液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器
【課題】液滴吐出量の測定結果を機能液滴吐出ヘッドの駆動電力に迅速に反映させる。
【解決手段】ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッド17を相対的に移動させながら、機能液滴吐出ヘッド17から機能液を吐出して描画を行う描画手段と、描画手段に隣接して配設され、機能液滴吐出ヘッド17から吐出した機能液の重量から液滴吐出量を測定する重量測定手段51と、重量測定手段51から入力した測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッド17の駆動電力を制御する制御手段5とを備えた。
【解決手段】ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッド17を相対的に移動させながら、機能液滴吐出ヘッド17から機能液を吐出して描画を行う描画手段と、描画手段に隣接して配設され、機能液滴吐出ヘッド17から吐出した機能液の重量から液滴吐出量を測定する重量測定手段51と、重量測定手段51から入力した測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッド17の駆動電力を制御する制御手段5とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して描画を行う液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワーク(基板)に対し、機能液滴吐出ヘッドを相対的に移動させながら、機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して描画を行う描画手段(吐出手段)と、描画手段に隣接して配設され、機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液の重量から液滴吐出量を測定する重量測定装置とを備え、重量測定装置の測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を調整し、描画を行う液滴吐出装置が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−177262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしならが、従来の液滴吐出装置では、ユーザが、測定結果に基づいて駆動電力を調整していた。このため、測定結果を駆動電力に反映させるためには、ユーザによる調整の時間が必要となり、迅速な対応を図ることができなかっら。また、ユーザにとっては、調整作業が面倒であった。
【0004】
本発明は、液滴吐出量の測定結果を機能液滴吐出ヘッドの駆動電力に迅速に反映させることができる液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の液滴吐出装置は、ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを相対的に移動させながら、機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して描画を行う描画手段と、描画手段に隣接して配設され、機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液の重量から液滴吐出量を測定する重量測定手段と、重量測定手段から入力した測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、ユーザではなく、重量測定手段から入力した測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御する。このため、ユーザが測定結果に基づいて駆動電力を調整する構成に比べ、液滴吐出量の測定結果を機能液滴吐出ヘッドの駆動電力に迅速に反映させることができる。
【0007】
この場合、描画手段は、ワークを搭載すると共に当該ワークをX軸方向に移動させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共に機能液滴吐出ヘッドをY軸方向に移動させるY軸テーブルと、を有しており、Y軸方向における機能液滴吐出ヘッドの移動軌跡上に配設され、機能液滴吐出ヘッドを吸引およびワイピングするクリーニング手段、をさらに備え、重量測定手段は、機能液滴吐出ヘッドの移動軌跡上において、X軸テーブルとクリーニング手段との間に配設されていることが好ましい。
【0008】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッド(の吐出ノズル)を、クリーニング手段によりクリーニングしてから、重量測定手段に臨ませることができる。このため、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良による重量測定不能や重量測定不良を、有効に防止することができる。また、吸引・ワイピング、重量測定および描画から成る一連の工程のタクトタイムを短縮することができる。
【0009】
この場合、機能液滴吐出ヘッドが複数設けられており、重量測定手段は、任意の1の機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液を受ける容器と、容器内の機能液の重量を測定する電子天秤と、容器の周囲に配設され、1の機能液滴吐出ヘッドから容器に対する測定吐出の際に他の機能液吐出ヘッドからの捨て吐出を受けるフラッシングボックスと、を有していることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、複数の機能液滴吐出ヘッドを設けたがために、1の機能液滴吐出ヘッドが測定吐出を行っている際に、その他の機能液滴吐出ヘッドはその測定吐出が終わるのを待つことになるが、その「待ち」状態の機能液滴吐出ヘッドに捨て吐出を行わせることができる。このため、「待ち」状態の間にノズルが乾燥することなく、「待ち」状態後に測定吐出を良好に行うことができ、適切な測定結果を得ることができる。
【0011】
この場合、複数の機能液滴吐出ヘッドは、X軸方向に並んでヘッド群を構成しており、重量測定手段をX軸方向に移動させるサブテーブルを、さらに備えたことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、複数の機能液滴吐出ヘッドを備えた場合に、各機能液滴吐出ヘッドを重量測定手段に順に臨ませる動作を、容易に行うことができる。
【0013】
この場合、サブテーブルの移動軌跡上に配設され、電子天秤による重量測定時に容器の上部空間を覆う防風カバーを、さらに備えたことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、重量測定時に、サブテーブルにより重量測定手段を防風カバーの下に移動させることで、電子天秤は、気流の影響を受けることなく、正確に重量測定を行うことができる。
【0015】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液による成膜部を形成することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0017】
これらの構成によれば、液滴吐出量の測定結果を機能液滴吐出ヘッドの駆動電力に迅速に反映させることができる液滴吐出装置を用いたことで、高品質な電気光学装置を効率良く製造することができる。なお、電気光学装置(フラットパネルディスプレイ:FPD)としては、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置、電子放出装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0018】
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または上記した電気光学装置を、搭載したことを特徴とする。
【0019】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータのほか、各種の電気製品がこれに該当する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態に係る液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれており、例えば特殊なインクや発光性の樹脂液である機能液を導入した機能液滴吐出ヘッドを用い、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成(インクジェット法による印刷)するものである。
【0021】
図1および図2に示すように、液滴吐出装置1は、複数の機能液滴吐出ヘッド17を搭載した描画装置2と、Y軸方向に延在するクリーニング装置3と、描画装置2とクリーニング装置3との間に設けられた重量測定ユニット4と、制御装置5(図8参照)とを備えている。制御装置5は、例えばPLCで構成され、CPUやメモリ等を有している。この液滴吐出装置1は、例えばドライエアの雰囲気を形成可能なチャンバルーム(図示省略)に収容されている。
【0022】
描画装置2は、X軸支持ベース10(石定盤)上に設置されたX軸テーブル11と、X軸方向に直交するY軸テーブル12と、Y軸テーブル12に移動自在に吊設された複数(10個)のキャリッジ13とを有している。
【0023】
X軸テーブル11は、基板Wを搭載するセットテーブル21と、セットテーブル21をスライド自在に支持するX軸スライダ22と、X軸スライダ22をX軸方向に移動させるX軸移動機構23(リニアモータ)とを有している。X軸移動機構23により、機能液滴吐出ヘッド17に対し、X軸スライダ22を介してセットテーブル21(基板W)をX軸方向に往復移動させることができる。
【0024】
なお、X軸テーブル11は、後述する検査ステージ43および定期フラッシングユニット45をスライド自在に支持するメンテナンス用スライダ24をさらに有している。X軸スライダ22とメンテナンス用スライダ24とは、個別に移動可能である。
【0025】
Y軸テーブル12は、支柱31に支持されており、X軸テーブル11およびクリーニング装置3を跨ぐように延在している。Y軸テーブル12は、各キャリッジ13を吊設した複数(10個)のブリッジプレート32と、各ブリッジプレート32の両端部をスライド自在に支持する一対複数組(10組)のY軸スライダ33と、各Y軸スライダ33をY軸方向に移動させる一対のY軸移動機構34(リニアモータ)とを有している。一対のY軸移動機構34により、各組のY軸スライダ33を介して複数のキャリッジ13をY軸方向に個別に移動させることができる。すなわち、Y軸テーブル12は、各キャリッジ13を、X軸テーブル11、重量測定ユニット4、およびクリーニング装置3の各ユニット(後述する)間で移動させている。
【0026】
図3に示すように、各キャリッジ13は、キャリッジプレート36を介して、複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド17を搭載している。12個の機能液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向に2群に分かれ、6個ずつX軸方向に並んでヘッド群16を構成している。そして、複数のキャリッジに搭載された全機能液滴吐出ヘッド17(12×10個)により、Y軸方向に連続する描画ラインを形成している。この描画ラインの長さは、セットテーブル21に搭載可能な最大サイズの基板Wの幅に対応している。
【0027】
各機能液滴吐出ヘッド17は、図示しない機能液パック等から機能液が供給され、インクジェット方式(例えば圧電素子駆動)で機能液を吐出するものである。そして、後述するヘッドドライバ38(図8参照)から駆動電力を印加することにより、複数のノズル(例えば180個×2列)から機能液が吐出される。この駆動電力は、制御装置5により、後述する重量測定装置51から入力した測定結果に基づいて、制御されるようになっている(詳細は後述する)。
【0028】
このように構成された描画装置2は、制御装置5による制御を受けながら、基板W上に機能液を吐出して描画を行う。すなわち、描画装置2は、X軸テーブル11により、機能液滴吐出ヘッド17に対して基板Wを往復動させると共に、これに同期して機能液滴吐出ヘッド17を駆動して、基板Wに対する描画動作を行う。
【0029】
図1および図2に示すように、クリーニング装置3は、X軸テーブル11から遠い順に、Y軸方向に並ぶ複数(10個)の吸引ユニット41と、1個のワイピングユニット42とを備えている。複数の吸引ユニット41とワイピングユニット42とは、Y軸テーブル12による機能液滴吐出ヘッド17の移動軌跡上に設けられており、各ユニットにキャリッジ13を臨ませることができるようになっている。
【0030】
吸引ユニット41は、複数のキャリッジ13に対応して、複数個設けられている。各吸引ユニット41は、各機能液滴吐出ヘッド17のノズル面を封止するヘッドキャップ(図示省略)を介して、機能液滴吐出ヘッド17のノズルから機能液を吸引して、クリーニング動作や機能液の初期充填を行うものである。また、ワイピングユニット42は、クリーニング動作等により機能液が付着して汚れた各機能液滴吐出ヘッド17のノズル面を、キャリッジ13単位で、ワイピングシート42aを用いて拭き取るものである。
【0031】
上述したように、メンテナンス用スライダ24には、検査ステージ43および定期フラッシングユニット45が支持されている。検査ステージ43は、機能液滴吐出ヘッド17の吐出不良の有無を検査するための検査吐出を受けるものである。吐出された検査パターンは、検査用カメラ44で撮像され、制御装置5がこれを画像認識して吐出不良の有無を判断している。また、定期フラッシングユニット45は、基板Wの載換え時等に、機能液滴吐出ヘッド17のノズルが乾燥しないように行う捨て吐出を、受けるためのものである。
【0032】
図4および図5に示すように、重量測定ユニット4は、複数(4個)の重量測定装置51と、複数の重量測定装置51をX軸方向に移動させるサブテーブル52と、サブテーブル52の移動軌跡上に配設された防風カバーを備えている。
【0033】
サブテーブル52は、複数の重量測定装置51を一括して支持する支持フレーム56と、支持フレーム56を介して複数の重量測定装置51をX軸方向にスライド自在に支持する重量測定用スライダ57と、重量測定用スライダ57をX軸方向にスライドさせるモータ駆動の重量測定用移動機構58とを有している。
【0034】
複数の重量測定装置51は、Y軸方向に並設されており、1つの重量測定装置51が1つのヘッド群16に対応している。つまり、4個の重量測定装置51により、2個のキャリッジ13毎に、重量測定を行うようになっている。
【0035】
各重量測定装置51は、ヘッド群16を構成する6個の機能液滴吐出ヘッド17のうち、任意の1の機能液滴吐出ヘッド17から吐出した機能液を受ける容器61と、容器61を介して機能液の重量を測定する電子天秤62(図6参照)と、容器61の周囲に配設されたフラッシングボックス63と、これらを収容支持するケース64とを有している。フラッシングボックス63内には、機能液吸収材65が、その両長辺部を一対の押えプレート66により押え付けた状態で敷設されている。このフラッシングボックス63は、1の機能液滴吐出ヘッド17から容器61に対する測定吐出の際に、他の5個の機能液滴吐出ヘッド17からの捨て吐出を受けるものである。
【0036】
本実施形態では、1の重量測定装置51で6個の機能液滴吐出ヘッド17について測定を行うため、1の機能液滴吐出ヘッド17が測定吐出を行っている際に、その他の5個の機能液滴吐出ヘッド17はその測定吐出が終わるのを待つことになるが、その「待ち」状態の機能液滴吐出ヘッド17に捨て吐出を行わせることができる。このため、「待ち」状態の間にノズルが乾燥することなく、「待ち」状態後に測定吐出を良好に行うことができ、適切な測定結果を得ることができる。
【0037】
図6および図7を参照して、重量測定における一連の動作について説明する。まず、すべてのキャリッジ13が吸引ユニット41に臨んだ状態から、重量測定ユニット4に近い方の2個のキャリッジ13を、Y軸方向に移動させて、ワイピングユニット42によりワイピングを行ったうえで重量測定ユニット4に臨ませる。なお、上記の全キャリッジ13を、吸引ユニット41から検査ステージ43に移動させて検査吐出を行い、検査用カメラ44により全ノズルの正常吐出が確認されてから、2個ずつ重量測定ユニット4に臨ませるようにしていもよい。
【0038】
続いて、サブテーブル52が、各重量測定装置51の容器61を、各ヘッド群16の1番目の機能液滴吐出ヘッド17aに臨ませる。そして、各容器61に対し、各ヘッド群16の1番目の機能液滴吐出ヘッド17aの全ノズルから測定吐出を行う。このとき、各ヘッド群16の2番目から6番目の機能液滴吐出ヘッド17b〜17fは、フラッシングボックス63に対し、捨て吐出を行う(図7(a)参照)。
【0039】
次に、サブテーブル52が、各容器61を防風カバー53の下に移動させる。この状態で、電子天秤62により、液滴吐出量の測定を行う(図7(b)参照)。これによれば、電子天秤は、気流(チャンバルームによるダウンフローや乱流)が防風カバー53により遮断されるため、気流の影響を受けることなく、正確に重量測定を行うことができる。
【0040】
1番目の機能液滴吐出ヘッド17aの液滴吐出量の重量測定後、2番目の機能液滴吐出ヘッド17bを容器61に臨ませ、同様にして、測定吐出を行う(図7(c)参照)。以下同様にして、各ヘッド群16の6個の機能液滴吐出ヘッド17について順に液滴吐出量を測定する。なお、ここでは、各機能液滴吐出ヘッド17の全ノズルからの液滴吐出量を測定したが、これに限定されるものではなく、例えば、ノズル列単位で液滴吐出量を測定してもよく、さらにはノズル単位で液滴吐出量を測定してもよい。
【0041】
図8は、重量測定装置51の測定結果に基づいて機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御することを説明する制御ブロック図である。電子天秤62は、上記したようにして液滴吐出量を測定した測定結果を、制御装置5に出力する。制御装置5は、電子天秤62から入力した測定結果に基づいて、ヘッドドライバ38から機能液滴吐出ヘッド17に印加する駆動電力(電圧値)を制御する。すなわち、重量測定結果が目標範囲内の場合は、電圧値を変更することなく、次の基板Wに対する描画を行う。他方、重量測定結果が目標範囲外の場合は、予め求めた印加電圧値と重量測定値との分解能データに基づいて電圧値を変更する。そして、変更後の電圧値で、再度重量測定を行う。この重量測定および電圧値変更を、重量測定結果が目標の範囲内になるまで、繰り返し行う。
【0042】
以上のように、本実施形態の液滴吐出装置1によれば、ユーザではなく、重量測定装置51から入力した測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッド17の駆動電力を制御する。このため、ユーザが測定結果に基づいて駆動電力を調整する構成に比べ、液滴吐出量の測定結果を機能液滴吐出ヘッド17の駆動電力に迅速に反映させることができる。
【0043】
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
【0044】
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図9は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図10は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図10(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
【0045】
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図10(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図10(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド17により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
【0046】
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
【0047】
次に、着色層形成工程(S103)では、図10(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド17によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド17を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0048】
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図10(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
【0049】
図11は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図10に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
【0051】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図11において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
【0052】
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0053】
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
【0054】
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。
【0055】
図12は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
【0056】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
【0057】
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0058】
図13は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
【0059】
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
【0060】
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
【0061】
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
【0062】
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
【0063】
次に、図14は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
【0064】
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
【0065】
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
【0066】
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
【0067】
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
【0068】
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
【0069】
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
【0070】
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
【0071】
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
【0072】
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
【0073】
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
【0074】
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
【0075】
次に、上記の表示装置600の製造工程を図15〜図23を参照して説明する。
この表示装置600は、図15に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
【0076】
まず、バンク部形成工程(S111)では、図16に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図17に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
【0077】
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
【0078】
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図2に示した液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
【0079】
図18に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド17から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図19に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
【0080】
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
【0081】
そして次に、図20に示すように、各色のうちのいずれか(図20の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
【0082】
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図21に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
【0083】
同様に、機能液滴吐出ヘッド17を用い、図22に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0084】
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
【0085】
対向電極形成工程(S115)では、図23に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
【0086】
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
【0087】
次に、図24は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
【0088】
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
【0089】
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
【0090】
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0091】
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図2に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド17により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
【0092】
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
【0093】
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
【0094】
次に、図25は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
【0095】
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
【0096】
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
【0097】
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0098】
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
【0099】
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図26(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図26(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
【0100】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施形態に係る液滴吐出装置の平面図である。
【図2】液滴吐出装置の側面図である。
【図3】ヘッド群を構成する機能液滴吐出ヘッドの図である。
【図4】重量測定ユニットの平面図である。
【図5】重量測定ユニットの正面図である。
【図6】液滴吐出装置の正面模式図である。
【図7】液滴吐出装置における重量測定の一連の動きを説明する図である。
【図8】重量測定装置の測定結果に基づいて機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御することを説明する制御ブロック図である。
【図9】カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。
【図10】(a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。
【図11】本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図12】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図13】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図14】有機EL装置である表示装置の要部断面図である。
【図15】有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。
【図16】無機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図17】有機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図18】正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。
【図19】正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。
【図20】青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。
【図21】青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図22】各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図23】陰極の形成を説明する工程図である。
【図24】プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。
【図25】電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。
【図26】表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
【符号の説明】
【0102】
1…液滴吐出装置 2…描画装置 3…クリーニング装置 4…重量測定ユニット 5…制御装置 11…X軸テーブル 12…Y軸テーブル 16…ヘッド群 17…機能液滴吐出ヘッド 51…重量測定装置 52…サブテーブル 53…防風カバー 61…容器 62…電子天秤 63…フラッシングボックス W…基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して描画を行う液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワーク(基板)に対し、機能液滴吐出ヘッドを相対的に移動させながら、機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して描画を行う描画手段(吐出手段)と、描画手段に隣接して配設され、機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液の重量から液滴吐出量を測定する重量測定装置とを備え、重量測定装置の測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を調整し、描画を行う液滴吐出装置が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−177262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしならが、従来の液滴吐出装置では、ユーザが、測定結果に基づいて駆動電力を調整していた。このため、測定結果を駆動電力に反映させるためには、ユーザによる調整の時間が必要となり、迅速な対応を図ることができなかっら。また、ユーザにとっては、調整作業が面倒であった。
【0004】
本発明は、液滴吐出量の測定結果を機能液滴吐出ヘッドの駆動電力に迅速に反映させることができる液滴吐出装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置および電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の液滴吐出装置は、ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを相対的に移動させながら、機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して描画を行う描画手段と、描画手段に隣接して配設され、機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液の重量から液滴吐出量を測定する重量測定手段と、重量測定手段から入力した測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、ユーザではなく、重量測定手段から入力した測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御する。このため、ユーザが測定結果に基づいて駆動電力を調整する構成に比べ、液滴吐出量の測定結果を機能液滴吐出ヘッドの駆動電力に迅速に反映させることができる。
【0007】
この場合、描画手段は、ワークを搭載すると共に当該ワークをX軸方向に移動させるX軸テーブルと、機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共に機能液滴吐出ヘッドをY軸方向に移動させるY軸テーブルと、を有しており、Y軸方向における機能液滴吐出ヘッドの移動軌跡上に配設され、機能液滴吐出ヘッドを吸引およびワイピングするクリーニング手段、をさらに備え、重量測定手段は、機能液滴吐出ヘッドの移動軌跡上において、X軸テーブルとクリーニング手段との間に配設されていることが好ましい。
【0008】
この構成によれば、機能液滴吐出ヘッド(の吐出ノズル)を、クリーニング手段によりクリーニングしてから、重量測定手段に臨ませることができる。このため、機能液滴吐出ヘッドの吐出不良による重量測定不能や重量測定不良を、有効に防止することができる。また、吸引・ワイピング、重量測定および描画から成る一連の工程のタクトタイムを短縮することができる。
【0009】
この場合、機能液滴吐出ヘッドが複数設けられており、重量測定手段は、任意の1の機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液を受ける容器と、容器内の機能液の重量を測定する電子天秤と、容器の周囲に配設され、1の機能液滴吐出ヘッドから容器に対する測定吐出の際に他の機能液吐出ヘッドからの捨て吐出を受けるフラッシングボックスと、を有していることが好ましい。
【0010】
この構成によれば、複数の機能液滴吐出ヘッドを設けたがために、1の機能液滴吐出ヘッドが測定吐出を行っている際に、その他の機能液滴吐出ヘッドはその測定吐出が終わるのを待つことになるが、その「待ち」状態の機能液滴吐出ヘッドに捨て吐出を行わせることができる。このため、「待ち」状態の間にノズルが乾燥することなく、「待ち」状態後に測定吐出を良好に行うことができ、適切な測定結果を得ることができる。
【0011】
この場合、複数の機能液滴吐出ヘッドは、X軸方向に並んでヘッド群を構成しており、重量測定手段をX軸方向に移動させるサブテーブルを、さらに備えたことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、複数の機能液滴吐出ヘッドを備えた場合に、各機能液滴吐出ヘッドを重量測定手段に順に臨ませる動作を、容易に行うことができる。
【0013】
この場合、サブテーブルの移動軌跡上に配設され、電子天秤による重量測定時に容器の上部空間を覆う防風カバーを、さらに備えたことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、重量測定時に、サブテーブルにより重量測定手段を防風カバーの下に移動させることで、電子天秤は、気流の影響を受けることなく、正確に重量測定を行うことができる。
【0015】
本発明の電気光学装置の製造方法は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液による成膜部を形成することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の電気光学装置は、上記した液滴吐出装置を用い、ワーク上に機能液による成膜部を形成したことを特徴とする。
【0017】
これらの構成によれば、液滴吐出量の測定結果を機能液滴吐出ヘッドの駆動電力に迅速に反映させることができる液滴吐出装置を用いたことで、高品質な電気光学装置を効率良く製造することができる。なお、電気光学装置(フラットパネルディスプレイ:FPD)としては、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、PDP装置、電子放出装置等が考えられる。なお、電子放出装置は、いわゆるFED(Field Emission Display)やSED(Surface-conduction Electron-Emitter Display)装置を含む概念である。さらに、電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等を包含する装置が考えられる。
【0018】
本発明の電子機器は、上記した電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または上記した電気光学装置を、搭載したことを特徴とする。
【0019】
この場合、電子機器としては、いわゆるフラットパネルディスプレイを搭載した携帯電話、パーソナルコンピュータのほか、各種の電気製品がこれに該当する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。本実施形態に係る液滴吐出装置は、フラットパネルディスプレイの製造ラインに組み込まれており、例えば特殊なインクや発光性の樹脂液である機能液を導入した機能液滴吐出ヘッドを用い、液晶表示装置のカラーフィルタや有機EL装置の各画素となる発光素子等を形成(インクジェット法による印刷)するものである。
【0021】
図1および図2に示すように、液滴吐出装置1は、複数の機能液滴吐出ヘッド17を搭載した描画装置2と、Y軸方向に延在するクリーニング装置3と、描画装置2とクリーニング装置3との間に設けられた重量測定ユニット4と、制御装置5(図8参照)とを備えている。制御装置5は、例えばPLCで構成され、CPUやメモリ等を有している。この液滴吐出装置1は、例えばドライエアの雰囲気を形成可能なチャンバルーム(図示省略)に収容されている。
【0022】
描画装置2は、X軸支持ベース10(石定盤)上に設置されたX軸テーブル11と、X軸方向に直交するY軸テーブル12と、Y軸テーブル12に移動自在に吊設された複数(10個)のキャリッジ13とを有している。
【0023】
X軸テーブル11は、基板Wを搭載するセットテーブル21と、セットテーブル21をスライド自在に支持するX軸スライダ22と、X軸スライダ22をX軸方向に移動させるX軸移動機構23(リニアモータ)とを有している。X軸移動機構23により、機能液滴吐出ヘッド17に対し、X軸スライダ22を介してセットテーブル21(基板W)をX軸方向に往復移動させることができる。
【0024】
なお、X軸テーブル11は、後述する検査ステージ43および定期フラッシングユニット45をスライド自在に支持するメンテナンス用スライダ24をさらに有している。X軸スライダ22とメンテナンス用スライダ24とは、個別に移動可能である。
【0025】
Y軸テーブル12は、支柱31に支持されており、X軸テーブル11およびクリーニング装置3を跨ぐように延在している。Y軸テーブル12は、各キャリッジ13を吊設した複数(10個)のブリッジプレート32と、各ブリッジプレート32の両端部をスライド自在に支持する一対複数組(10組)のY軸スライダ33と、各Y軸スライダ33をY軸方向に移動させる一対のY軸移動機構34(リニアモータ)とを有している。一対のY軸移動機構34により、各組のY軸スライダ33を介して複数のキャリッジ13をY軸方向に個別に移動させることができる。すなわち、Y軸テーブル12は、各キャリッジ13を、X軸テーブル11、重量測定ユニット4、およびクリーニング装置3の各ユニット(後述する)間で移動させている。
【0026】
図3に示すように、各キャリッジ13は、キャリッジプレート36を介して、複数(12個)の機能液滴吐出ヘッド17を搭載している。12個の機能液滴吐出ヘッド17は、Y軸方向に2群に分かれ、6個ずつX軸方向に並んでヘッド群16を構成している。そして、複数のキャリッジに搭載された全機能液滴吐出ヘッド17(12×10個)により、Y軸方向に連続する描画ラインを形成している。この描画ラインの長さは、セットテーブル21に搭載可能な最大サイズの基板Wの幅に対応している。
【0027】
各機能液滴吐出ヘッド17は、図示しない機能液パック等から機能液が供給され、インクジェット方式(例えば圧電素子駆動)で機能液を吐出するものである。そして、後述するヘッドドライバ38(図8参照)から駆動電力を印加することにより、複数のノズル(例えば180個×2列)から機能液が吐出される。この駆動電力は、制御装置5により、後述する重量測定装置51から入力した測定結果に基づいて、制御されるようになっている(詳細は後述する)。
【0028】
このように構成された描画装置2は、制御装置5による制御を受けながら、基板W上に機能液を吐出して描画を行う。すなわち、描画装置2は、X軸テーブル11により、機能液滴吐出ヘッド17に対して基板Wを往復動させると共に、これに同期して機能液滴吐出ヘッド17を駆動して、基板Wに対する描画動作を行う。
【0029】
図1および図2に示すように、クリーニング装置3は、X軸テーブル11から遠い順に、Y軸方向に並ぶ複数(10個)の吸引ユニット41と、1個のワイピングユニット42とを備えている。複数の吸引ユニット41とワイピングユニット42とは、Y軸テーブル12による機能液滴吐出ヘッド17の移動軌跡上に設けられており、各ユニットにキャリッジ13を臨ませることができるようになっている。
【0030】
吸引ユニット41は、複数のキャリッジ13に対応して、複数個設けられている。各吸引ユニット41は、各機能液滴吐出ヘッド17のノズル面を封止するヘッドキャップ(図示省略)を介して、機能液滴吐出ヘッド17のノズルから機能液を吸引して、クリーニング動作や機能液の初期充填を行うものである。また、ワイピングユニット42は、クリーニング動作等により機能液が付着して汚れた各機能液滴吐出ヘッド17のノズル面を、キャリッジ13単位で、ワイピングシート42aを用いて拭き取るものである。
【0031】
上述したように、メンテナンス用スライダ24には、検査ステージ43および定期フラッシングユニット45が支持されている。検査ステージ43は、機能液滴吐出ヘッド17の吐出不良の有無を検査するための検査吐出を受けるものである。吐出された検査パターンは、検査用カメラ44で撮像され、制御装置5がこれを画像認識して吐出不良の有無を判断している。また、定期フラッシングユニット45は、基板Wの載換え時等に、機能液滴吐出ヘッド17のノズルが乾燥しないように行う捨て吐出を、受けるためのものである。
【0032】
図4および図5に示すように、重量測定ユニット4は、複数(4個)の重量測定装置51と、複数の重量測定装置51をX軸方向に移動させるサブテーブル52と、サブテーブル52の移動軌跡上に配設された防風カバーを備えている。
【0033】
サブテーブル52は、複数の重量測定装置51を一括して支持する支持フレーム56と、支持フレーム56を介して複数の重量測定装置51をX軸方向にスライド自在に支持する重量測定用スライダ57と、重量測定用スライダ57をX軸方向にスライドさせるモータ駆動の重量測定用移動機構58とを有している。
【0034】
複数の重量測定装置51は、Y軸方向に並設されており、1つの重量測定装置51が1つのヘッド群16に対応している。つまり、4個の重量測定装置51により、2個のキャリッジ13毎に、重量測定を行うようになっている。
【0035】
各重量測定装置51は、ヘッド群16を構成する6個の機能液滴吐出ヘッド17のうち、任意の1の機能液滴吐出ヘッド17から吐出した機能液を受ける容器61と、容器61を介して機能液の重量を測定する電子天秤62(図6参照)と、容器61の周囲に配設されたフラッシングボックス63と、これらを収容支持するケース64とを有している。フラッシングボックス63内には、機能液吸収材65が、その両長辺部を一対の押えプレート66により押え付けた状態で敷設されている。このフラッシングボックス63は、1の機能液滴吐出ヘッド17から容器61に対する測定吐出の際に、他の5個の機能液滴吐出ヘッド17からの捨て吐出を受けるものである。
【0036】
本実施形態では、1の重量測定装置51で6個の機能液滴吐出ヘッド17について測定を行うため、1の機能液滴吐出ヘッド17が測定吐出を行っている際に、その他の5個の機能液滴吐出ヘッド17はその測定吐出が終わるのを待つことになるが、その「待ち」状態の機能液滴吐出ヘッド17に捨て吐出を行わせることができる。このため、「待ち」状態の間にノズルが乾燥することなく、「待ち」状態後に測定吐出を良好に行うことができ、適切な測定結果を得ることができる。
【0037】
図6および図7を参照して、重量測定における一連の動作について説明する。まず、すべてのキャリッジ13が吸引ユニット41に臨んだ状態から、重量測定ユニット4に近い方の2個のキャリッジ13を、Y軸方向に移動させて、ワイピングユニット42によりワイピングを行ったうえで重量測定ユニット4に臨ませる。なお、上記の全キャリッジ13を、吸引ユニット41から検査ステージ43に移動させて検査吐出を行い、検査用カメラ44により全ノズルの正常吐出が確認されてから、2個ずつ重量測定ユニット4に臨ませるようにしていもよい。
【0038】
続いて、サブテーブル52が、各重量測定装置51の容器61を、各ヘッド群16の1番目の機能液滴吐出ヘッド17aに臨ませる。そして、各容器61に対し、各ヘッド群16の1番目の機能液滴吐出ヘッド17aの全ノズルから測定吐出を行う。このとき、各ヘッド群16の2番目から6番目の機能液滴吐出ヘッド17b〜17fは、フラッシングボックス63に対し、捨て吐出を行う(図7(a)参照)。
【0039】
次に、サブテーブル52が、各容器61を防風カバー53の下に移動させる。この状態で、電子天秤62により、液滴吐出量の測定を行う(図7(b)参照)。これによれば、電子天秤は、気流(チャンバルームによるダウンフローや乱流)が防風カバー53により遮断されるため、気流の影響を受けることなく、正確に重量測定を行うことができる。
【0040】
1番目の機能液滴吐出ヘッド17aの液滴吐出量の重量測定後、2番目の機能液滴吐出ヘッド17bを容器61に臨ませ、同様にして、測定吐出を行う(図7(c)参照)。以下同様にして、各ヘッド群16の6個の機能液滴吐出ヘッド17について順に液滴吐出量を測定する。なお、ここでは、各機能液滴吐出ヘッド17の全ノズルからの液滴吐出量を測定したが、これに限定されるものではなく、例えば、ノズル列単位で液滴吐出量を測定してもよく、さらにはノズル単位で液滴吐出量を測定してもよい。
【0041】
図8は、重量測定装置51の測定結果に基づいて機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御することを説明する制御ブロック図である。電子天秤62は、上記したようにして液滴吐出量を測定した測定結果を、制御装置5に出力する。制御装置5は、電子天秤62から入力した測定結果に基づいて、ヘッドドライバ38から機能液滴吐出ヘッド17に印加する駆動電力(電圧値)を制御する。すなわち、重量測定結果が目標範囲内の場合は、電圧値を変更することなく、次の基板Wに対する描画を行う。他方、重量測定結果が目標範囲外の場合は、予め求めた印加電圧値と重量測定値との分解能データに基づいて電圧値を変更する。そして、変更後の電圧値で、再度重量測定を行う。この重量測定および電圧値変更を、重量測定結果が目標の範囲内になるまで、繰り返し行う。
【0042】
以上のように、本実施形態の液滴吐出装置1によれば、ユーザではなく、重量測定装置51から入力した測定結果に基づいて、機能液滴吐出ヘッド17の駆動電力を制御する。このため、ユーザが測定結果に基づいて駆動電力を調整する構成に比べ、液滴吐出量の測定結果を機能液滴吐出ヘッド17の駆動電力に迅速に反映させることができる。
【0043】
次に、本実施形態の液滴吐出装置1を用いて製造される電気光学装置(フラットパネルディスプレイ)として、カラーフィルタ、液晶表示装置、有機EL装置、プラズマディスプレイ(PDP装置)、電子放出装置(FED装置、SED装置)、さらにこれら表示装置に形成されてなるアクティブマトリクス基板等を例に、これらの構造およびその製造方法について説明する。なお、アクティブマトリクス基板とは、薄膜トランジスタ、および薄膜トランジスタに電気的に接続するソース線、データ線が形成された基板をいう。
【0044】
まず、液晶表示装置や有機EL装置等に組み込まれるカラーフィルタの製造方法について説明する。図9は、カラーフィルタの製造工程を示すフローチャート、図10は、製造工程順に示した本実施形態のカラーフィルタ500(フィルタ基体500A)の模式断面図である。
まず、ブラックマトリクス形成工程(S101)では、図10(a)に示すように、基板(W)501上にブラックマトリクス502を形成する。ブラックマトリクス502は、金属クロム、金属クロムと酸化クロムの積層体、または樹脂ブラック等により形成される。金属薄膜からなるブラックマトリクス502を形成するには、スパッタ法や蒸着法等を用いることができる。また、樹脂薄膜からなるブラックマトリクス502を形成する場合には、グラビア印刷法、フォトレジスト法、熱転写法等を用いることができる。
【0045】
続いて、バンク形成工程(S102)において、ブラックマトリクス502上に重畳する状態でバンク503を形成する。即ち、まず図10(b)に示すように、基板501およびブラックマトリクス502を覆うようにネガ型の透明な感光性樹脂からなるレジスト層504を形成する。そして、その上面をマトリクスパターン形状に形成されたマスクフィルム505で被覆した状態で露光処理を行う。
さらに、図10(c)に示すように、レジスト層504の未露光部分をエッチング処理することによりレジスト層504をパターニングして、バンク503を形成する。なお、樹脂ブラックによりブラックマトリクスを形成する場合は、ブラックマトリクスとバンクとを兼用することが可能となる。
このバンク503とその下のブラックマトリクス502は、各画素領域507aを区画する区画壁部507bとなり、後の着色層形成工程において機能液滴吐出ヘッド17により着色層(成膜部)508R、508G、508Bを形成する際に機能液滴の着弾領域を規定する。
【0046】
以上のブラックマトリクス形成工程およびバンク形成工程を経ることにより、上記フィルタ基体500Aが得られる。
なお、本実施形態においては、バンク503の材料として、塗膜表面が疎液(疎水)性となる樹脂材料を用いている。そして、基板(ガラス基板)501の表面が親液(親水)性であるので、後述する着色層形成工程においてバンク503(区画壁部507b)に囲まれた各画素領域507a内への液滴の着弾位置のばらつきを自動補正できる。
【0047】
次に、着色層形成工程(S103)では、図10(d)に示すように、機能液滴吐出ヘッド17によって機能液滴を吐出して区画壁部507bで囲まれた各画素領域507a内に着弾させる。この場合、機能液滴吐出ヘッド17を用いて、R・G・Bの3色の機能液(フィルタ材料)を導入して、機能液滴の吐出を行う。なお、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0048】
その後、乾燥処理(加熱等の処理)を経て機能液を定着させ、3色の着色層508R、508G、508Bを形成する。着色層508R、508G、508Bを形成したならば、保護膜形成工程(S104)に移り、図10(e)に示すように、基板501、区画壁部507b、および着色層508R、508G、508Bの上面を覆うように保護膜509を形成する。
即ち、基板501の着色層508R、508G、508Bが形成されている面全体に保護膜用塗布液が吐出された後、乾燥処理を経て保護膜509が形成される。
そして、保護膜509を形成した後、カラーフィルタ500は、次工程の透明電極となるITO(Indium Tin Oxide)などの膜付け工程に移行する。
【0049】
図11は、上記のカラーフィルタ500を用いた液晶表示装置の一例としてのパッシブマトリックス型液晶装置(液晶装置)の概略構成を示す要部断面図である。この液晶装置520に、液晶駆動用IC、バックライト、支持体などの付帯要素を装着することによって、最終製品としての透過型液晶表示装置が得られる。なお、カラーフィルタ500は図10に示したものと同一であるので、対応する部位には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0050】
この液晶装置520は、カラーフィルタ500、ガラス基板等からなる対向基板521、および、これらの間に挟持されたSTN(Super Twisted Nematic)液晶組成物からなる液晶層522により概略構成されており、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置している。
なお、図示していないが、対向基板521およびカラーフィルタ500の外面(液晶層522側とは反対側の面)には偏光板がそれぞれ配設され、また対向基板521側に位置する偏光板の外側には、バックライトが配設されている。
【0051】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層側)には、図11において左右方向に長尺な短冊状の第1電極523が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極523のカラーフィルタ500側とは反対側の面を覆うように第1配向膜524が形成されている。
一方、対向基板521におけるカラーフィルタ500と対向する面には、カラーフィルタ500の第1電極523と直交する方向に長尺な短冊状の第2電極526が所定の間隔で複数形成され、この第2電極526の液晶層522側の面を覆うように第2配向膜527が形成されている。これらの第1電極523および第2電極526は、ITOなどの透明導電材料により形成されている。
【0052】
液晶層522内に設けられたスペーサ528は、液晶層522の厚さ(セルギャップ)を一定に保持するための部材である。また、シール材529は液晶層522内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するための部材である。なお、第1電極523の一端部は引き回し配線523aとしてシール材529の外側まで延在している。
そして、第1電極523と第2電極526とが交差する部分が画素であり、この画素となる部分に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0053】
通常の製造工程では、カラーフィルタ500に、第1電極523のパターニングおよび第1配向膜524の塗布を行ってカラーフィルタ500側の部分を作成すると共に、これとは別に対向基板521に、第2電極526のパターニングおよび第2配向膜527の塗布を行って対向基板521側の部分を作成する。その後、対向基板521側の部分にスペーサ528およびシール材529を作り込み、この状態でカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる。次いで、シール材529の注入口から液晶層522を構成する液晶を注入し、注入口を閉止する。その後、両偏光板およびバックライトを積層する。
【0054】
実施形態の液滴吐出装置1は、例えば上記のセルギャップを構成するスペーサ材料(機能液)を塗布すると共に、対向基板521側の部分にカラーフィルタ500側の部分を貼り合わせる前に、シール材529で囲んだ領域に液晶(機能液)を均一に塗布することが可能である。また、上記のシール材529の印刷を、機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。さらに、第1・第2両配向膜524,527の塗布を機能液滴吐出ヘッド17で行うことも可能である。
【0055】
図12は、本実施形態において製造したカラーフィルタ500を用いた液晶装置の第2の例の概略構成を示す要部断面図である。
この液晶装置530が上記液晶装置520と大きく異なる点は、カラーフィルタ500を図中下側(観測者側とは反対側)に配置した点である。
この液晶装置530は、カラーフィルタ500とガラス基板等からなる対向基板531との間にSTN液晶からなる液晶層532が挟持されて概略構成されている。なお、図示していないが、対向基板531およびカラーフィルタ500の外面には偏光板等がそれぞれ配設されている。
【0056】
カラーフィルタ500の保護膜509上(液晶層532側)には、図中奥行き方向に長尺な短冊状の第1電極533が所定の間隔で複数形成されており、この第1電極533の液晶層532側の面を覆うように第1配向膜534が形成されている。
対向基板531のカラーフィルタ500と対向する面上には、カラーフィルタ500側の第1電極533と直交する方向に延在する複数の短冊状の第2電極536が所定の間隔で形成され、この第2電極536の液晶層532側の面を覆うように第2配向膜537が形成されている。
【0057】
液晶層532には、この液晶層532の厚さを一定に保持するためのスペーサ538と、液晶層532内の液晶組成物が外部へ漏出するのを防止するためのシール材539が設けられている。
そして、上記した液晶装置520と同様に、第1電極533と第2電極536との交差する部分が画素であり、この画素となる部位に、カラーフィルタ500の着色層508R、508G、508Bが位置するように構成されている。
【0058】
図13は、本発明を適用したカラーフィルタ500を用いて液晶装置を構成した第3の例を示したもので、透過型のTFT(Thin Film Transistor)型液晶装置の概略構成を示す分解斜視図である。
この液晶装置550は、カラーフィルタ500を図中上側(観測者側)に配置したものである。
【0059】
この液晶装置550は、カラーフィルタ500と、これに対向するように配置された対向基板551と、これらの間に挟持された図示しない液晶層と、カラーフィルタ500の上面側(観測者側)に配置された偏光板555と、対向基板551の下面側に配設された偏光板(図示せず)とにより概略構成されている。
カラーフィルタ500の保護膜509の表面(対向基板551側の面)には液晶駆動用の電極556が形成されている。この電極556は、ITO等の透明導電材料からなり、後述の画素電極560が形成される領域全体を覆う全面電極となっている。また、この電極556の画素電極560とは反対側の面を覆った状態で配向膜557が設けられている。
【0060】
対向基板551のカラーフィルタ500と対向する面には絶縁層558が形成されており、この絶縁層558上には、走査線561および信号線562が互いに直交する状態で形成されている。そして、これらの走査線561と信号線562とに囲まれた領域内には画素電極560が形成されている。なお、実際の液晶装置では、画素電極560上に配向膜が設けられるが、図示を省略している。
【0061】
また、画素電極560の切欠部と走査線561と信号線562とに囲まれた部分には、ソース電極、ドレイン電極、半導体、およびゲート電極とを具備する薄膜トランジスタ563が組み込まれて構成されている。そして、走査線561と信号線562に対する信号の印加によって薄膜トランジスタ563をオン・オフして画素電極560への通電制御を行うことができるように構成されている。
【0062】
なお、上記の各例の液晶装置520,530,550は、透過型の構成としたが、反射層あるいは半透過反射層を設けて、反射型の液晶装置あるいは半透過反射型の液晶装置とすることもできる。
【0063】
次に、図14は、有機EL装置の表示領域(以下、単に表示装置600と称する)の要部断面図である。
【0064】
この表示装置600は、基板(W)601上に、回路素子部602、発光素子部603および陰極604が積層された状態で概略構成されている。
この表示装置600においては、発光素子部603から基板601側に発した光が、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されると共に、発光素子部603から基板601の反対側に発した光が陰極604により反射された後、回路素子部602および基板601を透過して観測者側に出射されるようになっている。
【0065】
回路素子部602と基板601との間にはシリコン酸化膜からなる下地保護膜606が形成され、この下地保護膜606上(発光素子部603側)に多結晶シリコンからなる島状の半導体膜607が形成されている。この半導体膜607の左右の領域には、ソース領域607aおよびドレイン領域607bが高濃度陽イオン打ち込みによりそれぞれ形成されている。そして陽イオンが打ち込まれない中央部がチャネル領域607cとなっている。
【0066】
また、回路素子部602には、下地保護膜606および半導体膜607を覆う透明なゲート絶縁膜608が形成され、このゲート絶縁膜608上の半導体膜607のチャネル領域607cに対応する位置には、例えばAl、Mo、Ta、Ti、W等から構成されるゲート電極609が形成されている。このゲート電極609およびゲート絶縁膜608上には、透明な第1層間絶縁膜611aと第2層間絶縁膜611bが形成されている。また、第1、第2層間絶縁膜611a、611bを貫通して、半導体膜607のソース領域607a、ドレイン領域607bにそれぞれ連通するコンタクトホール612a,612bが形成されている。
【0067】
そして、第2層間絶縁膜611b上には、ITO等からなる透明な画素電極613が所定の形状にパターニングされて形成され、この画素電極613は、コンタクトホール612aを通じてソース領域607aに接続されている。
また、第1層間絶縁膜611a上には電源線614が配設されており、この電源線614は、コンタクトホール612bを通じてドレイン領域607bに接続されている。
【0068】
このように、回路素子部602には、各画素電極613に接続された駆動用の薄膜トランジスタ615がそれぞれ形成されている。
【0069】
上記発光素子部603は、複数の画素電極613上の各々に積層された機能層617と、各画素電極613および機能層617の間に備えられて各機能層617を区画するバンク部618とにより概略構成されている。
これら画素電極613、機能層617、および、機能層617上に配設された陰極604によって発光素子が構成されている。なお、画素電極613は、平面視略矩形状にパターニングされて形成されており、各画素電極613の間にバンク部618が形成されている。
【0070】
バンク部618は、例えばSiO、SiO2、TiO2等の無機材料により形成される無機物バンク層618a(第1バンク層)と、この無機物バンク層618a上に積層され、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱性、耐溶媒性に優れたレジストにより形成される断面台形状の有機物バンク層618b(第2バンク層)とにより構成されている。このバンク部618の一部は、画素電極613の周縁部上に乗上げた状態で形成されている。
そして、各バンク部618の間には、画素電極613に対して上方に向けて次第に拡開した開口部619が形成されている。
【0071】
上記機能層617は、開口部619内において画素電極613上に積層状態で形成された正孔注入/輸送層617aと、この正孔注入/輸送層617a上に形成された発光層617bとにより構成されている。なお、この発光層617bに隣接してその他の機能を有する他の機能層をさらに形成しても良い。例えば、電子輸送層を形成することも可能である。
正孔注入/輸送層617aは、画素電極613側から正孔を輸送して発光層617bに注入する機能を有する。この正孔注入/輸送層617aは、正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物(機能液)を吐出することで形成される。正孔注入/輸送層形成材料としては、公知の材料を用いる。
【0072】
発光層617bは、赤色(R)、緑色(G)、または青色(B)のいずれかに発光するもので、発光層形成材料(発光材料)を含む第2組成物(機能液)を吐出することで形成される。第2組成物の溶媒(非極性溶媒)としては、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な公知の材料を用いることが好ましく、このような非極性溶媒を発光層617bの第2組成物に用いることにより、正孔注入/輸送層617aを再溶解させることなく発光層617bを形成することができる。
【0073】
そして、発光層617bでは、正孔注入/輸送層617aから注入された正孔と、陰極604から注入される電子が発光層で再結合して発光するように構成されている。
【0074】
陰極604は、発光素子部603の全面を覆う状態で形成されており、画素電極613と対になって機能層617に電流を流す役割を果たす。なお、この陰極604の上部には図示しない封止部材が配置される。
【0075】
次に、上記の表示装置600の製造工程を図15〜図23を参照して説明する。
この表示装置600は、図15に示すように、バンク部形成工程(S111)、表面処理工程(S112)、正孔注入/輸送層形成工程(S113)、発光層形成工程(S114)、および対向電極形成工程(S115)を経て製造される。なお、製造工程は例示するものに限られるものではなく必要に応じてその他の工程が除かれる場合、また追加される場合もある。
【0076】
まず、バンク部形成工程(S111)では、図16に示すように、第2層間絶縁膜611b上に無機物バンク層618aを形成する。この無機物バンク層618aは、形成位置に無機物膜を形成した後、この無機物膜をフォトリソグラフィ技術等によりパターニングすることにより形成される。このとき、無機物バンク層618aの一部は画素電極613の周縁部と重なるように形成される。
無機物バンク層618aを形成したならば、図17に示すように、無機物バンク層618a上に有機物バンク層618bを形成する。この有機物バンク層618bも無機物バンク層618aと同様にフォトリソグラフィ技術等によりパターニングして形成される。
このようにしてバンク部618が形成される。また、これに伴い、各バンク部618間には、画素電極613に対して上方に開口した開口部619が形成される。この開口部619は、画素領域を規定する。
【0077】
表面処理工程(S112)では、親液化処理および撥液化処理が行われる。親液化処理を施す領域は、無機物バンク層618aの第1積層部618aaおよび画素電極613の電極面613aであり、これらの領域は、例えば酸素を処理ガスとするプラズマ処理によって親液性に表面処理される。このプラズマ処理は、画素電極613であるITOの洗浄等も兼ねている。
また、撥液化処理は、有機物バンク層618bの壁面618sおよび有機物バンク層618bの上面618tに施され、例えば四フッ化メタンを処理ガスとするプラズマ処理によって表面がフッ化処理(撥液性に処理)される。
この表面処理工程を行うことにより、機能液滴吐出ヘッド17を用いて機能層617を形成する際に、機能液滴を画素領域に、より確実に着弾させることができ、また、画素領域に着弾した機能液滴が開口部619から溢れ出るのを防止することが可能となる。
【0078】
そして、以上の工程を経ることにより、表示装置基体600Aが得られる。この表示装置基体600Aは、図2に示した液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置され、以下の正孔注入/輸送層形成工程(S113)および発光層形成工程(S114)が行われる。
【0079】
図18に示すように、正孔注入/輸送層形成工程(S113)では、機能液滴吐出ヘッド17から正孔注入/輸送層形成材料を含む第1組成物を画素領域である各開口部619内に吐出する。その後、図19に示すように、乾燥処理および熱処理を行い、第1組成物に含まれる極性溶媒を蒸発させ、画素電極(電極面613a)613上に正孔注入/輸送層617aを形成する。
【0080】
次に発光層形成工程(S114)について説明する。この発光層形成工程では、上述したように、正孔注入/輸送層617aの再溶解を防止するために、発光層形成の際に用いる第2組成物の溶媒として、正孔注入/輸送層617aに対して不溶な非極性溶媒を用いる。
しかしその一方で、正孔注入/輸送層617aは、非極性溶媒に対する親和性が低いため、非極性溶媒を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617a上に吐出しても、正孔注入/輸送層617aと発光層617bとを密着させることができなくなるか、あるいは発光層617bを均一に塗布できない虞がある。
そこで、非極性溶媒並びに発光層形成材料に対する正孔注入/輸送層617aの表面の親和性を高めるために、発光層形成の前に表面処理(表面改質処理)を行うことが好ましい。この表面処理は、発光層形成の際に用いる第2組成物の非極性溶媒と同一溶媒またはこれに類する溶媒である表面改質材を、正孔注入/輸送層617a上に塗布し、これを乾燥させることにより行う。
このような処理を施すことで、正孔注入/輸送層617aの表面が非極性溶媒になじみやすくなり、この後の工程で、発光層形成材料を含む第2組成物を正孔注入/輸送層617aに均一に塗布することができる。
【0081】
そして次に、図20に示すように、各色のうちのいずれか(図20の例では青色(B))に対応する発光層形成材料を含有する第2組成物を機能液滴として画素領域(開口部619)内に所定量打ち込む。画素領域内に打ち込まれた第2組成物は、正孔注入/輸送層617a上に広がって開口部619内に満たされる。なお、万一、第2組成物が画素領域から外れてバンク部618の上面618t上に着弾した場合でも、この上面618tは、上述したように撥液処理が施されているので、第2組成物が開口部619内に転がり込み易くなっている。
【0082】
その後、乾燥工程等を行うことにより、吐出後の第2組成物を乾燥処理し、第2組成物に含まれる非極性溶媒を蒸発させ、図21に示すように、正孔注入/輸送層617a上に発光層617bが形成される。この図の場合、青色(B)に対応する発光層617bが形成されている。
【0083】
同様に、機能液滴吐出ヘッド17を用い、図22に示すように、上記した青色(B)に対応する発光層617bの場合と同様の工程を順次行い、他の色(赤色(R)および緑色(G))に対応する発光層617bを形成する。なお、発光層617bの形成順序は、例示した順序に限られるものではなく、どのような順番で形成しても良い。例えば、発光層形成材料に応じて形成する順番を決めることも可能である。また、R・G・Bの3色の配列パターンとしては、ストライプ配列、モザイク配列およびデルタ配列等がある。
【0084】
以上のようにして、画素電極613上に機能層617、即ち、正孔注入/輸送層617aおよび発光層617bが形成される。そして、対向電極形成工程(S115)に移行する。
【0085】
対向電極形成工程(S115)では、図23に示すように、発光層617bおよび有機物バンク層618bの全面に陰極604(対向電極)を、例えば蒸着法、スパッタ法、CVD法等によって形成する。この陰極604は、本実施形態においては、例えば、カルシウム層とアルミニウム層とが積層されて構成されている。
この陰極604の上部には、電極としてのAl膜、Ag膜や、その酸化防止のためのSiO2、SiN等の保護層が適宜設けられる。
【0086】
このようにして陰極604を形成した後、この陰極604の上部を封止部材により封止する封止処理や配線処理等のその他処理等を施すことにより、表示装置600が得られる。
【0087】
次に、図24は、プラズマ型表示装置(PDP装置:以下、単に表示装置700と称する)の要部分解斜視図である。なお、同図では表示装置700を、その一部を切り欠いた状態で示してある。
この表示装置700は、互いに対向して配置された第1基板701、第2基板702、およびこれらの間に形成される放電表示部703を含んで概略構成される。放電表示部703は、複数の放電室705により構成されている。これらの複数の放電室705のうち、赤色放電室705R、緑色放電室705G、青色放電室705Bの3つの放電室705が組になって1つの画素を構成するように配置されている。
【0088】
第1基板701の上面には所定の間隔で縞状にアドレス電極706が形成され、このアドレス電極706と第1基板701の上面とを覆うように誘電体層707が形成されている。誘電体層707上には、各アドレス電極706の間に位置し、且つ各アドレス電極706に沿うように隔壁708が立設されている。この隔壁708は、図示するようにアドレス電極706の幅方向両側に延在するものと、アドレス電極706と直交する方向に延設された図示しないものを含む。
そして、この隔壁708によって仕切られた領域が放電室705となっている。
【0089】
放電室705内には蛍光体709が配置されている。蛍光体709は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、赤色放電室705Rの底部には赤色蛍光体709Rが、緑色放電室705Gの底部には緑色蛍光体709Gが、青色放電室705Bの底部には青色蛍光体709Bが各々配置されている。
【0090】
第2基板702の図中下側の面には、上記アドレス電極706と直交する方向に複数の表示電極711が所定の間隔で縞状に形成されている。そして、これらを覆うように誘電体層712、およびMgOなどからなる保護膜713が形成されている。
第1基板701と第2基板702とは、アドレス電極706と表示電極711が互いに直交する状態で対向させて貼り合わされている。なお、上記アドレス電極706と表示電極711は図示しない交流電源に接続されている。
そして、各電極706,711に通電することにより、放電表示部703において蛍光体709が励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0091】
本実施形態においては、上記アドレス電極706、表示電極711、および蛍光体709を、図2に示した液滴吐出装置1を用いて形成することができる。以下、第1基板701におけるアドレス電極706の形成工程を例示する。
この場合、第1基板701を液滴吐出装置1のセットテーブル21に載置された状態で以下の工程が行われる。
まず、機能液滴吐出ヘッド17により、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴としてアドレス電極形成領域に着弾させる。この液体材料は、導電膜配線形成用材料として、金属等の導電性微粒子を分散媒に分散したものである。この導電性微粒子としては、金、銀、銅、パラジウム、またはニッケル等を含有する金属微粒子や、導電性ポリマー等が用いられる。
【0092】
補充対象となるすべてのアドレス電極形成領域について液体材料の補充が終了したならば、吐出後の液体材料を乾燥処理し、液体材料に含まれる分散媒を蒸発させることによりアドレス電極706が形成される。
【0093】
ところで、上記においてはアドレス電極706の形成を例示したが、上記表示電極711および蛍光体709についても上記各工程を経ることにより形成することができる。
表示電極711の形成の場合、アドレス電極706の場合と同様に、導電膜配線形成用材料を含有する液体材料(機能液)を機能液滴として表示電極形成領域に着弾させる。
また、蛍光体709の形成の場合には、各色(R,G,B)に対応する蛍光材料を含んだ液体材料(機能液)を機能液滴吐出ヘッド17から液滴として吐出し、対応する色の放電室705内に着弾させる。
【0094】
次に、図25は、電子放出装置(FED装置あるいはSED装置ともいう:以下、単に表示装置800と称する)の要部断面図である。なお、同図では表示装置800を、その一部を断面として示してある。
この表示装置800は、互いに対向して配置された第1基板801、第2基板802、およびこれらの間に形成される電界放出表示部803を含んで概略構成される。電界放出表示部803は、マトリクス状に配置した複数の電子放出部805により構成されている。
【0095】
第1基板801の上面には、カソード電極806を構成する第1素子電極806aおよび第2素子電極806bが相互に直交するように形成されている。また、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bで仕切られた部分には、ギャップ808を形成した導電性膜807が形成されている。すなわち、第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807により複数の電子放出部805が構成されている。導電性膜807は、例えば酸化パラジウム(PdO)等で構成され、またギャップ808は、導電性膜807を成膜した後、フォーミング等で形成される。
【0096】
第2基板802の下面には、カソード電極806に対峙するアノード電極809が形成されている。アノード電極809の下面には、格子状のバンク部811が形成され、このバンク部811で囲まれた下向きの各開口部812に、電子放出部805に対応するように蛍光体813が配置されている。蛍光体813は、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれかの色の蛍光を発光するもので、各開口部812には、赤色蛍光体813R、緑色蛍光体813Gおよび青色蛍光体813Bが、上記した所定のパターンで配置されている。
【0097】
そして、このように構成した第1基板801と第2基板802とは、微小な間隙を存して貼り合わされている。この表示装置800では、導電性膜(ギャップ808)807を介して、陰極である第1素子電極806aまたは第2素子電極806bから飛び出す電子を、陽極であるアノード電極809に形成した蛍光体813に当てて励起発光し、カラー表示が可能となる。
【0098】
この場合も、他の実施形態と同様に、第1素子電極806a、第2素子電極806b、導電性膜807およびアノード電極809を、液滴吐出装置1を用いて形成することができると共に、各色の蛍光体813R,813G,813Bを、液滴吐出装置1を用いて形成することができる。
【0099】
第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807は、図26(a)に示す平面形状を有しており、これらを成膜する場合には、図26(b)に示すように、予め第1素子電極806a、第2素子電極806bおよび導電性膜807を作り込む部分を残して、バンク部BBを形成(フォトリソグラフィ法)する。次に、バンク部BBにより構成された溝部分に、第1素子電極806aおよび第2素子電極806bを形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)し、その溶剤を乾燥させて成膜を行った後、導電性膜807を形成(液滴吐出装置1によるインクジェット法)する。そして、導電性膜807を成膜後、バンク部BBを取り除き(アッシング剥離処理)、上記のフォーミング処理に移行する。なお、上記の有機EL装置の場合と同様に、第1基板801および第2基板802に対する親液化処理や、バンク部811,BBに対する撥液化処理を行うことが、好ましい。
【0100】
また、他の電気光学装置としては、金属配線形成、レンズ形成、レジスト形成および光拡散体形成等の装置が考えられる。上記した液滴吐出装置1を各種の電気光学装置(デバイス)の製造に用いることにより、各種の電気光学装置を効率的に製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】実施形態に係る液滴吐出装置の平面図である。
【図2】液滴吐出装置の側面図である。
【図3】ヘッド群を構成する機能液滴吐出ヘッドの図である。
【図4】重量測定ユニットの平面図である。
【図5】重量測定ユニットの正面図である。
【図6】液滴吐出装置の正面模式図である。
【図7】液滴吐出装置における重量測定の一連の動きを説明する図である。
【図8】重量測定装置の測定結果に基づいて機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御することを説明する制御ブロック図である。
【図9】カラーフィルタ製造工程を説明するフローチャートである。
【図10】(a)〜(e)は、製造工程順に示したカラーフィルタの模式断面図である。
【図11】本発明を適用したカラーフィルタを用いた液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図12】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第2の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図13】本発明を適用したカラーフィルタを用いた第3の例の液晶装置の概略構成を示す要部断面図である。
【図14】有機EL装置である表示装置の要部断面図である。
【図15】有機EL装置である表示装置の製造工程を説明するフローチャートである。
【図16】無機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図17】有機物バンク層の形成を説明する工程図である。
【図18】正孔注入/輸送層を形成する過程を説明する工程図である。
【図19】正孔注入/輸送層が形成された状態を説明する工程図である。
【図20】青色の発光層を形成する過程を説明する工程図である。
【図21】青色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図22】各色の発光層が形成された状態を説明する工程図である。
【図23】陰極の形成を説明する工程図である。
【図24】プラズマ型表示装置(PDP装置)である表示装置の要部分解斜視図である。
【図25】電子放出装置(FED装置)である表示装置の要部断面図である。
【図26】表示装置の電子放出部廻りの平面図(a)およびその形成方法を示す平面図(b)である。
【符号の説明】
【0102】
1…液滴吐出装置 2…描画装置 3…クリーニング装置 4…重量測定ユニット 5…制御装置 11…X軸テーブル 12…Y軸テーブル 16…ヘッド群 17…機能液滴吐出ヘッド 51…重量測定装置 52…サブテーブル 53…防風カバー 61…容器 62…電子天秤 63…フラッシングボックス W…基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを相対的に移動させながら、前記機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して描画を行う描画手段と、
前記描画手段に隣接して配設され、前記機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液の重量から液滴吐出量を測定する重量測定手段と、
前記重量測定手段から入力した測定結果に基づいて、前記機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
前記描画手段は、前記ワークを搭載すると共に当該ワークをX軸方向に移動させるX軸テーブルと、前記機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共に前記機能液滴吐出ヘッドをY軸方向に移動させるY軸テーブルと、を有しており、
前記Y軸方向における前記機能液滴吐出ヘッドの移動軌跡上に配設され、前記機能液滴吐出ヘッドを吸引およびワイピングするクリーニング手段、をさらに備え、
前記重量測定手段は、前記機能液滴吐出ヘッドの移動軌跡上において、前記X軸テーブルと前記クリーニング手段との間に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記機能液滴吐出ヘッドが複数設けられており、
前記重量測定手段は、任意の1の前記機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液を受ける容器と、
前記容器内の機能液の重量を測定する電子天秤と、
前記容器の周囲に配設され、前記1の機能液滴吐出ヘッドから前記容器に対する測定吐出の際に他の前記機能液吐出ヘッドからの捨て吐出を受けるフラッシングボックスと、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
複数の前記機能液滴吐出ヘッドは、前記X軸方向に並んでヘッド群を構成しており、
前記重量測定手段を前記X軸方向に移動させるサブテーブルを、さらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記サブテーブルの移動軌跡上に配設され、前記電子天秤による重量測定時に前記容器の上部空間を覆う防風カバーを、さらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
請求項6に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項7に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
ワークに対し、インクジェット方式の機能液滴吐出ヘッドを相対的に移動させながら、前記機能液滴吐出ヘッドから機能液を吐出して描画を行う描画手段と、
前記描画手段に隣接して配設され、前記機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液の重量から液滴吐出量を測定する重量測定手段と、
前記重量測定手段から入力した測定結果に基づいて、前記機能液滴吐出ヘッドの駆動電力を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする液滴吐出装置。
【請求項2】
前記描画手段は、前記ワークを搭載すると共に当該ワークをX軸方向に移動させるX軸テーブルと、前記機能液滴吐出ヘッドを搭載すると共に前記機能液滴吐出ヘッドをY軸方向に移動させるY軸テーブルと、を有しており、
前記Y軸方向における前記機能液滴吐出ヘッドの移動軌跡上に配設され、前記機能液滴吐出ヘッドを吸引およびワイピングするクリーニング手段、をさらに備え、
前記重量測定手段は、前記機能液滴吐出ヘッドの移動軌跡上において、前記X軸テーブルと前記クリーニング手段との間に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
【請求項3】
前記機能液滴吐出ヘッドが複数設けられており、
前記重量測定手段は、任意の1の前記機能液滴吐出ヘッドから吐出した機能液を受ける容器と、
前記容器内の機能液の重量を測定する電子天秤と、
前記容器の周囲に配設され、前記1の機能液滴吐出ヘッドから前記容器に対する測定吐出の際に他の前記機能液吐出ヘッドからの捨て吐出を受けるフラッシングボックスと、を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
【請求項4】
複数の前記機能液滴吐出ヘッドは、前記X軸方向に並んでヘッド群を構成しており、
前記重量測定手段を前記X軸方向に移動させるサブテーブルを、さらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の液滴吐出装置。
【請求項5】
前記サブテーブルの移動軌跡上に配設され、前記電子天秤による重量測定時に前記容器の上部空間を覆う防風カバーを、さらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の液滴吐出装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液による成膜部を形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項7】
請求項1ないし5のいずれかに記載の液滴吐出装置を用い、前記ワーク上に機能液による成膜部を形成したことを特徴とする電気光学装置。
【請求項8】
請求項6に記載の電気光学装置の製造方法により製造した電気光学装置または請求項7に記載の電気光学装置を搭載したことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2008−93637(P2008−93637A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−281684(P2006−281684)
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月16日(2006.10.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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