説明

欠陥検査方法及び外観検査装置

【課題】欠陥検出の安定性を向上させる。
【解決手段】第一の閾値と、それより低い第二の閾値を用いる。ダイ比較の場合には、閾値処理部52a,52bにおいて、検査チップの画像と左右のチップの画像との差画像をそれぞれ第二の閾値で閾値判定し、検査チップの欠陥候補を求める。さらに、閾値処理部51a、51bにおいて、検査チップの画像と左右のチップの画像との差画像をそれぞれ第一の閾値で閾値判定し、先の第二の閾値による処理で欠陥候補となったもののうち、少なくとも左右どちらかのチップとの差画像で第一の閾値以上の信号がでているものを欠陥として検出する。セル比較の場合にも、差画像を、まず第二の閾値で処理して欠陥候補を求め、さらに、差画像を第一の閾値でも処理し、先の第二の閾値による処理で欠陥候補となったもののうち、2つのピークのうち少なくとも一方で第一の閾値以上の信号がでているものを欠陥として検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外観検査によって被検査物の欠陥を検出する欠陥検査方法及び外観検査装置にかかわり、特に半導体ウエハ、フォトマスク、プリント基板などの製造工程におけるパターンの欠陥及び異物等の検査に用いる欠陥検査方法及び外願検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば半導体チップの外観検査による欠陥検査では、同じパターンが繰り返し形成された半導体ウェハ上を走査しながら画像を取得し、2つの互いに隣接するチップの画像を比較(ダイ比較)して欠陥を検出する方法が知られている。また、メモリのセル部のように短い周期でパターンが繰り返されている部分では、繰り返し周期の整数倍だけ画像をずらして比較(セル比較)し欠陥を検出する方法も知られている。具体的な欠陥の検出方法としては、例えば特許文献1に開示されているように、隣接するチップの2つの画像、あるいは、繰り返し周期の整数倍だけずらした画像とずらす前の画像を、位置合わせした後に差をとり、得られた差画像を閾値処理する方法等が既に知られている。さらに、ダイ比較の場合には、例えば特許文献2に開示されているように、欠陥のあるチップを特定するために、3枚の画像を比較する方法も知られている。この方法は、検査するチップの画像を両隣のチップの画像と比較し、右のチップの画像と比べても左のチップの画像と比べてもともに閾値を超える差がある場合にのみ、そのチップに欠陥があると判定するものである。
【0003】
【特許文献1】特開昭61−212708号公報
【特許文献2】特開平2−170279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体チップの欠陥検査において、ダイ比較による検査で、3枚の画像を比較して欠陥のあるチップを特定する方式では、検査するチップの画像を両隣のチップの画像と比較した場合に、右のチップの画像と比べても左のチップの画像と比べても、ともに閾値を超える差がある場合にのみ、欠陥のあるチップの特定が可能となる。
【0005】
ところが、差画像の欠陥部の信号レベルが小さく、閾値をわずかに超えるレベルしかない場合には、画像に含まれるノイズ成分やステージの振動などのランダムな現象の影響で、右のチップの画像と比べた場合には閾値を超える差が得られるが、左のチップの画像と比べた場合には閾値を超える差が得られないという様なケースが生じる。この様な場合には、欠陥のあるチップが特定できないために、この差を欠陥として検出できないという問題点があった。また、ランダムな現象に影響されるために、この欠陥を検出できたりできなかったりすることになり、欠陥検出の安定性の確保が難しいという問題点があった。
【0006】
一方、セル比較による検査方式では、1つ欠陥があると差画像に2つのピークが見られる。そこで、ピークが2つとも閾値を超えた場合にのみ欠陥と判定することで、ノイズの誤検出を防いでいる。ところが、差画像の欠陥部の信号レベルが小さく、閾値をわずかに超えるレベルしかない場合には、画像に含まれるランダムノイズ成分の影響でどちらか一方のピークのレベルが閾値を超えずに欠陥として検出できないケースが生じるという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、差画像の欠陥部の信号レベルが閾値をわずかに超える程度しかない様な欠陥を安定して検出できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、検査に少なくとも2種類の閾値を用いる。第一の閾値に対して、所定の割合だけ低い閾値を第二の閾値として設定する。ダイ比較の場合には、まず、低い方の第二の閾値で検査チップの画像と左右のチップの画像との差画像をそれぞれ閾値判定し、検査チップの欠陥候補を求める。さらに、高い方の第一の閾値で検査チップの画像と左右のチップの画像との差画像をそれぞれ閾値判定し、先の第二の閾値による処理で欠陥候補となったもののうち、少なくとも左右どちらかのチップとの差画像で第一の閾値以上の信号がでているものを欠陥として検出する。同様に、セル比較の場合にも、差画像を、まず低い方の第二の閾値で処理して欠陥候補を求め、さらに、差画像を高い方の第一の閾値でも処理し、先の第二の閾値による処理で欠陥候補となったもののうち、2つのピークのうち少なくとも一方で第一の閾値以上の信号がでているものを欠陥として検出する。
【0009】
すなわち、本発明による欠陥検査方法は、被検査物の、それぞれ同等のパターンが形成された異なる3箇所の画像を取得する工程と、第1の画像と第2の画像の差を第1の閾値で処理する第1の処理工程と、第1の画像と第2の画像の差を前記第1の閾値より小さい第2の閾値で処理する第2の処理工程と、第2の画像と第3の画像の差を第1の閾値で処理する第3の処理工程と、第2の画像と第3の画像の差を第2の閾値で処理する第4の処理工程と、第2の処理工程と第4の処理工程でともに第2の閾値を超えた画素を欠陥候補とする工程と、欠陥候補のうち、第1の処理工程と第3の処理工程の少なくとも一方で第1の閾値を超えた画素を欠陥と判定する工程とを有する。
【0010】
本発明による欠陥検査方法は、また、周期構造をもった被検査物の第1の画像を用い、その周期構造の周期の整数倍だけ位置をずらした第2の画像を生成する工程と、第1の画像と第2の画像との差画像を第2の閾値で処理する工程と、その差画像に第2の閾値を超えるピークが前記位置をずらした距離と同じ間隔で2箇所に現われた場合に欠陥候補とする工程と、欠陥候補とされた2箇所のピークのうち少なくとも一方が第2の閾値より大きな第1の閾値を越えている場合に、前記ピークに対応する第1の画像の画素を欠陥として判定する工程とを有する。
【0011】
本発明による外観検査装置は、被検査物の画像データを取得する画像データ取得部と、画像データ取得部で取得した第1の画像と第2の画像の差を第1の閾値で処理する第1の処理部と、第1の画像と第2の画像の差を第1の閾値より小さい第2の閾値で処理する第2の処理部と、画像データ取得部で取得した第2の画像と第3の画像の差を第1の閾値で処理する第3の処理部と、第2の画像と第3の画像の差を第2の閾値で処理する第4の処理部と、第2の処理部と第4の処理部でともに第2の閾値を超えた画素を欠陥候補とする欠陥候補判定部と、欠陥候補判定部で欠陥候補とされた画素のうち、第1の処理部と第3の処理部の少なくとも一方で第1の閾値を超えた画素を欠陥と判定する欠陥検出部とを備える。
【0012】
本発明による外観検査装置は、また、被検査物の画像データを取得する画像データ取得部と、画像データ取得部で取得した被検査物の第1の画像に対して、被検査物の有する周期構造の周期の整数倍だけ位置をずらした第2の画像を生成する画像生成部と、第1の画像と第2の画像との差画像を第2の閾値で処理する処理部と、差画像に第2の閾値を超えるピークが前記位置をずらした距離と同じ間隔で2箇所に現われた場合に欠陥候補とする欠陥候補判定部と、欠陥候補とされた2箇所のピークのうち少なくとも一方が第2の閾値より大きな第1の閾値を越えている場合に、前記ピークに対応する第1の画像の画素を欠陥として検出する欠陥検出部とを備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ダイ比較の場合では、検査チップ上の欠陥部分の左右のチップの画像との差画像上の信号のうち、左右どちらか一方のチップの画像との差画像の信号がノイズ等によって低下した場合でも、第二の閾値による閾値処理で検出できる機会を増やすことが可能になり、より安定した検出が可能になる。さらに、第二の閾値による閾値処理に第一の閾値での処理を加えることで、従来の方式で単に第二の閾値で検査するよりもノイズの影響を受けにくい検査が実現できる。また、セル比較の場合にも、同様の効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、本発明による外観検査装置の構成例を示す図である。被検査物1は、図2に示す例えば同じ配線パターンを形成した複数のチップ17を有する半導体ウェハであり、この被検査物1を外観から検査するための外観検査装置2は、大きく分けて被検査物1の画像データを取得する画像データ取得部3と画像処理部4とから構成されている。
【0016】
画像データ取得部3は、被検査物1を保持してX,Y,Z方向及びθ方向(Z軸を中心とした回転方向)に移動させるためのステージ5と、このステージ5上の被検査物1の光学像を撮像する光学系6と、この光学系により形成された光学像を画像データに変換する撮像素子113とを有している。
【0017】
光学系6は、光源8と、光源8からの光を集光する照明用レンズ9と、照明用レンズ9から出た光を被検査物1側ヘ導くビームスプリッタ10と、対物レンズ111と、被検査物1で反射された光を集めて被検査物1の拡大像を形成する結像用レンズ112とを備えている。光源8は、キセノンランプや超高圧水銀ランプのようなインコヒーレント光源や、レーザ等が用いられる。従来は主に可視光の波長領域の光が用いられていたが、最近では紫外或いは深紫外領域の光も用いられる。また、撮像素子113としては、TDIイメージセンサ等のラインセンサや、エリヤセンサ等が用いられる。
【0018】
撮像素子113により撮像された画像のデータは、画像処理部4に入力される。画像処理部4は、画像データを受け取る画像入力部7と、画像入力部7から送られてきた2枚の画像を比較する画像比較部11a,11bと、画像比較部11a,11bから出力された差画像データを第一の閾値で閾値処理する第一の閾値処理部51a,51bと、画像比較部11a,11bから出力された差画像データを第二の閾値で閾値処理する第二の閾値処理部52a,52bと、第二の閾値処理部の出力を用いて欠陥候補を判定する欠陥候補判定部12と、欠陥候補判定部12と第一の閾値処理部からの出力を用いて、欠陥検出を行う欠陥検出部13とを備えている。
【0019】
次に、上記構成の外観検査装置2を用いての被検査物1の検査方法を説明する。図1に示すように、被検査物1である半導体ウェハをステージ5上に載置する。この被検査物1には、同じ配線パターン等を有するチップ17が複数形成されている。ステージ5を矢印と逆の方向に移動させながら撮像することにより、チップ17a,17b,17cの画像データがそれぞれ取得される。
【0020】
こうして得られた3枚の画像のデータは、画像処理部4に入力される。入力された画像データは、画像入力部7を経て画像比較部11a及び11bに送られる。3枚の画像データ31,32,33のうちの1つは、2系統に分けられ、画像比較部11aと画像比較部11bにそれぞれ入力される。残りの2枚の画像データは、それぞれ、2つの画像比較部11aと画像比較部11bに1枚ずつ入力される。画像比較部11a,11bでは、入力されたそれぞれの画像の位置ずれが補正された後、両者の差(以下、差画像データと呼ぶ)が計算される。具体的には、画像データ31から画像データ32を引いて差画像データ41が、画像データ32から画像データ33を引いて差画像データ42が、求められる。
【0021】
こうして得られた2つの差画像データ41,42は、それぞれ2つずつの閾値処理部51a及び52a、あるいは、51b及び52bに送られる。閾値処理部51a及び51bでは、入力された差画像データの各画素の画素値が第一の閾値を超えるか超えないか判定がなされる。また、閾値処理部52a及び52bでは、入力された差画像データの各画素の画素値が第二の閾値を超えるか超えないか判定がなされる。ここで、第一の閾値は従来の閾値と同等の閾値であり、第二の閾値は第一の閾値より低い閾値である。
【0022】
閾値処理部52a,52bで閾値判定された差画像データ62a,62bは、欠陥候補判定部12に送られる。欠陥候補判定部12では、入力されたデータ62a,62bの両者でともに閾値を超えていると判定されている画素を欠陥候補画素と判定する。こうして得られた欠陥候補の情報は、欠陥検出部13に送られる。欠陥検出部13では、欠陥候補判定部12から送られてきた欠陥候補の情報と、閾値処理部51a,51bで閾値判定された差画像データ61a,61bを元に欠陥の有無が判定される。具体的には、欠陥候補判定部12から送られてきた欠陥候補画素のうち、データ61a及び61bのいずれかで閾値を超えていると判定されている画素を、欠陥部として判定する。
【0023】
次に、本発明によって、欠陥の安定した検出が可能になる理由を図3を用いて説明する。
【0024】
この例では、画像入力部7(図1)を経て画像比較部11a及び11bに送られる画像31,32,33に共通のパターン34が存在し、画像32には暗く見える欠陥35も存在する。これらの画像の欠陥35を通るx−x’断面の信号形状は、それぞれ36,37,38となる。
【0025】
画像比較部11aでは、画像31から画像32を引いて、さらに絶対値を取り、差画像41が生成される。画像比較部11bでも、同様に画像32から画像33を引いて絶対値処理し、差画像42が生成される。これらの画像41,42の欠陥35に対応する位置43,44を通るx−x’断面の信号形状は、それぞれ45,46となる。これらの画像では、画像32の欠陥35に対応する位置43及び44は周囲より大きな画素値を持つ。この画素値をそれぞれa及びbとする。
【0026】
差画像中41,42の欠陥部の画素値a及びbは、様々な要因によって変動する。照明光源8の明るさ変動や画像の取得に用いられる撮像素子113のランダムノイズなどによって、時間的にランダムに上下する。この様子を差画像41の信号形状45を例に模式的に示したのが、信号形状47及び48である。また、画像31〜33の取得中のステージ5の振動によって画像にボケが生じた場合には、画素値aあるいはbの低下が生じる。
【0027】
信号形状45及び46に示す様に、画素値a及びbが閾値th1に近い場合には、両方とも閾値を超える場合、一方だけが閾値を超える場合、両方とも閾値を超えない場合の3通りが起こりえることになり、欠陥の検出が不安定となる。
【0028】
そこで、本発明では、従来の閾値th1(これを第一の閾値とする)に加えて、それより低い第二の閾値th2を設ける。第二の閾値は、信号形状の例47及び48に示す様に、撮像素子113のノイズやステージ5の振動によって差画像の欠陥部の画素値の低下が起こっても、画素値a及びbが常にその閾値を上回るように設定する。こうすることで、欠陥候補判定部12(図1)では、常にこの様な欠陥が欠陥候補として上げられることになる。
【0029】
しかし、単に低い閾値(第二の閾値)で閾値判定をするだけでは、画像中のランダムノイズによる明暗の変動が欠陥候補としてあがってくる可能性も高くなる。そこで、本発明では、欠陥検出部13での最終的な欠陥の判定にあたって、欠陥候補判定部12で欠陥候補に上げられた部分について、その画素値a及びbを第一の閾値を用いて閾値処理した結果61a及び61bを参照し、欠陥の有無を判定する。具体的には、欠陥候補判定部12で欠陥候補に上げられた部分の画素値aあるいはbの少なくもどちらか一方が第一の閾値を上回っている場合にのみ、その部分を欠陥と判定する。
【0030】
この欠陥検出方法により、先に例としてあげた「画素値a及びbが両方とも(第一の)閾値を超える場合」、「一方だけが(第一の)閾値を超える場合」、「両方とも(第一の)閾値を超えない場合」の3通りのうち、最後の場合以外ではこの様な欠陥の検出が可能になり、欠陥の検出の安定性を向上させることが可能になる。
【0031】
以上、本発明の実施例では、半導体ウエハの検査を例に、特に、ダイ比較によって欠陥を検出する方法について説明したが、セル比較による欠陥検査にも本発明は適用可能である。
【0032】
図4は、セル比較に適用した本発明による外観検査装置の構成例を示す図である。画像データ取得部3の撮像素子113から、被検査物1の繰り返し構造のある部分の画像が画像処理部4の画像入力部70に入力される。画像入力部70では、入力された画像データ71を画像比較部11に入力すると共に、入力画像を繰り返し周期の整数倍だけずらした画像を生成し、それを画像データ72として画像比較部11に入力する。
【0033】
画像比較部11では、画像71から画像72を引いて、さらに絶対値を取り、差画像73を生成する。得られた差画像は、閾値処理部51及び52により、それぞれ第一の閾値及び第一の閾値より低い第二の閾値にて処理される。閾値処理部52で閾値判定された差画像データ62は、欠陥候補判定部12に送られる。欠陥が1個ある場合には、差画像には画像をずらした距離だけ離れた2個のピークが現われるので、欠陥候補判定部12では、画像をずらした距離だけ離れた位置に出現する2個のピークの両方が第二の閾値を超えているとき、対応する画素を欠陥候補画素と判定する。欠陥候補の情報は、欠陥検出部13に送られる。欠陥検出部13では、欠陥候補判定部12から送られてきた欠陥候補の情報と、閾値処理部51で閾値判定された差画像データ61を元に欠陥の有無を判定する。具体的には、欠陥候補判定部12から送られてきた2個のピークのうち、いずれかで第一の閾値を超えていれば対応する画素を欠陥として判定する。このように、2個のピークの両方が第二の閾値を超えており、かつ、いずれか一方が第一の閾値を超えていることを条件として欠陥検出を行うことで、ひとつの(第一の)閾値のみで欠陥検出を行う場合よりも安定した欠陥の検出が可能になる。
【0034】
以上説明したように、差画像中の欠陥信号レベルが閾値をわずかに上回る程度である場合には、従来の一つの閾値(第一の閾値)による処理だけでは、ノイズ等の影響で欠陥が検出できない場合が起こりえたが、本発明のように、第一の閾値より低い第二の閾値を用いた閾値処理を併用し、かつ、欠陥に起因して差画像に現れる2つのピークのうち一方のピークだけが第一の閾値を超えればよいとすることで、ノイズ等の影響を受けにくい安定した検出が可能となる。
【0035】
さらに、本発明の欠陥検出方式は、半導体ウエハに限らず、繰り返しパターンのあるものの検査、あるいは、複数の個体の外観の比較検査に適用することも可能である。また、上記の実施例では、検査対象の光学像を取得する例を示したが、本発明の欠陥検出方式は、電子線を用いて取得した画像をもとにした外観検査にも適用可能である。さらに、本発明の実施例では、ハードウエアにより画像データを処理する例を示したが、本発明の欠陥検出方式は、画像データの処理の全てあるいは一部をソフトウエアで実現する場合にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明による外観検査装置の構成例を示す図。
【図2】被検査物の例を示す平面図。
【図3】本発明による画像データの処理例を示す図。
【図4】本発明による外観検査装置の他の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0037】
1…被検査物
2…外観検査装置
3…画像データ取得部
4…画像処理部
7,70…画像入力部
11,11a,11b…画像比較部
51,51a,51b,52,52a,52b…閾値処理部
12…欠陥候補判定部
13…欠陥検出部
31,32,33…被検査物の画像あるいはそのデータ
41,42,73…被検査物の2つの画像データから生成された差画像あるいはそのデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物の、それぞれ同等のパターンが形成された異なる3箇所の画像を取得する工程と、
第1の画像と第2の画像の差を第1の閾値で処理する第1の処理工程と、
第1の画像と第2の画像の差を前記第1の閾値より小さい第2の閾値で処理する第2の処理工程と、
第2の画像と第3の画像の差を前記第1の閾値で処理する第3の処理工程と、
第2の画像と第3の画像の差を前記第2の閾値で処理する第4の処理工程と、
前記第2の処理工程と第4の処理工程でともに第2の閾値を超えた画素を欠陥候補とする工程と、
前記欠陥候補のうち、前記第1の処理工程と第3の処理工程の少なくとも一方で前記第1の閾値を超えた画素を欠陥と判定する工程と
を有することを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項2】
周期構造をもった被検査物の第1の画像を用い、前記周期構造の周期の整数倍だけ位置をずらした第2の画像を生成する工程と、
前記第1の画像と第2の画像との差画像を第2の閾値で処理する工程と、
前記差画像に前記第2の閾値を超えるピークが前記位置をずらした距離と同じ間隔で2箇所に現われた場合に欠陥候補とする工程と、
前記欠陥候補とされた2箇所のピークのうち少なくとも一方が前記第2の閾値より大きな第1の閾値を越えている場合に、前記ピークに対応する前記第1の画像の画素を欠陥として判定する工程と
を有することを特徴とする欠陥検査方法。
【請求項3】
被検査物の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部で取得した第1の画像と第2の画像の差を第1の閾値で処理する第1の処理部と、
前記第1の画像と第2の画像の差を前記第1の閾値より小さい第2の閾値で処理する第2の処理部と、
前記画像データ取得部で取得した前記第2の画像と第3の画像の差を第1の閾値で処理する第3の処理部と、
前記第2の画像と第3の画像の差を前記第2の閾値で処理する第4の処理部と、
前記第2の処理部と第4の処理部でともに前記第2の閾値を超えた画素を欠陥候補とする欠陥候補判定部と、
前記欠陥候補判定部で欠陥候補とされた画素のうち、前記第1の処理部と第3の処理部の少なくとも一方で前記第1の閾値を超えた画素を欠陥と判定する欠陥検出部と
を備えることを特徴とする外観検査装置。
【請求項4】
被検査物の画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部で取得した被検査物の第1の画像に対して、前記被検査物の有する周期構造の周期の整数倍だけ位置をずらした第2の画像を生成する画像生成部と、
前記第1の画像と第2の画像との差画像を第2の閾値で処理する処理部と、
前記差画像に前記第2の閾値を超えるピークが前記位置をずらした距離と同じ間隔で2箇所に現われた場合に欠陥候補とする欠陥候補判定部と、
前記欠陥候補とされた2箇所のピークのうち少なくとも一方が前記第2の閾値より大きな第1の閾値を越えている場合に、前記ピークに対応する前記第1の画像の画素を欠陥として検出する欠陥検出部と
を備えることを特徴とする外観検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−33073(P2007−33073A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212978(P2005−212978)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】