画像形成装置及びこれに用いられるセンサデバイス
【課題】 基準ユニットに追加ユニットを付設した態様において、各ユニットの画像ずれ検知を簡単且つ正確に実施可能な画像形成装置及びこれに用いられるセンサデバイスを提供する。
【解決手段】 画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン2及びこの作像エンジン2に対向配置され記録材7を搬送する記録材搬送体3を備えた基準ユニット1と、前記基準ユニット1に付設され、前記画像と異なる色の画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン5及びこの作像エンジン5に対向配置され記録材7を搬送する記録材搬送体6を備える追加ユニット4と、両ユニット1,4間の両記録材搬送体3,6間に配設され且つ夫々の記録材搬送体3,6に対向した部位に画像ずれ検知用の検知面を具備するセンサデバイス8とを備える。
【解決手段】 画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン2及びこの作像エンジン2に対向配置され記録材7を搬送する記録材搬送体3を備えた基準ユニット1と、前記基準ユニット1に付設され、前記画像と異なる色の画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン5及びこの作像エンジン5に対向配置され記録材7を搬送する記録材搬送体6を備える追加ユニット4と、両ユニット1,4間の両記録材搬送体3,6間に配設され且つ夫々の記録材搬送体3,6に対向した部位に画像ずれ検知用の検知面を具備するセンサデバイス8とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に係り、特に、単色又は複数色の画像が作成可能な基準ユニットに対して増設可能な追加ユニットを付設し、更なる多色化を企図した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、電子写真方式の画像形成装置を例にすると、モノクロ画像が作成可能な基準ユニットとしてのモノクロユニットに、複数色の画像が作成可能な追加ユニットとしてのカラーユニットを付設することにより、当該モノクロユニットを無駄にすることなく、安価にフルカラー画像を可能にした画像形成装置が知られている(特許文献1,2参照)。
このような先行技術においては、モノクロユニットは単色の例えば黒色の作像エンジンと、この作像エンジンの転写部位に対し用紙が搬送可能な用紙搬送ロールとを備える一方、カラーユニットは例えばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の複数の作像エンジンと、各作像エンジンの画像が中間的に担持搬送される中間転写ベルトと、この中間転写ベルト上の画像転写部位に対して用紙搬送ロールとを配設したものがある。
また、用紙搬送方式については、用紙の搬送性や搬送方向の位置合わせ精度をより向上させるために、用紙搬送ロールのほかに、用紙搬送ベルトを用いることもできる(特許文献3参照)。
【0003】
更に、特許文献3には、用紙搬送ベルトを備えた方式において、各作像エンジンによる画像ずれを防止するために、用紙搬送ベルトの下流側に画像ずれ検知用の検知センサを配設すると共に、当該検知センサが用紙搬送ベルト上に形成された画像ずれ検知用のマークを検知し、この検知情報に基づいて作像調整を行うようにした先行技術が記載されている(特許文献3参照)。
【0004】
そこで、モノクロユニットにカラーユニットを付設した態様において、画像ずれ検知用の検知センサによる作像調整技術を適用すると、例えば、図12に示すようなモデルが想定される。
すなわち、モノクロユニット200内には、画像を作成する例えばブラックの単色作像エンジン203と、これに対向配置され且つ用紙220を搬送する搬送ベルト201と、この搬送ベルト201の下流側に配置され且つ搬送ベルト201上に形成された画像ずれ検知用のマークを検知する検知センサ202と、この検知センサ202の用紙搬送方向下流側に用紙220上のトナー像を加熱定着する定着装置204とが配設されている。尚、この検知センサ202は作像された像濃度を検知する機能を兼ね備えたものでもよい。
【0005】
一方、カラーユニット210内には、画像を作成する例えばY,M,Cのカラー作像エンジン213(具体的には213a〜213c)と、これに対向配置され且つ用紙220を搬送する搬送ベルト211と、この搬送ベルト211の下流側に配置され且つ搬送ベルト211上に形成された画像ずれ検知用のマークを検知する検知センサ212とが配設されている。
このような画像形成装置によれば、各センサが夫々ベルト上に形成された画像ずれ検知用のマークを検知し、この検知情報に基づいて作像調整を行うことによって用紙220への画像ずれを防止することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−323025号公報(発明の実施の形態、図1)
【特許文献2】特開2004−205944号公報(発明の実施の形態、図1)
【特許文献3】特開平8−50385号公報(実施例、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような態様において、モノクロユニット200内の検知センサ(以下必要に応じてモノクロ検知センサという)202は、用紙220上の画像を加熱定着する定着装置204の近傍に配設されているため、高温環境下に曝されることになる。一方、カラーユニット210内の検知センサ(以下必要に応じてカラー検知センサという)212は定着装置204から離れて配設されるため、モノクロ検知センサ202の配設部位に比べて低温環境下である。
そのため、モノクロ検知センサ202とカラー検知センサ212とは、夫々環境条件の違いによる影響を受け、センサ自体の温度特性が異なり、センサ出力自体に差異が生じてしまう。
【0008】
また、検知対象物と検知面との間の距離が熱膨張により変位してしまうため、夫々の環境条件を踏まえて検知センサ202,212毎に個別に補正しなければならず、画像形成装置の複雑化や高コスト化を招いてしまうという技術的課題が生ずる。
ここで、仮に、このモノクロ検知センサ202を定着装置204から離し、例えば、搬送ベルト201の上流側のカラー検知センサ212に最も近い位置に配設したとしても、モノクロ検知センサ202の配設される環境とカラー検知センサ212の配設される環境とが同一になるわけではなく、また、各検知センサ202,212の取り付け誤差もまちまちであるため、上述した検知誤差や装置の複雑化を解消するには未だ不充分である。
【0009】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、基準ユニットに追加ユニットを付設した態様において、各ユニットの画像ずれ検知を簡単且つ正確に実施可能な画像形成装置及びこれに用いられるセンサデバイスを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は、図1に示すように、画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン2及びこの作像エンジン2に対向配置され記録材7を搬送する記録材搬送体3を備えた基準ユニット1と、前記基準ユニット1に付設され、前記画像と異なる色の画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン5及びこの作像エンジン5に対向配置され記録材7を搬送する記録材搬送体6を備える追加ユニット4と、両ユニット1,4間の両記録材搬送体3,6間に配設され且つ夫々の記録材搬送体3,6に対向した部位に画像ずれ検知用の検知面を具備するセンサデバイス8とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
このような技術的手段において、基準ユニット1及び追加ユニット4に用いられる色は、単色若しくは複数色でもよく、さらに、有彩色、無彩色を問わず適宜選定して差し支えない。
更に、作像エンジン2,5は、記録材7上に画像を形成できるものであれば適宜選定してよく、電子写真方式、静電記録方式、インクジェット方式等が挙げられる。
更にまた、電子写真方式又は静電記録方式の場合、各ユニットの転写方式は、像担持体上に形成された未定着画像を直接記録材に転写する方式でもよいし、中間転写体を介して一括転写する方式でもよく、さらに、タンデム型エンジン、ロータリ型エンジンを問わない。
【0012】
また、両ユニット1,4の記録材搬送体3,6は、ベルト状でもドラム状でも差し支えない。更に、基準ユニット1の記録材搬送体3の態様(例えばベルト状)と、追加ユニット4の記録材搬送体6の態様(例えばドラム状)とは、相互に異なる態様であってもよい。
更にまた、センサデバイス8の配設される位置は、両記録材搬送体3,6の間の領域であれば、適宜選定して差し支えない。
また、センサデバイス8は夫々の記録材搬送体3,6上の画像ずれ検知用のマークが検知可能であれば適宜選定して差し支えない。
【0013】
更に、センサデバイス8は、両ユニット1,4の両記録材搬送体3,6に対応した別々のセンサを有し、共通の支持部材に夫々のセンサを取り付けたものであることが好ましい。これにより、環境変動によるセンサ間の相対的な検知誤差を解消させることが可能になるだけでなく、装置を簡略化することができる。
【0014】
また、センサデバイス8は、共通のセンサ基板と、その表裏面に夫々設けられる検知面とを具備した一つのセンサであることが好ましい。このように、センサデバイス8を一体化することによって、環境変動によるセンサ間の相対的な検知誤差を解消させることが可能になると共に装置を簡略化することができるだけでなく、基板一枚分の低コスト化が図れる。
更に、この場合、同一のセンサを用い、対称構造のセンサデバイス8を構成することができ、製造工程上、間違えて組み付けてしまうことを回避できるため生産性が向上し、低コスト化を図ることができる。
【0015】
また、センサデバイス8は、両記録材搬送体3,6から夫々の検知面までの距離が略等しくなる部位に配設されることが好ましく、これにより、夫々の検知面での検知条件を略等しく設定することでき、精度の良いセンシングが可能になる。
更にまた、センサデバイス8は、両記録材搬送体3,6に最も近接した部位に配設されることが好ましい。これによれば、環境変動の小さい部位に配設されるため、精度の良いセンシングが可能になる。
【0016】
更に、基準ユニット1は記録材搬送体3の周囲のうちセンサデバイス8の上流側にクリーナ9を備え、このクリーナ9は記録材搬送体3表面に対して接離するクリーニング部材を有し、記録材搬送体表面に画像ずれ検知用のマークが形成された際に、当該クリーニング部材を記録材搬送体3から離間させることが好ましい。これにより、画像ずれ検知用のマークが形成された時に当該マークがクリーナ9によって清掃されることなく、センサデバイス8まで搬送されることが可能になる。
また、クリーニング部材はブレード状、ロール状等適宜選定して差し支えない。
【0017】
更に、基準ユニット1及び追加ユニット4の少なくともいずれかは、センサデバイス8の検知情報に基づいて、夫々の作像エンジン2,5及び記録材搬送体3,6を制御する制御手段を備えることが好ましい。
更に、本発明は、このような画像形成装置で用いられるセンサデバイス8をも対象とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、両ユニット間に配設され、夫々の記録材搬送体に対向した部位に画像ずれ検知用の検知面を具備するセンサデバイスを設けたので、夫々の検知面が略同一の環境条件下となり、もって、各ユニットの画像ずれ検知を簡単且つ正確に実施可能な画像形成装置及びこれに用いられるセンサデバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2及び図3(a),(b)は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
本実施の形態における画像形成装置は、モノクロ画像(本例ではブラック(K)画像)が作像可能なモノクロユニット10(基準ユニットに相当)に対して、カラー画像が作像可能なカラーユニット20を付設したものであり、本例では分離可能なモノクロユニット10間にカラーユニット20を配設した形式になっている。
このモノクロユニット10は、モノクロ画像が作像可能な作像ユニット11と、この作像ユニット11の下部に配設され且つ供給用の用紙70が収容される給紙ユニット12とを備え、モノクロプリンタとして使用されるものである。
【0020】
ここで、モノクロユニット10及びカラーユニット20の基本的構成を図3(a),(b)に夫々示す。
同図に示すように、作像ユニット11は、作像ユニット筐体13内にブラック(K)のモノクロ作像エンジン30と、このモノクロ作像エンジン30に対向配置され用紙70を垂直方向に搬送するモノクロ搬送ベルト40と、このモノクロ作像エンジン30の上部に用紙70上の未定着トナー像を定着する定着装置15と、この定着装置15の上部に作像ユニット筐体13の一部で構成され且つ用紙70が排出収容される収容トレイ13aとを配設すると共に、モノクロ作像エンジン30から収容トレイ13aにかけて用紙70の搬送路となる用紙搬送路16を配置したものである。更に、作像ユニット筐体13内には、定着装置15の用紙搬送方向下流側に用紙70を排出する排出ロール19とが配設されている。
【0021】
ここで、モノクロ作像エンジン30は、K色の画像を作成するプロセスカートリッジ31と、このプロセスカートリッジ31に対して作像用の走査光を照射する露光装置32と、プロセスカートリッジ31が作成したトナー像を用紙70に転写する転写装置(転写ロール)33とを備えたものである。
また、プロセスカートリッジ31は、例えば感光体ドラム34と、この感光体ドラム34を予め帯電する帯電器35と、帯電された感光体ドラム34上に前記露光装置32にて露光形成された静電潜像をトナーで現像する現像器36と、感光体ドラム34上の廃トナーを除去するクリーナ37と、感光体ドラム34上を除電する除電器38とを一体的にカートリッジ化したものである。
一方、転写ロール33は、モノクロ搬送ベルト40の裏側から感光体ドラム34との間に転写バイアス電源による所定の転写バイアスを適宜印加するものである。
【0022】
また、モノクロ搬送ベルト40は、夫々一対の張架ロール41,42に架け渡されており、上方側の張架ロール41が駆動ロール、下方側の張架ロール42が従動ロールとして配設されている。
更にまた、モノクロ搬送ベルト40の張架ロール42の対向部位には吸着電圧を印加することにより用紙70がモノクロ搬送ベルト40に吸着可能な帯電ロール45が配設されている。
また、モノクロ搬送ベルト40の張架ロール41の対向部位にはモノクロ搬送ベルト40に吸着した用紙70が剥離可能な除電部材46が配設されている。
【0023】
更に、循環移動するモノクロ搬送ベルト40の戻り移動面側にはモノクロ搬送ベルト40の表面を清掃するクリーニングブレード48が設けられている。
尚、本実施の形態においてはブレード状のクリーニング部材が用いられているが、これに限られるものではなく、ロール状等適宜選定して差し支えない。
【0024】
更に、給紙ユニット12は、ユニットケース14に対して引き出し自在な給紙カセット71を有し、この給紙カセット71の用紙搬出方向側にこの給紙カセット71から用紙70を1枚ずつ送り出すためのフィーダ72を配設すると共に、このフィーダ72の下流側には作像ユニット11の用紙搬送路16に繋がる用紙搬送路73を配設している。
【0025】
一方、カラーユニット20は、カラーユニット筐体21内にカラー画像が作像可能なカラー作像エンジン50と、このカラー作像エンジン50に対向配置され用紙70を垂直方向に搬送するカラー搬送ベルト60と、カラー作像エンジン50とカラー搬送ベルト60との間には図中下方から上方に向けて用紙70の搬送路となる用紙搬送路22を配置したものである。
【0026】
ここで、カラー作像エンジン50は、カラーユニット筐体21内に3つの色(本実施の形態ではイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))の画像が作像可能なプロセスカートリッジ51a〜51cが下方からY,M,Cの順で配列すると共に、各プロセスカートリッジ51に対して作像用の走査光を照射する露光装置52と、プロセスカートリッジ51に対向配置され且つプロセスカートリッジ51が作成したトナー像を用紙70に転写する転写ロール53とを備えたものである。
【0027】
更に、プロセスカートリッジ51は、作像ユニット11のプロセスカートリッジ31と同様に、例えば感光体ドラム54と、この感光体ドラム54を予め帯電する帯電器55と、帯電された感光体ドラム54上に前記露光装置52にて露光形成された静電潜像を各色トナーで現像する現像器56と、感光体ドラム54上の廃トナーを除去するクリーナ57と、感光体ドラム54上を除電する除電器58とを一体的にカートリッジ化したものである。
また、カラーユニット20内の露光装置52は、ポリゴンや複数の反射ミラー等を用いることで、1つの露光装置52によって3色の感光体ドラム54全てに静電潜像の形成がなされるようになっており、その分、3色の同期も取り易くなっている。勿論、これに限られるものではなく、プロセスカートリッジ51毎に配設された露光装置52であっても差し支えない。
更に、転写ロール53は、カラー搬送ベルト60の裏側から感光体ドラム54との間に転写バイアス電源による所定の転写バイアスを適宜印加するものである。
【0028】
尚、カラーユニット20に用いられる色種や配置順は、これに限られるものではなく、適宜選定して差し支えない。
また、カラーユニット20は、本態様に用いられた一体式のものに限られるものではなく、分離可能な複数ユニットを具備したものでもよい。この場合、カラーユニット20には例えば夫々個別の複数のユニットを多段式に組み合わせたものを用い、必要に応じて特色を付設できるほか、不必要な色を取り外すことも可能である。
【0029】
また、カラー搬送ベルト60は、作像ユニット11のモノクロ搬送ベルト40と同様に、夫々一対の張架ロール61,62に架け渡されており、上方側の張架ロール61が駆動ロール、下方側の張架ロール62が従動ロールとして配設されている。
更にまた、カラー搬送ベルト60の張架ロール62の対向部位には吸着電圧を印加することにより用紙70がカラー搬送ベルト60に吸着可能な帯電ロール65が配設されている。
また、カラー搬送ベルト60の張架ロール61の対向部位にはカラー搬送ベルト60に吸着した用紙70が剥離可能な除電器66が配設されている。
更に、循環移動するカラー搬送ベルト60の戻り移動面側にはカラー搬送ベルト60の表面を清掃するクリーナ68が設けられている。
【0030】
特に、図2に示すように、本実施の形態に用いられる画像形成装置は、モノクロユニット10にカラーユニット20を付設する際に、モノクロユニット10を作像ユニット11と給紙ユニット12とに分離し、給紙ユニット12を最下部に配設すると共に、この給紙ユニット12の上にカラーユニット20を配設し、さらに、このカラーユニット20の上に作像ユニット11を配設したものである。
【0031】
また、作像ユニット11の張架ロール42とカラーユニット20の張架ロール61との間には、カラーユニット20側から作像ユニット11側へスムーズに用紙70を搬送させるための搬送ガイド81が設けられている。
この搬送ガイド81は用紙70として高含水紙を用いた場合の転写電流のリークや、搬送ガイド81そのものの帯電による搬送性不良を防止するため、106〜1012Ω程度の接地抵抗を有することが好ましい。また、搬送ガイド81に金属を用いるのであれば、抵抗器等を介して接地すればよく、さらに、搬送ガイド81に抵抗制御された樹脂を使用するのであれば、抵抗器等を介さずに、そのまま接地すればよい。
【0032】
また、作像ユニット11の用紙搬送路16と、カラーユニット20の用紙搬送路22と、給紙ユニット12の用紙搬送路73とを連結したことにより、給紙ユニット12から、カラーユニット20のカラー搬送ベルト60と、搬送ガイド81と、モノクロユニット10のモノクロ搬送ベルト40とを通り、収容トレイ13aまで用紙70が搬送される用紙搬送路17が形成されている。
また、モノクロユニット10にカラーユニット20を付設するに際し、作像ユニット11内の帯電ロール45は、カラーユニット20から搬送される用紙70の進入を容易にするため用紙搬送面と異なる面に配設される。
更に、本実施の形態においては、作像ユニット11内のクリーニングブレード48は、後述する制御装置90(図6参照)によってモノクロ搬送ベルト40に対して接離自在に設けられている。
【0033】
特に、本実施の形態において、作像ユニット11とカラーユニット20との間には、モノクロ搬送ベルト40及びカラー搬送ベルト60上の画像ずれ検知用のマーク(レジストマーク)が検知可能なセンサデバイス80が配設されている(図4参照)。
このセンサデバイス80は、作像ユニット11内のモノクロ搬送ベルト40上のレジストマーク91(図8参照、以下同様とする)を検知するモノクロ検知センサ83と、カラーユニット20内のカラー搬送ベルト60上のレジストマークを検知するカラー検知センサ84とを、非検知面を対向させて同一の支持部材82に取り付けたものである。
更に、このセンサデバイス80は、作像ユニット11内のモノクロ搬送ベルト40とカラーユニット20内のカラー搬送ベルト60とが最も近接した部位で、かつ、モノクロ搬送ベルト40からモノクロ検知センサ83までの距離とカラー搬送ベルト60からカラー検知センサ84までの距離とを等しくした部位に配設されているものである。
尚、このモノクロ検知センサ83及びカラー検知センサ84には濃度制御用センサを兼用したタイプのものを使用している。
【0034】
更にまた、図5に示すように、本実施の形態において、モノクロ検知センサ83及びカラー検知センサ84は、発光素子としてのLED831及び受光素子としてのフォトディレクタ832とを備えたセンサ本体833と、センサ本体833からのセンサ出力として信号を増幅するアンプ834と、アンプ834からのアナログ信号をレジ検知信号としてデジタル信号に変換する検知回路835とを備え、ユニット化されたものである。
【0035】
また、本実施の形態における画像形成装置は制御装置90を備え、図6に示すように、この制御装置90がクリーニングブレード48と、露光装置32,52と、センサデバイス80とに接続されているものである。
この制御装置90は、レジストマーク91形成時に作像ユニット11内のクリーニングブレード48をモノクロ搬送ベルト40から退避させるよう接離自在に制御すると共に、センサデバイス80からの検知情報を入手した際には、この検知情報に基づいて露光装置32,52の露光補正を行うように制御するものである。
【0036】
次に、本実施の形態における画像形成装置の作動について用紙搬送系を中心に説明する。
今、図示外のスタートボタンがオン操作されると、給紙ユニット12の給紙カセット71内にセットされている用紙70は、給紙カセット71からフィーダ72によって送り出され、カラー搬送ベルト60に到達し、帯電ロール65によってカラー搬送ベルト60に吸着帯電される。
そして、用紙70がカラー搬送ベルト60上を進行するに従って、プロセスカートリッジ51a〜51cで形成されたトナー像がY,M,Cの順番で用紙70上に転写される。
【0037】
更に、用紙70は、カラーユニット20内のカラー搬送ベルト60の最下流まで到達すると除電器66によってカラー搬送ベルト60から剥離されると共に、搬送ガイド81を介して作像ユニット11側に搬送される。このとき、作像ユニット11内のモノクロ搬送ベルト40では帯電ロール45によってモノクロ搬送ベルト40が帯電されており、用紙70はモノクロ搬送ベルト40に容易に吸着される。そして、用紙70は、モノクロ搬送ベルト40の移動に伴いプロセスカートリッジ31の対向位置まで搬送され、当該プロセスカートリッジ31で形成されたK色のトナー像が転写される。
この後、用紙70は定着装置15によってトナー像の定着が行われ、排出ロール19から収容トレイ13aに排出される。
尚、K色のみを作像する場合は、カラーユニット20のカラー作像エンジン50を作動させる必要はなく、作像ユニット11のモノクロ作像エンジン30のみを作動させればよい。
【0038】
特に、本実施の形態において、電源投入後の初期設定時や、用紙70間の非作像領域(インターイメージ部)や、終了モード時などに、画像ずれ検知制御プロセスが行われ、このとき、作像ユニット11内ではモノクロ搬送ベルト40上にK色のトナー像によるレジストマーク91が作成されると共に、カラーユニット20内でも同様にカラー搬送ベルト60上にY色、M色、C色のトナー像によるレジストマーク91が作成される(図7、図8参照)。
このとき、作像ユニット11内のモノクロ搬送ベルト40上にレジストマーク91が形成されると、クリーニングブレード48がモノクロ搬送ベルト40から離間配置され、K色のレジストマーク91は除去されることなく、センサデバイス80まで搬送される。
【0039】
次に、センサデバイス80のモノクロ検知センサ83によってK色のレジストマーク91が検知されると共に、カラー検知センサ84によってY色、M色、C色のレジストマーク91が検知される。
そして、この検知情報が制御装置90に送出されると、制御装置90は、各色のレジストマーク91のずれ量(レジずれ量)を計算すると共に、レジずれ量が予め設定される許容値(例えば150μm)以下であれば、レジずれがないものと判断し、画像ずれ検知制御プロセスを終了する。
更に、この画像ずれ検知制御プロセスが設定回数(例えば5〜10回)行われても、レジずれ量が許容値を超えるようであれば、制御装置90はモノクロ作像エンジン30の補正及びカラー作像エンジン50の補正のほか、カラー搬送ベルト60の補正によって当該レジずれを修正できないものと判断し、当該画像ずれ検知制御プロセスを終了させると共に、例えばインタフェース等にエラー表示をする。
【0040】
一方、レジずれ量が許容値を超えており、設定回数に満たない場合は、制御装置90によって、作像ユニット11内の露光装置32の補正量及びカラーユニット20内の露光装置52の補正量が夫々計算されると共に、各露光装置32,52の補正が実行される。
尚、本実施の形態においては、カラーユニット20内の露光装置52は、1つの装置によって3色の感光体ドラム54全てに静電潜像の形成がなされるようになっているため、その分、3色の同期も取り易く露光の補正が容易である。
また、作像ユニット11のクリーニングブレード48は、レジストマーク91がモノクロ検知センサ83に検知された後に、制御装置90によってモノクロ搬送ベルト40に接触配置され、モノクロ搬送ベルト40上のレジストマーク91を回収することができる。更に、カラーユニット20のカラー搬送ベルト60に常時接触しているクリーナ68も同様に、検知終了後にレジストマーク91を回収する。
【0041】
ここで、本実施の形態におけるセンサデバイス80がレジストマーク91を検知する作動について詳述する。
図8には、カラーユニット20のカラー搬送ベルト60上にV字状のトナー像として形成されたレジストマーク91を示す。このレジストマーク91はカラー搬送ベルト60の移動に伴い、カラー検知センサ84との対向位置まで搬送されると、当該カラー検知センサ84によって、その位置が検知される。
更に、図9には、レジストマーク91の詳細及びカラー検知センサ84の検知作動の詳細を示す。ここでは、カラー搬送ベルト60上に形成されたレジストマーク91(Y)〜91(C)を検知するカラー検知センサ84についてのみ説明するが、モノクロユニット10のモノクロ搬送ベルト40上に形成されたレジストマーク91(K)が検知可能なモノクロ検知センサ83についても、同様である。
【0042】
同図に示すように、カラー搬送ベルト60上にはレジストマーク91(具体的には91Y,91M,91C)がYMCの順でV字状に形成されている。
一方、カラー検知センサ84は、読取位置を連続して検知したアナログ信号(センサ出力)に基づいて、検知回路835によってセンサ出力のピーク位置をしたレジ検知信号として検出する。この検知情報に基づいて、制御装置90はレジ検知信号の間隔及び検知箇所から、レジストマーク91の位置を判別すると共にレジずれ量を算定することができる。
【0043】
ここで、本例において、例えば、レジストマーク91(M)が読取位置のG点及びJ点の距離を跨ぐような形状にあるときに、当該レジストマーク91はレジずれのない正常位置にあるものとすると、図中一点鎖線で示すレジストマーク92のように、モノクロ検知センサ83が読取位置F点及びH点でレジストマーク92を検知した場合には、制御装置90は、当該レジストマーク92が主走査方向(カラー搬送ベルト60幅方向)に対して図中下方に距離xの異常位置にあるものとして判断すると共に、副走査方向(ベルト搬送方向)に対しては距離にしてy程度、露光タイミングが早いものとして判断することができる。
このように、V字状に形成されたレジストマーク91の2点の読取位置から、当該レジストマーク91の位置ずれを検知することが可能である。
【0044】
本実施の形態に用いられる画像形成装置及びこれに用いられるセンサデバイス80によれば、センサデバイス80として、同一の支持部材82に取り付けられたモノクロ検知センサ83及びカラー検知センサ84を用いたため、簡単な構成でモノクロ検知センサ83及びカラー検知センサ84を略同一の環境下に配設でき、各センサ間で相対的に生ずる検知誤差を解消させることができる。
【0045】
◎実施の形態2
図10は、本発明が適用された実施の形態2を示す説明図である。本実施の形態は、実施の形態1の画像形成装置と略同様に構成されるが、センサデバイス100の態様が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0046】
同図において、センサデバイス100は、作像ユニット11のモノクロ搬送ベルト40上のレジストマーク91が検知可能なモノクロ検知センサ102と、カラーユニット20のカラー搬送ベルト60上のレジストマーク91が検知可能なカラー検知センサ103とがセンサ基板104を介して、同一の支持部材101に取り付けられたものである。
すなわち、図11(a)に示すように、モノクロ検知センサ102及びカラー検知センサ103は同一のセンサであり、センサ基板104に対して非検知面を対向させて取り付けられており、このセンサ基板104には取付穴105が形成されている。また、図11(b)に示すように、支持部材101にはセンサ嵌め込み穴107と、ねじ穴106とが形成されている。
本例において、センサデバイス100は、センサ基板104に取り付けられたモノクロ検知センサ102及びカラー検知センサ103が支持部材101に設けられたセンサ嵌め込み穴107に嵌合すると共に、センサ基板104の取付穴105と支持部材101のねじ穴106とをねじ等によって固定して構成されたものである。
【0047】
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を奏すると共に、モノクロ検知センサ102及びカラー検知センサ103をセンサ基板104に直接取り付けたため、各センサ間の環境条件をより等しくさせることができるほか、更なる小型化が可能になる。また、モノクロ検知センサ102及びカラー検知センサ103に同一のセンサを用いたため、製造工程上、間違えて組み付けてしまうような事態を回避でき、生産性が向上するだけでなく、基板一枚を節約でき、低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置を示す説明図である。
【図3】(a)は実施の形態1に係るモノクロユニットを示す説明図、(b)は実施の形態1に係るカラーユニットを示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられるセンサデバイスを示す説明図である。
【図5】実施の形態1で用いられるセンサを示す説明図である。
【図6】実施の形態1の制御系を示す説明図である。
【図7】実施の形態1に係る画像ずれ検知プロセスを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1で用いられる搬送ベルト上のレジストマークを示す説明図である。
【図9】実施の形態1で用いられるセンサデバイスによるレジストマークの検知作動を示す説明図である。
【図10】実施の形態2で用いられるセンサデバイスを示す説明図である。
【図11】(a)、(b)は実施の形態2で用いられるセンサデバイスの詳細を示す説明図である。
【図12】基準ユニットに追加ユニットを付設した従来の画像形成装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1…基準ユニット,2…作像エンジン,3…記録材搬送体,4…追加ユニット,5…作像エンジン,6…記録材搬送体,7…記録材,8…センサデバイス,9…クリーナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機やプリンタ等の画像形成装置に係り、特に、単色又は複数色の画像が作成可能な基準ユニットに対して増設可能な追加ユニットを付設し、更なる多色化を企図した画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、電子写真方式の画像形成装置を例にすると、モノクロ画像が作成可能な基準ユニットとしてのモノクロユニットに、複数色の画像が作成可能な追加ユニットとしてのカラーユニットを付設することにより、当該モノクロユニットを無駄にすることなく、安価にフルカラー画像を可能にした画像形成装置が知られている(特許文献1,2参照)。
このような先行技術においては、モノクロユニットは単色の例えば黒色の作像エンジンと、この作像エンジンの転写部位に対し用紙が搬送可能な用紙搬送ロールとを備える一方、カラーユニットは例えばイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の複数の作像エンジンと、各作像エンジンの画像が中間的に担持搬送される中間転写ベルトと、この中間転写ベルト上の画像転写部位に対して用紙搬送ロールとを配設したものがある。
また、用紙搬送方式については、用紙の搬送性や搬送方向の位置合わせ精度をより向上させるために、用紙搬送ロールのほかに、用紙搬送ベルトを用いることもできる(特許文献3参照)。
【0003】
更に、特許文献3には、用紙搬送ベルトを備えた方式において、各作像エンジンによる画像ずれを防止するために、用紙搬送ベルトの下流側に画像ずれ検知用の検知センサを配設すると共に、当該検知センサが用紙搬送ベルト上に形成された画像ずれ検知用のマークを検知し、この検知情報に基づいて作像調整を行うようにした先行技術が記載されている(特許文献3参照)。
【0004】
そこで、モノクロユニットにカラーユニットを付設した態様において、画像ずれ検知用の検知センサによる作像調整技術を適用すると、例えば、図12に示すようなモデルが想定される。
すなわち、モノクロユニット200内には、画像を作成する例えばブラックの単色作像エンジン203と、これに対向配置され且つ用紙220を搬送する搬送ベルト201と、この搬送ベルト201の下流側に配置され且つ搬送ベルト201上に形成された画像ずれ検知用のマークを検知する検知センサ202と、この検知センサ202の用紙搬送方向下流側に用紙220上のトナー像を加熱定着する定着装置204とが配設されている。尚、この検知センサ202は作像された像濃度を検知する機能を兼ね備えたものでもよい。
【0005】
一方、カラーユニット210内には、画像を作成する例えばY,M,Cのカラー作像エンジン213(具体的には213a〜213c)と、これに対向配置され且つ用紙220を搬送する搬送ベルト211と、この搬送ベルト211の下流側に配置され且つ搬送ベルト211上に形成された画像ずれ検知用のマークを検知する検知センサ212とが配設されている。
このような画像形成装置によれば、各センサが夫々ベルト上に形成された画像ずれ検知用のマークを検知し、この検知情報に基づいて作像調整を行うことによって用紙220への画像ずれを防止することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2003−323025号公報(発明の実施の形態、図1)
【特許文献2】特開2004−205944号公報(発明の実施の形態、図1)
【特許文献3】特開平8−50385号公報(実施例、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような態様において、モノクロユニット200内の検知センサ(以下必要に応じてモノクロ検知センサという)202は、用紙220上の画像を加熱定着する定着装置204の近傍に配設されているため、高温環境下に曝されることになる。一方、カラーユニット210内の検知センサ(以下必要に応じてカラー検知センサという)212は定着装置204から離れて配設されるため、モノクロ検知センサ202の配設部位に比べて低温環境下である。
そのため、モノクロ検知センサ202とカラー検知センサ212とは、夫々環境条件の違いによる影響を受け、センサ自体の温度特性が異なり、センサ出力自体に差異が生じてしまう。
【0008】
また、検知対象物と検知面との間の距離が熱膨張により変位してしまうため、夫々の環境条件を踏まえて検知センサ202,212毎に個別に補正しなければならず、画像形成装置の複雑化や高コスト化を招いてしまうという技術的課題が生ずる。
ここで、仮に、このモノクロ検知センサ202を定着装置204から離し、例えば、搬送ベルト201の上流側のカラー検知センサ212に最も近い位置に配設したとしても、モノクロ検知センサ202の配設される環境とカラー検知センサ212の配設される環境とが同一になるわけではなく、また、各検知センサ202,212の取り付け誤差もまちまちであるため、上述した検知誤差や装置の複雑化を解消するには未だ不充分である。
【0009】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、基準ユニットに追加ユニットを付設した態様において、各ユニットの画像ずれ検知を簡単且つ正確に実施可能な画像形成装置及びこれに用いられるセンサデバイスを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は、図1に示すように、画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン2及びこの作像エンジン2に対向配置され記録材7を搬送する記録材搬送体3を備えた基準ユニット1と、前記基準ユニット1に付設され、前記画像と異なる色の画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン5及びこの作像エンジン5に対向配置され記録材7を搬送する記録材搬送体6を備える追加ユニット4と、両ユニット1,4間の両記録材搬送体3,6間に配設され且つ夫々の記録材搬送体3,6に対向した部位に画像ずれ検知用の検知面を具備するセンサデバイス8とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
このような技術的手段において、基準ユニット1及び追加ユニット4に用いられる色は、単色若しくは複数色でもよく、さらに、有彩色、無彩色を問わず適宜選定して差し支えない。
更に、作像エンジン2,5は、記録材7上に画像を形成できるものであれば適宜選定してよく、電子写真方式、静電記録方式、インクジェット方式等が挙げられる。
更にまた、電子写真方式又は静電記録方式の場合、各ユニットの転写方式は、像担持体上に形成された未定着画像を直接記録材に転写する方式でもよいし、中間転写体を介して一括転写する方式でもよく、さらに、タンデム型エンジン、ロータリ型エンジンを問わない。
【0012】
また、両ユニット1,4の記録材搬送体3,6は、ベルト状でもドラム状でも差し支えない。更に、基準ユニット1の記録材搬送体3の態様(例えばベルト状)と、追加ユニット4の記録材搬送体6の態様(例えばドラム状)とは、相互に異なる態様であってもよい。
更にまた、センサデバイス8の配設される位置は、両記録材搬送体3,6の間の領域であれば、適宜選定して差し支えない。
また、センサデバイス8は夫々の記録材搬送体3,6上の画像ずれ検知用のマークが検知可能であれば適宜選定して差し支えない。
【0013】
更に、センサデバイス8は、両ユニット1,4の両記録材搬送体3,6に対応した別々のセンサを有し、共通の支持部材に夫々のセンサを取り付けたものであることが好ましい。これにより、環境変動によるセンサ間の相対的な検知誤差を解消させることが可能になるだけでなく、装置を簡略化することができる。
【0014】
また、センサデバイス8は、共通のセンサ基板と、その表裏面に夫々設けられる検知面とを具備した一つのセンサであることが好ましい。このように、センサデバイス8を一体化することによって、環境変動によるセンサ間の相対的な検知誤差を解消させることが可能になると共に装置を簡略化することができるだけでなく、基板一枚分の低コスト化が図れる。
更に、この場合、同一のセンサを用い、対称構造のセンサデバイス8を構成することができ、製造工程上、間違えて組み付けてしまうことを回避できるため生産性が向上し、低コスト化を図ることができる。
【0015】
また、センサデバイス8は、両記録材搬送体3,6から夫々の検知面までの距離が略等しくなる部位に配設されることが好ましく、これにより、夫々の検知面での検知条件を略等しく設定することでき、精度の良いセンシングが可能になる。
更にまた、センサデバイス8は、両記録材搬送体3,6に最も近接した部位に配設されることが好ましい。これによれば、環境変動の小さい部位に配設されるため、精度の良いセンシングが可能になる。
【0016】
更に、基準ユニット1は記録材搬送体3の周囲のうちセンサデバイス8の上流側にクリーナ9を備え、このクリーナ9は記録材搬送体3表面に対して接離するクリーニング部材を有し、記録材搬送体表面に画像ずれ検知用のマークが形成された際に、当該クリーニング部材を記録材搬送体3から離間させることが好ましい。これにより、画像ずれ検知用のマークが形成された時に当該マークがクリーナ9によって清掃されることなく、センサデバイス8まで搬送されることが可能になる。
また、クリーニング部材はブレード状、ロール状等適宜選定して差し支えない。
【0017】
更に、基準ユニット1及び追加ユニット4の少なくともいずれかは、センサデバイス8の検知情報に基づいて、夫々の作像エンジン2,5及び記録材搬送体3,6を制御する制御手段を備えることが好ましい。
更に、本発明は、このような画像形成装置で用いられるセンサデバイス8をも対象とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、両ユニット間に配設され、夫々の記録材搬送体に対向した部位に画像ずれ検知用の検知面を具備するセンサデバイスを設けたので、夫々の検知面が略同一の環境条件下となり、もって、各ユニットの画像ずれ検知を簡単且つ正確に実施可能な画像形成装置及びこれに用いられるセンサデバイスを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図2及び図3(a),(b)は、本発明が適用された画像形成装置の実施の形態1を示す。
本実施の形態における画像形成装置は、モノクロ画像(本例ではブラック(K)画像)が作像可能なモノクロユニット10(基準ユニットに相当)に対して、カラー画像が作像可能なカラーユニット20を付設したものであり、本例では分離可能なモノクロユニット10間にカラーユニット20を配設した形式になっている。
このモノクロユニット10は、モノクロ画像が作像可能な作像ユニット11と、この作像ユニット11の下部に配設され且つ供給用の用紙70が収容される給紙ユニット12とを備え、モノクロプリンタとして使用されるものである。
【0020】
ここで、モノクロユニット10及びカラーユニット20の基本的構成を図3(a),(b)に夫々示す。
同図に示すように、作像ユニット11は、作像ユニット筐体13内にブラック(K)のモノクロ作像エンジン30と、このモノクロ作像エンジン30に対向配置され用紙70を垂直方向に搬送するモノクロ搬送ベルト40と、このモノクロ作像エンジン30の上部に用紙70上の未定着トナー像を定着する定着装置15と、この定着装置15の上部に作像ユニット筐体13の一部で構成され且つ用紙70が排出収容される収容トレイ13aとを配設すると共に、モノクロ作像エンジン30から収容トレイ13aにかけて用紙70の搬送路となる用紙搬送路16を配置したものである。更に、作像ユニット筐体13内には、定着装置15の用紙搬送方向下流側に用紙70を排出する排出ロール19とが配設されている。
【0021】
ここで、モノクロ作像エンジン30は、K色の画像を作成するプロセスカートリッジ31と、このプロセスカートリッジ31に対して作像用の走査光を照射する露光装置32と、プロセスカートリッジ31が作成したトナー像を用紙70に転写する転写装置(転写ロール)33とを備えたものである。
また、プロセスカートリッジ31は、例えば感光体ドラム34と、この感光体ドラム34を予め帯電する帯電器35と、帯電された感光体ドラム34上に前記露光装置32にて露光形成された静電潜像をトナーで現像する現像器36と、感光体ドラム34上の廃トナーを除去するクリーナ37と、感光体ドラム34上を除電する除電器38とを一体的にカートリッジ化したものである。
一方、転写ロール33は、モノクロ搬送ベルト40の裏側から感光体ドラム34との間に転写バイアス電源による所定の転写バイアスを適宜印加するものである。
【0022】
また、モノクロ搬送ベルト40は、夫々一対の張架ロール41,42に架け渡されており、上方側の張架ロール41が駆動ロール、下方側の張架ロール42が従動ロールとして配設されている。
更にまた、モノクロ搬送ベルト40の張架ロール42の対向部位には吸着電圧を印加することにより用紙70がモノクロ搬送ベルト40に吸着可能な帯電ロール45が配設されている。
また、モノクロ搬送ベルト40の張架ロール41の対向部位にはモノクロ搬送ベルト40に吸着した用紙70が剥離可能な除電部材46が配設されている。
【0023】
更に、循環移動するモノクロ搬送ベルト40の戻り移動面側にはモノクロ搬送ベルト40の表面を清掃するクリーニングブレード48が設けられている。
尚、本実施の形態においてはブレード状のクリーニング部材が用いられているが、これに限られるものではなく、ロール状等適宜選定して差し支えない。
【0024】
更に、給紙ユニット12は、ユニットケース14に対して引き出し自在な給紙カセット71を有し、この給紙カセット71の用紙搬出方向側にこの給紙カセット71から用紙70を1枚ずつ送り出すためのフィーダ72を配設すると共に、このフィーダ72の下流側には作像ユニット11の用紙搬送路16に繋がる用紙搬送路73を配設している。
【0025】
一方、カラーユニット20は、カラーユニット筐体21内にカラー画像が作像可能なカラー作像エンジン50と、このカラー作像エンジン50に対向配置され用紙70を垂直方向に搬送するカラー搬送ベルト60と、カラー作像エンジン50とカラー搬送ベルト60との間には図中下方から上方に向けて用紙70の搬送路となる用紙搬送路22を配置したものである。
【0026】
ここで、カラー作像エンジン50は、カラーユニット筐体21内に3つの色(本実施の形態ではイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C))の画像が作像可能なプロセスカートリッジ51a〜51cが下方からY,M,Cの順で配列すると共に、各プロセスカートリッジ51に対して作像用の走査光を照射する露光装置52と、プロセスカートリッジ51に対向配置され且つプロセスカートリッジ51が作成したトナー像を用紙70に転写する転写ロール53とを備えたものである。
【0027】
更に、プロセスカートリッジ51は、作像ユニット11のプロセスカートリッジ31と同様に、例えば感光体ドラム54と、この感光体ドラム54を予め帯電する帯電器55と、帯電された感光体ドラム54上に前記露光装置52にて露光形成された静電潜像を各色トナーで現像する現像器56と、感光体ドラム54上の廃トナーを除去するクリーナ57と、感光体ドラム54上を除電する除電器58とを一体的にカートリッジ化したものである。
また、カラーユニット20内の露光装置52は、ポリゴンや複数の反射ミラー等を用いることで、1つの露光装置52によって3色の感光体ドラム54全てに静電潜像の形成がなされるようになっており、その分、3色の同期も取り易くなっている。勿論、これに限られるものではなく、プロセスカートリッジ51毎に配設された露光装置52であっても差し支えない。
更に、転写ロール53は、カラー搬送ベルト60の裏側から感光体ドラム54との間に転写バイアス電源による所定の転写バイアスを適宜印加するものである。
【0028】
尚、カラーユニット20に用いられる色種や配置順は、これに限られるものではなく、適宜選定して差し支えない。
また、カラーユニット20は、本態様に用いられた一体式のものに限られるものではなく、分離可能な複数ユニットを具備したものでもよい。この場合、カラーユニット20には例えば夫々個別の複数のユニットを多段式に組み合わせたものを用い、必要に応じて特色を付設できるほか、不必要な色を取り外すことも可能である。
【0029】
また、カラー搬送ベルト60は、作像ユニット11のモノクロ搬送ベルト40と同様に、夫々一対の張架ロール61,62に架け渡されており、上方側の張架ロール61が駆動ロール、下方側の張架ロール62が従動ロールとして配設されている。
更にまた、カラー搬送ベルト60の張架ロール62の対向部位には吸着電圧を印加することにより用紙70がカラー搬送ベルト60に吸着可能な帯電ロール65が配設されている。
また、カラー搬送ベルト60の張架ロール61の対向部位にはカラー搬送ベルト60に吸着した用紙70が剥離可能な除電器66が配設されている。
更に、循環移動するカラー搬送ベルト60の戻り移動面側にはカラー搬送ベルト60の表面を清掃するクリーナ68が設けられている。
【0030】
特に、図2に示すように、本実施の形態に用いられる画像形成装置は、モノクロユニット10にカラーユニット20を付設する際に、モノクロユニット10を作像ユニット11と給紙ユニット12とに分離し、給紙ユニット12を最下部に配設すると共に、この給紙ユニット12の上にカラーユニット20を配設し、さらに、このカラーユニット20の上に作像ユニット11を配設したものである。
【0031】
また、作像ユニット11の張架ロール42とカラーユニット20の張架ロール61との間には、カラーユニット20側から作像ユニット11側へスムーズに用紙70を搬送させるための搬送ガイド81が設けられている。
この搬送ガイド81は用紙70として高含水紙を用いた場合の転写電流のリークや、搬送ガイド81そのものの帯電による搬送性不良を防止するため、106〜1012Ω程度の接地抵抗を有することが好ましい。また、搬送ガイド81に金属を用いるのであれば、抵抗器等を介して接地すればよく、さらに、搬送ガイド81に抵抗制御された樹脂を使用するのであれば、抵抗器等を介さずに、そのまま接地すればよい。
【0032】
また、作像ユニット11の用紙搬送路16と、カラーユニット20の用紙搬送路22と、給紙ユニット12の用紙搬送路73とを連結したことにより、給紙ユニット12から、カラーユニット20のカラー搬送ベルト60と、搬送ガイド81と、モノクロユニット10のモノクロ搬送ベルト40とを通り、収容トレイ13aまで用紙70が搬送される用紙搬送路17が形成されている。
また、モノクロユニット10にカラーユニット20を付設するに際し、作像ユニット11内の帯電ロール45は、カラーユニット20から搬送される用紙70の進入を容易にするため用紙搬送面と異なる面に配設される。
更に、本実施の形態においては、作像ユニット11内のクリーニングブレード48は、後述する制御装置90(図6参照)によってモノクロ搬送ベルト40に対して接離自在に設けられている。
【0033】
特に、本実施の形態において、作像ユニット11とカラーユニット20との間には、モノクロ搬送ベルト40及びカラー搬送ベルト60上の画像ずれ検知用のマーク(レジストマーク)が検知可能なセンサデバイス80が配設されている(図4参照)。
このセンサデバイス80は、作像ユニット11内のモノクロ搬送ベルト40上のレジストマーク91(図8参照、以下同様とする)を検知するモノクロ検知センサ83と、カラーユニット20内のカラー搬送ベルト60上のレジストマークを検知するカラー検知センサ84とを、非検知面を対向させて同一の支持部材82に取り付けたものである。
更に、このセンサデバイス80は、作像ユニット11内のモノクロ搬送ベルト40とカラーユニット20内のカラー搬送ベルト60とが最も近接した部位で、かつ、モノクロ搬送ベルト40からモノクロ検知センサ83までの距離とカラー搬送ベルト60からカラー検知センサ84までの距離とを等しくした部位に配設されているものである。
尚、このモノクロ検知センサ83及びカラー検知センサ84には濃度制御用センサを兼用したタイプのものを使用している。
【0034】
更にまた、図5に示すように、本実施の形態において、モノクロ検知センサ83及びカラー検知センサ84は、発光素子としてのLED831及び受光素子としてのフォトディレクタ832とを備えたセンサ本体833と、センサ本体833からのセンサ出力として信号を増幅するアンプ834と、アンプ834からのアナログ信号をレジ検知信号としてデジタル信号に変換する検知回路835とを備え、ユニット化されたものである。
【0035】
また、本実施の形態における画像形成装置は制御装置90を備え、図6に示すように、この制御装置90がクリーニングブレード48と、露光装置32,52と、センサデバイス80とに接続されているものである。
この制御装置90は、レジストマーク91形成時に作像ユニット11内のクリーニングブレード48をモノクロ搬送ベルト40から退避させるよう接離自在に制御すると共に、センサデバイス80からの検知情報を入手した際には、この検知情報に基づいて露光装置32,52の露光補正を行うように制御するものである。
【0036】
次に、本実施の形態における画像形成装置の作動について用紙搬送系を中心に説明する。
今、図示外のスタートボタンがオン操作されると、給紙ユニット12の給紙カセット71内にセットされている用紙70は、給紙カセット71からフィーダ72によって送り出され、カラー搬送ベルト60に到達し、帯電ロール65によってカラー搬送ベルト60に吸着帯電される。
そして、用紙70がカラー搬送ベルト60上を進行するに従って、プロセスカートリッジ51a〜51cで形成されたトナー像がY,M,Cの順番で用紙70上に転写される。
【0037】
更に、用紙70は、カラーユニット20内のカラー搬送ベルト60の最下流まで到達すると除電器66によってカラー搬送ベルト60から剥離されると共に、搬送ガイド81を介して作像ユニット11側に搬送される。このとき、作像ユニット11内のモノクロ搬送ベルト40では帯電ロール45によってモノクロ搬送ベルト40が帯電されており、用紙70はモノクロ搬送ベルト40に容易に吸着される。そして、用紙70は、モノクロ搬送ベルト40の移動に伴いプロセスカートリッジ31の対向位置まで搬送され、当該プロセスカートリッジ31で形成されたK色のトナー像が転写される。
この後、用紙70は定着装置15によってトナー像の定着が行われ、排出ロール19から収容トレイ13aに排出される。
尚、K色のみを作像する場合は、カラーユニット20のカラー作像エンジン50を作動させる必要はなく、作像ユニット11のモノクロ作像エンジン30のみを作動させればよい。
【0038】
特に、本実施の形態において、電源投入後の初期設定時や、用紙70間の非作像領域(インターイメージ部)や、終了モード時などに、画像ずれ検知制御プロセスが行われ、このとき、作像ユニット11内ではモノクロ搬送ベルト40上にK色のトナー像によるレジストマーク91が作成されると共に、カラーユニット20内でも同様にカラー搬送ベルト60上にY色、M色、C色のトナー像によるレジストマーク91が作成される(図7、図8参照)。
このとき、作像ユニット11内のモノクロ搬送ベルト40上にレジストマーク91が形成されると、クリーニングブレード48がモノクロ搬送ベルト40から離間配置され、K色のレジストマーク91は除去されることなく、センサデバイス80まで搬送される。
【0039】
次に、センサデバイス80のモノクロ検知センサ83によってK色のレジストマーク91が検知されると共に、カラー検知センサ84によってY色、M色、C色のレジストマーク91が検知される。
そして、この検知情報が制御装置90に送出されると、制御装置90は、各色のレジストマーク91のずれ量(レジずれ量)を計算すると共に、レジずれ量が予め設定される許容値(例えば150μm)以下であれば、レジずれがないものと判断し、画像ずれ検知制御プロセスを終了する。
更に、この画像ずれ検知制御プロセスが設定回数(例えば5〜10回)行われても、レジずれ量が許容値を超えるようであれば、制御装置90はモノクロ作像エンジン30の補正及びカラー作像エンジン50の補正のほか、カラー搬送ベルト60の補正によって当該レジずれを修正できないものと判断し、当該画像ずれ検知制御プロセスを終了させると共に、例えばインタフェース等にエラー表示をする。
【0040】
一方、レジずれ量が許容値を超えており、設定回数に満たない場合は、制御装置90によって、作像ユニット11内の露光装置32の補正量及びカラーユニット20内の露光装置52の補正量が夫々計算されると共に、各露光装置32,52の補正が実行される。
尚、本実施の形態においては、カラーユニット20内の露光装置52は、1つの装置によって3色の感光体ドラム54全てに静電潜像の形成がなされるようになっているため、その分、3色の同期も取り易く露光の補正が容易である。
また、作像ユニット11のクリーニングブレード48は、レジストマーク91がモノクロ検知センサ83に検知された後に、制御装置90によってモノクロ搬送ベルト40に接触配置され、モノクロ搬送ベルト40上のレジストマーク91を回収することができる。更に、カラーユニット20のカラー搬送ベルト60に常時接触しているクリーナ68も同様に、検知終了後にレジストマーク91を回収する。
【0041】
ここで、本実施の形態におけるセンサデバイス80がレジストマーク91を検知する作動について詳述する。
図8には、カラーユニット20のカラー搬送ベルト60上にV字状のトナー像として形成されたレジストマーク91を示す。このレジストマーク91はカラー搬送ベルト60の移動に伴い、カラー検知センサ84との対向位置まで搬送されると、当該カラー検知センサ84によって、その位置が検知される。
更に、図9には、レジストマーク91の詳細及びカラー検知センサ84の検知作動の詳細を示す。ここでは、カラー搬送ベルト60上に形成されたレジストマーク91(Y)〜91(C)を検知するカラー検知センサ84についてのみ説明するが、モノクロユニット10のモノクロ搬送ベルト40上に形成されたレジストマーク91(K)が検知可能なモノクロ検知センサ83についても、同様である。
【0042】
同図に示すように、カラー搬送ベルト60上にはレジストマーク91(具体的には91Y,91M,91C)がYMCの順でV字状に形成されている。
一方、カラー検知センサ84は、読取位置を連続して検知したアナログ信号(センサ出力)に基づいて、検知回路835によってセンサ出力のピーク位置をしたレジ検知信号として検出する。この検知情報に基づいて、制御装置90はレジ検知信号の間隔及び検知箇所から、レジストマーク91の位置を判別すると共にレジずれ量を算定することができる。
【0043】
ここで、本例において、例えば、レジストマーク91(M)が読取位置のG点及びJ点の距離を跨ぐような形状にあるときに、当該レジストマーク91はレジずれのない正常位置にあるものとすると、図中一点鎖線で示すレジストマーク92のように、モノクロ検知センサ83が読取位置F点及びH点でレジストマーク92を検知した場合には、制御装置90は、当該レジストマーク92が主走査方向(カラー搬送ベルト60幅方向)に対して図中下方に距離xの異常位置にあるものとして判断すると共に、副走査方向(ベルト搬送方向)に対しては距離にしてy程度、露光タイミングが早いものとして判断することができる。
このように、V字状に形成されたレジストマーク91の2点の読取位置から、当該レジストマーク91の位置ずれを検知することが可能である。
【0044】
本実施の形態に用いられる画像形成装置及びこれに用いられるセンサデバイス80によれば、センサデバイス80として、同一の支持部材82に取り付けられたモノクロ検知センサ83及びカラー検知センサ84を用いたため、簡単な構成でモノクロ検知センサ83及びカラー検知センサ84を略同一の環境下に配設でき、各センサ間で相対的に生ずる検知誤差を解消させることができる。
【0045】
◎実施の形態2
図10は、本発明が適用された実施の形態2を示す説明図である。本実施の形態は、実施の形態1の画像形成装置と略同様に構成されるが、センサデバイス100の態様が実施の形態1と異なる。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0046】
同図において、センサデバイス100は、作像ユニット11のモノクロ搬送ベルト40上のレジストマーク91が検知可能なモノクロ検知センサ102と、カラーユニット20のカラー搬送ベルト60上のレジストマーク91が検知可能なカラー検知センサ103とがセンサ基板104を介して、同一の支持部材101に取り付けられたものである。
すなわち、図11(a)に示すように、モノクロ検知センサ102及びカラー検知センサ103は同一のセンサであり、センサ基板104に対して非検知面を対向させて取り付けられており、このセンサ基板104には取付穴105が形成されている。また、図11(b)に示すように、支持部材101にはセンサ嵌め込み穴107と、ねじ穴106とが形成されている。
本例において、センサデバイス100は、センサ基板104に取り付けられたモノクロ検知センサ102及びカラー検知センサ103が支持部材101に設けられたセンサ嵌め込み穴107に嵌合すると共に、センサ基板104の取付穴105と支持部材101のねじ穴106とをねじ等によって固定して構成されたものである。
【0047】
本実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を奏すると共に、モノクロ検知センサ102及びカラー検知センサ103をセンサ基板104に直接取り付けたため、各センサ間の環境条件をより等しくさせることができるほか、更なる小型化が可能になる。また、モノクロ検知センサ102及びカラー検知センサ103に同一のセンサを用いたため、製造工程上、間違えて組み付けてしまうような事態を回避でき、生産性が向上するだけでなく、基板一枚を節約でき、低コスト化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概要を示す説明図である。
【図2】実施の形態1に係る画像形成装置を示す説明図である。
【図3】(a)は実施の形態1に係るモノクロユニットを示す説明図、(b)は実施の形態1に係るカラーユニットを示す説明図である。
【図4】実施の形態1で用いられるセンサデバイスを示す説明図である。
【図5】実施の形態1で用いられるセンサを示す説明図である。
【図6】実施の形態1の制御系を示す説明図である。
【図7】実施の形態1に係る画像ずれ検知プロセスを示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1で用いられる搬送ベルト上のレジストマークを示す説明図である。
【図9】実施の形態1で用いられるセンサデバイスによるレジストマークの検知作動を示す説明図である。
【図10】実施の形態2で用いられるセンサデバイスを示す説明図である。
【図11】(a)、(b)は実施の形態2で用いられるセンサデバイスの詳細を示す説明図である。
【図12】基準ユニットに追加ユニットを付設した従来の画像形成装置の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1…基準ユニット,2…作像エンジン,3…記録材搬送体,4…追加ユニット,5…作像エンジン,6…記録材搬送体,7…記録材,8…センサデバイス,9…クリーナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン及びこの作像エンジンに対向配置されて記録材を搬送する記録材搬送体を備えた基準ユニットと、
前記基準ユニットに付設され、前記画像と異なる色の画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン及びこの作像エンジンに対向配置されて記録材を搬送する記録材搬送体を備える追加ユニットと、
両ユニットの両記録材搬送体間に配設され且つ夫々の記録材搬送体に対向した部位に画像ずれ検知用の検知面を具備するセンサデバイスとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
センサデバイスは、両ユニットの両記録材搬送体に対応した別々のセンサを有し、共通の支持部材に夫々のセンサを取り付けたものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
センサデバイスは、共通のセンサ基板と、その表裏面に夫々設けられる検知面とを具備した一つのセンサであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置において、
センサデバイスは両記録材搬送体から夫々の検知面までの距離が略等しくなる部位に配設されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成装置において、
センサデバイスは両記録材搬送体が最も近接した部位に配設されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像形成装置において、
基準ユニットは、記録材搬送体の周囲のうちセンサデバイスの上流側にクリーナを備え、
このクリーナは記録材搬送体表面に対して接離するクリーニング部材を有し、記録材搬送体表面に画像ずれ検知用のマークが形成された際に、当該クリーニング部材を記録材搬送体から離間させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、
基準ユニット及び追加ユニットの少なくともいずれかは、センサデバイスの検知情報に基づいて、夫々の作像エンジン及び記録材搬送体を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1記載の画像形成装置に用いられるセンサデバイス。
【請求項1】
画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン及びこの作像エンジンに対向配置されて記録材を搬送する記録材搬送体を備えた基準ユニットと、
前記基準ユニットに付設され、前記画像と異なる色の画像を作成する一若しくは複数の作像エンジン及びこの作像エンジンに対向配置されて記録材を搬送する記録材搬送体を備える追加ユニットと、
両ユニットの両記録材搬送体間に配設され且つ夫々の記録材搬送体に対向した部位に画像ずれ検知用の検知面を具備するセンサデバイスとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1記載の画像形成装置において、
センサデバイスは、両ユニットの両記録材搬送体に対応した別々のセンサを有し、共通の支持部材に夫々のセンサを取り付けたものであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1記載の画像形成装置において、
センサデバイスは、共通のセンサ基板と、その表裏面に夫々設けられる検知面とを具備した一つのセンサであることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1記載の画像形成装置において、
センサデバイスは両記録材搬送体から夫々の検知面までの距離が略等しくなる部位に配設されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項1記載の画像形成装置において、
センサデバイスは両記録材搬送体が最も近接した部位に配設されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1記載の画像形成装置において、
基準ユニットは、記録材搬送体の周囲のうちセンサデバイスの上流側にクリーナを備え、
このクリーナは記録材搬送体表面に対して接離するクリーニング部材を有し、記録材搬送体表面に画像ずれ検知用のマークが形成された際に、当該クリーニング部材を記録材搬送体から離間させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1記載の画像形成装置において、
基準ユニット及び追加ユニットの少なくともいずれかは、センサデバイスの検知情報に基づいて、夫々の作像エンジン及び記録材搬送体を制御する制御手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1記載の画像形成装置に用いられるセンサデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−71909(P2007−71909A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255466(P2005−255466)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]