画像形成装置
【課題】 現像剤補給手段にかかる負荷トルクが異常に高くなるなる場合であっても現像剤補給手段の破損を防止し得る画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 複数のスクリュー3を駆動する単一のモータ29と、複数のスクリュー3にそれぞれ対応して設けられ、単一のモータ29から複数のスクリュー3への駆動力の伝達または遮断をそれぞれ切替え可能な複数のソレノイド1及びバネクラッチ2からなる切替え手段と、トナーカートリッジ11の新品情報を記憶する不揮発メモリ40と、該不揮発メモリ40からトナーカートリッジ11の新品情報を読み取るCPU300aとを備え、該CPU300aによって読み取ったトナーカートリッジ11の新品情報により該トナーカートリッジ11が新品である場合には、当該トナーカートリッジ11の切替え手段と、当該トナーカートリッジ11以外の少なくとも一つの切替え手段とを切替えて、単一のモータ29から複数のスクリュー3へ駆動力を伝達させる。
【解決手段】 複数のスクリュー3を駆動する単一のモータ29と、複数のスクリュー3にそれぞれ対応して設けられ、単一のモータ29から複数のスクリュー3への駆動力の伝達または遮断をそれぞれ切替え可能な複数のソレノイド1及びバネクラッチ2からなる切替え手段と、トナーカートリッジ11の新品情報を記憶する不揮発メモリ40と、該不揮発メモリ40からトナーカートリッジ11の新品情報を読み取るCPU300aとを備え、該CPU300aによって読み取ったトナーカートリッジ11の新品情報により該トナーカートリッジ11が新品である場合には、当該トナーカートリッジ11の切替え手段と、当該トナーカートリッジ11以外の少なくとも一つの切替え手段とを切替えて、単一のモータ29から複数のスクリュー3へ駆動力を伝達させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、カラーインライン方式の画像形成装置において、感光体ドラム等の像担持体や現像装置を有するプロセスカートリッジと、現像剤(以下、「トナー」という)を収容するためのトナーカートリッジとを有する画像形成装置が知られている。このような構成の画像形成装置においては、トナーカートリッジからプロセスカートリッジにトナーを補給するためのトナー補給手段の駆動源としてステーションごとにモータを有した構成がある。
【0003】
駆動源としてのモータは、画像形成装置の小型化やコストアップ防止、装置の消費電力削減のため、複数のステーションで共通化する構成を採ることがある。この場合、プロセスカートリッジへのトナー補給量を制限するために単一の駆動源であるモータと複数のトナー補給手段との間に駆動の伝達の可否を選択できる構成とすることで、単一のモータから複数のトナー補給手段を選択的に動作させる。
【0004】
トナーは、輸送時の振動等によりトナーカートリッジ内で固化することが知られており、この状態ではトナー補給用回転部材にかかるトルクが高くなる。そのため、画像形成装置に新品のトナーカートリッジを設置した際には、モータからの駆動力を当該新品のトナーカートリッジを設置したステーションのトナー補給用回転部材のみに伝達し、トナーが固化している状態を解消する制御が行われる。
【0005】
しかしながら、トナーカートリッジ内でトナーが過度に固化した場合、トナー補給用回転部材に過度の負荷が作用するため、トナー補給用回転部材を破損させる可能性がある。
【0006】
そこで例えば、特許文献1では、モータからトナー補給用回転部材の作動部まで複数のギアを介して駆動する構成において、負荷トルクが所定の値を上回る場合には、トナー補給用回転部材への駆動伝達を遮断するトルクリミッタを有した構成となっている。これにより、トナー補給用回転部材に過度の負荷が作用した場合であってもモータにロックがかかるためトナー補給用回転部材が破損することを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−175984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の特許文献1の技術では、カラー画像形成装置のように複数のトナーカートリッジを有する構成においては、全てのステーションにトルクリミッタを配置しなければならず、コストアップとなる懸念があった。また、どのトナーカートリッジでトルクが異常に高くなっているのかを判別するためにトルクリミッタを配置した周辺のギアに回転検知センサを配置する必要があった。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、現像剤補給手段にかかる負荷トルクが異常に高くなる場合であっても現像剤補給手段の破損を防止し得る画像形成装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、複数の現像手段にそれぞれ設けられ、現像剤を収容する複数の現像剤収容部と、前記複数の現像剤収容部にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の現像剤収容部に補給するための現像剤をそれぞれ収容する複数の現像剤カートリッジと、前記複数の現像剤カートリッジ内の現像剤を、それぞれ対応する前記現像剤収容部に補給する複数の現像剤補給手段と、前記複数の現像剤補給手段を駆動する単一の駆動源と、前記複数の現像剤補給手段にそれぞれ対応して設けられ、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段への駆動力の伝達または遮断をそれぞれ切替え可能な複数の切替え手段と、前記現像剤カートリッジの新品情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から前記現像剤カートリッジの新品情報を読み取る読み取り手段とを備え、前記読み取り手段によって読み取った前記現像剤カートリッジの新品情報により前記現像剤カートリッジが新品である場合には、当該現像剤カートリッジの前記切替え手段と、当該現像剤カートリッジ以外の少なくとも一つの前記切替え手段とを切替えて、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段へ駆動力を伝達させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成によれば、単一の駆動源から複数の現像剤補給手段を選択的に動作させる構成において、新品の現像剤カートリッジが画像形成装置に設置された場合、新品の現像剤カートリッジを除く他のステーションの現像剤カートリッジからも同時に現像剤を補給する。これにより、新品の現像剤カートリッジの現像剤補給手段にかかるトルクを軽減でき、新品の現像剤カートリッジの現像剤補給手段の過負荷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1の画像形成装置が具備するカートリッジの概略構成図である。
【図3】現像剤補給手段の構成を示す図である。
【図4】図1の画像形成装置が具備する単一の駆動源から複数の現像剤補給手段に至る駆動ギア列の構成を示す斜視説明図である。
【図5】切替え手段の構成を示す説明図である。
【図6】制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】単一の駆動源となる直流(DC)ブラシレスモータの駆動回路構成を説明する図である。
【図8】単一の駆動源となる直流(DC)ブラシレスモータの駆動制御を説明する図である。
【図9】単一の駆動源となる直流(DC)ブラシレスモータの出力トルク−電流特性を示す図である。
【図10】記憶手段となる不揮発メモリに記憶された現像剤カートリッジの新品情報により切替え手段を制御する構成を示すブロック図である。
【図11】現像剤カートリッジの現像剤補給手段を破損させるモータ出力トルクの一例を示す図である。
【図12】モータ出力トルクを新品の現像剤カートリッジの現像剤補給手段と、その他の現像剤カートリッジの現像剤補給手段とに分散させて新品の現像剤カートリッジの現像剤補給手段の破損を回避する様子を示す図である。
【図13】第1実施形態の制御動作を説明するフローチャートである。
【図14】第2実施形態の制御動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図により本発明に係る画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
【実施例1】
【0014】
以下、図1〜図13を用いて本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。
【0015】
図1において、本実施形態に係る画像形成装置は、中間転写ベルト13に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像形成部19Y,19M,19C,19Kを配置したタンデム型フルカラー複写機の一例である。
【0016】
尚、図1では各色毎に画像形成部19Y,19M,19C,19Kのように示したが、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各画像形成ステーション(以下、単に「ステーション」という)17の画像形成部19は同様の構成である。以下の説明では、一つの画像形成ステーション17について説明を行い、Y,M,C,Kの符号を省略して単に画像形成部19を用いて説明する場合もある。他の各部品についても同様である。
【0017】
各色のステーション17毎に像担持体としての感光ドラム5Y,5M,5C,5Kと、帯電手段としての一次帯電器7Y,7M,7C,7Kを備えたプロセスカートリッジ22Y,22M,22C,22Kを有する。また、複数の現像手段としての現像装置8Y,8M,8C,8K、露光手段としてのスキャナ10Y,10M,10C,10Kを有する。また、画像形成装置本体に対して着脱可能な複数の現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ11Y,11M,11C,11Kを有する。また、一次転写手段6Y,6M,6C,6K、給送手段となる給送ローラ12、二次転写手段となる二次転写ローラ18、及び定着手段となる定着装置15等を有する。
【0018】
各色毎の画像形成部19Y,19M,19C,19Kにより形成された各色毎のトナー画像が中間転写ベルト13に重畳して転写される。その後、給送ローラ12により給送された記録媒体となるシート材21が中間転写ベルト13と二次転写ローラ24とのニップ部に搬送され、中間転写ベルト13に転写されたトナー画像がシート材21に一括転写される。その後、定着装置15でトナー画像が定着された後、機外へ排出される。
【0019】
図2はプロセスカートリッジ22及びトナーカートリッジ11の概略構成を示す断面図である。図2において、トナーカートリッジ11は、現像剤となるトナーを補給するための現像剤補給手段としてのスクリュー3と、トナーカートリッジ11内(現像剤カートリッジ内)のトナーを攪拌するためのトナー攪拌部材14とを有して構成されている。トナーカートリッジ11とプロセスカートリッジ22との間には開閉可能なトナー補給シャッタ401が設けられる。
【0020】
プロセスカートリッジ22は、それぞれ現像装置8を有する。更に該現像装置8にそれぞれ設けられ、現像剤を収容する複数の現像剤収容部としてのトナー収容部26を有する。更に、バッファ部攪拌部材502、供給ローラ501、感光ドラム5、一次帯電器7を有して構成されている。ここで、バッファ部攪拌部材502は、トナーカートリッジ11から補給されたトナーを攪拌するものである。また、供給ローラ501は、現像ローラ23にトナーを供給するものである。トナーカートリッジ11はトナー収容部26にそれぞれ対応して設けられ、該トナー収容部26に補給するための現像剤となるトナーをそれぞれ収容する。
【0021】
スクリュー3は、トナーカートリッジ11内のトナーを、それぞれ対応するトナー収容部26に補給する。複数のスクリュー3を図4に示す画像形成装置に設けられた単一の駆動源となるモータ29よって駆動すると、トナーをトナーカートリッジ11からプロセスカートリッジ22のトナー収容部26に補給することができる。
【0022】
スクリュー3は、トナーカートリッジ11内のトナーを図3の矢印a方向に向けて搬送し、トナー補給シャッタ401が開くとプロセスカートリッジ22のトナー収容部26内にトナーを補給する。
【0023】
図4は画像形成装置のトナー補給駆動伝達系を示す斜視図である。図4に示すように、単一の駆動源としてのモータ29に取り付けられたモータギア4から駆動ギア列となる駆動入力ギア25Mを介してステーション17Mのバネクラッチ2Mに駆動が伝達される。尚、ステーション17Mの駆動入力ギア25Mについても他のステーション17と同様に複数のギアからなる駆動ギア列を介してモータ29に取り付けられたモータギア4からステーション17Mのバネクラッチ2Mに駆動が伝達される構成であっても良い。
【0024】
また、駆動ギア列16Y及び駆動ギア列を構成する駆動入力ギア25Yを介してモータギア4からステーション17Yのバネクラッチ2Yに駆動が伝達される。また、駆動ギア列16C1,16C2及び駆動ギア列を構成する駆動入力ギア25Cを介してモータギア4からステーション17Cのバネクラッチ2Cに駆動が伝達される。また、駆動ギア列16C1,16K及び駆動ギア列を構成する駆動入力ギア25Kを介してモータギア4からステーション17Kのバネクラッチ2Kに駆動が伝達される。
【0025】
各ステーション17Y,17M,17C,17Kのバネクラッチ2Y,2M,2C,2Kの駆動伝達下流側には、図5に示すように、ソレノイド1Y,1M,1C,1K及び補給駆動ギア9Y,9M,9C,9Kが取り付けられている。各補給駆動ギア9は、単一の駆動源としてのモータ29からの駆動力をそれぞれのトナーカートリッジ11内に設けられたスクリュー3に伝達する。
【0026】
図5は複数のスクリュー3にそれぞれ対応して設けられ、単一の駆動源となるモータ29から各スクリュー3への駆動力の伝達または遮断をそれぞれ切替え可能な複数の切替え手段を構成するバネクラッチ2及びソレノイド1を示す。
【0027】
各バネクラッチ2は駆動入力ギア25Y,25M,25C,25Kにそれぞれ伝達された駆動力を補給駆動ギア9を介してスクリュー3へ伝達または遮断する。単一の駆動源としてのモータ29から図4に示すそれぞれの各駆動ギア列を介して各ステーション17Y,17M,17C,17Kの駆動入力ギア25Y,25M,25C,25Kに駆動力が伝達される。バネクラッチ2はその駆動力を補給駆動ギア9を介してスクリュー3へ伝達または遮断する切替えを行う。ソレノイド1は制御手段となる制御部300により制御されてバネクラッチ2による駆動力の伝達または遮断を切替制御する。
【0028】
図5に示すように、単一の駆動源としてのモータ29から図4に示すそれぞれの各駆動ギア列及び駆動入力ギア25を経て、バネクラッチ2の入力ギア2aに駆動が入力される。バネクラッチ2は、ソレノイド1のフラッパ1aがバネクラッチ2の爪部2cに係止されている間はバネクラッチ2の出力ギア2bに駆動が伝達されず、入力ギア2aのみが空転する。
【0029】
ソレノイド1のフラッパ1aが図5の矢印b方向に動作すると、フラッパ1aがバネクラッチ2の爪部2cの係止から解除されてバネクラッチ2の入力ギア2aから出力ギア2bに駆動が伝達されて図5の矢印d方向に回転する。そして、該出力ギア2bの駆動伝達下流側に噛合された補給駆動ギア9に駆動力が伝達される。補給駆動ギア9は補給駆動軸9aと固定されており、該補給駆動軸9aには補給カップリング9bが取り付けられている。補給カップリング9bは画像形成装置の駆動インターフェースである。
【0030】
図6は、画像形成装置全体の制御系の構成を示すブロック図である。図6に示すように、画像形成装置は、CPU(中央演算装置)300aと、RAM(ランダムアクセスメモリ)300b等から構成される制御部300を有しており、該制御部300は画像形成装置の各機器における全体的な制御を司っている。
【0031】
制御部300には、プロセスカートリッジ22Y,22M,22C,22K、スクリュー3への駆動切替えを行うソレノイド1Y,1M,1C,1K、単一の駆動源としてのモータ29が接続されている。また、単一の駆動源としてのモータ29から図4に示す各駆動ギア列を介してバネクラッチ2Y,2M,2C,2Kに駆動力が伝達される。
【0032】
制御部300は、何れかのステーション17Y,17M,17C,17Kのプロセスカートリッジ22からトナー補給要求を受けると、トナー補給要求を受けたステーション17のソレノイド1の動作を行う信号を発信する。それによって、単一の駆動源としてのモータ29からの駆動がバネクラッチ2を経由してトナーカートリッジ11のスクリュー3に伝わり、トナー補給動作が開始されてプロセスカートリッジ22にトナーが補給される。
【0033】
単一の駆動源としてのモータ29は、直流(DC)ブラシレスモータで構成されている。図7はDCブラシレスモータの駆動回路構成であり、結線されたコイル45〜47と、ロータ48が備えられている。さらにロータ48の位置検出手段としてホール素子49〜51を備えており、このホール素子49〜51は磁界を検知することにより半導体片の両端に電圧が表れる素子であり、その出力電圧を検知することによりロータ48の位置検出が可能となる。その出力電圧はアンプ52で増幅され、モータ駆動制御回路32に入力される。
【0034】
また、31はモータ29の駆動回路部である。駆動回路部31はモータ29に流す電流を制限する図示しない電流リミッタ回路を有する。更に、モータ駆動制御回路32と、ハイ側のFET(Field effect transistor;電界効果トランジスタ)33〜35と、ロー側のFET36〜38とを備えている。
【0035】
これらの各FET33〜38はそれぞれがコイル45〜47の各端子U,V,Wに接続されており、モータ駆動制御回路32から出力される相切り替え信号に従って各FET33〜38をON/OFF制御して順次励磁する相を切り替えてロータ48を回転させる。
【0036】
また前記相切り替え信号はCPU30の出力ポートからの駆動信号及びホール素子49〜51から発生するロータ48の位置信号を検出してモータ駆動制御回路32により生成される。相切り替えに関するモータ29の回転に関してはコイル45〜47の各端子U,V,Wの電位を図8に示す(1)〜(12)の順序で切り替えることにより各相が順次励磁され、モータ29が回転する。尚、図8中の「H」はON状態が続く信号である。「L」はOFF状態が続く信号である。また、図8中の「PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)」はON/OFFが一定周期で繰り返される信号である。
【0037】
DCブラシレスモータの電流値と出力トルクとの関係を図9に示す。DCブラシレスモータは、モータ29にかかる負荷トルクが増加すると該モータ29に流れる電流も増加する。図9の横軸上に示す出力トルクTの値は、モータ29にかけることができる負荷トルクの限界値で、モータ29にかかる負荷トルクが出力トルクTのトルク値を超えると、モータ29は回転することができなくなり停止する。モータ29が停止すると、ホール素子49〜51でロータ48が停止していることを検出し、モータ駆動制御回路32がロック信号を制御部300に出力する。
【0038】
画像形成部19Y,19M,19C,19Kには、トナーカートリッジ11Y,11M,11C,11Kが着脱可能に装着される。トナーカートリッジ11Y,11M,11C,11Kには図10に示すようにそれぞれ各トナーカートリッジ11の新品情報を記憶する記憶手段となる不揮発メモリ40Y,40M,40C,40Kが貼付されている。
【0039】
CPU300aは、不揮発メモリ40Y,40M,40C,40Kと通信して、該不揮発メモリ40から各トナーカートリッジ11の新品情報を読み取って取得する読み取り手段を兼ねる。また、CPU300aは、演算機能を備えたハードウェアとその演算動作を規定するソフトウェアとを備えて画像形成部19Y、19M、19C、19Kを動作制御する。
【0040】
トナーは粉体状であるため、トナーカートリッジ11は輸送時等の振動を受けると、一部分が固化した状態となる。固化した状態のトナーカートリッジ11が画像形成装置に設置され、プロセスカートリッジ22に対してトナーを補給すると、トナーカートリッジ11内のトナー搬送用のスクリュー3にかかる負荷トルクは大きくなる。そのため、トナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルク以上の負荷トルクがかかる可能性があった。
【0041】
図4に示すトナー補給の駆動伝達構成においては、各トナーカートリッジ11のトナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルクは同一である。しかし、モータギア4から各補給駆動ギア9までの駆動ギア列の段数が各ステーション17Y,17M,17C,17K相互間で異なる。
【0042】
このため、駆動ギア列の段数が多い程、ギアの変形等による伝達ロスの影響を受ける。そして、トナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルクは各ステーション17Y,17M,17C,17K相互間で異なる。その様子を図11に示す。図11は、各トナーカートリッジ11のトナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルクを示した図である。
【0043】
図4において、単一の駆動源となるモータ29が直近に設けられるステーション17Mにおいてトナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルクを図11の「Mトナーカートリッジ破損トルク」で示す。図11の「Mトナーカートリッジ破損トルク」は最も小さい値(100mNm程度)となる。これは、モータギア4から補給駆動ギア9Mに至る駆動ギア列のギア段数が、駆動入力ギア25Mとバネクラッチ2Mのみからなり、最も少ないためギアの変形等による伝達ロスが最も小さいためである。
【0044】
一方、単一の駆動源となるモータ29が最も遠い位置に設けられるステーション17Kにおいてトナーカートリッジ11Kのトナー搬送用のスクリュー3Kを破損させるモータ出力トルクを図11の「Kトナーカートリッジ破損トルク」で示す。図11の「Kトナーカートリッジ破損トルク」は最も大きい値(160mNm程度)となる。これは、モータギア4から補給駆動ギア9Kに至る駆動ギア列のギア段数が、駆動ギア列16C1,16K、駆動入力ギア25M、バネクラッチ2Mからなり、最も多いためギアの変形等による伝達ロスが最も大きく影響を受けるからである。
【0045】
また、ステーション17Y,17Cでは単一の駆動源となるモータ29がステーション17M,17Kの略中間位置に設けられる。ステーション17Y,17Cにおいてトナーカートリッジ11Y,11Cのそれぞれのトナー搬送用のスクリュー3Y,3Cを破損させるモータ出力トルクを図11の「Y,Cトナーカートリッジ破損トルク」で示す。図11の「Y,Cトナーカートリッジ破損トルク」は上記ステーション17M,17Kの場合の略中間程度の値(140mNm程度)となる。
【0046】
モータギア4からそれぞれの補給駆動ギア9Y,9Cに至る駆動ギア列のギア段数が、補給駆動ギア9Yについては駆動ギア列16Y、駆動入力ギア25Y、バネクラッチ2Yからなる。また、補給駆動ギア9Cについては駆動ギア列16C1,16C2、駆動入力ギア25C、バネクラッチ2Cからなる。そして、ギアの変形等による伝達ロスもステーション17M,17Kの略中間程度である。
【0047】
図11に示す各トナーカートリッジ11のトナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルクから好ましいモータ出力トルクが特定される。そのモータ出力トルクは、スクリュー3を破損させるモータ出力トルクが最も小さい値である。これは、トナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させる図11の「Mトナーカートリッジ破損トルク」で示される。これは、モータ出力トルク(100mNm程度)以下に設定する必要がある。
【0048】
モータ出力トルクはトナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以下に設定している。しかし、輸送時の振動等によりトナーが新品のトナーカートリッジ11M内で固化していた状態ではスクリュー3Mにかかるトルクが高くなる。これにより、トナーカートリッジ11M内のスクリュー3Mを破壊させるモータ出力トルクになってしまう可能性があった。そのため、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以上のトルクがかからないように制御する必要がある。
【0049】
そこで、新品のトナーカートリッジ11Mが画像形成装置内のステーション17Mに設置された場合、CPU300aは、トナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させないために、切替え手段となるソレノイド1Y,1C,1Kを制御する。そして、トナーカートリッジ11M以外のトナーカートリッジ11Y,11C,11Kからもトナーを補給する。そして、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mにかかるモータ出力トルクを、他のトナーカートリッジ11Y,11C,11Kのスクリュー3Y,3C,3Kにも分散させる。これにより、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以上のトルクがかからないように制御する。
【0050】
即ち、読み取り手段となるCPU300aによって不揮発メモリ40Mから読み取ったトナーカートリッジ11Mの新品情報により該トナーカートリッジ11Mが新品であると判断する。その場合には、該トナーカートリッジ11Mの切替え手段となるソレノイド1Mを切替える。更に、該トナーカートリッジ11M以外の少なくとも一つの切替え手段となるソレノイド1Y,1C,1Kを切替える。そして単一の駆動源となるモータ29から複数のスクリュー3へ駆動力を伝達させる。
【0051】
その様子を図12に示す。図12の左側に単一の駆動源となるモータ29のモータ出力トルクを示しており、図11に示すトナーカートリッジ11Mの破損トルク(100mNm程度)よりも大きい(110mNm程度)に設定されている。図12の右側にトナーカートリッジ11Mのタッピングトルクにトナーカートリッジ11Kの定常トルクを上乗せして示している。ここで、定常トルクとは、トナーカートリッジ11内のトナーが固化していない時のスクリュー3にかかるモータ出力トルクである。
【0052】
CPU300aは、新品のトナーカートリッジ11Mからプロセスカートリッジ22Mにトナーを補給する際、トナーカートリッジ11Mにかかるモータ出力トルクを分散させるために、ソレノイド1Mを動作させると共に、ソレノイド1Kも動作させる。即ち、モータ29から最も遠い位置に設けられるステーション17Kのトナーカートリッジ11K内のスクリュー3Kを同時に駆動させる。
【0053】
これにより、単一の駆動源となるモータ29のモータ出力トルクが、モータギア4、駆動入力ギア25M、バネクラッチ2M、補給駆動ギア9Mを介してトナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mにかかる。更に、モータギア4、駆動ギア列16C1、16K、駆動入力ギア25K、バネクラッチ2K、補給駆動ギア9Kを介してトナーカートリッジ11Kのトナー搬送用のスクリュー3Kにも同時にかかる。これによりトナーカートリッジ11Kからプロセスカートリッジ22Kにもトナーが補給される。
【0054】
つまり、単一の駆動源となるモータ29のモータ出力トルクが二つのトナーカートリッジ11M,11Kに分散される。これにより、トナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以上がかからないためスクリュー3Mの破壊を防止できる。
【0055】
尚、新品のトナーカートリッジ11Mと同時に補給するトナーカートリッジ11は、トナーカートリッジ11Kに限ったことではない。各プロセスカートリッジ22に図10に示す複数のトナー収容部26内(現像剤収容部内)のトナーの残量を検知する現像剤残量検知手段となるトナー残量検知センサ20が設けられる。トナー残量検知センサ20の検知結果に基づいて、各プロセスカートリッジ22に対してトナー収容部26内に過補給にならないようなトナーカートリッジ11を適宜選択する。
【0056】
即ち、読み取り手段となるCPU300aによって不揮発メモリ40Mから読み取ったトナーカートリッジ11Mの新品情報により該トナーカートリッジ11Mが新品であると判断する。その場合には、トナー残量検知センサ20の検知結果に応じて該トナーカートリッジ11Mの切替え手段となるソレノイド1Mを切替える。更に、該トナーカートリッジ11M以外(現像剤カートリッジ以外)の少なくとも一つの切替え手段となるソレノイド1Y,1C,1Kを適宜選択して切替える。そして、単一の駆動源となるモータ29から複数のスクリュー3へ同時に駆動力を伝達させる。
【0057】
以下に図13を用いて本実施形態の制御シーケンスについて説明する。先ず図13のステップS101において、画像形成装置本体の内部に設けられたCPU300aがトナーカートリッジ11に取り付けられた不揮発メモリ40に記憶された新品情報を読み取る。次にステップS102において、不揮発メモリ40の新品情報を読み取った結果、新品のトナーカートリッジ11Mがステーション17Mに設置されていない場合はステップS105に進んで通常のトナー補給動作を行う。
【0058】
通常のトナー補給時は、図12の右下側にトナーカートリッジ11Mのタッピングトルクで示すようにトナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以下のトルクである。このためトナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mにかかる負荷トルクを分散させる必要はない。
【0059】
一方、前記ステップS102において、CPU300aによって新品のトナーカートリッジ11Mがステーション17Mに設置されたと判断する。その場合はステップS103において、プロセスカートリッジ22Mを除くプロセスカートリッジ22Y,22C,22Kの各トナー収容部26Y,26C,26K内のトナー残量を各トナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより検知してモニタする。
【0060】
そして、ステップS104において、各トナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより検知したトナー残量の結果に応じて、トナーカートリッジ11Mと同時にトナー補給を行うトナー残量が最も少ないトナーカートリッジ11Y,11C,11Kを選択する。トナー残量が同一であった場合には、予め設定された所定の優先順序に従う。各トナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより各プロセスカートリッジ22Y,22C,22Kの各トナー収容部26Y,26C,26K内のトナー残量をモニタすることで、過補給にならないようにすることが出来る。
【0061】
次に、ステップS105においてCPU300aはトナー補給動作を開始する。このとき、前記ステップS104で選択されたトナーカートリッジ11のソレノイド1を同時に動作させ、トナーカートリッジ11Mと同時に選択されたトナーカートリッジ11へのトナー補給動作を開始する。これにより、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以上のトルクをかけない。
【0062】
尚、上記説明では、新品のトナーカートリッジ11がステーション17Mに設置された場合について説明した。しかし、ステーション17Mに限ったことではない。他のステーション17Y,17C,17Kに新品のトナーカートリッジ11が設置された場合についても同様の制御が可能である。
【0063】
また、本実施形態では、図4に示すように、単一の駆動源としてのモータ29がステーション17Mに最も近い構成の一例について説明した。他に、単一の駆動源としてのモータ29が他のステーション17Y,17C,17Kにそれぞれ最も近い構成の場合についても同様の制御が可能である。
【0064】
上記構成により、画像形成装置内に新品のトナーカートリッジ11が設置された場合、新品のトナーカートリッジ11を除く他のステーション17のトナーカートリッジ11からも同時にトナーを補給する。これにより、新品のトナーカートリッジ11のスクリュー3にかかる負荷トルクを軽減でき、新品のトナーカートリッジ11のスクリュー3の破損を防止できる。
【実施例2】
【0065】
次に図14を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
本実施形態は、前記第1実施形態で説明したように、CPU300aによってステーション17Mに新品のトナーカートリッジ11Mが設置されたと判断する。その場合に、トナーカートリッジ11Mと共に、該トナーカートリッジ11M以外の少なくとも一つのトナーカートリッジ11にも同時にトナー補給を行う点は同一である。本実施形態では、複数のステーション17に新品のトナーカートリッジ11が同時に設置された場合の制御シーケンスを駆動ギア列の段数の多さに応じて順々に補給させる。
【0067】
以下に図14を用いて本実施形態の制御シーケンスについて説明する。先ず図14のステップS201において、画像形成装置本体の内部に設けられたCPU300aがトナーカートリッジ11に取り付けられた不揮発メモリ40に記憶された新品情報を読み取る。次にステップS202において、不揮発メモリ40の新品情報を読み取った結果、新品のトナーカートリッジ11がステーション17に設置されていない場合はステップS210に進んで通常のトナー補給動作を行って終了する。
【0068】
一方、前記ステップS202において、新品のトナーカートリッジ11がステーション17に設置された場合はステップS203に進む。そして、ステップS203において、新品のトナーカートリッジ11Kがステーション17Kに設置された場合はステップS204においてトナーカートリッジ11Kのトナー補給動作を行う。図11に示すように、トナーカートリッジ11Kのスクリュー3Kを破損させるモータ出力トルクは、駆動ギア列の段数が多い程、ギアの変形等によりトナーカートリッジ11Mのスクリュー3Kを破損させるモータ出力トルクと比べて大きくなる。
【0069】
モータ出力トルクは、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以下に設定している。このため、駆動ギア列の段数が多いステーション17から順にトナー補給することで、トナーカートリッジ11のスクリュー3を破損させることなくトナー補給が可能となる。
【0070】
図14のステップS205において、新品のトナーカートリッジ11Y,11Cがステーション17Yもくしはステーション17Cに設置された場合はステップS206に進んでトナーカートリッジ11Y,11Cのトナー補給動作を行う。本実施形態では、図4に示すように、ステーション17Yもしくはステーション17Cは、モータギア4から補給駆動ギア9Y,9Cに至るまでの駆動ギア列の段数が等しいため、トナーカートリッジ11Y,11Cのどちらからトナー補給を開始しても差し支えない。トナーカートリッジ11Y,11Cのトナー補給開始の優先順位は予め設定すれば良い。
【0071】
図14のステップS207において、新品のトナーカートリッジ11Mがステーション17Mに設置された場合はステップS208に進む。ステップS208おいて、トナーカートリッジ11Mのトナー補給動作を行う場合は前記第1実施形態で説明したように、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mの破損トルク以上のモータ出力トルクが掛かる可能性がある。
【0072】
ステップS208では、ステーション17M以外のステーション17Y,17C,17Kのプロセスカートリッジ22Y,22C,22Kのトナー収容部26Y,26C,26K内のトナー残量をトナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより検知する。そして、その検知結果をモニタする。そして、ステップS209において、トナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより検知したトナー残量が最も少ないトナーカートリッジ11を選択する。
【0073】
そして、ステップS210において、トナーカートリッジ11Mにトナー補給動作を行うと同時に、選択されたトナー残量が最も少ないトナーカートリッジ11にトナー補給動作を行う。S210において、CPU300aは、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3を破損させないように、ステップS209で選択されたトナーカートリッジ11のソレノイド1を動作させてトナーカートリッジ11Mと同時にトナー補給動作を開始する。
【0074】
即ち、読み取り手段となるCPU300aによって、不揮発メモリ40から読み取ったトナーカートリッジ11の新品情報により複数のトナーカートリッジ11が新品であると判断する。その場合には、単一の駆動源となるモータ29に対して駆動ギア列の段数が多い順にトナーカートリッジ11の切替え手段となるソレノイド1を切替えて、該モータ29からスクリュー3へ駆動力を伝達させる。
【符号の説明】
【0075】
1,1Y,1M,1C,1K …ソレノイド(切替え手段)
2,2Y,2M,2C,2K …バネクラッチ(切替え手段)
3,3Y,3M,3C,3K …スクリュー(現像剤補給手段)
11,11Y,11M,11C,11K …トナーカートリッジ(現像剤カートリッジ)
29 …モータ(単一の駆動源)
40,40Y,40M,40C,40K …不揮発メモリ(記憶手段)
300a …CPU(読み取り手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、カラーインライン方式の画像形成装置において、感光体ドラム等の像担持体や現像装置を有するプロセスカートリッジと、現像剤(以下、「トナー」という)を収容するためのトナーカートリッジとを有する画像形成装置が知られている。このような構成の画像形成装置においては、トナーカートリッジからプロセスカートリッジにトナーを補給するためのトナー補給手段の駆動源としてステーションごとにモータを有した構成がある。
【0003】
駆動源としてのモータは、画像形成装置の小型化やコストアップ防止、装置の消費電力削減のため、複数のステーションで共通化する構成を採ることがある。この場合、プロセスカートリッジへのトナー補給量を制限するために単一の駆動源であるモータと複数のトナー補給手段との間に駆動の伝達の可否を選択できる構成とすることで、単一のモータから複数のトナー補給手段を選択的に動作させる。
【0004】
トナーは、輸送時の振動等によりトナーカートリッジ内で固化することが知られており、この状態ではトナー補給用回転部材にかかるトルクが高くなる。そのため、画像形成装置に新品のトナーカートリッジを設置した際には、モータからの駆動力を当該新品のトナーカートリッジを設置したステーションのトナー補給用回転部材のみに伝達し、トナーが固化している状態を解消する制御が行われる。
【0005】
しかしながら、トナーカートリッジ内でトナーが過度に固化した場合、トナー補給用回転部材に過度の負荷が作用するため、トナー補給用回転部材を破損させる可能性がある。
【0006】
そこで例えば、特許文献1では、モータからトナー補給用回転部材の作動部まで複数のギアを介して駆動する構成において、負荷トルクが所定の値を上回る場合には、トナー補給用回転部材への駆動伝達を遮断するトルクリミッタを有した構成となっている。これにより、トナー補給用回転部材に過度の負荷が作用した場合であってもモータにロックがかかるためトナー補給用回転部材が破損することを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−175984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前述の特許文献1の技術では、カラー画像形成装置のように複数のトナーカートリッジを有する構成においては、全てのステーションにトルクリミッタを配置しなければならず、コストアップとなる懸念があった。また、どのトナーカートリッジでトルクが異常に高くなっているのかを判別するためにトルクリミッタを配置した周辺のギアに回転検知センサを配置する必要があった。
【0009】
本発明は前記課題を解決するものであり、その目的とするところは、現像剤補給手段にかかる負荷トルクが異常に高くなる場合であっても現像剤補給手段の破損を防止し得る画像形成装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、複数の現像手段にそれぞれ設けられ、現像剤を収容する複数の現像剤収容部と、前記複数の現像剤収容部にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の現像剤収容部に補給するための現像剤をそれぞれ収容する複数の現像剤カートリッジと、前記複数の現像剤カートリッジ内の現像剤を、それぞれ対応する前記現像剤収容部に補給する複数の現像剤補給手段と、前記複数の現像剤補給手段を駆動する単一の駆動源と、前記複数の現像剤補給手段にそれぞれ対応して設けられ、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段への駆動力の伝達または遮断をそれぞれ切替え可能な複数の切替え手段と、前記現像剤カートリッジの新品情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段から前記現像剤カートリッジの新品情報を読み取る読み取り手段とを備え、前記読み取り手段によって読み取った前記現像剤カートリッジの新品情報により前記現像剤カートリッジが新品である場合には、当該現像剤カートリッジの前記切替え手段と、当該現像剤カートリッジ以外の少なくとも一つの前記切替え手段とを切替えて、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段へ駆動力を伝達させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
上記構成によれば、単一の駆動源から複数の現像剤補給手段を選択的に動作させる構成において、新品の現像剤カートリッジが画像形成装置に設置された場合、新品の現像剤カートリッジを除く他のステーションの現像剤カートリッジからも同時に現像剤を補給する。これにより、新品の現像剤カートリッジの現像剤補給手段にかかるトルクを軽減でき、新品の現像剤カートリッジの現像剤補給手段の過負荷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成図である。
【図2】図1の画像形成装置が具備するカートリッジの概略構成図である。
【図3】現像剤補給手段の構成を示す図である。
【図4】図1の画像形成装置が具備する単一の駆動源から複数の現像剤補給手段に至る駆動ギア列の構成を示す斜視説明図である。
【図5】切替え手段の構成を示す説明図である。
【図6】制御系の構成を示すブロック図である。
【図7】単一の駆動源となる直流(DC)ブラシレスモータの駆動回路構成を説明する図である。
【図8】単一の駆動源となる直流(DC)ブラシレスモータの駆動制御を説明する図である。
【図9】単一の駆動源となる直流(DC)ブラシレスモータの出力トルク−電流特性を示す図である。
【図10】記憶手段となる不揮発メモリに記憶された現像剤カートリッジの新品情報により切替え手段を制御する構成を示すブロック図である。
【図11】現像剤カートリッジの現像剤補給手段を破損させるモータ出力トルクの一例を示す図である。
【図12】モータ出力トルクを新品の現像剤カートリッジの現像剤補給手段と、その他の現像剤カートリッジの現像剤補給手段とに分散させて新品の現像剤カートリッジの現像剤補給手段の破損を回避する様子を示す図である。
【図13】第1実施形態の制御動作を説明するフローチャートである。
【図14】第2実施形態の制御動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図により本発明に係る画像形成装置の一実施形態を具体的に説明する。
【実施例1】
【0014】
以下、図1〜図13を用いて本発明に係る画像形成装置の第1実施形態の構成について説明する。
【0015】
図1において、本実施形態に係る画像形成装置は、中間転写ベルト13に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像形成部19Y,19M,19C,19Kを配置したタンデム型フルカラー複写機の一例である。
【0016】
尚、図1では各色毎に画像形成部19Y,19M,19C,19Kのように示したが、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各画像形成ステーション(以下、単に「ステーション」という)17の画像形成部19は同様の構成である。以下の説明では、一つの画像形成ステーション17について説明を行い、Y,M,C,Kの符号を省略して単に画像形成部19を用いて説明する場合もある。他の各部品についても同様である。
【0017】
各色のステーション17毎に像担持体としての感光ドラム5Y,5M,5C,5Kと、帯電手段としての一次帯電器7Y,7M,7C,7Kを備えたプロセスカートリッジ22Y,22M,22C,22Kを有する。また、複数の現像手段としての現像装置8Y,8M,8C,8K、露光手段としてのスキャナ10Y,10M,10C,10Kを有する。また、画像形成装置本体に対して着脱可能な複数の現像剤カートリッジとしてのトナーカートリッジ11Y,11M,11C,11Kを有する。また、一次転写手段6Y,6M,6C,6K、給送手段となる給送ローラ12、二次転写手段となる二次転写ローラ18、及び定着手段となる定着装置15等を有する。
【0018】
各色毎の画像形成部19Y,19M,19C,19Kにより形成された各色毎のトナー画像が中間転写ベルト13に重畳して転写される。その後、給送ローラ12により給送された記録媒体となるシート材21が中間転写ベルト13と二次転写ローラ24とのニップ部に搬送され、中間転写ベルト13に転写されたトナー画像がシート材21に一括転写される。その後、定着装置15でトナー画像が定着された後、機外へ排出される。
【0019】
図2はプロセスカートリッジ22及びトナーカートリッジ11の概略構成を示す断面図である。図2において、トナーカートリッジ11は、現像剤となるトナーを補給するための現像剤補給手段としてのスクリュー3と、トナーカートリッジ11内(現像剤カートリッジ内)のトナーを攪拌するためのトナー攪拌部材14とを有して構成されている。トナーカートリッジ11とプロセスカートリッジ22との間には開閉可能なトナー補給シャッタ401が設けられる。
【0020】
プロセスカートリッジ22は、それぞれ現像装置8を有する。更に該現像装置8にそれぞれ設けられ、現像剤を収容する複数の現像剤収容部としてのトナー収容部26を有する。更に、バッファ部攪拌部材502、供給ローラ501、感光ドラム5、一次帯電器7を有して構成されている。ここで、バッファ部攪拌部材502は、トナーカートリッジ11から補給されたトナーを攪拌するものである。また、供給ローラ501は、現像ローラ23にトナーを供給するものである。トナーカートリッジ11はトナー収容部26にそれぞれ対応して設けられ、該トナー収容部26に補給するための現像剤となるトナーをそれぞれ収容する。
【0021】
スクリュー3は、トナーカートリッジ11内のトナーを、それぞれ対応するトナー収容部26に補給する。複数のスクリュー3を図4に示す画像形成装置に設けられた単一の駆動源となるモータ29よって駆動すると、トナーをトナーカートリッジ11からプロセスカートリッジ22のトナー収容部26に補給することができる。
【0022】
スクリュー3は、トナーカートリッジ11内のトナーを図3の矢印a方向に向けて搬送し、トナー補給シャッタ401が開くとプロセスカートリッジ22のトナー収容部26内にトナーを補給する。
【0023】
図4は画像形成装置のトナー補給駆動伝達系を示す斜視図である。図4に示すように、単一の駆動源としてのモータ29に取り付けられたモータギア4から駆動ギア列となる駆動入力ギア25Mを介してステーション17Mのバネクラッチ2Mに駆動が伝達される。尚、ステーション17Mの駆動入力ギア25Mについても他のステーション17と同様に複数のギアからなる駆動ギア列を介してモータ29に取り付けられたモータギア4からステーション17Mのバネクラッチ2Mに駆動が伝達される構成であっても良い。
【0024】
また、駆動ギア列16Y及び駆動ギア列を構成する駆動入力ギア25Yを介してモータギア4からステーション17Yのバネクラッチ2Yに駆動が伝達される。また、駆動ギア列16C1,16C2及び駆動ギア列を構成する駆動入力ギア25Cを介してモータギア4からステーション17Cのバネクラッチ2Cに駆動が伝達される。また、駆動ギア列16C1,16K及び駆動ギア列を構成する駆動入力ギア25Kを介してモータギア4からステーション17Kのバネクラッチ2Kに駆動が伝達される。
【0025】
各ステーション17Y,17M,17C,17Kのバネクラッチ2Y,2M,2C,2Kの駆動伝達下流側には、図5に示すように、ソレノイド1Y,1M,1C,1K及び補給駆動ギア9Y,9M,9C,9Kが取り付けられている。各補給駆動ギア9は、単一の駆動源としてのモータ29からの駆動力をそれぞれのトナーカートリッジ11内に設けられたスクリュー3に伝達する。
【0026】
図5は複数のスクリュー3にそれぞれ対応して設けられ、単一の駆動源となるモータ29から各スクリュー3への駆動力の伝達または遮断をそれぞれ切替え可能な複数の切替え手段を構成するバネクラッチ2及びソレノイド1を示す。
【0027】
各バネクラッチ2は駆動入力ギア25Y,25M,25C,25Kにそれぞれ伝達された駆動力を補給駆動ギア9を介してスクリュー3へ伝達または遮断する。単一の駆動源としてのモータ29から図4に示すそれぞれの各駆動ギア列を介して各ステーション17Y,17M,17C,17Kの駆動入力ギア25Y,25M,25C,25Kに駆動力が伝達される。バネクラッチ2はその駆動力を補給駆動ギア9を介してスクリュー3へ伝達または遮断する切替えを行う。ソレノイド1は制御手段となる制御部300により制御されてバネクラッチ2による駆動力の伝達または遮断を切替制御する。
【0028】
図5に示すように、単一の駆動源としてのモータ29から図4に示すそれぞれの各駆動ギア列及び駆動入力ギア25を経て、バネクラッチ2の入力ギア2aに駆動が入力される。バネクラッチ2は、ソレノイド1のフラッパ1aがバネクラッチ2の爪部2cに係止されている間はバネクラッチ2の出力ギア2bに駆動が伝達されず、入力ギア2aのみが空転する。
【0029】
ソレノイド1のフラッパ1aが図5の矢印b方向に動作すると、フラッパ1aがバネクラッチ2の爪部2cの係止から解除されてバネクラッチ2の入力ギア2aから出力ギア2bに駆動が伝達されて図5の矢印d方向に回転する。そして、該出力ギア2bの駆動伝達下流側に噛合された補給駆動ギア9に駆動力が伝達される。補給駆動ギア9は補給駆動軸9aと固定されており、該補給駆動軸9aには補給カップリング9bが取り付けられている。補給カップリング9bは画像形成装置の駆動インターフェースである。
【0030】
図6は、画像形成装置全体の制御系の構成を示すブロック図である。図6に示すように、画像形成装置は、CPU(中央演算装置)300aと、RAM(ランダムアクセスメモリ)300b等から構成される制御部300を有しており、該制御部300は画像形成装置の各機器における全体的な制御を司っている。
【0031】
制御部300には、プロセスカートリッジ22Y,22M,22C,22K、スクリュー3への駆動切替えを行うソレノイド1Y,1M,1C,1K、単一の駆動源としてのモータ29が接続されている。また、単一の駆動源としてのモータ29から図4に示す各駆動ギア列を介してバネクラッチ2Y,2M,2C,2Kに駆動力が伝達される。
【0032】
制御部300は、何れかのステーション17Y,17M,17C,17Kのプロセスカートリッジ22からトナー補給要求を受けると、トナー補給要求を受けたステーション17のソレノイド1の動作を行う信号を発信する。それによって、単一の駆動源としてのモータ29からの駆動がバネクラッチ2を経由してトナーカートリッジ11のスクリュー3に伝わり、トナー補給動作が開始されてプロセスカートリッジ22にトナーが補給される。
【0033】
単一の駆動源としてのモータ29は、直流(DC)ブラシレスモータで構成されている。図7はDCブラシレスモータの駆動回路構成であり、結線されたコイル45〜47と、ロータ48が備えられている。さらにロータ48の位置検出手段としてホール素子49〜51を備えており、このホール素子49〜51は磁界を検知することにより半導体片の両端に電圧が表れる素子であり、その出力電圧を検知することによりロータ48の位置検出が可能となる。その出力電圧はアンプ52で増幅され、モータ駆動制御回路32に入力される。
【0034】
また、31はモータ29の駆動回路部である。駆動回路部31はモータ29に流す電流を制限する図示しない電流リミッタ回路を有する。更に、モータ駆動制御回路32と、ハイ側のFET(Field effect transistor;電界効果トランジスタ)33〜35と、ロー側のFET36〜38とを備えている。
【0035】
これらの各FET33〜38はそれぞれがコイル45〜47の各端子U,V,Wに接続されており、モータ駆動制御回路32から出力される相切り替え信号に従って各FET33〜38をON/OFF制御して順次励磁する相を切り替えてロータ48を回転させる。
【0036】
また前記相切り替え信号はCPU30の出力ポートからの駆動信号及びホール素子49〜51から発生するロータ48の位置信号を検出してモータ駆動制御回路32により生成される。相切り替えに関するモータ29の回転に関してはコイル45〜47の各端子U,V,Wの電位を図8に示す(1)〜(12)の順序で切り替えることにより各相が順次励磁され、モータ29が回転する。尚、図8中の「H」はON状態が続く信号である。「L」はOFF状態が続く信号である。また、図8中の「PWM(Pulse Width Modulation;パルス幅変調)」はON/OFFが一定周期で繰り返される信号である。
【0037】
DCブラシレスモータの電流値と出力トルクとの関係を図9に示す。DCブラシレスモータは、モータ29にかかる負荷トルクが増加すると該モータ29に流れる電流も増加する。図9の横軸上に示す出力トルクTの値は、モータ29にかけることができる負荷トルクの限界値で、モータ29にかかる負荷トルクが出力トルクTのトルク値を超えると、モータ29は回転することができなくなり停止する。モータ29が停止すると、ホール素子49〜51でロータ48が停止していることを検出し、モータ駆動制御回路32がロック信号を制御部300に出力する。
【0038】
画像形成部19Y,19M,19C,19Kには、トナーカートリッジ11Y,11M,11C,11Kが着脱可能に装着される。トナーカートリッジ11Y,11M,11C,11Kには図10に示すようにそれぞれ各トナーカートリッジ11の新品情報を記憶する記憶手段となる不揮発メモリ40Y,40M,40C,40Kが貼付されている。
【0039】
CPU300aは、不揮発メモリ40Y,40M,40C,40Kと通信して、該不揮発メモリ40から各トナーカートリッジ11の新品情報を読み取って取得する読み取り手段を兼ねる。また、CPU300aは、演算機能を備えたハードウェアとその演算動作を規定するソフトウェアとを備えて画像形成部19Y、19M、19C、19Kを動作制御する。
【0040】
トナーは粉体状であるため、トナーカートリッジ11は輸送時等の振動を受けると、一部分が固化した状態となる。固化した状態のトナーカートリッジ11が画像形成装置に設置され、プロセスカートリッジ22に対してトナーを補給すると、トナーカートリッジ11内のトナー搬送用のスクリュー3にかかる負荷トルクは大きくなる。そのため、トナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルク以上の負荷トルクがかかる可能性があった。
【0041】
図4に示すトナー補給の駆動伝達構成においては、各トナーカートリッジ11のトナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルクは同一である。しかし、モータギア4から各補給駆動ギア9までの駆動ギア列の段数が各ステーション17Y,17M,17C,17K相互間で異なる。
【0042】
このため、駆動ギア列の段数が多い程、ギアの変形等による伝達ロスの影響を受ける。そして、トナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルクは各ステーション17Y,17M,17C,17K相互間で異なる。その様子を図11に示す。図11は、各トナーカートリッジ11のトナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルクを示した図である。
【0043】
図4において、単一の駆動源となるモータ29が直近に設けられるステーション17Mにおいてトナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルクを図11の「Mトナーカートリッジ破損トルク」で示す。図11の「Mトナーカートリッジ破損トルク」は最も小さい値(100mNm程度)となる。これは、モータギア4から補給駆動ギア9Mに至る駆動ギア列のギア段数が、駆動入力ギア25Mとバネクラッチ2Mのみからなり、最も少ないためギアの変形等による伝達ロスが最も小さいためである。
【0044】
一方、単一の駆動源となるモータ29が最も遠い位置に設けられるステーション17Kにおいてトナーカートリッジ11Kのトナー搬送用のスクリュー3Kを破損させるモータ出力トルクを図11の「Kトナーカートリッジ破損トルク」で示す。図11の「Kトナーカートリッジ破損トルク」は最も大きい値(160mNm程度)となる。これは、モータギア4から補給駆動ギア9Kに至る駆動ギア列のギア段数が、駆動ギア列16C1,16K、駆動入力ギア25M、バネクラッチ2Mからなり、最も多いためギアの変形等による伝達ロスが最も大きく影響を受けるからである。
【0045】
また、ステーション17Y,17Cでは単一の駆動源となるモータ29がステーション17M,17Kの略中間位置に設けられる。ステーション17Y,17Cにおいてトナーカートリッジ11Y,11Cのそれぞれのトナー搬送用のスクリュー3Y,3Cを破損させるモータ出力トルクを図11の「Y,Cトナーカートリッジ破損トルク」で示す。図11の「Y,Cトナーカートリッジ破損トルク」は上記ステーション17M,17Kの場合の略中間程度の値(140mNm程度)となる。
【0046】
モータギア4からそれぞれの補給駆動ギア9Y,9Cに至る駆動ギア列のギア段数が、補給駆動ギア9Yについては駆動ギア列16Y、駆動入力ギア25Y、バネクラッチ2Yからなる。また、補給駆動ギア9Cについては駆動ギア列16C1,16C2、駆動入力ギア25C、バネクラッチ2Cからなる。そして、ギアの変形等による伝達ロスもステーション17M,17Kの略中間程度である。
【0047】
図11に示す各トナーカートリッジ11のトナー搬送用のスクリュー3を破損させるモータ出力トルクから好ましいモータ出力トルクが特定される。そのモータ出力トルクは、スクリュー3を破損させるモータ出力トルクが最も小さい値である。これは、トナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させる図11の「Mトナーカートリッジ破損トルク」で示される。これは、モータ出力トルク(100mNm程度)以下に設定する必要がある。
【0048】
モータ出力トルクはトナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以下に設定している。しかし、輸送時の振動等によりトナーが新品のトナーカートリッジ11M内で固化していた状態ではスクリュー3Mにかかるトルクが高くなる。これにより、トナーカートリッジ11M内のスクリュー3Mを破壊させるモータ出力トルクになってしまう可能性があった。そのため、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以上のトルクがかからないように制御する必要がある。
【0049】
そこで、新品のトナーカートリッジ11Mが画像形成装置内のステーション17Mに設置された場合、CPU300aは、トナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させないために、切替え手段となるソレノイド1Y,1C,1Kを制御する。そして、トナーカートリッジ11M以外のトナーカートリッジ11Y,11C,11Kからもトナーを補給する。そして、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mにかかるモータ出力トルクを、他のトナーカートリッジ11Y,11C,11Kのスクリュー3Y,3C,3Kにも分散させる。これにより、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以上のトルクがかからないように制御する。
【0050】
即ち、読み取り手段となるCPU300aによって不揮発メモリ40Mから読み取ったトナーカートリッジ11Mの新品情報により該トナーカートリッジ11Mが新品であると判断する。その場合には、該トナーカートリッジ11Mの切替え手段となるソレノイド1Mを切替える。更に、該トナーカートリッジ11M以外の少なくとも一つの切替え手段となるソレノイド1Y,1C,1Kを切替える。そして単一の駆動源となるモータ29から複数のスクリュー3へ駆動力を伝達させる。
【0051】
その様子を図12に示す。図12の左側に単一の駆動源となるモータ29のモータ出力トルクを示しており、図11に示すトナーカートリッジ11Mの破損トルク(100mNm程度)よりも大きい(110mNm程度)に設定されている。図12の右側にトナーカートリッジ11Mのタッピングトルクにトナーカートリッジ11Kの定常トルクを上乗せして示している。ここで、定常トルクとは、トナーカートリッジ11内のトナーが固化していない時のスクリュー3にかかるモータ出力トルクである。
【0052】
CPU300aは、新品のトナーカートリッジ11Mからプロセスカートリッジ22Mにトナーを補給する際、トナーカートリッジ11Mにかかるモータ出力トルクを分散させるために、ソレノイド1Mを動作させると共に、ソレノイド1Kも動作させる。即ち、モータ29から最も遠い位置に設けられるステーション17Kのトナーカートリッジ11K内のスクリュー3Kを同時に駆動させる。
【0053】
これにより、単一の駆動源となるモータ29のモータ出力トルクが、モータギア4、駆動入力ギア25M、バネクラッチ2M、補給駆動ギア9Mを介してトナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mにかかる。更に、モータギア4、駆動ギア列16C1、16K、駆動入力ギア25K、バネクラッチ2K、補給駆動ギア9Kを介してトナーカートリッジ11Kのトナー搬送用のスクリュー3Kにも同時にかかる。これによりトナーカートリッジ11Kからプロセスカートリッジ22Kにもトナーが補給される。
【0054】
つまり、単一の駆動源となるモータ29のモータ出力トルクが二つのトナーカートリッジ11M,11Kに分散される。これにより、トナーカートリッジ11Mのトナー搬送用のスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以上がかからないためスクリュー3Mの破壊を防止できる。
【0055】
尚、新品のトナーカートリッジ11Mと同時に補給するトナーカートリッジ11は、トナーカートリッジ11Kに限ったことではない。各プロセスカートリッジ22に図10に示す複数のトナー収容部26内(現像剤収容部内)のトナーの残量を検知する現像剤残量検知手段となるトナー残量検知センサ20が設けられる。トナー残量検知センサ20の検知結果に基づいて、各プロセスカートリッジ22に対してトナー収容部26内に過補給にならないようなトナーカートリッジ11を適宜選択する。
【0056】
即ち、読み取り手段となるCPU300aによって不揮発メモリ40Mから読み取ったトナーカートリッジ11Mの新品情報により該トナーカートリッジ11Mが新品であると判断する。その場合には、トナー残量検知センサ20の検知結果に応じて該トナーカートリッジ11Mの切替え手段となるソレノイド1Mを切替える。更に、該トナーカートリッジ11M以外(現像剤カートリッジ以外)の少なくとも一つの切替え手段となるソレノイド1Y,1C,1Kを適宜選択して切替える。そして、単一の駆動源となるモータ29から複数のスクリュー3へ同時に駆動力を伝達させる。
【0057】
以下に図13を用いて本実施形態の制御シーケンスについて説明する。先ず図13のステップS101において、画像形成装置本体の内部に設けられたCPU300aがトナーカートリッジ11に取り付けられた不揮発メモリ40に記憶された新品情報を読み取る。次にステップS102において、不揮発メモリ40の新品情報を読み取った結果、新品のトナーカートリッジ11Mがステーション17Mに設置されていない場合はステップS105に進んで通常のトナー補給動作を行う。
【0058】
通常のトナー補給時は、図12の右下側にトナーカートリッジ11Mのタッピングトルクで示すようにトナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以下のトルクである。このためトナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mにかかる負荷トルクを分散させる必要はない。
【0059】
一方、前記ステップS102において、CPU300aによって新品のトナーカートリッジ11Mがステーション17Mに設置されたと判断する。その場合はステップS103において、プロセスカートリッジ22Mを除くプロセスカートリッジ22Y,22C,22Kの各トナー収容部26Y,26C,26K内のトナー残量を各トナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより検知してモニタする。
【0060】
そして、ステップS104において、各トナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより検知したトナー残量の結果に応じて、トナーカートリッジ11Mと同時にトナー補給を行うトナー残量が最も少ないトナーカートリッジ11Y,11C,11Kを選択する。トナー残量が同一であった場合には、予め設定された所定の優先順序に従う。各トナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより各プロセスカートリッジ22Y,22C,22Kの各トナー収容部26Y,26C,26K内のトナー残量をモニタすることで、過補給にならないようにすることが出来る。
【0061】
次に、ステップS105においてCPU300aはトナー補給動作を開始する。このとき、前記ステップS104で選択されたトナーカートリッジ11のソレノイド1を同時に動作させ、トナーカートリッジ11Mと同時に選択されたトナーカートリッジ11へのトナー補給動作を開始する。これにより、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以上のトルクをかけない。
【0062】
尚、上記説明では、新品のトナーカートリッジ11がステーション17Mに設置された場合について説明した。しかし、ステーション17Mに限ったことではない。他のステーション17Y,17C,17Kに新品のトナーカートリッジ11が設置された場合についても同様の制御が可能である。
【0063】
また、本実施形態では、図4に示すように、単一の駆動源としてのモータ29がステーション17Mに最も近い構成の一例について説明した。他に、単一の駆動源としてのモータ29が他のステーション17Y,17C,17Kにそれぞれ最も近い構成の場合についても同様の制御が可能である。
【0064】
上記構成により、画像形成装置内に新品のトナーカートリッジ11が設置された場合、新品のトナーカートリッジ11を除く他のステーション17のトナーカートリッジ11からも同時にトナーを補給する。これにより、新品のトナーカートリッジ11のスクリュー3にかかる負荷トルクを軽減でき、新品のトナーカートリッジ11のスクリュー3の破損を防止できる。
【実施例2】
【0065】
次に図14を用いて本発明に係る画像形成装置の第2実施形態の構成について説明する。尚、前記第1実施形態と同様に構成したものは同一の符号を付して説明を省略する。
【0066】
本実施形態は、前記第1実施形態で説明したように、CPU300aによってステーション17Mに新品のトナーカートリッジ11Mが設置されたと判断する。その場合に、トナーカートリッジ11Mと共に、該トナーカートリッジ11M以外の少なくとも一つのトナーカートリッジ11にも同時にトナー補給を行う点は同一である。本実施形態では、複数のステーション17に新品のトナーカートリッジ11が同時に設置された場合の制御シーケンスを駆動ギア列の段数の多さに応じて順々に補給させる。
【0067】
以下に図14を用いて本実施形態の制御シーケンスについて説明する。先ず図14のステップS201において、画像形成装置本体の内部に設けられたCPU300aがトナーカートリッジ11に取り付けられた不揮発メモリ40に記憶された新品情報を読み取る。次にステップS202において、不揮発メモリ40の新品情報を読み取った結果、新品のトナーカートリッジ11がステーション17に設置されていない場合はステップS210に進んで通常のトナー補給動作を行って終了する。
【0068】
一方、前記ステップS202において、新品のトナーカートリッジ11がステーション17に設置された場合はステップS203に進む。そして、ステップS203において、新品のトナーカートリッジ11Kがステーション17Kに設置された場合はステップS204においてトナーカートリッジ11Kのトナー補給動作を行う。図11に示すように、トナーカートリッジ11Kのスクリュー3Kを破損させるモータ出力トルクは、駆動ギア列の段数が多い程、ギアの変形等によりトナーカートリッジ11Mのスクリュー3Kを破損させるモータ出力トルクと比べて大きくなる。
【0069】
モータ出力トルクは、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mを破損させるモータ出力トルク以下に設定している。このため、駆動ギア列の段数が多いステーション17から順にトナー補給することで、トナーカートリッジ11のスクリュー3を破損させることなくトナー補給が可能となる。
【0070】
図14のステップS205において、新品のトナーカートリッジ11Y,11Cがステーション17Yもくしはステーション17Cに設置された場合はステップS206に進んでトナーカートリッジ11Y,11Cのトナー補給動作を行う。本実施形態では、図4に示すように、ステーション17Yもしくはステーション17Cは、モータギア4から補給駆動ギア9Y,9Cに至るまでの駆動ギア列の段数が等しいため、トナーカートリッジ11Y,11Cのどちらからトナー補給を開始しても差し支えない。トナーカートリッジ11Y,11Cのトナー補給開始の優先順位は予め設定すれば良い。
【0071】
図14のステップS207において、新品のトナーカートリッジ11Mがステーション17Mに設置された場合はステップS208に進む。ステップS208おいて、トナーカートリッジ11Mのトナー補給動作を行う場合は前記第1実施形態で説明したように、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3Mの破損トルク以上のモータ出力トルクが掛かる可能性がある。
【0072】
ステップS208では、ステーション17M以外のステーション17Y,17C,17Kのプロセスカートリッジ22Y,22C,22Kのトナー収容部26Y,26C,26K内のトナー残量をトナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより検知する。そして、その検知結果をモニタする。そして、ステップS209において、トナー残量検知センサ20Y,20C,20Kにより検知したトナー残量が最も少ないトナーカートリッジ11を選択する。
【0073】
そして、ステップS210において、トナーカートリッジ11Mにトナー補給動作を行うと同時に、選択されたトナー残量が最も少ないトナーカートリッジ11にトナー補給動作を行う。S210において、CPU300aは、トナーカートリッジ11Mのスクリュー3を破損させないように、ステップS209で選択されたトナーカートリッジ11のソレノイド1を動作させてトナーカートリッジ11Mと同時にトナー補給動作を開始する。
【0074】
即ち、読み取り手段となるCPU300aによって、不揮発メモリ40から読み取ったトナーカートリッジ11の新品情報により複数のトナーカートリッジ11が新品であると判断する。その場合には、単一の駆動源となるモータ29に対して駆動ギア列の段数が多い順にトナーカートリッジ11の切替え手段となるソレノイド1を切替えて、該モータ29からスクリュー3へ駆動力を伝達させる。
【符号の説明】
【0075】
1,1Y,1M,1C,1K …ソレノイド(切替え手段)
2,2Y,2M,2C,2K …バネクラッチ(切替え手段)
3,3Y,3M,3C,3K …スクリュー(現像剤補給手段)
11,11Y,11M,11C,11K …トナーカートリッジ(現像剤カートリッジ)
29 …モータ(単一の駆動源)
40,40Y,40M,40C,40K …不揮発メモリ(記憶手段)
300a …CPU(読み取り手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
複数の現像手段にそれぞれ設けられ、現像剤を収容する複数の現像剤収容部と、
前記複数の現像剤収容部にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の現像剤収容部に補給するための現像剤をそれぞれ収容する複数の現像剤カートリッジと、
前記複数の現像剤カートリッジ内の現像剤を、それぞれ対応する前記現像剤収容部に補給する複数の現像剤補給手段と、
前記複数の現像剤補給手段を駆動する単一の駆動源と、
前記複数の現像剤補給手段にそれぞれ対応して設けられ、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段への駆動力の伝達または遮断をそれぞれ切替え可能な複数の切替え手段と、
前記現像剤カートリッジの新品情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記現像剤カートリッジの新品情報を読み取る読み取り手段と、
を備え、
前記読み取り手段によって読み取った前記現像剤カートリッジの新品情報により前記現像剤カートリッジが新品である場合には、当該現像剤カートリッジの前記切替え手段と、当該現像剤カートリッジ以外の少なくとも一つの前記切替え手段とを切替えて、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段へ駆動力を伝達させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の現像剤収容部内の現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段を備え、
前記読み取り手段によって読み取った前記現像剤カートリッジの新品情報により前記現像剤カートリッジが新品である場合には、前記現像剤残量検知手段の検知結果に応じて、当該現像剤カートリッジ以外の少なくとも一つの前記切替え手段を選択し、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段へ駆動力を伝達させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記読み取り手段によって読み取った前記現像剤カートリッジの新品情報により前記複数の現像剤カートリッジが新品である場合には、前記単一の駆動源に対して駆動ギア列の段数が多い前記現像剤カートリッジの前記切替え手段から切替えて、前記単一の駆動源から前記現像剤補給手段へ駆動力を伝達させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、
複数の現像手段にそれぞれ設けられ、現像剤を収容する複数の現像剤収容部と、
前記複数の現像剤収容部にそれぞれ対応して設けられ、前記複数の現像剤収容部に補給するための現像剤をそれぞれ収容する複数の現像剤カートリッジと、
前記複数の現像剤カートリッジ内の現像剤を、それぞれ対応する前記現像剤収容部に補給する複数の現像剤補給手段と、
前記複数の現像剤補給手段を駆動する単一の駆動源と、
前記複数の現像剤補給手段にそれぞれ対応して設けられ、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段への駆動力の伝達または遮断をそれぞれ切替え可能な複数の切替え手段と、
前記現像剤カートリッジの新品情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記現像剤カートリッジの新品情報を読み取る読み取り手段と、
を備え、
前記読み取り手段によって読み取った前記現像剤カートリッジの新品情報により前記現像剤カートリッジが新品である場合には、当該現像剤カートリッジの前記切替え手段と、当該現像剤カートリッジ以外の少なくとも一つの前記切替え手段とを切替えて、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段へ駆動力を伝達させることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の現像剤収容部内の現像剤の残量を検知する現像剤残量検知手段を備え、
前記読み取り手段によって読み取った前記現像剤カートリッジの新品情報により前記現像剤カートリッジが新品である場合には、前記現像剤残量検知手段の検知結果に応じて、当該現像剤カートリッジ以外の少なくとも一つの前記切替え手段を選択し、前記単一の駆動源から前記複数の現像剤補給手段へ駆動力を伝達させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記読み取り手段によって読み取った前記現像剤カートリッジの新品情報により前記複数の現像剤カートリッジが新品である場合には、前記単一の駆動源に対して駆動ギア列の段数が多い前記現像剤カートリッジの前記切替え手段から切替えて、前記単一の駆動源から前記現像剤補給手段へ駆動力を伝達させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−247475(P2012−247475A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116734(P2011−116734)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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