説明

検知部材および画像形成装置

【課題】画像形成装置を小型化しつつ現像剤の濃度の検知部材を精度良く位置決めすること。
【解決手段】一端側の支持体(41)に一端側の被支持部(22)が支持され、他端側の支持体(42)に他端側の被支持部(31)が支持され、第1の凸部(26+27)と、第1の凹部(41a+41b)と、軸方向に沿って延びる第1の柱部(46c+47c)と第2の柱部(46a+46e+47a+47e)とを有する第2の凸部(46+47)と、内部空間(51)の外方から検知部材(U3+BR)が傾斜した状態で進入された場合に第2の凸部(46+47)が挿入可能な挿入部(32b,33b)と第1の柱部(46c+47c)が通過可能な通過部(32c,33c)と第2の柱部(32b,33b)が嵌まる位置決め部(32a,33a)とを有する第2の凹部(32+33)とを備えた検知部材(U3+BR)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤またはトナー濃度を検知する検知部材および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、回転式、いわゆるロータリ式の現像装置を備えた画像形成装置において、各色の現像容器内の現像剤の濃度を検知する検知部材に関する技術について、例えば、下記の特許文献1〜3に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開平7−181796号公報には、回転式の現像装置を備えた画像形成装置において、4つの現像器(4Bk,4c,4m,4y)の現像スリーブ(42)上のトナーの濃度を検知する検知センサ(45)を有する検知センサーユニット(44)が、各現像器(4Bk,4c,4m,4y)の現像容器にそれぞれ取り付けられた構成が記載されている。
すなわち、特許文献1には、ロータリ式の現像装置の各現像器(4Bk,4c,4m,4y)に内蔵された検知センサーユニット(44)についての技術が記載されている。
【0004】
また、特許文献2としての特開2001−66874号公報には、ロータリ現像器(2)に90°間隔で取り付けられた各現像ユニット(3Y,3M,3C,3K)の現像ロール(4Y,4M,4C,4K)上の現像剤の濃度を測定するトナー濃度センサ(5)が、ロータリ現像器(2)において感光体ドラム(1)が配置された位置とは180°対称(左右対称)の位置となる測定位置に配置され、現像領域(D)の現像ロール(4Y,4M,4C,4K)から180°回転した位置の現像ロール(4C,4K,4Y,4M)上の現像剤の濃度が測定される技術が記載されている。また、特許文献2では、前記測定位置において、トナー濃度センサ(5)の照射光と反射光とが通過する平面である受発光反射面が現像ロール(4C,4K,4Y,4M)の回転軸を含むようにトナー濃度センサ(5)が配置されており、トナー濃度センサ(5)を現像剤の濃度が測定し易い状態に予め設定することにより、現像ロール(4C,4K,4Y,4M)の僅かな位置ズレ等が発生した場合でもトナー濃度センサ(5)の感度への影響を低減することができると共に、トナー濃度センサ(5)の画像形成装置への取付精度についてもマージンを大きくすることができるようになっている。
【0005】
また、特許文献3としての特開平4−349480号公報には、各現像器(3Y,3M,3C,3BK)の現像シリンダ(1)上のトナー濃度を検出するトナー濃度検検出部材(11)が、各現像器(3Y,3M,3C,3BK)を回転させるゴンドラ(2)の上方に配置された近傍固定部に固定され、現像領域から90°回転した位置の現像シリンダ(1)上のトナー濃度を検出する技術が記載されている。
すなわち、特許文献2、3には、ロータリ式の現像装置において、現像領域から離れた現像ロール上の現像剤濃度を検知する検知部材が、画像形成装置に取り付けられた構成が記載されている。
【0006】
なお、現像容器内のトナー濃度を検知する検知部材ではなく、中間転写ベルトに転写された予め設定された濃度のトナーパッチの実際の濃度等を検知する検知部材という点で特許文献1〜3とは異なるが、前記検知部材を画像形成装置に対して位置決めする技術について、例えば、下記の特許文献4、5に記載の技術が知られている。
特許文献4としての特開平5−142906号公報には、感光体ドラム(59)の周方向に4色の現像槽(61〜64)を配置する方式の現像装置を備えた複写機本体(50)に装着された転写ベルト(65)のトナー像を用紙に転写する第二転写装置(72)が、複写機本体(50)に対して前後方向に着脱可能な構成において、転写ベルト(65)に一次転写されたトナーパッチの濃度を測定するトナー濃度センサ(81)が第二転写装置(72)に支持されているため、装着時の転写ベルト(65)に対する第二転写装置(72)の位置決めがそのまま転写ベルト(65)に対するトナー濃度センサ(81)の位置決めとなる技術が記載されている。
【0007】
また、特許文献4には、複写機本体(50)の前壁(90)から前方に突起する一対のピン(90)が、第二転写装置(72)の前壁(104)に形成された一対の孔(105)に挿入され、且つ、第二転写装置(72)の後壁(101)から後方に突起する一対のピン(102)が、複写機本体(50)の後板(91)に形成された一対の孔(103)に挿入されることにより、第二転写装置(72)が複写機本体(50)に対して位置決めされる技術が記載されている。
すなわち、特許文献4には、前後方向に着脱可能な第二転写装置(72)に取り付けられたトナー濃度センサ(81)が複写機本体(50)に対して位置決めされる構成が記載されている。
【0008】
また、特許文献5としての特開2008−185848号公報には、タンデム式の現像装置を備えた画像形成装置において、中間転写ベルト(4)上の濃度検出用トナーパッチや色合わせパターン等の基準画像の濃度や色合いを検出する反射型光学センサ(1)についての技術が記載されている。特許文献5では、反射型光学センサ(1)がブラケット(8)に支持され、ブラケット(8)が偏心カム(10)により移動可能に支持されている。このため、特許文献5では、偏心カム(10)の回転によって画像濃度等を検出する最適な位置に反射型光学センサ(1)を移動させて位置調整が可能な構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平7−181796号公報(「0005」、「0010」、「0014」、「0017」、図1〜図3、図7)
【特許文献2】特開2001−66874号公報(「0015」、「0019」、「0024」、「0025」、図1)
【特許文献3】特開平4−349480号公報(「0028」、「0035」、図1、図2)
【特許文献4】特開平5−142906号公報(要約書、「0015」、「0052」、図1)
【特許文献5】特開2008−185848号公報(「0011」、「0012」、図2、図3、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、画像形成装置を小型化しつつ現像剤の濃度の検知部材を精度良く位置決めすることを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記技術的課題を解決するために、請求項1記載の発明の検知部材は、
画像形成装置に設置されて、現像剤を検知する検知部材であって、
前記検知部材は、
前記検知部材の一端側に対応して配置された前記画像形成装置の一端側の支持体に一端側の被支持部が支持されると共に、
前記検知部材の他端側に対応して配置された前記画像形成装置の他端側の支持体に他端側の被支持部が支持され、
前記一端側の支持体または前記一端側の被支持部のいずれか一方に配置され、他方側に突起する第1の凸部と、
前記一端側の支持体または前記一端側の被支持部のいずれか他方に配置され、前記第1の凸部に嵌まって、前記第1の凸部を一端と他端とを結ぶ方向に移動可能に支持する第1の凹部と、
前記他端側の支持体または前記他端側の被支持部のいずれか一方に配置され、他方側に突起する第2の凸部であって、前記一端と他端とを結ぶ方向に沿って延びる第1の柱部と、前記第1の柱部の延びる方向にずれた位置に配置され、前記第1の柱部に比べて外形が大きく形成され且つ前記一端と他端とを結ぶ方向に沿って延びる第2の柱部と、を有する前記第2の凸部と、
前記他端側の支持体または前記他端側の被支持部のいずれか他方に配置され、前記第2の凸部に嵌まって前記第2の凸部を前記一端と他端とを結ぶ方向に移動可能に支持する第2の凹部であって、前記一端側の支持体と前記他端側の支持体との間に形成された内部空間の外方から前記検知部材が前記一端と他端とを結ぶ方向に対して傾斜した状態で進入された場合に前記第2の凸部が挿入可能且つ前記第2の柱部の外形より大きく形成された挿入部と、前記挿入部に連結して形成され且つ前記第1の柱部の外形より大きく且つ前記第2の柱部の外形よりも小さく形成されて前記第1の柱部が通過可能な通過部と、前記通過部に連結して形成され且つ前記第2の柱部の外形に応じた形状に形成され且つ前記第1の柱部が前記通過部を通過した後に前記検知部材が前記一端と他端とを結ぶ方向に移動された場合に前記第2の柱部が嵌まって前記検知部材が前記一端と他端とを結ぶ方向に沿い且つ位置決めされた状態で支持する位置決め部と、を有する前記第2の凹部と、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の検知部材において、
円柱状に形成された前記第1の柱部および前記第2の柱部、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の検知部材において、
前記第1の柱部と前記第2の柱部との間に配置され且つ前記第1の柱部と前記第2の柱部とをつなぐ円錐台部、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の検知部材において、
前記第2の柱部の先端に面取りが形成されている
ことを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の検知部材において、
前記画像形成装置に対して螺子止めで固定支持された
ことを特徴とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の検知部材において、
前記螺子止めされる位置が、画像が形成される予め設定された幅である画像形成幅の外側に配置された
ことを特徴とする。
【0017】
前記技術的課題を解決するために、請求項7に記載の発明の画像形成装置は、
請求項1ないし6のいずれかに記載の検知部材
を備えたことを特徴とする。
【0018】
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の画像形成装置は、
表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体と、現像剤を収容する現像容器とを有し、像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記現像装置の外方から前記現像剤保持体に検知光を照射する照射部と、前記現像剤保持体からの光を受光する受光部と、を有し、前記受光部の検知結果に基づいて、前記現像容器内の現像剤の濃度を検知する請求項1ないし6のいずれかに記載の検知部材と、
を備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の画像形成装置において、
表面に潜像が形成される像保持体と、
表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体と現像剤を収容する現像容器と有する現像器を複数有し、前記像保持体の表面に対向する現像位置に、回転軸を中心として前記各現像器を順次移動させる回転式の現像装置と、
を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の画像形成装置において、
予め設定された着脱方向に沿って、画像形成装置に対して前記現像装置と前記検知部材とを着脱可能に構成された
ことを特徴とする。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像形成装置において、
前記検知部材が着脱される方向に沿って前記内部空間を通じて着脱可能に支持され且つ前記検知部材が装着される方向に沿って前記検知部材の下流側に配置された前記現像装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1、7、8に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、画像形成装置を小型化しつつ検知部材を精度良く位置決めすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、第1の柱部および第2の柱部が円柱状に形成されていない場合に比べ、第2の柱部を挿入部に挿入し易くすることができ、第1の柱部が通過部を通過し易くすることができ、第2の柱部が位置決め部に嵌まり易くすることができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1の柱部と第2の柱部との間を移動する場合に円錐台部で案内することができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、第2の柱部の先端に面取りが形成されていない場合に比べ、第2の柱部を挿入部に挿入し易くすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、検知部材が画像形成装置に対して螺子止めで固定支持されていない場合に比べ、螺子を締めたり、緩めたりすることで容易に着脱できる。
請求項6に記載の発明によれば、螺子止めされる位置が画像形成幅の外側に配置されない場合に比べて、螺子止め時の切り屑や切粉が現像領域に進入することを低減できる。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、複数の現像容器内の現像剤の濃度を検知することができる。
請求項10に記載の発明によれば、本発明の構成を有しない場合に比べ、現像装置と検知部材とを着脱方向に沿って着脱することができる。
請求項11に記載の発明によれば、検知部材を着脱する方向と現像装置を着脱する方向とが異なる場合に比べ、現像装置の交換作業を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【図2】図2は実施例1の現像装置およびセンサユニットの要部拡大説明図である。
【図3】図3は実施例1のセンサユニットおよびセンサブラケットの拡大説明図であり、図3Aはセンサユニットおよびセンサブラケットの斜視図、図3Bは図3Aを矢印IIIB方向から見た斜視図である。
【図4】図4は実施例1のユニットフレームの説明図であり、図4Aはユニットフレームと第1連結プレートと第2連結プレートとの要部拡大説明図、図4Bはユニットフレームと第1連結プレートと第2連結プレートとが連結された状態の拡大説明図である。
【図5】図5は実施例1のセンサブラケットの要部拡大説明図であり、図5Aはセンサブラケットの前端部の要部拡大説明図、図5Bはセンサブラケットの後端部の要部拡大説明図である。
【図6】図6は実施例1の前支持体の要部拡大説明図である。
【図7】図7は実施例1の後支持体の要部拡大説明図であり、図7Aは後スタッドが装着された後支持体の拡大図、図7Bは後スタッドの拡大図である。
【図8】図8は実施例1の各支持体とセンサブラケットとの配置に関する説明図であり、図8Aは開閉カバーを開放して前支持体と後支持体との間のセンサ収容空間を上方から見た状態の説明図、図8Bは後支持体の後スタッドがセンサブラケットの後位置決め孔に挿入されてセンサブラケットが後支持体から前後方向に対して上斜め右方に傾斜して延びた状態を上方から見たときの説明図、図8Cは図8Bの状態を右方から見たときの説明図である。
【図9】図9は実施例1の作用説明図であり、センサブラケットを前後方向に対して傾斜させてセンサ収容空間に進入させた状態の要部拡大断面図である。
【図10】図10は図9の状態からセンサブラケットの前側を移動させてセンサブラケットが前支持体と後支持体とに対して垂直に配置した状態の要部拡大断面図である。
【図11】図11は図10の状態からセンサブラケットを上方に移動させて後スタッドが連結孔を通過して上貫通孔を貫通した状態の説明図である。
【図12】図12は図11の状態からセンサブラケットを前方に移動させて前後両端の各スタッドが各貫通孔を貫通して嵌まって位置決めされた状態の説明図である。
【図13】図13は図12の状態からセンサブラケットの被固定部が螺子止めされることによりセンサブラケットが前支持体に固定された状態の説明図である。
【図14】図14は実施例1の作用説明図であり、図14Aはセンサブラケットが傾斜されずに収容された後にスライド移動させてスタッドが孔に挿入される構成の説明図、図14Bはセンサブラケットを傾斜した状態でスライド移動させてスタッドが孔に挿入可能な実施例1の構成の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例1】
【0027】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図1において、実施例1の画像形成装置の一例としてのプリンタUは、画像形成装置本体の一例としてのプリンタ本体U1を有し、プリンタ本体U1の上面には体排出部の一例としての排紙トレイTRhが設けられている。なお、実施例1の前記排紙トレイTRhには、内部の交換可能な部材の交換時に開閉される開閉部材の一例としての開閉カバーU2が右端の回転中心U2aを中心として回転可能に支持されている。
プリンタ本体U1の下部には画像が記録される媒体の一例としての記録シートSが収容される給紙容器の一例としての給紙トレイTR1〜TR3が収容される。
【0028】
また、実施例1の前記プリンタ本体U1は、使用者であるユーザが入力操作する操作部UI、制御部C、および、前記制御部Cにより制御される潜像書込装置駆動回路の一例としてのレーザ駆動回路DLや、画像処理部GS、電源回路E等を有している。なお、実施例1の制御部Cは、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行う入出力信号調節部の一例としてのI/O:入出力インターフェース、必要な処理を実行するためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM:リードオンリーメモリ、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリ、ROMに記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置ならびにクロック発振器等を有する計算機の一例としてのコンピュータにより構成されており、ROMに記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
【0029】
前記画像処理部GSは、外部の情報処理装置等から入力された画像情報、いわゆる、画像データを書込用の画像データに変換して一時的に記憶し、前記画像データを所定の時期、いわゆる、タイミングで潜像形成用の画像データとしてレーザ駆動回路DLに出力する。前記レーザ駆動回路DLは、入力された画像データに応じてレーザ駆動信号を潜像形成装置ROSに出力する。前記潜像形成装置ROSは、レーザ駆動信号に応じて画像書き込み用の画像書込光、いわゆる、レーザビームLを照射する。なお、操作部UI、画像処理部GSおよびレーザ駆動回路DLと、後述する現像ロールGRy〜GRk、転写ロールT1,T2bに電圧を印加する電源回路E等の動作は制御部Cにより制御される。
【0030】
感光体ドラムにより構成された像保持体PRは矢印Ya方向に回転しており、その表面は帯電部材の一例としての帯電ロールCRにより一様に帯電された後、潜像書込位置Q1において前記潜像書込装置ROSのレーザビームLにより露光走査されて静電潜像が形成される。フルカラー画像を形成する場合は、Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の4色の画像に対応した静電潜像が順次形成され、モノクロ画像の場合はK:黒の画像に対応した静電潜像のみが形成される。
前記静電潜像が形成された像保持体PR表面は回転移動して現像領域Q2、1次転写領域Q3を順次通過する。
【0031】
前記現像領域Q2において前記静電潜像を現像するロータリ式の現像装置Gは、回転軸Gaの回転に伴って前記現像領域Q2に順次回転移動するY:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:黒の4色の現像器GY,GM,GC,GKを有している。すなわち、前記各現像器GY〜GKは、回転軸Ga周りに90°づつ位相をずらして配置されており、カラー画像記録動作時には、順次、像保持体PRに対向する第1停止位置の一例としての現像位置P1に回転移動して停止する。
実施例1の前記現像装置Gでは、初期位置、いわゆる、ホームポジションは、使用頻度の高い黒の現像器GKが像保持体PRに対向する第1停止位置の一例としての現像位置P1で停止した状態に設定されており、K:黒のモノクロ画像の画像形成動作、いわゆる、ジョブの実行時に速やかに印刷することが可能となっている。また、前記初期位置では、その他の各現像器GC,GM,GYは、黒の現像器GKから90°、180°、270°反時計方向に回転した第2停止位置の一例としての検知位置P2、第3停止位置P3、第4停止位置P4に停止した状態に設定されている。
【0032】
前記各色の現像器GY〜GKは、現像剤を収容する現像容器GHy,GHm,GHc,GHkと、前記現像領域Q2に現像剤を搬送する現像剤保持体の一例としての現像ロールGRy,GRm,GRc,GRkとを有しており、現像領域Q2を通過する像保持体PR上の静電潜像を可視像の一例としてのトナー像に現像する。
また、前記各現像器GY〜GKの現像器本体にはそれぞれ現像剤補給容器の一例としての図示しないトナーカートリッジから各色の現像剤、すなわち、トナーが補給されるように構成されている。
【0033】
前記1次転写領域Q3は、矢印Ya方向に回転移動する中間転写体の一例としての中間転写ベルトBがロール状の1次転写器T1により像保持体PR表面に圧接される領域である。前記1次転写器T1には現像装置Gで使用される現像剤の一例としての現像用のトナーの帯電極性と逆極性の1次転写電圧が電源回路Eから供給される。
前記像保持体PR表面に現像されたトナー像は前記1次転写領域Q3において、1次転写器T1により中間転写ベルトBに1次転写される。1次転写後、像保持体PR表面の残留トナーは像保持体清掃器の一例としての像保持体クリーナCLpによりクリーニングされる。
【0034】
前記矢印Ya方向に回転移動する中間転写ベルトBは、駆動部材の一例としての駆動ロールRd、張力発生部材の一例としてのテンションロールRt、張架部材の一例としてのウォーキングロールRw、支持部材の一例としてのアイドラロールRf、対向部材の一例としてのバックアップロールT2aにより回転可能に支持されている。バックアップロールT2aに対向する位置には中間転写ベルトBを挟んで2次転写部材の一例としての2次転写ロールT2bが離接可能に配置されており、前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと圧接する領域により2次転写領域Q4が形成されている。前記2次転写ロールT2bは2次転写部材清掃器の一例としてのロールクリーナCLrによりクリーニングされる。
また、前記バックアップロールT2aには2次転写電圧供給部材の一例としての導電性金属製のコンタクトロールT2cが当接している。コンタクトロールT2cには前記トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が電源回路Eから供給される。前記各ロールT2a〜T2cにより2次転写器T2が構成されている。
【0035】
フルカラー画像を形成する場合、潜像書込位置Q1において第1色目の静電潜像が形成され、現像領域Q2において1色目のトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写領域Q3を通過する際に、1次転写器T1によって中間転写ベルトB上に静電的に1次転写される。その後同様にして、第1色目のトナー像を担持した中間転写ベルトB上に、第2色目、第3色目、第4色目のトナー像が順次重ねて1次転写され、最終的にフルカラーの多重トナー像が中間転写ベルトB上に形成される。
単色のモノカラー画像を形成する場合には1個の現像器のみを使用し、単色トナー像が中間転写ベルトB上に1次転写される。
前記像保持体PR、帯電ロールCR、レーザ駆動回路LD、潜像書込装置ROS、現像装置G、1次転写器T1および中間転写ベルトB等により可視像形成装置の一例としてのトナー像形成装置PR+CR+LD+ROS+G+T1+Bが構成されている。
【0036】
前記1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動するのにタイミングを合わせて、給紙トレイTR1〜TR3から所定のタイミングで取り出された記録シートSが前記2次転写領域Q4に搬送される。
すなわち、前記各トレイTR1〜TR4の記録シートSは、所定のタイミングでピックアップロールRpにより取り出され、さばきロールRsで1枚づつ分離されて、複数の搬送ロールRaを有する媒体搬送路の一例としてのシート搬送路SH1を通ってレジロールRrに搬送される。
前記レジロールRrに搬送された記録シートSは、前記1次転写された多重トナー像または単色トナー像が2次転写領域Q4に移動するのにタイミングを合わせて、2次転写領域Q4に搬送される。
【0037】
前記2次転写領域Q4において2次転写器T2は、中間転写ベルトB上のトナー像を記録シートSに静電的に一括して2次転写する。2次転写後の中間転写ベルトBは中間転写体清掃器の一例としてのベルトクリーナーCLbにより残留トナーが除去される。
トナー像が2次転写された記録シートSは、定着領域Q5を通過する際に、加熱部材の一例としての加熱ロールFh、加圧部材の一例としての加圧ロールFpを有する定着装置Fにより加熱定着された後、排出部材の一例としての排紙ロールRhにより排紙トレイTRhに排出される。
定着装置Fの下流側に配置された切替部材の一例としての切替ゲートGT1は、前記定着装置Fを通過した記録シートSの搬送方向を排紙トレイTRhまたは搬送ロールRaが配置された媒体反転路の一例としての用紙反転路SH2のいずれかの方向に切り替える。
両面複写の場合には1面目のトナー像が転写された記録シートSは用紙反転路SH2で反転され、媒体循環路の一例としての用紙循環路SH3を通って前記2次転写領域Q4に再送され、2面目にトナー像が転写される。
【0038】
(実施例1のセンサブラケットBRと前後の各支持体41,42との取付機構の説明)
図2は実施例1の現像装置およびセンサユニットの要部拡大説明図である。
図3は実施例1のセンサユニットおよびセンサブラケットの拡大説明図であり、図3Aはセンサユニットおよびセンサブラケットの斜視図、図3Bは図3Aを矢印IIIB方向から見た斜視図である。
図4は実施例1のユニットフレームの説明図であり、図4Aはユニットフレームと第1連結プレートと第2連結プレートとの要部拡大説明図、図4Bはユニットフレームと第1連結プレートと第2連結プレートとが連結された状態の拡大説明図である。
図1、図2において、前記現像装置Gの上方には、検知部材本体の一例としてのセンサユニットU3が配置されている。図3、図4において、前記センサユニットU3は、前後方向に延びる検知支持体の一例としてのユニットフレーム1を有する。
【0039】
実施例1の前記ユニットフレーム1は、中央板部の一例として、前後方向に延びる板状の中央プレート2を有する。前記中央プレート2の右端には、右上板部の一例として、上方に延びる平板状の右上プレート3が形成されており、前記中央プレート2の左端には、左下面の一例として、下方に延びる平板状の左下プレート4が形成されている。前記左下プレート4の下端には、本体支持用の板部の一例として、前後方向に間隔を空けて右方に延びる平板状の前後一対の本体支持プレート4a,4aが支持されており、前記本体支持プレート4a,4aには、検知部の一例としての前後一対のセンサ本体6,6が支持されている。なお、実施例1の前記センサ本体6,6は、前記現像位置P1から90°反時計方向に回転した前記検知位置P2に移動した現像器GY〜GCの現像ロールGRy〜GRcの上方で対向して配置され、前記検知位置P2の現像ロールGRy〜GRcに対して検知光を照射すると共に、前記検知光の反射光を受光して現像容器GHy〜GHc内のトナーの濃度を推定する従来公知のセンサにより構成されている。
【0040】
なお、従来公知の反射式センサでは、黒:Kのトナーが検知光を吸収してトナー濃度を精度良く検知することが困難であるため、実施例1では、検知位置P2に移動したY,M,C色の各現像器GY〜GCのトナーの濃度のみを検知する。
また、実施例1では、Y〜C色の各現像器GY〜GCが検知位置P2から現像位置P1まで回転移動した場合には、潜像形成装置ROSで書き込まれた画素数に基づくトナー使用量と、推定された前記トナー濃度とに基づいて、トナーカートリッジからY〜C色の現像剤が補給される。なお、K色の現像器GKが現像位置P1まで回転移動した場合には、前記トナー濃度が検知されていないため、前記トナー使用量に応じて、トナーカートリッジからK色の現像剤が補給される。
【0041】
また、前記中央プレート2の前端の左右方向中央部には、前下板部の一例であって、前側の被位置決め用の板部の一例として、下方に延びる平板状の前被位置決めプレート7が形成されている。前記前被位置決めプレート7の中央部には、図3B、図4Bに示す、上側の上被位置決め孔7aと、前記上被位置決め孔7aの下方に配置され且つ上下方向に延びる下被位置決め長孔7bとが形成されている。また、前記中央プレート2の後端には、後上板部の一例であって、後側の連結用の板部の一例として、上方に延びる平板状の後連結プレート8が形成されている。前記後連結プレート8の左側の中央部には、図4に示す、下側の下被位置決め孔8aと、前記下被位置決め孔8aの上方に配置され且つ上部を切り欠いた半円状の上被位置決め長孔8bと、前記下被位置決め孔8aと前記上被位置決め長孔8bとの間の上下方向中央部に第1連結孔8cが形成されている。
【0042】
また、前記後連結プレート8の前方には、第1の連結部材の一例としての平板状の第1連結プレート11が配置されている。前記第1連結プレート11は、前記後連結プレート8の左部に対向する右側の平板状の右連結部11aと、前記右連結部11aの左方に配置され且つ前記右連結部11aより上方に延びる左連結部11bとを有する。
図4において、前記右連結部11aには、前記下被位置決め孔8aに対応する下側の下位置決め用の突起部の一例としての下位置決めボス11cと、前記上被位置決め長孔8bに対応して前記下位置決めボス11cの上方に配置された上位置決め用の突起部の一例としての上位置決めボス11dとが形成されている。また、前記下位置決めボス11cと前記上位置決めボス11dとの間の上下方向中央部に前記第1連結孔8cに対応して第1連結螺子孔11hが形成されている。
【0043】
実施例1では、下位置決めボス11cと上位置決めボス11dとが、下被位置決め孔8aと上被位置決め長孔8bとに嵌まった状態で、第1連結孔8cと第1連結螺子孔11hとを後方から貫通する第1螺子12によって螺子止めされることにより、前記後連結プレート8と前記第1連結プレート11とが連結可能になっている。
また、前記左連結部11bの右部には、図4に示す、上側の位置決め用の突出部の一例としての上位置決めピン11eと、前記上位置決めピン11eの下方に配置される下側の位置決め用の突出部の一例としての下位置決めピン11fとが形成されている。また、前記左連結部11bの上端部には、第2連結孔11gが形成されている。
【0044】
また、前記第1連結プレート11の前方には、第2の連結部材の一例としての第2連結プレート13が配置されている。前記第2連結プレート13は、前記左連結部11bに対向する後側の平板状の後連結部13aと、前記後連結部13aの左端から前方に折り曲げられて形成され且つ前記後連結部13aに比べて上下方向の高さが低く形成された平板状の前連結部13bとを有する。
【0045】
図4において、前記後連結部13aの右部には、前記上位置決めピン11eに対応し、且つ上下方向に延びた上被位置決め長孔13cと、前記下位置決めピン11fに対応して前記上被位置決め長孔13cの下方に配置された下被位置決め孔13dとが形成されており、前記後連結部13aの上端部には、前記第2連結孔11gに対応した位置に第2螺子孔13eが形成されている。実施例1では、上被位置決め長孔13cと下被位置決め孔13dとが、上位置決めピン11eと下位置決めピン11fとに勘合した状態で、第2螺子孔13eと第2連結孔11gを後方から貫通する第2螺子14によって螺子止めされることにより、前記第1連結プレート11と前記第2連結プレート13とが連結可能になっている。
また、前記前連結部13bの中央部には、ブラケットBRに連結するための第3連結孔13fが形成されている。
前記上被位置決め孔7aと、前記下被位置決め長孔7bと、前記第3連結孔13fとによって、実施例1のユニット被支持部7a+7b+13fが構成されている。
【0046】
図5は実施例1のセンサブラケットの要部拡大説明図であり、図5Aはセンサブラケットの前端部の要部拡大説明図、図5Bはセンサブラケットの後端部の要部拡大説明図である。
図1〜図3、図5において、前記センサユニットU3の外方には、被支持部本体の一例としてのセンサブラケットBRが配置されている。図3、図5において、実施例1の前記センサブラケットBRは、左板部の一例として、前記ユニットフレーム1の左方に配置され、前後方向に延びる平板状の左プレート21を有する。前記左プレート21の後端部には、前記第3連結孔13fに対応する第3螺子孔21aが形成されている。
また、図3、図5Aにおいて、前記センサブラケットBRは、一端側の被支持部の一例であって、前板部の一例として、前記ユニットフレーム1の前方に配置され且つ前記左プレート21の前端から右方に折り曲げられて形成された平板状の前プレート22を有する。
【0047】
図3Bにおいて、前記前プレート22の後面には、上側の位置決め部の一例であって、上側の突起部の一例として、前記上被位置決め孔7aに対応して後方に突出する上側ピン23と、下側の位置決め部の一例であって、下側の突起部の一例として、前記下被位置決め長孔7bに対応して前記上側ピン23の下方に配置されて後方に突出する下側ピン24とが形成されている。また、図3A、図5Aにおいて、前記前プレート22の前面には、第1の上側凸部の一例として、前方に突出する上側の前スタッド26と、第1の下側凸部の一例として、前記上側の前スタッド26の右斜め下方に配置されて前方に突出する下側の前スタッド27とが形成されている。
前記上側の前スタッド26と前記下側の前スタッド27とによって実施例1の第1の凸部26+27が構成されている。
【0048】
また、図3、図5Aにおいて、前記前プレート22の右端上部には、前方に折り曲げられて右斜め前方に延びる右延長部28が形成されている。また、前記右延長部28の右端には、右方に折り曲げられて前記前プレート22と平行となるように右方に延びる被固定部29が形成されており、前記被固定部29の中央部には、第4連結孔29aが形成されている。なお、実施例1の前記被固定部29は、前記各前スタッド26,27の前端より後方に配置されている。
実施例1では、上側ピン23および下側ピン24が上被位置決め孔7aおよび下被位置決め長孔7bを貫通することによって上下方向および左右方向の位置決めがされ且つ第3連結孔13f及び第3螺子孔21aを右方より貫通する図示しない第3螺子によって第3連結孔13fが螺子止めされることによって左右方向の位置決めおよび固定がされることにより、前記センサユニットU3が前記センサブラケットBRに固定支持される。
すなわち、実施例1では、前記センサユニットU3のユニット被支持部7a+7b+13fが、前記上側ピン23と、前記下側ピン24と、前記第3螺子孔21aおよび前記第3螺子とによって構成された検知部材支持部の一例としてのユニット支持部23+24+21aによって支持されている。
【0049】
また、図3、図5Bにおいて、前記センサブラケットBRは、他端側の被支持部の一例であって、後板部の一例として、前記ユニットフレーム1の後方に配置された平板状の後プレート31を有する。前記後プレート31は、前記左プレート21の後端から右方に折り曲げられて形成され且つ前記左プレート21に比べて上方に延びて形成されている。また、前記後プレート31には、上側の後位置決め孔32と、前記上側の後位置決め孔32の右斜め下方に配置された下側の後位置決め孔33とが形成されている。前記各後位置決め孔32,33は、位置決め部の一例として、上側の上下方向に延びる長孔状の上貫通孔32aと丸孔状の上貫通孔33aを有する。また、前記上貫通孔32a,33aの下方には、挿入部の一例として、左右方向に延びる下貫通長孔32b,33bが形成されている。また、上貫通孔32a,33aと下貫通長孔32b,33bとの間には、通過部の一例として、各孔(32a,32b),(33a,33b)どうしを連結する連結孔32c,33cが形成されている。
【0050】
実施例1では、前記下貫通長孔32b,33bの上下方向の幅である通過幅が前記上貫通孔32aの左右方向の幅及び前記上貫通孔33aの直径よりも長くなるように設定されており、前記連結孔32c,33cの左右方向の幅が前記上貫通孔32aの左右方向の幅及び前記上貫通孔33aの直径よりも短くなるように設定されている。
前記上側の後位置決め孔32と前記下側の後位置決め孔33とによって実施例1の第2の凹部32+33が構成されている。
また、図3、図5において、前記センサブラケットBRは、上板部の一例として、前記ユニットフレーム1の上方に配置され且つ前記左プレート21の上端から右方に折り曲げられて形成された平板状の上プレート34を有する。前記上プレート34の後端右部には、前記後プレート31に向けて後方に延びる後延長部34aが形成されている。
【0051】
図6は実施例1の前支持体の要部拡大説明図である。
図7は実施例1の後支持体の要部拡大説明図であり、図7Aは後スタッドが装着された後支持体の拡大図、図7Bは後スタッドの拡大図である。
図8は実施例1の各支持体とセンサブラケットとの配置に関する説明図であり、図8Aは開閉カバーを開放して前支持体と後支持体との間のセンサ収容空間を上方から見た状態の説明図、図8Bは後支持体の後スタッドがセンサブラケットの後位置決め孔に挿入されてセンサブラケットが後支持体から前後方向に対して上斜め右方に傾斜して延びた状態を上方から見たときの説明図、図8Cは図8Bの状態を右方から見たときの説明図である。
【0052】
図6〜図8において、前記センサブラケットBRの前方および後方には、一端側の支持体の一例として、プリンタ本体U1の前側に配置された板状の前支持体41と、他端側の支持体の一例として、プリンタ本体U1の後側に配置された板状の後支持体42が設けられている。
図6において、実施例1の前記前支持体41には、前記上側の前スタッド26に対応する位置で上下方向に延びる第1の上貫通長孔41aと、前記下側の前スタッド27に対応する位置で前記第1の上貫通長孔41aの下方に配置された第1の下貫通孔41bとが形成されている。
【0053】
なお、実施例1では、第1の上貫通長孔41aの左右方向の幅が、上側の前スタッド26の外径に応じて予め設定されており、上側の前スタッド26が第1の上貫通長孔41aを貫通することが可能になっている。また、第1の下貫通孔41bの外径が、下側の前スタッド27の外径に応じて予め設定されており、下側の前スタッド27が第1の下貫通孔41bを貫通して嵌まり合うことが可能になっている。
前記第1の上貫通長孔41aと前記第1の下貫通孔41bとによって、実施例1の第1の凹部41a+41bが構成されている。
また、前記前支持体41には、固定部の一例として、前記第4連結孔29aに対応して前記第1の上貫通長孔41aの右方に配置された第4螺子孔41cが形成されている。よって、図8に示すように、第4連結孔29aを後方から貫通する第4螺子41dによって第4螺子孔41cに螺子止めされることにより、前支持体41とセンサブラケットBRの被固定部29とが固定可能になっている。
【0054】
図7Aにおいて、実施例1の前記後支持体42は、前記センサブラケットBRの上側の後位置決め孔32に対応する位置で前後方向に貫通する第2の上貫通孔42aを有する。また、前記第2の上貫通孔42aの下方には、前記センサブラケットBRの下側の後位置決め孔33に対応する位置で前後方向に貫通する第2の下貫通孔42bが形成されている。
また、前記第2の上貫通長孔42aと前記第2の下貫通孔42bとの間には、第5螺子孔42cが形成されている。
【0055】
また、図7A、図7Bにおいて、前記後支持体42の後面には、後貫通部材43が支持されている。図7Bにおいて、実施例1の前記後貫通部43は、前記後支持体42に対向する平板状の被固定板部44を有する。前記被固定板部44の前面には、第2の上側凸部の一例として、前記第2の上貫通孔42aを貫通して前方に突出する上側の後スタッド46が形成されている。また、前記上側の後スタッド46の下方には、第2の下側凸部の一例として、前記第2の下貫通孔42bを貫通して前方に突出する下側の後スタッド47とが形成されている。
また、前記各後スタッド46,47どうしの間には、前記第5螺子孔42cに対応する位置で前後方向に貫通する第5連結孔48が形成されている。よって、図7に示すように、第5連結孔48を後方から貫通する第5螺子49によって第5連結孔48が螺子止めされることにより、後支持体42と後貫通部材43とが固定される。
前記上側の後スタッド46と前記下側の後スタッド47とによって実施例1の第2の凸部46+47が構成されている。
【0056】
実施例1の前記各後スタッド46,47は、前記被固定板部44の前面から前方に延びる円柱状の後円柱部46a,47aを有する。また、前記後円柱部46a,47aの前端には、前方に進むに連れて外径が小さくなる円錐台状の後側の円錐台部の一例としての後円錐台部46b,47bが形成されている。また、前記後円錐台部46b,47bの前端には、前方に延びる円柱状の中央円柱部46c,47cが形成されている。また、前記中央円柱部46c,47cの前端には、前方に進むに連れて外径が大きくなる円錐台状の前側の円錐台部の一例としての前円錐台部46d,47dが形成されている。また、前記後円錐台部46d,47dの前端には、前方に延びる円柱状の前円柱部46e,47eが形成されている。なお、実施例1の前記前円柱部46e,47eの前端面の縁には、面取り46f,47fが形成されている。
【0057】
実施例1では、前記前円柱部46e,47eの外径が、前記後円柱部46a,47aの外径となるように設定されている。また、大径の前記各円柱部46a,46e,47a,47eの外径が、前記上貫通孔32a,33aの外径に応じて設定されており、前記各円柱部46a,46e,47a,47eが上貫通孔32a,33aを貫通して嵌まり合うことが可能になっている。また、小径の前記中央円柱部46c,47cの外径が、連結孔32c,33cの左右方向の幅に応じて予め設定されており、中央円柱部46c,47cが連結孔32c,33cに嵌まった状態で上下方向に通過可能になっている。なお、各円柱部46a,46e,47a,47eの外径は、連結孔32c,33cの幅より大きく設定されているため通過不能になっている。
前記中央円柱部46c,47cによって小径の第1の柱部46c+47cが構成されており、前記各円柱部46a,46e,47a,47eによって大径の第2の柱部46a+46e+47a+47eが構成されている。
【0058】
図8において、前記前支持体41と前記後支持体42との間には、プリンタ本体U1の内部空間の一例としてのセンサ収容空間51が形成されている。図8Aにおいて、実施例1では、前プレート22の各前スタッド23,24の前端から後プレート31までの前後方向の長さ、すなわち、センサブラケットBRの前後方向の長さである第1の長さの一例としてのブラケット長をL1[mm]とし、前支持体41の後面から後支持体42の前面までの前後方向の長さ、すなわち、センサ収容空間51の前後方向の長さである第2の長さの一例としての空間長をL2[mm]とし、前支持体41の後面から各後スタッド46,47の前円柱部46e,47eの前端までの前後方向の長さである第3の長さの一例としての位置決め長をL3[mm]とし、前支持体41の後面から各後スタッド46,47の中央円柱部46c,47cまでの前後方向の長さである第4の長さの一例としての通過長をL4[mm]とした場合に、(位置決め長L3)<(ブラケット長L1)<(通過長L4)<(空間長L2)となるように設定されている。
【0059】
また、図8B、図8Cにおいて、実施例1では、後支持体42の各後スタッド46,47がセンサブラケットBRの各後位置決め孔32,33の下貫通長孔32b,33bに挿入された場合に、センサブラケットBRの前端部が前後方向に対して傾斜可能となっている。ここで、傾斜したセンサブラケットBRの前端から後端の前後方向の長さである第1の傾斜長の一例であって、可変長の一例としての傾斜ブラケット長をL5[mm]とした場合、センサブラケットBRの傾斜が大きい場合には、(傾斜ブラケット長L5)<(位置決め長L3)となり、センサブラケットBRの傾斜が小さい場合には、(傾斜ブラケット長L5)≧(位置決め長L3)となるように設定されている。なお、実施例1の前記傾斜ブラケット長L5は、各後スタッド46,47が下貫通長孔32b,33bに挿入された状態では、常に、(傾斜ブラケット長L5)<(ブラケット長L1)となるように設定されている。
【0060】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の前記プリンタUでは、ジョブが実行されると、現像領域Q2において現像位置P1で停止した各現像器GY〜GKの現像ロールGRy〜GRkに保持された各色のトナーにより、像保持体PR表面の静電潜像が現像される。このとき、像保持体PR表面上のトナー像に応じて各現像器GY〜GKのトナーが消費される。前記プリンタUでは、図1、図2に示すように、検知位置P2に停止した各現像器GY〜GKの現像ロールGRy〜GRkに対向するセンサユニットU3のセンサ本体6,6は、現像ロールGRy〜GRc表面のトナーの濃度を検知し、センサ本体6,6の検知結果に基づいて現像容器GHy〜GHc内のトナーの濃度が推定される。そして、Y,M,Cの各色の各現像器GY〜GCが検知位置P2から現像位置P1まで回転移動してトナーカートリッジから現像剤が補給される際に、推定されたトナー濃度に基づいて、現像剤の補給量が調節される。
【0061】
図9は実施例1の作用説明図であり、センサブラケットを前後方向に対して傾斜させてセンサ収容空間に進入させた状態の説明図である。
図10は図9の状態からセンサブラケットの前側を移動させてセンサブラケットが前支持体と後支持体とに対して垂直に配置した状態の説明図である。
図11は図10の状態からセンサブラケットを上方に移動させて後スタッドが連結孔を通過して上貫通孔を貫通した状態の説明図である。
図12は図11の状態からセンサブラケットを前方に移動させて前後両端の各スタッドが各貫通孔を貫通して嵌まって位置決めされた状態の説明図である。
図13は図12の状態からセンサブラケットの被固定部が螺子止めされることによりセンサブラケットが前支持体に固定された状態の説明図である。
【0062】
ここで、実施例1の前記センサユニットU3は、センサブラケットBRを介して、プリンタ本体U1の各支持体41,42に着脱可能に支持されている。実施例1では、検知部材の一例としてのユニット全体U3+BRを装着する場合には、開閉カバーU2を開放してセンサ収容空間51が上方から露出された状態で、センサ収容空間51の上方からユニット全体U3+BRが進入されて後支持体42側の各後スタッド46,47がセンサブラケットBR側の各後位置決め孔32,33の下貫通長孔32b,33bに挿入される。このとき、実施例1のユニット全体U3+BRは、(ブラケット長L1)<(空間長L2)に設定されており、センサブラケットBRを各支持部41,42に対して垂直、すなわち、前後方向に延びた状態でセンサ収容空間51に進入可能である。
【0063】
しかしながら、実施例1のユニット全体U3+BRは、(位置決め長L3)<(ブラケット長L1)に設定されており、センサブラケットBRの後プレート31と後支持体42の上側の後スタッド46とが干渉してしまい、ユニット全体U3+BRを装着できない。
したがって、ユニット全体U3+BRを装着する場合には、(傾斜ブラケット長L5)<(位置決め長L3)となるように、ユニット全体U3+BRが傾斜されてセンサブラケットBRの前後両端部が各支持体41,42に干渉することなく、各後スタッド46,47が各後位置決め孔32,33の下貫通長孔32b,33bに挿入される。
この結果、センサブラケットBRの前端部が、センサ収容空間51内で前後方向に対して右方に傾斜して配置された図9に示す状態になる。
【0064】
また、実施例1の前記下貫通長孔32b,33bは長孔で構成されており、下貫通長孔32b,33bに挿入された各後スタッド46,47は、前後方向や左右方向に移動可能になっている。このため、各後スタッド46,47と下貫通長孔32b,33bとが嵌まった状態でセンサブラケットBRの後端部を中心として、センサブラケットBRの前端部が回転移動可能となっている。ここで、図9に示す状態からセンサブラケットBRの前端部が左方に回転移動された場合には、センサブラケットBRの傾斜が小さくなる。この場合、実施例1のユニット全体U3+BRは、(位置決め長L3)<(傾斜ブラケット長L5)<(ブラケット長L1)<(通過長L4)<(空間長L2)に設定されており、各後スタッド46,47が各下貫通長孔32b,33bから抜けず、且つ、センサブラケットBRの前端部が前支持体41に干渉することなく、センサブラケットBRの前端部が回転移動可能になっている。
【0065】
よって、図9に示す状態から、各後スタッド46,47が各後位置決め孔32,33の連結孔32c,33cを通過可能になる各後スタッド46,47の中央円柱部46c,47cの部分が各後位置決め孔32,33に嵌まった図10に示す状態になるまで、センサブラケットBRの前後方向へのスライド移動と、センサブラケットBRの前端部の左方への回転移動とが行われる。すなわち、各後スタッド46,47の前円柱部46e,47eの部分が後プレート31の各後位置決め孔32,33に嵌まっている場合にはセンサブラケットBRが後方にスライド移動され、各後スタッド46,47の後円柱部46a,47aの部分が各後位置決め孔32,33に嵌まっている場合にはセンサブラケットBRが後方にスライド移動される。なお、実施例1のユニット全体U3+BRは、(ブラケット長L1)<(通過長L4)に設定されており、各前スタッド26,27が前支持体41に干渉することなく、センサブラケットBRが前方にスライド移動されて図10に示す状態にすることが可能になっている。
図10に示す状態では、プリンタ本体U1の前側については、センサブラケットBRの前プレート22と前支持部41の後面とが対向し、且つ、各前スタッド26,27が第1の上貫通長孔41aおよび第1の下貫通孔41bの後ろ斜め下方に配置された状態になっている。
【0066】
次に、センサブラケットBRが下方にスライド移動されると、各中央円柱部46c,47cが上方の連結孔32c,33cを通過し、各後スタッド46,47が各下貫通長孔32b,33bから各上貫通孔32a,33aまで移動する。この結果、各後スタッド46,47の前円柱部46e,47eが各上貫通孔32a,33aの前方で対向し、且つ、各前スタッド26,27が第1の凹部41aおよび第1の下貫通孔41bの後方で対向する位置まで移動した図11に示す状態になる。
次に、センサブラケットBRが前方にスライド移動されると、前側では各前スタッド26,27が前支持体41の各孔41a,41bを貫通して嵌まる。また、後側では、各上貫通孔32a,33aが中央柱部部46c,47cと前円柱部46e,47eとの間をスライド移動する際に前円錐台部46d,47dによって案内されながら、前円柱部46e,47eが各上貫通孔32a,33aを貫通して嵌まる。
この結果、ユニット全体U3+BRが各支持体41,42に位置決めされた図12に示す状態になる。また、この状態では、前支持体41の後面とセンサブラケットBRの被固定部29とが接触した状態になっており、図13に示すように、第4連結孔29aと第4螺子孔41cとを螺子止めすると、前支持体41と被固定部29とが固定される。この結果、ユニット全体U3+BRが各支持体41,42に位置決めされた状態で固定支持される。
【0067】
ここで、実施例1では、前後方向に延びるユニット全体U3+BRは、前後方向に延びる各スタッド26+27,46+47が各孔41a+41b,32+33に挿入されて各支持部41,42に位置決めされる。これに対して、従来の構成では、特許文献2、3のように、ユニット全体U3+BRが各支持体41,42に着脱不能に支持されており、ユニット全体U3+BRを各支持体41,42から取り外すには、ユニット全体U3+BRと各支持体41,42とを分解する必要があった。
また、ユニット全体を着脱可能とし且つスタッドと孔とで位置決めする構成とする場合には、特許文献4のように、スタッドが突起する前後方向に着脱する構成が簡易な構成である。しかしながら、例えば、ロータリ式の現像装置Gは、前後方向に現像剤の補給機構や排出機構が設けられている場合には、前後方向には着脱が困難であり、プリンタ本体U1内部の各部材の全てを前後方向に着脱可能にすると構成が複雑化する。よって、前後方向に着脱困難な現像装置G等については、着脱方向としての上方や左右方向から着脱する構成とする方が、構成が簡易で交換作業が容易になり、作業者等からの要求が高い。
【0068】
一方で、プリンタ本体U1の小型化の要求もあり、現像装置G等を上方や左右方向から着脱する場合に、着脱する方向を避けてセンサユニットU3等の隣接する他の各部材を配置できない場合がある。例えば、実施例1の前記プリンタUにおいて、現像装置Gの交換作業の妨げとならないように、ユニット全体U3+BRを現像装置Gの上方ではなく、現像装置Gの下方に着脱不能に支持することが考えられる。しかしながら、測定対象との位置関係やプリンタ本体U1内の他の部材との位置関係によって、ユニット全体U3+BRを配置する空間を確保できなかったり、検知精度が低下したりすることがある。よって、現像装置Gの交換作業における現像装置Gの通過領域にユニット全体U3+BRが着脱可能に支持される構成が必要となることがある。
なお、ユニット全体U3+BRを着脱可能とした場合、仮に、現像装置Gが前記通過領域としての上方または左右方向に着脱可能とし、特許文献4のように、ユニット全体U3+BRが前方に取り出される構成とすると、現像装置Gを着脱する場合に、ユニット全体U3+BRと現像装置Gの着脱作業を行う方向が異なる方向となり、現像装置Gの交換作業が煩雑で面倒なものとなる。
【0069】
また、ユニット全体U3+BRを上方または左右方向から着脱可能とする場合、位置決めおよびその精度が問題となる。前述のように、着脱されるユニット全体U3+BRの位置決めは、スタッドと孔とで行うことが簡易で精度を出し易く好ましいが、上方または左右方向から着脱されるユニットU3+BRに対して上方または左右方向に突出するスタッドを設ける場合、プリンタ本体U1側にスタッドや孔が設けられた固定のフランジを現像装置Gの通過領域に配置することになり、現像装置Gの着脱作業の妨げとなる。
よって、着脱される方向である上方または左右方向と交差する前後のフレーム(41,42)にスタッドや孔を設けることが望ましいが、前後方向にスタッドが突起する構成では、ユニット全体U3+BRを上方または左右方向から装着した後に、前後方向に移動させて、スタッドを孔に嵌める必要がある。
【0070】
この場合、前後のフレーム(41,42)の距離(L2)を十分に長くすれば、スタッドを孔に嵌めるのは容易であるが、プリンタUが大型化する問題が発生する。よって、スタッドが突起する方向と交差する方向からユニット全体U3+BRを着脱可能、且つ、プリンタUが大型化しない構成が望まれる。
これに応じて、実施例1では、センサブラケットBRが傾斜された状態で、後側のスタッド46+47が孔32+33に挿入され、各後スタッド46,47が挿入された状態で、傾斜されたセンサブラケットBRが回転移動やスライド移動されて前後方向に突起するスタッド26+27,46+47が孔41a+41b,32+33に嵌まるようになっている。
【0071】
図14は実施例1の作用説明図であり、図14Aはセンサブラケットが傾斜されずに収容された後にスライド移動させてスタッドが孔に挿入される構成の説明図、図14Bはセンサブラケットを傾斜した状態でスライド移動させてスタッドが孔に挿入可能な実施例1の構成の説明図である。
ここで、図14Aに示すように、ユニット全体U3+BRが傾斜していない状態で上方から各支持体41,42の間に進入した後、センサブラケットBRが後方にスライド移動して前後方向に延びるスタッドが孔に挿入される構成について考える。この場合、前記空間長をL2′[mm]とし、各後スタッド46,47の前後方向の長さである第6の長さの一例としてのスタッド長をL6[mm]とした場合に、(ブラケット長L1)+(スタッド長L6)<(空間長L2′)となるように設定する必要がある。
【0072】
これに対して、図14Bに示すように、実施例1の構成では、センサブラケットBRが傾斜された状態で、後側のスタッド46+47を孔32+33に挿入するためには、(傾斜ブラケット長L5)+(スタッド長L6)<(空間長L2)となる必要がある。また、各後スタッド46,47が挿入されて後方に移動した前後方向の長さである第7の長さ一例としての移動距離をL7[mm]とした場合に、傾斜されたセンサブラケットBRが回転移動やスライド移動によって図10に示す状態に配置するためには、(ブラケット長L1)+(スタッド長L6)−(移動距離L7)<(空間長L2)となる必要がある。
【0073】
ここで、実施例1では、図8に示すように、(スタッド長L6)=(空間長L2)−(位置決め長L3),(移動距離L7)≒(通過長L4)−(位置決め長L3),(傾斜ブラケット長L5)<(位置決め長L3)<(ブラケット長L1)<(通過長L4)<(空間長L2)となるように設定されており、(傾斜ブラケット長L5)<(位置決め長L3)から、(傾斜ブラケット長L5)+{(空間長L2)−(位置決め長L3)}<(空間長L2)が成立すると共に、(ブラケット長L1)<(通過長L4)から、(ブラケット長L1)+{(空間長L2)−(位置決め長L3)}−{(通過長L4)−(位置決め長L3)}<(空間長L2)が成立する。すなわち、実施例1では、(傾斜ブラケット長L5)+(スタッド長L6)<(空間長L2),(ブラケット長L1)+(スタッド長L6)−(移動距離L7)<(空間長L2)に設定されている。
よって、第8の長さの一例として、図14Aに示す構成の空間長L2′と、図14Bに示す実施例1の空間長L2との差分長をL8[mm]とした場合に、(差分長L8)=(空間長L2′)−(空間長L2)=(移動距離L7)となる。この結果、実施例1の前記プリンタ本体U1は、図14Aに示す構成に比べ、空間長L2を少なくとも移動距離L7の分だけ短く設定することが可能になっている。
【0074】
すなわち、実施例1の前記プリンタUでは、傾斜したセンサブラケットBRの回転やスライド移動が可能な範囲で、空間長L2を短く設定することが可能になっており、空間長L2が大きく確保された図14Aに示す構成に比べ、前記プリンタ本体U1を前後方向に小型化することが可能になっている。この結果、実施例1の前記プリンタUでは、ユニット全体U3+BRを上方から着脱する場合であっても、ユニット全体を前方から着脱可能な特許文献4等の構成に比べ、プリンタUが必要以上に大型化しないようになっている。
また、実施例1では、ユニット全体U3+BRが各支持体41,42に装着された場合に、前後方向に延びる各スタッド26+27,46+47が各孔41a+41b,32+33に嵌まって位置決めされている。この結果、実施例1の前記プリンタUでは、ユニット全体U3+BRを上方から着脱可能な構成としても、ユニット全体を前方から着脱して前後方向に延びるスタッドが孔に嵌まって位置決めされる特許文献4等の構成と同様に、センサユニットU3を精度良く位置決めすることが可能になっている。
【0075】
さらに、実施例1では、現像装置Gの交換時には、センサブラケットBR、現像装置Gの順にセンサ収容空間51の上方または側方からそれぞれ取り出すことが可能になっている。よって、実施例1の前記プリンタUでは、従来の構成に比べ、現像装置Gの交換作業時の煩雑さが低減され、プリンタ本体U1のメンテナンス性が向上されている。
この結果、実施例1の前記プリンタUは、センサユニットU3の位置決めの精度向上と、プリンタ本体U1の小型化と、メンテナンス性の向上とを全て実現することが可能になっている。
【0076】
また、実施例1では、図8A、図13に示すように、前支持体41とセンサブラケットBRの被固定部29とが螺子止めされており、ユニット全体U3+BRの位置決めがズレないように固定されている。また、実施例1の前記被固定部29は、前プレート22から右方に延びて検知位置P2の現像ロールGRy〜GRkの右斜め上方に配置されており、図12に示す、現像ロールGRy〜GRkの前後方向中央部に予め設定された画像形成幅ARの外側で螺子止めが行われている。この結果、実施例1の前記プリンタUでは、螺子止め時に発生する被固定部29や第4螺子孔41cの切り屑や切粉が現像ロールGRy〜GRk表面の画像形成幅ARの範囲内に降りかかることが低減されている。よって、現像器GY〜GKが現像位置P1まで回転移動して現像や転写が行われる場合に、現像ロールGRy〜GRkに降りかかった切り屑や切粉が現像領域Q2に進入して、画像不良等が発生することが防止されている。
【0077】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H016)を下記に例示する。
(H01)前記各実施例において、画像形成装置の一例としてプリンタUを例示したが、これに限定されず、複写機、FAX、あるいはこれら複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、電子写真方式の画像形成装置に限定されず、インクジェット記録方式やサーマルヘッド方式などをはじめリソグラフ等の印刷機等任意の画像形成方式の画像形成装置に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。また、回転式の現像装置Gに限定されず、各色毎に像保持体、帯電器、潜像形成装置、現像器等が設けられた構成、いわゆるタンデム式の構成とすることも可能である。
【0078】
(H02)前記実施例では、第1の凸部26+27をセンサブラケットBRに配置し且つ第2の凸部46+47を後支持部42に配置したが、これに限定されず、凸部と凹部の配置の組み合わせについては任意に変更可能である。例えば、前記実施例とは逆に、第2の凸部をセンサブラケットBRに配置し且つ第1の凸部を前支持部41に配置することも可能である。また、例えば、前後の両凸部をセンサブラケットBRに配置に配置したり、前後の両凸部を各支持部41,42に配置したりすることも可能である。
(H03)前記実施例では、第1の凸部26+27をプリンタ本体U1の前側に配置し且つ第2の凸部46+47をプリンタ本体U1の後側に配置したが、これに限定されず、凸部と凹部の配置方向については任意に変更可能である。例えば、前記実施例とは逆に、第2の凸部46+47をプリンタ本体U1の前側に配置し且つ第1の凸部26+27をプリンタ本体U1の後側に配置することも可能である。この場合、特殊な形状の第2の凸部46+47に応じた第2の凹部32+33もプリンタ本体U1の前側に配置する必要がある。
(H04)前記各実施例において、各後スタッド46,47は、後支持体42に支持される後貫通部材43に形成されているが、これに限定されず、後支持体42に一体形成することも可能である。
【0079】
(H05)前記各実施例では、前後方向に延びるユニット全体U3+BRを上方から着脱したが、これに限定されず、プリンタ本体U1内の他の部材が妨げにならない限り、前後方向と直交する任意の方向から着脱することが可能であり、例えば、開閉カバーU2が右方に設けられた場合には、ユニット全体U3+BRを右方から着脱することも可能である。
(H06)前記実施例の前記各後スタッド46,47は、後円柱部46a,47aの外径を前円柱部46e,47eの外径となるように形成したが、後円柱部46a,47aの外径については任意に変更可能であり、例えば、後円柱部46a,47aの外径を、前円柱部46e,47eの外径より大きくしたり、中央円柱部46c,47cの外径となるように形成することも可能である。
(H07)前記実施例のように、大径の各円柱部46a,47a,46e,47eと小径の中央円柱部46c,47cとの間に各円錐台部46b,47b,46d,47dが形成されることが好ましいが、これらを省略することも可能である。また、前円柱部46e,47eの前端面の縁に面取り46f,47fを形成して前円柱部46e,47eを下貫通長孔32b,33bに挿入し易くすることが好ましいが、これを省略することも可能である。
【0080】
(H08)前記各実施例では、図9に示すように、センサブラケットBRの前端部が前後方向に対して右方に傾斜された状態で、各後スタッド46,47が各後位置決め孔32,33の下貫通長孔32b,33bに挿入されているが、挿入時のセンサブラケットBRの前端部の傾斜させる方向はこれに限定されず、上下方向や左方に傾斜させることも可能である。
(H09)前記各実施例では、センサユニットU3により、検知位置P2に停止したY,M,C色の各現像器GY〜GCのトナー濃度のみを検知したが、黒:Kのトナー濃度も検知可能なセンサユニットU3を適用する場合には、検知位置P2に停止した全てのY〜K色の各現像器GY〜GKのトナー濃度を検知することも可能である。
【0081】
(H010)前記各実施例では、センサユニットU3を現像装置Gの上方に配置し、検知位置P2で停止した現像器GY〜GCの現像ロールGRy〜GRcのトナー濃度を検知したが、センサユニットU3を配置可能な空間が存在し且つセンサユニットU3の検知精度が確保可能な場合には、センサユニットU3の配置を変更して、その他の停止位置P1,P3,P4で停止した現像器GY〜GCの現像ロールGRy〜GRcのトナー濃度を検知することも可能である。このとき、各停止位置P1,P3,P4に応じて、ユニット全体U3+BRを現像ロールGRy〜GRcの側方や下方に配置することも可能である。なお、この場合、現像ロールGRy〜GRkの画像形成幅ARの内側に対応する位置に被固定部29が配置されても、画像形成幅ARの範囲内に被固定部29や第4螺子孔41cの切り屑や切粉が降りかかり難くなっている。
【0082】
(H011)前記実施例では、第1の凸部26+27や第2の凸部46+47を、それぞれ上下2個のスタッドにより構成したが、スタッドの数についてはこれに限定されず、例えば、1個のスタッドにより構成したり、3個以上のスタッドにより構成することも可能である。
(H012)前記実施例のように、螺子止めされる被固定部29を、検知位置P2の現像ロールGRy〜GRkの画像形成幅ARの上方の外側に配置して、画像形成幅ARの範囲内に被固定部29や第4螺子孔41cの切り屑や切粉が降りかかるのを防止することが好ましいが、画像形成幅ARの上方に配置することも可能である。
(H013)前記実施例のユニット全体U3+BRは、センサユニットU3とセンサブラケットBRとを別体として構成したが、これに限定されず、センサユニットU3とセンサブラケットBRとを一体的に構成することも可能である。
【0083】
(H014)前記実施例のように、第1の凹部41a+41bおよび第2の凹部32+33において、第1の凸部26+27および第2の凸部46+47を挿入、案内、嵌まり易くするために、第1の凸部26+27および第2の凸部46+47を円柱状に形成することが好ましいが、これに限定されず、例えば、角柱状に形成することも可能である。この場合、第1の凹部41a+41bおよび第2の凹部32+33についても、各凸部26+27,46+47の形状に応じて嵌まるように形成する必要がある。
(H015)前記実施例では、第1の凹部41a+41bおよび第2の凹部32+33を貫通孔として形成したが、これに限定されず、例えば、溝や凹みとして形成することも可能である。
(H016)前記実施例では、センサユニットU3により現像ロールGRy〜GRcのトナー濃度を検知したが、これに限定されず、例えば、中間転写ベルトBの濃度を検知することも可能である。
【符号の説明】
【0084】
22…一端側の被支持部、26+27…第1の凸部、31…他端側の被支持部、32+33…第2の凹部、32a,33a…位置決め部、32b,33b…挿入部、32c,33c…通過部、41…一端側の支持体、41a+41b…第1の凹部、42…他端側の支持体、46+47…第2の凸部、46a+46e+47a+47e…第2の柱部、46c+47c…第1の柱部、46f,47f…面取り、51…内部空間、AR…画像形成幅、G…現像装置、Ga…回転軸、GRy〜GRk…現像剤保持体、GHy〜GHk…現像容器、GY〜GK…現像器、P1…現像位置、PR…像保持体、U…画像形成装置、U3…検知部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に設置されて、現像剤を検知する検知部材であって、
前記検知部材は、
前記検知部材の一端側に対応して配置された前記画像形成装置の一端側の支持体に一端側の被支持部が支持されると共に、
前記検知部材の他端側に対応して配置された前記画像形成装置の他端側の支持体に他端側の被支持部が支持され、
前記一端側の支持体または前記一端側の被支持部のいずれか一方に配置され、他方側に突起する第1の凸部と、
前記一端側の支持体または前記一端側の被支持部のいずれか他方に配置され、前記第1の凸部に嵌まって、前記第1の凸部を一端と他端とを結ぶ方向に移動可能に支持する第1の凹部と、
前記他端側の支持体または前記他端側の被支持部のいずれか一方に配置され、他方側に突起する第2の凸部であって、前記一端と他端とを結ぶ方向に沿って延びる第1の柱部と、前記第1の柱部の延びる方向にずれた位置に配置され、前記第1の柱部に比べて外形が大きく形成され且つ前記一端と他端とを結ぶ方向に沿って延びる第2の柱部と、を有する前記第2の凸部と、
前記他端側の支持体または前記他端側の被支持部のいずれか他方に配置され、前記第2の凸部に嵌まって前記第2の凸部を前記一端と他端とを結ぶ方向に移動可能に支持する第2の凹部であって、前記一端側の支持体と前記他端側の支持体との間に形成された内部空間の外方から前記検知部材が前記一端と他端とを結ぶ方向に対して傾斜した状態で進入された場合に前記第2の凸部が挿入可能且つ前記第2の柱部の外形より大きく形成された挿入部と、前記挿入部に連結して形成され且つ前記第1の柱部の外形より大きく且つ前記第2の柱部の外形よりも小さく形成されて前記第1の柱部が通過可能な通過部と、前記通過部に連結して形成され且つ前記第2の柱部の外形に応じた形状に形成され且つ前記第1の柱部が前記通過部を通過した後に前記検知部材が前記一端と他端とを結ぶ方向に移動された場合に前記第2の柱部が嵌まって前記検知部材が前記一端と他端とを結ぶ方向に沿い且つ位置決めされた状態で支持する位置決め部と、を有する前記第2の凹部と、
を備えたことを特徴とする前記検知部材。
【請求項2】
円柱状に形成された前記第1の柱部および前記第2の柱部、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の検知部材。
【請求項3】
前記第1の柱部と前記第2の柱部との間に配置され且つ前記第1の柱部と前記第2の柱部とをつなぐ円錐台部、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の検知部材。
【請求項4】
前記第2の柱部の先端に面取りが形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の検知部材。
【請求項5】
前記画像形成装置に対して螺子止めで固定支持された
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の検知部材。
【請求項6】
前記螺子止めされる位置が、画像が形成される予め設定された幅である画像形成幅の外側に配置された
ことを特徴とする請求項5に記載の検知部材。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の検知部材
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体と、現像剤を収容する現像容器とを有し、像保持体の表面に形成された潜像を可視像に現像する現像装置と、
前記現像装置の外方から前記現像剤保持体に検知光を照射する照射部と、前記現像剤保持体からの光を受光する受光部と、を有し、前記受光部の検知結果に基づいて、前記現像容器内の現像剤の濃度を検知する請求項1ないし6のいずれかに記載の検知部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
表面に潜像が形成される像保持体と、
表面に現像剤を保持して回転する現像剤保持体と現像剤を収容する現像容器と有する現像器を複数有し、前記像保持体の表面に対向する現像位置に、回転軸を中心として前記各現像器を順次移動させる回転式の現像装置と、
を備えたことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
予め設定された着脱方向に沿って、画像形成装置に対して前記現像装置と前記検知部材とを着脱可能に構成された
ことを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記検知部材が着脱される方向に沿って前記内部空間を通じて着脱可能に支持され且つ前記検知部材が装着される方向に沿って前記検知部材の下流側に配置された前記現像装置と、
を備えたことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−103512(P2012−103512A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−252370(P2010−252370)
【出願日】平成22年11月10日(2010.11.10)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】