説明

流体混合装置

【課題】各ラインの流体を任意の比率で混合させ、脈動した流体も流量制御することができ、コンパクトな構成で狭いスペースに設置可能であり、設置における配管及び配線接続が容易である流体混合装置の提供。
【解決手段】2つの供給ラインがそれぞれ第一、第二流体制御弁と、各ラインの実流量を計測し信号を出力する各流量計測器と、各流体制御弁を制御するための指令信号を出力する各制御部とを具備し、2つの供給ラインに流れる各々の流体を任意の比率で混合させる。第一流体制御弁は制御用流体の圧力操作により流体の圧力を制御し、第2流体制御弁は流路の開口面積を変化させて流体の流量を制御する。例えば、半導体製造用の洗浄液を得るためにフッ化水素酸または塩酸が1に対して純水が10〜200の比率で混合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2ライン以上の流体を任意の比率で混合させる流体輸送配管に使用される流体混合装置に関するものである。さらに詳しくは、各ラインの流体の流量を制御して流体を任意の比率で混合させると共に、脈動した流体が流れても問題なく流量制御することができ、コンパクトな構成で狭いスペースに設置可能であり、設置における配管及び配線接続が容易である流体混合装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造工程の一工程として、フッ酸等の薬液を純水で希釈した洗浄水を用いてウェハ表面をエッチングする湿式エッチングが用いられている。これら湿式エッチングの洗浄水の濃度は高い精度をもって管理する必要があるとされている。近年では、洗浄水の濃度を、純水と薬液の流量比で管理する方法が主流となってきており、そのために、純水や薬液の流量を高い精度をもって管理する流体混合装置が適用されている。
【0003】
流体混合装置として種々提案されているが、図31に示される多系統流量制御装置及びその制御方法があった(例えば、特許文献1参照)。その構成は、複数の流体流入系統601をそれぞれ流量調整する複数のアクチュエータ602に対して、それぞれ、操作信号を出力して制御することで合流流体流量が目標流量となるように制御する流量制御装置において、前記流量制御装置は、前記複数のアクチュエータ602のうちの1つを除いた他のアクチュエータ602b〜602nに流量が略一定となるように操作信号を出力し、前記複数のアクチュエータ602のうちの1つに合流流体流量が目標値となるように操作信号を出力するように構成したものであった。このとき、各々独立した複数の流体流入系統601から合流して流入する合流流体流量を制御する流量制御装置において、各流体流入系統601の検出流量の合算値と目標値との偏差からフィードバック演算して調節信号を出力する演算手段603と、前記演算手段603の調節信号が上下限の値となった場合に流体流入系統601を1系統選択すると共に、他のアクチュエータ602b〜602nから前記選択された1系統のアクチュエータ602aに切替えて前記調節信号を操作信号として出力する制御系統判定手段604を有するものであった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−133642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の多系統流量制御装置及びその制御方法は、各流体流入系統601の流量の合計を目標流量にするものであり、各々の流体流入系統601が単独で制御されないため、少なくとも二つの流体を任意の比率に混合するための制御を行うことはできない。また、各流体流入系統601に脈動した流体が流れた場合、安定した流体制御が行えなくなる問題や、流量範囲を広くとれない構成なので幅広い流量範囲で流量を制御する用途には使いにくいという問題があった。また、制御装置の構成要素が多く分かれているため制御装置自体が大きくなり設置に場所をとる問題や、各構成要素は部材ごとに分かれており、配管接続作業、電気配線やエア配管作業をそれぞれ行なわなくてはならず、作業が複雑で時間を要し、配管や配線が煩わしくミスが起こる恐れがあるという問題があった。
【0006】
本発明は、以上のような従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、主として各ラインの流体の流量を制御して流体を任意の比率で混合させると共に、脈動した流体が流れても問題なく流量制御することができ、コンパクトな構成で狭いスペースに設置可能であり、設置における配管及び配線接続が容易である流体混合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の流体混合装置の構成を図に基づいて説明すると、少なくとも2つの供給ライン1、2に流れる各々の流体を任意の比率で混合させる流体混合装置であって、前記供給ライン1、2の少なくとも一つが、制御用流体の圧力操作により流体の圧力を制御する第一流体制御弁4と、流体の実流量を計測し該実流量の計測値を電気信号に変換し出力する流量計測器3と、該実流量の計測値と設定流量値との偏差に基づいて、第一流体制御弁4の開口面積を制御するための指令信号を、第一流体制御弁4または第一流体制御弁4を操作する機器へ出力する制御部5とをそれぞれ具備し、且つ前記供給ライン1、2の少なくとも一つが、流路の開口面積を変化させることにより流体の流量を制御する第二流体制御弁10と、流体の実流量を計測し該実流量の計測値を電気信号に変換し出力する流量計測器9と、該実流量の計測値と設定流量値との偏差に基づいて、第二流体制御弁10の開口面積を制御するための指令信号を、第二流体制御弁10または第二流体制御弁10を操作する機器へ出力する制御部11とをそれぞれ具備することを第1の特徴とする。
【0008】
また、各々の前記供給ライン1、2が、流体の流れを開放又は遮断するための開閉弁18、22をさらに具備することを第2の特徴とする。
【0009】
また、前記第二流体制御弁10を有する供給ライン2が、流体の圧力変動を減衰させる圧力調整弁35をさらに具備することを第3の特徴とする。
【0010】
また、前記第一流体制御弁3を有する供給ライン1が、開口面積が調節可能な絞り弁32をさらに具備することを第4の特徴とする。
【0011】
また、各々の前記供給ライン1、2の最下流側に、該供給ライン1、2の合流部15を有することを第5の特徴とする。
【0012】
また、前記合流部15直前の該供給ライン1、2に、開閉弁40、41がそれぞれ配置されてなることを第6の特徴とする。
【0013】
また、前記合流部15が、該供給ライン1、2を一つの流路に合流させるマニホールド弁42であることを第7の特徴とする。
【0014】
また、各々の前記供給ライン1、2の中の任意の一つの供給ラインの最上流側に接続される開閉弁535aが設けられた主ラインと、他の供給ラインの最上流側に接続される開閉弁536aが設けられた少なくとも一つの他のラインとを具備し、主ラインの開閉弁535aの上流側と他のラインの開閉弁536aの下流側とが開閉弁537aを介して連通されてなるフラッシング装置43を具備してなることを第8の特徴とする。
【0015】
また、前記各種弁および前記流量計測器が、独立した接続手段を用いずに直接接続されていることを第9の特徴とする。
【0016】
また、前記各種弁および前記流量計測器が、一つのベースブロックに配設されていることを第10の特徴とする。
【0017】
また、前記各種弁および前記流量計測器が、一つのケーシング内に収納配設されていることを第11の特徴とする。
【0018】
また、前記第一流体制御弁4が、下部中央に底部まで開放して設けられた第二の空隙209と第二の空隙209に連通する入口流路211と上部に上面が開放して設けられ第二の空隙209の径よりも大きい径を持つ第一の空隙210と第一の空隙210に連通する出口流路212と第一の空隙210と第二の空隙209とを連通し第一の空隙210の径よりも小さい径を有する連通孔213とを有し、第二の空隙209の上面が弁座214とされた本体201と、側面あるいは上面に設けられた給気孔217と排出孔218とに連通した円筒状の空隙215を内部に有し、下端内周面に段差部216が設けられたボンネット202と、ボンネット202の段差部216に嵌挿され中央部に貫通孔219を有するバネ受け203と、下端部にバネ受け203の貫通孔219より小径の第一接合部224を有し上部に鍔部222が設けられボンネット202の空隙215内部に上下動可能に嵌挿されたピストン204と、ピストン204の鍔部222下端面とバネ受け203の上端面で挟持支承されているバネ205と、周縁部が本体201とバネ受け203との間で挟持固定され、本体201の第一の空隙210に蓋する形で第一の弁室231を形成する中央部が肉厚とされた第一ダイヤフラム227と、上面中央にピストン204の第一接合部224にバネ受け203の貫通孔219を貫通して接合固定される第二接合部229と、下面中央に本体201の連通孔213と貫通して設けられた第三接合部230とを有する第一弁機構体206と、本体の第二の空隙209内部に位置し本体の連通孔213より大径に設けられた弁体232と、弁体232上端面に突出して設けられ第一弁機構体206の第三接合部230と接合固定される第四接合部234と、弁体232下端面より突出して設けられたロッド235と、ロッド235下端面より径方向に延出して設けられた第二ダイヤフラム237とを有する第二弁機構体207と、本体201の下方に位置し第二弁機構体207の第二ダイヤフラム237周縁部を本体201との間で挟持固定する突出部239を上部中央に有し、突出部239の上端部に切欠凹部240が設けられると共に切欠凹部240に連通する呼吸孔241が設けられているベースプレート208とを具備し、ピストン204の上下動に伴って第二弁機構体207の弁体232と本体201の弁座214とによって形成される流体制御部242の開口面積が変化するように構成されていることを第12の特徴とする。
【0019】
また、前記第一流体制御弁4が、流体の入口流路145、出口流路152及び、入口流路145と出口流路152が連通するチャンバ127から形成された本体部121と、弁体165と第一ダイヤフラム部137を有する弁部材136と、弁部材136の下部及び上部に位置し第一ダイヤフラム部137より有効受圧面積が小さい第二ダイヤフラム部138及び第三ダイヤフラム部139を有し、弁部材136及び各ダイヤフラム部137、138、139が各ダイヤフラム部137、138、139の外周部が本体部121に固定されることによりチャンバ127内に取りつけられ、かつ各ダイヤフラム部137、138、139によってチャンバ127を第一加圧室128、第二弁室129、第一弁室130、及び第二加圧室131に区分し、第一加圧室128は第二ダイヤフラム部138に対して常時内向きの一定の力を加える手段を有し、第一弁室130は入口流路145と連通しており、第二弁室129は、弁部材136の弁体165に対応する弁座150を有し、また弁座150に対して第一ダイヤフラム部137側に位置し第一ダイヤフラム部137に設けられた連通孔162にて第一弁室130と連通している下部第二弁室132と、第二ダイヤフラム部138側に位置し出口流路152と連通して設けられた上部第二弁室133とに分かれて形成され、弁部材136の上下動により弁体165と弁座150との間の開口面積が変化して下部第二弁室134の流体圧力が制御される流体制御部168を有し、第二加圧室131は、第三ダイヤフラム部139に対して常時内向きの一定の力を加える手段を有することを第13の特徴とする。
【0020】
また、前記第二流体制御弁10が、上部に弁室310と、弁室310に各々が連通している入口流路311および出口流路312とを有し、弁室310底部中央に入口流路311が連通している開口部313が設けられた本体301と、底部中央に貫通孔315と、側面に呼吸口316が設けられ、本体301と第一ダイヤフラム304を挟持固定しているシリンダー302および上部に作動流体連通口317が設けられ、シリンダー302と第二ダイヤフラム306の周縁部を挟持固定しているボンネット303が一体的に固定されており、第一ダイヤフラム304は肩部319と、肩部319の上に位置し後記ロッド307の下部に嵌合固定される取り付け部320、肩部319の下に位置し後記弁体305が固定される接合部332、肩部319から径方向に延出した薄膜部321、薄膜部321に続く厚肉部322および厚肉部322の周縁部に設けられたシール部323が一体的に形成され、接合部332には弁室310の開口部313に後記ロッド307の上下動に伴って出入りする弁体305が固定されており、一方、第二ダイヤフラム306は中央穴324を有し、その周辺の厚肉部325と、厚肉部325から径方向に延出した薄膜部326および薄膜部326の周縁部に設けられたシール部327が一体的に形成され、底部に第一ダイヤフラム304の取り付け部320が固定されているロッド307の上部に位置する肩部329にダイヤフラム押え308により中央穴324を貫通して挟持固定されており、また、ロッド307は、その下方部がシリンダー302底部の貫通孔315内に遊嵌状態に配置され、かつ、シリンダー302の段差部335とロッド307の肩部329下面との間に径方向への移動が防止された状態で嵌合されたスプリング309で支承されていることを第14の特徴とする。
【0021】
また、前記第二流体制御弁10が、上部ボンネット358と下部ボンネット357に内包されたモータ部359とを有する電気式駆動部344と、モータ部359の軸に連結されたステム365により上下動される弁体343を有するダイヤフラム342と、ダイヤフラム342によって電気式駆動部344から隔離された弁室345に各々連通する入口流路346及び出口流路347を有する本体341とを具備する流量制御部からなることを第15の特徴とする。
【0022】
また、前記第二流体制御弁10が、弾性体からなる管体401と、内部シリンダー部408を有し上部にシリンダー蓋409が一体的に設けられたシリンダー本体402と、シリンダー部408内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接され且つシリンダー本体402下面中央に設けられた貫通孔410を密封状態で貫通するように中央より垂下して設けられた連結部416を有するピストン403と、ピストン403の連結部416の下端部に固定されシリンダー本体402の底面に流路軸線と直交して設けられた長円状スリット411内に収納される挟圧子404と、シリンダー本体402の下端面に接合固定され、流路軸線上に管体401を受容する第1の溝418と第1の溝418の両端部にさらに連結体受け406を受容する第2の溝419が第1の溝418よりも深く設けられた本体405と、一端に本体405の第2の溝419と嵌合する嵌合部421を有し他端内部に連結体407受口423を有しさらに管体401を受容する貫通孔426を有する一対の連結体受け406と、シリンダー本体402周側面に設けられ、シリンダー部408底面及び内周面とピストン403下端面とで囲まれて形成された第一空間部412と、シリンダー蓋409下端面とシリンダー部408内周面とピストン403上面とで囲まれた第二空間部413とにそれぞれ連通される一対のエアー口414、415を具備することを第16の特徴とする。
【0023】
また、前記第二流体制御弁10が、上部ボンネット451と下部ボンネット450に内包されたモータ部452とを有する電気式駆動部441と、モータ部452の軸に連結されたステム460により上下動される挟圧子449と、弾性体からなる管体443と、下部ボンネット450の下端面に接合固定され、流路軸線上に管体443を受容する溝445とを具備することを第17の特徴とする。
【0024】
また、前記圧力調整弁35が、第一流体制御弁4と同じ構成であることを第18の特徴とする。
【0025】
また、前記圧力調整弁35が、内部に第一弁室479、第一弁室479の上部に設けられた段差部482及び第一弁室479と連通する入口流路472を有する本体473と、第二弁室483とそれに連通する出口流路471とを有し本体473上部に接合される蓋体474と、周縁部が第一弁室479の上部周縁部に接合された第一ダイヤフラム475と、周縁部が本体473と蓋体474とによって挟持された第二ダイヤフラム476と、第一及び第二ダイヤフラム475、476の中央に設けられた両環状接合部485、488に接合され軸方向に移動自在となっているスリーブ487と、第一弁室479の底部に固定されスリーブ487の下端との間に流体制御部490を形成しているプラグ477とからなり、また本体473の段差部482の内周面と第一及び第二ダイヤフラム475、476とに包囲された気室478を有し、第二ダイヤフラム476の受圧面積が第一ダイヤフラム475の受圧面積より大きく構成され、前記気室478に連通するエア供給口480が本体に設けられていることを第19の特徴とする。
【0026】
また、前記絞り弁32が、上部に設けられた弁室253の底面に弁座面252が形成され、弁座面252の中心に設けられた連通口254に連通する入口流路255と弁室253に連通する出口流路256を有する本体251と、ステムの軸方向の進退移動により連通口254に挿入可能で接液面の中心から垂下突設された第一弁体261と弁座面252に接離可能にされ第一弁体261から径方向へ隔離した位置に形成された円環状凸条の第二弁体262と第二弁体262から径方向へ連続して形成された薄膜部263とが一体的に設けられた隔膜260と、上部にハンドル281が固着され下部内周面に雌ネジ部278と外周面に雌ネジ部278のピッチより大きいピッチを有する雄ネジ部279を有する第一ステム277と、内周面に第一ステム277の雄ネジ部279と螺合する雌ネジ部283を有する第一ステム支持体282と、上部外周面に第一ステム277の雌ネジ部278に螺合される雄ネジ部270を有し下端部に隔膜260が接続される第二ステム269と、第一ステム支持体282の下方に位置し第二ステム269を上下移動自在かつ回動不能に支承する隔膜押さえ271と、第一ステム277と隔膜押さえ271を固定するボンネット286とを具備することを第20の特徴とする。
【0027】
また、前記流量計測器が、超音波流量計、カルマン渦流量計、超音波式渦流量計、羽根車式流量計、電磁流量計、差圧式流量計、容積式流量計、熱線式流量計または質量流量計であることを第21の特徴とする。
【0028】
また、少なくとも、フッ化水素酸または塩酸と、純水と、の2種の流体が、フッ化水素酸または塩酸が1に対して純水が10〜200の比率で混合されることを第22の特徴とする。
【0029】
また、少なくとも、アンモニア水または塩酸と、過酸化水素水と、純水と、の3種の流体が、アンモニア水または塩酸が1〜3に対して、過酸化水素水が1〜5、純水が10〜200の比率で混合されることを第23の特徴とする。
【0030】
また、少なくとも、フッ化水素酸と、フッ化アンモニウムと、純水と、の3種の流体が、フッ化水素酸が1に対して、フッ化アンモニウムが7〜10、純水が50〜100の比率で混合されることを第24の特徴とする。
【0031】
本発明において第一流体制御弁4は、制御用流体の操作圧により圧力制御ができるものであれば特に限定されるものではないが、図3に示すような流体の圧力制御を行なう本発明の第一流体制御弁4や、図23に示すような流体の流量制御を行なう本発明の第一流体制御弁4aの構成を有しているものが好ましい。なお、制御用流体とは、例えば作動空気、作動油等を言う。これは安定した流体制御を行なうことができ、脈動した流体が流れたとしても第一流体制御弁4、4aによって圧力または流量を一定圧に安定させることができ、第一流体制御弁4、4aのみで流路の遮断を行うことができ、コンパクトな構成であり流体混合装置を小さく設けることができるため好適である。
【0032】
また、本発明において第二流体制御弁10は、流路の開口面積を変化させることにより流量制御ができるものであれば特に限定されるものではないが、図4に示すような流体の流量制御を行なう空気式ニードル弁である本発明の第二流体制御弁10の構成を有しているものや、図25に示すような流体の流量制御を行なう電気式ニードル弁である本発明の第二流体制御弁10aの構成を有しているものや、図26に示すような流体の流量制御を行なう空気式ピンチ弁である本発明の第二流体制御弁10bの構成を有しているものや、図27に示すような流体の流量制御を行なう電気式ピンチ弁である本発明の第二流体制御弁10cの構成を有しているものが好ましい。これは安定した流体制御を行なうことができ、第二流体制御弁10、10a、10b、10cのみで流路の遮断を行うことができ、コンパクトな構成であり流体混合装置を小さく設けることができるため好適である。
【0033】
また、本発明は図5に示すように、流体混合装置の各供給ライン16、17に開閉弁18、22を設けても良い。これは、開閉弁18、22を設けることにより、開閉弁18、22を遮断することで流体混合装置のメンテナンス等(修理、部品交換)を容易に行なうことができるため好適である。また、流体混合装置に開閉弁18、22を備えておけば、流路を遮断してメンテナンス等のために流体混合装置を分解したときに、流路内に残った流体が分解した部分から漏れ出ることを最小限に抑えることができる、さらに流路内で何らかのトラブルが発生した際に、開閉弁18、22で流体の緊急遮断を行なうことができるので好適である。
【0034】
また、開閉弁18、22は流体の流れを開放又は遮断する機能を有していれば、その構成は特に限定されるものでなく、手動によるものでも良く、エア駆動、電気駆動、磁気駆動などの自動によるものであっても良い。自動の場合、制御回路を設けて流量計測器19、23とリンクさせ計測値に応じて開閉弁18、22を駆動させるようにしても良く、流体混合装置から独立して駆動させても良い。流体混合装置とリンクさせて駆動させる場合、流体混合装置内で一括制御を行なうことができるので好適である。流体混合装置から独立して駆動させる場合、流体混合装置にトラブルが発生した際に、開閉弁18、22で流路を緊急遮断させる場合に流体混合装置のトラブルに影響せずに駆動を行うことができるため好適である。
【0035】
また、開閉弁18、22の設置位置は、メンテナンス等を行うためには他の弁および流量計測器より上流側に設置することが望ましい。また、開閉弁18、22は、各供給ライン16、17のうち任意のラインにのみ設けても良く、全てのラインに設けても良い。
【0036】
本発明は図7に示すように、流体混合装置の第二供給ライン28に圧力調整弁35を設けても良い。圧力調整弁35は流入する流体の圧力を一定圧に調整して流出させるものであれば特に限定されるものではないが、図3に示すような第一流体制御弁4を圧力調整弁35として用いることが好ましい。これはコンパクトな構造であり、且つ流入した流体が圧力変動周期の早い脈動した流れであっても、圧力調整弁35によって圧力を一定圧に安定させることができ、これにより脈動の影響で流体の計測値が読み取りにくくなることを防止することができるため好適である。また、特に流体がスラリーなどの固着し易い流体の場合、図28に示すような本発明の圧力調整弁35aの構成を有しているものが好ましい。これは流路の構造が簡単であり流体が滞留しにくい構成であるため、流体にスラリーを流してもスラリーが固着しにくいため好適である。
【0037】
本発明は図7に示すように、流体混合装置の第一供給ライン27に絞り弁32を設けても良い。絞り弁32は、開口面積が調節可能であり流路を絞って流量を安定させる構成であれば特に限定されるものではないが、図8に示すような本発明の絞り弁32の構成を有しているものが好ましい。これは幅広い流量範囲で流量調節を行なうことができ、絞り弁32の微小な開度を容易に且つ精密に調節できるので開度の微調節を短時間で行なうことができると共に、高さ方向の場所を取らずにコンパクトな構造であり流体混合装置を小さく設けることができるため好適である。
【0038】
また、図8において絞り弁32の第一ステム277の外周面に設けられた雄ネジ部279と下部内周面に設けられた雌ネジ部278のピッチ差は、雄ネジ部279のピッチの6分の1になるように形成されているが、ピッチ差は、雄ネジピッチの20分の1から5分の1の範囲に設けるのが望ましい。弁体は全閉から全開までに一定範囲のリフト量を得るので、ハンドル281のストロークが大きくなり過ぎて弁高が大きくならないようするためにピッチ差を雄ネジピッチの20分の1より大きくすると良く、弁を細かいオーダーで精度の良い調節を行うためにピッチ差を雄ネジピッチの5分の1より小さくすると良い。
【0039】
また、図9において第一弁体261の直線部267の外径D1は、連通口254の内径Dに対して0.97Dで設定されているが、直線部267の外径D1は連通口254の内径Dに対して0.95D≦D1≦0.995Dの範囲内であることが望ましい。第一弁体261と連通口254とを摺接させないためにD1≦0.995Dが良く、流量調節をスムースに行うために0.95D≦D1が良い。
【0040】
また、第一弁体261のテーパ部268のテーパ角度は軸線に対して15°で設定されているが、12°〜28°の範囲内であることが望ましい。弁を大きくさせずに広い流量範囲を調節するために12°以上が良く、開度に対して流量を急激に変化させないために28°以下が良い。また、第二弁体262の円環状凸条の径D2は、連通口254の内径Dに対して1.5Dで設定されているが、第二弁体262の円環状凸条の径D2は、連通口254の内径Dに対して1.1D≦D2≦2Dの範囲内であることが望ましい。第一弁体261と第二弁体262の間には環状溝部265を確実に設け環状溝部265に流体の流れを抑制させる空間部分を得るためには1.1D≦D2が良く、開度に対して第二弁体262と弁座面252とで形成される開口面積の増加率を抑えるためにD2≦2Dが良い。
【0041】
本発明において流量計測器3、9は、計測した流量を電気信号に変換して制御部5、11に出力されるものなら特に限定されず、流量計測器が、超音波流量計、カルマン渦流量計、超音波式渦流量計、羽根車式流量計、電磁流量計、差圧式流量計、容積式流量計、熱線式流量計、質量流量計などが好ましい。特に図2や図29に示すような超音波流量計の場合、微小流量に対して精度良く流量測定ができるため、微小流量の流体制御に好適である。また図30に示すような超音波式渦流量計の場合、大流量に対して精度良く流量測定ができるため、大流量の流体制御に好適である。このように、流体の流量に応じて超音波流量計と超音波式渦流量計を使い分けることで精度の良い流体制御を行うことができる。また、本実施例では制御部5、11は各供給ラインにそれぞれ個別に設けられているが、一箇所に集中させて設けても良い。
【0042】
各々の供給ライン1、2の最下流側には、各供給ライン1、2の合流部15を有することにより、各供給ライン1、2を流れる流体の混合が行われる。また、図12で示すように、合流部39a直前の各供給ライン27a、28aには開閉弁40、41がそれぞれ配置されていることが好ましい。これは、各々の供給ライン27a、28aにおいて単独の供給ラインでの供給や、各供給ライン27a、28aから流体を選んで混合することができ、各々任意の流量で流出させることができると共に、各供給ライン27a、28aのメンテナンス等を行なうときに、開閉弁40、41を閉状態にすることで流体の逆流などが防止され、メンテナンス等を行うときに流体の漏れが確実に防止されるために好適である。また、図13で示すように合流部がマニホールド弁42であることが好ましい。これは前記合流部39a直前の各供給ライン27a、28aに開閉弁40、41を配置した場合と同様の効果が得られると共に、流体混合装置をコンパクトに形成できるため好適である。また、複数の供給ラインを設けて、開閉弁40、41やマニホールド弁42を開閉することにより、各供給ラインのうち一部の流体を選んで混合することもでき、各供給ラインの流量の設定を変化させることで自由に流体とその混合比率を設定することができるので好適である。なお、各供給ライン27b、28bとマニホールド弁42は、独立した接続手段を用いずに直接接続されても良く、一つのベースブロックに配設されても良く、これにより流体混合装置をよりコンパクトに形成できるため好適である。また、合流部15より下流に弁や計測器などを設けても良く、特に限定されない。
【0043】
また、図15で示すように、各々の供給ライン27c、28cの最上流側には、本発明のフラッシング装置43を設けることが好ましい。これにより任意の一つの供給ラインに流入する流体を洗浄に用いることができる。例えば図15でフラッシング装置43の開閉弁535a、536aを閉止させ、開閉弁537aを開放させることで他の供給ライン28cに任意の一つの供給ライン27cに流れる純水を流すことができ、他の供給ライン28cを純水でフラッシングして洗浄を行うことができるため好適である。また、本発明のフラッシング装置43は弁を用いて配設されたものなら構成は特に限定されないが、流路の形成された一つのベースブロックに弁が配設してなる構成であることが好ましく、特に図16、図17で示すように流路が形成された一つのベースブロックである本体531に弁体550、551、552の開閉駆動を行う駆動部532、533、534を本体531の上部と下部にそれぞれ設けられた構成であることがより好ましい。これは、開閉弁を集積させてフラッシング装置43をコンパクトに設けることができ、さらに流体混合装置をコンパクトに設けることができるため好適である。
【0044】
本発明の流体混合装置は、第一流体制御弁4で流体制御を行う第一供給ライン1と、第二流体制御弁10で流体制御を行う第二供給ライン2とを有していることにより、各供給ライン1、2に供給する際の流体の状態によって適した流体制御方法を選ぶことができるため好適である。また、本発明の実施例では供給ラインは二本の場合であるが、供給ラインは二本以上設けても良く、二本以上の供給ラインを合流させた後に他の供給ラインと合流させる構成にしても良く、供給ラインの本数に応じて二つ以上の流体を任意の比率で混合させることができる。また、第一制御弁4を有する第一供給ライン1の構成と、第二制御弁10を有する第二供給ライン2の構成のそれぞれ設けるラインの比も特に限定されない。
【0045】
本発明の流体混合装置は、図18、図19に示すように、隣り合う弁および流量計測器が、独立した接続手段を用いずに直接接続されていることが好ましい。ここで言う独立した接続手段を用いずに直接接続されているとは、2通りの概念を持っていて、一方の概念は、別体のチューブや管を用いないことを言う。これは、図18のようにチューブや管を設けずに別個の部材を流路のシールおよび流路の方向転換を行なうための接続部材46、47、48、49を介在させて直接接続する方法である。他方の概念は、別体の継手を用いないことを言う。これは、接続する部材の端面や該部材の接続部の端面を、シール部材を介在させることで直接接続する方法である。これにより、流体混合装置をコンパクトにして設置場所のスペースを少なくすることができ、設置作業が容易になり作業時間が短縮でき、流体混合装置内の流路を必要最小限に短くさせることができるので流体抵抗を抑えることができるため好適である。
【0046】
本発明の流体混合装置は、図20、図21に示すように、弁および流量計測器が、流路の形成された一つのベースブロック51に配設されていることが好ましい。これは、各構成要素が一つのベースブロック51に配設されることにより、流体混合装置をコンパクトにして設置場所のスペースを少なくすることができ、設置作業が容易になり作業時間が短縮でき、流体混合装置内の流路を必要最小限に短くさせることができるので流体抵抗を抑えることができ、さらに部品点数を少なくすることができるので流体混合装置の組み立てを容易にすることができるため好適である。
【0047】
本発明の流体混合装置は、図22に示すように、一つのケーシング53内に設置してなる構成であることが好ましい。これは、一つのケーシング53内に設置してなることにより、流体混合装置が一つのモジュールとなるため、設置が容易になり、設置作業の作業時間が短縮できるため好適である。また、ケーシング53によって弁および流量計測器が保護されると共に、流体混合装置をブラックボックス化することで、本発明のようなフィードバック制御を行なうために調整された流体混合装置を半導体製造装置などに設置したときに、半導体製造装置の利用者が流体混合装置を安易に分解することにより不具合が生じることを防止することができるため好適である。
【0048】
さらに、本発明の流体混合装置は、ケーシング53の外部に絞り弁32のハンドル281が露出していることが望ましく、操作者が手動等によりハンドル281を操作することが容易になるので好適である。また、必要に応じて、ケーシング53から流量計測器3、9をケーシングから露出した構成にしても良い。
【0049】
本発明の流量計測器3、9、第一流体制御弁4、第二流体制御弁10、開閉弁18、22、圧力調整弁35の設置の順番は、どのような順番に設けても良く特に限定されないが、圧力調整弁35が第二流体制御弁10及び流量計測器9の上流側に位置することが、流体が圧力脈動を有する場合に初期段階にて該脈動を減衰させるため好ましい。また、絞り弁32が第一流体制御弁4及び流量計測器3の下流側に位置することが、流量の調整を容易に安定して行えるので好ましい。
【0050】
また、本発明の流体混合装置は、少なくとも二つの供給ラインの流体の流量を任意の値で一定に制御させる必要のある用途であれば、化学などの各種工場、半導体製造分野、医療分野、食品分野など、各種産業に使用しても良いが、半導体製造装置内へ配置されることが好適である。半導体製造工程の前工程では、フォトレジスト工程、パターン露光工程、エッチング工程や平坦化工程などが挙げられ、これらの洗浄水の濃度を、純水と薬液の流量比で管理する際に本発明の流体混合装置を用いることが好適である。
【0051】
また、本発明の流体混合装置で混合される流体とその比率は、少なくとも2つ以上の供給ラインを有する流体混合装置において、フッ化水素酸または塩酸と、純水と、の2種の流体が、フッ化水素酸または塩酸が1に対して純水が10〜200の比率で混合されることが好ましい。また、少なくとも3つ以上の供給ラインを有する流体混合装置において、アンモニア水または塩酸と、過酸化水素水と、純水と、の3種の流体が、アンモニア水または塩酸が1〜3に対して、過酸化水素水が1〜5、純水が10〜200の比率で混合されることが好ましく、フッ化水素酸と、フッ化アンモニウムと、純水と、の3種の流体が、フッ化水素酸が1に対して、フッ化アンモニウムが7〜10、純水が50〜100の比率で混合されることが好ましい。これらの流体が上記比率で混合された混合流体は、半導体製造工程の前工程において基板の表面処理などを行う際の薬液として好適に使用される。
【0052】
フッ化水素酸と純水を混合した混合流体や、塩酸と純水を混合した混合流体は、基板の表面処理における自然酸化膜除去、通常の酸化膜除去、または金属(メタルイオン)除去などに用いる薬液として好適である。フッ化水素酸または塩酸1に対する純水の比率は、薬液の濃度が高くなることで基板にムラが発生することを抑えるために10以上であることが望ましく、薬液の濃度が低くなることで酸化膜除去や金属除去の処理効果が低下することを防止するために200以下であることが望ましい。なお、この混合流体は20℃〜25℃の液温で効果的に使用できる。
【0053】
アンモニア水と過酸化水素水と純水を混合した混合流体は、基板の表面処理における異物(パーティクル)除去などに用いる薬液として、塩酸と過酸化水素水と純水を混合した混合流体は、金属除去などに用いる薬液として好適である。アンモニア水または塩酸1〜3に対する過酸化水素水の比率は、異物除去や金属除去を効果的に行うために1〜5の範囲内であることが望ましい。アンモニア水または塩酸1〜3に対する純水の比率は、薬液の濃度が高くなることで基板にムラや表面荒れが発生することを抑えるために10以上であることが望ましく、薬液の濃度が低くなることで異物や金属除去の処理効果が低下することを防止するために200以下であることが望ましい。なお、この混合流体は25℃〜80℃の液温で効果的に使用でき、60℃〜70℃の液温でより効果的に使用できる。
【0054】
フッ化水素酸とフッ化アンモニウムと純水を混合した混合流体は、基板の表面処理における酸化膜エッチングに好適である。フッ化水素酸に対するフッ化アンモニウムの比率は、酸化膜エッチングを効果的に行うために7〜10の範囲内であることが望ましい。フッ化水素酸1に対する純水の比率は、薬液の濃度が高くなることで基板にムラや表面荒れが発生することを抑えるために50以上であることが望ましく、薬液の濃度が低くなることで酸化膜エッチングの処理効果が低下することを防止するために100以下であることが望ましい。なお、この混合流体は20℃〜25℃の液温で効果的に使用できる。
【0055】
また、本発明の流体混合装置は、同じ流体が流れる供給ラインを複数設けた構成でも良い。これは例えば純水を流す一つの供給ラインと、塩酸を流す二つの供給ラインから構成される流体混合装置などであり、塩酸を一つの供給ラインに流す場合と二つの供給ラインに流す場合とを選択して塩酸の流量を広い範囲で設定できるようにすることで、流体混合装置で混合する純水と塩酸の混合比率を広い範囲で設定することができる。
【0056】
また、本発明の流量計測器3、9、第一流体制御弁4、第二流体制御弁10、開閉弁18、22、圧力調整弁35の各部品の材質は、流体に接液する流路を形成する部品には、特にポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)、ポリビニリデンフルオロライド(以下、PVDFと記す)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(以下、PFAと記す)などのフッ素樹脂であれば良く、フッ化水素酸、塩酸、過酸化水素水、アンモニア水、フッ化アンモニウムを液温が20℃〜80℃の範囲で流しても問題なく使用することができ、腐食性流体を流して腐食性ガスが透過したとしても弁および流量計測器の腐食の心配なく使用できるので好適である。他の材質では、ポリプロピレン(以下、PPと記す)、ポリエチレン(以下PEと記す)、塩化ビニル樹脂(以下、PVCと記す)などが挙げられ、PPはフッ化水素酸、塩酸、アンモニア水、フッ化アンモニウムを液温が20℃〜80℃の範囲で流しても問題なく使用でき、PEはフッ化水素酸、塩酸、過酸化水素水、アンモニア水、フッ化アンモニウムを液温が20℃〜60℃の範囲で流しても問題なく使用でき、PVCは塩酸やアンモニア水を液温が20℃〜60℃の範囲で、フッ化水素酸、過酸化水素水、フッ化アンモニウムを液温が20℃〜25℃の範囲で流しても問題なく使用できる。接液しない上記各部品の材質は、必要な強度を有しているのであれば特に限定されない。また、流体制御弁4、10に用いられるバネ205は接液しないが、腐食性流体を流す場合にはフッ素樹脂でコーティングすることで腐食性ガスが透過したときに腐食が防止される。
【発明の効果】
【0057】
本発明は以上のような構造をしており、以下の優れた効果が得られる。
(1)流体混合装置の各々の供給ラインがフィードバック制御を行なうことにより、各々の供給ラインで流体の実流量を応答性良く設定流量になるように安定させることができ、設定された比率で混合されると共に、設定流量値を変えることで自動的に流体を任意の比率で混合させることができる。
(2)供給ラインに本発明の第一流体制御弁を用いると、脈動した流体が流れたとしても第一流体制御弁によって圧力または流量を一定圧に安定させることができ、コンパクトな構成であるため流体混合装置を小さく設けることができる。
(3)供給ラインに本発明の第二流体制御弁を用いると、広い流量範囲にわたり流体を所望の流量に調節することができ、コンパクトな構成であるため流体混合装置を小さく設けることができる。
(4)供給ラインにに開閉弁を設けると、開閉弁を閉状態にすることで流体混合装置のメンテナンス等を、流体が漏れ出ることなく容易に行なうことができると共に、流路内で何らかのトラブルが発生した際に、開閉弁で流体の緊急遮断を行なうことができる。
(5)流体混合装置に圧力調整弁を設けることにより、脈動した流体が流れたとしても圧力調整弁によって該脈動を減衰させ、圧力を一定圧に安定させることができ、コンパクトな構成であるため流体混合装置を小さく設けることができる。
(6)流体混合装置に本発明の絞り弁を用いると、広い流量範囲で流量調節を行なうことができ、さらに絞り弁の微小な開度を容易に且つ精密に調節できるので流量の微調節を短時間で行なうことができると共に、高さ方向の場所をとらずにコンパクトな構造であるため流体混合装置を小さく設けることができる。
(7)合流部直前の供給ラインに、開閉弁をそれぞれ配置すると、単独の供給ラインでの流体の供給や、各々の供給ラインから流体を選んで混合することができる。また合流部にマニホールド弁を設けると、さらに流体混合装置をコンパクトに形成することができる。
(8)各々の供給ラインの最上流側にフラッシング装置を配置すると、フラッシング装置の操作により、第一供給ラインに流れる流体で他の供給ラインをフラッシングでき、容易に洗浄を行うことができる。
(9)流体混合装置の各種弁および流量計測器を直接接続すると、流体混合装置をコンパクトにして設置場所のスペースを少なくすることができ、設置作業が容易になり作業時間が短縮でき、流体混合装置内の流路が必要最小限に短くなり流体抵抗を抑えることができる。
(10)流体混合装置を流路の形成された一つのベースブロックに設けると、流体混合装置をコンパクトにして設置場所のスペースを少なくすることができ、設置作業が容易になり作業時間が短縮でき、部品点数を少ないので流体混合装置の組み立てを容易にすることができ、流体混合装置内の流路が必要最小限に短くなり流体抵抗を抑えることができる。
(11)流体混合装置が一つのケーシング内に設置すると、設置作業の作業時間が短縮でき、各弁および流量計測器がケーシングにより保護されると共に、流体混合装置をブラックボックス化することで、不慣れな利用者が流体混合装置を分解することを防ぐため、分解による不具合が生じることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明の実施の形態について図面に示す実施例を参照して説明するが、本発明が本実施例に限定されないことは言うまでもない。図1は本発明の流体混合装置の第一の実施例を模式的に示す構成図である。図2は流量計測器の縦断面図である。図3は第一流体制御弁の縦断面図である。図4は第二流体制御弁の縦断面図である。図5は本発明の流体混合装置の第二の実施例を模式的に示す構成図である。図6は開閉弁の縦断面図である。図7は本発明の流体混合装置の第三の実施例を模式的に示す構成図である。図8は絞り弁の縦断面図である。図9は図8の絞り弁が開状態を示す要部拡大図である。図10は図8の絞り弁が閉状態を示す要部拡大図である。図11は図8の絞り弁が半開状態を示す要部拡大図である。図12は本発明の流体混合装置の第四の実施例を模式的に示す構成図である。図13は本発明の流体混合装置の第五の実施例を模式的に示す構成図である。図14はマニホールド弁の断面図である。図15は本発明の流体混合装置の第六の実施例を模式的に示す構成図である。図16は本発明のフラッシング装置の流路を模式的に示す斜視図である。図17は図16のA−A線に沿う縦断面図である。図18は本発明の流体混合装置の第七の実施例を模式的に示す平面図である。図19は図18のB−B線に沿う断面図である。図20は本発明の流体混合装置の第八の実施例を模式的に示す平面図である。図21は図20のC−C線に沿う断面図である。図22は本発明の流体混合装置の第九の実施例を模式的に示す断面図である。図23は本発明の流体混合装置の第十の実施例の他の第一流体制御弁の縦断面図である。図24は図23に他の表示を追加した図23と同一の図である。図25は本発明の流体混合装置の第十一の実施例の他の第二流体制御弁の縦断面図である。図26は本発明の流体混合装置の第十二の実施例の他の第二流体制御弁の縦断面図である。図27は本発明の流体混合装置の第十三の実施例の他の第二流体制御弁の縦断面図である。図28は本発明の流体混合装置の第十四の実施例の他の圧力調整弁の縦断面図である。図29は本発明の流体混合装置の第十五の実施例の他の流量計測器の縦断面図である。図30は本発明の流体混合装置の第十六の実施例の他の流量計測器の縦断面図である。
【実施例1】
【0059】
以下、図1乃至図4に基づいて本発明の第一の実施例である流体混合装置について説明する。
【0060】
流体混合装置は二つの供給ライン、すなわち第一供給ライン1と第二供給ライン2から形成されている。第一供給ライン1は流量計測器3、第一流体制御弁4の順で接続され制御部5が設けられ、第二供給ライン2は流量計測器9、第二流体制御弁10の順で接続され制御部11が設けられている。第一、第二供給ライン1、2の最下流側には、該供給ライン1、2の合流部15が設けられている。その各々の構成は以下の通りである。
【0061】
3、9は流体の流量を計測する超音波流量計である流量計測器である。流量計測器3、9は、入口流路371と、入口流路371から垂設された直線流路372と、直線流路372から垂設され入口流路371と同一方向に平行して設けられた出口流路373とを有し、入口、出口流路371、373の側壁の直線流路372の軸線と交わる位置に、超音波振動子374、375が互いに対向して配置されている。超音波振動子374、375はフッ素樹脂で覆われており、該振動子374、375から伸びた配線は後記制御部5、11の演算部6、12に繋がっている。なお、流量計測器3、9の超音波振動子374、375以外はPFA製である。
【0062】
4は操作圧に応じて流体圧力を制御する第一流体制御弁である。第一流体制御弁4は本体201、ボンネット202、バネ受け203、ピストン204、バネ205、第一弁機構体206、第二弁機構体207、ベースプレート208で形成される。
【0063】
201はPTFE製の本体であり、下部中央に底部まで開放して設けられた第二の空隙209と、上部に上面開放して設けられた第二の空隙209の径よりも大きい径を持つ第一の空隙210を有し、側面には第二の空隙209と連通している入口流路211と、入口流路211と対向する面に第一の空隙210と連通している出口流路212と、さらに、第一の空隙210と第二の空隙209とを連通し第一の空隙210の径よりも小さい径を有する連通孔213とが設けられている。第二の空隙209の上面部は弁座214とされている。
【0064】
202はPVDF製のボンネットであり、内部に円筒状の空隙215と下端内周面に空隙215より拡径された段差部216が設けられ、側面には空隙215内部に圧縮空気を供給するために空隙215と外部とを連通する給気孔217および給気孔217より導入された圧縮空気を微量に排出するための微孔の排出孔218が設けられている。なお、排出孔218は圧縮空気の供給において必要ない場合は設けなくてもかまわない。
【0065】
203はPVDF製で平面円形状のバネ受けであり、中央部に貫通孔219を有し、略上半分がボンネット202の段差部216に嵌挿されている。バネ受け203の側面部には環状溝220が設けられ、O−リング221を装着することによりボンネット202から外部への圧縮空気の流出を防いでいる。
【0066】
204はPVDF製のピストンであり、上部に円盤状の鍔部222と、鍔部222の中央下部より円柱状に突出して設けられたピストン軸223と、ピストン軸223の下端に設けられた雌ネジ部からなる第一接合部224を有する。ピストン軸223はバネ受け203の貫通孔219より小径に設けられており、第一接合部224は後記第一弁機構体206の第二接合部229と螺合により接合されている。
【0067】
205はSUS製のバネであり、ピストン204の鍔部222下端面とバネ受け203の上端面とで挟持されている。ピストン204の上下動にともなってバネ205も伸縮するが、そのときの荷重の変化が少ないよう、自由長の長いものが好適に使用される。
【0068】
206はPTFE製の第一弁機構体であり、外周縁部より上方に突出して設けられた筒状部225を有した膜部226と肉厚部を中央部に有する第一ダイヤフラム227と、第一ダイヤフラム227の中央上面より突出して設けられた軸部228の上端部に設けられた小径の雄ネジからなる第二接合部229、および同中央下面より突出して設けられ下端部に形成された雌ネジ部からなる後記第二弁機構体207の第四接合部234と螺合される第三接合部230を有する。第一ダイヤフラム227の筒状部225は、本体201とバネ受け203との間で挟持固定されることで、第一ダイヤフラム227下面より形成される第一の弁室231が密封して形成されている。また、第一ダイヤフラム227上面、ボンネット202の空隙215はO−リング221を介して密封されており、ボンネット202の給気孔217より供給される圧縮空気が充満している気室を形成している。
【0069】
207はPTFE製の第二弁機構体であり、本体201の第二の空隙209内部に配設され連通孔213より大径に設けられた弁体232と、弁体232上端面から突出して設けられた軸部233と、その上端に設けられた第三接合部230と螺合により接合固定される雄ネジ部からなる第四接合部234と、弁体232下端面より突出して設けられたロッド235と、ロッド235下端面より径方向に延出して設けられ周縁部より下方に突出して設けられた筒状突部236を有する第二ダイヤフラム237とから構成されている。第二ダイヤフラム237の筒状突部236は後記ベースプレート208の突出部239と本体201との間で挟持されることにより、本体201の第二の空隙209と第二ダイヤフラム237とで形成される第二の弁室238を密閉している。
【0070】
208はPVDF製のベースプレートであり、上部中央に第二弁機構体207の第二ダイヤフラム237の筒状突部236を本体201との間で挟持固定する突出部239を有し、突出部239の上端部に切欠凹部240が設けられると共に、側面に切欠凹部240に連通する呼吸孔241が設けられており、ボンネット202との間で本体201を通しボルト、ナット(図示せず)にて挟持固定している。なお、本実施例ではバネ205がボンネット202の空隙215内に設けてピストン204、第一弁機構体206、第二弁機構体207を上方へ付勢するような構成であるが、バネ205をベースプレート208の切欠凹部240に設けてピストン204、第一弁機構体206、第二弁機構体207を上方へ付勢するような構成にしても良い。
【0071】
10は操作圧に応じて流路の開口面積を変化させることにより流体の流量を制御する第二流体制御弁(空気式ニードル弁)である。第二流体制御弁10は本体301、シリンダー302、ボンネット303、第一ダイヤフラム304、弁体305、第二ダイヤフラム306、ロッド307、ダイヤフラム押え308、スプリング309で構成される。
【0072】
301はPTFE製の本体であり、上部に円筒状の弁室310が設けられており、その弁室310に連通して入口流路311及び出口流路312が各々下部に設けられている。弁室底部中央には出口流路312に繋がる開口部313が、開口部313の周辺部には入口流路311に繋がる開口部314が設けられている。開口部314の横断面形状は円形であるが、流量を広範囲に亘って制御するために開口部313を大きくした場合は、弁室底部中央に設けられた開口部313を中心とした周辺部に略三日月状に形成されることが望ましい。本体301の上面には第一ダイヤフラム304のシール部が嵌合される環状溝330が設けられている。
【0073】
302はPVC製のシリンダーであり、底部中央に貫通孔315と底部内面に段差部335を有し、側面に呼吸口316が設けられている。シリンダー302は、本体1と第一ダイヤフラム304の周縁部を挟持固定し、ボンネット303と第二ダイヤフラム306の周縁部を挟持固定している。シリンダー302の側面に設けられた呼吸口316は、流体がガスとなって第一ダイヤフラム304を透過した場合に、そのガスを排出するために設けられている。
【0074】
303はPVC製のボンネットであり、上部に圧縮空気を導入する作動流体連通口317及び排気口318が設けられている。本実施例では作動流体連通口317はボンネット303の上部に設けられているが、側面に設けても良い。なお、排気口318は圧縮空気の供給において必要ない場合は設けなくてもかまわない。また周側部の下部には第二ダイヤフラム306のシール部327が嵌合される環状溝331が設けられている。以上説明した本体301、シリンダー302およびボンネット303はボルト、ナット(図示しない)によって一体的に固定されている。
【0075】
304はPTFE製の第一ダイヤフラムであり、肩部319を中心に肩部319の上の位置にロッド307に嵌合固定される取り付け部320が、また、下の位置には弁体305が固定される接合部332が一体的にかつ突出して設けられており、また肩部319から径方向に延出した部分には薄膜部321と、薄膜部321に続く厚肉部322および厚肉部322の周縁部にシール部323が設けられており、これらは一体的に形成されている。薄膜部321の膜厚は厚肉部322の厚さの1/10程度にされている。ロッド307と取り付け部320の固定の方法は嵌合だけでなく螺合でも接着でもよい。接合部332と弁体305の固定は螺合が好ましい。第一ダイヤフラム304の外周縁部に位置するシール部323は軸線方向に断面L字状に形成されており、O−リング336を介して本体301の環状溝330に嵌合され、シリンダー302の底部に設けられた環状突部328に押圧されて挟持固定されている。
【0076】
305はPTFE製の弁体であり、第一ダイヤフラム306の下部に設けられた接合部332に螺合固定されている。弁体305は本実施例のような形状に限らず所望の流量特性に応じて、球状弁体や円錐形状弁体でも良い。さらには摺動抵抗を極力少なくした状態で全閉を行う為には外周リブ付き弁体が好適に用いられる。
【0077】
306はエチレンプロピレンジエン共重合体(以下、EPDMと記す)製の第二ダイヤフラムであり、中央穴324を有し、その周辺の厚肉部325、厚肉部の上部には環状突部328、厚肉部325から径方向に延出した薄膜部326および薄膜部326の周縁部に設けられたシール部327が一体的に形成され、底部に第一ダイヤフラム304の取り付け部320が固定されているロッド307の上部に位置する肩部329にダイヤフラム押え308により中央穴324を貫通して挟持固定されている。本実施例では材質がEPDM製を用いているが、フッ素系のゴムまたはPTFE製でも良い。
【0078】
307はPVC製のロッドであり、上部には拡径された肩部329が設けられている。肩部329の中央にはダイヤフラム押え308の接合部334が螺合され、第二ダイヤフラム306を挟持固定している。下方部はシリンダー302底部の貫通孔315内に遊嵌状態に配置され、下端部には第一ダイヤフラム304の取り付け部320が固定されている。また、ロッド307の肩部329の下面とシリンダー302の段差部335との間にはスプリング309が嵌合されている。
【0079】
308はPVC製のダイヤフラム押えであり、下面中央にはロッド307と螺合にて接続される接合部334が設けられている。また、下面には第二ダイヤフラム306の環状突部328と嵌合される環状溝333が設けられている。
【0080】
309はSUS製のスプリングであり、ロッド307の肩部329の下面とシリンダー302の段差部335との間に径方向への移動が阻止された状態で嵌合され支承されている。また、肩部329の下面を常に上方へ付勢している。スプリング309の全表面はフッ素系樹脂で被覆されている。尚、スプリング309は第二流体制御弁10の口径や使用圧力範囲によってバネ定数を変えて適宜使用でき、複数本使用してもよい。
【0081】
5、11は制御部である。制御部5、11は前記流量計測器3、9から出力された信号から流量を演算する演算部6、12と、フィードバック制御を行なうコントロール部7、13を有している。演算部6、12には、送信側の超音波振動子374に一定周期の超音波振動を出力する発信回路と、受信側の超音波振動子375からの超音波振動を受信する受信回路と、各超音波振動の伝搬時間を比較する比較回路と、比較回路から出力された伝搬時間差から流量を演算する演算回路とを備えている。コントロール部7、13には、演算部6、12から出力された流量に対して設定された流量になるように後記電空変換器8、14の操作圧を制御する制御回路を有している。なお、本実施例では制御部5、11は別の場所で集中コントロールを行なうために流体混合装置と別体で設けられた構成であるが、流体混合装置と一体的に設けても良い。
【0082】
8、14は制御部5、11内に配置されている圧縮空気の操作圧を調整する電空変換器である。電空変換器8、14は操作圧を比例的に調整するために電気的に駆動する電磁弁から構成され、前記制御部5、11からの制御信号に応じて流体制御弁4、10の操作圧を調整する。なお、電空変換器8、14は、制御部5、11内に配置せずに別体で配置してもかまわない。
【0083】
次に、本発明の第一の実施例である流体混合装置の作動について説明する。
【0084】
ここでは第一供給ライン1に純水を流入させ、第二供給ライン2にフッ化水素酸を流入させ、純水:フッ化水素酸=10:1になるように混合する。まず、第一供給ライン1に流入した純水は、流量計測器3で流量が計測され、計測した流量に応じて制御部5で第一流体制御弁4の操作圧を制御し、第一流体制御弁4で第一供給ライン1の最下流の流量が設定流量(第一供給ライン1と第二供給ライン2の流量の比率が10:1であり、混合流体が設定された流量になるための流量)になるように制御される。また第二供給ライン2に流入したフッ化水素酸は、流量計測器9で流量が計測され、計測した流量に応じて制御部11で第二流体制御弁10の操作圧を制御し、第二流体制御弁10で第二供給ライン2の最下流の流量が設定流量(第一供給ライン1と第二供給ライン2の流量の比率が10:1であり、混合流体が設定された流量になるための流量)になるように制御される。第一、第二供給ライン1、2で流量が制御された純水とフッ化水素酸は合流部15で合流して混合される。混合された混合流体(希フッ酸)は基板の洗浄装置の処理工程で使用され、洗浄装置内で混合流体により基板の酸化膜除去が行なわれる。
【0085】
次に、流量計測器3、9、第一流体制御弁4、第二流体制御弁10、制御部5、11のそれぞれの作動について、図1乃至図3を参照しながら説明する。
【0086】
流量計測器3、9に流入した純水又はフッ化水素酸は、直線流路372で流量が計測される。純水又はフッ化水素酸の流れに対して上流側に位置する超音波振動子374から下流側に位置する超音波振動子375に向かって超音波振動を伝播させる。超音波振動子375で受信された超音波振動は電気信号に変換され、制御部5、11の演算部6、12へ出力される。超音波振動が上流側の超音波振動子374から下流側の超音波振動子375へ伝播して受信されると、瞬時に演算部6、12内で送受信が切換えられて、下流側に位置する超音波振動子375から上流側に位置する超音波振動子374に向かって超音波振動を伝播させる。超音波振動子374で受信された超音波振動は、電気信号に変換され、制御部5、11内の演算部6、12へ出力される。このとき、超音波振動は直線流路372内の流体の流れに逆らって伝播していくので、上流側から下流側へ超音波振動を伝播させるときに比べて流体中での超音波振動の伝播速度が遅れ、伝播時間が長くなる。出力された相互の電気信号は演算部6、12内で伝播時間が各々計測され、伝播時間差から流量が演算される。演算部6、12で演算された流量は電気信号に変換されてコントロール部7、13に出力される。
【0087】
次に流量計測器3、9を通過した純水又はフッ化水素酸は流体制御弁4、10に流入する。制御部5、11のコントロール部7、13では、任意の設定流量に対して、リアルタイムに計測された流量との偏差から、偏差をゼロにするように信号を電空変換器8、14に出力し、電空変換器8、14はそれに応じた操作圧を流体制御弁4、10に供給し駆動させる。流体制御弁4、10から流出する純水又はフッ化水素酸の流量は、流体制御弁4、10で調圧された圧力と、流体制御弁4、10以降の圧力損失との関係で決定されており、調圧された圧力が高いほど流量は大きくなり、逆に圧力が低いほど流量は小さくなる。このため純水又はフッ化水素酸は、流量を設定流量で一定値となるように、つまり設定流量と計測された流量の偏差がゼロに収束されるように流体制御弁4、10で制御される。
【0088】
ここで、電空変換器8から供給される操作圧に対する第一流体制御弁4の流体(純水又はフッ化水素酸)に対する作動について説明する(図3参照)。
【0089】
第二弁機構体207の弁体232は、ピストン204の鍔部222とバネ受け203とに挟持されているバネ205の反発力と、第一弁機構体206の第一ダイヤフラム227下面の流体圧力により上方に付勢する力が働き、第一ダイヤフラム227上面の操作圧の圧力により下方に付勢する力が働いている。さらに厳密には、弁体232下面と第二弁機構体207の第二ダイヤフラム237上面が流体圧力を受けているが、それらの受圧面積はほぼ同等とされているため力はほぼ相殺されている。したがって、第二弁機構体207の弁体232は、前述の3つの力が釣り合う位置にて静止していることとなる。
【0090】
電空変換機8から供給される操作圧力を増加させると第一ダイヤフラム227を押し下げる力が増加することにより、第二弁機構体207の弁体232と弁座214との間で形成される流体制御部242の開口面積が増加するため、第一の弁室231の圧力を増加させることができる。逆に、操作圧力を減少させると流体制御部242の開口面積は減少し圧力も減少する。そのため、操作圧力を調整することで任意の圧力に設定することができる。
【0091】
この状態で、上流側の流体圧力が増加した場合、瞬間的に第一の弁室231内の圧力も増加する。すると、第一ダイヤフラム227の上面が操作圧による圧縮空気から受ける力より、第一ダイヤフラム227の下面が流体から受ける力のほうが大きくなり、第一ダイヤフラム227は上方へと移動する。それにともなって、弁体232の位置も上方へ移動するため、弁座214との間で形成される流体制御部242の開口面積が減少し、第一の弁室231内の圧力を減少させる。最終的に、弁体232の位置が前記3つの力が釣り合う位置まで移動し静止する。このときバネ205の荷重が大きく変わらなければ、空隙215内部の圧力、つまり、第一ダイヤフラム227上面が受ける力は一定であるため、第一ダイヤフラム227下面が受ける圧力はほぼ一定となる。したがって、第一ダイヤフラム227下面の流体圧力、すなわち、第一の弁室231内の圧力は、上流側の圧力が増加する前とほぼもとの圧力と同じになっている。
【0092】
上流側の流体圧力が減少した場合、瞬間的に第一の弁室231内の圧力も減少する。すると、第一ダイヤフラム227の上面が操作圧による圧縮空気から受ける力より、第一ダイヤフラム227の下面が流体から受ける力のほうが小さくなり、第一ダイヤフラム227は下方へと移動する。それにともなって、弁体232の位置も下方へ移動するため、弁座214との間で形成される流体制御部242の開口面積が増加し、第一の弁室231の流体圧力を増加させる。最終的に、弁体232の位置が前記3つの力が釣り合う位置まで移動し静止する。したがって、上流側圧力が増加した場合と同様に、第一の弁室231内の流体圧力はほぼもとの圧力と同じになっている。
【0093】
これにより、第一流体制御弁4は上記構成によりコンパクトで安定した流体(純水又はフッ化水素酸)の圧力制御が得られ、一定の流体圧力になることにより流体流量も一定となる。また、供給ラインに流入する流体(純水又はフッ化水素酸)の上流側圧力が変動しても第一流体制御弁4の作動により流量は自立的に一定に保たれるためポンプの脈動など瞬間的な圧力変動が発生しても安定して流量を制御することができる。
【0094】
ここで、電空変換器14から供給される操作圧に対する第二流体制御弁10の流体(純水又はフッ化水素酸)に対する作動について説明する。
【0095】
第二流体制御弁10は、ボンネット303の上部に設けられた作動流体連通口317から供給される圧縮空気がゼロの状態、すなわち開状態のとき、流体の流量が最大となる。この時、弁体305はシリンダー302の段差部335とロッド307の肩部329の下面との間に嵌合されたスプリング309の付勢力により、ロッド307の上部に接合されているダイヤフラム押え308の上部が、ボンネット302の底面に接する位置で静止している。
【0096】
この状態において、作動流体連通口317から供給される圧縮空気の圧力を高くしていくと、シール部327がボンネット303に嵌合されている第二ダイヤフラム306の薄膜部326とボンネット303によってボンネット303の内部は密閉されているため、圧縮空気はダイヤフラム押え308と第二ダイヤフラム306を下方に押し下げ、ロッド307と第一ダイヤフラム304を介して弁体305が開口部313の間に挿入されていく。ここで、作動流体連通口317から供給される圧縮空気の圧力を一定にすると弁体305は、スプリング309の付勢力と第一ダイヤフラム304の薄膜部321の下面と弁体305の下面が流体から受ける圧力と釣り合う位置にて静止する。したがって、開口部313は挿入される弁体305により開口面積が減少するため、流体の流量も減少する。
【0097】
さらに作動流体連通口317から供給される圧縮空気の圧力を高くしていくと、弁体305はさらに押し下げられ、終には開口部313と接触し全閉状態となる(図4の状態)。
【0098】
また、圧縮空気を排出していくと、シール部327がボンネット303に嵌合されている第二ダイヤフラム306の薄膜部326とボンネット303によって密閉されているボンネット303の内部は圧力が下がり、スプリング309の付勢力の方が大きくなりロッド307を押し上げる。ロッドが上昇することにより、第一ダイヤフラム304を介して固定されている弁体305も上昇し、第二流体制御弁は開状態となる。
【0099】
これにより、第二流体制御弁10を用いることで流体混合装置の供給ラインを流れる流体(純水又はフッ化水素酸)は、設定流量で一定になるように制御される。また第二流体制御弁10は上記構成によりコンパクトで安定した流量調節が行うことができる。
【0100】
以上の作動により、流体混合装置の第一、第二供給ラインに流入する純水とフッ化水素酸は、各々の流量計測器3、9、第一流体制御弁4、第二流体制御弁10、制御部5、11によって、フィードバック制御により各々の供給ラインで純水やフッ化水素酸の流量を応答性良く設定流量になるように安定させ、合流部15で合流し、設定された比率で混合されて流出される。また、制御部5、11の設定流量値を変えることで第一、第二供給ライン1、2に流れる流量を所望の実流値に変え、自動的に純水及びフッ化水素酸を任意の比率で混合させることができる。
【実施例2】
【0101】
次に、図5、図6に基づいて本発明の第二の実施例である流体混合装置について説明する。
【0102】
流体混合装置は二つの供給ライン、すなわち第一供給ライン16と第二供給ライン17から形成されている。第一供給ライン16は開閉弁18、流量計測器19、第一流体制御弁20の順で接続され制御部21が設けられ、第二供給ライン17は開閉弁22、流量計測器23、第二流体制御弁24の順で接続され制御部25が設けられている。第一、第二供給ライン16、17の最下流側には、該供給ライン16、17の合流部26が設けられている。その各々の構成は以下の通りである。
【0103】
18、22は開閉弁である。開閉弁18、22は本体101、駆動部102、ピストン103、ダイヤフラム押さえ104、弁体105で形成される。
【0104】
101はPTFE製の本体であり、軸線方向上端の中央に弁室106と、弁室106と連通した入口流路107と出口流路108とを有しており、入口流路107は各供給ライン16、17の流入口に連通し、出口流路108は流量計測器19、23に連通している。また、本体101の上面における弁室106の外側には環状溝109が設けられている。
【0105】
102はPVDF製の駆動部であり、内部に円筒状のシリンダ部110が設けられ、前記本体101の上部にボルト・ナット(図示せず)で固定されている。駆動部102の側面にはシリンダ部110の上側及び下側にそれぞれ連通された一対の作動流体供給口111、112が設けられている。
【0106】
103はPVDF製のピストンであり、駆動部102のシリンダ部110内に密封状態且つ軸線方向に上下動自在に嵌挿されており、底面中央にロッド部113が垂下して設けられている。
【0107】
104はPVDF製のダイヤフラム押さえであり、中央部にピストン103のロッド部113が貫通する貫通孔114を有しており、本体101と駆動部102の間に挟持されている。
【0108】
105は弁室106に収容されているPTFE製の弁体であり、ダイヤフラム押さえ104の貫通孔114を貫通し且つダイヤフラム押さえ104の下面から突出した前記ピストン103のロッド部113の先端に螺着されており、ピストン103の上下動に合わせて軸線方向に上下するようになっている。弁体105は外周にダイヤフラム115を有しており、ダイヤフラム115の外周縁は本体101の環状溝109内に嵌挿されており、ダイヤフラム押さえ104と本体101との間に挟持さている。第二の実施例のその他の構成は第一の実施例と同様なので説明を省略する。
【0109】
次に、本発明の第二の実施例である流体混合装置の作動について説明する。
【0110】
開閉弁18、22の作動は、作動流体供給口112から外部より作動流体として圧縮空気が注入されると、圧縮空気の圧力でピストン103が押し上げられるためこれと接合されているロッド部113は上方へ引き上げられ、ロッド部113の下端部に接合された弁体105も上方へ引き上げられ弁は開状態となる。
【0111】
一方、作動流体供給口111から圧縮空気が注入されると、ピストン103が押し下げられるのにともなって、ロッド部113とその下端部に接合された弁体105も下方へ押し下げられ、弁は閉状態となる。第二の実施例のその他の作動は第一の実施例と同様なので説明を省略する。
【実施例3】
【0112】
次に、図7乃至図11に基づいて本発明の第三の実施例である流体混合装置について説明する。
【0113】
流体混合装置は二つの供給ライン、すなわち第一供給ライン27と第二供給ライン28から形成されている。第一供給ライン27は開閉弁29、流量計測器30、第一流体制御弁31、絞り弁32の順で接続され制御部33が設けられ、第二供給ライン28は開閉弁34、圧力調整弁35、流量計測器36、第二流体制御弁37の順で接続され制御部38が設けられている。第一、第二供給ライン27、28の最下流側には、該供給ライン27、28の合流部39が設けられている。その各々の構成は以下の通りである。
【0114】
第一供給ライン27の絞り弁32について説明する。
【0115】
32は開口面積が調節可能な絞り弁である。絞り弁は本体251、隔膜260、第二ステム269、隔膜押さえ271、第一ステム277、第一ステム支持体282、ボンネット286で形成される。
【0116】
251はPTFE製の本体である。本体251の上部に後記隔膜260とで形成される略すり鉢形状の弁室253を有しており、弁室253の底面には後記第二弁体262の圧接によって流路の全閉シールを行う弁座面252が形成され、弁座面252の中心に設けられた連通口254に連通する入口流路255と弁室253に連通する出口流路256を有している。弁室253の上方には後記隔膜押さえ271の嵌合部273を受容する凹部258が設けられていて、その底面には後記隔膜260の環状係止部264が嵌合する環状凹部257が設けられている。また本体251の上部外周面には、後記ボンネット286が螺着される雄ネジ部259が設けられている。
【0117】
260はPTFE製の隔膜であり、隔膜260の下部に接液面の中心から垂下突設された第一弁体261と、第一弁体261から径方向へ隔離した位置に形成された先端が断面円弧状の円環状凸条の第二弁体262と、第二弁体262から径方向へ連続して形成された薄膜部263と、薄膜部263の外周に断面矩形状の環状係止部264と、隔膜260の上部に後記第二ステム269の下端部に接続される接続部266が一体的に設けられている。第一弁体261は、下方に向かって直線部267とテーパ部268とが連続して設けられており、第一弁体261と第二弁体262の間には環状溝部265が形成されている。環状溝部265は、その空間部で流体の流れを抑制させるために、全閉時に環状溝部265と弁座面252とで形成される空間部分の体積が、全閉時に第一弁体261の直線部267と連通口254とで形成される空間部分の体積の2倍以上に設定される。また、図3に示すように、第一弁体261の直線部267の外径D1は、連通口254の内径Dに対して0.97Dで設定され、第一弁体261のテーパ部268のテーパ角度は軸線に対して15°で設定され、第二弁体262の円環状凸条の径D2は、連通口254の内径Dに対して1.5Dで設定されている。隔膜260は、環状係止部264を本体251の環状凹部257に嵌合された状態で本体251と後記隔膜押さえ271とで挟持固定される。
【0118】
269はPP製の第二ステムである。第二ステム269の上部外周面には後記第一ステム277の雌ネジ部278に螺合される雄ネジ部270が設けられ、下部外周は六角形状に形成され、下端部には隔膜260の接続部266が螺着により接続されている。
【0119】
271はPP製の隔膜押さえである。隔膜押さえ271の上部には外周が六角形状の挿入部272が、下部には外周が六角形状の嵌合部273がそれぞれ設けられており、中央部外周には鍔部274が設けられている。隔膜押さえ271の内周には六角形状の貫通孔275が設けられ、下端面から貫通孔275に向かって縮径するテーパ部276が設けられている。挿入部272は後記第一ステム支持体282の中空部284に回動不能に嵌合され、嵌合部273は本体251の凹部258に回動不能に嵌合される。貫通孔275には第二ステム269を挿通させ、第二ステム269を上下移動自在かつ回動不能に支承している。
【0120】
277はPP製の第一ステムである。第一ステム277の下部内周面には第二ステム269の雄ネジ部270が螺合するピッチが1.25mmの雌ネジ部278と、外周面にはピッチが1.5mmの雄ネジ部279が設けられており、雄ネジ部279と雌ネジ部278のピッチ差は0.25mmであり、雄ネジ部279のピッチの6分の1になるように形成されている。第一ステム277の下部外周には径方向に突出して設けられたストッパー部280が設けられ、上部にはハンドル281が固着されている。
【0121】
282はPP製の第一ステム支持体である。第一ステム支持体282の上部内周面には第一ステム277の雄ネジ部279に螺合される雌ネジ部283が設けられており、下部内周には後記隔膜押さえ271の挿入部272を回動不能に嵌合する六角形状の中空部284が設けられており、下部外周には後記ボンネット286によって固定される鍔部285が設けられている。
【0122】
286はPP製のボンネットである。ボンネット286の上部には第一ステム支持体282の鍔部285の外径より小さい内径を有する係止部287が設けられ、下部内周面には本体251の雄ネジ部259に螺着される雌ネジ部288が設けられている。ボンネット286は、第一ステム支持体282の鍔部285と隔膜押さえ271の鍔部274を、係止部287と本体251の間で挟持した状態で本体251に螺着していることで各部品を固定することができる。第二供給ライン28の圧力調整弁35の構成は図3の第一流体制御弁4の構成と同様なので説明を省略する。第三の実施例のその他の構成は第二の実施例と同様なので説明を省略する。
【0123】
次に、本発明の第三の実施例である流体混合装置の作動について説明する。
【0124】
第一供給ライン27の絞り弁32について説明する。
【0125】
ここで絞り弁32が微小な開度の調節を行なう作動について説明する。まず、本実施例の絞り弁32が全閉状態(図10の状態)において、入口流路255から流入してきた流体は、弁座面252に圧接された第二弁体262によって閉止される。
【0126】
ハンドル281を弁が開放する方向に回動させると、ハンドル281の回動に伴なって第一ステム277が外周面の雄ネジ部279のピッチ分だけ上昇し、逆に第一ステム277の内周面の雌ネジ部278に螺合された第二ステム269は第一ステム277の雌ネジ部278のピッチ分だけ下降する。ただし、第二ステム269は回動不能の状態で隔膜押さえ271の貫通孔275に収容されており上下方向のみに移動可能であるため、第二ステム269は本体251に対して第一ステム277外周面の雄ネジ部279と内周面の雌ネジ部278のピッチ差分、本実施例では第一ステム277の雄ネジ部279のピッチが1.5mm、第一ステム277の雌ネジ部278のピッチが1.25mmにしているので、第一ステム277に連動したハンドル281を1回転させることによって第二ステム269は0.25mm(雄ネジ部279のピッチの6分の1)上昇する。これに伴って、第二ステム269と接続された隔膜260が上昇することで最初に本体251の弁座面252に圧接されていた第二弁体262が弁座面252から離間し、第一弁体261は隔膜の上昇に伴なって上昇し、絞り弁32が半開状態となる(図11の状態)。流体は入口流路255から弁室253へと流れ込み、出口流路256を通過して排出される。
【0127】
次に上記絞り弁32が半開状態(図11の状態)から、さらにハンドル281を開方向に回動させると第一ステム277の下部外周のストッパー部280が第一ステム支持体282の天井面に圧接して回動は停止される。ハンドル281、第一ステム277および第二ステム269の回動と連動して隔膜260が上昇し、第一弁体261と第二弁体262は隔膜260の上昇に伴なって上昇し、弁は全開状態となる(図9の状態)。なお、第一弁体261は、全開状態でも連通口254から抜けることはないので、絞り弁32は全閉から全開まで流量調節が行われる。
【0128】
上記作用において、絞り弁32が全閉から全開に至るまで、開度によって第一弁体261と連通口254とで形成される第一流量調節部289の開口面積S1と、第二弁体262と弁座面252とで形成される第二流量調節部290の開口面積S2は変化するが、S1とS2の大小関係によって流量を調節する作用がそれぞれ異なる。以下に絞り弁32の開度の全閉から全開に至るまでのS1とS2の関係と流量の調節の仕組みを図9乃至図11に基づいて説明する。
【0129】
S1>S2の場合、絞り弁32の開度は全閉から微開の時であり、流量は第二流量調節部290によって、つまりS2の大小によって調節される。S1>S2の範囲内では、第一流量調節部289は、第一弁体261の直線部267と連通口254で流量を一定に調節することができ、流体は第一流量調節部289によって流量を一定にされた後、第二流量調節部290に至る前にまず環状溝部265により形成される空間部分に流れ込む。流体は環状溝部265の底面に当たり、径方向へ広がって第二弁体262の内周面に当たり、さらに流れの向きを変えて第二流量調節部290に至るため、空間部分で流体の流れが一旦停滞される。そのため流体は、空間部分で流れが抑制されて急激な流量の増加を抑えることができ、第二流量調節部290で十分制御可能な流れで第二流量調節部290に至り、第二流量調節部290で精度良く流量が調節されるため、絞り弁32が微開時の微小流量の調節が可能となる。このとき、第二弁体262の円環状凸条の径D2は、連通口254の内径Dに対して1.1D≦D2≦2Dの範囲内で設けられているため、流量の増加を抑制するのに効果的な環状溝部265を第一弁体261と第二弁体262の間に形成することができ、環状溝部265により形成される空間部分で第一流量調節部289からの流体の流れを抑制することができる。
【0130】
S1=S2の場合、第一流量調節部289の開口面積S1と第二流量調節部290の開口面積S2が同一となり、この時点を境に流量を調節する部分が第二流量調節部290から第一流量調節部289へと切り替わる。つまりS1の大小によって流量は調節される。
【0131】
S1<S2の場合、絞り弁32の開度は微開から大きくして全開に至るまでであり、第二流量調節部290では細かい流量調節が困難となり、第一流量調節部289によって、つまりS1の大小によって調節される。S1<S2の範囲内では、第一流量調節部289は第一弁体261のテーパ部268と連通口254で流量を調節しており、第一弁体261のテーパ部268は、絞り弁32の開度に対して開口面積S1が比例して増加するように設定されているため、絞り弁32の開度を大きくするにつれて流量は線形に比例して増加するように調節することができる。
【0132】
このことから、本発明の絞り弁32は、開度が微小なときには第二流量調節部290によって流量調節を行い、開度を大きくすると第二流量調節部290から第一流量調節部289に切り替わって流量調節を行うので、全閉から全開に至るまで開度に対して流量が良好な比例関係を得ることができ、微小な流量から大きな流量まで確実な流量の調節が可能となり、幅広い流量範囲で流量調節を行うことができる。
【0133】
次に、絞り弁32が全開状態からハンドル281を逆に閉方向に回動させた場合は、開方向に回動させた場合とは逆の作動で弁体が降下し、絞り弁32の開度に応じて流量調節が行われる。ハンドル281を閉方向に回動させて全閉状態にした時には第二弁体262と弁座面252とが線接触によって確実な全閉シールを行うことができる。絞り弁32が全閉状態のとき、第一弁体261は常に連通口254とは非接触であるため、絞り弁32の長期的な使用により、弁体や弁座面252が摩耗などによって変形することがなく、長期間の使用によって流量調節特性が安定できなくなることを防止できる。
【0134】
以上の作動により、フィードバック制御された流体は絞り弁32で流量の微調節を行なうことにより設定流量になるように安定して制御される。また絞り弁32の開度を変化させることにより、各供給ラインを幅広い流量範囲で流量を制御することができる。さらに、絞り弁は微小な開度の調節を容易に行なうことができる構成であるため、開度の微調節を精密且つ短時間で行なうことができる。
【0135】
第二供給ライン28の圧力調整弁35の作動は図3の第一流体制御弁4の作動と同様なので説明を省略する。圧力調整弁35によって一定の流体圧力されるため、第二供給ラインに流入する流体の上流側圧力が変動しても圧力調整弁35の作動により流量は自立的に一定に保たれるためポンプの脈動など瞬間的な圧力変動が発生しても、脈動の影響で計測値が読み取りにくくなるのを防止し、安定した流体制御を行なうことができる。第三の実施例のその他の作動は第二の実施例と同様なので説明を省略する。
【実施例4】
【0136】
次に、図12に基づいて本発明の第四の実施例である流体混合装置について説明する。
【0137】
本実施例の流体混合装置は、第三の実施例において、第一供給ライン27aの合流部39a直前には開閉弁40が設けられ、第二供給ライン28aの合流部39a直前には開閉弁41が設けられた構成である。開閉弁40、41は図5で示される構成であり、各供給ラインの構成は第三の実施例と同様なので説明を省略する。
【0138】
次に、本発明の第四の実施例である流体混合装置の作動について説明する。
【0139】
ここでは第一供給ライン27aに純水を流入させ、第二供給ライン28aにフッ化水素酸を流入させ、純水:フッ化水素酸=10:1になるように混合する。開閉弁40、41が開状態のとき、第一、第二供給ライン27a、28aで流量が制御された純水及びフッ化水素酸は合流部39aで合流し、設定された比率(第一供給ライン27aと第二供給ライン28aの流量の比率が10:1)で混合され、設定された流量で流出される。混合された混合流体は流体混合装置から基板の洗浄装置の洗浄槽内に導入され、基板の酸化膜除去が行なわれる。開閉弁40が開状態で開閉弁41が閉状態のとき、第一供給ライン27aで制御された純水のみが流出される。開閉弁40が閉状態で開閉弁41が開状態のとき、第二供給ライン28aで制御されたフッ化水素酸のみが流出される。各供給ラインの作動は第三の実施例と同様なので説明を省略する。
【0140】
以上の作動により、合流部39a直前に開閉弁40、41を設けることにより、第一供給ライン27aの純水、第二供給ライン28aのフッ化水素酸、各流体の混合流体を選んで供給することができ、また各々任意の流量で流出させることができる。
【実施例5】
【0141】
次に、図13、図14に基づいて本発明の第五の実施例である流体混合装置について説明する。
【0142】
本実施例の流体混合装置は、第三の実施例において、第一、第二供給ライン27b、28bの合流部にマニホールド弁42が設けられた構成である。各構成は以下の通りである。
【0143】
42はマニホールド弁である。マニホールド弁42は本体501、第一弁体510、第二弁体511、駆動部512、513で形成される。
【0144】
501は本体であり、本体501の上部には連結流路502によって連通されている円筒状の第一弁室503と、第二弁室504が設けられている。第一弁室503の底部中央には第一連通口505が設けられ、第一連通口505には第一供給ライン27bに連通する第一流路507が設けられている。第二弁室504の底部中央には第二連通口506が設けられ、第二連通口506には第二供給ライン28bに連通する第二流路508が設けられている。また第一弁室503にはマニホールド弁内で混合された流体が流出する分岐流路509が連通して設けられている。第一流路507と第二流路508は平行に本体501の同じ側面に設けられ、分岐流路509は該流路507、508に対して直交する方向に設けられている。
【0145】
510は第一連通口505を開放、遮断を行う第一弁体であり、第一弁室503に収容されている。511は第二連通口506を開放、遮断を行う第二弁体であり、第二弁室504に収容されている。512は第一弁体510の開閉動作を行う駆動部であり、513は第二弁体511の開閉動作を行う駆動部である。駆動部512、513の構成は、図5の開閉弁の駆動部102と同じ構成であるので説明を省略する。各供給ラインの構成は第三の実施例と同様なので説明を省略する。
【0146】
次に、本発明の第五の実施例である流体混合装置の作動について説明する。
【0147】
ここでは第一供給ライン27bに純水を流入させ、第二供給ライン28bにフッ化水素酸を流入させ、純水:フッ化水素酸=10:1になるように混合する。マニホールド弁42の駆動部512で第一弁体510を上昇させて第一連通口505を開状態とし、駆動部513で第二弁体511を上昇させて第二連通口506が開状態にした場合(図13の状態)、第一供給ライン27bで制御された純水は第一流路507を通って第一弁室503に流入し、第二供給ライン28bで制御されたフッ化水素酸は第二流路508を通って第二弁室504に流入し、第二弁室504で純水及びフッ化水素酸は合流し、設定された比率(第一供給ライン27bと第二供給ライン28bの流量の比率が10:1)で混合され、設定された流量で分岐流路509から流出される。混合された混合流体は流体混合装置から基板の洗浄装置の洗浄槽内に導入され、基板の酸化膜除去が行なわれる。
【0148】
同様に駆動部512、513を駆動させて、第一連通口505を開状態、第二連通口506を閉状態にした場合、第二供給ライン28bは閉止されて流れずに、第一供給ライン27bで制御された純水は第一流路507、第一弁室503、第二弁室504を通って分岐流路509から流出される。
【0149】
同様に駆動部512、513を駆動させて、第一連通口505を閉状態、第二連通口506を開状態にした場合、第一供給ライン27bは閉止されて流れずに、第二供給ライン28bで制御されたフッ化水素酸は第二流路508、第二弁室504を通って分岐流路509から流出される。各供給ラインの作動は第三の実施例と同様なので説明を省略する。
【0150】
以上の作動により、マニホールド弁42を設けることにより、第一供給ライン27bの純水、第二供給ライン28bのフッ化水素酸、各流体の混合流体を選んで供給することができ、また各々任意の流量で流出させることができる。また、上記構成により流体混合装置をコンパクトに合流部での流路の切換を行うことができる。
【実施例6】
【0151】
次に、図15乃至図17に基づいて本発明の第六の実施例である流体混合装置について説明する。
【0152】
本実施例の流体混合装置は、第三の実施例において、第一、第二供給ラインの最上流側にフラッシング装置43が設けられた構成である。フラッシング装置43の構成は以下の通りである。
【0153】
43は二つの供給ラインを有する装置の最上流側に設置されたフラッシング装置である。フラッシング装置43は、流路が形成された本体531と、流路の開閉を行う駆動部A532、駆動部B533、駆動部C534とで形成されている。その各々の構成は以下の通りである。
【0154】
531はPTFE製の本体である。本体531の上部には略すり鉢形状の弁室A535と弁室B536が設けられ、本体531の下部には弁室C537が設けられており、弁室B536と弁室C537は本体531の上部と下部に略同一軸線上に配置されるように設けられている。弁室A535の底面には後記弁体A550の圧接によって流路の全閉シールを行う弁座が形成され、弁座の中心に設けられた連通口に連通する入口流路A538と弁室A535に連通する出口流路A539を有している。弁室B536および弁室C537も、弁室A535と同様に底面に弁座が形成され、弁室B536にそれぞれ連通する入口流路B540と出口流路B541、弁室C537にそれぞれ連通する入口流路C542と出口流路C543が設けられている。
【0155】
また、本体531の一方の側の側面には第一流入口544と第二流入口545が設けられ、他方の側の側面には第一流出口546と第二流出口547が設けられている。第一流入口544に連通する流路は、第一分岐部548で二つの流路に分かれ、入口流路A538と入口流路C542とにそれぞれ連通する流路が形成されている。第一流出口546に連通する流路は、出口流路A539に連通している。第二流入口545に連通する流路は、入口流路B540に連通している。第二流出口547に連通する流路は、第二分岐部549で二つの流路に分かれ、出口流路B541と出口流路C543とにそれぞれ連通する流路が形成されている。また、第一流出口546は第一供給ライン27cに連通し、第二流出口547は第二供給ライン28cに連通する。
【0156】
このとき、第一流入口544から入口流路A538、弁室A535、出口流路A539を通って第一流出口546に連通して形成される流路を主ラインである第一ラインと称し、第二流入口545から入口流路B540、弁室B536、出口流路B541を通って第二流出口547に連通して形成される流路を第二ラインと称し、第一分岐部548から入口流路C542、弁室C537、出口流路C543を通って第二分岐部549に連通して形成される流路を連結ラインと称する。
【0157】
532、533、534はPVDF製の駆動部A、B、Cである。駆動部A532、駆動部B533、駆動部C534には弁室A535、弁室B536、弁室C537の弁座に圧接離間することで弁の開閉を行う弁体A550、弁体B551、弁体C552が設けられている。該駆動部532、533、534の構成は、図5の開閉弁の駆動部102と同じ構成であるので説明を省略する。
【0158】
ここで、図14における開閉弁535aは図15、図16における弁室A535と駆動部A532の弁体A550によって形成される部分にあたり、開閉弁536aは弁室B536と駆動部B533の弁体B551によって形成される部分にあたり、開閉弁537aは弁室C537と駆動部C534の弁体C552によって形成される部分にあたる。各供給ラインの構成は第三の実施例と同様なので説明を省略する。
【0159】
次に、本発明の第六の実施例である流体混合装置の作動について説明する。
【0160】
ここでは第一供給ライン27cに純水を流入させ、第二供給ライン28cに塩酸を流入させ、純水:塩酸=20:1になるように混合する。通常モードにおいては、弁体A550と弁体B551を上方へ引き上げて弁室A535と弁室B536を開状態とし、弁体C552を下方へ押し下げて弁室C537を閉状態とする(図5の状態)。このとき第一ラインと第二ラインに各々独立して純水および塩酸が流れるようになる。ここで第一流入口544に純水を流入させ、第二流入口545に塩酸を流入させると、第一流入口544に流入した純水は入口流路A538、弁室A535、出口流路A539を通過して第一流出口546から第一供給ライン27cに流入し、第二流入口545に流入した塩酸は入口流路B540、弁室B536、出口流路B541を通過して第二流出口547から第二供給ライン28cに流入することになる。各供給ラインの作用は第三の実施例と同様であるので説明を省略する。このとき、第一供給ライン27cと第二供給ライン28cは20:1の流量比率で混合され、設定された流量で流出される。流出された混合流体は流体混合装置から基板の洗浄装置の洗浄槽内に導入され、基板の酸化膜除去が行なわれる。
【0161】
フラッシングモードにおいては、弁体A550と弁体B551を下方へ押し下げて弁室A535と弁室B536を閉状態とし、弁体C552を上方へ引き上げて弁室C537を開状態とする。このとき第一ラインと第二ラインが連結ラインによって繋がり、第一流入口544から第二流出口547に流れる流路が形成される。ここで第一供給ライン27cに流れる純水が、第一流入口544から第一分岐部548、入口流路C542、弁室C537、出口流路C543、第二分岐部549を通過して、第二流出口547から第二供給ライン28cに流れることができ、純水が流し続けられることにより第二供給ライン28cを純水でフラッシングして第二供給ライン28c内の洗浄を行うことができる。
【0162】
以上の作動により、本実施例のフラッシング装置43を設けることにより、通常モードとフラッシングモードを容易に選択でき、フラッシングモードにより各供給ラインをフラッシングすることで洗浄を行うことができる。また、本実施例のフラッシング装置43は本体531である一つのベースブロックに流路が形成されることにより、フラッシング装置43を一つの部材として設けることができ、フラッシング装置43の流路を配管などで設ける必要がないので部品点数が少なくて済み、フラッシング装置43をよりコンパクトに形成でき、流路が短くできるので流体抵抗を抑えることができる。
【実施例7】
【0163】
次に、図18、図19に基づいて本発明の第七の実施例の流体混合装置について説明する。
【0164】
本実施例の流体混合装置は、第三の実施例において(図7参照)、第一供給ライン27の流量計測器30と第一流体制御弁31の位置を逆にして、開閉弁29、第一流体制御弁31、流量計測器30、絞り弁32の順にして形成した装置である。流量計測器30と第一流体制御弁31の位置を逆にしたのは、隣り合う弁同士を一つのベースブロックに配設し易くするためであり、位置を逆にしてもフィードバック制御を問題なく行うことができる。各構成は以下の通りである。これにより、第一、第二供給ライン27d、28dの開閉弁29d、34d、第一流体制御弁31dおよび圧力調整弁35dが一つのベースブロック44に配設され、絞り弁32dと流体制御弁37dが一つのベースブロック45に配設され、流量計測器30d、36dが各ベースブロック44、45にそれぞれ接続部材46、47、48、49を介在させて接続されている。これは別体のチューブや管を用いない場合の直接接続する方法である。各構成は以下の通りである。
【0165】
44は第一、第二供給ライン27d、28dの開閉弁29d、34d、第一流体制御弁31dおよび圧力調整弁35dが配設されたベースブロックである。ベースブロック45には、第一供給ライン27dの開閉弁29d、第一流体制御弁31dの流路と、第二供給ライン28dの開閉弁34d、圧力調整弁35dの流路が、この順でそれぞれ連通して形成されている。
【0166】
45は第一、第二供給ライン27d、28dの絞り弁32dおよび第二流体制御弁37dが配設されたベースブロックである。ベースブロック45には第一供給ライン27dの絞り弁32dの流路と、第二供給ライン28dの第二流体制御弁37dの流路がそれぞれ形成されている。また、第一供給ライン27dの絞り弁32dの出口流路は、第二供給ライン28dの第二流体制御弁37dの出口流路と連通して合流部39dを形成し、合流部39dから流出口50に連通している。なお、合流部39dはベースブロック45内に設けずに、ベースブロック45の各供給ラインから流出した流路を合流するようにしても良い。
【0167】
46、47、48、49は流路の方向転換を行う接続部材である。第一流体制御弁31dおよび圧力調整弁35dの出口流路から接続部材46、48を介して流路の方向転換が行なわれて流量計測器30d、36dの入口流路に各々直接接続され、流量計測器30d、36dの出口流路から接続部材47、49を介して流路の方向転換が行なわれて絞り弁32dおよび第二流体制御弁37dの入口流路に各々直接接続されて連通している。各供給ラインの弁および流量計測器の構成と作動は第三の実施例と同様なので説明を省略する。
【0168】
これにより、隣り合う弁および流量計測器が独立した接続手段であるチューブや管を用いずに直接接続されているため、流体混合装置をコンパクトにして設置場所のスペースを少なくすることができる。また、設置作業が容易になり作業時間が短縮することができ、流体混合装置内の流路を短くさせることで流体抵抗を抑えることができる。
【実施例8】
【0169】
次に、図20、図21に基づいて本発明の第八の実施例の流体混合装置について説明する。
【0170】
本実施例の流体混合装置は、第三の実施例において(図7参照)、第一供給ライン27の流量計測器30と第一流体制御弁31の位置を逆にして、開閉弁29、第一流体制御弁31、流量計測器30、絞り弁32の順にして形成した装置である。各構成は以下の通りである。
【0171】
51は第一、第二供給ライン27e、28eの開閉弁29e、34e、流量計測器30e、36e、絞り弁32e、圧力調整弁35e、第一流体制御弁31e、第二流体制御弁37eが配設されたベースブロックである。ベースブロック51には第一供給ライン27eの開閉弁29e、第一流体制御弁31e、流量計測器30eおよび絞り弁32eの流路と、第二供給ラインの開閉弁34e、圧力調整弁35e、流量計測器36eおよび第二流体制御弁37eの流路が、この順でそれぞれ連通して形成されている。また、第一供給ライン27eの絞り弁32eの出口流路は、第二供給ライン28eの第二流体制御弁37eの出口流路と連通して合流部39eを形成し、合流部39eから流出口52に連通する。なお、合流部39eはベースブロック51内に設けずに、ベースブロック51の各供給ラインから流出した流路を合流するようにしても良い。各供給ラインの弁および流量計測器の構成と作動は第三の実施例と同様なので説明を省略する。
【0172】
これにより、流体混合装置が流路の形成された一つのベースブロック51に配設されているため、流体混合装置をコンパクトにして設置場所のスペースを少なくすることができる。また、設置作業が容易になり作業時間が短縮でき、流体混合装置内の流路を短くさせることで流体抵抗を抑えることができ、さらに部品点数を少なくすることができるので流体混合装置の組み立てを容易にすることができる。
【実施例9】
【0173】
次に、図22に基づいて本発明の第九の実施例の流体混合装置について説明する。なお、本実施例では図22で示した第二供給ライン側の縦断面図のみで説明する。
【0174】
本実施例の流体混合装置は、第三の実施例において、第一、第二供給ライン28fの開閉弁34f、流量計測器36f、第二流体制御弁37f、圧力調整弁35fが一つのケーシング53内に収納配設されている。各構成は以下の通りである。
【0175】
53はPVDF製のケーシングである。ケーシング53内には、ケーシング53の底面に開閉弁34f、圧力調整弁35f、流量計測器36f、第二流体制御弁37fがこの順でボルト、ナット(図示せず)にて固定されている。また、制御部は流量計測器36fの上方にケーシング53の上部に固定設置されている。本実施例の弁および流量計測器の接続構造は実施例7と同様であり、各供給ラインの弁および流量計測器の構成と作動は第三の実施例と同様なので説明を省略する。
【0176】
これにより、流体混合装置が一つのケーシング53内に設置されて流体混合装置が一つのモジュールとなるため、設置が容易になり、設置作業の作業時間が短縮でき、各部品がケーシングによって保護されると共に、流体混合装置をブラックボックス化することで安易に流体混合装置を分解させることを防ぎ、不慣れな利用者が流体混合装置を分解することにより不具合が生じることを防止することができる。
【実施例10】
【0177】
次に、図23、図24に基づいて本発明の第十の実施例について説明する。ここでは第一の実施例の第一流体制御弁4が、他の流体制御弁である本実施例の第一流体制御弁4aである場合で説明する。
【0178】
4aは第一流体制御弁である。第一流体制御弁4aは本体部121、弁部材136、第一ダイヤフラム部137、第二ダイヤフラム部138、第三ダイヤフラム部139、第四ダイヤフラム部140で形成される。
【0179】
本体部121は、内部に後記第一加圧室128、第二弁室129、第一弁室130及び第二加圧室131に区切られるチャンバ127と、流体が外部からチャンバ127へ流入するための入口流路145及びチャンバ127から流出するための出口流路152とを有し、上から本体D125、本体C124、本体B123、本体A122、本体E126に分かれており、これらを一体に組みつけて構成されている。
【0180】
122は本体部121の内側に位置するPTFE製の本体Aであり、上部に平面円形状の段差部141が設けられ、段差部141の中央には段差部141より小径で、下部第一弁室134となる開孔部142が、また、開孔部142の下には開孔部142の径より大径の平面円形状の下部段差部143が連続して設けられている。本体A122の上面部、すなわち段差部141の周縁部には環状凹溝144が設けられ、また、側面から本体A122の開孔部142に連通する入口流路145が設けられている。
【0181】
123は本体A122の上面に係合固定されているPTFE製の本体Bであり、上部に平面円形状の段差部146が設けられ、段差部146の中央には段差部146より小径の上部第二弁室133となる開孔部147が設けられている。また、開孔部147の下には開孔部147の径より小径の開口部148と、本体A122の段差部141と同じ径の平面円形状の下部段差部149が連続して設けられている。開口部148の下端周囲は弁座150となっている。本体B123の下面部すなわち下部段差部149の周縁部には本体A122の環状凹溝144と相対する位置に環状凹溝151が設けられ、また、本体A122の入口流路145と反対側に位置する本体B123の側面から開孔部147に連通する出口流路152が設けられている。
【0182】
124は本体B123の上部に嵌合固定されているPTFE製の本体Cであり、中央に本体C124の上下端面を貫通し上部で拡径した平面円形状のダイヤフラム室153と、ダイヤフラム室153と外部とを連通する呼吸孔154、及び下端面に本体B123の段差部146に嵌合される環状突部155がダイヤフラム室153を中心として設けられている。
【0183】
125は本体C124の上部に位置するPTFE製の本体Dであり、下部に気室156と、中央に上面を貫通して設けられ、外部から気室156へと圧縮空気を導入するための給気孔157が設けられている。また、側面を貫通して設けられる微孔の排出孔180が設けられている。なお、排出孔180は圧縮空気の供給において必要ない場合は設けなくてもかまわない。
【0184】
126は本体A122の底部に嵌合固定されるPVDF製の本体Eであり、中央部には上面に開口した、第二加圧室131となる開孔部158が設けられ、開孔部158上面の周囲には、本体A122の下部段差部143に嵌合固定される環状突部159が設けられている。また、本体E126の側面には、そこから開孔部158に連通する小径の呼吸孔160が設けられている。
【0185】
以上説明した本体部121を構成する5つの本体A122、本体B123、本体C124、本体D125、本体E126はボルト・ナット(図示せず)で挟持固定されている。
【0186】
136はPTFE製の弁部材であり、中央に鍔状に設けられた肉厚部161と肉厚部161を貫通して設けられた連通孔162、肉厚部161の外周面から径方向に延出して設けられた円形状の薄膜部163及び薄膜部163の外周縁部に上下に突出して設けられた環状リブ部164を有する第一ダイヤフラム部137と、第一ダイヤフラム部137の上部中央に設けられ逆すり鉢状の弁体165と、弁体165の上部より上方に突出して設けられ、上端部が略半球状に形成された上部ロッド166び肉厚部161下端面中央部より下方に突出して設けられ、下端部が略半球状に形成された下部ロッド167有し、かつ、一体的に形成されている。第一ダイヤフラム部137の外周縁部に設けられた環状リブ部164は本体A122と本体B123に設けられた両環状凹溝144、151に嵌合され、本体A122と本体B123に挟持固定されている。また、弁体165の傾斜面と本体B123の開口部148の下端面周縁部との間に形成される空間は流体制御部168になっている。
【0187】
138はPTFE製の第二ダイヤフラム部であり、中央に円柱状の肉厚部169と肉厚部169の下端面から径方向に延出して設けられた円形状の薄膜部170、及び薄膜部170の外周縁部に設けられた環状シール部171を有し、かつ一体的に形成されている。また、薄膜部170の周縁部の環状シール部171は本体B123の上部の段差部146と、本体C124の環状突部155とに挟持固定されている。なお、第二ダイヤフラム部138の受圧面積は、第一ダイヤフラム部137のそれよりも小さく設ける必要がある。
【0188】
139はPTFE製の第三ダイヤフラム部で、形状は第二ダイヤフラム部138と同一になっており、上下逆にして配置されている。肉厚部172の上端面は弁部材136の下部ロッド167と接触しており、また、薄膜部173の周縁部の環状シール部174は本体A122の下部段差部143と本体E126の環状突部159とに挟持固定されている。なお、第三ダイヤフラム部139の受圧面積も上記と同様に第一ダイヤフラム部137のそれよりも小さく設ける必要がある。
【0189】
140は第四ダイヤフラム部であり、周縁部に外径が本体C124のダイヤフラム室153と略同径の円筒形リブ175と、中央に円柱部176、及び円筒形リブ175の下端面内周と円柱部176の上端面外周とをつないで設けられた膜部177を有する。円筒形リブ175は本体C124のダイヤフラム室153に嵌合固定されるとともに、本体B123と本体C124の間で挟持固定され、円柱部176はダイヤフラム室153の中で上下動自在となっている。また、円柱部176の下部は、第二ダイヤフラム部138の肉厚部169が嵌合されている。
【0190】
178および179は本体E126の開孔部158に配置されたPVDF製のバネ受けとSUS製のバネである。両者は第三ダイヤフラム部139を内向き(図では上向き)に加圧している。
【0191】
以上説明した各構成により本体部121の内部に形成されたチャンバ127は上から、第四ダイヤフラム部140及び本体D125気室156から形成された第一加圧室128、第一ダイヤフラム部137と本体B123の下部段差部149との間に形成された下部第二弁室132と第二ダイヤフラム部138と本体B123の開孔部147とから形成された上部第二弁室133の両者からなる第二弁室129、第三ダイヤフラム部139と本体A122の開孔部142とで形成された下部第一弁室134と第一ダイヤフラム部137と本体A122の段差部141とで形成された上部第一弁室135からなる第一弁室130、及び第三ダイヤフラム部139と本体E126の開孔部158とで形成された第二加圧室131に区分されていることがわかる。
【0192】
次に、本発明の第十の実施例の作動について説明する。
【0193】
電空変換器(図示せず)から供給される操作圧に対する第一流体制御弁4aの作動は以下の通りである。第一流体制御弁4aの本体A122の入口流路145より第一弁室130に流入した流体は、弁部材136の連通孔162を通ることで減圧され下部第二弁室132に流入する。さらに、流体は、下部第二弁室132から流体制御部168を通り上部第二弁室133に流入する際に流体制御部168での圧力損失により再度減圧され出口流路152から流出する。ここで、連通孔162の直径は充分小さく設けてあるため、弁を流れる流量は連通孔162前後の圧力差によって決まっている。
【0194】
このとき、各ダイヤフラム部137、138、139が流体から受ける力を見ると、第一ダイヤフラム部137は第一弁室130と下部第二弁室132内の流体圧力差により上方向の、第二ダイヤフラム部138は上部第二弁室133の流体圧力により上方向の、第三ダイヤフラム部139は第一弁室130内の流体圧力により下方向の力を受けている。ここで、第一ダイヤフラム部137の受圧面積は、第二ダイヤフラム部138及び第三ダイヤフラム部139の受圧面積よりも充分大きく設けてあるため、第二、第三ダイヤフラム部138、139に働く力は、第一ダイヤフラム部137に働く力に比べてほとんど無視することができる。したがって、弁部材136が、流体から受ける力は、第一弁室130と下部第二弁室132内の流体圧力差による上方向の力となる。
【0195】
また、弁部材136は、第一加圧室128の加圧手段により下方へ付勢されており、同時に第二加圧室131の加圧手段により上方へ付勢されている。第一加圧室128の加圧手段の力を第二加圧室131の加圧手段の力より大きく調整しておけば、弁部材136が各加圧手段から受ける合力は下方向の力となる。ここで第一加圧室128の加圧手段とは、電空変換器から供給される操作圧によるものであり、第二加圧室131の加圧手段とは、バネ179の反発力によるものである。
【0196】
したがって、弁部材136は、各加圧手段による下方向の合力と、第一弁室130と下部第二弁室132内の流体圧力差による上方向の力とが釣り合う位置に安定する。つまり、各加圧手段による合力と流体圧力差による力が釣り合うように、下部第二弁室132の圧力が流体制御部168の開口面積により自立的に調整される。そのため、第一弁室130と下部第二弁室132内の流体圧力差は一定となり、連通孔162の前後の差圧は一定と保たれることにより、弁を流れる流量は常に一定に保たれる。
【0197】
ここで、第一流体制御弁4aは、弁部材136に働く各加圧手段の合力と、第一弁室130と下部第二弁室132との圧力差による力とが釣り合って作動するため、弁部材136に働く各加圧手段の合力を調整変更すれば、第一弁室130と下部第二弁室132との流体圧力差はそれに対応した値となる。つまり第一加圧室の加圧手段による下方向への力、すなわち電空変換器から供給される操作圧力を調整することにより、連通孔162前後の差圧を変更調整することができるため、バルブを分解することなく流量を任意の流量に設定することができる。
【0198】
また、第一加圧室128の加圧手段による力を第二加圧室131の加圧手段による力より小さく調整すれば、弁部材136に働く合力は上方向のみとなり、弁部材136の弁体165を本体B123の開口部148の弁座150に押圧するかたちとなり、流体を遮断することができる。すなわち、電空変換器を調整して操作圧をかけなければ第一流体制御弁4aは閉塞状態となる。
【0199】
これにより、第一流体制御弁4aを用いることで流体混合装置の供給ラインを流れる流体は設定流量で一定になるように制御されされる。さらに、供給ラインに流入する流体の上流側圧力や下流側圧力が変動しても第一流体制御弁4aの作動により流量は自立的に一定に保たれるためポンプの脈動など瞬間的な圧力変動が発生しても安定して流量を制御することができる。また、第一流体制御弁4aは背圧変動の影響を受けない構成であるため、背圧が変動するような用途において好適に使用することができる。また、操作圧の調整により第一流体制御弁4aは開閉弁としても使用することができる。
【実施例11】
【0200】
次に、図25に基づいて本発明の第十一の実施例について説明する。ここでは第一の実施例の第二流体制御弁10が、他の流体制御弁である本実施例の第二流体制御弁10aである場合で説明する。また、本実施例の制御部(図示せず)は、第一の実施例の制御部5において、電空変換器8を設けずに、コントロール部7から出力された信号を第二流体制御弁10aの電気式駆動部344に伝達し、電気式駆動部344のモータ部359を作動させる構成である。
【0201】
10aは、後記電気式駆動部344により流路の開口面積を変化させ流体の流量を制御する第二流体制御弁(電気式ニードル弁)である。第二流体制御弁10aは、本体341、ダイヤフラム342、弁体343、電気式駆動部344で形成される。
【0202】
341はPTFE製の本体であり、上部に略すり鉢形状の弁室345が設けられており、弁室345に各々連通するように入口流路346および出口流路347が設けられ、弁室345の底面には後記弁体343の圧接によって流路を遮断する弁座348が形成され、底部中央には後記弁体343が上下動することにより流量を制御する開口部349が形成されている。また、本体341の上面には後記ダイヤフラム342の環状シール部353が嵌合される環状凹部350が設けられている。
【0203】
342はPTFE製のダイヤフラムであり、中央に鍔状に設けられた肉厚部351と肉厚部351の外周面から径方向に延出して設けられた円形状の薄膜部352及び薄膜部352の外周縁部には軸線方向に断面L字状の環状シール部353が設けられており、環状シール部353は前記本体341の環状凹部350に嵌合される。肉厚部351の下方には後記弁体343に螺着される接合部354が設けられており、肉厚部351上方には後記モータ部359の軸に連結されたステム365と螺着される取付部355が設けられている。
【0204】
343はPTFE製の弁体であり、前記ダイヤフラム342の接合部354に螺着されている。また、弁体343は下方に向かって縮径するテーパ部356が設けられている。
【0205】
344は弁体343を上下動させる電気式駆動部である。電気式駆動部344は下部ボンネット357、上部ボンネット358で形成され、モータ部359及びギア等が設けられている。
【0206】
357はPVDF製の下部ボンネットであり、上方に開口された凹部360が設けられ、凹部360底部中央には貫通孔361が設けられている。下部ボンネット357の下面にはダイヤフラム342の環状シール部353が嵌合される嵌合部362が設けられ、前記本体341と下部ボンネット357により前記ダイヤフラム342が挟持固定されている。
【0207】
358はPVDF製の上部ボンネットであり、下方に開口された凹部363が設けられ、下部ボンネット357と上部ボンネット358を接合して両凹部360、363により格納部364が形成され後記モータ部359が設置されている。
【0208】
359は格納部364に設置されたモータ部である。モータ部359はステッピングモーターを有し、モータ部359下部にはモータの軸に連結されたステム365が設けられている。ステム365は前記下部ボンネット357の貫通孔361に位置し、ステム365の下部には前記ダイヤフラム342の取付部355と螺合される接続部366が設けられている。
【0209】
第二流体制御弁10aの本体341と、電気式駆動部344の下部ボンネット357と上部ボンネット358は、ボルト・ナット(図示せず)によって接合されている。
【0210】
次に、本発明の第十一の実施例の作動について説明する。
【0211】
電気式駆動部344からの伝達による第二流体制御弁10aの作動は以下の通りである。第二流体制御弁10aは、電気式駆動部344のモータ部359がステム365を上下動させると、ステム365とダイヤフラム342を介して弁体343が上下動され、開口部349と開口部349内へ挿入される弁体343のテーパ部356とで開口面積を変化させることにより、第二流体制御弁10aを流れる流体の流量を調整することができる。また、電気駆動部344を操作して弁体343を下方向へ駆動させ、弁体343を弁座348に着座させることにより弁体343は開口部349を閉止し、流体を遮断することができる。
【0212】
これにより、第二流体制御弁10aを用いることで流体混合装置の供給ラインを流れる流体は、設定流量で一定になるように制御される。また第二流体制御弁10aは上記構成によりコンパクトで安定した流量調節が行うことができる。電気式駆動部344は、電気的に駆動するモータ部359を有しており、モータ部359は細かな駆動制御が容易に行なえるため、制御部からの信号に応じて応答性の良い安定した流量制御を行なうことができ、微小流量の流体制御に優れた効果を発揮する。
【実施例12】
【0213】
次に、図26に基づいて本発明の第十二の実施例について説明する。ここでは第一の実施例の第二流体制御弁10が、他の流体制御弁である本実施例の第二流体制御弁10bである場合で説明する。
【0214】
10bは操作圧に応じて流路の開口面積を変化させることにより流体の流量を制御する第二流体制御弁(空気式ピンチ弁)である。第二流体制御弁10bは管体401、シリンダー本体402、ピストン403、挟圧子404、本体405、連結体受け406、連結体407で形成される。
【0215】
401は内部を流体が流れるフッ素ゴムとシリコンゴムの複合体からなる管体である。管体401は例えばシリコンゴムが含浸されたPTFEシートを何層も積層することにより目的とする肉厚に形成されたものである。なお、本実施形態では管体401の材質はフッ素ゴムとシリコンゴムの複合体になっているがEPDM、シリコンゴム、フッ素ゴム及びこれらの複合体などの弾性体でも良く特に限定されるものではない。
【0216】
402はPVDF製のシリンダー本体である。シリンダー本体402は、円筒状空間を持つシリンダー部408を有し、上端部に円盤状のシリンダー蓋409がOリングを介して螺合されている。シリンダー本体402の下面中央部には、後記ピストン403の連結部416が貫通する貫通孔410と、後記挟圧子404を収納する長円状スリット411が連続して設けられている。また、シリンダー本体402の周側面には、シリンダー部408の内周面及び底面と後記ピストン403の下端面とで形成される第一空間部412と、シリンダー部408の内周面とシリンダー蓋409の下端面と後記ピストン403の上端面とで形成される第二空間部413とに、それぞれ圧縮空気を導入するエアー口414、415が設けられている。
【0217】
403はPVDF製のピストンである。ピストン403は円盤状で周側面にOリングが装着され、シリンダー部408の内周面に上下動可能且つ密封状態に嵌合されている。またピストン403の中央より垂下して連結部416が設けられ、前記シリンダー本体402の下面中央部に設けられた貫通孔410を密封状態で貫通しており、その先端部に後記挟圧子404が固定されている。なお、本実施形態では連結部416を貫通して設けられた固定ボルト417の先端部に螺着によって後記挟圧子404が固定されている。また、挟圧子404の固定方法は、連結部416を棒状に形成しその先端部に螺着、接着あるいは溶接などでも良く、特に限定されるものではない。
【0218】
404はPVDF製の挟圧子であり、管体401を押圧する部分の断面がかまぼこ状に形成されている。また、挟圧子404は、流路軸線と直交するようにピストン403の連結部416に固定されており、バルブ開時にはシリンダー本体402の長円状スリット411内に収納されている。
【0219】
405はシリンダー本体402下端面にボルト・ナットなど(図示せず)で接合固定されるPVDF製の本体である。本体405の流路軸線上には管体401を受容する断面矩形状の溝418が設けられている。また、溝418の両端部には後記連結体受け406の嵌合部421を受容する溝419が溝418より深く設けられ、さらに溝419内部には後記連結体受け406の嵌合部421先端に設けられた抜け防止用凸部422を受容する凹溝420が設けられている。
【0220】
406は本体405の両端に設置されたPVDF製の連結体受けである。連結体受け406の一端部に本体405の両端に設けられた溝419に嵌合される断面矩形状の嵌合部421が形成され、さらに嵌合部421の先端底部には本体405の溝419に設けられた凹溝420に嵌合される抜け防止用凸部422が設けられている。一方、他端部には後記連結体407の六角形の鍔部430を受容する断面同形の受口423が設けられ、その外周面には雄ネジ部424が設けられている。雄ネジ部424と嵌合部421との間に位置する外周面には嵌合部421の対角線長と略同一の直径を有する環状の鍔部425が設けられている。鍔部425はシリンダー本体402及び本体405と接触し、連結体受け406が両本体の内部へ移動することを防止している。連結体受け406の内部では、嵌合部421に管体401の外径と略同径を有する貫通孔426が設けられ、またそれに連続して、受口423に通じる後記連結体407の挿入部429に嵌合拡径された管体401の外径と略同径の貫通孔427が設けられている。したがって、連結体受け406の内周面には段差部428が形成されている。この段差部428で管体401が連結体受け406内に挟持固定される。
【0221】
407はPTFE製の連結体である。連結体407の一端部には外径が管体401の内径よりも大きく形成され、管体401が拡径して挿入される挿入部429が設けられている。連結体407の外周中央部には両端部よりも拡径して断面六角形状の鍔部430が設けられている。連結体407は鍔部430を連結体受け406の受口423に嵌合させ、鍔部430と係合させたキャップナット431を連結体受け406の外周に設けられた雄ネジ部424に螺合させることにより回動しないように連結体受け406に嵌合固定される。ここで、本体405の両端部に設置された一方の連結体407の内部は入口流路432が形成され、他方の連結体407の内部は出口流路433が形成されている。
【0222】
次に、本発明の第十二の実施例の作動について説明する。
【0223】
電空変換器から供給される操作圧に対する第二流体制御弁10bの作動は以下の通りである。 エアー口415から第二空間部413へ圧縮された空気を供給した場合、第一空間部412内の圧縮された空気はエアー口414から排出され、該空気圧により、ピストン403が下降し始め、それに伴ってピストン403より垂下して設けられた連結部416を介して挟圧子404も下降する。エアー口414から第一空間部412圧縮された空気を供給した場合、第二空間部413内の圧縮された空気はエアー口415から排出され、該空気圧により、ピストン403が上昇し始め、それに伴ってピストン403より垂下して設けられた連結部416を介して挟圧子404が上昇する。ピストン403の上下動に伴って挟圧子404も上下動されることにより、挟圧子404が管体401の開口面積を変化させ、第二流体制御弁10bを流れる流体の流量を調整することができる。また、エアー口415から第二空間部413へ圧縮された空気を供給すると、ピストン403下端面がシリンダー部408底面に到達しピストン403及び挟圧子404の下降は止まることで管体401を閉止し、流体を遮断することができる。
【0224】
これにより、第二流体制御弁10bを用いることで流体混合装置の供給ラインを流れる流体は、設定流量で一定になるように制御される。また第二流体制御弁10bは上記構成によりコンパクトで安定した流量調節が行うことができでき、弁の摺動部分が流路と分かれて構成されているため流路内にコンタミやパーティクルを発生することを防止でき、流路が直線的で滞留する部分がないため、スラリーを輸送するラインに使用しても流量を制御する箇所にスラリーが固着しにくいので安定した流体制御を維持することができる。
【実施例13】
【0225】
次に、図27に基づいて本発明の第十三の実施例について説明する。ここでは第一の実施例の第二流体制御弁10が、他の流体制御弁である本実施例の第二流体制御弁10cである場合で説明する。また、本実施例の制御部(図示せず)は、第一の実施例の制御部5において、電空変換器8を設けずに、コントロール部7から出力された信号を第二流体制御弁10cの電気式駆動部441に伝達し、電気式駆動部441のモータ部452を作動させる構成である。
【0226】
10cは、後記電気式駆動部441により流路の開口面積を変化させ流体の流量を制御する第二流体制御弁である。第二流体制御弁10cは電気式駆動部441、本体442、管体443、接続部444で形成される。
【0227】
442はPTFE製の本体であり、本体442の流路軸線上には後記管体443を受容する断面矩形状の溝445が設けられている。
【0228】
443はPTFEシートとシリコンゴムの複合体からなる管体であり、本体442内に流路を形成している。
【0229】
444はPTFE製の接続部であり、本体442の溝445と後記電気式駆動部441下部ボンネット450の底部に係合して下部ボンネット450と本体442の各両側側面に固定される連結体受け446と、連結体受け446と係合し、管体443と接続される連結体447と、連結体447を連結体受け446の外周面に螺合することにより連結体受け446固定しているキャップナット448とから形成されている。ここで、本体442の両端部に設置された一方の連結体447の内部は入口流路456が形成され、他方の連結体447の内部は出口流路457が形成されている。
【0230】
441は挟圧子449を上下動させる電気式駆動部である。電気式駆動部441は下部ボンネット450、上部ボンネット451で形成され、モータ部452及びギア等が設けられている。
【0231】
450はPVDF製の下部ボンネットであり、上面に開口された凹部453が設けられ、凹部453底部中央には貫通孔454が設けられている。また下部ボンネット450下端面中央には貫通孔454を中心にして長円状のスリット455が設けられている。
【0232】
451はPVDF製の上部ボンネットであり、下面に開口された凹部458が設けられ、下部ボンネット450と上部ボンネット451を接合して両凹部453、458により格納部459が形成され後記モータ部452が設置されている。
【0233】
452は格納部459に設置されたモータ部である。モータ部452はステッピングモーターを有し、モータ部452下部にはモータの軸に連結されたステム460が設けられている。ステム460は前記下部ボンネット450の貫通孔454に位置し、ステム460の下部には挟圧子449が接続されていて、モータ部452の駆動によりステム460を上下動させ、挟圧子449が管体443を圧接しまたは管体443から離間する。
【0234】
449は管体443を押圧する部分が断面かまぼこ状に形成された挟圧子であり、管体443と直交するようにステム460に固定されており、弁全開時には下部ボンネット450下端面に設けられた長円状のスリット455内に収納されるようになっている。
【0235】
第二流体制御弁10cの本体442と、電気式駆動部441の下部ボンネット450と上部ボンネット451は、ボルト・ナット(図示せず)によって接合されている。
【0236】
次に、本発明の第十三の実施例の作動について説明する。
【0237】
電気式駆動部441からの伝達による第二流体制御弁10cの作動は以下の通りである。流量制御弁10cは、電気式駆動部441のモータ部452がステム460を上下動させると、ステム460下部に設けられた挟圧子449が上下動され、挟圧子449が管体443を変形させ、管体443の流路の開口面積を変化させることにより、流量制御弁10cを流れる流体の流量を調整することができる。また、ステム460を上方へ駆動させると、ステム460下部に設けられた挟圧子449が上昇し、挟圧子449の上端部が下部ボンネット450の下端部に設けられた長円状のスリットの上端面に到達してステム460および挟圧子449の上昇は止まり全開状態となる。さらに、ステム460を下方へ駆動させると、挟圧子449が下降し管体443を押圧して流路を閉止し全閉状態になる。
【0238】
これにより、第二流体制御弁10cを用いることで流体混合装置の供給ラインを流れる流体は、設定流量で一定になるように制御される。また第二流体制御弁10cは上記構成によりコンパクトで安定した流量調節が行うことができでき、弁の摺動部分が流路と分かれて構成されているため流路内にコンタミやパーティクルを発生することを防止でき、流路が直線的で滞留する部分がないため、スラリーを輸送するラインに使用しても流量を制御する箇所にスラリーが固着しにくいので安定した流体制御を維持することができる。電気式駆動部441は、電気的に駆動するモータ部452を有しており、モータ部452は細かな駆動制御が容易に行なえるため、制御部からの信号に応じて応答性の良い安定した流量制御を行なうことができ、微小流量の流体制御に優れた効果を発揮する。
【実施例14】
【0239】
次に、図28に基づいて本発明の第十四の実施例について説明する。ここでは第三の実施例の圧力調整弁35が、他の圧力調整弁である本実施例の圧力調整弁35aである場合で説明する。
【0240】
35aは流入する流体圧力を一定圧に調整されて流出させる圧力調整弁である。圧力調整弁35aは、本体473、蓋体474、第一ダイヤフラム475、第二ダイヤフラム476、プラグ477とで形成される。
【0241】
473はPVDF製の本体であり、略円筒状を有しており、その側面には本体473の内部に設けられた第一弁室479と連通する入口流路472と後記気室478と連通するエア供給口480とが設けられており、第一弁室479の上部周縁には後記第一ダイヤフラム475の環状突部486が接合される接合部481を有している。また第一弁室479の上部には後記第一及び第二ダイヤフラム475、476と共に後記気室478を形成する段差部482が設けられている。
【0242】
474はPVDF製の蓋体であり、内部に第二弁室483を有し外周側面には第二弁室483と連通する出口流路471を有し、本体473の上端部に接合されている。下端部の第二弁室483の周縁部には後記第二ダイヤフラム476の環状突部489が嵌合される環状溝部484が設けられている。
【0243】
475はPTFE製の第一ダイヤフラムであり、ドーナツ状に形成されており、中央部には後記第二ダイヤフラム476側に突出して形成された環状接合部485が設けられており、環状接合部485の内周面にはスリーブ487が螺着されている。また、外周縁部には環状突部486が設けられており、環状突部486は本体473の内部に設けられた接合部481に接合されている。
【0244】
476はPTFE製の第二ダイヤフラムであり、中央部には環状接合部488、外周縁部には環状突部489が設けられている。環状突部489は蓋体474の環状溝部484に嵌合され且つ、本体473と蓋体474とによって挟持されている。なお、第二ダイヤフラム476の受圧面積は前記第一ダイヤフラム475よりも十分に大きくなるように形成されている。第一及び第二ダイヤフラム475、476は、スリーブ487と螺着されることによって一体化している。
【0245】
プラグ477は、本体473の第一弁室479の底部に螺着等により固定されている。プラグ477の先端は、スリーブ487の下端面との間で流体制御部490を形成しており、スリーブ487の上下動にともなって流体制御部490の開口面積が変化し、第二弁室483内部の圧力すなわち、二次側の流体圧力を一定に保つように設計されている。
【0246】
478は本体473の段差部482及び第一、第二ダイヤフラム475、476の三者で囲まれて形成された気室である。気室478の内部にはエア供給口480から圧縮された空気が注入され、常に一定の圧力に保たれている。
【0247】
次に、本発明の第十四の実施例の作動について説明する。
【0248】
圧力調整弁35aの作用は、気室478に圧縮された空気が供給されて一定の内圧がかけられており、第一ダイヤフラム475が第一弁室479内部の圧力、すなわち一次側の流体圧力による上向きの力と、気室478内部の圧力による下向きの力を受けている。一方、第二ダイヤフラム476は第二弁室483内部の圧力すなわち二次側の流体圧力による下向きの力と、気室478内部の圧力による上向きの力を受けており、これら4つの力の釣り合いによって第一及び第二のダイヤフラム475、476と接合されているスリーブ487の位置が決定されている。スリーブ487はプラグ477との間に流体制御部490を形成しており、その面積によって二次側の流体圧力を制御している。
【0249】
この状態において一次側の流体圧力が上昇した場合、一時的に二次側の流体圧力及び流量も増大する。このとき流体圧力により第一ダイヤフラム475には上向きの力、第二のダイヤフラム476には下向きの力が働くが、第二ダイヤフラム476の受圧面積は第一ダイヤフラム475に比べ十分に大きく設計されているため、下向きの力の方が大きくなり、結果としてスリーブ487を下方へ押し下げることとなる。これによって、流体制御部490の開口面積は減少し、二次側の流体圧力は瞬時にもとの圧力まで低下し、再び気室478の内圧と流体圧力による力の釣り合いが保たれる。
【0250】
一方、一次側の流体圧力が低下した場合、一時的に二次側の流体圧力及び流量も低下する。このとき第一及び第二のダイヤフラム475、476には、気室478の内圧によってそれぞれ下向き及び上向きの力が働くが、この場合でも受圧面積は第二ダイヤフラム476の方が大きいため、上向きの力のほうが優勢となって、スリーブ487の位置を上方へ押し上げることとなる。これによって、流体制御部490の開口面積は増大し、二次側の流体圧力は瞬時に元の圧力まで上昇し、再び気室478の内圧と流体圧力による力の釣り合いが保たれ、元の流量も保たれる。
【0251】
これにより、圧力調整弁35aを用いることで流体混合装置の供給ラインに流入する流体の上流側圧力が変動しても圧力調整弁35aの作動により流量は自立的に一定に保たれるためポンプの脈動など瞬間的な圧力変動が発生しても、脈動の影響で計測値が読み取りにくくなるのを防止し、安定した流体制御を行なうことができる。また、流路の構造が簡単であり流体が滞留しにくい構成であるため、流体にスラリーを流してもスラリーが固着しにくく、安定して流入する流体の圧力を一定に保つことができ、スラリーが固着しにくい第十二の実施例や第十三の実施例のピンチ弁と併用することにより、供給ラインはスラリーの固着で詰まることなく使用でき、仮にラインの内壁に僅かにスラリーが付着しても、定期的に純水を流して流路内を洗浄する作業を行なうことでスラリーはきれいに洗浄される。また、圧力調整弁35aは、部品点数が少なく分解や組み立てが容易である。
【実施例15】
【0252】
次に、図29に基づいて本発明の第十五の実施例について説明する。ここでは第一の実施例の流量計測器3、9が、他の超音波流量計である本実施例の流量計測器3aである場合で説明する。
【0253】
3aは流体の流量を計測する流量計測器である。流量計測器3aは、入口流路381と、入口流路381から垂設された第一立上り流路382と、第一立上り流路382に連通し入口流路381軸線に略平行に設けられた直線流路383と、直線流路383から垂設された第二立上り流路384と、第二立上り流路384に連通し入口流路381軸線に略平行に設けられた出口流路385とを有し、第一、第二立上り流路382、384の側壁の直線流路383の軸線と交わる位置に、超音波振動子386、387が互いに対向して配置されている。超音波振動子386、387はフッ素樹脂で覆われており、該振動子386、387から伸びた配線は制御部(図示せず)の演算部(図示せず)に繋がっている。なお、流量計測器3aの超音波振動子386、387以外はPFA製である。
【0254】
次に、本発明の第十五の実施例である流体混合装置の作動について説明する。
【0255】
流体計測器3aに流入した流体は、直線流路383で流量が計測される。流体の流れに対して上流側に位置する超音波振動子386から下流側に位置する超音波振動子387に向かって超音波振動を伝播させる。超音波振動子387で受信された超音波振動は電気信号に変換され、制御部(図示せず)の演算部(図示せず)へ出力される。超音波振動が上流側の超音波振動子386から下流側の超音波振動子387へ伝播して受信されると、瞬時に演算部内で送受信が切換えられて、下流側に位置する超音波振動子387から上流側に位置する超音波振動子386に向かって超音波振動を伝播させる。超音波振動子386で受信された超音波振動は、電気信号に変換され、制御部内の演算部へ出力される。このとき、超音波振動は直線流路383内の流体の流れに逆らって伝播していくので、上流側から下流側へ超音波振動を伝播させるときに比べて流体中での超音波振動の伝播速度が遅れ、伝播時間が長くなる。出力された相互の電気信号は演算部内で伝播時間が各々計測され、伝播時間差から流量が演算される。演算部で演算された流量は電気信号に変換されてコントロール部(図示せず)に出力される。
【0256】
これにより、超音波流量計である流量計測器3aは、流体の流れ方向に対する伝播時間差から流量を計測するため、微小流量でも正確に流量を計測できる。
【実施例16】
【0257】
次に、図30に基づいて本発明の第十六の実施例について説明する。ここでは第一の実施例の流量計測器3、9が、超音波式渦流量計である本実施例の流量計測器3bである場合で説明する。
【0258】
3bは流体の流量を計測する流量計測器である。流量計測器3bは、入口流路391と、入口流路391内に垂設されたカルマン渦を発生させる渦発生体392と、出口流路393とを備える直線流路394を有し、直線流路394の渦発生体392の下流側の側壁に、超音波振動子395、396が流路軸線方向に直交する位置に互いに対向して配置されている。超音波振動子395、396はフッ素樹脂で覆われており、該振動子395、396から伸びた配線は制御部(図示せず)の演算部(図示せず)に繋がっている。流量計測器3bの超音波振動子395、396以外はPTFE製である。
【0259】
次に、本発明の第十六の実施例の作動について説明する。
【0260】
流体計測器3bに流入した流体は、直線流路394で流量が計測される。直線流路394内を流れる流体に対して超音波振動子395から超音波振動子396に向かって超音波振動を伝播させる。渦発生体392の下流に発生するカルマン渦は、流体の流速に比例した周期で発生し、渦巻き方向が異なるカルマン渦が交互に発生するため、超音波振動はカルマン渦の渦巻き方向によってカルマン渦を通過する際に進行方向に加速、または減速される。そのため、超音波振動子396で受信される超音波振動は、カルマン渦によって周波数(周期)が変動する。超音波振動子395、396で送受信された超音波振動は、電気信号に変換され、制御部(図示せず)の演算部(図示せず)へ出力される。演算部では、送信側の超音波振動子395から出力された超音波振動と受信側の超音波振動子396から出力された超音波振動との位相差から得られたカルマン渦の周波数に基づいて直線流路394を流れる流体の流量が演算される。演算部で演算された流量は電気信号に変換されてコントロール部(図示せず)に出力される。
【0261】
これにより、超音波式渦流量計は、流量が大きいほどカルマン渦は多く発生するため大流量でも正確に流量を計測でき、大流量の流体制御に優れた効果を発揮する。
【0262】
実施例十五、実施例十六の作動により、超音波式渦流量計は、流量が大きいほどカルマン渦は発生するため大流量でも正確に流量を計測でき、大流量の流体制御に優れた効果を発揮する。
【実施例17】
【0263】
次に、3つの供給ラインを有する本発明の第十七の実施例について説明する。
【0264】
本実施例の流体混合装置は、第三の実施例において、第一、第二供給ラインと同様の構成の第三供給ラインを設け、各々の供給ラインの最下流側に、該供給ラインの合流部を有する構成である(図示せず)。各供給ラインの構成は第三の実施例と同様なので説明を省略する。
【0265】
次に、本発明の第十七の実施例の作動について説明する。
【0266】
ここでは第一供給ラインに純水を流入させ、第二供給ラインに過酸化水素水を流入させ、第三供給ラインにアンモニア水を流入させ、純水:過酸化水素水:アンモニア水=50:2:1になるように混合する。第一供給ラインに流入した純水は第一供給ラインで流量が制御され、第二供給ラインに流入した過酸化水素水は第二供給ラインで流量が制御され、第三供給ラインに流入したアンモニア水は第三供給ラインで流量が制御され、合流部で合流して設定された比率(第一供給ラインと第二供給ラインと第三供給ラインの流量の比率が50:2:1)で混合され、設定された流量で混合流体(アンモニア過水)が流出される。
【0267】
同様に、本実施例において第三供給ラインをアンモニア水ではなく塩酸を流入させ、純水:過酸化水素水:塩酸=20:1:1になるように混合する場合についても、設定された比率で混合され、設定された流量で混合流体(塩酸過水)が流出される。
【0268】
流出された各々の混合流体(アンモニア過水、塩酸過水)は、基板の洗浄装置の処理工程で使用される。洗浄装置内では、まず基板をアンモニア過水により異物除去の処理を行なった後、純水でリンスし、次に基板を塩酸過水により金属除去の処理を行なった後、純水でリンスし、基板を希フッ酸(実施例1記載の混合流体)により酸化膜除去の処理を行なった後、純水でリンスし、最後に基板が乾燥されるという工程が行われる。このとき、本発明の流体混合装置で混合した混合流体を各々の工程の薬液として洗浄槽内に導入することで、薬液を常に一定の混合比率で供給することができ、基板の洗浄処理が安定して行なわれる。
【実施例18】
【0269】
次に、3つの供給ラインを有する本発明の第十八の実施例について説明する。
【0270】
本実施例の流体混合装置は、第十七の実施例と同様なので説明を省略する。次に、本発明の第十八の実施例の作動について説明する。
【0271】
ここでは第一供給ラインに純水を流入させ、第二供給ラインにフッ化アンモニウムを流入させ、第三供給ラインにフッ化水素酸を流入させ、純水:フッ化アンモニウム:フッ化水素酸=50:2:1になるように混合する。第一供給ラインに流入した純水は第一供給ラインで流量が制御され、第二供給ラインに流入したフッ化アンモニウムは第二供給ラインで流量が制御され、第三供給ラインに流入したフッ化水素酸は第三供給ラインで流量が制御され、合流部で合流して設定された比率(第一供給ラインと第二供給ラインと第三供給ラインの流量の比率が50:2:1)で混合され、設定された流量で流出される。流出された混合流体は基板のエッチング装置の処理工程で使用され、エッチング装置内で混合流体により基板の酸化膜エッチングが行なわれる。
【0272】
本発明の第一、第四、第五、第六、第十七、第十八の実施例の比率で各々の流体を混合した混合流体は、半導体製造工程の前工程における基板の表面処理などを行なう際の薬液として好適に使用され、各々の流体とその混合比率は本発明の範囲内であれば半導体製造工程の前工程における各種処理に適した混合流体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0273】
【図1】本発明の流体混合装置の第一の実施例を模式的に示す構成図である。
【図2】流量計測器の縦断面図である。
【図3】第一流体制御弁の縦断面図である。
【図4】第二流体制御弁の縦断面図である。
【図5】本発明の流体混合装置の第二の実施例を模式的に示す構成図である。
【図6】開閉弁の縦断面図である。
【図7】本発明の流体混合装置の第三の実施例を模式的に示す構成図である。
【図8】絞り弁の縦断面図である。
【図9】図8の絞り弁が開状態を示す要部拡大図である。
【図10】図8の絞り弁が閉状態を示す要部拡大図である。
【図11】図8の絞り弁が半開状態を示す要部拡大図である。
【図12】本発明の流体混合装置の第四の実施例を模式的に示す構成図である。
【図13】本発明の流体混合装置の第五の実施例を模式的に示す構成図である。
【図14】マニホールド弁の断面図である。
【図15】本発明の流体混合装置の第六の実施例を模式的に示す構成図である。
【図16】本発明のフラッシング装置の流路を模式的に示す斜視図である。
【図17】図16のA−A線に沿う縦断面図である。
【図18】本発明の流体混合装置の第七の実施例を模式的に示す平面図である。
【図19】図18のB−B線に沿う断面図である。
【図20】本発明の流体混合装置の第八の実施例を模式的に示す平面図である。
【図21】図20のC−C線に沿う断面図である。
【図22】本発明の流体混合装置の第九の実施例を模式的に示す断面図である。
【図23】本発明の流体混合装置の第十の実施例の他の第一流体制御弁の縦断面図である。
【図24】図23に他の表示を追加した図23と同一の図である。
【図25】本発明の流体混合装置の第十一の実施例の他の第二流体制御弁の縦断面図である。
【図26】本発明の流体混合装置の第十二の実施例の他の第二流体制御弁の縦断面図である。
【図27】本発明の流体混合装置の第十三の実施例の他の第二流体制御弁の縦断面図である。
【図28】本発明の流体混合装置の第十四の実施例の他の圧力調整弁の縦断面図である。
【図29】本発明の流体混合装置の第十五の実施例の他の流量計測器の縦断面図である。
【図30】本発明の流体混合装置の第十六の実施例の他の流量計測器の縦断面図である。
【図31】従来の流量制御装置の構成図である。
【符号の説明】
【0274】
1 第一供給ライン
2 第二供給ライン
3 流量計測器
4 第一流体制御弁
5 制御部
9 流量計測器
10 第二流体制御弁
11 制御部
15 合流部
16 第一供給ライン
17 第二供給ライン
18 開閉弁
19 流量計測器
20 第一流体制御弁
21 制御部
22 開閉弁
23 流量計測器
24 第二流体制御弁
25 制御部
26 合流部
27 第一供給ライン
28 第二供給ライン
29 開閉弁
30 流量計測器
31 第一流体制御弁
32 絞り弁
33 制御部
34 開閉弁
35 流量計測器
36 第二流体制御弁
37 絞り弁
38 制御部
39 合流部
40 開閉弁
41 開閉弁
42 マニホールド弁
43 フラッシング装置
44 ベースブロック
45 ベースブロック
46 接続部材
47 接続部材
48 接続部材
49 接続部材
51 ベースブロック
53 ケーシング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの供給ライン(1、2)に流れる各々の流体を任意の比率で混合させる流体混合装置であって、
前記供給ライン(1、2)の少なくとも一つが、
制御用流体の圧力操作により流体の圧力を制御する第一流体制御弁(4)と、
流体の実流量を計測し該実流量の計測値を電気信号に変換し出力する流量計測器(3)と、
該実流量の計測値と設定流量値との偏差に基づいて、第一流体制御弁(4)の開口面積を制御するための指令信号を、第一流体制御弁(4)または第一流体制御弁(4)を操作する機器へ出力する制御部(5)とをそれぞれ具備し、
且つ前記供給ライン(1、2)の少なくとも一つが、
流路の開口面積を変化させることにより流体の流量を制御する第二流体制御弁(10)と、
流体の実流量を計測し該実流量の計測値を電気信号に変換し出力する流量計測器(9)と、
該実流量の計測値と設定流量値との偏差に基づいて、第二流体制御弁(10)の開口面積を制御するための指令信号を、第二流体制御弁(10)または第二流体制御弁(10)を操作する機器へ出力する制御部(11)とをそれぞれ具備することを特徴とする流体混合装置。
【請求項2】
各々の前記供給ライン(1、2)が、流体の流れを開放又は遮断するための開閉弁(18、22)をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の流体混合装置。
【請求項3】
前記第二流体制御弁(10)を有する供給ライン(2)が、流体の圧力変動を減衰させる圧力調整弁(35)をさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の流体混合装置。
【請求項4】
前記第一流体制御弁(3)を有する供給ライン(1)が、開口面積が調節可能な絞り弁(32)をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項5】
各々の前記供給ライン(1、2)の最下流側に、該供給ライン(1、2)の合流部(15)を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項6】
前記合流部(15)直前の該供給ライン(1、2)に、開閉弁(40、41)がそれぞれ配置されてなることを特徴とする請求項5記載の流体混合装置。
【請求項7】
前記合流部(15)が、該供給ライン(1、2)を一つの流路に合流させるマニホールド弁(42)であることを特徴とする請求項5記載の流体混合装置。
【請求項8】
各々の前記供給ライン(1、2)の中の任意の一つの供給ラインの最上流側に接続される開閉弁(535a)が設けられた主ラインと、
他の供給ラインの最上流側に接続される開閉弁(536a)が設けられた少なくとも一つの他のラインとを具備し、
主ラインの開閉弁(535a)の上流側と他のラインの開閉弁(536a)の下流側とが開閉弁(537a)を介して連通されてなるフラッシング装置(43)を具備してなることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項9】
前記各種弁および前記流量計測器が、独立した接続手段を用いずに直接接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項10】
前記各種弁および前記流量計測器が、一つのベースブロックに配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項11】
前記各種弁および前記流量計測器が、一つのケーシング内に収納配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項12】
前記第一流体制御弁(4)が、
下部中央に底部まで開放して設けられた第二の空隙(209)と第二の空隙(209)に連通する入口流路(211)と上部に上面が開放して設けられ第二の空隙(209)の径よりも大きい径を持つ第一の空隙(210)と第一の空隙(210)に連通する出口流路(212)と第一の空隙(210)と第二の空隙(209)とを連通し第一の空隙(210)の径よりも小さい径を有する連通孔(213)とを有し、第二の空隙(209)の上面が弁座(214)とされた本体(201)と、
側面あるいは上面に設けられた給気孔(217)と排出孔(218)とに連通した円筒状の空隙(215)を内部に有し、下端内周面に段差部(216)が設けられたボンネット(202)と、
ボンネット(202)の段差部(216)に嵌挿され中央部に貫通孔(219)を有するバネ受け(203)と、下端部にバネ受け(203)の貫通孔(219)より小径の第一接合部(224)を有し上部に鍔部(222)が設けられボンネット(202)の空隙(215)内部に上下動可能に嵌挿されたピストン(204)と、
ピストン(204)の鍔部(222)下端面とバネ受け(203)の上端面で挟持支承されているバネ(205)と、
周縁部が本体(201)とバネ受け(203)との間で挟持固定され、本体(201)の第一の空隙(210)に蓋する形で第一の弁室(231)を形成する中央部が肉厚とされた第一ダイヤフラム(227)と、上面中央にピストン(204)の第一接合部(224)にバネ受け(203)の貫通孔(219)を貫通して接合固定される第二接合部(229)と、下面中央に本体(201)の連通孔(213)と貫通して設けられた第三接合部(230)とを有する第一弁機構体(206)と、
本体の第二の空隙(209)内部に位置し本体の連通孔(213)より大径に設けられた弁体(232)と、弁体(232)上端面に突出して設けられ第一弁機構体(206)の第三接合部(230)と接合固定される第四接合部(234)と、弁体(232)下端面より突出して設けられたロッド(235)と、ロッド(235)下端面より径方向に延出して設けられた第二ダイヤフラム(237)とを有する第二弁機構体(207)と、
本体(201)の下方に位置し第二弁機構体(207)の第二ダイヤフラム(237)周縁部を本体(201)との間で挟持固定する突出部(239)を上部中央に有し、突出部(239)の上端部に切欠凹部(240)が設けられると共に切欠凹部(240)に連通する呼吸孔(241)が設けられているベースプレート(208)とを具備し、ピストン(204)の上下動に伴って第二弁機構体(207)の弁体(232)と本体(201)の弁座(214)とによって形成される流体制御部(242)の開口面積が変化するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項13】
前記第一流体制御弁(4)が、
流体の入口流路(145)、出口流路(152)及び、入口流路(145)と出口流路(152)が連通するチャンバ(127)から形成された本体部(121)と、弁体(165)と第一ダイヤフラム部(137)を有する弁部材(136)と、弁部材(136)の下部及び上部に位置し第一ダイヤフラム部(137)より有効受圧面積が小さい第二ダイヤフラム部(138)及び第三ダイヤフラム部(139)を有し、弁部材(136)及び各ダイヤフラム部(137、138、139)が各ダイヤフラム部(137、138、139)の外周部が本体部(121)に固定されることによりチャンバ(127)内に取りつけられ、かつ各ダイヤフラム部(137、138、139)によってチャンバ(127)を第一加圧室(128)、第二弁室(129)、第一弁室(130)、及び第二加圧室(131)に区分し、第一加圧室(128)は第二ダイヤフラム部(138)に対して常時内向きの一定の力を加える手段を有し、第一弁室(130)は入口流路(145)と連通しており、第二弁室(129)は、弁部材(136)の弁体(165)に対応する弁座(150)を有し、また弁座(150)に対して第一ダイヤフラム部(137)側に位置し第一ダイヤフラム部(137)に設けられた連通孔(162)にて第一弁室(130)と連通している下部第二弁室(132)と、第二ダイヤフラム部(138)側に位置し出口流路(152)と連通して設けられた上部第二弁室(133)とに分かれて形成され、弁部材(136)の上下動により弁体(165)と弁座(150)との間の開口面積が変化して下部第二弁室(134)の流体圧力が制御される流体制御部(168)を有し、第二加圧室(131)は、第三ダイヤフラム部(139)に対して常時内向きの一定の力を加える手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項14】
前記第二流体制御弁(10)が、
上部に弁室(310)と、弁室(310)に各々が連通している入口流路(311)および出口流路(312)とを有し、弁室(310)底部中央に入口流路(311)が連通している開口部(313)が設けられた本体(301)と、底部中央に貫通孔(315)と、側面に呼吸口(316)が設けられ、本体(301)と第一ダイヤフラム(304)を挟持固定しているシリンダー(302)および上部に作動流体連通口(317)が設けられ、シリンダー(302)と第二ダイヤフラム(306)の周縁部を挟持固定しているボンネット(303)が一体的に固定されており、第一ダイヤフラム(315)は肩部(319)と、肩部(319)の上に位置し後記ロッド(307)の下部に嵌合固定される取り付け部(320)、肩部(319)の下に位置し後記弁体(305)が固定される接合部(332)、肩部(319)から径方向に延出した薄膜部(321)、薄膜部(321)に続く厚肉部(322)および厚肉部(322)の周縁部に設けられたシール部(323)が一体的に形成され、接合部(332)には弁室(310)の開口部(313)に後記ロッド(307)の上下動に伴って出入りする弁体(305)が固定されており、一方、第二ダイヤフラム(306)は中央穴(324)を有し、その周辺の厚肉部(325)と、厚肉部(325)から径方向に延出した薄膜部(326)および薄膜部(326)の周縁部に設けられたシール部(327)が一体的に形成され、底部に第一ダイヤフラム(304)の取り付け部(320)が固定されているロッド(307)の上部に位置する肩部(329)にダイヤフラム押え(308)により中央穴(324)を貫通して挟持固定されており、また、ロッド(307)は、その下方部がシリンダー(302)底部の貫通孔(315)内に遊嵌状態に配置され、かつ、シリンダー(302)の段差部(335)とロッド(307)の肩部(329)下面との間に径方向への移動が防止された状態で嵌合されたスプリング(309)で支承されていることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項15】
前記第二流体制御弁(10)が、
上部ボンネット(358)と下部ボンネット(357)に内包されたモータ部(359)とを有する電気式駆動部(344)と、モータ部(359)の軸に連結されたステム(365)により上下動される弁体(343)を有するダイヤフラム(342)と、ダイヤフラム(342)によって電気式駆動部(344)から隔離された弁室(345)に各々連通する入口流路(346)及び出口流路(347)を有する本体(341)とを具備する流量制御部からなることを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項16】
前記第二流体制御弁(10)が、
弾性体からなる管体(401)と、内部シリンダー部(408)を有し上部にシリンダー蓋(409)が一体的に設けられたシリンダー本体(402)と、シリンダー部(408)内周面に上下動可能且つ密封状態で摺接され且つシリンダー本体(402)下面中央に設けられた貫通孔(410)を密封状態で貫通するように中央より垂下して設けられた連結部(416)を有するピストン(403)と、ピストン(403)の連結部(416)の下端部に固定されシリンダー本体(402)の底面に流路軸線と直交して設けられた長円状スリット(411)内に収納される挟圧子(404)と、シリンダー本体(402)の下端面に接合固定され、流路軸線上に管体(401)を受容する第1の溝(418)と第1の溝(418)の両端部にさらに連結体受け(406)を受容する第2の溝(419)が第1の溝(418)よりも深く設けられた本体(405)と、一端に本体(405)の第2の溝(419)と嵌合する嵌合部(421)を有し他端内部に連結体(407)受口(423)を有しさらに管体(401)を受容する貫通孔(426)を有する一対の連結体受け(406)と、シリンダー本体(402)周側面に設けられ、シリンダー部(408)底面及び内周面とピストン(403)下端面とで囲まれて形成された第一空間部(412)と、シリンダー蓋(409)下端面とシリンダー部(408)内周面とピストン(403)上面とで囲まれた第二空間部(413)とにそれぞれ連通される一対のエアー口(414、415)を具備することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項17】
前記第二流体制御弁(10)が、
上部ボンネット(451)と下部ボンネット(450)に内包されたモータ部(452)とを有する電気式駆動部(441)と、モータ部(452)の軸に連結されたステム(460)により上下動される挟圧子(449)と、弾性体からなる管体(443)と、下部ボンネット(450)の下端面に接合固定され、流路軸線上に管体(443)を受容する溝(445)とを具備することを特徴とする請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項18】
前記圧力調整弁(35)が、請求項12記載の第一流体制御弁(4)と同じ構成であることを特徴とする請求項3乃至請求項17のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項19】
前記圧力調整弁(35)が、
内部に第一弁室(479)、第一弁室(479)の上部に設けられた段差部(482)及び第一弁室(479)と連通する入口流路(472)を有する本体(473)と、第二弁室(483)とそれに連通する出口流路(471)とを有し本体(473)上部に接合される蓋体(474)と、周縁部が第一弁室(479)の上部周縁部に接合された第一ダイヤフラム(475)と、周縁部が本体(473)と蓋体(474)とによって挟持された第二ダイヤフラム(476)と、第一及び第二ダイヤフラム(475、476)の中央に設けられた両環状接合部(485、488)に接合され軸方向に移動自在となっているスリーブ(487)と、第一弁室(479)の底部に固定されスリーブ(487)の下端との間に流体制御部(490)を形成しているプラグ(477)とからなり、また本体(473)の段差部(482)の内周面と第一及び第二ダイヤフラム(475、476)とに包囲された気室(478)を有し、第二ダイヤフラム(476)の受圧面積が第一ダイヤフラム(475)の受圧面積より大きく構成され、前記気室(478)に連通するエア供給口(480)が本体に設けられていることを特徴とする請求項3乃至請求項17のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項20】
前記絞り弁(32)が、
上部に設けられた弁室(253)の底面に弁座面(252)が形成され、弁座面(252)の中心に設けられた連通口(254)に連通する入口流路(255)と弁室(253)に連通する出口流路(256)を有する本体(251)と、
ステムの軸方向の進退移動により連通口(254)に挿入可能で接液面の中心から垂下突設された第一弁体(261)と弁座面(252)に接離可能にされ第一弁体(261)から径方向へ隔離した位置に形成された円環状凸条の第二弁体(262)と第二弁体(262)から径方向へ連続して形成された薄膜部(263)とが一体的に設けられた隔膜(260)と、
上部にハンドル(281)が固着され下部内周面に雌ネジ部(278)と外周面に雌ネジ部(278)のピッチより大きいピッチを有する雄ネジ部(279)を有する第一ステム(277)と、
内周面に第一ステム(277)の雄ネジ部(279)と螺合する雌ネジ部(283)を有する第一ステム支持体(282)と、
上部外周面に第一ステム(277)の雌ネジ部(278)に螺合される雄ネジ部(270)を有し下端部に隔膜(260)が接続される第二ステム(269)と、
第一ステム支持体(282)の下方に位置し第二ステム(269)を上下移動自在かつ回動不能に支承する隔膜押さえ(271)と、第一ステム(277)と隔膜押さえ(271)を固定するボンネット(286)とを具備することを特徴とする請求項4乃至請求項19のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項21】
前記流量計測器が、超音波流量計、カルマン渦流量計、超音波式渦流量計、羽根車式流量計、電磁流量計、差圧式流量計、容積式流量計、熱線式流量計または質量流量計であることを特徴とする請求項1乃至請求項20のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項22】
少なくとも、フッ化水素酸または塩酸と、純水と、の2種の流体が、フッ化水素酸または塩酸が1に対して純水が10〜200の比率で混合されることを特徴とする請求項1乃至請求項21のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項23】
少なくとも、アンモニア水または塩酸と、過酸化水素水と、純水と、の3種の流体が、アンモニア水または塩酸が1〜3に対して、過酸化水素水が1〜5、純水が10〜200の比率で混合されることを特徴とする請求項1乃至請求項21のいずれか1項に記載の流体混合装置。
【請求項24】
少なくとも、フッ化水素酸と、フッ化アンモニウムと、純水と、の3種の流体が、フッ化水素酸が1に対して、フッ化アンモニウムが7〜10、純水が50〜100の比率で混合されることを特徴とする請求項1乃至請求項21のいずれか1項に記載の流体混合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2007−175691(P2007−175691A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−55235(P2006−55235)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【出願人】(000117102)旭有機材工業株式会社 (235)
【Fターム(参考)】