説明

生体データ計測システム及び生体データ計測方法、並びに生体データ計測センサ

【課題】 センサによって計測した生体データを、利用者が意識しない間に簡便且つ確実に、利用者毎に吸い上げる仕組みを提案する。
【解決手段】 総合医療支援システムは、利用者の生体データを計測するセンサと、このセンサと無線通信を行い、当該センサによって計測した生体データを受信する携帯情報端末機とを備える。センサは、各利用者を示す情報と、生体データの送信先として各利用者が使用する携帯情報端末機の情報とを対応付けたテーブルを参照し、利用者に対応する送信先となる携帯情報端末機を特定し、この携帯情報端末機が無線通信範囲に存在するか否かを探索する。そして、センサは、携帯情報端末機が存在しない場合には、計測した生体データをメモリに記憶して当該携帯情報端末機と通信可能な状態になるまで待機し、携帯情報端末機が存在する場合には、生体データを当該携帯情報端末機に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者の生体データを計測する生体データ計測システム及び生体データ計測方法、並びに生体データ計測センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療分野においては、カルテ等の電子化が進められ、患者の管理システムも種々構築されている。このような背景から、いわゆるメディカルソーシャルワーカーによる患者支援を効率よく行うために、インターネット等のネットワークを介して医療相談を行うシステムも提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2等参照。)。
【0003】
一方、近年では、健康に関する人々の認識が高まりつつあるのにともない、患者のみならず健常者においても、体温や血圧、血糖値等を日常的に測定する人々も増えており、かかる利用者の便宜を図るために、測定したデータを一元的に管理するシステムも提案されている(例えば、特許文献3及び特許文献4等参照。)。
【0004】
【特許文献1】 特開2003−196384号公報
【特許文献2】 特開2005−316626号公報
【特許文献3】 特開2005−34547号公報
【特許文献4】 特開2005−198790号公報
【0005】
例えば、特許文献1には、患者自身に関する様々な情報を医療機関のコンピュータで管理し、関係者に自己カルテ等の情報を携帯電話機等を介して開示することにより、医療の合理化を図るとともに病院での待ち時間を減らすことができる医療情報開示システムが提案されている。
【0006】
また、特許文献2には、医者や医療機関に関する所望の情報を容易に選択することができ、統一された様式で迅速且つ容易に医療相談を行うことができる医療相談支援方式が提案されている。
【0007】
さらに、特許文献3には、少なくとも万歩計(登録商標)、血圧測定部、心拍数測定部、体温測定部及びこれらの測定データを表示する表示部を有する腕時計と、この腕時計から有線又は無線でデータを受信可能な携帯電話機と、この携帯電話機からインターネットを介して健康に関するデータを受け取り、登録者別に健康情報に関するデータを記録するデータベースを備えたホストコンピュータとからなるネット健康管理システムが提案されている。
【0008】
さらにまた、特許文献4には、被検者自身で計測可能で携帯電話機の機能も有する血糖測定装置に、計測月日,計測血糖値データ及び携帯電話番号/識別情報を含む被検者情報を医療サイトのコンピュータへと送信するとともに、計測血糖値データを計測月日とともに毎日記憶手段に記憶し、計測血糖値データが連続日数閾値を越えた場合にアラーム表示するとともに、医療サイトや管理栄養士のサイトに計測血糖値のトレンドデータとして自動送信することができる健康管理システムが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した特許文献3及び特許文献4に記載された技術のように、所定のセンサによって計測した生体データを、携帯電話機等の端末機を用いて外部のサーバ装置等に対して送信する場合には、これらセンサと端末機とを有線又は無線で接続する作業や設定・送信作業等、極めて煩雑な作業を利用者に強いているのが現状であり、システムの普及を阻害する要因となっているという問題があった。
【0010】
また、センサは、一般家庭で用いる場合には、各利用者が個別に所持するものではなく、家族で共用するのが通常である。そのため、計測した生体データをサーバ装置に登録するにあたっては、利用者個人を適切に識別する必要がある。
【0011】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、センサによって計測した生体データを、利用者が意識しない間に簡便且つ確実に、利用者毎に吸い上げることができる生体データ計測システム及び生体データ計測方法、並びに生体データ計測センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成する本発明にかかる生体データ計測システムは、利用者の生体データを計測するセンサと、上記センサと無線通信を行い、当該センサによって計測した生体データを受信する携帯情報端末機と、上記携帯情報端末機から送信された上記生体データを時系列に蓄積して作成される基礎健康データを含むデータベースを格納するサーバ装置とを備える。ここで、上記センサは、各利用者を示す情報と、生体データの送信先として各利用者が使用する上記携帯情報端末機の情報とを対応付けたテーブルを格納するテーブル格納手段と、上記テーブルを参照し、生体データの計測を行った利用者に対応する送信先となる上記携帯情報端末機を特定し、この携帯情報端末機が無線通信範囲に存在するか否かを探索する探索手段と、上記無線通信範囲に上記携帯情報端末機が存在しないものと判断した場合には、計測した生体データを記憶手段に記憶して当該携帯情報端末機と通信可能な状態になるまで待機し、上記無線通信範囲に上記携帯情報端末機が存在するものと判断した場合には、計測した生体データ又は上記記憶手段に記憶していた生体データを当該携帯情報端末機に対して送信する制御手段とを有する。そして、上記携帯情報端末機は、上記センサと無線通信を行い、生体データを受信する無線通信手段と、上記センサとの間で行った無線通信モードとは異なる通信モードへと切り替え、上記生体データの計測を行った利用者に固有のIDを付与した生体データを上記サーバ装置に対して送信する送信手段とを有することを特徴としている。
【0013】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる生体データ計測方法は、センサを用いて利用者の生体データを計測する工程と、上記センサが格納しているテーブルであって、各利用者を示す情報と、生体データの送信先として各利用者が使用する携帯情報端末機の情報とを対応付けたテーブルを当該センサが参照し、当該センサが、生体データの計測を行った利用者に対応する送信先となる上記携帯情報端末機を特定し、この携帯情報端末機が無線通信範囲に存在するか否かを探索する工程と、上記センサが、上記無線通信範囲に上記携帯情報端末機が存在しないものと判断した場合には、計測した生体データを記憶手段に記憶して当該携帯情報端末機と通信可能な状態になるまで待機し、上記無線通信範囲に上記携帯情報端末機が存在するものと判断した場合には、計測した生体データ又は上記記憶手段に記憶していた生体データを当該携帯情報端末機に対して送信する工程と、上記携帯情報端末機が、上記センサと無線通信を行い、生体データを受信する工程と、上記携帯情報端末機が、上記センサとの間で行った無線通信モードとは異なる通信モードへと切り替え、上記生体データの計測を行った利用者に固有のIDを付与した生体データをサーバ装置に対して送信する工程と、上記サーバ装置が上記携帯情報端末機から送信された上記生体データを受信する工程と、上記サーバ装置が、生体データを時系列に蓄積して作成される基礎健康データを含むデータベースに、上記携帯情報端末機から受信した上記生体データを格納する工程とを備えることを特徴としている。
【0014】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる生体データ計測センサは、利用者の生体データを計測する生体データ計測センサであって、各利用者を示す情報と、生体データの送信先として各利用者が使用する端末機の情報とを対応付けたテーブルを格納するテーブル格納手段と、上記テーブルを参照し、生体データの計測を行った利用者に対応する送信先となる上記端末機を特定し、この端末機が無線通信範囲に存在するか否かを探索する探索手段と、上記無線通信範囲に上記端末機が存在しないものと判断した場合には、計測した生体データを記憶手段に記憶して当該端末機と通信可能な状態になるまで待機し、上記無線通信範囲に上記端末機が存在するものと判断した場合には、計測した生体データ又は上記記憶手段に記憶していた生体データを当該端末機に対して送信する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0015】
このような本発明にかかる生体データ計測システム及び生体データ計測方法、並びに生体データ計測センサにおいては、利用者が使用する送信先としての端末機が無線通信範囲に存在しない場合には、計測した生体データを記憶手段に記憶して当該端末機と通信可能な状態になるまで待機し、無線通信範囲に端末機が存在する場合に生体データを送信することから、利用者が生体データの送信処理について何ら意識することがなく、また、利用者毎に生体データの送信を行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、計測した生体データを、利用者に意識させずに簡便且つ確実に、利用者毎にサーバ装置に対して送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明にかかる生体データ計測システムを適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
本発明の実施の形態として示す総合医療支援システムは、図1に示すように、利用者の生体データを計測するセンサ10と、利用者が所持する携帯情報端末機20と、当該総合医療支援システムを運営する運営者が管理するサーバ装置30と、医療機関の診療医師が操作する医療機関端末機40とを備える。なお、サーバ装置30には、インターネット網等の所定のネットワーク網を介して、医療機関端末機40の他、医療機関の検索システム、患者を管理するための患者管理システム、メディカルソーシャルワーカー等が開設する医療相談システム、医療機関の地図案内等を行うための地理情報システム(Geographic Information System;GIS)、国内外の医療機関での通院や入院のサポートを行うための患者プロモーションシステム等の各種外部システムが接続されている。
【0019】
センサ10は、例えば、身長、体重、体温、血圧、脈拍、血糖値等、利用者の生体データを計測する各種計測器である。ここで、センサ10は、赤外線通信や、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11に準拠した無線LAN(Local Area Network)若しくはいわゆるブルートゥース(Bluetooth(登録商標))等、各種無線通信方式にしたがってデータを送信するインターフェースを有する。そして、センサ10は、計測した生体データを、無線通信によって携帯情報端末機20に対して送信する。
【0020】
携帯情報端末機20は、例えば、携帯電話機や携帯情報端末機(Personal Digital Assistants;PDA)等、利用者が携帯可能な端末機である。携帯情報端末機20は、例えば図2に示すように、主制御部51に対して、操作入力制御部52と、画像コーデック53と、音声コーデック54と、カメラインターフェース部55と、表示制御部56と、多重分離部57と、記録再生部58と、位置データ取得部59と、変復調部60とが、所定のバスを介して互いに接続されて構成される。
【0021】
主制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等から構成され、各部を統括的に制御する。また、主制御部51は、後述する所定の医療支援プログラムを実行し、後述する無線通信部79を介してセンサ10から受信した生体データを取得するとともに、位置データ取得部59から供給された位置データを取得する。
【0022】
操作入力制御部52は、本体に設けられた数字キー、発呼キー、リダイヤルキー、終話及び電源キー、クリアキー、電子メールキー、カーソルキー、実行キー、各種アプリケーションプログラムを起動するためのアプリケーションキー等、複数の操作子71を介して操作入力された情報を主制御部51に供給する。例えば、操作入力制御部52は、メモリ76や記録媒体77等に記憶されているアプリケーションプログラムを起動する場合には、操作子71を介して利用者によって操作入力された起動命令を主制御部51に供給する。
【0023】
画像コーデック53は、主制御部51の制御のもとに、各種画像データを所定の符号化方式に基づいて圧縮符号化するとともに、この符号化方式に対応した復号方式によって伸長復号する。例えば、画像コーデック53は、撮像部74によって撮像された画像データを送信する場合には、カメラインターフェース部55を介して供給された画像データを所定の符号化方式に基づいて圧縮符号化し、得られた符号化画像データを多重分離部57に供給する。また、画像コーデック53は、例えばウェブサイト等にリンクされた画像ファイルのデータを受信した場合には、多重分離部57によって分離された符号化画像データを所定の復号方式によって伸長復号し、これを表示制御部56を介して表示部75に供給する。
【0024】
音声コーデック54は、主制御部51の制御のもとに、各種音声データを所定の符号化方式に基づいて符号化するとともに、この符号化方式に対応した復号方式によって復号する。例えば、音声コーデック54は、通話時には、利用者によって発話されてマイクロフォン72によって集音された音声信号をディジタル音声データに変換し、変復調部60に供給する。また、音声コーデック54は、通話相手からの音声を受話した場合には、変復調部60によって復調されたディジタル音声データを、利用者に聴取可能なアナログの音声信号に変換し、これをスピーカ73を介して外部に出力させる。
【0025】
カメラインターフェース部55は、主制御部51の制御のもとに、当該携帯情報端末機20の本体に対して所定の角度範囲で回動自在とされるCCD(Charge Coupled Devices)カメラ等の撮像部74によって画像データが撮像されると、この画像データを画像コーデック53に供給する。
【0026】
表示制御部56は、例えば、電界強度に応じた電波の受信状態や電池残量等の各種状態、アドレス帳として登録されている相手先名や電話番号及び発信履歴、電子メールの内容、ウェブサイト、撮像部74によって撮像された画像データ、各種アプリケーションプログラムの実行画面等の各種情報を、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる表示部75に表示させる。例えば、表示制御部56は、画像コーデック53によって復号された画像データが供給されると、これを表示部75に表示させる。
【0027】
多重分離部57は、主制御部51の制御のもとに、画像コーデック53から供給された符号化画像データと音声コーデック54から供給されたディジタル音声データとに対して所定の方式で多重化を施し、得られた多重化データを変復調部60に供給する。また、多重分離部57は、外部から動画像データを受信した場合には、主制御部51の制御のもとに、変復調部60によって所定の復調処理が施された多重化データを符号化画像データとディジタル音声データとに分離する。そして、多重分離部57は、符号化画像データを画像コーデック53に供給するとともに、ディジタル音声データを音声コーデック54に供給する。
【0028】
記録再生部58は、主制御部51の制御のもとに、当該携帯情報端末機20に内蔵されたメモリ76や、当該携帯情報端末機20に対して着脱自在に装着される不揮発性メモリ等の記録媒体77に対して各種情報を記録する。また、記録再生部58は、主制御部51の制御のもとに、これらメモリ76や記録媒体77に記録されている各種情報を再生する。例えば、記録再生部58は、通話相手の音声データ、外部から受信した画像データや撮像部74によって撮像された画像データ、電子メール等の各種情報を、メモリ76や記録媒体77に記録するとともに、これら情報を再生する。また、記録再生部58は、メモリ76や記録媒体77に記憶されているアプリケーションプログラムを実行する指示があった場合には、そのアプリケーションプログラムを読み出す。
【0029】
位置データ取得部59は、例えばGPS(Global Positioning System)等の位置データを取得するシステムの受信機として構成される。位置データ取得部59は、当該携帯情報端末機20の現在位置を示す位置データを取得し、これを主制御部51に供給する。
【0030】
変復調部60は、主制御部51の制御のもとに、多重分離部57から供給された多重化データに対して所定の変調処理機能を施し、送受信部78及びアンテナ80を介して外部に送信させる。また、変復調部60は、主制御部51の制御のもとに、アンテナ80及び送受信部78を介して受信した受信信号に対して所定の復調処理を施し、得られた多重化データを多重分離部57に供給する。さらに、変復調部60は、主制御部51の制御のもとに、センサ10と通信するための無線通信部79を介して受信した受信信号に対して所定の復調処理を施し、得られた生体データを主制御部51に供給する。
【0031】
このような携帯情報端末機20には、主制御部51によって実行されるBREW(Binary Runtime Environment for Wireless)(登録商標)等をプラットフォームとして構成されるアプリケーションプログラムとしての医療支援プログラムが実装される。なお、この医療支援プログラムは、後述するように、センサ10によって計測した生体データをサーバ装置30に対して送信する処理を、利用者に意識させずに行うために、当該携帯情報端末機20が携帯電話機である場合には、非活性化時には待ち受け画面として機能するとともに、活性化時には処理を実行する待ち受けアプリケーションプログラムとして構成されるのが望ましい。すなわち、携帯情報端末機20においては、医療支援プログラムを待ち受け画面として待機させたまま、電話の発着信や電子メールの送受信といった所定のサービスを利用することができる待ち受けアプリケーションプログラムとして提供するのが望ましい。この場合、携帯情報端末機20は、医療支援プログラムをインストールして待ち受け設定を行うことにより、当該医療支援プログラムを利用することが可能となる。医療支援プログラムは、待ち受けモード時には、任意の待ち受け画面を携帯情報端末機20の表示部75に表示させることができ、この状態で電子メールの着信等を報知することが可能とされる。そして、携帯情報端末機20は、センサ10から生体データが送信されてきた場合には、これを自動的に受信し、サーバ装置30に対してパケット通信によって送信する。また、医療支援プログラムは、携帯情報端末機20の操作子71を構成する所定の活性化キーを利用者が押下することによって活性化され、待ち受けモード時に表示部75に表示されていた待ち受け画面に、所定のメニューアイコン等が重畳された画面を表示させる。そして、医療支援プログラムは、利用者がメニューアイコン等を操作することにより、操作されたメニューアイコン等に割り当てられたコンテンツを実行することになる。携帯情報端末機20においては、このような待ち受けアプリケーションプログラムとして医療支援プログラムを構成することにより、利用者がサーバ装置30に登録されている自己のデータを閲覧したいと所望したい場合等に、迅速に処理を開始することが可能となる。なお、携帯情報端末機20がPDA等である場合には、医療支援プログラムを常駐させることにより、待ち受けアプリケーションプログラムと同様の取り扱いをすることができる。
【0032】
サーバ装置30は、当該総合医療支援システムを運営する運営者が管理するコンピュータである。サーバ装置30は、例えば、ハードディスクや、これらのハードディスクを複数台用いていわゆるRAID(Redundant Arrays of Independent(Inexpensive)Disks)構成とした装置といった所定の記憶装置を有し、この記憶装置に、例えば図3に示すように、少なくとも、携帯情報端末機20から送信された生体データを時系列に蓄積して作成される基礎健康データを含むマイカルテデータベースMDを格納しているとともに、医療機関に関する情報を医療機関データベースHDとして格納している。
【0033】
マイカルテデータベースMDは、少なくとも利用者の主治医情報を含むプロフィールデータと、少なくとも当該利用者の基礎健康データを含む時系列データとから構成される。
【0034】
具体的には、プロフィールデータは、例えば図4に示すように、利用者に固有のIDと、利用者名と、当該利用者の主治医を示す主治医情報とを含む。また、プロフィールデータは、必要に応じて、利用者が女性である場合に基礎体温を管理したい場合には、月経日や月経周期等の情報を含む。さらに、利用者がかかりやすい病気等の判断を行いたい場合には、当該利用者のDNA情報や疾病名等の情報をプロフィールデータに含めてもよく、また、利用者が事故等に遭遇した場合等に、個人の確認を迅速に行ったり手術の同意を迅速に得たりするために、静脈パターンや網膜パターン、指紋等の認証情報をプロフィールデータに含めてもよい。さらにまた、プロフィールデータには、利用者の病歴や通院歴、いわゆる「お薬手帳」のような処方箋の履歴を含めてもよい。すなわち、プロフィールデータは、センサ10によって計測したデータではなく、利用者が携帯情報端末機20等を用いてサーバ装置30に対する登録操作を行うことによって作成されるものである。
【0035】
一方、時系列データは、センサ10によって計測した利用者の生体データに基づいて作成されるものである。すなわち、時系列データは、例えば図5に示すように、利用者に固有のIDと、センサ10によって計測した身長、体重、体温、血圧、脈拍、血糖値等の生体データからなる基礎健康データを含む。なお、この基礎健康データには、センサ10によって計測された生体データを携帯情報端末機20によって送信する際に、位置データ取得部59によって取得した位置データを含めてもよい。これにより、総合医療支援システムにおいては、独居老人等が利用者である場合に、基礎健康データの取得と同時に、その安否や行動場所を確認することが可能となる。また、時系列データには、必要に応じて、利用者が摂取した食事内容を示すデータや、利用者が実行した運動内容を示すデータを含めてもよい。これにより、総合医療支援システムにおいては、携帯情報端末機20をはじめとする外部の端末機に実装されたカロリー計算ソフトウェアや運動メニューソフトウェアの入力として、これらデータを用いることができ、センサ10によって計測した生体データのみならず、食事や運動を加味した利用者の管理を行うことが可能となる。
【0036】
サーバ装置30は、利用者毎に、このようなプロフィールデータと時系列データとを対応付け、マイカルテデータベースMDとして記憶装置に格納する。
【0037】
また、医療機関データベースHDは、少なくとも、診療科目、診療日時、診療医師、診療予約、入院設備、案内等の医療機関データと、当該医療機関に通院・入院している又は通院・入院したことがある患者の病歴や通院歴等の患者データとから構成される。なお、患者データは、医療機関の電子カルテシステムと連動し、この電子カルテシステムからインポートすることによって作成することができる。サーバ装置30は、医療機関毎に、これら医療機関データと患者データとを対応付け、医療機関データベースHDとして記憶装置に格納する。
【0038】
サーバ装置30は、少なくとも、このようなマイカルテデータベースMD及び医療機関データベースHDを記憶装置に記憶している。ここで、これらマイカルテデータベースMDと医療機関データベースHDとは、互いに別個のデータベースとして構築されるのが通常であるが、マイカルテデータベースMDを構成する主治医情報と、医療機関データベースHDを構成する診療医師を示す情報とをキーとして互いにリンクされる。
【0039】
なお、サーバ装置30は、これらマイカルテデータベースMD及び医療機関データベースHDの他に、必要に応じて、携帯情報端末機20をはじめとする外部の端末機に実装されたカロリー計算ソフトウェアや運動メニューソフトウェアの入力となる健康管理情報、所定の健康産業メーカが提供するCTI(Computer Telephony Integration)システムやウェブシステムを利用して販売可能な健康グッズや健康食品に関する情報、医療機器メーカ等が提供する医薬品や検査器材に関する情報、外部の医療機関の検索システム等を介して参照される医療機関の空床情報、旅行や転勤等によって患者が海外へと移動した場合における通院や入院のサポートを行うための外部システムと連動するための海外医療機関に関する情報等をデータベースとして記憶装置に格納することもできる。
【0040】
このようなサーバ装置30に記憶されている情報は、携帯情報端末機20や医療機関端末機40等によって読み出される。
【0041】
医療機関端末機40は、例えばパーソナルコンピュータ等から構成された、医療機関の診療医師が操作する端末機である。医療機関端末機40は、サーバ装置30に対してアクセスすることにより、その図示しない表示部に、医療機関データベースHDの内容はもとより、マイカルテデータベースMDの内容も表示することが可能に構成される。
【0042】
このようなセンサ10、携帯情報端末機20、サーバ装置30、及び医療機関端末機40からなる総合医療支援システムにおいては、利用者が自己の携帯情報端末機20に実装された医療支援プログラムを起動し、上述したプロフィールデータに相当する情報をサーバ装置30に対して登録することにより、当該利用者が利用可能となる。また、総合医療支援システムにおいては、医療機関についても同様に、医療機関端末機40を介して当該医療機関に関する情報をサーバ装置30に対して登録することにより、当該医療機関が利用可能となる。
【0043】
そして、総合医療支援システムにおいては、携帯情報端末機20を介して、センサ10によって計測した生体データをサーバ装置30に対して送信することにより、上述した時系列データを構成する基礎健康データが蓄積される。携帯情報端末機20は、医療支援プログラムを実行することにより、利用者の基礎健康データを含むマイカルテデータベースMDの内容をサーバ装置30から取得し、主制御部51の制御のもとに表示部75に表示させることにより、当該利用者やその家族等の関係者に閲覧させることができる。このとき、携帯情報端末機20は、医療支援プログラムを実行する主制御部51の制御のもとに、サーバ装置30から取得した基礎健康データに基づいて、例えば、各生体データの時系列変化をグラフとして作成して表示部75に表示させることができる。
【0044】
また、総合医療支援システムにおいては、サーバ装置30に蓄積された利用者の基礎健康データに基づいて、携帯情報端末機20を介して警告するようにしてもよい。すなわち、サーバ装置30は、利用者の基礎健康データを逐次監視することにより、その異常があった場合には、当該利用者に異常が発生したものと判断し、所定の警告信号を当該利用者の携帯情報端末機20に対して送信する。これに応じて、携帯情報端末機20は、受信した警告信号に基づいて、スピーカ73や表示部75を介して、所定の警告動作を行う。これにより、総合医療支援システムにおいては、利用者に自己の体調変化を認識させ、必要に応じて、医療機関への救急依頼や、メディカルソーシャルワーカー等が開設する所定の医療相談システムへの連絡等の処置を効率よく行わせることができる。なお、携帯情報端末機20を介して所定の警告動作を行わせるためのサーバ装置30による警告信号の送信処理は、予め利用者が設定した基準値やサーバ装置30側で一律に設定した基準値に基づいて行うようにしてもよいが、適切な基準値を設定できない場合には、不要な警告が多発したり、必要な警告ができなかったりする場合があり、また、利用者に応じて適切な基準値が異なるのが一般的である。そのため、総合医療支援システムにおいては、蓄積された過去の基礎健康データからの傾向に基づいて、携帯情報端末機20を介して所定の警告動作を行わせる基準を利用者毎に変化させるのが望ましい。例えば、サーバ装置30は、利用者毎に蓄積された基礎健康データの時系列変化を逐次監視し、平均的な遷移に比べて突発的な変化がみられた場合に、利用者に異常が発生したものと判断し、所定の警告信号を当該利用者の携帯情報端末機20に対して送信するのが望ましい。また、総合医療支援システムにおいては、蓄積された利用者の基礎健康データに基づいて、サーバ装置30が当該利用者の健康状態を複数段階で判断し、その段階を示す段階信号を携帯情報端末機20に対して送信することにより、当該携帯情報端末機20の表示部75に、段階に応じた識別マークを表示させ、当該利用者に自己の健康状態を知らしめるようにしてもよい。
【0045】
さらに、サーバ装置30は、所定の時間間隔にわたって基礎健康データの蓄積がない場合には、その旨を示す電子メール等を携帯情報端末機20に対して送信し、生体データの計測を促すようにしてもよい。さらにまた、サーバ装置30は、利用者の食事時間に合わせて、蓄積された当該利用者の基礎健康データからみた注意事項等を示す電子メール等を携帯情報端末機20に対して送信してもよい。
【0046】
一方、医療機関は、医療機関端末機40を介して、サーバ装置30に蓄積されたマイカルテデータベースMDの内容を閲覧することができる。すなわち、総合医療支援システムにおいては、上述したように、マイカルテデータベースMDを構成する主治医情報と、医療機関データベースHDを構成する診療医師を示す情報とをキーとして、これらマイカルテデータベースMDと医療機関データベースHDとが互いにリンクされる。そのため、総合医療支援システムにおいては、各診療医師の患者がマイカルテデータベースDBに登録することにより、医療機関端末機40の表示部に、その患者のマイカルテデータベースDBの内容を表示させることができ、各診療医師側から自発的に患者の状態を確認することが可能となる。
【0047】
これにより、従来であれば、患者が自ら計測した生体データを主治医に提示しなければ、主治医側が患者の状態を知ることができなかったのに対して、総合医療支援システムにおいては、主治医側から自発的に患者の状態を確認し、それに基づいて、未だ疾病にかかっていない利用者に対しては予防医学的なサービスを展開したり、現に疾病にかかっている患者に対しては基礎健康データの推移を観察し、それに基づいた適切な処置を施したりすることができ、医師が患者を自らの顧客として囲い込むことが可能となる。また、患者側にとっても、自己の主治医による充実した診療サービスを享受することが可能となる。換言すれば、総合医療支援システムにおいては、主治医に関する情報を介して、マイカルテデータベースDBと医療機関データベースHDとの連携を図ることにより、従来では実現できなかった、実際に計測した基礎健康データに基づいた患者と医師とのコミュニケーションツールを構築することができる。
【0048】
ところで、このような総合医療支援システムにおいては、センサ10によって計測した生体データを、携帯情報端末機20を用いてサーバ装置30に対して送信することになる。ここで、センサ10と携帯情報端末機20との間で行われる通信を行うにあたっては、これらセンサ10と携帯情報端末機20とを接続する作業や設定・送信作業等、煩雑な作業を利用者に強いることなく、且つ、サーバ装置30へのデータ送信処理を利用者に意識させることなく行うのが望ましい。
【0049】
また、センサ10は、一般家庭で用いる場合には、各利用者が個別に所持するものではなく、家族で共用するのが通常である。そのため、計測した生体データをサーバ装置30に登録するにあたっては、利用者個人を適切に識別する必要がある。
【0050】
そこで、総合医療支援システムにおいては、携帯情報端末機20を恰もアクセスポイントとして機能させることにより、センサ10によって計測した生体データを、利用者が意識しない間に簡便且つ確実に、利用者毎に吸い上げる仕組みを採用する。すなわち、総合医療支援システムにおいては、センサ10と携帯情報端末機20との間で行う無線通信方式として、赤外線通信のような見通しが必要となる通信方式ではなく、無線LANやブルートゥース等の近距離無線通信方式を採用するのが望ましい。
【0051】
具体的には、総合医療支援システムにおいては、図6に示すような一連の手順にしたがって、センサ10によって計測した生体データの送信処理を行う。
【0052】
まず、センサ10は、同図に示すように、ステップS1において、所定の操作部を介して利用者の選択操作を行った上で、ステップS2において、生体データの計測を行う。具体的には、センサ10は、例えば図7に示すように、家族等で共用する場合に対応するために、各利用者を示す情報と、その利用者が使用する携帯情報端末機20のアドレス等の送信先を示す情報とを対応付けたテーブルをメモリ等に予め格納している。なお、このテーブルは、センサ10を利用する利用者が予め登録操作を行うことによって作成されるものである。そして、センサ10は、ステップS1において、利用者が選択されると、このテーブルを参照し、該当する利用者がいない場合には、例えば図示しない表示部にその旨を示すメッセージ等を表示させる一方で、該当する利用者が存在する場合には、ステップS2における計測を行う。
【0053】
続いて、センサ10は、生体データの計測を終了すると、ステップS3及びステップS4において、図示しないCPU等の制御部の制御のもとに、図37に示したテーブルを参照し、利用者に対応する送信先となる携帯情報端末機20を特定し、この携帯情報端末機20が無線通信範囲に存在するか否かを探索する。
【0054】
ここで、センサ10は、無線通信範囲に携帯情報端末機20が存在しないものと判断した場合には、ステップS6において、図示しない制御部の制御のもとに、計測した生体データをメモリ等に記憶するとともに、例えば図示しない表示部にデータを記憶した旨を示すメッセージ等を表示させ、当該携帯情報端末機20と通信可能な状態になるまで待機する。なお、センサ10は、この待機中に、同一利用者であるが他の利用者にかかわらず、他の計測を行うことも可能に構成され、他の計測によって取得した生体データを送信可能な場合には送信処理を行い、送信不可能な場合にはメモリ等に記憶する。すなわち、センサ10は、計測毎に、独立した処理を行うように構成される。
【0055】
一方、センサ10は、無線通信範囲に携帯情報端末機20が存在するものと判断した場合には、ステップS5において、図示しない制御部の制御のもとに、計測した生体データ又はメモリ等に記憶していた生体データを当該携帯情報端末機20に対して送信し、例えば図示しない表示部にデータを送信した旨を示すメッセージ等を表示させる。
【0056】
これに応じて、携帯情報端末機20は、ステップS7において、無線通信部79を介して生体データを受信する。なお、携帯情報端末機20は、例えば通話等、他の処理を行っている場合であっても、生体データを自動的に受信するのが望ましい。
【0057】
続いて、携帯情報端末機20は、ステップS8において、主制御部51の制御のもとに、利用者に固有のIDを付与する。このIDは、携帯情報端末機20が医療支援プログラムを実行することにより、サーバ装置30から予めダウンロードしてメモリ76等に格納しているものである。なお、携帯情報端末機20は、このIDの取得を、センサ10からの生体データの受信毎に行うようにしてもよい。また、サーバ装置30は、携帯情報端末機20からのID要求がある度に、異なるIDを生成して送信するようにしてもよい。すなわち、ここでのIDは、携帯情報端末機20とサーバ装置30との間で行われる通信毎に利用者を識別できるものであればよく、通信毎にIDを変化させることにより、第三者による利用者の特定を困難とし、セキュリティ性を向上させることができる。
【0058】
そして、携帯情報端末機20は、このようにして生体データにIDを付与すると、ステップS9において、センサ10との間で行った無線通信モードがらパケット通信モードへと通信モードを切り替え、IDを付与した生体データを、送受信部78及びアンテナ80を介してサーバ装置30に対して送信する。
【0059】
これに応じて、サーバ装置30は、ステップS10において、生体データを受信するとともに、ステップS11において、IDに対応した利用者のマイカルテデータベースMDに登録し、一連の処理を終了する。
【0060】
総合医療支援システムにおいては、このような一連の手続きにしたがって、センサ10によって計測した生体データの送信処理を行うことができる。これにより、総合医療支援システムにおいては、センサ10によって計測した生体データを、利用者に意識させずに簡便且つ確実に、利用者毎にサーバ装置30に対して送信することができる。また、総合医療支援システムにおいては、センサ10と携帯情報端末機20との間で生体データの授受を行う際に、利用者を識別するための情報を一切送信しないことから、生体データから利用者を特定することを不可能とし、セキュリティ性を向上させることができる。
【0061】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、携帯情報端末機20がセンサ10の無線通信範囲に存在する場合に、当該センサ10から生体データの送信を行うものとして説明したが、本発明においては、計測した生体データをセンサ10から直ちに送信するのではなく、メモリ等に記憶しておき、例えば携帯情報端末機20を充電器に装着した場合等、当該携帯情報端末機20が所定の状態になった場合に、当該携帯情報端末機20を上述したアクセスポイントのように機能させ、センサ10と通信可能としてもよい。
【0062】
また、上述した実施の形態では、サーバ装置30から携帯情報端末機20に利用者に固有のIDをダウンロードしておき、センサ10と携帯情報端末機20との間では生体データのみの授受を行うものとして説明したが、本発明においては、センサ10に利用者に固有のIDを予めダウンロードして上述したテーブルに格納しておき、このIDを付与した生体データをセンサ10から携帯情報端末機20に対して送信するようにしてもよい。
【0063】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】 本発明の実施の形態として示す総合医療支援システムの構成を示す図である。
【図2】 本発明の実施の形態として示す総合医療支援システムにおける携帯情報端末機の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態として示す総合医療支援システムにおけるサーバ装置に登録されるデータベースの内容を示す図である。
【図4】 サーバ装置に登録されるマイカルテデータベースを構成するプロフィールデータの内容を示す図である。
【図5】 サーバ装置に登録されるマイカルテデータベースを構成する時系列データの内容を示す図である。
【図6】 本発明の実施の形態として示す総合医療支援システムにおいて、センサによって計測した生体データの送信処理を行う際の一連の工程を示すフローチャートである。
【図7】 携帯情報端末機に格納されているテーブルの内容を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
10 センサ
20 携帯情報端末機
30 サーバ装置
40 医療機関端末機
51 主制御部
52 操作入力制御部
53 画像コーデック
54 音声コーデック
55 カメラインターフェース部
56 表示制御部
57 多重分離部
58 記録再生部
59 位置データ取得部
60 変復調部
71 操作子
72 マイクロフォン
73 スピーカ
74 撮像部
75 表示部
76 メモリ
77 記録媒体
78 送受信部
79 無線通信部
80 アンテナ
MD マイカルテデータベース
HD 医療機関データベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の生体データを計測するセンサと、
上記センサと無線通信を行い、当該センサによって計測した生体データを受信する携帯情報端末機と、
上記携帯情報端末機から送信された上記生体データを時系列に蓄積して作成される基礎健康データを含むデータベースを格納するサーバ装置とを備え、
上記センサは、
各利用者を示す情報と、生体データの送信先として各利用者が使用する上記携帯情報端末機の情報とを対応付けたテーブルを格納するテーブル格納手段と、
上記テーブルを参照し、生体データの計測を行った利用者に対応する送信先となる上記携帯情報端末機を特定し、この携帯情報端末機が無線通信範囲に存在するか否かを探索する探索手段と、
上記無線通信範囲に上記携帯情報端末機が存在しないものと判断した場合には、計測した生体データを記憶手段に記憶して当該携帯情報端末機と通信可能な状態になるまで待機し、上記無線通信範囲に上記携帯情報端末機が存在するものと判断した場合には、計測した生体データ又は上記記憶手段に記憶していた生体データを当該携帯情報端末機に対して送信する制御手段とを有し、
上記携帯情報端末機は、
上記センサと無線通信を行い、生体データを受信する無線通信手段と、
上記センサとの間で行った無線通信モードとは異なる通信モードへと切り替え、上記生体データの計測を行った利用者に固有のIDを付与した生体データを上記サーバ装置に対して送信する送信手段とを有すること
を特徴とする生体データ計測システム。
【請求項2】
上記携帯情報端末機は、上記IDを上記サーバ装置から予め取得して記憶手段に格納しており、
上記送信手段は、上記生体データに上記IDを付与したデータを上記サーバ装置に対して送信すること
を特徴とする請求項1記載の生体データ計測システム。
【請求項3】
上記制御手段は、上記携帯情報端末機が所定の状態になった場合に、計測した生体データ又は上記記憶手段に記憶していた生体データを当該携帯情報端末機に対して送信すること
を特徴とする請求項1記載の生体データ計測システム。
【請求項4】
上記センサは、上記IDを上記サーバ装置から予め取得して上記テーブルに格納しており、
上記制御手段は、上記生体データに上記IDを付与したデータを上記携帯情報端末機に対して送信すること
を特徴とする請求項1記載の生体データ計測システム。
【請求項5】
センサを用いて利用者の生体データを計測する工程と、
上記センサが格納しているテーブルであって、各利用者を示す情報と、生体データの送信先として各利用者が使用する携帯情報端末機の情報とを対応付けたテーブルを当該センサが参照し、当該センサが、生体データの計測を行った利用者に対応する送信先となる上記携帯情報端末機を特定し、この携帯情報端末機が無線通信範囲に存在するか否かを探索する工程と、
上記センサが、上記無線通信範囲に上記携帯情報端末機が存在しないものと判断した場合には、計測した生体データを記憶手段に記憶して当該携帯情報端末機と通信可能な状態になるまで待機し、上記無線通信範囲に上記携帯情報端末機が存在するものと判断した場合には、計測した生体データ又は上記記憶手段に記憶していた生体データを当該携帯情報端末機に対して送信する工程と、
上記携帯情報端末機が、上記センサと無線通信を行い、生体データを受信する工程と、
上記携帯情報端末機が、上記センサとの間で行った無線通信モードとは異なる通信モードへと切り替え、上記生体データの計測を行った利用者に固有のIDを付与した生体データをサーバ装置に対して送信する工程と、
上記サーバ装置が上記携帯情報端末機から送信された上記生体データを受信する工程と、
上記サーバ装置が、生体データを時系列に蓄積して作成される基礎健康データを含むデータベースに、上記携帯情報端末機から受信した上記生体データを格納する工程とを備えること
を特徴とする生体データ計測方法。
【請求項6】
利用者の生体データを計測する生体データ計測センサであって、
各利用者を示す情報と、生体データの送信先として各利用者が使用する端末機の情報とを対応付けたテーブルを格納するテーブル格納手段と、
上記テーブルを参照し、生体データの計測を行った利用者に対応する送信先となる上記端末機を特定し、この端末機が無線通信範囲に存在するか否かを探索する探索手段と、
上記無線通信範囲に上記端末機が存在しないものと判断した場合には、計測した生体データを記憶手段に記憶して当該端末機と通信可能な状態になるまで待機し、上記無線通信範囲に上記端末機が存在するものと判断した場合には、計測した生体データ又は上記記憶手段に記憶していた生体データを当該端末機に対して送信する制御手段とを備えること
を特徴とする生体データ計測センサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−43702(P2008−43702A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−246109(P2006−246109)
【出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(503380397)
【Fターム(参考)】