説明

方向表示を兼ねるカーソルを表示する表示装置

【課題】アプリケーション画面を分割して同時に表示させることが困難である機器において、別画面表示や音声などの手段によらず、位置情報や方位情報を表示する方法を提供することを目的とする
【解決手段】本発明は、GUIを表示するためのディスプレイ(0901)と、付与情報に応じて前記GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成するカーソル情報生成部(0902)とを有する表示装置(0900)を提供する。さらに、指示情報を出力する指示情報出力部(0902)を有し、前記カーソル情報生成部が、付与情報として指示情報を含んだ付与情報を取得する付与情報取得手段(0903)を有する表示装置を提供する。これにより、使用中のアプリケーションの操作性を損なわず、方向表示を兼ねるカーソルを表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーソルの表示技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特許文献1に記載の経路ナビゲーションのような位置情報や方位情報を使ったアプリケーションやサービスが普及してきている。また、子供を狙った犯罪が多発しているため子供に携帯電話を持たせたり、携帯電話機に対して緊急時の位置情報発信の義務付けが検討されているなど、GPSなどによって取得した位置情報や方位情報を利用する携帯電話機がますます普及していくと予測されている。
【0003】
さらに、最近の携帯電話機は多機能化/高機能化してきており、複数の機能を同時に使用することが可能なようにマルチタスク化しているだけでなく、従来の上下左右方向のカーソル操作ボタンでは操作が面倒であるため、パソコンのマウス、トラックボール、ジョイスティック等と同様に360度全方向移動できる操作性を持つカーソル操作手段を提供している場合もある。こうした流れから、位置情報や方位情報を使った経路ナビゲーションなどのアプリケーションを使いながら、メールなどの別のアプリケーションを使うということが生じている。
【0004】
しかしながら、持ち運び可能な携帯電話機等の機器は表示画面が狭く、パソコンのように複数のアプリケーションを画面を分割して同時に表示させることは、操作性や表示サイズなどに課題がある。そのため、別のアプリケーションを使っているときには、進行方向や方位を示すことができなかった。これら課題に対して、例えば、別のアプリケーションを使っているときは経路ナビゲーションを音声だけで行うなどの解決方法がある(特許文献2)。
【特許文献1】特開平2−254314号公報
【特許文献2】特開平7−121798号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2などの音声による経路ナビゲーションでは、使用している別のアプリケーションが音声を使用するものである場合は必ずしも有効でないなどの問題があり、上記のような不便さは今後多くの利用者が体験することから、改善の必要性はますます高まると考えられる。そのため、別画面表示や音声などの手段によらず、位置情報や方位情報を表示する方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、(1)本発明は、GUIを表示するためのディスプレイと、付与情報に応じて前記GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成するカーソル情報生成部と、を有する表示装置を提供する。(2)本発明は、方向を指し示すための指示情報を出力する指示情報出力部を有し、前記カーソル情報生成部が、付与情報として、前記指示情報出力部が出力する指示情報を含んだ付与情報を取得する付与情報取得手段を有する表示装置を提供する。(3)前記指示情報出力部が、経路案内処理手段、又は、方位測定処理手段を有することを特徴とする表示装置を提供する。(4)本発明は、前記カーソル情報生成部が、付与情報として、前記指示情報出力部が出力する指示情報以外の情報を含む付与情報に応じて前記生成を行なう表示装置を提供する。(5)本発明は、前記カーソル情報生成部が、カーソル情報として、付与情報に応じて、カーソルが本来指し示すべきGUI上の座標点を中心にカーソルを回転させて表示するための情報であるカーソル回転情報を生成するカーソル回転情報生成手段を有する表示装置を提供する。(6)本発明は、前記カーソル情報生成部が、カーソル情報として、付与情報に応じて、カーソルの形態を変化させてGUI上に表示するための情報であるカーソル形態情報を生成するカーソル形態情報生成手段を有する表示装置を提供する。(7)本発明は、前記カーソル情報生成部が、カーソルがGUI内で移動中であるか、移動中でないか判断する判断手段と、判断手段の判断結果に応じて付与情報に応じた生成を異ならせる状態依存生成手段と、を有する表示装置を提供する。(8)本発明は、前記カーソル情報生成部が、カーソルの図形全体が前記ディスプレイに常に表示されるように制御する全表示制御手段を有することを特徴とする表示装置を提供する。
【0007】
また、(9)本発明は、方向を指し示すための指示情報を出力する指示情報出力ステップと、前記指示情報出力ステップにて出力された指示情報を含んだ付与情報を取得する付与情報取得ステップと、取得した付与情報に応じてGUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成するカーソル情報生成ステップと、を有する表示装置の動作方法を提供する。(10)本発明は、前記カーソル情報生成ステップが、カーソルがGUI内で移動中であるか、移動中でないか判断する判断ステップと、判断手段の判断結果に応じて付与情報に応じた生成を異ならせる状態依存生成ステップと、を有する表示装置の動作方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
以上のような構成をとる本発明によって、表示画面が狭く、パソコンのように複数のアプリケーションを画面を分割して同時に表示させることの困難な持ち運び可能な携帯電話機等の機器において、使用中のアプリケーションの操作性を損なわず、位置情報や方位情報を使ったアプリケーションの方向表示を兼ねるカーソルを表示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施形態1は、主に請求項1について説明する。実施形態2は、主に請求項2から4、9について説明する。実施形態3は、主に請求項5について説明する。実施形態4は、主に請求項6について説明する。実施形態5は、主に請求項7、10について説明する。実施形態6は、主に請求項8について説明する。
【0010】
≪実施形態1≫
<実施形態1の概要>
本実施形態の表示装置は、方向表示を兼ねるカーソルを表示するためのカーソル情報を生成することができることを特徴とする。
【0011】
<実施形態1の構成>
図1に本実施形態での機能ブロックの一例を示した。本実施形態の「表示装置」(0100)は、「ディスプレイ」(0101)と、「カーソル情報生成部」(0102)を有する。
【0012】
本発明の構成要素である各部は、ハードウエア、ソフトウエア、ハードウエアとソフトウエアの両者、のいずれかによって構成される。例えば、これらを実現する一例として、コンピュータを利用する場合には、CPU、メモリ、バス、インターフェイス、周辺機器などから構成されるハードウエアと、それらのハードウエア上にて実行可能なソフトウエアを挙げることができる。具体的には、メモリ上に展開されたプログラムを順次実行することで、メモリ上のデータや、インターフェイスを介して入力されるデータの加工、蓄積、出力などにより、各部の機能が実現される。(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0013】
「表示装置」(0100)は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、ナビゲーション装置、ポータブルPCなどの持ち運ぶことのできる電子機器において、カーソルを表示するための装置をいう。「カーソル」とは、電子機器のディスプレイ内で操作を行う場合に、操作位置や操作対象を示すためのものであり、ディスプレイ上で文字を入力する場合の入力位置を示す印や、アイコンを選択するための矢印、文字などの選択枠などをいう。図2は、カーソルの例を示している。(1)(2)は、文字入力の際に点滅等して入力位置を示すカーソルである。0201及び0203は点灯中、0202及び0204は消灯中のカーソルを表示している。(3)(4)(5)は、それぞれアイコンを選択するための矢印などのポインタの例である。(6)は、作業中の行などの位置を示すカーソル(0205)である。(7)は、文字列と背景を反転させたり、背景の色を変化させることにより、文字列の選択を行う選択枠(0206)の例である。カーソルは、後述するカーソル情報生成部(0102)において生成され、GUI構成部(0110)によりディスプレイ(0101)に表示される。
【0014】
「ディスプレイ」(0101)には、GUI(Graphical User Interface)が表示される。「GUI」とは、ユーザに対する情報の表示にグラフィックを多用し、基礎的な操作をマウスなどのポインティングデバイスによって行なうことができるユーザインターフェースをいう。GUIを利用するためのプログラムを使用する電子機器のOSにより提供することによって、アプリケーションソフトの操作感の統一を図ることができる。通常GUIは、アプリケーションのプログラムにより選択されたデータを表示するための情報をGUIマネージャが受け取る。そして、受け取った情報をディスプレイドライバに出力することにより、該情報にて生成される画像等がディスプレイに表示される。
【0015】
なお、本発明のディスプレイは、GUIを表示することのできるものであればよく、特に限定されない。例えば、持ち運びが可能な機器に使用できる種々の液晶ディスプレイやELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを用いることができる。例えば、液晶ディスプレイの場合には、TFT(Thin Film Transistor)液晶や、STN(Super Twisted Nematic)液晶などが挙げられる。また、ディスプレイの表示及びプログラムの使用も特に限定されない。後述する方向表示のための付与情報を生成するアプリケーションが表示されている必要はなく、ブラウザ画面などが表示されていてもよい。また、二以上のプログラムを同時に使用していてもよい。この場合、ディスプレイ上において、どのプログラムによる表示を行っているかも問題とはならない。
【0016】
「カーソル情報生成部」(0102)は、付与情報に応じて、前記GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成するように構成されている。「カーソル情報」とは、GUIにて利用されるカーソルを表示するための情報をいい、カーソルの位置、大きさ、形態、色彩などを定める情報をいう。「方向表示を兼ねるカーソル情報」とは、方向表示を行うことができるようなカーソルを表示するための情報をいう。「方向表示」とは、進行方向や方位などの向きを示すための表示である。すなわち、方向表示を兼ねるカーソル情報とは、カーソルの位置、大きさ、形態、色彩などにより方向を示すことができるとともに、カーソル本来のディスプレイ上の文字やアイコン等を指し示すという機能を発揮することのできるカーソルを表示するための情報をいう。カーソル情報生成部は、このようなカーソル情報を付与情報に応じて生成する。「付与情報」とは、カーソル情報を生成するために利用することのできる種々の情報をいう。付与情報には、必ず方向表示のための情報が含まれており、さらにカーソルを用いるアプリケーションからの情報が含まれる。カーソルを用いるアプリケーションからの情報とは、方向表示機能を有さない、本来のカーソル表示のための情報をいう。カーソル情報生成部により、表示されていないアプリケーションからの方向表示に関する情報に基づき、表示されているアプリケーション上のカーソルを変更して表示することができるようになる。なお、ディスプレイ上の矢印等の向きは、ディスプレイの向きによって変化するため、固定された地図上の方向を示すものではなく、絶対的な方位を基準とした方向表示を行うことのできる付与情報に応じて生成されるカーソル情報であることが望ましい。絶対的な方位は、地磁気センサー等を用いることにより測定することができる。
【0017】
図3を用いて、従来のカーソルの表示方法の一例を説明する。まず、OS(0301)上にて、アプリケーション(APP、0303)を起動し、ディスプレイに表示して実行している場合について説明する。カーソル情報生成部(GUI構成部、0302)は、カーソル(0305)の情報をマウスドライバ等から取得すると、該情報をAPPに出力する。取得する情報は、例えば、カーソルの位置情報などが該当する。「GUI構成部」とは、GUIをディスプレイ上に表示するための構成であり、GUI表示のための回路、ソフトウエア等により構成されている。カーソル情報生成部は、GUI構成部の一部であり、ディスプレイに表示するGUIのうち、カーソルに関する情報の生成を行っている。マウスドライバ等から取得した該情報を受け取ったAPPでは、カーソルの変更プログラムに従い、OS(0301)から所定の関数F(0304)を呼び出す。APPは呼び出した関数を実行し、算出結果を再度カーソル情報生成部に出力する。例えば、位置情報とカーソルの形態とを関連付けた関数を呼び出す。そして、カーソルの形態を変更すべきであるという位置情報であった場合には、カーソルの形態を変更するとういう結果をGUI構成部に出力する。GUI構成部は、受け取った結果に基づき、カーソル(0305)を表示する。
【0018】
図4を用いて、本発明を用いたカーソルの生成方法の一例を説明する。通常、アプリケーションa(APPa、0403)は、図3にて説明したように、OS(0401)から呼び出した関数Fa(0405)を用いてカーソルの表示のための処理を行い、(1)のようなカーソル(0407)を表示している。このとき、(2)のような進行方向(0408)を示すことのできるアプリケーションb(APPb、0404)を、ディスプレイに表示せずに実行しているものとする。APPbにおいても、関数Fb(0406)を用いて方向表示に関する処理を行い、該結果をGUI構成部(0402)に出力する。このAPPaからの処理結果とAPPbからの処理結果とが、付与情報に該当する。GUI構成部は、APPaからの処理結果とAPPbからの処理結果(付与情報)に基づき、APPaにて利用するカーソルを生成するためのカーソル情報を生成する。生成したカーソル情報をディスプレイドライバを介してディスプレイに表示することにより、(3)のように、方向表示を兼ねるカーソル(0409)を表示することができる。
【0019】
付与情報は、通信などの手段により外部から取得するものであってもよいし、表示装置内で生成して取得するものであってもよい。また、付与情報は一に限られず、二以上の付与情報であってもよい。付与情報が二以上である場合には、同一のプログラムから取得した情報であっても、別のプログラムから取得した情報であってもよい。カーソル情報生成部は、図5のような付与情報とカーソル情報を対応させたテーブルを保持することにより、付与情報に応じたカーソル情報を生成することができる。例えば、付与情報が方位を示す情報であり、カーソル情報が矢印のカーソルの指し示す向き決定する情報である場合に、付与情報bを取得しカーソル情報2を生成する流れを、図6を用いて説明する。付与情報bとして、図6(1)に示すような、北東を示すための情報(中心位置からの角度、0601)と、マウスドライバからディスプレイ上のカーソルの位置(カーソル矢印の先端座標、0602)を取得した場合には、カーソル情報2として、(2)のような矢印の先端が北東を指し示すようなカーソルを生成するためのカーソル情報が選択される。具体的には、カーソル情報として、ディスプレイ上のカーソルの先端座標(x,y)と根元座標(x,y)を与える情報が生成される。なお、図5に示すように、付与情報とカーソル情報は1対1対応でなくてもよい。
【0020】
図7は、本実施形態の表示装置のハードウエア構成の一例を表す図である。この図を用いて、付与情報に応じてカーソル情報を生成する表示装置の動作を説明する。本実施形態の表示装置は、「CPU」(0701)、「HDD」(0702)、「ROM」(0703)、「RAM」(0704)、「ディスプレイ」(0705)、「GUI」(0706)などを備え、それらが「システムバス」(0707)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。本発明の各部は、カーソル情報生成部は、「CPU」(0701)、「HDD」(0702)、「ROM」(0703)、「RAM」(0704)などから構成されていると表すことができる。また、HDD(0702)を用いず、ROM(0703)やRAM(0704)に記録する構成としてもよい。まず、CPU(0701)は、ROM(0703)の所定のアドレスに格納されているカーソル情報生成プログラムを起動し、付与情報をRAM(0704)の所定の領域に格納する。そしてHDD(0702)に格納された付与情報とカーソル情報を対応付けたテーブルから、カーソル情報をRAMに読み込む。読み込まれたカーソル情報は、GUI(0706)により利用され、カーソル情報に基づいてディスプレイ(0705)にカーソルが表示される。
【0021】
<実施形態1の処理の流れ>
図8は、実施形態1の処理の流れの一例を示した図である。まず、カーソル情報生成部は、付与情報を取得し(S0801)、取得した付与情報に応じて、GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成する(S0802)。そして、生成したカーソル情報を用いて、GUIが表示されたディスプレイにカーソルを表示する(S0803)。
【0022】
以上の処理は、計算機に実行させるためのプログラムで実行させることができ、また、このプログラムを計算機によって読み取り可能な記録媒体に記録することができる(本明細書の全体を通して同様である)。
【0023】
<実施形態1の効果>
本実施形態の表示装置により、付与情報に応じて、方向表示を兼ねるカーソル情報を生成することができる。これにより、表示画面が小さく、複数のアプリケーションを同時に表示することの難しい機器においても、方向表示を行うアプリケーションを表示することなく、方向を知ることができる。
【0024】
≪実施形態2≫
<実施形態2の概要>
本実施形態の表示装置は、経路ナビゲーションや電子コンパスなどから指示情報を取得し、該指示情報を含んだ付与情報に応じたカーソル情報を生成することができることを特徴とする。
【0025】
<実施形態2の構成>
図9に本実施形態での機能ブロックの一例を示した。本実施形態の「表示装置」(0900)は、「ディスプレイ」(0901)と、「カーソル情報生成部」(0902)と、「指示情報出力部」(0903)とを有し、さらにカーソル情報生成部が、「付与情報取得手段」(0904)を有することを特徴とする。また、好ましくは、指示情報出力部が「経路案内処理手段」(0905)又は「方位測定処理手段」(0906)を有する。
【0026】
「指示情報出力部」(0903)は、指示情報を出力するように構成されている。「指示情報」とは、方向を指し示すための情報をいう。例えば、右折・左折・斜め右方向といった進行方向や、北・南・南西、といった方位などの情報が該当する。指示情報を出力するタイミングは、特に限定されない。常時又は一定期間毎に、あるいは、ユーザの移動等により変化した時に、指示情報を出力するようにすることができる。指示情報出力部の出力する指示情報は、「経路案内処理手段」(0405)又は「方位測定処理手段」(0906)により生成・取得することができる。
【0027】
「経路案内処理手段」(0905)は、目的位置までの経路案内のための処理を行うように構成されている。経路案内処理手段に該当する装置としては、ナビゲーション装置が挙げられる。「経路案内のための処理」とは、例えば、経路案内のために進行方向を示すための情報や、周辺の情報、音声による経路案内を行うための情報などを生成又は取得することをいう。経路案内に用いる情報は、現在位置情報及び目的位置情報から生成することができる。現在位置情報は、GPS(Global Positioning System)、AGPS(Assisted GPS)、VICS(Vehicle Information and Communication System)などから取得する。また、自立移動支援システムなどに用いられる、案内板や標識、誘導ブロックなどに設置されたICタグ等の通信装置から現在位置情報を取得してもよい。目的位置情報は、ユーザが住所や郵便番号などを直接入力する方法であってもよいし、バーコードなどから取得してもよい。このようにして取得した現在位置情報及び目的位置情報を用いて、経路案内処理手段により現在位置から目的位置までの経路案内を行う。指示情報出力部(0903)は、経路案内処理手段によって生成又は取得した経路案内のための情報の中から、指示情報を出力する。経路案内処理手段の中の指示情報とは、例えば、右折、左折、斜め右方向といった進行方向に関する情報、及び北・南といった方位に関する情報が該当する。この時、ディスプレイ上に該指示情報を用いた経路案内が表示されている必要はなく、マルチタスクを行うことのできる端末においては、バックグラウンドにて起動のみしている状態であってもよいし、音声のみによる経路案内を行っている状態であってもよい。
【0028】
「方位測定処理手段」(0906)は、現在位置の方位測定のための処理を行うように構成されている。方位測定処理手段に該当する装置としては、例えば、電子コンパス装置が挙げられる。電子コンパスとは、地球が生じている南北の地磁気を検出するMR(Magneto Resistance:磁気抵抗効果)素子やMI(Magneto Impedance:磁気インピーダンス)素子などの半導体を用いた地磁気センサー(方位センサー)をいう。「方位測定のための処理」とは、地磁気センサーにより検出した地磁気から、方位を算出することをいう。指示情報出力部は、方位測定処理手段によって取得した方位測定結果の中から、指示情報を出力する。方位測定処理手段の測定結果の中の指示情報とは、例えば、ディスプレイに磁針を表示するための情報が該当する。この時、ディスプレイ上に該指示情報である方位測定結果が表示されている必要はなく、マルチタスクを行うことのできる端末において、バックグラウンドにて起動のみしている状態や、音声による案内を行っている状態であってもよい。
【0029】
「付与情報取得手段」(0904)は、カーソル情報生成部(0902)の有する手段であり、付与情報として、前記指示情報出力部が出力する指示情報を含んだ付与情報を取得するように構成されている。付与情報取得手段によって取得される付与情報は、指示情報のみであってもよいし、指示情報以外の情報を含んでいてもよい。例えば、指示情報出力部の経路案内処理手段によって生成された「右ななめ上方向」という指示情報を付与情報として取得する。この場合には、カーソル情報生成部は、「右ななめ上方向」に対応した方向表示を兼ねるカーソル情報を生成する。図10を用いて、本実施形態のカーソル情報の生成方法を説明する。(1)は、GUIにおいて通常のカーソル(1001)を表示している場合を示している。また、別に経路ナビゲーションを行い、(2)に示すように、右ななめ上方向の進行方向(1002)が示されている。この時、本実施形態の表示装置は、経路案内処理手段により「右ななめ上方向」という指示情報を取得し、方向表示を兼ねるカーソル情報を生成し、(3)に示すような右ななめ上方向を指し示すカーソル(1003)がディスプレイに表示する。また、経路案内処理手段や方位測定処理手段により生成又は取得され、指示情報出力部から出力される指示情報は、ユーザの移動等により常時変化するため、付与情報取得手段は、常に、又は所定の期間ごとに指示情報を取得するようにする。これにより、カーソル情報生成部も最新の指示情報に応じたカーソル情報を生成することができる。また、方向表示としてのカーソルの向きは、ディスプレイの向きによって変化するため、固定された地図上の方向を示すものではなく、絶対的な方位を基準とした方向表示を行うことのできる指示情報であることが望ましい。このような指示情報を含む付与情報を取得することにより、該付与情報に応じて生成されるカーソル情報においても、ディスプレイの向きによらない絶対的な方向表示を行うことのできる情報とすることができる。指示情報が絶対的な方向表示を行うための情報でない場合には、カーソル情報生成部において、絶対的な方向表示を行うことのできるカーソル情報を生成するようにすればよい(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0030】
また、本実施形態の「カーソル情報生成部」(0902)は、付与情報として、前記指示情報出力部(0903)が出力する指示情報以外の情報を含む付与情報に応じて前記生成を行なうように構成されていてもよい。「指示情報以外の情報」とは、方向に関する情報以外の情報をいう。例えば、経路案内において、経由地であるという情報、目的地付近であるという情報や、目的地であるという情報、到着予定時刻が迫っているという情報などが挙げられる。カーソル情報生成部は、このような指示情報以外の情報を含む付与情報を取得することにより、指示情報及び指示情報以外の情報に応じたカーソル情報を生成する。このとき、カーソル情報生成部は、付与情報(指示情報及び指示情報以外の情報)とカーソル情報を対応させたテーブルを保持し、該テーブルを用いて取得した付与情報からカーソル情報を生成する。
【0031】
図11は、本実施形態の表示装置のハードウエア構成の一例を表す図である。この図を用いて、指示情報として経路ナビゲーションの方向情報を取得し、その指示情報に応じてカーソル情報を生成する場合の動作を説明する。本実施形態の表示装置は、「CPU」(1101)、「HDD」(1102)、「ROM」(1103)、「I/O」(1104)、「RAM」(1105)、「GPSアンテナ」(1106)、「通信アンテナ」(1107)、「ディスプレイ」(1108)、「GUI」(1109)、などを備え、それらが「システムバス」(1110)などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。本発明の各部は、指示情報出力部及び経路案内処理手段は、「CPU」(1101)、「ROM」(1103)、「I/O」(1104)、「RAM」(1105)、「GPSアンテナ」(1106)、「通信アンテナ」(1107)、カーソル情報生成部及び付与情報取得手段は、「CPU」(1101)、「HDD」(1102)、「ROM」(1103)などから構成されていると表すことができる。また、HDD(1102)を用いず、ROM(1103)やRAM(1105)に記録する構成としてもよい。
【0032】
指示情報は、経路案内ための情報中に含まれるため、前提として経路案内用の情報の取得を行っているものとする。この経路案内用の情報の取得についても簡単に説明する。まず、利用者の操作により、CPU(1101)は、ROM(1103)の所定のアドレスに格納されている経路案内手段であるナビゲーションプログラムを起動し、利用者に目的位置の設定を促す。目的位置情報がI/O(1104)を介して、RAM(1105)に格納されると、CPU(1101)は、ナビゲーションプログラムに従い、所定の間隔でGPSアンテナ(1106)からGPS信号を受信する。受信したGPS信号は一旦RAMに保持し、保持されたGPS信号に基づいて現在位置を取得する。現在位置の取得は、外部取得の場合には保持されたGPS信号を通信アンテナ(1107)を介して一旦外部に送信し、送信先が計算を行なって、結果を受信し、RAMに格納する。次に、RAMに格納されている目的位置情報と、RAMに保存されている現在位置情報とに基づいてナビゲーションプログラム中のルート算出プログラムを用いて現在位置から目的位置に達するルートを算出し、RAMに格納する。なお、このルートの算出までも含めて外部で計算を行い、算出されたルートを示す情報のみを外部から取得するように構成してもよい。その場合には、外部から受信するルート情報をRAMに格納する。このルート情報に基づいて、目的地までのナビゲーションを行うための情報を取得する。そして、RAMに格納されている現在地を含む地図情報とルート情報とから次に利用者が取るべき行動、例えば右折する、左折する、直進するなどの情報をCPUの計算により取得し、これを実際に利用者に示すべき情報にナビゲーションプログラムの中の経路案内を生成するためのプログラムによって変換して、経路案内用の情報としてRAMに格納する。CPUは、ROMの所定のアドレスに格納されているカーソル情報生成プログラムを起動し、RAMに格納された経路案内用の情報の中から指示情報を出力し、新たに指示情報としてRAMに格納する。これにより、CPUは、HDD(1102)に格納された指示情報とカーソル情報を対応付けたテーブルから、カーソル情報をRAMに読み込む。読み込まれたカーソル情報は、GUI(1109)により利用され、ディスプレイ(1108)に表示される。
【0033】
<実施形態2の処理の流れ>
図12は、実施形態1の処理の流れの一例を示した図である。まず、指示情報出力部は、方向を指し示すための指示情報を出力する(指示情報出力ステップ S1201)。カーソル情報生成部は、S1201にて出力された指示情報を含んだ付与情報を取得する(付与情報取得ステップ S1202)。そして、S1202にて取得した付与情報に応じて、GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成する(カーソル情報生成ステップ S1203)。最後に、生成したカーソル情報を用いて、GUIが表示されたディスプレイにカーソルを表示する(S1204)。
【0034】
<実施形態2の効果>
本実施形態の表示装置によれば、経路ナビゲーションや電子コンパスのようなアプリケーションの指示情報に応じて、方向表示を兼ねるカーソル情報を生成することができる。これにより、表示画面が小さく、複数のアプリケーションを同時に表示することの難しい機器においても、方向表示を行うアプリケーションを表示することなく、方向を知ることができる。
【0035】
≪実施形態3≫
<実施形態3の概要>
本実施形態の表示装置は、カーソルが方向表示を兼ねることにより、本来のカーソルよりもカーソルの指示点の視認性が低下することを防ぐため、カーソル回転情報生成手段を有しており、カーソルの指示点を変更することなく表示することができることを特徴とする。
<実施形態3の構成>
図13に本実施形態での機能ブロックの一例を示した。本実施形態の「表示装置」(1300)は、実施形態1を基本とし、「ディスプレイ」(1301)と、「カーソル情報生成部」(1302)とを有し、さらにカーソル情報生成部が、「カーソル回転情報生成手段」(1303)を有することを特徴とする。本実施形態においては、実施形態1を基本としているが、実施形態2を基本とするものであってもよい。
【0036】
「カーソル回転情報生成手段」(1303)は、カーソル情報生成部(1302)の有する手段であり、付与情報に応じて、GUI(1310)にて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報として、カーソル回転情報を生成するように構成されている。カーソル情報は付与情報に応じて生成されるため、付与情報が変更した場合には、カーソルの指し示す向きも同様に変更される場合がある。図14は、カーソルの回転軸をカーソル図形の中心とした場合の例を示している。この場合には、指し示す方向が変わった場合には、同じ位置であっても、カーソルは(1)のように表示されることになる。例えば、図14(2)に示すように、方向表示として左上を指しているカーソルの場合と、方向表示として右上を表示している場合とで、指し示している文字が「あ」と「い」のように変わってしまうことになる。また、カーソルの回転軸をカーソル図形の重心とした場合であっても、同様の問題が生じる。そこで、カーソル回転情報生成手段は、上記のようにカーソルの指示点の的確性および視認性を損なわないようにするため、カーソル回転情報を生成する。「カーソル回転情報」とは、カーソルが本来指し示すべきGUI上の座標点を中心にカーソルを回転させて表示するための情報をいう。図15(1)に示すように、カーソルが本来指し示すべきGUI上の座標点を中心に回転させることにより、付与情報が変更され、方向表示としてのカーソルの向きが変更された場合であっても、カーソル本来の機能が損なわれることがない。図15(2)の場合には、方向表示として左上を指している場合から右上を指している場合に変化した場合であっても、指し示してる文字は「い」と変化することがない。
【0037】
本実施形態の表示装置のハードウエア構成は、実施形態1と同様であるため、図7を用いて、付与情報に応じてカーソル回転情報を生成する表示装置の動作を説明する。カーソル回転情報生成手段は、「CPU」(0701)、「HDD」(0702)、「ROM」(0703)、「RAM」(0704)などから構成されていると表すことができる。また、実施形態1と同様に、HDD(0702)を用いず、ROM(0703)やRAM(0704)に記録する構成としてもよい。まず、CPU(0701)は、ROM(0703)の所定のアドレスに格納されているカーソル回転情報生成プログラムを起動し、付与情報をRAM(0704)の所定の領域に格納する。このとき、付与情報として、カーソルが指し示すGUI上の座標情報を必ずを取得するようにする。そしてHDD(0702)に格納された付与情報とカーソル情報を対応付けたテーブルから、カーソル情報をRAMに読み込む。この対応付けのテーブルはこの実施形態1にて説明したテーブルと同一のものでもよい。また、テーブルではなく、付与情報に基づいて計算によりカーソル情報を算出するものであってもよい。さらに、CPUは、生成したカーソル情報で示されるカーソルの先端座標を、付与情報に含まれるカーソルが指し示すGUI上の座標へと移動させ、カーソル回転情報として、RAMに読み込む。最後に、読み込まれたカーソル回転情報は、GUI(0706)により利用され、カーソル回転情報に基づいてディスプレイ(0705)にカーソルが表示される。
【0038】
<実施形態3の処理の流れ>
実施形態3の処理の流れは、図8と同様であり、カーソル情報としてカーソル回転情報を生成する点のみ異なっている。まず、カーソル情報生成部は、付与情報を取得する(S0801)。そして、取得した付与情報に応じて、GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるとともに、カーソルが本来指し示すべきGUI上の座標点を中心にカーソルを回転させて表示するためのカーソル回転情報を生成する(S0802)。最後に、生成したカーソル回転情報を用いて、GUIが表示されたディスプレイにカーソルを表示する(S0803)。
【0039】
<実施形態3の効果>
本実施形態の表示装置によれば、カーソルの指示点を変更することなく方向表示を兼ねるカーソルを表示することができる。これにより、方向表示としてのカーソルの指示方向が変化した場合であっても、本来のカーソルよりもカーソルの指示点の的確性および視認性が低下することがない。
【0040】
≪実施形態4≫
<実施形態4の概要>
本実施形態の表示装置は、カーソルが方向表示を兼ねていることを認識しやすくするため、方向表示を兼ねるカーソルの形態を、通常のカーソルとは異なる形態とすることができることを特徴とする。
【0041】
<実施形態4の構成>
図16に本実施形態での機能ブロックの一例を示した。本実施形態の「表示装置」(1600)は、「ディスプレイ」(1601)と、「カーソル情報生成部」(1602)とを有し、さらにカーソル情報生成部が、「カーソル形態情報生成手段」(1603)を有することを特徴とする。本実施形態においては、実施形態1を基本としているが、その他の実施形態を基本とするものであってもよい。
【0042】
「カーソル形態情報生成手段」(1603)は、カーソル情報生成部(1602)の有する手段であり、付与情報に応じて、GUI(1610)にて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報として、カーソル形態情報を生成するように構成されている。「カーソル形態情報」とは、カーソルの形態を変化させてGUI(1610)上に表示するための情報をいう。カーソルの形態とは、例えば、カーソルの形、色彩、模様、大きさ、点滅、明滅などをいう。カーソルの形態を変化させることにより、通常のカーソルと、方向表示を兼ねるカーソルとを区別することができる。図17は、カーソルの形態変化の例を示している。例えば、(1)のように、通常のカーソル(1701)とは異なる色のカーソル(1702)としたり、(2)のように大きなカーソル(1703)としたりすることができる。また、経路案内処理手段から取得した指示情報が右折という指示情報であった場合には、(3)のように右に曲がったカーソル(1704)の形態とすると、方向表示を的確に認識することができる。また、方位測定処理手段から指示情報を取得した場合には、(4)のように方位を示すようなカーソル(1705)の形態としてもよい。この場合には、下方向が北であることを示している。また、通常よりも大きなカーソルとした場合には、カーソルの下に文字やアイコン等が隠れてしまうため、例えば、カーソルを枠線のみの形態や、半透明の形態とすることにより、カーソル本来の機能を損なわれることはない。方向表示を兼ねるカーソルの形態は、例えば、経路案内処理手段から取得した指示情報を含む付与情報を取得した場合には、カーソルの色を青色とし、方位測定処理手段から指示情報を含む付与情報を取得した場合には、カーソルを図17(4)に示すようなカーソル形態とするといったように、デフォルトとして設定してもよい。また、ユーザがどのようなカーソル形態とするか選択するようにしてもよい。また、実施形態2において説明したように、付与情報が指示情報以外の情報を含んだ情報である場合には、その場合にのみ異なる形態となるようにすることができる。例えば、目的地付近である場合に、カーソルを点滅させたり、色彩を変更させたりすることができる。
【0043】
本実施形態の表示装置のハードウエア構成は、実施形態1と同様であるため、図7を用いて、付与情報に応じてカーソル形態情報を生成する表示装置の動作を説明する。カーソル形態情報生成手段は、「CPU」(0701)、「HDD」(0702)、「ROM」(0703)、「RAM」(0704)などから構成されていると表すことができる。また、実施形態1と同様に、HDD(0702)を用いず、ROM(0703)やRAM(0704)に記録する構成としてもよい。まず、CPU(0701)は、ROM(0703)の所定のアドレスに格納されているカーソル形態情報生成プログラムを起動し、付与情報をRAM(0704)の所定の領域に格納する。そしてHDD(0702)に格納された付与情報とカーソル形態情報を対応付けたテーブルから、カーソル形態情報をRAMに読み込む。該テーブルは、付与情報を取得した場合のデフォルトのテーブルであってもよいし、ユーザが選択したテーブルを用いてもよい。そして、読み込まれたカーソル形態情報は、GUI(0706)により利用され、カーソル形態情報に基づいてディスプレイ(0705)にカーソルが表示される。
【0044】
<実施形態4の処理の流れ>
実施形態4の処理の流れは、図8と同様であり、カーソル情報としてカーソル形態情報を生成する点のみ異なっている。まず、カーソル情報生成部は、付与情報を取得する(S0801)。そして、取得した付与情報に応じて、GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるとともに、カーソルの形態を変化させてGUI上に表示するための情報であるカーソル形態情報を生成する(S0802)。最後に、生成したカーソル形態情報を用いて、GUIが表示されたディスプレイにカーソルを表示する(S0803)。
【0045】
<実施形態4の効果>
本実施形態の表示装置によれば、方向表示を兼ねるカーソルの形態を、通常のカーソルとは異なる形態とすることができる。これにより、カーソルが方向表示を兼ねていることを認識しやすくなる。また、他のアプリケーションのカーソルの指示点の的確性および視認性に影響が出ないようなカーソルの形態に変更することもできる。
【0046】
≪実施形態5≫
<実施形態5の概要>
方向表示の変化とカーソルの移動とが同時に起こった場合には、カーソルの変化が予測できず、カーソルの指示点の視認性が悪くなる。本実施形態のカール表示装置は、カーソルがGUI内を移動中であるかどうかを判断し、その結果に応じてカーソル情報の生成を行うことを特徴とする。
【0047】
<実施形態5の構成>
図18に本実施形態での機能ブロックの一例を示した。本実施形態の「表示装置」(1800)は、実施形態1を基本とし、「ディスプレイ」(1801)と、「カーソル情報生成部」(1802)を有し、さらにカーソル情報生成部が、「判断手段」(1803)と、「状態依存生成手段」(1804)を有することを特徴とする。本実施形態においては、実施形態1を基本としているが、その他の実施形態を基本とするものであってもよい。
【0048】
「判断手段」(1803)は、カーソル情報生成部(1804)の有する手段であり、カーソルがGUI(1810)内で移動中であるか、移動中でないか判断するように構成されている。GUI内での移動は、マウスドライバによりカーソルの指し示すGUI内の座標を取得し、その座標の変化により判断することができる。
【0049】
「状態依存生成手段」(1804)は、カーソル情報生成部(1802)の有する手段であり、判断手段(1803)の判断結果に応じて、付与情報に応じた生成を異ならせるように構成されている。すなわち、カーソルがGUI内を移動中であるという判断結果である場合と、カーソルがGUI内で静止しているという判断結果である場合とで、異なるカーソル情報を生成する。図19は、方向表示としてのカーソル形態が左方向から上方向を経由して右上方向まで変化する間に、カーソルの位置をGUI内を横にaからeまで移動させた場合を示している。方向表示としてのカーソルの指示方向が変化している場合に、カーソルがGUI内で移動した場合には、(1)に示すように、カーソルのディスプレイ上の位置及び向きが同時に変更されるため、指し示す位置を特定しづらくなる。そのため、例えば、カーソルがGUI内で移動中である場合には、(2)に示すように、移動中に取得した付与情報に応じては新たなカーソル情報を生成しないようにすることができる。この場合には、方向表示としてのカーソルに変化しているかが不明となるため、(3)に示すように、移動中に取得した付与情報に応じてはカーソル情報を生成しないが、模様を変えるなどのカーソル形態を変化させるようにしてもよい。また別の例として、カーソルがGUI内で移動中である場合には、(4)に示すように、付与情報に応じた生成を行わないようにしてもよい。これにより、カーソルの移動中には、方向表示としてのカーソルには変化がなく、カーソルの指示点の視認性を損なうことがない。
【0050】
本実施形態の表示装置のハードウエア構成は、実施形態1と同様であるため、図7を用いて、カーソルの状態に応じたカーソル情報を生成する表示装置の動作を説明する。判断手段は、「CPU」(0701)、「ROM」(0703)、「RAM」(0704)など、状態依存生成手段は、「CPU」(0701)、「HDD」(0702)、「ROM」(0703)、「RAM」(0704)から構成されていると表すことができる。また、実施形態1と同様に、HDD(0702)を用いず、ROM(0703)やRAM(0704)に記録する構成としてもよい。まず、CPU(0701)は、ROM(0703)の所定のアドレスに格納されているカーソル情報生成プログラムを起動し、付与情報をRAM(0704)の所定の領域に格納する。また、CPUは、マウスドライバからカーソルの指し示しているGUI上の座標情報を常に取得し、RAMに格納する。そして、次に取得した座標情報と比較し、変化している場合には、カーソルが移動中であるとの判断結果として「1」のフラグを、座標情報が変化していない場合には、カーソルが移動中でないとの判断結果として「0」のフラグを付与情報に立てる。次に、CPUは、「1」又は「0」のフラグに対応したHDD(0702)に格納された付与情報とカーソル情報を対応付けたテーブルを用いて、カーソル情報をRAMに読み込む。「1」に対応付けられているテーブルとしては、例えば、移動前とは異なる色のカーソルを表示するためのカーソル情報が対応付けられたテーブルや、指示情報を含まないカーソル情報に対応付けられているテーブルなどが挙げられる。該テーブルは、付与情報を取得した場合のデフォルトのテーブルであってもよいし、ユーザが選択したテーブルを用いてもよい。そして、読み込まれたカーソル情報は、GUI(0706)により利用され、カーソル情報に基づいてディスプレイ(0705)にカーソルが表示される。
【0051】
<実施形態5の処理の流れ>
図20は、実施形態5の処理の流れの一例を示した図である。まず、カーソル情報生成部は、付与情報を取得する(S2001)。そして、カーソルがGUI内で移動中であるかを判断する(判断ステップ S2002)。カーソルが移動中であるという判定結果である場合には(S2002YES)、取得した付与情報及びカーソルが移動中であるという判定結果に応じて、GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成する(状態依存生成ステップ S2003)。逆に、カーソルが移動中でないという判定結果である場合には(S2002NO)、取得した付与情報及びカーソルが移動中でないという判定結果に応じて、GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成する(状態依存生成ステップ S2004)。最後に、それぞれ生成したカーソル情報を用いて、GUIが表示されたディスプレイにカーソルを表示する(S2005)。
【0052】
<実施形態5の効果>
本実施形態の表示装置によれば、カーソルがGUI内を移動中であるかどうかを判断し、カーソル情報の生成を異ならせることができる。これにより、方向表示の変化とカーソルの移動とが同時に起こった場合に、カーソルの指示点の的確性および視認性が悪くなることを防ぐことができる。
【0053】
≪実施形態6≫
<実施形態6の概要>
カーソルが方向表示を兼ねることにより、ディスプレイの端を指示したい場合にカーソルが表示されないという事態が生じる可能性がある。そのため、本実施形態の表示装置は、カーソルの図形全体がディスプレイに常に表示されるように制御することを特徴とする。
【0054】
<実施形態6の構成>
図21に本実施形態での機能ブロックの一例を示した。本実施形態の「表示装置」(2100)は、実施形態1を基本とし、「ディスプレイ」(2101)と、「カーソル情報生成部」(2102)を有し、さらにカーソル情報生成部が、「全表示制御手段」(2103)を有することを特徴とする。本実施形態においては、実施形態1を基本としているが、その他の実施形態を基本とするものであってもよい。
【0055】
「全表示制御手段」(2103)は、カーソル情報生成部(2102)の有する手段であり、カーソルの図形全体が前記ディスプレイ(2101)に常に表示されるように制御するように構成されている。図22に示すように、カーソル本来の機能としてディスプレイの左端のアイコン(図においては「戻る」のアイコン)を指し示したい場合に、方向表示としてのカーソルが右上方向を表示するものである場合には、カーソル(2201)がディスプレイ上に表示されなくなってしまう。そのため、全表示制御手段は、カーソルの図形全体が前記ディスプレイに常に表示されるように制御する。例えば、図22(2)に示すように、ディスプレイ上に表示されている画面全体(2203)を右方向へスクロールさせることによって、カーソル(2202)の図形全体が表示されるように制御することができる。また、図22(3)に示すように、画面全体でなくユーザインターフェース的に常時視認可能である方が利便性が高くなる部分を除いた範囲の画面(2205)を、右方向へスクロールさせることによって、カーソル(2204)の図形全体が前記ディスプレイに常に表示されるように制御するようにしてもよい。さらに、カーソルの形態をディスプレイに表示されるように変更するとともに、変更したことを認識できるような形態とするように制御してもよい。例えば、カーソルがディスプレイ内に表示される向きのカーソルとするとともに、カーソルを点滅させるようにすることにより、ユーザはカーソルが方向表示を兼ねていないことを認識することができる。
【0056】
図23を用いて、画面のスクロール処理の方法の一例を説明する。図に示したスクロール処理の方法は一例であり、これに限られるものではない。また、本実施形態の表示装置のハードウエア構成は、実施形態1と同様であるため、図7を用いて説明する。全表示制御手段は、「CPU」(0701)、「HDD」(0702)、「ROM」(0703)、「RAM」(0704)などから構成されていると表すことができる。まず、カーソルのGUI(0706)内での位置を、図23(1)に示すように、ディスプレイを5つの領域に分割して判断する。各領域は、ディスプレイの座標により指定され、ディスプレイ上部をA領域、右部をB領域、下部をC領域、左部をD領域、その他(中央)をE領域としている。CPU(0701)は、ROM(0703)の所定の領域に格納されている全表示制御プログラムを起動し、マウスドライバによりカーソルの根元座標及び先端座標がどの領域にあるかの情報を取得し、RAM(0704)に読み込む。さらに、カーソルの移動方向情報を取得し、RAMに読み込む。カーソルの移動方向情報は、カーソル先端座標を所定時間毎に取得し、座標情報から進んだ方向をベクトルとして取得するようにする。これにより、カーソルの移動方向を知ることができる。すると、CPUは、図23(2)に示すような、HDD(0702)に格納されたカーソルの位置と移動方向から画面のスクロール方向を算出するためのテーブルを用いて、スクロール方向をRAMに読み込む。例えば、カーソルがA領域にある場合に、上方向にカーソルが移動した場合には、画面を下方向にスクロール処理する。このとき、画面をスクロールさせる幅は、カーソルの根元座標及び先端座標の両方がGUI内に入るように計算を行う。このような処理を行うことにより、カーソルを、常にディスプレイ(0705)内に表示することができる。
【0057】
<実施形態6の処理の流れ>
図24は、実施形態6の処理の流れの一例を示した図である。まず、カーソルの座標情報及びカーソルの移動方向情報を取得する(S2401、S2402)。そして、取得した座標情報と移動方向情報に基づき、カーソルの一部が画面からはみ出す位置に移動する可能性があるかを判断する(S2403)。判断結果が、画面からはみ出す可能性があるという結果である場合には(S2403YES)、画面全体をディスプレイに対してスクロール処理する(S2404)。そして、スクロール処理後のGUIにカーソル情報に基づくカーソルを表示する(S2405)。
【0058】
<実施形態6の効果>
本実施形態の表示装置によれば、カーソルの図形全体を常にディスプレイに表示することができる。これにより、カーソルが方向表示を兼ねることによってカーソルの指示点の視認性が悪くなることを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】実施形態1を説明する機能ブロック図
【図2】カーソルの例
【図3】従来のGUIによるカーソル情報の生成方法の一例
【図4】本発明のGUIによるカーソル情報の生成方法の一例
【図5】付与情報とカーソル情報とを対応付けたテーブルの一例
【図6】実施形態1のカーソル情報の生成方法の一例
【図7】実施形態1のハードウエア構成の一例
【図8】実施形態1の処理の流れを説明する図
【図9】実施形態2を説明する機能ブロック図
【図10】方向表示を兼ねるカーソルの一例
【図11】実施形態2のハードウエア構成の一例
【図12】実施形態2の処理の流れを説明する図
【図13】実施形態3を説明する機能ブロック図
【図14】カーソルの回転軸が図形の中心にある場合の指示例
【図15】実施形態3のカーソルの指示例
【図16】実施形態4を説明する機能ブロック図
【図17】カーソルの形態変化の例
【図18】実施形態5を説明する機能ブロック図
【図19】カーソルの移動に伴う変化の例
【図20】実施形態5の処理の流れを説明する図
【図21】実施形態6を説明する機能ブロック図
【図22】全表示制御の一例
【図23】画面のスクロール処理判断の一例を説明する図
【図24】実施形態6の処理の流れを説明する図
【符号の説明】
【0060】
0900 表示装置
0901 ディスプレイ
0902 カーソル情報生成部
0903 指示情報出力部
0904 付与情報取得手段
0905 経路案内処理手段
0906 方位測定処理手段
0910 GUI構成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GUIを表示するためのディスプレイと、
付与情報に応じて前記GUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成するカーソル情報生成部と、
を有する表示装置。
【請求項2】
方向を指し示すための指示情報を出力する指示情報出力部を有し、
前記カーソル情報生成部は、
付与情報として、前記指示情報出力部が出力する指示情報を含んだ付与情報を取得する付与情報取得手段を有する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記指示情報出力部は、経路案内処理手段又は、方位測定処理手段を有することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記カーソル情報生成部は、付与情報として、前記指示情報出力部が出力する指示情報以外の情報を含む付与情報に応じて前記生成を行なう請求項2又は3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記カーソル情報生成部は、
カーソル情報として、付与情報に応じて、カーソルが本来指し示すべきGUI上の座標点を中心にカーソルを回転させて表示するための情報であるカーソル回転情報を生成するカーソル回転情報生成手段を有する請求項1から4のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項6】
前記カーソル情報生成部は、
カーソル情報として、付与情報に応じて、カーソルの形態を変化させてGUI上に表示するための情報であるカーソル形態情報を生成するカーソル形態情報生成手段を有する請求項1から5のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項7】
前記カーソル情報生成部は、
カーソルがGUI内で移動中であるか、移動中でないか判断する判断手段と、
判断手段の判断結果に応じて付与情報に応じた生成を異ならせる状態依存生成手段と、
を有する請求項1から6のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項8】
前記カーソル情報生成部は、カーソルの図形全体が前記ディスプレイに常に表示されるように制御する全表示制御手段を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一に記載の表示装置。
【請求項9】
方向を指し示すための指示情報を出力する指示情報出力ステップと、
前記指示情報出力ステップにて出力された指示情報を含んだ付与情報を取得する付与情報取得ステップと、
取得した付与情報に応じてGUIにて利用可能な方向表示を兼ねるカーソル情報を生成するカーソル情報生成ステップと、
を有する表示装置の動作方法。
【請求項10】
前記カーソル情報生成ステップは、
カーソルがGUI内で移動中であるか、移動中でないか判断する判断ステップと、
判断手段の判断結果に応じて付与情報に応じた生成を異ならせる状態依存生成ステップと、
を有する請求項9に記載の表示装置の動作方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−299208(P2007−299208A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−126706(P2006−126706)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【公序良俗違反の表示】
特許法第64条第2項第4号の規定により図面の一部または全部を不掲載とする。
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】