説明

特にマイクロシステム技術における幾何構成の干渉と画像化の組合せに基づく検出のための装置および方法

本発明による装置は、少なくとも2つの異なる測定モードで動作することができる対物レンズを備える。第1の干渉モードにおいて、測定対象物は、干渉光学測定法によって測定される。第2の画像化測定モードにおいて、光学画像が、たとえばカメラのような検出器アレイで生成され、画像処理ルーチンを施されてもよい。2つの測定モード間の切換えは、対物レンズの照明の種類と、干渉計の参照ビーム経路に配置されることが好ましく、用いられる光のスペクトル組成に応じて参照ビーム経路を動作状態または非動作状態にする素子と、によって行われる。このようにして、2つの測定モード間の簡単かつ迅速な切換えは、対物レンズの交換を必要とすることなく、または対物レンズの移動も必要とすることなく行われる。切換えの迅速さに加えて、干渉分光法によって生じた測定データと画像処理によって生じた測定データとの間の良好な相関が達成される。干渉分光法および画像処理によって生じた測定データは、全く同一の基準座標系で得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定対象物の高さの大きさの組合せ式2次元検出のための装置および方法に関する。この装置および方法は、特にマイクロシステム技術における測定作業に適している。
【背景技術】
【0002】
階段状の測定対象物の場合であっても、最大精度で高さ構造物を光学測定するためには、垂直走査型白色光干渉法(WLI)が適していることが分かっている。そのための通常の干渉の配置構成は、マイケルソン干渉計、リニク干渉計およびミロー干渉計である。WLIにおいて、白色光源、通常はハロゲンランプが、照明のために用いられる。測定中、測定ビームと参照ビームとの間の光路長差は、連続的に増大または減少するが、100nm未満の距離では、一般に2次元解像度のピクセルセンサ(たとえば、CCDまたはCMOSアレイ)を用いて、測定対象物の干渉画像が再生される。光路長の変化は、干渉計の方向における測定対象物の動き、測定対象物に近づくかまたは測定対象物から遠ざかる干渉計の動き、干渉対物レンズの動きまたは参照ミラーの動きによって引き起こされる可能性がある。この処理は、「垂直走査」と呼ばれる。各カメラピクセルに関する光路長差に左右される強度傾向、いわゆるコレログラムは、別の信号評価に使用される。
【0003】
WLI信号評価において、部分的に100nmを超える偏差を有する測定点の高さ位置の比較的粗い測定を行う可干渉性ピーク評価と、ナノメートルまたはサブナノメートルの範囲における測定の不確かさを容認する位相評価と、を区別する。高さの測定範囲は、数ミリメートルに達する可能性がある。
【0004】
測定対象物の横方向の幾何的な特徴は、ピクセル画像のディジタル評価によって決定されてもよい。微細な測定対象物の場合には、そのようなピクセル画像を再生し、続いて評価するために、適切なカメラが測定顕微鏡に設けられる。そのような処理の利点は、高速測定速度にあり、画像捕捉と測定対象物の配置構成との間の対応する同期中に、対応する測定対象物の動的挙動の検査も可能にする。しかし、すべての顕微鏡による処理は、偏向が制限される画像化のために達成可能な横方向の解像度に関しては制限を受ける。可視光を用いる場合には、これは一般に、最小の横方向の解像度が約0.5μmであるという結果を招く。
【0005】
ディジタル式光学顕微鏡による捕捉に基づく横方向の構造の評価が、上述の干渉の配置構成の一つによって行うことになった場合には、干渉顕微鏡検査法に必然的に現れる干渉効果は、その上で調整される別の像コントラストのために悪影響を受ける。現在知られているシステムでは、白色光干渉および画像処理に基づく測定を行うことができるようにするためには、少なくとも対物レンズの交換が必要である。しかし、白色光干渉分光法によって決定される高さ位置と制限された被写界深度によって捕捉される光学顕微鏡画像との間の正確な相関は、失われる。別の欠点は、2つの測定モードの間の自動切換えのために必要であると考えられる別の対物レンズおよび対物レンズタレットの費用にある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、これに関連して補助を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による装置および方法において、少なくとも2つの測定モード、すなわち、干渉測定モードおよび測定対象物の光学画像化による画像処理モードが利用可能である。2つの測定モード間の切換えは、測定対象物を照らすために用いられる光を切換えることによって行われる。光とは、短波長を有する電磁波を表す。本発明による装置は、測定対象物に向けられる1つのみの対物レンズを有し、それによって垂直方向の高解像度の干渉測定のほか、横方向の高解像度の画像処理に基づく測定を行うことができるコンパクトなセンサモジュールを提供することを可能にする。これは、白色光干渉測定の場合には、用いられるカメラが感知する1つのみの所定のスペクトル光成分を用いることによって、および、単なる画像処理の場合には、別のスペクトル成分を用いることによって達成される。光学顕微鏡測定モードにおいて、たとえば、青色LED(発光ダイオード)が照明ビームにおいて動作可能状態になってもよく、白色光干渉分光法の場合には白色光LEDが設けられてもよい。白色光干渉モードにおいて、青色LEDが消灯され、白色光LEDが動作可能状態になる。このようにして、出費が少なく、光学顕微鏡測定のほか、干渉測定も同一の基準系で行われてもよく、いずれの場合も最適な精度である。次の干渉測定による光学顕微鏡「走査」によって、高速自動測定処理を行う機能がさらに得られる。さらに、光学顕微鏡測定モードにおいて、検査される測定対象物またはシステムの動的な挙動の高速照合が行われてもよい。
【0008】
内蔵のビーム分割板および内蔵の参照ミラーを備えたミロー型干渉対物レンズが対物レンズとして用いられることが好ましい。白色光干渉測定モードにおける反射光照明は、白色光LEDなどの低可干渉性光源またはたとえば、そのスペクトルが150nm超または500nm超の波長帯にわたって広がる適切なカラーフィルタを用いて行われる。さらに、青色LEDは、約450nmで発光し、その光が測定対象物を画像化するためだけに用いられる用途、すなわち波長スペクトルのこの部分では、参照ビームから検出器マトリクスまで光を通さない用途が見出されている。可能な実施形態によれば、参照ミラーは、長波長通過フィルタ(後続の吸収体を有するダイクロイック層など)として設計される。
【0009】
たとえば、青色光によって捕捉された光学顕微鏡画像は、高解像度で幾何的な素子の横方向の検出のために機能する。青色光の小さな波長のみに基づき、0.5μm未満の横方向の解像度を得てもよい。青色LEDに基づく外部光源を用いて、たとえば、部分的に制御可能な環状の光照明は、画像処理モード測定では、費用のかかる処理である測定対象物の傾斜を必要とすることなく、傾斜した反射側面であっても照らしうる。
【0010】
この手法をマイケルソン型対物レンズにも適用することによって、(より小さな開口数に対応する低下した横方向の解像度で)より大きな測定範囲も1回の測定処理で検出しうる。他方、リニク型の配置構成は、対物レンズのために場合によって大きな開口数を選択することによって、横方向の解像度を最小に抑えるために好都合である。さらに、装置に設けられた対物レンズタレットによって、複数の対物レンズを用いることも可能である。
【0011】
本発明の態様によれば、干渉の配置構成はまた、位相シフト干渉計として機能してもよい。そのような場合には、ほぼ単色の光源が干渉測定のために用いられる。
【0012】
顕微鏡の視野に触覚マイクロスキャナをさらに設けることにより、光学測定では測定できない構造物であっても、幾何的な測定データを決定しうることを保証する。触覚測定は、この場合には干渉測定および画像処理として同一の基準系における光学装置との機械的な結合に基づいて行われる。触覚マイクロスキャナは、たとえば、スキャナの軌跡を測定するためのピエゾ抵抗ブリッジ回路を備えたシリコン製屈曲バーであってもよい。
【0013】
適切な増分測定系を備えうるX軸、Y軸およびZ軸に関する機械的位置決めユニットと測定装置の結合により、互いに異なる測定対象物領域の測定を相関することができる。測定作業に応じて、回転位置決め軸もまた、好都合である場合がある。
【0014】
本発明による装置は、コンパクトなセンサモジュールとして設計されてもよく、特にマイクロシステム技術の分野において、比較的少ない計器の費用で、さまざまな用途を可能にする。この装置は、測定精度およびプロセス指向型で適応性の高い用途の機能に関して、絶えず増大する要件を考慮に入れている。白色光干渉分光法で用いられる熱ビームとは対照的に、光源としてLEDを用いることは、構造の自由、コンパクトさ、耐用年数および熱雑音の影響の低減に関してかなりの利点がある。
【0015】
本発明による方法において、測定装置の個別の系は、互いに調整される態様で動作され、所与の測定作業が最適に解決されるようになっている。横方向の構造の大きさは画像処理によって解析され、高さ構造は白色光干渉分光法によって検出され、垂直フランジにおける微小構造などの別の特徴が、必要に応じて、触覚マイクロセンサによって検出される。すべての測定データは、同一の基準系にあり、したがって互いに組合せてもよい。
【0016】
本発明の好都合な実施形態のさらなる詳細は、図面、説明または特許請求の範囲に含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図面に、本発明の実施の形態を示す。
【0018】
図1は、二者択一的に干渉測定モードおよび測定対象物9の光学画像化による画像処理モードにおいて、測定対象物9の高さの大きさの組合せ式2次元検出のための装置を示している。この装置は、測定対象物9の反射光照明のための配置構成を含む。この装置は、2つの光源1a、1bを備え、光を測定対象物に向けるために、光学系が光源1a、1bに接続されている。光源1a、1bは、異なるスペクトル組成を有する光を発する。たとえば、光源1aは、青色光、すなわち短波ビームを発する発光ダイオードである。光源1bは、たとえば、比較的広い光のスペクトルを生成する白色光LEDである。光源1a、1bは、たとえば、ダイクロイックビームスプリッタ2と、集光器3と、ビームスプリッタ6、参照ミラー7および吸収体8を内蔵した対物レンズ5の入射瞳5にある別のビームスプリッタ4と、によって再生される。干渉測定モードにおいて、対物レンズから横方向に出射する光源1bの白色光または黄色光の一部が、ビームスプリッタ6によって、参照ミラー7に案内され、参照ミラー7によって反射される。対物レンズ5から出射する白色光または黄色光の別の部分は、ビームスプリッタ6によって、測定対象物9に案内され、測定対象物9によって反射される。参照ミラー7および被写界深度内に位置する測定対象物9の部分は、対物レンズ5およびバレルレンズ11によって800×600ピクセルを有するピクセルカメラなどの検出器アレイ12の上に再生される。測定対象物9およびミラー7によって反射される光は、ビームスプリッタ6によって一つに合せられ、ビームスプリッタ4を通過して、干渉のために検出器アレイ12に当たる。
【0019】
位置決めユニット10は、測定対象物9に対して垂直方向に、すなわちZ方向に対物レンズ5を調整するように機能する。制御機器として機能するディジタルコンピュータ13は、検出器アレイ12によって供給される画像を受信し、位置決めユニット10を制御する。干渉測定は、位置決めユニット10によって光軸に沿って対物レンズ5を移動することによって行われ、干渉画像は、対物レンズの異なる高さ位置に関してディジタルコンピュータ13で再生して評価される。光源1b(白色光源)は、干渉動作において動作状態にある。光源1a(青色LED)は、干渉モードでは非動作状態である。
【0020】
画像処理モードにおいて、光源1a(青色LED)が動作状態にあり、光源1b(白色光LED)は非動作状態にある。青色光の一部は、参照ビーム6aに入ることができるが、参照ミラー7を通過し、その後に位置する吸収体8によって吸収されるため、画像化ビーム6bに入ることはできない。したがって、参照ミラー7および吸収体8は、周波数選択式切換え要素を形成し、光源1a、1bによって供給されるスペクトルに応じて参照ビーム6aを能動的または受動的に切換えることから、干渉モードと画像化モードとを区別する。代わりにまたは追加として、ビームスプリッタ6もまた、周波数選択式切換え要素として設計されてもよいことから、ビームスプリッタとして干渉動作の光に作用するが、画像処理モードの光には、単に透過する態様で作用する。
【0021】
青色光の大部分は、測定対象物9を照らし、バレルレンズ11と共に、対物レンズ5の被写界深度の中に位置する測定対象物領域を検出器アレイ12に画像再生するために機能する。対物レンズ5は、測定対象物の画像を再生し、後に続くディジタル評価のためにディジタルコンピュータ13に再生画像を適用する。
【0022】
干渉測定モードにおいて、たとえば、測定対象物9の構造の高さ位置を決定するために、白色光干渉分光法と共に周知の処理の一つに基づいて動作することが可能である。たとえば、干渉現象が現れてから評価されるまで、位置決めユニット10は調整される。
【0023】
他方、画像処理モードにおいて、青色光によって照らされる測定対象物は、検出器アレイ12の上に光学的に再生される。得られた画像は、ディジタルコンピュータ13によってさらに処理されてもよい。たとえば、エッジ検出ルーチンによって、画像の構造を認識して測定してもよい。
【0024】
図2は、本発明によって構成され、本発明による方法を実行するための設計もなされたミロー干渉計を示している。同一の参照符号については、上述の説明を適用する。ビームスプリッタ6は、部分反射板として設計される。参照ミラー7および吸収体8は、光軸の上に配置される。マイケルソン原理に基づく図1の前述の干渉計の場合のように、ここでも参照ミラー7および光学吸収体8は、光の周波数、すなわち最終的にはフィルタに応じた切換え機器を構成する。この切換え機器によって、異なる測定モードの間の切換えは、光源1a、1bのスペクトル特性に応じて行われる。このように構成されたフィルタは、記載したすべての実施形態において、干渉測定の配置構成の参照ビームにおける長波長通過フィルタリング、短波長通過フィルタリング、帯域通過フィルタリングまたは帯域遮断フィルタリングを行ってもよい。ここでもまた、代わりにまたは追加として、フィルタリング作用は、ビームスプリッタ6の対応する波長選択設計によって得られてもよい。
【0025】
図3は、リニク干渉計に基づく2つの測定モードを有する本発明による装置を示している。リニク干渉計は、上述の同一の参照符号の構成部材に加えて、測定ビーム経路Mに対物レンズ14を、参照ビーム経路Rに対物レンズ15を有する。対物レンズ14、15は大きな開口数を得るために設けられている。このようにして、横方向の解像度は、最小限に抑えられる。
【0026】
参照ビーム経路Rでは、吸収体に接続され、画像処理モードにおいて用いられる光に対して透過性であるミラー7が同様に用いられてもよい。しかし、参照ビーム経路Rに配置され、画像処理モードにおいて用いられる光に対して不透過性であるカラーフィルタ8’を用いることも可能である。干渉モードと画像処理モードとの間の切換えのために、そのスペクトル組成に作用することができ、したがって切換え可能である光源が同様に用いられる。
【0027】
図3によるリニク干渉計を用いて、位相シフト型干渉分光法を行ってもよい。この目的のために、ミラー7は、ピエゾ調整機器などの適切な調整機器によって参照光路の光軸に対して平行に調整されてもよい。参照ミラー7の調整は、ディジタルコンピュータ13によって行われ、ディジタルコンピュータ13は、検出器アレイ12の上に再生される干渉画像をさらに評価する。たとえば、白色光ダイオードによって生成される測定光1によって、干渉測定モードにおいて供給される低可干渉性光によって位相シフト型干渉分光法を行うことも可能である。しかし、この目的のためには、たとえば、レーザダイオードから発せられる高可干渉性光を用いることが好ましい。
【0028】
図4は、3つの異なる光品質、すなわち、狭帯域光源1aによって光学画像処理モード用の光、光源1bによって白色光干渉分光法用の低可干渉性光のほか、たとえばレーザダイオード1cによって位相シフト型干渉分光法を行うために、たとえばレーザダイオードからの高可干渉性光を供給する光源を示している。この光源1には、前述の干渉計のそれぞれにおける用途も見出されうる。図4において、これは、ミロー干渉計の例として示されている。3つの光源1a、1b、1cによって生成される光ビームの発射は、対応するダイクロイックビームスプリッタ2a、2bのほか、集光レンズ3a、3bなどによって行われる。光源1a、1bによる装置の動作、すなわち画像処理モードおよび(低可干渉性の)干渉測定モードにおける動作が、図1および図2に関する説明によって進行する一方、高可干渉性光源1cが作動される場合には、さらに位相シフト型干渉分光法を行うことが可能である。本実施例において、これは、測定光路の長さを変更する位置決めユニット10によって対物レンズ5を調整することによって行われてもよいが、参照光路6aの長さは依然として一定である。
【0029】
代わりとして、図3によるリニク干渉計にはまた、その光源1が3つの光源1a、1b、1cを含み、参照ミラー7が位相シフトのために用いられる用途が見出されうる。代わりとして、図1によるマイケルソン干渉計を用いてもよく、その場合には参照ミラー7が図示されていない位置決めユニットによって調整可能である。
【0030】
本発明による装置および方法は、干渉分光法による測定対象物の高さの値の組合せ式2次元検出(干渉測定モード)および測定対象物の光学画像を再生して、その光学画像化をディジタル評価することによる幾何的な要素の横方向の寸法の測定(画像処理モード)のために設計される。この目的のために対物レンズが用いられ、対物レンズは、電磁波のスペクトルの一部に対しては干渉対物レンズとして作用し、スペクトルの別の部分に対しては測定対象物の単なる光学画像化を行う。したがって、反射照明として用いられる光のスペクトル組成を変更することによって、干渉測定モードを画像処理モードに変更することができる。干渉生成対物レンズとして、マイケルソン、ミローまたはリニクによる配置構成を用いてもよい。異なる色のLEDを2つの測定モード用の光源として用いてもよい。青色LEDは、画像処理モード用の光源として用いられてもよい。異なる測定モードの選択は、干渉測定の配置構成の参照ビーム経路における長波長通過フィルタリング、短波長通過フィルタリング、帯域通過フィルタリングおよび/または帯域遮断フィルタリングによって、光源のスペクトル特性によって行われてもよい。干渉測定モードにおいて、白色光LEDなどの低可干渉性光源を用いてもよいため、垂直走査型白色光干渉分光法に基づく測定を行ってもよい。さらに、可干渉光源が用いられる干渉測定モードを提供してもよいため、位相シフト型干渉分光法に基づく測定を行ってもよい。
【0031】
干渉測定モードにおいて、低可干渉性光源を用いてもよいため、垂直型白色光干渉分光法に基づく測定を行ってもよいが、低可干渉性光源の代わりに、干渉測定を目的としたスペクトル領域の光を発する可干渉光源が用いられる。したがって、第3の測定モードにおいて、位相シフト型干渉分光法に基づく測定を行ってもよい。
【0032】
さらに、ドット状の態様で測定するスキャナ16を画像化光学系の視野に設けられてもよい。そのような実施形態は、図5に示されており、マイケルソン干渉計に基づいている。代わりとして、対応するドット状に測定するスキャナ16はまた、図2〜図4による装置に設けられてもよい。ドット状の態様で測定するスキャナ16は、ディジタルコンピュータ13と接続されることが好ましい。
【0033】
測定対象物と測定機器との間の相対位置の変更は、並進調整機器および/または回転調整機器、すなわち測定対象物9および/または装置、特に対物レンズ5に関連する軸によって行われてもよい。
【0034】
本発明による装置は、少なくとも2つの異なる測定モードで動作することができる対物レンズを備える。第1の干渉モードにおいて、測定対象物9は、干渉光学測定法によって測定される。第2の画像化測定モードにおいて、光学画像が、たとえばカメラのような検出器アレイで生成され、画像処理ルーチンを施されうる。2つの測定モード間の切換えは、対物レンズの照明の種類と、干渉計の参照ビーム経路に配置されることが好ましく、用いられる光のスペクトル組成に応じて参照ビーム経路を動作状態または非動作状態にする素子と、によって行われる。このようにして、2つの測定モード間の簡単かつ迅速な切換えは、対物レンズの交換を必要とすることなく、または対物レンズの移動も必要とすることなく行われる。切換えの迅速さに加えて、干渉分光法によって生じた測定データと画像処理によって生じた測定データとの間の良好な相関が達成される。干渉分光法および画像処理によって生じた測定データは、全く同一の基準座標系で得られる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】マイケルソン干渉計に基づく本発明による装置の基本図である。
【図2】ミロー干渉計に基づく本発明による装置の基本図である。
【図3】リニク干渉計に基づく本発明による装置の基本図である。
【図4】3つの測定モードのために設けられるミロー干渉計に基づく本発明による装置を示す。
【図5】別の機械的なスキャナを設けた図1による測定装置の基本図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
干渉測定モードにおける干渉分光法を用いて測定対象物(9)の高さの値を組合せ式2次元検出して、前記測定対象物の光学画像の再生およびディジタル評価を用いて画像処理モードにおける幾何的な要素の横方向寸法を測定する装置であって、
対物レンズ(5)と、
反射照明用の機器(1)と、
干渉計と、
を備えた、装置において、
前記対物レンズ(5)は電磁波のスペクトルの一部分に対しては干渉対物レンズとして構成され、
前記対物レンズ(5)は電磁波のスペクトルの別部分に対しては光学画像化対物レンズとして構成され、
反射照明に用いられる光のスペクトルの組み立てを変更することによって、前記干渉測定モードを画像処理モードに変更することができることを特徴とする装置。
【請求項2】
反射照明用の前記機器(1)は、異なるスペクトル組成からなる少なくとも2つの異なる光の種類を発するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
反射照明用の前記機器(1)は、切換え光源を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
反射照明用の前記機器(1)は、少なくとも2つの代替光源(1a、1b)を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記光源(1a、1b)は、異なる色を有するLEDであることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記画像処理モード用の光源(1a)として青色LEDが設けられることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記干渉測定モード用の光源(1b)として低可干渉性光源が設けられることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記干渉計は、白色光干渉計であることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
垂直走査型干渉分光法を行うための前記干渉計、前記対物レンズ(5)および/または前記測定対象物(9)に調整機器(10)が割り当てられることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記干渉計は、位相器(7、図3)を備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記低可干渉性光源(1b)に加えて、高可干渉性光源(1c)が設けられ、位相シフト型干渉分光法に基づく第3の測定モードを可能にすることを特徴とする請求項7または10に記載の装置。
【請求項12】
ドット状の態様で測定するスキャナ(16)が、前記装置の視野に配置されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記スキャナ(16)は、機械的なスキャナであることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項14】
前記装置と前記測定対象物(9)を相対調整するために位置決め機器(10)が設けられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
干渉測定モードにおける干渉分光法を用いて測定対象物の高さの値を組合せ式2次元検出して、前記測定対象物の光学画像の再生およびディジタル評価を用いて画像処理モードにおける幾何的な要素の横方向寸法を測定する方法であって、
対物レンズ(5)が用いられ、前記対物レンズ(5)は電磁波のスペクトルの一部分に対しては干渉対物レンズとして構成され、
電磁波のスペクトルの別部分に対しては純粋な光学画像化を行い、反射照明に用いられる光のスペクトルの組み立てを変更することによって、前記干渉測定モードを前記画像処理モードに変更することができることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記干渉計、前記対物レンズ(5)および/または前記測定対象物(9)は、垂直走査型干渉分光法を行うための調整機器(10)によって移動されうることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第3の測定モードにおいて、位相シフト型干渉分光法は、追加的に設けられる高可干渉性光源(1c)によって行われることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記測定対象物(9)は、ドット状の態様で測定しかつ前記装置の視野に配置されるスキャナ(16)を用いて走査されることを特徴とする請求項15に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−536539(P2007−536539A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−512002(P2007−512002)
【出願日】平成17年5月3日(2005.5.3)
【国際出願番号】PCT/EP2005/004795
【国際公開番号】WO2005/108915
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(506027848)カール マール ホールディング ゲーエムベーハー (11)
【Fターム(参考)】