説明

画像形成装置、画像形成システム、制御装置、画像形成方法、制御方法、制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】 現像ユニットが装着された位置に関わらず、カラー画像を形成できる画像形成装置、画像形成システム、制御装置、画像形成方法、制御方法、制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】 CMYKの現像ユニットが装着されている場合に、エンジンコントローラは各現像ユニットの装着位置を取得してから(ステップS40)、メインコントローラは、各現像ユニットの装着位置の順番に基づいて、画像データの色の順番を並び替える(ステップS41)。メインコントローラは、並び替えた画像データから画像信号を生成してエンジンコントローラに送信する(ステップS42)。エンジンコントローラは画像信号を印刷エンジンに送信する(ステップS44)ことにより画像を形成する。現像ユニットの順番に従って画像データを並び替えるので、現像ユニットの装着位置に関わらずカラー画像を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子写真技術を用いてカラー画像を形成する画像形成装置、画像形成システム、制御装置、画像形成方法、画像形成装置を制御する制御方法、制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
カラープリンタなどに設けられる電子写真技術を用いて画像を形成する画像形成装置は、画像データに応じて静電潜像が形成される像担持体と、像担持体の外周面を帯電させる帯電ユニットと、帯電された像担持体の外周面を画像データに応じて露光して静電潜像を形成する露光ユニットと、静電潜像に現像剤であるトナーを供給してトナー像に現像する現像装置と、トナー像を転写対象の媒体に転写させる転写ユニットとを有する。現像装置は、複数のカラートナーを収容する現像ユニットを着脱可能に保持し、現像タイミングに対応して適切な現像ユニットを像担持体に近接させる現像ユニット保持体を有する。この現像ユニット保持体は、通常、回転制御される現像ロータリーである。カラー印刷を行うときは、複数色のカラートナー、例えば4色(イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックK)の現像ユニットを現像ロータリーの各装着部に装着し、現像ロータリーを回転制御することにより、現像ユニットを順番に像担持体に近接させて現像する。また、ブラックのトナーのみを用いたモノクロ(モノクローム)印刷を行うときは、ブラックの現像ユニットが現像ロータリーに装着される。
【0003】
また、特許文献1,2には、両モードをユーザにより適宜切り替え可能にすることができる画像形成装置が開示されている。すなわち、現像ロータリーに4色の現像ユニットを各色の装着部に装着した場合にカラー印刷モードに設定され、現像ロータリーのブラックの現像ユニットの装着部にのみブラックの現像ユニットを装着しそれ以外のCMYの装着部に現像ユニットを装着しない場合にモノクロ印刷モードに設定される画像形成装置である。
【0004】
また、特許文献2に記載の画像形成装置は、現像ロータリーの装着部を4色の現像ユニットに1対1に固定的に対応させず、ブラックの現像ユニットはどの装着部にも装着できるようになっている。ブラックの現像ユニットを複数個装着することにより、現像ユニットの交換回数を少なくすることができるとしている。
【0005】
【特許文献1】特開2003−43773号公報
【特許文献2】特開2003−316106号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および2に記載した技術では、カラー印刷モードにおける現像ユニットを装着する装着部は、現像ユニットの各色ごとに予め決められているので、現像ユニットを自由な装着部に装着することができないという課題があった。また、CMYの現像ユニットを装着してモノクロ印刷モードからカラー印刷モードに切り替える場合に、例えば、CとYとの現像ユニットの装着部を入れ違えてしまうと、CとYの色が置き換わってしまうために正しいカラー画像を形成できなくなるという課題があった。
【0007】
そこで、本発明は、現像ユニットの装着部に関わらず、正しいカラー画像を形成することができる画像形成装置、画像形成システム、制御装置、画像形成方法、制御方法、制御プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明では、単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、装着部の所定の順番に従って、装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置であって、装着部ごとに、現像剤収容体の現像剤が有する色を検出する検出手段と、複数の装着部に、カラー画像を形成するための複数の現像剤が装着されている場合に、装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、装着部の順番に対応する色の順番に従って、単色画像を順次形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、カラー画像を形成するための複数の現像剤が装着されている場合に、装着部ごとに、現像剤収容体の現像剤が形成する色を検出することにより装着部の所定の順番に対応して、装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が形成する色の順番が得られる。そして、装着部の現像剤収容体の現像剤を、色の順番に従って順次使用することにより、単色画像を順次現像して、カラー画像を取得する。すなわち、装着部に装着された現像剤収容体の現像剤を、装着部の順番に使用してカラー画像を形成する。したがって、現像剤収容体を装着する順番に関わらず、カラー画像を形成することができる。
【0010】
本発明の画像形成システムは、単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、装着部の所定の順番に従って、装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置と、画像形成装置に画像データを送信するホスト装置と、を備える画像形成システムであって、画像形成装置は、装着部ごとに、装着された現像剤収容体の現像剤が有する色を検出する検出手段と、複数の装着部に、カラー画像を形成するための複数の現像剤が装着されている場合に、装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、装着部の順番に対応する色の順番を示す情報を送信する色情報送信手段と、単色画像データの順番に従って、単色画像データに対応する現像剤を使用して、単色画像を順次形成する画像形成手段と、を備え、ホスト装置は、色の順番を示す情報を受信する受信手段と、色の順番に従って、複数の単色画像データを画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、画像形成装置は、装着部ごとに、装着された現像剤収容体の現像剤が有する色を検出し、装着部の所定の順番に対応して現像剤収容体の現像剤が形成する色の順番をホスト装置に送信する。ホスト装置は、色の順番に従って、単色画像データを画像形成装置に送信する。画像形成装置は、単色画像データの順番に従って、単色画像データに対応する現像剤を使用して、単色画像を順次形成することにより、カラー画像を取得する。したがって、現像剤収容体を装着する順番に関わらず、カラー画像を形成することができる画像形成システムを得ることができる。
【0012】
本発明の制御装置は、単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、装着部の所定の順番に従って、装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置を制御する制御装置であって、装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、装着部の順番に対応する色の順番を示す情報を受信する受信手段と、色の順番に従って、複数の単色画像データを画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、制御装置は、複数の単色画像データを、受信した現像剤が有する色の順番に従って画像形成装置に送信する。画像形成装置は、装着部の所定の順番に従って、現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより、単色画像を順次形成する。すなわち、画像形成装置は、順次受信した単色画像データに従って、単色画像データに対応する現像剤を使用して、単色画像を順次形成する。したがって、現像剤収容体を装着する順番に関わらず、カラー画像を形成することができる。
【0014】
本発明は画像形成方法とすることもできる。すなわち、本発明の画像形成方法は、単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、装着部の所定の順番に従って、装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成方法であって、装着部ごとに、装着された現像剤収容体の現像剤が有する色を検出する検出工程と、複数の装着部に、カラー画像を形成するための複数の現像剤が装着されている場合に、装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、装着部の順番に対応する色の順番に従って単色画像を順次形成する画像形成工程と、を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明の制御方法は、単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、装着部の所定の順番に従って、装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置を制御する制御方法であって、装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、装着部の順番に対応する色の順番を示す情報を受信する受信工程と、色の順番に従って、複数の単色画像データを順次画像形成装置に送信する画像データ送信工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
さらに、本発明は、コンピュータに制御装置としての処理を行わせる制御プログラムまたはその制御プログラムを記憶した記録媒体とすることもできる。すなわち、本発明の制御プログラムは、単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、装着部の所定の順番に従って、装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置を制御する制御プログラムであって、装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、装着部の順番に対応する色の順番を示す情報を受信する受信手段、色の順番に従って、複数の単色画像データを順次画像形成装置に送信する画像データ送信手段、として機能させることを特徴とする。また、このプログラムを記録した記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、ICカード、パンチカードなど、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した第1の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明に係る印刷システム1の構成を示した図である。図1に示すように、印刷システム1は、ホストコンピュータ2およびプリンタ(画像形成装置)10を備えている。プリンタ10は、ホストコンピュータ2に接続されており、ホストコンピュータ2から送られる印刷データに基づいて、印刷媒体に印刷する。
【0019】
図1に示すホストコンピュータ2は、プリンタ10に対して印刷要求を行うホスト装置であり、アプリケーション3と、プリンタドライバ4とを備えている。ホストコンピュータ2には、ディスプレイ、キーボードおよびマウス(図示なし)が接続されており、ディスプレイに表示される画面に従ってキーボードまたはマウスから入力される操作信号に基づいて以下に述べる印刷処理が行われる。
【0020】
アプリケーション3は、プリンタ10に対する印刷要求元であり、印刷要求を行うユーザは、ディスプレイに表示される設定画面に従って、印刷時の各種印刷条件を設定する。ユーザが印刷を行う際には、キーボードまたはマウスなどにより入力される操作信号に基づいて当該アプリケーション3、または、後述するプリンタドライバ4からその旨の要求を行う。このとき、アプリケーション3は、プリンタドライバ4に印刷要求および画像データを送信する。
【0021】
プリンタドライバ4は、アプリケーション3から画像データを受け取って、プリンタ10が処理することができるデータ形式の印刷データを生成する。ここでは、プリンタドライバ4は、画像データがもつオブジェクト毎に記述されるPDL(Page Description Language)で表現された画像データを画素毎の濃度値で表現された画像データに変換する処理を行っている。そして、変換後の画像データの色表現(RGBデータ)をプリンタ10で印刷される際の色表現であるC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)データに変換する処理、その後のデータを圧縮する処理等も行っている。
【0022】
また、プリンタドライバ4は、アプリケーション3からの印刷要求に基づいて、各種印刷条件を示す制御コマンドを生成する。こうして生成された画像データおよび制御コマンドからなる印刷データは、プリンタドライバ4から所定の順番でプリンタ10に送信される。本実施形態のプリンタドライバ4は、画像データを決められた色の順番で送信するプレーン順次の転送を行う。すなわち、CMYKデータである画像データを、Kデータ、Cデータ、Mデータ、Yデータの順番にプリンタ10に送信する。
【0023】
プリンタ10として、レーザービームプリンタを例にして説明する。プリンタ10は、プリンタ10の動作を制御する制御ユニット100と、制御ユニット100の指示に従って印刷を行う印刷エンジン(画像形成手段)103とを備えている。また、図1に示すように、制御ユニット100は、プリンタ10全体の動作を制御するメインコントローラ101および印刷エンジン103の動作を制御するエンジンコントローラ102を有している。
【0024】
図2は、プリンタ10の構成を示す図である。図2に示すようにプリンタ10は、潜像を担持する像担持体である感光体ドラム20の回転方向に沿って、帯電ユニット30と、露光ユニット40と、現像装置50と、一次転写ユニット60と、中間転写体70と、クリーニングユニット75と、二次転写ユニット80と、定着ユニット90と、からなる印刷エンジン103を備えている。さらに、プリンタ10は、ユーザへの種々の情報を出力する表示ユニット95および制御ユニット100を備えている。
【0025】
感光体ドラム20は、円筒状の導電性基材とその外周面に形成された感光層を有している。また、感光体ドラム20は、中心軸に対して回転可能であり、図2の矢印で示されるように時計方向に回転する。帯電ユニット30は、感光体ドラム20を帯電させる。露光ユニット40は内蔵するレーザやLEDアレイなどの光源からのビームを帯電された感光体ドラム20に照射して静電気による潜像を形成する。露光ユニット40のビーム照射は、ホストコンピュータ2から入力される画像データに基づいて変調された画像信号により制御されている。
【0026】
現像装置50は、現像剤であるトナーを収容する現像ユニットが着脱可能に装着される装着部50a〜50dを有し、回転軸50eに対して回転可能な現像ロータリーである。現像装置50を回転させることにより必要な現像ユニットを感光体ドラム20に近接させてから、潜像が形成された感光体ドラム20に現像剤を供給することにより、トナー像(単色画像)を得る現像が行われる。図2の例では、現像装置50の装着部50a〜50dには、ブラックK、マゼンタM、シアンC、イエローYの現像剤をそれぞれ収容する現像ユニット51〜54が装着されている。すなわち、図2の例は、カラー印刷を行うカラー印刷モード時のプリンタ10の構成である。ここで、カラー画像を形成するカラー印刷モードにおける印刷プロセスでは、現像ユニットが装着された位置について反時計回りの順番で感光体ドラム20への潜像の形成とそれぞれの現像剤による現像とが行われる。図2の例では、KCMYの順番に現像することになる。現像装置50は、各色の潜像形成と現像のプロセス毎に、時計方向に回転して適切な色の現像ユニットを感光体ドラム20に近接させ、順次現像を行う。
【0027】
一次転写ユニット60は、感光体ドラム20に形成されたトナー像を中間転写体70に転写する。中間転写体70は、アルミ蒸着層を形成したPETフィルムの表面に半導電塗料を形成したエンドレスのベルトであり、感光体ドラム20と同じ周速度で回転駆動される。カラー印刷モードでは、中間転写体70にCMYKそれぞれのトナー像が重ねて転写され、モノクロ印刷モードでは、中間転写体70に単色のトナー像が転写される。そして、二次転写ユニット80が、中間転写体70に形成されたトナー像を紙などの印刷媒体に転写する。印刷媒体上に転写されたトナー像が、定着ユニット90が媒体に溶着されて永久像となることで印刷が行われる。印刷した印刷媒体はプリンタ10の外部に排出される。
【0028】
クリーニングユニット75は、一次転写ユニット60と帯電ユニット30との間に設けられ、感光体ドラム20の表面に当接されるクリーニングブレード76を有している。クリーニングブレード76は、一次転写された後に感光体ドラム20上に残存するトナーを除去する。
【0029】
各現像ユニット51〜54は、現像装置50に着脱可能であり、装着された現像ユニットの状態をプリンタが認識できるように、現像ユニットには、トナーの色情報を記憶する記憶媒体51a〜54a(図4参照)、例えば非接触型不揮発性メモリが設けられている。そして、電源が立ち上がった後、または現像ユニットが現像装置に装着された後に、現像ユニットの不揮発性メモリに記憶された色情報が読み出される。なお、各色の現像ユニット51〜54は、装着部50a〜50dのうちいずれの装着部にも装着できるようになっている。
【0030】
現像装置50にCMYKの現像ユニット51〜54が装着されると、上記の不揮発性メモリの色情報を読み出すことにより装着状態が認識され、プリンタ10は、カラー印刷モードとして動作する。カラー印刷モードでは、ホストコンピュータ2からカラー印刷用の言語で記述された印刷ジョブデータを供給され、CMYK各色について、感光体ドラム20への静電潜像の形成、対応する色の現像ユニットによる現像、一次転写ユニット60による中間転写体70へのトナー像の転写が行われる。そして、CMYKのトナー像が中間転写体70に転写された後に、二次転写ユニット80により紙などの印刷媒体にカラー画像が転写される。転写されたカラー画像は、定着ユニット90により定着され、プリンタ10の外部に排出される。
【0031】
また、図2に示すようにCMYKの現像ユニットが装着されている場合でも、ホストコンピュータからモノクロ印刷を指示する印刷ジョブデータが供給されると、ブラックの現像ユニット51による現像が行われ、印刷媒体にモノクロ画像が形成される。
【0032】
図3は、ブラックの現像ユニットが装着されたときのプリンタ10の構成を示した図である。すなわち、図3は、モノクロ印刷を行うモノクロ印刷モード時のプリンタ10の構成である。なお、図3において、図2と同じ構成部分には同じ符号が与えられている。図3の例では、現像装置50において、装着部50aにのみブラックの現像ユニット51が装着されている。この場合、後述する現像ユニット51に設けられている不揮発性メモリ51a(図4参照)から、ブラックの色情報が読み出されて、ブラックの現像ユニット51が装着部50aに装着されていること、および他の装着部には現像ユニットが装着されていないことが検出され、制御ユニット100は、モノクロ印刷モードであることを認識する。装着部50a以外の装着部にブラック用現像ユニットが装着されている場合も、同様にして、制御ユニット100が装着状態を検出することから、ブラックのモノクロ印刷モードであることが検出される。モノクロ印刷モードであることが検出されると、そのモード情報がホストコンピュータ2のプリンタドライバ4に通知され、それに伴って、プリンタドライバ4から、モノクロ印刷用の言語で印刷ジョブデータが供給される。
【0033】
図4は、本実施の形態におけるプリンタ10の構成を示した図である。制御ユニット100は、ホストコンピュータから供給された印刷ジョブデータに所定の画像処理を行い、画像信号(画像データ)を生成するメインコントローラ101と、印刷エンジン103の各ユニットを制御するエンジンコントローラ102とを備えている。
【0034】
メインコントローラ101は、ホストコンピュータ2からの印刷ジョブデータを受信するインターフェース(I/F)112と、印刷ジョブデータ内の画像データを格納する画像メモリ113と、各種の画像処理を行うCPU111と、不揮発性メモリ114a、RAM114bおよびプログラムROMを有するメモリユニット114とを有している。
【0035】
また、メインコントローラ101は、プリンタ10から受信した画像データから画像信号を生成する際に、印刷エンジン103が画像を形成する色の順番、すなわち装着位置の順番に対応する各現像ユニットのトナーの色の順番に従って、各色の画像信号(単色画像データ)を順番に生成する。詳細な動作については後述するが、メインコントローラ101は、プリンタ10からCMYKの順番で受信した画像データをいったんメモリユニット114に格納し、画像を形成する現像装置50に装着されたトナーの色の順番にデータを並び替える。並び替えた各色ごとの画像データは露光ビームの照射を制御する画像信号に変換して、印刷プロセスを制御する制御信号と共にエンジンコントローラ102に送信する。
【0036】
不揮発性メモリ114aには、プリンタ10がカラー印刷モードか、モノクロ印刷モードかを示す印刷モード情報が格納される。印刷モードは、電源オン時に現像装置50に装着された現像ユニットのメモリからの情報に応じてメインコントローラ101により判定され、判定された印刷モード情報が不揮発性メモリ114aに書き込まれる。
【0037】
エンジンコントローラ102は、CPU120に加えて、メモリユニット116と、シリアルインターフェース121と、本体側メモリ122と、入出力ポート123とを有している。さらに、エンジンコントローラ102は、帯電ユニット30を駆動する駆動制御回路124と、露光ユニット40を駆動する駆動制御回路125と、現像装置50を駆動する駆動制御回路126と、現像装置50のホームポジションを検出するホームポジション(HP)検出部31と、を有している。また、エンジンコントローラ102は、一次転写ユニット60、二次転写ユニット80、定着ユニット90、表示ユニット95およびクリーニングユニット75を駆動する駆動制御回路群128も有している。
【0038】
エンジンコントローラ102は、メインコントローラ101から供給された制御信号と画像信号とに基づいて、各ユニットの制御を行う。現像装置50に装着される現像ユニット51〜54は、それぞれ現像ユニット側メモリ51a〜54aを有している。これらのメモリは、例えばFeRAMやEEPROMなどの不揮発性メモリで構成され、現像剤の色情報、現像剤の残量情報、現像ユニットのIDなどの情報を格納する。これらのメモリがFeRAMで構成される場合は、シリアルインターフェース121を介して非接触でアクセスすることができ、EEPROMで構成される場合は、シリアルインターフェース121を物理的に接続してアクセスすることができる。電源オン時や現像ユニットを交換または装着した時に、エンジンコントローラ102がこれらの現像ユニット側メモリ51a〜54aにアクセスし、現像ユニットの装着の有無、現像ユニットが備えるトナーの色情報などを読み取る処理も行う。
【0039】
本体側メモリ122は、例えばEEPROMなどの不揮発性メモリで構成され、エンジン制御のためのパラメータ値などが格納される。メモリユニット116内の不揮発性メモリ116aには、現像装置の4つの装着部に現像ユニットが装着されているか否か、どの色の現像ユニットが装着されているかの情報が格納される。
【0040】
図5は、現像装置の回転動作を示す図である。図5には、4つの現像ユニット51〜54が装着された現像装置50と感光体ドラム20との3つの位置関係が示されている。図5(a)はホームポジションを、図5(b)は現像ユニット54の現像ポジションを、図5(c)は現像ユニット51の着脱ポジションを示している。現像ロータリーである現像装置50は、回転軸50eが現像ユニットを保持するための支持フレーム55に固定されている。そして、回転軸50eを中心に図示しないパルスモータにより回転することにより、ホームポジション、現像ポジション、着脱ポジションと位置を変えることができる。停止した各ポジションにおいて以下に述べる各種の処理が行われる。
【0041】
図5(a)のホームポジションは、ホームポジション検出部31により検出される位置であり、現像ロータリーの回転制御を行う際の基準となるリセット位置である。この位置では、現像ユニットが着脱孔37(図5(c)参照)と整合する位置にないので、たとえ現像ユニット交換パネルが開かれても現像ユニットが交換されることが防止される。
ここで、図5(a)に示すようにホームポジションにおける下側に位置する装着位置をP1として、P1から時計回りの装着位置を順にP2〜P4と呼ぶことにする。したがって、図5(a)では、装着位置P1には、現像ユニット51が装着されていることになる。同様に、装着位置P2〜P4には、それぞれ、現像ユニット53,52,54が装着されている。
【0042】
現像ポジションは、現像ユニットの現像ローラーが感光体ドラム20に近接され、現像ユニット51の現像剤が感光体ドラム20に供給されるための位置である。図5(b)の例では、図5(a)のホームポジションから反時計周りに現像装置50を回転させ、装着位置P4に装着された現像ユニット54が感光体ドラム20に対向している現像ユニット54の現像ポジションとなっている。ここでは、現像ユニット54の現像剤を感光体ドラム20に供給することにより現像が行われる。また、この位置では、現像プロセスを終了した現像ユニット54のメモリ54aがシリアルインターフェース121によりアクセスされ、メモリ54a内の情報が読み出され、現像剤の残量情報の更新が行われる。
【0043】
着脱ポジションは、現像ユニットを着脱することによりユニットの交換を行うための位置である。図5(c)の着脱ポジションの例では、装着位置P1に装着された現像ユニット51の着脱ポジションとなっており、現像ユニット51が着脱孔37から交換可能になる。また、着脱ポジションは、現像ユニットの交換パネルを開いて交換ボタン(図示なし)が押された時に回転制御される。例えば、交換ボタンが押されるたびに、現像装置50が90°ずつ回転制御されるようにして、各現像ユニットが順次着脱位置に位置するように制御される。または、トナーエンドが検出された時に現像ユニット交換が選択された時は、交換ボタンに応答して、トナーエンドになった現像ユニットの位置まで、または未装着の位置まで現像装置50が回転制御される。上記交換ボタンの代わりに、4つの装着部に1対1に対応する4つの交換ボタンが設けられていてもよい。その場合は、交換対象の装着位置に対応する交換ボタンが押されると、その装着部が着脱位置に回転制御される。
【0044】
図6を用いてさらに説明を加える。図6は、現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bと装置本体側コネクタ34との離間位置および当接位置を示した図であり、図6(a)は、離間位置に係る図であり、図6(b)は当接位置に係る図である。
【0045】
図6(a)は、装置本体側コネクタ34と現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bが離間している状態を示している。装置本体側コネクタ34は、現像ユニット51に対して接離移動可能に構成されており、必要に応じて現像ユニット51に近づく方向(図6(b)に示される矢印の方向)に移動する。これによって、図6(b)に示されるように、装置本体側コネクタ34は、現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bに当接し、現像ユニット51に取り付けられた現像ユニット側メモリ51aが制御ユニット100のエンジンコントローラ102と電気的に接続され、現像ユニット側メモリ51aと装置本体との間で通信が行われる。
【0046】
また、逆に、図6(b)に示される装置本体側コネクタ34と現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bが当接している状態から、装置本体側コネクタ34が、現像ユニット51から遠ざかる方向(図6(b)に示される矢印の方向と逆方向)に移動する。これによって、図6(a)に示されるように、装置本体側コネクタ34は、現像ユニット51の現像ユニット側コネクタ51bから離間する。
【0047】
なお、装置本体側コネクタ34の移動は、例えば、パルスモータと当該パルスモータに接続される複数のギアと当該ギアに接続される偏心カムにより構成される不図示の機構により実現される。
【0048】
以上に述べたプリンタ10は、複数の装着部50a、50c、50b、50dにKCMYの現像ユニットが装着されている場合には、それぞれの現像ユニットに収容されたトナーにより感光体ドラム20に担持された潜像を現像してカラー画像を形成するカラープリンタとして使用可能である(カラー印刷モード)。前記複数の装着部50a、50b、50c、50dのうち少なくとも1つの装着部にブラックの現像ユニット51が装着されている場合には、当該現像ユニットに収容されたトナーにより感光体ドラム20に担持された潜像を現像してモノクロ画像を形成するモノクロプリンタとして使用可能である(モノクロ印刷モード)。
【0049】
ここで、上述した現像ユニットの装着はユーザが行うのであるが、各色の現像ユニットが様々な順番で装着されることが考えられる。例えば、図5では、時計回りに、KCMYの順に現像ユニット51〜54が装着されているのに対し、モノクロ印刷モードからカラー印刷モードに切り替える際に、CMYの現像ユニットを新たに装着した結果、例えばKYMCの順に装着されることがある。このように異なる順番に装着された場合、予め決められた装着位置の順番に従って現像を行うと、KCMYを順番に現像するはずが、実際にはKYMCが現像されるため正しい画像を形成することができなくなる。また、KYMCの順番に装着された場合に、KCMYの順番に現像しようとすれば、例えばKCMYの順番に従ってブラックの次にシアンを現像しようとする際に、現像装置50を3/4回転させる必要がある。このように、各色の現像ユニットが、予め決められた現像する順番(上述した例では、KCMY)と異なる順番に装着された場合では、図5(b)の現像ポジションとなるには、現像装置50を余分に回転させる必要があるので、印刷時間が多くかかることになる。本発明のプリンタ10は、このような場合に、現像ユニットの装着位置に合わせて現像する色の順番を変更することを特徴としている。以下、本実施形態におけるプリンタ10の動作について説明する。
【0050】
図7は、本実施形態におけるプリンタ10の処理の流れを示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。
【0051】
プリンタ10を起動して、ユーザが現像ユニットを交換する旨の指示を行うとフローチャートにある処理を開始し、ステップS1においては、現像装置50に現像ユニットが装着される。例えば、モノクロ印刷モードからカラー印刷モードに変更する場合に、CPU111は、現像ユニットを交換する旨のメッセージを表示ユニット95に表示するなどして、ユーザに現像ユニット51の交換を促す。表示ユニット95に表示されたメッセージなどに従って、ユーザが現像ユニット交換パネルを開き、現像ユニットを現像装置50に装着してから交換パネルを閉じることにより、現像ユニットの交換が行われる。ここでは、例えば、Kの現像ユニット51が装着されていた場合は新たにCMYの現像ユニットを装着する、または、KCMYの現像ユニットが装着されていた場合はCMYの現像ユニットを取り外すことによってKの現像ユニット51のみを装着させるという操作が行われる。
【0052】
次に、ステップS2では、プリンタ10のCPU120は、装着された各現像ユニットを認識する。ここでは、プリンタ10は、現像装置50を反時計回り方向に回転させ、ホームポジションでの下側に位置する装着位置P1および装着位置P1から時計回り方向の各装着位置P2〜P4について、装着された現像ユニットの現像ユニット側メモリに順次アクセスし、トナーの色情報を順番に取得してメモリユニット116に書き込む処理を行う。
【0053】
次に、ステップS3では、CPU120は、現像装置50の4つの装着位置P1〜P4にK、C、M、Yの現像ユニットが装着されているか否かを判断する。すなわち、カラー印刷を行うために必要な現像ユニットが装着されているか否かを判断する。KCMYの現像ユニットが装着されていた場合(Yes)、ステップS4へ進む。装着されていなかった場合(No)、ステップS5へ進む。また、アプリケーション3によりモノクロ印刷を行うと設定されている場合も、ステップS5へ進む。
【0054】
なお、ブラックのモノクロ印刷モードは、ブラックの現像ユニットがどの装着位置に何個装着されていても判定される。つまり、ブラックの現像ユニットの装着位置についての制約がなく、従って、ユーザは、任意の個数のブラック用現像ユニットを任意の位置に装着することが許されるので、利便性を高めることができる。
【0055】
ステップS4では、KCMYの現像ユニットが装着されているので、プリンタ10はカラー印刷モードのプリンタとして動作する。図8は、カラー印刷モードでの処理の流れを示したフローチャートである。以下、図8のフローチャートに従って説明する。
【0056】
カラー印刷モードでは、まず、ステップS40において、メインコントローラ101が各現像ユニットの装着位置を取得する。ここでは、エンジンコントローラ102のCPU120は、メモリユニット116から読み出した各現像ユニットの装着位置をメインコントローラ101に送信する。メインコントローラ101のCPU111は各現像ユニットの装着位置を取得して、メモリユニット114のRAM114bに格納する。
【0057】
次に、ステップS41では、メインコントローラ101は、各現像ユニットの装着位置の順番に基づいて、画像データを並び替える。具体的には、CPU111が、装着位置の順番に対応する各現像ユニットのトナーの色の順番に従って、RAM114bに記憶された各色画像データの順番を並び替える。並び替えた各色画像データは、RAM114bに記憶される。例えば、現像ユニットがP1〜P4の装着位置にKYMCの順に装着されていれば、KCMYの順番の画像データをKYMCの順番に並び替える。
【0058】
次に、ステップS42では、メインコントローラ101は、並び替えた順番の画像データごとに画像信号に変換して、画像信号を順次エンジンコントローラ102に送信する。ここでは、CPU111が、RAM114bに記憶された各色画像データを露光ビームの照射を制御する画像信号に順次変換する。画像信号は、変換した順番にエンジンコントローラ102に転送される。上述した例では、Kデータ、Yデータ、Mデータ、Cデータに対応する画像信号が順番に転送される。
【0059】
次に、ステップS43では、エンジンコントローラ102のCPU120が、取得した画像信号を、受け取った順番にメモリユニット116に格納する。上述した例では、KYMCの順番に画像信号が格納される。
【0060】
次に、ステップS44では、エンジンコントローラ102のCPU120は、受信した順番に従って、画像信号を印刷エンジン103に送信することによって、装着位置P1〜P4に装着された現像ユニットを順番に用いて現像を行う。カラー印刷モードでの4回の現像プロセスでは、現像装置50を回転方向に回転させながら、現像ユニットが現像位置に到来したときに、現像ユニットを感光体ドラム20に近接させて現像を行う。現像された画像は、中間転写体70に転写された後、二次転写ユニット80が用紙に転写することによりカラー印刷が行われる。上述した例では、装着位置P1〜P4に装着された現像ユニットを順番に用いてK、Y、M、Cの順番に現像することによりカラー印刷が行われる。
【0061】
図7に戻り、ステップS3において、CMYKの現像ユニットが装着されていないと判断された場合(No)、処理はステップS5に移行する。ステップS5では、CPU120は、現像装置50の4つの装着位置P1〜P4の少なくとも1つの装着位置にブラックKの現像ユニットが装着されているか否かを判断する。すなわち、モノクロ印刷を行うために必要な現像ユニットが装着されているか否かを判断する。装着されていた場合、ステップS6へ進む。装着されていなかった場合、ステップS7へ進む。
【0062】
ステップS6では、Kの現像ユニット51が装着されているので、プリンタ10はモノクロ印刷モードのプリンタとして起動する。モノクロ印刷モードでは、Kの現像ユニット51のみを用いて現像・印刷を行う。Kの現像ユニット51の装着位置を、感光体ドラム20に対向する位置まで現像装置50を回転させて、Kの現像ユニット51を感光体ドラム20に近接させて現像を行う。現像された画像は、中間転写体70に転写された後、二次転写ユニット80により用紙に転写されることで印刷が行われる。
【0063】
ステップS7では、現像ユニットが交換されたか否かを判断する。ここでは、ステップS3およびステップS5の判断により、カラー印刷またはモノクロ印刷を行うために必要な現像ユニットが装着されていないので、現像ユニットを交換する旨のメッセージを表示ユニット95などに表示して、ユーザに現像ユニット51の交換を促す。ユーザが現像ユニット交換パネルを開き、現像ユニットの交換後に交換パネルを閉じることにより、現像ユニットの交換が行われる。現像ユニットの交換がなされた場合(Yes)、ステップS2へ戻り、再び現像ユニットの認識を行う。現像ユニットの交換がなされない場合(No)、処理を終了する。
【0064】
なお、ステップS2が検出工程、ステップS4が画像形成工程に相当する。
【0065】
以上に述べたように、第1の実施形態にあるプリンタ100では、装着した現像ユニットの種類によってカラー印刷モードとモノクロ印刷モードを切り替えることができるプリンタにおいて、装着位置の順番に対応する各現像ユニットのトナーの色の順番に従って画像データを並び替えることにより、現像ユニットを装着位置の順番に現像してカラー画像を取得する。例えば、ブラック現像ユニットのみを装着したモノクロ印刷モードに、CMYの現像ユニットを更に装着してカラー印刷モードとして使用する場合に、CMYの現像ユニットの装着位置が互いに入れ替わっていても、装着位置の順番に対応する現像ユニットを順番に用いて現像する。
【0066】
以下、第1の実施形態の効果を記載する。
(1)メインコントローラ101は、各現像ユニットの装着位置の順番、すなわち、装着位置の順番に対応する各現像ユニットのトナーの色の順番に合わせて、各色の画像信号をエンジンコントローラ102に送信するので、印刷エンジン103は受信した画像信号に基づいて、装着された現像ユニットを装着位置の順番に用いて現像を行う。したがって、現像ユニットの装着位置に関わらずカラー画像を形成することができる。
(2)装着された現像ユニットの順番の現像ユニットにより現像を行うので、ユーザは、現像ユニットを装着する際に、どの装着位置に装着してもよくなり、ユーザの利便性が向上する。
(3)装着された現像ユニットを装着位置の順番に用いて現像を行うので、決められた色の順番に現像する場合と比べると、現像装置50が余分に回転する必要がなくなり、印刷に要する時間が余分に長くなることがない。
(4)現像ユニットの装着位置の順番を検出して、装着されている現像ユニットを判断して、カラー印刷モード、モノクロ印刷モードを切り替えるので、装着された現像ユニットの種類に合わせて適宜運用することができる。
【0067】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、プリンタ10のメインコントローラ101が、現像ユニットの装着位置の順番に合わせて、各色の画像データを変換した画像信号をエンジンコントローラ102に送信した。第2の実施形態では、現像ユニットの装着位置の順番に合わせて画像データを並び替える処理をホストコンピュータ201が行う。すなわち、ホスト装置としてのホストコンピュータ201は、プリンタ10と通信を行って、現像ユニットの装着位置の順番を取得する。そして、取得した順番に対応した順番に従って、画像データをプリンタ10に送信する。以下、第2の実施形態の印刷システム200について説明する。
【0068】
図9は、第2の実施形態の印刷システム200の構成を示した図である。図9に示すように第2の実施形態に係る印刷システム200は、ホストコンピュータ(制御装置)201と、プリンタ10とを備えている。
【0069】
ホストコンピュータ201は、CPU210、RAM211、ROM212、ハードディスク213、CD−ROMドライブ214、インターフェース215とから構成され、それらはバスを介して互いに接続されている。CPU210は、バスを介して、RAM211、ROM212、ハードディスク213、CD−ROMドライブ214、インターフェース215のそれぞれと接続されている。
【0070】
ホストコンピュータ201は、ハードディスク213またはROM212に格納されたドライバプログラムを読み出して、実行することによりプリンタドライバ220として機能する。ドライバプログラムは、予めハードディスク213やROM212に格納されていることとしてもよいし、例えばCD−ROMなどのコンピュータが読み取り可能な記録媒体216によって外部から供給され、CD−ROMドライブ214を介してハードディスク213に格納される。もっとも、インターネットなどのネットワーク手段を介して、プログラムを供給するサーバー等にアクセスし、データをダウンロードすることによって格納されるものとしてもよい。
【0071】
プリンタドライバ220は、プリンタ10からの信号を受信する受信部221、プリンタドライバとしての主要な処理を司るドライバ部222と、プリンタ10に印刷データを送信する送信部223とを有している。また、ホストコンピュータ201は、アプリケーションプログラムを実行することにより、印刷要求および画像データをプリンタドライバ220に送信するアプリケーション3としても機能している。
【0072】
プリンタ10は、第1の実施形態と同様に、メインコントローラ101、エンジンコントローラ102および印刷エンジン103を備えている。また、メインコントローラ101は、インターフェース(I/F)112を介してホストコンピュータ201と通信可能になっている。
【0073】
第1の実施形態においては、アプリケーション3から受け取ったKCMYデータを、プリンタドライバ4がプリンタ10に送信したが、第2の実施形態では、現像ユニットの装着位置の順番に合わせた印刷データをプリンタドライバ220のドライバ部222が生成して、プリンタ10に送信する。具体的には、第2の実施形態においては、メモリユニット116に記憶された各現像ユニットの装着位置の順番を示す情報を、メインコントローラ101がインターフェース(色情報送信手段)112を介してホストコンピュータ201に送信する。送信された情報は、プリンタドライバ220の受信部221が受信することによって、ドライバ部222が各現像ユニットの装着位置の順番を認識する。ドライバ部222は、各現像ユニットの装着位置の順番に従って、画像データの色の順番を並び替える処理、画像データから印刷データを生成する処理を行う。送信部223は生成した印刷データをプリンタ10に送信する。プリンタ10のメインコントローラ101、エンジンコントローラ102は、受信した画像データを順番に処理することにより、現像ユニットの装着された順番に従った現像を行う。
【0074】
図10は、第2の実施形態におけるプリンタドライバ220が行う処理の流れを示したフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。
現像ユニットの交換が行われると、第1の実施形態と同様にプリンタ10のCPUは、現像ユニット側メモリにアクセスして現像ユニットの情報を読み込むことにより、各現像ユニットの装着位置の順番を取得する。上述したように、各現像ユニットの装着位置の順番を示す情報が、I/F112を介してホストコンピュータ201に送信される。ステップS100では、プリンタ10のCPU210は、I/F215を介して各現像ユニットの装着位置の順番を示す情報を受信する。受信した情報は、RAM211に格納される。
【0075】
次に、ステップS101では、CPU210は、アプリケーション3より受け取った画像データをCMYKデータに変換する。
【0076】
次に、ステップS102では、CPU210は、各現像ユニットの装着位置の順番に合わせて、画像データを並び替えることにより印刷データを生成する。ここでは、画像データと、RAM211に格納された現像ユニットが装着された順番とに基づいて、各現像ユニットの装着位置の順番に合わせて各色の画像データを並び替える。そして、並び替えた画像データからその並び替えた順に印刷データを生成する。
【0077】
次に、ステップS103では、CPU210は、I/F215を介して印刷データを送信する。
【0078】
印刷データを受信したプリンタ10側では、メインコントローラ101およびエンジンコントローラ102は、受信したCMYKデータを受信した色の順番で処理することにより、印刷エンジン103は各現像ユニットの装着位置の順番に従って現像することができる。
【0079】
なお、ステップS100が受信工程であり、ステップS102が制御工程、ステップS103が画像データ送信工程に相当する。
【0080】
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態の効果(1)〜(4)に加え、次に記載する効果が得られる。
(5)ホストコンピュータ201が、各現像ユニットの装着位置の順番に合わせてデータを並び替えることによって、プリンタ10は特別な処理を行うことなく、現像ユニットの装着位置に合わせた順番で現像することが可能になる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施することもできる。以下、変形例を挙げて説明する。
【0082】
(変形例1)
前記第1および第2の実施形態では、各現像ユニットの装着位置の順番、すなわち装着された現像ユニットのトナーの色の順番に合わせて並び替えた画像データに基づいて、現像ユニットを装着位置の順番に順次使用して、装着された現像ユニットのトナーの色の順番に現像を行った。装着された現像ユニットのトナーの色の順番に現像する方法としては、これに限られることはない。第1の変形例として、色変換処理を行う際に、予め色の順番に合わせた画像データに変換するとしてもよい。例えば、第2の実施形態のステップS101において、画像データをCYMKデータに変換する際に、装着された現像ユニットのトナーの色の順番に合わせて変換する。
【0083】
(変形例2)
前記第1の実施形態および第2の実施形態では、ホストコンピュータ2からプリンタ10へのデータ転送において、各色ごとの画像データを順番に送信するプレーン順次の転送を行った。第2の変形例として、データの転送方法として、画像データを所定の高さごとに分割した単位(バンドという)で送信するバンド順次のデータ転送を行ってもよい。また、ホストコンピュータ2が画像データの並び替えを行う第2の実施形態においてバンド順次のデータ転送を行う場合には、バンドごとに、色の順番を並び替えたデータをプリンタ10に送信する。例えば、KYMCの順番に並び替えた場合では、バンドごとにKYMCの順番にデータが転送される。
【0084】
(変形例3)
前記第1の実施形態および第2の実施形態では、プリンタ10が4サイクルのレーザプリンタであったが、いわゆるタンデム式のプリンタやモノクロのプリンタであってもよい。また、本発明は、プリンタに限らず複写機などにも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】第1の実施形態に係る印刷システムの構成を示した図。
【図2】カラー印刷モード時のプリンタの構成を示した図。
【図3】モノクロ印刷モード時のプリンタの構成を示した図。
【図4】プリンタの主要な構成を示した図。
【図5】現像装置の回転動作を示した図、(a)はホームポジション、(b)は現像ポジション、(c)は着脱ポジションにおける現像装置を示した図。
【図6】現像装置に現像ユニットが装着される様子を示した図、(a)は、離間位置、図6(b)は当接位置に係る図。
【図7】プリンタが行う処理の流れを示すフローチャート。
【図8】カラー印刷モードでの処理の流れを示したフローチャート。
【図9】第2の実施形態に係る印刷システムの構成を示した図。
【図10】プリンタドライバが行う処理の流れを示したフローチャート。
【符号の説明】
【0086】
1…画像形成システムとしての印刷システム、2…ホストコンピュータ、3…アプリケーション、4…プリンタドライバ、10…画像形成装置としてのプリンタ、20…感光体ドラム、30…帯電ユニット、31…検出手段としてのホームポジション検出部、34…装置本体側コネクタ、37…着脱孔、40…露光ユニット、50…現像装置、50a〜50d…装着部、50e…回転軸、51〜54…現像剤収容体としての現像ユニット、51a〜54a…現像ユニット側メモリ、51b〜54b…現像ユニット側コネクタ、55…支持フレーム、60…一次転写ユニット、70…中間転写体、75…クリーニングユニット、76…クリーニングブレード、80…二次転写ユニット、90…定着ユニット、95…表示ユニット、100…制御ユニット、101…メインコントローラ、102…エンジンコントローラ、103…画像形成手段としての印刷エンジン、111…CPU、112…インターフェース、113…画像メモリ、114…メモリユニット、114a…不揮発性メモリ、114b…RAM、116…メモリユニット、116a…不揮発性メモリ、120…CPU、121…シリアルインターフェース、122…本体側メモリ、123…入出力ポート、124〜126…駆動制御回路、128…駆動制御回路群、200…第2の実施形態に係る印刷システム、201…ホスト装置および制御装置としてのホストコンピュータ、210…CPU、211…RAM、212…ROM、213…ハードディスク、214…CD−ROMドライブ、215…インターフェース、216…記録媒体としてのCD−ROM、220…プリンタドライバ、221…受信手段としての受信部、222…画像データ生成手段としてのドライバ部、223…画像データ送信手段としての送信部、P1〜P4…装着位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、
前記装着部の所定の順番に従って、前記装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置であって、
前記装着部ごとに、前記現像剤収容体の現像剤が有する色を検出する検出手段と、
前記複数の装着部に、カラー画像を形成するための複数の現像剤が装着されている場合に、前記装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、前記装着部の順番に対応する色の順番に従って、単色画像を順次形成する画像形成手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、
前記装着部の所定の順番に従って、前記装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置と、前記画像形成装置に画像データを送信するホスト装置と、を備える画像形成システムであって、
前記画像形成装置は、
前記装着部ごとに、装着された現像剤収容体の現像剤が有する色を検出する検出手段と、
前記複数の装着部に、カラー画像を形成するための複数の現像剤が装着されている場合に、前記装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、前記装着部の順番に対応する色の順番を示す情報を送信する色情報送信手段と、
単色画像データの順番に従って、単色画像データに対応する現像剤を使用して、単色画像を順次形成する画像形成手段と、を備え、
前記ホスト装置は、
前記色の順番を示す情報を受信する受信手段と、
前記色の順番に従って、複数の単色画像データを前記画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項3】
単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、
前記装着部の所定の順番に従って、前記装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置を制御する制御装置であって、
前記装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、前記装着部の順番に対応する色の順番を示す情報を受信する受信手段と、
前記色の順番に従って、複数の単色画像データを前記画像形成装置に送信する画像データ送信手段と、を備えることを特徴とする制御装置。
【請求項4】
単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、
前記装着部の所定の順番に従って、前記装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成方法であって、
前記装着部ごとに、装着された現像剤収容体の現像剤が有する色を検出する検出工程と、
前記複数の装着部に、カラー画像を形成するための複数の現像剤が装着されている場合に、前記装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、前記装着部の順番に対応する色の順番に従って単色画像を順次形成する画像形成工程と、を備えることを特徴とする画像形成方法。
【請求項5】
単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、
前記装着部の所定の順番に従って、前記装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置を制御する制御方法であって、
前記装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、前記装着部の順番に対応する色の順番を示す情報を受信する受信工程と、
前記色の順番に従って、複数の単色画像データを順次前記画像形成装置に送信する画像データ送信工程と、を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項6】
単色画像を形成するための現像剤を収納する現像剤収容体が装着される装着部を、複数個有し、
前記装着部の所定の順番に従って、前記装着された現像剤収容体の現像剤を順次使用して現像することにより単色画像を順次形成し、カラー画像を取得する画像形成装置を制御する制御プログラムであって、
前記装着部に装着された現像剤収容体の現像剤が有する色について、前記装着部の順番に対応する色の順番を示す情報を受信する受信手段、
前記色の順番に従って、複数の単色画像データを順次前記画像形成装置に送信する画像データ送信手段、として機能させることを特徴とする制御プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−163107(P2006−163107A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−356424(P2004−356424)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】