説明

無段変速機

【課題】3軸構造の無段変速機において、前進時及び後進時に十分な駆動力を発生する。
【解決手段】本発明は、3軸構造の無段変速機において、前後進切替機構(3)がサンギア(13)、第1のピニオンギア(23)、第2のピニオンギア(24)及びリングギア(15)を備え、さらに車両の前進時にリングギア(15)の回転を係止するフォワードブレーキ(29)と、車両の後進時にキャリア(14)の回転を係止するリバースブレーキ(31)と、車両の前進時にキャリア(14)と出力側とを連結するフォワードクラッチ(26)と、車両の後進時にリングギア(15)と出力側とを連結するリバースクラッチ(28)とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無段変速機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
無段変速機において、プライマリプーリ軸、セカンダリプーリ軸、カウンタシャフト軸及びディファレンシャル軸の4軸から構成されるものが知られている。このような4軸構造の無段変速機では、セカンダリ軸とカウンタシャフト軸との間、及びカウンタシャフト軸とディファレンシャル軸との間でそれぞれ回転速度を減速している。
【0003】
しかし、4軸構造の無段変速機では、4本のシャフトが必要となることに加えて、カウンタシャフトに減速ギア機構を設けるので、装置の小形化、軽量化が困難である。
【0004】
そこで、カウンタシャフトを必要とせず、前後進切替機構において減速する3軸構造の無段変速機が特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開2002−327828公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術では、車両の前進時には前後進切替機構において減速することができるが、後進時には前後進切替機構の入出力間が直結されるので減速されず、車両の駆動力が不足する場合がある。
【0006】
本発明は、3軸構造の無段変速機において、前進時及び後進時に十分な駆動力を発生することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前後進切替機構と、ベルト式無段変速機構と、ディファレンシャル装置とを備え、前後進切替機構及びベルト式無段変速機構のプライマリプーリによって構成される第1の軸と、ベルト式無段変速機構のセカンダリプーリによって構成される第2の軸と、ディファレンシャル装置の左右の駆動軸によって構成される第3の軸とからなる3軸構造の無段変速機において、前後進切替機構は、入力側に連結されるサンギアと、サンギアと噛み合うようにサンギアの外周に複数設けられる第1のピニオンギアと、第1のピニオンギアと噛み合うようにサンギアの外周に複数設けられる第2のピニオンギアと、第2のピニオンギアと噛み合うように設けられるリングギアと、第1のピニオンギア及び第2のピニオンギアを一体的に連結するキャリアと、車両の前進時にリングギアの回転を係止するフォワードブレーキと、車両の後進時にキャリアの回転を係止するリバースブレーキと、車両の前進時にキャリアと出力側とを連結するフォワードクラッチと、車両の後進時にリングギアと出力側とを連結するリバースクラッチとを備える。
【0008】
また、前後進切替機構と、ベルト式無段変速機構と、ディファレンシャル装置とを備え、前後進切替機構及びベルト式無段変速機構のプライマリプーリによって構成される第1の軸と、ベルト式無段変速機構のセカンダリプーリによって構成される第2の軸と、ディファレンシャル装置の左右の駆動軸によって構成される第3の軸とからなる3軸構造の無段変速機において、前後進切替機構は、入力側に連結されるサンギアと、サンギアと噛み合うようにサンギアの外周に複数設けられるピニオンギアと、ピニオンギアと噛み合うように設けられるリングギアと、複数のピニオンギアを一体的に連結するキャリアと、車両の前進時にキャリアの回転を係止するフォワードブレーキと、車両の後進時にリングギアの回転を係止するリバースブレーキと、車両の前進時にリングギアと出力側とを連結するフォワードクラッチと、車両の後進時にキャリアと出力側とを連結するリバースクラッチとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両の前進時だけでなく後進時も前後進切替装置において減速することができるので、無段変速機全体でのギア比の要求値を前進時及び後進時において満たすことができ、3軸構造の無段変速機として小形化を図りながら、後進時であっても十分な駆動力を発生することができ登坂性能や発進加速性能を満足することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下では図面等を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は本実施形態における無段変速機の構成を示す概略構成図である。本実施形態における無段変速機1は、トルクコンバータ2、前後進切替機構3、ベルト式無段変速機構4及びディファレンシャル装置5から構成される。
【0012】
ベルト式無段変速機構4は、プライマリプーリ10、セカンダリプーリ11及び両プーリ10、11に掛け回されるベルト12によって構成され、各プーリ10、11の溝幅を変化させることでベルト12の接触半径を変化させて変速比を無段階に切り換える。トルクコンバータ2を介して伝達されるエンジンの駆動力は前後進切替機構3のサンギア13に入力され、減速されてキャリア14又はリングギア15からプライマリプーリ10へ出力される。セカンダリプーリ11から出力される駆動力は、出力軸と同軸上に設けられる出力ギア16と噛み合うディファレンシャル装置5のリングギア17へ伝達され、差動装置18を介して左右の駆動軸19へと伝達される。
【0013】
ここで、プライマリプーリ10は同軸上に設けられるトルクコンバータ2及び前後進切替機構3と第1軸を構成し、セカンダリプーリ11は同軸上に設けられる出力ギア16と第2軸を構成し、差動装置18から左右の駆動軸19へと駆動力を伝達する左右の駆動軸19は第3軸を構成する。無段変速機1は、上記3軸が軸方向から見たとき三角形状となるように配置される3軸構造の無段変速機1である。なお、図1では各部の構造を見やすくするためにディファレンシャル装置がセカンダリプーリより下方に示されているが、実際には、ディファレンシャル装置のリングギアがトルクコンバータとプライマリプーリとの間の空間に収まるように、ディファレンシャル装置全体が図示した位置より上方に設けられる。
【0014】
プライマリプーリ10の油圧室20はトルクコンバータ側に設け、前後進切替機構3をトルクコンバータ2とは反対側に設ける。プライマリプーリ10の回転軸21は中空となるように形成され、トルクコンバータ2の出力側と前後進切替機構3のサンギア13とを連結する駆動軸19が内部を貫通する。セカンダリプーリ11の油圧室22はプライマリプーリ10の油圧室20を設けた側とは反対側に設ける。
【0015】
これにより、前後進切替機構3とディファレンシャル装置5とは、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ11とを結ぶ線に対して互いに反対側に配置されることになるので、セカンダリプーリ11の出力側に設けられるディファレンシャル装置5は、トルクコンバータ2とプライマリプーリ10との隙間を有効に利用して配置することができ、軸間距離を縮小して無段変速機全体を小形化することができる。
【0016】
前後進切替機構3は、ダブルピニオン型遊星歯車機構によって構成され、サンギア13、第1のピニオンギア23、第2のピニオンギア24及びリングギア15を備える。サンギア13はトルクコンバータ2の出力側に連結された入力軸25に連結される。第1のピニオンギア23及び第2のピニオンギア24は互いに噛み合うようにサンギア13の外周にそれぞれ複数設けられ、第1のピニオンギア23はサンギアと噛み合い、第2のピニオンギア24はリングギアと噛み合う。
【0017】
また、第1のピニオンギア23及び第2のピニオンギア24は、第1のピニオンギア23及び第2のピニオンギア24のすべての回転軸を一体的に連結するキャリア14によって径方向への移動は拘束され、回転軸周りの自転及びサンギア13を中心とした公転が許容される。リングギア15はリング状の内歯歯車であり、第2のピニオンギア24と噛み合う。
【0018】
キャリア14はフォワードクラッチ26を介してプライマリプーリ10の入力軸27と連結され、リングギア15はリバースクラッチ28を介してプライマリプーリ10の入力軸と連結される。また、リングギア15はフォワードブレーキ29を介してケース30に連結され、フォワードブレーキ29を作動させることでケース30に係止される。キャリア14はリバースブレーキ31を介してケース30に連結され、リバースブレーキ31を作動させることでケース30に係止される。
【0019】
ここで、フォワードブレーキ29とリバースブレーキ31とを図2に示すようなドグクラッチ50に置き換えてもよい。ドグクラッチ50は、キャリア14とリングギア15とに近接して設けられる係止部材51を軸方向に移動させることで、キャリア14の回転とリングギア15の回転とのうち一方を選択的に係止することができる。これにより、キャリア14及びリングギア15との同時締結を防止でき、またサイズを小形化できる。
【0020】
次に前後進切替機構3の作動について説明する。図3は、車両の前進時及び後進時のフォワードクラッチ26、リバースクラッチ28、フォワードブレーキ29及びリバースブレーキ31の締結状態を示す表であり、○印が締結状態を示し、×印が開放状態を示す。
【0021】
前進時には、フォワードブレーキ29が締結されるので、リングギア15の回転は拘束され、キャリア14の回転は許容される。サンギア13が回転すると、サンギア13と噛み合う第1のピニオンギア23が回転し、第1のピニオンギア23と噛み合う第2のピニオンギア24がリングギア15と噛み合いながら回転する。これにより、第1のピニオンギア23及び第2のピニオンギア24はそれぞれ自転しながらキャリア14とともにサンギア13の外周を回転する。キャリア14の回転は締結されているフォワードクラッチ26を介してプライマリプーリ10の入力軸に伝達される。
【0022】
後進時には、リバースブレーキ67が締結されるので、キャリア14の回転が拘束され、リングギア15の回転は許容される。サンギア13が回転すると、サンギア13と噛み合う第1のピニオンギア23が回転し、第1のピニオンギア23と噛み合う第2のピニオンギア24が回転する。キャリア14の回転は拘束されているので第1のピニオンギア23及び第2のピニオンギア24はサンギア13の外周を回転することなく自転する。リングギア15は第2のピニオンギア24の回転によって回転し、締結されたリバースクラッチ28を介してプライマリプーリ10の入力軸に伝達される。
【0023】
以上の作動を図4の共線図を参照しながら説明する。図4は、前後進切替機構3のギア比を示す共線図であり、サンギア13、リングギア15及びキャリア14の回転速度を縦軸に示す。さらに加えて、出力ギア16が連結されるセカンダリプーリ11の回転軸と駆動軸19との間のギア比を示す。なお、図4はベルト式無段変速機構4の変速比を1として示しており、前進時はキャリアの回転がプライマリプーリ10へ伝達され、後進時はリングギア15の回転がプライマリプーリ10へ伝達されるので、それぞれの回転速度をセカンダリプーリ11の回転速度とする。
【0024】
前進時は、リングギア15の回転が拘束されて回転速度がゼロとなるので、キャリア14の回転方向はサンギア13と反対方向となり、回転速度は減速される。キャリア14の回転がプライマリプーリ10へ伝達された後、セカンダリプーリ11の回転軸に連結される出力ギア16からディファレンシャル装置5のリングギア17へと回転が伝達されるときに回転方向は反転し、駆動軸19の回転方向はサンギア13の回転方向と同方向となり、回転速度は減速される。
【0025】
後進時は、キャリア14の回転が拘束されて回転速度がゼロとなるので、リングギア15の回転方向はサンギア13と同方向となり、回転速度は減速される。リングギア15の回転がプライマリプーリ10へ伝達された後、セカンダリプーリ11の回転軸に連結される出力ギア16からディファレンシャル装置5のリングギア17へと回転が伝達されるときに回転方向は反転し、駆動軸19の回転方向はサンギア13の回転方向と反対方向となり、回転速度は減速される。
【0026】
以上のように本実施形態では、車両の前進時だけでなく後進時も前後進切替装置において減速することができるので、無段変速機全体でのギア比の要求値を前進時及び後進時において満たすことができ、3軸構造の無段変速機1として小形化を図りながら、後進時であっても十分な駆動力を発生することができ登坂性能や発進加速性能を満足することができる。
【0027】
また、ベルト式無段変速機構4より上流側に設けられる前後進切替機構3において減速するので、前進時及び後進時においてベルト12とプライマリプーリ10及びセカンダリプーリ11との間のフリクショントルクを低減することができる。
【0028】
さらに、前後進切替機構3とディファレンシャル装置5とは、プライマリプーリ10とセカンダリプーリ11とを結ぶ線に対して互いに反対側に配置されるので、トルクコンバータ2とプライマリプーリ10との隙間を有効に利用してディファレンシャル装置5を配置することができ、軸間距離を縮小して無段変速機全体を小形化することができる。
【0029】
さらに、前後進切替機構3としてダブルピニオン型遊星歯車機構を用いるので、車両の前進時にキャリア14が回転することにより、遠心油圧によって第1のピニオンギア23及び第2のピニオンギア24内のニードルベアリングなどの潤滑性能を向上させることができ、強制潤滑用油路の形状や部品などを簡素化することができる。
【0030】
(第2実施形態)
図5は本実施形態における無段変速機の構成を示す概略構成図である。本実施形態では、第1実施形態と同様の構成であり、前後進切替機構の構成が一部異なる。
【0031】
本実施形態の前後進切替機構60は、シングルピニオン型遊星歯車機構によって構成され、サンギア61、ピニオンギア62及びリングギア63を備える。サンギア61はトルクコンバータ2の出力側に連結された入力軸に連結される。ピニオンギア62はサンギア61の外周に複数設けられ、ピニオンギア62のすべての回転軸を一体的に連結するキャリア69によって径方向への移動は拘束され、回転軸周りの自転及びサンギア61を中心とした公転が許容される。リングギア63はリング状の内歯歯車であり、ピニオンギア62と噛み合う。
【0032】
リングギア63はフォワードクラッチ64を介してプライマリプーリ10の入力軸と連結され、キャリア69はリバースクラッチ65を介してプライマリプーリ10の入力軸と連結される。また、キャリア69はフォワードブレーキ66を介してケース68に連結され、フォワードブレーキ66を作動させることでケース68に係止される。リングギア63はリバースブレーキ67を介してケース68に連結され、リバースブレーキ67を作動させることでケース68に係止される。ここで、第1実施形態と同様にフォワードブレーキ66とリバースブレーキ67を図2に示すような1つのドグクラッチ50に置き換えることで、同時締結を防止でき、またサイズを小形化できる。
【0033】
次に前後進切替機構60の作動について図3を用いて説明する。なお、図3は第1実施形態においてダブルピニオン型遊星歯車機構の締結表として説明したが、本実施形態におけるシングルピニオン型遊星歯車機構においても同一である。フォワードクラッチ64、リバースクラッチ65、フォワードブレーキ66及びリバースブレーキ67の配置がダブルピニオン型遊星歯車機構とは異なるので作動は以下に説明するように第1実施形態とは異なる。
【0034】
前進時には、フォワードブレーキ66が締結されるので、キャリア69の回転が拘束され、リングギア63の回転は許容される。サンギア61が回転すると、サンギア61と噛み合うピニオンギア62が回転する。このときキャリア69の回転は拘束されているのでピニオンギア62はサンギア61の外周を回転することなく自転する。リングギア63はピニオンギア62の回転によって回転し、締結されたフォワードクラッチ64を介してプライマリプーリ10の入力軸70に伝達される。
【0035】
後進時には、リバースブレーキ67が締結されるので、リングギア63の回転は拘束され、キャリア69の回転は許容される。サンギア61が回転すると、サンギア61と噛み合うピニオンギア62が回転する。このとき、ピニオンギア62は自転しながらキャリア69とともにサンギア61の外周を回転する。キャリア69の回転は締結されているリバースクラッチ65を介してプライマリプーリ10の入力軸70に伝達される。
【0036】
以上の作動を図6の共線図を参照しながら説明する。図6は、本実施形態における前後進切替機構60のギア比を示す共線図であり、サンギア61、キャリア69及びリングギア63の回転速度を縦軸に示す。さらに加えて、出力ギア16が連結されるセカンダリプーリ11の回転軸と駆動軸19との間のギア比を示す。なお、図6はベルト式無段変速機構4の変速比を1として示しており、前進時はリングギア63の回転がプライマリプーリ10へ伝達され、後進時はキャリア69の回転がプライマリプーリ10へ伝達されるので、それぞれの回転速度をセカンダリプーリ11の回転速度とする。
【0037】
前進時は、キャリア69の回転が拘束されて回転速度がゼロとなるので、リングギア63の回転方向はサンギア61と反対方向となり、回転速度は減速される。リングギア63の回転がプライマリプーリ10へ伝達された後、セカンダリプーリ11の回転軸に連結される出力ギア16からディファレンシャル装置5のリングギア63へと回転が伝達されるときに回転方向は反転し、駆動軸19の回転方向はサンギア61の回転方向と同方向となり、回転速度は減速される。
【0038】
後進時は、リングギア63の回転が拘束されて回転速度がゼロとなるので、キャリア69の回転方向はサンギア61と同方向となり、回転速度は減速される。キャリア69の回転がプライマリプーリ10へ伝達された後、セカンダリプーリ11の回転軸に連結される出力ギア16からディファレンシャル装置5のリングギアへと回転が伝達されるときに回転方向は反転し、駆動軸19の回転方向はサンギア61の回転方向と反対方向となり、回転速度は減速される。
【0039】
以上のように本実施形態では、シングルピニオン型遊星歯車機構を用いるので、第1実施形態と同様に、後進時における登坂性能や発進加速性能を満足しながら、ピニオンギアが少ない分だけ無段変速機1をより小形化、軽量化することができる。
【0040】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態における無段変速機の構成を示す概略構成図である。
【図2】ドグクラッチの構成を示す概略構成図である。
【図3】車両の前進時及び後進時の締結表である。
【図4】第1実施形態における前後進切替機構のギア比を示す共線図である。
【図5】第2実施形態における無段変速機の構成を示す概略構成図である。
【図6】第2実施形態における前後進切替機構のギア比を示す共線図である。
【符号の説明】
【0042】
1 無段変速機
3 前後進切替機構
4 ベルト式無段変速機構
5 ディファレンシャル装置
10 プライマリプーリ
11 セカンダリプーリ
13 サンギア
14 キャリア
15 リングギア
23 第1のピニオンギア
24 第2のピニオンギア
26 フォワードクラッチ
28 リバースクラッチ
29 フォワードブレーキ
31 リバースブレーキ
50 ドグクラッチ
60 前後進切替機構
61 サンギア
69 キャリア
63 リングギア
62 ピニオンギア
64 フォワードクラッチ
65 リバースクラッチ
66 フォワードブレーキ
67 リバースブレーキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後進切替機構と、ベルト式無段変速機構と、ディファレンシャル装置とを備え、前記前後進切替機構及び前記ベルト式無段変速機構のプライマリプーリによって構成される第1の軸と、前記ベルト式無段変速機構のセカンダリプーリによって構成される第2の軸と、前記ディファレンシャル装置の左右の駆動軸によって構成される第3の軸とからなる3軸構造の無段変速機において、
前記前後進切替機構は、入力側に連結されるサンギアと、前記サンギアと噛み合うように前記サンギアの外周に複数設けられる第1のピニオンギアと、前記第1のピニオンギアと噛み合うように前記サンギアの外周に複数設けられる第2のピニオンギアと、前記第2のピニオンギアと噛み合うように設けられるリングギアと、前記第1のピニオンギア及び第2のピニオンギアを一体的に連結するキャリアと、車両の前進時に前記リングギアの回転を係止するフォワードブレーキと、前記車両の後進時に前記キャリアの回転を係止するリバースブレーキと、前記車両の前進時に前記キャリアと出力側とを連結するフォワードクラッチと、前記車両の後進時に前記リングギアと出力側とを連結するリバースクラッチとを備えることを特徴とする無段変速機。
【請求項2】
前後進切替機構と、ベルト式無段変速機構と、ディファレンシャル装置とを備え、前記前後進切替機構及び前記ベルト式無段変速機構のプライマリプーリによって構成される第1の軸と、前記ベルト式無段変速機構のセカンダリプーリによって構成される第2の軸と、前記ディファレンシャル装置の左右の駆動軸によって構成される第3の軸とからなる3軸構造の無段変速機において、
前記前後進切替機構は、入力側に連結されるサンギアと、前記サンギアと噛み合うように前記サンギアの外周に複数設けられるピニオンギアと、前記ピニオンギアと噛み合うように設けられるリングギアと、複数の前記ピニオンギアを一体的に連結するキャリアと、車両の前進時に前記キャリアの回転を係止するフォワードブレーキと、前記車両の後進時に前記リングギアの回転を係止するリバースブレーキと、前記車両の前進時に前記リングギアと出力側とを連結するフォワードクラッチと、前記車両の後進時に前記キャリアと出力側とを連結するリバースクラッチとを備えることを特徴とする無段変速機。
【請求項3】
前記前後進切替機構と前記ディファレンシャル装置とは、前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリとを結ぶ線に対して互いに反対側に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の無段変速機。
【請求項4】
前記フォワードブレーキ及び前記リバースブレーキは、前記リングギアと前記キャリアとのうち一方と選択的に締結して回転を係止可能なドグクラッチであることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の無段変速機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−106898(P2008−106898A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292223(P2006−292223)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】