説明

放電灯の輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置

【課題】 液晶表示装置のバックライト用放電灯の輝度偏差を抑制した低消費電力の放電灯の輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置の提供すること。
【解決手段】 放電灯を点灯させる期間は、圧電トランス7の昇圧比が高い周波数で圧電トランス7を駆動させ、放電灯である負荷8を暗く点灯させる期間又は消灯する期間は、昇圧比が低い周波数で駆動させ、昇圧比の高い周波数で駆動させる時間と昇圧比の低い周波数で駆動させる時間との比率を調整すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電灯の輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置に関し、特に、液晶表示装置のバックライト用放電灯の輝度調整に好適な輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライト用放電灯の輝度調整(以下、調光と称する)は、放電灯に流れる交流電流の振幅を小さくすることで、電流値を低下させ、輝度を低下させている。この方法では、輝度は100%(最大時)〜約50%程度の範囲でしか調光ができない。電流振幅を更に小さくすると放電灯の性質上放電が不安定になる。
【0003】
最近、充電1回あたりのバッテリー稼動時間を長くするために低域側を広げた100%〜10%程度の調光範囲の液晶表示装置を搭載するノート型パーソナルコンピュータが強く要求されるようになった。
【0004】
充電1回あたりのバッテリー稼動時間を長くする必要性から連続電流動作による調光範囲の拡大はできないので、放電灯に流れる電流を断続電流動作させて断続電流動作の比率で調光を行う時分割調光方法が多く採用されるようになった。
【0005】
電流振幅による調光方法と時分割による調光方法との電流波形の比較が図8に示されている。電流振幅による調光方法は、連続電流動作で振幅を変化させ、電流値を変化させることで液晶表示装置のバックライト用放電灯の輝度を調整する方法である。時分割による調光方法は、100Hz〜300Hz程度の調光周波数で電流のON・OFF動作を繰り返し、一定の電流振幅でON動作時とOFF動作時の時間比率を調整する方法である。時分割による調光方法により100%〜10%の調光範囲を実現できる。
【0006】
図9は、時分割調光を採用する圧電インバータの一例を示すブロック図である。図9に示すように、(1)直流電源1と(2) 調光回路10の出力と駆動周波数発生回路11の出力を入力するAND回路12の出力により制御された保護素子付きスイッチZ2と(3)スイッチZ2の出力端とグランド間に接続されたフライホイールのダイオード9と(4)一次側電極から交流電圧を入力し、圧電効果を利用して二次側電極から出力する圧電トランス7と(8)圧電トランス7の一方の一次側電極14とスイッチZ2の出力端の間に接続されたコイル3と(9)圧電トランス7の他方の一次側電極13とスイッチZ2の出力端の間に接続されたコイル4と(10)圧電トランス7の一次側電極14とグランド間に接続された保護素子付きスイッチA5と(11)圧電トランス7の一次側電極13とグランド間に接続された保護素子付きスイッチB6と(12)圧電トランス7の出力を負荷8に供給するための二次側電極15とで構成される。
【0007】
スイッチA5とスイッチB6は、駆動周波数発生回路11からハイレベルの信号が供給された場合に導通する構造になっている。なお、図10は、プッシュプル構成の圧電トランス駆動回路のスイッチング動作を示す図である。また、駆動周波数発生回路11からスイッチA5とスイッチB6に供給される信号は、図10に示すように互いに位相の反転した効率が50%未満の信号なので、スイッチA5とスイッチB6は、交互に導通する。その結果、交互に導通する都度にコイルと圧電トランス入力容量とで形成される共振が発生し、圧電トランス7の一次側電極13と一次側電極14の間に等価的な交流が入力される。
【0008】
駆動周波数発生回路11からAND回路12へ出力される信号は、スイッチA5やスイッチB6へ送られる信号の2倍程度の周波数をもつ信号である。スイッチZ2を導通させたい期間は、ハイレベルである。調光回路10からAND回路12へ出力される信号は、100〜300Hz程度の周波数で、時分割調光時に負荷8を消灯させたい期間にローレベルになる。また、AND回路12は、時分割調光時に消灯させたい期間にスイッチZ2を非導通にし、かつ時分割調光時に消灯させたい期間以外の期間は、駆動周波数発生回路11から入力される周波数でスイッチZ2のON・OFF動作を繰り返すことで、スイッチZ2以降のステップ動作を行うブロックに供給する電力を調節している。
【0009】
図9に示した圧電インバータは、時分割調光時はスイッチZ2により、スイッチZ2以降のステップ動作を行うブロックへの電力供給をゼロにすることで、負荷8の消灯期間を作成している。
【0010】
また、スイッチZ2とダイオード9とを省略して、コイル3とコイル4に直流電源1を直接接続した、図9に示された圧電インバータを簡略化したタイプもある。図9に示した圧電インバータを簡略化したタイプは、スイッチZ2とダイオード9の2部品がないので、その動作制御回路も不要になり、直流電源1の広電圧範囲に対応できないというデメリットがあるものの、コスト低減できるメリットがある。なお、図9に示した圧電インバータを簡略化したタイプでは、時分割調光時スイッチA5とスイッチB6の両方の導通を停止し、圧電トランス7への交流入力を停止させることで負荷8の消灯期間を作成している。
【0011】
時分割調光方法は、圧電トランス7及びその駆動部への電力供給を急に停止する動作(OFF動作)、急に開始する動作(ON動作)を繰り返す方法である。時分割調光方法の周波数は、可聴周波数なので、可聴音が発生しやすいという問題点があった。
【0012】
可聴音を低減する技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1における調光時の電流波形が図11に示されている。管電流を5mArmsから4mArmsに低減させる場合は、電流の振幅が低減するだけであるが、連続電流動作で、4mArmsより電流の振幅を低減させると放電灯の特性の制約から放電が不安定になる。管電流を4mArms未満に低減させる場合は、管電流4mArms時と同じ電流振幅にし、圧電トランスから出力される交流周波数よりも充分低い周波数になる周期で圧電トランスの出力レベルを連続的に低下させながら、圧電トランスの出力レベルを連続的に低下させる期間の時間比率を調整することで調光する方法である。この方法では、圧電トランスの出力レベルを連続的に変化させることで、可聴音を低減できる。
【0013】
【特許文献1】特開2000−58289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述した特許文献1に示された調光方法では、液晶表示装置のバックライト用放電灯の輝度を均一にするのが困難であるという問題点があった。
【0015】
図12は、電流振幅を変化させる調光方法(圧電トランスの駆動周波数を変化させる方法)にて、電流振幅を変化させて放電灯の低圧側(接地側)に流れる電流を減少させた場合の放電灯の高圧側(インバータ側)に流れる電流と高圧側の電流値と低圧側の電流値の差を実測した結果のデータである。図13は、圧電トランスの駆動周波数と昇圧比の関係を示すグラフである。図13に示すように、圧電トランス7の昇圧比が最大となる周波数より若干高い周波数で圧電トランス7を駆動した場合の低圧側電流は、5mArmsで、圧電トランス7の駆動周波数を強制的に高くすることで、低圧側電流は低下する。なお、低圧側電流を3mArms以下にすると放電が不安定になった。
【0016】
図12により、低圧側電流を減少させれば、高圧側電流も減少する。しかし、高圧側電流は、低圧側電流よりも減少のしかたが少ない。その結果、電流の振幅を小さくする程高圧側電流と低圧側電流の差が大きくなり、その比も大きくなる。バックライト上の輝度は、放電灯の高圧側付近の輝度は高く、放電灯の低圧側付近の輝度は低い傾向あり、電流の振幅を小さくすることで更にその傾向が顕著になる。
【0017】
前述の図11に示される電流波形で説明すると、電流を5mArmsから4mArmsに減少させる場合は、電流の振幅を小さくしているので、バックライト上の輝度偏差が大きくなる。更に、4mArms未満に減少させる場合は、所定の期間電流をなだらかに減少させることで音の減少に効果があるが、なだらかに(時間をかけて電流が更に小さくなっている)ので、高圧側電流と低圧側電流の差が更に大きくなる期間が長くなるので、バックライト上の輝度偏差は一段と大きくなる。
【0018】
本発明は、上述した問題点を解決すべくなされたもので、その技術課題は、液晶表示装置のバックライト用放電灯の輝度偏差を抑制した低消費電力の放電灯の輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するための第1の発明は、直流電圧から交流電圧を発生させる圧電トランスを使用した電源装置の出力電圧を放電灯に印加して、前記放電灯を点灯するときの放電灯の輝度調整方法において、前記放電灯を点灯させる期間は、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数で前記圧電トランスを駆動し、前記放電灯を暗く点灯させる期間又は前記放電灯を消灯させる期間は、昇圧比が低い周波数で前記圧電トランスを駆動し、前記昇圧比の高い周波数で前記圧電トランスを駆動する時間と前記昇圧比の低い周波数で前記圧電トランスを駆動する時間の比率を調整する放電灯の輝度調整方法である。
【0020】
上記目的を達成するための第2の発明は、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数との切り換えは、0秒より大きく約500μ秒以下の期間で切り換える放電灯の輝度調整方法である。
【0021】
上記目的を達成するための第3の発明は、前記圧電トランスの昇圧比が低い周波数で駆動させる期間では、前記圧電トランス駆動周波数1周期あたりのスイッチング素子導通時間を短くする放電灯の輝度調整方法である。
【0022】
上記目的を達成するための第4の発明は、出力電圧を放電灯に印加して、前記放電灯を点灯するときの放電灯の輝度調整機能を備えた直流電圧から交流電圧を発生させる圧電トランスを使用した電源装置において、前記放電灯を点灯させる期間は、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数で前記圧電トランスを駆動し、放電灯を暗く点灯させる期間又は前記放電灯を消灯させる期間は、昇圧比が低い周波数で駆動し、前記昇圧比の高い周波数で駆動する時間と前記昇圧比の低い周波数で駆動する時間の比率を調整する放電灯の輝度調整機能を備えた圧電トランスを使用した電源装置である。
【0023】
上記目的を達成するための第5の発明は、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数との切り換えは、0秒より大きく約500μ秒以下の期間で切り換える機能を備えた圧電トランスを使用した電源装置である。
【0024】
上記目的を達成するための第6の発明は、放電灯を流れる電流を検出する機能と検出された前記放電灯を流れる電流を比較器で比較する機能と前記比較器で比較された結果に基づき基準電圧値を変更する機能を備えて、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数とを切り換える圧電トランスを使用した電源装置である。
【0025】
上記目的を達成するための第7の発明は、電圧制御発振器の入力電圧が上昇すると出力周波数を低くし、前記電圧制御発振器の入力電圧が下降すると出力周波数を高くする機能を備えて、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数とを切り換える圧電トランスを使用した電源装置である。
【0026】
上記目的を達成するための第8の発明は、圧電トランスの昇圧比が低い周波数で駆動する期間は、圧電トランス駆動周波数1周期あたりのスイッチング素子導通時間を短くする機能を備えた圧電トランスを使用した電源装置である。
【0027】
上記目的を達成するための第9の発明は、(1)一次側電極から交流電圧を入力し、圧電効果を利用して二次側電極から出力する圧電トランスと(2)入力端から前記圧電トランスの出力を入力し、第一の出力端から出力し、第二の出力端から前記第一の出力端から出力する電流値に比例した電流を出力する電流検出回路と(3)前記電流検出回路の第一の出力端からの出力を入力する負荷と(4)前記電流検出回路の第二の出力端からの出力を入力し、整流した結果を出力する整流回路と(5)調光回路の出力信号を受けて、複数存在する直流電源の何れかを選択して比較器に出力するスイッチと(6) 前記整流回路の出力と前記スイッチの出力を入力し、前記整流回路の出力と前記スイッチの出力とを比較し、前記整流回路の出力が小さい期間は、ハイレベルの出力をおこなう比較器と(7)前記比較器の出力を入力し、特定の時定数をもった積分結果を出力する積分回路と(8)前記積分回路の出力を入力電圧とし、入力電圧が上昇すると出力周波数を低くし、入力電圧が下降すると出力周波数を高くする三角波を出力する電圧制御発振器と(9)前記電圧制御発振器出力と直流電圧とを入力し、前記直流電圧によって定められる効率をもった信号を電圧制御発振器の出力周波数で出力する第二の比較器と(10)点灯期間を定める効率を時分割調光の周波数で出力する調光回路と(11)前記第二の比較器の出力と前記調光回路の出力を入力し、前記第二の比較器の出力と前記調光回路の出力との入力が、共にハイレベルの期間のみハイレベルの出力をするように前記圧電トランスを駆動させるスイッチング信号を発生させるAND回路と(12)前記AND回路の出力を入力し、駆動回路を動作させる信号に変換する駆動信号発生回路と(13)前記駆動信号発生回路の出力を入力し、前記圧電トランスを駆動する圧電トランス駆動回路とを含んでなる圧電トランスを使用した電源装置である。
【0028】
上記目的を達成するための第10の発明は、(1)一次側電極から交流電圧を入力し、圧電効果を利用して二次側電極から出力する圧電トランスと(2)入力端から前記圧電トランスの出力を入力し、第一の出力端から出力し、前記第一の出力端から出力する電流値に比例した電流を第二の出力端から出力する電流検出回路と(3)前記電流検出回路の第一の出力端からの出力を入力する負荷と(4)前記電流検出回路の第二の出力端からの出力を入力し、整流した結果を出力する整流回路と(5)前記整流回路の出力と直流電源の出力を入力し、前記整流回路の出力と直流電源の出力とを比較し、整流回路出力が小さい期間は、ハイレベルの出力をおこなう比較器と(6)前記比較器の出力を入力し、特定の時定数をもった積分結果を出力する積分回路と(7)調光回路出力が消灯期間を指示するローレベルの期間導通するスイッチと(8)前記スイッチが導通している期間に積分回路出力レベルを低下させる放電回路と(9)前記積分回路の出力を入力電圧とし、入力電圧が上昇すると出力周波数を低くし、入力電圧が下降すると出力周波数を高くする三角波を出力する電圧制御発振器と(10)前記電圧制御発振器の出力と直流電圧とを入力し、前記直流電圧によって定められる効率をもった信号を前記電圧制御発振器の出力周波数で出力する第二の比較器と(11)点灯期間を定める効率を時分割調光の周波数で出力する調光回路と(12)前記第二の比較器出力と前記調光回路出力とを入力し、前記第二の比較器出力と前記調光回路出力との入力が、共にハイレベルの期間のみハイレベルの出力をするように前記圧電トランスを駆動させるスイッチング信号を発生させるAND回路と(13)前記AND回路の出力を入力し、駆動回路を動作させる信号に変換する駆動信号発生回路と(14)前記駆動信号発生回路の出力を入力し、前記圧電トランスを駆動する圧電トランス駆動回路を含んでなる圧電トランスを使用した電源装置である。
【0029】
上記目的を達成するための第11の発明は、第二の比較器に入力する直流電圧値を第二のスイッチで複数の電圧値から選択させた圧電トランスを使用した電源装置である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、放電灯を点灯させる期間は、圧電トランスの昇圧比が高い周波数で圧電トランスを駆動し、放電灯を暗く点灯させる期間又は消灯する期間は、昇圧比が低い周波数で駆動し、昇圧比の高い周波数で駆動する時間と昇圧比の低い周波数で駆動する時間との比率を調整することで、放電灯の輝度を調整できる。更に、圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数との切り換えは、0秒より大きく、500μ秒以下程度の時間で切り換えが完了するように時定数を設定する。また、圧電トランスの昇圧比が低い周波数で駆動させる期間は、圧電トランス駆動周波数1周期あたりのスイッチング素子導通時間を短くすることで、圧電トランスへの入力電力を低減できる。
【0031】
また、本発明によれば、調光範囲を広く設定可能な時分割調光を実施しながら、圧電トランスへの交流入力を停止させる期間なしに圧電トランスを常に振動を継続させることで、急激な振動状態の変化による可聴音の発生を抑制できる。更に、圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数との切り換えを迅速に実施することで、輝度偏差の悪化を防止できる。また、圧電トランスの昇圧比が低い周波数で駆動する期間は、圧電トランスの入力電力を制限することで消費電力増大を抑制できる。
【0032】
その結果、液晶表示装置のバックライト用放電灯の輝度偏差を抑制した低消費電力の放電灯の輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置の提供が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明を実施するための最良の形態に係る放電灯の輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置を以下に図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
(実施の形態1)
本発明の第1の実施の形態における放電灯の輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置を以下に図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態における放電灯の輝度調整方法とその電源装置を示すブロック図である。図2は、フルブリッジ構成の圧電トランスの駆動回路を示すブロック図である。図3は、プッシュプル構成の圧電トランスの駆動回路を示すブロック図である。図4は、ハーフブリッジ構成の圧電トランスの駆動回路を示すブロック図である。図5は、駆動回路のスイッチの動作を示した図である。
【0035】
図1に示すように、(1)一次側電極13と一次側電極14から交流電圧を入力し、圧電効果を利用して二次側電極15から出力する圧電トランス7と(2)入力端から圧電トランス7の出力を入力し、第一の出力端から出力し、第一の出力端から出力する電流値に比例した電流を第二の出力端から出力する電流検出回路16と(3)電流検出回路16の第一の出力端からの出力を入力する負荷8と(4)電流検出回路16の第二の出力端からの出力を入力し、整流した結果を出力する整流回路17と(5)調光回路10の出力信号を受けて、直流電源26と直流電源27の何れかの出力を選択して比較器18に出力するスイッチW23と(6)整流回路17の出力とスイッチW23の出力とを入力し、整流回路の出力とスイッチの出力とを比較し、整流回路17出力のほうが小さい期間は、ハイレベルの出力をおこなう比較器18と(7)比較器18の出力を入力し、特定の時定数をもった積分結果を出力する積分回路19と(8)積分回路19の出力を入力電圧とし、入力電圧が上昇すると出力周波数を低くし、入力電圧が下降すると出力周波数を高くする三角波を出力する電圧制御発振器20と(9)電圧制御発振器20の出力と直流電源30の直流電圧とを入力することで、直流電源30の直流電圧によって定められる効率をもった信号を電圧制御発振器20の出力周波数で出力する比較器31と(10)点灯期間を定める効率を時分割調光の周波数で出力する調光回路10と(11)比較器31出力と調光回路10出力とを入力し、比較器31出力と調光回路10出力との入力が共にハイレベルの期間のみハイレベルの出力をするように圧電トランス7を駆動させるスイッチング信号を発生させるAND回路12と(12)AND回路12の出力を入力し、駆動信号発生回路21を動作させる信号に変換する駆動信号発生回路21と(13)駆動信号発生回路21の出力を入力し、圧電トランス7を駆動する圧電トランスの駆動回路22を含んでなる構成の出力電圧を放電灯に印加して、放電灯を点灯するときの放電灯の輝度調整機能を備えた直流電圧から交流電圧を発生させる圧電トランスを使用した電源装置である。
【0036】
次に、本発明の第1の実施の形態における放電灯の輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置における動作について図1を用いて説明する。圧電トランス7の二次側電極15からの出力は、電流検出回路16に入力される。本発明の実施の形態1の電流検出回路16は、カレントトランスの構成が好適である。入力端からの入力は、第一の出力端から出力され、第二の出力端からは第一の出力端から出力された電流値に応じた電流が出力される。なお、電流検出回路16は、負荷8の反対側である低電圧側に挿入しても殆ど同等の効果を奏する。
【0037】
放電灯の低電圧側における電流と放電灯の高電圧側における電流とでは電流変化率が異なるので、放電灯の低電圧側における電流と放電灯の高電圧側のどちらを制御したいかの目的に応じて、挿入個所を決定すれば良い。最近では、放電灯の両端に圧電トランスを配する両高電圧駆動方式が増えている。この場合には低電圧側が存在しないので、高電圧側に挿入する方式に汎用性がある。
【0038】
電流検出回路16の第二の出力端から出力された交流電流は、整流回路17で整流される。整流回路17の出力は、完全に平滑された状態でない脈状の信号になる。スイッチW23は、調光回路10の出力を受けて、時分割調光時に点灯させたい期間は、電圧値の高い直流電源26を選択し、時分割調光時に消灯させたい期間又は輝度を低くしたい期間は、電圧値の低い直流電源27を選択する制御をおこなう。比較器18は、整流回路17の出力信号とスイッチW23により選択された直流電源26又は直流電源27とを入力する。比較器18は、整流回路17の出力信号である脈状の信号が、スイッチW23で選択された直流電圧値よりも低い期間は、ハイレベルの出力をするステップになるので、スイッチW23が電圧値の低い直流電源27を選択している場合は、スイッチW23が電圧値の高い直流電源26を選択している場合よりもハイレベルの出力をする時間比率が小さくなる。言い換えれば、時分割調光時に消灯させたい期間又は輝度を低くしたい期間は、点灯させたい期間よりもハイレベルの出力をしている時間比率が小さくなる。なお、積分回路19は、比較器18の出力を受けて積分した結果を出力するステップなので、時分割調光時に消灯させたい期間又は輝度を低くしたい期間は、点灯させたい期間よりも低い出力レベルになる。
【0039】
積分回路19の出力を入力する電圧制御発振器20は、入力電圧が高いほど低い周波数の三角波を出力し、入力電圧が低いほど高い周波数の三角波を出力する構造になっているので、時分割調光時に点灯させたい期間は、消灯させたい期間又は輝度を低くしたい期間よりも低い周波数の三角波を出力することになる。
【0040】
電圧制御発振器20の出力信号周波数は、圧電トランス7を駆動する周波数の2倍の周波数である。電圧制御発振器20における出力周波数の二分の一の周波数が、圧電トランス7を実際に駆動する周波数になる。図13に示すように、最低周波数は圧電トランスの昇圧比が最大になる周波数より僅かに低い周波数で、最高周波数は圧電トランスの出力が無い又は殆ど出ない周波数とする掃引範囲になる。整流回路が出力する脈状信号のいかなる値よりも低い値に直流電源の電圧値を設定しておけば、電圧制御発振器20の入力電圧は、最低電位となる。その出力周波数は、掃引範囲の最高周波数になり、その二分の一の周波数で圧電トランス7の出力が無い又は殆ど出ないB点になる(図13中のB点)。なお、直流電源の電圧値は、点灯時に所望の電流になる圧電トランス駆動周波数に設定する。
【0041】
点灯期間の周波数と消灯させたい期間又は輝度を低くしたい期間の周波数との切り換えは、積分回路の時定数を小さくし、間の周波数を通過しない様瞬時に切り換えることで、圧電トランスの出力が所定値から無しの状態に瞬時に切り換わる。その結果、高圧側電流と低圧側電流との差が非常に大きくなる周波数を通過しないので、バックライト上の輝度偏差が大きくなることを防止できる。
【0042】
しかし、間の周波数を通過しないように周波数が瞬時に切り換わる場合は、圧電トランス7の振動状態も急に切り換わり、振動が無い状態から大振動に急激に切り換わる程ではないが、小さな音が発生する。更に、点灯期間に入った瞬間に圧電トランス7の出力電圧波形や出力電流波形にオーバーシュートが発生する場合がある。これらの問題を回避しつつ輝度偏差を抑制するために、積分回路19の時定数を調整し、点灯期間の周波数と消灯させたい期間又は輝度を低くしたい期間の周波数との切り換えは、0秒より大きく、500μ秒以下の時間で切り換わるのが望ましい。
【0043】
比較器31は、電圧制御発振器20の出力三角波と直流電源30の直流電圧とを入力し、電圧制御発振器20の出力のほうが高い期間は、ハイレベルの出力をする。この比較器31から出力される時比率は、駆動回路22内蔵のスイッチング素子における圧電トランス7駆動1周期あたりの導通する時比率となる。スイッチング素子の導通時比率を可能な範囲内で低下させることで圧電トランス7への電力供給を低減させ、低減させた電力により、圧電トランス7の昇圧比の高い周波数や変換効率の高い周波数で動作させることにより、電源装置全体としての省電力化をおこなう。
【0044】
調光回路10は、時分割調光時に予め定められた調光周波数で圧電トランス7が出力する期間のみハイレベルの出力をする。調光回路10の出力は、スイッチW23の切り換え状態を制御し、AND回路12へ出力される。
【0045】
AND回路12は、比較器31出力と調光回路10出力とを入力し、両入力が共にハイレベルの期間のみハイレベルの出力をするので、AND回路12の出力信号は時分割調光時に消灯させたい期間はローレベルとなる。また、その他の期間は電圧制御発振器20により出力される周波数における直流電源30の電圧値で決定される効率でハイレベル・ローレベルを繰り返す信号になる。
【0046】
なお、駆動信号発生回路21は、AND回路12より入力されたハイレベルの信号を、駆動回路22のスイッチング素子を制御する信号に変換する回路である。
【0047】
駆動回路22と圧電トランス7の組み合わせ例として代表的な回路が、図2、図3、図4に示されている。いずれも圧電トランス7の一次側電極13と一次側電極14の間に等価的交流が入力されるようにスイッチA5、スイッチB6を備える。更に、フルブリッジ構成の場合は、スイッチC32、スイッチD33は図5の実線で示した制御が必要になる。図5中のONは導通状態を示し、OFFは非導通状態を示す。
【0048】
駆動信号発生回路21は、AND回路12より入力される圧電トランス7の駆動周波数における2倍の周波数であるハイレベルの信号をスイッチA5の導通信号とスイッチB6の導通信号に交互に振り分ける手段を有する。また、図2のフルブリッジ回路使用時は、スイッチA5の導通信号と同一の信号をスイッチD33の導通信号として、スイッチB6の導通信号と同一の信号をスイッチC32の導通信号として供給している。その結果、駆動信号発生回路21と駆動回路22とで電圧制御発振器20の出力周波数を1/2に分周して圧電トランス7を駆動している。また、直流電源30の電圧値を上昇させることで、図5中の実線で示された信号は、破線で示された信号に変化し、圧電トランス7への電力の供給を低減できる。
【0049】
以上に示した動作により、放電灯を点灯させる期間は圧電トランスの昇圧比が高い周波数で圧電トランスを駆動し、放電灯を暗くさせる期間又は消灯させる期間は昇圧比が低い周波数で駆動し、昇圧比の高い周波数で駆動する時間と昇圧比の低い周波数で駆動する時間の比を調整することで、放電灯の輝度調整する圧電トランスを使用した電源装置を実現できる。また、圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数とを切り換える手段は、放電灯を流れる電流を検出した結果を比較器で比較して、基準電圧値を変更できる。
【0050】
(実施の形態2)
図6は、本発明の第二の実施の形態における放電灯の輝度調整方法とその電源装置を示すブロック図である。図6に示すように、(1)一次側電極13と一次側電極14から交流電圧を入力し、圧電効果を利用して二次側電極15から出力する圧電トランス7と(2)圧電トランス7の出力を入力端から入力し、第一の出力端から出力し、その電流値に比例した電流を第二の出力端から出力する電流検出回路16と(3)電流検出回路16の第一の出力端からの出力を入力する負荷8と(4)電流検出回路16の第二の出力端からの出力を入力し、その整流結果を出力する整流回路17と(5)整流回路17の出力と直流電源26の出力を入力し、比較して、整流回路17出力のほうが小さい期間にハイレベルの出力をおこなう比較器18と(6)比較器18の出力を入力し、特定の時定数をもった積分結果を出力する積分回路19と(7)調光回路10出力が消灯期間を指示するローレベルの期間に導通するスイッチX24と(8)スイッチX24が導通している期間に積分回路19出力レベルを低下させる放電回路28と(9)積分回路19の出力を入力電圧とし、入力電圧が上昇すると出力周波数を低くし、入力電圧が下降すると出力周波数が高くなる三角波を出力する電圧制御発振器20と(10)電圧制御発振器20の出力と直流電源30とを入力することで電圧制御発振器20の出力周波数で直流電源30によって定められる効率をもった信号を出力する比較器31と(11) 時分割調光の周波数で点灯期間を定める効率を出力する調光回路10と(12) 比較器31出力と調光回路10出力とを入力し、両入力が共にハイレベルの期間のみハイレベルの出力をすることで圧電トランス7を駆動するスイッチング信号を発生させるAND回路12と (13) AND回路12の出力を入力し、駆動信号発生回路21を動作させる信号に変換する駆動信号発生回路21と(14) 駆動信号発生回路21の出力を入力し、圧電トランス7を駆動する圧電トランスの駆動回路22を含んでなる放電灯の輝度調整方法とその電源装置である。
【0051】
図1の構成と図6の構成の相違点は、図1にスイッチW23の直流電源27が存在するが図6には存在せず、直流電源26が直接比較器18へ入力され、図6にスイッチ放電回路28が存在するが、図1に存在しないことである。図6において図1と同一構成部品は同一符合をもって表し、その説明を省略する。図1におけるスイッチW23の直流電源27が削除されたことにより、放電灯を流れる電流を検出した結果を比較器で比較する基準電圧値を変更する周波数変移手段が無い。代替の周波数変移手段は、消灯期間はスイッチX24が導通し、積分回路19出力は放電回路28により低下するので、電圧制御発振器20への入力電圧を低減できる。電圧制御発振器20は、入力電圧が下降すると出力周波数が高くなるので、図13に示すように、圧電トランス7の駆動周波数は点灯時に、例えばA点であったのが消灯時に昇圧比の低い周波数B点に移動し、消灯期間が実現する。放電回路28の放電能力が大きい場合は、A点からB点へほとんど0秒に近い時間で切り換わるので、バックライト上の輝度偏差が大きくなるのを防止できる。この状態で小さな音や圧電トランス7の出力電圧や出力電流にオーバーシュートが発生する場合は、放電能力を調整し、0秒より大きい500μ秒以下時間で切り換わるような設定にすることが望ましい。
【0052】
以上に示した動作により、放電灯を点灯させる期間は圧電トランスの昇圧比が高い周波数で圧電トランスを駆動し、放電灯を暗くさせる期間又は消灯させる期間は昇圧比が低い周波数で駆動し、昇圧比の高い周波数で駆動する時間と昇圧比の低い周波数で駆動する時間の比を調整することで、放電灯の輝度調整圧電トランスを使用した電源装置を実現できる。圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数とを切り換える手段は、電圧制御発振器の入力電圧を強制的に変化させることを特徴とする。
【0053】
(実施の形態3)
図7は、本発明の第三の実施の形態における放電灯の輝度調整方法とその電源装置を示すブロック図である。図8は、電流振幅による調光方法と時分割による調光方法の電流波形を示す図である。図12は、電流振幅変更時における低圧側電流と高圧側電流との相関を示すグラフである。図13は、圧電トランスの駆動周波数と昇圧比の関係を示すグラフである。
【0054】
図7の構成を改めて説明すると、(1)一次側電極13と一次側電極14から交流電圧を入力し、圧電効果を利用して二次側電極15から出力する圧電トランス7と(2)圧電トランス7の出力を入力端から入力し、第一の出力端から出力し、その電流値に比例した電流を第二の出力端から出力する電流検出回路16と(3)電流検出回路16の第一の出力端からの出力を入力する負荷8と(4)電流検出回路16の第二の出力端からの出力を入力し、その整流結果を出力する整流回路17と(5)調光回路10の出力信号を受けて直流電源26と直流電源27の何れかの出力を選択して比較器18に対し出力するスイッチW23と(6)整流回路17の出力とスイッチW23の出力を入力し、比較して、整流回路17出力のほうが小さい期間にハイレベルの出力をおこなう比較器18と(7) 比較器18の出力を入力し、特定の時定数をもった積分結果を出力する積分回路19と(8)積分回路19の出力を入力電圧とし、入力電圧が上昇すると出力周波数を低くし、入力電圧が下降すると出力周波数が高くなる三角波を出力する電圧制御発振器20と(9)電圧制御発振器20の出力とスイッチY25によって直流電源29又は直流電源30のいずれか選択された直流電圧を入力することで電圧制御発振器20の出力周波数で直流電源30によって定められる効率をもった信号を出力する比較器31と(10)時分割調光の周波数で点灯期間を定める効率を出力する調光回路10と(11)比較器31出力と調光回路10出力とを入力し、両入力が共にハイレベルの期間のみハイレベルの出力をすることで圧電トランス7を駆動するスイッチング信号を発生させるAND回路12と(12)AND回路12の出力を入力し、駆動信号発生回路21を動作させる信号に変換する駆動信号発生回路21と(13)駆動信号発生回路21の出力を入力し、圧電トランス7を駆動する圧電トランスの駆動回路22を含んでなる。
【0055】
図1の構成と図7(本実施の形態3)の構成の相違点は、図7にスイッチY25の直流電源29が存在し、比較器31への入力はスイッチY25で切り換えられるが、図1にスイッチY25の直流電源29が存在しないので、比較器31へ入力する直流電圧は一定である。図7において、図1と同一の構成部品は同一符合をもって表し、その説明を省略する。スイッチY25は調光回路10の出力信号を受けて、点灯期間は直流電源30に導通し、消灯期間は直流電源29に導通する構成になっている。直流電源29の電圧値は直流電源30の電圧値よりも高い値に設定する。よって消灯期間に比較器31に入力される直流電圧は、点灯期間に入力される直流電圧値よりも高くなる。図1の動作説明で記述した如く比較器31に入力する直流電圧値を上昇させることで、図5の実線で示された信号は破線で示された信号に変化し、圧電トランス7への供給電力を低減できる。これにより消灯させたい期間(圧電トランス7の出力が不要な期間)の圧電トランス7への入力電力を低減できる。その結果、電源装置の省電力化できる。
【0056】
(実施の形態4)
実施の形態3で実施の形態1に付加したスイッチY25と直流電源29は、実施の形態2に付加しても同様に電源装置の省電力化に有効である。
【0057】
以上に示したように、本発明により、液晶表示装置のバックライト用放電灯の輝度偏差を抑制した低消費電力の放電灯の輝度調整方法と圧電トランスを使用した電源装置の提供が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施の形態における放電灯の輝度調整方法とその電源装置を示すブロック図。
【図2】フルブリッジ構成の圧電トランスの駆動回路を示すブロック図。
【図3】プッシュプル構成の圧電トランスの駆動回路を示すブロック図。
【図4】ハーフブリッジ構成の圧電トランスの駆動回路を示すブロック図。
【図5】駆動回路のスイッチの動作を示した図。
【図6】本発明の第二の実施の形態における放電灯の輝度調整方法とその電源装置を示すブロック図。
【図7】本発明の第三の実施の形態における放電灯の輝度調整方法とその電源装置を示すブロック図。
【図8】電流振幅による調光方法と時分割による調光方法の電流波形を示す図。
【図9】時分割調光を採用する圧電インバータの一例を示すブロック図。
【図10】プッシュプル構成の圧電トランスの駆動回路を示す図。
【図11】特許文献1における調光時の電流波形を示す図。
【図12】電流振幅変更時における低圧側電流と高圧側電流との相関を示すグラフ。
【図13】圧電トランスの駆動周波数と昇圧比の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
【0059】
1 直流電源
2 スイッチZ
3 コイル
4 コイル
5 スイッチA
6 スイッチB
7 圧電トランス
8 負荷
9 ダイオード
10 調光回路
11 駆動周波数発生回路
12 AND回路
13 圧電トランス一次側電極
14 圧電トランス一次側電極
15 圧電トランス二次側電極
16 電流検出回路
17 整流回路
18 比較器
19 積分回路
20 電圧制御発振器
21 駆動信号発生回路
22 駆動回路
23 スイッチW
24 スイッチX
25 スイッチY
26 直流電源
27 直流電源
28 放電回路
29 直流電源
30 直流電源
31 比較器
32 スイッチC
33 スイッチD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧から交流電圧を発生させる圧電トランスを使用した電源装置の出力電圧を放電灯に印加して、前記放電灯を点灯するときの放電灯の輝度調整方法において、前記放電灯を点灯させる期間は、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数で前記圧電トランスを駆動し、前記放電灯を暗く点灯させる期間又は前記放電灯を消灯させる期間は、昇圧比が低い周波数で前記圧電トランスを駆動し、前記昇圧比の高い周波数で前記圧電トランスを駆動する時間と前記昇圧比の低い周波数で前記圧電トランスを駆動する時間の比率を調整することを特徴とする放電灯の輝度調整方法。
【請求項2】
前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数との切り換えは、0秒より大きく約500μ秒以下の期間で切り換えることを特徴とする請求項1記載の放電灯の輝度調整方法。
【請求項3】
前記圧電トランスの昇圧比が低い周波数で駆動させる期間では、前記圧電トランス駆動周波数1周期あたりのスイッチング素子導通時間を短くすることを特徴とする請求項1又は2記載の放電灯の輝度調整方法。
【請求項4】
出力電圧を放電灯に印加して、前記放電灯を点灯するときの放電灯の輝度調整機能を備えた直流電圧から交流電圧を発生させる圧電トランスを使用した電源装置において、前記放電灯を点灯させる期間は、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数で前記圧電トランスを駆動し、放電灯を暗く点灯させる期間又は前記放電灯を消灯させる期間は、昇圧比が低い周波数で駆動し、前記昇圧比の高い周波数で駆動する時間と前記昇圧比の低い周波数で駆動する時間の比率を調整する放電灯の輝度調整機能を備えたことを特徴とする圧電トランスを使用した電源装置。
【請求項5】
前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数との切り換えは、0秒より大きく約500μ秒以下の期間で切り換える機能を備えたことを特徴とする請求項4記載の圧電トランスを使用した電源装置。
【請求項6】
放電灯を流れる電流を検出する機能と検出された前記放電灯を流れる電流を比較器で比較する機能と前記比較器で比較された結果に基づき基準電圧値を変更する機能を備えて、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数とを切り換えることを特徴とする請求項4又は5記載の圧電トランスを使用した電源装置。
【請求項7】
電圧制御発振器の入力電圧が上昇すると出力周波数を低くし、前記電圧制御発振器の入力電圧が下降すると出力周波数を高くする機能を備えて、前記圧電トランスの昇圧比が高い周波数と昇圧比の低い周波数とを切り換えることを特徴とする請求項4、5又は6記載の圧電トランスを使用した電源装置。
【請求項8】
圧電トランスの昇圧比が低い周波数で駆動する期間は、圧電トランス駆動周波数1周期あたりのスイッチング素子導通時間を短くする機能を備えたことを特徴とする請求項4、5、6又は7記載の圧電トランスを使用した電源装置。
【請求項9】
(1) 一次側電極から交流電圧を入力し、圧電効果を利用して二次側電極から出力する圧電トランスと(2) 入力端から前記圧電トランスの出力を入力し、第一の出力端から出力し、第二の出力端から前記第一の出力端から出力する電流値に比例した電流を出力する電流検出回路と(3) 前記電流検出回路の第一の出力端からの出力を入力する負荷と(4) 前記電流検出回路の第二の出力端からの出力を入力し、整流した結果を出力する整流回路と(5) 調光回路の出力信号を受けて、複数存在する直流電源の何れかを選択して比較器に出力するスイッチと(6) 前記整流回路の出力と前記スイッチの出力を入力し、前記整流回路の出力と前記スイッチの出力とを比較し、前記整流回路の出力が小さい期間は、ハイレベルの出力をおこなう比較器と(7) 前記比較器の出力を入力し、特定の時定数をもった積分結果を出力する積分回路と(8) 前記積分回路の出力を入力電圧とし、入力電圧が上昇すると出力周波数を低くし、入力電圧が下降すると出力周波数を高くする三角波を出力する電圧制御発振器と(9) 前記電圧制御発振器出力と直流電圧とを入力し、前記直流電圧によって定められる効率をもった信号を電圧制御発振器の出力周波数で出力する第二の比較器と(10) 点灯期間を定める効率を時分割調光の周波数で出力する調光回路と(11) 前記第二の比較器の出力と前記調光回路の出力を入力し、前記第二の比較器の出力と前記調光回路の出力との入力が、共にハイレベルの期間のみハイレベルの出力をするように前記圧電トランスを駆動させるスイッチング信号を発生させるAND回路と(12) 前記AND回路の出力を入力し、駆動回路を動作させる信号に変換する駆動信号発生回路と(13) 前記駆動信号発生回路の出力を入力し、前記圧電トランスを駆動する圧電トランス駆動回路とを含んでなることを特徴とする請求項4、5又は6記載の圧電トランスを使用した電源装置。
【請求項10】
(1) 一次側電極から交流電圧を入力し、圧電効果を利用して二次側電極から出力する圧電トランスと(2) 入力端から前記圧電トランスの出力を入力し、第一の出力端から出力し、前記第一の出力端から出力する電流値に比例した電流を第二の出力端から出力する電流検出回路と(3) 前記電流検出回路の第一の出力端からの出力を入力する負荷と(4) 前記電流検出回路の第二の出力端からの出力を入力し、整流した結果を出力する整流回路と(5) 前記整流回路の出力と直流電源の出力を入力し、前記整流回路の出力と直流電源の出力とを比較し、整流回路出力が小さい期間は、ハイレベルの出力をおこなう比較器と(6) 前記比較器の出力を入力し、特定の時定数をもった積分結果を出力する積分回路と(7) 調光回路出力が消灯期間を指示するローレベルの期間導通するスイッチと(8) 前記スイッチが導通している期間に積分回路出力レベルを低下させる放電回路と(9) 前記積分回路の出力を入力電圧とし、入力電圧が上昇すると出力周波数を低くし、入力電圧が下降すると出力周波数を高くする三角波を出力する電圧制御発振器と(10) 前記電圧制御発振器の出力と直流電圧とを入力し、前記直流電圧によって定められる効率をもった信号を前記電圧制御発振器の出力周波数で出力する第二の比較器と(11) 点灯期間を定める効率を時分割調光の周波数で出力する調光回路と(12) 前記第二の比較器出力と前記調光回路出力とを入力し、前記第二の比較器出力と前記調光回路出力との入力が、共にハイレベルの期間のみハイレベルの出力をするように前記圧電トランスを駆動させるスイッチング信号を発生させるAND回路と(13) 前記AND回路の出力を入力し、駆動回路を動作させる信号に変換する駆動信号発生回路と(14) 前記駆動信号発生回路の出力を入力し、前記圧電トランスを駆動する圧電トランス駆動回路を含んでなることを特徴とする請求項4、5、6又は7記載の圧電トランスを使用した電源装置。
【請求項11】
第二の比較器に入力する直流電圧値を第二のスイッチで複数の電圧値から選択させたことを特徴とする請求項9又は10記載の圧電トランスを使用した電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−179920(P2007−179920A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−378363(P2005−378363)
【出願日】平成17年12月28日(2005.12.28)
【出願人】(000134257)NECトーキン株式会社 (1,832)
【Fターム(参考)】