異方性導電材貼付装置及び貼付方法
【課題】低コストの装置構成によって短いタクトで基板の貼付部位に異方性導電材(ACF)を貼り付ける。
【解決手段】貼付手段21にてACFテープ5を押圧してACFを貼付部位2aに貼り付け、剥離手段22にて貼り付けたACFからセパレータテープ5bを剥離するACF貼付装置において、基板2の側縁部に沿って移動可能な移動体20に、貼付手段21と剥離手段22及びセパレータテープ5bのチャック手段23を配設し、移動体20の一方向の移動時に貼付手段21にてACFを貼付部位2aに貼り付けるとともに剥離手段22にてセパレータテープ5bを剥離し、移動体20の他方向への復帰移動時にチャック手段23にてセパレータテープ5bを把持してACFテープ5を送給し、移動体20の1往復工程にて貼付工程が完了するようにした。
【解決手段】貼付手段21にてACFテープ5を押圧してACFを貼付部位2aに貼り付け、剥離手段22にて貼り付けたACFからセパレータテープ5bを剥離するACF貼付装置において、基板2の側縁部に沿って移動可能な移動体20に、貼付手段21と剥離手段22及びセパレータテープ5bのチャック手段23を配設し、移動体20の一方向の移動時に貼付手段21にてACFを貼付部位2aに貼り付けるとともに剥離手段22にてセパレータテープ5bを剥離し、移動体20の他方向への復帰移動時にチャック手段23にてセパレータテープ5bを把持してACFテープ5を送給し、移動体20の1往復工程にて貼付工程が完了するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを基板の側縁部に配設された貼付部位に押圧し、異方性導電材を貼付部位に貼り付ける異方性導電材貼付装置及び貼付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルやPDP(Plasma Display Panel)に代表される表示パネルなどにおける基板に部品を実装する方法として、基板の側縁部に配設された電極部などの貼付部位に異方性導電材(以下、ACFと記すことがある)を貼り付け、そのACFの上に、例えばTCP(Tape Carrier Package)、IC、薄型LSIパッケージ部品、FPC(Flexible Printed Circuits)、COF(Chip On Film)等の部品を温度と圧力を加えて仮圧着した後、仮圧着より高い温度と圧力を加えて本圧着することで、基板に部品を実装する方法が知られている。このような部品実装方法では、上記のように基板の側縁部の貼付部位にACFを貼り付けるために、セパレータテープにACFを積層した積層テープを使用するACF貼付装置が使用されている。
【0003】
そのようなACF貼付装置の構成としては、積層テープが巻回されたリールから積層テープを引き出して下受け部上に載置された基板の側縁部の貼付部位に向けて送給する際に、ACFのみを所定の長さに切断した後、基板の貼付部位の上方位置に送給し、圧着手段にて積層テープを押圧して所定長さに切断されたACFを基板の貼付部位に貼り付け、その後貼り付けたACFからセパレータテープを剥離してセパレータテープテープを回収するとともに、次の積層テープの送給を行うという動作を繰り返すようにしたものが知られている。
【0004】
この種のACF貼付装置を、図11を参照して説明すると、ACF貼付装置41は、基板42を位置決め手段(図示せず)にて支持して移動・位置決めし、基板42の側端部を下受け部43にて下方から支持した状態で、テープ供給部44から積層テープ45を供給して基板42の側端部上に配置し、圧着機構部46にて積層テープ45を上方から押圧してACFを基板42に貼り付け、剥離機構部47にて基板42に貼付けられたACFからセパレータテープを剥離し、剥離した積層テープ45のセパレータテープをテープ回収部48にて回収するように構成されている。圧着機構部46は、下方に配置された下受け部43と対向する圧着面49aを下面に有し、積層テープ45の貼付動作を行う圧着ヘッド49と、この圧着ヘッド49を昇降駆動するシリンダ装置などのヘッド昇降装置50を備えている。圧着ヘッド49には、図示しない加熱手段が内蔵されており、圧着ヘッド49の圧着面49aを所定温度に加熱することが可能となっている。
【0005】
一方、長さの異なる貼付部位に単一の加熱ツールでACFを貼り付けることができるACF貼付装置として、基板を支持テーブルにて水平移動可能に支持し、テープガイドと剥離機構の間に加熱ローラを配設するとともに、この加熱ローラを、ACFを貼り付ける圧着位置と剥離機構との干渉を避ける退避位置との間で位置切替可能とし、加熱ローラを圧着位置に位置させて積層テープを加熱加圧した状態で支持テーブルにて基板を移動させて貼付部位にACFを貼り付け、その後圧着ローラを退避位置に退避させた後剥離機構を移動させてセパレータテープを剥離し、その後、剥離機構を復帰移動させた後積層テープを送給するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、ACF貼付装置として、少なくとも貼付部位の長さに相当する距離だけ往復移動可能な移動体に、ACFを貼り付ける貼付位置と上方に退避した位置との間で位置切替可
能な貼付ローラと、セパレータテープを剥離する剥離ローラと、積層テープの送給時にセパレータテープを把持するテープ送りチャックとを配設し、貼付時の移動方向前方位置に剥離時にセパレータテープを把持するチャック手段を配設し、テープ送りチャックにてセパレータテープを把持した状態で移動体を前進移動させてテープ送給を行った後、テープ送りチャックを開放して復帰移動させ、次に移動体を前進移動させて貼付ローラにてACFを貼り付けた後、チャック手段でセパレータテープを把持し、貼付ローラを退避させた状態で移動体を後退移動させて剥離ローラにてセパレータテープを剥離するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、ACF貼付装置として、貼り付けるべきACFが基板の貼付部位上に対向位置するように積層テープを送給し、次に基板の貼付部位を基板支持体にて支持して加熱手段にて加熱し、貼付ローラにて積層テープを押圧した状態で貼付ローラを移動させて貼付部位にACFを貼り付け、その後貼付ローラを上方に退避させるとともに剥離ローラを動作位置に突出させて貼付ローラとともに復帰移動させることでセパレータテープを剥離するようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−211485号公報
【特許文献2】特許第3738603号明細書
【特許文献3】特開2007−324471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図11に記載の従来例では、基板42の貼付部位の長さに対応した長さの圧着ヘッド49を使用する構成であるため、圧着ヘッド49の圧着面49aと下受け部43の平行度及び平面度を高精度に確保しないと良好な品質の貼付状態が得られず、かつ基板42が大型化して貼付部位の長さが長くなると重厚長大な圧着ヘッド49が必要になって装置構成が大型になり、大型の装置構成でありながら高い精度が要求されるために大変高価な装置になり、また全長にわたって均一に押圧・加熱するための調整やメンテナンスにも手間がかかるという問題がある。また、積層テープの送給工程と、圧着機構部46の圧着ヘッド49が昇降動作する貼付工程と、剥離機構47が往復移動動作するセパレータテープの剥離工程とを順次行う構成であり、3つの往復動作工程を各別に順次行うためにACF貼付工程に時間がかかり、タクトタイムの短縮を図るのが困難であるという問題がある。
【0010】
一方、特許文献1に記載の構成では、大型の圧着ヘッドを用いる代わりに加熱ローラを用い、加熱ローラにて積層テープを加熱加圧しつつ基板を支持する基板テーブルを移動させてACFを貼り付けるようにしているので、貼付機構部の装置構成は大型にならず、平行度及び平面度に高い精度が要求されないので、装置構成の低コスト化と保守性の向上を図ることができるが、加熱ローラと基板の相対移動によるACFの貼付工程と、剥離機構の往復移動によるセパレータテープの剥離工程と、積層テープの送給工程とを順次行う構成であるため、ACF貼付工程に時間がかかり、ACF貼付工程のタクト短縮を図るのが困難であるという問題がある。また、加熱ローラにて加圧・加熱するようにしているが、ローラであるため線接触で加熱・ 加圧するので、熱伝達効率が悪くかつ局部的に加熱するので貼付速度を高めつつ所要熱量を伝達しようとすると、熱を受ける部分が逆に過熱されてACFを変質させる恐れがあり、また局部的に加圧した部分を移動させるので加圧された部分のACF中の導電粒子が両側に押し出されて導電粒子の分布密度にばらつきを生じる恐れがあるなどの問題も考えられる。
【0011】
また、特許文献2に記載の構成でも、積層テープの送給工程と、移動体の前進時の貼付ローラの移動によるACFの貼付工程と、移動体の後退時の剥離ローラの移動によるセパレータテープの剥離工程とを行う構成であるため、移動体を、積層テープの送給と、ACFの貼付及びセパレータテープの剥離のために2往復させる必要があり、やはりACF貼付工程に時間がかかり、ACF貼付工程のタクト短縮を図るのが困難であるという問題がある。
【0012】
また、特許文献3に記載の構成でも、加熱は基板支持体側の加熱手段にて行うようにしているが、積層テープの送給工程と、貼付ローラと剥離ローラの往復移動によるACFの貼付とセパレータテープの剥離の工程とを行うため、やはりACF貼付工程に時間がかかり、ACF貼付工程のタクト短縮を図るのが困難であるという問題がある。
【0013】
本発明は、上記従来の問題に鑑み、低コストの装置構成によって短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができる異方性導電材貼付装置及び貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の異方性導電材貼付装置は、セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを供給するテープ供給部と、テープ供給部から供給された積層テープを基板の側縁部にその長手方向に沿って設けられた貼付部位の上に配置するように案内するテープ案内手段と、積層テープをセパレータテープ側から押圧して異方性導電材を貼付部位に貼り付ける貼付手段と、貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離する剥離手段と、剥離したセパレータテープを回収するテープ回収部とを備えた異方性導電材貼付装置において、基板の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体を設け、移動体に、貼付手段と剥離手段及び異方性導電材を剥離したセパレータテープのチャック手段を配設し、移動体の一方向の移動時に貼付手段にて異方性導電材を貼付部位に貼り付けるとともに剥離手段にて貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離し、移動体の他方向への復帰移動時にチャック手段にてセパレータテープを把持して積層テープを送給するものである。
【0015】
この構成によれば、基板の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体に貼付手段と剥離手段とチャック手段を配設した構成であるため、高精度の平行度や平面度が要求されず、大型基板を対象とするものでも簡単で低コストの構成とすることができ、かつ移動体の一方向の移動時に異方性導電材の貼り付けとセパレータテープの剥離を行い、移動体の他方向への復帰移動時にチャック手段にてセパレータテープを把持して積層テープを送給するので、移動体の1回の往復移動にて異方性導電材の貼付を完了することができ、短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができる。
【0016】
また、貼付手段が、積層テープをセパレータテープ側から基板の貼付部位に押圧する平面状の押圧部を有するとともに加熱手段に熱的に結合された押圧ユニットと、押圧ユニットを押圧状態と押圧回避状態との間で切り替える切替手段とを備えていると、平面状の押圧部にて積層テープを押圧するので局部的に過大な荷重が作用する恐れがなく、適正かつ均一に押圧力と熱を付与することができ、異方性導電材中の導電粒子の分布密度に悪影響を与える恐れがなく、品質の高い貼り付け状態を高い信頼性をもって確保することができ、また押圧が不要な位置に達した時点で押圧回避状態に切り替えることで、貼付範囲外に影響を与えることなく確実に貼り付けることができる。なお、押圧ユニットに加熱手段を熱的に結合する方式としては、熱伝達方式でも、熱放射方式でも、電磁誘導加熱方式など任意の方式を適用することができる。
【0017】
また、押圧ユニットは中間部が支軸回りに揺動自在に支持され、押圧ユニットの一端側
に押圧部が配設されるとともに押圧ユニットの他端側に切替手段が配設され、押圧ユニットを支軸回りに回動付勢して押圧力を付与する押圧力付与手段と押圧力調整手段とが設けられていると、押圧ユニットが支軸回りに揺動自在であることで、押圧ユニットの自重やばねなどで回動付勢力を付与する簡単な構成にて積層テープをセパレータテープ側から基板の貼付部位に押圧する押圧方向の押圧ユニットの押圧力を付与できるとともに逆方向の回動付勢力を付与可能とすることで押圧力調整も容易に行え、また押圧ユニットの他端側を押し下げる簡単な切替手段によって押圧回避状態に切替えることができ、簡単な構成にて容易に適切に押圧力を付与することができる。
【0018】
また、基板の側縁部を支持する下受け部に加熱手段を配設すると、貼付部位に異方性導電材を貼り付ける際に、押圧部にて積層テープ側から基板の貼付部位に貼り付ける異方性導電材を加熱するだけでなく、基板の貼付部位もその下面側から加熱することで、高速にて貼り付ける場合にも所要の熱を確実に付与できて品質の良い貼付状態を確保することができる。
【0019】
また、移動体に、貼付移動時の移動方向前方位置で積層テープのセパレータテープに当接して転動するとともに積層テープの両側縁に係合する規制ローラを配設すると、貼付部位が長い場合でも、押圧部にて積層テープを押圧しながら摺動して異方性導電材を貼り付ける間に、積層テープが位置ずれするのを確実に規制することができるため、異方性導電材をその幅方向に精度良く貼り付けることができる。
【0020】
また、本発明の異方性導電材貼付方法は、セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを、基板の側縁部にその長手方向に沿って設けられた貼付部位の上に配置する配置工程と、基板の側縁部の長手方向に沿って移動する貼付手段にて一方向の移動時に積層テープをセパレータテープ側から押圧して貼付部位に異方性導電材を貼り付ける貼付工程と、一方向に、貼付手段とともに移動する剥離手段にて貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離する剥離工程と、貼付手段の他方向への復帰移動時にチャック手段にて異方性導電材を剥離したセパレータテープを把持して積層テープを送給する送給工程とを有するものである。
【0021】
この構成によると、上記のように貼付手段と剥離手段とチャック手段の1回の往復移動にて異方性導電材の貼付を完了することができ、短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができる。
【0022】
また、貼付工程は、所定温度に加熱制御された平面状の押圧部にてセパレータテープ側から積層テープを基板の貼付部位に押圧すると、平面状の押圧部にて積層テープを押圧するので積層テープの異方性導電材に局部的に過大な荷重が作用する恐れがなく、適正かつ均一に押圧力と熱を付与することができ、また異方性導電材中の導電粒子の分布密度に悪影響を与える恐れもなく、品質の高い貼り付け状態を高い信頼性をもって確保することができる。
【0023】
また、剥離工程は、一方向に移動時に、貼付手段にて貼付部位に異方性導電材を貼り付けた後、貼付手段を基板の貼付部位から離間する方向に退避させるとともにあるいは、退避させた状態で貼付手段とともに一方向に移動する剥離手段をさらに一方向に移動させることで剥離手段にて貼付部位の端までセパレータテープを剥離すると、次に貼り付けるべき異方性導電材に影響を与えることなく貼付部位の端まで確実に異方性導電材を貼り付けることができる。
【0024】
また、基板の側縁部を所定温度に加熱制御された下受け部にて支持して基板の側縁部の貼付部位を加熱すると、押圧部にて積層テープ側から基板の貼付部位に貼り付ける異方性
導電材を加熱するだけでなく、基板の貼付部位もその下面側から加熱することで、高速にて貼り付ける場合にも所要の熱を確実に付与できて品質の良い貼付状体を確保することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の異方性導電材貼付装置及び貼付方法によれば、基板の側縁部に沿って移動する移動体に貼付手段と剥離手段とチャック手段を配設した構成であるため、高精度の平行度や平面度が要求されず、簡単で低コストの構成とすることができ、かつ移動体の1回の往復移動にて異方性導電材の貼り付けとセパレータテープの剥離と積層テープの送給を行って異方性導電材の貼付を完了することができ、短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る異方性導電材貼付装置の一実施形態の全体斜視図。
【図2】同実施形態の要部構成を示す斜視図。
【図3】同実施形態を適用する基板の他の例を示す斜視図。
【図4】同実施形態の貼付機構部とその周辺構成を示す斜視図。
【図5】同実施形態の貼付機構部の拡大斜視図。
【図6】同実施形態の貼付機構部の構成を示す三面図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図。
【図7】同実施形態における貼付手段による貼付状態を示し、(a)は正面図、(b)はACFの下面図。
【図8】同実施形態におけるACF貼付工程の動作フロー図。
【図9】同実施形態におけるACF貼付工程の前半の動作説明図。
【図10】同実施形態におけるACF貼付工程の後半の動作説明図。
【図11】従来例の異方性導電材貼付装置の全体概略構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を、液晶表示パネルのガラス基板などの基板に、異方性導電材(以下、ACFと称す)を貼り付けるACF貼付装置に適用した一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
【0028】
図1、図2において、本実施形態のACF貼付装置1は、基板2を支持して移動及び位置決めする位置決め手段3と、基板2のACFを貼り付けるべき貼付部位2aが配設されている側端部を下方から支持する下受け部4と、ACF5a(図5〜図7参照)をセパレータテープ5bに積層して成る積層テープ(以下、ACFテープと称す)5を上方から押圧してACF5aを基板2の貼付部位2aに貼り付けた後、ACF5aからセパレータテープ5bを剥離する貼付機構部6と、ACFテープ5を供給するテープ供給部7と、供給されたACFテープ5を下受け部4上に位置決めされた基板2の側縁部にその長手方向に沿って配設されている貼付部位2a上に配置するように案内するテープ案内手段8と、剥離されたセパレータテープ5bを回収するテープ回収部9にて構成されている。10は、ACF貼付装置1の搬入位置に搬入された基板2を位置決め手段3に移載する移載手段、1Aは、ACF貼付装置1の全体の動作制御を行う制御部である。
【0029】
テープ供給部7は、ACFテープ5が巻回された供給リール11と、供給リール11から引き出されて供給されるACFテープ5にテンションを付与するテンションローラ12と、供給されるACFテープ5の終端部を検出する終端検出センサ13と、供給されるACFテープ5においてセパレータテープ5bの片面に連続して積層されているACF5aに対して、基板2の貼付部位2aの長さに応じた長さ毎に切り込みを入れるカッター14とを備えている。なお、ACFテープ5の終端と新たに装着した供給リール11から引き
出したACFテープ5の始端とを、熱溶着や超音波接合等にて接続するテープ接続手段が設けられても良い。
【0030】
テープ案内手段8は、下受け部4の上部両側のテープ供給部7とテープ回収部9の下方位置にそれぞれ配設された上下位置切替可能な昇降板15a、15bと、昇降板15a、15bにACFテープ5とセパレータテープ5bをそれぞれ案内するように配設されたガイドローラ16a、16bと、テープ回収部9側の昇降板15bに配設され、セパレータテープ5bを把持固定するチャック17とを備え、昇降板15a、15bが下方位置に位置したときに、ガイドローラ16a、16b間に張設されたACFテープ5が下受け部4上に支持された基板2の貼付部位2a上に当接配置されるように構成されている。なお、基板2の側縁部には、図2に示すように、単一の長い貼付部位2aが配設されている場合に限らず、図3に示すように、基板2の側縁部に配設された電極部に対応する位置に複数の貼付部位2aが適当間隔置きに配設されている場合もある。また、テープ回収部9はセパレータテープ5bを吸引回収する吸引回収手段18にて構成されている。
【0031】
次に、本発明の要部である貼付機構部6の詳細構成について、図4〜図7を参照して説明する。貼付機構部6は、貼付位置と上方に退避した退避位置との間で昇降可能でかつ下受け部4上に位置決めされて支持されている基板2の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体20を備えており、この移動体20に、ACFテープ5をセパレータテープ5a側から押圧してACF5aを貼付部位2aに貼り付ける貼付手段21と、貼り付けられたACF5aからセパレータテープ5bを剥離する剥離手段22と、剥離したセパレータテープ5bを把持固定するチャック手段23とが配設されている。
【0032】
貼付手段21は、ACFテープ5をセパレータテープ5b側から押圧する平面状の押圧部25を一端部に有する押圧ユニット24を水平な支軸26回りに揺動自在に支持して成り、押圧部25と支軸26の間に、加熱手段としてのヒータブロック27が配設されている。具体的には、ヒータブロック27の他端側の端部が支軸26にて揺動自在に支持されるとともに、このヒータブロック27から熱伝導率の高い金属材料からなるコテ状部材28が一端側に向けて斜め下方に延出されるとともにその先端部に押圧部25が形成され、かつ押圧部25の先端25aはセパレータテープ5bに引っかかることなく円滑に摺動するようにせり上げられている。また、押圧部25のセパレータテープ5bに接する下面には摩擦抵抗を小さくしかつ押圧によってはみ出したACF5aが付着しないようにフッ素樹脂コーティングがなされている。また、ヒータブロック27は所要の熱容量を確保できるブロック体にヒータ27aを装着して構成されており、かつヒータブロック27はACFテープ5をセパレータテープ5b側から基板2の貼付部位に押圧する押圧方向にかかるその質量に作用する重力、すなわち支軸26にて揺動自在されるヒータブロック27の押圧方向の自重によって押圧部25に所定の押圧力を付与する押圧力付与手段としての機能も併せ持っている。
【0033】
押圧部25の具体的な数値例を示すと、その幅寸法は通常1〜2mm程度のACFテープ5の幅寸法より若干大きく、例えばACFテープ5の幅が1mmの場合、1.2〜1.5mm程度に設定され、長さは2mm以上で、3±1mm程度に設定するのが好適である。また、付与する押圧力は、ACF5aの物性によるが、1±0.5N/mm2 程度が適切である。ACFテープ5の幅が1mm、押圧部25の長さが3mmの場合、3N(約300g)の荷重を負荷するように設定するのが好適である。また、押圧部25の温度も、ACF5aの物性によるが、60〜100℃、現在汎用されているACF5aでは70℃程度が最適であり、押圧部25の温度がこの温度になるようにヒータブロック27の温度が調整される。このように、押圧部25による押圧力と加熱温度を適切に設定した状態でACF5aを貼り付けることで、図7(a)、(b)に示すように、ACF5a中の特により微細な導電粒子5Aの分布密度に悪影響を与えず、均等な分布密度を維持した状態で、ACF5aを貼付部位2aに適正に貼付けることができる。
【0034】
押圧ユニット24の支軸26より他端側には、押圧部25を押圧状態と押圧回避状態との間で切り替える切替手段29(図5参照)が配設されている。切替手段29は、具体的にはヒータブロック27から他端側に延長片30が延出され、その上部にソレノイドやエアシリンダなどの操作手段31が配設され、操作手段31を突出させて延長片30を押し下げることで、押圧ユニット24が押圧力付与手段による押圧力に抗して支軸26回りに回動し、押圧部25が上方に回動して基板2の貼付部位2aに貼り付けられるACFテープ5から離間するように構成されている。また、押圧ユニット24には、必要に応じて押圧部25の押圧力調整手段32(図6(b)参照)を設けておくのが好ましい。この押圧力調整手段32としては、図6(b)に仮想線で示すように、延長片30に支軸26に対して水平方向の遠近方向に位置調整可能に調整錘32aを装着するのが好適である。
【0035】
また、貼付部位2aの長手方向の長さが長い場合には、その貼付部位2aにACF5aを貼り付ける移動体20の移動工程中にACFテープ5が位置ずれするのを効果的に防止するため、図4に破線で示すように、移動体20の貼付移動時の移動方向の前方位置に、ACFテープ5のセパレータテープ5bに当接して転動するとともにACFテープ5の両側縁に係合してACFテープ5を貼付部位2aに貼り付ける前に案内する規制ローラ33を配設するのが好適である。また、基板2の側縁部を支持する下受け部4に基板加熱手段34を配設しておくと、基板2の貼付部位2aが加熱されるので、より確実かつ容易にACF5aを貼付けることができて好適である。
【0036】
剥離手段22は、移動体20の移動に伴って基板2の貼付部位2aに貼付けられたACFテープ5の上面に沿って転動しながら移動する押えローラ35と、押えローラ35の斜め上方に配置され、セパレータテープ5bを外周の一部に巻回させて移動体20の移動に伴ってセパレータテープ5bを剥離する剥離ローラ36にて構成されている。また、チャック手段23は、セパレータテープ5bを挟持できるように開閉可能に配設された一対の把持爪23a、23aと、開閉切替を行うソレノイドやエアシリンダなどのアクチュエータ23bにて構成されている。
【0037】
次に、以上の構成のACF貼付装置1にて基板2の側縁部の貼付部位2aにACF5aを貼り付ける工程を、図1および図8の動作フロー図と、図9、図10の動作説明図を参照して説明する。基板2がACF貼付装置1に搬入されると、位置決め手段3(X、Y、Z、θの移動軸を有する)にて基板2の側縁部を下受け部4上に位置決めして支持する。この状態に対応するように、ACFテープ5の送給を開始するため、図9の工程(a)に示すように、ガイドローラ16a、16b及び貼付機構部6の移動体20が退避位置に上昇位置し、貼付手段21の押圧部25を基板2の貼付部位2aに貼り付けられるACFテープ5から上側に離間する方向の退避位置に位置させた状態で、チャック17を開くとともに移動体20のチャック手段23を閉じてセパレータテープ5bを把持固定し、移動体20の矢印A方向への移動を開始する(ステップS1)。これにより、ACFテープ5が送給される。そして、移動体20が貼付部位2aの貼付け位置に対応する距離だけ矢印A方向に移動すると、図9の工程(b)に示すように、ACFテープ5の送給が完了する(ステップS2)。
【0038】
次に、図9の工程(c)に示すように、ガイドローラ16a、16b及び貼付機構部6の移動体20を矢印Bのように基板2の貼付部位2aにACFテープ5を貼り付ける高さ位置である貼付位置に下降させた後(ステップS3)、ACF5aの貼付けを開始するため、図9の工程(d)に示すように、チャック17を閉じてセパレータテープ5bを把持固定するとともに移動体20のチャック手段23を開き、切替手段29を動作させて押圧部25にてACFテープ5を押圧し、ACFテープ5に押圧力と熱を付与してACF5a
を貼付部位2aに加熱加圧して圧着するようにし、その状態でACFテープ5のACF5aを貼り付けられる基板2の貼付部位2aの貼付開始位置から矢印Cに示すように、移動体20の移動を開始して、移動体20の押圧部25にてACFテープ5に押圧力と熱を付与しながら移動して基板2の貼付部位2aへのACF5aの貼付けを開始する(ステップS4)。この移動体20の矢印C方向の移動に伴って、図9の工程(e)に示すように、貼付手段21の押圧部25によるACF貼付けと同時に、貼付けられたACF5aからセパレータテープ5bの剥離動作が剥離手段22により行われる(ステップS5)。
【0039】
次に、押圧部25が貼付部位2aの貼付終了位置を通過し切ると、図10の工程(f)に示すように、切替手段29を動作させて貼付手段21を回動させて押圧部25を基板2の貼付部位2aから離間する上側の方向に退避させるとともに(ステップS6)、その状態で移動体20の矢印C方向の移動はそのまま継続あるいは一旦停止した後、さらに移動し、剥離手段22の押えローラ35が貼付部位2aの貼付終了位置を通過し切ると、図10の工程(g)に示すように、セパレータテープ5bの剥離が完了した状態となり(ステップS7)、その時点で図10の工程(h)に示すように、貼付機構部6の移動体20の矢印C方向の移動を停止して矢印D方向に上昇移動させて退避位置に位置させる(ステップS8)。次に、図10の工程(i)に示すように、移動体20を、ACFテープ5に対して、押圧部25がセパレータテープ側から押圧してACF5aの押圧の開始が可能な位置であるACFテープ送り開始位置まで矢印A方向に移動させ、その後図9の工程(a)に戻って以上の動作を繰り返すことにより、基板2の各貼付部位2aにACF5aが順次貼付けられる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、貼付機構部6の移動体20の一方向(矢印C方向)の移動時にACF5aの貼り付けとセパレータテープ5bの剥離を行い(図9(d)(e)〜図10(f)(g)参照)、移動体20の他方向(矢印A方向)への復帰移動時にチャック手段23にてセパレータテープ5bを把持してACFテープ5を送給する(図9(a)(b)参照)ので、移動体20の1回の往復移動にて基板2の側縁部の長手方向に沿って配設された貼付部位2aに対するACF5aの貼付を完了することができ、短いタクトでACF5aを貼り付けることができる。
【0041】
また、貼付機構部6を、基板2の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体20に貼付手段21と剥離手段22とチャック手段23を配設した構成としているので、コンパクトな構成とすることができるとともに、従来例の圧着ヘッドを備えたものに比して、高精度の平行度や平面度が要求されず、大型基板を対象とするものでも簡単で低コストの構成とすることができ、また調整や保守も格段に簡単になって作業能率が向上し、生産性を向上することができる。
【0042】
また、貼付手段21を、平面状の押圧部25を有するとともにヒータブロック27を有した押圧ユニット24と、押圧ユニット24を押圧状態と押圧回避状態との間で切り替える切替手段29とを備えた構成としたことで、平面状の押圧部25にて基板2の貼付部位2aにACFテープ5を押圧するので局部的に過大な荷重が作用する恐れがなく、適正な押圧力と熱を均一に付与することができ、またACF5a中の導電粒子5Aの分布密度に悪影響を与える恐れもないため、品質の高い貼り付け状態を高い信頼性をもって確保することができる。また、押圧が不要な位置に達した時点で押圧部25を基板2の貼付部位2aから離間させて押圧回避状態に切り替えるとともに、セパレータテープ5bの剥離動作は貼付部位2aの終端位置まで継続するようにしているので、貼付範囲外に影響を与えることなく貼付部位2aの全長にわたってACF5aを確実に貼り付けることができる。
【0043】
また、押圧ユニット24を中間部の支軸26回りに揺動自在な構成とし、この押圧ユニット24の一端側に押圧部25を配設するとともに押圧ユニット24の他端側に切替手段29を配設し、押圧ユニット24を支軸26回りに回動付勢して押圧力を付与する押圧力付与手段と加熱手段を兼用するヒータブロック27を押圧部25と支軸26の間に配設した構成としたことで、簡単な構成にて押圧部25に対する押圧力の付与と加熱を行うことができる。また押圧ユニット24の他端側を押し下げる簡単な切替手段29によって押圧回避状態に切替えることもできる。また、逆方向の回動付勢力を付与可能とすることで押圧力調整も容易に行うことができる。かくして、簡単な構成にて容易に適切な貼付状態を確保することができる。
【0044】
また、図4に破線で示すように基板2の側縁部を支持する下受け部4に基板加熱手段34を配設すると、貼付部位2aにACF5aを貼り付ける際に、押圧部25にてACFテープ5側から基板2の貼付部位2aに貼り付けるACF5aを加熱するだけでなく、基板2の貼付部位2aもその下面側から加熱することで、高速にて貼り付ける場合にも所要の熱を確実に付与できて品質の良い貼付状体を確保することができる。
【0045】
また、移動体20に、図4に破線で示すように貼付移動時の移動方向前方位置でACFテープ5のセパレータテープ5bに当接して転動するとともにACFテープ5の両側縁に係合してACFテープ5を貼付部位2aに貼り付ける前に案内する規制ローラ33を配設すると、貼付部位2aが長い場合でも、押圧部25にてACFテープ5を押圧しながら摺動してACF5aを貼り付ける間に、ACFテープ5が位置ずれするのを確実に規制することができるため、ACF5aをその幅方向に精度良く貼り付けることができる。
【0046】
なお、以上の実施形態では、ACFテープ5を押圧する押圧部として平面状の押圧部25を適用した例を示したが、場合によってはローラを適用しても良い。しかし、上述のように平面状の押圧部25を適用することで均一で品質の高い貼付状態を安定して確保することができて好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の異方性導電材貼付装置及び貼付方法によれば、基板の側縁部に沿って移動する移動体に貼付手段と剥離手段とチャック手段を配設した構成であるため、高精度の平行度や平面度が要求されず、簡単で低コストの構成とすることができ、かつ移動体の1回の往復移動にて異方性導電材の貼り付けとセパレータテープの剥離と積層テープの送給を行って異方性導電材の貼付を完了することができ、短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができるので、基板に異方性導電材を貼り付けて各種部品を実装する部品実装装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 異方性導電材貼付装置(ACF貼付装置)
1A 制御部
2 基板
2a 貼付部位
4 下受け部
5 積層テープ(ACFテープ)
5a 異方性導電材(ACF)
5b セパレータテープ
6 貼付機構部
7 テープ供給部
8 テープ案内手段
9 テープ回収部
20 移動体
21 貼付手段
22 剥離手段
23 チャック手段
24 押圧ユニット
25 押圧部
26 支軸
27 ヒータブロック(加熱手段、押圧力付与手段)
29 切替手段
31 操作手段(ソレノイド)
32 押圧力調整手段
33 規制ローラ
34 基板加熱手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを基板の側縁部に配設された貼付部位に押圧し、異方性導電材を貼付部位に貼り付ける異方性導電材貼付装置及び貼付方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルやPDP(Plasma Display Panel)に代表される表示パネルなどにおける基板に部品を実装する方法として、基板の側縁部に配設された電極部などの貼付部位に異方性導電材(以下、ACFと記すことがある)を貼り付け、そのACFの上に、例えばTCP(Tape Carrier Package)、IC、薄型LSIパッケージ部品、FPC(Flexible Printed Circuits)、COF(Chip On Film)等の部品を温度と圧力を加えて仮圧着した後、仮圧着より高い温度と圧力を加えて本圧着することで、基板に部品を実装する方法が知られている。このような部品実装方法では、上記のように基板の側縁部の貼付部位にACFを貼り付けるために、セパレータテープにACFを積層した積層テープを使用するACF貼付装置が使用されている。
【0003】
そのようなACF貼付装置の構成としては、積層テープが巻回されたリールから積層テープを引き出して下受け部上に載置された基板の側縁部の貼付部位に向けて送給する際に、ACFのみを所定の長さに切断した後、基板の貼付部位の上方位置に送給し、圧着手段にて積層テープを押圧して所定長さに切断されたACFを基板の貼付部位に貼り付け、その後貼り付けたACFからセパレータテープを剥離してセパレータテープテープを回収するとともに、次の積層テープの送給を行うという動作を繰り返すようにしたものが知られている。
【0004】
この種のACF貼付装置を、図11を参照して説明すると、ACF貼付装置41は、基板42を位置決め手段(図示せず)にて支持して移動・位置決めし、基板42の側端部を下受け部43にて下方から支持した状態で、テープ供給部44から積層テープ45を供給して基板42の側端部上に配置し、圧着機構部46にて積層テープ45を上方から押圧してACFを基板42に貼り付け、剥離機構部47にて基板42に貼付けられたACFからセパレータテープを剥離し、剥離した積層テープ45のセパレータテープをテープ回収部48にて回収するように構成されている。圧着機構部46は、下方に配置された下受け部43と対向する圧着面49aを下面に有し、積層テープ45の貼付動作を行う圧着ヘッド49と、この圧着ヘッド49を昇降駆動するシリンダ装置などのヘッド昇降装置50を備えている。圧着ヘッド49には、図示しない加熱手段が内蔵されており、圧着ヘッド49の圧着面49aを所定温度に加熱することが可能となっている。
【0005】
一方、長さの異なる貼付部位に単一の加熱ツールでACFを貼り付けることができるACF貼付装置として、基板を支持テーブルにて水平移動可能に支持し、テープガイドと剥離機構の間に加熱ローラを配設するとともに、この加熱ローラを、ACFを貼り付ける圧着位置と剥離機構との干渉を避ける退避位置との間で位置切替可能とし、加熱ローラを圧着位置に位置させて積層テープを加熱加圧した状態で支持テーブルにて基板を移動させて貼付部位にACFを貼り付け、その後圧着ローラを退避位置に退避させた後剥離機構を移動させてセパレータテープを剥離し、その後、剥離機構を復帰移動させた後積層テープを送給するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、ACF貼付装置として、少なくとも貼付部位の長さに相当する距離だけ往復移動可能な移動体に、ACFを貼り付ける貼付位置と上方に退避した位置との間で位置切替可
能な貼付ローラと、セパレータテープを剥離する剥離ローラと、積層テープの送給時にセパレータテープを把持するテープ送りチャックとを配設し、貼付時の移動方向前方位置に剥離時にセパレータテープを把持するチャック手段を配設し、テープ送りチャックにてセパレータテープを把持した状態で移動体を前進移動させてテープ送給を行った後、テープ送りチャックを開放して復帰移動させ、次に移動体を前進移動させて貼付ローラにてACFを貼り付けた後、チャック手段でセパレータテープを把持し、貼付ローラを退避させた状態で移動体を後退移動させて剥離ローラにてセパレータテープを剥離するようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
また、ACF貼付装置として、貼り付けるべきACFが基板の貼付部位上に対向位置するように積層テープを送給し、次に基板の貼付部位を基板支持体にて支持して加熱手段にて加熱し、貼付ローラにて積層テープを押圧した状態で貼付ローラを移動させて貼付部位にACFを貼り付け、その後貼付ローラを上方に退避させるとともに剥離ローラを動作位置に突出させて貼付ローラとともに復帰移動させることでセパレータテープを剥離するようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−211485号公報
【特許文献2】特許第3738603号明細書
【特許文献3】特開2007−324471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図11に記載の従来例では、基板42の貼付部位の長さに対応した長さの圧着ヘッド49を使用する構成であるため、圧着ヘッド49の圧着面49aと下受け部43の平行度及び平面度を高精度に確保しないと良好な品質の貼付状態が得られず、かつ基板42が大型化して貼付部位の長さが長くなると重厚長大な圧着ヘッド49が必要になって装置構成が大型になり、大型の装置構成でありながら高い精度が要求されるために大変高価な装置になり、また全長にわたって均一に押圧・加熱するための調整やメンテナンスにも手間がかかるという問題がある。また、積層テープの送給工程と、圧着機構部46の圧着ヘッド49が昇降動作する貼付工程と、剥離機構47が往復移動動作するセパレータテープの剥離工程とを順次行う構成であり、3つの往復動作工程を各別に順次行うためにACF貼付工程に時間がかかり、タクトタイムの短縮を図るのが困難であるという問題がある。
【0010】
一方、特許文献1に記載の構成では、大型の圧着ヘッドを用いる代わりに加熱ローラを用い、加熱ローラにて積層テープを加熱加圧しつつ基板を支持する基板テーブルを移動させてACFを貼り付けるようにしているので、貼付機構部の装置構成は大型にならず、平行度及び平面度に高い精度が要求されないので、装置構成の低コスト化と保守性の向上を図ることができるが、加熱ローラと基板の相対移動によるACFの貼付工程と、剥離機構の往復移動によるセパレータテープの剥離工程と、積層テープの送給工程とを順次行う構成であるため、ACF貼付工程に時間がかかり、ACF貼付工程のタクト短縮を図るのが困難であるという問題がある。また、加熱ローラにて加圧・加熱するようにしているが、ローラであるため線接触で加熱・ 加圧するので、熱伝達効率が悪くかつ局部的に加熱するので貼付速度を高めつつ所要熱量を伝達しようとすると、熱を受ける部分が逆に過熱されてACFを変質させる恐れがあり、また局部的に加圧した部分を移動させるので加圧された部分のACF中の導電粒子が両側に押し出されて導電粒子の分布密度にばらつきを生じる恐れがあるなどの問題も考えられる。
【0011】
また、特許文献2に記載の構成でも、積層テープの送給工程と、移動体の前進時の貼付ローラの移動によるACFの貼付工程と、移動体の後退時の剥離ローラの移動によるセパレータテープの剥離工程とを行う構成であるため、移動体を、積層テープの送給と、ACFの貼付及びセパレータテープの剥離のために2往復させる必要があり、やはりACF貼付工程に時間がかかり、ACF貼付工程のタクト短縮を図るのが困難であるという問題がある。
【0012】
また、特許文献3に記載の構成でも、加熱は基板支持体側の加熱手段にて行うようにしているが、積層テープの送給工程と、貼付ローラと剥離ローラの往復移動によるACFの貼付とセパレータテープの剥離の工程とを行うため、やはりACF貼付工程に時間がかかり、ACF貼付工程のタクト短縮を図るのが困難であるという問題がある。
【0013】
本発明は、上記従来の問題に鑑み、低コストの装置構成によって短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができる異方性導電材貼付装置及び貼付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の異方性導電材貼付装置は、セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを供給するテープ供給部と、テープ供給部から供給された積層テープを基板の側縁部にその長手方向に沿って設けられた貼付部位の上に配置するように案内するテープ案内手段と、積層テープをセパレータテープ側から押圧して異方性導電材を貼付部位に貼り付ける貼付手段と、貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離する剥離手段と、剥離したセパレータテープを回収するテープ回収部とを備えた異方性導電材貼付装置において、基板の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体を設け、移動体に、貼付手段と剥離手段及び異方性導電材を剥離したセパレータテープのチャック手段を配設し、移動体の一方向の移動時に貼付手段にて異方性導電材を貼付部位に貼り付けるとともに剥離手段にて貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離し、移動体の他方向への復帰移動時にチャック手段にてセパレータテープを把持して積層テープを送給するものである。
【0015】
この構成によれば、基板の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体に貼付手段と剥離手段とチャック手段を配設した構成であるため、高精度の平行度や平面度が要求されず、大型基板を対象とするものでも簡単で低コストの構成とすることができ、かつ移動体の一方向の移動時に異方性導電材の貼り付けとセパレータテープの剥離を行い、移動体の他方向への復帰移動時にチャック手段にてセパレータテープを把持して積層テープを送給するので、移動体の1回の往復移動にて異方性導電材の貼付を完了することができ、短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができる。
【0016】
また、貼付手段が、積層テープをセパレータテープ側から基板の貼付部位に押圧する平面状の押圧部を有するとともに加熱手段に熱的に結合された押圧ユニットと、押圧ユニットを押圧状態と押圧回避状態との間で切り替える切替手段とを備えていると、平面状の押圧部にて積層テープを押圧するので局部的に過大な荷重が作用する恐れがなく、適正かつ均一に押圧力と熱を付与することができ、異方性導電材中の導電粒子の分布密度に悪影響を与える恐れがなく、品質の高い貼り付け状態を高い信頼性をもって確保することができ、また押圧が不要な位置に達した時点で押圧回避状態に切り替えることで、貼付範囲外に影響を与えることなく確実に貼り付けることができる。なお、押圧ユニットに加熱手段を熱的に結合する方式としては、熱伝達方式でも、熱放射方式でも、電磁誘導加熱方式など任意の方式を適用することができる。
【0017】
また、押圧ユニットは中間部が支軸回りに揺動自在に支持され、押圧ユニットの一端側
に押圧部が配設されるとともに押圧ユニットの他端側に切替手段が配設され、押圧ユニットを支軸回りに回動付勢して押圧力を付与する押圧力付与手段と押圧力調整手段とが設けられていると、押圧ユニットが支軸回りに揺動自在であることで、押圧ユニットの自重やばねなどで回動付勢力を付与する簡単な構成にて積層テープをセパレータテープ側から基板の貼付部位に押圧する押圧方向の押圧ユニットの押圧力を付与できるとともに逆方向の回動付勢力を付与可能とすることで押圧力調整も容易に行え、また押圧ユニットの他端側を押し下げる簡単な切替手段によって押圧回避状態に切替えることができ、簡単な構成にて容易に適切に押圧力を付与することができる。
【0018】
また、基板の側縁部を支持する下受け部に加熱手段を配設すると、貼付部位に異方性導電材を貼り付ける際に、押圧部にて積層テープ側から基板の貼付部位に貼り付ける異方性導電材を加熱するだけでなく、基板の貼付部位もその下面側から加熱することで、高速にて貼り付ける場合にも所要の熱を確実に付与できて品質の良い貼付状態を確保することができる。
【0019】
また、移動体に、貼付移動時の移動方向前方位置で積層テープのセパレータテープに当接して転動するとともに積層テープの両側縁に係合する規制ローラを配設すると、貼付部位が長い場合でも、押圧部にて積層テープを押圧しながら摺動して異方性導電材を貼り付ける間に、積層テープが位置ずれするのを確実に規制することができるため、異方性導電材をその幅方向に精度良く貼り付けることができる。
【0020】
また、本発明の異方性導電材貼付方法は、セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを、基板の側縁部にその長手方向に沿って設けられた貼付部位の上に配置する配置工程と、基板の側縁部の長手方向に沿って移動する貼付手段にて一方向の移動時に積層テープをセパレータテープ側から押圧して貼付部位に異方性導電材を貼り付ける貼付工程と、一方向に、貼付手段とともに移動する剥離手段にて貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離する剥離工程と、貼付手段の他方向への復帰移動時にチャック手段にて異方性導電材を剥離したセパレータテープを把持して積層テープを送給する送給工程とを有するものである。
【0021】
この構成によると、上記のように貼付手段と剥離手段とチャック手段の1回の往復移動にて異方性導電材の貼付を完了することができ、短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができる。
【0022】
また、貼付工程は、所定温度に加熱制御された平面状の押圧部にてセパレータテープ側から積層テープを基板の貼付部位に押圧すると、平面状の押圧部にて積層テープを押圧するので積層テープの異方性導電材に局部的に過大な荷重が作用する恐れがなく、適正かつ均一に押圧力と熱を付与することができ、また異方性導電材中の導電粒子の分布密度に悪影響を与える恐れもなく、品質の高い貼り付け状態を高い信頼性をもって確保することができる。
【0023】
また、剥離工程は、一方向に移動時に、貼付手段にて貼付部位に異方性導電材を貼り付けた後、貼付手段を基板の貼付部位から離間する方向に退避させるとともにあるいは、退避させた状態で貼付手段とともに一方向に移動する剥離手段をさらに一方向に移動させることで剥離手段にて貼付部位の端までセパレータテープを剥離すると、次に貼り付けるべき異方性導電材に影響を与えることなく貼付部位の端まで確実に異方性導電材を貼り付けることができる。
【0024】
また、基板の側縁部を所定温度に加熱制御された下受け部にて支持して基板の側縁部の貼付部位を加熱すると、押圧部にて積層テープ側から基板の貼付部位に貼り付ける異方性
導電材を加熱するだけでなく、基板の貼付部位もその下面側から加熱することで、高速にて貼り付ける場合にも所要の熱を確実に付与できて品質の良い貼付状体を確保することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の異方性導電材貼付装置及び貼付方法によれば、基板の側縁部に沿って移動する移動体に貼付手段と剥離手段とチャック手段を配設した構成であるため、高精度の平行度や平面度が要求されず、簡単で低コストの構成とすることができ、かつ移動体の1回の往復移動にて異方性導電材の貼り付けとセパレータテープの剥離と積層テープの送給を行って異方性導電材の貼付を完了することができ、短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る異方性導電材貼付装置の一実施形態の全体斜視図。
【図2】同実施形態の要部構成を示す斜視図。
【図3】同実施形態を適用する基板の他の例を示す斜視図。
【図4】同実施形態の貼付機構部とその周辺構成を示す斜視図。
【図5】同実施形態の貼付機構部の拡大斜視図。
【図6】同実施形態の貼付機構部の構成を示す三面図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図。
【図7】同実施形態における貼付手段による貼付状態を示し、(a)は正面図、(b)はACFの下面図。
【図8】同実施形態におけるACF貼付工程の動作フロー図。
【図9】同実施形態におけるACF貼付工程の前半の動作説明図。
【図10】同実施形態におけるACF貼付工程の後半の動作説明図。
【図11】従来例の異方性導電材貼付装置の全体概略構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を、液晶表示パネルのガラス基板などの基板に、異方性導電材(以下、ACFと称す)を貼り付けるACF貼付装置に適用した一実施形態について、図1〜図10を参照して説明する。
【0028】
図1、図2において、本実施形態のACF貼付装置1は、基板2を支持して移動及び位置決めする位置決め手段3と、基板2のACFを貼り付けるべき貼付部位2aが配設されている側端部を下方から支持する下受け部4と、ACF5a(図5〜図7参照)をセパレータテープ5bに積層して成る積層テープ(以下、ACFテープと称す)5を上方から押圧してACF5aを基板2の貼付部位2aに貼り付けた後、ACF5aからセパレータテープ5bを剥離する貼付機構部6と、ACFテープ5を供給するテープ供給部7と、供給されたACFテープ5を下受け部4上に位置決めされた基板2の側縁部にその長手方向に沿って配設されている貼付部位2a上に配置するように案内するテープ案内手段8と、剥離されたセパレータテープ5bを回収するテープ回収部9にて構成されている。10は、ACF貼付装置1の搬入位置に搬入された基板2を位置決め手段3に移載する移載手段、1Aは、ACF貼付装置1の全体の動作制御を行う制御部である。
【0029】
テープ供給部7は、ACFテープ5が巻回された供給リール11と、供給リール11から引き出されて供給されるACFテープ5にテンションを付与するテンションローラ12と、供給されるACFテープ5の終端部を検出する終端検出センサ13と、供給されるACFテープ5においてセパレータテープ5bの片面に連続して積層されているACF5aに対して、基板2の貼付部位2aの長さに応じた長さ毎に切り込みを入れるカッター14とを備えている。なお、ACFテープ5の終端と新たに装着した供給リール11から引き
出したACFテープ5の始端とを、熱溶着や超音波接合等にて接続するテープ接続手段が設けられても良い。
【0030】
テープ案内手段8は、下受け部4の上部両側のテープ供給部7とテープ回収部9の下方位置にそれぞれ配設された上下位置切替可能な昇降板15a、15bと、昇降板15a、15bにACFテープ5とセパレータテープ5bをそれぞれ案内するように配設されたガイドローラ16a、16bと、テープ回収部9側の昇降板15bに配設され、セパレータテープ5bを把持固定するチャック17とを備え、昇降板15a、15bが下方位置に位置したときに、ガイドローラ16a、16b間に張設されたACFテープ5が下受け部4上に支持された基板2の貼付部位2a上に当接配置されるように構成されている。なお、基板2の側縁部には、図2に示すように、単一の長い貼付部位2aが配設されている場合に限らず、図3に示すように、基板2の側縁部に配設された電極部に対応する位置に複数の貼付部位2aが適当間隔置きに配設されている場合もある。また、テープ回収部9はセパレータテープ5bを吸引回収する吸引回収手段18にて構成されている。
【0031】
次に、本発明の要部である貼付機構部6の詳細構成について、図4〜図7を参照して説明する。貼付機構部6は、貼付位置と上方に退避した退避位置との間で昇降可能でかつ下受け部4上に位置決めされて支持されている基板2の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体20を備えており、この移動体20に、ACFテープ5をセパレータテープ5a側から押圧してACF5aを貼付部位2aに貼り付ける貼付手段21と、貼り付けられたACF5aからセパレータテープ5bを剥離する剥離手段22と、剥離したセパレータテープ5bを把持固定するチャック手段23とが配設されている。
【0032】
貼付手段21は、ACFテープ5をセパレータテープ5b側から押圧する平面状の押圧部25を一端部に有する押圧ユニット24を水平な支軸26回りに揺動自在に支持して成り、押圧部25と支軸26の間に、加熱手段としてのヒータブロック27が配設されている。具体的には、ヒータブロック27の他端側の端部が支軸26にて揺動自在に支持されるとともに、このヒータブロック27から熱伝導率の高い金属材料からなるコテ状部材28が一端側に向けて斜め下方に延出されるとともにその先端部に押圧部25が形成され、かつ押圧部25の先端25aはセパレータテープ5bに引っかかることなく円滑に摺動するようにせり上げられている。また、押圧部25のセパレータテープ5bに接する下面には摩擦抵抗を小さくしかつ押圧によってはみ出したACF5aが付着しないようにフッ素樹脂コーティングがなされている。また、ヒータブロック27は所要の熱容量を確保できるブロック体にヒータ27aを装着して構成されており、かつヒータブロック27はACFテープ5をセパレータテープ5b側から基板2の貼付部位に押圧する押圧方向にかかるその質量に作用する重力、すなわち支軸26にて揺動自在されるヒータブロック27の押圧方向の自重によって押圧部25に所定の押圧力を付与する押圧力付与手段としての機能も併せ持っている。
【0033】
押圧部25の具体的な数値例を示すと、その幅寸法は通常1〜2mm程度のACFテープ5の幅寸法より若干大きく、例えばACFテープ5の幅が1mmの場合、1.2〜1.5mm程度に設定され、長さは2mm以上で、3±1mm程度に設定するのが好適である。また、付与する押圧力は、ACF5aの物性によるが、1±0.5N/mm2 程度が適切である。ACFテープ5の幅が1mm、押圧部25の長さが3mmの場合、3N(約300g)の荷重を負荷するように設定するのが好適である。また、押圧部25の温度も、ACF5aの物性によるが、60〜100℃、現在汎用されているACF5aでは70℃程度が最適であり、押圧部25の温度がこの温度になるようにヒータブロック27の温度が調整される。このように、押圧部25による押圧力と加熱温度を適切に設定した状態でACF5aを貼り付けることで、図7(a)、(b)に示すように、ACF5a中の特により微細な導電粒子5Aの分布密度に悪影響を与えず、均等な分布密度を維持した状態で、ACF5aを貼付部位2aに適正に貼付けることができる。
【0034】
押圧ユニット24の支軸26より他端側には、押圧部25を押圧状態と押圧回避状態との間で切り替える切替手段29(図5参照)が配設されている。切替手段29は、具体的にはヒータブロック27から他端側に延長片30が延出され、その上部にソレノイドやエアシリンダなどの操作手段31が配設され、操作手段31を突出させて延長片30を押し下げることで、押圧ユニット24が押圧力付与手段による押圧力に抗して支軸26回りに回動し、押圧部25が上方に回動して基板2の貼付部位2aに貼り付けられるACFテープ5から離間するように構成されている。また、押圧ユニット24には、必要に応じて押圧部25の押圧力調整手段32(図6(b)参照)を設けておくのが好ましい。この押圧力調整手段32としては、図6(b)に仮想線で示すように、延長片30に支軸26に対して水平方向の遠近方向に位置調整可能に調整錘32aを装着するのが好適である。
【0035】
また、貼付部位2aの長手方向の長さが長い場合には、その貼付部位2aにACF5aを貼り付ける移動体20の移動工程中にACFテープ5が位置ずれするのを効果的に防止するため、図4に破線で示すように、移動体20の貼付移動時の移動方向の前方位置に、ACFテープ5のセパレータテープ5bに当接して転動するとともにACFテープ5の両側縁に係合してACFテープ5を貼付部位2aに貼り付ける前に案内する規制ローラ33を配設するのが好適である。また、基板2の側縁部を支持する下受け部4に基板加熱手段34を配設しておくと、基板2の貼付部位2aが加熱されるので、より確実かつ容易にACF5aを貼付けることができて好適である。
【0036】
剥離手段22は、移動体20の移動に伴って基板2の貼付部位2aに貼付けられたACFテープ5の上面に沿って転動しながら移動する押えローラ35と、押えローラ35の斜め上方に配置され、セパレータテープ5bを外周の一部に巻回させて移動体20の移動に伴ってセパレータテープ5bを剥離する剥離ローラ36にて構成されている。また、チャック手段23は、セパレータテープ5bを挟持できるように開閉可能に配設された一対の把持爪23a、23aと、開閉切替を行うソレノイドやエアシリンダなどのアクチュエータ23bにて構成されている。
【0037】
次に、以上の構成のACF貼付装置1にて基板2の側縁部の貼付部位2aにACF5aを貼り付ける工程を、図1および図8の動作フロー図と、図9、図10の動作説明図を参照して説明する。基板2がACF貼付装置1に搬入されると、位置決め手段3(X、Y、Z、θの移動軸を有する)にて基板2の側縁部を下受け部4上に位置決めして支持する。この状態に対応するように、ACFテープ5の送給を開始するため、図9の工程(a)に示すように、ガイドローラ16a、16b及び貼付機構部6の移動体20が退避位置に上昇位置し、貼付手段21の押圧部25を基板2の貼付部位2aに貼り付けられるACFテープ5から上側に離間する方向の退避位置に位置させた状態で、チャック17を開くとともに移動体20のチャック手段23を閉じてセパレータテープ5bを把持固定し、移動体20の矢印A方向への移動を開始する(ステップS1)。これにより、ACFテープ5が送給される。そして、移動体20が貼付部位2aの貼付け位置に対応する距離だけ矢印A方向に移動すると、図9の工程(b)に示すように、ACFテープ5の送給が完了する(ステップS2)。
【0038】
次に、図9の工程(c)に示すように、ガイドローラ16a、16b及び貼付機構部6の移動体20を矢印Bのように基板2の貼付部位2aにACFテープ5を貼り付ける高さ位置である貼付位置に下降させた後(ステップS3)、ACF5aの貼付けを開始するため、図9の工程(d)に示すように、チャック17を閉じてセパレータテープ5bを把持固定するとともに移動体20のチャック手段23を開き、切替手段29を動作させて押圧部25にてACFテープ5を押圧し、ACFテープ5に押圧力と熱を付与してACF5a
を貼付部位2aに加熱加圧して圧着するようにし、その状態でACFテープ5のACF5aを貼り付けられる基板2の貼付部位2aの貼付開始位置から矢印Cに示すように、移動体20の移動を開始して、移動体20の押圧部25にてACFテープ5に押圧力と熱を付与しながら移動して基板2の貼付部位2aへのACF5aの貼付けを開始する(ステップS4)。この移動体20の矢印C方向の移動に伴って、図9の工程(e)に示すように、貼付手段21の押圧部25によるACF貼付けと同時に、貼付けられたACF5aからセパレータテープ5bの剥離動作が剥離手段22により行われる(ステップS5)。
【0039】
次に、押圧部25が貼付部位2aの貼付終了位置を通過し切ると、図10の工程(f)に示すように、切替手段29を動作させて貼付手段21を回動させて押圧部25を基板2の貼付部位2aから離間する上側の方向に退避させるとともに(ステップS6)、その状態で移動体20の矢印C方向の移動はそのまま継続あるいは一旦停止した後、さらに移動し、剥離手段22の押えローラ35が貼付部位2aの貼付終了位置を通過し切ると、図10の工程(g)に示すように、セパレータテープ5bの剥離が完了した状態となり(ステップS7)、その時点で図10の工程(h)に示すように、貼付機構部6の移動体20の矢印C方向の移動を停止して矢印D方向に上昇移動させて退避位置に位置させる(ステップS8)。次に、図10の工程(i)に示すように、移動体20を、ACFテープ5に対して、押圧部25がセパレータテープ側から押圧してACF5aの押圧の開始が可能な位置であるACFテープ送り開始位置まで矢印A方向に移動させ、その後図9の工程(a)に戻って以上の動作を繰り返すことにより、基板2の各貼付部位2aにACF5aが順次貼付けられる。
【0040】
以上のように、本実施形態によれば、貼付機構部6の移動体20の一方向(矢印C方向)の移動時にACF5aの貼り付けとセパレータテープ5bの剥離を行い(図9(d)(e)〜図10(f)(g)参照)、移動体20の他方向(矢印A方向)への復帰移動時にチャック手段23にてセパレータテープ5bを把持してACFテープ5を送給する(図9(a)(b)参照)ので、移動体20の1回の往復移動にて基板2の側縁部の長手方向に沿って配設された貼付部位2aに対するACF5aの貼付を完了することができ、短いタクトでACF5aを貼り付けることができる。
【0041】
また、貼付機構部6を、基板2の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体20に貼付手段21と剥離手段22とチャック手段23を配設した構成としているので、コンパクトな構成とすることができるとともに、従来例の圧着ヘッドを備えたものに比して、高精度の平行度や平面度が要求されず、大型基板を対象とするものでも簡単で低コストの構成とすることができ、また調整や保守も格段に簡単になって作業能率が向上し、生産性を向上することができる。
【0042】
また、貼付手段21を、平面状の押圧部25を有するとともにヒータブロック27を有した押圧ユニット24と、押圧ユニット24を押圧状態と押圧回避状態との間で切り替える切替手段29とを備えた構成としたことで、平面状の押圧部25にて基板2の貼付部位2aにACFテープ5を押圧するので局部的に過大な荷重が作用する恐れがなく、適正な押圧力と熱を均一に付与することができ、またACF5a中の導電粒子5Aの分布密度に悪影響を与える恐れもないため、品質の高い貼り付け状態を高い信頼性をもって確保することができる。また、押圧が不要な位置に達した時点で押圧部25を基板2の貼付部位2aから離間させて押圧回避状態に切り替えるとともに、セパレータテープ5bの剥離動作は貼付部位2aの終端位置まで継続するようにしているので、貼付範囲外に影響を与えることなく貼付部位2aの全長にわたってACF5aを確実に貼り付けることができる。
【0043】
また、押圧ユニット24を中間部の支軸26回りに揺動自在な構成とし、この押圧ユニット24の一端側に押圧部25を配設するとともに押圧ユニット24の他端側に切替手段29を配設し、押圧ユニット24を支軸26回りに回動付勢して押圧力を付与する押圧力付与手段と加熱手段を兼用するヒータブロック27を押圧部25と支軸26の間に配設した構成としたことで、簡単な構成にて押圧部25に対する押圧力の付与と加熱を行うことができる。また押圧ユニット24の他端側を押し下げる簡単な切替手段29によって押圧回避状態に切替えることもできる。また、逆方向の回動付勢力を付与可能とすることで押圧力調整も容易に行うことができる。かくして、簡単な構成にて容易に適切な貼付状態を確保することができる。
【0044】
また、図4に破線で示すように基板2の側縁部を支持する下受け部4に基板加熱手段34を配設すると、貼付部位2aにACF5aを貼り付ける際に、押圧部25にてACFテープ5側から基板2の貼付部位2aに貼り付けるACF5aを加熱するだけでなく、基板2の貼付部位2aもその下面側から加熱することで、高速にて貼り付ける場合にも所要の熱を確実に付与できて品質の良い貼付状体を確保することができる。
【0045】
また、移動体20に、図4に破線で示すように貼付移動時の移動方向前方位置でACFテープ5のセパレータテープ5bに当接して転動するとともにACFテープ5の両側縁に係合してACFテープ5を貼付部位2aに貼り付ける前に案内する規制ローラ33を配設すると、貼付部位2aが長い場合でも、押圧部25にてACFテープ5を押圧しながら摺動してACF5aを貼り付ける間に、ACFテープ5が位置ずれするのを確実に規制することができるため、ACF5aをその幅方向に精度良く貼り付けることができる。
【0046】
なお、以上の実施形態では、ACFテープ5を押圧する押圧部として平面状の押圧部25を適用した例を示したが、場合によってはローラを適用しても良い。しかし、上述のように平面状の押圧部25を適用することで均一で品質の高い貼付状態を安定して確保することができて好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の異方性導電材貼付装置及び貼付方法によれば、基板の側縁部に沿って移動する移動体に貼付手段と剥離手段とチャック手段を配設した構成であるため、高精度の平行度や平面度が要求されず、簡単で低コストの構成とすることができ、かつ移動体の1回の往復移動にて異方性導電材の貼り付けとセパレータテープの剥離と積層テープの送給を行って異方性導電材の貼付を完了することができ、短いタクトで異方性導電材を貼り付けることができるので、基板に異方性導電材を貼り付けて各種部品を実装する部品実装装置に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 異方性導電材貼付装置(ACF貼付装置)
1A 制御部
2 基板
2a 貼付部位
4 下受け部
5 積層テープ(ACFテープ)
5a 異方性導電材(ACF)
5b セパレータテープ
6 貼付機構部
7 テープ供給部
8 テープ案内手段
9 テープ回収部
20 移動体
21 貼付手段
22 剥離手段
23 チャック手段
24 押圧ユニット
25 押圧部
26 支軸
27 ヒータブロック(加熱手段、押圧力付与手段)
29 切替手段
31 操作手段(ソレノイド)
32 押圧力調整手段
33 規制ローラ
34 基板加熱手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを供給するテープ供給部と、テープ供給部から供給された積層テープを基板の側縁部にその長手方向に沿って設けられた貼付部位の上に配置するように案内するテープ案内手段と、積層テープをセパレータテープ側から押圧して異方性導電材を貼付部位に貼り付ける貼付手段と、貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離する剥離手段と、剥離したセパレータテープを回収するテープ回収部とを備えた異方性導電材貼付装置において、
基板の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体を設け、
移動体に、貼付手段と剥離手段及び異方性導電材を剥離したセパレータテープのチャック手段を配設し、
移動体の一方向の移動時に貼付手段にて異方性導電材を貼付部位に貼り付けるとともに剥離手段にて貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離し、移動体の他方向への復帰移動時にチャック手段にてセパレータテープを把持して積層テープを送給することを特徴とする異方性導電材貼付装置。
【請求項2】
貼付手段は、積層テープをセパレータテープ側から基板の貼付部位に押圧する平面状の押圧部を有するとともに加熱手段に熱的に結合された押圧ユニットと、押圧ユニットを押圧状態と押圧回避状態との間で切り替える切替手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の異方性導電材貼付装置。
【請求項3】
押圧ユニットは、中間部が支軸回りに揺動自在に支持され、押圧ユニットの一端側に押圧部が配設されるとともに押圧ユニットの他端側に切替手段が配設され、押圧ユニットを支軸回りに回動付勢して押圧力を付与する押圧力付与手段と押圧力調整手段とが設けられていることを特徴とする請求項2記載の異方性導電材貼付装置。
【請求項4】
基板の側縁部を支持する下受け部に基板加熱手段を配設したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の異方性導電材貼付装置。
【請求項5】
移動体に、貼付移動時の移動方向前方位置で積層テープのセパレータテープに当接して転動するとともに積層テープの両側縁に係合する規制ローラを配設したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の異方性導電材貼付装置。
【請求項6】
セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを、基板の側縁部にその長手方向に沿って設けられた貼付部位の上に配置する配置工程と、
基板の側縁部の長手方向に沿って移動する貼付手段にて一方向の移動時に積層テープをセパレータテープ側から押圧して貼付部位に異方性導電材を貼り付ける貼付工程と、
一方向に、貼付手段とともに移動する剥離手段にて貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離する剥離工程と、
貼付手段の他方向への復帰移動時にチャック手段にて異方性導電材を剥離したセパレータテープを把持して積層テープを送給する送給工程とを
有することを特徴とする異方性導電材貼付方法。
【請求項7】
貼付工程は、所定温度に加熱制御された平面状の押圧部にてセパレータテープ側から基板の貼付部位に積層テープを押圧することを特徴とする請求項6記載の異方性導電材貼付方法。
【請求項8】
剥離工程は、一方向に移動時に、貼付手段にて貼付部位に異方性導電材を貼り付けた後、貼付手段を基板の貼付部位から離間する方向に退避させるとともにあるいは、退避させた状態で貼付手段とともに一方向に移動する剥離手段をさらに一方向に移動させることで
剥離手段にて貼付部位の端までセパレータテープを剥離することを特徴とする請求項6又は7記載の異方性導電材貼付方法。
【請求項9】
基板の側縁部を所定温度に加熱制御された下受け部にて支持して基板の側縁部の貼付部位を加熱することを特徴とする請求項6〜8の何れか1つに記載の異方性導電材貼付方法。
【請求項1】
セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを供給するテープ供給部と、テープ供給部から供給された積層テープを基板の側縁部にその長手方向に沿って設けられた貼付部位の上に配置するように案内するテープ案内手段と、積層テープをセパレータテープ側から押圧して異方性導電材を貼付部位に貼り付ける貼付手段と、貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離する剥離手段と、剥離したセパレータテープを回収するテープ回収部とを備えた異方性導電材貼付装置において、
基板の側縁部の長手方向に沿って移動可能な移動体を設け、
移動体に、貼付手段と剥離手段及び異方性導電材を剥離したセパレータテープのチャック手段を配設し、
移動体の一方向の移動時に貼付手段にて異方性導電材を貼付部位に貼り付けるとともに剥離手段にて貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離し、移動体の他方向への復帰移動時にチャック手段にてセパレータテープを把持して積層テープを送給することを特徴とする異方性導電材貼付装置。
【請求項2】
貼付手段は、積層テープをセパレータテープ側から基板の貼付部位に押圧する平面状の押圧部を有するとともに加熱手段に熱的に結合された押圧ユニットと、押圧ユニットを押圧状態と押圧回避状態との間で切り替える切替手段とを備えていることを特徴とする請求項1記載の異方性導電材貼付装置。
【請求項3】
押圧ユニットは、中間部が支軸回りに揺動自在に支持され、押圧ユニットの一端側に押圧部が配設されるとともに押圧ユニットの他端側に切替手段が配設され、押圧ユニットを支軸回りに回動付勢して押圧力を付与する押圧力付与手段と押圧力調整手段とが設けられていることを特徴とする請求項2記載の異方性導電材貼付装置。
【請求項4】
基板の側縁部を支持する下受け部に基板加熱手段を配設したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載の異方性導電材貼付装置。
【請求項5】
移動体に、貼付移動時の移動方向前方位置で積層テープのセパレータテープに当接して転動するとともに積層テープの両側縁に係合する規制ローラを配設したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の異方性導電材貼付装置。
【請求項6】
セパレータテープに異方性導電材を積層した積層テープを、基板の側縁部にその長手方向に沿って設けられた貼付部位の上に配置する配置工程と、
基板の側縁部の長手方向に沿って移動する貼付手段にて一方向の移動時に積層テープをセパレータテープ側から押圧して貼付部位に異方性導電材を貼り付ける貼付工程と、
一方向に、貼付手段とともに移動する剥離手段にて貼り付けられた異方性導電材からセパレータテープを剥離する剥離工程と、
貼付手段の他方向への復帰移動時にチャック手段にて異方性導電材を剥離したセパレータテープを把持して積層テープを送給する送給工程とを
有することを特徴とする異方性導電材貼付方法。
【請求項7】
貼付工程は、所定温度に加熱制御された平面状の押圧部にてセパレータテープ側から基板の貼付部位に積層テープを押圧することを特徴とする請求項6記載の異方性導電材貼付方法。
【請求項8】
剥離工程は、一方向に移動時に、貼付手段にて貼付部位に異方性導電材を貼り付けた後、貼付手段を基板の貼付部位から離間する方向に退避させるとともにあるいは、退避させた状態で貼付手段とともに一方向に移動する剥離手段をさらに一方向に移動させることで
剥離手段にて貼付部位の端までセパレータテープを剥離することを特徴とする請求項6又は7記載の異方性導電材貼付方法。
【請求項9】
基板の側縁部を所定温度に加熱制御された下受け部にて支持して基板の側縁部の貼付部位を加熱することを特徴とする請求項6〜8の何れか1つに記載の異方性導電材貼付方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図11】
【図10】
【公開番号】特開2010−272702(P2010−272702A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−123487(P2009−123487)
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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