説明

板状体の欠陥検出方法及び欠陥検出装置

【課題】 板状体側面の切断角度、切断面の平面度に関わらず、正確な外観検査が可能となる板状体の欠陥検出方法及び装置を提供する。
【解決手段】1つの投光装置15については、XY軸を含む平面内における、電子写真用ブレード12の測定点を含む側面部(観察面12a)に対して投光装置15の投光軸15aのなす角度θ1が25度を超え45度以下に、他の1つの投光装置15については、前期観察面に対して投光装置15の投光軸15aのなす角θ2が80度を超え110度以下に設定されている。また、1つの投光装置15については、電子写真用ブレード12の測定点を含む水平面に対して投光装置15の投光軸15aがZ軸上方向へ傾斜する角度θ3が1度を超え10度未満に、他の1つの投光装置15については、前記水平面に対して投光装置15の投光軸15aがZ軸下方向へ傾斜する角度θ4が1度を超え10度未満に設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明または半透明の板状体(例えば電子写真用ブレード)に光を照射して行なう欠陥検出方法及び欠陥検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
板状体の側面の状態を検査する方法として、一般に数々の方法が知られているが、CCDカメラにより、板状体側面部を撮影し、その画像を演算処理することによって板状体側面の状態を検査する方法が採用されている。この場合、例えばCCDカメラで、撮影した画像中において被検査面を示している画素から、10点程度選択してそれら輝度の平均値を算出し、標準値として定め、測定対象点の画素の輝度をこの標準値と比較して、板状体側面の状態を検査する方法が行なわれている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
また、検査装置を用いて行なう方法に関しては、CCDカメラを用いた電子撮像装置による外観検査手法も明らかにされている(例えば特許文献2参照。)。これらは、被検査物に照射した光が、被検査物に欠陥があった場合には、その欠陥部分で光の乱反射が起こることを利用し、それら乱反射を撮像装置により撮影し、映像信号化し、その映像信号を2値化処理することにより、欠陥部分を検出する方法である。
【特許文献1】特開2003-222595号公報
【特許文献2】特開平4-305144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような検査方法によると、室内照明、太陽光などといった外部環境の変化、画像を照明する為の照明の光量のムラにより、検査結果が一定しないという課題がある。また、厚みのある透明または半透明の板状体側面部に対して、正確に検査が出来るのは板状体側面部の切断角度が板状体平面部に対して垂直なときで、且つ板状体側面部が均一に平面なときのみであり、板状体側面部の切断状況の違い、つまり板状体側面部の切断角度の違い、切断面の平面度の違いなどがあると、板状体に照射し反射した光がカメラに届かず、十分な光量が得られない為、正確な外観検査が出来ないという課題があった。
【0005】
そこで本発明は、板状体側面に対して、板状体側面部の切断角の違い、板状体側面部の切断した側面の平面度の違いに対しても、反射する光量を一定化させ正確な外観検査を可能にした板状体板状体欠陥検出方法及び板状体欠陥検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明は、投光手段と、撮像手段とを少なくとも有し、該投光手段にて板状体に投光し該板状体の側面部で反射させ、反射した光を撮像手段で撮像して得られた画像を用い、画像処理により板状体の側面部における欠陥部を検出する、板状体の欠陥検出方法および装置を前提としている。このような方法および装置において、板状体の測定点を含む水平面に対して直交する軸をZ軸とし、該板状体の測定点を含む水平面で該Z軸と直交する2軸をX軸、Y軸としたときに、投光手段を2つ以上用い、このうち1つの投光手段が、X軸とY軸を含む平面内において板状体の測定点を含む検出面に対して該1つの投光手段の投光軸がなす角度θ1が鋭角になり、かつ、1つの投光手段の投光軸がZ軸方向へ傾斜する角度θ3が1度を超え10度以下になるように配置されている。さらに、もう1つの投光手段が、X軸とY軸を含む平面内において前記板状体の測定点を含む検出面に対して該もう1つの投光手段の光軸がなす角度θ2が80度を超え110度以下になり、かつ、もう1つの投光手段の投光軸がZ軸方向へ傾斜する角度θ4が1度を超え10度以下になるように配置されている。
【0007】
このように投光手段を設置することにより、板状体側面部の切断角の違い、板状体側面部の切断した側面の平面度の違いがあっても、反射する光量がムラを生じず、正確な外観検査を行うことができる。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明によれば、電子写真用クリーニングブレード、電子写真用ワイパーブレードなどの透明または半透明の板状体の側面の切断角度、切断面の平面度に関わらず、外観を検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
【0010】
本実施形態においては、撮影手段としてCCDカメラを使用し、撮像手段の撮影範囲を板状体側面の検査対象範囲内に設置する。なお、本発明における撮像手段としてはCCDカメラに限定されない。
【0011】
本実施形態の検査対象物である板状体としては、電子写真用ブレードを用いたが、板状体のものであれば、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
検査時には電子写真用ブレードを移動ステージにより移動させることにより、撮像手段が電子写真用ブレードの検査対象範囲場所に対し逐次撮影を行い、検査対象範囲全域を撮影する。
【0013】
その撮像手段で撮像された複数の画像において、欠陥がある場合には、移動ステージより出されているトリガより、取り込み画像番号、及び欠陥が発見された画像における位置情報を算出し、検査物における不良箇所の位置情報を得る。同時に、欠陥の大きさ、1回の検査における欠陥の数等も記憶して表示可能としておく。
【0014】
本発明の特徴的なところは、電子写真用ブレードの測定点を含む水平面に対して直交する軸をZ軸とし、該電子写真用ブレードの測定点を含む水平面で該Z軸と直交する2軸をX軸、Y軸としたときに、該投光手段を2つ以上用い、このうち1つの投光手段を、X軸とY軸を含む平面内において該1つの投光手段の光軸と前記電子写真用ブレードの測定点を含む側面部とがなす角度θ1が鋭角になり、かつ、前記1つの投光手段の光軸のZ軸方向へ傾斜する角度θ3が1度を超え10度以下になるように配置し、さらに、もう1つの投光手段を、X軸とY軸を含む平面内において該もう1つの投光手段の光軸と前記電子写真用ブレードの測定点を含む側面部とがなす角度θ2が80度を超え110度以下になり、かつ、前記もう1つの投光手段のZ軸方向へ傾斜する角度θ4が1度を超え10度以下になるように配置することにより、電子写真用ブレード側面に対して、切断角の違い、厚みの違いに関わらず、反射する光量を一定化させ、電子写真用ブレード側面の外観を検査可能にした要素を導入した点にある。
【0015】
本発明においては、対象となる透明ないしは半透明の電子写真用ブレードの持つ製品としての公差の観点から、撮像した画像において、透明ないしは半透明の電子写真用ブレード側面よりの反射光が電子写真用ブレードの切断角度の違いによっても撮像手段に入射可能な撮像手段の傾斜配置角度、及び撮像手段の被写界深度を設定し、各々の特徴的な欠陥画像を取り込めるよう、レンズ倍率及び、レンズ光量絞り、投光手段の光量、投光手段の照射範囲との合体構成に苦慮した。
【0016】
すなわち、単に、電子写真用ブレードに対して投光手段の光軸と撮像手段の傾斜配置角度を合わせればよいのではなく、適合配置があった。
【0017】
投光手段の傾斜配置角度は単に設定すればよいのではなく、撮像した画像において、十分な光量が得られるような角度になるように配置する必要がある。なお、投光手段の光軸と撮像手段の傾斜配置角度の関係は実験的に最適値は得られる。
【0018】
電子写真用ブレード測定点を含む側面部(検出面)とそれぞれの投光手段のなす角度θ1,θ2については、透明または半透明の電子写真用ブレード側面部に投光し反射した光が十分撮像手段に入るような角度にする必要があり、また同時に、電子写真用ブレード側面部の切断角度の違い、切断面の平面度の違いなどによって側面方向に変化が生じる場合においても撮像手段に十分な光量が入ることを要する。
【0019】
1つの投光手段については電子写真用ブレード測定点を含む側面部(検出面)と該投光手段のなす角θ1が鋭角になるように、また、他の1つの投光手段については電子写真用ブレード測定点を含む側面部(検出面)と該投光手段のなす角θ2が45度を超え135度以下になるように設定することが出来るが、透明または半透明の電子写真用ブレード側面部に投光し反射した光が十分撮像手段に入るようにするという観点、及び、検出対象としている欠陥の高さ方向の検出分解能の観点より、1つの投光手段については電子写真用ブレード測定点を含む側面部(検出面)と該投光手段のなす角θ1を25度を超え45度以下の範囲に設定し、他の1つの投光手段については電子写真用ブレード測定点を含む側面部(検出面)と該投光手段のなす角θ2を80度を超え110度以下の範囲に設定することが好ましい。
【0020】
それぞれの投光手段のZ軸方向についての傾斜配置角度については、透明または半透明の電子写真用ブレード側面部に投光し反射した光が十分撮像手段に入るような角度にする必要があり、また同時に、電子写真用ブレード側面部の切断角度の違い、切断面の平面度の違いなどによって側面方向に変化が生じる場合においても撮像手段に十分な光量が入ることを要する。
【0021】
このZ軸方向についての傾斜配置角度について、1つの投光手段については、Z軸下方向に1度を超え10度未満、他の1つの投光手段についてはZ軸上方向に1度を超え10度未満に設定することができるが、透明または半透明の電子写真用ブレード側面部に投光し反射した光が十分撮像装置に入るようにするという観点から、1つの投光装置については、Z軸下方向に0.5度を超え3度未満の範囲に設定し、他の1つの投光装置についてはZ軸上方向に0.5度を超え3度未満の範囲に設定することが好ましい。
【0022】
投光手段においては、透明または半透明の電子写真用ブレード側面部に投光し反射した光が十分撮像手段に入るような光量にする必要があり、また同時に、検査においてハロゲン光を用いたが、投光手段の光源は経年劣化するため、安定した輝度を維持できるよう、光量を絶えずフィードバックできるように制御されている。
【0023】
撮像手段の傾斜配置角度は、Z軸上方向に−5°を超え45°未満に設定することができるが、好ましくは、撮像手段の角度により変化する分解能と被写界深度、照射する投光手段の配置の関係、製品の持つ切断角度の公差の関係から、Z軸上方向に0.5°以上15°以下の範囲が好ましい。
【0024】
撮像手段の撮像可能範囲について、撮像手段の撮像可能範囲の位置は、被検査物の電子写真用ブレード側面が、撮像可能範囲内に入るような位置に設定する必要があり、被検査物の公差などによって側面幅方向に変化が生じる場合においても撮像可能範囲内に入ることを要する。
【0025】
本発明では、撮像手段はレンズ倍率の調節ができ、そのレンズ倍率が0.75倍〜3.0倍まで調節可能なレンズを備えていることにより、被検査物の側面部を製品の公差に関わり無く取込むことが可能になった。レンズ倍率については本実施形態においては、2.0倍としたが、被測定物の撮影が可能であれば、この数値に限定するものではない。
【0026】
撮像手段の被写界深度について、撮影手段に撮影される被検査物の電子写真用ブレード側面部が撮像手段の被写界深度内に入る位置に設定する必要があり、また同時に、被検査物の歪みなどによって側面幅方向に変化が生じる場合においても被写界深度内に入ることを要する。
【0027】
本発明では、撮像手段はアイリス絞りの調節ができ、被写界深度の調節が可能で、その被写界深度が0.3〜0.5[mm]まで調節可能なレンズを備えていることにより、被検査物の欠陥を画像データとして取込むことが可能になった。被写界深度については本実施形態においては0.5[mm]としたが、被検査物の撮影が可能であれば、この数値に限定するものではない。
【実施例】
【0028】
以下、実施例に基づき、本発明のより具体的な実施の形態を説明する。
【0029】
本発明の欠陥検査方法の実施例について、図1を用いて以下に説明する。
【0030】
図1は本発明の実施例による欠陥検査装置を上から見た装置構成図である。
【0031】
図1において、本実施例の欠陥検査装置は、板状体の検査対象物である電子写真用ブレード12を保持し移動させることができる検査ステージ11を備えている。電子写真用ブレードはその平面部が、直交するXY軸を含む平面と略平行となり、かつ、欠陥を検査される側面部がY軸と略垂直となるように検査ステージ11に保持されている。検査ステージ11はX軸方向にステージ駆動装置13によって移動自在である。
【0032】
電子写真用ブレード12の側面部の前には、電子写真用ブレード12の側面部の測定点に光を投光する2つの投光装置15と、その測定点を撮像する1つの撮像装置14とが設置されている。
【0033】
各投光装置15は、光源制御装置16により光源の輝度が一定になるように制御されている。光源制御装置16により、輝度が一定となるように制御された光が、各投光装置15より電子写真用ブレード12の側面に照射され、電子写真用ブレード12の側面より反射した光が撮像装置14に撮像される。
【0034】
撮像装置14は制御/画像処理/記憶装置20より、画像ボード19を介して撮像する為の命令を受け、初めて動作するものである。撮像装置14で撮像された画像は画像ボード19を経由し、DMS伝送することにより高速に制御/画像処理/記憶装置20へデータ転送が行なわれる。その際、転送された画像番号は制御/画像処理/記憶装置20に記憶しておくようにしておく。また、制御/画像処理/記憶装置20はPIOボード(入出力ボード)を介してステージ駆動装置13を制御している。
【0035】
制御/画像処理/記憶装置20には、欠陥について判別された結果を表示する表示装置21が付属している。
【0036】
光源制御装置16と制御/画像処理/記憶装置20と表示装置21の各々は電力を供給する電源装置17に接続されている。
【0037】
また、電子写真用ブレード12の測定点を含む側面部(観察面12a)に対して各投光装置15の投光軸15aがなす角度については、電子写真用ブレード12の側面部に投光し反射した光が十分撮像装置14に入るようにするという観点、及び、検出対象としている欠陥の高さ方向の検出分解能の観点より、1つの投光装置15については、XY軸を含む平面内における、電子写真用ブレード12の測定点を含む側面部(観察面12a)に対して投光装置15の投光軸15aのなす角度θ1(図2)が25度を超え45度以下に設定され、他の1つの投光装置15については、電子写真用ブレード12の測定点を含む側面部(観察面)に対して投光装置15の投光軸15aのなす角θ2(図2)が80度を超え110度以下の範囲に設定されていることが好ましい。
【0038】
各投光装置15のZ軸方向についての傾斜配置角度については、電子写真用ブレード12の側面部に投光し反射した光が十分撮像装置14に入るようにするという観点から、1つの投光装置15については、電子写真用ブレード12の測定点を含む水平面に対して投光装置15の投光軸15aがZ軸上方向へ傾斜する角度θ3(図3)が1度を超え10度未満の範囲に設定され、他の1つの投光装置15については、電子写真用ブレード12の測定点を含む水平面に対して投光装置15の投光軸15aがZ軸下方向へ傾斜する角度θ4(図3)が1度を超え10度未満の範囲に設定されていることが好ましい。
【0039】
また、撮像装置14の設置角度については、電子写真用ブレード12の側面より反射した光が撮像装置14に入射可能な角度に設定する必要がある。したがって、撮像装置14の撮像可能範囲の位置は、画像を撮像する際に電子写真用ブレード12の側面が映る任意点でよい。なお、本実施形態では撮像装置14の被写界深度が、電子写真用ブレード12の側面部を十分にカバーできる幅とする為に、電子写真用ブレード側面側の表層に設定してある。
【0040】
次に、欠陥検出装置の動作について説明する。
【0041】
図4によれば、欠陥部の画像判定処理を開始すると、電子写真用ブレード12の側面部の任意の測定点に向けて2つの投光装置15が光を照射する。投光装置15は電源装置17によって電源を供給された、光源制御装置16によって、ランプの経年劣化の影響を受けずに均一化された輝度の可視光を発光する。
【0042】
次に、制御/画像処理/記憶装置20は、撮像装置14により画像取り込みを開始させる事と同時に、PIOボード18及びステージ駆動装置13を介して、検査ステージ11をX軸方向に目的のスピード、目的の範囲において移動させる事により、電子写真用ブレード12の側面部全体を検査する。検査ステージ11の移動スピードに関しては、15mm/sec以上350mm/sec以下に設定することが可能であるが、撮像装置14の画像取り込みスピード、及び検査を行なう為に必要な電子写真用ブレード12に対しての撮像枚数を合わせるという観点より、40mm/sec以上、240mm/sec以下が好ましい。
【0043】
投光装置15により投光される光源のスポットの大きさは、投光装置15の先端に装着させている投光レンズによりスポット光の径、光束の分布形状を変化させることが可能である。撮像装置14における、レンズ倍率と撮像装置視野の関係、及び均一な輝度での取り込みを可能にさせるという観点からスポット光の径はφ15mm程度とした。このスポット光は電子写真用ブレード12の側面部に照射される。
【0044】
このスポット光は電子写真用ブレード12の側面部に照射され、側面部の表面で反射したスポット光は、撮像装置14にて結像され画像データとして画像ボード19を介して制御/画像処理/記憶装置20に取込まれる。この中で、電子写真用ブレード12の側面部上に欠陥がある場合、該スポット光は欠陥によって影となり、その欠陥によって形成された影付きのスポット光は、撮像装置14にて結像され画像データとして画像ボード19を介して制御/画像処理/記憶装置20に取込まれる。
【0045】
制御/画像処理/記憶装置20において、前記2条件の画像に対して、画像処理加工をほどこし、前記2条件の画像を比較することにより、欠陥部分の有無を判定し、結果を表示装置21にて表示させると同時に、装置内における記憶部分に結果を記憶させるようにしている。また、欠陥がある画像に関しては、撮像装置14に撮像した画像、欠陥が発見された画像における欠陥の位置情報(重心位置)、大きさ、形状等も記録可能なようにしておく。
【0046】
また、制御/画像処理/記憶装置20には、撮像装置14に装着されているレンズの倍率、撮像装置14の設置角度、撮像可能範囲の位置、及び、各々の投光装置15の設置角度、投光可能範囲などがあらかじめ設定、登録されており、画像処理を行う際にこれらが使用される。
【0047】
(比較例)
比較例として、上記実施例のように1つの撮像装置を用い、2つの投光装置を用いたが、2つの投光装置ついてはZ軸方向へ傾斜角を設定せずに配置して検査を行なった。
【0048】
このときに用いた電子写真用ブレードのサンプルは、製品の側面側に欠陥がある物で、欠陥部の大きさは拡大顕微鏡による測定により、80〜150[μm]程度ものを10本選択した。同時に、電子写真用ブレード側面側の切断角度、切断面の平面度の違いに対しては、無作為に選定した。
【0049】
その際、電子写真用ブレード側面側の切断角度、切断面の平面度の違いに関わらず10本中7本のサンプルの欠陥箇所の検出が可能であった。同時に、10本中2本が良品部分にも関わらず、電子写真用ブレード側面側の切断角度、切断面の平面度の違いより発生した、光量のムラより欠陥部分として誤判定をした。
【0050】
これに対し、上述した実施例においては、1つの撮像装置と、2つの投光装置を用い、それぞれの投光装置のZ軸方向へなす角度を1つは、Z軸上方向への傾斜角を2°に設定し、1つは、Z軸下方向への傾斜角を3°に設定し、同一のサンプル、同一の検出アルゴリズムを用い検査を行なった。
【0051】
その際、電子写真用ブレードの側面側の切断角度、切断面の平面度の違いに関わらず10本中全てのサンプルの欠陥部分の検出が可能であった。
【0052】
このことより、上述した実施例における電子写真用ブレードの欠陥検出方法は本比較例における検出方法よりも正確に検査が可能であるということがいえた。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施例1による欠陥検査装置を上方向から見た装置構成図である。
【図2】図1に示す投光装置と撮像装置のX-Y平面における装置配置概略図である。
【図3】図1に示す投光装置と撮像装置のY-Z平面における装置配置概略図である。
【図4】図1に示した欠陥検査装置を用いて電子写真用ブレードの欠陥を検出する流れを示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0054】
12 電子写真用ブレード
14 撮像装置
15 投光装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投光手段にて板状体に投光し該板状体の側面部で反射させ、反射した光を撮像手段で撮像して得られた画像を用い、画像処理により前記板状体の側面部における欠陥部を検出する、板状体の欠陥検出方法において、
前記板状体の測定点を含む水平面に対して直交する軸をZ軸とし、該板状体の測定点を含む水平面で該Z軸と直交する2軸をX軸、Y軸としたときに、前記投光手段を2つ以上用い、このうち1つの投光手段を、X軸とY軸を含む平面内において前記板状体の測定点を含む検出面に対して該1つの投光手段の投光軸がなす角度θ1が鋭角になり、かつ、前記1つの投光手段の投光軸がZ軸方向へ傾斜する角度θ3が1度を超え10度以下になるように配置し、さらに、もう1つの投光手段を、X軸とY軸を含む平面内において前記板状体の測定点を含む検出面に対して該もう1つの投光手段の光軸がなす角度θ2が80度を超え110度以下になり、かつ、前記もう1つの投光手段の投光軸がZ軸方向へ傾斜する角度θ4が1度を超え10度以下になるように配置することを特徴とする欠陥検出方法。
【請求項2】
それぞれの投光手段のZ軸方向への配置角度を、1つはZ軸上方向へ0.5度〜3度、もう1つはZ軸下方向へ0.5度〜3度に設定したことを特徴とする、請求項1に記載の欠陥検出方法。
【請求項3】
前記板状体が電子写真用ブレードであることを特徴とする請求項1に記載の欠陥検出方法。
【請求項4】
投光手段と、撮像手段とを少なくとも有し、該投光手段にて板状体に投光し該板状体の側面部で反射させ、反射した光を前記撮像手段で撮像して得られた画像を用い、画像処理により前記板状体の側面部における欠陥部を検出する、板状体の欠陥検出装置において、
該投光手段が2つ以上備えられており、
前記板状体の測定点を含む水平面に対して直交する軸をZ軸とし、該板状体の測定点を含む水平面で該Z軸と直交する2軸をX軸、Y軸としたときに、該2つの投光手段のうちの1つが、X軸とY軸を含む平面内において前記板状体の測定点を含む検出面に対して該1つの投光手段の投光軸がなす角度θ1が鋭角になり、かつ、前記1つの投光手段の投光軸がZ軸方向へ傾斜する角度θ3が1度を超え10度以下になるように配置され、さらに、該2つ投光手段のうちのもう1つが、X軸とY軸を含む平面内において前記板状体の測定点を含む検出面に対して該もう1つの投光手段の光軸がなす角度θ2が80度を超え110度以下になり、かつ、前記もう1つの投光手段の投光軸がZ軸方向へ傾斜する角度θ4が1度を超え10度以下になるように配置されていることを特徴とする欠陥検出装置。
【請求項5】
それぞれの投光手段のZ軸方向への配置角度が、1つはZ軸上方向へ0.5度〜3度、もう1つはZ軸下方向へ0.5度〜3度に設定されていることを特徴とする、請求項4に記載の欠陥検出装置。
【請求項6】
前記板状体が電子写真用ブレードであることを特徴とする請求項5に記載の欠陥検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−33240(P2007−33240A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−217160(P2005−217160)
【出願日】平成17年7月27日(2005.7.27)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】