液晶装置および電子機器
【課題】光検出機能を有する表示装置において開口率を損なうことなく指示物の位置、領域を正確に特定する。
【解決手段】表示選択信号によって表示信号に応じた光透過状態となる液晶画素部と容量素子とを備えた画素部72と、第2電圧が供給され光電流を生成する受光素子151を備え光センサ選択信号によって受光信号が読取可能な状態になりリセット信号によって受光信号が第1電圧にリセットする光センサ部150と、表示選択信号によって調節信号に応じた光透過状態となる液晶画素部と容量素子とを備え光センサ部150への入光量を調節する光量調節部82と、表示選択信号とリセット信号とを供給する表示選択信号線3aと、容量素子に固定電位を供給する容量電位線300と、第1電圧を供給する第1電源線351と、第2電圧を供給する第2電源線352と、光センサ選択信号を供給する光センサ行選択信号線353とを備える。
【解決手段】表示選択信号によって表示信号に応じた光透過状態となる液晶画素部と容量素子とを備えた画素部72と、第2電圧が供給され光電流を生成する受光素子151を備え光センサ選択信号によって受光信号が読取可能な状態になりリセット信号によって受光信号が第1電圧にリセットする光センサ部150と、表示選択信号によって調節信号に応じた光透過状態となる液晶画素部と容量素子とを備え光センサ部150への入光量を調節する光量調節部82と、表示選択信号とリセット信号とを供給する表示選択信号線3aと、容量素子に固定電位を供給する容量電位線300と、第1電圧を供給する第1電源線351と、第2電圧を供給する第2電源線352と、光センサ選択信号を供給する光センサ行選択信号線353とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外光を検出することにより指等の指示物体の位置特定、領域検出を行なう光検出機能付き液晶装置、およびそのような液晶装置を具備してなる電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の表示装置として広く用いられている液晶装置では、複数の画素部毎に、あるいは任意の個数の画素部を一群とする群毎に光センサを配置し、画素部を透過する透過光による画像表示、および指等の指示物体を介した液晶装置への情報の入力を可能にする、いわゆるタッチパネル機能を有する液晶装置が提案されている。このような液晶装置では、指あるいは指示部材等の指示物体が液晶装置の表示面に触れたこと、あるいは表示面上で動いたことが光センサによって検知され、当該液晶装置への情報の入力が可能になっている。例えば、非特許文献1によれば、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly Silicon:LTPS)を有するTFTからなる駆動回路の動作によって画像を表示可能な液晶装置であって、各画素に配置された光センサによって取得された指示物体の画像に基づいて各種情報を入力可能なタッチパネル機能を有する液晶装置が開示されている。
【0003】
このような液晶装置の搭載される光センサは、例えばフォトダイオードおよび容量が相互に電気的に接続された回路構造を含んで構成されている。容量に蓄積された電荷は、入射光を受光したフォトダイオードに発生した光電流に応じて放電され、当該放電によって変化した電位に基づいて画像の階調レベルが特定される。より具体的には、例えば、画像が表示される表示領域のうち指示物体に重なる領域に配置された光センサ、言い換えれば指示物体の影に重なる領域に配置された光センサは、指示物体の影に対応した入射光の光量を検出し、指示物体に重ならない領域に配置された光センサは、指示物体によって遮られない外光を入射光としてその光量を検出し、光量の差に応じた各画像部分の階調レベルに差が設けられた画像が取得される。したがって、この種の液晶装置では、画像を表示する表示面から入射する入射光の光量を検出し、各光センサによって検出された入射光の光量のそれぞれに応じて階調レベルが特定された画像部分からなる画像に基づいて指示物体の位置が特定可能になる。
【0004】
この種の液晶装置に搭載される光センサによって検出可能な光量の検出可能範囲、即ち、入射光の光量に応じた光電流を生成可能な入射光の光量の範囲は、光センサの設計によって規定されている。したがって、光センサが、検出可能範囲より高い光量を有する入射光を受光した場合、光量に応じて生成される光電流が飽和状態となり、光電流に応じて生じる電圧の変化が発生しなくなるため、指示物体の画像部分を他の画像部分と識別できなくなる。
【0005】
また、液晶装置の表示領域において、指示物体とは異なる他の部分が当該指示物体に重なっている場合には、指示物体および他の部分のそれぞれの影を相互に識別できなくなる。
【0006】
光センサによって受光された入射光の光量に基づいて、画像が白画像部分(階調レベルが高い明るい画像)および黒画像部分(階調レベルが低い暗い画像)の一方のみによって構成されている場合には、表示領域に形成された複数の光センサに入射する入射光の光量を一様に調節することによって、光センサに検出される光量が検出可能範囲に入るように入射光の光量を調節し、指示物体の画像部分を他の画像部分と識別できるように画像の階調レベルを調整する方法も考えられる。
【非特許文献1】Touch Panel Function Integrated LCD Using LTPS Technology,N .Nakamura et al,IDW/AD'05 p.1003-1006
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この種の液晶装置では、指示物体の周囲の環境、より具体的には外光の光強度、あるいは指示物体に重なる他の部分(即ち、ノイズ)の存在によって白画像部分および黒画像部分を含む画像が取得された場合には、白画像部分および黒画像部分のどちらの画像部分に指示物体の画像部分が含まれているかを特定することが困難となり、指示物体の画像部分を他の画像部分と識別することによって指示物体の位置を特定することが困難になる技術的問題点が生じる。
【0008】
特に、指示物体の画像部分を含む画像の画像データが、指示物体の画像部分を識別可能な程度の階調レベルを有している場合には、画像データに各種演算処理を施すことによって指示物体の画像部分を他の部分と識別することも可能であるが、光センサによる光量の検出可能範囲を外れた光量が検出された際には、演算処理によって指示物体の画像部分を特定可能な階調データを含む画像データすら取得できなくなる。
【0009】
ここで、光学系の途中にメカニカルな絞り機構およびシャッタ機構を有するカメラ等の撮像装置と同様に、各光センサ部に絞り機構およびシャッタ機構を設けることも考えられるが、入射光の光路に沿って光センサ部の受光側に絞り機構等を設けるスペースを確保することは困難である。特に、この種の液晶装置では、光センサ部は液晶装置の表示領域に設けられる必要があるため、液晶装置の表示性能、より具体的には、表示領域において画像を表示する際に実質的に寄与する表示光が透過する開口領域を大きく狭めることなく、絞り機構等を設けるためのスペースを確保することは難しい。
【0010】
また、検出対象物の画像を検出するイメージセンサでも、タッチパネル機能を有する液晶装置と同様に、検出対象物の画像部分を他の画像部分と識別して検出することが困難になる技術的問題点がある。
【0011】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、指等の指示物体の位置、領域を正確に特定することによって、指等の指示物体を介して各種情報を正確に入力可能な機能を有する液晶装置、およびそのような液晶装置を具備してなる電子機器を、表示領域の開口率を大きく損なうことなく構成するための技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る液晶装置は上記課題を解決するために、行方向に設けれた複数の選択線と、列方向に設けられた複数の信号線と、前記選択線と前記信号線との交差に対応して設けられた複数の画素部と、前記複数の画素部の一部に対応して設けられた複数の光センサ部と、行方向に設けられた複数の第1電源線と、列方向に設けられた複数の読出線とを備え、前記複数の画素部の各々は、前記選択線を介して供給される選択信号がアサートされると、前記信号線を介して供給される表示信号を取り込む第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子によって取り込まれた前記表示信号に応じた透過状態となる液晶とを備え、前記複数の画素部の一部は、前記複数の光センサ部に入射する光の光量を調整し、前記複数の光センサ部の各々は、受光量に応じた大きさの電流を発生する光電変換素子と、一端が前記光電変換素子に電気的に接続される容量素子と、前記第1電源線を介して供給されるリセット電圧で前記容量素子の一端をリセットする第2スイッチング素子と、前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの電流を前記読出線に出力する読出部とを備え、前記第2スイッチング素子は、前記選択線を介して供給される前記選択信号に基づいてオン状態またはオフ状態のいずれかに制御されることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、光センサ部の第2スイッチング素子は、容量素子の一端にリセット電圧を供給して出力信号の大きさを初期化する手段として機能するが、第2スイッチング素子は画素部を制御する選択信号によってオン・オフが制御される。したがって、第2スイッチング素子を制御するための信号線を選択線と兼用することができるので、配線数を低減して開口率を向上させることが可能となる。また、第2スイッチング素子を制御するために個別の制御信号を生成しなくてもよいので、構成を簡素化することができる。
【0014】
より具体的には、行方向に設けられた複数の光センサ選択線を備え、前記読出部は、前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、前記トランジスタと前記読出線との間に設けられ、前記光センサ選択線に供給される光センサ選択信号がアサートされるとオンする第3スイッチング素子とを備え、前記選択信号をアサートした後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をネゲートして所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備えることが好ましい。この場合には、光電変換素子に対する露光前に基準受光信号が生成され、露光の後、計測受光信号が生成される。
【0015】
また、行方向に設けられた複数の光センサ選択線を備え、前記読出部は、前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、前記トランジスタと前記読出線との間に設けられ、前記光センサ選択線に供給される光センサ選択信号がアサートされるとオン状態になる第3スイッチング素子とを備え、前記選択信号をアサートからネゲートに切り替えて、所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備えることが好ましい。この場合には、先に計測受光信号が読み出され、その後に、基準受光信号が読み出される。
【0016】
また、本発明に係る液晶装置は、行方向に設けれた複数の選択線と、列方向に設けられた複数の信号線と、前記選択線と前記信号線との交差に対応して設けられた複数の画素部と、前記複数の画素の一部に対応して設けられた複数の光センサ部と、行方向に設けられた複数の第1電源線と、列方向に設けられた複数の読出線とを備え、前記複数の画素部の各々は、前記選択線を介して供給される選択信号がアサートされると、前記信号線を介して供給される表示信号を取り込む第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子によって取り込まれた前記表示信号に応じた透過状態となる液晶とを備え、前記複数の画素部の一部は、前記複数の光センサ部に入射する光の光量を調整し、前記複数の光センサ部の各々は、受光量に応じた大きさの電流を発生する光電変換素子と、一端が前記光電変換素子に電気的に接続される容量素子と、前記第1電源線を介して供給されるリセット電圧で前記容量素子の一端をリセットする第2スイッチング素子と、前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、前記増幅トランジスタと前記読出線との間に設けられた第3スイッチング素子とを備え、前記第3スイッチング素子は、前記選択線を介して供給される前記選択信号に基づいてオン状態またはオフ状態のいずれかに制御されることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、光センサ部の第3スイッチング素子は、出力信号を読出線に供給するか否かを選択する手段として機能するが、第3スイッチング素子は画素部を制御する選択信号によってオン・オフが制御される。したがって、第3スイッチング素子を制御するための信号線を選択線と兼用することができるので、配線数を低減して開口率を向上させることが可能となる。また、第3スイッチング素子を制御するために個別の制御信号を生成しなくてもよいので、構成を簡素化することができる。
【0018】
より具体的には、行方向に設けられた複数のリセット信号線を備え、前記選択信号および前記リセット信号線を介して供給するリセット信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出し、前記リセット信号をネゲートして所定時間が経過した後、前記選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備えることが好ましい。この場合には、光電変換素子に対する露光前に基準受光信号が生成され、露光の後、計測受光信号が生成される。
【0019】
また、行方向に設けられた複数のリセット信号線を備え、前記リセット信号線を介して供給するリセット信号をアサートからネゲートに切り替えて、所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備えることが好ましい。この場合には、先に計測受光信号が読み出され、その後に、基準受光信号が読み出される。
【0020】
ここで、前記制御部は、前記基準受光信号と計測受光信号との差分を、検出した受光信号として出力することが好ましい。リセット電圧は一定であるので、出力信号の差分が、所定の露光期間に光電変換素子が受光した光量となる。
【0021】
また、上述した液晶装置において、前記複数の画素部の各々は、一端が前記第1スイッチング素子と電気的に接続され、前記表示信号を保持する保持容量素子を備え、前記保持容量素子の他端は前記第1電源線と電気的に接続されることが好ましい。この場合は、保持容量素子に一定の電圧を供給する配線と第1電源線とを共用することができるので、配線数をより一層低減して、開口率を向上させることができる。
【0022】
また、上述した液晶装置において、行方向に設けられた複数の第2電源線を備え、前記受光素子の他端は前記第2電源線と電気的に接続され、前記複数の画素部の各々は、一端が前記第1スイッチング素子と電気的に接続され、前記表示信号を保持する保持容量素子を備え、前記保持容量素子の他端は前記第2電源線と電気的に接続されることが好ましい。この場合は、保持容量素子に一定の電圧を供給する配線と第2電源線とを共用することができるので、配線数をより一層低減して、開口率を向上させることができる。
【0023】
本発明に係る電子機器は、上述した液晶装置を備えることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る液晶装置および電子機器の各実施形態を説明する。
<1:液晶装置>
<1−1:液晶装置の構成>
まず、本実施形態に係る液晶装置1の主要構成を説明する。本実施形態に係る液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。図1は、液晶装置1の主要な構成を示したブロック図である。本図において、液晶装置1は、表示信号線駆動回路部101、走査線駆動回路部104、センサ感度調整回路部205、センサ用走査回路部204、受光信号処理回路部215、画像処理回路部216および画像表示領域10aを含む表示部110を備えている。
【0025】
表示部110の画像表示領域10aは、後述するようにマトリクス状に配列された複数の画素部を含んで構成されている。表示信号線駆動回路部101および走査線駆動回路部104は、走査信号および画像信号を所定のタイミングで表示部110に供給し、各画素部を駆動する。
センサ用走査回路部204は、液晶装置1の動作時に、後述する光センサ部150(図2参照)を動作させるための信号を各光センサ部150に供給する。受光信号処理回路部215は、光センサ部150から出力された受光信号を処理する。
【0026】
画像処理回路部216は、受光信号処理回路部215から供給された処理済信号に基づいて画像データを処理する。画像処理回路部216は、表示部110が有する複数の光センサ部150のそれぞれの受光信号に基づいて画像を特定し、表示部110の表示面を指示する指等の指示物体を識別できた場合には、表示面を指示する指示物体の位置を特定し、特定された位置をタッチ位置情報として図示しない外部回路部に出力する。他方、指示物体の位置が特定できないときには、光センサ部150の感度を補正するための補正信号を表示信号線駆動回路部101に供給する。この補正信号に基づいて、後述する光量調節部82が入射光の光量を絞る絞り量を光量調節部毎に調節する。
【0027】
<1−2:画素部の構成>
次に、液晶装置1の画素部の構成を詳細に説明する。図2は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。本図では、TFTアレイ基板上にマトリクス状に配置された複数の画素部のうち実質的に画像の表示に寄与する部分の回路構成と共に光検出回路部250を示している。図3は、画素部の模式的平面図である。図4は、図3のVII−VII´断面図である。図5は、図3のVIII−VIII´断面図である。図6は、図3のIX−IX´断面図である。図7は、図6に示した断面を詳細に示した断面図である。図4〜図7では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
【0028】
図2において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部72のそれぞれは、赤色を表示するサブ画素部72R、緑色を表示するサブ画素部72G、および青色を表示するサブ画素部72Bを含んで構成されている。したがって、液晶装置1は、カラー画像を表示可能な表示装置である。画素部72は、画像表示領域10aに形成された光検出回路部250に電気的に接続されている。電気的接続態様については後に詳述する。光検出回路部250は、光センサ部150と光量調節部82とを備えている。サブ画素部72R、72Gおよび72Bのそれぞれは、画素電極9a、TFT30、蓄積容量70、および画素電極9aに挟まれた液晶素子50aを備えている。
【0029】
TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給される表示信号線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。表示信号線6aに書き込む画像信号S1、S2、…は、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数の表示信号線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0030】
TFT30のゲートに表示行選択信号線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、表示行選択信号線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…を、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、表示信号線6aから供給される画像信号S1、S2、…が所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶素子50aに書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…は、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0031】
画素電極9aに挟まれた液晶素子50aは、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。蓄積容量70は、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。容量電位線300は、蓄積容量70が有する一対の電極のうち固定電位側の電極である。
【0032】
図3に示すように、画素部72は、X方向に沿って配列された3つのサブ画素部72R、72Gおよび72B、ならびに光検出回路部250を有している。サブ画素部72R、72Gおよび72Bサブ画素部のそれぞれは、開口部73R、73Gおよび73Bを有している。液晶装置1の動作時において、開口部73R、73Gおよび73Bのそれぞれから赤色光、緑色光、および青色光のそれぞれが出射されることによって液晶装置1によるカラー画像の表示が可能になる。加えて、サブ画素部72R、72Gおよび72Bのそれぞれは、各サブ画素部をスイッチングするTFT30を有している。
【0033】
光検出回路部250は、調整制御用TFT130、開口部83、およびTFT回路部80を有している。光検出回路部250は、表示面に入射する入射光を検出する。TFT回路部80は、後述するようにリセット用TFT163、電圧増幅用TFT154、および出力制御用TFT155を含んで構成されており、開口部83に臨む受光素子151の動作を制御すると共に、受光素子151が生成する光電流に応じた電圧の変化を読出信号線6a2に供給する。
【0034】
図4〜図7において、液晶装置1は、遮光膜11および153、平坦化膜20aに埋め込まれた3種類のカラーフィルタ154R、154Gおよび154B、液晶素子50b、受光素子151、バックライト206、ならびに、第1偏光板301、第2偏光板302、および第3偏光板を備えている。
バックライト206は、導光板206a、および表示用光源206bを備えて構成されており、図中TFTアレイ基板10の下側に配置されている。
【0035】
表示用光源206bは、画像表示領域10aに画像を表示するための表示用光L1を生成する。表示用光L1は、可視光であり、各サブ画素部の駆動に応じて液晶層50によって変調される。
導光板206aは、例えば、表示用光L1を透過可能なアクリル樹脂で構成されており、表示用光L1を画像表示領域10aに導く。液晶装置1は、画像を表示するために表示用光L1を利用すると共に、指示物体Fを検知するために表示用光L1および外光を利用する。
【0036】
第1偏光板301および第2偏光層302のそれぞれは、光量調節部82の一部を構成しており、図中上下方向に沿って液晶素子50bの両側のそれぞれの側に配置されている。第1偏光層301および第2偏光層302のそれぞれは、各々の光軸が互いに交差するようにクロスニコル配置されている。液晶素子50bは、液晶層50のうち受光素子151に重なる液晶部分と、当該液晶部分を挟持する第1電極159aおよび第2電極21aを有している。
【0037】
光量調節部82は、表示面302sから開口部83に入射する入射光L2の光量を調節する絞り機構として機能する。本実施形態では、後に詳述するように液晶素子50bが有する液晶部分の配向状態を制御可能であるため、入射光L2の光量を光量調節部82毎に独立して調節でき、各画素において液晶層の配向状態を制御することによって表示用光の光強度を制御する場合と同様に、各光センサ部150の受光素子151に入射する入射光L2´の光量を独立して調節できる。
【0038】
したがって、複数の光量調節部82によれば、画像表示領域10aを構成する複数の領域のそれぞれにおいて表示面302sから入射する入射光L2の光量のそれぞれが、各光センサ部150が光量を検出可能な検出可能範囲から外れている場合であっても、光センサ部150毎に、あるいは任意の個数の光センサ部150を一群とする群毎に、各光センサ部150に入射する入射光の光量が検出可能範囲に入るように光量を調節可能である。
【0039】
特に、画像表示領域10aを構成する複数の領域のそれぞれにおいて、指等の指示物体に遮光される外光等の環境の変化に起因して指示物体をその周囲と識別できない場合、より具体的には、例えば外光の光量が強すぎることによって、表示面302sにおいて指示物体の影が投影される領域と、その領域の周囲の領域とのそれぞれに入射する入射光L2の光量が受光素子151による光量の検出可能範囲から外れている場合には、指示物体の影が投影される領域とその領域の周囲の領域とのそれぞれに入射する入射光L2の光量が検出可能範囲にシフトされるように各光量調節部82が光量を調節する。つまり、複数の光量調節部82のそれぞれは、各光センサ部150に入射する入射光L2の光量を互いに独立して調節可能な絞り機構として機能する。
【0040】
このように、液晶装置1によれば、光センサ部150に入射する入射光L2の光量が光センサ部による検出可能範囲から外れている場合でも、当該検出可能範囲に光量が含まれるように入射光L2の光量が調節され、検出可能範囲に光量が調節された入射光L1が光センサ部150に照射されることになる。したがって、光量調節部82によって光量が調節されることなく、入射光L2が光センサ部150にそのまま入射する場合には識別できなかった指示物体を識別でき、表示面302s上の画像表示領域10aにおける指示物体の位置を特定できる。
【0041】
加えて、複数の光量調節部82のそれぞれが互いに独立して光量を調節できるため、外光を含む入射光L2の光強度が画像表示領域10a内の各領域で相互に異なる場合であっても、光センサ部150による検出可能範囲から光量が外れている領域について選択的に光量を調節可能であり、指示物体を検出する検出精度を高めることが可能である。
したがって、液晶装置1は、光学系の途中にメカニカルな絞り機構が設けられたカメラ等の撮像装置と異なり、本来画像を表示するために用いられる液晶層の一部を利用して入射光L2の光量を調節できることから、液晶装置1内に絞り機構を設けるためのスペーサを確保しなくても入射光L2の光量を調節でき、指示物体を検出する検出精度を高めることが可能である。
【0042】
第1電極159aは、TFTアレイ基板10上において画像表示領域10aを構成する複数の画素部72のそれぞれに設けられた複数の画素電極9aと同層に形成されている。したがって、ITO等の透明導電材料によって構成される画素電極9aを形成する工程と共通の工程によって第1電極159aを形成でき、液晶装置1の製造プロセスを簡便にできる。第2電極21aは、対向電極21が受光素子151に重なる部分である。
【0043】
第1偏光層301は、絶縁膜42上に水溶性の二色性染料が溶解された水溶液を一方向に応力を印加しつつ塗布した後、乾燥させることによって形成される。なお、第1偏光層301は、ポリイミド等の透明な有機材料によって形成される配向膜を形成した後に二色性染料を有するサーモトロピック高分子液晶を所定の膜厚で塗布することによって形成されていてもよい。このような場合、二色性染料を有するサーモトロピック高分子液晶は、スピンナーを用いて塗布される。
【0044】
第1偏光層301および第2偏光層302のそれぞれは、画素電極9aに重なるように延びている。第1偏光層301および第2偏光層302のうち各画素電極9aに重なる部分が画像表示領域10aにおいて変調される表示用光L1のうち直線偏光成分を選択的に透過させる偏光板として機能する。したがって、第1偏光層301および第2偏光層302を形成する工程と共通の工程によって、画像を表示するための表示用光L2の透過量を規定する偏光板を形成でき、第1偏光層301および第2偏光層302を形成する工程とは別の工程によって偏光板を形成する場合より製造プロセスを簡便にできる。
【0045】
液晶装置1は、第1偏光層301の光軸に沿って延びる光軸を有しており、光センサ部150から見てTFTアレイ基板10側において画素電極9aに重なるように延びる第3偏光層303を備えている。第3偏光層303によれば、第1偏光層301のうち画素電極9aに重なる部分と共に、各画素に入射する表示用光L1を確実に直線偏光させることが可能である。
なお、第2偏光層302および第3偏光層303は、延伸されたPVA(ポリビニルアルコール)膜をTAC(トリアセチルセルロース)で構成された保護フィルムによって挟み込んで構成されている。
【0046】
図4〜図6において、開口部73Rは、表示用光L1が液晶層50によって変調された変調光のうち赤色光を透過可能なカラーフィルタ154Rを介して赤色光L1Rを表示する。開口部73Gおよび73Bのそれぞれは、開口部73Rと同様に、カラーフィルタ154Gおよび154Bのそれぞれを介して緑色光LG1および青色光LB1のそれぞれを表示する。
受光素子151は、平面的に見て開口部83に臨むようにTFTアレイ基板10上に形成されている。受光素子151は、TFTアレイ基板10上に形成された絶縁膜41上に形成され、絶縁膜42に覆われている。
【0047】
受光素子151は、例えば、TFT回路部80が有するTFT等の半導体素子を形成する工程と共通の工程によって形成された結晶性シリコン、あるいはGaAs等の半導体を用いたPINダイオード、又はPbSを用いた光電動素子等の受光素子である。受光素子151は、光量調節部82によって入射光L2の光量が調節された入射光L2´を検出する。
図4および図5に示すように、遮光膜153は、開口領域の縁の少なくとも一部を規定する、いわゆるブラックマトリクスである。したがって、遮光膜153によれば、非開口領域に形成された画素スイッチング用TFT30等の半導体素子、およびTFT回路部80に表示面302s側から可視光L2が照射されることを低減でき、TFT30およびTFT回路部80に含まれる半導体素子に発生する光リーク電流を低減できる。
【0048】
図3〜図6に示すように、光量調節部82は、TFTアレイ基板10上において、画素部72の開口領域を互いに隔てる非開口領域に形成されている。また、液晶装置1では、開口部73R、73Gおよび73Bから表示用光L1R、L1GおよびL1Bのそれぞれが出射される。したがって、液晶装置1によれば、光量調節部82によって表示用光LR1、LG1およびLB1が遮られることがない。
【0049】
液晶装置1は、TFTアレイ基板10上において受光素子151の下層側に形成された遮光膜11を備えている。遮光膜11は、金属膜等の遮光性を有する材料から構成されており、バックライト206から出射された可視光L1が受光素子151に照射されないように、これら光を遮光する。したがって、遮光膜11によれば、表示用光L1が照射されることに起因して生じる受光素子151の誤動作を低減できる。このような遮光膜11は、TFTアレイ基板10上に形成された他の素子の一部、あるいは配線を構成する導電膜等の遮光性を有する膜と同層に共通の工程を用いて形成可能である。
【0050】
加えて、遮光膜11は、TFT回路部80および画素スイッチング用TFT30に重なるようにTFTアレイ基板10上に延びている。したがって、遮光膜11によれば、画素スイッチング用TFT30、およびTFT回路部80を遮光することもでき、TFT30およびTTF回路部80の誤動作を低減することも可能である。
次に、図7を参照しながら、光検出回路部250の詳細な構成を説明する。図7において、調節制御用TFT130は、半導体層1a、コンタクトホール181および182、ソース電極91、ドレイン電極92、並びにゲート電極3a1を有している。
【0051】
半導体層1aは、例えば低温ポリシリコン層であり、ゲート電極3a1に重なるチャネル領域1a´、ソース領域1b´、およびドレイン領域1c´を含んでいる。チャネル領域1a´には、TFT89の動作時に、表示行選択信号線3aに電気的に接続されたゲート電極3a1からの電界によりチャネルが形成される。絶縁膜42の一部を構成する絶縁膜42aのうちゲート電極3a1および半導体層1a間に延びる部分は、調節制御用TFT130のゲート絶縁膜を構成している。ソース領域1b´およびドレイン領域1c´のそれぞれは、チャネル領域1a´の両側のそれぞれにミラー対称に形成されている。
【0052】
ゲート電極3a1は、ポリシリコン膜等の導電膜や、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd、Al等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等によって形成されており、ソース領域1b´およびドレイン領域1c´に重ならないように絶縁膜42aを介してチャネル領域1a´上に設けられている。
なお、調節制御用TFT130は、ソース領域1b´およびドレイン領域1c´のそれぞれに低濃度ソース領域および低濃度ドレイン領域のそれぞれが形成されたLDD(Lightly Doped Drain)構造を有していてもよい。
【0053】
コンタクトホール181および182のそれぞれは、絶縁膜42を構成する絶縁膜42a、および42bを半導体層1aまで貫通するように形成されており、ソース領域1b´およびドレイン領域1c´のそれぞれに電気的に接続されている。ソース電極91およびドレイン電極92のそれぞれは、絶縁膜42b上に形成され、かつコンタクトホール181および182のそれぞれに電気的に接続されている。ソース電極91およびドレイン電極92のそれぞれは、絶縁膜42cに覆われており、ドレイン電極92は、コンタクトホールを介して第1電極159aに電気的に接続されている。
【0054】
受光素子151は、半導体層150a、コンタクトホール183および184、電極93、および電極94を有している。半導体層150aは、絶縁膜41上に形成されたN型半導体層150b´およびP型半導体層150c´、これら半導体層間に形成され、かつこれら半導体層より相対的に電気抵抗が大きい中間層150a´を有している。コンタクトホール183および184は、絶縁膜42a、42bを半導体層150aまで貫通するように形成されており、N型半導体層150b´およびP型半導体層150c´のそれぞれに電気的に接続されている。電極93および電極94のそれぞれは、絶縁膜42b上に形成されており、コンタクトホール183および184のそれぞれに電気的に接続されている。
【0055】
外光と、表示用光LR1、LG1およびLB1が指示物体によって反射された反射光L2が半導体層150aに照射された際には、照射された光の光強度に応じて受光素子151に電流が流れる。図1に示した受光信号処理回路部215によって処理される受光信号は、受光素子151に流れる光電流に応じた発生する電圧変化に対応した信号である。受光信号処理回路部215、および画像処理回路部216によって受光信号が順次処理されることによって、表示面302sを指示する指示物体の位置等が特定でき、指示物体を介して液晶装置1に対する各種情報を入力が可能になる。
【0056】
TFT回路部80に含まれるリセット用TFT163は、チャネル領域160a´、ソース領域160b´およびドレイン領域160c´を含む半導体層160a、コンタクトホール161および162、ソース電極164およびドレイン電極165、ならびにゲート電極163aを備えて構成されている。リセット用TFT163は、不図示の配線を介して受光素子151に電気的に接続されている。
【0057】
次に図8を参照しながら、光検出回路部250の詳細な回路構成を説明する。まず、簡単のため、光検出回路部250用の信号線・電源線(光センサリセット信号線350、光センサ第1電源線351、光センサ第2電源線352、光センサ行選択信号線353)を設けて、光検出回路部250を画素部72と独立に制御可能な場合を説明する。ただし、表示行選択信号線3aおよび容量電位線300は、画素部72と共用している。
【0058】
図8において、光検出回路部250は、光量調節部82および光センサ部150を備えている。光量調節部82は、液晶素子50b、調整制御TFT130、および蓄積容量170を備えて構成されている。光量調節部82は、複数の光検出回路部250のそれぞれに含まれており、センサ感度調整回路部205の制御下において、画像表示領域10aにおいて互いに独立してその動作が制御される。
液晶素子50bは、調整制御TFT130および蓄積容量170のそれぞれに電気的に接続されており、液晶素子50bが有する液晶部分の配向状態が調整制御TFT130によって制御され、光センサ部150に入射する入射光の光量を調節する。蓄積容量170が有する一対の容量電極の一方は、容量電位線300に電気的に接続されている。
【0059】
調整制御TFT130のゲートおよびソースのそれぞれは、表示行選択信号線3aおよび光量調節信号線6a1のそれぞれに電気的に接続されている。調節制御TFT130は、表示行選択信号線3aを介して供給された選択信号が供給されることによってそのオンオフが切り換え可能に構成されている。調整制御TFT130は、そのオンオフに応じて光量調節信号線6a1を介して供給された調節信号を液晶素子50bに供給する。液晶素子50bは、調節信号に応じて液晶部分の配向状態が制御されることによって光センサ部150に入射する入射光の光量を調節する。
【0060】
光センサ部150は、フォトダイオード等の受光素子151、蓄積容量152、リセットTFT163、信号増幅用TFT154、および出力制御用TFT155を備えて構成されている。
受光素子151は、画像表示領域10aにおいて液晶装置1の表示面302sから入射する入射光L2のうち光量調節部82によって光量が調節された入射光L2´(図4〜図6参照。)を受光する。リセット用TFT163のソース、ゲートおよびドレインのそれぞれは、受光素子151、光センサリセット信号線350、および信号増幅用TFT154のそれぞれに電気的に接続されている。信号増幅用TFT154のソース、ゲートおよびドレインのそれぞれは、光センサ第1電源線351、受光素子151、および出力制御用TFT155のそれぞれに電気的に接続されている。出力制御用TFT155のソース、ゲートおよびドレインのそれぞれは、信号増幅用TFT154、光センサ行選択信号線353、および読出信号線6a2のそれぞれに電気的に接続されている。
【0061】
受光素子151が入射光を受光した際には、受光素子151に光電流が生じ、リセット用TFT163、電圧増幅用TFT154、および出力制御用TFT155のそれぞれの動作に応じて、受光素子151に電気的に接続された光センサ第2電源線352およびノードa間の電圧Vに対応した信号が読出信号線6a2に読み出される。
このように、光検出回路部250を備えた液晶装置1は、光量調節部82が光センサ部150の感度調整を行なっているため、位置検出時の誤動作を防ぐことができ、精度を高めることができる。
【0062】
しかしながら、光検出回路部250を備えることにより、信号線の数が増えるという問題がある。すなわち、従来、画素部72の制御に必要であった表示行選択信号線3aと容量電位線300とに加え、図8に示すように、1走査線毎に光センサリセット信号線350、光センサ第1電源線351、光センサ第2電源線352、光センサ行選択信号線353を新たに設ける必要がある。これらの配線のための領域を確保すると、液晶装置1の画素部72の開口率が低下することになる。開口率の低下をカバーするためにバックライトの光量を増やすと消費電力が増加したり、光センサ部150における迷光が増加し、位置検出の際のノイズ成分となり好ましくない。
そこで、本実施形態では、光検出回路部250と画素部72とで信号線を共有することにより、信号線の本数を減らし、開口率の低下を防ぐようにする。以下、具体的な実施例について説明する。
【0063】
<2−1:第1実施例>
第1実施例では、表示行選択信号線3aを光センサリセット信号線としても用いることにより、光センサリセット信号線350を省いた構成としている。図9は、第1実施例の構成を示す回路図である。本図に示すように、第1実施例では、光センサ部150において、リセット用TFT163のゲートを表示行選択信号線3aに接続し、光センサリセット信号線350を省いた以外は、図8と同じ構成をしている。
【0064】
図10は、第1実施例における光検出処理の手順を示すタイミングチャートである。なお、光検出処理では、光センサ部150をリセットして基準となる基準受光信号の読出しと、露光期間(Wexp)後に計測受光信号の読出しとの2回の光検出を行ない、計測受光信号と基準受光信号との差分を検出対象の受光信号として取り扱う。なお、計測受光信号と基準受光信号とは電圧の形式で与えられてもよいし、電流の形式で与えられてもよい。
【0065】
本タイミングチャートでは、表示行選択信号(光センサリセット信号)をアサートして画素部72へ画像信号を書き込んでから、光センサ行選択信号をアサートして光センサ部150をリセットし、光センサ部150からノードAの電圧Vrefに応じた基準受光信号を読み出す。1行選択期間Wsel経過後に、表示行選択信号(光センサリセット信号)をネゲートして、露光を開始し、露光期間Wexp経過後にノードAの電圧Vsigに応じた計測受光信号を読み出す。そして、光センサ行選択信号をネゲートして1サイクルを終了する。
【0066】
図中のノードAの電圧の時間変化を追いながらさらに詳しく説明する。対象となる表示行選択信号線3aに供給される表示行選択信号(光センサリセット信号)がアサートされるとリセット用TFT163がオン状態になり、ノードAの電圧は光センサ第1電源線351の電圧になる。さらに、光センサ行選択信号線353に供給される光センサ行選択信号がアサートされると電圧増幅用TFT154を介することで一定のオフセット電圧を伴って読出信号線6a2に、電圧Vrefに応じたリファレンスとなる基準受光信号が読み出される。
【0067】
表示行選択信号線3aに供給される表示行選択信号(光センサリセット信号)がネゲートされ、リセット用TFT163がオフ状態になると、受光素子151には受光した光の強度に応じた電流が流れノードAの電圧は光センサ第2電源線352の電圧に向かって変化する。所定の露光期間Wexpを経た後、ノードAの電圧Vsigは計測受光信号として読出信号線6a2に読み出される。図示しない周辺回路は計測受光信号と基準受光信号との差分を受光した強度に応じた受光信号として処理する。
【0068】
図11は、第1実施例における光検出処理の手順の別例を示すタイミングチャートである。本別例では、まず、光センサ行選択信号をアサートして光センサ部150から電圧Vsigに応じた計測受光信号を読み出す。その後、表示行選択信号(光センサリセット信号)をアサートして画素部72へ画像信号を書き込むとともに光センサ部150をリセットして、電圧Vrefに対応する基準受光信号を読み出す。1行選択期間Wsel経過後に、表示行選択信号(光センサリセット信号)をネゲートして、露光が開始される。露光中は、ノードAの電位が光センサ第2電源線352の電圧に向かって変化していき、次のサイクルの読み出しタイミングTvsigで電圧Vsigに応じた計測受光信号が読み出される。このため、露光期間Wexpは、およそ垂直走査期間と等しくなる。
【0069】
いずれの例とも露光期間Wexpにおける受光によるノードAの電圧変化量が適切な値のときに、受光強度に応じた受光信号が得られる。ノードAの電圧変化量が非常に小さい場合はさまざまなノイズと区別がつかなくなってしまい、逆に、ノードAの電圧変化量が大きすぎて光センサ第2電源線352の電圧を超えてしまうと受光信号は受光強度と対応しなくなる。
【0070】
このため、一般に、光強度が大きい時は、露光期間Wexpが短い図10に示した手順が適切で、光強度が小さい時は、露光期間Wexpが長い図11に示した手順が適切であると考えられるが、本実施例では、表示行選択信号を光センサリセット信号としても用いているため、光センサ部150における露光期間Wexpは、画素部72の表示のタイミングに規制される。このため、露光期間Wexpを自由に設定することはできない。
【0071】
しかしながら、本実施例では、さらに、光量調節部82が光センサ部150の感度調整を行なっているため、露光期間Wexp設定の自由度が低くても、ノードAの電圧変化量を適切な値とすることができ、受光強度に応じた受光信号が得られる。したがって、信号線数を削減しても、位置検出時の誤動作を防ぐことができ、精度を高めることができる。
【0072】
(変形例1)
図12は、第1実施例の変形例1を示す回路図である。本変形例では、さらに、容量電位線300を光センサ第2電源線としても用いることにより、光センサリセット信号線350に加え、光センサ第2電源線352を省いた構成としている。これにより、さらに開口率の低下を防ぐことができる。なお、光検出手順は、第1実施例と同様である。
【0073】
(変形例2)
図13は、第1実施例の変形例2を示す回路図である。本変形例では、さらに、容量電位線300を光センサ第1電源線としても用いることにより、光センサリセット信号線350に加え、光センサ第1電源線351を省いた構成としている。これにより、さらに開口率の低下を防ぐことができる。なお、光検出手順は、第1実施例と同様である。
【0074】
<2−2:第2実施例>
第2実施例では、表示行選択信号線3aを光センサ行選択信号線としても用いることにより、光センサ行選択信号線353を省いた構成としている。図14は、第2実施例の構成を示す回路図である。本図に示すように、第2実施例では、光センサ部150において、出力制御用TFT155のゲートを表示行選択信号線3aに接続し、光センサ行選択信号線353を省いた以外は、図8と同じ構成をしている。
【0075】
図15は、第2実施例における光検出処理の手順を示すタイミングチャートである。本タイミングチャートでは、表示行選択信号(光センサ行選択信号)と光センサリセット信号とをアサートして、画素部72へ画像信号を書き込むとともに光センサ部150をリセットする。その後、電圧Vrefに応じた基準受光信号を読み出してから、光センサリセット信号をネゲートして、露光を開始し、露光期間Wexp経過後に電圧Vsigに応じた計測受光信号を読み出す。そして、表示行選択信号(光センサ行選択信号)をネゲートして1サイクルを終了する。
【0076】
図中のノードAの電圧の時間変化を追いながらさらに詳しく説明する。対象となる表示行選択信号線3aに供給される表示行選択信号(光センサ行選択信号)がアサートされると出力制御用TFT155がオン状態になる。また、光センサリセット信号線350に供給される光センサリセット信号がアサートされると、ノードAの電圧は、光センサ第1電源線351の電圧になる。このノードAの電圧Vrefは、増幅用TFT154を介することで一定のオフセット電圧を伴って読出信号線6a2に、リファレンスとなる基準受光信号として読み出される。
【0077】
光センサリセット信号がネゲートされ、リセット用TFT163がオフ状態になると、受光素子151には受光した光の強度に応じた電流が流れノードAの電圧は光センサ第2電源線352の電圧に向かって変化する。1行選択期間Wselが終了する前に終了する所定の露光期間Wexpを経た後、ノードAの電圧Vsigに対応する計測受光信号が読出信号線6a2に読み出される。図示しない周辺回路は計測受光信号と基準受光信号との差分を受光した強度に応じた受光信号として処理する。
【0078】
図16は、第2実施例における光検出処理の手順の別例を示すタイミングチャートである。本別例では、表示行選択信号(光センサ行選択信号)をアサートして光センサ部150から電圧Vsigに応じた計測受光信号を読み出す。その後、光センサリセット信号をアサートして光センサ部150をリセットして、電圧Vrefに応じた基準受光信号を読み出す。1行選択期間Wsel経過後に、光センサリセット信号をネゲートして、露光が開始される。露光中は、ノードAの電位が光センサ第2電源線352の電圧に向かって変化していき、次のサイクルの読み出しタイミングTvsigで電圧Vsigが計測受光信号として読み出される。このため、露光期間Wexpは、およそ垂直走査期間と等しくなる。
【0079】
いずれの例とも露光期間Wexpにおける受光によるノードAの電圧変化量が適切な値のときに、受光強度に応じた受光信号が得られる。ノードAの電圧変化量が非常に小さい場合はさまざまなノイズと区別がつかなくなってしまい、逆に、ノードAの電圧変化量が大きすぎて光センサ第2電源線352の電圧を超えてしまうと受光信号は受光強度と対応しなくなる。
【0080】
このため、一般に、光強度が大きい時は、露光期間Wexpが短い図15に示した手順が適切で、光強度が小さい時は、露光期間Wexpが長い図16に示した手順が適切であると考えられるが、本実施例では、表示行選択信号を光センサリセット信号としても用いているため、光センサ部150における露光期間Wexpは、画素部72の表示のタイミングに規制される。このため、露光期間Wexpを自由に設定することはできない。
【0081】
しかしながら、本実施例では、さらに、光量調節部82が光センサ部150の感度調整を行なっているため、露光期間Wexp設定の自由度が低くても、ノードAの電圧変化量を適切な値とすることができ、受光強度に応じた受光信号が得られる。したがって、信号線数を削減しても、位置検出時の誤動作を防ぐことができ、精度を高めることができる。
【0082】
(変形例1)
図17は、第2実施例の変形例1を示す回路図である。本変形例では、さらに、容量電位線300を光センサ第2電源線としても用いることにより、光センサ行選択信号線353に加え、光センサ第2電源線352を省いた構成としている。これにより、さらに開口率の低下を防ぐことができる。なお、光検出手順は、第2実施例と同様である。
【0083】
(変形例2)
図18は、第2実施例の変形例2を示す回路図である。本変形例では、さらに、容量電位線300を光センサ第1電源線としても用いることにより、光センサ行選択信号線353に加え、光センサ第1電源線351を省いた構成としている。これにより、さらに開口率の低下を防ぐことができる。なお、光検出手順は、第2実施例と同様である。
【0084】
<2−3:その他の変形例>
(変形例1)
次に、図19を参照しながら、液晶装置1の変形例を詳細に説明する。図19は、液晶装置の変形例における図7に対応する断面図である。なお、以下で説明する各変形例では、上述した液晶装置1と共通する部分に共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0085】
図19において、本例に係る液晶装置では、第1偏光層301は第1電極159a上に形成されている。第1偏光層301として二色性染料を有するサーモトロピック高分子液晶を用いた場合の例で、偏光層用配向層301aおよび二色性サーモトロピック高分子液晶層301bが互いに積層された積層構造を有している。液晶層50を制御する電界は第一偏光層301を介して印加される。第1電極159aが形成された後に第1偏光層301が形成されるため、第1偏光層301は第1電極159a形成時の熱の影響を回避できる。このため偏光性を良好に保つことができる。
【0086】
(変形例2)
次に、図20を参照しながら、液晶装置1の他の変形例を説明する。図20は、液晶装置の他の変形例における図7に対応する断面図である。図20において、本例に係る液晶装置が備える第1偏光層301cは、絶縁膜42b上に形成されており、その厚さが1〜5μmに形成され、リセット用TFT163および調節制御用TFT130と、第1電極159aとを相互に隔てる平坦化絶縁層として兼用されている。
【0087】
<3:電子機器>
次に、図21および図22を参照しながら、上述した液晶装置を具備してなる電子機器の実施形態を説明する。図21は、上述した液晶装置が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図21において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。液晶表示ユニット1206は、液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されており、正確に各種情報を入力できるタッチパネル機能を有している。
【0088】
次に、上述した液晶装置を携帯電話に適用した例について説明する。図22は、本実施形態の電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図22において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の表示形式を採用し、かつ上述した液晶装置と同様の構成を有する液晶装置1005を備えている。携帯電話1300によれば、高品位の画像表示が可能であると共に、指等の指示物体によって表示面を介して正確に情報を入力可能である。
【0089】
また、上述した液晶装置をイメージセンサとして用いる場合は、指等の指示物体の表示面における位置を特定するのと同様に、検出対象物が占める表示面における領域部分を他の領域と識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本実施形態に係る液晶装置の主要な回路構成を示したブロック図である。
【図2】本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域における等価回路である。
【図3】本実施形態に係る液晶装置が有する画素部の図式的平面図である。
【図4】図3のVII−VII´断面図である。
【図5】図3のVIII−VIII´断面図である。
【図6】図3のIX−IX´断面図である。
【図7】図6に示した断面を詳細に示した断面図である。
【図8】光検出回路部の電気的な構成を示した回路図である。
【図9】第1実施例における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図10】第1実施例における光検出処理のタイミングチャートである。
【図11】第1実施例における光検出処理の別例のタイミングチャートである。
【図12】第1実施例の変形例1における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図13】第1実施例の変形例2における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図14】第2実施例における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図15】第2実施例における光検出処理のタイミングチャートである。
【図16】第2実施例における光検出処理の別例のタイミングチャートである。
【図17】第2実施例の変形例1における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図18】第2実施例の変形例2における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図19】液晶装置の1変形例における図7対応する断面図である。
【図20】液晶装置の他の変形例における図7対応する断面図である。
【図21】本実施形態に係る電子機器の一例を示した斜視図である。
【図22】本実施形態に係る電子機器の他の例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
1…液晶装置、3a…表示行選択信号線、72…画素部、82…光量調節部、150…光センサ部、151…受光素子、250…光検出回路部、300…容量電位線、350…光センサリセット信号線、351…光センサ第1電源線、352…光センサ第2電源線、353…光センサ行選択信号線
【技術分野】
【0001】
本発明は、外光を検出することにより指等の指示物体の位置特定、領域検出を行なう光検出機能付き液晶装置、およびそのような液晶装置を具備してなる電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器等の表示装置として広く用いられている液晶装置では、複数の画素部毎に、あるいは任意の個数の画素部を一群とする群毎に光センサを配置し、画素部を透過する透過光による画像表示、および指等の指示物体を介した液晶装置への情報の入力を可能にする、いわゆるタッチパネル機能を有する液晶装置が提案されている。このような液晶装置では、指あるいは指示部材等の指示物体が液晶装置の表示面に触れたこと、あるいは表示面上で動いたことが光センサによって検知され、当該液晶装置への情報の入力が可能になっている。例えば、非特許文献1によれば、低温ポリシリコン(Low Temperature Poly Silicon:LTPS)を有するTFTからなる駆動回路の動作によって画像を表示可能な液晶装置であって、各画素に配置された光センサによって取得された指示物体の画像に基づいて各種情報を入力可能なタッチパネル機能を有する液晶装置が開示されている。
【0003】
このような液晶装置の搭載される光センサは、例えばフォトダイオードおよび容量が相互に電気的に接続された回路構造を含んで構成されている。容量に蓄積された電荷は、入射光を受光したフォトダイオードに発生した光電流に応じて放電され、当該放電によって変化した電位に基づいて画像の階調レベルが特定される。より具体的には、例えば、画像が表示される表示領域のうち指示物体に重なる領域に配置された光センサ、言い換えれば指示物体の影に重なる領域に配置された光センサは、指示物体の影に対応した入射光の光量を検出し、指示物体に重ならない領域に配置された光センサは、指示物体によって遮られない外光を入射光としてその光量を検出し、光量の差に応じた各画像部分の階調レベルに差が設けられた画像が取得される。したがって、この種の液晶装置では、画像を表示する表示面から入射する入射光の光量を検出し、各光センサによって検出された入射光の光量のそれぞれに応じて階調レベルが特定された画像部分からなる画像に基づいて指示物体の位置が特定可能になる。
【0004】
この種の液晶装置に搭載される光センサによって検出可能な光量の検出可能範囲、即ち、入射光の光量に応じた光電流を生成可能な入射光の光量の範囲は、光センサの設計によって規定されている。したがって、光センサが、検出可能範囲より高い光量を有する入射光を受光した場合、光量に応じて生成される光電流が飽和状態となり、光電流に応じて生じる電圧の変化が発生しなくなるため、指示物体の画像部分を他の画像部分と識別できなくなる。
【0005】
また、液晶装置の表示領域において、指示物体とは異なる他の部分が当該指示物体に重なっている場合には、指示物体および他の部分のそれぞれの影を相互に識別できなくなる。
【0006】
光センサによって受光された入射光の光量に基づいて、画像が白画像部分(階調レベルが高い明るい画像)および黒画像部分(階調レベルが低い暗い画像)の一方のみによって構成されている場合には、表示領域に形成された複数の光センサに入射する入射光の光量を一様に調節することによって、光センサに検出される光量が検出可能範囲に入るように入射光の光量を調節し、指示物体の画像部分を他の画像部分と識別できるように画像の階調レベルを調整する方法も考えられる。
【非特許文献1】Touch Panel Function Integrated LCD Using LTPS Technology,N .Nakamura et al,IDW/AD'05 p.1003-1006
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、この種の液晶装置では、指示物体の周囲の環境、より具体的には外光の光強度、あるいは指示物体に重なる他の部分(即ち、ノイズ)の存在によって白画像部分および黒画像部分を含む画像が取得された場合には、白画像部分および黒画像部分のどちらの画像部分に指示物体の画像部分が含まれているかを特定することが困難となり、指示物体の画像部分を他の画像部分と識別することによって指示物体の位置を特定することが困難になる技術的問題点が生じる。
【0008】
特に、指示物体の画像部分を含む画像の画像データが、指示物体の画像部分を識別可能な程度の階調レベルを有している場合には、画像データに各種演算処理を施すことによって指示物体の画像部分を他の部分と識別することも可能であるが、光センサによる光量の検出可能範囲を外れた光量が検出された際には、演算処理によって指示物体の画像部分を特定可能な階調データを含む画像データすら取得できなくなる。
【0009】
ここで、光学系の途中にメカニカルな絞り機構およびシャッタ機構を有するカメラ等の撮像装置と同様に、各光センサ部に絞り機構およびシャッタ機構を設けることも考えられるが、入射光の光路に沿って光センサ部の受光側に絞り機構等を設けるスペースを確保することは困難である。特に、この種の液晶装置では、光センサ部は液晶装置の表示領域に設けられる必要があるため、液晶装置の表示性能、より具体的には、表示領域において画像を表示する際に実質的に寄与する表示光が透過する開口領域を大きく狭めることなく、絞り機構等を設けるためのスペースを確保することは難しい。
【0010】
また、検出対象物の画像を検出するイメージセンサでも、タッチパネル機能を有する液晶装置と同様に、検出対象物の画像部分を他の画像部分と識別して検出することが困難になる技術的問題点がある。
【0011】
よって、本発明は上記問題点等に鑑みてなされたものであり、例えば、指等の指示物体の位置、領域を正確に特定することによって、指等の指示物体を介して各種情報を正確に入力可能な機能を有する液晶装置、およびそのような液晶装置を具備してなる電子機器を、表示領域の開口率を大きく損なうことなく構成するための技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る液晶装置は上記課題を解決するために、行方向に設けれた複数の選択線と、列方向に設けられた複数の信号線と、前記選択線と前記信号線との交差に対応して設けられた複数の画素部と、前記複数の画素部の一部に対応して設けられた複数の光センサ部と、行方向に設けられた複数の第1電源線と、列方向に設けられた複数の読出線とを備え、前記複数の画素部の各々は、前記選択線を介して供給される選択信号がアサートされると、前記信号線を介して供給される表示信号を取り込む第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子によって取り込まれた前記表示信号に応じた透過状態となる液晶とを備え、前記複数の画素部の一部は、前記複数の光センサ部に入射する光の光量を調整し、前記複数の光センサ部の各々は、受光量に応じた大きさの電流を発生する光電変換素子と、一端が前記光電変換素子に電気的に接続される容量素子と、前記第1電源線を介して供給されるリセット電圧で前記容量素子の一端をリセットする第2スイッチング素子と、前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの電流を前記読出線に出力する読出部とを備え、前記第2スイッチング素子は、前記選択線を介して供給される前記選択信号に基づいてオン状態またはオフ状態のいずれかに制御されることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、光センサ部の第2スイッチング素子は、容量素子の一端にリセット電圧を供給して出力信号の大きさを初期化する手段として機能するが、第2スイッチング素子は画素部を制御する選択信号によってオン・オフが制御される。したがって、第2スイッチング素子を制御するための信号線を選択線と兼用することができるので、配線数を低減して開口率を向上させることが可能となる。また、第2スイッチング素子を制御するために個別の制御信号を生成しなくてもよいので、構成を簡素化することができる。
【0014】
より具体的には、行方向に設けられた複数の光センサ選択線を備え、前記読出部は、前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、前記トランジスタと前記読出線との間に設けられ、前記光センサ選択線に供給される光センサ選択信号がアサートされるとオンする第3スイッチング素子とを備え、前記選択信号をアサートした後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をネゲートして所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備えることが好ましい。この場合には、光電変換素子に対する露光前に基準受光信号が生成され、露光の後、計測受光信号が生成される。
【0015】
また、行方向に設けられた複数の光センサ選択線を備え、前記読出部は、前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、前記トランジスタと前記読出線との間に設けられ、前記光センサ選択線に供給される光センサ選択信号がアサートされるとオン状態になる第3スイッチング素子とを備え、前記選択信号をアサートからネゲートに切り替えて、所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備えることが好ましい。この場合には、先に計測受光信号が読み出され、その後に、基準受光信号が読み出される。
【0016】
また、本発明に係る液晶装置は、行方向に設けれた複数の選択線と、列方向に設けられた複数の信号線と、前記選択線と前記信号線との交差に対応して設けられた複数の画素部と、前記複数の画素の一部に対応して設けられた複数の光センサ部と、行方向に設けられた複数の第1電源線と、列方向に設けられた複数の読出線とを備え、前記複数の画素部の各々は、前記選択線を介して供給される選択信号がアサートされると、前記信号線を介して供給される表示信号を取り込む第1スイッチング素子と、前記第1スイッチング素子によって取り込まれた前記表示信号に応じた透過状態となる液晶とを備え、前記複数の画素部の一部は、前記複数の光センサ部に入射する光の光量を調整し、前記複数の光センサ部の各々は、受光量に応じた大きさの電流を発生する光電変換素子と、一端が前記光電変換素子に電気的に接続される容量素子と、前記第1電源線を介して供給されるリセット電圧で前記容量素子の一端をリセットする第2スイッチング素子と、前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、前記増幅トランジスタと前記読出線との間に設けられた第3スイッチング素子とを備え、前記第3スイッチング素子は、前記選択線を介して供給される前記選択信号に基づいてオン状態またはオフ状態のいずれかに制御されることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、光センサ部の第3スイッチング素子は、出力信号を読出線に供給するか否かを選択する手段として機能するが、第3スイッチング素子は画素部を制御する選択信号によってオン・オフが制御される。したがって、第3スイッチング素子を制御するための信号線を選択線と兼用することができるので、配線数を低減して開口率を向上させることが可能となる。また、第3スイッチング素子を制御するために個別の制御信号を生成しなくてもよいので、構成を簡素化することができる。
【0018】
より具体的には、行方向に設けられた複数のリセット信号線を備え、前記選択信号および前記リセット信号線を介して供給するリセット信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出し、前記リセット信号をネゲートして所定時間が経過した後、前記選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備えることが好ましい。この場合には、光電変換素子に対する露光前に基準受光信号が生成され、露光の後、計測受光信号が生成される。
【0019】
また、行方向に設けられた複数のリセット信号線を備え、前記リセット信号線を介して供給するリセット信号をアサートからネゲートに切り替えて、所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備えることが好ましい。この場合には、先に計測受光信号が読み出され、その後に、基準受光信号が読み出される。
【0020】
ここで、前記制御部は、前記基準受光信号と計測受光信号との差分を、検出した受光信号として出力することが好ましい。リセット電圧は一定であるので、出力信号の差分が、所定の露光期間に光電変換素子が受光した光量となる。
【0021】
また、上述した液晶装置において、前記複数の画素部の各々は、一端が前記第1スイッチング素子と電気的に接続され、前記表示信号を保持する保持容量素子を備え、前記保持容量素子の他端は前記第1電源線と電気的に接続されることが好ましい。この場合は、保持容量素子に一定の電圧を供給する配線と第1電源線とを共用することができるので、配線数をより一層低減して、開口率を向上させることができる。
【0022】
また、上述した液晶装置において、行方向に設けられた複数の第2電源線を備え、前記受光素子の他端は前記第2電源線と電気的に接続され、前記複数の画素部の各々は、一端が前記第1スイッチング素子と電気的に接続され、前記表示信号を保持する保持容量素子を備え、前記保持容量素子の他端は前記第2電源線と電気的に接続されることが好ましい。この場合は、保持容量素子に一定の電圧を供給する配線と第2電源線とを共用することができるので、配線数をより一層低減して、開口率を向上させることができる。
【0023】
本発明に係る電子機器は、上述した液晶装置を備えることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る液晶装置および電子機器の各実施形態を説明する。
<1:液晶装置>
<1−1:液晶装置の構成>
まず、本実施形態に係る液晶装置1の主要構成を説明する。本実施形態に係る液晶装置1は、駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式で駆動される。図1は、液晶装置1の主要な構成を示したブロック図である。本図において、液晶装置1は、表示信号線駆動回路部101、走査線駆動回路部104、センサ感度調整回路部205、センサ用走査回路部204、受光信号処理回路部215、画像処理回路部216および画像表示領域10aを含む表示部110を備えている。
【0025】
表示部110の画像表示領域10aは、後述するようにマトリクス状に配列された複数の画素部を含んで構成されている。表示信号線駆動回路部101および走査線駆動回路部104は、走査信号および画像信号を所定のタイミングで表示部110に供給し、各画素部を駆動する。
センサ用走査回路部204は、液晶装置1の動作時に、後述する光センサ部150(図2参照)を動作させるための信号を各光センサ部150に供給する。受光信号処理回路部215は、光センサ部150から出力された受光信号を処理する。
【0026】
画像処理回路部216は、受光信号処理回路部215から供給された処理済信号に基づいて画像データを処理する。画像処理回路部216は、表示部110が有する複数の光センサ部150のそれぞれの受光信号に基づいて画像を特定し、表示部110の表示面を指示する指等の指示物体を識別できた場合には、表示面を指示する指示物体の位置を特定し、特定された位置をタッチ位置情報として図示しない外部回路部に出力する。他方、指示物体の位置が特定できないときには、光センサ部150の感度を補正するための補正信号を表示信号線駆動回路部101に供給する。この補正信号に基づいて、後述する光量調節部82が入射光の光量を絞る絞り量を光量調節部毎に調節する。
【0027】
<1−2:画素部の構成>
次に、液晶装置1の画素部の構成を詳細に説明する。図2は、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路である。本図では、TFTアレイ基板上にマトリクス状に配置された複数の画素部のうち実質的に画像の表示に寄与する部分の回路構成と共に光検出回路部250を示している。図3は、画素部の模式的平面図である。図4は、図3のVII−VII´断面図である。図5は、図3のVIII−VIII´断面図である。図6は、図3のIX−IX´断面図である。図7は、図6に示した断面を詳細に示した断面図である。図4〜図7では、各層・各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各層・各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
【0028】
図2において、液晶装置1の画像表示領域10aを構成するマトリクス状に形成された複数の画素部72のそれぞれは、赤色を表示するサブ画素部72R、緑色を表示するサブ画素部72G、および青色を表示するサブ画素部72Bを含んで構成されている。したがって、液晶装置1は、カラー画像を表示可能な表示装置である。画素部72は、画像表示領域10aに形成された光検出回路部250に電気的に接続されている。電気的接続態様については後に詳述する。光検出回路部250は、光センサ部150と光量調節部82とを備えている。サブ画素部72R、72Gおよび72Bのそれぞれは、画素電極9a、TFT30、蓄積容量70、および画素電極9aに挟まれた液晶素子50aを備えている。
【0029】
TFT30は、画素電極9aに電気的に接続されており、液晶装置1の動作時に画素電極9aをスイッチング制御する。画像信号が供給される表示信号線6aは、TFT30のソースに電気的に接続されている。表示信号線6aに書き込む画像信号S1、S2、…は、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数の表示信号線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
【0030】
TFT30のゲートに表示行選択信号線3aが電気的に接続されており、液晶装置1は、所定のタイミングで、表示行選択信号線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…を、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9aは、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、表示信号線6aから供給される画像信号S1、S2、…が所定のタイミングで書き込まれる。画素電極9aを介して液晶素子50aに書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…は、対向基板に形成された対向電極との間で一定期間保持される。
【0031】
画素電極9aに挟まれた液晶素子50aは、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。ノーマリーホワイトモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少し、ノーマリーブラックモードであれば、各サブ画素部の単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加され、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が出射される。蓄積容量70は、画像信号がリークすることを防ぐために、画素電極9aと対向電極との間に形成される液晶素子50aと並列に付加されている。容量電位線300は、蓄積容量70が有する一対の電極のうち固定電位側の電極である。
【0032】
図3に示すように、画素部72は、X方向に沿って配列された3つのサブ画素部72R、72Gおよび72B、ならびに光検出回路部250を有している。サブ画素部72R、72Gおよび72Bサブ画素部のそれぞれは、開口部73R、73Gおよび73Bを有している。液晶装置1の動作時において、開口部73R、73Gおよび73Bのそれぞれから赤色光、緑色光、および青色光のそれぞれが出射されることによって液晶装置1によるカラー画像の表示が可能になる。加えて、サブ画素部72R、72Gおよび72Bのそれぞれは、各サブ画素部をスイッチングするTFT30を有している。
【0033】
光検出回路部250は、調整制御用TFT130、開口部83、およびTFT回路部80を有している。光検出回路部250は、表示面に入射する入射光を検出する。TFT回路部80は、後述するようにリセット用TFT163、電圧増幅用TFT154、および出力制御用TFT155を含んで構成されており、開口部83に臨む受光素子151の動作を制御すると共に、受光素子151が生成する光電流に応じた電圧の変化を読出信号線6a2に供給する。
【0034】
図4〜図7において、液晶装置1は、遮光膜11および153、平坦化膜20aに埋め込まれた3種類のカラーフィルタ154R、154Gおよび154B、液晶素子50b、受光素子151、バックライト206、ならびに、第1偏光板301、第2偏光板302、および第3偏光板を備えている。
バックライト206は、導光板206a、および表示用光源206bを備えて構成されており、図中TFTアレイ基板10の下側に配置されている。
【0035】
表示用光源206bは、画像表示領域10aに画像を表示するための表示用光L1を生成する。表示用光L1は、可視光であり、各サブ画素部の駆動に応じて液晶層50によって変調される。
導光板206aは、例えば、表示用光L1を透過可能なアクリル樹脂で構成されており、表示用光L1を画像表示領域10aに導く。液晶装置1は、画像を表示するために表示用光L1を利用すると共に、指示物体Fを検知するために表示用光L1および外光を利用する。
【0036】
第1偏光板301および第2偏光層302のそれぞれは、光量調節部82の一部を構成しており、図中上下方向に沿って液晶素子50bの両側のそれぞれの側に配置されている。第1偏光層301および第2偏光層302のそれぞれは、各々の光軸が互いに交差するようにクロスニコル配置されている。液晶素子50bは、液晶層50のうち受光素子151に重なる液晶部分と、当該液晶部分を挟持する第1電極159aおよび第2電極21aを有している。
【0037】
光量調節部82は、表示面302sから開口部83に入射する入射光L2の光量を調節する絞り機構として機能する。本実施形態では、後に詳述するように液晶素子50bが有する液晶部分の配向状態を制御可能であるため、入射光L2の光量を光量調節部82毎に独立して調節でき、各画素において液晶層の配向状態を制御することによって表示用光の光強度を制御する場合と同様に、各光センサ部150の受光素子151に入射する入射光L2´の光量を独立して調節できる。
【0038】
したがって、複数の光量調節部82によれば、画像表示領域10aを構成する複数の領域のそれぞれにおいて表示面302sから入射する入射光L2の光量のそれぞれが、各光センサ部150が光量を検出可能な検出可能範囲から外れている場合であっても、光センサ部150毎に、あるいは任意の個数の光センサ部150を一群とする群毎に、各光センサ部150に入射する入射光の光量が検出可能範囲に入るように光量を調節可能である。
【0039】
特に、画像表示領域10aを構成する複数の領域のそれぞれにおいて、指等の指示物体に遮光される外光等の環境の変化に起因して指示物体をその周囲と識別できない場合、より具体的には、例えば外光の光量が強すぎることによって、表示面302sにおいて指示物体の影が投影される領域と、その領域の周囲の領域とのそれぞれに入射する入射光L2の光量が受光素子151による光量の検出可能範囲から外れている場合には、指示物体の影が投影される領域とその領域の周囲の領域とのそれぞれに入射する入射光L2の光量が検出可能範囲にシフトされるように各光量調節部82が光量を調節する。つまり、複数の光量調節部82のそれぞれは、各光センサ部150に入射する入射光L2の光量を互いに独立して調節可能な絞り機構として機能する。
【0040】
このように、液晶装置1によれば、光センサ部150に入射する入射光L2の光量が光センサ部による検出可能範囲から外れている場合でも、当該検出可能範囲に光量が含まれるように入射光L2の光量が調節され、検出可能範囲に光量が調節された入射光L1が光センサ部150に照射されることになる。したがって、光量調節部82によって光量が調節されることなく、入射光L2が光センサ部150にそのまま入射する場合には識別できなかった指示物体を識別でき、表示面302s上の画像表示領域10aにおける指示物体の位置を特定できる。
【0041】
加えて、複数の光量調節部82のそれぞれが互いに独立して光量を調節できるため、外光を含む入射光L2の光強度が画像表示領域10a内の各領域で相互に異なる場合であっても、光センサ部150による検出可能範囲から光量が外れている領域について選択的に光量を調節可能であり、指示物体を検出する検出精度を高めることが可能である。
したがって、液晶装置1は、光学系の途中にメカニカルな絞り機構が設けられたカメラ等の撮像装置と異なり、本来画像を表示するために用いられる液晶層の一部を利用して入射光L2の光量を調節できることから、液晶装置1内に絞り機構を設けるためのスペーサを確保しなくても入射光L2の光量を調節でき、指示物体を検出する検出精度を高めることが可能である。
【0042】
第1電極159aは、TFTアレイ基板10上において画像表示領域10aを構成する複数の画素部72のそれぞれに設けられた複数の画素電極9aと同層に形成されている。したがって、ITO等の透明導電材料によって構成される画素電極9aを形成する工程と共通の工程によって第1電極159aを形成でき、液晶装置1の製造プロセスを簡便にできる。第2電極21aは、対向電極21が受光素子151に重なる部分である。
【0043】
第1偏光層301は、絶縁膜42上に水溶性の二色性染料が溶解された水溶液を一方向に応力を印加しつつ塗布した後、乾燥させることによって形成される。なお、第1偏光層301は、ポリイミド等の透明な有機材料によって形成される配向膜を形成した後に二色性染料を有するサーモトロピック高分子液晶を所定の膜厚で塗布することによって形成されていてもよい。このような場合、二色性染料を有するサーモトロピック高分子液晶は、スピンナーを用いて塗布される。
【0044】
第1偏光層301および第2偏光層302のそれぞれは、画素電極9aに重なるように延びている。第1偏光層301および第2偏光層302のうち各画素電極9aに重なる部分が画像表示領域10aにおいて変調される表示用光L1のうち直線偏光成分を選択的に透過させる偏光板として機能する。したがって、第1偏光層301および第2偏光層302を形成する工程と共通の工程によって、画像を表示するための表示用光L2の透過量を規定する偏光板を形成でき、第1偏光層301および第2偏光層302を形成する工程とは別の工程によって偏光板を形成する場合より製造プロセスを簡便にできる。
【0045】
液晶装置1は、第1偏光層301の光軸に沿って延びる光軸を有しており、光センサ部150から見てTFTアレイ基板10側において画素電極9aに重なるように延びる第3偏光層303を備えている。第3偏光層303によれば、第1偏光層301のうち画素電極9aに重なる部分と共に、各画素に入射する表示用光L1を確実に直線偏光させることが可能である。
なお、第2偏光層302および第3偏光層303は、延伸されたPVA(ポリビニルアルコール)膜をTAC(トリアセチルセルロース)で構成された保護フィルムによって挟み込んで構成されている。
【0046】
図4〜図6において、開口部73Rは、表示用光L1が液晶層50によって変調された変調光のうち赤色光を透過可能なカラーフィルタ154Rを介して赤色光L1Rを表示する。開口部73Gおよび73Bのそれぞれは、開口部73Rと同様に、カラーフィルタ154Gおよび154Bのそれぞれを介して緑色光LG1および青色光LB1のそれぞれを表示する。
受光素子151は、平面的に見て開口部83に臨むようにTFTアレイ基板10上に形成されている。受光素子151は、TFTアレイ基板10上に形成された絶縁膜41上に形成され、絶縁膜42に覆われている。
【0047】
受光素子151は、例えば、TFT回路部80が有するTFT等の半導体素子を形成する工程と共通の工程によって形成された結晶性シリコン、あるいはGaAs等の半導体を用いたPINダイオード、又はPbSを用いた光電動素子等の受光素子である。受光素子151は、光量調節部82によって入射光L2の光量が調節された入射光L2´を検出する。
図4および図5に示すように、遮光膜153は、開口領域の縁の少なくとも一部を規定する、いわゆるブラックマトリクスである。したがって、遮光膜153によれば、非開口領域に形成された画素スイッチング用TFT30等の半導体素子、およびTFT回路部80に表示面302s側から可視光L2が照射されることを低減でき、TFT30およびTFT回路部80に含まれる半導体素子に発生する光リーク電流を低減できる。
【0048】
図3〜図6に示すように、光量調節部82は、TFTアレイ基板10上において、画素部72の開口領域を互いに隔てる非開口領域に形成されている。また、液晶装置1では、開口部73R、73Gおよび73Bから表示用光L1R、L1GおよびL1Bのそれぞれが出射される。したがって、液晶装置1によれば、光量調節部82によって表示用光LR1、LG1およびLB1が遮られることがない。
【0049】
液晶装置1は、TFTアレイ基板10上において受光素子151の下層側に形成された遮光膜11を備えている。遮光膜11は、金属膜等の遮光性を有する材料から構成されており、バックライト206から出射された可視光L1が受光素子151に照射されないように、これら光を遮光する。したがって、遮光膜11によれば、表示用光L1が照射されることに起因して生じる受光素子151の誤動作を低減できる。このような遮光膜11は、TFTアレイ基板10上に形成された他の素子の一部、あるいは配線を構成する導電膜等の遮光性を有する膜と同層に共通の工程を用いて形成可能である。
【0050】
加えて、遮光膜11は、TFT回路部80および画素スイッチング用TFT30に重なるようにTFTアレイ基板10上に延びている。したがって、遮光膜11によれば、画素スイッチング用TFT30、およびTFT回路部80を遮光することもでき、TFT30およびTTF回路部80の誤動作を低減することも可能である。
次に、図7を参照しながら、光検出回路部250の詳細な構成を説明する。図7において、調節制御用TFT130は、半導体層1a、コンタクトホール181および182、ソース電極91、ドレイン電極92、並びにゲート電極3a1を有している。
【0051】
半導体層1aは、例えば低温ポリシリコン層であり、ゲート電極3a1に重なるチャネル領域1a´、ソース領域1b´、およびドレイン領域1c´を含んでいる。チャネル領域1a´には、TFT89の動作時に、表示行選択信号線3aに電気的に接続されたゲート電極3a1からの電界によりチャネルが形成される。絶縁膜42の一部を構成する絶縁膜42aのうちゲート電極3a1および半導体層1a間に延びる部分は、調節制御用TFT130のゲート絶縁膜を構成している。ソース領域1b´およびドレイン領域1c´のそれぞれは、チャネル領域1a´の両側のそれぞれにミラー対称に形成されている。
【0052】
ゲート電極3a1は、ポリシリコン膜等の導電膜や、例えば、Ti、Cr、W、Ta、Mo、Pd、Al等の金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの等によって形成されており、ソース領域1b´およびドレイン領域1c´に重ならないように絶縁膜42aを介してチャネル領域1a´上に設けられている。
なお、調節制御用TFT130は、ソース領域1b´およびドレイン領域1c´のそれぞれに低濃度ソース領域および低濃度ドレイン領域のそれぞれが形成されたLDD(Lightly Doped Drain)構造を有していてもよい。
【0053】
コンタクトホール181および182のそれぞれは、絶縁膜42を構成する絶縁膜42a、および42bを半導体層1aまで貫通するように形成されており、ソース領域1b´およびドレイン領域1c´のそれぞれに電気的に接続されている。ソース電極91およびドレイン電極92のそれぞれは、絶縁膜42b上に形成され、かつコンタクトホール181および182のそれぞれに電気的に接続されている。ソース電極91およびドレイン電極92のそれぞれは、絶縁膜42cに覆われており、ドレイン電極92は、コンタクトホールを介して第1電極159aに電気的に接続されている。
【0054】
受光素子151は、半導体層150a、コンタクトホール183および184、電極93、および電極94を有している。半導体層150aは、絶縁膜41上に形成されたN型半導体層150b´およびP型半導体層150c´、これら半導体層間に形成され、かつこれら半導体層より相対的に電気抵抗が大きい中間層150a´を有している。コンタクトホール183および184は、絶縁膜42a、42bを半導体層150aまで貫通するように形成されており、N型半導体層150b´およびP型半導体層150c´のそれぞれに電気的に接続されている。電極93および電極94のそれぞれは、絶縁膜42b上に形成されており、コンタクトホール183および184のそれぞれに電気的に接続されている。
【0055】
外光と、表示用光LR1、LG1およびLB1が指示物体によって反射された反射光L2が半導体層150aに照射された際には、照射された光の光強度に応じて受光素子151に電流が流れる。図1に示した受光信号処理回路部215によって処理される受光信号は、受光素子151に流れる光電流に応じた発生する電圧変化に対応した信号である。受光信号処理回路部215、および画像処理回路部216によって受光信号が順次処理されることによって、表示面302sを指示する指示物体の位置等が特定でき、指示物体を介して液晶装置1に対する各種情報を入力が可能になる。
【0056】
TFT回路部80に含まれるリセット用TFT163は、チャネル領域160a´、ソース領域160b´およびドレイン領域160c´を含む半導体層160a、コンタクトホール161および162、ソース電極164およびドレイン電極165、ならびにゲート電極163aを備えて構成されている。リセット用TFT163は、不図示の配線を介して受光素子151に電気的に接続されている。
【0057】
次に図8を参照しながら、光検出回路部250の詳細な回路構成を説明する。まず、簡単のため、光検出回路部250用の信号線・電源線(光センサリセット信号線350、光センサ第1電源線351、光センサ第2電源線352、光センサ行選択信号線353)を設けて、光検出回路部250を画素部72と独立に制御可能な場合を説明する。ただし、表示行選択信号線3aおよび容量電位線300は、画素部72と共用している。
【0058】
図8において、光検出回路部250は、光量調節部82および光センサ部150を備えている。光量調節部82は、液晶素子50b、調整制御TFT130、および蓄積容量170を備えて構成されている。光量調節部82は、複数の光検出回路部250のそれぞれに含まれており、センサ感度調整回路部205の制御下において、画像表示領域10aにおいて互いに独立してその動作が制御される。
液晶素子50bは、調整制御TFT130および蓄積容量170のそれぞれに電気的に接続されており、液晶素子50bが有する液晶部分の配向状態が調整制御TFT130によって制御され、光センサ部150に入射する入射光の光量を調節する。蓄積容量170が有する一対の容量電極の一方は、容量電位線300に電気的に接続されている。
【0059】
調整制御TFT130のゲートおよびソースのそれぞれは、表示行選択信号線3aおよび光量調節信号線6a1のそれぞれに電気的に接続されている。調節制御TFT130は、表示行選択信号線3aを介して供給された選択信号が供給されることによってそのオンオフが切り換え可能に構成されている。調整制御TFT130は、そのオンオフに応じて光量調節信号線6a1を介して供給された調節信号を液晶素子50bに供給する。液晶素子50bは、調節信号に応じて液晶部分の配向状態が制御されることによって光センサ部150に入射する入射光の光量を調節する。
【0060】
光センサ部150は、フォトダイオード等の受光素子151、蓄積容量152、リセットTFT163、信号増幅用TFT154、および出力制御用TFT155を備えて構成されている。
受光素子151は、画像表示領域10aにおいて液晶装置1の表示面302sから入射する入射光L2のうち光量調節部82によって光量が調節された入射光L2´(図4〜図6参照。)を受光する。リセット用TFT163のソース、ゲートおよびドレインのそれぞれは、受光素子151、光センサリセット信号線350、および信号増幅用TFT154のそれぞれに電気的に接続されている。信号増幅用TFT154のソース、ゲートおよびドレインのそれぞれは、光センサ第1電源線351、受光素子151、および出力制御用TFT155のそれぞれに電気的に接続されている。出力制御用TFT155のソース、ゲートおよびドレインのそれぞれは、信号増幅用TFT154、光センサ行選択信号線353、および読出信号線6a2のそれぞれに電気的に接続されている。
【0061】
受光素子151が入射光を受光した際には、受光素子151に光電流が生じ、リセット用TFT163、電圧増幅用TFT154、および出力制御用TFT155のそれぞれの動作に応じて、受光素子151に電気的に接続された光センサ第2電源線352およびノードa間の電圧Vに対応した信号が読出信号線6a2に読み出される。
このように、光検出回路部250を備えた液晶装置1は、光量調節部82が光センサ部150の感度調整を行なっているため、位置検出時の誤動作を防ぐことができ、精度を高めることができる。
【0062】
しかしながら、光検出回路部250を備えることにより、信号線の数が増えるという問題がある。すなわち、従来、画素部72の制御に必要であった表示行選択信号線3aと容量電位線300とに加え、図8に示すように、1走査線毎に光センサリセット信号線350、光センサ第1電源線351、光センサ第2電源線352、光センサ行選択信号線353を新たに設ける必要がある。これらの配線のための領域を確保すると、液晶装置1の画素部72の開口率が低下することになる。開口率の低下をカバーするためにバックライトの光量を増やすと消費電力が増加したり、光センサ部150における迷光が増加し、位置検出の際のノイズ成分となり好ましくない。
そこで、本実施形態では、光検出回路部250と画素部72とで信号線を共有することにより、信号線の本数を減らし、開口率の低下を防ぐようにする。以下、具体的な実施例について説明する。
【0063】
<2−1:第1実施例>
第1実施例では、表示行選択信号線3aを光センサリセット信号線としても用いることにより、光センサリセット信号線350を省いた構成としている。図9は、第1実施例の構成を示す回路図である。本図に示すように、第1実施例では、光センサ部150において、リセット用TFT163のゲートを表示行選択信号線3aに接続し、光センサリセット信号線350を省いた以外は、図8と同じ構成をしている。
【0064】
図10は、第1実施例における光検出処理の手順を示すタイミングチャートである。なお、光検出処理では、光センサ部150をリセットして基準となる基準受光信号の読出しと、露光期間(Wexp)後に計測受光信号の読出しとの2回の光検出を行ない、計測受光信号と基準受光信号との差分を検出対象の受光信号として取り扱う。なお、計測受光信号と基準受光信号とは電圧の形式で与えられてもよいし、電流の形式で与えられてもよい。
【0065】
本タイミングチャートでは、表示行選択信号(光センサリセット信号)をアサートして画素部72へ画像信号を書き込んでから、光センサ行選択信号をアサートして光センサ部150をリセットし、光センサ部150からノードAの電圧Vrefに応じた基準受光信号を読み出す。1行選択期間Wsel経過後に、表示行選択信号(光センサリセット信号)をネゲートして、露光を開始し、露光期間Wexp経過後にノードAの電圧Vsigに応じた計測受光信号を読み出す。そして、光センサ行選択信号をネゲートして1サイクルを終了する。
【0066】
図中のノードAの電圧の時間変化を追いながらさらに詳しく説明する。対象となる表示行選択信号線3aに供給される表示行選択信号(光センサリセット信号)がアサートされるとリセット用TFT163がオン状態になり、ノードAの電圧は光センサ第1電源線351の電圧になる。さらに、光センサ行選択信号線353に供給される光センサ行選択信号がアサートされると電圧増幅用TFT154を介することで一定のオフセット電圧を伴って読出信号線6a2に、電圧Vrefに応じたリファレンスとなる基準受光信号が読み出される。
【0067】
表示行選択信号線3aに供給される表示行選択信号(光センサリセット信号)がネゲートされ、リセット用TFT163がオフ状態になると、受光素子151には受光した光の強度に応じた電流が流れノードAの電圧は光センサ第2電源線352の電圧に向かって変化する。所定の露光期間Wexpを経た後、ノードAの電圧Vsigは計測受光信号として読出信号線6a2に読み出される。図示しない周辺回路は計測受光信号と基準受光信号との差分を受光した強度に応じた受光信号として処理する。
【0068】
図11は、第1実施例における光検出処理の手順の別例を示すタイミングチャートである。本別例では、まず、光センサ行選択信号をアサートして光センサ部150から電圧Vsigに応じた計測受光信号を読み出す。その後、表示行選択信号(光センサリセット信号)をアサートして画素部72へ画像信号を書き込むとともに光センサ部150をリセットして、電圧Vrefに対応する基準受光信号を読み出す。1行選択期間Wsel経過後に、表示行選択信号(光センサリセット信号)をネゲートして、露光が開始される。露光中は、ノードAの電位が光センサ第2電源線352の電圧に向かって変化していき、次のサイクルの読み出しタイミングTvsigで電圧Vsigに応じた計測受光信号が読み出される。このため、露光期間Wexpは、およそ垂直走査期間と等しくなる。
【0069】
いずれの例とも露光期間Wexpにおける受光によるノードAの電圧変化量が適切な値のときに、受光強度に応じた受光信号が得られる。ノードAの電圧変化量が非常に小さい場合はさまざまなノイズと区別がつかなくなってしまい、逆に、ノードAの電圧変化量が大きすぎて光センサ第2電源線352の電圧を超えてしまうと受光信号は受光強度と対応しなくなる。
【0070】
このため、一般に、光強度が大きい時は、露光期間Wexpが短い図10に示した手順が適切で、光強度が小さい時は、露光期間Wexpが長い図11に示した手順が適切であると考えられるが、本実施例では、表示行選択信号を光センサリセット信号としても用いているため、光センサ部150における露光期間Wexpは、画素部72の表示のタイミングに規制される。このため、露光期間Wexpを自由に設定することはできない。
【0071】
しかしながら、本実施例では、さらに、光量調節部82が光センサ部150の感度調整を行なっているため、露光期間Wexp設定の自由度が低くても、ノードAの電圧変化量を適切な値とすることができ、受光強度に応じた受光信号が得られる。したがって、信号線数を削減しても、位置検出時の誤動作を防ぐことができ、精度を高めることができる。
【0072】
(変形例1)
図12は、第1実施例の変形例1を示す回路図である。本変形例では、さらに、容量電位線300を光センサ第2電源線としても用いることにより、光センサリセット信号線350に加え、光センサ第2電源線352を省いた構成としている。これにより、さらに開口率の低下を防ぐことができる。なお、光検出手順は、第1実施例と同様である。
【0073】
(変形例2)
図13は、第1実施例の変形例2を示す回路図である。本変形例では、さらに、容量電位線300を光センサ第1電源線としても用いることにより、光センサリセット信号線350に加え、光センサ第1電源線351を省いた構成としている。これにより、さらに開口率の低下を防ぐことができる。なお、光検出手順は、第1実施例と同様である。
【0074】
<2−2:第2実施例>
第2実施例では、表示行選択信号線3aを光センサ行選択信号線としても用いることにより、光センサ行選択信号線353を省いた構成としている。図14は、第2実施例の構成を示す回路図である。本図に示すように、第2実施例では、光センサ部150において、出力制御用TFT155のゲートを表示行選択信号線3aに接続し、光センサ行選択信号線353を省いた以外は、図8と同じ構成をしている。
【0075】
図15は、第2実施例における光検出処理の手順を示すタイミングチャートである。本タイミングチャートでは、表示行選択信号(光センサ行選択信号)と光センサリセット信号とをアサートして、画素部72へ画像信号を書き込むとともに光センサ部150をリセットする。その後、電圧Vrefに応じた基準受光信号を読み出してから、光センサリセット信号をネゲートして、露光を開始し、露光期間Wexp経過後に電圧Vsigに応じた計測受光信号を読み出す。そして、表示行選択信号(光センサ行選択信号)をネゲートして1サイクルを終了する。
【0076】
図中のノードAの電圧の時間変化を追いながらさらに詳しく説明する。対象となる表示行選択信号線3aに供給される表示行選択信号(光センサ行選択信号)がアサートされると出力制御用TFT155がオン状態になる。また、光センサリセット信号線350に供給される光センサリセット信号がアサートされると、ノードAの電圧は、光センサ第1電源線351の電圧になる。このノードAの電圧Vrefは、増幅用TFT154を介することで一定のオフセット電圧を伴って読出信号線6a2に、リファレンスとなる基準受光信号として読み出される。
【0077】
光センサリセット信号がネゲートされ、リセット用TFT163がオフ状態になると、受光素子151には受光した光の強度に応じた電流が流れノードAの電圧は光センサ第2電源線352の電圧に向かって変化する。1行選択期間Wselが終了する前に終了する所定の露光期間Wexpを経た後、ノードAの電圧Vsigに対応する計測受光信号が読出信号線6a2に読み出される。図示しない周辺回路は計測受光信号と基準受光信号との差分を受光した強度に応じた受光信号として処理する。
【0078】
図16は、第2実施例における光検出処理の手順の別例を示すタイミングチャートである。本別例では、表示行選択信号(光センサ行選択信号)をアサートして光センサ部150から電圧Vsigに応じた計測受光信号を読み出す。その後、光センサリセット信号をアサートして光センサ部150をリセットして、電圧Vrefに応じた基準受光信号を読み出す。1行選択期間Wsel経過後に、光センサリセット信号をネゲートして、露光が開始される。露光中は、ノードAの電位が光センサ第2電源線352の電圧に向かって変化していき、次のサイクルの読み出しタイミングTvsigで電圧Vsigが計測受光信号として読み出される。このため、露光期間Wexpは、およそ垂直走査期間と等しくなる。
【0079】
いずれの例とも露光期間Wexpにおける受光によるノードAの電圧変化量が適切な値のときに、受光強度に応じた受光信号が得られる。ノードAの電圧変化量が非常に小さい場合はさまざまなノイズと区別がつかなくなってしまい、逆に、ノードAの電圧変化量が大きすぎて光センサ第2電源線352の電圧を超えてしまうと受光信号は受光強度と対応しなくなる。
【0080】
このため、一般に、光強度が大きい時は、露光期間Wexpが短い図15に示した手順が適切で、光強度が小さい時は、露光期間Wexpが長い図16に示した手順が適切であると考えられるが、本実施例では、表示行選択信号を光センサリセット信号としても用いているため、光センサ部150における露光期間Wexpは、画素部72の表示のタイミングに規制される。このため、露光期間Wexpを自由に設定することはできない。
【0081】
しかしながら、本実施例では、さらに、光量調節部82が光センサ部150の感度調整を行なっているため、露光期間Wexp設定の自由度が低くても、ノードAの電圧変化量を適切な値とすることができ、受光強度に応じた受光信号が得られる。したがって、信号線数を削減しても、位置検出時の誤動作を防ぐことができ、精度を高めることができる。
【0082】
(変形例1)
図17は、第2実施例の変形例1を示す回路図である。本変形例では、さらに、容量電位線300を光センサ第2電源線としても用いることにより、光センサ行選択信号線353に加え、光センサ第2電源線352を省いた構成としている。これにより、さらに開口率の低下を防ぐことができる。なお、光検出手順は、第2実施例と同様である。
【0083】
(変形例2)
図18は、第2実施例の変形例2を示す回路図である。本変形例では、さらに、容量電位線300を光センサ第1電源線としても用いることにより、光センサ行選択信号線353に加え、光センサ第1電源線351を省いた構成としている。これにより、さらに開口率の低下を防ぐことができる。なお、光検出手順は、第2実施例と同様である。
【0084】
<2−3:その他の変形例>
(変形例1)
次に、図19を参照しながら、液晶装置1の変形例を詳細に説明する。図19は、液晶装置の変形例における図7に対応する断面図である。なお、以下で説明する各変形例では、上述した液晶装置1と共通する部分に共通の参照符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0085】
図19において、本例に係る液晶装置では、第1偏光層301は第1電極159a上に形成されている。第1偏光層301として二色性染料を有するサーモトロピック高分子液晶を用いた場合の例で、偏光層用配向層301aおよび二色性サーモトロピック高分子液晶層301bが互いに積層された積層構造を有している。液晶層50を制御する電界は第一偏光層301を介して印加される。第1電極159aが形成された後に第1偏光層301が形成されるため、第1偏光層301は第1電極159a形成時の熱の影響を回避できる。このため偏光性を良好に保つことができる。
【0086】
(変形例2)
次に、図20を参照しながら、液晶装置1の他の変形例を説明する。図20は、液晶装置の他の変形例における図7に対応する断面図である。図20において、本例に係る液晶装置が備える第1偏光層301cは、絶縁膜42b上に形成されており、その厚さが1〜5μmに形成され、リセット用TFT163および調節制御用TFT130と、第1電極159aとを相互に隔てる平坦化絶縁層として兼用されている。
【0087】
<3:電子機器>
次に、図21および図22を参照しながら、上述した液晶装置を具備してなる電子機器の実施形態を説明する。図21は、上述した液晶装置が適用されたモバイル型のパーソナルコンピュータの斜視図である。図21において、コンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置を含んでなる液晶表示ユニット1206とから構成されている。液晶表示ユニット1206は、液晶パネル1005の背面にバックライトを付加することにより構成されており、正確に各種情報を入力できるタッチパネル機能を有している。
【0088】
次に、上述した液晶装置を携帯電話に適用した例について説明する。図22は、本実施形態の電子機器の一例である携帯電話の斜視図である。図22において、携帯電話1300は、複数の操作ボタン1302とともに、反射型の表示形式を採用し、かつ上述した液晶装置と同様の構成を有する液晶装置1005を備えている。携帯電話1300によれば、高品位の画像表示が可能であると共に、指等の指示物体によって表示面を介して正確に情報を入力可能である。
【0089】
また、上述した液晶装置をイメージセンサとして用いる場合は、指等の指示物体の表示面における位置を特定するのと同様に、検出対象物が占める表示面における領域部分を他の領域と識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本実施形態に係る液晶装置の主要な回路構成を示したブロック図である。
【図2】本実施形態に係る液晶装置の画像表示領域における等価回路である。
【図3】本実施形態に係る液晶装置が有する画素部の図式的平面図である。
【図4】図3のVII−VII´断面図である。
【図5】図3のVIII−VIII´断面図である。
【図6】図3のIX−IX´断面図である。
【図7】図6に示した断面を詳細に示した断面図である。
【図8】光検出回路部の電気的な構成を示した回路図である。
【図9】第1実施例における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図10】第1実施例における光検出処理のタイミングチャートである。
【図11】第1実施例における光検出処理の別例のタイミングチャートである。
【図12】第1実施例の変形例1における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図13】第1実施例の変形例2における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図14】第2実施例における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図15】第2実施例における光検出処理のタイミングチャートである。
【図16】第2実施例における光検出処理の別例のタイミングチャートである。
【図17】第2実施例の変形例1における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図18】第2実施例の変形例2における光検出回路部の構成を示した回路図である。
【図19】液晶装置の1変形例における図7対応する断面図である。
【図20】液晶装置の他の変形例における図7対応する断面図である。
【図21】本実施形態に係る電子機器の一例を示した斜視図である。
【図22】本実施形態に係る電子機器の他の例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
1…液晶装置、3a…表示行選択信号線、72…画素部、82…光量調節部、150…光センサ部、151…受光素子、250…光検出回路部、300…容量電位線、350…光センサリセット信号線、351…光センサ第1電源線、352…光センサ第2電源線、353…光センサ行選択信号線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行方向に設けれた複数の選択線と、
列方向に設けられた複数の信号線と、
前記選択線と前記信号線との交差に対応して設けられた複数の画素部と、
前記複数の画素部の一部に対応して設けられた複数の光センサ部と、
行方向に設けられた複数の第1電源線と、
列方向に設けられた複数の読出線とを備え、
前記複数の画素部の各々は、
前記選択線を介して供給される選択信号がアサートされると、前記信号線を介して供給される表示信号を取り込む第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子によって取り込まれた前記表示信号に応じた透過状態となる液晶とを備え、
前記複数の画素部の一部は、前記複数の光センサ部に入射する光の光量を調整し、
前記複数の光センサ部の各々は、
受光量に応じた大きさの電流を発生する光電変換素子と、
一端が前記光電変換素子に電気的に接続される容量素子と、
前記第1電源線を介して供給されるリセット電圧で前記容量素子の一端をリセットする第2スイッチング素子と、
前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を前記読出線に出力する読出部とを備え、
前記第2スイッチング素子は、前記選択線を介して供給される前記選択信号に基づいてオン状態またはオフ状態のいずれかに制御される、
ことを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
行方向に設けられた複数の光センサ選択線を備え、
前記読出部は、
前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの前記出力信号を生成するトランジスタと、
前記トランジスタと前記読出線との間に設けられ、前記光センサ選択線に供給される光センサ選択信号がアサートされるとオンする第3スイッチング素子とを備え、
前記選択信号をアサートした後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をネゲートして所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項3】
行方向に設けられた複数の光センサ選択線を備え、
前記読出部は、
前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、
前記トランジスタと前記読出線との間に設けられ、前記光センサ選択線に供給される光センサ選択信号がアサートされるとオン状態になる第3スイッチング素子とを備え、
前記選択信号をアサートからネゲートに切り替えて、所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項4】
行方向に設けれた複数の選択線と、
列方向に設けられた複数の信号線と、
前記選択線と前記信号線との交差に対応して設けられた複数の画素部と、
前記複数の画素部の一部に対応して設けられた複数の光センサ部と、
行方向に設けられた複数の第1電源線と、
列方向に設けられた複数の読出線とを備え、
前記複数の画素部の各々は、
前記選択線を介して供給される選択信号がアサートされると、前記信号線を介して供給される表示信号を取り込む第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子によって取り込まれた前記表示信号に応じた透過状態となる液晶とを備え、
前記複数の画素部の一部は、前記複数の光センサ部に入射する光の光量を調整し、
前記複数の光センサ部の各々は、
受光量に応じた大きさの電流を発生する光電変換素子と、
一端が前記光電変換素子に電気的に接続される容量素子と、
前記第1電源線を介して供給されるリセット電圧で前記容量素子の一端をリセットする第2スイッチング素子と、
前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、
前記トランジスタと前記読出線との間に設けられた第3スイッチング素子とを備え、
前記第3スイッチング素子は、前記選択線を介して供給される前記選択信号に基づいてオン状態またはオフ状態のいずれかに制御される、
ことを特徴とする液晶装置。
【請求項5】
行方向に設けられた複数のリセット信号線を備え、
前記選択信号および前記リセット信号線を介して供給するリセット信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出し、前記リセット信号をネゲートして所定時間が経過した後、前記選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。
【請求項6】
行方向に設けられた複数のリセット信号線を備え、
前記リセット信号線を介して供給するリセット信号をアサートからネゲートに切り替えて、所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。
【請求項7】
請求項2、3、5、又は6のうちいずれか1項に記載の液晶装置であって、前記制御部は、前記基準受光信号と計測受光信号との差分を、検出した受光信号として出力することを特徴とする液晶装置。
【請求項8】
前記複数の画素部の各々は、一端が前記第1スイッチング素子と電気的に接続され、前記表示信号を保持する保持容量素子を備え、
前記保持容量素子の他端は前記第1電源線と電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の液晶装置。
【請求項9】
行方向に設けられた複数の第2電源線を備え、
前記光電変換素子の他端は前記第2電源線と電気的に接続され、
前記複数の画素部の各々は、一端が前記第1スイッチング素子と電気的に接続され、前記表示信号を保持する保持容量素子を備え、
前記保持容量素子の他端は前記第2電源線と電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の液晶装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の液晶装置を備えた電子機器。
【請求項1】
行方向に設けれた複数の選択線と、
列方向に設けられた複数の信号線と、
前記選択線と前記信号線との交差に対応して設けられた複数の画素部と、
前記複数の画素部の一部に対応して設けられた複数の光センサ部と、
行方向に設けられた複数の第1電源線と、
列方向に設けられた複数の読出線とを備え、
前記複数の画素部の各々は、
前記選択線を介して供給される選択信号がアサートされると、前記信号線を介して供給される表示信号を取り込む第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子によって取り込まれた前記表示信号に応じた透過状態となる液晶とを備え、
前記複数の画素部の一部は、前記複数の光センサ部に入射する光の光量を調整し、
前記複数の光センサ部の各々は、
受光量に応じた大きさの電流を発生する光電変換素子と、
一端が前記光電変換素子に電気的に接続される容量素子と、
前記第1電源線を介して供給されるリセット電圧で前記容量素子の一端をリセットする第2スイッチング素子と、
前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を前記読出線に出力する読出部とを備え、
前記第2スイッチング素子は、前記選択線を介して供給される前記選択信号に基づいてオン状態またはオフ状態のいずれかに制御される、
ことを特徴とする液晶装置。
【請求項2】
行方向に設けられた複数の光センサ選択線を備え、
前記読出部は、
前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの前記出力信号を生成するトランジスタと、
前記トランジスタと前記読出線との間に設けられ、前記光センサ選択線に供給される光センサ選択信号がアサートされるとオンする第3スイッチング素子とを備え、
前記選択信号をアサートした後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をネゲートして所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項3】
行方向に設けられた複数の光センサ選択線を備え、
前記読出部は、
前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、
前記トランジスタと前記読出線との間に設けられ、前記光センサ選択線に供給される光センサ選択信号がアサートされるとオン状態になる第3スイッチング素子とを備え、
前記選択信号をアサートからネゲートに切り替えて、所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
【請求項4】
行方向に設けれた複数の選択線と、
列方向に設けられた複数の信号線と、
前記選択線と前記信号線との交差に対応して設けられた複数の画素部と、
前記複数の画素部の一部に対応して設けられた複数の光センサ部と、
行方向に設けられた複数の第1電源線と、
列方向に設けられた複数の読出線とを備え、
前記複数の画素部の各々は、
前記選択線を介して供給される選択信号がアサートされると、前記信号線を介して供給される表示信号を取り込む第1スイッチング素子と、
前記第1スイッチング素子によって取り込まれた前記表示信号に応じた透過状態となる液晶とを備え、
前記複数の画素部の一部は、前記複数の光センサ部に入射する光の光量を調整し、
前記複数の光センサ部の各々は、
受光量に応じた大きさの電流を発生する光電変換素子と、
一端が前記光電変換素子に電気的に接続される容量素子と、
前記第1電源線を介して供給されるリセット電圧で前記容量素子の一端をリセットする第2スイッチング素子と、
前記容量素子の一端の電圧に応じた大きさの出力信号を生成するトランジスタと、
前記トランジスタと前記読出線との間に設けられた第3スイッチング素子とを備え、
前記第3スイッチング素子は、前記選択線を介して供給される前記選択信号に基づいてオン状態またはオフ状態のいずれかに制御される、
ことを特徴とする液晶装置。
【請求項5】
行方向に設けられた複数のリセット信号線を備え、
前記選択信号および前記リセット信号線を介して供給するリセット信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出し、前記リセット信号をネゲートして所定時間が経過した後、前記選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。
【請求項6】
行方向に設けられた複数のリセット信号線を備え、
前記リセット信号線を介して供給するリセット信号をアサートからネゲートに切り替えて、所定時間が経過した後、前記光センサ選択信号をアサートして、前記出力信号として計測受光信号を前記読出線に読み出し、前記選択信号をアサートした後、前記出力信号として基準受光信号を前記読出線に読み出すように前記光センサ部を制御する制御部とを備える、
ことを特徴とする請求項4に記載の液晶装置。
【請求項7】
請求項2、3、5、又は6のうちいずれか1項に記載の液晶装置であって、前記制御部は、前記基準受光信号と計測受光信号との差分を、検出した受光信号として出力することを特徴とする液晶装置。
【請求項8】
前記複数の画素部の各々は、一端が前記第1スイッチング素子と電気的に接続され、前記表示信号を保持する保持容量素子を備え、
前記保持容量素子の他端は前記第1電源線と電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の液晶装置。
【請求項9】
行方向に設けられた複数の第2電源線を備え、
前記光電変換素子の他端は前記第2電源線と電気的に接続され、
前記複数の画素部の各々は、一端が前記第1スイッチング素子と電気的に接続され、前記表示信号を保持する保持容量素子を備え、
前記保持容量素子の他端は前記第2電源線と電気的に接続される、
ことを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の液晶装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のうちいずれか1項に記載の液晶装置を備えた電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−36946(P2009−36946A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−200447(P2007−200447)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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