子メールメッセージを一旦保存して、後で送信する場合には保存ボタン904を押下する。電子メールメッセージを送信する場合は、図示していないがサブメニューボタン903を押して送信ボタンを表示して選択をするという操作によって送信を行い、放送視聴状態に戻る。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態によれば、受信した放送データに含まれるURLがリソース情報である旨が明示されていない場合であっても、当該URLを抽出して他の端末装置に送信することができ、送信した他の端末装置で、URLを元に商品の画像などを見ることができるという効果がある。
【0051】
なお、本実施の形態2では、携帯端末装置を携帯電話端末装置として説明したがこれに限るものではなく、情報端末(PDA)、カーナビゲーション装置等のいかなる端末装置に用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明にかかる携帯端末装置は、放送を受信することができる携帯端末装置、特に、地上波デジタル放送等の放送を受信することができる携帯電話端末に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置で受信されるデータ放送データを示す図
【図3】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置で受信された放送の表示内容を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置で作成した電子メールメッセージを示す図
【図5】本発明の実施の形態1に係る携帯端末装置で送信された電子メールを表示した図
【図6】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置の構成を表すブロック図
【図7】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置のアプリケーション制御部の構成を表すブロック図
【図8】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置のリソース情報抽出部の構成を表すブロック図
【図9】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置の動作を示すフローチャート
【図10】本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置の動作を示すフローチャート
【図11】(a)本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置において、受信した放送データを示す図(b)本発明の実施の形態2に係る携帯電話端末装置において、作成する電信メールメッセージを示す図
【符号の説明】
【0054】
10 放送受信部
11 再生部
12 表示部
13 リソース情報抽出部
14 電子メール作成部
15 電子メール送受信部
16 無線通信部
17 無線通信アンテナ
18 放送受信アンテナ
19 ボタン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送データを受信する放送受信部と、前記放送データからリソース情報を抽出するリソース情報抽出部と、前記リソース情報抽出部によって抽出されたリソース情報を送信する無線通信部とを具備することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記リソース情報の全部又は一部と、前記リソース情報の送信を指示するための表示とを表示する表示部を具備することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記無線通信部は前記リソース情報を電子メールによって送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記リソース情報の送信が指示されると、電子メールを作成するための電子メール作成画面を表示する請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記リソース情報抽出部は、前記放送データの一部にリソース情報候補が含まれるかどうかを判定するリソース情報候補判定部と、リソース情報候補と判定された放送データの一部がリソース情報として完全かどうかを判定する完全性判定部と、前記完全性判定部によって不完全と判定した場合に補正を行う補正部とから構成されることを特徴とする請求項1から請求項4いずれか1項に記載の携帯端末装置。
【請求項1】
放送データを受信する放送受信部と、前記放送データからリソース情報を抽出するリソース情報抽出部と、前記リソース情報抽出部によって抽出されたリソース情報を送信する無線通信部とを具備することを特徴とする携帯端末装置。
【請求項2】
前記リソース情報の全部又は一部と、前記リソース情報の送信を指示するための表示とを表示する表示部を具備することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末装置。
【請求項3】
前記無線通信部は前記リソース情報を電子メールによって送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯端末装置。
【請求項4】
前記リソース情報の送信が指示されると、電子メールを作成するための電子メール作成画面を表示する請求項3に記載の携帯端末装置。
【請求項5】
前記リソース情報抽出部は、前記放送データの一部にリソース情報候補が含まれるかどうかを判定するリソース情報候補判定部と、リソース情報候補と判定された放送データの一部がリソース情報として完全かどうかを判定する完全性判定部と、前記完全性判定部によって不完全と判定した場合に補正を行う補正部とから構成されることを特徴とする請求項1から請求項4いずれか1項に記載の携帯端末装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−197307(P2006−197307A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7414(P2005−7414)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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