説明

現在位置算出装置

【課題】正しい現在位置を算出できる現在位置算出装置を提供する。
【解決手段】分岐後の道路が互いに略平行に延在するような道路に関して、分岐部分に相当する分岐リンクについては、この分岐リンクに属する表示候補点のエラーコスト値ecの算出時に係数αの値を所定割合だけ低減させるように構成した。したがって、エラーコスト値ecの方位差△θの項の値が小さくなるので、方位差△θがエラーコスト値ecおよび累積エラーコストesに与える影響を低減できる。これにより、分岐/合流部分の車線の延在方位と、分岐リンクのリンク方位とが大きく異なる場合であっても、信頼度trstの値が不当に低くなるのを防止できるので、誤った表示候補点を車両の現在位置として誤判定してしまうことを抑止して、正しい車両の現在位置を算出できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置を算出する現在位置算出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の現在位置を算出する際に、マップマッチング処理を行うことで、車両の現在位置を修正する現在位置算出装置が知られている。この現在位置算出装置では、マップマッチング処理を行う際に、検出した車両の進行方向と、データとして格納されている道路の延在方向との差が所定値以下となる道路を現在走行している道路の候補として選択している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平8−334371号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
道路のデータには、上述したように延在方向についての情報が含まれているが、たとえば、1本の道路から本線と側道とに分岐する分岐部や、高速道路の入口や出口における分岐部などでは、実際の分岐部の延在方向と、データ上の延在方向とに大きな違いが見られることがある。そのため、分岐部の走行中にマップマッチング処理が行われると、実際に走行している道路とは異なる道路を走行しているものと判定されることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明による現在位置算出装置は、進行方位を検出する方位検出手段と、少なくとも道路の延在方位を含む道路のデータを格納する道路データ格納手段と、方位検出手段で検出した進行方位と、道路データ格納手段に格納された道路の延在方位との差である方位差を算出する方位差算出手段と、少なくとも方位差算出手段で算出した方位差に基づいて、複数の候補の中から現在位置を推定する現在位置推定手段と、走行する道路が分岐部を有し、分岐部の先方では道路が互いに略平行に延在するか否かを判断する判断手段と、判断手段で、走行する道路が分岐部を有し、分岐部の先方では道路が互いに略平行に延在すると判断されると、現在位置推定手段で現在位置を推定する際に、分岐部における方位差が及ぼす影響を低減させる低減手段とを備えることを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載の現在位置算出装置において、道路データ格納手段は、道路のデータをリンクデータとして格納し、方位差算出手段は、方位検出手段で検出した進行方位と、道路データ格納手段に格納されたリンクの延在方位との差を方位差として算出し、判断手段は、分岐部の先方では道路が互いに略平行に延在するか否かをリンクの方位から判断し、低減手段は、判断手段で、走行する道路が分岐部を有し、分岐部の先方では道路が互いに略平行に延在すると判断されると、現在位置推定手段で現在位置を推定する際に、分岐部に対応するリンクに関する方位差が及ぼす影響を低減させることを特徴とする。
(3) 請求項3の発明による現在位置算出装置は、進行方位を検出する方位検出手段と、少なくとも道路の延在方位を含む道路のデータを格納する道路データ格納手段と、方位検出手段で検出した進行方位と、道路データ格納手段に格納された道路の延在方位との差である方位差を算出する方位差算出手段と、少なくとも方位差算出手段で算出した方位差に基づいて、複数の候補の中から現在位置を推定する現在位置推定手段と、道路の分岐部についての道路のデータに所定のフラグが立てられているか否かを判定するフラグ判定手段と、フラグ判定手段で、分岐部についての道路のデータに所定のフラグが立てられていると判定されると、現在位置推定手段で現在位置を推定する際に、所定のフラグが立てられている分岐部に関する方位差が及ぼす影響を低減させる低減手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、正しい現在位置を算出できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1〜8を参照して、本発明による現在位置算出装置を車載用途のカーナビゲーション装置に適用した一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態のカーナビゲーション装置の全体構成を示す図である。カーナビゲーション装置1は、車両位置周辺の道路地図を表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を演算する機能、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う機能など、車両の走行に関する情報を提示する機能を兼ね備えている。カーナビゲーション装置1は、いわゆるナビゲーションあるいは道路案内などを行う装置である。
【0008】
図1において、11は車両の現在地を検出する現在地検出装置であり、たとえば車両の進行方位の変化量を検出するジャイロセンサ11a、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ11c、車速を検出する車速センサ11d等から成る。
【0009】
100は制御装置であり、CPU101およびその周辺回路から成る。CPU101およびその周辺回路は互いにバスで接続されている。周辺回路は、メモリ102、パラレルI/O103、A/D変換器104、シリアルI/O105、カウンタ106、グラフィックコントローラ107、画像メモリ108、地図記憶装置109等から成る。14は車室内の乗員が視認可能な位置に配設されて、地図や各種情報を表示する表示モニタである。15は乗員が車両の目的地等の入力など、各種操作入力を行うためのスイッチである。スイッチ15は、表示モニタ14の画面上に設けられたタッチパネルスイッチや、カーソルの移動や画面のスクロールを指示するジョイスティックなどを含む。スイッチ15は、リモコンスイッチであってもよく、表示画面周辺に設けられたスイッチであってもよい。
【0010】
制御装置100のメモリ102は、制御プログラムを格納するROMおよび作業エリアのRAMを含むメモリである。CPU101は、メモリ102にアクセスして制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。パラレルI/O103は、スイッチ15を構成する個別のスイッチ等が接続されるパラレルI/Oポートである。A/D変換器104は、ジャイロセンサ11aのアナログ信号をA/D変換する変換器である。シリアルI/O105は、GPSセンサ11cからのシリアル信号を受信するシリアルI/Oポートである。カウンタ106は、たとえば車軸の回転に伴って車速センサ11dから出力されるパルス信号をカウントするカウンタである。
【0011】
グラフィックコントローラ107は、CPU101から出力される表示データを、画像データとして画像メモリ(ビデオRAM)であるメモリ108に格納し、メモリ108に格納された画像データを表示モニタ14に表示するための制御を行う。CPU101から出力される表示データは、各種の文字データや道路地図などの各種の図形データなどから成る。制御装置100は、表示モニタ14の表示制御装置として機能する。
【0012】
地図記憶装置109は、ナビゲーション処理に使用する道路地図データやPOI情報(Point of Interest 観光地や各種施設の情報)など各種の情報を格納する地図記憶装置であり、ハードディスク装置が用いられている。なお、地図記憶装置109は、ハードディスク装置以外にも、道路地図データが格納されたCD−ROMやDVD、その他の記録媒体、および、その読み出し装置であってもよい。
【0013】
−−−データ構成−−−
道路地図データは、地図に関する情報であり、地図表示用データ、経路探索用データ、誘導データ(交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報など)などから成る。地図表示用データは道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。経路探索用データは、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成るデータであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。誘導データは、交差点の名称などから成るデータであり、演算された推奨経路に基づき運転者等に推奨経路を誘導する際に用いられる。
【0014】
図2(a),(b)は、地図表示用データ(道路データ)の構成を示した図である。道路データはリンク列データとメッシュコードを含み、メッシュ領域単位で格納されている。なお、リンク列データとは、一本の道路を、交差点などのノードと、ノード間のリンクとして定義したデータ構造である。メッシュ領域とは、道路地図を所定範囲毎に区分けしたときの区分けされた各領域をいう。メッシュコードの記憶領域401には、メッシュ領域を識別する番号が格納される。リンク列データの記憶領域402には、図2(b)に示すように、ノードの位置座標Xn,Ynと、ノード間のリンクの番号と、リンクをさらに短く分割する補間点の位置座標Xn,Ynとがそれぞれの領域に格納される。これらの位置座標が地図表示や後述する現在位置算出処理の形状データとして用いられる。
【0015】
このように構成されるカーナビゲーション装置1は、現在地検出装置11により取得した情報および地図記憶装置109に格納されている道路地図データに基づき各種のナビゲーションを行う。たとえば、制御装置100のCPU101は、車両の現在位置近辺の道路地図および車両の現在位置を表示モニタ14に表示し、経路探索によって得られた経路(推奨経路)に沿って運転者を誘導するように各部を制御する。
【0016】
−−−現在位置算出処理−−−
表示モニタ14に表示された現在位置近辺の道路地図に車両の現在位置を重畳的に表示するため、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、以下のような処理によって現在位置を算出している。図3は、現在位置算出処理の動作を示したフローチャートである。車両の不図示のイグニッションキーによりアクセサリーON(ACC ON)になると、カーナビゲーション装置1の電源が入り、図3に示す処理を行うプログラムが定期的に起動される。
【0017】
CPU101は、ジャイロセンサ11aおよび車速センサ11dからのデータを読み込み(ステップS1)、読み込んだデータに基づいて車両が直進しているか否かを判断する(ステップS3)。車両が直進していると判断されると(ステップS3肯定判断)、読み込んだデータに基づいて車両の進行方位と車両の走行距離を算出することで車両の移動量を算出する。そして、前回算出した車両の現在位置を起点として、今回算出した車両の移動量を加算することで、現在車両が存在すると推定される地点を算出する(ステップS5)。この地点を推定現在位置とする。
【0018】
なお、カーナビゲーション装置1の起動直後などには、前回カーナビゲーション装置1を停止する直前に算出して記憶されている車両の現在位置、もしくはあらかじめ別途設定された地点を前回算出した車両の現在位置として上記の処理を行う。
【0019】
上述したように推定現在位置を算出した後、現在位置の候補を以下のようにして算出する。CPU101は、下記の(a)および(b)の双方を満たすリンク(候補リンク)を地図記憶装置109に格納された道路データから検索して抽出する(ステップS7)。
(a) 推定現在位置の算出に際して算出された車両の進行方位と道路データのリンクの方位(リンク方位)との差が所定値以下である。
(b) 上述した推定現在位置からリンクに対して垂直に降ろした線分の長さが所定値以下である。
【0020】
上述した候補リンクが存在するか否かを判断し、存在すると判断されると(ステップS9肯定判断)、推定現在位置の算出に際して算出された車両の走行距離だけ前回の処理で算出した車両の現在位置からリンクに沿って移動させた地点を現在位置の候補とする(ステップS11)。このようにして得られた現在位置の候補を表示候補点と呼ぶ。上述した(a),(b)を満たすリンクが存在しないと判断されると(ステップS9否定判断)、後に述べる、デッドレコニング処理(ステップS19)が実行される。
【0021】
上述した処理では、複数の候補リンクおよび表示候補点が抽出されるため、実際に車両が走行している道路としての確からしさ(信憑性)を表す信頼度trstを、それぞれの表示候補点について算出する(ステップS13)。信頼度trstの算出処理については後に詳述する。それぞれの表示候補点について信頼度trstが算出されると、信頼度trstが最も高い表示候補点を選択する(ステップS15)。そして、選択した表示候補点を車両の現在位置として、周辺の道路地図とともに表示モニタ14に重畳的に表示させる(ステップS17)。このように、候補リンクを抽出し、信頼度trstが最も高い表示候補点を車両の現在位置として決定する処理は、一般にマップマッチングと呼ばれる。なお、信頼度trstが最も高い表示候補点はもちろんであるが、信頼度trstが最も高い表示候補点以外の表示候補点についても、その位置が記憶され、次回の処理の際に推定現在位置の算出する際の起点とされて信頼度trstが算出される。
【0022】
ジャイロセンサ11aおよび車速センサ11dからのデータを読み込んだ(ステップS1)後、車両が旋回していると判断された場合(ステップS3否定判断)、または、上述した(a),(b)を満たすリンクが存在しないと判断された場合(ステップS9否定判断)、公知のデッドレコニング処理が行われる(ステップS19)。すなわち、読み込んだデータに基づいて車両の進行方位と車両の走行距離を算出することで車両の移動量を算出する。そして、前回算出した車両の現在位置に今回算出した車両の移動量を加算することで得られる地点を車両の現在位置として(ステップS19)、周辺の道路地図とともに表示モニタ14に重畳的に表示させる(ステップS17)。
【0023】
−−−信頼度trstの算出について−−−
信頼度trstは、算出された車両の進行方位と道路データのリンク方位との差の絶対値(方位差)△θ、および、推定現在位置と表示候補点との距離、すなわち推定現在位置から候補リンクに対して垂直に降ろした線分の長さ(垂線距離)Lに基づいて算出される。具体的には次のようにして算出される。なお、リンク方位は、図2(b)に示す道路データのリンク列データの記憶領域402から当該リンクの両端に位置するノードの位置座標を読み込んで算出される。
【0024】
方位差△θと、垂線距離Lから(1)式で定義されるエラーコスト値ecを算出する。
ec=α×△θ+β×L ・・・(1)
(1)式において、αおよびβは係数である。
【0025】
次に累積エラーコストesを算出する。累積エラーコストesは、前回の処理で算出された累積エラーコストesn−1と今回算出されたエラーコスト値ecとに基づいて、次のように算出される。
es=(1−k)×esn−1+k×ec ・・・(2)
ここで、kは重み係数である。累積エラーコストesは、前回の処理で算出されたエラーコストを、今回の処理で算出されたエラーコストにどのくらい反映させるかを表している。
【0026】
方位差△θが小さいほど、および、垂線距離Lが短いほど(1)式および(2)式で求めたエラーコスト値ecおよび累積エラーコストesは0に近づく。すなわち、実際の車両位置としての信憑性が高くなるほど、(1)式および(2)式で求めたエラーコスト値ecおよび累積エラーコストesは0に近づく。しかし、実際の車両位置としての信憑性が高くなるほど信頼度trstの値が大きくなるほうが理解しやすいため、信頼度trstを(3)式で定義する。
trst=100/(1+es) ・・・(3)
これにより、実際の車両位置としての信憑性が高くなるほど信頼度trstの値は100に近づき、実際の車両位置としての信憑性が低くなるほど信頼度trstの値は0に近づくこととなる。
【0027】
−−−信頼度trstの算出における従来の問題点−−−
このように信頼度trstは、車両が走行することで算出される車両の進行方位および走行距離と、道路データとに基づいて算出される。そのため、実際の道路の形状と道路データとの間に差があると、すなわち、道路データが実際の道路の形状を正しく反映していないと、信頼度trstの算出に悪影響を及ぼす。たとえば、図4(a)において図示左側から右側に向かって走行する場合のように、1車線の本線からなだらかに側道が分岐し、側道が本線と略平行となる道路がある。このような道路は高速道路の出口付近でよく見られる。これとは逆に、図4(a)において図示右側から左側に向かって走行する場合のように、本線と略平行な側道がなだらかに本線に合流する道路がある。このような道路は高速道路の入口付近でよく見られる。
【0028】
このように、図4(a)のような形状の道路は、リンクa1〜リンクa4で表現される。リンクa1は図示左側の本線に対応するリンクであり、リンクa2は図示右側の分岐後(合流前)の本線に対応するリンクであり、リンクa3は側道に対応するリンクである。リンクa4は、リンクa1,a2とを接続するノードとリンクa3のノードとの間のリンク(分岐リンク)であり、道路の分岐/合流部分に対応する。道路データによっては、図4(a)に示すように、分岐/合流部分の車線の延在方位と、分岐リンクa4のリンク方位とが大きく異なる場合がある。
【0029】
図4(b)おいて図示左側から右側に向かって走行する場合のように、片側3車線のうちの1車線がそのまま側道になる道路がある。また、図4(b)において図示右側から左側に向かって走行する場合のように、片側2車線の道路と片側1車線の道路とが略平行に併設され、これらがそのまま片側3車線の道路として合流する道路がある。このような道路は、片側3車線の本線に対応する1本のリンクb1と、片側2車線の本線に対応するリンクb2と、側道に対応するリンクb3と、分岐リンクb4,b5とで表現される。
【0030】
一般的にリンクの位置は道路の幅方向の中央とされるため、各リンクb1,b2,b3が互いに道路の幅方向にずれることとなる。そのため、道路の分岐/合流部分の実際の車線の角度は分岐/合流部分の前後で変化しないにもかかわらず、分岐リンクb4,b5のリンク方位を実際の車線の角度から大きくずらして定めることがある。同様のことは、図4(c)に示した1条線から2条線に(2条線から1条線に)変化する道路にも当てはまる。
【0031】
1条線の区間では、上下線を合わせて1本のリンク(リンクc1)で表現されるが、2条線の区間では、車線の走行方向が上下線で異なるため、上下線のそれぞれに1本づつ、合計2本リンク(リンクc2,c3)で表現されることとなる。リンクの位置は、1条線の区間では上下線の境界付近に設定されるが、2条線の区間では上り車線の中央近傍および下り車線の中央近傍に設定されることとなるため、リンクc1とリンクc2,c3の間に、分岐リンクc4,c5が設定される。しかし、1条線の区間と2条線の区間との間の区間(分岐/合流部分)の道路の実際の角度から大きくずらして分岐リンクc4,c5のリンク方位を定めることがある。
【0032】
このように、分岐/合流部分の車線の延在方位と、分岐リンクのリンク方位とが大きく異なる場合、次のような問題が生じる。たとえば図5に示すように、図4(a)のような形状の道路を図示左側の本線から右側の側道に向かって走行する場合のことを考える。図5は、図4(a)のような形状の道路で、車両が本線上の位置P1から分岐部を通り、側道へと向かって走行する際の車両の軌跡を示している。車両は位置P1から図示右側に向かってP2,P3,P4,P5へと進む。なお、各位置P1〜P5は、上述したマップマッチング処理が行われる際の車両の位置である。
【0033】
車両が位置P1に位置している際に、上述したマップマッチング処理が行われると、リンクa1上の表示候補点CAND(P1a1)がマップマッチング後の現在位置として算出される。図6に示すように、車両が位置P3まで進行すると、前回の処理時に現在位置とされた、リンクa1上の表示候補点CAND(P2a1)を起点として、前回の処理から今回の処理までの車両の移動量を加算した地点が推定現在位置EST(P3)とされる。そして、上述したようにマップマッチング処理が行われて、表示候補点CAND(P3a1)が車両の現在位置として決定される。
【0034】
さらに車両が進行して位置P4に達したときの従来のマップマッチング処理について説明する。前回の処理時に現在位置とされた、リンクa1上の表示候補点CAND(P3a1)を起点として、前回の処理から今回の処理までの車両の移動量を加算した地点が推定現在位置EST(P4)とされる。そして、上述した(a),(b)を満たすリンクとしてリンクa2と分岐リンクa4とが候補リンクとして抽出される。次いで、前回の処理時に現在位置とされた、リンクa1上の表示候補点CAND(P3a1)からリンクをたどって、推定現在位置EST(P4)の算出に際して算出された車両の走行距離だけ移動させた候補リンク上の地点を表示候補点CAND(P4a2),CAND(P4a4)とする。
【0035】
ここで、表示候補点CAND(P4a2),CAND(P4a4)についてのエラーコスト値ecを求めると次のようになる。
ec(CAND(P4a2))=α×△θ(P4a2)+β×L2 ・・・(4)
ec(CAND(P4a4))=α×△θ(P4a4)+β×L4 ・・・(5)
△θ(P4a2)は、車両の進行方位と候補リンクa2のリンク方位との差であり、△θ(P4a4)は、車両の進行方位と候補リンクa4のリンク方位との差である。L2は、推定現在位置EST(P4)から候補リンクa2へ降ろした垂線の長さであり、L4は、推定現在位置EST(P4)から候補リンクa4へ降ろした垂線の長さである。
【0036】
ここで、分岐リンクa4の延在方向であるリンク方位が、実際の分岐部の延在方方向と大きくずれているため、方位差△θ(P4a4)が不当に大きな値となってしまう。そのため、本来であれば表示候補点CAND(P4a2)のエラーコスト値ec(CAND(P4a2))よりも表示候補点CAND(P4a4)のエラーコスト値ec(CAND(P4a4))の方が小さくならなければならないところを、値の大小が逆転することがある。したがって、表示候補点CAND(P4a2)の信頼度trstが表示候補点CAND(P4a4)の信頼度trstよりも高くなってしまい、表示候補点CAND(P4a2)が車両の現在位置として決定されてしまうことがある。すなわち、分岐/合流部分の車線の延在方位と、分岐リンクのリンク方位とが大きく異なる場合、車両の現在位置が誤って算出されてしまう恐れがある。
【0037】
そして、図4(a)に示したように、分岐後の2つの道路が略平行であるな場合には、以下に説明するように、車両の現在位置が誤った方の道路上にあるものとして算出され続けてしまうことがある。たとえば、表示候補点CAND(P4a2)が車両の現在位置として誤って算出された後、さらに車両が走行して、次のマップマッチング処理を行う場合を、図8を参照して説明する。この場合、前回の処理時に現在位置とされた、リンクa2上の表示候補点CAND(P4a2)を起点として、前回の処理から今回の処理までの車両の移動量を加算した地点が推定現在位置EST(a2-P5)とされる。また、前回の処理時のリンクa4上の表示候補点CAND(P4a4)を起点として、前回の処理から今回の処理までの車両の移動量を加算した地点が推定現在位置EST(a4-P5)とされる。
【0038】
推定現在位置EST(a2-P5)に対しては、上述した(a),(b)を満たすリンクとしてリンクa2が候補リンクとして抽出され、リンクa2上に表示候補点CAND(P5a2)が設定される。推定現在位置EST(a4-P5) に対しては、上述した(a),(b)を満たすリンクとしてリンクa3が候補リンクとして抽出され、リンクa3上に表示候補点CAND(P5a3)が設定される。
【0039】
ここで、表示候補点CAND(P5a2),CAND(P5a3)についてのエラーコスト値ecを求めると、候補リンクa2,a3のリンク方位が略平行であるため、車両の進行方位との差が略等しく、エラーコスト値ecの差が小さくなる。しかし、累積エラーコストesには、前回の処理で算出されたエラーコストが反映されるため、今回の処理においても表示候補点CAND(P5a2)の信頼度trstが表示候補点CAND(P5a3)の信頼度trstよりも高くなってしまう。そのため、表示候補点CAND(P5a2)が車両の現在位置として決定されてしまう。このまま、本線と側道とが互いに並んで延在している場合には、すなわち、本線の形状と側道の形状との間に大きな違いがなければ、一旦、車両の現在位置が誤った方の道路上にあるものとして算出されると、誤りが修正されないこととなる。このように、図4(a)に示すように、分岐後の側道と本線とが略平行に延在している場合には、その後のマップマッチング処理において、正しい現在位置が得られない。なお、上述したような不具合は、図4(b),(c)に示したような形状の道路のように、近くに併存する道路が存在する場合に起こりうる。
【0040】
−−−本実施の形態における信頼度の算出−−−
そこで、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、たとえば図4(a)〜(c)に示すように、分岐後の道路が互いに略平行に延在するような道路に関して、分岐部分に相当する分岐リンクに属する表示候補点のエラーコスト値ecの算出時に係数αの値を低減させる。これにより、方位差△θについての項の値を小さくして、方位差△θがエラーコスト値ec、累積エラーコストes、および信頼度trstに与える影響を低減させる。
【0041】
具体的には、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、以下のような処理によって信頼度trstを算出している。図9は、上述した現在位置算出処理の動作を示したフローチャートにおける、信頼度算出のサブルーチン(図3のステップS13)である。CPU101は、上述したように表示候補点を算出した(図3のステップS11)後、算出した表示候補点の任意の1つを選択する(ステップS131)。以下の説明では当該表示候補点を選択表示候補点と呼ぶ。そして、選択表示候補点の属するリンクが、車両がそれまで走行していた道路についてのリンクから分岐したリンク(分岐リンク)であるか否かを判断する(ステップS133)。
【0042】
選択表示候補点の属するリンクが分岐リンクであった場合(ステップS133肯定判断)、分岐リンクに接続するリンクであって、分岐リンクよりも車両の進行方向に向かって先の方に存在するリンク(分岐先リンク)のリンク方位を読み込む(ステップS135)。たとえば、図4(a)の場合には、分岐リンクa4に接続するリンクであって、分岐リンクa4よりも車両の進行方向に向かって先の方に存在するリンクa3のリンク方位を読み込む。ここで、分岐先リンクはリンクa3である。
【0043】
また、車両がそれまで走行していた道路についてのリンクに直接接続されているリンクであって、選択表示候補点の属する分岐リンクとは異なるリンク(第1隣接リンク)と、このリンクに接続されている隣のリンク(第2隣接リンク)のリンク方位を読み込む(ステップS135)。たとえば、図4(a)の場合には、車両がそれまで走行していた道路についてのリンクa1に直接接続されているリンクであって、選択表示候補点の属する分岐リンクa4とは異なるリンクa2と、このリンクa2に接続されている隣のリンク(不図示)のリンク方位を読み込む。ここで、第1隣接リンクはリンクa2であり、隣接第2リンクはリンクa2と接続された不図示のリンクである。
【0044】
また、図4(b)の場合には、車両がそれまで走行していた道路についてのリンクb1に直接接続されているリンクであって、選択表示候補点の属する分岐リンクb4とは異なるリンクb5と、このリンクb5に接続されている隣のリンクb2のリンク方位を読み込む。ここで、第1隣接リンクは分岐リンクb5であり、隣接第2リンクはリンクb2である。
【0045】
そして、第1隣接リンクおよび第2隣接リンクのうちの少なくとも一方のリンクと、分岐先リンクとの方位差が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS137)。すなわち、分岐後の道路が互いに略平行に延在するか否かを判断する。なお、ここで所定値としては、方位を比較するリンク同士が平行に近いと思われるような値であればよく、たとえば5度〜10度程度の値である。第1隣接リンクおよび第2隣接リンクのうちの少なくとも一方のリンクと、分岐先リンクとの方位差が所定値以下であると判断されると(ステップS137肯定判断)、上述した(1)式の係数αの値を所定割合だけ低減させた上で、エラーコスト値ec、累積エラーコストes、および信頼度trstを算出する(ステップS139)。
【0046】
なお、選択表示候補点の属するリンクが、分岐リンクでないと判断された場合(ステップS133否定判断)には、上述した(1)式の係数αの値を低減させずに、エラーコスト値ec、累積エラーコストes、および信頼度trstを算出する(ステップS143)。分岐先リンクと第1隣接リンクとの方位差が所定値を超え、かつ、分岐先リンクと第2隣接リンクとの方位差が所定値を超えていると判断された場合(ステップS137否定判断)も同様である(ステップS143)。
【0047】
上述した処理をすべての表示候補点について順次実行する(ステップS141否定判断)。すべての表示候補点について信頼度trstを算出すると(ステップS141肯定判断)、信頼度算出のサブルーチンにおける処理を終了し、メインルーチン(図3のステップS15)へ戻る。
【0048】
このように構成したカーナビゲーション装置1では、上述した図5の位置P4におけるマップマッチング処理で、方位差△θ(P4a4)の影響が低減される。そのため、表示候補点CAND(P4a2)のエラーコスト値ec(CAND(P4a2))よりも表示候補点CAND(P4a4)のエラーコスト値ec(CAND(P4a4))の方が小さくなり、結果として表示候補点CAND(P4a4)の信頼度trstが表示候補点CAND(P4a2)の信頼度trstよりも高くなる。これにより、図7に示したように、誤った表示候補点CAND(P4a2)が車両の現在位置として算出されることがなく、図10に示すように、分岐リンクa4上の表示候補点CAND(P4a4)が車両の現在位置として算出される。
【0049】
上述したカーナビゲーション装置1では、次の作用効果を奏する。
(1) 分岐後の道路が互いに略平行に延在するような道路に関して、分岐部分に相当する分岐リンクについては、この分岐リンクに属する表示候補点のエラーコスト値ecの算出時に係数αの値を低減させるように構成した。したがって、エラーコスト値ecの方位差△θの項の値が小さくなるので、方位差△θがエラーコスト値ecの与える影響を低減できる。これにより、分岐/合流部分の実際の車線の角度と、分岐リンクのリンク方位とが大きく異なる場合であっても、信頼度trstの値が不当に低くなるのを防止できるので、誤った表示候補点を車両の現在位置として誤判定してしまうことを抑止して、正しい車両の現在位置を算出できる。
【0050】
特に、カーナビゲーション装置1で、車両が走行している道路の種別に応じて案内表示を行う場合には、高速道路の出入口近傍を走行する際に、高速道路を走行しているにも関わらず、ハイウェイ情報が表示されなかったり、一般道路を走行しているにも関わらず、ハイウェイ情報が表示されたりするなどの、誤表示を防止できる。
【0051】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、分岐後の道路が互いに略平行に延在するような道路に関して、分岐部分に相当する分岐リンクに属する表示候補点のエラーコスト値ecの算出時に係数αの値を所定割合だけ低減させているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、方位差△θの値そのものを小さくすることで(1)式における方位差△θの項の値を小さくしてもよい。
【0052】
(2) 上述の説明では、たとえば本線に対応するリンクと側道に対応するリンクとを1本の分岐リンクで結ぶ場合について説明しているが、本発明はこれに限定されない。本線に対応するリンクと側道に対応するリンクとを2本以上の分岐リンクで結ぶ場合であっても上述の説明と同様に、分岐リンクに属する表示候補点のエラーコスト値ecの算出時に係数αの値を低減させればよい。この場合には、2本以上の連なった分岐リンクのうち最も側道側のリンクに隣接する(接続されている)リンクを分岐先リンクと見なして、分岐先リンクのリンク方位を読み込むようにすればよい。
【0053】
(3) 上述の説明では、図9のステップS137において、第1隣接リンクまたは第2隣接リンクと分岐先リンクとが略平行であるか否かを判断することで、分岐後の道路が互いに略平行に延在するか否かを判断しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図9のステップS137において、前回のマップマッチング処理で車両の現在位置とされた表示候補点から数十メートル先方の、分岐した2本の道路に対応するそれぞれのリンク方位を比較することで、分岐後の道路が互いに略平行に延在するか否かを判断してもよい。
【0054】
また、図9のステップS137において、第2隣接リンクに対して第1隣接リンクとは反対側に接続されているリンク(第3隣接リンク)と、分岐先リンクとが略平行であるか否かを判断することで分岐後の道路が互いに略平行に延在するか否かを判断してもよい。さらに、第1〜第3隣接リンクのうちの少なくともいずれか一つと、分岐リンクとは反対側で分岐先リンクに隣接するリンクとが略平行であるか否かを判断することで分岐後の道路が互いに略平行に延在するか否かを判断してもよい。
【0055】
(4) 上述の説明では、第1隣接リンクまたは第2隣接リンクと分岐先リンクとが略平行であると判断されると、分岐リンクに属する表示候補点のエラーコスト値ecの算出時に係数αの値を所定割合だけ低減させているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、分岐/合流部分の車線の延在方位と、分岐リンクのリンク方位とが大きく異なる場合に、当該分岐リンクについての道路データ上でフラグを立てておく。そして、CPU101が分岐リンクの道路データを読み込んだ際にこのフラグが立てられていると判断した場合、当該分岐リンクに属する表示候補点のエラーコスト値ecの算出時に係数αの値を所定割合だけ低減させるようにしてもよい。
【0056】
(5) 上述の説明では、車載用途のカーナビゲーション装置について説明したが、本発明による現在位置算出装置は車載用途に限らず、自動二輪車や自転車へ搭載するナビゲーション装置や、歩行者用のナビゲーション装置などにも適用できる。
(6) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0057】
以上の実施の形態およびその変形例において、たとえば、方位検出手段はジャイロセンサ11aに、道路データ格納手段は地図記憶装置109にそれぞれ対応する。方位差算出手段、現在位置推定手段、判断手段、低減手段およびフラグ判定手段は、CPU101およびCPU101で実行されるプログラムで実現される。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】カーナビゲーション装置1の全体構成を示す図である。
【図2】図1のカーナビゲーション装置1の表示用地図データの構成を示した図である。
【図3】現在位置算出処理の動作を示したフローチャートである。
【図4】道路の形状とリンクとの関係を示す図である。
【図5】図4(a)のような形状の道路を車両が走行したときの様子を示す図である。
【図6】車両が位置P3に位置するときにマップマッチング処理が行われたときの推定現在位置や表示候補点を示す図である。
【図7】車両が位置P4に位置するときに従来のマップマッチング処理が行われたときの推定現在位置や表示候補点を示す図である。
【図8】車両の現在位置が誤って算出された後、さらに車両が走行して、次のマップマッチング処理を行う場合について説明する図である。
【図9】図3のフローチャートにおけるステップS13のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図10】車両が位置P4に位置するときに本願発明によるマップマッチング処理が行われたときの推定現在位置や表示候補点を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 カーナビゲーション装置 11 現在地検出装置
100 制御装置 101 CPU
109 地図記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
進行方位を検出する方位検出手段と、
少なくとも道路の延在方位を含む道路のデータを格納する道路データ格納手段と、
前記方位検出手段で検出した前記進行方位と、前記道路データ格納手段に格納された前記道路の延在方位との差である方位差を算出する方位差算出手段と、
少なくとも前記方位差算出手段で算出した前記方位差に基づいて、複数の候補の中から現在位置を推定する現在位置推定手段と、
走行する道路が分岐部を有し、前記分岐部の先方では道路が互いに略平行に延在するか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段で、走行する道路が分岐部を有し、前記分岐部の先方では道路が互いに略平行に延在すると判断されると、前記現在位置推定手段で現在位置を推定する際に、前記分岐部における前記方位差が及ぼす影響を低減させる低減手段とを備えることを特徴とする現在位置算出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現在位置算出装置において、
前記道路データ格納手段は、前記道路のデータをリンクデータとして格納し、
前記方位差算出手段は、前記方位検出手段で検出した前記進行方位と、前記道路データ格納手段に格納されたリンクの延在方位との差を方位差として算出し、
前記判断手段は、前記分岐部の先方では道路が互いに略平行に延在するか否かをリンクの方位から判断し、
前記低減手段は、前記判断手段で、走行する道路が分岐部を有し、前記分岐部の先方では道路が互いに略平行に延在すると判断されると、前記現在位置推定手段で現在位置を推定する際に、前記分岐部に対応するリンクに関する前記方位差が及ぼす影響を低減させることを特徴とする現在位置算出装置。
【請求項3】
進行方位を検出する方位検出手段と、
少なくとも道路の延在方位を含む道路のデータを格納する道路データ格納手段と、
前記方位検出手段で検出した前記進行方位と、前記道路データ格納手段に格納された前記道路の延在方位との差である方位差を算出する方位差算出手段と、
少なくとも前記方位差算出手段で算出した前記方位差に基づいて、複数の候補の中から現在位置を推定する現在位置推定手段と、
道路の分岐部についての道路のデータに所定のフラグが立てられているか否かを判定するフラグ判定手段と、
前記フラグ判定手段で、分岐部についての道路のデータに所定のフラグが立てられていると判定されると、前記現在位置推定手段で現在位置を推定する際に、前記所定のフラグが立てられている分岐部に関する前記方位差が及ぼす影響を低減させる低減手段とを備えることを特徴とする現在位置算出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−139153(P2008−139153A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325634(P2006−325634)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【出願人】(501348139)株式会社 エイチ・シー・エックス (86)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】