説明

目的地予測システム、目的地予測方法及びプログラム

【課題】良い位置精度を常に得ることが難しい携帯電話等の端末でも目的地を予測できる目的地予測システム、目的地予測方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明は、端末の予測位置とその測定誤差とを検出する位置情報検出手段と、前記予測位置と測定誤差との複数の時系列の測定結果に基づいて、複数の測定結果の間を補間する位置情報補間手段と、前記複数の測定結果が補間された軌跡に属するエリアを通過した確率を計算するエリア存在確率分布検出手段とを有する目的地予測システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地予測システム、目的地予測方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カーナビゲーションの操作の簡易化、より効果的な位置情報サービスを実現するために、運転者は日常生活において同じ経路を移動していることが多いことを利用して、カーナビゲーションの移動履歴から移動軌跡と目的地の関係を学習し、現在までの移動軌跡から自動的に目的地を推測する方法が発明されている。その発明の代表例として、特許文献1のようなものがある。
【0003】
図13に示すように、この従来の目的地予測システムは、1はユーザが乗った車に搭載されたカーナビ、2はカーナビ1からの要求に応じて情報を提供するためのサーバ、3はカーナビ1とサーバ2とをつなぐ例えばインターネットなどのネットワークである。
【0004】
カーナビ1において、11はGPSなどを用いてユーザの車の現在位置に関する情報を検出する位置情報検出部であり、12は地図情報を記憶する地図データベースである。
【0005】
13は位置情報検出部11によって検出された現在位置と地図データベース12とを参照して、検出した現在位置が記憶すべき場所であるか否か(後述するノードであるか否か)を判定する記憶位置判定部、14は現在の日時を検出する日時検出部、15は記憶位置判定部13によって現在位置が記憶すべき場所であると判定されたとき、現在位置と日時検出部14によって検出された現在の日時とを対にして時系列に記憶する移動情報履歴蓄積部である。16は移動情報履歴蓄積部15に記憶されている位置と日時の情報(移動情報)の履歴から、時系列の移動パタンを検出する移動パタン検出部であり、17は所定のイベントが発生したとき、移動パタン検出部16によって検出された移動パタンからユーザの車の行き先を予測する行動予測部である。
【0006】
18は行動予測部17によって予測されたユーザの行き先に関する情報をネットワーク3を介してサーバ2から取得する情報取得部であり、19はユーザに対して、情報取得部18によって取得した情報や地図データベース12に格納された地図情報を例えば液晶ディスプレイに表示する情報提供部である。
【0007】
またサーバ2において、21はカーナビ1に対して情報を送受信するための情報送受信部であり、22はカーナビ1に対して送信するための情報を記憶している情報蓄積部である。
【0008】
このような構成を有する従来の目的地予測システムは概略つぎのように動作する。
【0009】
すなわち、記憶位置判定部13で出発位置/目的地を車のエンジンのon/offで検出し、その位置を記憶するとともに、出発地〜目的地までの移動の間、地図データベース12を参照しながら、交差点を通過するたびに通過軌跡として目的地および日時と対応付ける形で移動情報履歴蓄積部15に保存する。移動パタン検出部16は、図14に示したベイジアンネットワークを学習する。なお、図14中のエリアとは特許文献1においては交差点に該当する。行動予測部17においては、出発してからの経路と運転者、時間帯などからベイズ推定を行う。
【0010】
類似した方式は、本特許文献以外にもいくつか提案されている。例えば、非特許文献1においては、エリアとして、空間を正方形に区切ったグリッドと、移動履歴における分岐から分岐までの一辺の両方でモデルを作成し、推定したものもある。
【特許文献1】特許3816068号公報 (段落0020−0039、図1)
【非特許文献1】目的予測型カーナビゲーションシステムのための運転状況を考慮した目的地予測手法、大阪大学、三菱電機株式会社、DEWS2007、E9-5
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが,このような方式を携帯電話に適用した場合,以下の問題があった。
【0012】
第1の問題点は、正確にエリア内に存在していることを判定できないということである。その理由は、携帯電話で測位する場合、(特に屋内に存在する場合において)GPSの信号を受信できない場合が多く、その場合受信している基地局のIDや電界強度などから位置を推定するがその精度が悪いためである。
【0013】
第2の問題点は、位置の変化などから出発・到着を推定しなければならないということである。その理由は、携帯電話の場合、車と違って、出発・到着のシグナルが与えられないためである。
【0014】
そこで、本発明は上記課題に鑑みて発明されたものであって、その目的は、良い位置精度を常に得ることが難しい携帯電話等の端末でも目的地を予測できる目的地予測システム、目的地予測方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決する本発明は、端末の予測位置とその測定誤差とを検出する位置情報検出手段と、前記予測位置と測定誤差との複数の時系列の測定結果に基づいて、複数の測定結果の間を補間する位置情報補間手段と、前記複数の測定結果が補間された軌跡に属するエリアを通過した確率を計算するエリア存在確率分布検出手段とを有する目的地予測システムである。
【0016】
上記課題を解決する本発明は、端末の予測位置とその測定誤差とを検出し、前記予測位置と測定誤差との複数の時系列の測定結果に基づいて、複数の測定結果の間を補間し、前記複数の測定結果が補間された軌跡に属するエリアを通過した確率を計算する目的地予測方法である。
【0017】
上記課題を解決する本発明は、端末の予測位置とその測定誤差とを検出する位置情報検出処理と、前記予測位置と測定誤差との複数の時系列の測定結果に基づいて、複数の測定結果の間を補間する位置情報補間処理と、前記複数の測定結果が補間された軌跡に属するエリアを通過した確率を計算するエリア存在確率分布検出処理とを情報処理装置に実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、位置精度が悪い携帯電話等の端末でも目的地を予測できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の第1の実施の形態を説明する。
【0020】
図1は本実施の形態のブロック図である。
【0021】
図1を参照すると、本実施の形態は、位置情報検出部11’と、地図データベース12と、位置情報補間部100と、エリア存在確率検出部101と、日時検出部14と、記憶位置判定部13’と、移動情報履歴蓄積部15’と、移動パタン検出部16’と、行動予測部17’と、情報取得部18と、情報提供部19とから構成されている。尚、記憶位置判定部13’は、位置属性判定部13aを含む。移動パタン検出部16’は、エリア存在確率付学習部16bを含む。
【0022】
位置情報検出部11’は、GPSなどを用いてユーザの携帯電話などの端末の現在位置と測定誤差に関する情報とを検出する。
【0023】
地図データベース12には、地図情報が記憶されている。
【0024】
図2は地図データベース12に格納されたデータの例を示す図であり、本実施形態で参照するデータの一部を抜粋したものである。
【0025】
本実施形態では、地図を格子状などに区切った領域を「エリア」という概念で表すものとする。図2において、エリアIDは、これらエリアに唯一に割り当てられたID番号(識別情報)を示し、エリア境界を示す緯度・経度情報とともにそれぞれ記憶されている。この例では緯度、経度の大きさに応じてエリアに区切っているが、住所や携帯電話のセルなど違う領域でもよい。その場合も境界を表す緯度経度情報が格納されているものとする。
【0026】
なお、ID番号の代わりに、エリアの名称を、各エリアが唯一に特定できるように記述してもよい。すなわち、移動情報履歴蓄積部15’に蓄積される移動経路において、エリアが特定できればよい。
【0027】
また、この地図データベース12は、携帯電話などの端末で管理するものとしたが、例えば携帯電話事業者などが管理するサーバに蓄えられており、携帯電話がサーバに緯度・経度などの位置情報を送信すると、サーバがこれに対応するエリアIDを携帯電話に通知するようにしてもよい。
【0028】
位置情報補間部100は、位置情報検出部11’で検出された誤差を含む離散的な位置に対して補間処理を行い、誤差を含む連続的な軌跡を生成する。
【0029】
エリア存在確率検出部101は、位置情報補間部100で得られた軌跡をもとに、地図データベース12で定義された各エリアにどのくらいの確率で存在するかを検出する。
【0030】
記憶位置判定部13’は、検出した現在位置が記憶すべき場所であるか否かを判定する。位置属性判定部13aは、一定時間以上移動しなかった場所を基準に、そこから始めて場所が変化した場合、移動元の場所を出発地と判定し、いったん出発すると、一定時間以上移動しなくなった場所を検出するとそこを到着地と判定し、出発地から到着地までの移動を移動途中の経路と判定する。
【0031】
日時検出部14は、現在の日時を検出する。
【0032】
移動情報履歴蓄積部15’は、記憶位置判定部13’によって現在位置が記憶すべき場所であると判定されたとき、現在位置と日時検出部14によって検出された現在の日時とを対にして時系列に記憶する。
【0033】
移動パタン検出部16’は、移動情報履歴蓄積部15’に記憶されている位置と日時の情報(移動情報)の履歴から、時系列の移動パタンを検出する。エリア存在確率付学習部16aは、エリア存在確率検出部101で検出された確率つきの位置情報の履歴から、時系列の移動パタンを学習する。
【0034】
行動予測部17’は、所定のイベントが発生したとき、移動パタン検出部16’によって検出された移動パタンからユーザの行き先を予測する。
【0035】
情報取得部18は、行動予測部17’によって予測されたユーザの行き先に関する情報を取得する。
【0036】
情報提供部19は、ユーザに対して、情報取得部18によって取得した情報や地図データベース12に格納された地図情報を例えば液晶ディスプレイに表示する。
【0037】
次に、端末を持つ人の移動経路が移動情報履歴として移動情報履歴蓄積部15’に蓄積される処理の流れについて、図3のフローチャートを用いて説明する。
【0038】
まず、携帯電話などの端末の電源が入っているかどうか判定し(ステップS11)、電源が入っている場合、以下の処理を実行する。
【0039】
まず、位置情報検出部11’において、端末で現在位置を測位する(ステップS12)。この測位は、GPS、あるいは受信できる携帯電話基地局のIDおよび電界強度から算出される緯度経度情報でもよい。さらに、この測位においては測定誤差も合わせて検出する。例えば、NTTドコモ社の位置情報サービスにおいては、測定誤差の範囲をレベル1(水平誤差300m以上)〜レベル3(水平誤差50m未満)と3段階に通知されるが、それを利用して、レベル3のとき50m、レベル2のとき300m、レベル3のとき1Kmなどと指定することができる(参考 http://www.nttdocomo.co.jp/service/imode/make/content/gps/)。
【0040】
また、測定位置の緯度経度と測定誤差とを送信する別の形態として、端末が存在する可能性のある領域の境界を送る場合がある。例えば、NTTドコモ社のiエリアのように、地域が検出される場合は、地域コードと境界位置の緯度経度との対応関係を別途もっておき、検出された地域コードから境界位置をすべて検出する。
【0041】
携帯電話基地局やGPS以外の位置検出部として、Place Engine(http://www.placeengine.com)のように周辺の無線LANなどの電波から住所をもとめる方式もあるが、この場合も住所に対応する境界の緯度経度情報の対応を別途もっておき、検出された住所から境界の緯度経度情報を求める。
【0042】
次に、位置情報検出部11’が検出した端末の位置のエリア存在確率を計算する。
【0043】
この存在確率の計算例を図4に示す。図4では、エリアA1〜エリアA9の境界は地図データベース12にて事前に与えられているものとし、位置情報検出部11’で検出された位置の緯度・経度が図中の×の位置、その誤差の範囲は図中の円で示した領域であるとする。
【0044】
ここで、それぞれのエリアごとに円の領域が含まれる面積の比、もしくは検出位置(図中の×の位置)を最大としたガウス分布などをもちいた確率密度分布を積分して得られた値などをもとに、位置情報検出部11’で検出された位置がそれぞれのエリアに含まれる存在確率を算出する。その結果、例えば図4に示すように、エリアA2は0.20、エリアA3は0.05、エリアA5は0.6、エリアA6は0.15のような確率が得られる(全部足すと1になることに注意)。
【0045】
次に、位置情報補間部100において、端末の位置が測定された範囲をつなぐ軌跡の補間を行う(ステップS100)。
【0046】
図5はこの補間方式の例を示した模式図である。図5では、70に分割されたエリア内で出発地Aから目的地BまでP、Q、Rが観測された例を示している。なお、説明の便宜上、図中の左下をエリア(0,0)とし、各エリアは{(x,y)|xは左からの順番、yは下からの順番}と定める。A、B、P、Q、Rの丸で囲んだ領域は、ステップS12で、測定誤差から端末が存在する可能性のある領域として検出されたものである。補間される領域は、これら領域を検出された時刻順につないだものである。ここでは単純な方式として領域の接線(軌跡の境界線)を求め、その接線と検出された領域を囲む領域を補間された軌跡として検出している。これ以外に、スプライン曲線による補間や、マップマッチングによる補間などが考えられるがいずれの部を用いてもよい。
【0047】
次に、エリア存在確率検出部101において、補間された軌跡内の領域における各エリア存在確率を計算する(ステップS13)。この補間された軌跡内の領域における各エリア存在確率とは、出発地Aから目的地Bを移動する軌跡が当該エリアを通過する確率である。これは、軌跡に内接する円のうち、当該エリアを最も含む円を求め、その円の内部が当該エリアにどの程度含まれるかを示す割合から算出される。算出においては以下の処理を行う。
【0048】
まず、図5のように、補間される軌跡の中心線(図中の点線で示された線)を求める。これはA、B、P、Q、Rの中心間を結ぶ直線(スプライン曲線ならスプライン曲線、マップマッチングなら地図に規定された経路)を求めることによって算出することができる。
【0049】
次に、各エリアの中心と軌跡の中心線との距離が最小になる点を求める。これを図5の例を利用し説明すると、エリア(6,4)の中心O(6,4)から軌跡の中心線に垂線を引き、その垂線の足を当該点Mとして求めている。このように中心線が直線の場合は1点に定まるが、スプライン曲線やマップマッチングにより中心線を定める場合には垂線の足が複数存在することがあるので、その場合はそれぞれの点を求めて、距離が最小になる点を求めればよい。
【0050】
このようにして求めた点Mについて誤差の領域を計算する。この誤差の領域は、図5に示すように点Mを中心とし、軌跡の境界線に接する円を求めることによって定まる。それから、それぞれのエリアごとにこの誤差の領域が含まれる面積の比、もしくは点Mを最大としたガウス分布などをもちいた確率密度分布を積分して得られた値などをもとに、それぞれのエリアに含まれる存在確率を算出する。その結果、例えば図4に示すように、エリア(6,4)は0.80、エリア(5,4)は0.10、エリア(6,5)は0.10のような確率が得られる(全部足すと1になることに注意)。
【0051】
続いて、日時検出部14で現在時刻を検出し、ステップS100で得られた各エリアに時刻を対応付ける(ステップS14)。
【0052】
次に、位置属性判定部13aは、ステップS15〜ステップS17を実行し、得られた位置が出発地、到着地、移動途中、又はそれ以外のいずれかを判定する。
【0053】
まず、ステップS13で測位されたエリア確率の時系列変化を見て、移動中かどうか判定する(ステップS15)。これは、現在時刻から過去T(あらかじめ与えられた時間間隔)の間に位置が検出された点をO(i=0…N:ただし、i=0のときを現在時刻の位置とし、以下時刻が新しい順にi=1…Nとする)、それらの誤差の範囲をC(i=0…N:iの番号の振り方はOiと同様)とするとき、

を満たす場合、移動中であると判定する。
【0054】
なお、(式1)の

は、C(i=0…N)の重なりの領域の大きさ、
αはあらかじめ定めた定数、

は、C(i=0…N)のうち、もっとも領域の小さいものの広さを指す。
【0055】
ステップS15のもう1つの方法として、携帯電話などの端末に搭載された加速度センサを利用する方法もある。これは、加速度センサによって一定時間以上、加速度センサの出力値の分散が一定以上、振幅が一定以上あった場合は移動中であると判定することもできる。
【0056】
ステップS15で移動中と判定された場合、その1つ前の位置は停止状態であったか判定する(ステップS16)。これは、上記の位置O(i=1…N+1:ただし、i=1のときを現在時刻から1つ前に検出された位置とし、以下時刻が新しい順にi=1…N+1とする)、それらの誤差の範囲をC(i=1…N+1:iの番号の振り方はOと同様)とするとき、

を満たす場合、その1つ前の位置は停止状態であると判定する。
【0057】
ここで、ステップS16で、その1つ前の位置は停止状態であったと判定された場合、

を出発地として、OとCを移動中の経路としてステップS18の処理を実行する。また、ステップS16で、その1つ前の位置は停止状態でなかったと判定された場合、単にOとCを移動中の経路としてステップS19の処理を実行する。
【0058】
ステップS15で移動中でないと判定された場合、その1つ前の位置は移動状態であったか判定する(ステップS17)。これは、上記の位置O(i=1…N+1:ただし、i=1のときを現在時刻から1つ前に検出された位置とし、以下時刻が新しい順にi=1…N+1とする)、それらの誤差の範囲をC(i=1…N+1:iの番号の振り方はOと同様)とするとき、

を満たす場合、その1つ前の位置は移動状態であると判定する。
【0059】
ここで、ステップS17で、その1つ前の位置は移動状態であったと判定された場合、

を到着地として、ステップS20の処理を実行する。また、ステップS17で、その1つ前の位置は移動状態でなかったと判定された場合、何も処理を行わず、ある程度の時間を待って、ステップS12以降の処理を実行する。
【0060】
次に、移動情報履歴蓄積部15’に、出発地/到着地の情報、移動中のエリア、およびその際の日時を記憶する(ステップS18〜ステップS21)。
【0061】
図6、図7は移動情報履歴蓄積部15’に蓄積された移動情報履歴の例である。図6は、出発地、又は到着地を登録している。地点IDとは、出発地又は到着地を特定するIDである。なお、説明の便宜上、出発地と到着地を総称した概念を以降登録地点と呼ぶことにする。図6は、ステップS16、もしくはステップS17で、新しい出発地/到着地が生成されるたびに新しく割り当てられる。
【0062】
以降、ステップS16で、

が出発地として検出された場合を例にあげて説明する(以降の処理がステップS18に該当)。

とし、過去に同様にして得られた登録地点をCM−j(j=1…L)とすると、すべてのjについて、

が成立するとき、新しい登録地点として、図6で示されたリストにCM−NEWを登録する。この場合、中心北緯、東経は、O(i=1…N+1:Ciに対応する検出位置)の重心の北緯、東経を記憶する。誤差の範囲は、CM−NEWと同等の面積をもつ円の半径を算出し、その円の半径の長さを記憶する。累積滞在時間は、ON+1が検出されてからOが検出されるまでの時間間隔を記憶する。
【0063】
すべてのjについて(式4)が成立しない場合は、

を満たすjが少なくとも1つは存在するが、このときは、

が最大となるOM−jを求め、

を従来の登録地点に上書きする形で保存する。ただし、図6で記憶するには、

は形状が複雑で難しいことから、以下に示すように、

を円で近似して記憶する。
【0064】
M−NEWをO(i=1…N+1:Cに対応する検出位置)の重心とし、OM−jをCM−jに対応する各検出位置の重心とし、OM−NEWに滞在した累積滞在時間をTM−NEWとし、OM−jに滞在した累積滞在時間をTM−jとすると、OM−jとOM−NEWを、(TM−j:TM−NEW)で内分する点を新しい登録地点の中心とし、この中心の北緯東経をCM−jの北緯東経として更新する。また、

と同等の面積をもつ円の半径を算出し、その円の半径の長さをCM−jの誤差の範囲として更新する。また、CM−jの累積滞在時間を(TM−j+TM−NEW)に更新する。
【0065】
なお、1>β>αとすることによって、(式5)を満たすCM−jを極力1個にするように制限することが可能である。以上が、ステップS18の処理内容である。
【0066】
ステップS19では、OとCが移動軌跡と検出されているので、それを図7のように登録する。図6は、到着地点、出発地点、エリアID、存在確率、通過日時は対になって時系列に記憶されている。図中のP1は、ステップS18で求められた出発位置である。例えば、Oは図4のような位置に3月21日の午前8:20に通過した場合の例を挙げている。このように、Oが複数のエリアにまたがっている場合、それぞれのエリアごとに存在確率とともに履歴が蓄積される。この例では、OがエリアA2、A3、A5、A6に対して存在確率は、それぞれ、0.2、0.05、0.6、0.15であるため、そのように記載されている。なお、ステップS19の時点では、まだ到着地点は分からないので、登録されていない。
【0067】
次に、ステップS16においてその1つ前の位置は停止状態でなかったと判定された場合、OとCが移動軌跡と検出されるので、それを図7のように登録する(ステップS20)。ステップS20は、ステップS19と処理が同じなので、記載を省略する。
【0068】
最後に、ステップS17においてその1つ前の位置は移動状態と判定された場合、

を到着地として、以下の処理を実行する(ステップS21)。
【0069】
まず、ステップS18と同様の処理を行って、図7のようなリストに到着地の地点登録を行う。
【0070】
次に、C…Cについては、ステップS19の処理で図7のようなリストに途中経路として登録されているが、それを削除する。
【0071】
最後に、到着地を図7のようなリストに登録する。
【0072】
以上の処理により、図7のように、出発地から到着地までの一連の移動軌跡を時間情報とともに記憶することができる。
【0073】
次に、移動パタン検出部16’の動作について説明する。
【0074】
移動パタン検出部16’は、移動情報履歴蓄積部15に蓄積された移動情報履歴から、ユーザの移動傾向を抽出する。移動傾向は、移動情報履歴蓄積部15’に蓄積された全ての移動情報履歴の中から、出発地=目的地の組み合わせごとにエリアごとの存在確率の平均を格納したものである。この処理を図8の例を挙げて説明する。
【0075】
図8は、図5のような出発地Aから目的地Bへの移動において、ステップS14で各エリアでの存在確率を計算した結果を示す。このような結果を、出発地Aから目的地Bへの移動の複数の履歴から集めると、エリアごとの存在確率の分布を求めることが出来る。
【0076】
エリア存在確率分布検出部16bでは、得られた分布から各エリアにおいて、出発地s、目的地tとの組み合わせごとに平均を計算する。
【0077】
次に、ユーザの行動予測とそれに従ったユーザへの情報提供の処理について、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0078】
所定のイベントの発生が検知されると(ステップS21)、現在までの移動軌跡の出発地を取得する(ステップS111)。これは、図3のステップS18の結果を取得することによって実現する。
【0079】
次に、行動予測部17’は移動パタン検出部16’を参照して、ユーザの現在以降の行動を予測する(ステップS22)。なお、上述した移動パタン検出部16’の動作は、予めなされていてもよいし、この所定のイベントを検知したときに行われるようにしてもかまわない。
【0080】
なお、所定のイベントとしては例えば、端末の開閉、情報提供の要求操作などがあり、この他にも、所定の時間間隔などの定期的なタイミング、または新たな情報の入手時等が考えられる。
【0081】
ここで、行動の予測方法について説明する。ステップS111で現在までの移動の出発地が検出されている場合、過去の履歴からその出発地から向かう全ての移動パタンを検出する。つぎに、検出された各移動パタンにおいて、出発してから測位された位置の履歴から尤度を計算する。この尤度は、出発してからの経路をそれぞれRという事象で表現すると、すべての登録地点P(k=1..N)に向かう尤度L(P|R)は、以下のように求めることができる。

ただし、

は地点Pに向かう軌跡のエリアIDがiであるエリアの存在確率(ステップS14の処理結果)、

は出発してから測位された1つの位置Pが、エリアIDがiであるエリアに含まれる存在確率を示す。
【0082】
この尤度の計算を、図8、図10、図11を例に挙げて説明する。
【0083】
あるユーザの過去の移動履歴において、エリア存在確率分布検出部16bで検出された出発地Aから目的地Bへの移動パタンが図8、出発地Aから目的地Cへの移動パタンが図10であるとする。
【0084】
このとき、出発地Aからの移動が図11のS、T、Uのように観測されたとする。
【0085】
処理としては、まず、地点S、T、Uの各エリアに対する存在確率を、以下のように求める。
【0086】
例えば、図4に示すように、エリアA1〜エリアA9の境界は地図データベース12にて事前に与えられているものとし、位置情報検出部11’で検出された位置の緯度・経度が図中の×の位置、その誤差の範囲は図中の円で示した領域であるとする。ここで、それぞれのエリアごとに円の領域が含まれる面積の比、もしくは検出位置(図中の×の位置)を最大としたガウス分布などをもちいた確率密度分布を積分して得られた値などをもとに、位置情報検出部11’で検出された位置がそれぞれのエリアに含まれる存在確率を算出する。その結果、例えば図4に示すように、エリアA2は0.20、エリアA3は0.05、エリアA5は0.6、エリアA6は0.15のような確率が得られる(全部足すと1になることに注意)。
【0087】
このような方法により、各エリアに含まれる面積の比から以下のように求まったとする。
地点S エリア(2,1):0.4、エリア(3,1):0.6
地点T エリア(4,2):0.3、エリア(5,2):0.7
地点U エリア(6,2):0.2、エリア(7,2):0.8
すると、目的地Bに向かう尤度と、目的地Cに向かう尤度は以下のように求まる。
L(B|S→T→U) = 0.4*1.0 + 0.6*0.3 + 0.3*0.0 + 0.7*0.0 + 0.2*0.0 + 0.8*0.0 = 0.58
L(C|S→T→U) = 0.4*0.8 + 0.9*0.3 + 0.3*0.9 + 0.7*0.8 + 0.2*0.9 + 0.8*1.0 = 2.40
行動予測部17’は、このような尤度が所定の基準を満たす地点を、予測される行き先として選択する。
【0088】
所定の基準は例えば、予測の確からしさを示す閾値を定めておき、尤度がこの閾値×観測数よりも大きいこととする。例えば、上記の例で、閾値を0.7とすると、0.7×3(観測数はS、T、Uの3つ)を超える地点Cが今後進む目的地として予測される。
【0089】
また、現在までの経路情報による尤度では閾値を超える地点が存在しない場合には、現在以降測位される毎に確率を計算し直し、閾値を超える地点が見つかった時点で、進路に関して予測を行う、といったことが考えられる。
【0090】
あるいは、出発地Aから向かうすべての目的地に対し、尤度を算出し、その最大となる場所を目的地と推定することができる。例えば、上記の例では、出発地Aの場合の目的地はBとCの2つ存在するが、そのうちの尤度最大となる地点Cを今後進む目的地として推定するものである。
【0091】
いずれかの方法により、行動予測部17がユーザの行き先を、例えば、エリアA7であると予測すると、情報取得部18は、予測されたエリアA7の位置情報に関連する情報の検索が行われる(ステップS23)。検索に際しては、例えば、各情報に関連する位置情報をあらかじめ与えておき、登録地点からの中心との距離が一定値以内である、登録地点の誤差の範囲に入っているかどうかをもとに、検索することができる。そして、検索結果として、予測された目的地に近い情報を受信する。(ステップS24)
最後に、情報提供部19は受信した情報をユーザに表示する(S25)。提供方法としては例えば、ディスプレイ上に視覚的に表示したり、音声により聴覚的にユーザに伝達したりする方法などがある。
【0092】
本実施の形態では、位置情報補間部100で、離散的に測位された位置情報を補間し、エリア存在確率分布検出部16bで補間された軌跡をもとに、出発地=目的地の組み合わせ毎に存在確率を計算し、行動予測部17で、出発してから観測された各位置のエリア毎の存在確率に、エリア存在確率分布検出部16bで求めているエリア毎の存在確率を乗じることによって得られる目的地ごとの尤度を求め、目的地を予測することによって、位置測位が離散的に行えない状態でも目的地を予測できる。
【0093】
次に、本発明の第2の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0094】
図12を参照すると、本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態に加えて移動判定部200、変化点検出部201が追加されていることが構成上の特徴となっている。
【0095】
これらの部はそれぞれ概略つぎのように動作する。
【0096】
移動判定部200は、加速度センサなどによる移動を検出する。変化点検出部201では加速度センサの変化パタンを検出する。この変化とは、例えばウェーブレット変換や分散値の変化を使うことによって検出することができる。
【0097】
位置情報検出部11’は変化パタンを利用して、動的に間隔を変えながら位置を測位する。これは、変化してから同じ動きが継続すると同じ状態が続いているものと考えられるので、補間がしやすいためである。したがって、同じ動きが継続しているときは序々にサンプリングを粗くする。これ以降の部は、上述した実施の形態と同じであるため、説明を省略する。
【0098】
本実施の形態では、移動判定部200で携帯電話に内蔵された加速度センサの変動を求め、変化点検出部201で加速度センサのパタンの変動から位置取得に必要なタイミングを推定し、位置情報検出部11’は不必要なときは測位を間引き、必要なときは頻繁に位置を取得することにより、携帯電話の電池を節約することができる。また、測位に際し、携帯電話事業者が管理するサーバにアクセスする必要がある場合はその通信を節約することにより、通信により発生するパケット代を節約することができる。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明によれば、携帯電話を利用した情報配信、および携帯電話・ワンセグなどの放送を利用した広告配信といった用途に適用できる。また、携帯電話を利用した先回りの設定(行き先に応じた無線などの端末設定など)といった用途にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】図1は本実施の形態のブロック図である。
【図2】図2は地図データベース12に格納されたデータの例を示す図である。
【図3】図3は端末を持つ人の移動経路が移動情報履歴として移動情報履歴蓄積部15’に蓄積される処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】図4は存在確率の計算例を示す図である。
【図5】図5は補間方式の例を示した模式図である。
【図6】図6は移動情報履歴蓄積部15’に蓄積された移動情報履歴の例を示す図である。
【図7】図7は移動情報履歴蓄積部15’に蓄積された移動情報履歴の例を示す図である。
【図8】図8は図5のような出発地Aから目的地Bへの移動において、ステップS14で各エリアでの存在確率を計算した結果の例を示した図である。
【図9】図9はユーザの行動予測とそれに従ったユーザへの情報提供の処理のフローチャートである。
【図10】図10は尤度の計算を説明するための図である。
【図11】図11は尤度の計算を説明するための図である。
【図12】図12は第2の実施の形態のブロック図である。
【図13】関連する技術のブロック図である。
【図14】関連する技術のブロック図である。
【符号の説明】
【0101】
11’ 位置情報検出部
12 地図データベース
14 日時検出部
13’ 記憶位置判定部
13’a 位置属性判定部
15’ 移動情報履歴蓄積部
16’ 移動パタン検出部
17’ 行動予測部
18 情報取得部
19 情報提供部
16a エリア存在確率付学習部
101 エリア存在確率検出部
200 移動判定部
201 変化点検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末の予測位置とその測定誤差とを検出する位置情報検出手段と、
前記予測位置と測定誤差との複数の時系列の測定結果に基づいて、複数の測定結果の間を補間する位置情報補間手段と、
前記複数の測定結果が補間された軌跡に属するエリアを通過した確率を計算するエリア存在確率分布検出手段と
を有する目的地予測システム。
【請求項2】
端末の移動又は停止を判断し、その移動停止の時系列の変化から出発地、目的地又は途中経路を判定する位置属性判定手段を有する請求項1に記載の目的地予測システム。
【請求項3】
前記位置属性判定手段は、誤差のある位置の履歴のうち、時系列の誤差の範囲の重なりの変化から移動又は停止を判断し、その移動停止の時系列の変化から出発地、目的地又は途中経路を判定する請求項2に記載の目的地予測システム。
【請求項4】
前記位置属性判定手段は、一定時間間隔の誤差の範囲の重なりが、その時間内での最小の誤差の範囲を一定割合以上でカバーする場合には停止と判定し、それ以外の場合には移動と判定し、停止から移動へと変異した地点を出発地、移動から停止へと変異した地点を到着地、出発地から到着地までの移動した場所を途中経路として判定する請求項3に記載の目的地予測システム。
【請求項5】
前記位置属性判定手段は、端末に搭載された加速度センサによって一定時間以上、前記加速度センサの出力値の分散が一定以上、振幅が一定以上あった場合は移動中であると判定する請求項2に記載の目的地予測システム。
【請求項6】
現在までの確率的に求められたエリアの遷移と、前記エリア存在確率分布検出手段で検出された確率をもとに、目的地ごとに尤度を計算することにより、目的地を予測する行動予測手段を有する請求項1から請求項5のいずれかに記載の目的地予測システム。
【請求項7】
前記行動予測手段は、現在までの確率的に求められたエリアの遷移と日時の情報との履歴と、前記エリア存在確率分布検出手段で検出された確率とに基づいて、目的地ごとに尤度を計算し、目的地を予測する請求項6に記載の目的地予測システム。
【請求項8】
前記行動予測手段は、現在までに測位された位置それぞれにおいて、エリアごとの第1の存在確率を求め、前記エリア存在確率分布検出手段で求められた各目的地の当該エリアの第2の存在確率と前記第1の存在確率との積を計算し、全エリアで計算された積の和を尤度とし、目的地を予測する請求項6に記載の目的地予測システム。
【請求項9】
前記行動予測手段は、前記尤度が測位された位置の数と一定値の積を超えた場合、目的地として予測する請求項8に記載の目的地予測システム。
【請求項10】
前記行動予測手段は、前記尤度が測位された位置の数と一定値の積が最大となる目的地を、予測目的地として推定する請求項8に記載の目的地予測システム。
【請求項11】
加速度センサにより移動を検出する移動判定手段と、
前記移動判定手段により検出された信号をもとに変化パタンを検出する変化点検出手段と
とを有し、
前記位置情報検出手段が、前記変化パタンを利用して、動的に間隔を変えながら位置を測位する
請求項1から請求項11のいずれかに記載の目的地予測システム。
【請求項12】
前記位置情報検出手段が、同じ動きが継続しているときは序々にサンプリングを粗くする請求項11に記載の目的地予測システム。
【請求項13】
端末の予測位置とその測定誤差とを検出し、
前記予測位置と測定誤差との複数の時系列の測定結果に基づいて、複数の測定結果の間を補間し、
前記複数の測定結果が補間された軌跡に属するエリアを通過した確率を計算する
目的地予測方法。
【請求項14】
端末の移動又は停止を判断し、その移動停止の時系列の変化から出発地、目的地又は途中経路を判定する請求項1に記載の目的地予測方法。
【請求項15】
誤差のある位置の履歴のうち、時系列の誤差の範囲の重なりの変化から移動又は停止を判断し、その移動停止の時系列の変化から出発地、目的地又は途中経路を判定する請求項14に記載の目的地予測方法。
【請求項16】
一定時間間隔の誤差の範囲の重なりが、その時間内での最小の誤差の範囲を一定割合以上でカバーする場合には停止と判定し、それ以外の場合には移動と判定し、停止から移動へと変異した地点を出発地、移動から停止へと変異した地点を到着地、出発地から到着地までの移動した場所を途中経路として判定する請求項15に記載の目的地予測方法。
【請求項17】
端末に搭載された加速度センサによって一定時間以上、前記加速度センサの出力値の分散が一定以上、振幅が一定以上あった場合は移動中であると判定する請求項14に記載の目的地予測方法。
【請求項18】
現在までの確率的に求められたエリアの遷移と、前記エリア存在確率分布検出手段で検出された確率をもとに、目的地ごとに尤度を計算することにより、目的地を予測する行動予測手段を有する請求項13から請求項17のいずれかに記載の目的地予測方法。
【請求項19】
現在までの確率的に求められたエリアの遷移と日時の情報との履歴と、前記エリア存在確率分布検出手段で検出された確率とに基づいて、目的地ごとに尤度を計算し、目的地を予測する請求項18に記載の目的地予測方法。
【請求項20】
現在までに測位された位置それぞれにおいて、エリアごとの第1の存在確率を求め、前記エリア存在確率分布検出手段で求められた各目的地の当該エリアの第2の存在確率と前記第1の存在確率との積を計算し、全エリアで計算された積の和を尤度とし、目的地を予測する請求項19に記載の目的地予測方法。
【請求項21】
前記尤度が測位された位置の数と一定値の積を超えた場合、目的地として予測する請求項20に記載の目的地予測方法。
【請求項22】
前記尤度が測位された位置の数と一定値の積が最大となる目的地を、予測目的地として推定する請求項20に記載の目的地予測方法。
【請求項23】
加速度センサにより移動を検出し、
前記移動判定手段により検出された信号をもとに変化パタンを検出し、前記変化パタンを利用して、動的に間隔を変えながら位置を測位する
請求項13から請求項22のいずれかに記載の目的地予測方法。
【請求項24】
同じ動きが継続しているときは序々にサンプリングを粗くする請求項23に記載の目的地予測方法。
【請求項25】
端末の予測位置とその測定誤差とを検出する位置情報検出処理と、
前記予測位置と測定誤差との複数の時系列の測定結果に基づいて、複数の測定結果の間を補間する位置情報補間処理と、
前記複数の測定結果が補間された軌跡に属するエリアを通過した確率を計算するエリア存在確率分布検出処理と
を情報処理装置に実行させるプログラム。
【請求項26】
端末の移動又は停止を判断し、その移動停止の時系列の変化から出発地、目的地又は途中経路を判定する位置属性判定処理を有する請求項25に記載のプログラム。
【請求項27】
現在までの確率的に求められたエリアの遷移と、前記エリア存在確率分布検出手段で検出された確率をもとに、目的地ごとに尤度を計算することにより、目的地を予測する行動予測処理を有する請求項25又は請求項26に記載のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−145115(P2010−145115A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−319578(P2008−319578)
【出願日】平成20年12月16日(2008.12.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】