説明

燃料電池自動車

【課題】 燃料電池用サブフレームの軽量化を図る。
【解決手段】 水素と酸素の電気化学反応によって発電を行う燃料電池によって走行用モータを駆動する燃料電池自動車において、前記燃料電池を搭載した燃料電池用サブフレーム30と、前記燃料電池に供給する加圧水素を貯蔵する水素タンク7を搭載した水素タンク用サブフレーム90と、を備え、燃料電池用サブフレーム30と水素タンク用サブフレーム90は車体前後方向に離間して配置されるとともに車体のフロアフレームにその下方から締結され、且つ、燃料電池用サブフレーム30のクロスメンバ40Eと水素タンク用サブフレーム90のメンバ92が連結アーム22によって連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃料電池によって走行用モータを駆動し走行する燃料電池自動車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の燃料電池自動車においては、燃料電池やその補機類が搭載されたサブフレームを車体骨格メンバにその下方から締結し、車体フロア下に配置したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−182624号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記サブフレームは、搭載される機器を支え、荷重を車体骨格メンバに伝達可能な機械的強度が必要である。一方で、車両軽量化の要請から、サブフレームの軽薄小型化が求められている。しかしながら、これらを同時に満足させるのはなかなか難しかった。
そこで、この発明は、機械的強度を確保しつつ軽量化が可能なサブフレームを備えた燃料電池自動車を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、水素と酸素の電気化学反応によって発電を行う燃料電池(例えば、後述する実施例における燃料電池2)によって走行用モータ(例えば、後述する実施例における走行用モータ3)を駆動する燃料電池自動車(例えば、後述する実施例における燃料電池自動車1)において、前記燃料電池を搭載した燃料電池用サブフレーム(例えば、後述する実施例における燃料電池用サブフレーム30)と、前記燃料電池に供給する加圧水素を貯蔵する水素タンク(例えば、後述する実施例における水素タンク7)を搭載した水素タンク用サブフレーム(例えば、後述する実施例における水素タンク用サブフレーム90)と、を備え、前記燃料電池用サブフレームと前記水素タンク用サブフレームは車体前後方向に離間して配置されるとともに車体のフロアフレーム(例えば、後述する実施例におけるフロアフレーム19)にその下方から締結され、且つ、前記燃料電池用サブフレームと前記水素タンク用サブフレームにおける互いに接近する部分が連結部材(例えば、後述する実施例における連結アーム22)によって連結されていることを特徴とする燃料電池自動車である。
このように構成することにより、燃料電池用サブフレームに加わる荷重の一部を水素タンク用サブフレームに負担させることができるので、強度設計上、燃料電池用サブフレームの荷重負担を軽減することができる。
【0005】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明において、前記燃料電池用サブフレームは、車体の前後方向に延びる左右のサイドフレーム(例えば、後述する実施例におけるサイドフレーム31)と、車幅方向に延び前記左右のサイドフレームを連結する複数のクロスメンバ(例えば、後述する実施例におけるクロスメンバ40A〜40E)によって構成され、前記水素タンク用サブフレームに最も近くに配置された前記クロスメンバ(例えば、後述する実施例におけるクロスメンバ40E)と前記水素タンク用サブフレームが前記連結部材によって連結されていることを特徴とする。
このように構成することにより、水素タンク用サブフレームに最も近くに配置されたクロスメンバの荷重負担を軽減することができる。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に係る発明によれば、燃料電池用サブフレームの荷重負担を軽減することができるので、燃料電池用サブフレームの強度軽減が可能になり、軽量化が可能になる。
請求項2に係る発明によれば、水素タンク用サブフレームに最も近くに配置されたクロスメンバの荷重負担を軽減することができるので、前記クロスメンバの強度軽減が可能になり、軽量化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、この発明に係る燃料電池自動車の実施例を図1から図14の図面を参照して説明する。なお、図中の前後左右の矢印は各々車体の前後左右を示す。
図1に示すように、燃料電池自動車1は水素と酸素との電気化学反応によって発電を行う燃料電池2を搭載したものであり、この発電により生じた電力で走行用モータ3を駆動して走行する。
【0008】
図2を参照して燃料電池システムの概略を説明すると、コンプレッサ4により昇圧された酸素を含む空気は、加湿器5で加湿されて燃料電池2のカソードに供給され、発電に供された後に燃料電池2から排出され、加湿源として加湿器5を流通した後、圧力制御弁6を介して排出される。一方、水素タンク7の水素ガスはレギュレータ8によって減圧され、エゼクタ9を経由して燃料電池2のアノードに供給され、余った水素ガスは燃料電池2から排出されてエゼクタ9に吸引され、水素タンク7から送り出された新鮮な水素ガスと合流して再び燃料電池2に供給される。なお、以下の説明では、加湿器5や圧力制御弁6等の空気の給排に関わる機器類を給排気デバイス10と総称し、レギュレータ8やエゼクタ9等の水素供給に関わる機器類を水素循環デバイス11と総称する。
【0009】
図1に示すように、走行用モータ3とコンプレッサ4はモータ用サブフレーム16(図3参照)に搭載されて前輪タイヤ15Aの近傍に設置されており、直列接続された2つの燃料電池2,2と燃料電池2,2を制御する高圧電装装置12,12と給排気デバイス10と水素循環デバイス11は燃料電池用サブフレーム30(図3参照)に搭載されて、フロントシートSの下方であってフロントフロア17の下の床下領域に設置され、水素タンク7はキャパシタ13とともに水素タンク用サブフレーム90(図3参照)に搭載されて、車体後部のリヤフロア18の下の床下領域に設置されている。キャパシタ13には、燃料電池自動車1の減速時などに走行用モータ3からの回生電力が蓄電される。なお、図1において符号14は、燃料電池2等を循環する冷却水を冷却するためのラジエターを示している。
【0010】
図4に示すように、フロントフロア17およびリヤフロア18の下面の左右両側には、車体前後方向に延びるハット型断面形状のフロアフレーム19がフランジ部19aにより接合され、このフロアフレーム19とフロントフロア17およびリヤフロア18とで車体前後方向に車体骨格部20が形成されている。そして、フロアフレーム19の下壁19bにその下方から燃料電池用サブフレーム30がボルト55およびナット56により締結されており、同様に、図示を省略するがフロアフレーム19の下壁19bにその下方から水素タンク用サブフレーム90がボルト・ナットにより締結されている。なお、燃料電池用サブフレーム30と水素タンク用サブフレーム90は互いに車体前後方向に若干離間して配置されている。
【0011】
図5〜図7に示すように、燃料電池用サブフレーム30は、車体前後方向に延びる左右1対のサイドフレーム31、31と、この左右のサイドフレーム31,31を連結し車幅方向に延びる5つのクロスメンバ40A,40B,40C,40D,40E(以下、特に区別する必要がない場合にはクロスメンバ40と記す)と、隣接するクロスメンバ40,40間を塞ぐようにクロスメンバ40の下部に取り付けられた4つのボトムプレート60,60・・・、を主要構成としている。
【0012】
サイドフレーム31は、図3および図4に示すように、アルミニウムをプレス成形またはハイドロフォームにより成形してなるハット型断面形状のアッパサイドフレーム32とロアサイドフレーム33とをフランジ部34において溶接して略矩形閉断面形状に構成されている。また、図3に示すように、燃料電池用サブフレーム30は前輪タイヤ15Aと後輪タイヤ15Bの間であってその中央よりも若干前方寄りに配置されており、サイドフレーム31の上面は車体前後方向のいずれの位置においてもタイヤ接地面Gからの高さが一定にされているが、サイドフレーム31の下面は湾曲しており、前輪タイヤ15Aと後輪タイヤ15Bの略中央部分Cにおいてタイヤ接地面Gからの高さが最も高くなっていて、該部位よりも車体前方あるいは後方に進むにしたがってサイドフレーム31の下面の高さが徐々に低くなっている。なお、この実施例では、ロアサイドフレーム33の高さ方向の部材寸法は車体前後方向の全長に亘って一定であり、アッパサイドフレーム32の高さ方向の部材寸法が車体前後方向の位置に応じて変化している。
【0013】
一方、クロスメンバ40はアルミニウムを略矩形閉断面形状に押し出し成形してなり、下部にフランジ部41を有している。そして、アッパーサイドフレーム32における山部35の内側には開口35aが形成されており、この開口35aからクロスメンバ40の端部が挿入されている。
車体前側から3本目のクロスメンバ40Cは、前述したサイドフレーム31の下面の高さが最も高くなる部位Cの近傍に配置されており、このクロスメンバ40Cの高さ方向の部材寸法は5本のクロスメンバ40A〜40Eの中で最も小さくされている。最も車体前側に配置されたクロスメンバ40Aの高さ方向の部材寸法はクロスメンバ40Cのそれよりも大きく、車体前側から2本目のクロスメンバ40Bの高さ方向の部材寸法は、クロスメンバ40Aのそれよりも小さく且つクロスメンバ40Cのそれよりも大きい。また、最も車体後側に配置されたクロスメンバ40Eの高さ方向の部材寸法はクロスメンバ40Cのそれよりも大きく、車体後側から2本目のクロスメンバ40Dの高さ方向の部材寸法は、クロスメンバ40Eのそれよりも小さく且つクロスメンバ40Cのそれよりも大きい。
【0014】
各クロスメンバ40の端部はアッパサイドフレーム32の開口35aからサイドフレーム31内に挿入され、サイドフレーム31とともにフロアフレーム19に締結されている。詳述すると、図8および図9に示すように、クロスメンバ40の端部であってサイドフレーム31内に挿入される部分には、クロスメンバ40の下壁43から側壁44、44に渡って開口45が形成されており、また、上壁42にはボルト挿通孔42aが形成されている。また、ロアサイドフレーム33には、クロスメンバ40の開口45に対向する部位に円形の孔37が設けられており、孔37の周囲はアッパサイドフレーム32側に凹む凹部38が形成されている。
【0015】
そして、ロアサイドフレーム33の下側から、段付き円筒状のカラー50が孔37に挿入されている。カラー50はアルミニウム製で、外径がクロスメンバ40の側壁44,44間寸法よりも大きい大径筒部51と側壁44,44間に挿入可能な小径筒部52が同軸上に連設され、大径筒部51の下端にフランジ部53が環状に形成されており、小径筒部52を貫通する貫通孔54を有している。大径筒部51と小径筒部52は孔37からサイドフレーム31内に挿入され、フランジ部53がロアサイドフレーム33の凹部38に当接し、溶接固定されている。大径筒部51は開口45内に挿入され、大径筒部51の上壁51aはクロスメンバ40の側壁44における開口45の上縁45aに突き当てられ、クロスメンバ40の側壁44,44間に挿入された小径筒部52の上壁52aはクロスメンバ40の上壁42の内面に突き当てられている。そして、カラー50の下側から座付きボルト55が、カラー50の貫通孔54、クロスメンバ40のボルト挿通孔42a、アッパサイドフレーム32のボルト挿通孔35bに挿通され、さらにフロアフレーム19のボルト挿通孔(図示せず)に挿通されて、フロアフレーム19に溶接固定されたナット56に螺合されている(図4参照)。これによりクロスメンバ40はカラー50によって上方に押し付けられ、クロスメンバ40の上壁42はアッパサイドフレーム32の山部35の上壁36に圧接する。
【0016】
各ボトムプレート60は、サイドフレーム31のフランジ部34およびクロスメンバ40のフランジ部41にリベット止めされている。
このように構成された燃料電池用サブフレーム30においては、アッパサイドフレーム32とロアサイドフレーム33はカラー50を介在させてクロスメンバ40の端部を挟持しており、アッパサイドフレーム32とロアサイドフレーム33とクロスメンバ40の端部は共通のボルト55によってフロアフレーム19に一体的に締結されている。
【0017】
図7に示すように、燃料電池2,2は、燃料電池用サブフレーム30において車体前側から2本目と3本目のクロスメンバ40B,40Cの間に配置されており、図10に示すように、燃料電池2,2の下端2aをクロスメンバ40B,40Cの下端と上端の間に位置させている。そして、燃料電池2の前壁および後壁にボルト57でブラケット58,58を固定し、これらブラケット58,58をクロスメンバ40B,40Cの上壁42にボルト59で固定することによって、燃料電池2,2は燃料電池用サブフレーム30に取り付けられている。つまり、この実施例では、燃料電池2,2は、その後端部が前後輪タイヤ15A,15B間の中央近傍に配置されたクロスメンバ40Cに締結され、前後輪タイヤ15A,15B間の中央よりも車体前側に配置されており、図1に示すようにフロントシートSの下方に配置されている。
このように燃料電池2,2の下部をサブフレーム30に埋没させた構造にし、燃料電池用サブフレーム30と燃料電池2,2とを高さ方向に一部重複させて配置しているので、サブフレーム30の下面から燃料電池2,2の上面までのユニットとしての高さ寸法を低く抑えることができ、その結果、フロントフロア17の高さを低くして車両の低床化を図ることができる。
また、前述したようにサイドフレーム31の下面を湾曲させているので、車両が上に凸に湾曲した路面を走行したときにも、前後輪タイヤ15A,15B間における中央部分において路面とサイドフレーム31の下端との間に必要最小限のクリアランスを確保しつつ、車両の低床化を図ることができる。
【0018】
高圧電装装置12,12は燃料電池2,2よりも車体前側に配置されクロスメンバ40A,40Bの間に取り付けられており、給排気デバイス10と水素循環デバイス11は燃料電池2,2よりも車体後側に配置されてクロスメンバ40D,40Eの上に取り付けられている。なお、図中符号21はマニホールドなどが配置される配管スペースである。
【0019】
また、図3に示すように、燃料電池用サブフレーム30の直ぐ前方にはアンダーガード70が設けられている。図11はアンダーガード70の側面図であり、図12は燃料電池用サブフレーム30に取り付けられたアンダーガード70を斜め下方から見た斜視図である。
アンダーガード70はアルミニウム製で、前端側が後端側よりも上位に配置されており、概ね車体後方に進むにしたがって下方に傾斜する形状に形成されている。詳述すると、アンダーガード70は、前端側に配置されて車体後方に進むにしたがって下方に傾斜する平板状の取付フランジ部71と、取付フランジ部71の後端から鉛直下方に延びる鉛直部72と、鉛直部72の下端に連なり車体後方に進むにしたがって下方に傾斜する傾斜部73と、傾斜部73の後端から車体後方に水平に延びるオーバーハング部74とを備えて構成されており、鉛直部72と傾斜部73との接続部には補強用の複数のリブ79が車幅方向所定間隔で設けられ、傾斜部73とオーバーハング部74との接続部には、水平壁部75aを有する凹部75が車幅方向所定間隔で設けられている。また、アンダーガード70には、ラジエター14と燃料電池2との間で冷却水を循環させる冷媒配管等の配管類を挿通させるための開口76が、取付フランジ部71から傾斜部73に渡って形成されており、開口76にはその全周に亘ってリブ80が設けられ、リブ80の所定部位には冷媒配管や電気配線などを止める取り付け孔80aが設けられている。
【0020】
凹部75の水平壁部75aは最も車体前側に配置されたクロスメンバ40Aのフランジ部41の下側に配置されて、ボルト77aとナット77bによりフランジ部41に締結されており、オーバーハング部74はクロスメンバ40Aの下壁43の前端部の下側に被せられている。また、取付フランジ部71はダッシュボードの骨格を構成するロアクロス(車体フレーム)100にボルト78aとナット78bによって締結されている。すなわち、アンダーガード70の後端は最も車体の前側に配置されたクロスメンバ40Aに接続され、前端は車体フレームに接続されている。
このように燃料電池用サブフレーム30の前方にアンダーガード70を設けたことにより、車両の前進時に車体フロア下に障害物が存在した場合に、障害物をアンダーガード70によって燃料電池用サブフレーム30の下側に案内することができ、その結果、高圧電装装置12や燃料電池2などの燃料電池用サブフレーム30に搭載された機器が障害物と干渉するのを防止することができる。また、固定用のボルト77aは、傾斜部73よりも内方に凹んだ凹部75の水平壁部75aに設けているので、アンダーガード70が障害物を下方に案内する際にボルト77aの頭部が妨げになることがない。また、アンダーガード70は燃料電池用サブフレーム30の前方の限られた領域に配置するだけであるので、構造が簡単になり、軽量にできる。
【0021】
また、サブフレーム30において最も車体後方側に配置されたクロスメンバ40Eは、図13,図14に示すように、2つの連結アーム(連結部材)22,22を介して水素タンク用サブフレーム90に連結されている。
水素タンク用サブフレーム90はアルミニウム製で、6つのポスト91,91・・・と、隣り合うポスト91,91を連結するメンバ92,92・・・とを主要構成としており、ポスト91,91・・・がフロアフレーム19の下壁19bにその下方からボルト(図示略)により締結されている。水素タンク用サブフレーム90には、中央に配置されたメンバ92よりも車体前側にキャパシタ13が取り付けられ、メンバ92よりも車体後側に水素タンク7がバンド93によって固定されている。水素タンク用サブフレーム90に搭載される機器(水素タンク7およびキャパシタ13)の総重量は、燃料電池用サブフレーム30に搭載される機器(燃料電池2,2等)の総重量よりも十分に大きく、したがって、水素タンク用サブフレーム90は燃料電池用サブフレーム30よりも機械的強度を大きく設計されている。そのため、図14に示すように、水素タンク用サブフレーム90において最も車体前側に配置されたメンバ92と燃料電池用サブフレーム30において最も車体後側に配置されたクロスメンバ40Eとを比較すると、メンバ92の方がクロスメンバ40Eよりも断面二次モーメントが極めて大きい。
【0022】
この実施例では、クロスメンバ40Eは、水素タンク用サブフレーム90において最も車体前方側に配置されたメンバ92に連結アーム22によって連結されている。詳述すると、図14に示すように、連結アーム22は略L字形をなし、その一端がボルト23aとナット23bによりクロスメンバ40Eの後壁に固定され、他端がボルト25aとナット25bによって、メンバ92の下壁に溶接固定された台座94に固定されている。このように燃料電池用サブフレーム30のクロスメンバ40Eを水素タンク用サブフレーム90のメンバ92に連結したことにより、クロスメンバ40Eの荷重負担を軽減することができるので、クロスメンバ40Eの強度軽減が可能になって軽量にでき、ひいては燃料電池用サブフレーム30の強度軽減および軽量化が可能になる。例えば、この実施例ではクロスメンバ40Eを他のクロスメンバ40A〜40Dと同様に閉断面形状に形成したが、クロスメンバ40Eを開断面形状にすることも可能になる。
【0023】
〔他の実施例〕
なお、この発明は前述した実施例に限られるものではない。
例えば、燃料電池用サブフレームのサイドフレームやクロスメンバの断面形状は実施例のものに限られるものではない。また、クロスメンバの数も実施例の5本に限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明に係る燃料電池自動車を側方見た機器配置図である。
【図2】前記燃料電池自動車に搭載された燃料電池システムの概略構成図である。
【図3】前記燃料電池自動車における各サブフレームの配置図である。
【図4】前記燃料電池自動車における燃料電池用サブフレームの車体への取り付け状態を車両後方から見て示す図である。
【図5】前記燃料電池用サブフレームの外観斜視図である。
【図6】前記燃料電池用サブフレームの平面図である。
【図7】機器搭載状態における前記燃料電池用サブフレームの平面図である。
【図8】前記燃料電池用サブフレームにおけるサイドフレームとクロスメンバの連結部の斜視図である。
【図9】前記連結部の断面図である。
【図10】前記燃料電池の燃料電池用サブフレームへの搭載状態を示す側面図である。
【図11】前記燃料電池用サブフレームの前方に設けられたアンダーガードの側面図である。
【図12】前記燃料電池用サブフレームに取り付けられた前記アンダーガードを斜め下方から見た斜視図である。
【図13】燃料電池用サブフレームと水素タンク用サブフレームの連結部の平面図である。
【図14】図13のX−X断面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 燃料電池自動車
2 燃料電池
3 走行用モータ
7 水素タンク
19 フロアフレーム
22 連結アーム(連結部材)
30 燃料電池用サブフレーム
31 サイドフレーム
40,40A〜40E クロスメンバ
90 水素タンク用サブフレーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素と酸素の電気化学反応によって発電を行う燃料電池によって走行用モータを駆動する燃料電池自動車において、
前記燃料電池を搭載した燃料電池用サブフレームと、
前記燃料電池に供給する加圧水素を貯蔵する水素タンクを搭載した水素タンク用サブフレームと、
を備え、前記燃料電池用サブフレームと前記水素タンク用サブフレームは車体前後方向に離間して配置されるとともに車体のフロアフレームにその下方から締結され、且つ、前記燃料電池用サブフレームと前記水素タンク用サブフレームにおける互いに接近する部分が連結部材によって連結されていることを特徴とする燃料電池自動車。
【請求項2】
前記燃料電池用サブフレームは、車体の前後方向に延びる左右のサイドフレームと、車幅方向に延び前記左右のサイドフレームを連結する複数のクロスメンバによって構成され、
前記水素タンク用サブフレームに最も近くに配置された前記クロスメンバと前記水素タンク用サブフレームが前記連結部材によって連結されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−335214(P2006−335214A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−162395(P2005−162395)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】