説明

横向ガスシールドアーク溶接方法

【課題】 ビルの建築等に使用されるボックス柱同士の突合せやコラムの端部とダイアフラムの横向多層盛溶接を、良好な作業環境下で高能率に、かつ高品質な溶接部を得ることができる横向ガスシールドアーク溶接方法を提供する。
【解決手段】 四角柱状構造物の開先部を横向姿勢で多層盛溶接するガスシールドアーク溶接方法において、四角柱状構造物の開先部は裏当金付き開先で、ルート間隔が2〜5mm、開先角度が25〜35°のレ型またはV型開先とし、各角部開先内に板厚2〜6mmの鋼製タブを取付け、該鋼製タブの溶接する開先部の裏面側に接するように銅製の冷却部材を設けて溶接することを特徴とする横向ガスシールドアーク溶接方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビルの建築等に使用されるボックス柱同士の突合せやコラムの端部にダイアフラムを横向姿勢で高能率に溶接する横向ガスシールドアーク溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ボックス柱同士の突合せ溶接やコラムを倒してダイアフラムを溶接できない場合は、ソリッドワイヤを用いて横向姿勢で溶接施工が行われている。通常、その溶接継手は裏当金付きレ形開先とし、開先角度が35°、ルート間隔を7mm前後に設定されている。本横向溶接においては、過度に開先断面積を小さくしたり、あるいは1パス当りの溶着量を増やすと融合不良やスラグ巻込み欠陥を発生する確立が高くなることから、上記の通りやや大きめの開先断面積にて、小入熱条件によるマルチパスによる施工が行われているのが現状である。本来、横向溶接は下向や立向の姿勢と比べて溶接能率が低く、かつ施工面でも難易度が高い溶接施工といえる。
【0003】
図1にボックス柱同士を突合せた斜視図、図2は図1の開先断面から下方を見た状態を示す断面図である。ボックス柱の上部材1と下部材2の外側に開先部a、b、c、dを設け、該開先部の裏側に鋼製の裏当金3を取付け、エレクションピース等によりルート間隙を設けて上部材1を下部材2に固定する。溶接は、ソリッドワイヤを用いて横向姿勢のガスシールドアーク溶接で開先部aまたは開先部aと開先部bを同時に行う。開先部aおよび開先部bを多層盛溶接して最終パスまで溶接が終わると、溶接欠陥の発生を防止することを目的として、開先部aおよび開先部bの多層盛溶接された溶接部両端面をガウジングによって所定の形状に削る。次いで、開先部cおよび開先部dを多層盛溶接を行って溶接が完了する。
【0004】
しかし、前記従来の溶接施工方法で溶接する場合、溶接が終了した開先部aおよび開先部bの多層盛溶接された溶接部両端面をガウジングによって所定の形状に削る必要があり、溶接能率が悪く、さらにガウジング作業は騒音や粉末の飛散が多く作業環境が非常に悪いものであった。
【0005】
上記の課題を解決する技術として、例えば特開平6−297144号公報(特許文献1)に、開先部の始終端にセラミックス製のタブを取付け、両方のタブ間で横向姿勢による多層盛ガスシールドアーク溶接を行いタブによる溶接金属の堰止めを行うという技術の記載がある。
【0006】
特許文献1に記載の技術で多層盛溶接を行った場合、開先部の多層盛溶接された溶接部両端面をガウジングにより削る必要はないが、溶接部端面の凹凸部にセラミックが残存するためにグラインダーなどで仕上げをする必要がある。また、最終層においてはビードが垂れやすく、ビードの垂れを防止するために低電流で高速度の溶接速度の施工条件で行われるが、スラグ巻き込み欠陥などの溶接欠陥が生じやすいという問題もある。さらに、自動溶接を行う場合には、セラミック上にはアークを発生させることができないために、バックステップ法等の複雑な動作をさせる必要がある。
【0007】
一方、横向多層盛ガスシールドアーク溶接方法で、ビードの垂れのないきれいな表ビードを得る技術として、例えば特開平8−267235号公報(特許文献2)には、フラックス入りワイヤを適用した技術の開示、特開平6−640号公報(特許文献3)には、高速回転アークを適用した技術の開示および特開平10−314985号公報(特許文献4)には、表当材を配置した技術の開示がある。
【0008】
しかし、前記特許文献2に記載の技術では、フラックス入りワイヤを用いて横向姿勢で多層盛溶接すると溶け込みが浅くなりがちであり、かつスラグ巻き込み欠陥が生じやすいという問題がある。また、特許文献3に記載の技術は、特別な溶接装置が必要になりコスト高となる。さらに、特許文献4に記載の技術では、最終層初層のビード垂れは防止できるが次層以降の溶接ビードが垂れやすいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6−297144号公報
【特許文献2】特開平8−267235号公報
【特許文献3】特開平6−640号公報
【特許文献4】特開平10−314985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、ビルの建築等に使用されるボックス柱同士の突合せやコラムの端部とダイアフラムの横向多層盛溶接を、良好な作業環境下で高能率に、かつ高品質な溶接部を得ることができる横向ガスシールドアーク溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の要旨は、四角柱状構造物の開先部を横向姿勢で多層盛溶接するガスシールドアーク溶接方法において、四角柱状構造物の開先部は裏当金付き開先で、ルート間隔が2〜5mm、開先角度が25〜35°のレ型またはV型開先とし、各角部開先内に板厚2〜6mmの鋼製タブを取付け、該鋼製タブの溶接する開先部の裏面側に接するように銅製の冷却部材を設けて溶接することを特徴とする。
【0012】
また、C:0.02〜0.08質量%、Si:1.0〜1.7質量%、Mn:1.8〜2.8質量%で、Si+Mn:3.2〜4.1質量%を含有し、その他はFeおよび不可避不純物であるソリッドワイヤを用いて溶接することも特徴とする横向ガスシールドアーク溶接方法にある。
【発明の効果】
【0013】
本発明の横向ガスシールドアーク溶接方法によれば、四角柱状構造物の各角部開先内に鋼製タブを取付けて多層盛溶接したので、溶接部端面の加工をする必要がなく、作業環境が良好になるとともに溶接能率が向上する。
【0014】
また、ルート間隔および開先角度を狭くしたので、溶接時間が短縮でき、さらに溶接能率が向上する。
【0015】
さらに、用いるソリッドワイヤの成分を限定したので、溶接欠陥や溶接ビードが垂れることがなく、高品質な溶接部を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】ボックス柱同士を突合せた斜視図である。
【図2】図1の開先断面から下方を見た状態を示す断面図である。
【図3】本発明の横向ガスシールドアーク溶接方法の実施態様を図1の開先断面から下方を見た状態を示す断面図である。
【図4】ボックス柱同士を突合せた開先形状を示す断面図である。
【図5】コラムの端部にダイアフラムを当接した開先形状を示す断面図である。
【図6】本発明の実施例における多層盛溶接の積層例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明者らは、前記課題を解決するために、ビルの建築等に使用されるボックス柱同士の突合せやコラムの端部とダイアフラムの溶接を横向姿勢で多層盛のガスシールドアーク溶接によって、作業環境を害することなく高能率に、かつ溶接欠陥のない溶接部が得られる溶接施工方法について詳細に検討した。
【0018】
その結果、各開先の角部開先内に銅製の冷却部材を当接した溶接後取除く必要のない鋼製タブを取付け、開先断面積を少なくするとともに用いるソリッドワイヤの成分を限定することによって、作業環境を害することなく、高能率な溶接欠陥のない多層盛の横向ガスシールドアーク溶接方法を見出した。
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
図1はボックス柱同士を突合せた斜視図、図3は本発明の横向ガスシールドアーク溶接方法の実施態様を図1の開先断面から下方を見た状態を示す断面図である。
【0021】
本発明においては、ボックス柱の上部材1と下部材2の外側にレ型またはV型の開先部a、b、c、dを設け、該開先部の裏側に鋼製の裏当金3を取付け、エレクションピース等によりルート間隙を設けて上部材1を下部材2に固定する。次に、開先部a、b、c、dの各角部開先内に板厚tおよび開先形状に合わせた鋼製タブ4a、4b、4c、4dを取付け、鋼製タブ4a、4b、4c、4dの溶接する開先部の裏面側に接するように銅製の冷却部材5a、5b、5c、5dを設ける。溶接は、ソリッドワイヤを用いて横向姿勢のガスシールドアーク溶接で開先部aまたは開先部aと開先部bを同時に行う。同時に溶接を行へば、能率面のほかに片側方向のみの溶接収縮による未溶接開先部のルート間隔変形を防止することができる。開先部aおよび開先部bを多層盛溶接して最終パスまで溶接が終わると、銅製の冷却部材5a、5b、5c、5dを除いて開先部cおよび開先部dを多層盛溶接を行って溶接が完了する。
【0022】
開先部は図4に示すように鋼製の裏当金3付き開先で、ルート間隔6が2〜5mm、開先角度は上部材1側開先角度θ1と下部材側開先角度θ2の合計が25〜35°のレ型またはV型の狭開先とする。
【0023】
開先部のルート間隔6が2mm未満であると、初層の溶接で鋼製の裏当金3を十分に溶かすことができない。一方、ルート間隔6が5mmを超えると、開先断面積が大きくなって、溶接能率が低下する。
【0024】
上部材1側開先角度θ1と下部材側開先角度θ2の合計が25°未満であると、溶接トーチのノズル部(図示せず)を扁平にしても開先内にノズルが入らないので、板厚tが厚い場合はワイヤの突き出し長さが長くなりシールド不足でブローホールが生じやすくなる。また、上部材1側を十分に溶かすことができず、スラグ巻き込み欠陥が生じる場合がある。一方、上部材1側開先角度θ1と下部材側開先角度θ2の合計が35°を超えると、開先断面積が大きくなって、溶接能率が低下する。
【0025】
なお、上部材1側開先角度θ1は、耐欠陥性から10°以上であることが好ましい。
また、図5にコラム7の端部にダイアフラム8を当接した場合の開先断面図を示す。コラム7の端部にダイアフラム8を当接した場合は、鋼製の裏当金3付き開先で、ルート間隔6が2〜5mm、コラム7側開先角度θ1が25〜35°のレ型の狭開先とする。
【0026】
開先部a、b、c、dの各角部開先内に取付ける鋼製タブ4a、4b、4c、4dの板厚は2〜5mmとする。鋼製タブ4a、4b、4c、4dの板厚が2mm未満であると、裏面側に接して設けてある銅製の冷却部材5a、5b、5c、5dまで溶接アークが貫通して溶接ビードが垂れ落ちたり、銅製の冷却部材5a、5b、5c、5dを溶かして溶接金属に割れが生じる。一方、板厚が6mmを超えると、鋼製タブ4a、4b、4c、4dの開先面に接している面を両側からのアークによって完全に溶かすことができず、溶接後に鋼製タブ4a、4b、4c、4dをガウジング等で取除くか、あるいは鋼製タブを完全溶け込み溶接で取付ける必要が生じて能率が悪くなる。
【0027】
鋼製タブ4a、4b、4c、4dの溶接する開先部の裏面側に接する銅製の冷却部材5a、5b、5c、5dは、アークによる鋼製タブ4a、4b、4c、4cの過熱を防止して、溶接金属の溶け落ちを防止する。
次に、本発明の横向ガスシールドアーク溶接方法に用いるソリッドワイヤの成分限定理由を説明する。
【0028】
ソリッドワイヤのCは、スパッタ発生量の低減から0.02質量%以上で耐高温割れ性から0.08質量%以下とする。
【0029】
SiおよびMnは、溶融金属の酸素を低下させの粘性を高くして横向姿勢溶接におけるビードの垂れを防止する。
【0030】
Siが1.0質量%未満であると、溶融金属の粘性が低くなってビードが垂れて中間層でスラグ巻き込み欠陥が生じやすく、最終層ではビード外観が不良になる。一方、1.7質量%を超えると、アークが不安定になりスパッタ発生量が多くなる。また、スラグ生成量が多くなるのでスラグ除去作業に時間を要し溶接能率が悪くなる。したがって、Siは1.0〜1.7質量%とする。
【0031】
狭開先の溶接においては、特に下層部ではワイヤの突き出し長さが長く設定され、シールド不足によるブローホールが生じやすくなるので、Mnを比較的多く含有させてブローホールの発生を防止する。Mnが1.8質量%未満であると、ブローホールの発生を防止する効果が得られない。一方、Mnが2.8質量%を超えると、アークが不安定になりスパッタ発生量が多くなる。また、スラグ生成量が多くなるのでスラグ除去作業に時間を要し溶接能率が悪くなる。したがって、Mnは1.8〜2.8質量%とする。
【0032】
さらに、SiとMnの合計が3.2質量%未満であると、溶融金属の粘性が低くなってビードが垂れて中間層でスラグ巻き込み欠陥が生じやすく、最終層ではビード外観が不良になる。一方、SiとMnの合計が4.1質量%を超えると、ビード止端部のなじみが不良になってスラグ巻き込み欠陥が生じやすくなる。また、スラグ生成量が多くなるのでスラグ除去作業に時間を要し溶接能率が悪くなる。したがって、Si+Mnは3.2〜4.1質量%とする。
【0033】
その他不可避不純物のPおよびSは、耐割れ性からそれぞれ0.02質量%以下とすることが好ましい。また、ワイヤ径は1.2mmまたは1.4mmとし、溶接条件は、作業能率を考慮して溶接電流:250〜400A,溶接速度:25〜50cm/minとすることが好ましい。
【0034】
なお、本発明の横向ガスシールドアーク溶接方法におけるトーチ角度は10〜15°とすることによって、ワイヤ狙い位置が安定して耐溶接欠陥性から好ましい。また、シールドガスは炭酸ガスまたはアルゴンガスに10〜50容積%の炭酸ガスを混合したガスを用いることができるが、スラグ生成量を考慮してアルゴンガスに10〜30容積%の炭酸ガスを混合したガスを用いることが好ましい。
【0035】
また、屋外や風の吹く屋内で溶接する場合は、溶接作業場をカーテンで囲ったり、溶接箇所の一辺の開先部全体を覆った防風治具を用いることがブローホール発生の防止上好ましい。
【0036】
さらに、溶接電源としてはサイリスタやインバータ制御による定電圧特性を有するタイプを使用することができるが、さらに上記の混合ガスを用いる場合には、溶け込み量を考慮してパルス電源を併用してもよい。
【実施例】
【0037】
以下、本発明の効果を実施例により具体的に説明する。JIS G3136 SN490B鋼、板厚45mmの図1に示す一辺が1100mmのボックス柱同士を突合せて、板厚12mmの裏当金付きの表1に示す各種開先形状部を、表2に示す各種成分のワイヤ径1.2mmのソリッドワイヤを用いて溶接した。溶接条件は表3に示す基準溶接条件とした。なお、図6に本発明の実施例における多層盛溶接の積層例を示す。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【表3】

また、各角部開先内に表1に示す板厚の鋼製タブを開先形状に合わせて加工して取付け、鋼製タブの溶接する開先部の裏面側に接するように銅製の冷却部材を設けて、開先部aと開先部bを同時に多層盛溶接して最終パスまで溶接し、銅製の冷却部材を除いて開先部cおよび開先部dを同時に多層盛溶接を行った。なお、溶接はボックス柱の上部材にレールを取付けて台車に溶接トーチを搭載した溶接機で行った。
【0041】
調査項目は、溶接時の溶接作業性およびビード外観の観察、溶接開始から終了までの時間、溶接後の超音波探傷による溶接欠陥の有無を調査した。それらの結果も表1にまとめて示す。
【0042】
なお、溶接時間は開先部aとbおよび開先部cとdの溶接時間の長い方の時間とした。また、ボックス柱の上部材へのレールおよび溶接機のセット時間は除外し、溶接のスタートから最終パスの溶接が終了するまでの時間とした。溶接時間は4時間以内を良好とした。
【0043】
表1中試験No.1〜試験No.5が本発明例、試験No.6〜試験No.12は比較例である。本発明例である試験No.1〜試験No.5は、ルート間隔、開先角度、鋼製タブの板厚が適正で、鋼製タブの溶接する開先部の裏面側銅製の冷却部材を設け、さらに用いたソリッドワイヤの成分が適正であるので、溶接作業性が良好で、溶接時間が短く、さらに溶接部に欠陥が生じることなく、極めて満足な結果であった。
【0044】
比較例中試験No.6は、ルート間隔が狭いので、初層に溶け込み不良が生じた。また、用いたソリッドワイヤのMnが少ないので、初層と2パス目にブローホールが生じた。
【0045】
試験No.7は、ルート間隔が広いので、溶接の時間が長くなった。また、用いたソリッドワイヤのSiが少ないので、ビードが垂れてスラグ巻き込み欠陥も生じた。
【0046】
試験No.8は、開先角度が狭いので、初層から下層部で扁平ノズルを使用してもワイヤ突き出し長さが長くなり下層部にブローホールが生じた。また、用いたソリッドワイヤのSiが多いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多く、スラグ生成量も多かった。
【0047】
試験No.9は、開先角度θ1とθ2の合計が広いので、溶接の時間が長くなった。また、用いたソリッドワイヤのSi+Mnが少ないので、ビードが垂れてスラグ巻き込み欠陥も生じた。
【0048】
試験No.10は、鋼製タブの板厚が薄いので、銅製の冷却部材までアークが貫通したので、その補修溶接に時間を要し、溶接の時間が長くなった。また、用いたソリッドワイヤのCが少ないので、スパッタ発生量が多かった。さらに、Si+Mnが多いので、スラグ生成量が多くなりその除去に時間を要してビード止端部のなじみも不良でスラグ巻き込み欠陥も生じた。
【0049】
試験No.11は、鋼製タブの板厚が厚いので開先面に接した部分に未溶融部が生じた。また、用いたソリッドワイヤのMnが多いので、アークが不安定でスパッタ発生量が多く、スラグ生成量も多く、スラグ除去に時間を要したので溶接の時間が長くなった。
【0050】
試験No.12は、銅製の冷却部材を鋼製タブに当接していないので鋼製タブが溶け落ち、その補修溶接に時間を要して溶接の時間が長くなった。また、用いたソリッドワイヤのCが多いので、初層に高温割れが生じた。
【符号の説明】
【0051】
1 上部材
2 下部材
a、b、c、d 開先部
3 鋼製の裏当金
4a、4b、4c、4d 鋼製タブ
5a、5b、5c、5d 銅製の冷却部材
6 ルート間隔
θ1 上部材側開先角度(コラム側開先角度)
θ2 下部材側開先角度
7 コラム
8 ダイアフラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角柱状構造物の開先部を横向姿勢で多層盛溶接するガスシールドアーク溶接方法において、四角柱状構造物の開先部は裏当金付き開先で、ルート間隔が2〜5mm、開先角度が25〜35°のレ型またはV型開先とし、各角部開先内に板厚2〜6mmの鋼製タブを取付け、該鋼製タブの溶接する開先部の裏面側に接するように銅製の冷却部材を設けて溶接することを特徴とする横向ガスシールドアーク溶接方法。
【請求項2】
C:0.02〜0.08質量%、Si:1.0〜1.7質量%、Mn:1.8〜2.8質量%で、Si+Mn:3.2〜4.1質量%を含有し、その他はFeおよび不可避不純物であるソリッドワイヤを用いて溶接することを特徴とする請求項1に記載の横向ガスシールドアーク溶接方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−189363(P2011−189363A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56913(P2010−56913)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(302040135)日鐵住金溶接工業株式会社 (172)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【Fターム(参考)】