説明

炭素系膜の形成装置および形成方法

【課題】対象物を加熱したり、対象物表面へ下地層を形成したりすることなく、低コストで炭素系膜を形成することが可能な炭素系膜の形成装置および形成方法の提供。
【解決手段】炭素を含むガスと不活性ガスとの混合ガスをプラズマ生成部5によりプラズマ化し、このプラズマから引出電極7a,7bによりイオンビームを引き出して加速し、この引き出されたイオンビームを対象物X上へ照射することにより、対象物X表面の改質とこの対象物表面への炭素系膜の形成とを同時に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜、CN膜や、ダイヤモンド、グラファイトまたはアモルファスその他の炭素膜等の炭素系膜を形成する炭素系膜の形成装置および形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DLC膜を形成する方法の一つとして、プラズマCVD(化学気相成長)法が知られている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照。)。図7は従来のプラズマCVD装置の模式図である。図7に示すプラズマCVD装置は、真空チャンバ100内に互いに離間させて電極101,102を配置し、一方の電極101に高周波電源103を接続したものである。このプラズマCVD装置では、高周波電源103が接続された電極101にDLC膜を形成する基板104が配設される。
【0003】
チャンバ内にアルゴンガスとメタンガスとを導入し、電極101に高周波電力を印加して、基板101にセルフバイアスが掛かるようにすると、発生した炭素を含むイオンが加速されて基板101をたたく。基板101上に薄い膜が形成されると、この膜は炭素を含むイオンがたたく衝撃によって高圧状態となり、ダイヤモンドの小さな種が形成され、このイオン衝撃が繰り返されることにより、ダイヤモンド状の炭素膜すなわちDLC膜が形成される。
【0004】
ところで、イオン源から引き出されたイオンビームを対象物に照射して対象物表面を微細加工するイオンミリング装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。図8は従来のイオンミリング装置の模式図である。図8に示すように、このイオンミリング装置は、幅広のイオンビームを引き出すイオン源200と、対象物201の保持および冷却を行うホルダ202と、対象物201およびホルダ202を収納する真空容器203と、この真空容器203内を真空にするための真空ポンプ204と、イオンビームを電気的に中和するための熱電子を供給する中性化フィラメント205とから構成される。
【0005】
このイオンミリング装置では、イオン源200を構成する容器206に設けられているガス導入口207から導入されるアルゴンガス208は、容器206の壁面で形成されるアノード209とカソード210との間に直流電流を印加することによって電離してプラズマを容器206内に形成し、多数の小孔を設けた引出電極211,212によってプラズマをイオンビームとして引き出し、真空容器203内に導く。真空容器203内に導かれたイオンビームは、中性化用フィラメント205からの熱電子により電気的に中和され、回転しているホルダ202に固定された対象物201に照射され、対象物201を微細加工する。
【0006】
【特許文献1】特開昭60−261143号公報
【特許文献2】特公平6−24111号公報
【非特許文献1】斎藤秀俊監修、大竹尚登、中東孝浩編,DLC膜ハンドブック,エヌ・ティー・エス,2006年6月,ページp.80−91
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように、従来プラズマCVD法によりDLC膜を形成することが可能であるが、DLC膜は密着度が弱いため、良質なDLC膜を形成するには基板表面を加熱したり、基板表面に下地となる層を形成したりすることが必要となる。従来のプラズマCVD法では、DLC膜を形成するために基板を加熱処理している。すなわち、従来のプラズマCVD法では、DLC膜を形成するために大きなエネルギが必要となる。また、大面積の対象物上にDLC膜を形成するには、大面積の対象物の全体を加熱するために、大きな加熱装置が必要となってしまうという問題がある。
【0008】
そこで、本発明においては、対象物を加熱したり、対象物表面へ下地層を形成したりすることなく、低コストで炭素系膜を形成することが可能な炭素系膜の形成装置および形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の炭素系膜の形成装置は、炭素を含むガスをプラズマ化するプラズマ生成部と、このプラズマ生成部内のプラズマからイオンビームを引き出して加速する引出電極と、この引出電極から引き出されたイオンビームを照射することにより炭素系膜を形成する対象物を保持するホルダとを有するものである。
【0010】
本発明の炭素系膜の形成装置では、炭素を含むガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビームを引き出して加速し、この引き出されたイオンビームを対象物に照射する。このようにプラズマから高エネルギの炭素を含むイオンを取り出し、対象物上に衝突させることにより、対象物上に炭素系膜を形成することができる。
【0011】
また、本発明の炭素系膜の形成装置は、引出電極から引き出されたイオンビームおよび対象物表面のいずれかまたは両方を電気的に中和する中和器を有するものであることが望ましい。これにより、炭素を含むイオンを電気的に中和し、高エネルギを持った中性粒子として対象物上に照射し、この中性粒子により成膜させることができるので、対象物が絶縁体であっても炭素系膜を形成することが可能となる。
【0012】
さらに、本発明の炭素系膜の形成装置は、炭素を含むガスに不活性ガス(希ガス)または窒素ガスを混合してプラズマ生成部内に供給する流路を有するものであることが望ましい。この構成では、炭素を含むガスおよび不活性ガスまたは窒素ガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビームを引き出して加速し、この引き出されたイオンビームを対象物に照射する。これにより、不活性ガスのイオンにより対象物表面をスパッタリングして改質しながら、炭素を含むイオンまたは電気的に中和した中性粒子により炭素系膜を形成することができる。一方、窒素ガスを混合した場合には、窒素ガスがプラズマ化され、このプラズマから高エネルギの窒素を含むイオンが取り出され、この窒素を含むイオンまたは電気的に中和された中性粒子が対象物上に衝突するので、CN膜等の窒素を含む炭素系膜を形成することが可能となる。
【0013】
ここで、本発明の炭素系膜の形成装置は、炭素を含むガスと不活性ガスまたは窒素ガスとの混合比を調整する混合比調整手段を有するものであることが望ましい。この構成によれば、混合比調整手段により炭素を含むガスと不活性ガスまたは窒素ガスとの混合比を調整することで、対象物表面の改質の度合いと炭素系膜の膜厚とを任意に調整することができ、炭素系膜の膜質を変化させることができる。
【0014】
本発明の炭素系膜の形成方法は、炭素を含むガスをプラズマ化すること、このプラズマからイオンビームを引き出して加速すること、この引き出されたイオンビームを照射することにより対象物表面に炭素系膜を形成することを含む。本発明によれば、プラズマから高エネルギの炭素を含むイオンを取り出し、対象物上に衝突させることにより、対象物上に炭素系膜を形成することができる。
【0015】
本発明の炭素系膜の形成方法は、炭素を含むガスと不活性ガスまたは窒素ガスとの混合ガスをプラズマ化すること、このプラズマからイオンビームを引き出して加速すること、この引き出されたイオンビームを照射することにより対象物表面の改質とこの対象物表面への炭素系膜の形成とを同時に行うことを含む。本発明によれば、不活性ガスのイオンにより対象物表面をスパッタリングして改質しながら、炭素を含むイオンまたは電気的に中和した中性粒子により炭素系膜を形成することができる。一方、窒素ガスを混合した場合には、窒素ガスがプラズマ化され、このプラズマから高エネルギの窒素を含むイオンが取り出され、この窒素を含むイオンまたは電気的に中和された中性粒子が対象物上に衝突するので、CN膜等の窒素を含む炭素系膜を形成することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
(1)炭素を含むガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビームを引き出して加速し、この引き出されたイオンビームを照射することにより対象物表面に炭素系膜を形成する構成によって、プラズマから高エネルギの炭素を含むイオンを取り出し、対象物上に衝突させることにより、従来のプラズマCVD法のように対象物を加熱したり、対象物表面へ下地層を形成したりすることなく、低コストで炭素系膜を形成することが可能となる。
【0017】
(2)引出電極から引き出されたイオンビームおよび対象物表面のいずれかまたは両方を電気的に中和する中和器を有する構成により、炭素を含むイオンを電気的に中和し、高エネルギを持った中性粒子として対象物上に照射し、この中性粒子により成膜させることができるので、対象物が絶縁体であっても炭素系膜を形成することが可能となる。
【0018】
(3)炭素を含むガスと不活性ガスとの混合ガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビームを引き出して加速し、この引き出されたイオンビームを照射することにより対象物表面の改質とこの対象物表面への炭素系膜の形成とを同時に行う構成によって、一つの装置により、不活性ガスのイオン衝撃により対象物表面をスパッタリングして改質しながら、炭素を含むイオンまたは電気的に中和した中性粒子により炭素系膜を形成することが可能となる。また、不活性ガスのイオン衝撃によって、炭素系膜中への水素混入が軽減されるうえ、緻密な構造の膜を形成することが可能となる。
【0019】
(4)炭素を含むガスと窒素ガスとの混合ガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビームを引き出して加速し、この引き出されたイオンビームを照射することにより、CN膜等の窒素を含む炭素系膜を形成することが可能となる。
【0020】
(5)炭素を含むガスと不活性ガスとの混合比を調整する混合比調整手段を有する構成により、混合比調整手段により炭素を含むガスと不活性ガスとの混合比を調整することで、対象物表面の改質の度合いと炭素系膜の膜厚とを任意に調整して、任意の膜質の炭素系膜を形成することが可能となる。また、炭素を含むガスと窒素ガスとの混合比を調整すれば、任意の膜質のCN膜等の窒素を含む炭素系膜を形成することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は本発明の実施の形態における炭素系膜としてのDLCを形成するDLC膜形成装置の概略構成図、図2は図1の真空容器内のシャッタを開いた状態を示す図、図3はDLC成膜の様子を示すイメージ図、図4は高エネルギを持ったメタンの中性粒子が対象物へ衝突する様子を示すイメージ図である。
【0022】
図1において、本発明の実施の形態におけるDLC膜形成装置は、真空容器1内にDLCを形成する対象物Xを保持するホルダ2と、DLCの原料となる炭素を含むガスとしてのメタン(CH4)ガスを供給する第1のガス供給路3と、対象物Xの表面を改質するための不活性ガスとしてのアルゴン(Ar)ガスを供給する第2のガス供給路4と、第1および第2のガス供給路3,4から供給されるガスをプラズマ化するプラズマ生成部5と、第1および第2のガス供給路3,4を集合してメタンガスにアルゴンガスを混合してプラズマ生成部5内に供給する流路6とを有する。
【0023】
また、このDLC膜形成装置は、プラズマ生成部5内のプラズマからイオンビームを引き出して加速する引出電極7a,7bと、引出電極7a,7bから引き出されたイオンビームおよび対象物表面を電気的に中和する中和器としてのニュートラライザ8と、対象物Xへのイオンビームの照射を遮蔽するシャッタ9と、真空容器1内を真空引きするためのターボポンプ10およびロータリポンプ11と、ロータリポンプ11による排気を制御する排気制御装置12と、イオン源電源13と、排気制御装置12やイオン源電源13等を自動制御する自動制御装置14とを有する。
【0024】
ホルダ2は、当該ホルダ2上に保持する各対象物Xをそれぞれ回転させる(各対象物Xの自転)とともに当該ホルダ2自身が回転(各対象物Xの公転)可能となっている。また、ホルダ2は、当該ホルダ2自身の回転軸に対して傾斜させて設けられている。第1および第2のガス供給路3,4には、それぞれメタンガスとアルゴンガスとの混合比を調整するための混合比調整手段としての流量調整弁3a,4aが設けられている。流量調整弁3a,4aは、自動制御装置14により自動制御される。
【0025】
プラズマ生成部5、熱電子衝撃型イオン源である。プラズマ生成部5は、磁石5a、フィラメント5bおよびアノード5cを有する。図3に示すように、プラズマ生成部5では、フィラメント5bから放出された熱電子50がアノード5cに到達する間に流路6から供給されたメタン分子およびアルゴン分子と衝突し、プラズマを生成する。そして、多数の小孔が設けられた引出電極7a,7bによって、このプラズマはイオンビームとして引き出され、加速される。
【0026】
なお、引出電極7aはイオンビームの加速用電極、引出電極7bは減速用電極であり、それぞれの引出電極7a,7bの電圧を制御することで、イオンビームの加速度合いを調整する。引出電極7a,7bによって引き出され、加速されたイオンビームは、ニュートラライザ8から供給される熱電子51によって電気的に中和され、ホルダ2上の対象物Xへと照射される。
【0027】
上記構成のDLC膜形成装置では、図2に示すように真空容器1内のシャッタ9を開き、ターボポンプ10およびロータリポンプ11により真空容器1内を10-5Pa以下まで真空引きする。次に、流路6からメタンガスとアルゴンガスとの混合ガスをプラズマ生成部5内へ供給し、プラズマを発生させる。
【0028】
そして、引出電極7a,7bによりこのプラズマからイオンビームを引き出して加速し、ニュートラライザ8により電気的に中和し、高エネルギを持った中性粒子としてホルダ2上の対象物Xへと照射する。これにより、対象部X上では、アルゴンガスのイオン衝撃により表面がスパッタリングされて改質されながら、高エネルギを持ったメタンの中性粒子の衝撃によりDLC膜52(図3参照。)が形成される。
【0029】
このとき、図4に示すように、高エネルギを持ったメタンの中性粒子は、対象物Xに衝突した際、この衝突のエネルギにより水素が離散し、炭素のみが対象物Xの表面に付着し、DLC膜52を形成する。なお、DLC膜52を形成する場合のメタンの中性粒子のエネルギは、100〜300eVであることが好ましい。100eV未満の場合には衝突のエネルギが不足し、300eV超ではスパッタリングが支配的となる。
【0030】
以上のように、本実施形態におけるDLC膜形成装置では、メタンガスとアルゴンガスとの混合ガスをプラズマ化し、このプラズマからイオンビームを引き出して加速し、この引き出されたイオンビームを照射することにより対象物X表面の改質とこの対象物X表面へのDLC膜の形成とを同時に行うことができる。すなわち、本実施形態におけるDLC膜形成装置では、一つの装置により、アルゴンガスのイオン衝撃により対象物X表面をスパッタリングして改質しながら、炭素を含むイオンを電気的に中和した中性粒子によりDLC膜を形成することが可能である。また、このDLC膜形成装置では、アルゴンガスのイオン衝撃によって、DLC膜中への水素混入が軽減されるうえ、緻密な構造の膜を形成することが可能である。
【0031】
また、本実施形態におけるDLC膜形成装置では、プラズマから高エネルギの炭素を含むイオンを取り出し、これを電気的に中和した中性粒子を対象物X上に衝突させることにより、従来のプラズマCVD法のように対象物Xを加熱することなく、対象物X上にDLC膜を形成することができるので、低コストでDLC膜を形成することが可能である。
【0032】
また、このDLC膜形成装置では、引出電極7a,7bから引き出されたイオンビームをニュートラライザ8により電気的に中和し、高エネルギを持った中性粒子として対象物X上に照射し、成膜させるので、対象物Xが絶縁体であってもDLC膜を形成することが可能である。
【0033】
また、このDLC膜形成装置では、流量調整弁3a,4aによりメタンガスとアルゴンガスとの混合比を調整することで、対象物X表面の改質の度合いとDLC膜の膜厚とを任意に調整して、任意の膜質のDLC膜を形成することが可能である。図5は所定のメタンガスとアルゴンとの混合比における成膜時間とDLC膜厚との関係を示している。また、図6はメタンガスとアルゴンガスとの混合比とDLC膜厚との関係を示している。
【0034】
図5に示すように、アルゴンガスの混合量が多い程、同じ膜厚を得るまでの成膜時間は長くなる。また、図6に示すように、メタンガスとアルゴンガスとを混合する場合には、CH4/Ar=60%以上としなければDLC膜は形成されない。
【0035】
なお、本実施形態においては、DLC膜を形成する原料としてメタンガスを用いた例について説明したが、メタンガス以外の炭素を含むガスとして、例えば、アセチレン(C22)ガスやプロパン(C38)ガス等を用いることも可能である。また、アルゴンガスに代えて他のヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)等の不活性ガスを用いることも可能である。また、メタンガスと窒素(N)ガスとの混合ガスを用いれば、CN膜を形成することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、対象物表面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜、CN膜や、ダイヤモンド、グラファイトまたはアモルファスその他の炭素膜等の炭素系膜を形成する炭素系膜の形成装置および形成方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態における炭素系膜としてのDLCを形成するDLC膜形成装置の概略構成図である。
【図2】図1の真空容器内のシャッタを開いた状態を示す図である。
【図3】DLC成膜の様子を示すイメージ図である。
【図4】高エネルギを持ったメタンの中性粒子が対象物へ衝突する様子を示すイメージ図である。
【図5】所定のメタンガスとアルゴンとの混合比における成膜時間とDLC膜厚との関係を示す図である。
【図6】メタンガスとアルゴンガスとの混合比とDLC膜厚との関係を示す図である。
【図7】従来のプラズマCVD装置の模式図である。
【図8】従来のイオンミリング装置の模式図である。
【符号の説明】
【0038】
1 真空容器
2 ホルダ
3,4 ガス供給路
3a,4a 流量調整弁
5 プラズマ生成部
5a 磁石
5b フィラメント
5c アノード
6 流路
7a,7b 引出電極
8 ニュートラライザ
9 シャッタ
10 ターボポンプ
11 ロータリポンプ
12 排気制御装置
13 イオン源電源
14 自動制御装置
50,51 熱電子
52 DLC膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素を含むガスをプラズマ化するプラズマ生成部と、
このプラズマ生成部内のプラズマからイオンビームを引き出して加速する引出電極と、
この引出電極から引き出されたイオンビームを照射することにより炭素系膜を形成する対象物を保持するホルダと
を有する炭素系膜の形成装置。
【請求項2】
前記引出電極から引き出されたイオンビームおよび対象物表面のいずれかまたは両方を電気的に中和する中和器を有する請求項1記載の炭素系膜の形成装置。
【請求項3】
前記炭素を含むガスに不活性ガスまたは窒素ガスを混合して前記プラズマ生成部内に供給する流路を有する請求項1または2に記載の炭素系膜の形成装置。
【請求項4】
前記炭素を含むガスと不活性ガスまたは窒素ガスとの混合比を調整する混合比調整手段を有する請求項3記載の炭素系膜の形成装置。
【請求項5】
炭素を含むガスをプラズマ化すること、
このプラズマからイオンビームを引き出して加速すること、
この引き出されたイオンビームを照射することにより対象物表面に炭素系膜を形成すること
を含む炭素系膜の形成方法。
【請求項6】
炭素を含むガスと不活性ガスまたは窒素ガスとの混合ガスをプラズマ化すること、
このプラズマからイオンビームを引き出して加速すること、
この引き出されたイオンビームを照射することにより対象物表面の改質とこの対象物表面への炭素系膜の形成とを同時に行うこと
を含む炭素系膜の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−50670(P2008−50670A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−229667(P2006−229667)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(598032092)株式会社大熊エンジニアリング (2)
【出願人】(591065549)福岡県 (121)
【Fターム(参考)】