説明

早期乾燥を阻止する方法

【課題】早期乾燥を阻止する装置、システム、及び方法
【解決手段】製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置、システム、及び方法は、洗浄のために基板を受け取ることと、1つ又は2つ以上の製造工程中に残された汚染物質及び製造ケミストリを基板の表面から除去するために基板の表面に対して湿式洗浄工程を実施することと、飽和ガスケミストリを特定することと、その特定された飽和ガスケミストリを、移行領域内において飽和ガスケミストリに曝露される基板の表面が湿気を保持して基板の表面の早期乾燥を阻止するように、移行領域内において適用することとを含む。飽和ガスケミストリは、2つの相次ぐ湿式洗浄工程間において適用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、総じて、半導体基板処理に関するものであり、より詳細には、製造プロセスの湿式化学処理間における半導体基板の早期乾燥を阻止するための改善された技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
実質的に無欠陥の半導体基板を製作することは、製造プロセスにおいて現在進行中の問題である。ポリシリコンエッチング、フォトレジスト剥離、金属蒸着などの、製造プロセスの様々な工程は、基板上に特徴及び構造を画定するために化学処理を使用し、その結果、動作可能な集積回路及びその他のマイクロ電子機器を得る。各化学処理後は、基板の表面から汚染物質及び処理化学剤を除去するために、1つ又は2つ以上の洗浄工程を実施することが求められる。湿式洗浄を含む様々な洗浄工程が、半導体チップの製造において広く一般に知られ、よく使用されている。基板の表面を洗浄するために使用される湿式洗浄プロセスの一部は、湿式洗浄化学剤(ケミカル)を内包する化学容器又はタンクに基板を浸すこと、及び基板の表面に湿式洗浄化学剤を吹き付ける又は回転する基板の表面に化学剤を適用することを含む。
【0003】
通常、後続の製造工程に備えて基板の表面を効果的に洗浄するには、2つ以上の湿式洗浄プロセスを組み合わせて実施する必要がある。湿式洗浄プロセスにおいて、基板は、1つのケミカルソークからもう1つのケミカルソークへ移動させることができる。洗浄を効果的に実施するためそしてケミカルを最大限に回収するためには、これらのケミカル浸漬を互いに隔離された状態に維持することが望ましい。したがって、1つのケミカル浸漬から別のケミカル浸漬へ基板が移動されるときに、基板の早期乾燥が生じることがある。早期乾燥は、スポットを発生させるので、早期乾燥を阻止することが、不可欠である。スポットの発生は、汚れを招く、後続の製造処理を妨げる、尚且つ/又は基板の下位特徴に望ましくない効果を及ぼすことがあるゆえに、製造プロセスにおいて望ましくないものとされる。
【0004】
以上を鑑みると、結果として得られるICチップの機能が維持されえるようにそして後続の製造工程が基板に対して実施可能であるように保証するための、早期乾燥を阻止するための効果的な方法及び装置が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、基板の早期乾燥を阻止するための改善された方法及び装置を提供することによって、ニーズを満たすものである。なお、本発明は、装置及び方法を含む数々の形で実現可能であることがわかる。本発明の幾つかの実施形態が後述される。
【0006】
一実施形態では、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置が開示される。装置は、基板を受け取って支えるための基板サポート機器と、飽和ガスケミストリ(飽和ガス剤)を受け取って基板の表面に適用するように構成されたケミストリアプリケータとを含む。施された飽和ガスケミストリは、基板の表面が周囲空気に曝露される移行領域内に実質的に閉じ込められる。飽和ガスケミストリの適用は、飽和ガスケミストリに曝露される基板の表面がその基板の表面上の湿気を維持して基板の表面の早期乾燥を阻止するように、移行領域内において飽和ガスケミストリの等方的曝露を提供する。
【0007】
本発明の別の一実施形態では、製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するためのシステムが開示される。システムは、雰囲気制御室内において基板を受け取って支えるための基板サポート機器と、雰囲気制御室内に配されたプロキシミティヘッドシステムとを含む。基板サポート機器は、雰囲気制御室内において面に沿って基板を受け取って移動させるようにそして回転軸を中心に基板を回転させるように構成される。プロキシミティヘッドシステムは、複数のプロキシミティヘッドを含む。複数のプロキシミティヘッドの各ヘッドは、基板の表面とプロキシミティヘッドの対向面との間に1つ又は2つ以上の液体洗浄ケミストリ(液体洗浄剤)メニスカスを適用するために使用される。液体洗浄ケミストリメニスカスは、その他の製造工程によって残された残留物及びケミカルを十分に除去する。雰囲気制御室は、更に、室内の移行領域に飽和ガスケミストリを導入するための1つ又は2つ以上のノズルを含む。プロキシミティヘッド間を移行中の基板の表面は、移行領域内において飽和ガスケミストリに曝露される。飽和ガスケミストリへの曝露は、基板の表面上の湿気を維持して基板の表面の早期乾燥を阻止するのに役立つ。本発明の代替の実施形態では、基板の表面に液体洗浄ケミストリを適用するために、雰囲気制御室内においてプロキシミティヘッドシステムの代わりにブラシ機器システムが使用される。
【0008】
本発明の別の実施形態では、製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための方法が開示される。方法は、洗浄のために基板を受け取ることと、1つ又は2つ以上の製造工程中に残された汚染物質及び製造ケミストリを基板の表面から除去するために基板の表面に対して湿式洗浄工程を実適用することと、飽和ガスケミストリを特定することと、その特定された飽和ガスケミストリを移行領域内において適用することとを含む。移行領域は、基板の表面が周囲空気に曝露される領域として定義される。特定された飽和ガスケミストリは、移行領域内において飽和ガスケミストリに曝露される基板の表面が湿気を保持して基板の表面の早期乾燥を阻止するように、移行領域内において施される。飽和ガスケミストリは、2つの相次ぐ湿式洗浄工程間において施される。
【0009】
本発明を例として示した添付の図面に関連させた以下の詳細な説明から、本発明のその他の態様及び利点が明らかになる。
【0010】
本発明は、添付の図面に関連させた以下の説明を参照にして、最も良く理解することができる。これらの図面は、本発明を好ましい実施形態に限定するものと見なされるべきではなく、説明及び理解のためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1A】基板が受け取られ洗浄される雰囲気制御室の簡易概略図である。
【図1B】本発明の一実施形態における、スポットを伴う基板の表面を図示している。
【図2】本発明の一実施形態における、移行領域内においてガスケミストリを適用するためにプロキシミティヘッドを使用する装置の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における、基板に対して飽和ガスケミストリを適用するために使用される先進型の機械的洗浄室の概略図である。
【図4A】飽和ガスケミストリを扱うために使用される、図3に示されたものに代わる実施形態である。
【図4B】図3及び図4Aに示されたものに代わる実施形態である。
【図5】本発明の一実施形態における、飽和ガスケミストリによって基板を処理することに関わる工程の流れ図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、2つの湿式洗浄工程間における基板の表面の早期乾燥を効果的に阻止するための幾つかの実施形態が開示される。しかしながら、当業者ならば、これらの詳細の一部または全部を特定しなくても本発明が実施されえることが明らかである。また、本発明が不必要に不明瞭になるのを避けるため、周知のプロセス工程の詳細な説明はされていない。
【0013】
基板上にますます多くの特徴及び構造を集めようとする現在の動向からすると、基板の表面を可能な限り清浄に尚且つ無誤差に維持することが極めて重要である。これは、湿式洗浄工程間において基板の表面を湿った状態に維持して早期乾燥を回避することを含む。早期乾燥は、基板の表面上にスポットを形成させることがある。これらのスポットは、汚れを招いたり、後続の製造処理を妨げたり、下位特徴に望ましくない効果を及ぼしたりすることがある。基板の表面上の湿り気は、基板の露出表面を飽和ガスケミストリで処理することによって維持することができる。飽和ガスケミストリは、基板の表面上の湿気を保持して早期乾燥に起因するスポット発生を阻止するのに役立つ。
【0014】
移行領域内において飽和ガスケミストリに曝露される基板の表面が、基板表面上の湿り気を保持することができるように、飽和ガスケミストリは、周囲空気に曝露される移行領域内において、制御されて基板の表面に適用される。基板の表面に対して飽和ガスケミストリを注意深く扱うことによって、基板上に形成される特徴及び結果得られる例えばマイクロチップなどの半導体製品の品質を維持することが可能になる。
【0015】
図1Aは、本発明の一実施形態における、基板が受け取られて洗浄される先進型な機械的洗浄(AMC)室などの雰囲気制御室100を伴うシステムの簡略断面図である。ハウジング室とも称される雰囲気制御室100は、制御された周囲雰囲気内において基板に対して複数の製造工程が実施される部屋である。AMC室、及びAMC室が製造プロセスにおいてどのように使用されるかに関する更なる情報については、米国特許出願第10/608,871号及び米国特許公報第2006/0128600号を参照するとよい。
【0016】
ハウジング室100は、1つ又は2つ以上の液体洗浄ケミストリを液体メニスカスとして基板150の表面に適用するために、複数のプロキシミティヘッド130−A1、130−A2、130−B1、及び130−B2を用いる。この実施形態において示されるプロキシミティヘッドは、ハウジング室100内を移動する基板150がその間を通る、処理領域の両側に配置された二重プロキシミティヘッドである。プロキシミティヘッドの数及び処理領域に対するそれらの配置には、様々なヴァリエーションが採用されてよい。基板150は、処理領域の一端において入口ポート100−Aを通してハウジング室100に導入され、処理領域を通って移動され、処理領域のもう一端において出口ポート100−Bを通してハウジング室から出される。
【0017】
湿式(液体)洗浄ケミストリに関連して本明細書において使用される「メニスカス」という用語は、プロキシミティヘッド130の対向面と基板150の表面との間に、一部には液体ケミストリの表面張力によって境界を定められ閉じ込められる、一定量の液体ケミストリを指すものとする。こうして形成されるメニスカスは、制御可能でもあり、その閉じ込められた形状で表面の上を移動することができ、基板150の表面から汚染物質を除去するために使用される。特定の実施形態では、メニスカスの形状は、コンピュータ(計算システム)を更に含みえる、液体ケミストリを正確に供給及び除去するためのシステムによって制御することができる。
【0018】
メニスカスの形成、及び基板150の表面に対する適用に関する更なる情報に関しては、本出願の譲受人であるLam Research Corporationにそれぞれ譲渡されている(1)2003年9月9日に発行され「METHODS FOR WAFER PROXIMITY CLEANING AND DRYING(ウエハの近接洗浄及び乾燥のための方法)」と題された米国特許第6,616,772号、(2)2002年12月24日に出願され「MENISCUS, VACUUM, IPA VAPOR, DRYING MANIFOLD(メニスカス、真空、IPA蒸気、乾燥マニホールド)」と題された米国特許出願第10/330,843号、(3)2005年1月24日に発行され「METHODS AND SYSTEMS FOR PROCESSING A SUBSTRATE USING A DYNAMIC LIQUID MENISCUS(動的液体メニスカスを使用して基板を処理するための方法及びシステム)」と題された米国特許第6,988,327号、(4)2005年1月24日に発行され「PHOBIC BARRIER MENISCUS SEPARATION AND CONTAINMENT(非親和性のバリアメニスカスの分離及び閉じ込め)」と題された米国特許第6,988,326号、及び(5)2002年12月3日に発行され「CAPILLARY PROXIMITY HEADS FOR SINGLE WAFER CLEANING AND DRYING(枚葉式のウエハ洗浄及び乾燥のためのキャピラリプロキシミティヘッド)」と題された米国特許第6,488,040号を参照するとよい。上部メニスカス及び底部メニスカスに関する更なる情報に関しては、2002年12月24日に出願され「MENISCUS, VACUUM, IPA VAPOR, DRYING MANIFOLD(メニスカス、真空、IPA蒸気、乾燥マニホールド)」と題された米国特許出願第10/330,843号に開示されるような代表的なメニスカスを参照することができる。この米国特許出願は、本出願の譲受人であるLam Research Corporationに譲渡されている。
【0019】
本明細書において説明されるように、プロキシミティヘッド130は、プロキシミティヘッド130が基板150の表面にごく接近して配されたときに、処理対象である基板150の表面に正確な量のケミストリを供給して表面からケミストリを除去することができる、基板処理装置である。一例では、プロキシミティヘッド130は、対向ヘッド表面(対向表面)を有しており、該対向表面は、基板150の表面に実質的に平行に配される。対向表面と基板150の表面との間には、メニスカスが形成される。プロキシミティヘッド130は、また、複数のケミストリを供給するように構成されてもよく、供給された複数のケミストリを除去するための真空ポートを備えるように構成される。
【0020】
メニスカスに対するケミストリの供給及び除去を制御することによって、メニスカスを制御し、基板150の表面の上で移動させることができる。処理期間の間、一部の実施形態では、プロキシミティヘッド130が静止している間に基板150を移動させることができ、その他の実施形態では、基板150が静止状態にある間にプロキシミティヘッド130が移動する。更に、完全を期するため、処理が任意の向きで発生できること、したがって、水平でない表面(例えば鉛直な基板又は一定の角度で保持された基板)にメニスカスを適用させることが、理解されるべきである。
【0021】
プロキシミティヘッドに関する更なる情報については、2003年9月9日に発行され「METHODS FOR WAFER PROXIMITY CLEANING AND DRYING(ウエハの近接洗浄及び乾燥のための方法)」と題された米国特許第6,616,772号に記載されるような代表的なプロキシミティヘッドを参照することができる。この米国特許出願は、本出願の譲受人であるLam Research Corporationに譲渡されている。
【0022】
近接蒸気洗浄及び乾燥システムに関する更なる情報については、2002年12月3日に発行され「CAPILLARY PROXIMITY HEADS FOR SINGLE WAFER CLEANING AND DRYING(枚葉式のウエハ洗浄及び乾燥のためのキャピラリプロキシミティヘッド)」と題された米国特許第6,488,040号に記載される代表的なシステムを参照することができる。この米国特許出願は、本出願の譲受人であるLam Research Corporationに譲渡されている。
【0023】
図1Aを参照すると、入口ポートにおいて基板150を受け取り、面と平行に基板150を運び、出口ポート100−Bにおいて基板150を送り出すための、基板サポート機器が提供される。基板サポート機器は、基板150を受け取って保持するための嵌め込みを有するキャリア101であってよい。キャリア101は、処理領域内に配置され、面と平行に基板100を受け取って保持するためのピン/ローラ(不図示)と、面と平行に基板を移動させるためのモータとを含む。キャリア101は、適用される様々なケミストリに基板150の表面が十分に曝露されるように、ハウジング室100を通って運ばれる間に回転軸を中心に基板150を回転させるように構成されてもよい。
【0024】
処理領域は、複数のプロキシミティヘッド130−A1、130−A2、130−B1、130−B2を使用して1つ又は2つ以上の液体洗浄ケミストリが液体メニスカスとして基板の表面に施される複数の処理小領域(処理副領域)132、136と、基板が処理小領域132から処理小領域136へ運ばれる間に周囲空気に曝露される移行領域134とを含む。
【0025】
図1Bは、移行領域134内にある基板150の表面を示している。基板が雰囲気制御室100内を1つの処理小領域(132)から次の処理小領域(136)へ運ばれるにつれて、基板の表面は、移行領域134内において周囲空気に暴露され、早期乾燥を受ける。早期乾燥は、その結果、基板の表面上にスポット152をランダムに形成させる。前述のように、これらのスポット152は、液体の蒸発とともに不純物を凝縮させる可能性があり、後続の製造工程並びに下位の特徴及び構造に対して望ましくない結果をもたらす。
【0026】
図2は、処理領域の移行領域134に飽和ガスケミストリが導入される、本発明の一実施形態におけるシステムを示している。この実施形態では、基板150が処理領域内を運ばれるにつれて、基板150の表面は、移行領域134内において周囲空気に暴露され、飽和ガスケミストリによって処理される。システムは、基板150の表面に1つ又は2つ以上の液体洗浄ケミストリメニスカスを提供するためのプロキシミティヘッド130を備えた雰囲気制御室100を含む。プロキシミティヘッド130は、洗浄ケミストリ1を提供するための個別の部分と、洗浄ケミストリ2を適用するための個別の部分とを含む。洗浄ケミストリ1、2は、リザーバ内において受け取られて液体メニスカスとして基板に供給される液体洗浄ケミストリである。洗浄ケミストリ1は、処理小領域132として特定される基板の表面の一部に、第1の注入口133を通して液体メニスカスとして適用され、洗浄ケミストリ2は、処理小領域136として特定される基板の表面の別の個別の部分に、第2の注入口137を通して液体メニスカスとして適用される。代替の実施形態では、処理領域を通って移動される基板に洗浄ケミストリ1、2を適用するために、1つのプロキシミティヘッドの代わりに複数のプロキシミティヘッド130−A、130−Bが使用されてよい。第1及び第2の注入口(133、137)の各自における注入口制御部は、洗浄ケミストリ1、2の液体メニスカスを適用することを制御する。ガスケミストリアプリケータは、処理領域の移行領域134内に飽和ガスケミストリが実質的に閉じ込められるように、少なくとも1つのノズル135を通してハウジング室100に飽和ガスケミストリを導入する。移行領域134内において飽和ガスケミストリを適用することは、基板100の表面が移行領域134内において飽和ガスケミストリに等方的に(すなわち方向的に均一に)曝露されるように制御される。ノズル135は、ハウジング室100内への飽和ガスケミストリの流れを制御するためのノズル制御部を含む。
【0027】
システムは、様々なケミストリ及び飽和ガスケミストリを基板150に適用するために用いることができる。一実施形態では、システムは、液体洗浄ケミストリ、飽和ガスケミストリ、及び製造ケミストリを適用するために使用されてよい。別の実施形態では、システムは、第1の液体洗浄ケミストリ、飽和ガスケミストリ、及び第2の液体洗浄ケミストリを適用するために使用されてよい。システムは、2つの製造ケミストリ間において飽和ガスケミストリを適用することに従事することもできる。
【0028】
基板150の表面に対して液体洗浄ケミストリメニスカス及び飽和ガスケミストリを適用することは、使用される製造ケミストリ、1つ又は2つ以上の製造工程によって残される残留物質、実施される必要がある洗浄の程度、及び基板150の表面上に形成される層の種類の分析に基づいて制御されてよい。液体洗浄ケミストリの流れを制御する注入口制御部、及び雰囲気制御室内への飽和ガスケミストリの流れを制御するノズル制御部は、相まって、供給制御メカニズムを構成する。洗浄ケミストリ及び飽和ガスケミストリが、ハウジング室100内において基板150の表面に制御されて適用されえるように、供給制御メカニズムは、注入口制御部及びノズル制御部の制御を調整するソフトウェアを走らせるコンピュータ(計算システム)に、通信可能に接続されてよい。コンピュータは、ハウジング室100内の供給制御メカニズムに通信可能に接続される限り、どこに配置されてもよい。洗浄ケミストリ及び飽和ガスケミストリが、基板の表面に適切に適用され、最適な洗浄結果を得るように、コンピュータは、液体洗浄ケミストリ及び飽和ガスケミストリについての制御レシピを提供する。制御レシピは、液体洗浄ケミストリ及び飽和ガスケミストリに関連した様々なパラメータを含む。制御レシピの提供に際して検討されえるパラメータは、一部には、使用される液体洗浄ケミストリ又は飽和ガスケミストリの種類、流速、ケミストリの濃度、ケミストリの温度、及び曝露時間を含む。
【0029】
図3は、図2に示されたシステムのヴァリエーションを示している。図3のシステムは、複数の二重プロキシミティヘッドを用いる。二重プロキシミティヘッドは、ハウジング室100内において処理領域の両側に配置され、基板が適切な処理小領域(132、136)内にあるときに基板の上面及び底面に複数の洗浄ケミストリを適用するように構成される。ハウジング室100内の複数の注入口135が、飽和ガスケミストリを適用して移行領域134内に実質的に閉じ込めることを可能にする。基板150の表面がハウジング室100内を面に沿って移動するにつれて、基板150の両側が、移行領域134内において飽和ガスケミストリに曝露される。飽和ガスケミストリは、基板の表面上の湿気を保持して基板の早期乾燥を阻止するのに役立つ。
【0030】
図4Aに示された発明の代替の実施形態では、基板150の表面に液体洗浄ケミストリを適用するために、プロキシミティヘッドシステムの代わりにブラシ機器システムが使用される。この実施形態では、ハウジング室100内において処理領域内に配された基板サポート機器101は、ハウジング室100内において処理領域内に基板を受け取って支え、洗浄プロセス時に適用されるケミストリに基板の様々な部分が曝露されるように回転軸を中心に基板を回転させるように構成される。ブラシ機器システムは、1又は2以上の洗浄ケミストリを受け取って基板150の表面に適用するように構成されたブラシを含む。第1の液体洗浄ケミストリ、すなわちケミストリAが特定され、注入口制御部425を通してブラシに導入される。注入口制御部425は、ブラシに供給されるケミストリAの量を制御する。必要な場合にケミストリAを受け取ってブラシに供給するように構成されたリザーバ415が提供される。液体洗浄ケミストリに関連したパラメータは、基板150の表面の効果的な洗浄のために適切な量のケミストリAがブラシに導入されるように調整される。ブラシ機器システム及び基板サポート機器は、洗浄工程時に基板の表面の様々な部分が液体洗浄ケミストリに十分に曝露されるように、ブラシに相対的に基板を移動させることを可能にするように構成される。
【0031】
ブラシ機器システム内のブラシは、基板150の表面を更に洗浄するために、第2の液体洗浄ケミストリ、すなわちケミストリBを導入するようにも構成される。第2の液体洗浄ケミストリ、すなわちケミストリBが特定され、注入口制御部425を使用してブラシに導入される。第2のリザーバ420は、必要な場合にケミストリBを受け取ってブラシに供給するように構成される。注入口制御部425は、ブラシに導入される液体洗浄ケミストリ、すなわちケミストリA又はケミストリBの量を制御し、必要な場合に一方の液体洗浄ケミストリから別の液体洗浄ケミストリへ切り替えるように構成される。例えば、ケミストリAが、一定期間にわたってブラシに供給される。一定期間が経過した後、注入口制御部425は、ブラシへのケミストリAの供給をオフにし、ケミストリBがブラシに導入されるようにケミストリBの供給をオンにする。すると、ケミストリBが、別の一定期間にわたって適用される。
【0032】
一方のケミストリから他方のケミストリへの切り替えの間、ハウジング室100内において周囲空気に曝露される基板は、早期乾燥を受ける。早期乾燥を回避するために、基板150の表面は、切り替え工程の間、ハウジング室100に導入される飽和ガスケミストリによって処理される。飽和ガスケミストリの導入を促進するために、ハウジング室100は、飽和ガスケミストリが処理領域の移行領域134内に実質的に閉じ込められるようにハウジング室100への飽和ガスケミストリの導入を制御するように構成されるノズル制御部を備えた1つ又は2つ以上のノズル135を含む。基板の表面は、切り替え時間の間、飽和ガスケミストリに十分に曝露される。本発明の一実施形態では、窒素、アルゴン、ネオン、又は酸素などのガスケミストリがリザーバ内に受け取られ、飽和ガスケミストリを得るために脱イオン水と混ぜ合わされ、次いで、ノズル制御部を使用してノズル135を通してハウジング室100に導入される。別の実施形態では、飽和ガスケミストリがリザーバ内に受け取られ、ハウジング室100に導入される。ノズル制御部及び注入口制御部425は、相まって、制御供給メカニズムを構成する。制御供給メカニズムは、液体洗浄ケミストリ及び飽和ガスケミストリを適用することについての制御レシピを提供する計算システム(コンピュータ)に、通信可能に接続される。制御レシピは、液体洗浄ケミストリ及び飽和ガスケミストリを基板150の表面に適用するときに使用される、液体洗浄ケミストリ及び飽和ガスケミストリに関連した複数のパラメータを含む。
【0033】
飽和ガスケミストリのガス部分を定める1種又は2種以上のガスは、例えば窒素(N2)、アルゴン(Ar)、ネオン(Ne)などの不活性、又は酸素(O2)などの反応性のいずれかであることが可能である。一実施形態では、ガス部分は、例えば窒素(N2)などの一種類のガスのみを含む。一実施形態では、ガス部分は、窒素(N2)とアルゴン(Ar)、アルゴン(Ar)と酸素(O2)と窒素(N2)、酸素(O2)とアルゴン(Ar)などのように、様々な種類のガスの混合を含むガス混合である。なお、ガス部分は、結果得られるガス混合が液体部分と組み合わされ、早期乾燥を阻止するために基板の表面に適用することができさえすれば、基本的に、任意のガス種類の組み合わせを含みえることがわかる。連続媒質である、飽和ガスケミストリの液体成分は、脱イオン(DI)水、塩基流体、又は脱イオン水とケミカルとの混合のうちの1つである。飽和ガスケミストリ及び洗浄ケミストリは、飽和ガスケミストリが洗浄ケミストリに対して実質的に非混和であるように選択される。
【0034】
図4Bに示された別の実施形態では、ブラシ機器システムは、ケミストリAを導入するための第1のブラシと、ケミストリBを導入するための第2のブラシとを含む。この実施形態では、第1の注入器制御部425−Aが、第1のリザーバ415から第1のブラシへのケミストリAの流れを制御し、第2の注入器制御部425−Bが、第2のリザーバ425から第2のブラシへのケミストリBの流れを制御する。基板150の表面は、先ず、所定の期間にわたってケミストリAによって処理される。所定の期間の後、ケミストリAの供給は遮断され、別の所定の期間にわたってケミストリBの供給がオンにされる。ケミストリAからケミストリBへの切り替えの期間、基板の表面は、早期乾燥を生じる可能性がある周囲空気に曝露されないように、飽和ガスケミストリによって処理される。
【0035】
次に、基板150の表面の早期乾燥を阻止するための方法が、図5を参照にして詳細に説明される。方法は、工程505に示されるように、洗浄のためにハウジング室100内に基板150を受け取ることから開始する。ハウジング室100において受け取られた基板150は、少なくとも1回の製造工程を既に経ており、基板150の表面は、その製造工程によって残された残留物(ポリマ残留物及び製造ケミカル残留物を含む)を有しているであろう。第1の液体洗浄ケミストリが特定され、該第1の液体洗浄ケミストリは、工程510に示されるように、基板の表面を十分に洗浄するために、基板が第1の処理小領域132にあるときに基板150の表面に適用される。液体洗浄ケミストリは、上述されたプロキシミティヘッドシステム又はブラシ機器システムのいずれかを使用して基板150の表面に適用されてよい。
【0036】
工程515では、ハウジング室100の移行領域内において適用される飽和ガスケミストリが特定される。該飽和ガスケミストリは、窒素、アルゴン、ネオンなどの不活性ガス、又は酸素などの反応性ガスを、脱イオン水で飽和させたものであってよい。特定された飽和ガスケミストリは、工程520に示されるように、基板がハウジング室100内において周囲空気に曝露されるであろうハウジング室100の移行領域134内において適用される。移行領域内における飽和ガスケミストリによる処理は、基板150の表面が周囲空気に曝露されないようにすることによって、早期乾燥を阻止する。
【0037】
飽和ガスケミストリによる処理の次は、工程525に示されるように、基板が第2の処理小領域136内にあるときに基板150の表面に第2の液体洗浄ケミストリが適用される第2の湿式洗浄工程が続く。方法は、第2の湿式洗浄処理で締めくくられるか、又は更なる洗浄工程によってプロセスが繰り返されるかしてよい。なお、基板の表面が周囲空気に曝露されないようにするために、基板の表面は、各洗浄工程で飽和ガスケミストリによって処理される。発明の実施形態は、2つの洗浄工程間において飽和ガスケミストリを適用することについて説明しているが、本発明の教示は、洗浄工程と、エッチング、機械的化学的研磨、フォトリソグラフィ、デポジションなどの次の製造工程との間において飽和ガスケミストリ処理を適用することに拡張されてよい。
【0038】
早期乾燥を阻止することにおいて有望な成果を示している飽和ガスケミストリは、アルゴン、ネオン、窒素などの不活性ガス、又は酸素などの反応性ガスを、脱イオン水で飽和させたものを含む。有望な成果を示している飽和ガスケミストリの流速は、約30標準リットル毎分(sml)から約200slmまでの間である。飽和ガスケミストリのその他のパラメータには、温度、濃度、曝露時間などが含まれてよい。飽和ガスケミストリの温度は、摂氏約10から摂氏約80度までの範囲である。早期乾燥を阻止することにおいて有望な成果を示している飽和ガスケミストリの濃度は、脱イオン水に対して約50%から約100%までの間の飽和ガスケミストリであり、その中間領域は、脱イオン水に対して約70%から約100%までの間である。早期乾燥を阻止することにおいて有望な成果を示している曝露時間は、約0.5秒から約10秒までの間であり、その中間範囲は、約1秒から約5秒までの間である。
【0039】
方法は、集積回路チップ(ICチップ)を画定するために基板の表面上に更なる層及び特徴が形成されえる工程530に続く。形成されえる更なる層には、バリア層、金属化相互接続を画定するための銅膜蒸着層、low-k誘電体膜層などがある。プロセスは、基板上にICチップが形成されるまで、又は一定レベルの製造に到達するまで繰り返されてよい。
【0040】
発明の実施形態は、ピン/ローラを使用して基板100の表面を受け取って保持するキャリアを使用して説明されてきたが、その他のタイプの基板保持機器が使用されてもよい。一実施形態では、基板を受け取って保持するために、スピンアプリケータが使用される。スピンアプリケータは、ハウジング室100内に搭載される。スピンアプリケータは、洗浄プロセスにおいて適用されるケミストリに基板の様々な部分を曝露するために、軸に沿って回転するように構成される。
【0041】
以上の発明は、理解を明瞭にする目的で、幾分詳しく説明されてきた。しかしながら、添付の特許請求の範囲内で特定の変更及び修正が可能であることは明らかである。したがって、これらの実施形態は、例示的であって非限定的であると見なされ、本発明は、本明細書に定められた詳細に限定されず、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価形態の範囲内で変更されてよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置であって、
前記基板を受け取って支えるための基板サポート機器と、
雰囲気制御室内に設けられたガスケミストリアプリケータであって、飽和ガスケミストリを受け取って前記基板の表面に適用するように構成され、前記適用される飽和ガスケミストリは、前記基板の表面が前記雰囲気制御室内において周囲空気に曝露される移行領域内に実質的に閉じ込められ、前記製造工程間における前記飽和ガスケミストリの適用は、前記移行領域内において前記飽和ガスケミストリに曝露される前記基板の表面が前記基板の表面上の湿気を維持して前記製造工程間における前記基板の表面の早期乾燥を阻止するように、前記移行領域内において前記基板の表面に対して等方的曝露を提供する、ガスケミストリアプリケータと、
を備える装置。
【請求項2】
請求項1に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置であって、
前記基板サポート機器は、前記基板を面と平行に移動させるキャリア機器である、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置であって、
前記基板サポート機器は、前記移行領域内に閉じ込められた前記飽和ガスケミストリに前記基板の表面が十分に曝露されるように回転軸を中心に前記基板を前記ガスケミストリアプリケータに対して相対的に回転させるためのモータを含む、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置であって、
前記ガスケミストリアプリケータは、前記基板の表面に前記ガスケミストリを導入するためのノズルを含み、前記ノズルは、前記雰囲気制御室への前記飽和ガスケミストリの流れを制御するためのノズル制御部を有する、装置。
【請求項5】
請求項4に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置であって、更に、
前記製造工程時に複数の製造ケミストリを適用するために前記雰囲気制御室内に設けられた複数のプロキシミティヘッドであって、前記基板の表面への前記複数の製造ケミストリの流れを制御するための個別の制御部を有する複数のプロキシミティヘッドを備え、前記飽和ガスケミストリは、2つの相次ぐ製造工程間において適用される、装置。
【請求項6】
請求項1に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置であって、更に、
前記雰囲気制御室内に設けられたプロキシミティヘッドであって、前記製造工程時に複数の製造ケミストリを適用するための個別の部分を有し、前記基板の表面への前記飽和ガスケミストリの流れを制御するための個別の制御部を有するプロキシミティヘッドを備え、前記ガスケミストリアプリケータは、前記飽和ガスケミストリが2つの相次ぐ製造工程間において適用されるように、前記プロキシミティヘッド内の個別の部分に組み込まれている、装置。
【請求項7】
請求項1に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置であって、
前記製造工程は、湿式洗浄工程であり、前記製造ケミストリは、液体洗浄ケミストリである、装置。
【請求項8】
請求項7に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置であって、
前記製造工程は、製造ケミストリ又は別の液体洗浄ケミストリのうちの任意の1つを使用する、エッチング工程、修正工程、又は更なる湿式洗浄工程のうちの任意の1つを含む、装置。
【請求項9】
請求項6に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための装置であって、
前記飽和ガスケミストリは、使用されるその他の製造ケミストリに対して実質的に不混和であるように選択される、装置。
【請求項10】
製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するためのシステムであって、
雰囲気制御室内において前記基板を受け取って支えるための基板サポート機器であって、前記雰囲気制御室内において面と平行に前記基板を受け取って移動させるように、且つ回転軸を中心に前記基板を回転させるように構成される基板サポート機器と、
前記雰囲気制御室内に配されたプロキシミティヘッドシステムであって、複数のプロキシミティヘッドを含み、前記複数のプロキシミティヘッドは、その他の製造工程によって残された残留物及びケミカルを液体洗浄ケミストリメニスカスが十分に除去するように、前記基板の表面と前記プロキシミティヘッドの対向面との間に1つ又は2つ以上の液体洗浄ケミストリメニスカスを適用するために使用される、プロキシミティヘッドシステムと、
飽和ガスケミストリを導入するための前記雰囲気制御室内の少なくとも1つのノズルであって、前記飽和ガスケミストリは、移行領域内において前記飽和ガスケミストリに曝露される前記基板の表面が前記基板の表面上の湿気を維持して前記基板の表面の早期乾燥を阻止するように、前記基板の表面が周囲空気に曝露される前記移行領域内に実質的に閉じ込められる、少なくとも1つのノズルと、
を備え、前記ノズルは、前記雰囲気制御室内への前記飽和ガスケミストリの流れを制御するためのノズル制御部を含む、システム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであって、
前記複数のプロキシミティヘッドの各自は、前記基板の表面の上に液体洗浄ケミストリメニスカスを十分に維持するために前記基板の表面への前記液体洗浄ケミストリの流れを制御するための注入口制御部を含む、システム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、
前記注入口制御部及び前記ノズル制御部は、計算システムと通信可能に接続され、前記計算システムは、前記雰囲気制御室内への前記液体洗浄ケミストリ及び前記飽和ガスケミストリの流れを制御する制御レシピを提供する、システム。
【請求項13】
製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するためのシステムであって、
雰囲気制御室内において前記基板を受け取って支えるための基板サポート機器であって、前記雰囲気制御室内において面と平行に前記基板を受け取って移動させるように、且つ回転軸を中心に前記基板を回転させるように構成される基板サポート機器と、
前記雰囲気制御室内に配されたブラシ機器システムであって、その他の製造工程によって残された残留物及びケミカルを液体洗浄ケミストリが十分に除去するように液体洗浄ケミストリを受け取って前記基板の表面に適用するように構成されるブラシを含む、ブラシ機器システムと、
飽和ガスケミストリを導入するための前記雰囲気制御室内の少なくとも1つのノズルと、前記飽和ガスケミストリは、移行領域内において前記飽和ガスケミストリに曝露される前記基板の表面が前記基板の表面上の湿気を維持して前記基板の表面の早期乾燥を阻止するように、前記基板の表面が周囲空気に曝露される前記移行領域内に実質的に閉じ込められることと、
を備え、前記ノズルは、前記雰囲気制御室内への前記飽和ガスケミストリの流れを制御するためのノズル制御部を含み、前記基板サポート機器及び前記ブラシ機器システムは、前記基板の表面が前記飽和ガスケミストリに十分に曝露され前記基板の表面上の湿気が洗浄工程時に十分に保持されるように、前記基板及び前記ブラシを互いに相対的に移動させるように構成される、システム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムであって、
前記ブラシは、第1の液体洗浄ケミストリを受け取るための注入口を含み、前記ブラシ内への前記第1の液体洗浄ケミストリの流れは、注入口制御部によって制御される、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記注入口制御部及び前記ノズル制御部は、計算システムと通信可能に接続され、前記計算システムは、前記雰囲気制御室内への前記液体洗浄ケミストリ及び前記飽和ガスケミストリの流れを制御する制御レシピを提供する、システム。
【請求項16】
請求項14に記載のシステムであって、
前記ブラシの前記注入口は、更に、第2の液体洗浄ケミストリを受け取って前記基板の表面に適用するように構成され、前記注入口制御部は、前記第2の液体洗浄ケミストリの流れを制御するようにそして前記第1の液体洗浄ケミストリから前記第2の液体洗浄ケミストリへ切り替えるように構成される、システム。
【請求項17】
請求項14に記載のシステムであって、
前記ブラシ機器システムは、更に、第2の注入器制御部を有する第2の注入口を通じて第2の液体洗浄ケミストリを受け取って前記基板の表面に適用するように構成され、前記第2の注入器制御部は、その他の製造工程によって残された残留物及びケミカルを前記第2の液体洗浄ケミストリが十分に除去するように前記第2の液体洗浄ケミストリの流れを制御するように構成される、システム。
【請求項18】
製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための方法であって、
洗浄のために基板を受け取ることと、
複数の製造ケミストリを使用して前記基板の表面に対して複数の製造工程を実適用することと、
前記基板の表面に適用するための飽和ガスケミストリを特定することと、
前記特定された飽和ガスケミストリを移行領域内において適用することと、前記移行領域は、前記基板の表面が周囲空気に曝露される領域として定義され、前記特定された飽和ガスケミストリは、前記移行領域内において前記飽和ガスケミストリに曝露される前記基板の表面が前記基板の表面上の湿気を保持して前記基板の表面の早期乾燥を阻止するように適用され、前記飽和ガスケミストリは、2つの相次ぐ湿式洗浄工程間において適用される、ことと、
を備える方法。
【請求項19】
請求項18に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための方法であって、
前記飽和ガスケミストリは、三状態化合物である、方法。
【請求項20】
請求項18に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための方法であって、
前記製造工程は、その他の製造工程によって残された残留物及びケミカルを液体洗浄ケミストリが十分に除去するように液体洗浄ケミストリを使用する湿式洗浄工程を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための方法であって、
前記製造工程は、更に、第2の液体洗浄ケミストリを使用する湿式洗浄工程、エッチングケミストリを使用するエッチング工程、又は修正ケミストリを使用する修正工程のうちの任意の1つ又は2つ以上を含む、方法。
【請求項22】
請求項17に記載の、製造プロセスの製造工程間における基板の表面の早期乾燥を阻止するための方法であって、
前記飽和ガスケミストリは、脱イオン水蒸気、脱イオン水内窒素、脱イオン水内不活性ガス、又はそれらの任意の組み合わせのうちの任意の1つである、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−530130(P2010−530130A)
【公表日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508375(P2010−508375)
【出願日】平成20年5月7日(2008.5.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/005950
【国際公開番号】WO2008/143798
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
【Fターム(参考)】