説明

画像形成装置

【課題】いわゆるロータリー現像方式の画像形成装置において、高湿環境下での現像装置内のトナー帯電量の低下を抑制し、現像装置からのトナー飛散を防止する。
【解決手段】装置本体の主電源がオフとされたときや一連の画像形成が終了したとき等に、ソレノイドSへの通電を停止して、カム板61を軸62を中心として反時計回りに回転させる。すると、カム板61の外方端とレバー部材51の当接部53との当接が解除され、レバー部材51はねじりコイルばね54の付勢力によって回転ラック10の方向に移動し、蓋部材56がケース12の開口部14を封止し、ケース12を密封する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリやそれらの機能を複合的に備えた画像形成装置に関し、より詳細には、複数の現像装置を回転ラックに装着し、所望の現像装置を現像位置に回転移動させて現像を行う画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において現像は、現像装置の現像ローラー表面に担持された帯電トナーを感光体表面の静電潜像に供給することにより行われる。トナーは、撹拌等によって摩擦帯電されるが、高湿環境下では自然放電によってトナーの帯電量が低くなることが知られている。帯電量の低いトナーは、現像ローラーから脱離しやすく現像装置の周囲に飛散して画像不良等の不具合を生じさせることがある。
【0003】
複数の現像装置を回転ラックに装着し、所望の現像装置を現像位置に回転移動させて現像を行ういわゆるロータリー現像方式の画像形成装置では、現像装置の回転によってこのようなトナー飛散が特に生じやすい。
【0004】
そこで、例えば特許文献1では、ロータリー現像方式の画像形成装置において、トナー飛散を防止するため現像ロータリー全体を円筒状のカバーで覆う技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9-269655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記提案技術では、カバーから外にトナーが飛散することは防止できると考えられるものの、カバーに開口部があるので設置環境の湿度の影響は避けられず、トナー帯電量の低下による現像装置からのトナー飛散は抑制できない。
【0007】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、いわゆるロータリー現像方式の画像形成装置において、高湿環境下での現像装置内のトナー帯電量の低下を抑制し、現像装置からのトナー飛散を防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成する本発明に係る画像形成装置は、トナーを収容したケースと、前記ケースに形成された開口部から一部が露出した現像剤担持体とを備えた複数の現像装置が回転ラックに装着され、前記回転ラックが回転することで、所望の現像装置が、前記現像剤担持体と像担持体とが対向する現像位置に移動し、前記像担持体上に各色トナー画像を順に形成する画像形成装置であって、装置本体に、現像装置の開口部を封止する開閉自在のカバー手段を設け、現像装置が非現像位置にあるとき、すべての現像装置の開口部を前記カバー手段で封止し前記ケースを密封することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記カバー手段が、揺動自在のレバー部材と、前記レバー部材の一方端に設けられた、現像装置の開口部を封止する蓋部材と、前記蓋部材が前記開口部を封止する方向に前記レバー部材を常に付勢する付勢部材と、前記レバー部材に当接して前記付勢部材の付勢力に抗して前記レバー部材を移動させ、前記蓋部材を、前記ケースの開口部を封止する閉位置から前記ケースの開口部を開放する開位置に移動させるカム部材とを有し、所望の現像装置が現像位置にあるときは、前記カム部材によって前記蓋部材は開位置とされ、すべての現像装置が非現像位置にあるときは、前記付勢部材による付勢力によって前記蓋部材が閉位置とされるようにしてもよい。
【0010】
前記カバー手段は、前記カム部材を変位させて前記レバー部材を開位置とする駆動手段をさらに有してもよい。
【0011】
あるいは、前記カム部材を、回転ラックと同期して回転する、外周面に凹部が形成された円盤とすると共に、前記レバー部材に、前記カム部材の方向に突出し、前記付勢部材による付勢力によって前記カム部材の外周面と常に接触する延出部を設け、所望の現像装置が現像位置にあるとき、前記レバー部材の延出部が前記カム部材の前記凹部以外の部分と接触して前記蓋部材が開位置とされ、すべての現像装置が非現像位置にあるとき、前記レバー部材の延出部が前記カム部材の前記凹部に係合し、前記蓋部材が閉位置とされるようにしてもよい。
【0012】
また、現像装置内の除湿を図る観点から、前記蓋部材に除湿機能部材を設けてもよい。除湿機能部材としてはヒーターが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の画像形成装置では、現像装置が非現像位置にあるときは、現像装置のケースの開口部をカバー手段で封止してケースを密封するので、高湿度環境下であってもトナー帯電量の低下を抑制できる。これにより、現像装置からのトナー飛散を抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】カバー手段の動作説明図。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を示す概説図。
【図3】回転ラック及びその周辺の平面図である。
【図4】蓋部材が閉位置のときの回転ラック及びその周辺の概説図。
【図5】レバー部材と蓋部材の斜視図。
【図6】蓋部材の斜視図。
【図7】蓋部材の他の実施形態を示す断面図。
【図8】カバー手段の他の実施形態を示す断面構成図
【図9】回転ラック及びその周辺の平面図である。
【図10】カバー手段の動作説明図。
【図11】レバー部材と蓋部材の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
【0016】
図2に、本発明に係る画像形成装置の一例としてカラープリンターの概説図を示す。図2に示すカラープリンターDは、装置本体1内に、4つの現像装置11が装着された回転ラック10と、感光体ドラム(像担持体)20と、帯電装置21と、露光装置22と、中間転写部30と、シート搬送経路40とを備える。以下、説明の対象である装置または部材がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)またはブラック(K)のいずれのものであるかを明確にする必要がある場合は、「(Y)」、「(M)」、「(C)」、「(K)」の文字を符号に付加して説明し、それ以外の場合はそれら文字を省略して説明する。
【0017】
回転ラック10には、4つの現像装置が周方向に並んで装着されている。各現像装置11Y,11M,11C,11Kには、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーが収容されている。各色トナーは、各現像装置11に回転可能に設けられた現像ローラー(現像剤担持体)13(図1に図示)の表面に担持され感光体ドラム20へ供給される。現像装置11の具体的構成については後述する。
【0018】
感光体ドラム20は時計回りに回転する。回転ラック10は反時計回りに回転し、各現像装置11Y,11M,11C,11Kは、現像ローラー13Y,13M,13C,13Kが感光体ドラム20と対向する現像位置に順に移動する。なお、図2においては現像装置11Kがある位置が現像位置である。感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラム20の表面を均一帯電させる帯電装置21が配置されている。また、後述する一次転写ローラー31と対向した位置と帯電装置21の間に、感光体ドラム20表面に残留したトナーを清掃する感光体クリーナ23が設けられている。
【0019】
図2に示すように、回転ラック10の下方には露光装置22が設けられている。露光装置22は、外部から入力された画像情報に応じて、均一帯電された感光体ドラム20の表面にレーザビームを照射し、感光体ドラム20の表面に、各色トナー像のための静電潜像をそれぞれ形成する。
【0020】
中間転写部30は、一次転写ローラー31とローラー32、ローラー33とに掛け渡されて矢印方向に回転駆動される中間転写ベルト34を有している。中間転写ベルト34は、一次転写ローラー31の部分で感光体ドラム20に対向し、さらにローラー33の部分で二次転写ローラー35に対向している。なお、図示していないが二次転写後に中間転写ベルト34の表面に残留するトナーを除去するクリーナが配置されている。中間転写体は、ベルト形状のものに限らず、他の形状、例えばドラム形状のものであってもよい。
【0021】
カラープリンターDの装置本体1下部には、給紙部である給紙カセット41が配置されている。給紙カセット41には、記録紙等のシートSが積載収容されている。シートSは、給紙ローラー42の回転により最上部のものから順に一枚ずつ送り出される。
【0022】
給紙カセット41からはシート搬送経路40が総じて縦方向に延びて形成されている。シート搬送経路40は、給紙カセット41から中間転写部30および定着器44を経て排出ローラー対45まで延びている。給紙カセット41から送り出されたシートSは、それぞれ回転する搬送ローラー対43によってシート搬送経路40を上方に搬送される。中間転写部30で画像が転写され定着器44を通過することにより画像定着されたシートSは、排出ローラー対45の回転により排紙トレイ47上に排出される。
【0023】
カラープリンターDの装置本体1には、図示していないが装置全体の動作を制御する制御装置、外部機器との情報授受を行う通信装置、画像データの処理や記憶を行うデータ処理装置などが収められている。この中には後述する駆動手段や加熱ヒーターの制御部が含まれている。
【0024】
画像形成は、4サイクル方式(感光体ドラム20を4回転させてフルカラー画像を形成する方式)で行われる。すなわち、感光体ドラム20の上に一つの色の静電潜像が形成され、当該色に対応する現像装置11によって現像が行われ、感光体ドラム20上に当該色のトナー画像が形成される。形成されたトナー画像は、一次転写ローラー31から付与される電界によって中間転写ベルト34に転写される。次に、回転ラック10が90°回転されて、他色の現像装置11が現像位置に移動し、他色の静電潜像が感光体ドラム20上に形成され、前記と同様の現像そしてトナー画像の一次転写が行われる。この操作が4つの色について繰り返されると、4色の画像が重ね合わされたフルカラー画像が中間転写ベルト34上に形成される。
【0025】
一方、シートSは、給紙カセット41から給紙されシート搬送経路40を通って、中間転写ベルト34と二次転写ローラー35との対向部に至り、ここで、中間転写ベルト34上に形成されたフルカラー画像が、二次転写ローラー35から付与される電界によってシートSへ転写される。そして、定着器44を通過することにより、フルカラー画像はシートSに定着し、排出ローラー対45の回転によりシートSは排紙トレイ47上に排出される。
【0026】
図1に、回転ラック10及びその周辺の部分拡大図を示す。回転ラック10には、現像装置11が着脱自在に装着されている。現像装置11は、ケース12と、ケース12に形成された開口部14から一部が露出し、ケース12に回転自在に取り付けられた現像ローラー(現像剤担持体)13と有し、ケース12の内部にはトナーが収納されている。回転ラック10の回転によって、現像ローラー13が感光体ドラム20と対向する位置(現像位置)に現像装置11が移動すると、現像ローラー13の表面に担持された帯電トナーが、現像ローラー13と感光体ドラム20との電位差によって感光体ドラム20に移動し、感光体ドラム20表面の静電潜像が現像される。そして現像が完了すると、回転ラック10が約90°回転して、次の現像装置が現像位置に移動し、他の色の現像が同様にして行われる。一方、主電源がオフのときや待機状態のとき等の現像が行われないときは、すべての現像装置11は非現像位置とされる。
【0027】
ところで、現像が行われていないとき、例えば、装置の設置環境が高湿度である場合には、現像装置11のケース12内のトナー帯電量が次第に低下して、現像ローラー13の表面に担持されたトナーが、現像ローラー13から脱離して現像装置11の周辺に飛散することがある。
【0028】
そこで本発明では、現像装置11が非現像位置にあるときに、現像装置11の開口部14を封止するカバー手段50を設け、ケース12内のトナー帯電量の低下を抑えることとした。以下、図1〜図3に基づいてカバー手段50について説明する。なお、図3は回転ラック10及びその周辺の平面図である。
【0029】
4つの現像装置11のそれぞれに対応してカバー手段50が設けられている。カバー手段50は、一方端が軸52で揺動自在に支持されたレバー部材51と、レバー部材51の他方端に軸55で支持された蓋部材56と、軸52に外挿された、レバー部材51を回転ラック10の方向に常に付勢するねじりコイルばね(付勢部材)54と、軸62(図2に図示)の周方向に約90°間隔で半径方向に延出し、レバー部材51に当接してレバー部材51を閉位置から開位置に移動させる細長い板状の4本のカム板(カム部材)61とを有する。
【0030】
図3に示すように、回転ラック10は、装置本体1の基板19に設けられたモータ18によってギア16とギア17を介して回転駆動される。なお、モータ18のオン・オフは、現像装置11の位置を検知する位置検出手段(不図示)からの信号によって制御される。
【0031】
図1に示すように、カム板61の半径方向途中部に、ソレノイド(駆動手段)Sのソレノイド本体63に対して出没自在のプランジャー64が接続している。プランジャー64には、プランジャー64を外方に突出する方向に常に付勢する圧縮コイルばね65が外挿されている。ソレノイドSに通電すると、プランジャー64が圧縮コイルばね65の付勢力に抗してソレノイド本体63内に引き込まれる。すると、プランジャー64の移動によって、カム板61が軸62を中心として時計回りに揺動する。そして、カム板61の外方端がレバー部材51の当接部53に当接して、レバー部材51を回転ラック10から離れる方向へ移動させる。これにより、蓋部材56は、現像装置11の開口部14を開放した開位置となる。
【0032】
一方、ソレノイドSへの通電を停止すると、圧縮コイルばね65の付勢力によってプランジャー64がソレノイド本体63から引き出され、カム板61は軸62を中心として反時計回りに揺動する。すると、カム板61の外方端とレバー部材51の当接部53との当接が解除され、レバー部材51はねじりコイルばね54の付勢力によって回転ラック10の方向に移動し、蓋部材56は現像装置11の開口部14を封止する閉位置となる。
【0033】
蓋部材56による、現像装置11の開口部14の封止は、例えば一連の画像形成が終了した後、いわゆる待機状態に移行したとき、あるいは装置本体の主電源がオフとされたときなどに行う。この場合、回転ラック10を所定量回転させて、すべての現像装置11が非現像位置となるようにした後、ソレノイドSへの通電を停止し、現像装置11の開口部14を蓋部材56で封止する。図4に、すべての現像装置11の開口部14が蓋部材56によって封止された状態を示す。なお、この図では、レバー部材51とカム板61を省略している。
【0034】
そして、画像形成指示がなされると、ソレノイドSに通電して、カム板61の外方端をレバー部材51の当接部53に当接させて、レバー部材51を回転ラック10から離れる方向へ移動させ、蓋部材56を開位置とする。次いで、回転ラック10を回転させて所望の現像装置11を感光体ドラム20と対向する現像位置に移動させる。
【0035】
図5及び図6に示すように、蓋部材56は、長手方向両側端に形成されたピボット軸55によって、一対のレバー部材51に揺動自在に支持されている。これにより、寸法精度等で生じる蓋部材56の僅かな位置ズレや角度ズレが吸収されて、現像装置11の開口部14が蓋部材56によって確実に封止される。
【0036】
蓋部材56の材質に特に限定はないが、現像装置11の開口部14周縁と接触する面は発泡剤やゴム剤等の柔軟性を有するものが好ましい。これにより開口部14周縁との密着性が向上し封止性能が高くなる。なお、蓋部材56の形状は、現像装置11の開口部14周縁に密着するが、現像ローラー13には接触しない形状とするのが望ましい。これにより、現像ローラー13表面に担持されているトナーに、蓋部材56による圧接ストレスがかからないようになる。
【0037】
また図7に示すように、除湿機能部材としての加熱ヒーター57を蓋部材56の内側面に設け、現像装置11内の湿度を低く保つようにしてもよい。例えば、現像装置11内を温度45℃を超えない程度に加熱すると、湿度はトナー帯電量の低下を招かない60%以下に維持される。加熱ヒーター57を作動させるのは、例えば主電源をオフしたときや待機状態のときが特に好ましい。
【0038】
除湿機能部材としては、加熱ヒーター57の他、活性炭のような可逆性の吸湿剤を用いてもよい。現像装置11内の水分が吸湿剤によって吸着されると、現像装置11内は低湿度に維持される。吸湿剤によって吸着された水分は、画像形成時に装置内温度の上昇によって吸湿剤から脱着し、吸湿剤は吸着性能を回復する。
【0039】
図8〜図11に、カバー手段50の他の実施形態を示す。なお、現像装置11を装着した回転ラック10、感光体ドラム20、中間転写部30、シート搬送経路40は、前記実施形態の装置と同じであるのでここでは説明を省略する。また、前記実施形態と同じ部材及び同じ部分には同じ符号を付している。
【0040】
本実施形態のカバー手段では、外周面に4つの凹部71Y,71M,71C,71Kが等間隔で形成された円盤状のカム板70を用いると共に、カム板70の方向に突出した延出部58が形成されたレバー部材51を用いる。図11に示すように、延出部58は、一対のレバー部材51の長手方向途中からそれぞれ外方へ延出した後、略垂直下方に屈曲した形状を有している。そして、軸52に外挿されたねじりコイルばね54によってレバー部材51の延出部58がカム板70の外周面に常に接触するようにし、カム板70の凹部71に延出部58が嵌り込むことによって、レバー部材51が揺動して蓋部材56が閉位置となるようにした。
【0041】
図8は、現像装置11Kが現像位置にあるときの状態図である。このとき、レバー部材51の延出部58が、カム板70の外周面の凹部71以外の部分と接触して、レバー部材51は持ち上げられ、蓋部材56は開位置となっている。
【0042】
図8に示す状態から回転ラック10及びカム板70が反時計回りに回転して図10に示す位置になると、レバー部材51の延出部58がカム板70の凹部71に嵌り込み、ねじりコイルばね54の付勢力によってレバー部材51が軸52を中心として回転ラック10の方向に揺動する。そして、蓋部材56が閉位置となって現像装置11の開口部14が封止される。このとき、他の現像装置11においても同様に蓋部材56で開口部14が封止される。
【0043】
このような構成のカバー手段では、回転ラック10と共にカム板70が1回転する間に、レバー部材51の延出部58がカム板70の4つ凹部71に順に嵌り込み、蓋部材56は4回閉位置となる。このような、本来無用の蓋部材56の開閉を回避するために、カム板70を現像装置11ごとに4つ設け、カム板70には1つの凹部71を形成し、回転ラック1回転中に一回だけ蓋部材56が閉位置となるようにしても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の現像装置では、現像装置が非現像位置にあるときは、現像装置のケースの開口部をカバー手段で封止してケースを密封するので、高湿度環境下であってもトナー帯電量の低下を抑制できる。これにより、現像装置からのトナー飛散を抑えられ有用である。
【符号の説明】
【0045】
D カラープリンター(画像形成装置)
S ソレノイド(駆動手段)
10 回転ラック
11 現像装置
12 ケース
13 現像ローラー(現像剤担持体)
14 開口部
20 感光体ドラム(像担時体)
50 カバー手段
51 レバー部材
54 ねじりコイルばね(付勢部材)
56 蓋部材
58 延出部
61 カム板(カム部材)
57 加熱ヒーター
70 カム板(カム部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを収容するケースと、前記ケースに形成された開口部から一部が露出した、前記ケースに回転自在に取り付けられた現像剤担持体とを備えた複数の現像装置が、回転ラックに装着され、前記回転ラックが回転することで、所望の現像装置が、前記現像剤担持体と像担持体とが対向する現像位置に移動し、前記像担持体上に各色トナー画像を順に形成する画像形成装置において、
装置本体に、前記複数の現像装置の前記開口部をそれぞれ封止する開閉自在のカバー手段を設け、すべての現像装置が非現像位置にあるとき、すべての現像装置の前記開口部を前記カバー手段で封止し前記ケースを密封することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記カバー手段は、揺動自在のレバー部材と、前記レバー部材の一方端に設けられた、現像装置の前記開口部を封止する蓋部材と、前記蓋部材が前記開口部を封止する方向に前記レバー部材を常に付勢する付勢部材と、前記レバー部材に当接して前記付勢部材の付勢力に抗して、前記レバー部材を移動させて、前記蓋部材を、現像装置の前記開口部を封止した閉位置から現像装置の前記開口部を開放した開位置に移動させるカム部材とを有し、
所望の現像装置が現像位置にあるときは、前記カム部材によって前記蓋部材は開位置とされ、すべての現像装置が非現像位置にあるときは、前記付勢部材による付勢力によって前記蓋部材が閉位置とされる請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記カバー手段が、前記カム部材を変位させて前記レバー部材を開位置とする駆動手段をさらに有する請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記カム部材が、回転ラックと同期して回転する、外周面に凹部が形成された円盤であり、
前記レバー部材が、前記カム部材の方向に突出し、前記付勢部材による付勢力によって前記カム部材の外周面と常に接触する延出部を有し、
所望の現像装置が現像位置にあるとき、前記レバー部材の延出部は、前記カム部材の前記凹部以外の部分と接触して前記蓋部材は開位置とされ、
すべての現像装置が非現像位置にあるとき、前記レバー部材の延出部が、前記カム部材の前記凹部に係合し、前記蓋部材が閉位置とされる請求項2記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記蓋部材が、除湿機能部材を備えている請求項2〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記除湿機能部材がヒーターである請求項5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−41154(P2013−41154A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178469(P2011−178469)
【出願日】平成23年8月17日(2011.8.17)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】