説明

湾曲した複合構造要素の製造方法

湾曲した複合構造要素の製造方法は、取外し可能な基板上の平らな曲面にウェブプライ(310)を製作し、そのプライを製造工具(200)の湾曲したウェブ表面に置くステップを含むことができる。さらに、複合テープを用いて、キャッププライ(402)を1つまたは両方のフランジ表面に置くことができる。次に構造要素レイアップを検査することができ、いかなる余分な複合材料もトリミングで取除くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この開示は一般に複合構造に関する。より特定的には、この開示は複合材料からの負荷を担持する構造要素の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
複合材料は、自動車、船舶および航空宇宙産業を含むさまざまな産業においてますます用いられている。複合材料は、ボート船体または自動車のボディパネルのような負荷を担持しない構造を生産するために用いられてきた。複合材料は、圧力容器および航空機の胴体などの負荷を担持する構造の製造にも適用されてきた。
【0003】
複合材料は、特に引張荷重を担持する構造部材の設計における用途を有する。これらの設計で用いられる複合材料は、エポキシなどの樹脂材料とともに接合された、炭素、アラミド、ガラスまたはクオーツなどの強い繊維性物質を含む。このような材料は、引張り強さ対重量比が高いという利点を有し得、相当の引張り強さを有する軽量構造設計を可能にする。これらの材料における負荷は主に繊維によって担持されるので、さまざまな複合材料が一方向繊維を用いて開発されており、すなわち、繊維が実質的に均一の方向に位置あわせされている。したがって、これらの材料は、構造部材において引張荷重の方向に沿って繊維を配置するような設計でよく用いられる。
【0004】
しかしながら、複合材料設計は、一方向繊維が構造部材の輪郭に従わないという欠点を有し得る。たとえば、面内で湾曲した表面を含む構造要素では、複合材料は平坦な弓形の形状にトリミングされ得るが、繊維は弓形の湾曲には従わない。このような設計では、一方向繊維の配向は構造部材における負荷の方向にはない。さらには、一方向繊維は湾曲部のトリミングされた縁部に沿って切断される。
【0005】
したがって、構造要素の曲率に沿って位置合わせされた荷重支持繊維を備えた湾曲した複合構造要素の製造方法を与えることが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
前述の必要性は、この発明によってかなりの程度充足される。そこで1つの局面では、繊維配置および手動または自動のレイアッププロセスの組合せを用いた、構造要素の曲率に沿って位置合わせされた荷重支持繊維を備える湾曲した複合構造要素の半自動製造をいくつかの実施例において可能にする方法が与えられる。
【0007】
この発明の1つの局面によれば、湾曲した複合プライの製作方法は、プライを形成するために、接触して隣接した複数の複合材料のストリップを平坦な弓形の形状に配置することを含み得る。ストリップは、取外し可能な基板材料に配置されてもよい。複合材料は、一般的な繊維配向を有する複数の繊維を含むことができ、ストリップの各々の繊維配向は、平坦な弓形の全長に沿って実質的に位置合わせされ得る。さらに、この方法はプライの縁部をトリミングすることを含み得る。
【0008】
この発明の別の局面によれば、湾曲した複合構造要素の製造方法は、複合材料を含む湾曲した複合ウェブプライを平坦な弓形の形状の曲面を含む製造工具上に置くステップを含
み得る。複合材料は、一般的な繊維配向を含む複数の繊維を含むことができ、ウェブ配置の繊維配向は、曲面の長手方向の中心線と実質的に位置合わせされ得る。この方法はさらに、ウェブプライを硬化するステップを含み得る。
【0009】
この発明のさらに別の局面によれば、湾曲した複合構造要素の製造方法は、複合材料を含む斜めプライを平坦な弓形の形状の曲面を含む製造工具上に置くステップを含み得る。複合材料は、第1の繊維配向および第2の繊維配向を含む複数の繊維を含むことができる。さらに、斜めプライの第1および第2の繊維配向は、曲面の長手方向の中心線に沿ったすべての点でおよそ一定の、その長手方向の中心線の接線に対する角度を形成することができる。この方法はさらに、ウェブプライを硬化するステップを含み得る。
【0010】
この発明のまたさらに別の局面によれば、湾曲した複合構造要素の製造方法は、一般的なテープ繊維配向を備えた複数のテープ繊維を有する複合テープの部分を裁断し、そのテープ部分を含むクロスプライを製造工具上に置くステップを含み得る。製造工具は平坦な弓形の形状の曲面を含むことができる。さらに、テープ繊維配向は、曲面の長手方向の中心線に沿ったすべての点でその長手方向の中心線の接線に対して実質的に直角を形成することができる。
【0011】
このように、本願明細書の詳細な説明が一層よく理解されるよう、また当該技術へのこの貢献が一層よく認識されるように、この発明の一定の実施例が広めに概説された。当然ながら、下記に記載され、本願明細書に添付された請求項の主題を形成する、この発明の付加的な実施例が存する。
【0012】
この点で、この発明の少なくとも1つの実施例について詳細に説明する前に、この発明はその用途において、以下の記載に述べられ図面に示された構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことが理解されるべきである。この発明は、記載された実施例に加えてさらなる実施例が可能であり、かつさまざまなやり方で実現され、実行されることができる。さらに、本願明細書および要約書に用いられる語法および用語は説明のためであって、限定的であると見なされてはならないことが理解されるべきである。
【0013】
そのため当業者は、この開示が基礎とする概念が、この発明のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法およびシステムの設計の基礎として容易に利用され得ることを認識するであろう。したがって、請求項が、この発明の精神および範囲から逸脱しない限りで、そのような等価な構造を含むと見なされることが重要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
詳細な説明
この開示に従う実施例は湾曲した複合構造要素の製造方法を与える。この方法は、高度な繊維配置(AFP)機械を用いて、複合材料の繊維配向が構造要素の曲率と実質的に位置合わせされるように、湾曲した複合ウェブプライを製作することを含み得る。次にウェブプライはトリミングされ、ウェブプライの形状と一致するための曲面を有する製造工具上に置くことができる。
【0015】
この方法はさらに、ファブリック繊維が曲面の中心線の接線から45度で配向された、複合ファブリックの斜めプライを置くことを含み得る。この方法はさらに、テープ繊維が曲面の中心線の接線に直角に配向された、複合テープ部分から構成されるクロスプライを置くことを含み得る。さらに、斜めプライおよびクロスプライの1つまたは両方の縁部が製造工具の側面の上に折重ねられてキャップ面を形成してもよい。
【0016】
さらに、この方法は、繊維配向が製造工具のキャップ面の中心線と位置合わせされた、
複合テープから構成されるキャッププライを置くことを含み得る。次いで、構造要素レイアップは、複合材料の硬化を可能にするために真空バッグに封止されてもよく、その後に構造要素は検査されて余分の材料がトリミングで取除かれてもよい。複合構造要素のこの製造方法は、ウェブプライ繊維が構造要素の全長に沿ってその曲率と位置合わせされて配向されるという利点を有する。
【0017】
この開示の実施例がここで図面を参照して記載され、図面を通して類似の参照番号は類似の部分を指す。図1Aで、この開示の実施例の方法によって生成され得る、湾曲した平坦な表面すなわちウェブ表面104とC形状の断面を形成する2つの側面すなわちキャップ面106、108とを備えた複合構造要素102の例が示される。同様に、図1Bは、この開示の実施例の方法を用いて生成され得る、湾曲した平坦な表面すなわちウェブ表面104と、いくつかの切り欠き部すなわち「鼠穴」112を含む、フランジ面、側面すなわちキャップ面106とを備えた複合構造要素110の例を示す。これら例示的な2つの構造要素102、110は、第1のフレーム部分またはシヤタイ(110)の実施例、および航空機胴体において構造支持要素として用いられる第2のフレーム部分または浮動フレーム(102)の実施例に対応する。これらの構成要素の例は、2004年5月20日出願の同時係属出願であるビョルンスタッド(Biornstad)らの米国特許出願連続番号第10/851,381号「航空機胴体および他の構造用の複合バレル部分ならびにそのようなバレル部分を製造する方法およびシステム(Composite Barrel Sections for Aircraft Fuselages and other Structures, and Methods and Systems for Manufacturing such Barrel Sections)」、および2004年5月25日出願のジョンソン(Jhonson)らによる米国特許出願連続番号第10/853,075号「航空機胴体および他の構造に用いられる構造パネル」(Structural Panels for Use in Aircraft Fuselages and other Structures)に見られ、これらの開示はその全体が本願明細書に援用される。しかしながら、この開示の代替実施例は、圧力容器、他の複合コンテナ、ボート、列車、潜水艦、アーチ、ビル、橋、耐震改造、窓枠またはドア枠に用いられるものなどの補強材、梁および枠を含む、任意の互換性のある負荷を担持する要素を生産するために用いられ得る。
【0018】
この開示の実施例では、構造要素は、複合材料、たとえばポリママトリクス、エポキシ、BMI、または、PEEK、PEKKなどのポリエステル熱硬化性プラスチック、または、炭素、アラミド、ガラス、ケブラー(登録商標)、ホウ素、Hyborもしくはクオーツなどの、おそらく金属と混合された、TiGrもしくは繊維金属積層物などの金属フォイルなどの、繊維強化PPSから製造される。これらの複合材料は一般に、たとえば加熱または照射によるエネルギの追加を必要とする吸熱化学反応を通して、より強い形に「硬化」される。この開示のさまざまな実施例に用いられる複合材料の例は、炭素繊維強化エポキシ、繊維強化プラスチック(FRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GRP)、炭素繊維強化プラスチック(CRP)、金属基複合材料(MMC)および強化炭素(黒鉛マトリックスの炭素繊維)を含む。
【0019】
この開示の実施例は、複合ファブリックまたは複合テープなどの複合材料が製造工具上に配置される、手の、すなわち手動のレイアッププロセス、または自動レイアッププロセスを含むことができる。製造工具すなわち心棒200の例示的な実施例は図2に示される。例示的な心棒200はウェブ表面202を含むことができ、それは図1Aおよび図1Bに示される構造要素102、110の湾曲した平坦な表面104に対応する。例示的な心棒200はさらに、内側面すなわちキャップ面204、外側面すなわちキャップ面206、または内側および外側両方の側面すなわちキャップ面204、206を含むことができる。他の実施例では、例示的な心棒200は、他の表面のほぼ無限の組み合せを含むことができる。
【0020】
この開示の実施例は、構造要素の湾曲したウェブプライを製作するために高度な繊維配
置(AFP)機械を用いることができる、繊維配置プロセスを含むことができる。当該技術で公知であるように、繊維配置プロセスは、典型的には製造工具または心棒の上に複数の「トウ」(すなわち、一般に「プリプレッグトウ」として知られる、エポキシなどの熱硬化性樹脂材料が予め含浸された、炭素もしくは炭素繊維などの連続的なフィラメントの撚られていない束)またはスリットのある複合テープ(「スリットテープ」)を自動配置することを含む。従来の繊維配置機械は移動可能なペイオフヘッドに複数のトウを分配し、ペイオフヘッドは、トウを平行にし(すなわちトウを平行に並べ)、トウを表面に対して圧縮する1つ以上の圧密ローラを用いてトウを心棒表面に適用する。典型的なトウは、平らにされたとき、約0.12インチから0.25インチの幅がある。さらにこのような機械は、典型的には、配置中に個々のトウを分配し、クランプ締めし、裁断し、再開するための手段を含む。
【0021】
スリットテープは、製造業者によって標準幅に作られた後にスリットを入れた複合テープである。テープにスリットを入れることは、生産性と設計目的とを達成するために、適用中に操縦性および適合性が増強され得る、より狭い幅を結果として生じる。たとえば、特定の実施例では、12インチ幅のテープが、各々1/8インチの96の均一なスリットに裁断される。一般に、スリットテープは約0.12インチから最大約6インチまで変動する幅を有し、支持紙を含んでも含まなくてもよい。
【0022】
この開示による繊維配置プロセス300の例示的な実施例が図3に示される。この例示的な実施例では、高度な繊維配置(AFP)機械302は、スリットテープまたはプリプレッグトウのいずれかである、接触して隣接した複合材料のストリップ304を、平坦な弓形306、すなわち曲線の形状で平面上に置くことができる。その結果、スリットテープまたはトウの繊維は、しわなどの繊維の歪みなく、曲線の全長に沿って弓形の長手方向の中心線と位置合わせされて配向される。特定の実施例では、湾曲した構造要素は、均一な半径を備えた平坦な弓形の形状を含む。しかしながら、他の実施例は、非均一な半径の曲率を備えた、または平面にない複雑な輪郭を含む構造要素を含む。この開示の特定の実施例において、心棒上に直接配置されるのではなく、複合材料のストリップ304は、たとえば金属のあて板で取付けられるマイラー(登録商標)などの取外し可能な基板上に置かれている。代替実施例では、AFP機械302は複数のプライを上に重ねて配置することができ、より厚いグレードのプライを生成する。
【0023】
この開示のさまざまなプロセスはさらに、ウェブプライの縁部から余分の複合物および基板材料を取除くためにウェブプライがトリミングされ得る、ウェブプライのトリミングプロセスを含むことができる。たとえば、ウェブプライトリミングプロセスの例示的な実施例では、数値制御されたプライ裁断機は、図2に示されるような心棒または他の同様の製造工具の恐らくは湾曲したウェブ表面の周囲の形状に一致するように、ウェブプライを裁断することができる。
【0024】
この開示の実施例はさらに、図2に示されるような心棒または他の同様の製造工具にウェブプライが手動または自動で配置される、ウェブプライのレイアッププロセスを含むことができる。この開示によるウェブプライレイアッププロセス308の例示的な実施例も図3に示される。この例示的な実施例では、繊維配置プロセス300で製作されたものなどのウェブプライ310が、手動または自動レイアッププロセスを用いて心棒200に配置されることができる。ウェブプライ310は、複合繊維が弓形の全長に沿って曲面の中心線と位置合わせされるように、心棒の湾曲したウェブ表面202上に配向されることができる。ウェブプライ310は、表面の中心線に対する繊維の角度を意味する命名規則により、一般に0度のプライと呼ばれる。次いで、基板材料がウェブプライ310の表面から取除かれることができる。代替実施例では、ウェブプライ310は、心棒200上で、ウェブプライまたは別の型のプライであってもよい以前のプライの上に置かれることがで
きる。
【0025】
この開示の代替実施例では、キャッププライレイアッププロセス400、すなわち、図2に示されるような心棒(または他の製造工具)上に手動または自動でキャッププライが配置されるプロセスを用いることができる。図4は、この開示によるキャッププライレイアッププロセス400の実施例を示す。この例において、キャッププライ402は、図4に示されるような例示的な心棒または他の製造工具の上に置くことができる。キャッププライ402は、たとえば約2インチ幅の複合テープから構成されることができ、テープ繊維の配向が長さ方向に、すなわち実質的に0度でキャップ面106に沿って走るよう、心棒200に配置することができる。図4にさらに示されるように、図1Bの例示的な構造要素のような単一のフランジを備えた「L」形状の断面を形成するために、単一のキャッププライ402または404を心棒200の1つの側に置くことができ、図1Aの例示的な構造要素のような2つのフランジを備えた「C」形状の断面を形成するために、第2のキャッププライ404または402を心棒200の反対側に適用することができる。
【0026】
キャッププライ402および404のいずれかまたは両方の場合において、スプライス406および408を心棒200の隅部に沿って形成することができ、そこでキャップ402および404がウェブプライ310と合う。このようにして、キャッププライ(複数可)402および404ならびにウェブプライは、連続的で実質的に0度のプライを、ウェブ表面202と1つまたは両方のキャップ面106および108との上に形成する。スプライス406および408は、ウェブ表面およびキャップ面の長手方向で引張荷重を担持するよう設計されている、ウェブ表面およびキャップ面の長さに沿った0度の繊維を中断しないので、スプライス406、408は、構造要素102および110の荷重支持容量に影響しない。この開示の代替実施例は、0度のウェブプライ310なしで、0度のキャッププライ402および404を含むことができる。
【0027】
この開示のさらに別の例示的な実施例では、斜めプライが心棒に手動または自動で配置され得る、斜めプライレイアッププロセス500が図5で示される。この例において、繊維が心棒200のウェブ表面の中心線から正(+)および負(−)約45度で偏向して配向されるように、斜めプライ502を心棒200に配置することができる。この実施例における複合ファブリック504は、予め樹脂が含浸されたプリプレッグ複合物ファブリックである。しかしながら、他の実施例では、複合ファブリック504は、乾いた形状の複合物ファブリックを含むいかなる適切な型の複合ファブリックを含んでもよい。図5に示される斜めプライは1枚の複合ファブリック504を含んでいるが、代替実施例は、テープ繊維が心棒のウェブ表面の中心線から約+45度または−45度で配向されるように心棒200に置かれた、複合テープのストリップから形成された斜めプライを含むことができる。さらに、代替実施例は、たとえば正60度および負60度など、ウェブ表面の中心線から0度から90度の間のいかなる角度でも偏向して配向された繊維を備えた斜めプライを含むことができる。
【0028】
構造要素のフランジ面、側面すなわちキャップ面を形成するために、斜めプライ502の材料は心棒200のウェブ表面202より広く裁断され、その結果、斜めプライ502の少なくとも1つの縁部は、心棒200の側面上に折重ねることができる。図1Bに示される例としての構造要素の断面のような「L」形状の断面を形成するために、斜めプライ502の単一の縁部を心棒200の外部キャップ面206の上に折重ねることができる。代替的には、しわを防ぐか最小限にするために、斜めプライ502をまず心棒200の内側キャップ面204に配置し、次に、「L」形状の断面を形成するために、湾曲したウェブ表面202の上に繊維を引張って均一に広げることにより、湾曲したウェブの上に折重ねることができる。さらに、斜めプライ502は、図1Aに示される例としての構造要素の断面のような「C」形状の断面を形成するために、任意に心棒200の外側キャップ面
206の上に折重ねることができる。同様に、斜めプライ502を、湾曲したウェブの上に繊維を引張って均一に広げることにより、まず湾曲したウェブ表面202に配置することができ、次に、図1Bに示される例としての構造要素の断面のような「L」形状の断面を形成するために、外部キャップ面の上に折重ねることができる。
【0029】
この開示の他の実施例は、クロスプライレイアッププロセス600、すなわちプライが図6に示される態様に類似の態様で配置されるプロセスを含むことができる。まず、一方向複合テープ602が部分に裁断される。たとえば、図6に示されるように、テープは台形(trapezoidal)部分604に裁断することができる。この開示の目的のために、「trapezoidal」という用語は、いずれの2つの辺も平行でない四辺形を指すイギリス英語における一般的な意味とは対立して、2つの辺のみが平行である四辺形を指す、アメリカ英語における一般的な意味を指すとして用いられる。イギリス英語において、2つの辺のみが平行である四辺形に対して一般に用いられる用語は「trapezium」である。
【0030】
図6に戻ると、台形テープ部分604の2つの平行ではない辺は、心棒200に置かれた時にテープ部分の2つの平行ではない縁部が心棒200の湾曲した表面すなわちウェブ表面202の長手方向の中心線の接線に実質的に直交するような角度で、裁断することができる。テープ部分604は、次に、テープ部分604にしわを形成することなく、繊維が心棒200のウェブ表面202の中心線に対してほぼ直角に配向されたクロスプライ606を形成するように、例示的な心棒200に置かれ得る。
【0031】
上述の斜めプライの例において、クロスプライ606は、クロスプライ606の1つまたは2つの縁部が、フランジ面、側面すなわちキャップ面を形成するために心棒200の側面または両側の上に折重ねられ得るように、心棒200のウェブ表面より広く裁断され得る。1つの実施例では、テープは、心棒200のキャップ面204、206の上に折重なるテープ部分608の縁部または両縁部は平行な辺を有し、心棒200の表面202の上の部分は平行でない辺を有するように、修正された「煙突」形状部分608に裁断することができる。代替実施例では、テープは長方形の部分に裁断されることができ、心棒200に置かれた時に重複するか、またはテープ部分間にギャップを形成することが可能になる。再度、このようにして「C」形状の断面または「L」形状の断面を形成することができる。
【0032】
代替的には、しわを防ぐか最小限にするために、クロスプライ606をまず心棒200の内側キャップ面204に配置し、次に、「L」形状の断面を形成するために、湾曲したウェブ表面202の上に繊維を引張って均一に広げることにより、湾曲したウェブ表面202の上に折重ねることができる。さらに、クロスプライ606は、任意で、図1Aに示される例としての構造要素の断面のような「C」形状の断面を形成するために、心棒200の外側キャップ面206の上に折重ねることができる。同様に、クロスプライ606は、湾曲したウェブ表面202の上に繊維を引張って均一に広げることにより、まず湾曲したウェブ表面202に配置することができ、次に、図1Bに示される例としての構造要素の断面のような「L」形状の断面を形成するために、外側キャップ面の上に折重ねられることができる。
【0033】
図7は、構造要素レイアップが、凸型の心棒(または他の製造工具)から凹型の製造工具702へと移送される移送プロセス700を示す。図7のこの例では、凹型の製造工具702、すなわち雌の心棒が示される。この例において、以前は図2の例示的な心棒200などの凸型製造工具に置かれながら硬化することが可能であった構造要素プライが、硬化のために凹型の製造工具702に任意に移送されてもよい。この実施例では、凹型の製造工具702は、構造要素レイアップの外表面に一致する。
【0034】
代替実施例では、プライは凸型製造工具に置かれるのではなく、図7に示されるように、凹型の製造工具に直接置くことができる。この場合、プライは凹型の製造工具に置かれたまま硬化することができ、または、任意で移送されて凸型の工具上で硬化することができる。
【0035】
この開示の別の例示的なプロセスは封止プロセスを含むことができ、そこでは、構造要素レイアップは、複合プライの層の間および複合材料とそれぞれの心棒との間に捉えられた空気を複合材料の内部および真下から取除くために、真空バッグの内部に封止される。例示的な心棒200レイアップ上の構造要素を包む真空バッグ802の例示的な実施例は、図8に示される。同様に、凹型の製造工具702上の構造要素レイアップを包む真空バッグ704の例示的な実施例は、図7に示される。
【0036】
図9は、湾曲した複合構造要素を製造するための、この開示による例示的な方法を概説するフロー図である。プロセスは、高度な繊維配置(AFP)機械が接触して隣接した複合材料のストリップを置く、ステップ902で開始する。上述のように、さまざまな実施例では、複合材料はスリットテープまたはプリプレッグトウのいずれかの形であり得る。さらに、上述のように、AFP機械は、図3に示される例示的な平坦な弓形などのような、任意の数の実行可能または有用な形状にストリップを配置することができ、しわなどの繊維の歪みなしに、スリットテープまたはトウの繊維が、曲面の全長に沿って弓形の長手方向の中心線と位置合わせされて配向される。さらに上述のように、複合材料のストリップは、マイラー(登録商標)などの取外し可能な基板上に配置することができる。さらに、代替実施例では、AFP機械は複数のプライを互いの上に配置することができ、より厚いグレードプライを形成する。このプロセスはステップ904に続く。
【0037】
ステップ904において、ウェブプライはトリミングされ、ウェブプライの縁部から余分の複合物および基板材料を取除くことができる。このステップで、数値制御されたプライ裁断機が、心棒または図2に示されるような他の同様の製造工具のウェブ表面すなわち湾曲表面の周囲の形状にウェブプライを裁断することができる。次に、ステップ906において、ウェブプライは、心棒または図2に示されるような他の同様の製造工具に置かれることができる。ウェブプライは、手動または自動レイアッププロセスを用いて、図3に示されるウェブプライのように、弓形の全長に沿って、心棒または他の工具の湾曲したウェブ表面の中心線と位置合わせされた0度の方向に複合繊維を配向して、置かれることができる。さらに、基板材料は、このステップ中にウェブプライの表面から取除くことができる。さまざまな実施例では、ウェブプライは、心棒もしくは他の工具に直接置くことができ、または代替的には、心棒もしくは他の工具上の前のプライもしくはプライの組合せ上に直接置くことができる。さらに、さまざまな実施例は他のプライとの組合せで1つを越えるウェブプライを含んでもよい。このプロセスはステップ908に続く。
【0038】
ステップ908において、図2に示される心棒などの製造工具上に手動または自動でキャッププライを置くことができる。上述のように、キャッププライは複合テープから構成されることができ、図4に示される例示的なキャッププライレイアップのように、テープ繊維の配向がキャップ面に沿って長さ方向すなわち0度の方向に走るように、心棒または他の工具上に配置することができる。図1Bに示される例としての構造要素の断面のように単一のフランジを備えた「L」形状の断面を形成するために、単一のキャッププライを心棒または工具の1つの側面に置くことができ、加えて、図1Aに示される例としての構造要素の断面のような2つのフランジを備えた「C」形状の断面を形成するために、第2のキャッププライを心棒の反対側に適用することができ、ウェブ表面および1つまたは両方のキャップ面の上に連続的な0度のプライを形成する。さまざまな実施例では、キャッププライは心棒もしくは他の工具に直接置くことができ、または代替的には、心棒もしくは他の工具上の前のプライもしくはプライの組合せの上に直接置くことができる。さらに
、さまざまな実施例は他のプライとの組合せで1つを越えるキャッププライを含んでもよい。このプロセスはステップ910に続く。
【0039】
ステップ910において、+/−45度の複合ファブリックの斜めプライを、手動または自動で、心棒または図2に示されるような他の同様の製造工具上に置くことができる。斜めプライは、ファブリック繊維が、図5に示される斜めプライのように、心棒または他の工具のウェブ表面の中心線から+/−約45度で配向されるように、心棒または他の工具上に配置されることができる。上述のように、さまざまな実施例では、複合ファブリックは、予め樹脂が含浸されたプリプレッグ複合ファブリックを含む、いかなる適切な複合ファブリックの形状をも取ることができる。さまざまな実施例では、斜めプライは心棒または他の工具に直接置くことができ、または代替的には、心棒もしくは他の工具上の前のプライもしくはプライの組合せ上に直接置くことができる。さらに、さまざまな実施例は他のプライとの組合せで1つを越える斜めプライを含んでもよい。このプロセスはステップ912に続く。
【0040】
ステップ912において、構造要素の側面すなわちキャップ面を形成するために、各斜めプライの少なくとも1つの縁部は、心棒または他の工具の側面の上に折重ねることができるように、斜めプライの複合ファブリックは心棒または他の工具のウェブ表面より広く裁断することができる。図1Bに示される例としての構造要素の断面のような「L」形状の断面を形成するために、斜めプライの単一の縁部を心棒もしくは他の工具の1つの側の上に折重ねることができ、または、図1Aに示される例としての構造要素の断面のような「C」形状の断面を形成するために、斜めプライの2つの縁部を心棒もしくは他の工具の2つの側の上に折重ねることができる。代替的には、心棒の内部キャップ面の上の複合ファブリックのしわを防ぐか最小限にするために、斜めプライはまず内部キャップ面に接着することができ、次にウェブ表面の上に折重ねられ、キャップ面上またはウェブ表面上にしわが寄ることを防ぐか最小限にするのに必要なだけ複合ファブリックを伸ばす。次いで、さらに斜めプライは外部キャップ面の上に折重ねることができ、ウェブ表面上または外部キャップ面上にしわが寄ることを防ぐか最小限にするために必要なだけ複合ファブリックを伸ばす。このプロセスはステップ914に続く。
【0041】
ステップ914において、一方向複合テープは、図6に示される例示的なテープ部分のように、部分に裁断することができる。次に、ステップ916において、テープ部分は、手動または自動で心棒または他の同様の製造工具に置くことができる。上述のように、テープ部分の繊維は、90度のクロスプライを形成するために、心棒または他の工具のウェブ表面の中心線と実質的に90度に位置合わせすることができる。台形または修正された「煙突」形状のテープ部分の場合、繊維は、重複またはテープ部分間のギャップを形成すること、かつテープのしわを形成することなく、心棒または他の工具のウェブ表面の中心線とほぼ直角で配向されることができる。
【0042】
上述の斜めプライの場合には、クロスプライは、心棒または他の工具のウェブ表面より広く裁断されることができ、クロスプライの1つまたは2つの縁部は、側面すなわちキャップ面を形成するために、心棒または他の工具の側面または両側に折重ねられ得る。再度このようにして「C」形状の断面または「L」形状の断面を備えた構造要素を形成することができる。さまざまな実施例では、クロスプライは心棒もしくは他の工具に直接置くことができ、または代替的には心棒もしくは他の工具の以前のプライもしくはプライの組合せ上に直接置くことができる。さらに、さまざまな実施例は他のプライと組合された1つを越えるクロスプライを含んでもよい。このプロセスはステップ918に続く。
【0043】
ステップ918において、構造要素レイアップは、凹型の製造工具、たとえば雌の心棒へと任意で移送されてもよい。上述のように、図7に示されるような凹型の工具または心
棒は、構造要素レイアップの外表面に一致することができる。次に、ステップ920において、構造要素レイアップは、図8に示されるように心棒もしくは他の工具上で真空バッグ内部に封止されている間に、または図7に示されるように凹型の工具もしくは心棒の上で、硬化することができる。上述のように、真空は、複合プライの層の間および複合材料とそれぞれの心棒との間に捉えられた空気を複合材料の内部および真下から取除くことができる。このプロセスはステップ922に続く。
【0044】
ステップ922において、構造要素レイアップが硬化した後、設計仕様との合致を証明するために検査され得る。次に、ステップ924において、必要であれば、構造要素レイアップは余分の材料を取除くためにトリミングされることができる。さらに、切欠き部すなわち図1Bに示されるような「鼠穴」が構造要素にトリミングされることができる。制御は、プロセスが終了するステップ926に続く。
【0045】
上述の図9のフロー図の例としての実施例は、1つのウェブプライ、1つのキャッププライ、1つの斜めプライおよび1つのクロスプライのみを含む。しかしながら、他の実施例は、いかなる順序で置かれたいかなる組合せの、いかなる数のプライを含んでもよい。たとえば、図1Aに示される例としての構造要素の断面のような「C」形状の断面を備えた浮動フレームは、ウェブ表面に18のプライ、および2つのキャップ面の各々の上に28のプライを含むことができる。この実施例では、方法は以下の順で半数のプライを置くことを含み得る:
・ ウェブ表面および両方のキャップ面上に45度の斜めプライ、
・ 2つのキャップ面の各々の上のキャッププライ、
・ 2つのキャップ面の各々の上の付加的なキャッププライ、
・ ウェブ表面上のウェブプライおよび2つのキャップ面上のキャッププライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面上の45度の斜めプライ、
・ 2つのキャップ面の各々の上のキャッププライ、
・ 2つのキャップ面の各々上の付加的なキャッププライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面の上の45度の斜めプライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面の上のクロスプライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面の上の45度の斜めプライ、
・ 2つのキャップ面の各々の上のキャッププライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面上の45度の斜めプライ、
・ ウェブ表面上および2つのキャップ面上のクロスプライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面上の45度の斜めプライ。
【0046】
この例において、次に、ウェブ表面上およびキャップ面の各々の上のプライの後半分が前半分とは逆の順序で心棒に置かれ、ウェブ表面上の合計18のプライおよび2つのキャップ面の各々の上の28のプライについて、鏡像の、または対称なレイアップ順序を形成する。
【0047】
たとえば、図1Aに示される例としての構造要素の断面のような「C」形状の断面を備えた別の例としての構造要素は、ウェブ表面の2つの長手方向の最端の各々が構造要素の各最端でウェブ表面の最後の12インチを覆う付加的な10のプライを含むことができることを除いては、前の例と同じプライの組合せを含むことができる。この実施例では、2つの付加的な斜めプライが、2つのキャッププライと同時に、前の例の第1の45度の斜めプライの後、かつ第1の0度のウェブプライの前に、構造要素の各最端においてウェブ表面に置かれることができる。
【0048】
さらに、2つの付加的なクロスプライは、2つのキャッププライと同時に、前の例の第2の斜めプライの後、かつ第3の斜めプライの前に、構造要素の各最端においてウェブ表
面に置かれることができる。さらに、0度のウェブプライは、前の例の最後の3つのプライの前にキャッププライと同時に置くことができる。同様に、前の例の後半分のプライ間とは逆順序で、付加的な0度のウェブプライ、2つの付加的なクロスプライおよび2つの付加的な斜めプライを置くことにより、対称なプライ順序を得ることができる。
【0049】
この最後の例において、(対称な層の前半分の)付加的なプライの各々は、構造要素の中央に向かって、たとえば2分の1インチだけ前よりも遠くまで延在することができる。すなわち、たとえば、第1の付加的な45度の斜めプライは、構造要素レイアップの各端部から12.5インチ延在することができ、第2の付加的な45度の斜めプライはレイアップの各端部から13インチ延在することができ、第1の付加的なクロスプライはレイアップの各端部から13.5インチ延在することができ、第2の付加的なクロスプライはレイアップの各端部から14インチ延在することができ、付加的なウェブプライはレイアップの各端部から14.5インチ延在することができる。対称な、または鏡像のレイアップ順序を形成するために、対称な層の後半分の5つの付加的なプライは、各々前よりも2分の1インチ少なく延在することができる。
【0050】
さらなる例として、図1Bに示される例としての構造要素の断面のような「L」形状の断面を備えたシヤタイは24のプライを含むことができる。この実施例では、方法は以下の順で半数のプライを置くことを含むことができる:
・ ウェブ表面および両方のキャップ面上の45度の斜めプライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面上のクロスプライ、
・ ウェブ表面およびキャップの表面上の45度の斜めプライ、
・ ウェブ表面上のウェブプライおよび2つのキャップ面上のキャッププライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面上の45度の斜めプライ、
・ ウェブ表面上および2つのキャップ面上のクロスプライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面上の45度の斜めプライ、
・ ウェブ表面上のウェブプライおよび2つのキャップ面上のキャッププライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面上の45度の斜めプライ、
・ ウェブ表面上および2つのキャップ面上のクロスプライ、
・ ウェブ表面およびキャップ面上の45度の斜めプライ、
・ ウェブ表面上のウェブプライおよび2つのキャップ面上のキャッププライ。
【0051】
次に、この例におけるプライの後半分は前半分とは逆順序で心棒に置かれ、ウェブ表面上および2つのキャップ面の各々の上の合計24のプライについて、鏡像の、または対称なレイアップ順序を形成する。
【0052】
この発明の多くの特徴および利点が詳細な説明から明らかであり、したがって、添付された請求項によって、この発明の精神および範囲内のこのような発明の特徴および利点がすべて包含されるよう意図される。さらに、多数の修正および変形が当業者には容易に想到されるので、この発明を、示され、記載された通りの構造および動作に限定することは望まれず、したがって、すべての適切な修正および等価物はこの発明の範囲内に再区分され得る。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1A】「C」形状の断面を有する湾曲した構造要素を示す斜視図である。
【図1B】「L」形状の断面を有する湾曲した構造要素を示す斜視図である。
【図2】この方法またはプロセスの実施例による製造工具または心棒を示す斜視図である。
【図3】複合材料の0度ウェブプライの製作およびレイアッププロセスを示す斜視図である。
【図4】複合材料の0度キャッププライのレイアップを示す斜視図である。
【図5】製造工具上の複合材料の45度斜めプライのレイアップの斜視図である。
【図6】複合材料の90度クロスプライのレイアップを示す斜視図である。
【図7】凹型製造工具上に転送された構造要素レイアップを示す斜視図である。
【図8】硬化用の封止された真空バッグにおける構造要素レイアップの筐体を示す斜視図である。
【図9】湾曲した複合構造要素を製造するために従うべきステップを示すフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
湾曲した複合プライを製作する方法であって、
プライを形成するために、接触して隣接した複数の複合材料のストリップを平坦な弓形の形状に配置するステップを含み、複合材料は一般的な繊維配向を含む複数の繊維を含み、ストリップの各々の繊維配向は平坦な弓形の全長に沿って実質的に位置合わせされ、さらに
プライの縁部をトリミングするステップを含む、方法。
【請求項2】
各ストリップは、樹脂が含浸された一方向複合テープから裁断されたスリットを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各ストリップは樹脂が含浸された複合トウのストランドを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ストリップを取外し可能な基板材料に配置するステップをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項5】
プライを製造工具に置くステップをさらに含み、製造工具は、繊維配向が曲面の長手方向の中心線と実質的に位置合わせされるように平坦な弓形の形状の曲面を含む、請求項1の方法。
【請求項6】
湾曲した複合構造要素を製造する方法であって、
複合材料を含む湾曲した複合ウェブプライを製造工具上に置くステップを含み、製造工具は平坦な弓形の形状の曲面を含み、複合材料は一般的な繊維配向を含む複数の繊維を含み、ウェブプライの繊維配向は曲面の長手方向の中心線と実質的に位置合わせされ、さらに
ウェブプライを硬化するステップを含む、方法。
【請求項7】
工具に置かれているウェブプライの後に続いてウェブプライから基板材料を取除くステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
曲面と交差してキャップ面と曲面との間に隅部を形成する製造工具のキャップ面に複合テープを含むキャッププライを置くステップをさらに含み、複合テープは一般的なテープ繊維配向を含む複数のテープ繊維を含み、テープ繊維配向はキャップ面の長手方向の中心線と実質的に位置合わせされ、キャッププライがウェブプライに合う隅部に沿ってスプライスが形成される、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
曲面の上に斜めプライを置くステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
曲面の上にクロスプライを置くステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
複合材料の真下およびその内部から捉えられている空気を取除くために、製造工具上のウェブプライを含む湾曲した複合構造要素レイアップを真空バッグ内に封止するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
レイアップの表面の反対の形状を有する第2の湾曲した製造工具上に、ウェブプライを含む湾曲した複合構造要素レイアップを移送するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項13】
ウェブプライを含む湾曲した複合構造要素レイアップを欠陥について検査するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項14】
ウェブプライを含む湾曲した複合構造要素レイアップを余分の材料を取除くためにトリミングするステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項15】
湾曲した複合構造要素を製造する方法であって、
複合材料を含む斜めプライを製造工具上に置くステップを含み、製造工具は平坦な弓形の形状の曲面を含み、複合材料は、第1の繊維配向および第2の繊維配向を含む複数の繊維を含み、斜めプライの第1および第2の繊維配向は、曲面の長手方向の中心線に沿ったすべての点でおよそ一定の、長手方向の中心線の接線に対する角度を形成し、さらに
斜めプライを硬化するステップを含む、方法。
【請求項16】
第1および第2の繊維配向は互いに実質的に直交し、斜めプライの第1および第2の繊維配向は、曲面の長手方向の中心線に沿ったすべての点で長手方向の中心線の接線に対しておよそ45度の角度を形成する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
斜めプライの第1および第2の繊維配向は、曲面の長手方向の中心線に沿ったすべての点で長手方向の中心線の接線に対しておよそ60度の角度を形成する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
複合材料は乾いた形状の複合ファブリックを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
複合材料は、樹脂が含浸されたプリプレッグ複合ファブリックを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
複合材料は、樹脂が含浸された複合テープを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
製造工具の内部キャップ面に斜めプライの内縁部を接着するステップをさらに含み、内部キャップ面は曲面と交差し、
内部キャップ面と曲面との間に内隅部を形成するために製造工具の曲面の上に斜めプライを折重ねるステップと、さらに
内部キャップ面および曲面上の複合材料のしわを回避するために、斜めプライを曲面上に均一に広げるステップとを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
外部キャップ面上の複合材料のしわを回避するために、外部キャップ面と曲面との間に外隅部を形成するために、曲面と交差する製造工具の外部キャップ面の上に斜めプライの外縁部を折重ねるステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
曲面の上にクロスプライを置くステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項24】
湾曲した複合構造要素を製造する方法であって、
複合テープの部分を裁断するステップを含み、複合テープは一般的なテープ繊維配向を有する複数のテープ繊維を含み、さらに
テープ部分を含むクロスプライを製造工具上に置くステップを含み、製造工具は平坦な弓形の形状の曲面を含み、テープ繊維配向は、曲面の長手方向の中心線に沿ったすべての点で長手方向の中心線の接線に対して実質的に直角を形成する、方法。
【請求項25】
製造工具の曲面上に置かれた時、テープ部分の平行ではない1対の辺が曲面の長手方向の中心線に対して実質的に直角を形成するように、テープ部分を台形の形状に裁断するス
テップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
製造工具の曲面上に置かれた時、テープ部分の中央部分の平行ではない辺の中央の対が曲面の長手方向の中心線に対して実質的に直角を形成し、テープ部分の縁部部分の平行な辺の縁部の対が製造工具のキャップ面の長手方向のキャップ中心線に対して実質的に直角を形成するように、テープ部分を修正された煙突形状に裁断するステップをさらに含み、キャップ面は曲面と交差する、請求項24の方法。
【請求項27】
製造工具の内部キャップ面にクロスプライの内縁部を接着するステップをさらに含み、内部キャップ面は曲面と交差し、
内部キャップ面と曲面との間に内隅部を形成するために製造工具の曲面の上にクロスプライを折重ねるステップと、さらに
内部キャップ面および曲面上の複合材料のしわを回避するために、クロスプライを曲面上に均一に広げるステップとを含み、クロスプライのテープ繊維配向は、曲面の長手方向の中心線に沿ったすべての点で長手方向の中心線の接線に対してほぼ直角を形成する、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
外部キャップ面上の複合材料のしわを回避するために、外部キャップ面と曲面との間に外側隅部を形成するために、曲面と交差する製造工具の外部キャップ面の上にクロスプライの外縁部を折重ねるステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−540168(P2008−540168A)
【公表日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−510069(P2008−510069)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/016191
【国際公開番号】WO2006/119002
【国際公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
【Fターム(参考)】